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特表2024-544929動物製品を処理する刃組立体及び装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】動物製品を処理する刃組立体及び装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A22C 25/18 20060101AFI20241128BHJP
   B26D 1/14 20060101ALI20241128BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20241128BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20241128BHJP
   B26D 11/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A22C25/18
B26D1/14 A
B26D7/26
B26D1/14 H
B26D7/06 D
B26D11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527567
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2021081620
(87)【国際公開番号】W WO2023083469
(87)【国際公開日】2023-05-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591042838
【氏名又は名称】ノルデイシェル・マシーネンバウ・ルド・バアデル・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲー
【氏名又は名称原語表記】NORDISCHER MASCHINENBAU RUD.BAADER GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG+COMPAGNIE KOMMANDITGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ティッセン,ヴェルナー
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
4B011
【Fターム(参考)】
3C021DB06
3C021JA03
3C021JA09
3C027LL06
3C027PP03
3C027PP06
3C027PP07
4B011KE14
4B011KF02
(57)【要約】
本発明は、特に、締められ、内臓を取られた魚(100)に対してフィレ作製カットを実施するように構成、適合される刃組立体(10)に関し、刃組立体(10)は、刃ユニット(13)を有する少なくとも1つのハウジング(12)を備える少なくとも1つのカット・ヘッド(11)と、刃シャフト(16)を回転駆動するように構成、適合される駆動ユニット(14)とを備え、刃シャフト(16)は、切離し刃(15)を有し、ハウジング(12)の内部で回転可能に支承され、切離し刃(15)は、共同回転するように刃シャフト(16)の自由端(17)で刃シャフト(16)上に配置され、刃シャフト(16)は、ハウジング(12)に対して軸方向に移動可能であるように構成され、刃シャフト(16)を軸方向に移動させる目的で駆動ユニット(14)から分離可能であるように構成され、刃シャフト(16)の回転運動は、刃シャフト(16)の軸方向移動から独立して実施し得るようにすることを特徴とする。本発明は、動物製品を処理する、特にフィレを作製する装置(62)及び方法に更に関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚(100)に対してフィレ作製カットを実施するように構成、適合される刃組立体(10)であって、前記刃組立体(10)は、刃ユニット(13)を有する少なくとも1つのハウジング(12)を備える少なくとも1つのカット・ヘッド(11)と、刃シャフト(16)を回転駆動するように構成、適合される駆動ユニット(14)とを備え、前記刃シャフト(16)は、切離し刃(15)を有し、前記ハウジング(12)の内部で回転可能に支承され、前記切離し刃(15)は、共同回転するように前記刃シャフト(16)の自由端(17)で前記刃シャフト(16)上に配置される、刃組立体(10)において、前記刃シャフト(16)は、前記ハウジング(12)に対して軸方向に移動可能であるように構成され、前記刃シャフト(16)を軸方向に移動させる目的で前記駆動ユニット(14)から分離可能であるように構成され、前記刃シャフト(16)の回転運動は、前記刃シャフト(16)の軸方向移動から独立して実施し得るようにすることを特徴とする、刃組立体(10)。
【請求項2】
前記刃組立体(10)は、締められ、頭を落とされ、内臓を取られた魚(100)の背骨のカットを実施するように構成、適合され、前記魚(100)は、頭の端を先にして前記刃組立体(10)に送られることを特徴とする、請求項1に記載の刃組立体(10)。
【請求項3】
調節力、又は前記調節力を生成するアクチュエータ(20)は、前記刃シャフト(16)を軸方向に移動させるように前記刃シャフト(16)から機械的に分離されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の刃組立体(10)。
【請求項4】
駆動スリーブ(21)は、前記刃シャフト(16)上に配置され、一方で前記駆動ユニット(14)に、もう一方で前記刃シャフト(16)に動作可能に接続されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項以上に記載の刃組立体(10)。
【請求項5】
前記刃シャフト(16)は、前記駆動スリーブ(21)の内部に、軸方向に変位可能に配置、案内されることを特徴とする、請求項4に記載の刃組立体(10)。
【請求項6】
一方で、前記駆動ユニット(14)のかさ歯車(24)は、前記駆動スリーブ(21)を回転駆動するように前記駆動スリーブ(21)に固定接続され、もう一方で、駆動器要素(25)は、前記駆動スリーブ(21)の回転を前記刃シャフト(16)に伝達するように前記駆動スリーブ(21)に固定接続されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の刃組立体(10)。
【請求項7】
前記刃シャフト(16)は、前記駆動器要素(25)が係合する凹部(26)を有し、前記駆動器要素(25)は、一方で、前記駆動スリーブ(21)の回転運動を前記刃シャフト(16)に伝達し、もう一方で、前記刃シャフト(16)が前記駆動スリーブ(21)に対して軸方向に移動することを保証するように構成、適合されることを特徴とする、請求項6に記載の刃組立体(10)。
【請求項8】
前記駆動スリーブ(21)は、前記ハウジング(12)内に回転可能に支承され、軸方向で動かないように前記ハウジング(12)内に配置され、前記刃シャフト(16)は、前記駆動スリーブ(21)に対して軸方向で移動可能であるように構成され、前記刃シャフト(16)、したがって前記切離し刃(15)は、前記刃組立体(10)が開始位置にある際にばね要素(29)によりカット位置で保持され、前記カット位置において、前記切離し刃(15)を有する前記刃シャフト(16)は、延長され、前記駆動スリーブ(21)上の停止部(30)に接して押圧されることを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項以上に記載の刃組立体(10)。
【請求項9】
前記駆動スリーブ(21)に対して前記刃シャフト(16)を軸方向に移動させる前記アクチュエータ(20)は、空気ユニット(35)を備え、前記空気ユニット(35)により、前記ばね要素(29)のばね力に反して前記刃シャフト(16)を軸方向に移動させる調節力を加えることができ、前記刃シャフト(16)、したがって前記切離し刃(15)は待機位置で保持され、前記待機位置において、前記切離し刃(15)を有する前記刃シャフト(16)は、後退し、前記駆動スリーブ(21)上の停止部(36)に接して押圧されるようにすることを特徴とする、請求項8に記載の刃組立体(10)。
【請求項10】
前記ばね要素(29)は、前記ばね力を変更するために取替え可能であるように構成、適合されるか、又は前記ばね要素(29)の前記ばね力は、調節可能であるように構成、適合されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の刃組立体(10)。
【請求項11】
前記刃シャフト(16)は、少なくとも2つの部品で構成され、2つの刃シャフト部分(41、42)は、固定されるが、解放可能に相互接続されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項以上に記載の刃組立体(10)。
【請求項12】
第1の刃シャフト部分(41)は、好ましくは円形刃として構成される前記切離し刃(15)を支持し、前記駆動器要素(25)のための凹部(26)を有し、第2の刃シャフト部分(42)は、中空円筒形で構成され、ピストン棒(43)は、前記空洞内に配置され、前記中空円筒形刃シャフト部分(42)は、前記ピストン棒により、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト部分(41)に接続されることを特徴とする、請求項11に記載の刃組立体(10)。
【請求項13】
前記ピストン棒(43)、又は前記ピストン棒(43)の周囲面は、空気室(44)を形成するように、前記中空円筒形刃シャフト部分(42)の内面からある距離で配置され、前記ピストン棒(43)は、前記切離し刃(15)の反対側の端面で前記中空円筒形刃シャフト部分(42)を密閉することを特徴とする、請求項12に記載の刃組立体(10)。
【請求項14】
前記空気室(44)は、周囲領域への少なくとも1つの空気流開口(46)を有し、圧縮空気ユニット(48)が接続される圧縮空気入口(47)と流れが連通することを特徴とする、請求項13に記載の刃組立体(10)。
【請求項15】
前記圧縮空気入口(47)は、圧縮空気のための回転結合部(51)を備え、前記圧縮空気は、前記又は各空気流開口(46)を通じて前記空気室(44)に入り、前記空気室(44)から出るように制御されることを特徴とする、請求項14に記載の刃組立体(10)。
【請求項16】
第2の空気室(52)は、前記切離し刃(15)から離れて向けられる前記刃シャフト(16)の側で、前記中空円筒形刃シャフト部分(42)の前記端面(53)と前記ハウジング(12)との間に形成され、圧縮空気ユニット(55)が接続される第2の圧縮空気入口(54)と流れが連通することを特徴とする、請求項13から15のいずれか一項以上に記載の刃組立体(10)。
【請求項17】
前記駆動スリーブ(21)は、少なくとも2つの部品で構成され、2つの駆動スリーブ部分(56、57)は、固定されるが、解放可能に相互接続されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項以上に記載の刃組立体(10)。
【請求項18】
第1の駆動スリーブ部分(56)は、前記かさ歯車(24)及び前記駆動器要素(25)を支持し、第2の駆動スリーブ部分(57)は、隙間(58)を形成し、前記隙間(58)において、少なくとも前記ばね要素(29)は、前記第2の駆動スリーブ部分(57)自体と前記中空円筒形刃シャフト部分(42)との間の少なくともいくつかの部分内に配置されることを特徴とする、請求項17に記載の刃組立体(10)。
【請求項19】
少なくとも1つの潤滑剤出口(59)を設け、前記潤滑剤出口(59)は、前記刃シャフト(16)が前記ハウジング(12)から現れて前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)の領域において、前記刃シャフト(16)の軸方向調節領域を保護するように配置されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項以上に記載の刃組立体(10)。
【請求項20】
前記刃組立体(10)は、2つのカット・ヘッド(11、61)を備えることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項以上に記載の刃組立体(10)。
【請求項21】
動物製品を処理する、特にフィレを作製する装置(62)であって、前記装置(62)は、前記被処理製品を搬送方向Tで搬送路に沿って保持、搬送する搬送デバイス(63)と、前記搬送路に沿った、前記製品を処理する少なくとも1つの作業ステーション(64)とを備える、装置(62)において、前記作業ステーション(64)は、請求項1から20のいずれか一項以上に従って構成、適合される刃組立体(10)であることを特徴とする、装置(62)。
【請求項22】
前記装置(62)は、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚(100)を処理するように構成され、前記魚(100)は、前記搬送方向Tで頭の端を先にして搬送されることを特徴とする、請求項21に記載の装置(62)。
【請求項23】
前記刃組立体(10)の一方のカット・ヘッド(11、61)は、前記搬送路の片側に配置され、2つの前記カット・ヘッド(11、61)は、同期して又は互いに個別に制御可能であるように構成されることを特徴とする、請求項21又は22に記載の装置(62)。
【請求項24】
前記装置(62)は、制御ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記搬送デバイス(63)及び前記又は各作業ステーション(64)を制御するように構成、適合されることを特徴とする、請求項21から23のいずれか一項以上に記載の装置。
【請求項25】
前記搬送デバイス(63)は、運搬手段を備え、前記運搬手段は、コンベヤ・ベルト、ダブル・コンベヤ・ベルト、保持手段を備えるコンベヤ・チェーン、スパイク・チェーン・コンベヤ(65)、オーバーヘッド・コンベヤ・システム等として選択的に構成されることを特徴とする、請求項21から24のいずれか一項以上に記載の装置。
【請求項26】
複数の作業ステーション(66から70)は、前記搬送路に沿って配置され、請求項1から20のいずれか一項に記載の前記刃組立体(10)の上流又は下流のいずれかに前記搬送方向Tで配置されることを特徴とする、請求項21から25のいずれか一項以上に記載の装置(62)。
【請求項27】
動物製品を処理する、特にフィレを作製する方法であって、前記方法は、
-前記被処理製品を、搬送デバイス(63)により搬送方向Tで少なくとも1つの作業ステーション(64)に送るステップと、
-作業ステーション(64)としての刃組立体(10)を使用して、前記刃組立体(10)のカット・ヘッド(11)の少なくとも1つの回転駆動切離し刃(15)に沿って、前記被処理製品を搬送することによって、前記被処理製品に対して処理カットを実施するステップと
を含み、
-前記回転切離し刃(15)は、前記被処理製品に対して配置するため、待機位置からカット位置に軸方向に移動させてまた戻す、又はその逆にする、方法において、
前記切離し刃(15)の軸方向調節が、前記切離し刃(15)の回転運動に重なる場合、前記切離し刃(15)を支持する刃シャフト(16)のみ、前記刃組立体(10)の前記カット・ヘッド(11)のハウジング(12)に対して移動させることを特徴とする、方法。
【請求項28】
前記処理ステップは、前記被処理製品の両側に配置される前記刃組立体(10)の2つのカット・ヘッド(11、61)の2つの回転駆動切離し刃(15)の間に前記被処理製品を搬送することによって、前記製品の両側で同期して又は互い違いの時間で実行されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
原則的に、各前記切離し刃(15)は、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)をばね力によって前記ハウジング(12)から軸方向で移動させた結果としてカット位置で保持され、前記処理カットを実施する各前記切離し刃(15)は、最初、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)が圧縮空気により軸方向で前記ハウジング(12)内に移動することによって、ばね力に反して待機位置に軸方向に移動し、各前記切離し刃(15)は、前記被処理製品が前記搬送方向Tで前記切離し刃(15)に対して正確な位置になるとすぐに、圧縮空気の低減及び解放のために、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)をばね力によって軸方向で前記ハウジング(12)から移動させることによって、前記カット位置に戻ることを特徴とする、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
ばね力によって引き起こされる、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)の前記待機位置から前記カット位置に戻す移動は、少なくとも最初は、圧縮空気によって支援されることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
背骨のカットは、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚(100)に対して、前記刃組立体(10)の2つの前記切離し刃(15)を使用して、前記被処理魚(100)の頭の端を先にして、カット位置にある前記切離し刃(15)の領域に搬送し、前記魚(100)の背骨が前記切離し刃(15)の間に到達する前に圧縮空気を使用して前記ばね要素(29)のばね力に反して前記切離し刃(15)を互いから離し、次に、背骨が前記切離し刃(15)の間に配置されるとすぐに、少なくともばね力を使用して前記切離し刃を再度互いに向かって再度移動させ、次に、ばね力の結果としての調節可能な一定の圧力で、背骨に沿って背骨と接触して前記切離し刃(15)を摺動させることによって実施されることを特徴とする、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記搬送デバイス(63)及び前記又は各作業ステーション(64、66から70)は、制御デバイスによって制御されることを特徴とする、請求項27から31のいずれか一項以上に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚に対してフィレ作製カットを実施するように構成、適合される刃組立体に関し、刃組立体は、刃ユニットを有する少なくとも1つのハウジングを備える少なくとも1つのカット・ヘッドと、刃シャフトを回転駆動するように構成、適合される駆動ユニットとを備え、刃シャフトは、切離し刃を有し、ハウジングの内部に回転可能に支承され、切離し刃は、共同回転するように刃シャフト上の刃シャフトの自由端に配置される。
【0002】
本発明は、動物製品を処理する、特にフィレを作製する装置に更に関し、装置は、被処理製品を搬送方向Tで搬送路に沿って保持、搬送する搬送デバイスと、搬送路に沿って動物製品を処理する少なくとも1つの作業ステーションとを備える。
【0003】
本発明は、動物製品を処理する、特にフィレを作製する方法にも関し、方法は、被処理動物製品を、搬送デバイスにより搬送方向Tで少なくとも1つの作業ステーションに送るステップと、作業ステーションとしての刃組立体を使用して、刃組立体のカット・ヘッドの少なくとも1つの回転駆動切離し刃に沿って被処理製品を搬送することによって、被処理製品に対して処理カットを実施するステップとを含み、回転切離し刃は、被処理製品に対して配置するため、待機位置からカット位置に軸方向に移動させてまた戻す、又はその逆にする。
【背景技術】
【0004】
この種類の刃組立体及び装置は、動物処理産業で、特に、食鳥/とり肉及び魚のフィレを作製するために使用される。動物を処理する際、特にフィレを作製する際、動物又は魚の骨格から、身、特にフィレを切り離すため、多数の様々なカットを実施しなければならない。この目的で、製品は、搬送路に沿って搬送方向Tで搬送装置により搬送される。少なくとも1つの作業ステーションは、この搬送路に沿って配置される。好ましくは、複数の作業ステーションは、様々な作業ステップ、特に(切離し)カットを実施し得るように、前後に搬送方向Tで配置される。締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚のフィレを作製する例を使用すると、作業ステーションは、腹面のカット、脇面のカット、脇骨のカット、背骨のカット、小骨のカット又はハラスのカット、切離しカット及び他のカットを含めた、フィレ作製カットを実施するように設けられる。作業ステーションの数、構成、順序及び配置は、製品に応じて変更し得る。
【0005】
作業ステーションの一部は、単一切離し刃又は一対の切離し刃のいずれかを備える刃組立体として構成される。刃組立体の機能及び構造構成は、基本的に、製品とは無関係である。このことは、待機位置からカット位置にしてまた戻す、又はその逆にするという切離し刃の調節の観点において、とり肉を作業する一般的な刃組立体が、魚を作業する、対応する刃組立体と同様に構成されることを意味する。当該又は各切離し刃又は一対の切離し刃は、例えば、腹面のカット、脇面のカット、特に背骨のカットも実施する円形刃として構成される。各切離し刃又は円形刃は、刃シャフトの自由端上に配置され、被処理製品に基づき、実施されるカットに従って、製品に対して配置され、向けられる。背骨のカットの例を使用すると、斜めの向きを有する各切離し刃は、下方から魚に進入し、切離し刃が、背骨の片側、又は一対の切離し刃の場合は背骨の両側の近くに置かれるようにし、背骨が、魚の全長にわたって下方から背びれまでカットされるようにする。一対の切離し刃の場合、2つの切離し刃は、逆さV字を形成し、逆さV字を形成する2つの切離し刃は、互いに対して鋭角で可能な限り直立するように配置され、背骨に可能な限り近接して置かれるか、又は背骨と直接接触しさえもする。
【0006】
これら多数のカット、明示的には脇面のカット、脇骨のカット、特に背骨のカットの中で共通する特徴は、カットされる製品に対する切離し刃の位置が、常に同じではない可能性があることである。というのは、製品が、解剖学的な差及び個体差の両方を有するためである。切離し刃を固定すると、不十分な収量及び/又は製品への損傷をもたらすであろう。単なる例として、本発明をこの例に縮小するものではないが、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚の背骨をカットする例において、切離し刃を固定すると、切離し刃が背骨から遠く離れすぎている場合、収量の著しい損失をもたらす場合がある。身の部分は、背骨上に膜として残るであろう。このことは、絶対に避けるべきである。切離し刃を固定する場合、切離し刃が背骨に近すぎると、背骨(中骨と呼ばれることもある)に割り込むか又は背骨に突き刺さることさえあり、これにより、収穫した身を欠陥のあるものにする。このことも同様に絶対に避けるべきである。したがって、カットされる製品に対する各切離し刃の位置は、背骨に対する切離し刃の最適な位置を設定するように調節可能である。同じことは、魚、とり肉、又は処理に適し、処理に使用される他の動物に対する他のフィレ作製カットを実施する切離し刃にも当てはまる。
【0007】
最適化されたカット・パターンを達成する、例えば、より良好な収量を得る及び/又は身により優しい、よりきれいなカットの獲得を達成するため、及び/又は他の理由のため、刃組立体、又は刃組立体の少なくとも当該若しくは各切離し刃を調節可能にし、一方で、当該若しくは各切離し刃又はその位置を被処理製品のサイズに適合させ、もう一方で、当該又は各切離し刃を、被処理製品からある距離で(背骨のカットの例では背骨からある距離で)配置する待機位置から、当該又は各切離し刃が製品(背骨のカットの例では背骨)に接触するカット位置に移動させてまた戻す、又はその逆にする必要がある。結局、待機位置とは、実際のカット位置ではない全ての位置を表す。
【0008】
被処理製品に対して切離し刃の位置を設定する様々な調節オプションが公知である。例えば、刃組立体、即ち、駆動ユニット、及び切離し刃を有する刃シャフトから構成されるユニット全体は、ステッパ・モータ等により待機位置からカット位置に移動させてまた元に戻し得る。他の変形形態では、切離し刃を能動的に制御する空気シリンダ等が設けられる。他の変形形態は、能動又は受動ばね懸架式調節がもたらされ、受動ばね懸架式調節の調節は、単に製品を制御する様式で実行される。
【0009】
能動制御システムの場合、刃組立体全体を調節のために移動させるので、大きな質量を移動させる必要がある。したがって、そのようなシステムは、システムの動的性能の観点から制限される。大きな質量は遅く、それに応じてより長い調節サイクルをもたらす、即ち、待機位置からカット位置にしてまた戻す移動、又はその逆の移動をより長くする。言い換えれば、大きな質量を移動させる際、切離し刃を待機位置からカット位置に搬送するのにより多くの時間を必要とし、これにより、可能なサイクル数を低減し、特に、そのようなシステムの有効寿命/耐久性も制限する。大きな質量を移動させる必要がある公知のシステムの更なる欠点は、実際には、大型の、相応の質量の製品しか切離し刃又は刃組立体を動かせないことである。特定の質量を有する大型製品、特に重量が約500gを超える製品のみが、搬送方向に横断的に、例えばばね力に反して、切離し刃又は刃組立体を有効にするのに十分な質量を有する、即ち、切離し刃又は刃組立体を外側に押して、(魚のフィレ作製カットの例では)製品の背骨を切離し刃の間に到達させ、製品が搬送される際、切離し刃が、背骨に損傷を与えずに、特に切離し刃の近くに置かれた背骨に沿って案内される。更に、待機位置からカット位置にしてまた戻す時間期間、又はその逆の時間期間内で、カット位置で実際のフィレ作製カットの実施に十分な時間を切離し刃に与える十分な長さがあるのは、大型製品だけである。公知のシステムは、より小さな質量の製品、例えば、重量が500g未満の製品、及び動的性能に必要な長さより短い製品の処理に適しておらず、これらの製品を処理するように構成、適合されてもいない。
【0010】
より小さな質量の製品、例えば、重量が500g未満の魚は、例えば背骨の外部に沿って、正確に、製品が制御される様式で切離し刃を案内するように質量の重い刃組立体の全体等を有効にすることができない。刃組立体又は切離し刃を制御する他の構成要素の質量は、常に製品に大きな力を及ぼすほど大きく、したがって、製品に損傷を与えることさえある。小さな質量の製品に伴うこの問題は、重大な問題である。更に、より小さな質量の小型製品はかなり短いため、切離し刃には、短い処理時間量しかない。即ち、切離し刃を適切な位置にもたらすのに極端に短い時間期間しかなく、切離し刃を適切な位置にもたらすことは、慣性のために大きな質量では達成できない。切離しの場合(即ち、背骨カットの場合、魚の全長にわたって、可能な限り背骨に近い切離しカットを実施する際)、切離し刃は、待機位置からカット位置に移動させ、次に、カット位置から待機位置に戻す必要がある。したがって、既存のシステムは、特に、質量が500g未満のより小型/より軽量の製品の処理に必要な対応する効率及び動的性能を伴って、切離し刃を正確に高収量で適切な位置にもたらすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、特に小型製品でさえ確実、正確に高収量でカットする、小型で動的に調節可能な刃組立体を作成することである。更に、目的は、動物製品のフィレを作製する、対応する装置及び対応する方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、最初に述べた種類の刃組立体によって達成され、刃シャフトは、ハウジングに対して軸方向に移動可能であるように構成され、刃シャフトを軸方向に移動させる目的で駆動ユニットから分離可能であるように構成され、刃シャフトの回転運動を刃シャフトの軸方向移動から独立して実施し得るようにする。したがって、切離し刃を適切な位置にするための移動に必要な刃組立体構成要素の質量は、低減される。本発明による刃組立体の構成が、質量が最適化された刃シャフトと、軸方向調節移動のために移動可能である、数の減少した構成要素/部品とを有するために、切離し刃のみを有する刃シャフトは、刃シャフトが回転する際にハウジングに対して軸方向に調節可能であるように構成、適合される。本発明による構成は、極端に動的に調節可能な切離し刃をもたらす。極端に動的とは、好ましくは、毎秒10回を超える移動サイクルを可能にするシステムを表すものであり、1移動サイクルは、待機位置からカット位置に移動してまた元に戻る移動、又はその逆の移動といった切離し刃の移動を表す。移動サイクルの間、製品は、後続の製品が刃組立体の領域に搬送されるまで、刃組立体上で作業される。特に、軽量/小型製品に対しても高い動的性能のために、作業の実施、例えば、フィレ作製カット、背骨のカットの例では背骨に沿ったフィレ作製カットに十分な時間がある。というのは、時間を最適化した様式で、即ち、特により迅速に、単なる配置移動を実施し得るためである。全体として、本発明による構成は、特に背骨のカットの場合でさえ、より大きな収量効率をもたらす。しかし、特に小型/軽量製品の場合の収量効率の改善は、本発明による刃組立体の使用と共に、他のフィレ作製カットでも達成される。
【0013】
有利には、刃組立体は、締められ、頭を落とされ、内臓を取られた魚の背骨のカットを実施するように構成、適合され、この魚は、頭の端を先にして刃組立体に送られる。小型で、質量を最適化した設計、及び切離し刃の制御/配置の際に得られる動的性能の利点は、このフィレ作製カットにおいて特に明白である。というのは、特に、本発明による構成は、±2mm、好ましくは±1mmの範囲でさえ、動的に、十分な感度で軸方向調節の達成を可能にするためである。
【0014】
刃組立体の好ましい展開は、調節力、又は調節力を生成するアクチュエータが、刃シャフトを軸方向に移動させるように刃シャフトから機械的に分離されることを特徴とする。アクチュエータは、駆動ユニットから独立して刃シャフトに作用する。アクチュエータは刃シャフトから機械的に分離されるので、駆動ユニットから刃シャフトへの回転運動は、独立して、刃シャフトの軸方向移動に重ねて実施し得る。したがって、軸方向移動の間に移動させる質量は、著しく低減され、これにより、切離し刃を調節する間の動的性能を更に改善する。
【0015】
特に好ましい実施形態は、駆動スリーブが刃シャフト上に配置され、一方で駆動ユニットに、もう一方で刃シャフトに動作可能に接続されることを特徴とする。このことにより、一方で回転運動を可能にし、もう一方で回転運動に重なる軸方向移動を可能にする小型構成をもたらす。
【0016】
有利には、刃シャフトは、駆動スリーブの内部に、軸方向に変位可能な様式で配置、案内される。したがって、切離し刃の調節/制御のために移動可能な質量は、最小に低減され、これにより、動的性能を改善する。
【0017】
有利な展開は、一方で、駆動ユニットのかさ歯車が、駆動スリーブを回転駆動するように駆動スリーブに固定接続され、もう一方で、駆動器要素が、駆動スリーブの回転を刃シャフトに伝達するように駆動スリーブに固定接続されることを特徴とする。この構成は、小型であり、回転を駆動スリーブから刃シャフトへ確実に伝達することを可能にする。
【0018】
便宜的な実施形態では、刃シャフトは、駆動器要素が係合する凹部を有し、駆動器要素は、一方で、駆動スリーブの回転運動を刃シャフトに伝達し、もう一方で、刃シャフトが駆動スリーブに対して軸方向に移動することを保証するように構成、適合される。駆動器要素は、好ましくは、一種の摺動体であり、駆動スリーブに固定接続され、一方で、例えば摩擦嵌合による刃シャフトへの動作可能な接続を確立し、駆動スリーブの回転を刃シャフトに伝達し、もう一方で、刃シャフトが、駆動スリーブに対して軸方向に、凹部の境界内で最大に移動するのを可能にする。軸方向調節路は、凹部の側壁によって最大に制限されるため、側壁は、調節路のための一種の停止部を形成する。しかし、調節路も、駆動器要素が常に凹部の2つの側壁からある距離にあるように、より小型とし得る。この場合、軸方向調節移動を制限する停止部は、駆動スリーブの停止面及び刃シャフトの停止面が相互に作用することによっても形成し得る。
【0019】
有利には、駆動スリーブは、ハウジング内に回転可能に支承され、軸方向で動かないようにハウジング内に配置され、刃シャフトは、駆動スリーブに対して軸方向で移動可能であるように構成され、刃シャフト、したがって切離し刃は、刃組立体が開始位置にある際にばね要素によりカット位置で保持され、カット位置において、切離し刃を有する刃シャフトは、延長され、駆動スリーブ上の停止部に終端位置で押圧される。開始位置とは、刃組立体が、被処理製品が刃組立体に到達する直前にある位置を指す。開始位置において、切離し刃は、最大延長位置にある。2つの切離し刃が設けられる場合、これらの切離し刃は、開始位置において互いから最小距離にあり、実際には、カット位置を形成する。停止部は、例えば、駆動スリーブ上の突起とし得る。
【0020】
特に好ましい実施形態は、駆動スリーブに対して刃シャフトを軸方向に移動させるアクチュエータが、空気ユニットを備え、空気ユニットにより、ばね要素のばね力に反して刃シャフトを軸方向に移動させる調節力を加えることができ、刃シャフト、したがって切離し刃が待機位置で保持され、待機位置において、切離し刃を有する刃シャフトは、後退し、駆動スリーブ上の停止部に接して終端位置で押圧されるようにすることを特徴とする。空気ユニットにより、軸方向移動は、特に単純に、特に敏感にも、即ち正確に制御し得る。被処理製品に向かって最終的にばね力を加えるばね要素と組み合わせると、空気ユニットは、軸方向での調節移動を可能にし、この調節移動は、高度に動的であり、同時に、特に、被処理製品に向かう方向及び被処理製品から離れる方向の両方向での調整が容易である。特に、本発明による構成は、切離し刃を迅速で正確に有効にすることを可能にする。即ち、本発明による構成は、被処理製品から離れる軸方向移動を可能にするだけでなく、被処理製品に向かう迅速で正確な調節を可能にし、切離し刃は、被処理製品により優しく接触する。刃シャフトが後退位置で当たる停止部は、駆動スリーブ上の突起とし得る。しかし、停止部は、ばね要素自体であっても、ばね要素のばね力によって形成してもよい。
【0021】
有利には、ばね要素は、ばね力を変更するように取替え可能であるように構成、適合されるか、又はばね要素のばね力は、調節可能であるように構成、適合される。このことにより、動的性能の制御を可能にする。言い換えれば、切離し刃を配置する感度は、変更し得る。より大きなばね力の場合、切離し刃を有する刃シャフトをより迅速にカット位置に戻し得る。また、この場合、切離し刃は、より強固に、より大きな力で製品に接触する。しかし、より小型の製品を処理する際、例えば、製品に対する負担を低減するため、より小さなばね力が望ましい又は必要である場合がある。このことは、ばね要素、特に、様々なばね力を有する圧縮ばねの使用によって達成し得る。他の実施形態では、ばね付勢度、したがって、ばね力は、例えば、スペーサを使用してばね進路の長さを変更することによって、変更し得る。
【0022】
好ましい展開は、刃シャフトが、少なくとも2つの部品で構成され、2つの刃シャフト部分は、固定されるが、解放可能に相互接続されることを特徴とする。単一部品として刃シャフトを構成するオプション以外に、複数部品構成が好ましく、2部品設計が特に好ましい。2つの刃シャフト部分は、互いに対して回転しないように配置される。刃シャフトを複数の部品で構成すると、軸方向移動に使用される構成要素、例えば、ばね要素及び空気ユニットを小型に構成することを可能にする。更に、一種のモジュール設計における2部品又は複数部品の構成は、例えば、ばね要素を簡単、迅速に交換可能にする。
【0023】
特に好ましくは、第1の刃シャフト部分は、好ましくは円形刃として構成される切離し刃を支持し、駆動器要素のための凹部を有し、第2の刃シャフト部分は、中空円筒形で構成され、ピストン棒は、空洞内に配置され、中空円筒形刃シャフト部分は、ピストン棒により、切離し刃を支持する刃シャフト部分に接続される。中空円筒形第2の刃シャフト部分内に配置されるピストン棒は、例えば、ねじ接続により第1の刃シャフト部分に解放可能に接続されるが、他の固着システム又は締結手段も使用し得る。
【0024】
便宜上、ピストン棒、又はピストン棒の周囲面は、空気室を形成するように中空円筒形刃シャフト部分の内面からある距離で配置され、ピストン棒は、切離し刃の反対側の端面で中空円筒形刃シャフト部分を密閉する。ピストン棒の外径は、中空円筒形刃シャフト部分の内径より小さい。このことにより、中空円筒形刃シャフト部分の内部に環状空気室を生成する。閉鎖空気室を達成するため、ピストン棒は、空気室を端面で密閉する。この目的で、例えば、適切な封止リング又は他の封止手段を使用し得る。端面から離れて向けられるピストン棒の側において、空気室は、駆動スリーブ及び刃シャフトの壁によって境界を定められ、閉鎖される。
【0025】
有利な展開は、空気室が、周囲領域への少なくとも1つの空気流開口を有し、圧縮空気ユニットが接続される圧縮空気入口と流れが連通することを特徴とする。好ましくは、例えば、中空円筒形刃シャフト部分の周囲にわたり環状に分散される複数の空気流開口が設けられる。当該又は各空気流開口は、中空円筒形刃シャフト部分の壁内に形成される。この又は各空気流開口により、空気室は、圧縮空気入口と流れが連通し、圧縮空気入口は、圧縮空気を送り、圧縮空気を通すように構成、適合される。周囲領域とは、刃シャフトの外側に位置する領域を表す。中空円筒形刃シャフト部分内の空洞から離れた領域は、周囲領域を形成する。圧縮空気ユニットは、圧縮空気が圧縮空気入口及び空気流開口を通じて空気室に注入されるのを可能にするものであり、刃シャフトを案内ブッシュに接して押圧することによって刃シャフトをばね要素のばね力に反して後退位置(待機位置)に押圧させる。調節力がばね力を超えるとすぐに、刃シャフトは、切離し刃から製品への距離が増大するように軸方向内側に調節される。したがって、切離し刃を有する刃シャフトは、待機位置にある。圧縮空気ユニット内の圧力が低減又は除去されるとすぐに、圧縮空気は、空気室から空気流開口及び圧縮空気入口を通じて逃れ得る。圧力を解放した際、ばね力が調節力を超えるとすぐに、ばね要素は、刃シャフトを軸方向外側に、被処理製品に向かって押圧する。切離し刃を有する刃シャフトが軸方向に延長されるとすぐに、切離し刃を有する刃シャフトは、カット位置にある。
【0026】
便宜上、圧縮空気入口は、圧縮空気のための回転結合部を備え、圧縮空気は、当該又は各空気流開口を通じて空気室に入り、空気室から出るように制御される。このことにより、中断のない小型構成の刃組立体を達成し、刃組立体により、刃シャフトの回転運動は、刃シャフトの軸方向移動に重なる様式で実施し得る。
【0027】
特に有利な実施形態では、第2の空気室は、切離し刃から離れて向けられる刃シャフトの側において、中空円筒形刃シャフト部分(又はシャフト端部を閉鎖するピストン棒)の端面とハウジングとの間に形成され、圧縮空気ユニットが接続される第2の圧縮空気入口と流れが連通する。圧縮空気は、刃シャフトが待機位置内で有効になった後、即ち、刃シャフトの後退後、ばね要素のばね力の方向で作用し、刃シャフトをカット位置、即ち延長位置に、より迅速に搬送する。圧縮空気ユニットは、ばね要素を支援し、いわゆるパルス状圧縮空気の制御が好ましくもたらされ、カット位置に戻る刃シャフトの延長は、最初、圧縮空気のパルスを生じさせるが、好ましくは、切離し刃が製品に接触する前に終了する。次に、ばね要素により、製品に対する切離し刃の最終カット位置に到達する。この実施形態の場合、切離し刃の調節の動的性能は、更に増大し得る。というのは、刃シャフトの後退、特に刃シャフトの延長に必要な時間がより少ないためである。更に、このようにして、製品に対する切離し刃の圧縮力は、単純に様々に適合し得る。
【0028】
更なる有利な実施形態では、駆動スリーブは、少なくとも2つの部品で形成され、2つの駆動スリーブ部分は、固定されるが、解放可能に相互接続される。単一部品として駆動スリーブを構成するオプション以外に、複数部品構成が好ましく、2つの駆動スリーブ部分から構成される2部品設計が特に好ましい。2つの駆動スリーブ部分は、ほぼ中空円筒形に構成され、2つの刃シャフト部分を取り囲む。第1の駆動スリーブ部分は、好ましくは、第1の刃シャフト部分の領域内に実質的に配置される。第2の駆動スリーブ部分は、好ましくは、第2の中空円筒形刃シャフト部分の領域内に実質的に配置される。2つの駆動スリーブ部分は、好ましくは解放可能ねじ接続を介して、互いに対して回転しないように配置される。他の固着システム又は締結手段を同様に使用し得る。駆動スリーブを複数の部品で構成すると、軸方向移動に使用される構成要素、例えば、ばね要素を小型に構成することを可能にする。
【0029】
有利には、第1の駆動スリーブ部分は、かさ歯車及び駆動器要素を支持し、第2の駆動スリーブ部分は、第2の駆動スリーブ部分自体と中空円筒形刃シャフト部分との間の少なくともいくつかの部分において、少なくともばね要素が中に配置される隙間を形成する。当該又は各ばね要素に加えて、一群のばねも使用し得、スペーサ又はスペーサ・リングも、好ましく間隙内に配置し得る。好ましくは、スペーサ・リングは、ばね要素のばね進路の長さを調節するように中空円筒形刃シャフト部分の外周部上に置かれる。ばね要素は、一方で、直接的又は例えばスペーサ上に間接的に、駆動スリーブの突起上で支持され、もう一方で、中空円筒形刃シャフト部分の突起上で支持される。
【0030】
便宜的な展開は、少なくとも1つの潤滑剤出口が設けられ、少なくとも1つの潤滑剤出口が、刃シャフトがハウジングから現れて切離し刃を支持する刃シャフトの領域において、刃シャフトの軸方向調節領域を保護するように配置されることを特徴とする。任意に、好ましくは、切離し刃に対する刃シャフトの反対端部の領域内に配置される少なくとも1つの第2の潤滑剤出口も設け得る。当該又は各潤滑剤出口は、いわゆる保護カーテンを形成し、汚れた粒子及び他の邪魔な粒子が、刃シャフト及び駆動スリーブの軸方向案内領域に入らないようにする。
【0031】
特に好ましい実施形態では、刃組立体は、刃組立体が2つのカット・ヘッドを備えることを特徴とする。2つのカット・ヘッドは、既に請求したのと同様に構築され、個々に又は同期して制御し得る。刃組立体が、2つの切離し刃がカット位置にある開始位置にある際、2つの切離し刃の間には間隙がある。前記間隙のサイズは、軸方向調節によってオートメーション化され、刃組立体の動作中に変更し得る。
【0032】
本発明の目的は、最初に言及した特徴を有する、フィレを作製する装置によっても達成され、作業ステーションは、請求項1から20のいずれか一項に従って構成、適合される刃組立体である。
【0033】
好ましくは、装置は、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚処理するように構成され、魚は、搬送方向Tで頭の端を先にして搬送される。しかし、他の実施形態では、刃組立体は、魚を尾の端を先にして搬送するように構成、適合される搬送デバイスに沿っても配置し得る。
【0034】
便宜上、刃組立体の一方のカット・ヘッドを搬送路の片側に配置し、2つのカット・ヘッドは、同期して又は互いに個別に制御可能であるように構成する。したがって、製品、及び特に長手方向に伸張する状態で搬送される魚も、正確、効果的に処理し得る。
【0035】
装置は、有利には、搬送デバイス及び当該又は各作業ステーションを制御するように構成、適合される制御ユニットを備える。このことにより、製品の正確、効率的な処理を保証する。
【0036】
デバイスの有利な展開は、搬送デバイスが、運搬手段を備え、運搬手段が、コンベヤ・ベルト、ダブル・コンベヤ・ベルト、保持手段を備えるコンベヤ・チェーン、スパイク・チェーン・コンベヤ、オーバーヘッド・コンベヤ・システム等として選択的に構成されることを特徴とする。
【0037】
刃組立体に加えて、複数の作業ステーションは、有利には、搬送路に沿って配置され、請求項1から20のいずれか一項以上に記載の刃組立体の上流又は下流のいずれかに搬送方向Tで配置される。
【0038】
得られる利点は、刃組立体に関して既に説明してあるので、繰返しを避けるために上記の節を参照されたい。
【0039】
更に、本発明の目的は、最初に言及したステップを有する方法によって達成され、切離し刃の軸方向調節は、切離し刃の回転運動に重なり、切離し刃を支持する刃シャフトのみ、刃組立体のカット・ヘッドのハウジングに対して移動する。従来技術とは異なり、ほんのいくつかの構成要素、即ち、製品に対して切離し刃を配置するのに必要な構成要素、例えば、切離し刃を有する刃シャフトを軸方向に移動させ、それにより、質量の最適化された配置が達成され、動的性能が改善される。
【0040】
有利には、処理ステップは、被処理製品の両側に配置される刃組立体の2つのカット・ヘッドの2つの回転駆動切離し刃の間に被処理製品を搬送することによって、製品の両側で同期して又は互い違いの時間で実行される。製品は、両側で、互い違いの時間で、空間をずらして処理し得る。好ましくは、製品は、両側で時間的及び空間的に並行して処理される。
【0041】
好ましい手順では、原則的に、各切離し刃は、切離し刃を支持する刃シャフトがばね力によってハウジングから軸方向で移動した結果として、カット位置で保持され、処理カットを実施する各切離し刃は、最初、切離し刃を支持する刃シャフトが圧縮空気により軸方向でハウジング内に移動することによって、ばね力に反して待機位置に軸方向に移動し、各切離し刃は、被処理製品が切離し刃に対して搬送方向Tで正確な位置になるとすぐに、切離し刃を支持する刃シャフトがばね力によって軸方向でハウジングから移動することによって、圧縮空気の低減及び解放のためにカット位置に戻る。開始位置でのばね力のために、切離し刃はカット位置で待機し、カット位置では、切離し刃から製品までの距離は、最小である。被処理製品が切離し刃の作業領域/動作領域に搬送される直前、圧縮空気によって生成され、ばね力に逆らう調節力は、切離し刃を軸方向に移動させ、これにより、被処理製品からの距離を増大させる。切離し刃は、こうして待機位置に移動する。製品の先端が切離し刃のレベルに到達する(製品に対する切離し刃の正確な位置と呼ぶ。2つの切離し刃の場合、被処理製品がその先端で2つの切離し刃の間に位置する際に正確な位置に到達する)と、次に、前記切離し刃は、ばね力によって、製品のより近くに再度移動し、側部から再度カット位置に入り、実際の処理カットを実施する。
【0042】
一方で、ばね力が、圧縮空気によって生成される調節力/反対の力を超えるとすぐに、切離し刃は、ばね力によって待機位置からカット位置に移動される。もう一方で、ばね力によってもたらされるカット位置への戻り位置は、少なくとも最初は、ばね力の方向で作用する圧縮空気によって支援し得る。
【0043】
特に好ましくは、方法は、背骨のカットが、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚に対して、刃組立体の2つの切離し刃を使用して、被処理魚の頭の端を先にして、カット位置にある切離し刃の領域に搬送し、魚の背骨が切離し刃の間に到達する前に圧縮空気を使用してばね要素のばね力に反して切離し刃を互いから離し、次に、背骨が切離し刃の間に配置されるとすぐに、少なくともばね力を使用して前記切離し刃を再度互いに向かって移動させ、次に、ばね力の結果としての調節可能な一定の圧力で、背骨に沿って背骨と接触して切離し刃を摺動させることによって実施されることを特徴とする。
【0044】
オートメーション化された方法の場合、搬送デバイス及び当該又は各作業ステーションが制御デバイスによって制御されることは、特に有利である。
【0045】
得られる利点は、刃組立体に関して既に説明してあるので、繰返しを避けるために上記の節を参照されたい。
【0046】
動物製品のフィレを作製する刃組立体、装置及び方法の更なる便宜的及び/又は有利な特徴及び展開は、従属請求項及び明細書から明らかになる。刃組立体及び装置及び方法の特に好ましい実施形態は、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】斜め上及び前からの、カット・ヘッドを備える刃組立体の概略斜視図である。
図2】斜め後ろからの、図1によるカット・ヘッドの図である。
図3図1によるカット・ヘッドの断面図である。
図4図3による断面図の拡大図である。
図5】カット・ヘッドの部分の断面拡大図である。
図6】斜め上からの、魚を処理する装置の概略図であり、装置は、2つのカット・ヘッド又は一対の切離し刃を有する刃組立体を備える。
図7】斜め下からの、図6による装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図示される刃組立体及び装置は、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚の全長にわたって、下方から背びれまで背骨を自由にカットするために使用され、それに応じて構成、適合される。背骨カット又は軸カット(stalk cut)としても公知である前記カットは、単なる例として刃組立体の適合性及び構成を表すものである。刃組立体及び装置は、例えば、魚のフィレを作製する工程における脇骨のカット又は切離しカットを実施するため、それに応じて構成、適合されることは言うまでもない。本発明による刃組立体及び装置は、他の動物製品のフィレを作製する、例えば、と鳥等のフィレを作製する及び/又は骨を除去するために等しく構成、適合され、したがって、適している。
【0049】
図示の刃組立体10は、特に、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚100に対してフィレ作製カットを実施するように構成、適合され、刃組立体10は、刃ユニット13を有する少なくとも1つのハウジング12を備える少なくとも1つのカット・ヘッド11と、刃シャフト16を回転駆動するように構成、適合される駆動ユニット14とを備え、刃シャフト16は、切離し刃15を有し、ハウジング12の内部に回転可能に支承され、切離し刃15は、共同回転するように刃シャフト16上の刃シャフト16の自由端17に配置される。切離し刃15を有する刃シャフト16は、刃ユニット13の一部である。
【0050】
本発明によれば、この刃組立体10は、刃シャフト16がハウジング12に対して軸方向に移動可能であるように構成され、刃シャフト16の回転運動を刃シャフト16の軸方向移動から独立して実施し得るように刃シャフト16を軸方向に移動させる目的で、駆動ユニット14から分離可能であるように構成されることを特徴とする。切離し工程の間、切離し刃15は、循環、回転するように、好ましくは一定に駆動される。軸方向移動は、一時的なものであり、切離し刃15を待機位置からカット位置に移動させる及び/又はカット位置から待機位置に移動させ、切離し刃15から被処理製品への距離を増減させることを目的とする。刃シャフト16は、少なくとも、軸方向移動が回転運動に重なる状況において、軸方向移動に関連して駆動ユニット14から分離される。
【0051】
以下で説明する特徴及び展開は、それら自体で取られるか、互いに組み合わせて取られるかにかかわらず、好ましい実施形態を示す。特許請求の範囲及び/若しくは明細書及び/若しくは図面内で組み合わされるか又は共通の実施形態で説明される特徴は、上記の刃組立体10を機能的に独立した様式で改良することもできることに明示的に留意されたい。
【0052】
既に述べたように、本発明は、魚100の処理に基づき説明するものであり、魚100は、魚の骨格に基づき概略的に示され、処理は、脇骨をカットする例を使用して説明する。図示の実施形態では、刃組立体10は、締められ、頭を落とされ、内臓を取られた魚100に対して背骨のカットを実施するように構成、適合され、この魚100は、頭の端を先にして刃組立体10に送られる。脇骨のカットは、フィレ作製カットであり、切離し刃15は、脇骨を背骨から事前に切り離した後、魚の全長にわたって下方から背びれまで背骨を自由にカットし、背骨が一種の軸を形成するようにする。この理由で、軸カットにも言及する。一部分のみが図示される駆動ユニット14は、別様に構成し得る。例として、駆動ユニット14は、駆動モータ(図示せず)と、駆動シャフト18と、少なくとも1つのかさ歯車19とを備える。他の駆動ユニット14も使用し得ることは言うまでもない。
【0053】
カット・ヘッド11は、アクチュエータ20を備える。アクチュエータ20は、刃シャフト16の軸方向移動を実施又は作動するように構成、適合される。調節力、又は調節力を生成するアクチュエータ20は、刃シャフト16を軸方向に移動させるように刃シャフト16から機械的に分離される。説明する実施形態では、アクチュエータ20が、刃シャフト16の回転運動から独立して又は刃シャフト16の回転運動に重ねて、刃シャフト16の軸方向移動を作動可能であるため、駆動スリーブ21は、刃シャフト16上に配置され、一方で駆動ユニット14に、もう一方で刃シャフト16に動作可能に接続される。駆動スリーブ21は、例えば2つの玉軸受22、23によりハウジング内に回転可能に支承される。刃シャフト16は、駆動スリーブ21の内部に、軸方向に変位可能に配置、案内される。この目的で、摺動案内部、摺動膜等は、刃シャフト16の外周面と駆動スリーブ21の内面との間の少なくともいくつかの部分内に配置又は形成される。駆動ユニット14の駆動移動を駆動スリーブ21に伝達するため、駆動ユニット14のかさ歯車24は、一方で駆動スリーブ21に固定接続され、駆動スリーブ21を回転可能に駆動するようにする。駆動スリーブ21の回転を刃シャフト16に伝達するため、駆動器要素25は、もう一方で駆動スリーブ21に固定接続される。
【0054】
駆動器要素25は、動作接続を確立するように刃シャフト16に係合する。この目的で、刃シャフト16は、駆動器要素が係合する凹部26を有する。凹部26の寸法は変更し得る。軸方向(即ち、軸方向調節移動Aの方向)において、凹部26は、駆動器要素25より大きい。言い換えれば、凹部26の側壁27、28は、両調節方向Aでの軸方向移動を可能にするように、駆動器要素25からある距離で、即ち、各場合において少なくとも1mm離して配置される。図示の実施形態では、駆動器要素25は、摺動ブロックであり、摺動ブロックは、一方で、駆動スリーブ21の回転を刃シャフト16に伝達するように構成、適合され、もう一方で、刃シャフト16が駆動スリーブ21に対して軸方向に移動可能であるように構成、適合される。この2つの機能を実施する駆動器要素25の他の解決策及び構成も使用し得る。
【0055】
上記のように、駆動スリーブ21は、ハウジング12内に回転可能に支承され、軸方向で固定されるようにハウジング12内に配置される。駆動スリーブ21の支承に加えて、封止手段は、駆動スリーブ21の外周面と、前記外周面に接触する駆動ユニット14及び/又はハウジング12の構成要素との間に設けられる。刃シャフト16は、駆動スリーブ21に対して軸方向で移動可能であるように構成され、刃シャフト16、したがって切離し刃15は、刃組立体10が開始位置にある際にばね要素29によりカット位置で保持され、カット位置において、切離し刃15を有する刃シャフト16は、延長され、駆動スリーブ21上の停止部30に接して押圧される。原則的に、切離し刃15を有する刃シャフト16は、カット位置にある際に延長位置にある。ばね要素29は、軸方向固定駆動スリーブ21上の突起31に接して押圧され、刃シャフト16上の突起32と接触し、刃シャフト16が駆動スリーブ21の停止面33に接して軸方向に押圧され続けるようにする。封止及び/又は制動手段34は、刃シャフト16上の突起32と駆動スリーブ21の停止面33との間に配置し得る。
【0056】
軸方向調節移動を実施又は作動するアクチュエータ20は、例えば、モータを付けて構成し得る。図示の実施形態では、駆動スリーブ21に対して刃シャフト16を軸方向に移動させるアクチュエータ20は、空気ユニット35を備え、空気ユニット35により、ばね要素29のばね力に反して刃シャフト16を軸方向に移動させる調節力を加えることができ、刃シャフト16、したがって切離し刃15が待機位置で保持されるようにし、待機位置において、切離し刃15を有する刃シャフト16は、後退し、駆動スリーブ21上の停止部36に接して押圧される。停止部36は、駆動スリーブ21上の突起37によって形成され、停止面38をもたらす。封止及び/又は制動手段39は、刃シャフト16上の突起32と駆動スリーブ21の停止面38との間に配置し得る。
【0057】
刃シャフト16の外周面上に配置されるばね要素29は、上述のように、刃シャフト16上の突起32と駆動スリーブ21上の突起31との間に支持され、少なくとも1つのスペーサ・リング40、好ましくは複数のスペーサ・リング40は、ばね要素29と駆動スリーブ21上の突起31との間に配置される。スペーサ・リング40の数は、ばね力及び/又はばね進路を変更するように変更し得る。ばね要素29は、任意に、ばね力を変更するように交換でき、このことは、モジュール構造によってより単純になる。この目的で、とりわけ、刃シャフト16は少なくとも2つの部品で形成され、2つの刃シャフト部分41、42は、固定されるが、解放可能に相互接続される。2つの刃シャフト部分41、42は、互いに対して回転しないように螺入される。第1の刃シャフト部分41は、好ましくは円形刃として構成される切離し刃15を支持し、駆動器要素25のための凹部26を有する。第2の刃シャフト部分42は、中空円筒形で構成され、ピストン棒43は、この空洞内に配置され、中空円筒形刃シャフト部分42は、前記ピストン棒により、切離し刃15を支持する刃シャフト部分41に接続される。当然、各刃シャフト部分41、42に対する個々の構成要素の割当ては、変更し得る。2つの刃シャフト部分41と42との間の接続は、ねじ接続によって、ピストン棒43により確立されるが、例えば、差込み接続及び/又は締結若しくは掛止接続によって別様にも確立し得る。
【0058】
好ましくは、ピストン棒43は、中空円筒形刃シャフト部分42の内部に全面的に配置される。ピストン棒43又はその周囲面は、空気室44を形成するように、中空円筒形刃シャフト部分42の内面からある距離で配置される。この目的で、ピストン棒43の外径は、中空円筒形刃シャフト部分42の内径より小さい。ピストン棒43は、切離し刃15とは反対の刃シャフト16の端面で中空円筒形刃シャフト部分42を密閉する。この目的で、適切な封止手段45が使用される。空気室44は、周囲領域への少なくとも1つの空気流開口46を有し、圧縮空気ユニット48が接続される圧縮空気入口47と流れが連通する。圧縮空気ユニット48は、圧縮空気を送り、圧縮空気を通す圧縮空気ポンプと管路とを備え、アクチュエータ20の一部である。中空円筒形刃シャフト部分42の壁において、複数の穴は円周上に分散して配置され、複数の穴は、圧縮空気を空気室44に送り、圧縮空気を空気室44から圧縮空気入口47を通じて通すために使用される。
【0059】
空気室44は、当該又は各空気流開口46からピストン棒43に沿ってピストン棒43と中空円筒形刃シャフト部分42との間の隙間内に、切離し刃15の方向で開口49まで延在し、開口49は、駆動スリーブ21及び刃シャフト16によって画定される空洞50に開口する。軸方向に移動可能である刃シャフト16は、圧縮空気によって駆動スリーブ21に対して押圧し得、圧縮空気は、特にばね要素29のばね力に反して、空気室44に流れる。刃シャフト16は回転駆動されるので、圧縮空気入口47は、圧縮空気のための回転結合部51を備え、圧縮空気は、当該又は各空気流開口46を通じて空気室44に入り、空気室44から出るように制御される。
【0060】
中空円筒形刃シャフト部分42の内部の第1の空気室44に加えて、第2の空気室52は、刃シャフト16の外部に位置する、即ち、切離し刃15から離れて向けられる刃シャフト16の側に設けられる。第2の空気室52は、中空円筒形刃シャフト部分42の端面53とハウジング12との間に形成され、第2の圧縮空気入口54と流れが連通する。圧縮空気ユニット55は、圧縮空気入口54に接続される。圧縮空気ユニット55は、圧縮空気を送り、圧縮空気を通す圧縮空気ポンプと管路とを備え、アクチュエータ20の一部である。圧縮空気ユニット48、55は、一緒に組み合わせ、接合圧縮空気ユニットを形成することもできる。圧縮空気ユニット55は、任意に、例えば比例弁によって拡張させることもできる。ばね作用はこのように得られるため、ばね要素29を省き得る。
【0061】
図示の実施形態では、刃シャフト16が2つの部品で構成されるだけでなく、駆動スリーブ21も少なくとも2つの部品で構成され、2つの駆動スリーブ部分56、57は、固定されるが、解放可能に相互接続される。この目的で、好ましくは、ねじ接続が設けられる。2つの駆動スリーブ部分56、57は、互いに対して回転しないように螺入される。駆動スリーブ部分56、57の両方は、中空であるように構成される。第1の駆動スリーブ部分56は、かさ歯車24及び駆動器要素25を支持する。第2の駆動スリーブ部分57は、第2の駆動スリーブ部分57自体と中空円筒形刃シャフト部分42との間の少なくともいくつかの部分において、少なくともばね要素29が中に配置される隙間58を形成する。図示の実施形態では、第2の駆動スリーブ部分57と第2の刃シャフト部分42との間に形成される隙間58には、スペーサ・リング40もばね要素29の隣に配置される。
【0062】
好ましくは、少なくとも1つの潤滑剤出口59が刃組立体10内に設けられ、少なくとも1つの潤滑剤出口59は、刃シャフト16がハウジング12から現れて切離し刃15を支持する刃シャフト16の領域において、刃シャフト16の軸方向調節領域を保護するように配置される。図示の実施形態では、第2の潤滑剤出口60が設けられる。当該又は各潤滑剤出口59、60は、いわゆる保護カーテンを形成し、汚れた粒子、水及び他の邪魔な粒子が、刃シャフト16及び駆動スリーブ21の軸方向案内領域に入らないようにする。
【0063】
これまで、ただ1つのカット・ヘッド11を有する刃組立体10を説明している。好ましい実施形態では、刃組立体10は、2つのカット・ヘッド11、61を備え、2つのカット・ヘッド11、61は、図5及び図6でそれぞれの切離し刃15によってかなり概略的に示される。2つのカット・ヘッド11、61は、上記と同様に構築され、個々に又は同期して制御し得る。切離し刃15がカット位置にある開始位置において、2つの切離し刃15の間に間隙があり、この間隙は、カットされる製品の厚さ、又は背骨カットの例では背骨にほぼ対応する。
【0064】
刃組立体10は、個々のユニット又は交換可能ユニット又は取替え可能ユニットとして構成し得る。しかし、好ましくは、刃組立体10は、上位装置62、即ち、好ましくは、動物製品を処理する、特にフィレを作製する装置62の一部であり、装置62は、被処理製品を搬送方向Tで搬送路に沿って保持、搬送する搬送デバイス63と、搬送路に沿った、動物製品を処理する少なくとも1つの作業ステーション64とを備える。
【0065】
本発明によれば、この作業ステーション64は、作業ステーション64が、請求項1から20のいずれか一項に従って構成、適合される刃組立体10であることを特徴とする。図示の実施形態では、装置62は、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚100を処理するように構成され、魚100は、頭の端を先にして搬送方向Tで搬送される。背骨のカットを実施するには、刃組立体10の一方のカット・ヘッド11、61を搬送路の片側に配置し、2つのカット・ヘッド11、61は、同期して又は互いに個別に制御可能であるように構成する。搬送デバイス63及び当該又は各作業ステーション64を制御するため、装置62は、制御ユニットを備える。図示の装置62において、搬送デバイス63は、循環駆動される2つのチェーン要素を備えるスパイク・チェーン65である。各チェーン要素は、スパイクを有し、スパイクは、2つのチェーン要素が、被処理魚100を互いの間に受け入れる領域において、魚100が両側で保持、搬送されるように互いに向かって回転する。スパイク・チェーン65ではなく、コンベヤ・ベルト、ダブル・コンベヤ・ベルト、搬送サドルを有するコンベヤ・チェーン、オーバーヘッド・コンベヤ・システム等を運搬手段として使用し得る。
【0066】
特に好ましくは、作業ステーション64としての刃組立体10に加えて、装置62は、完全な、自動化されたフィレ作製工程をもたらすように、更なる作業ステーション66から70を備える。魚100のフィレを作製する例において、複数の作業ステーション66から70は、搬送路に沿って配置され、請求項1から20のいずれか一項以上に記載の刃組立体10の上流又は下流のいずれかに搬送方向Tで配置される。搬送方向Tにおける刃組立体10の上流には、例えば、腹面のカット、脇面のカット及び脇骨のカットを実施する刃組立体を設け得る。搬送方向Tにおける刃組立体10の下流には、小骨のカット及び切離しカットを実施する刃組立体10を設け得る。更なる作業ステーションを搬送路に沿って設け得ることは、言うまでもない。原則的に、全ての刃組立体10は、調節可能であるように構成、適合される。切離し刃15を製品のより近くに移動させる又は製品からより遠くに離すため、搬送方向Tに横断する切離し刃15の軸方向調節は、背骨のカットを実施する刃組立体10に関連して例として説明したように刃組立体10を相応に構成、適合することによって、本発明に従った様式で実行し得る。
【0067】
本発明による方法は、図面に基づきより詳細に説明する。本発明は、動物製品を処理する、特にフィレを作製する方法に関する。特に、とり肉及び魚100は、被処理製品として指定されるが、消費に適する他の被処理動物又は製品も、本発明による方法を使用して明示的に処理し得る。方法において、被処理製品は、搬送デバイス63により搬送方向Tで少なくとも1つの作業ステーション64に搬送される。作業ステーション64において、被処理製品に対して処理カットが実施される。この処理カットは、被処理製品を作業ステーション64を通じて移動し、作業ステーション64としての刃組立体10の切離し刃15の作業領域/動作領域に到達させることによって行われる、即ち、前記製品を刃組立体10のカット・ヘッド11の少なくとも1つの回転駆動切離し刃15に沿って搬送することによって行われる。被処理製品に対して回転切離し刃15を配置するため、切離し刃15を待機位置からカット位置に軸方向に移動させてまた戻す、又はその逆にする。
【0068】
本発明によれば、切離し刃15の軸方向調節が切離し刃15の回転運動に重なる場合、切離し刃15を支持する刃シャフト16のみを刃組立体10のカット・ヘッド11のハウジング12に対して移動させる。
【0069】
当該又は各処理ステップは、有利には、被処理製品の両側に配置される刃組立体10の2つのカット・ヘッド11、61の2つの回転駆動切離し刃15の間に被処理製品を搬送することによって、製品の両側で同期して又は互い違いの時間で実行される。原則的に、各切離し刃15は、切離し刃15を支持する刃シャフト16がばね力によってハウジング12から軸方向で移動される結果として、カット位置で保持され、処理カットを実施する各切離し刃15は、最初、切離し刃15を支持する刃シャフト16によってばね力に反して、圧縮空気により待機位置に軸方向に移動し、各切離し刃15は、圧縮空気の低減及び解放のために、被処理動物製品が切離し刃15に対して搬送方向Tで正確な位置にあるとすぐに、切離し刃15を支持する刃シャフト16をばね力によって軸方向でハウジング12から移動させることによってカット位置に戻る。ハウジング12からの刃シャフト16の軸方向移動は、一方で、ばね力によって達成され、もう一方で、少なくとも最初は、復帰力によって支援され、この復帰力は、圧縮空気によって生成され、ばね力の方向で作用するものである。
【0070】
特に好ましくは、方法は、特に背骨のカットを実施する際に使用される。この目的で、背骨のカットは、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚100に対して、刃組立体10の2つの切離し刃15を使用して、被処理魚100を頭の端を先にして、カット位置にある切離し刃15の領域に搬送し、魚100の背骨が切離し刃15の間に到達する前に圧縮空気を使用してばね要素29のばね力に反して切離し刃15を互いから離し、次に、背骨が切離し刃15の間に配置されるとすぐに、少なくともばね力を使用して前記切離し刃を再度互いに向かって移動させ、次に、ばね力の結果としての調節可能な一定の圧力で、背骨に沿って背骨と接触して切離し刃15を摺動させることによって実施される。この目的で、搬送デバイス63及び当該又は各作業ステーション64、66から70は、制御デバイスによって制御される。
【0071】
2つのカット・ヘッド11、61を有する本発明による刃組立体10の作業原理は、以下のように要約し得る。刃組立体10のカット・ヘッド11、61は、搬送路の両側でカット位置にある。このことは、切離し刃15を有する刃シャフト16が、ばね要素29によってハウジング12から軸方向で最大に延長し、互いの間に最小距離を生成することを意味する。被処理魚100が刃組立体10に到達する前、締められ、内臓を取られ、通常は頭を落とされた魚100は、頭の端を先にして搬送され、切離し刃15を有する刃シャフト16は、ばね要素29のばね力に反して、圧縮空気によって互いから離されて待機位置に入る、即ち、(魚から離れて)後退し、尾領域と比較して頭部領域の背骨のより厚い端部を切離し刃15の間に搬送し、背骨が切離し刃15の間に受け入れられることを保証する。
【0072】
背骨が切離し刃15の間に配置されるとすぐに、圧縮空気又は圧縮空気の供給は停止、解放されるため、切離し刃15は、切離し刃15が背骨に接触するまで、ばね力によって互いに向かって移動し得る。魚100が刃組立体10を通って移動し続ける際、背骨の厚さは、切離し刃15の間の距離を決定する。待機位置からカット位置に入る切離し刃15の復帰は、少なくとも最初は、圧縮空気のパルスによって支援、更には加速でき、切離し刃15のカット位置から待機位置への搬送、特に待機位置からカット位置への搬送に可能な限り短い時間が費やされるようにし、それに応じて、背骨に沿った切離しカットの実施に可能な限り多くの時間が得られるようにする。ばね要素29によるばね力と、ばね力に同じ方向でばね力に反する圧縮空気により制御される調節力とを組み合わせる又は重ねることによって、かなり短いサイクルを達成し得るため、特に、長さの短い、低質量の小型の魚100でさえ、収量が最適化された正確な様式で処理し得る。
【0073】
特に好ましくは、方法は、請求項21から26のいずれか一項以上に記載の装置62を使用して実行され、請求項1から20のいずれか一項以上に記載の刃組立体10又は複数の刃組立体10が使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚(100)に対してフィレ作製カットを実施するように構成、適合される刃組立体(10)であって、前記刃組立体(10)は、刃ユニット(13)を有する少なくとも1つのハウジング(12)を備える少なくとも1つのカット・ヘッド(11)と、刃シャフト(16)を回転駆動するように構成、適合される駆動ユニット(14)とを備え、前記刃シャフト(16)は、切離し刃(15)を有し、前記ハウジング(12)の内部で回転可能に支承され、前記切離し刃(15)は、共同回転するように前記刃シャフト(16)の自由端(17)で前記刃シャフト(16)上に配置される、刃組立体(10)において、前記刃シャフト(16)は、前記ハウジング(12)に対して軸方向に移動可能であるように構成され、前記刃シャフト(16)を軸方向に移動させる目的で前記駆動ユニット(14)から分離可能であるように構成され、前記刃シャフト(16)の回転運動は、前記刃シャフト(16)の軸方向移動から独立して実施し得るようにすることを特徴とする、刃組立体(10)。
【請求項2】
前記刃組立体(10)は、締められ、頭を落とされ、内臓を取られた魚(100)の背骨のカットを実施するように構成、適合され、前記魚(100)は、頭の端を先にして前記刃組立体(10)に送られることを特徴とする、請求項1に記載の刃組立体(10)。
【請求項3】
調節力、又は前記調節力を生成するアクチュエータ(20)は、前記刃シャフト(16)を軸方向に移動させるように前記刃シャフト(16)から機械的に分離されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の刃組立体(10)。
【請求項4】
駆動スリーブ(21)は、前記刃シャフト(16)上に配置され、一方で前記駆動ユニット(14)に、もう一方で前記刃シャフト(16)に動作可能に接続されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の刃組立体(10)。
【請求項5】
前記刃シャフト(16)は、前記駆動スリーブ(21)の内部に、軸方向に変位可能に配置、案内されることを特徴とする、請求項4に記載の刃組立体(10)。
【請求項6】
一方で、前記駆動ユニット(14)のかさ歯車(24)は、前記駆動スリーブ(21)を回転駆動するように前記駆動スリーブ(21)に固定接続され、もう一方で、駆動器要素(25)は、前記駆動スリーブ(21)の回転を前記刃シャフト(16)に伝達するように前記駆動スリーブ(21)に固定接続されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の刃組立体(10)。
【請求項7】
前記刃シャフト(16)は、前記駆動器要素(25)が係合する凹部(26)を有し、前記駆動器要素(25)は、一方で、前記駆動スリーブ(21)の回転運動を前記刃シャフト(16)に伝達し、もう一方で、前記刃シャフト(16)が前記駆動スリーブ(21)に対して軸方向に移動することを保証するように構成、適合されることを特徴とする、請求項6に記載の刃組立体(10)。
【請求項8】
前記駆動スリーブ(21)は、前記ハウジング(12)内に回転可能に支承され、軸方向で動かないように前記ハウジング(12)内に配置され、前記刃シャフト(16)は、前記駆動スリーブ(21)に対して軸方向で移動可能であるように構成され、前記刃シャフト(16)、したがって前記切離し刃(15)は、前記刃組立体(10)が開始位置にある際にばね要素(29)によりカット位置で保持され、前記カット位置において、前記切離し刃(15)を有する前記刃シャフト(16)は、延長され、前記駆動スリーブ(21)上の停止部(30)に接して押圧されることを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項に記載の刃組立体(10)。
【請求項9】
前記駆動スリーブ(21)に対して前記刃シャフト(16)を軸方向に移動させる前記アクチュエータ(20)は、空気ユニット(35)を備え、前記空気ユニット(35)により、前記ばね要素(29)のばね力に反して前記刃シャフト(16)を軸方向に移動させる調節力を加えることができ、前記刃シャフト(16)、したがって前記切離し刃(15)は待機位置で保持され、前記待機位置において、前記切離し刃(15)を有する前記刃シャフト(16)は、後退し、前記駆動スリーブ(21)上の停止部(36)に接して押圧されるようにすることを特徴とする、請求項8に記載の刃組立体(10)。
【請求項10】
前記ばね要素(29)は、前記ばね力を変更するために取替え可能であるように構成、適合されるか、又は前記ばね要素(29)の前記ばね力は、調節可能であるように構成、適合されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の刃組立体(10)。
【請求項11】
前記刃シャフト(16)は、少なくとも2つの部品で構成され、2つの刃シャフト部分(41、42)は、固定されるが、解放可能に相互接続されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の刃組立体(10)。
【請求項12】
第1の刃シャフト部分(41)は、好ましくは円形刃として構成される前記切離し刃(15)を支持し、前記駆動器要素(25)のための凹部(26)を有し、第2の刃シャフト部分(42)は、中空円筒形で構成され、ピストン棒(43)は、前記空洞内に配置され、前記中空円筒形刃シャフト部分(42)は、前記ピストン棒により、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト部分(41)に接続されることを特徴とする、請求項11に記載の刃組立体(10)。
【請求項13】
前記ピストン棒(43)、又は前記ピストン棒(43)の周囲面は、空気室(44)を形成するように、前記中空円筒形刃シャフト部分(42)の内面からある距離で配置され、前記ピストン棒(43)は、前記切離し刃(15)の反対側の端面で前記中空円筒形刃シャフト部分(42)を密閉することを特徴とする、請求項12に記載の刃組立体(10)。
【請求項14】
前記空気室(44)は、周囲領域への少なくとも1つの空気流開口(46)を有し、圧縮空気ユニット(48)が接続される圧縮空気入口(47)と流れが連通することを特徴とする、請求項13に記載の刃組立体(10)。
【請求項15】
前記圧縮空気入口(47)は、圧縮空気のための回転結合部(51)を備え、前記圧縮空気は、前記又は各空気流開口(46)を通じて前記空気室(44)に入り、前記空気室(44)から出るように制御されることを特徴とする、請求項14に記載の刃組立体(10)。
【請求項16】
第2の空気室(52)は、前記切離し刃(15)から離れて向けられる前記刃シャフト(16)の側で、前記中空円筒形刃シャフト部分(42)の前記端面(53)と前記ハウジング(12)との間に形成され、圧縮空気ユニット(55)が接続される第2の圧縮空気入口(54)と流れが連通することを特徴とする、請求項13から15のいずれか一項に記載の刃組立体(10)。
【請求項17】
前記駆動スリーブ(21)は、少なくとも2つの部品で構成され、2つの駆動スリーブ部分(56、57)は、固定されるが、解放可能に相互接続されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の刃組立体(10)。
【請求項18】
第1の駆動スリーブ部分(56)は、前記かさ歯車(24)及び前記駆動器要素(25)を支持し、第2の駆動スリーブ部分(57)は、隙間(58)を形成し、前記隙間(58)において、少なくとも前記ばね要素(29)は、前記第2の駆動スリーブ部分(57)自体と前記中空円筒形刃シャフト部分(42)との間の少なくともいくつかの部分内に配置されることを特徴とする、請求項17に記載の刃組立体(10)。
【請求項19】
少なくとも1つの潤滑剤出口(59)を設け、前記潤滑剤出口(59)は、前記刃シャフト(16)が前記ハウジング(12)から現れて前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)の領域において、前記刃シャフト(16)の軸方向調節領域を保護するように配置されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の刃組立体(10)。
【請求項20】
前記刃組立体(10)は、2つのカット・ヘッド(11、61)を備えることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の刃組立体(10)。
【請求項21】
動物製品を処理する、特にフィレを作製する装置(62)であって、前記装置(62)は、前記被処理製品を搬送方向Tで搬送路に沿って保持、搬送する搬送デバイス(63)と、前記搬送路に沿った、前記製品を処理する少なくとも1つの作業ステーション(64)とを備える、装置(62)において、前記作業ステーション(64)は、請求項1から20のいずれか一項に従って構成、適合される刃組立体(10)であることを特徴とする、装置(62)。
【請求項22】
前記装置(62)は、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚(100)を処理するように構成され、前記魚(100)は、前記搬送方向Tで頭の端を先にして搬送されることを特徴とする、請求項21に記載の装置(62)。
【請求項23】
前記刃組立体(10)の一方のカット・ヘッド(11、61)は、前記搬送路の片側に配置され、2つの前記カット・ヘッド(11、61)は、同期して又は互いに個別に制御可能であるように構成されることを特徴とする、請求項21又は22に記載の装置(62)。
【請求項24】
前記装置(62)は、制御ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記搬送デバイス(63)及び前記又は各作業ステーション(64)を制御するように構成、適合されることを特徴とする、請求項21から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記搬送デバイス(63)は、運搬手段を備え、前記運搬手段は、コンベヤ・ベルト、ダブル・コンベヤ・ベルト、保持手段を備えるコンベヤ・チェーン、スパイク・チェーン・コンベヤ(65)、オーバーヘッド・コンベヤ・システム等として選択的に構成されることを特徴とする、請求項21から24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
複数の作業ステーション(66から70)は、前記搬送路に沿って配置され、請求項1から20のいずれか一項に記載の前記刃組立体(10)の上流又は下流のいずれかに前記搬送方向Tで配置されることを特徴とする、請求項21から25のいずれか一項に記載の装置(62)。
【請求項27】
動物製品を処理する、特にフィレを作製する方法であって、前記方法は、
-前記被処理製品を、搬送デバイス(63)により搬送方向Tで少なくとも1つの作業ステーション(64)に送るステップと、
-作業ステーション(64)としての刃組立体(10)を使用して、前記刃組立体(10)のカット・ヘッド(11)の少なくとも1つの回転駆動切離し刃(15)に沿って、前記被処理製品を搬送することによって、前記被処理製品に対して処理カットを実施するステップと
を含み、
-前記回転切離し刃(15)は、前記被処理製品に対して配置するため、待機位置からカット位置に軸方向に移動させてまた戻す、又はその逆にする、方法において、
前記切離し刃(15)の軸方向調節が、前記切離し刃(15)の回転運動に重なる場合、前記切離し刃(15)を支持する刃シャフト(16)のみ、前記刃組立体(10)の前記カット・ヘッド(11)のハウジング(12)に対して移動させることを特徴とする、方法。
【請求項28】
前記処理ステップは、前記被処理製品の両側に配置される前記刃組立体(10)の2つのカット・ヘッド(11、61)の2つの回転駆動切離し刃(15)の間に前記被処理製品を搬送することによって、前記製品の両側で同期して又は互い違いの時間で実行されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
原則的に、各前記切離し刃(15)は、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)をばね力によって前記ハウジング(12)から軸方向で移動させた結果としてカット位置で保持され、前記処理カットを実施する各前記切離し刃(15)は、最初、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)が圧縮空気により軸方向で前記ハウジング(12)内に移動することによって、ばね力に反して待機位置に軸方向に移動し、各前記切離し刃(15)は、前記被処理製品が前記搬送方向Tで前記切離し刃(15)に対して正確な位置になるとすぐに、圧縮空気の低減及び解放のために、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)をばね力によって軸方向で前記ハウジング(12)から移動させることによって、前記カット位置に戻ることを特徴とする、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
ばね力によって引き起こされる、前記切離し刃(15)を支持する前記刃シャフト(16)の前記待機位置から前記カット位置に戻す移動は、少なくとも最初は、圧縮空気によって支援されることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
背骨のカットは、締められ、頭を落とされ、少なくとも部分的に内臓を取られた魚(100)に対して、前記刃組立体(10)の2つの前記切離し刃(15)を使用して、前記被処理魚(100)の頭の端を先にして、カット位置にある前記切離し刃(15)の領域に搬送し、前記魚(100)の背骨が前記切離し刃(15)の間に到達する前に圧縮空気を使用して前記ばね要素(29)のばね力に反して前記切離し刃(15)を互いから離し、次に、背骨が前記切離し刃(15)の間に配置されるとすぐに、少なくともばね力を使用して前記切離し刃を再度互いに向かって再度移動させ、次に、ばね力の結果としての調節可能な一定の圧力で、背骨に沿って背骨と接触して前記切離し刃(15)を摺動させることによって実施されることを特徴とする、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記搬送デバイス(63)及び前記又は各作業ステーション(64、66から70)は、制御デバイスによって制御されることを特徴とする、請求項27から31のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】