(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】容器処理方法およびそのシステム
(51)【国際特許分類】
B65B 43/48 20060101AFI20241128BHJP
B65B 7/28 20060101ALI20241128BHJP
B65B 7/16 20060101ALI20241128BHJP
B65B 43/46 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B65B43/48
B65B7/28 B
B65B7/16 J
B65B43/46 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527523
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 GB2022052668
(87)【国際公開番号】W WO2023084186
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506315310
【氏名又は名称】イシダ ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ISHIDA EUROPE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【氏名又は名称】石川 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100175617
【氏名又は名称】三崎 正輝
(72)【発明者】
【氏名】ニール,グレアム アンドリュー チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイン,リー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ポッター,アンドリュー ジェフリー
【テーマコード(参考)】
3E030
3E049
【Fターム(参考)】
3E030AA01
3E030BB04
3E030DA06
3E049AA05
3E049AB03
3E049BA01
3E049BA04
3E049CA03
3E049CA04
3E049CA10
3E049DB02
(57)【要約】
容器、特に食品用の容器を処理するための方法およびシステムに関する。プラテン、入力コンベヤ、および移送機構を備えるシステムによって実行される方法であって、一以上の容器を取り扱う方法が提供され、プラテンおよび入力コンベヤはそれぞれ可動の容器支持面を備える。この方法は、入力コンベヤ上の一以上の容器を受け取る工程と、入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面を下降させて、各容器が入力コンベヤの上方で移送機構によって支持されるようにする工程と、移送機構を使用して各容器を入力コンベヤ上からプラテン上へと移送する工程と、入力コンベヤとプラテンの容器支持面を上昇させて、各容器がプラテンによって支持されるようにする工程と、各容器を移送機構から取り去る工程と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラテン、入力コンベヤ、および移送機構を備えるシステムによって実行される方法であって、一以上の容器を処理する方法であり、前記プラテンおよび前記入力コンベヤはそれぞれ可動の容器支持面を備え、
前記入力コンベヤ上の前記一以上の容器を受け取る工程と、
前記入力コンベヤおよび前記プラテンの前記容器支持面を下降させて、前記各容器が前記入力コンベヤの上方で前記移送機構によって支持されるようにする工程と、
前記移送機構を使用して前記各容器を前記入力コンベヤ上から前記プラテン上へと移送する工程と、
前記入力コンベヤと前記プラテンの前記容器支持面を上昇させて、前記各容器が前記プラテンによって支持されるようにする工程と、
前記各容器を前記移送機構から取り去る工程と、を備える方法。
【請求項2】
前記移送機構は、前記各容器を支持して移送するよう構成した移送アームを備え、前記方法は、前記入力コンベヤ上の受け取った前記各容器の周囲で前記移送アームを閉じることによって、前記各容器が前記移送アームによって支持されるようにする工程を備える、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項3】
前記入力コンベヤおよび/または前記プラテンの前記各容器支持面を下降させる工程は、
前記各容器支持面を下降させて、前記各容器の重量が前記移送機構によって支えられるようにする第1段階と、
前記各容器支持面をさらに下降させて、前記各容器と前記各容器支持面との間に隙間を形成する第2段階、である2つの段階を含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記移送機構から前記各容器を取り去る工程は、前記プラテンの前記容器支持面を上昇させる工程を備える、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記入力コンベヤによって受け取られる前記一以上の容器はそれぞれ、密封されていない開口部を備える、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記入力コンベヤによって受け取られる前記一以上の容器はそれぞれ、食品を収容する、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記プラテン上で前記一以上の容器を密封する後続の工程を備える、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記一以上の容器を密封する工程が、各容器の開口部を横切るようにフィルムを設ける工程を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記密封された各容器は、気密性および/または防水性である、請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記システムがトレイシーラーを備える、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記プラテンがトレイシーラーの下部ツール部の一部を形成し、前記プラテン上で前記一以上の容器を密封する工程が、
前記プラテン上の前記各容器と上部ツール部との間にフィルムを設ける工程と、
前記プラテンと前記上部ツール部を近接させて、前記上部ツール部が前記フィルムとその下の前記各容器に係合するようにする工程と、
前記上記ツール部を加熱して、前記フィルムを前記各容器に接合する工程と、を備える、請求項7から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記プラテンと前記上部ツール部とを近接させる前記工程が、前記プラテンの前記容器支持面を前記入力コンベヤに対して上昇させる工程を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記入力コンベヤおよび前記プラテンの前記容器支持面を下降させる前記工程が、前記入力コンベヤの前記容器支持面および/または前記プラテンの前記容器支持面を下降させて、前記各容器と前記それぞれの容器支持面との間の垂直方向の隙間が5mm以上、好ましくは8mm、より好ましくは10mm以上の状態で、前記各容器が前記移送機構によって支持されるようにする工程を備える、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
各容器は、前記容器の質量中心および/または前記容器およびその内容物の質量中心よりも上の位置で、前記移送機構によって支持される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記システムは、前記入力コンベヤを駆動するよう構成した入力コンベヤ駆動機構を備え、前記入力コンベヤの前記容器支持面が上昇および下降するときに、前記入力コンベヤ駆動機構は静止している、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記入力コンベヤは入力ベルトを備えるベルトコンベヤであり、前記容器支持面は前記入力ベルトの外面である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記入力コンベヤの前記容器支持面が上昇および下降する際に、前記入力ベルトの張力は略一定である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記システムは、駆動ローラを介して前記入力ベルトを駆動するよう構成した入力コンベヤ駆動機構を備え、前記入力コンベヤの前記容器支持面が上昇および下降する際、前記入力ベルトと前記駆動ローラとの間の接触長は略同一である、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記プラテンと前記入力コンベヤとの前記容器支持面同士が単一の昇降機構によって同時に昇降するように、前記プラテンと前記入力コンベヤとが機械的に連結される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記システムが、単一の昇降機構を備え、前記昇降機構は、
前記プラテンの容器支持面を下降させて前記把持された各容器が前記移送機構によって支持されるようにし、
前記プラテンの前記容器支持面を上昇させて、その上に配置した各容器を処理可能にするよう構成し、
好ましくは、前記単一の昇降機構は、前記プラテンの前記容器支持面を上昇させて、その上に配置した各容器がトレイシーラーの前記上部ツール部によって係合されるようにする、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記入力コンベヤ上に受け取られる前記各容器は、上流の搬入コンベヤから受け取られる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記搬入コンベヤは、前記入力コンベヤに隣接する下流端と、前記入力コンベヤから最も遠い上流端とを有する可動の容器支持面を備え、前記方法は、
前記入力コンベヤの前記容器支持面が昇降されるのに伴って前記搬入コンベヤの前記容器支持面の前記下流端を昇降させ、および、好ましくは、前記下流端が昇降されるのに伴って前記搬入コンベヤの前記容器支持面の前記上流端は静止したままとする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記移送機構によって前記プラテンの上方に前記各容器が支持されるように前記プラテンの前記容器支持面を下げる工程と、
前記移送機構を使用して前記プラテン上から出力コンベヤへと前記各容器を移送する工程と、
前記各容器を前記移送機構から取り去る工程と、を備える後続の工程をさらに備える、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記方法がさらに、
前記出力コンベヤを使用して前記各容器を前記プラテンから搬出する、後続の工程を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記出力コンベヤおよび/または前記出力コンベヤの容器支持面は、方法全体を通じて垂直方向に実質的に静止したままである、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
各バッチが一以上の容器を備える2つの連続する容器のバッチを処理する方法であって、
前記2つの連続する容器のバッチは、下流のバッチとそれに続く上流のバッチとを備え、各バッチの容器は、先行する請求項のいずれかの方法に従って処理され、
前記2つの連続する容器のバッチを処理する方法がさらに、
前記移送機構を使用して、前記下流バッチの容器を前記プラテンから出力コンベヤへ移送すると同時に、前記上流バッチの容器を前記入力コンベヤ上から前記プラテン上へ移送する工程を備える方法。
【請求項27】
それぞれ上昇位置と下降位置との間で移動するよう構成した可動容器支持面を備えるプラテンおよび入力コンベヤと、
往復移送機構と、
を備え、
前記往復移送機構は、
前記入力コンベヤの前記容器支持面が上昇位置から下降位置まで下降するときに、前記入力コンベヤ上にそれまでに受け取った一以上の容器を支持し、前記一以上の容器が前記入力コンベヤの上方で前記移送機構によって支持されるように、および
前記入力コンベヤと前記プラテンがそれぞれの下降位置にあるときに、前記一以上の容器を前記入力コンベヤ上から前記プラテン上に移送するよう構成した、容器処理システム。
【請求項28】
請求項1から26のいずれかに記載の方法を実行するように構成した、請求項27に記載の容器処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器処理システムおよびそのようなシステムを使用して実行する方法に関する。本明細書において、「容器」という用語は、例えば蓋またはフィルムを使用して密封できる上向きの開口部を有する容器を含むものと理解される。これらの容器は、一般に「トレイ(trays)」や「深めの容器(pots)」と呼ばれるものを含む。
【0002】
特に、本発明によれば、蓋のないトレイ、深めの容器等の容器を、その内容物がこぼれる危険性を低減しながら、迅速に移送、処理、および密封することが可能である。このようなシステムおよび方法は、食品包装産業での使用に特に適している。
【背景技術】
【0003】
食品業界では、果物、野菜、肉、調理済み料理などの食品を、トレイや深めの容器などの密封容器に入れて包装するのが一般的である。
【0004】
ある装置では、蓋のないトレイに食品(または複数の食品)を充填するが、通常はグループまたはバッチで供給して、熱融着ツールを備えたトレイシーラーで密封する。熱融着ツールは、密封対象のトレイ(または複数のトレイ)を配置する下部ツール部と、通常は輪郭を形成する加熱要素またはプレートを含む上部ツール部とを有する。下部ツール部と上部ツール部とは、トレイ(または複数のトレイ)と上部ツール部との間に熱シール可能フィルムを挟んで一体化し、上部ツール部を熱シール可能フィルムと各トレイの縁部と係合させる。次に、上部ツール部を加熱してトレイ(または複数のトレイ)の縁部(または複数の縁部)にフィルムを接合する。次に、密封されたトレイ(または複数のトレイ)を装置から取り出す。このような装置では効果的なシールができるかもしれないが、この装置や他の既存のシステムには重大な問題がある。
【0005】
特に、密封前に蓋のない容器を移送するとこぼれやすくなる。容器は通常、隣接する機械(コンベヤやトレイシーラーなど)の隙間や境界面で引きずられたり押されたりする。容器が隣接する機械間の隙間を通過すると、大きな力が容器に加わる。これらの力により、容器やその内容物が損傷したり、内容物が容器から漏れたりこぼれたりする可能性がある。
【0006】
スープ、出し汁、ヨーグルトのような液体食品、またはカレーやシチューのような液体やソースを含む食品を取り扱う際に特にこぼれが発生する。同様に、比較的背の高い容器や、段ボールのような柔軟な素材でできた容器を扱う場合にも、こぼれる可能性が高くなる。同じように、こぼれる可能性が高くなるのは、垂直方向の端部が鋭利な容器、すなわち容器の面と面の間の端部が滑らかでない、丸みを帯びていない、または面取りされていない容器を取り扱う場合であって、取り扱い操作をより正確に行う必要がある。こぼれることによって、容器内の製品が減少するだけでなく、容器を処理する機械の清掃と保守の頻度も増加する。
【0007】
蓋のない容器の搬送および移動の速度を遅くすることで、こぼれることを回避または軽減することができる。ただし、速度が低下すると、必然的に生産高も低下する。このように、容器の処理能力とこぼれの危険性との間には、望ましくない妥協点が存在する。
【0008】
したがって、特に食品包装業界では、上述の欠点の少なくともいくつかを克服する、容器を取り扱うための改良された手段を提供することが望まれている。特に、生産量の増加、製品品質の向上、保守および清掃の要件の軽減を実現する方法およびシステムが求められる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、容器およびその内容物に加わる力を軽減する容器取り扱い方法およびシステムを提供することにより、上述の問題を解決する。このことは特に、液体を含む食品が入った蓋のない容器を取り扱う場合に重要である。例えば、本発明は、重心が高く、他の多くの包装食品よりも安定性が低くなりがちなスープ、ヨーグルト等の食品が入った深めの容器の取り扱いに特に適している。同様に、本発明は、大きな力によって壊れたり崩れたりする可能性のある焼き菓子(baked goods)などの壊れやすい食品の取り扱いにも適している。
【0010】
既存の方法およびシステムと比較した場合、本発明は、容器内容物の流出および/または損傷を同程度に維持しながら、容器の処理能力(すなわち、システムの運転速度)を向上させることができる。言い換えれば、容器にかかる力を低減または回避することで、洗浄や保守の要件を増加させることなく、製造および包装システムでの高速化を達成することができる。
【0011】
本発明の一態様によれば、プラテン、入力コンベヤ、および移送機構を備えるシステムによって実行される方法であって、一以上の容器を処理する方法が提供され、プラテンおよび入力コンベヤはそれぞれ可動の容器支持面を備える。この方法は、入力コンベヤ上の一以上の容器を受け取る工程と、入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面を下降させて、各容器が入力コンベヤの上方で移送機構によって支持されるようにする工程と、移送機構を使用して各容器を入力コンベヤ上からプラテン上へと移送する工程と、入力コンベヤとプラテンの容器支持面を上昇させて、各容器がプラテンによって支持されるようにする工程と、各容器を移送機構から取り去る工程と、を備える。
【0012】
この方法によれば、トレイや深めの容器などの一以上の容器が、移送機構によって入力コンベヤ(スペーシングコンベヤと呼ばれることもある)とプラテンとの間の境界を越えて運ばれる。入力コンベヤとプラテンの容器支持面を移送機構に対して相対的に下げることにより、各容器は入力コンベヤとプラテンのいずれにも接触することなく、入力コンベヤからプラテンへ横方向に移動可能である。そのため、容器が異なる機械間で引きずられたり押し出されたりするシステムと比較して、容器の内容物にかかる力が大幅に軽減される。
【0013】
したがって、容器から液体がこぼれる危険性や容器の内容物が損傷する危険性が大幅に軽減される。同様に、容器が傾いたり、ひっくり返ったり、損傷したりする危険性も軽減される。その結果、製品の品質が向上し、清掃と保守の要件が軽減される。さらに、容器処理速度と生産高の向上も達成可能である。
【0014】
コンベヤという用語は、その上に置かれた容器(またはその他の物)を移送または搬送するよう構成した処理装置を指すものと理解されたい。さらに、容器支持面とは、容器を受け取って支持する入力コンベヤおよびプラテンの表面である。つまり、容器支持面は、通常はその上に容器を置いて移動させられる上向きの表面である。たとえば、入力コンベヤがベルトコンベヤである場合、容器支持面は、入力コンベヤのコンベヤベルトの上面であってよい。
【0015】
「下降」及び「上昇」とは、入力コンベヤ及びプラテンの容器支持面が、それぞれ(少なくとも)垂直方向下方及び上方に移動することと理解されたい。すなわち、入力コンベヤとプラテンの容器支持面は、下降時には上昇位置から下降位置に移動し、上昇時には下降位置から上昇位置に移動する。
【0016】
したがって、容器支持面は、好ましくは略同じ垂直位置に留まる移送機構に対して下降および上昇する。容器支持面の昇降は、プラテンおよび/または入力コンベヤ全体の昇降を伴う場合がある。ただし、別の例では、プラテンおよび入力コンベヤの構成要素の一部のみが昇降してもよい。たとえば、容器支持面は昇降するが、プラテンと入力コンベヤの残りの部分は静止したままであってもよい。
【0017】
移送機構は、容器を入力コンベヤ上からプラテン上へ横方向に移送するものと理解されたい。好ましい例では、移送機構は、好ましくは垂直方向に静止し、略水平面内で移動する。したがって、好ましい例では、入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面は略垂直方向に移動し、一方、移送機構は容器を略水平方向に移動させる。
【0018】
プラテンおよび入力コンベヤの容器支持面が下降した後、各容器の重量が移送機構に受け渡され、各容器は容器支持面上方で移送機構によって支持または保持される。このように、これらの面が下降すると、容器と入力コンベヤおよびプラテンとの間に垂直方向の間隔すなわち隙間が形成される。その後、入力コンベヤまたはプラテンに接触することなく、各容器を入力コンベヤ上の位置からプラテン上の位置へと移送機構によって横方向に移送または移動してもよい。各容器を横方向に移送した後、入力コンベヤとプラテンを上昇させることにより、各容器を再びプラテンによって支えることができ、移送機構によって安全に取り去る。この方法により、各容器に加わる横方向の力が最小限に抑えられる。
【0019】
好ましい例において、移送機構は、各容器を支持して移送するよう構成した移送アームを備え、本方法は、入力コンベヤ上の受け取った各容器の周囲で移送アームを閉じることによって、各容器が移送アームによって支持されるようにする工程を備える。このように、移送アームの少なくとも1つを他の移送アームに対して相対的に移動させて、これらの移送アームを一斉に閉じたり開いたりできる。
【0020】
特に好ましい例では、各容器の幅は、容器を容器支持面上で受け取る際に通常置かれる底面から、反対側の自由面または上面(例えば、開口部が形成される面)に向かって増加してもよい。例えば、各容器は開口部を囲む縁を備えていてもよく、各容器は先細り状の断面を備えていて、容器の側壁が抜き勾配(draft angle)を有して形成され、および/または底面より上の位置で容器の側壁から横方向に突出部が延びていてもよい(すなわち、容器は階段状の断面を有する)。このような実施形態では、移送アームを各容器の周辺で閉じることによって容器を支持することができ、その際の移送アーム間の間隔または距離は、移送アームの高さでは各容器の幅よりも大きいが、容器の最大幅よりも小さくなる。したがって、その後容器支持面およびその上の容器を下降させると、容器は周囲の移送アーム上に落ち着き、それによって支持されることになる。このように、移送アームが、下にある容器支持面の上方で容器を支持することになる。
【0021】
この方法では、容器支持面と容器とを垂直方向に下げる前に、移送アームを容器の周囲に隣接するよう配置するが、これにより、下にある面の上方で容器を支持する方法を特に丁寧に行うことができ、容器とその内容物に大きな横方向の力がかからないようにすることができる。同様に、一以上の容器がその上方で支持されている容器支持面を上昇させることにより、容器が保持され支持されている移送アームから容器を丁寧に持ち上げて、容器を移送アームから取り去ることができる。このような場合、移送アームは容器の周囲で閉じて、各移送アームが容器に隣接して配置または位置決めされるが、容器に大きな横方向の力を加えることはない。これにより、容器とその内容物のこぼれや損傷を防ぐ。さらに、容器支持面を下げる動作と移送機構を使用して容器を支持する動作が同時に行われるため、この方法は非常に迅速に実行でき、処理能力の向上が可能となる。
【0022】
ただし、さらに、移送アームの間で容器を掴んだり固定したりするように、容器の周囲で移送アームを閉じてもよい。このように、移送アームは容器に横方向の力を加え、容器支持面が下がると容器の動きを制限してもよい。このように容器を掴むことで、容器が移送機構によって確実に保持される。ただし、横方向の力により、特に高速運転時には、こぼれや損傷の危険性が増大する場合がある。
【0023】
好ましい例において、入力コンベヤおよび/またはプラテンの容器支持面を下降させる工程は、容器支持面を下降させて、各容器の重量が移送機構によって支えられるようにする第1段階と、容器支持面をさらに下降させて、各容器と容器支持面との間に隙間を形成する第2段階、である2つの段階を含む。第1段階の後、各容器の重量は容器支持面から移送機構(例えば、上述の移送アーム)へ移送される。したがって、第1段階では、容器支持面が下げられ、各容器の重量が移送機構によって支えられるまたは支持されるようになる。一方、続く第2段階では、容器支持面がさらに下がって、容器支持面と移送機構によって所定の位置に保持される容器との間に垂直方向の間隔または隙間が形成されるようになる。この隙間または間隔により、下にある機械に接触することなく各容器を横方向に移動できる。好ましくは、これらの段階は連続的であり、容器支持面の動きに休止がないように連続的に起こる。ただし、これは必須ではない。
【0024】
好ましい例において、移送機構から各容器を取り去る工程は、プラテンの容器支持面を上昇させる工程を備える。このように、容器を支持するためにプラテンの容器支持面を上昇させ、容器は大きな垂直落下を経ることなく放出される。前述のように、場合によっては、プラテンの容器支持面を上昇させることによって、移送機構の移送アームから容器を持ち上げてもよい。その場合、容器に大きな横方向の力が加わることなく、移送アームを開くことができる。あるいは、移送機構の移送アームが開く前に、プラテンの容器支持面が容器の底面に接触または係合するまでプラテンの容器支持面を持ち上げてもよい。
【0025】
任意選択で、入力コンベヤによって受け取られる一以上の容器はそれぞれ、密封されていない開口部を備える。したがって、各容器は、「開放状態」となる。入力コンベヤが受け取った各容器は、使用中には入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面から離れる方向である、上向きの密封されていない開口部を備えてもよい。
【0026】
入力コンベヤによって受け取られる一以上の容器はそれぞれ、食品を収容してもよい。上述のように、液体を含む食品(カレーやシチューなど)、液体食品(スープ、出し汁、ヨーグルトなど)、および/または壊れやすい食品(焼き菓子など)が容器に入っている場合に特に利点が得られる。本方法は、容器内に食品を分配する工程を備えてもよい。容器に食品を分配するこの分配工程は、入力コンベヤおよびプラテンの上流で実行することが好ましい。あるいは、容器が入力コンベヤおよび/またはプラテン上にある間に分配工程が発生してもよい。
【0027】
特に好ましい実施形態において、この方法が、プラテン上で一以上の容器を密封する工程を備える。密封された(または「閉じた」)容器は、内容物を保持し、こぼれを防ぐ。容器を密封すると、消費者に対する製品の品質が保証され、システムの下流(つまり、後続の容器処理場所およびシステム)での清掃および保守の要件が軽減される可能性がある。
【0028】
好ましくは、一以上の容器を密封する工程が、各容器の開口部を横切るようにフィルムを設ける工程を備える。このフィルムは、容器の開口部の周囲に接合され、開口部を密封して閉じてもよい。例えば、トレイ、深めの容器等の容器の上向きの開口部を横切るようにこのフィルムを設けてもよい。フィルムは容器に溶接されるか、および/または接着剤(例えば、フィルムの下側または容器の縁に初期状態で塗布された接着剤)によって容器に接合されてもよい。あるいは、各容器は他の適切な方法で密封されてもよい。例えば、容器を閉じるために、各容器の開口部に蓋またはカバーを設けてもよい。
【0029】
好ましくは、密封された各容器は、気密性および/または防水性である。したがって、気体や液体の容器への出入りが制限される。たとえば、密封は、気体や液体を通さない気密シールであってもよい。このようなシールにより、容器の内容物が漏れたりこぼれたりするのを防ぐことができる。同様に、これらのシールによって容器の内容物を保護できる。たとえば、気密性と防水性を備えたシールは、食品の腐敗を防いだり遅らせたりする可能性があるため、食品包装業界では特に有益である。
【0030】
各容器は、ポリプロピレン(PP)、非晶質ポリエステルテレフタレート(A-PET)、結晶化ポリエステルテレフタレート(C-OPET)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのポリマー、ならびにアルミホイル(平滑壁(smooth wall)アルミホイルを含む)などの金属や合金、および段ボールなど任意の適切な材料で形成され得る。これらの材料は、さまざまな食品に使用するのに適しており、簡単に成形および製造できる。
【0031】
フィルムは、単層または多層フィルムであってもよく、多くのポリマーを含む任意の適切な材料を備えてもよい。好ましい例では、フィルムは、ポリエステル(PS)またはポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、および/またはポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)の各層を含む気体遮断性フィルムである。このような多層フィルムは、層を接着するための接着剤を含んでもよい。追加的または代替的に、フィルムは金属箔(例えばアルミニウム)を含んでもよく、またはフィルムはセルロースベースの紙フィルム、および/または少なくとも1つの紙層を含んでもよい。
【0032】
特に好ましい例では、この方法を実行するシステムは、トレイシーラーを備える。このように、トレイシーラーを使用すると、プラテン上の容器を迅速かつ効率的に密封することができる。トレイシーラーは、密封対象のトレイ(または複数のトレイ)を配置する下部ツール部と、輪郭を形成する加熱要素またはプレートを含む上部ツール部とを有する熱融着ツールを備えてもよい。下部ツール部と上部ツール部とは、容器(または複数の容器)と上部ツール部との間にフィルムを挟んで一体化してもよく、上部ツール部がフィルムとその下の容器と係合する。その後、上記ツール部を加熱して、開口部を横切ってフィルムを各容器に接合してもよい。
【0033】
好ましくは、プラテンがトレイシーラーの下部ツール部の一部を形成し、プラテン上で一以上の容器を密封する工程が、プラテン上の各容器と上部ツール部との間にフィルムを設ける工程と、プラテンと上部ツール部を近接させて、上部ツール部がフィルムとその下の各容器に係合するようにする工程と、上記ツール部を加熱して、フィルムを各容器に接合する工程と、を備える。
【0034】
好ましくは、プラテンがトレイシーラーの下部ツール部の一部を形成し、プラテン上で一以上の容器を密封する工程が、プラテン上の各容器と上部ツール部との間にフィルムを設ける工程と、プラテンと上部ツール部を近接させて、上部ツール部がフィルムとその下の各容器に係合するようにする工程と、上記ツール部を加熱して、フィルムを各容器に接合する工程と、を備える。上部ツール部を移動させるのではなく、プラテン(または別の下部ツール部)を上昇させることで、大きく複雑で加熱される上部ツール部を方法全体で固定したままにできるという利点が得られる。
【0035】
あるいは、各容器を他の適切な方法で密封してもよい。例えば、容器の開口部を横切るようにフィルムを設け、開口部の周囲のフィルムまたは容器にレーザを照射することによって、容器をレーザ密封してもよい。レーザによってフィルムを容器に溶着する、及び/又はレーザによってフィルムと容器との間に設けた接着剤(例えば、フィルムの下面又はトレイ等の容器の縁に初期状態で設けた接着剤)を活性化させて、フィルムを容器に接着してもよい。
【0036】
好ましい例において、本方法は、容器を密封する前に容器にパージガスを充填する工程を備えてもよい。パージガスは、容器内の空気等の大気ガスを置換することができる。パージガスは、容器の内容物に対して不活性または非反応性であってよい。たとえば、多くの食品は、容器を密封する前に容器から酸素を除去することで、製品の寿命を延ばすことができる。制御された(例えば、酸素のない)環境でこの方法を実行することによってこれを達成してもよい。代替的にまたは追加的に、大気圧または大気圧よりわずかに高い圧力に維持されたパージガスで満たされた密封環境内に容器処理システムを設けてもよい。容器がこのようなシステムを通過すると、パージガスが各トレイの内部容積を満たし、酸素および/またはその他の大気ガスが排出される。フィルムによって容器内に密封されるこのパージガスは、好ましくは不活性であり、容器内の包装内容物と反応しない。
【0037】
代替的にまたは追加的に、密封とは異なる方法でプラテン上の各容器を処理してもよい。たとえば、容器にラベルを付けたり、印刷してもよい。同様に、製品(食品など)を容器内に分配または提供してもよい。たとえば、入力コンベヤによって受け取った容器が部分的に満たされており、プラテンで追加の製品をこの容器に挿入してもよい。いくつかの実施形態では、プラテン上の各容器に対して複数の処理工程が実行されてもよく、例えば、容器を充填して密封してもよい。このように、本方法は、プラテンに移送された各容器を任意の適切な方法で処理する工程を備えてもよいことがわかる。
【0038】
好ましい例において、入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面を下降させる工程が、入力コンベヤの容器支持面および/またはプラテンの容器支持面を下降させて、各容器とそれぞれの容器支持面との間の垂直方向の隙間が5mm以上、好ましくは8mm、より好ましくは10mm以上の状態で、各容器が移送機構によって支持されるようにする工程を備える。このような隙間は、入力コンベヤまたはプラテンに触れることなく、各容器を入力コンベヤ上からプラテン上へ横方向に移送するのに十分である。
【0039】
例えば、下降及び上昇工程は、入力コンベヤ及び/又はプラテンの容器支持面を少なくとも5mm、好ましくは少なくとも10mm、より好ましくは少なくとも15mm下降及び上昇させる工程を備えてもよい。追加的にまたは代替的に、下降及び上昇工程は、入力コンベヤ及び/又はプラテンの容器支持面を50mm以下、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下だけ下降及び上昇させる工程を備えてもよい。したがって、好ましい実施形態では、入力コンベヤおよび/またはプラテンの容器支持面は、各上昇工程および下降工程において、5~50mm、より好ましくは10~30mm、さらに好ましくは15~25mmの範囲の垂直距離だけ上昇および下降する。
【0040】
これらの移動範囲により、大きな移動に関連した過剰なエネルギーや機械要件なしに、移送機構が支持する各容器とその下の入力コンベヤおよび/またはプラテンとの間に適切な隙間が得られる。とはいえ、この隙間が大きければ、特定の容器を移送機構によって保持または支持する方法にばらつきがあっても、容器を安全に移送することができるため、より柔軟性が増す。好ましい実施例では、容器とプラテンと入力コンベヤそれぞれの容器支持面との間に、同じか略同じ大きさの垂直方向の隙間が形成される。ただし、これは必須ではなく、さらなる実施例では、入力コンベヤとプラテンの容器支持面は、異なる間隙が形成されるように、異なる量だけ下降してもよい。
【0041】
前述した例では、容器支持面を下げる工程は2つの段階に分かれており、各段階で容器支持面を約10mm(たとえば5~15mm)下げてもよい。
【0042】
好ましくは、各容器は、容器の質量中心および/または容器およびその内容物の質量中心よりも上の位置で、移送機構によって支持される。例えば、移送機構は、容器の底部よりも容器の上部に近い位置で容器に係合またはこれを把持してもよく、および/または、容器の質量中心および/または容器とその内容物の質量中心の上方に配置された縁等の突起によって各容器を支持してもよい。これにより、移送機構が容器を入力コンベヤ上からプラテン上へと移動させる際に、容器が傾いたりこぼれたりする危険性が低減される。その結果、移送速度を向上できる。例えば、容器の底部と容器の上部との間で容器の幅が増加する上記の例では、容器を底部よりも容器の上部に近い位置で移送機構によって支持することができる突起または縁部が設けられてもよい。
【0043】
前述のように、入力コンベヤ(スペーシングコンベヤと呼ばれることもある)は、上昇位置と下降位置の間で上昇および下降する。好ましくは、入力コンベヤは、上昇位置と下降位置の両方でその上に受け取った物品を搬送するよう動作できるようにする。したがって、入力コンベヤは両方の位置で容器を受け取って移送することができる。これにより、一以上の先行する容器が移送機構によってプラテンに移送される際に、入力コンベヤが容器(新しいバッチの容器など)を受け取って転送の準備を行えるようにしてもよい。これにより、容器の処理能力を向上できる。
【0044】
好ましくは、システムは、入力コンベヤを駆動するよう構成した入力コンベヤ駆動機構を備え、入力コンベヤの容器支持面が上昇および下降する際に、入力コンベヤ駆動機構は静止している。したがって、入力コンベヤ駆動機構は、この方法の実行中は静止しており、容器支持面とともに上昇および下降しない。コンベヤシステムの駆動機構は通常、コンベヤシステムの他の構成要素(ベルトコンベヤのベルトやローラーなど)に比べて重く、壊れやすく、保守が難しくコストもかかる。したがって、入力コンベヤ自体が上下するときに入力コンベヤの駆動機構が静止したままであれば、エネルギーと設備の要件を大幅に削減できる。ただし、これは必須ではなく、別の例では、入力コンベヤ駆動機構が容器支持面と一緒に上昇および下降してもよい。たとえば、入力コンベヤが単一のユニットとして上昇および下降してもよい。
【0045】
入力コンベヤは、ベルトコンベヤ、モジュラーベルトコンベヤ、ウォーキングビーム、ローラーコンベヤ、チェーンコンベヤ、ワイヤコンベヤ、スラットコンベヤなど(ただしこれらに限定されない)、各容器を移送または搬送するよう構成した任意の適切なコンベヤであってよい。
【0046】
特に好ましい例において、入力コンベヤは入力ベルトを備えるベルトコンベヤであり、容器支持面は入力ベルトの外面である。ベルトコンベヤは通常、2つ以上のローラの周囲に延びる連続ベルトまたは無端ベルトを備える。ローラは通常、駆動ローラを備え、駆動ローラは、通常はモータとギアとを備える駆動機構によって駆動され、その動作によって回転する。駆動ローラとベルトの間の摩擦により、ベルトがローラの周りを動く。したがって、これらの例では、入力コンベヤの一以上のローラを上下させることによって、容器支持面および入力コンベヤの入力ベルトを上下させることができる。
【0047】
好ましくは、入力コンベヤの容器支持面が上昇および下降する際に、入力ベルトの張力は略一定である。したがって、容器支持面が上昇位置および下降位置にある際に、入力ベルトの張力は略一定である。さらに、好ましい例において、入力コンベヤが上昇および下降する際に、入力ベルトの張力は略一定である。入力ベルトの張力が維持されるため、ベルトの周囲、つまりコンベヤに取り付けられた際に使用中にベルトが延びるまたは移動する経路の長さは、上昇位置と下降位置の両方でほぼ一定に保たれる。その結果、垂直移動中にベルトが入力コンベヤのローラから滑り落ちる可能性が低くなり、方法全体にわたって入力ベルトを操作して容器を移送できる。好ましい例では、ベルトコンベヤの張力は、約400N(約40kg)であり、好ましくは300~500N(約30~50kg)である。この張力の下で、ベルトは約0.5%、例えば0.25~0.75%伸びる可能性がある。そのため、ベルトの自由長(購入時およびコンベヤに取り付ける前のベルトの長さ)は、ベルトがコンベヤに取り付けられて張力がかかったときのベルトの周囲長よりもわずかに短い。
【0048】
容器支持面が上下するときに入力コンベヤのすべてのローラが一緒に上下する場合(たとえば、入力コンベヤ全体が単一のユニットとして上下する場合)、ベルトの張力は必然的に維持される。ただし、入力コンベヤの一部または部分的にのみが容器支持面とともに上下する場合、たとえば、入力コンベヤの駆動機構と駆動ローラが前述のように静止している場合、張力を維持することはより困難である。そうであっても、ベルトが移動する経路の全長(ベルトの周囲)が略一定であれば、容器支持面が上下するにつれてコンベヤの様々なローラが互いに相対的に移動しても、ベルトの張力は維持される可能性がある。
【0049】
例えば、入力コンベヤが入力ベルトの張力を維持するよう構成したバイアスローラを備える場合、入力ベルトの張力をほぼ一定に維持することができる。「バイアス」とは、テンションローラが入力ベルトに接触するように構成され、入力コンベヤの容器支持面が上昇および下降するときに、入力ベルトの適切な張力と適切なベルト周囲長を維持しながら入力ベルトに押し付けられることであると理解されたい。テンションローラは、バネ等の弾性部材によって入力ベルトに対して付勢されてもよい。あるいは、容器支持面がそれぞれ上昇位置と下降位置にあるときにベルトの周囲長が一定になるように各ローラを配置すれば、入力ベルトの適切な張力が維持される可能性がある。たとえば、任意の第1対のローラ間の距離の減少を、異なる第2対のローラ間の距離の対応する増加によって補償すれば、一定のベルト周囲長が維持される。
【0050】
好ましくは、システムは、駆動ローラを介して入力ベルトを駆動するよう構成した入力コンベヤ駆動機構を備え、入力コンベヤの容器支持面が上昇および下降する際、入力ベルトと駆動ローラとの間の接触長は略同一である。入力コンベヤの容器支持面が上昇位置および下降位置にある際、入力ベルトと駆動ローラとの間の接触長は略同一である。接触長とは、入力ベルトが駆動ローラと接触する駆動ローラの周囲に沿った距離であると理解されたい。この接触長は、入力ベルトが滑ることなく、駆動ローラから入力ベルトにどれだけのトルクを伝達できるかを定義する。入力コンベヤが単一のユニットとして上昇および下降する場合、容器支持面が移動しても、駆動ローラと入力ベルトの位置関係は変化しないであろう。ただし、容器支持面が移動しても入力コンベヤの駆動機構と駆動ローラが静止したままである場合は、入力コンベヤの残りのローラを慎重に配置することで、適切な接触長を維持できる。駆動機構に対する各ローラの位置の変化は、入力コンベヤの他のローラの位置の対応する変化によって補正することができる。例えば、接触アーク長は、60~140mm、より好ましくは80~120mm、さらに好ましくは約100mmに維持してもよい。このような数値は、幅が約200mmのベルトに適しているが、適切な駆動力を維持するために必要に応じて変更可能である。好ましい例では、ベルトが駆動ローラに接触するラップ角度(wrap angle)は、90度から180度の間であり、より好ましくは120度から180度の間である。
【0051】
好ましくは、プラテンと入力コンベヤとの容器支持面同士が単一の昇降機構によって同時に昇降するように、プラテンと入力コンベヤとが機械的に連結される。たとえば、プラテンと入力コンベヤ(および/またはそれぞれの容器支持面)は、単一の油圧ラムまたは空気圧ラム、あるいは単一のモータによって一斉に上昇および下降してもよい。入力コンベヤがベルトコンベヤである好ましい実施形態では、プラテンは入力コンベヤの一以上のローラに機械的に連結され、プラテンを上昇および下降させると、ローラおよびこれらのローラの周囲に延びる入力ベルトの外面によって画定される容器支持面も上昇および下降する。これにより、プラテンと入力コンベヤの取り扱いが簡素化され、設置および保守のコストが削減される。ただし、これは必須ではなく、プラテンと入力コンベヤの容器支持面には、個別の昇降機構(個別の油圧または空気圧ラムまたはモータなど)を設けてもよい。
【0052】
さらに好ましくは、システムが、単一の昇降機構を備えてもよく、この昇降機構は、プラテンの容器支持面を下降させて把持された各容器が移送機構によってプラテンの表面上方で支持されるようにし、プラテンの容器支持面を上昇させて、その上に配置した各容器を処理可能にするよう構成してもよい。たとえば、上述のように、プラテンの容器支持面を上昇させて、その上に配置した各容器がトレイシーラーの上部ツール部によって(たとえば、各容器を密封するようにその間にフィルムを配置した状態で)係合されるよう単一の昇降機構を構成してもよい。あるいは、このように持ち上げた各容器であれば、作業員にとって検査や充填がしやすいかもしれない。特に、プラテンの容器支持面を入力コンベヤの容器支持面より上(すなわち、垂直方向のより高い位置)に上げるように単一の昇降機構を構成し、入力コンベヤを一定の高さに維持したまま、プラテン上に配置した各容器を処理できるようにしてもよい。これにより、プラテン上の容器のバッチが処理されている間に、入力コンベヤは動作を継続してさらに容器を受け取ったり溜めたりできるようになる。したがって、処理速度が向上する。言い換えれば、上記単一の昇降機構を、プラテンおよび入力コンベヤの各容器支持面を同時に下降させて、プラテンおよび入力コンベヤの各容器支持面上方で把持した各容器を移送機構によって支持するようにし、入力コンベヤの容器支持面を略一定の(垂直)位置に留めた状態で、プラテンの容器支持面を上昇させて、その上に配置した各容器を処理可能にするよう構成してもよい。したがって、プラテンと入力コンベヤを機械的に連結し、それぞれの容器支持面を一斉に下げて容器を安全に移送できるようにすることができるが、この機械的連結により、処理(例えば、密封、検査)中に入力コンベヤの容器支持面を入力コンベヤより上げることも可能となることが好ましい。
【0053】
単一の昇降機構を設けることで、単一の部品によって、容器が移送されている間はプラテンの容器支持面を下げ、容器がプラテンで処理されている間はその面を上げることができるため、特に効率的である。プラテンを上げ下げするための別個の機構は必要ない。そのため、本システムは特に効率的であり、製造と運用に必要なスペースや資源が少なくて済む。好ましくは、単一の油圧ラムまたは空気圧ラム、単一のモータ、またはその他の適切な昇降機構によって垂直方向にプラテンを駆動してもよい。
【0054】
好ましくは、入力コンベヤ上に受け取られる各容器は、上流の搬入コンベヤ(取出しコンベヤ(take-off conveyor)と呼ばれることもある)から受け取る。この上流搬入コンベヤは、上述のシステムの一部を形成してもよい。あるいは、手動による移送を含む他の適切な手段から各容器を入力コンベヤ上に受け取ってもよい。
【0055】
特に好ましい実施形態において、搬入コンベヤは、入力コンベヤに隣接する下流端と、入力コンベヤから最も遠い上流端とを有する可動容器支持面を備え、本方法は、入力コンベヤの容器支持面が昇降されるのに伴って、搬入コンベヤの容器支持面の少なくとも下流端を昇降させる工程を備える。
【0056】
したがって、この方法全体を通じて、搬入コンベヤと入力コンベヤの容器支持面同士の間には、大きな高さの差や垂直方向の不連続性がない。したがって、入力コンベヤの容器支持面が動いても、搬入コンベヤと入力コンベヤとの間を移動する各容器には大きな力が加わらない。これにより、容器の内容物のこぼれや損傷が軽減され、高い処理速度を実現できる。
【0057】
好ましい例において、下流端が昇降する際、搬入コンベヤの容器支持面の上流端は静止したままである。したがって、搬入コンベヤの容器支持面は、上流端を中心に回転する。実際、特に好ましい例では、搬入コンベヤの上流端は、入力コンベヤが昇降する際に搬入コンベヤが回転または「うなずく」ような、所定の位置に固定されたピボットを備える。これにより、入力コンベヤと上流の機器および機械との間に円滑なインタフェースが得られる。
【0058】
容器に加わる力をさらに低減するために、好ましくは、搬入コンベヤの容器支持面および入力コンベヤの容器支持面が昇降する際に、搬入コンベヤの容器支持面の上流端は、搬入コンベヤの上流端の移動範囲の中間点および/または入力コンベヤの容器支持面の移動範囲の中間点にて垂直位置に静止したままである。これにより、搬入コンベヤの容器支持面が水平面に対して回転する角度が最小限に抑えられ、搬入コンベヤ全体の垂直高さの過度な変化が回避される。したがって、うなずく動作を行う搬入コンベヤを各容器が通過する際に容器を上げ下げせねばならない高さが低減され、こぼれの危険性が軽減される。好ましい例では、搬入コンベヤの容器支持面は、水平に対して+5度から-5度の角度範囲内で回転し、より好ましくは水平に対して+2度から-2度の範囲内で回転し、さらに好ましくは水平に対して+1.5度から-1.5度の範囲内で回転し、さらに好ましくは+1.28度から-1.28度の範囲内で回転する。ただし、これは必須ではなく、搬入コンベヤの容器支持面の上流端は、(たとえば、容器支持面が水平に対して0度から4度の角度で回転するように)下流端の上昇位置または下降位置と同じか、またはほぼ同じ垂直高さに配置されてもよい。
【0059】
ただし、さらなる実施例では、搬入コンベヤの容器支持面の上流端と下流端が一斉に昇降する。このような例では、搬入コンベヤの下流端が昇降しても、搬入コンベヤの容器支持面は水平のままである。
【0060】
いくつかの例では、搬入コンベヤの下流端は入力コンベヤに機械的に連結されてもよい。このように、プラテン、入力コンベヤおよび搬入コンベヤは、すべて機械的に連結または連接され、単一の昇降機構によって移動させることができる。ただし、さらなる例では、静止した搬入コンベヤであって、入力コンベヤおよび/またはプラテンとともに移動しない搬入コンベヤを設けてもよい。
【0061】
搬入コンベヤは、入力コンベヤに関して上述した任意のまたは好ましい特徴のいずれかを備えていてもよい。これらの特徴によって、対応する利点が得られる。たとえば、搬入コンベヤは、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ、チェーンコンベヤ、スラットコンベヤなど(ただし、これらに限定されない)を含む、任意の適切なコンベヤであってもよい。ただし、入力コンベヤと同様に、搬入コンベヤがベルトコンベヤであることが好ましく、搬入ベルトを備え、容器支持面はこの搬入ベルトの外面であってもよい。搬入コンベヤがベルトコンベヤである場合、搬入ベルトの張力は、入力コンベヤに関して上述した技術によって、方法全体にわたって実質的に一定に維持されることが好ましい。追加的または代替的に、搬入コンベヤは、搬入コンベヤが移動するときに好ましくは静止したままである搬入コンベヤ駆動機構および/または駆動ローラによって駆動されてもよい。このような例では、搬入コンベヤは、入力コンベヤの容器支持面が上昇位置および下降位置のそれぞれにあるときに、搬入ベルトと搬入コンベヤの駆動ローラとの間の接触長が実質的に同じになるように構成してもよい。あるいは、搬入コンベヤが単一のユニットとして移動(たとえば、上昇および下降および/または回転)してもよい。
【0062】
好ましい例では、本方法は、搬入コンベヤおよび入力コンベヤの容器支持面が移動(すなわち、上昇および下降および/または回転)する際に、入力コンベヤおよび/または搬入コンベヤの動作速度を変化させる工程を備えてもよい。これにより、コンベヤによる容器の輸送速度の変動が最小限に抑えられ、容器とその内容物に不必要な力が加わることがなくなるため、容器とその内容物のこぼれや損傷を防ぐことができる。たとえば、入力コンベヤと搬入コンベヤがベルトコンベヤである場合、各容器支持面が移動すると、モータと駆動ローラへの入力が変化して、各コンベヤのベルト(およびその上に支持される各容器)がほぼ一定の速度を維持できるようにしてもよい。動作速度を変化させることで、ベルトとコンベヤの駆動されないローラの位置がモータと駆動ローラに対して移動するにつれて、コンベヤのベルトに加わる力の変化に対応することができる。この工程は、システムの制御装置によって行われるモータ速度のソフトウェア補正の形をとってもよい。
【0063】
好ましくは、本方法は、移送機構によってプラテン上方に各容器が支持されるようにプラテンの容器支持面を下げる工程と、移送機構を使用してプラテン上から出力コンベヤへと各容器を移送する工程と、各容器を移送機構から取り去る工程と、を備える後続の工程を備える。したがって、プラテン上で受け取られ、および/または処理された各容器は、実質的に上記と同じプロセスを使用して、移送機構によってプラテンから移送または排出される。これらの工程が、これまでに説明した任意の特徴または好ましい特徴のうちのいずれかを備えてもよい。
【0064】
したがって、本方法は、出力コンベヤを使用して各容器をプラテンから排出する工程を備える(ただし、さらなる例では、各容器は、手動による取り扱いを含む、容器取り扱い部品または機械を使用して排出され、移送されてもよい)。これらの工程は、容器がプラテン上で処理された後、たとえば容器に充填、密封、ラベル付け、および/または印刷が行われた後に実行してもよい。出力コンベヤは、入力コンベヤおよび搬入コンベヤを参照して上述した任意のまたは好ましい特徴のいずれかを備えてもよい。出力コンベヤは、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ、チェーンコンベヤ、スラットコンベヤなど(ただし、これらに限定されない)を含む、任意の適切なコンベヤであってもよい。
【0065】
その後、本方法は、出力コンベヤを使用して各容器をプラテンから搬出する工程をさらに備えてもよい。その後、ラベル付け、印刷、箱詰め、配送、販売など、他の方法で各容器を処理してもよい。
【0066】
特に好ましい例において、出力コンベヤおよび/または出力コンベヤの容器支持面は、方法全体を通じて垂直方向に実質的に静止したままである。たとえば、移送機構によってプラテンから静止している出力コンベヤに各容器を引きずるか、出力コンベヤ上で各容器を開放してもよい。これは、容器がプラテン上で(例えば、上述のトレイシーラーを使用して)密封される方法およびシステムに特に適している。これらの実施形態では、容器が静止出力コンベヤに移送される際に大きな力を受ける可能性があるが、密封された容器の内容物は、密封開口部によってこぼれないようにまたはこぼれにくいようになっている。したがって、こぼれる危険性を増やすことなく、システムの設計と構築を簡素化できる。例えば、出力コンベヤの容器支持面は、下降位置にあるプラテンと同じ高さ、および/またはプラテンと略平行になるように配置してもよい。好ましい例では、出力コンベヤの容器支持面は、それぞれの下降位置にあるプラテンおよび/または入力コンベヤの容器支持面の高さに配置される。
【0067】
ただし、さらなる例では、出力コンベヤおよび/または出力コンベヤの容器支持面は移動可能であり、本方法は、各容器がプラテンから出力コンベヤに移される前に、プラテンおよび出力コンベヤの容器支持面を下げる工程を備えてもよい。容器に壊れやすい製品が入っている場合や、容器が密封されていない場合、容器にかかる力が軽減されるため、この方法が好ましい。プラテンと出力コンベヤとが単一の昇降機構(たとえば、モータや油圧ラム)によって昇降するように、出力コンベヤとプラテンとを機械的に連結してもよい。出力コンベヤは、容器支持面が上昇および下降しても動かない静止出力コンベヤ駆動機構を備えてもよい。出力コンベヤが出力ベルトを備えたベルトコンベヤである場合、出力ベルトの張力および出力ベルトと出力コンベヤの駆動ローラとの間の接触長を、略一定のレベルに維持してもよい。同様に、さらなる例では、出力コンベヤは、搬入コンベヤと同様の方法で回転するよう構成してもよく、プラテンから最も遠い出力コンベヤの容器支持面の上流端は実質的に静止した状態で、出力コンベヤの製品支持面の下流端はプラテンとともに上昇および下降する。
【0068】
出力コンベヤが静止しているか可動であるかにかかわらず、プラテン上の容器が移送機構によって支持されると又は支持された後に(すなわち、容器の重量が移送機構に渡されると又は渡された後に)、プラテン上から出力コンベヤに容器を移送する前に、プラテンを任意に下降させてもよい。たとえば、容器が出力コンベヤに移される前に、プラテンと入力コンベヤの両方が下降してもよい。これは、(以下でさらに説明するような)複数の連続した容器のバッチを処理する場合に特に適している。この場合、移送機構によって支持された各容器は、出力コンベヤに搬送されて排出される前に、プラテンから持ち上げられ、プラテン上方で支持される。プラテン上の容器が移送機構によって保持または把持される方法については、入力コンベヤ上で受け取った容器の場合と同様の工程を伴ってもよい。これらの工程は、入力コンベヤで受け取った各容器に関連して実行する工程と略同時に発生してもよい。
【0069】
好ましくは、この方法は、システムが後続の容器または容器のバッチを処理する際に、上述の工程(任意のまたは好ましい工程として記載した工程のいずれかを含む)を繰り返す工程を備える。プラテンに移した容器は、手動で取り出しても、前述のように出力コンベヤを使用して取り出してもよい。処理の繰り返しを可能にするために、移送機構は往復運動し、製品がプラテンおよび/または出力コンベヤに移送された後に開始位置に戻って、移送機構が入力コンベヤで受け取った後続の容器を受け取って支持することができ、方法が再開されてもよい。
【0070】
本発明のさらなる態様によれば、各バッチが一以上の容器を備える2つの連続する容器のバッチを処理する方法が提供され、2つの連続する容器のバッチは、下流のバッチとそれに続く上流のバッチとを備え、各バッチの容器は、先行する請求項のいずれかの方法に従って処理され、本方法は、移送機構を使用して、下流バッチの容器をプラテンから出力コンベヤへ移送すると同時に、上流バッチの容器を入力コンベヤ上からプラテン上へ移送する工程を備える。この方法により、容器の連続バッチをプラテンとの間で同時に移送することにより、処理能力をさらに向上できることが理解されるであろう。第1の下流バッチは、後続の上流バッチが入力コンベヤからプラテン上に受け取られるときに、プラテンから出力コンベヤ上に排出される。
【0071】
より詳細には、第1の下流バッチの容器が、前述のようにプラテンに転送され、プラテン上で処理されてもよい。たとえば、下流バッチの容器は、プラテン上で充填、密封、ラベル付け、および/または印刷されてもよい。好ましくは、第1下流バッチの容器が処理されると、後続の上流バッチの容器が入力コンベヤ上で受け取られる。したがって、処理済みの下流バッチをプラテンから排出し、同時に新しい上流バッチの容器をプラテンに移送して処理することができる。これは特に効率的である。
【0072】
好ましくは、プラテン上の下流バッチの容器と入力コンベヤ上の新しい上流バッチの容器は、移送機構によって略同時に支持される。例えば、移送機構は、横方向に間隔をあけて配置された2つの支持部であって、下流バッチの容器を支持または保持するよう構成した第1支持部と、後続の上流バッチの容器を支持または保持するよう構成した第2の把持部とを有してもよい。上流支持部および下流支持部は、同じ移送アームの横方向に間隔を置いた部分を形成してもよい。このような方法において、入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面を、ここでも好ましくは略同時に下げて、移送機構が作動して両方のバッチの容器を一斉に横方向に移動させる前に、上流および下流バッチの容器の重量を移送機構に伝達してもよい。このような例では、移送機構により、下流バッチの容器をプラテン上から出力コンベヤへ移送すると同時に、上流バッチの容器を入力コンベヤ上からプラテン上へ移送する。その後入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面を(ここでも好ましくは同時に)上昇させて、両方のバッチの容器が移送機構によって(ここでも好ましくは同時に)取り去られてもよい。したがって、上流バッチの容器がプラテン上で処理される際に、以前に処理された下流バッチの容器を出力コンベヤによってプラテンから移送することができる。
【0073】
さらに、システムがさらなるバッチの容器を処理する際に、この方法をさらに繰り返すことができることが理解されよう。たとえば、前述の上流バッチがプラテン上にあるとき(たとえば、上流バッチが処理されているとき)、第3バッチの容器が入力コンベヤに到着してもよい。この第3バッチの容器は、上流バッチに関して前述したのと同じ方法で処理されてプラテンに移送される一方、上流バッチは、下流バッチに関して前述したのと同じ方法で排出され、プラテンから移送されてもよい。
【0074】
これらの例では、移送機構によって2つのバッチの容器を同時に処理できることが理解されるであろう。前述のように、移送機構は、プラテン上の一以上の容器(例えば、下流バッチ)を支持するよう構成した第1の支持部と、入力プラテン上の一以上の容器(例えば、上流バッチ)を支持するよう構成した第2の支持部とを備えてもよい。したがって、第1の支持部は第2の支持部の下流に配置される。第1支持部によって保持した各容器がプラテン上から出力コンベヤへと移送されると同時に、第2支持部によって保持した各容器が入力コンベヤ上からプラテン上に移送されるように移送機構が移動するようにする。次に、移送機構は両方のバッチの容器を取り去り、開始位置に戻ってさらなるバッチの容器を受け取り、往復の繰り返し動作を完了してもよい。
【0075】
複数バッチの容器を処理するこの方法は、前述の方法およびシステムの任意の特徴または好ましい特徴のいずれかを含みおよびこれらと組み合わせてもよく、対応する利点が提供される。
【0076】
本発明のさらなる態様によれば、容器処理システムが提供され、プラテンおよび入力コンベヤを備え、これらプラテンおよび入力コンベヤはそれぞれ、上昇位置と下降位置との間で移動するよう構成した可動容器支持面を備えるプラテンおよび入力コンベヤと、往復移送機構であって、入力コンベヤの容器支持面が上昇位置から下降位置まで下降するときに、入力コンベヤ上にそれまでに受け取った一以上の容器を支持し、一以上の容器が入力コンベヤの上方で移送機構によって支持されるように、および入力コンベヤとプラテンがそれぞれの下降位置にあるときに、一以上の容器を入力コンベヤ上からプラテン上に移送するよう構成した往復移送機構と、を備える。このように、移送機構は、その容器支持面が下降位置まで移動すると、各容器を入力コンベヤの上方で保持するようにする。各容器と入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面との間に垂直方向の隙間が形成されてもよく、これにより、大きな横方向の力を受けることなく、各容器を入力コンベヤ上からプラテン上へ横方向に移動させられる。
【0077】
したがって、本発明のこの態様によるシステムは、上述した方法と同等の利点を提供する。特に、容器の内容物の流出や損傷の危険性が軽減され、清掃や保守の要件が減り、製品の品質と処理能力が向上する。
【0078】
好ましくは、容器処理システムは、本発明の前述の態様に係る任意の方法を含む方法を実行するようにする。したがって、容器処理システムは、前述の任意の工程または好ましい工程のいずれかを実行するように構成してもよく、本発明の前述の態様を参照して前述した構成要素および特徴のいずれかを備えてもよい。
【0079】
たとえば、容器処理システムの移送機構は、各容器を支持して移送するよう構成した移送アームを備えてもよく、本方法は、入力コンベヤ上の受け取った各容器の周囲で移送アームを閉じることによって、各容器が移送アームによって支持されるようにする工程を備える。同様に、システムは、入力コンベヤおよび/またはプラテンの各容器支持面を2段階で下げることができるように構成してもよく、容器支持面を下降させて、各容器の重量が移送機構によって支えられるようにする第1段階と、容器支持面をさらに下降させて、各容器と容器支持面との間に隙間を形成する第2段階、である2つの段階を含む。
【0080】
同様に、好ましい例において、容器処理システムは、プラテン上の一以上の容器を密封するよう構成したトレイシーラー等の密封ユニットを備えてもよい。密封ユニットは、各容器の開口部を横切るようにフィルムを設けるよう構成してもよい。密封ユニットは、一以上の容器の各々の上向きの開口部をフィルムで密封して開口部を閉鎖するよう構成し、容器の内容物が容器から漏れるのを防ぐことができる。好ましくは、密封ユニットは、容器の開口部を横切って気密および/または防水シールを形成するようにする。
【0081】
容器処理システムがトレイシーラーを含む場合、プラテンはトレイシーラーの下部ツール部を形成してもよい。プラテンは、トレイシーラーの上部ツール部と一体化するよう構成し、上部ツール部がプラテン上の容器および容器と上部ツール部との間に設けたフィルムに係合するよう構成してもよい。例えば、システムは、プラテンの容器支持面を入力コンベヤに対して相対的に上昇させるよう構成してもよい。容器と上部ツール部との間にフィルムが設けられた状態で容器が上部ツール部と係合すると、フィルムが容器に接合されて容器の開口部を密封するように、上部ツール部を加熱するようトレイシーラーを構成してもよい。追加的または代替的に、システムは、プラテン上の容器にラベルを付けるラベルメーカー、プラテン上の容器に印刷するプリンタ、または容器に製品(例えば、食品)を分配する製品分配ユニットなどの代替処理ユニット(又は複数のユニット)を備えてもよい。
【0082】
入力コンベヤおよび/またはプラテンの容器支持面のそれぞれの上昇位置と下降位置との間の距離は、少なくとも5mm、より好ましくは少なくとも10mm、さらに好ましくは少なくとも15mmである。同様に、入力コンベヤおよび/またはプラテンのそれぞれの上昇位置および下降位置は、最大50mm、好ましくは最大30mm、さらに好ましくは最大25mmである。したがって、使用中の入力コンベヤおよびプラテンそれぞれの容器支持面の可動範囲は、5~50mm、より好ましくは10~30mm、さらに好ましくは15~25mmの範囲であってもよい。特に好ましい例では、入力コンベヤとプラテンのそれぞれの上昇位置と下降位置の間の距離は20mmである。
【0083】
好ましくは、移送機構は、容器の質量中心および/または容器およびその内容物の質量中心よりも上の位置で、各容器を支持するようにする。
【0084】
好ましくは、システムは、入力コンベヤを駆動するよう構成した入力コンベヤ駆動機構を備え、入力コンベヤの容器支持面が上昇および下降するときに、入力コンベヤ駆動機構は静止したままであるように入力コンベヤを配置する。
【0085】
好ましくは、入力コンベヤは入力ベルトを備えるベルトコンベヤであり、容器支持面は入力ベルトの外面である。他の適切な形態のコンベヤも使用してよい。好ましくは、入力コンベヤの容器支持面が上昇位置および下降位置にある際、入力ベルトの張力が略同一であるようシステムを構成する。好ましくは、システムは、駆動ローラを介して入力ベルトを駆動するよう構成した入力コンベヤ駆動機構を備え、入力コンベヤの容器支持面が上昇位置および下降位置にある際、入力ベルトと駆動ローラとの間の接触長は略同一である。好ましくは、プラテンと入力コンベヤとの容器支持面同士が単一の昇降機構によって同時に昇降するように、プラテンと入力コンベヤとが機械的に連結される。
【0086】
好ましくは、システムが上流搬入コンベヤをさらに備え、入力コンベヤは搬入コンベヤから容器を受け取るようにする。好ましくは、搬入コンベヤは、入力コンベヤに隣接する下流端と、入力コンベヤから最も遠い上流端とを有する可動容器支持面を備え、搬入コンベヤは、下流端が入力コンベヤの容器支持面と共に昇降するようにする一方、上流端は静止したままである。
【0087】
好ましくは、システムは、容器をプラテンから排出または移送するよう構成した出力コンベヤを備える。好ましくは、移送機構はさらに、プラテン上で一以上の容器を取り去り可能に支持するよう構成し、一以上の容器をプラテン(またはプラテン上)から出力コンベヤへと移送するようにする。好ましくは、出力コンベヤおよび/または出力コンベヤの容器支持面は、入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面が上昇および下降する際に静止したままになるようにする。
【0088】
好ましくは、各々が一以上の容器を備える2つの連続したバッチの容器を同時に処理するようシステムを構成する。特に好ましい例において、移送機構により、下流バッチの容器をプラテン上から出力コンベヤへ移送すると同時に、後続の上流バッチの容器を入力コンベヤ上からプラテン上へ移送するようにする。これは、容器の内容物がこぼれたり破損したりする危険性なしに高い処理能力を達成できる、特に効率的な容器の移送方法である。
【0089】
上述した本発明の態様において、移送機構によって支持または保持された各容器と、その下にある入力コンベヤおよびプラテンとの間には、入力コンベヤおよびプラテンの容器支持面の相対運動によって隙間が形成される。入力コンベヤとプラテンが下げられ、容器支持面と各容器との間に垂直方向の隙間または間隔が作られる。この隙間により、容器とプラテンまたは入力コンベヤが接触することなく、支持した容器の横方向の移動が可能となる。
【0090】
これとは別に、発明者らは、移送機構で各容器を掴み、掴んだ容器を移送機構で持ち上げることによっても、容器とその下のコンベヤまたはプラテンとの間に同様の隙間または間隔を形成できることも認識している。言い換えれば、把持した容器と入力コンベヤおよび/またはプラテンとの間の相対的な垂直移動は、(上述したように)入力コンベヤおよびプラテンを下降させる代わりに、移送機構および/または容器を上昇させることによって達成され得る。
【0091】
ただし、この潜在的な代替アプローチは、特に処理速度と処理能力が増加するにつれて、重大な欠点がある。容器を掴んで移送することだけが必要である本発明の移送機構とは対照的に、これらの潜在的な代替移送機構は、容器を素早く掴み、持ち上げ、移送し、取り去る必要がある。追加操作を実行できる単一の機構を設計することは困難である。さらに、この潜在的な代替移送機構は、追加の操作を実行する必要があるため、本明細書で説明する本発明の例よりも必然的に大きくなる。
【0092】
移送機構は非常に動的でなければならないため、処理速度が速くなると、移送機構のサイズ、重量、複雑さの増加は問題となる。より大きな移動機構は、慣性と力が加わるため、さらに大きな支持を必要とし、エネルギーと電力の要求も大幅に大きくなる。容器をより長い距離にわたって搬送するように移送機構が構成されている場合、これらの問題はさらに悪化する。
【0093】
したがって、本発明に係る、コンベヤおよび/またはプラテンの容器支持面を下げるシステムは、これらの支持面上で容器を上げる可能性のある代替オプションよりも設計が容易であり、製造および操作に必要な資源が少なくて済む。
【0094】
容器を持ち上げる潜在的な代替移送機構は、容器を上下させるための垂直方向と、容器を移送するための入力コンベヤ上からプラテン上への横方向の両方で容器を素早く往復移動させる必要があり、同時に容器を素早く掴んで放す必要がある。これらの動的動作を単一の移送機構に組み合わせると、システム全体の複雑さとエネルギー要件が増加してしまう。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【
図1】
図1aは、本発明の一実施形態に係る容器処理システムの概略側面図、
図1b~
図1jは、
図1aの容器処理システムによって実行される本発明の一実施形態に係る容器処理方法の連続した段階を概略的に示す図
【
図2】
図2aは、本発明の一実施形態に係る容器処理システムの斜視図、
図2aおよび
図2bは、容器処理システムの構成要素の側面図
【
図3】
図3aおよび
図3bは、本発明の一実施形態に係る容器処理システムの構成要素の断面図、
図3cは、この容器処理システムのさらなる構成要素の側面図
【
図4】
図4a~
図4dは、本発明に係る容器処理方法の連続的な工程を示す概略図
【
図5】
図5a~
図5dは、本発明に係る容器処理方法の連続的な工程を示す概略図
【
図6】
図6a~
図6dは、本発明に係る容器処理方法の連続的な工程を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0096】
図1a~
図1jはそれぞれ、プラテン11、入力コンベヤ12、出力コンベヤ13、および移送機構14を含む容器取り扱いシステム10を概略的に示す図である。システム10はさらに、トレイシーラーの下部ツール部として機能するプラテン11と、加熱された上部ツール部15とによって形成されるトレイシーラを備える(ただし、他の例においてシステムは、ディスペンサー、ラベラー、および/またはプリンターなどの追加または代替の容器処理ユニットを備えてもよい)。
図1bから
図1eは、このシステムを使用して実行される方法の連続的な工程と処理とについて概略的に示す図である。この方法により、入力コンベヤ12とプラテンと11の間で各容器を移送する際であって、
図1aに示す隙間Gを各容器が通過する場合に、容器に大きな力が加わることがなくなる。
図1fおよび
図1g~
図1jは、本方法の(任意の)続きを示す図である。
【0097】
入力コンベヤ12と出力コンベヤ13は共にベルトコンベヤであり(但しこれは必須ではない)、
図1aに示すx軸に平行な方向に各容器を移送および移動するようにする。入力コンベヤ12は、容器をプラテン11に向かって移送するよう構成し、出力コンベヤ13は、容器をプラテン11から遠ざけて移送するようにする。
【0098】
プラテン11、入力コンベヤ12、および出力コンベヤ13は、容器を支持することができる容器支持面11a、12a、13aをそれぞれ備える。プラテン11の容器支持面11aはプラテンの一つの面であるが、入力コンベヤ12および出力コンベヤ13の容器支持面12a、13bは、それぞれのコンベヤベルトの移動する外面によって画定される。
【0099】
プラテン11および入力コンベヤ12は移動可能であり、それぞれが全体として上昇および下降するようにする。したがって、プラテン11および入力コンベヤ12はそれぞれ、少なくとも垂直方向(
図1aに示すy軸)に移動できる。その結果、プラテン11および入力コンベヤ12の上向きの容器支持面11a、12aも、垂直方向に上昇および下降するよう構成し、それぞれの上昇位置とそれぞれの下降位置との間で垂直方向に移動する。
【0100】
以下に説明する例では、出力コンベヤ13とその上向きの容器支持面13aは、
図1bから
図1jに示す方法の間、所定の位置に留まり、垂直方向に静止している。具体的には、出力コンベヤ13の容器支持面13aは、プラテン11および入力コンベヤ12の容器支持面11a、12aがそれぞれの下降位置にあるときに、これらの容器支持面11a、12aと略同一平面上にある。ただし、これらの特徴は必須ではない。例えば、別の例では、出力コンベヤ13が移動可能であってもよく、(例えば、プラテン及び/又は入力コンベヤと共に)垂直方向に昇降するようにする。
【0101】
移送機構14は往復運動するようにし、
図1aに示すx軸に平行な略水平方向に沿って繰り返し移動し、逆方向に沿って戻ることができる。したがって、入力コンベヤ、プラテン、および出力コンベヤ上の移送機構14の位置は変更可能である。移送機構14はさらに、容器を取り去り可能に支持または保持するよう構成し、容器を入力コンベヤからプラテンへ、およびプラテンから出力コンベヤへと移送するよう操作することができる。したがって、移送機構14は、図示のようにx軸に平行である入力コンベヤから出力コンベヤに向かって延びる移送方向に沿って各容器を移送することができる。
【0102】
ここで、
図1bから
図1jに示す方法について説明する。この方法の最初の工程において、容器Cの第1バッチB
1が入力コンベヤ12によって受け取られる。具体的には、
図1bに示すように、3つの容器Cが入力コンベヤ12によって受け取られる。各容器Cは、上向きの開口部によってアクセス可能な内部容積を備える。好ましい例では、製品(例えば食品)が容器C内に提供され、保持される。
【0103】
図1cは、入力コンベヤ12とプラテン11がそれぞれ矢印L
1とL
Pで示されるように下降した後のシステム10の配置を示しており、入力コンベヤ12上の容器Cは移送機構14によって支持されている。入力コンベヤ12およびプラテンが下降すると、容器Cと入力コンベヤ12およびプラテン11の容器支持面12a、11aとの間に垂直方向の間隔すなわち隙間Dが形成される。図示のように、第1バッチB
1の各容器Cは、移送機構14によって入力コンベヤ12上方で支持された状態で吊り下げられている。図示のように、各容器Cと入力コンベヤ12との間の垂直方向の間隔Dと、各容器Cとプラテン11との間の垂直方向の間隔Dは同じであるが、これは必須ではない。入力コンベヤ12とプラテン11は同時に下降してもよいが、これも必須ではない。
【0104】
その後、移送機構14が作動して、
図1dに示すように、入力コンベヤ12上からプラテン11上へと下流側(すなわち
図1aに示すx方向)に各容器Cが移動する。移送機構14と、この機構が支持する各容器Cのこの動きは、矢印M
1で示すように、略水平である。各容器Cの移送は、入力コンベヤ12とプラテン11との間の隙間Gを通過する際に、容器Cとその内容物が過大な力にさらされることなく行われる。これは、移動中、各容器Cと入力コンベヤ12およびプラテン11との間に接触がないからである。したがって、容器C内の傷つきやすい内容物がこぼれたり損傷したりする危険性が軽減される。
図1dに示すように、移送後、各容器Cはプラテン11の上方であってその真上に支持される。
【0105】
図1eでは、プラテン11と入力コンベヤ12(およびそれらの容器支持面11aと12a)とが上昇し、それぞれ矢印R
pとR
Iで示されるように、
図1aと
図1bで以前に示した上昇位置に戻る。プラテン11が上昇すると、その上向きの容器支持面11aが容器Cの底面に接触し、それによって各容器Cの重量を支持して支える。各容器Cはその後、移送機構14から取り去られ、プラテン11上の所定の位置に留まる。
【0106】
したがって、各容器Cは、垂直方向または水平方向のいずれにも大きな力を受けることなく、入力コンベヤ12からプラテン11に移送されることになる。各容器Cは、入力コンベヤ12とプラテンとの間の境界面を越えて搬送され、落下したり、他の容器Cや容器取り扱い処理システム10の部品と衝突したりすることもない。
【0107】
図1fは、プラテン11(下部ツール部)と上部ツール部15とによって形成されるトレイシーラーを使用して容器Cを密封する方法の任意の続きの工程を示す図である。各容器Cと上部ツール部15との間にはフィルム(図示せず)が配置される。プラテン11が上昇することにより、プラテン11と上部ツール部15とが近接し、プラテン11上の各容器Cと介在するフィルムとが上部ツール部15によって係合される(すなわち、上部ツール部14がフィルムを介して容器Cに間接的に接触する)。このようなプラテン11の
図1aに最初に示した上昇位置より上への移動を、
図1fの矢印R
P′で示す。容器Cおよびフィルムに係合する上部ツール部15の面が加熱され、熱シール可能フィルムが活性化され、フィルムが各容器Cに接合される。このようにして、フィルムが各容器Cの開口部の周囲に密封され、開口部を横切って延び、開口部を閉鎖することができる。さらなる例では、密封処理中にプラテン11を静止させ、上部ツール部15を下げて各容器Cに係合するようにしてもよい。
【0108】
密封処理の前、同時、またはその後に、移送機構14を
図1aおよび
図1bに示す開始位置に戻してもよい。この動きを、
図1fの矢印M
2で示す。このように、移送機構14が往復運動を完了し、さらなる容器を入力コンベヤ12上に受け入れて、上述の処理を繰り返すよう移送機構14を配置する。
【0109】
さらに別の例では、各容器をプラテン11上に受け入れた後、別の方法で処理してもよい。例えば、移送機構14によってプラテンに移送された後、各容器に、充填、検査、ラベル付け、計量、印刷、箱詰めなどを行ってもよい。
【0110】
次に、
図1aから
図1fに示した方法のさらなる任意の続きの工程を、
図1gから
図1jを参照して説明する。これらの図は、この方法を拡張して、システム10を通して各容器C、C′の連続的な流れを処理する方法を示す図であって、容器C、C′をバッチで入力コンベヤ12からプラテン11に移送し、その後プラテン11から出力コンベヤ13に移送する。
【0111】
具体的には、
図1gから
図1jに示すように、前述の容器Cの第1バッチB
1がプラテン11から出力コンベヤ13に移送されると同時に、容器C′の第2バッチB
2が入力コンベヤ12からプラテン11に移送される。図からわかるように、容器の第1バッチB
1は、容器C、C′の移動方向(つまり、
図1aのx方向)に沿って第2バッチB
2の下流にある。各バッチB
1、B
2の容器C、C′は、サイズ、形状、内容物が実質的に同じであることが好ましい。
【0112】
図1gでは、容器Cの第1バッチB
1を支持するプラテン11は、各容器Cの密封後に下降しており、プラテン11は
図1aに示す元の位置に戻っている。したがって、プラテン11の容器支持面11aは、入力コンベヤ12の容器支持面12aと再び同一平面上となっている。この略垂直な動きを、
図1gの矢印L
P′で示す。さらに、容器C′の第2バッチB
2を入力コンベヤ12で受け取る。
【0113】
その後、
図1hに示すように、入力コンベヤ12とプラテン11が下降すると同時に、容器C、C′が移送機構14によって支持される。この下降工程は、
図1cを参照して記載した下降工程と実質的に同じである。入力コンベヤ12およびプラテン11(およびそれぞれの容器支持面12a、11a)は、移送機構14が支持する容器C、C′と入力コンベヤ12およびプラテン11のそれぞれとの間に垂直方向の隙間Dが形成されるように、垂直方向に落下すなわち下へと移動する。したがって、容器Cの第1バッチB
1は、移送機構14によってプラテン11の上方で支持され、容器C′の第2バッチB
2は、移送機構14によって入力コンベヤ12の上方で支持される。したがって、移送機構14は、2つの支持部を備えてもよく、入力コンベヤから容器の1バッチ(容器C′の第2バッチB
2)を受け入れて支持するよう構成した上流支持部と、プラテンから容器の1バッチ(第1バッチB
1)を受け入れて支持するよう構成した下流支持部を備える。
【0114】
続いて、
図1iの矢印M
1で示すように、移送機構14を水平方向に移動するよう操作する。この動きは
図1dに示す動きに対応する。したがって、容器Cの第1バッチB
1がプラテン11から排出されて、プラテン11上から出力コンベヤ12に移送されると同時に、容器C′の第2バッチB
2が入力コンベヤ12上からプラテン11上へと移動する。なお、入力コンベヤ12とプラテン11との間で容器C′の第2バッチB
2を転送することによっても、第2バッチB
2内の蓋のない(つまり、密封されていない)容器C′に過度の力が加わることが回避される。一方、出力コンベヤ13は方法全般を通じて静止したままであるが、(前述のように)第1バッチB
1の容器Cの内容物は密封されているので、内容物がこぼれる可能性は非常に低い。
【0115】
その後、入力コンベヤ12とプラテン11とが上昇し、プラテン11と入力コンベヤ12はそれぞれの元の位置に戻る。この処理の間、プラテン11の容器支持面11aは、上流の第2バッチB
2の各容器C′に接触し、その重量を支持する。この動きを
図1jの矢印R
IおよびR
Pで示すが、
図1eを参照して説明したプラテン11および入力コンベヤ12の動作と実質的に同じである。
【0116】
その後、容器C、C′を移送機構によって取り去ってもよい。その後、下流の第1バッチB
1の各容器Cを、出力コンベヤによって(例えば、ラベル付け、印刷、箱詰め、包装、販売および/または配送のために)プラテンを離れるよう移送してもよい。一方、上流の第2バッチB
2の容器C′は、
図1fを参照して第1バッチB
1について説明したのと同じ方法で密封してもよく、その後、
図1gから
図1jで第1バッチB
1に対して実行したのと同じ工程を使用して排出される。実際、容器のさらなるバッチが入力コンベヤ11に到着し、入力コンベヤ11によって受け取られると、このプロセスを継続的に繰り返してもよい。容器がプラテン11から排出されると同時に、プラテン11上に同時に受け入れられるこの方法は、容器を取り扱うための特に迅速かつ効率的な方法である。
【0117】
次に、特定容器の取り扱いシステム20のさらなる特徴について、
図2a、2bおよび2cを参照して説明する。この容器取り扱いシステムは、
図1を参照して上述した方法と実質的に同様の方法を実行することができ、上述したシステムの任意の特徴と組み合わせてもよい。
【0118】
図2aは、容器取り扱いシステム20の斜視図であって、このシステムは、プラテン21、入力コンベヤ22、出力コンベヤ23、搬入コンベヤ24、および位相機構を備え、移送機構の2つの搬送アーム25が図示されている。
図2bおよび
図2cは、わかりやすくするために出力コンベヤ23を省略した、システム20の側面図である。プラテン21、入力コンベヤ22、および搬入コンベヤ24は、昇降するよう構成した容器支持面21a、22a、24aをそれぞれ備える。移送機構は、プラテン21、入力コンベヤ22、および搬入コンベヤ24の容器支持面21a、22a、24aがそれぞれ下降位置にあるときに、隣接する入力コンベヤ22および出力コンベヤ23からプラテン21に容器を移送したり、プラテン21から容器を降ろしたりするようにする。
【0119】
より詳細には、プラテン21、入力コンベヤ22、出力コンベヤ23、および搬入コンベヤ24はそれぞれ、容器を配置できる上向きの容器支持面21a、22a、23a、24aを備える。容器が使用中に上流のある箇所から下流のある箇所に転送される方向であるx方向に沿って、搬入コンベヤ24、入力コンベヤ22、プラテン11、最後に出力コンベヤ23の順に設ける。
【0120】
入力コンベヤ22、出力コンベヤ23及び搬入コンベヤ24はベルトコンベヤである。各コンベヤ22、23、24は、コンベヤベルトを備え、その外面がそれぞれの容器支持面24a、22a、23aを形成する。コンベヤベルトは無端ベルトであり、それぞれのコンベヤ22、23、24とともに内部ローラ(図示せず)の周りに延びる。各コンベヤ22、23、24のコンベヤベルトは、それぞれの駆動機構24b、22b、23bによって駆動され、内部ローラの周囲を回転する。その結果、コンベヤ22、23、24は、搬入コンベヤ24から出力コンベヤ23に延びるx方向に沿って容器を移送するよう構成される。駆動機構24b、22b、23bはそれぞれ、電気モータと適切な歯車装置とを備える。
【0121】
図2aには、容器29の3つの連続したバッチが示される。それぞれが4つの容器29を含むこれら3つのバッチは、出力コンベヤ23、プラテン21、および入力コンベヤ22の容器支持面23a、21a、22a上にそれぞれ支持される。全ての容器29は略同一である。各容器29は、製品(例えば、食品)が提供される内部容積29aを備えたトレイであることがわかるであろう。この内部容積29aには、各容器29の上面にある上向きの開口部29bからアクセスする。各容器29の上面には、容器29の開口部29bの周囲に延びる縁部29cが設けられ、この縁部29cによって各容器29を把持することができる。わかりやすくするために、容器29内の製品は図示していない。ただし、多くの例では、
図2aから
図2cに示す容器処理システム20の上流で、または容器29が容器処理システム20を通過する際に、製品が各容器29に分配される。
【0122】
図2aに最もよく示されているように、移送機構の移送アーム25は、コンベヤ22、23、24およびプラテン21の相対する両側に配置する。各移送アーム25は、容器29を入力コンベヤ22からプラテン21へ、またプラテン21から出力コンベヤ23へと移送し、その後、開始位置に戻るように、x方向(つまり、入力コンベヤ22からプラテン21へ向かう方向)に沿って往復移動するようにする。具体的には、
図2aの配置において各移送アーム25は、上流位置に設けられ、入力コンベヤ22およびプラテン21の横に配置されている。この位置は、例えば
図1aおよび
図1bに示す移送機構15の位置に類似している。これは、移送アーム25が、例えば
図1dに示す移送機構15の位置に類似する移送を行う下流位置とは対照的である。
【0123】
さらに、
図2aは、移送アーム25が取り去られた配置を示しており、各移送アーム25は、プラテン21およびコンベヤ22、23、24上に支持した容器29から横方向に間隔をあけて配置されている。したがって、
図2aに示す配置では、容器29は移送機構によって保持または把持されていない。移送機構はさらに、矢印Gで示すように、対向する各移送アーム25をz方向(システムの動作中に容器が移送される方向に対して垂直な方向)に互いに近づいたり離れたりするよう往復移動させるようにする。このように移送アーム25を互いに向かって移動させることにより、初期状態ではプラテン21、入力コンベヤ22、および出力コンベヤ23上に支持されていた各容器29の周囲を移送機構が取り囲むようにすることができる。この閉じた配置では、各移送アーム25は、容器29に隣接して配置され、容器29を実質的に囲むことになる。
【0124】
閉じた配置では、各容器29が拘束され、把持アーム25aに対して横方向(x方向およびz方向)への移動が制限される。その後、プラテン21および入力コンベヤ22の容器支持面21a、22aを降下させると、各容器29が周囲の移送アーム25上で留まって、その下にある容器支持面上方で支持されるようになる。実際には、プラテン21および入力コンベヤ22の容器支持面21a、22aを降下させることによって、容器29の重量が移送アーム25に伝達され、容器29とプラテン21および入力コンベヤ22との間に垂直方向の隙間が形成される。移送アーム25によって保持されている各容器29は、移送アーム25を互いに離間する方向に移動させて
図2aに示す開いたまたは取り去られた配置に戻すことによって、同じように移送機構から取り去ることができる。
【0125】
より詳細には、各移送アーム25は、複数の支持突起25aを備え、この支持突起25aは、移送アーム25から対向する移送アーム25上の対応する支持突起25aに向かって延びる。各移送アーム25上の隣接する支持突起25a同士の距離は、容器29を収容できるようにする。つまり、x方向に沿った支持突起25a間の距離は、システムが処理する容器29の幅および/または長さと少なくとも同じ大きさとする。前述のように、対向する移送アーム25同士を互いに向かって移動させることにより、支持部25aと移送アーム25とが、プラテン21、入力コンベヤ22、および出力コンベヤ23の容器支持面21a、22a、23a上に位置する容器29の周囲を取り囲む。したがって、前述のように、この閉じた配置では、移送アーム25に対する容器29の横方向の移動が制限され、移送機構は、移送アーム25と容器29とを同時に(つまり、連動して)移動させることができる。
【0126】
移送機構の移送アーム25は、複数バッチの容器29を同時に移送するようにする。各移送アーム25の支持突起25aは、2つの対向するグループとなるよう配置し、それぞれのグループが対応するバッチの容器29を受け取って支持するようにする。第1グループの支持突起25aは、各移送アーム25の下流側の第1支持部25bに設けられる。第1グループの支持突起25aは、各容器29をプラテン21から受け取って支持し、これらの容器29をプラテン21上から出力コンベヤ22に移送するようにする。一方、第2グループの支持突起25aは、各移送アーム25の上流側の第2支持部25cに設けられる。第2グループの支持突起25aは、各容器29を入力コンベヤ21から受け取って支持し、これらの容器29を入力コンベヤ22上からプラテン21上へと移送するようにする。したがって、移送アーム25の2つの支持部25b、25cは、容器29の連続バッチを受け取り、支持し、移送するようにする。言い換えれば、第1支持部25bの支持突起25aは、容器29の下流バッチを受け取って支持し、移送するよう構成し、これと同時に上流の第2支持部25cの支持突起25aは、連続する後続の容器29の上流バッチを受け取って支持し、移送するようにする。移送アーム25のx方向およびz方向の移動は共に、モータおよび/または空気圧または油圧システムを備える駆動機構を含む任意の適切な手段を使用して実行可能である。
【0127】
上述のように、各容器29は、好ましくは、入力コンベヤ22、搬入コンベヤ24およびプラテン21の容器支持面22a、24a、21aがそれぞれの下降位置にある間に、システム20の入力コンベヤ22とプラテン21との間、およびプラテン21から出力コンベヤ23へと移動する。次に、
図2bおよび
図2cに示すシステム20の配置を参照して、入力コンベヤ22、搬入コンベヤ24、およびプラテン21の容器支持面22a、24a、21aを移動させる手段について説明する。
【0128】
図2bは、入力コンベヤ22、搬入コンベヤ24、およびプラテン21の容器支持面22a、24a、21aが上昇位置にあるときのシステムを示す図である。各容器29は、入力コンベヤ22とプラテン21のそれぞれの容器支持面22a、21a上に配置され、支持される。一方、
図2cは、容器支持面22a、24a、21aが下降位置にある状態を示す図である。各容器29は、移送機構の移送アーム25によって保持され、容器29とその下にある入力コンベヤ22およびプラテン21との間に垂直方向の隙間が存在するように、入力コンベヤ22およびプラテン21の上方に支持されて(すなわち吊り下げられて)いる。
図2cに示すこの下降配置では、各容器29は、入力コンベヤ22またはプラテン21に接触することなく、移送機構によって入力コンベヤ22からプラテン21へと横方向に移動可能である。
【0129】
搬入コンベヤ24、入力コンベヤ22およびプラテン21は、連結部材28によって機械的に連結されている。したがって、各ユニットの容器支持面24a、22a、21aは、固定梁27上のプラテン21の下に配置した単一の昇降機構26を使用して一斉に移動可能である。具体的には、昇降機構26及び連結部材28は、入力コンベヤ22及びプラテン21の容器支持面22a,21aを昇降させ、搬入コンベヤ24の容器支持面24aを回転させる。さらに、プラテン21と搬入・入力コンベヤ22,24との連結は、プラテン21の容器支持面21aが、搬入・入力コンベヤ22、24の容器支持面22a、24aよりも大きな垂直距離を昇降し得るようにする。
【0130】
昇降機構26は、プラテン21の容器支持面21aに対向するプラテン21の下面21bに取り付けた油圧式または空気圧式のラムを備える。したがって、ラムを昇降させると、プラテン21全体が直接昇降する(つまり、プラテンが単一のユニットとして移動する)。図からわかるように、ラムは
図2bの上昇配置では拡張しているが、
図2cの下降配置では後退している。
【0131】
プラテン21とは対照的に、搬入コンベヤ24と入力コンベヤ21とは一体として移動しない。搬入コンベヤ24及び入力コンベヤ22の駆動機構24b、22b及び駆動ローラ(図示せず)は、所定の位置に固定されており、これらのコンベヤ22、24の可動自在回転ローラ(すなわち、駆動されないローラ)が連結部材28及び昇降機構26によって動かされている間、静止したままである。
【0132】
昇降機構26による昇降運動は、プラテン接続部28aを介してプラテン21から連結部材28に伝達される。ただし、このプラテン接続部28aは、プラテン21のエンドプレート21cの接続スロット21b内で自由に動く。これにより、連結部材28のプラテン接続部28aに力を加えることなく、プラテン21を接続スロット21bの高さに相当する垂直範囲で昇降させることができる。一方、プラテン接続部28aが接続溝21bの各端部に接触するようなより長い距離プラテン21を昇降させると、昇降機構26からの力が連結部材28に伝達される。したがって、連結部材28(および接続された入力コンベヤ22および搬入コンベヤ24の容器支持面22a、24a)は、プラテン21が上昇および下降する際に、上下に駆動される。したがって、接続スロット21bを設けることにより、プラテンは、入力コンベヤの容器支持面22aおよび搬入コンベヤ24の容器支持面24aの下流端のいずれよりも大きな垂直距離だけ上昇および下降することができる。さらに別の例では、接続スロット21bのサイズを調整して、システムの様々なユニット間の動作範囲の差を変更したり、接続スロット21bを完全に省略したりすることもできる(たとえば、プラテンと入力コンベヤが同様の量だけ一斉に上昇および下降するようになる)。
【0133】
連結部材28の動きは、入力コンベヤ接続部28bによって入力コンベヤ21に伝達される。これにより、入力コンベヤ21の可動自由回転する(つまり、駆動されない)ローラが連結部材28とともに昇降し、それによってこれらのローラーの周囲に延びるコンベヤベルトが昇降し、その結果、このベルトによって画定される容器支持面22bが昇降する。
【0134】
同様に、連結部材28の動きは、搬入コンベヤ接続部28cによって搬入コンベヤ24の下流端に伝達される。この搬入コンベヤ接続部28cにより、搬入コンベヤ24の下流端にある可動自在回転ローラ(すなわち駆動されないローラ)が連結部材28とともに昇降する。ただし、搬送コンベヤ24の上流端(すなわち、プラテン21から最も遠い端)の垂直位置は、静止ピボット24cで固定されている。したがって、連結部材28が上昇および下降すると、搬入コンベヤ24の可動自在回転ローラと、搬入コンベヤのベルトおよび容器支持面24aは、この静止ピボット24cを中心に回転する。したがって、入力コンベヤが昇降する際、搬入コンベヤ24の容器支持面24aの下流端は、入力コンベヤ22aの容器支持面22aと同様の垂直位置に維持される。一方、搬入コンベヤ24の容器支持面24aの上流端の垂直位置は、支持面24aが回転しても静止したままである。
【0135】
静止ピボット24cは、容器支持面24aの上流端が、入力コンベヤ22の容器支持面22aの垂直移動の中心点と、搬入コンベヤ22の容器支持面24aの下流端とのおおよその位置で静止したままになるように配置されている。したがって、搬送コンベヤ24の容器支持面24aの下流端が昇降すると、容器支持面24aは水平方向のx軸に対して傾斜と下降とを交互に繰り返す。これについては、
図2bおよび
図2cにおいて、搬入コンベヤ24の配置をx軸と比較するとわかる。
図2bでは、入力コンベヤ24が上昇すると、搬入コンベヤ24の容器支持面24aが水平面に対して傾斜する。一方、
図2cでは、入力コンベヤ24が下降しており、搬入コンベヤ24の容器支持面24aは水平に対して傾斜している。
【0136】
具体的には、入力コンベヤ22の容器支持面22aと、搬入コンベヤ24の容器支持面24aの上流端とが、それぞれの上昇位置と下降位置との間で20mm上昇および下降する。一方、搬入コンベヤ24の容器支持面24aは、水平面に対して約+1.28度~-1.28度の範囲で回転する。
【0137】
次に、
図3a、
図3bおよび
図3cを参照して、連結部材と入力コンベヤとの間の潜在的な接続についてより詳細に説明する。
図3aおよび
図3bは、
図2bおよび
図2cの例とは(これらの図の各軸が反対であることからわかるように)反対の方向から見たシステム30の断面を示す図であり、
図3cは、
図2bおよび
図2cの対応する位置から見たシステムの側面を示す図である。実際には、このシステム30は、
図1および
図2に示すシステム10、20の追加機能のいずれかを備え、このシステムを使用して、前述のコンベヤのいずれかを連結および制御することができる。
【0138】
わかりやすくするために、
図3cは、プラテン31、入力コンベヤ32、搬入コンベヤ34、連結部材38およびエンドプレート31c、ならびに容器39および移送アーム35を示しているのに対し、
図3aおよび
図3bは、入力コンベヤ32、連結部材38およびプラテンのエンドプレート31cのみを示す。さらに、入力コンベヤ32および搬入コンベヤ34のベルト32′、34′は
図3cには示されているが、
図3aおよび
図3bではわかりやすくするために省略されている。
図3a~
図3cの各部品は、
図2a~
図2cに示した対応する参照符号を持つ同等の部品と同様であり、多くの対応する特徴と利点とを共有する。
【0139】
入力コンベヤ32は、
図3cに示すように、入力コンベヤ32の上向きの容器支持面32aを画定する連続コンベヤベルト32′を備えたベルトコンベヤである。このベルト32′は、駆動機構32b(例えば、モータ)によって駆動され、入力コンベヤ内の一連のローラの周りに延びて移動するようにする。これらのローラを、
図3aと
図3bの断面図に示す。
【0140】
具体的には、入力コンベヤ32は、4つの非駆動すなわち自由回転ローラ32c、32d、32e、32fを備える。これらの自由回転ローラ32c、32d、32eの3つは移動可能であり、連結部材38を使用して昇降可能である。さらに、入力コンベヤ32は、共に点Dを中心とする静止駆動機構32bと静止駆動ローラ32kとを備える。使用時には、連続コンベヤベルト32′が自由回転ローラ32c、32d、32e、32fの周囲に延び、これらを囲む。コンベヤベルトの外面は、入力コンベヤ32の容器支持面を画定することになる。各図の破線で示すように、コンベヤベルトの外面は、駆動ローラ32kの周囲に延び、駆動ローラ32kと係合する。したがって、システム30は、駆動機構を使用して駆動ローラ32kを回転させることにより、入力コンベヤ32のコンベヤベルトを移動させる(たとえば、その上で容器を移送する)ようにする。
【0141】
可動自在回転ローラ32c、32d、32eは、入力コンベヤ32の可動側板32gに取り付ける。一方、静止駆動ローラ32k、静止駆動機構および静止自由回転ローラ32fは、入力コンベヤ32の静止側板32hに取り付ける。具体的には、可動自由回転ローラ32c、32d、32eおよび可動側板32gを、静止駆動ローラ32k、静止駆動機構、静止側板32hおよび静止自由回転ローラ32fに対して昇降させることにより、入力コンベヤ32のコンベヤベルトおよび容器支持面を昇降させることができる。したがって、容器支持面は、入力コンベヤ32から容器を受け取って支持し、入力コンベヤ32上方で容器を支持するよう構成したその上の移送機構に対して上昇および下降することができる。
【0142】
連結部材38は、それぞれ「L」字型回転ブラケット32iに結合する2つの入力コンベヤ接続部38b(ボルト)によって入力コンベヤ32の可動側板32gに結合されている。連結部材38を昇降させることにより(例えば、前述したように機械的に連結されたプラテンを昇降させることにより)、回転ブラケット32iを回転させることができ、それにより、入力コンベヤ32の可動部品、すなわち、可動自在回転ローラ32c、32d、32eおよび可動側板32gを昇降させることができる。
【0143】
図3aは、入力コンベヤ32の可動部品と連結部材38とが上昇位置にある様子を示す図である。一方、
図3bは、これらの部品が下降位置にある様子を示す図である。図から分かるように、
図3aにおいて、可動自在回転ローラ32c、32d、32e、可動側板32gおよび連結部材38の位置は、
図3aよりも
図3bにおいて、入力コンベヤ32の駆動機構および駆動ローラ32k(点D)および静止側板32hの静止位置に対して相対的に低くなっている。これらの位置間の回転ブラケット32iの回転を矢印R′で示す。
【0144】
使用時には、連結部材38は、プラテン端板31cの接続スロット31b内で自由に移動できるプラテン接続部38a(
図3c参照)によってプラテンにも結合されるが、搬入接続部38cによって搬入コンベヤにも結合される。図からわかるように、
図3aおよび
図3bの接続スロット31bは、
図2aから
図2cに示した接続スロット21bよりもはるかに長い。この長いスロット31bによって、プラテン31と入力コンベヤ32との間の機械的な連結を維持しながら、プラテンとその容器支持面を入力コンベヤ32の容器支持面よりさらに上に持ち上げることができる。これにより、
図1a~
図1jに関連して説明した方法と同様に、密封処理中にプラテン上の各容器がトレイシーラーの上部ツール部分に係合するように、プラテンを入力コンベヤ32の上方に持ち上げることができる。
【0145】
実際、昇降機構26は、プラテン21および入力コンベヤ22の容器支持面21a、22aを下げて、(
図2cに示すように)容器支持面と移送アーム25によって支持した容器との間に分離または間隔を生じさせることと、プラテン21の容器支持面21aを上げて、プラテン21の容器支持面21a上に配置した各容器を処理できるようにすることの両方を行うよう構成した単一の機構であることが上記の説明から分かるであろう。例えば、昇降機構は、プラテン21の容器支持面21aを上昇させて、容器支持面21a上に配置した各容器がトレイシーラーの上部ツール部(図示せず)の加熱面と係合して密封されるよう構成してもよい。容器を移送するための容器支持面21aの下降と、密封(または代替処理工程)のためのプラテンの上昇の両方を実行する単一の昇降機構26は、特にスペース効率と資源効率が良く、容器支持面21aの下降と上昇の別々の工程を実行するために別々の部品を設ける必要性もない。随意である接続スロット31bにより、密封工程またはその他の処理工程中に、プラテン21を入力コンベヤ22に対して上昇させることができ、資源要件を最小限に抑え、入力コンベヤ22による容器の搬送が中断されることを回避し、(例えば)入力コンベヤに後続の容器のバッチを溜めておける。
【0146】
入力コンベヤ32はさらに、静止自由回転ローラ32f(ただし、別のローラも同様に使用できる)を介して入力コンベヤ32のコンベヤベルト32に張力をかけるために選択的に配置できる張力バー32jを備える。コンベヤベルト32の張力は、可動自由回転ローラ32c、32d、32e(したがってその容器支持面)がそれぞれ上昇位置と下降位置にあるときに、ほぼ一定のレベルに維持される。これは、各位置でコンベヤベルトがその周囲に延びる実質的な周囲長を確保するように自由回転ローラ32c、32d、32e、32fおよび駆動ローラ32kの配置が選択されるためである。さらに、自由回転ローラ32c、32d、32e、32fおよび駆動ローラ32kの配置は、
図3aおよび
図3bの破線を比較することで分かるように、コンベヤベルトと駆動ローラ32kとの間の接触距離が、可動自由回転ローラ32c、32d、32eの上昇位置および下降位置(したがって、容器支持面の上昇位置および下降位置)の両方において同様であるように選択する。
【0147】
図2および
図3に示すシステム20、30は、単一レーンのシステムである。したがって、各容器一つ一つが、一列に並んでシステム内を移動する。各コンベヤとプラテンの幅は、容器の幅と略同じである。ただし、これは必須ではなく、さらなる例では、上記の例と実質的に同じ方法で動作する2本のレーンまたは複数のレーンシステムが提供されてもよい。これらの例においては、2つ以上の並列ラインの容器がシステムを通じて一斉に移送されてもよい。このような例では、隣接する容器の列同士の間に配置した一以上の中央フェンスを設けてもよく、移送アームとともに、入力コンベヤとプラテンが下降するときに入力コンベヤとプラテン上方で容器を支持し、入力コンベヤとプラテンの間で容器を移送するようにする。
【0148】
図4a~
図4d、
図5a~
図5d、および
図6a~
図6dを参照して、容器および移送機構の好ましい配置、ならびに移送機構を使用して容器を取り扱いおよび支持する方法について特に以下に説明する。これらの方法および容器は、
図1、
図2、および
図3を参照して上述したシステムまたは方法のいずれかと組み合わせてもよい。
【0149】
各図は、可動容器支持面45、55、65(たとえば、上述のプラテンまたはコンベヤのいずれかの容器支持面)上の容器40、50、60の概略断面図である。容器40、50、60はそれぞれ、例えば製品を受け入れるための内部容積40a、50a、60aを囲む容器である。各容器40、50、60の幅(つまり、容器40、50、60のx方向の寸法)は、(各容器支持面45、55、65に隣接する)底面41、51、61から容器40、50、60の自由上面42、52、62へと増加する。具体的には、
図4a~
図4dの容器40は、容器43の側壁43が角度をなすような抜き勾配θを備える。したがって、容器40の幅は、その底面41から上面42まで連続的に増加する。
図5a~
図5dの容器50は、容器50の各側壁53から外側に延びる突起53aと、容器50の上面52の周囲に延びる縁52aとを備えた段付き側面を備え、容器50の幅は高さに沿って不連続に増加する。最後に、
図6a~
図6dの容器60は、抜き勾配θを備え、側壁63は、容器60の底部および縁65に対して角度を有する。
【0150】
したがって、一連の連続した図それぞれに示す方法の工程を経て容器支持面45、55、65が下降すると、移送機構によって下側の容器支持面45、55、65から各容器が支持され持ち上げられる。移送機構は、移送アーム46、56、66(例えば、上記
図2を参照して記載した支持突起を備えた移送アーム)を備える。
図4b、
図5b、
図6bでは、移送アーム46、56、66が、容器40、50、60の両側に、容器40、50、60のこの部分の幅よりも大きい距離を置いて配置されており、移送アーム46、56、66は、容器40、50、60に接触しないが容器40、50、60の最大幅よりも狭い幅となっている。その後、矢印L
1で示すように容器支持面45、55、65を下げて移送アーム46、56、66を容器40、50、60に接触させると、容器40、50、60を移送アーム46、56、66によって保持および支持することができる(
図4c、
図5c、
図6c参照)。次に、矢印L
2で示すように、容器支持面45、55、65がさらに下降し、容器40、50、60は移送機構によって容器支持面45、55、65上方で支持される(つまり、吊り下げられる)。このように、容器支持面45、55、65を下げることによって、容器40、50、60の重量は移送アーム46、56、66へと渡され、容器40、50、60と下にある面45、55、65との間に垂直方向の隙間が形成される。
【0151】
図からわかるように、容器支持面45、55、65を下降させる処理には、2つの段階がある。第1段階(
図4b、
図5b、
図6bと
図4c、
図5c、
図6cの間)では、容器40、50、60は、容器支持面45、55、65によって下降し、容器40、50、60の重量が移送アーム46、56、66に伝達されるようになる。事実上、容器40、50、60は、静止した移送アーム46、56、66の上に落ち着く。(
図4c、
図5c、
図6cと
図4d、
図5d、
図6dの間の)第2段階において、容器支持面45、55、65は、容器40、50、60と容器支持面45、55、65との間に隙間が形成されるように下がり続ける。したがって、容器40、50、60は、容器支持面45、55、65の上すなわち上方に支持される。好ましい実施態様では、第1段階および第2段階それぞれの間に、容器支持面45、55、65は10mmずつ下降し、下降プロセス全体の間に、容器支持面45、55、65は合計で20mm下降する。
【0152】
上述の処理において、容器が容器支持面45、55、65から持ち上げられ、その上で支持される際に、容器40、50、60またはその内容物に横方向または水平方向の力が実質的に加えられないことが理解されるであろう。その後、移送機構は、容器40、50、60とその下にある容器支持面45、55、65とが接触することなく、容器40、50、60を横方向に移動させることができる。これにより、先に説明した容器処理工程中に容器40、50、60とその内容物に加わる横方向の力をさらに最小限に抑えることができる。
【0153】
抜き勾配付きの容器(例えば、
図4および
図6の例)は、容器と移送アームとの間に位置ずれがある場合、容器支持面が下降して、容器が移送機構の移送アーム上で落ち着く(つまり、係合する)際にこの位置ずれが修正される傾向があるため、特に好ましい。
【0154】
各図に示す処理を逆にして、それぞれの容器40、50、60を移送アーム46、56、66から取り去ることもできる。具体的には、(図示する容器支持面45、55、65などの)容器支持面を上昇させて容器40、50、60に接触させ、容器40、50、60を移送アーム46、56、66から離すように持ち上げる。この処理は、上述のように容器40、50、60が移送された後に実行する。この方法でも、実質的な横方向の動きや力を避けることができる。次に、移送アーム46、56、66を容器の40、50、60のいずれかの側から取り外して、例えば、容器を処理したり、移送したりしてもよい。
【0155】
図4d、
図5d、
図6dのそれぞれにおいて、各容器40、50、60は、それぞれの底面41、51、61よりも上面42、52、62に近い位置(すなわち、底面41、51、61から上面42、52、62までの半分の距離よりも離れた位置)で移送アーム46、56、66によって支持されることがわかる。実際、このような配置では、容器40、50、60は、質量中心より上で保持され、(多くの場合)容器40、50、60とそれぞれの内容物の質量中心より上で保持される。これにより、移送機構によって容器40、50、60が持ち上げられて把持され、その後横方向に移送される際の、容器40、50、60の安定性が向上する。容器が、底面よりも上面近くであって、質量中心より上に位置する移送機構によって支持される同様の配置が、
図1c、
図1d、
図1h、
図1i、および
図2cにも示されている。このような配置により、容器とその内容物の安定性が向上し、容器を移送する際に容器から内容物がこぼれる危険性が軽減される。
【0156】
図4b、
図5b、
図6bに示す例では、移送アーム46、56、66は、初期状態では容器40、50、60の周囲で閉じており、移送アーム46、56、66が容器40、50、60に隣接している。この配置では、移送アーム46、56、66が容器40、50、60の横方向(例えば、図示のようにx軸)への移動を制限するが、容器40、50、60は移送アーム46、56、66に対して垂直に移動できるため、容器支持面45、55、65が下降すると、容器40、50、60は移送アーム46、56、66上に静かに留まることができる。同様の方法が、
図2および
図3に示すシステムを参照して記載されている。これにより、移送アームから容器に大きな横方向の力が加わることが回避される。ただし、これは必須ではない。実際、本発明のさらなる例では、移送アームがその間の容器に接触してこれを把持するように、移送アームを横方向に一斉に閉じてもよい。たとえば、移送アーム間の距離は、移送する容器の幅と等しいかそれ以下である。このように容器を掴むことで、移送アームに対するあらゆる方向への容器の動きが制限される。その後、下にある容器支持面(例えば、入力コンベヤまたはプラテンの容器支持面)が下降し、把持された容器は、容器支持面上方で支持され、接触することなく横方向に搬送することができる。この下降処理中、把持された容器は移送アームに対して相対的に移動できないため、容器の重量は移送機構に素早く伝達されることが理解されるであろう。
【0157】
上述のすべての方法では、容器取り扱い時に各容器に加わる力(特に横方向の力)が最小限に抑えられる。これにより、容器やその内容物への損傷の発生を減らすことができる。さらに、容器からの製品のこぼれやその他の漏れも減少できる。したがって、製品の品質が向上し、保守と清掃の要件が軽減され、容器の処理能力が向上する。この利点は、特に食品産業、特に液体を含む食品の取り扱いや包装に適用可能である。
【国際調査報告】