(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】水素、及び、電気の生成のための道路ベースソーラーシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 15/00 20060101AFI20241128BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20241128BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20241128BHJP
C01B 3/04 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H02J15/00
H02J7/35
H02J15/00 D
H02J15/00 G
H02J3/38 130
H02J3/38 170
C01B3/04 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527541
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 IL2022051187
(87)【国際公開番号】W WO2023084511
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524174450
【氏名又は名称】アーベル,アブラハム
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】アーベル,アブラハム
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA05
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB03
5G503GB06
(57)【要約】
本発明は、輸送ルートでエネルギーを生成するためのシステムおよび方法に関する。水素および電気を生成するための道路ベースのソーラーシステムが提供される。これは、生産、貯蔵、エネルギー収集、変換のための新しい分散型システムであり、a. 太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムおよび方法。b. 前記電気エネルギーを貯蔵および/または輸送するための手段および方法。c. 前記電気エネルギーをガス燃料に変換するシステムおよび方法。d.前記ガス燃料を貯蔵または輸送するためのシステムおよび方法を含む。太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するモジュールおよびユニットは、輸送ネットワークの上または隣接して配置されるように構成され、それによって既存の道路システムを利用し、無駄な土地利用を大幅に削減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための少なくとも1つのシステム、
b.前記電気エネルギーを貯蔵、及び/又は、輸送するための少なくとも1つのユニット、
c.前記電気エネルギーをガス燃料に変換するための少なくとも1つのシステム、
d.前記ガス燃料を貯蔵、又は、輸送するための少なくとも1つのシステム、
を有する交通路においてエネルギーを生成するためのシステムであって、
太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための前記ユニットは、交通ネットワークの上方に、交通ネットワークに隣接して、又は、交通ネットワークに配置されるように構成される、
輸送経路においてエネルギーを生成するシステム。
【請求項2】
前記太陽エネルギーシステムは、太陽光発電ユニットPVUとして特徴付けられる、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記太陽光発電ユニットPVUは、少なくとも1つの太陽光発電電池PVCを有する、
請求項2のシステム
【請求項4】
前記太陽エネルギーシステムは、少なくとも1つの電気変換ユニットECUを有する、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記電気エネルギーを貯蔵、及び/又は、輸送するための前記ユニットは、前記電気エネルギーを貯蔵するための少なくとも1つのシステムを有する、
請求項1のシステム。
【請求項6】
前記電気エネルギーを貯蔵するための前記システムは、充電式電池として特徴付けられる、
請求項5のシステム。
【請求項7】
前記電気エネルギーを輸送するための前記システムは、既存の電気グリッドとして特徴付けられる、
請求項1のシステム。
【請求項8】
前記電気エネルギーを輸送するための前記システムは、複数のPVUに相互接続される、
請求項1のシステム。
【請求項9】
前記貯蔵、及び/又は、輸送のための前記ユニットは、直流DCを交流ACに、及び/又は、交流ACから直流DCに変換するための少なくとも1つのユニットを有する、
請求項1のシステム。
【請求項10】
前記貯蔵、及び/又は、輸送のための前記ユニットは、直流DC、及び、交流ACを搬送するように構成される、
請求項1のシステム。
【請求項11】
前記ガス燃料は、水素である、
請求項1のシステム。
【請求項12】
前記ガス燃料を貯蔵、及び/又は、輸送するための前記ユニットは、前記ガス燃料を貯蔵、及び、輸送するように構成される、
請求項1のシステム。
【請求項13】
前記ガス燃料を貯蔵するための前記ユニットは、パイプ、又は、タンクとして、複数のHPUに相互接続されるとして、又は、オープンエンドであるとして、特徴付けられる、
請求項11のシステム。
【請求項14】
前記ガス燃料を貯蔵するための前記ユニットは、化学的ストレージである、
請求項11のシステム。
【請求項15】
前記化学的ストレージは、前記水素を異なるガス燃料に変換するように特徴付けられる、
請求項13のシステム。
【請求項16】
前記ガス燃料が、アンモニア、及び、メタンからなる群から選択される、
請求項14のシステム。
【請求項17】
前記パイプは、前記交通ネットワークの下方に、又は、に隣接して、配置される、
請求項11のシステム。
【請求項18】
前記貯蔵ユニットは、前記水素を比較的低圧の圧力で貯蔵するように特徴付けられる、
請求項11のシステム。
【請求項19】
a.請求項1のシステムを取得し、
b.前記太陽光発電ユニットPVUを、交通路上に、又は、交通路に隣接して、配置し、
c.少なくとも1つのPVUから電流を生成し、
d.前記電流を、少なくとも1つの水素生成ユニットHPU、又は、少なくとも1つの電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTUに、移送し、
e.前記HPUによって、水素を生成し、及び、
f.前記少なくとも1つの水素貯槽、及び/又は、輸送ユニットHSTUによって、前記水素を移送し、又は、貯蔵する、
ステップを有する交通路でエネルギーを生成する方法であって、
水素を移送する前記ステップは、前記水素をパイプに供給するステップを有し、前記パイプは、複数のHPUに相互接続されている、
交通路でエネルギーを生成する方法。
【請求項20】
さらに、前記電流をDCからACに変換するステップを有する、
請求項18の方法。
【請求項21】
さらに、水素から電流を生成するステップを有する、
請求項18の方法。
【請求項22】
a.道路システム13’の中心の上方に、道路網13”に隣接して、又は、道路11の上に配置される少なくとも1つのPVC、
b.DCをACに変換するように構成される少なくとも1つのインバータ、
c.前記PVCによって生成される電流を、消費者による使用、又は、ESTUによる貯蔵のために、追加の位置に移送するように構成される電気グリッド14、
d.少なくとも1つの水素生成ユニットHPU15、
e.水を前記HPU16に移送するように配置されるパイプ16、及び、
f.前記水素を移送し、及び/又は、貯蔵するように構成される、前記道路網に沿って配置される少なくとも1つのパイプ17、
を有する水素、及び/又は、AC電力のためのシステム10。
【請求項23】
さらに、水素から電気を生成するように構成される少なくとも1つの燃料電池15’を有する、
請求項21のシステム。
【請求項24】
a.請求項21のシステムを取得し、
b.前記太陽光発電ユニットPVUを、交通路上に、又は、交通路に隣接して、配置し、
c.少なくとも1つのPVUからDC電流を生成し、
d.前記電流を、少なくとも1つの水素生成ユニットHPU、又は、少なくとも1つの電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTUに、移送し、
e.前記電流を、DCからACに変換し、
f.前記HPUによって、水素を生成し、及び、
g.少なくとも1つの水素貯槽、及び/又は、輸送ユニットHSTUによって、前記水素を移送し、及び/又は、貯蔵する、
ステップを有する交通路で水素、及び/又は、AC電力を生成する方法であって、
水素を生成する前記ステップは、前記水素をパイプに供給するステップを有し、前記パイプは、複数のHPUに相互接続されている、
交通路で水素、及び/又は、AC電力を生成する方法。
【請求項25】
さらに、少なくとも1つの燃料電池によって、前記水素から電流を生成するステップを有する、
請求項24の方法。
【請求項26】
a.道路システム23’の上方に、道路網23”に隣接して、又は、道路21の上に、配置されるように構成される少なくとも1つのPVC、
b.DCをACに変換するように構成される少なくとも1つのインバータ、及び、
c.前記PVCによって生成される前記電流を移送するために用いられるように構成される既存の電気グリッド24、
を有する太陽エネルギーからAC電力を生成するためのシステム20。
【請求項27】
a.請求項25のシステムを取得し、
b.道路システム23’の上方に、道路網23”に隣接して、又は、道路21の上に、少なくとも1つの前記PVCを配置し、
c.前記PVCによってDC電流を生成し、
d.前記DCをACに変換し、及び、
e.電気グリッド24によって、前記PVCによって生成される前記電流を移送する、
ステップを有する交通路上でAC電流を生成するための方法。
【請求項28】
a.道路システム33’の上方に、道路網33’に隣接して、又は、道路31の上に、配置されるように構成される少なくとも1つのPVC、
b.前記道路に隣接して配置されるDC電気グリッド34、
c.少なくとも1つの水素生成ユニットHPU35、
d.水を前記HPU35に移送するように配置されるパイプ36、
e.前記水素を移送し、及び/又は、貯蔵するように構成される、前記道路網に沿って配置される少なくとも1つのパイプ37、
を有する太陽エネルギーから水素、及び/又は、DC電力を生成するためのシステム30。
【請求項29】
さらに、水素から電気を生成するように構成される少なくとも1つの燃料電池35’を有する、
請求項27のシステム。
【請求項30】
a.請求項28のシステムを取得し、
b.交通路の上に、交通路の上方に、又は、交通路に隣接して、前記太陽光発電ユニットPVUを配置し、
c.少なくとも1つのPVUから電流を生成し、
d.前記電流を、少なくとも1つの水素生成ユニットHPU、又は、少なくとも1つの電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTUに移送し、
e.前記HPUによって水素を生成し、
f.前記DCをACに変換し、及び、
g.少なくとも1つの水素貯槽、及び/又は、輸送ユニットHSTUによって、前記水素を移送し、及び/又は、貯蔵する、
ステップを有する交通路上でエネルギーを生成するための方法であって、
水素を生成する前記ステップは、前記水素をパイプに供給するステップを有し、前記パイプは、複数のHPUに相互接続されている、
交通路上でエネルギーを生成するための方法。
【請求項31】
さらに、燃料電池によって、前記水素から電流を生成するステップを有する、
請求項29の方法。
【請求項32】
a.道路システム43’の中央の上方に、道路網43”に隣接して、配置されるように、又は、道路41の上に配置されるように構成される少なくとも1つのPVC、
b.前記PVCによって生成される電流を移送するように構成されるAC電気グリッド44、
を有する交通路上でDC電流を生成するためのシステム40。
【請求項33】
a.請求項31のシステムを取得し、
b.道路システム23’の上方に、又は、道路網23”に隣接して、又は、道路21の上に、少なくとも1つの前記PVUを配置し、
c.前記PVCによってDC電流を生成し、
d.電気グリッド24によって、前記PVCによって生成される電流を移送する、
ステップを有する交通路上でエネルギーを生成するための方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
太陽光発電システムは、一日を通して電力を生成できず、日照時間の間に高レベルの電力を生成できない。したがって、生成されるエネルギーを貯蔵し、又は、分散する必要がある。余剰電力を、電気として貯蔵でき、又は、水素のような他の形態に変換できる。電解のような水素生成技術を用いて、燃料供給ステーションで水素を生成できる。
【0002】
先進世界のエネルギーの消費は、主に電気の形態において、絶えず増加している。加えて、大気中の炭素の上昇に対処する方法として、化石燃料の使用を制限する必要がある。電力需要の増大は、電力グリッドに、かなりの負担をかけることになる。
【0003】
現在の電力需要は、21%の電力、及び、79%の(天然ガス、ディーゼル等のような)燃料を含んでいる。より多くの(輸送のような)経済セグメントを電力で動くように移行することにともなって、電力需要は増加するので、需要は、上昇し続けるであろう。このことは、また、電力グリッドは、一日を通して、及び、各季節で、電力の成長量を提供することを必要とするだろう。
【0004】
エネルギー生成、及び、分配のための道路システムを開示する米国特許US7800036が、提示されている。発明の一実施形態によれば、道路システムは、複数の太陽エネルギー生成装置、及び、道路システム電気グリッドを有している。太陽エネルギー生成装置は、道路システム電気グリッドに電気的に接続され、及び、道路システムの道路の一部、又は、その近くに配置され、任意でマルチフォームになるような位置に固定され、太陽エネルギー収集ネットワークを形成できる。
【0005】
米国出願US20100252088は、太陽エネルギーを道路システム電気グリッドに収集するための車両を開示している。発明の一実施形態では、車両は、エネルギー貯蔵システム、及び、車両に結合される少なくとも1つの太陽エネルギー発生装置を有している。少なくとも1つの太陽エネルギー発生装置は、太陽光から電気を生成するように構成される。少なくとも1つの太陽エネルギー発生装置は、道路システム電気グリッドに電気的に接続するように構成される。発明の他の実施形態では、太陽エネルギーを収集し、及び、道路システム電気グリッドに同じものを提供する車両に関する方法である。方法は、車両ベースの太陽エネルギー収集装置から太陽エネルギーを利用し、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを貯蔵し、及び、貯蔵された電気エネルギーを道路システム電気グリッドに放電するステップを有している。
【0006】
米国出願US2007/0138006は、移動体車両に用いるための水素ガス発生システムを開示する。移動体車両は、例えば、車、若しくは、トラック、若しくは、風船、航空船、飛行船、船舶、又は、ボートのような他の車両であってもよい。車両は、好ましくは電解プロセスを用いる、水素ガスを生成するための車載水素発生器を有している。電解プロセスにより生成される水素は、車載水素貯蔵タンクに貯蔵される。貯蔵タンクからの水素を、水素ガスが車両を駆動するための電力を供給するために消費される車両駆動システムに流す。車載電気生成システムは、電解プロセスのための電気の少なくとも一部を提供する。一例では、車両は、電解プロセスのための電気を提供するための車載発電機を有している。車載電気生成システムは、例えば、太陽電池システム、風力発電システム、又は、回生制動発電機であってもよい。用いられる特定の発電プロセス、又は、プロセス群に応じて、車両は、移動するとき、惰性走行、又は、制動時、若しくは、長期駐車時に、水素ガスを生成できる。
【0007】
米国特許US7674358は、ソーラー水素生成システムを構成するための方法を開示し、及び、そのシステムの最適化が、開示されている。システムは、太陽光発電モジュール、及び、電解質溶液を利用して、水を、水素、及び、酸素に、効率的に、分割する。太陽光発電される水の電解の効率は、太陽電池によって生成される最も効率的な電圧を、電解セルによって必要とされる最も効率的な入力電圧に整合させることによって、最適化される。PV電解システムを最適化することは、環境的にクリーンな代替燃料として使用するために、太陽光発電水素生成をより安価で、及び、より実用的にする。
【0008】
米国出願US2018/0097136は、電気自動車を誘導結合によって充電できるようにする、走行面に太陽エネルギーハーベスティングストリップを堆積するための多層組成物、及び、方法を開示する。多層組成物は、磁場を生成するための少なくとも1つの磁性材料を有し、複数の層の少なくとも1つは、磁性材料を有している。さらに、多層組成物は、熱、及び、光エネルギーの少なくとも1つを電気エネルギーに変換するための少なくとも1つの太陽エネルギーハーベスティング材料を有し、複数の層の少なくとも1つは、少なくとも1つの太陽エネルギーハーベスティング材料を有し、及び、少なくとも1つの太陽エネルギーハーベスティング材料は、少なくとも1つの磁性材料によって生成される磁場内に配置される。代替の多層組成物は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するための熱エネルギーハーベスティング材料を有し、少なくとも1つの層は、熱エネルギーハーベスティング材料、及び、光エネルギーを電気エネルギーに変換するための光エネルギーハーベスティング材料を有し、少なくとも1つの層は、熱エネルギーハーベスティング材料を有している。加えて、太陽エネルギーハーベスティングバックルボール、誘導結合デバイス、電気エネルギーを貯蔵するための車両シャーシ、大気吸入水素モータ、電気エネルギー生成タイヤ、及び、機械的エネルギーハーベスティングデバイスが提供される。
【0009】
米国特許US10535904は、自律型のモジュール式エネルギー生成、貯蔵、及び、伝送装置を開示し、システム、及び、方法が、開示されている。装置は、管形状であり、及び、太陽光、及び、熱イオンエネルギー変換層、並びに、電池モジュールを有している。モジュール式装置のシステムを、一緒に接続し、伝送ネットワークを形成できる。そのような装置は、高速道路のジャージーウォール上の屋外用途、及び、オフィスのキュービクルウォール上の屋内用途に、特に、適している。装置の電池モジュールを充電する方法が、商業上で同じ電池モジュールを配布する方法と共に、提供される。
【0010】
中国特許CN201518457は、交通舗道に立設される太陽エネルギー生成装置を開示する。本装置は、交通舗道に架かり、及び、立設され、並びに、連結ロッドを介して、互いに、固定され、及び、連結される少なくとも2つのフレーム本体ユニットを有するフレーム本体、フレーム本体ユニットの間の連結ロッドに広がり、並びに、複数のソーラーパネル、及び、ソーラーパネルと共に用いられる光電変換機構を有するソーラーパネルアレイ、を有している。ユーティリティモデルは以下のような利点を有している。1.交通舗道の上方の長く、及び、広い空間を、充分に、用い、ソーラーパネルを立設し、その結果、ソーラーパネルによって生成される電気を、近隣で用いることができ、並びに、コスト、及び、費用を、大幅に、削減する。2.交通舗道が、直接的に、太陽に曝されることを防止し、これにより、高温暴露による交通舗道の亀裂を減少し、及び、交通舗道のサービス長寿を長くする。及び、3.液体水素充填ステーションを、近くに、開発し、すなわち、太陽エネルギー生成により生成される電気によって、水を、電解し、水素を生成し、並びに、水素を、液化し、及び、貯蔵し、それによって、交通舗道の全体に広がる液体水素充填ネットワークを形成する。
【0011】
ドイツ出願DE102016011224は、路面に、明るく透明な、好ましくは、太陽放射によってほとんど加熱されることなく、及び、車両タイヤ上で安全に転がることができる透水性の層を提供する現代的道路構造を開示している。道路は、高さ20mm-3500mmにでき、及び、平面内で異なる高さを占めることができる少なくとも1つの水平面の基礎構造を有することになる。それらを、用い、平面の表面にモバイル容器として実装される電気ケーブル、及び、パイプ機能装置を介して、相互接続を維持する。電池の欠点は、貯蔵密度が低すぎることである。電解槽からの貯蔵密度は、電池の倍数を貯蔵する。純粋な水素は、好ましくは、水素キャリアに導入されるか、又は、合成メタンとして貯蔵される
【0012】
PCT出願WO2017128847は、水の太陽光触媒-光電極触媒分解を介する高効率の大規模水素生成のための技術、すなわち、粉末光触媒は、太陽エネルギーの大面積貯蔵を達成するために、太陽の照射下で、可溶性の高原子価状態電子キャリアを低原子価状態に変換し、同時に、酸素ガスを放出し、及び、プロトンを生成し、並びに、電子キャリア、及び、プロトンを貯蔵する電解質溶液が、光電極触媒槽に輸送されること、を開示する。光電極触媒槽のアノードでは、太陽光を用いて、光生成電荷キャリアを生成し、及び、光生成電荷キャリアを、用い、低原子価状態電子キャリアを高原子価状態に酸化し、並びに、カソードでは、プロトンを、結合し、水素ガスを生成する。水素ガスを収集した後、電解質溶液を、リサイクルのために、光触媒システムに回収する。全反応は、太陽光で駆動され、及び、太陽エネルギーの水素エネルギーへの変換を実現する。
【0013】
米国出願US2021/0261010は、充電し、並びに、同時に、又は、別々に、水素ガスを充填できる供給ステーション、及び、方法を開示し、供給ステーションは、電力供給ユニット、蓄電池システム、電力を水素ガスに変換できる装置、水素ガス貯蔵システム、水素ガスを電力に変換できる装置、充電器、及び、水素ディスペンサを有し、電力供給ユニットは、蓄電池システムに接続され、電力を供給し、蓄電池システムは、電力を水素ガスに変換できる装置に接続され、蓄電システムによって提供される電力を水素ガスに変換し、電力を水素ガスに変換できる装置は、水素ガス貯蔵システムに接続され、水素ガス貯蔵システムに水素ガスを貯蔵し、水素ガス貯蔵システムは、水素ガスを電力に変換できる装置に接続される。従来技術によって提供される供給ステーション、及び、方法と比較して、本開示によって提供される供給ステーション、及び、方法は、電気自動車、及び、水素動力車両の要件に従って、動的調整を実行でき、並びに、装置投資を軽減し、及び、蓄電池システムの蓄電量、及び、水素ガス貯蔵システムの水素貯蔵量の制限を緩和する。
【0014】
米国特許US11236864は、水素を輸送、及び、分配し、大規模にエネルギー貯蔵し、クリーンな輸送燃料、工業用原料、電源として、及び、電力の長期保存のために、水素が必要とされる都市、町、及び、農村コミュニティで、大量の「グリーン」水素を最も有利に製造できる場所を相互接続するためのシステム、方法、及び、装置を開示している。水素分配パイプラインは、天然ガス、油、及び、他の既存のパイプラインを用い、水素を1つ以上の分配先に輸送することを可能にし、及び、一実施形態では、パイプラインが存在しない、又は、非現実的な場所の間で水素を輸送するために、空気より軽い飛行船を融合する。気候変動への取り組みを支援するために水素を広く使用すること。
【0015】
「ウェイ・オブ・ライフ(Way of life)」(WOL)プラットフォームは、エネルギー生産(電気、及び、水素)、供給、及び、消費の間の温室効果ガスの排出を低減し、又は、さらに防止すること示した多面的、及び、系統的解決策である。WOLプラットフォームは、電気、及び/又は、水素ベースのエネルギーの分散、及び、ローカル生成できるようにする。
【0016】
歴史的に、直流(DC)の幅広い使用は、電流生成の方法、及び、長距離送達の必要性によって、(製造方法にかかわらず、集中生産のために、)制限されてきた。WOLプラットフォームの分散、及び、ローカルでの製造方法は、電流を送達する必要がある距離を短くし、DCの利用を可能にする。
【0017】
DCは、ほとんどの電気器具によって電流のより効率的な利用を可能にする。WOLプラットフォームは、(太陽、及び/又は、水素技術による)直接的なDCの生産、及び、送達を可能にし、より効率的なDC経済の開発を可能にする。
【0018】
結果として損失をもたらすDC-AC/AC-DC変換を必要としない、又は、結果としてエネルギー損失をもたらすグリッドを介するエネルギー伝達を必要としないエネルギー生成、及び、分配の提供に関して、分散型ネットワークは、より効率的である。
幅広い使用のために、グリーンエネルギーの生成の必要性はよく知られている。
【発明の分野】
【0019】
本発明は、生産、貯蔵、エネルギー収集、変換、及び、供給システムのための分散システムのためのシステム,及び、方法に関する。
【発明の概要】
【0020】
a.太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための、少なくとも1つの太陽光発電ユニットPVU、
b.水の電解によって前記電気エネルギーを水素に変換するための、少なくとも1つの水素生成ユニットHPU、
c.水素の吸収、貯蔵、輸送、供給、及び、それらの組み合わせの少なくとも1つのための、少なくとも1つのパイプ、
d.前記水素から電気を生成するための、少なくとも1つの水素変換ユニットHCU、
e.PVUからの、及び、HCUによって生成される前記電気を輸送するための、少なくとも1つの電気グリッド、
f.PVUからの、及び、HCUによって生成される前記電気を貯蔵するための、電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTU、
g.PVUからの、及び、HCUによって生成されるDC電気をAC電気に変換するための、少なくとも1つの電気変換ユニットECU、
を有し、
太陽エネルギーを電気エネルギー、及び、水素に変換するためのユニットは、輸送ネットワークの上に、輸送ネットワークに隣接して、又は、輸送ネットワークに構成される、
交通路上でエネルギーを生成するためのシステムを提示することが、本発明の目的である。
【0021】
太陽エネルギーシステムが、太陽光発電ユニットPVUとして特徴付けられる、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0022】
太陽光発電ユニットPVUは、少なくとも1つの太陽光発電電池PVCを有する、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0023】
太陽エネルギーシステムは、少なくとも1つの電気変換ユニットECUを有する、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0024】
電気エネルギーを貯蔵し、及び/又は、輸送するためのユニットは、電気エネルギーを貯蔵するための少なくとも1つのシステムを有する、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0025】
電気エネルギーを貯蔵するためのシステムが、再充電可能バッテリとして特徴付けられる、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0026】
電気エネルギーを輸送するためのシステムは、既存の電気グリッドとして特徴付けられる、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0027】
電気エネルギーを輸送するためのシステムは、複数のPVUに相互接続される、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0028】
貯蔵し、及び/又は、輸送するためのユニットは、直流DCを交流ACに、及び/又は、交流ACを直流DCに変換するための少なくとも1つのユニットを有する、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0029】
貯蔵し、及び/又は、輸送するためのユニットは、直流DC、及び、交流ACを搬送するように構成される、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0030】
ガス燃料が水素である、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0031】
ガス燃料を貯蔵し、又は、輸送するためのユニットは、ガス燃料を貯蔵し、及び、輸送するように構成される、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0032】
ガス燃料を貯蔵するためのユニットが、パイプ、タンクとして、複数のHPUに相互接続されるとして、又は、オープンエンドであるとして、特徴付けられる、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0033】
ガス燃料を貯蔵するためのユニットは、化学的ストレージである、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0034】
化学的ストレージが、水素を異なるガス燃料に変換するように特徴付けられる、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0035】
ガス燃料は、アンモニア、及び、メタンからなる群から選択される、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0036】
パイプは、輸送ネットワークの下に、又は、輸送ネットワークに隣接して、配置される、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0037】
貯蔵ユニットが、水素を比較的低圧の圧力で貯蔵するように特徴付けられる、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0038】
交通路でエネルギーを生成する方法は、
a.上記いずれかに係るシステムを取得し、
b.前記太陽光発電ユニットPVUを、交通路上に、又は、交通路に隣接して、配置し、
c.少なくとも1つのPVUから電流を生成し、
d.前記電流を、少なくとも1つの水素生成ユニットHPU、又は、少なくとも1つの電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTUに、移送し、
e.前記HPUによって、水素を生成し、及び、
f.前記少なくとも1つの水素貯槽、及び/又は、輸送ユニットHSTUによって、前記水素を移送し、又は、貯蔵する、
ステップを有する交通路でエネルギーを生成する方法であって、
水素を移送する前記ステップは、前記水素をパイプに供給するステップを有し、前記パイプは、複数のHPUに相互接続されている。
【0039】
さらに、DCからACに電流を変換するステップを有する、上記のいずれかに提示されるような方法を提示することが、本発明の他の目的である。
【0040】
さらに、水素から電流を生成するステップを有する、上記のいずれかに提示されるような方法を提示することが、本発明の他の目的である。
【0041】
a.道路システム13’の中心の上方に、道路網13”に隣接して、又は、道路11の上に配置される少なくとも1つのPVC、
b.DCをACに変換するように構成される少なくとも1つのインバータ、
c.前記PVCによって生成される電流を、消費者による使用、又は、ESTUによる貯蔵のために、追加の位置に移送するように構成される電気グリッド14、
d.少なくとも1つの水素生成ユニットHPU15、
e.水を前記HPU16に移送するように配置されるパイプ16、及び、
f.前記水素を移送し、及び/又は、貯蔵するように構成される、前記道路網に沿って配置される少なくとも1つのパイプ17、
を有する水素、及び/又は、AC電力のためのシステム10を提示することが、本発明の目的である。
【0042】
さらに、水素から電気を生成するように構成される少なくとも1つの燃料電池15’を有する、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0043】
a.上記いずれかに係るシステムを取得し、
b.前記太陽光発電ユニットPVUを、交通路上に、又は、交通路に隣接して、配置し、
c.少なくとも1つのPVUからDC電流を生成し、
d.前記電流を、少なくとも1つの水素生成ユニットHPU、又は、少なくとも1つの電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTUに、移送し、
e.前記電流を、DCからACに変換し、
f.前記HPUによって、水素を生成し、及び、
g.少なくとも1つの水素貯槽、及び/又は、輸送ユニットHSTUによって、前記水素を移送し、及び/又は、貯蔵する、
ステップを有する交通路で水素、及び/又は、AC電力を生成する方法であって、
水素を生成する前記ステップは、前記水素をパイプに供給するステップを有し、前記パイプは、複数のHPUに相互接続されている、
交通路で水素、及び/又は、AC電力を生成する方法を提示することが、本発明の目的である。
【0044】
さらに、少なくとも1つの燃料電池によって、水素から電流を生成するステップを有する、上記のいずれかに提示されるような方法を提示することが、本発明の他の目的である。
【0045】
a.道路システム23’の上方に、道路網23”に隣接して、又は、道路21の上に、配置されるように構成される少なくとも1つのPVC、
b.DCをACに変換するように構成される少なくとも1つのインバータ、及び、
c.前記PVCによって生成される前記電流を移送するために用いられるように構成される既存の電気グリッド24、
を有する太陽エネルギーからAC電力を生成するためのシステム20を提示することが、本発明の目的である。
【0046】
a.上記いずれかに係るシステムを取得し、
b.道路システム23’の上方に、道路網23”に隣接して、又は、道路21の上に、少なくとも1つの前記PVCを配置し、
c.前記PVCによってDC電流を生成し、
d.前記DCをACに変換し、及び、
e.電気グリッド24によって、前記PVCによって生成される前記電流を移送する、
ステップを有する交通路上でAC電流を生成するための方法。
【0047】
b.道路システム33’の上方に、道路網33’に隣接して、又は、道路31の上に、配置されるように構成される少なくとも1つのPVC、
c.前記道路に隣接して配置されるDC電気グリッド34、
d.少なくとも1つの水素生成ユニットHPU35、
e.水を前記HPU35に移送するように配置されるパイプ36、
f.前記水素を移送し、及び/又は、貯蔵するように構成される、前記道路網に沿って配置される少なくとも1つのパイプ37、
a.を有する太陽エネルギーから水素、及び/又は、DC電力を生成するためのシステム30を提示することが、本発明の目的である。
【0048】
さらに、水素から電気を生成するように構成される少なくとも1つの燃料電池35’を有する、上記のいずれかに提示されるようなシステムを提示することが、本発明の他の目的である。
【0049】
a.上記いずれかに係るシステムを取得し、
b.交通路の上に、交通路の上方に、又は、交通路に隣接して、前記太陽光発電ユニットPVUを配置し、
c.少なくとも1つのPVUから電流を生成し、
d.前記電流を、少なくとも1つの水素生成ユニットHPU、又は、少なくとも1つの電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTUに移送し、
e.前記HPUによって水素を生成し、
f.前記DCをACに変換し、及び、
g.少なくとも1つの水素貯槽、及び/又は、輸送ユニットHSTUによって、前記水素を移送し、及び/又は、貯蔵する、
ステップを有する交通路上でエネルギーを生成するための方法であって、
水素を生成する前記ステップは、前記水素をパイプに供給するステップを有し、前記パイプは、複数のHPUに相互接続されている、
交通路上でエネルギーを生成するための方法を提示することが、本発明の目的である。
【0050】
さらに、燃料電池によって、前記水素から電流を生成するステップを有する、上記のいずれかに提示されるような方法を提示することが、本発明の他の目的である。
【0051】
a.道路システム43’の中央の上方に、道路網43”に隣接して、配置されるように、又は、道路41の上に配置されるように構成される少なくとも1つのPVC、
b.前記PVCによって生成される電流を移送するように構成されるAC電気グリッド44、
を有する交通路上でDC電流を生成するためのシステム40を提示することが、本発明の目的である。
【0052】
a.上記いずれかに係るシステムを取得し、
b.道路システム23’の上方に、又は、道路網23”に隣接して、又は、道路21の上に、少なくとも1つの前記PVUを配置し、
c.前記PVCによってDC電流を生成し、
d.電気グリッド24によって、前記PVCによって生成される電流を移送する、
ステップを有する交通路上でエネルギーを生成するための方法。
【好ましい実施例の図面の説明】
【0053】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、及び、本明細書に組み込まれ、及び、その一部を構成する添付の図面は、本発明の実施例を、及び、本明細書とともに、示し、並びに、本明細書に記載され、及び、開示される本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0054】
本発明を理解し、実際にどのようにそれを実施できるかを見るために、複数の実施形態を適用し、非限定的な例としての態様のみで、以下の添付の図面を参照しながら、ここで、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1は、輸送ルートでエネルギーを生成するためのWOLシステムを、概略的に示す。
図2は、ACベースの電気グリッド上の水素発生技術を用いるWOLプラットフォームの概略説明図である。
図3は、ACベースの電気グリッド上で、電気エネルギー貯蔵技術を用いるWOLプラットフォームの概略説明図である。
図4は、DCベースの電気グリッドを用いるWOLプラットフォームの概略説明図である
図5は、DCベースの電気グリッド上で、電気エネルギー貯蔵技術を用いるWOLプラットフォームの概略説明図である
【好ましい実施例の詳細な説明】
【0056】
以下の説明は、いかなる当業者も本発明を利用できるように、本発明のすべての章に沿って、提供され、及び、発明者が本発明を実施しようと考える最良のモードを説明する。しかしながら、本発明の一般的な原理は、構成、及び、方法を提供するために、具体的に定義されているので、当業者には明らかなままである様々な修正が、適用される。
【0057】
特に明記しない限り、数量に関して、用語「約」は、記載される公称値の±25%の公差を指す。
特に明記しない限り、全ての数値範囲は、範囲の規定された限界を含む。
本出願では、用語「インバータ」(inverter、又は、invertor)は、直流(DC)を交流(AC)に、及び/又は、交流(AC)を直流(DC)に変換する電子装置、又は、回路を指す。
【0058】
ここでは、以下の略語を用いる。
「PVU」は、太陽光発電ユニットスタンドを表す。
「PVP」は、太陽光発電パネルを表す。
「PVC」は、太陽光発電電池を表す。
「ECU」は、電気変換ユニットを表す。
「ESTU」は、電気貯蔵、及び、輸送ユニットを表す。
「HPU」は、水素生成ユニットHPUを表す。
「HSTU」は、水素貯蔵、及び/又は、輸送ユニットを表す。
「HCU」は、水素貯蔵、及び/又は、輸送ユニットを表す。
「DC」は、直流を表し、及び、
「AC」は、交流を表す。
【0059】
図1は、輸送ルート上でエネルギーを生成するためのシステムに関する本発明を、概略的に示している。太陽光発電ユニットPVU13’に到達する太陽エネルギーは、電気エネルギーに変換される。得られる電気エネルギーを用いて、水を分裂し、及び、HPU15を用いて、水素を生成する。生成される水素は、水素を貯蔵し、輸送し、及び、供給するために、パイプ17へ移送される。水素変換ユニットHCU15’を用い、水素から電気を生成する。PVU13’、及び、HCU15’によって生成される電気は、DC電気グリッドへ送信される。電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTU25を用いて、電気を、貯蔵し、及び、輸送できる。電気変換ユニットECU54を用い、電気的DC34を電気的AC64に変換する。
【0060】
a.太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための、少なくとも1つの太陽光発電ユニットPVU、
b.水の電解によって前記電気エネルギーを水素に変換するための、少なくとも1つの水素生成ユニットHPU、
c.水素の吸収、貯蔵、輸送、供給、及び、それらの組み合わせの少なくとも1つのための、少なくとも1つのパイプ、
d.前記水素から電気を生成するための、少なくとも1つの水素変換ユニットHCU、
e.PVCからの、及び、HCUによって生成される前記電気を輸送するための、少なくとも1つの電気グリッド、
f.PVCからの、及び、HCUによって生成される前記電気を貯蔵するための、電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTU、
g.VCからの、及び、HCUによって生成されるDC電気をAC電気に変換するための、少なくとも1つの電気変換ユニットECU、
を有し、太陽エネルギーを電気エネルギー、及び、水素に変換するためのユニットは、輸送ネットワークの上に、輸送ネットワークに隣接して、又は、輸送ネットワークに構成される。
【0061】
本発明は、以下を有するシステムに関する。
a.太陽エネルギーを電気に変換するように構成される、少なくとも1つの太陽光発電ユニットPVU(又は、太陽電力ユニット)。電気を、交流(AC)、又は、直流(DC)として供給できる。PVUは、以下を有する。
・少なくとも1つの太陽光発電電池PVC(太陽電池とも呼ばれる)を有する、少なくとも1つの太陽光発電パネルPVP(太陽電池パネル、ソーラー電気パネル、又は、ソーラーパネルとも呼ばれる)。
・いくつかの実施形態では、PVUは、所望の輸送または輸送モードに従って、DCとACとの間で電気を変換するように構成される、電気変換ユニットECUを有する。
PVPは、(歩道の上方、又は、上などのような)道路、若しくは、(鉄道網などのような)他の輸送ネットワークの上方、上、又は、脇に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、PVCを、道路上に、及び、車両によって駆動されるように、配置できる。
【0062】
b.少なくとも1つのPVUによって生成される電気を貯蔵、及び/又は、搬送するように構成される、少なくとも1つの電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTU。いくつかの実施形態では、ESTUは、複数のPVUに相互接続される。
・いくつかの実施形態では、電力は、道路網に組み込まれる(照明、信号灯などに用いられるもののような)送電網を用いて、転送される。
・いくつかの実施形態では、ストレージは、主として(短期間の暗闇、又は、夜間のような)短期の解決策として、電力供給のための高効率(再充電可能)バッテリを用いることによることができる。
・いくつかの実施形態では、ESTUは、太陽光発電ソーラーパネルによって生成される直流(DC)を、任意の商用電気グリッドに導入できる交流(AC)に変換するように構成される電気変換ユニットECU(しばしば、ソーラーインバータ、又は、PVインバータと呼ばれる)を有している。
・いくつかの実施形態では、ESTUは、AC、及び/又は、DCを貯蔵するように構成される。
・いくつかの実施形態では、高電力移動電気自動車EVに、接触によって、又は、電磁誘導によって、直接的に、電力供給できる。EVの電力供給を、充電ステーションのような道路ネットワークに沿う指定位置で、若しくは、住宅、又は、商業地域で、行うことができる。従来の給電ポイントを用いて、又は、(電磁誘導のような)非接触充電を用いて、EV給電を、行うことができる。いくつかの実施形態では、非接触給電を、運転中に、道路上で、行うことができる。
結果として、大部分の電力消費(~90%)は、効率を高める分散型で、道路システムを介して、直接的に、供給されることになる。
【0063】
c.燃料として用いることができる水素を生成するためにPVUによって生成される電力を用いる(パワーツーガスP2Gとも呼ばれる)、少なくとも1つの水素生成ユニットHPU。水素を、そのあたりで使用でき、又は、他の場所に輸送できる。
水素を、(電解、及び/又は、水分裂のような)適切な装置を用いて生成することができ、及び、それは、さらなる使用、又は、輸送のために、貯蔵されることになる。
【0064】
d.水素を貯蔵、及び/又は、輸送するように構成される、少なくとも1つの水素貯蔵、及び/又は、輸送ユニットHSTU。いくつかの実施形態では、水素を、効率のために、比較的に低い圧力で貯蔵できる。水素を、しばしば、50atmで生成し、及び、生成の圧力で貯蔵できる。本システムは、さらなる貯蔵のために、水素を輸送し、及び/又は、ローカルでの使用のために、顧客へ供給する。パイプ網は、生成される水素の貯蔵、及び、供給の両方を可能にする。パイプ内に貯蔵される水素を、そのあたりで、又は、さらなる遠隔地で、使用できる。
水素ガスを貯蔵するための(低圧パイプ)の使用は、いくつかの利点を有している。
・高圧を生成するために必要なエネルギー(圧力システムを活性化するために必要なエネルギー)を節約すること。
・より低い圧力容器は、より安全である。
・圧力を下げることで、リーク率も低下できる。
いくつかの実施形態では、水素を、(圧縮、又は、液化のような)物理的方法、又は、(メタン、アンモニアなどへの変換のような)化学的技術を用いて、長期貯蔵場所に送達できる。いくつかの実施形態では、HSTUは、複数のHPUに相互接続される。
【0065】
いくつかの実施形態では、本システムは、追加のユニットを有することができる。
e.水素を電気に変換するように構成される、少なくとも1つの(「燃料電池」のような)水素変換ユニットHCU。いくつかの実施形態では、HCUによって生成される電気は、ESTUによって、送達される。いくつかの実施形態では、HCUは、パイプ網に接続され、複数のHPU、及び/又は、HSTUに相互接続される。
f.風力、又は、水素ベースのような、追加の発電ユニット。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態では、システムは、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽光発電ユニットPVU;水の電解によって、前記電気エネルギーを水素に変換するための水素生成ユニットHPU;吸収、貯蔵、輸送、及び、供給のためのパイプ;前記水素から電気を生成するための水素変換ユニットHCU;PVUからの、及び、HCUによって生成される前記電気を輸送するための電気グリッド;前記電気エネルギーを貯蔵し、及び/又は、輸送するための電気貯蔵、及び、輸送ユニットESTU;PVUからの、及び、HCUによって生成されるDC電気をAC電気に変換する電気変換ユニットECU、のグループから少なくとも4つのシステム構成要素を有している。
【0067】
本発明の非排他的、非限定的な実施形態を示し、2つの走行車線11、及び、走行車線の間に配置されるトラフィックアイランド12を有するAC道路システムベースシステム10の概略断面を示す
図2について、説明する。PVCを、道路システムの中央の上方13’に、又は、道路網の隣13”に、配置できる。いくつかの実施形態では、PVCは、道路11の上に配置されるように、構成される。既存の電気グリッド14を、用い、PVCによって生成される電流を、消費者による使用、又は、ESTUによる貯蔵のために、コンバータ(DCからAC)を用いながら、追加の場所に移送できる。水素生成ユニットHPU15は、PVCの近くに配置され、PVCから、DCを用いて、直接的に、HPUに供給する。パイプ16は、水をHPUに送達するように、配置される。電解処理により生成される水素は、道路網に沿って配置されるパイプ17に、比較的低圧(100atmまで)で、配送される。パイプ17は、(日中から夜までの)短期貯蔵システムとして機能し、及び、必要に応じて、又は、長期貯蔵システム18に、水素を移送するように、用いられる。PCVが(暗闇などによって)電気を生成できない期間の間、パイプ17、又は、長期貯蔵システム18に配置される水素を、用い、燃料電池技術15’を用いて電気を生成し、及び、インバータの同じ基盤施設を用いて、電気をグリッドに供給できる。いくつかの実施形態では、電解設備を、燃料電池としても使用し、水素を電流に変換できる。
【0068】
図2に示される例示的なシステムによれば、グリーン水素の昼間生成は、63-86%の範囲で、効率的に、行われることになる。
η
el≒90%×70%≒63%
又は、
η
el≒90%×95%≒86%
水素生成変換の間に5-30%が損失し、並びに、水素配送、及び/又は、貯蔵の間に、漏れとして、10%が損失するとして、PVCによって生成されるエネルギーの%として計算される。より低い圧力のパイプを使用することによって、漏れの割合が、低下することになる。
【0069】
図2のシステムによれば、グリーンAC電気の昼間生成は、以下の効率的で行われることになる。
η
el≒90%×95%≒86%
約10%は、DC-AC変換で、損失する可能性があり、及び、最大5%は、送達で損失する可能性がある(長距離では、最大5%が損失するとして、短距離では、2%が損失する)。
【0070】
図2のシステムによれば、電流ACの夜間生成は、42-57%の範囲で、効率的に、行われることになる。
η≒90%×70%×75%×90%×98%≒42%
又は、
η≒90%×95%×75%×90%×98%≒57%
水素生成変換の間に5-30%が損失し、並びに、水素配送、及び/又は、貯蔵の間に、漏れとして、10%が損失し、燃料電池による電流の生成の間に約25%が損失し、DCからACへの変換から10%が損失し、並びに、配送のために最大5%が損失し(長距離では、最大5%が損失するとして、短距離では、2%が損失する)として、PVCによって生成されるエネルギーの%として計算される。これは、70-95%の推定水素生成,及び,75%の燃料電池率に基づいている。
【0071】
本発明の非排他的、非限定的な実施形態を示し、2つの走行車線21、及び、走行車線の間に配置されるトラフィックアイランド22を有するAC道路システムベースシステム20の概略断面を示す
図3について、説明する。PVCを、道路システムの中央の上方23’に、又は、道路網の隣23”に、配置できる。いくつかの実施形態では、PVCは、道路21の上に配置されるように、構成される。既存の電気グリッド24を、用い、PVCによって生成される電流を、消費者による使用、又は、ESTU25による貯蔵のために、コンバータ(DCからAC)を用いながら、追加の場所に移送できる。
【0072】
図3に示される例示的なシステムによれば、グリーンACの(昼間生成)は、88%の効率で、行われることになる。
η≒90%×98%≒88%
図3のシステムによれば、グリーンACの夜間生成は、78%の効率で、行われることになる。
η≒98%×90%×90%×98%≒78%
DCからACへの変換から10%が損失し、バッテリ充電の間に2%が損失し、貯蔵の間に最大10%が損失し、及び、配送のために最大5%が損失する(長距離では、最大5%が損失するとして、短距離では、2%が損失する)として、PVCによって生成されるエネルギーの%として計算される。
【0073】
本発明の非排他的、非限定的な実施形態を示し、2つの走行車線31、及び、走行車線の間に配置されるトラフィックアイランド32を有するAC道路システムベースシステム30の概略断面を示す
図4について、説明する。PVCを、道路システムの中央の上方33’に、又は、道路網の隣33”に、配置できる。いくつかの実施形態では、PVCは、道路31の上に配置されるように、構成される。DC電気グリッド34は、PVCによって生成される電流を、消費者による使用、又は、ESTUによる貯蔵のために、追加の場所に移送するために用いられる道路網に隣接して配置される。水素生成ユニットHPU35は、PVCの近くに配置され、PVCから、DCを用いて、直接的に、HPUに供給する。パイプ36は、水をHPUに送達するように、配置される。電解処理により生成される水素は、道路網に沿って配置されるパイプ37に、比較的低圧(100atmまで)で、配送される。パイプ37は、(日中から夜まで)短期貯蔵システムとして機能し、及び、必要に応じて、又は、長期貯蔵システム38に、水素を移送するように、用いられる。PCVが(暗闇などによって)電気を生成できない期間の間、パイプ37、又は、長期貯蔵システム38に配置される水素を、用い、燃料電池技術35’を用いてDC電気を生成し、及び、電気をDCグリッドに供給できる。いくつかの実施形態では、電解設備を、燃料電池としても使用し、水素を電流に変換できる。
【0074】
図3に示される例示的なシステムによれば、グリーン水素の昼間生成は、63-86%の範囲で、効率的に、行われることになる。
η
el≒90%×70%≒63%
又は、
η
el≒90%×95%≒86%
水素生成変換の間に5-30%が損失し、並びに、水素配送、及び/又は、貯蔵の間に、漏れとして、10%が損失するとして、PVCによって生成されるエネルギーの%として計算される。より低い圧力のパイプを使用することによって、漏れの割合が、低下することになる。
水素生成変換の間に5-30%が損失し、並びに、水素配送、及び/又は、貯蔵の間に、漏れとして、10%が損失するとして、PVCによって生成されるエネルギーの%として計算される。より低い圧力のパイプを使用することによって、漏れの割合が、低下することになる。
【0075】
図4に示される例示的なシステムによれば、グリーンDC電気の昼間生成は、以下の効率で、行われることになる。
η
el≒95-98%
配送のために最大5%が損失する(長距離では、最大5%が損失するとして、短距離では、2%が損失する)とする。
【0076】
図4のシステムによれば、電流DCの夜間生成は、46-63%の範囲で、効率的に、行われることになる。
η≒90%×70%×75%×98%≒46%
又は、
η≒90%×95%×75%×98%≒63%
水素生成変換の間に5-30%が損失し、並びに、水素配送、及び/又は、貯蔵の間に、漏れとして、10%が損失し、燃料電池による電流の生成の間に約25%が損失し、及び、配送のために最大5%が損失する(長距離では、最大5%が損失するとして、短距離では、2%が損失する)として、PVCによって生成されるエネルギーの%として計算される。これは、70-95%の推定水素生成,及び,75%の燃料電池率に基づいている。
水素生成変換の間に5-30%が損失し、並びに、水素配送、及び/又は、貯蔵の間に、漏れとして、10%が損失し、燃料電池による電流の生成の間に約25%が損失し、DCからACへの変換から10%が損失し、及び、配送のために最大5%が損失する(長距離では、最大5%が損失するとして、短距離では、2%が損失する)として、PVCによって生成されるエネルギーの%として計算される。これは、70-95%の推定水素生成,及び,75%の燃料電池率に基づいている。
【0077】
本発明の非排他的、非限定的な実施形態を示し、2つの走行車線41、及び、走行車線の間に配置されるトラフィックアイランド42を有するDCベース道路システムベースシステム40の概略断面を示す
図5について、説明する。PVCを、道路システムの中央の上方43’に、又は、道路網の隣43”に、配置できる。いくつかの実施形態では、PVCは、道路41の上に配置されるように、構成される。DC電気グリッド44は、PVCによって生成される電流を、消費者による使用、又は、ESTU45による貯蔵のために、追加の場所に移送するために用いられる道路網に隣接して配置される。
【0078】
図5に示される例示的なシステムによれば、グリーンDCの昼間生成は、98%の効率で、行われることになる。
配電の間に2%が損失するとして、PVCによって生成されるエネルギーの%として計算される。
図4に示される例示的なシステムによれば、グリーンDCの夜間生成は、88%の効率で、行われることになる。
η≒90%×98%≒88%
バッテリ貯蔵の間に10%が損失し、及び、配電の間に2%が損失するとして、PVCによって生成されるエネルギーの%として計算される。
【図】
【図】
【図】
【図】
【国際調査報告】