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特表2024-544914高電圧直流回路保護システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】高電圧直流回路保護システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 39/00 20060101AFI20241128BHJP
   B60L 3/04 20060101ALI20241128BHJP
   H02H 3/087 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01H39/00 C
B60L3/04 D
H02H3/087
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527504
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2022025498
(87)【国際公開番号】W WO2023083491
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】17/524,170
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス,ロバート スティーブン
【テーマコード(参考)】
5G004
5H125
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004BA03
5G004DA02
5H125AA01
5H125AC12
5H125CD04
5H125EE51
(57)【要約】
高電圧直流回路保護システムは、互いに直列に接続され、周期的電流負荷に応答する金属疲労を回避するように製造された数n個の弱化回路導体を含む。本システムはまた、それぞれの弱化回路導体を切断するように動作可能な対応する数n個の切断要素と、切断要素のうちの1つに作用する少なくとも1つのエネルギー蓄積要素と、少なくとも1つのエネルギー蓄積要素内に蓄積エネルギーの放出を引き起こし、切断要素のうちの少なくとも1つの切断要素の変位を引き起こして、それぞれの弱化回路導体を切断する制御要素と、弱化回路導体の各それぞれに近接して配置された対応する数n個のアークチャンバとを含み、nは1よりも大きい整数であり、弱化回路保護装置との回路保護装置調整は必要とされない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧直流回路保護システムであって、
互いに直列に接続された数n個の弱化回路導体であって、前記数n個の弱化回路導体の各々は、周期的電流負荷に応答する金属疲労を回避するように形成され製造される、数n個の弱化回路導体と、
それぞれの前記数n個の弱化回路導体を切断するように動作可能な対応する数n個の切断要素と、
前記数n個の切断要素のうちの1つに作用する少なくとも1つのエネルギー蓄積要素と、
前記少なくとも1つのエネルギー蓄積要素内に蓄積エネルギーの放出を引き起こし、前記切断要素のうちの少なくとも1つの切断要素の変位を引き起こして、前記それぞれの弱化回路導体を切断する制御要素と、
前記数n個の弱化回路導体の各それぞれの弱化回路導体に近接して配置された対応する数n個のアークチャンバと
を備え、
nは1よりも大きい整数であり、前記弱化回路保護装置との回路保護装置調整は必要とされない、
システム。
【請求項2】
前記数n個の弱化回路導体は、共通の中心線上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記数n個の弱化回路導体は、互いに間隔を置いて平行な平面内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記弱化回路導体およびアークチャンバの各々は、150VDC以下の電圧電位で安全に動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記弱化回路導体と直列に接続されたバッテリをさらに備え、前記バッテリは、450VDC以上の電圧電位で動作する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記数nは少なくとも3である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのエネルギー蓄積要素は、火工式エネルギー蓄積要素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記火工式エネルギー蓄積要素を起動するための少なくとも1つの点火装置をさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの火工式エネルギー蓄積要素は、各々が前記数n個の切断要素のうちの1つに近接して位置付けられた対応する数n個の火工式エネルギー蓄積要素を備え、前記少なくとも1つの点火装置は、対応する数n個の点火装置を備え、前記数n個の点火装置の各々は、前記数n個の火工式エネルギー蓄積要素のうちの1つに近接してそれぞれ位置付けられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのエネルギー蓄積要素は、対応する数n個のエネルギー蓄積要素を備え、前記数n個のエネルギー蓄積要素の各々は、前記切断要素のうちの1つに近接している、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御要素は、前記数n個のエネルギー蓄積要素のすべてに、蓄積エネルギーを放出させるように動作可能な単一の制御要素である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記単一の制御要素は、前記数n個のエネルギー蓄積要素から蓄積エネルギーを同時に放出させる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記数n個のエネルギー蓄積要素は、それぞれの時間遅延を伴って、蓄積エネルギーを放出する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記数n個の切断要素は、物理的に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記数n個の切断要素の各々は、共通軸に沿って配置される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのエネルギー蓄積要素は、前記物理的に連結された切断要素の変位を引き起こす単一のエネルギー蓄積要素である、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
ライン側端子および負荷側端子をさらに備え、前記数n個の弱化回路導体は、前記ライン側端子ブレードと前記負荷側端子ブレードとの間に延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記ライン側端子および前記負荷側端子は端子ブレードを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムが受動回路保護ヒューズを含まない、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
450VDC以上の電圧電位で動作する電気車両電力システムと組み合わされる、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、一般に、電力システム回路保護システムに関し、より具体的には、弱化回路導体(weakened circuit conductor)を遮断するための推進切断要素を有する能動回路保護装置を含む高電圧直流回路保護システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過電流保護装置は、電力システム内の構成要素および回路を、損傷を与える可能性のある過電流状態から保護するために広く使用されている。過電流回路保護装置は、ヒューズを通って流れる電流を遮断するために電流によって加熱および溶断されるヒューズ素子を含む過電流保護ヒューズなどの受動装置、または装置内の蓄積エネルギー(stored energy)の助けを借りて回路導体を遮断する能動装置であり得る。
【0003】
ライン側接続端子および負荷側接続端子と、装置内の位置でライン側端子および負荷側端子を互いに切り離すために蓄積エネルギーを放出する火工式分離機構とを含む、火工式分離装置(pyrotechnic disconnect device)などの能動回路保護装置が知られている。装置内で放出された蓄積エネルギーが切断工具を推進し、この切断工具が、装置のライン側接続端子と負荷側接続端子との間に相互接続された弱化導体部分を機械的に切断する。一旦起動されると、そのような装置は、ライン側回路において所定の故障状態が発生したときに、火工式回路保護装置を介してライン側回路から負荷側回路を電気的に絶縁し、そうしなければ故障状態が呈する可能性のある負荷側回路への起こり得る損傷を防ぐ。
【0004】
慣例的に実施されているように、火工式分離装置は、故障状態が識別されたときに、装置を通って完成される回路内の電気エネルギー(電圧および電流)にかかわらず、迅速かつ確実に動作するので有利である。これは、装置を開くのに必要なエネルギーが、(可溶性回路保護装置にあるような)回路故障のエネルギーまたは(従来の回路遮断器装置にあるような)蓄積された機械的エネルギーではなく、火工式ユニット内の化学的に蓄積された供給源から来るためである。火工式分離装置は、低電圧電力システムで良好に機能することが知られているが、回路保護装置に極端な要求を課す特定のタイプの電気車両電力システムを含むがこれらに限定されない高電圧電力システムで使用するには、いくつかの点で不利である。したがって、既存の回路保護装置の解決策は、市場のニーズを完全に満たすには至っていない。したがって、改善が望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
非限定的かつ非網羅的な実施形態が、以下の図を参照して説明され、ここで、同様の参照番号は、別段の指定がない限り、様々な図全体を通して同様の部分を指す。
図1】通常動作状態における例示的な低電圧能動回路保護装置を示す。
図2】装置内の回路導体を切断するために作動した後の低電圧能動回路保護装置を示す。
図3】高電圧電力システムにおける動作のための並列接続されたアーク分流ヒューズを有する、図1および図2に示される低電圧能動回路保護装置要素を含む第1の例示的な回路図である。
図4】高電圧動作のために、図1および図2に示される低電圧能動回路保護装置を配置したものを含む第2の例示的な回路図である。
図5図4に示される配置における低電圧能動回路保護装置の作動を示す。
図6】高電圧動作のための、図1および図2に示される低電圧能動回路保護装置の第3の例示的な回路概略図である。
図7図6に示される低電圧能動回路保護装置の作動を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
低電圧能動回路保護装置を含む高電圧回路保護システムの例示的な実施形態が以下で説明され、これは、以下でさらに説明される特定の高電圧および電流の問題を提示する特定のタイプの電動車両(本明細書ではEVと呼ぶ)などであるが必ずしもこれに限定されない、極端な周期的電流負荷を伴う特定のタイプの電力システムにおける困難な問題を有利に克服する。方法の態様は、以下の説明において部分的に明らかになり、部分的に明示的に説明される。
【0007】
EV用の電力システムは、内燃エンジンを搭載した従来の車両の電力システムよりもかなり高い電圧で動作する。動作電圧が高いほど、EVのバッテリは、電源からより多くのエネルギーを蓄積し、EVの電気モータにより多くのエネルギーを提供することができる。少なくともいくつかの既知のEV電力システムは、450VDCもの高い電圧で動作し、電力システム内の主要構成要素および負荷回路を保護するために必要な回路保護装置構成要素に対して非常に要求の厳しい動作条件をもたらす。
【0008】
特に、現代のEVの動作電圧の上昇により、配電システム内の過電流状態からバッテリを安全かつ確実に保護することが非常に重要になってきている。一次車両駆動バッテリは、今日では、数万アンペアとは言わないまでも数千アンペア程度の短絡電流を供給することができる。加えて、バッテリの重量およびサイズを小さく保つために、EVバッテリの電圧電位は、800VDCまで上昇しており、EV電力システムの継続的な革新においてはさらにより高くなる可能性があり、実質的により高い電圧条件で高過電流状態を遮断する際にさらなる課題を提示する。
【0009】
現代の電力ヒューズは、多くの高電圧電気用途、特に今日の商業および産業用途の分野において多く使用されている。そのような現代の電力ヒューズは、所定の過電流状態に応答してヒューズ素子を受動的に溶断させることによって、EV電力システムに存在する電流に匹敵する高電圧の電流を遮断することができる。しかしながら、全バッテリ式電気自動車(BEV)分野では、従来の電力ヒューズまたは従来の回路遮断器でさえも実際には実現することができない回路保護性能に対する特別なニーズが生まれた。
【0010】
電気ヒューズに関して、EVは、有意な大きさ(例えば、数百アンペア)の急激に変化する正と負の電流のサイクルを含む、一見ランダムな電流プロファイルにさらされる。ヒューズのそのような周期的な負荷は、次に、ヒューズ素子に周期的な熱機械的歪みを課し、望ましくないことに、ヒューズがその所望のまたは他の方法で予想される耐用年数の終了前に早期に開く原因となる。この周期問題は、ヒューズ疲労としても知られている。EV電力システムにおけるヒューズ疲労問題に対処するために、革新的な電力ヒューズが最近導入され、ある程度の成功を収めているが、それらは、所望の特徴をサポートするためにより極端な電流負荷が必要とされる特定のタイプの高性能EVにはうまく適合していない。
【0011】
例えば、特定のタイプのEVにおける高出力車両牽引性能特徴の実装は、そのような高性能能力を有さないより典型的なEV電力システムよりも、比較的極端な周期的な熱機械的歪みを金属ヒューズ素子に与える。これは、高性能EVの高加速モードにおいて特に当てはまり、課される関連の周期的な熱機械的歪みは、EV用途における周期的な負荷およびヒューズ疲労に耐えるように特に設計された電力ヒューズの能力を容易く超えてしまい、この場合もやはり、ヒューズがその所望のまたは他の方法で予想される耐用年数の終了のかなり前に早期に開く原因となる。高性能EVにおけるそのような極端なヒューズ疲労問題は、まず第1に、高性能車両のEVバッテリのエネルギー量が限られており、EV電力システムの所望の回路保護を損なうことなく電力ヒューズアンペア容量を増加させることだけでヒューズ疲労問題を解決することができない場合、さらに困難になる(further challenged)。
【0012】
上記で説明したタイプの高性能EV電力システムにおいて明確な解決策のない、ヒューズにおける上記の極端な周期的電流金属疲労問題を考慮すると、回路保護ヒューズは、一般に、特定のタイプのEVでは一次回路保護装置として好まれなくなっている。事実上、ヒューズ疲労問題を排除する唯一の方法は、電力ヒューズを排除することである。その結果、高性能EVの製造業者は、代替の解決策を求めて他のタイプの回路保護装置に目を向けている。
【0013】
回路遮断器装置は、特定のタイプの過電流状態、特に短絡状態に対して応答が望ましくないほど遅い可能性があり、したがって、EV電力システムに適した候補ではない。一般的に言えば、電力ヒューズは、ほぼ瞬間的に短絡状態を遮断するように動作するが、回路遮断器が遮断器の接点の状態を物理的に変化させるにはある程度の時間がかかる。そのため、電力ヒューズは一般に、同じ短絡にさらされた場合、回路遮断器が開く前に開くことになり、このため、多くの産業用途では、機械式回路遮断器および電力ヒューズは、回路遮断器自体の能力を超えて遮断器とヒューズの組合せの短絡応答を向上させるために、選択的に調整されたペアで接続されることが多い。しかしながら、上記で説明したヒューズ疲労問題があるので、ヒューズおよび回路遮断器の使用は、EV電力システムでは推奨されない。
【0014】
図1および図2は、周期的電流負荷に対して電力ヒューズよりも耐性があり、したがって、検出された過電流状態を遮断するために所望の時間枠内で依然として動作しながら、より高性能のEV電力システムにおける電力ヒューズのような金属疲労および早期故障に悩まされない能動回路保護装置100を示す。本説明の目的のために、装置100は、装置100を通して完成される電気回路(電圧および電流)内に提示されるエネルギーから独立した蓄積エネルギー源によって「能動(active)」である。そのような「能動」装置は、接続された電気回路の電気エネルギーに関してのみ動作し、したがって、過電流状態を遮断する装置の動作を支援するための蓄積エネルギー源がない、電力ヒューズなどの「受動(passive)」装置とは特に対照的である。具体的には、「能動」装置の蓄積エネルギーが可動機械要素を作動させて、装置を通る回路を恒久的に遮断する。
【0015】
図1および図2の例における能動回路保護装置100は、頑丈なプラスチックまたは当技術分野で知られている別の適切な材料などの非導電性材料から形成され製造された概して矩形またはボックス状のハウジング102を含む。ハウジング102は、単一の部品で形成されてもよいし、互いに組み立てられる複数の部品として形成されてもよい。図示されたボックス状のハウジングの代わりに、ハウジングの様々な代替的な形状、輪郭、比率、および構成が利用され得る。
【0016】
ライン側端子104および負荷側端子106は、それぞれ電力システム内のライン側回路130および負荷側回路132への電気接続を確立するために、ハウジング102の両側から突出する。ライン側回路または電源回路は、例えば、車両バッテリを含み得、負荷側回路は、バッテリを通して電力が供給される車両内の電気負荷を表す。図示の例におけるライン側端子104および負荷側端子106は、車両電力システム内の導体へのボルトオン接続のために形成された開口部を含む端子ブレードである。しかしながら、様々な他のタイプおよび構成の端子ブレードが知られており、代替的な実施形態では装置100と共に使用されてもよい。場合によっては、端子104、106は、車両電力システムの導体バス構造に接続されるコネクタ端子を備えるホルダなどの回路保護アクセサリの端子に接続されてもよい。
【0017】
企図される実施形態では、ハウジング102の内部でライン側端子104と負荷側端子106とを相互接続するのは、導電性金属または金属合金から製造された弱化回路導体108である。弱化回路導体は、ライン側端子および負荷側端子と一体構成で一体的に製造されてもよいし、企図される実施形態では、別個に設けられ、ライン側端子104および負荷側端子106に組み付けられてもよい。弱化回路導体108は、ライン側端子104および負荷側端子106に対して減少した断面積を有し、したがって、低下した構造強度および剛性を有する。弱化回路導体108は、図1および図2に示されるものを含むがこれらに限定されない様々な形状および幾何学的形状で形成することができる。しかしながら、好ましくは、弱化回路導体108は、周期的電流負荷による望ましくない金属疲労の一因となり得る打抜き開口部などは回避する。電力ヒューズのヒューズ素子内に弱いスポットを画定する打抜き開口部は、金属疲労を非常に受けやすいことが理解される。そのため、弱化回路導体108は、金属疲労を踏まえて設計されるべきである。しかしながら、弱化回路導体内に開口部が望まれる場合、それらは、周期的電流負荷を課すEV電力システムなどの車両の動作において弱化回路導体108の動作に金属疲労をもたらさないような方法で形成され製造される限り、必ずしも禁止されない。
【0018】
図1および図2に示すように、弱化回路導体108は、弱化回路導体108の減少した断面積および低下した構造強度を提供するために、端子104、106よりも厚さ(図1および図2が記載されているページの平面に平行な平面で測定される)が大幅に薄い細長い金属ストリップ要素として単純に成形される。さらなる実施形態および/または代替の実施形態では、弱化回路導体108は、同様に、必要に応じて、別の寸法(例えば、厚さ寸法に対して垂直に、かつ図1および図2を含むページの平面に対して垂直に測定される幅寸法)が縮小されてもよい。弱化回路導体106の湾曲した側縁部および輪郭も同様に、弱化回路導体108の断面積をその軸方向長さに沿って変化させることが可能である。そのため、弱化回路導体108の減少した断面積は、その軸方向長さに沿って一定であってもよいし、軸方向長さに沿って可変であってもよい。これの点では、多数の変形が可能である。
【0019】
装置100は、遠位端に切断刃を含む破断ナイフなどの切断要素110をさらに含む。切断要素110は、図1および図2において特定の形状および幾何学的形状で示されているが、他の形状および幾何学的形状も可能である。切断要素110は、企図される実施形態では、プラスチックまたはセラミックなどの非導電材料から形成され製造される。切断要素110は、切断刃が弱化回路導体108に面するように向けられた状態で、ハウジング102内の弱化回路導体108に近接して位置付けられる。
【0020】
蓄積エネルギー源112は、切断要素110に近接して装置100内に位置付けられる。蓄積エネルギー源112は、いくつかの実施形態では、爆発性エネルギー化学要素であってもよく、したがって、装置100は、火工式分離装置と呼ばれることがある。しかしながら、別の実施形態では、爆発性の火工式エネルギー蓄積部の代わりに、蓄積された機械的エネルギー、蓄積された電気エネルギー、および蓄積された化学エネルギーが、装置100内に代替的に提供されてもよいことが認識される。
【0021】
火工式装置の図示の例では、制御回路116に応答する点火要素114が設けられている。制御回路116が、問題のある過電流状態が存在すると決定した場合、点火装置114を動作させるトリガ信号を提供し、次に、エネルギー源112内の爆発性の火工式エネルギー蓄積部に点火する。エネルギー源112の点火により、蓄積エネルギーが爆発的に放出され、装置100内の隣接する切断要素110を変位させる。具体的には、蓄積エネルギーが爆発的に放出されると、切断要素110が、図2に示すように弱化回路導体108を機械的に切断し、装置100内の弱化回路導体108を通る電流経路を遮断するために、切断要素110が弱化回路導体108に衝突したときに切断要素110が弱化回路導体108を完全に切断または貫通するのに十分な力で弱化回路導体108に向かって推進される。
【0022】
非火工式装置では、点火装置114が省略されて、同様に切断要素110をハウジング102内で変位させる蓄積エネルギー(例えば、機械的または電気的エネルギー)を放出する別の手段が選ばれてもよく、これは、必要に応じて、制御回路または別の検出要素によっておよびそれを介して調整され得る。エネルギー蓄積部のタイプ、具体的にはどのようにエネルギーが放出されるかにかかわらず、重要な結果は、切断要素110が弱化回路導体108を切断して、装置100を通る回路経路を恒久的に開くことである。
【0023】
弱化回路導体108が最初に切断されると、装置100のハウジング102内に形成されたアークチャンバ118(図1)内で電気アーク放電120(図2)が起こる。チャンバ118内の空気、または場合によってはチャンバ118を満たす消火剤(例えば、砂)がアークを冷却し、アークが導体の切断された部分の間を伝導できなくなるまでアークエネルギーを消散させる。チャンバ118内でアーク放電が停止すると、切断された弱化回路導体108は、電流を導通させることができなくなり、したがって、切断された導体は、装置100を介してライン側端子104および負荷側端子106を電気的に絶縁し、負荷側回路140を、損傷を与える過電流状態から保護する。
【0024】
装置100は、金属疲労問題を受けない信頼性の高い動作で、比較的低コストで製造され得る。しかしながら、注目すべきことに、装置100は、切断要素110の切断刃が弱化回路導体108に当たる場所に対応する単一の点(すなわち、唯一の点)で回路導体を切断(sever)、切断(cut)または破断するように設計される。これは、装置100が動作中にその後のアークエネルギーに耐えるために、電圧の動作電位が比較的低くなければならない(例えば、一例では約150VDC未満)ことを意味する。そのため、装置100は、本明細書では、低電圧回路保護装置と呼ばれる。したがって、装置100は、内燃エンジンを搭載した従来の車両の低電圧電力システムのような、150VDC以下の電位で動作する電力システムにおいて、独立型の回路保護装置として明らかに良好に機能する。
【0025】
装置100の低電圧の性質は、150VDCをはるかに超える電圧で動作するEV電力システムにおいて回路保護装置として装置100を使用するには、他の手段が必要であることを意味する。追加の対策を講じなければ、高電圧直流EV電力システムにおけるアーク放電の深刻さは、装置100の壊滅的な故障をもたらすであろう。低電圧装置100と同様に動作するが、高電圧動作のために設計された装置であれば、おそらく、450VDC電力システム用にカスタム設計することができるが、望ましくないコストがかかる。
【0026】
図3の概略図に示されるように、低電圧の単一破断点装置100は、装置100と並列に接続されたアーク分流ヒューズ202a、202bとペアにされた場合に、150VDCよりも高い電圧電位(例えば、450VDC)で動作する1つのEVバッテリ(または複数のバッテリ)を切り離すために、システム200において安全に使用することができる。システム200内の制御回路116は、電流センサ204に応答して、EVの主電力バス上の過電流状態を検出し、次に、制御回路116は、装置100を動作させ、切断要素110(図1および図2)に、上記で説明したように弱化回路導体108を切断させる。
【0027】
高電圧電位(例えば、450VDC)での装置100の動作中に弱化回路保護装置108が切断されると、電流は、並列接続されたヒューズ202a、202bに分流される。ヒューズ202a、202b内のヒューズ素子は、分流された電流に応答して受動的に溶断され、ヒューズ202a、202b内のアークエネルギーを有利に吸収して封じ込めて、装置100の内部全体で破壊的に発生したであろう過剰なアーク放電エネルギーを、排除しないまでも低減するが、そうでなければ、ヒューズ202a、202bは、主電力バスの通常動作中、EVの周期的電流負荷から絶縁されたままである。
【0028】
1つの能動回路保護装置100および複数の受動回路保護ヒューズ202a、202bを含むシステム200は、バッテリ電圧電位が450VDCの高性能EVの極端な電流負荷において十分に動作し得るが、この並列ヒューズシステムの設計は、その安全で信頼できる動作のために正確に調整されなければならない。特に、ヒューズ202a、202bのアンペア容量が大きすぎる場合に、火工式分離が依然としてアークを発生させ、破局的な結果をもたらす可能性がある。当然ながら、ヒューズ202a、202bの調整におけるエラーは、システム200の設計段階、EVの初期組立て、またはヒューズが交換されるときのEVの保守において発生する可能性がある。当然ながら、いかなる潜在的な調整エラーも回避されることが好ましい。
【0029】
加えて、システム200が動作すると、3つの構成要素(1つの装置100および両方のヒューズ202a、202b)が恒久的に開かれ、EV電力システムの完全な動作を回復するためには交換しなければならない。これは、最小限の遅延でEVをサービスするためには、装置100および適切に調整されたヒューズ202を在庫に保管(stock)しておく必要があることを意味する。異なる調整の異なるヒューズを含む異なるタイプのEVは、回避が望ましい混乱および誤りの機会を増やす。
【0030】
図4は、互いに直列に接続された複数の装置100を含み、装置100と協調される他の回路保護装置(例えば、図3のシステム300内のヒューズ202a、202b)を含まない回路保護システム300を概略的に示す。システム300は、高電圧バッテリ電位の程度に応じて拡張可能であり、高電圧電力システム内で装置100を安全に使用するために任意の数n個の接続された装置100を含み、nは、1より大きい整数である。
【0031】
上記の例に続いて、各装置100が150VDC以下の電圧電位で安全に動作可能である場合、nは3となるように選択することができ、直列に接続された3つの装置100(図4ではD1、D2、およびD3と示される)は、450V以下の電圧(電圧電位は、存在する装置の各々によって分割または共有されるので、各装置の電圧電位の和)で動作し得る。
【0032】
システム200の電圧電位能力をさらに拡張するために、nは4となるように選択することもでき、したがって、n番目の装置(すなわち、第4の装置)も提示され、装置D1、D2、およびD3に直列に接続され、第4の装置は、150VDCの増分電圧電位を追加し、総容量は600VDCになる。したがって、保護対象のEV電力システムの所望の電圧電位容量に達するように装置を追加することによって、800V以上の電圧電位容量の装置を有するシステムが容易に実現される。したがって、異なるレベルの高電圧で動作する異なるEV電力システムのニーズを満たすために、装置100をモジュール形式で追加したり差し引いたりすることができるが、その間、補間および在庫管理(inventory)されるのに使用される装置100は1種類であり、装置100の選択においてエラーが生じる可能性はない。
【0033】
システム300では、装置100内の弱化回路導体108は互いに直列に接続され、各装置100の点火装置114は並列に接続される。単一の制御回路116は、電流センサ204に応答して、装置D1~Dnを介して確立された高電圧電流経路を遮断するトリガコマンドを装置D1~Dnのすべてに発行する。D1~Dnに対応する装置100は、図5に示されるように、各装置D1~Dnのライン側端子104および負荷側端子106がアセンブリの軸方向長さに対応する共通の中心線上に位置合わせされ、各装置D1~Dnの端子104、106がほぼ同一平面上にある状態で、並べて配置され得る。各装置D1~Dn内の弱化回路導体108は、同様に、共通の軸方向中心線上に配置され、弱化回路導体108は、ほぼ同一平面上にある。しかしながら、図5に示される装置D1~Dnの幾何学的配置は例示的なものにすぎず、ライン側端子104および負荷側端子106ならびに弱化回路導体108が、上記で図示および説明したように直線的に位置合わせされない代替の配置が可能である。装置100は、設けられた切断要素110を用いて各装置100内のそれぞれの弱化回路導体108を切断するように、システム300内で互いに独立して動作可能である。
【0034】
nが3である図5にさらに示されるように、450VDCバッテリ302の例では、各装置D1、D2、およびD3は、バッテリ電圧の等しい部分を担持し、したがって、D1、D2、およびD3はそれぞれ、約150VDCの電圧電位で動作する。したがって、装置D1、D2、およびD3の組合せは、各それぞれの装置内で発生するアークエネルギーを吸収(accommodate)しながら、バッテリ電流を安全に遮断することができる。各それぞれの装置D1、D2、およびD3に対するトリガ信号は、制御回路116から同時に発行されてもよいし、トリガ信号は、それぞれの装置D1、D2、およびD3に対してわずかに遅延して発行されてもよい。一実装形態では、各分離装置D1、D2、およびD3に連続的に渡される単一のトリガ信号(すなわち、点火信号として図5に示されるような1つのみのトリガ信号)が提供され、その結果、各装置100内の火工式エネルギー蓄積部の点火に固有の(しかしながら小さい)遅延が生じ、装置D1、D2、およびD3は次々に連続的に動作する。
【0035】
システム300は、各装置100の安全な電圧電位(例えば、150VDC)と数nとの積に等しい電圧電位までシステムの遮断容量を増加させるために、同様の動作を有する、合計で選択された数n個となる追加の装置100を含むように容易に修正される。例えば、Nが6となるように選択された場合、システムの電圧電位容量は、150VDC×6、すなわち900VDCとなる。別の例として、Nが7に選択された場合、システムの電圧電位容量は、150VDC×7、すなわち1050VDCとなる。
【0036】
しかしながら、上記の例では、150VDCの安全な電圧電位は例示的なものにすぎず、そのため、異なる安全な電圧電位を有する同様の装置100が代わりに利用された場合、他の可能性が生じることになることが理解される。例えば、装置100に150VDCの代わりに100VDCの安全な電圧電位が供給された場合、nが6となるように選択されると、システムの電圧電位は600VDC(100×6)となり、nが7となるように選択されると、システムの電圧電位は700VDC(100×7)となる。したがって、装置100の安全な電位電圧を前述の150VDCから(上下に)変化させることで、数n個の装置100の電圧電位の異なるセットを実現する。
【0037】
図6は、互いに直列に接続された複数の装置100を含み、装置100と協調されるべき他の回路保護装置(例えば、図3のシステム200内のヒューズ202a、202b)がないシステム400を概略的に示す。図7は、システム400の組立図である。上記で説明したシステム300と同様に、システム400の電圧電位容量は、各装置100の安全な電圧容量(例えば、150VDC)と、提供される装置100の数nとの積である。図7では、システム400が450VDCの電圧容量電位を有するように、nは3となるように選択される。システム300と同様に、システム400の電圧容量は、追加の装置100を追加することによって拡張可能である。
【0038】
システム400では、装置100(D1、D2、D3、Dnとして示される)は、図5のアセンブリに示されるような横並びではなく、上下に積み重ねられた位置に配置される。各装置100のライン側端子104および負荷側端子106、ならびに弱化回路導体108は、図7に示すように、互いに間隔を置いてほぼ平行な平面内に延在し、端子104、106は、直列配置で接続されて、図7において装置100を通るIおよび装置100間のIとして示される電流経路を画定する。この配置により、各装置内の切断要素110を共通軸に沿って位置合わせすることができ、それらが、図示のように機械的に結合または物理的に連結されると、単一の点火装置114および単一のトリガ信号(図7では、点火信号として示される)を用いて各装置D1~Dn内の切断要素を同時に推進することができる。したがって、システム300において発生し得る装置D1~Dnの動作における遅延のタイプは、各装置内の連結された切断要素110が、必然的に、それらのそれぞれの弱化回路導体108を同時に正確に切断するので、回避される。
【0039】
システム300および400を比較すると、システム400では、図7に示される例において提供される3つの装置100のうちの2つのためのエネルギー蓄積部および点火装置が排除されており、したがって、3つの装置D1、D2およびD3の各々においてエネルギー蓄積部および点火装置を必要とする図5に示されるシステム300に対して、いくらかのコスト節約を実現する。そのようなコスト節約は、システム400における切断要素110の必要とされる物理的連結によって一部相殺される。
【0040】
システム400のアセンブリはまた、システム300のアセンブリよりもサイズがよりコンパクトであり、したがって、EV電力システムでの使用により望ましい可能性があるが、異なるタイプの装置100が必要とされ(点火装置ありと点火装置なし)、接続された装置100について示されるように、隣接するハウジング部品への修正が有益であるので、組立ての観点からは少し困難である。
【0041】
開示された本発明の概念の利益および利点は、開示された例示的な実施形態に関連して十分に示されたと考えられる。
【0042】
互いに直列に接続された数n個の弱化回路導体を含む高電圧直流回路保護システムの実施形態が開示されている。数n個の弱化回路導体の各々は、周期的電流負荷に応答する金属疲労を回避するように形成され製造される。システムはまた、それぞれの数n個の弱化回路導体を切断するように動作可能な対応する数n個の切断要素と、数n個の切断要素のうちの1つに作用する少なくとも1つのエネルギー蓄積要素と、少なくとも1つのエネルギー蓄積要素内に蓄積エネルギーの放出を引き起こし、切断要素のうちの少なくとも1つの切断要素の変位を引き起こして、それぞれの弱化回路導体を切断する制御要素と、数n個の弱化回路導体の各それぞれの弱化回路導体に近接して配置された対応する数n個のアークチャンバとを含み、nは1よりも大きい整数であり、弱化回路保護装置との回路保護装置調整は必要とされない。
【0043】
任意選択的に、数n個の弱化回路導体は、共通の中心線上に配置される。代替的に、数n個の弱化回路導体は、互いに間隔を置いて平行な平面内に配置される。
【0044】
さらなる選択肢として、弱化回路導体およびアークチャンバの各々は、150VDC以下の電圧電位で安全に動作可能であり得る。システムは、弱化回路導体と直列に接続されたバッテリをさらに含み得、バッテリは、450VDC以上の電圧電位で動作し得る。数nは少なくとも3であり得。
【0045】
また任意選択的に、少なくとも1つのエネルギー蓄積要素は、火工式エネルギー蓄積要素であり得る。火工式エネルギー蓄積要素を起動するための少なくとも1つの点火装置を含み得る。少なくとも1つの火工式エネルギー蓄積要素は、各々が数n個の切断要素のうちの1つに近接して位置付けられた対応する数n個の火工式エネルギー蓄積要素を含み得、少なくとも1つの点火装置は、対応する数n個の点火装置を含み得、数n個の点火装置の各々は、数n個の火工式エネルギー蓄積要素のうちの1つに近接してそれぞれ位置付けられる。
【0046】
少なくとも1つのエネルギー蓄積要素は、任意選択的に、対応する数n個のエネルギー蓄積要素を含み得、数n個のエネルギー蓄積要素の各々は、切断要素のうちの1つに近接している。制御要素は、数n個のエネルギー蓄積要素のすべてに、蓄積エネルギーを放出させるように動作可能な単一の制御要素であり得る。単一の制御要素は、数n個のエネルギー蓄積要素から蓄積エネルギーを同時に放出させ得るか、または数n個のエネルギー蓄積要素は、それぞれの時間遅延を伴って、蓄積エネルギーを放出する。
【0047】
数n個の切断要素の各々は、共通軸に沿って配置され得る。数n個の切断要素は、物理的に連結され得る。少なくとも1つのエネルギー蓄積要素は、物理的に連結された切断要素の変位を引き起こす単一のエネルギー蓄積要素であり得る。
【0048】
システムは、ライン側端子および負荷側端子をさらに含み得、数n個の弱化回路導体は、ライン側端子ブレードと負荷側端子ブレードとの間に延在する。ライン側端子および負荷側端子は、端子ブレードであり得る。システムが受動回路保護ヒューズを含まなくてもよい。システムは、450VDC以上の電圧電位で動作する電気車両電力システムと組み合わされて提供され得る。
【0049】
本明細書は、例を使用して、最良の形態を含む本発明を開示するとともに、当業者であれば、任意の装置またはシステムの製造および使用および任意の組み込まれた方法の実行を含め、本発明を実施することができるようにする。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者であれば想起される他の例を含み得る。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧直流回路保護システムであって、
互いに直列に接続された数n個の弱化回路導体であって、前記数n個の弱化回路導体の各々は、周期的電流負荷に応答する金属疲労を回避するように形成され製造される、数n個の弱化回路導体と、
それぞれの前記数n個の弱化回路導体を切断するように動作可能な対応する数n個の切断要素と、
前記数n個の切断要素のうちの1つに作用する少なくとも1つのエネルギー蓄積要素と、
前記少なくとも1つのエネルギー蓄積要素内に蓄積エネルギーの放出を引き起こし、前記切断要素のうちの少なくとも1つの切断要素の変位を引き起こして、前記それぞれの弱化回路導体を切断する制御要素と、
前記数n個の弱化回路導体の各それぞれの弱化回路導体に近接して配置された対応する数n個のアークチャンバと
を備え、
nは1よりも大きい整数であり、前記弱化回路保護装置との回路保護装置調整は必要とされない、
システム。
【請求項2】
前記数n個の弱化回路導体は、共通の中心線上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記数n個の弱化回路導体は、互いに間隔を置いて平行な平面内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記弱化回路導体およびアークチャンバの各々は、150VDC以下の電圧電位で安全に動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記弱化回路導体と直列に接続されたバッテリをさらに備え、前記バッテリは、450VDC以上の電圧電位で動作する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記数nは少なくとも3である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのエネルギー蓄積要素は、火工式エネルギー蓄積要素であり、前記システムは、前記火工式エネルギー蓄積要素を起動するための少なくとも1つの点火装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの火工式エネルギー蓄積要素は、各々が前記数n個の切断要素のうちの1つに近接して位置付けられた対応する数n個の火工式エネルギー蓄積要素を備え、前記少なくとも1つの点火装置は、対応する数n個の点火装置を備え、前記数n個の点火装置の各々は、前記数n個の火工式エネルギー蓄積要素のうちの1つに近接してそれぞれ位置付けられる、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのエネルギー蓄積要素は、対応する数n個のエネルギー蓄積要素を備え、前記数n個のエネルギー蓄積要素の各々は、前記切断要素のうちの1つに近接している、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御要素は、前記数n個のエネルギー蓄積要素のすべてに、蓄積エネルギーを放出させるように動作可能な単一の制御要素であり、前記単一の制御要素は、前記数n個のエネルギー蓄積要素に、同時にまたはそれぞれの時間遅延を伴って、蓄積エネルギーを放出させる、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記数n個の切断要素は、物理的に連結され、前記数n個の切断要素の各々は、共通軸に沿って配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのエネルギー蓄積要素は、前記物理的に連結された切断要素の変位を引き起こす単一のエネルギー蓄積要素である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
ライン側端子および負荷側端子をさらに備え、前記数n個の弱化回路導体は、前記ライン側端子と前記負荷側端子との間に延在し、前記ライン側端子および前記負荷側端子は端子ブレードを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムが受動回路保護ヒューズを含まない、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
450VDC以上の電圧電位で動作する電気車両電力システムと組み合わされる、請求項1に記載のシステム。
【国際調査報告】