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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】液体洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20241128BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20241128BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20241128BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20241128BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20241128BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20241128BHJP
   C11D 3/40 20060101ALI20241128BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20241128BHJP
   D06L 1/12 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/22
C11D1/14
C11D1/29
C11D1/66
C11D3/386
C11D3/40
C11D3/395
D06L1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527641
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022080398
(87)【国際公開番号】W WO2023102341
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】17/541,316
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ステンガー、パトリック・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】オルトマン、エリン・ジュリエット
(72)【発明者】
【氏名】ロックネイン、ブライアン・ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ベックス、ヴィンセント・ジョン
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB19
4H003AB27
4H003AB31
4H003CA18
4H003EB08
4H003EC01
4H003ED02
4H003EE01
4H003FA06
4H003FA07
4H003FA12
(57)【要約】
液体洗剤組成物は、式1の界面活性剤異性体の混合物及び式2の界面活性剤である、第1の界面活性剤であって、
【化1】
第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、混合物の約25%~約50%の式1の界面活性剤異性体が、n=0を有し、第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式2の界面活性剤であり、式中、Xが親水性部分である、第1の界面活性剤と、シェル及びコアを含むカプセル化剤であって、シェルが、ポリアクリレートを含み、コアが、香料を含む、カプセル化剤と、を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗剤組成物であって、
a)前記組成物の1重量%~30重量%の、式1の界面活性剤異性体の混合物と式2の界面活性剤とから本質的になる第1の界面活性剤であって、
【化1】
前記第1の界面活性剤の50重量%~100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、前記混合物の25%~50%の式1の界面活性剤異性体が、n=0を有し、前記第1の界面活性剤の0.001重量%~25重量%が、式2の界面活性剤であり、式中、Xが、親水性部分である、第1の界面活性剤と、
b)前記組成物の0.1重量%~5重量%の、シェル及びコアを含むカプセル化剤であって、前記シェルが、ポリアクリレートを含み、前記コアが、香料を含む、カプセル化剤と、
c)洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物。
【請求項2】
前記液体洗剤組成物が、前記第1の界面活性剤を含むが前記カプセル化剤を含まない第1の参照組成物と、前記カプセル化剤を含むが前記第1の界面活性剤を含まない第2の参照組成物とのスコアの組み合わせに対して、より高い乾燥布地臭気、好ましくは10%高い乾燥布地臭気を有する、請求項1に記載の液体洗剤組成物。
【請求項3】
前記液体洗剤組成物が、前記第1の界面活性剤を含むが前記カプセル化剤を含まない第1の参照組成物と、前記カプセル化剤を含むが前記第1の界面活性剤を含まない第2の参照組成物とのスコアの組み合わせに対して、より高い粉砕布地臭気、好ましくは10%高い粉砕布地臭気を有する、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項4】
前記第1の界面活性剤と前記カプセル化剤との重量比が、300:1~2:1、好ましくは35:1~5:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項5】
追加の界面活性剤を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項6】
前記追加の界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルエトキシル化サルフェート、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の液体洗剤組成物。
【請求項7】
前記洗剤補助剤が、酵素、酵素安定剤、ビルダー、色相剤、汚れ再付着防止剤、漂白剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項8】
前記第1の界面活性剤の15重量%~40重量%の、式1の界面活性剤異性体の前記混合物が、n=1を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項9】
前記第1の界面活性剤の60重量%~90重量%の、式1の界面活性剤異性体の前記混合物が、n<3を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項10】
前記第1の界面活性剤の90重量%~100重量%の界面活性剤異性体が、m+n=11を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項11】
Xが、サルフェートを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項12】
10%~90%、好ましくは15%~85%の水を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項13】
前記カプセル化剤のシェルが、60ナノメートル~200ナノメートルの厚さである、請求項1~12のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項14】
シェル壁が、70%以上、好ましくは90%以上の脂肪族ウレタンアクリレートポリマーを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の界面活性剤と、シェル及びコアを含むカプセル化剤であって、シェルが、ポリアクリレートを含み、コアが、香料を含む、カプセル化剤と、を含む、液体洗剤組成物。
【背景技術】
【0002】
液体洗剤組成物は、布地のような基材を洗浄するために日常的に使用されている。液体洗剤組成物の配合は、とりわけ、清浄化される基材を損傷させることなく目的の基材を十分に清浄化する能力のバランスである。加えて、多くの消費者は、洗濯された基材が洗浄後に心地よい香りを有することを好む。洗浄プロセスを通していくらかの香りを基材に適用することができるが、消費者が好むレベルではない場合がある。これは、香りを更に増強するのを助けるための香料カプセル化剤のような香料技術の利用をもたらすことができる。カプセル化剤は、目的の基材に効率的に送達することが困難であり得、多くが排水に洗い流され、その利益を利用することができない。したがって、カプセル化剤を目的の基材上に堆積させるのを助けることができる配合物中の材料を見出し、利用することが有益である。したがって、目的の基材上にカプセル化剤を堆積させるのを助けることができる液体洗剤組成物を利用することができる材料に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書には、例えば、液体洗剤組成物であって、a)組成物の約1重量%~約30重量%の、式1の界面活性剤異性体の混合物と式2の界面活性剤とから本質的になる第1の界面活性剤であって、
【0004】
【化1】
第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、混合物の約25%~約50%の式1の界面活性剤異性体が、n=0を有し、第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式2の界面活性剤であり、式中、Xが、親水性部分である、第1の界面活性剤と、b)組成物の約0.1重量%~約5重量%の、シェル及びコアを含むカプセル化剤であって、シェルが、ポリアクリレートを含み、コアが、香料を含む、カプセル化剤と、c)洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物が含まれる。
【0005】
また、本明細書には、例えば、液体洗剤組成物であって、a)式1の界面活性剤異性体の混合物と式2の界面活性剤とから本質的になる第1の界面活性剤であって、
【0006】
【化2】
第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、混合物の約25%~約50%の式1の界面活性剤異性体が、n=0を有し、第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式2の界面活性剤であり、式中、Xが親水性部分である、第1の界面活性剤と、シェル及びコアを含むカプセル化剤であって、シェルが、ポリアクリレートを含み、コアが、香料を含む、カプセル化剤と、を含み、第1の界面活性剤とカプセル化剤との重量比が、約300:1~約2:1である、液体洗剤組成物が含まれる。
【0007】
これら及び他の具体化は、本明細書全体を通してより完全に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
消費者は、基材の香りをその清浄度レベルと同等とし得る。加えて、一部の消費者は、一般に、洗浄後に強い香りの基材を好む。これは、香料の使用によって少なくとも部分的に達成することができるが、基材上に香料を堆積させることは非効率的であり得、これは、香料の多くが排水に流れることを意味する。加えて、香料は高価であり得るため、より多くの香料を製品に加えることは、製品のコストを増加させる。更に、高レベルの香料を配合することは、製品の安定性に関する問題をもたらし得る。
【0009】
これは香料技術の開発につながった。このような香料技術の1つはカプセル化剤である。一般的に言えば、カプセル化剤は、シェル及びコアを有する。シェルは、事象(水分又は摩擦など)によって誘発され、コアに貯蔵された内容物(例えば、香料であり得る)を放出する。しかしながら、カプセル化剤は、それ自体の困難を有し得る。例えば、香料のように、それらは目的の基材上に堆積させることが困難であり得る。したがって、本発明者らは、目的の基材上へのカプセル化剤の堆積を助けることができる、ある特定の界面活性剤とカプセル化剤との間の相乗効果を見出すことが可能であるかどうかを調査した。
【0010】
調査された1つの界面活性剤は、分岐アルキルサルフェート(式1の界面活性剤異性体の混合物及び式2の界面活性剤:
【0011】
【化3】
第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、混合物の約25%~約50%の式1の界面活性剤異性体が、n=0を有し、第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式2の界面活性剤であり、式中、Xが、親水性部分である)を含むアニオン性界面活性剤であった。調査したカプセル化剤は、コアとして香料を有するポリアクリレートシェルであった。
【0012】
これらの材料間に相乗作用が存在するかどうかを調査するために、液体洗剤組成物を作製する(比較組成物A)。この組成物は、分岐アルキルサルフェート又はカプセル化剤のいずれも含まない液体洗剤シャーシである。カプセル化剤を含む液体洗剤シャーシである比較組成物B、C、及びDも作製し、比較組成物E、F、及びGは、分岐アルキルサルフェートを添加した液体洗剤シャーシである。本発明の組成物1~5を、分岐アルキルサルフェート及びカプセル化剤の両方で作製する。比較組成物A~G及び本発明の組成物1~5のための配合は、以下の実施例の項にある。
【0013】
目的の基材のカプセル化剤堆積は、布地ヘッドスペース分析を利用して測定される。典型的には、目的の基材上のカプセル剤の濃度が高ければ、香料の強度(ヘッドスペース分析により測定)が高くなるという相関関係がある。ここで、テリー生地は、Calderon(Indianapolis,IN,USA)から得られる。テリー生地を剥がし、事前コンディショニングし、次いで、洗浄試験にかける。このプロセスの詳細は、布地ヘッドスペース分析法と称される方法のセクションに見出すことができる。
【0014】
相乗作用を探す場合、相加効果よりも大きいものを探す。したがって、個々に、所与の材料の各々の影響、それらを一緒に利用することの予想される効果、及びそれらを一緒に使用することの実際の効果を見る。香料原料のシングルポイントキャリブレーションを利用してヘッドスペース強度を算出する。各検出された香料原料の濃度の合計から各バイアルの合計ヘッドスペース濃度が計算される。処理対象布地に対して、ヘッドスペースの平均をとる。加えて、シャーシ(比較組成物A)及びシャーシから見られる任意の利益を考慮するために、表1~2の値は、比較組成物A(デルタヘッドスペース対比較組成物A)に対して決定された。
【0015】
表1について、布地ヘッドスペース分析法で更に詳細に考察されるように、乾燥布地臭気を測定する。以下の表1に見られるように、本発明の組成物1の実際のヘッドスペースレベルは、比較組成物B及びEの個々の測定に基づいて予想されるものよりも0.15nmol/L高いか、又は26%多い。同じことが、本発明の組成物2~5にも当てはまり、その実際のヘッドスペース値は、シャーシ内の個々の構成要素の性能に基づいて予想されるものよりも22%~52%高い。これは、分岐アルキルサルフェートとカプセル化剤との間の相乗作用を示し、これは、特にテリークロスについて、目的の基材上へのカプセル化剤の改善された堆積をもたらす。
【0016】
【表1】
【0017】
追加の試験は、粉砕布地サンプルを用いて完了する。粉砕布地サンプルは、粉砕サンプルが装置でキャップを外され、ロッドがバイアル中に下げられ、バイアル中の布地に10秒間、67psiの等しい重量を適用することを除いて、乾燥布地サンプルと同じように調製される。以下の表2に見られるように、相乗作用は、粉砕布地サンプルを見ると、更により顕著である。
【0018】
【表2】
【0019】
分岐アルキルエトキシサルフェートとカプセル化剤との間で観察される相乗作用を考慮すると、より少ない香料カプセル化剤を有するが、分岐アルキルサルフェートを含まないより高いレベルのカプセル化剤を有する液体洗剤と同様の又はより良好な芳香性能を有し得る液体洗剤配合物を配合することができると考えられる。これは、追加の配合物柔軟性、コスト削減を与え、より持続可能な配合の機会を提供することができる。
【0020】
液体洗剤組成物
液体洗剤組成物は、分岐アルキルサルフェート及びカプセル化剤を含む第1の界面活性剤を含み得る。液体洗剤組成物は、約5重量%~約60重量%の総界面活性剤を含み得る。液体洗剤組成物は、組成物の約5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、若しくは10重量%~約8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、22重量%、24重量%、26重量%、28重量%、30重量%、32重量%、34重量%、36重量%、38重量%、40重量%、45重量%、50重量%、又はこれらの任意の組み合わせの総界面活性剤を含み得る。第1の界面活性剤とカプセル化剤との重量比は、約300:1~約2:1、約200:1~約2:1、約100:1~約2:1、約50:1~約2:1、約35:1~約2:1、約30.5:1~約2:1、約15.5:1~約2:1、又は約7.5:1~約2:1であり得る。液体洗剤組成物はまた、約1%~約95%の、水のような担体を含み得る。液体洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物であり得る。液体「洗濯洗剤組成物」は、洗濯機又は手洗いの状況で布地を清浄化することが可能な任意の組成物を含む。液体洗濯洗剤組成物は、例えば桶又はたらいでの手洗いに加えて、高効率及び標準的な洗濯機で使用することができる。
【0021】
液体洗剤組成物は、第1の界面活性剤を含む第1の参照組成物とカプセル化剤を含む第2の参照組成物との乾燥布地臭気の組み合わせよりも高い乾燥布地臭気を有し得る。液体洗剤組成物は、第1の界面活性剤を含む第1の参照組成物とカプセル化剤を含む第2の参照組成物との粉砕布地臭気の組み合わせよりも高い粉砕布地臭気を有し得る。乾燥布地臭気及び/又は粉砕布地臭気は、第1の界面活性剤を含む第1の参照組成物とカプセル化剤を含む第2の参照組成物との組み合わせのものよりも約10%以上、約29%以上、又は約30%以上高くてもよい。第1の参照組成物は、マイクロカプセルを含有せず、第2の参照組成物は、第1の界面活性剤を含有しない。第1及び第2の参照組成物を作製するために使用され得るシャーシの例は、比較例Aである。乾燥布地及び粉砕布地の臭気値は、本明細書に開示されるように測定することができる。測定に使用される布地は、例えば、テリー生地であってもよい。
【0022】
分岐アルキルサルフェート
液体洗剤組成物は、組成物の約1重量%~約30重量%の、分岐アルキルサルフェートを含む第1の界面活性剤を含み得る。液体洗剤組成物はまた、組成物の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、若しくは10重量%~約5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、22重量%、24重量%、26重量%、28重量%、又はこれらの任意の組み合わせの分岐アルキルサルフェートを含み得る。分岐アルキルサルフェートは、2-アルキル分岐アルキルアルコールを含み得る。2-アルキル分岐アルコールは、炭素鎖上のヒドロキシメチル基(ヒドロキシ(-OH)基に結合したメチレン架橋(-CH-単位)からなる)の位置が変化する位置異性体である。したがって、2-アルキル分岐アルキルアルコールは、概して、位置異性体の混合物で構成される。更に、2-アルキル分岐アルコールなどの脂肪族アルコール及び界面活性剤は、鎖長分布によって特徴付けられることが周知である。換言すれば、脂肪族アルコール及び界面活性剤は概して、異なるアルキル鎖長を有する(単一鎖長の片を得ることが可能であるが)分子のブレンドから構成される。特に、特定のアルキル鎖長分布及び/又は特定の割合のある特定の位置異性体を有し得る本明細書に記載の2-アルキル一級アルコールは、市販の材料を単純にブレンドすることによっては得ることができない。具体的には、m+n=11を有する約50重量%~約100重量%の界面活性剤の分布は、市販の材料をブレンドすることによっては達成することができない。
【0023】
液体洗剤組成物は、第1の界面活性剤を含み得、当該第1の界面活性剤が、式1の界面活性剤異性体の混合物と式2の界面活性剤とから本質的になり、
【0024】
【化4】
第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、混合物の約25%~約50%の式1の界面活性剤異性体が、n=0を有し、第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式2の界面活性剤であり、式中、Xが、親水性部分である。
【0025】
Xは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジアミン、ポリアミン、一級アミン、二級アミン、三級アミン、アミン含有界面活性剤、又はこれらの組み合わせで中和され得る。
【0026】
Xは、サルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート、スルホネート、アミンオキシド、ポリアルコキシレート、ポリヒドロキシ部分、リン酸エステル、グリセロールスルホネート、ポリグルコネート、ポリリン酸エステル、ホスホネート、スルホスクシネート、スルホサッカミネート、ポリアルコキシル化カルボキシレート、グルカミド、タウリネート、サルコシネート、グリシネート、イセチオネート、ジアルカノールアミド、モノアルカノールアミド、モノアルカノールアミドサルフェート、ジグリコールアミド、ジグリコールアミドサルフェート、グリセロールエステル、グリセロールエステルサルフェート、グリセロールエーテル、グリセロールエーテルサルフェート、ポリグリセロールエーテル、ポリグリセロールエーテルサルフェート、ソルビタンエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステル、アンモニオアルカンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキル化四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシアルキル化四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシル化オキシプロピル四級アンモニウム化合物、イミダゾリン、2-イル-スクシネート、スルホン化アルキルエステル、スルホン化脂肪酸、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0027】
第1の界面活性剤は、混合物の約15%~約40%、例えば、約20%~約40%、約25%~約35%、又は約30%~約40%などの、n=1を有する式1の界面活性剤異性体を有し得る。第1の界面活性剤は、混合物の約60%~約90%、例えば、約65%~約85%、約70%~約90%、又は約80%~約90%などの、n<3を有する式1の界面活性剤異性体を有し得る。洗剤組成物は、約90%~約100%、例えば、約95%~100%などの、異性体がm+n=11を有する第1の界面活性剤を有し得る。
【0028】
第1の界面活性剤は、第1の界面活性剤混合物の約15重量%~約40重量%の、n=1である式1の異性体と、第1の界面活性剤混合物の約5重量%~約20重量%の、n=2である式1の異性体と、を有し得る。第1の界面活性剤は、nが6以上である式1の異性体を有していなくてもよい。第1の界面活性剤は、混合物の最大約40%の、n>2である式1の界面活性剤異性体を有し得る。第1の界面活性剤は、混合物の最大約25%の、n>2を有する式1の界面活性剤異性体を有し得る。第1の界面活性剤は、最大約20重量%の式2の異性体を有し得る。
【0029】
不純物
上記の2-アルキル一級アルコール由来界面活性剤を作製するプロセスは、プロセスの異なる工程で様々な不純物及び/又は混入物質を生成し得る。
【0030】
出発C15アルデヒド及びC13アルデヒド、並びに本発明において使用される後続のアルコール及び対応する界面活性剤を作製するためにヒドロホルミル化において使用されるC14オレフィン及びC12オレフィン源は、出発C15アルコール及びC13アルコール中の不純物、したがってC15アルキルサルフェート及びC13アルキルサルフェート中の不純物にもつながる不純物を低レベルしか有し得ない。理論に束縛されるものではないが、C14オレフィン及びC12オレフィン供給材料中に存在するそのような不純物は、ビニリデンオレフィン、分岐オレフィン、パラフィン、芳香族成分、及び意図される14個又は12個の炭素以外の鎖長を有する低レベルのオレフィンを含み得る。分岐及びビニリデンオレフィンは、典型的には、C14及びC12アルファオレフィン源中に5%以下である。得られるC15アルコール及びC13アルコール中の不純物は、低レベルの、典型的には、混合物の5重量%未満、好ましくは1%未満の、C10~C17アルコールの範囲の直鎖及び分岐のアルコール、特にC13アルコール中のC11及びC15アルコール、特にC15アルコール中のC13及びC17アルコールを含み得、分岐及びビニリデンオレフィンから生じる2-アルキル位置以外の位置に低レベルの分岐を、典型的には、アルコール混合物の約5重量%未満、好ましくは2重量%未満含み得、パラフィン及びオレフィンを、典型的には、アルコール混合物の1重量%未満、好ましくは約0.5%未満含み得、典型的には、500mg/kg未満、好ましくは約200mg/kg未満のカルボニル価を有する低レベルのアルデヒドを、含み得る。アルコール中のこれらの不純物は、結果として、低レベルのパラフィン、C15又はC13以外の総炭素数を有する直鎖及び分岐アルキルサルフェート、並びに2-アルキル位置以外の位置に分岐を有するアルキルサルフェートを生成させ得、これらの分岐は、その長さが変化し得るものの、典型的には、1~6個の炭素を有する直鎖アルキル鎖である。ヒドロホルミル化の工程では、直鎖及び分岐パラフィン、不完全なヒドロホルミル化からの残留オレフィン、並びにエステル、ホルメート、及び重質留分(二量体、三量体)などの不純物も生じ得る。水素化工程でアルコールに還元されない不純物は、蒸留によりアルコールの最終精製中に除去され得る。
【0031】
また、脂肪族アルコールをサルフェート化してアルキルサルフェート界面活性剤を得るプロセスも様々な不純物をもたらすことが周知である。これらの不純物の正確な性質は、サルフェート化及び中和の条件に依存する。しかしながら、概して、サルフェート化プロセスの不純物は、1つ以上の無機塩、未反応脂肪族アルコール、及びオレフィンを含む(「The Effect of Reaction By-Products on the Viscosities of Sodium Lauryl Sulfate Solutions,」Journal of the American Oil Chemists’Society,Vol.55,No.12,p.909-913(1978),C.F.Putnik and S.E.McGuire)。
【0032】
アルコキシル化不純物には、ジアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル、オレフィン、及びポリアルキレングリコールが含まれ得る。不純物はまた、様々な工程で使用される触媒又は触媒の成分も含み得る。
【0033】
カプセル化剤
液体洗剤組成物は、カプセル化剤を含み得る。組成物は、例えば、組成物の約0.05重量%~約5重量%、又は約0.05重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.2重量%~約2重量%のカプセル化剤を含んでもよい。組成物は、組成物の約0.05重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約2重量%の香料を組成物に提供するのに十分な量のカプセル化剤を含んでもよい。カプセル化剤は、シェル及びコアを含む。コアは、シェルによって包囲されてもよい。
【0034】
本明細書で考察される場合、封入体の量又は重量パーセントは、シェル材料とコア材料との合計を意味する。
【0035】
カプセル化剤は、約0.5マイクロメートル~約100マイクロメートル、又は更には10~100マイクロメートル、好ましくは約1マイクロメートル~約60マイクロメートル、又は更には10マイクロメートル~50マイクロメートル、又は更には20マイクロメートル~45マイクロメートル、又は代替的に20マイクロメートル~60マイクロメートルの容積重量中央値のカプセル化剤サイズを有してもよい。
【0036】
コア
コアは、香料を含んでもよい。香料は、単一の香料原料又は香料原料の混合物を含んでもよい。「香料原料」という用語(又は「perfume raw material、PRM」)は、本明細書で使用するとき、少なくとも約100g/モルの分子量を有し、かつ匂い、芳香、エッセンス、又は香りを、単独で又はその他の香料原料とともに付与するのに有用な化合物を意味する。典型的なPRMとしては特に、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ナイトライト、及びテルペン等のアルケンが挙げられる。一般的なPRMのリストは、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」第I巻及び第II巻;Steffen Arctander Allured Pub.Co.(1994)及び「Perfumes:Art,Science and Technology」、Miller,P.M.and Lamparsky,D.,Blackie Academic and Professional(1994)のような様々な参照元に見出され得る。
【0037】
コア内の香料は、香料原料の混合物を含有してもよい。コア内の香料は、少なくとも3種、又は少なくとも4種、又は少なくとも5種、又は少なくとも6種、又は少なくとも7種、又は少なくとも8種、又は少なくとも9種、又は少なくとも10種の香料原料を含んでもよい。香料原料の混合物は、より複雑で望ましい審美性、及び/又はより良好な香料性能若しくは寿命を、例えば、様々なタッチポイントで提供してもよい。
【0038】
コア内の香料は、約50種未満、又は約40種未満、又は約30種未満、又は約25種未満、又は約20種未満の香料原料を含んでもよい。配合の複雑性及び/又はコストを低減又は制限する方法として香料中の香料原料の数を制限することが望ましい場合がある。
【0039】
香料は、天然由来の少なくとも1種の香料原料を含んでもよい。このような成分は、持続可能性/環境上の理由から望ましい場合がある。天然由来の香料原料は、PRMの混合物を含有し得る天然抽出物又はエッセンスを含んでもよい。このような天然抽出物又はエッセンスとしては、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエッセンス、白檀油、松根油、スギなどが挙げられてもよい。
【0040】
本開示のカプセル化剤のコアは、分配変性剤を含んでもよい。コアは、封入された有益剤に加えて、コアの総重量に基づいて、0%より大きく約80%まで、好ましくは0%より大きく約50%まで、より好ましくは0%より大きく約30%まで、最も好ましくは0%より大きく約20%までの分配変性剤を含んでもよい。
【0041】
分配調整剤は、植物油、変性植物油、C~C24脂肪酸のモノエステル、ジエステル、及びトリエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノフェノン、ラウリン酸ラウリル、ベヘン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよい。分配調整剤は、好ましくはミリスチン酸イソプロピルを含んでもよい、又はミリスチン酸イソプロピルからなってもよい。変性植物油は、エステル化及び/又は臭素化されたものであってもよい。変性植物油は、好ましくは、ヒマシ油及び/又はダイズ油を含んでもよい。参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20110268802号は、本明細書に記載される香料カプセル化剤において有用であり得る他の分配調整剤について記載している。
【0042】
シェル
カプセル化剤は、シェルを含んでもよい。シェルは、コアを部分的に又は完全に包囲してもよい。壁材はアミノプラストを含むことができる。アミノプラストは、ポリウレア、ポリウレタン及び/又はポリウウレアウレタンを含むことができる。アミノプラストは、アミノプラストコポリマー、例えば、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、又はこれらの混合物を含み得る。壁はメラミンホルムアルデヒドを含み得、シェルは、以下に述べるようなコーティングを更に含み得る。封入体は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含む壁とを有することができる。封入体は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒド、ポリ(アクリル酸)及びポリ(アクリル酸-co-ブチルアクリレート)を含む壁とを有することができる。
【0043】
シェルは、ポリマー材料を含んでもよい。ポリマー材料は、(メタ)アクリレート材料を含んでもよい。上記のように、5.0mgKOH/gを超える酸価を有する香料は、アクリレート材料を含むシェルに封入された場合に驚くほど良く性能を発揮することが見出されている。シェルのポリマー材料は、少なくとも部分的にラジカル重合プロセスにより形成されてもよい。
【0044】
シェルのアクリレート材料は、ポリアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される(メタ)アクリレート材料を含んでもよい。
【0045】
本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリレート」又は「(メタ)アクリル」という用語への言及は、特定のモノマー、オリゴマー、及び/又はプレポリマーのアクリレート及びメタクリレートバージョンの両方を意味するものとして理解すべきである。例えば、「アリル(メタ)アクリレート」は、アリルメタクリレート及びアリルアクリレートの両方の可能性があることを示し、同様に、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルへの言及は、アクリル酸のアルキルエステル及びメタクリル酸のアルキルエステルの両方の可能性があることを示し、同様に、ポリ(メタ)アクリレートは、ポリアクリレート及びポリメタクリレートの両方の可能性があることを示す。ポリ(メタ)アクリレート材料は、例えば、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン及びポリウレタンポリ(メタ)アクリレート(特に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネート又はウレタンポリイソシアネートとの反応によって調製されるもの)、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート官能性シリコーン、ジ-、トリ-、及びテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(ペンタメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジグリセロールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジクロロアクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、並びに様々な多官能(メタ)アクリレートを含む、広範なポリマー材料を包含することを意図する。単官能性アクリレート、すなわち、1つのアクリレート基のみを含むものも、有利に使用されてもよい。典型的なモノアクリレートとしては、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、様々なアルキル(メタ)アクリレート、及びグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリレート又はそれらの誘導体との混合物、並びに1つ以上の(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマー、及び/若しくはプレポリマーの組み合わせ又はそれらの誘導体と、アクリロニトリル及びメタアクリロニトリルを含むその他のコポリマー化可能なモノマーとの混合物も、同様に使用されてもよい。
【0046】
主な当該シェル材料は、ポリアクリレートを含んでもよい。シェル材料は、シェル材料の約25重量%~約100重量%、又は約50重量%~約100重量%、又は約65重量%~約100重量%のポリアクリレートポリマーを含んでもよい。ポリアクリレートは、ポリアクリレート架橋ポリマーを含んでもよい。
【0047】
カプセル化剤の(メタ)アクリレート材料は、1つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料から誘導されるポリマーを含んでもよい。多官能性アクリレート部分は、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。多官能性アクリレート部分は、好ましくは、六官能性アクリレートである。アクリレート材料は、アクリレート部分、メタクリレート部分、アミンアクリレート部分、アミンメタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせ、好ましくは、アミンメタクリレート部分又はカルボン酸アクリレート部分からなる群から選択される部分を含む、ポリアクリレートを含んでもよい。
【0048】
(メタ)アクリレート材料は、1つ以上の多官能性アクリレート及び/又は多官能性メタクリレート部分を含む材料を含んでもよい。1つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料の1つ以上のメタクリレート部分を含む材料に対する比は、約999:1~約6:4、好ましくは約99:1~約8:1、より好ましくは約99:1~約8.5:1であってもよい。
【0049】
多官能性アクリレートの例としては、CN975(六官能性芳香族ウレタンアクリレート)、CN9006(六官能性脂肪族ウレタンアクリレート)、CN296、CN293、CN2295(六官能性ポリエステルアクリレートオリゴマー又はアクリル化ポリエステル)、CN2282、CN294E、CN299(四官能性ポリエステルアクリレートオリゴマー又はアクリル化ポリエステル)、SR494、SR295、SR255(四官能性アクリレートオリゴマー)、SR9009、SR9011(三官能性メタクリレートオリゴマー)、SR929(ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー)、SR9053(酸エステル三官能性アクリレートオリゴマー)、CN989、CN9301(脂肪族ウレタンアクリレート)、SR350、SR353(三官能性アクリレートオリゴマー)、SR9012(三官能アクリレートエステル)、及び/又はSR368(トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート)などのSartomer Inc.から販売されている材料が挙げられる。
【0050】
アクリレート材料は、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導されてもよく、それは、このような材料が堅牢なカプセルを製造するのに有用であることが見出されているためである。
【0051】
例えば、本明細書に記載された粒子のシェルは、少なくとも1つのモノマー又はそのオリゴマーの反応生成物を含むポリ(メタ)アクリレートポリマーを含んでもよい。モノマーは、式Iによる構造を含み、
【0052】
【化5】
式中、Rは、C~Cから選択され、Rは水素又はメチルであり、nは1~3の整数であり、Aは、式II~式VIから選択されるもののいずれかから選択される環状構造である。
【0053】
【化6】
【0054】
カプセル化剤のシェルは、メラミン誘導体を実質的に含まなくてもよい。メラミン誘導体としては、メラミン系モノマー、例えば、メラミン-ホルムアルデヒド材料から誘導されるポリマー又はその他の材料を挙げてもよい。カプセル化剤のシェルは、メラミン-ホルムアルデヒド材料を実質的に含まなくてもよい。理論に束縛されるものではないが、メラミン-ホルムアルデヒド材料は、シェルを封入するために比較的強い負電荷を提供し、四級アンモニウムエステル化合物との不十分な相互作用及び/又は不十分な性能をもたらし、トリエステルクアットを含み、及び/又はトリエタノールアミンから誘導される特定の化合物をもたらすと考えられている。
【0055】
カプセル化剤は、カプセル化剤の総重量を基準にして、約0.5%~約40%、より好ましくは0.8%~5%の乳化剤を含んでもよい。乳化剤は、カプセル化剤の形成中に加工助剤として有用であり得る。乳化剤は、シェル内に埋め込まれてもよい、及び/又はシェル上に位置していてもよい。乳化剤は、ポリビニルアルコール、カルボキシル化又は部分加水分解ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸の塩又はエステル、レシチン、有機スルホン酸、2-アクリルアミド-2-アルキルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドンのコポリマー、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、及び水の表面張力を低下させる水溶性界面活性剤ポリマーからなる群から選択される。
【0056】
乳化剤は、好ましくは、ポリビニルアルコールを含む。好ましくは、ポリビニルアルコールは、以下の特性のうちの少なくとも1つ又はその混合物を有する:(i)70%~99%、好ましくは75%~98%、より好ましくは80%~96%、より好ましくは82%~96%、最も好ましくは86%~94%の加水分解度、及び/又は(ii)20℃の4%水溶液において、2mPa.s~150mPa.s、好ましくは3mPa.s~70mPa.s、より好ましくは4mPa.s~60mPa.s、更により好ましくは5mPa.s~55mPa.sの粘度。好適なポリビニルアルコール材料は、Selvol 540 PVA(Sekisui Specialty Chemicals,Dallas,TX)、Mowiol 18-88=Poval 18-88、Mowiol 3-83、Mowiol 4-98=Poval 4-98(Kuraray)、Poval KL-506=Poval 6-77 KL(Kuraray)、Poval R-1130=Poval 25-98 R(Kuraray)、Gohsenx K-434(日本合成化学工業)から選択されてもよい。
【0057】
本開示のカプセル化剤は、コーティングを含んでもよい。シェルは、コーティングを含んでもよく、例えば、コーティングは、シェルの外面上に存在してもよい。封入体は製造されてから、続いてコーティング材料でコーティングされてもよい。コーティングは、付着助剤として有用であり得る。コーティング材料の非限定的な例としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン-無水マレイン酸)、ポリアミン、ワックス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンコポリマー、ポリビニルピロリドン-エチルアクリレート、ポリビニルピロリドン-ビニルアクリレート、ポリビニルピロリドンメタクリレート、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリシロキサン、ポリ(プロピレン無水マレイン酸)、無水マレイン酸誘導体、無水マレイン酸誘導体のコポリマー、ポリビニルアルコール、スチレン-ブタジエンラテックス、ゼラチン、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、その他の変性セルロース、アルギン酸ナトリウム、キトサン、カゼイン、ペクチン、化工デンプン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート、ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、並びにポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、及びポリアリルアミンのコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。コーティング材料は、カチオン性ポリマーであってもよい。コーティング材料は、キトサンを含んでもよい。
【0058】
組成物は、本明細書に記載されたカプセル化剤シェル厚さ試験法によって測定されるように、カプセル化剤の少なくとも75%が、約10nm~約350nm、約20nm~約200nm、又は25nm~約180nmのカプセル化剤シェル厚さを有する本開示によるカプセル化剤を含んでもよい。
【0059】
追加の界面活性剤
液体洗剤組成物は、追加の界面活性剤を更に含み得る。追加の界面活性剤は、液体洗剤組成物の約0.25重量%~約50重量%のレベルで存在し得る。追加の界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双性イオン性、両性、又はこれらの組み合わせであり得る。追加の界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート(alkyl ethoxy sulfate、AES)、アルキルベンゼンスルホネート、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、アミンオキシド、メチルエステルスルホネート、糖脂質界面活性剤、アルキルポリグルコシド界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。追加の界面活性剤は、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。追加の界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルエトキシル化サルフェート、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0060】
液体洗剤組成物は、AESを含む追加の界面活性剤を含み得る。液体洗剤組成物はまた、組成物の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、若しくは10重量%~約5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、22重量%、24重量%、26重量%、28重量%、又はこれらの任意の組み合わせのアルキルエトキシサルフェートを含み得る。AES界面活性剤は、複数のAES化合物を含み、各AES化合物はアルキル鎖を含む。特定のAES化合物のアルキル鎖は、別名アルキル鎖長としても知られている、アルキル部分における炭素の総数によって特徴付けることができる。所与の量のAES界面活性剤は、ある特定の割合又は分布の範囲内である鎖長を有する様々なAES化合物を含んでもよい。したがって、所与の量又はサンプルのAESは、ある特定の鎖長を有するAES化合物の分布、及び/又はアルキル部分における重量平均炭素数によって特徴付けることができる。
【0061】
市販のAES界面活性剤としては、C12~15 AESとして知られている12~15の重量平均鎖長を有するAES、又はC12~14 AESとして知られている12~14の鎖長を有するAESを挙げることができる。これらは、ある特定の範囲の重量平均鎖長として記載されているが、明記された範囲以外の炭素鎖長を有するこれらの範囲内の材料もあり得る。AES材料の重量平均鎖長が定義された範囲内に収まる限り、明記された長さ以外のいくつかの炭素鎖長があっても、この材料は範囲に含まれる。
【0062】
本明細書で使用するのに好適な別のAES界面活性剤は、アルキル鎖に15個の炭素原子を有するAES化合物(「C15 AES」)を比較的高い比率で含み得る。C15 AESは、比較的長いアルキル鎖がAES界面活性剤の疎水性を増大させ、これによって脂汚れ除去などの改善された汚れ除去が得られ得るので、望ましい場合がある。AES界面活性剤は、AES界面活性剤の約40重量%、又は約45重量%から約70重量%、又は約60重量%までのC15 AESを含み得る。C15 AESは、AES界面活性剤の主要部分を構成してよく、これは、任意の他の単一のタイプのAES界面活性剤よりも多い重量のC15 AES界面活性剤が存在することを意味する。C15 AESは、AES界面活性剤の重量の少なくとも半分、又は更には大部分を構成し得る。
【0063】
AES界面活性剤は、アルキル鎖に14個の炭素原子を有するAES化合物(「C14 AES」)、例えば、AES界面活性剤の少なくとも約1重量%のC14 AESを含み得る。AES界面活性剤は、比較的限られた量のC14 AESを含み得る。例えば、AES界面活性剤は、AES界面活性剤の約30重量%以下、又は約25重量%以下、又は約20重量%以下、又は約15重量%以下、又は約10重量%以下のC14 AESを含有し得る。組成物又は界面活性剤系が比較的高い比率のC15 AESを含む場合、例えば安定性の理由から、C14 AESの量を制限することが望ましい場合がある。
【0064】
AES界面活性剤は、アルキル鎖に13個の炭素原子を有するAES化合物(「C13 AES」)を含み得る。比較的短いアルキル鎖は、AES界面活性剤の相対疎水性を低下させ、それによって、AES界面活性剤が異なる汚れを除去することを可能にする、及び/又はより疎水性のAES界面活性剤よりも相対的に物理的により安定になることができるので、C13 AESが望ましい場合がある。AES界面活性剤は、AES界面活性剤の約15重量%、又は約20重量%、又は約25重量%~約50重量%、又は約40重量%、又は約35重量%まで、好ましくは約15重量%~約35重量%のC13 AESを含み得る。C13 AESは、AES界面活性剤中に最も又は2番目に多いAES化合物として存在し得、例えば、AES界面活性剤は、他の鎖長のAESと比較していずれも比較的高い濃度を有するC15 AES及びC13 AESを最も多く含み得る。
【0065】
AES界面活性剤は、アルキル鎖に12個の炭素原子を有するAES化合物(「C12 AES」)を含み得る。AES界面活性剤は、少なくとも約1重量%、又は少なくとも約3重量%、又は少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%のC12 AESを含有し得る。AES界面活性剤は、約20重量%以下、又は約15重量%以下、又は約12重量%以下、又は約10重量%以下、又は約5重量%以下のC12 AESを含有し得る。AES界面活性剤は、AES界面活性剤の約1重量%、又は約3重量%~約20重量%、又は約15重量%まで、好ましくは約3重量%~約15重量%のC12 AESを含有し得る。C12 AESは、例えば、C15 AESの疎水性を相殺し、その結果、より広い清浄化プロファイル及び/又はより良好な安定性プロファイルをもたらすために望ましい場合がある。
【0066】
AES界面活性剤は、上記のC15界面活性剤の量に加えて、C12 AES、C13 AES、及びC14 AES界面活性剤の各々を、AES界面活性剤の少なくとも1重量%含み得る。本開示のAES界面活性剤は、C12 AES、C13 AES、C14 AES、又はこれらの混合物、好ましくはこれらの混合物を、AES界面活性剤の約30重量%~約60重量%含み得る。
【0067】
AES界面活性剤は、約1重量%~約20重量%のC12 AES、約25重量%~約50重量%のC13 AES、約1重量%~約10重量%のC14 AES、及び約45重量%~約60重量%のC15 AESを含み得(各重量%はAES界面活性剤の重量による)、約205~約220、好ましくは約208~約218の平均分子量を有するアルキル鎖長を特徴とし得るが、ただし、提供される重量%は、合計約95重量%~約100重量%になり得ることを条件とする。
【0068】
AES界面活性剤は、アルキル鎖に16個の炭素原子を有するAES化合物(「C16 AES」)を含み得る。例えば、より長い鎖長が相不安定性の原因となり得るので、存在するC16の量が制限される場合もある。本開示のAES界面活性剤は、AES界面活性剤の約0.1重量%~約5重量%未満、又は約3重量%未満、又は約1.5重量%未満、又は1重量%未満のC16 AESを含み得る。
【0069】
AES界面活性剤は、分布中のAES化合物の鎖長の重量平均分子量によって特徴付けることができる。AES界面活性剤は、全体として、C15 AESの比較的高い比率を考慮して、予想し得るよりも低い重量平均分子量鎖長を特徴とする場合もある。
【0070】
鎖長の重量平均分子量は、アルキル鎖及びヒドロキシル基からなる脂肪族アルコールの重量平均分子量を求めることによって決定することができる。このような方式で鎖長の分子量を計算することは、いくつかの利点を提示することができる。例えば、AES界面活性剤は、典型的には、アルコキシル化(例えば、エトキシル化)及び硫酸化されて最終AES化合物に到達する前に原材料として機能する、このような脂肪族アルコールから合成される。したがって、脂肪族アルコール原料に関する関連情報は、典型的には、原料の供給元及び/又はAESの製造業者から入手可能である。加えて、AES界面活性剤自体の分子量ではなくアルキル鎖を含む脂肪族アルコールに基づく分子量を報告することは、可変的なアルコキシル化から生じる不確実性を除去するのに役立つ。例えば、C15 AES材料は、1モルのエトキシル化を含むいくつかの分子、並びに2モル及び/又は3モルのエトキシル化を含む他の分子を含み得る。
【0071】
例えば、C15 AES化合物のアルキル鎖の分子量は、以下の実験式:C1531OHを有し得るC15脂肪族アルコールに基づく。このようなC15脂肪族アルコールは、約228ダルトンの分子量を有する。便宜上、表4は、いくつかの例示的な脂肪族アルコールの分子量を示す。
【0072】
【表3】
【0073】
AES界面活性剤は、約200、又は約205、又は約208、又は約210、又は約211、約214~約220、又は約218、又は約215ダルトンまでの重量平均分子量を有する鎖長を特徴とし得、特定のアルキル鎖の分子量は、アルキル鎖を含む脂肪族アルコール(すなわち、アルキル鎖及びヒドロキシル基からなる脂肪族アルコール)の分子量に基づく。AES界面活性剤は、約200~約220、又は約210~約220、又は約211~約218ダルトンの重量平均分子量を有する鎖長を特徴とし得る。AES界面活性剤は、約208~215ダルトン以下の重量平均分子量を有する鎖長を特徴とし得る。比較的低い重量平均分子量(例えば、208~215ダルトン)の鎖長を特徴とするAESは、比較的多量の界面活性剤(例えば、20重量%超)を有する洗剤組成物において特に好ましい場合があるが、その理由は、改善された物理的安定性を促進するためである。
【0074】
AES界面活性剤は、そのエトキシル化度によって特徴付けることもできる。AES化合物の集団において、AES分子は様々なエトキシル化度を有し得る。したがって、所与の量又はサンプルのAESは、重量平均エトキシル化度によって特徴付けることもでき、エトキシル化度は、AES1モル当たりのエトキシ基(-O-CH-CH)のモル数として報告される。本開示のAES界面活性剤は、約0.5~約5、又は約1~約3、又は約1.5~約2.5の重量平均エトキシル化度を特徴とし得る。
【0075】
AESは、エトキシル化されていないアルキルサルフェート(「alkyl sulfate、AS」)界面活性剤を少なくともいくらか含み得る。非エトキシル化ASは、エトキシル化プロセス中の不完全な反応の結果として、及び/又は別個の成分として添加されたため、存在し得る。本開示の目的のために、(非エトキシル化)ASは、濃度、鎖長分子量、及び/又はエトキシル化度を決定するとき、AES界面活性剤の一部であるとみなされる。
【0076】
AES界面活性剤は、直鎖アルキル鎖を有するAES化合物、分岐アルキル鎖を有するAES化合物、又はこれらの混合物を含み得る。AES界面活性剤は、C2位で分岐しているAES界面活性剤を含み得、C2は、エトキシサルフェート頭部基から2番目に離れている炭素である(すなわち、エトキシサルフェート頭部基に隣接する炭素がC1位に存在する)。AES界面活性剤は、AES界面活性剤の約10重量%~約30重量%の、C2位で分岐しているAES界面活性剤を含み得る。分岐アルキル鎖は、AES界面活性剤の清浄化プロファイルを改善し得る及び/又は広げ得る。また、AES化合物の直鎖アルキル部分が好ましい場合もある。AES界面活性剤の少なくとも約50重量%、又は少なくとも約75重量%、又は少なくとも約90重量%、又は少なくとも約95重量%、又は約100重量%のAES化合物が、直鎖アルキル鎖であるアルキル鎖を有し得る。AESは、C15 AESの混合物を含み得、C15 AESのうちの少なくとも60重量%のC15 AESは直鎖状であり、C15 AESのうちの少なくとも10重量%のC15 AESは分岐している、好ましくはC2位で分岐している。AESは、C13 AESの混合物を含み得、C13 AESのうちの少なくとも60重量%のC13 AESは直鎖状であり、C13 AESのうちの少なくとも10重量%のC13 AESは分岐している、好ましくはC2位で分岐している。
【0077】
上記のとおり、AES化合物は、典型的には、エトキシル化脂肪族アルコールを硫酸化することによって製造される。まず、脂肪族アルコールを提供し、次いで、既知の方法に従ってエトキシル化してもよい。したがって、AES化合物、又はAES化合物の少なくともアルキル鎖は、それが由来する源、例えば油又は脂肪族アルコールの観点で説明することができる。本開示のAES化合物は、非石油源、好ましくは天然源に由来するアルキル鎖を含み得る。本開示のAESは、天然由来のアルキル鎖を含むAESと、合成由来(例えば、石油由来)のAESのアルキル鎖を含むAESとの混合物を含み得、このような混合物は、例えば、1タイプのAESの不足を別のタイプによって穴埋め(back-filled)することができるように、サプライチェーンのばらつき、混乱、及び/又は価格変動を考慮するのに有用であり得る。
【0078】
天然源としては、植物又は動物源、好ましくは植物に由来する油を挙げることができる。植物油の代表的な非限定例としては、キャノーラ油、ナタネ油、ココヤシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、キリ油、ジャトロファ油、カラシ油、グンバイナズナ油、椿油、ヒマシ油、又はこれらの混合物が挙げられる。好適な原料油としては、典型的には、好適なメタセシス触媒の存在下でメタセシス反応から形成されるメタセシス化油を挙げることができる。アルキル部分は、ココヤシ油、パーム核油、又はこれらの混合物、好ましくはココヤシ油、パーム核油、又はこれらの混合物に由来してもよい。このような起源は、化石燃料に依存しないので、環境及び/又は持続可能性の理由から望ましい場合がある。更に、天然源由来のAES化合物のアルキル鎖は、典型的には、偶数個の炭素原子を含有する。
【0079】
アルキル鎖の他の源(例えば、原料アルコール)は、市販のアルコール、例えば、Shellによって販売されているもの(例えば、商標名Neodol(商標)、例えば、Neodol(商標)23、Neodol(商標)3、Neodol(商標)45、及び/又はNeodol(商標)5)、及び/又はSasolによって販売されているもの(例えば、Lial(商標)、Isalchem(商標)、Safol(商標)など)を含み得る。
【0080】
AESは、フィッシャー・トロプシュプロセスに由来するものでなくてもよい。本開示のAESは、周知のシェル改変オキソ法から得られたものであってもよい。本開示のAESは、チーグラー法から得られたAESを含んでもよい。
【0081】
AESは、酸形態、塩形態(例えば、中和された)、又はこれらの混合物で存在し得る。塩形態のAESは、アルカリ金属塩、好ましくは、ナトリウム塩、アンモニウム塩、又はアルカノールアミン塩であってもよい。
【0082】
追加の界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を含み得る。アルキル基は、直鎖(straight chain)(直鎖(linear))又は分岐鎖構造において約9~約15個の炭素原子を含有していてもよい。アルキル基は、直鎖状であってもよい。かかる直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、「linear alkylbenzene sulfonate、LAS」として既知である。直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中に約11~14個の平均炭素原子数を有してもよい。直鎖状の直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中約11.8個の炭素原子の平均炭素原子数を有してもよく、C11.8 LASと略称される場合がある。直鎖状の直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中に主に12個の炭素原子を有してもよく、50%超がC12、75%超がC12、更に96%超がC12である。アルキルベンゼンスルホネートは、少なくとも部分的に、アルカリ金属塩、好ましくはナトリウム塩、又はアミン塩、例えばモノエタノールアミン塩などのエタノールアミン塩などの塩として存在してもよい。
【0083】
追加の界面活性剤は、アミンオキシド界面活性剤を含み得る。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中鎖分岐アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8~18アルキル部分と、C1~3アルキル基及びC1~3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式R1-N(R2)(R3)Oにより特徴付けられ、式中、R1はC8~18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。好ましいアミンオキシドとしては、直鎖C10、直鎖C10~C12、及び直鎖C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書で使用するとき、「中鎖分岐」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、このアルキル部分における1つのアルキル分岐がn2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分岐は、アルキル部分上の窒素からアルファ炭素上に位置する。アミンオキシドのこのタイプの分岐は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても既知である。本開示の組成物は、組成物の約0.1重量%~約5重量%、又は約3重量%、又は約1重量%までのアミンオキシドを含んでもよい。
【0084】
追加の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含み得る。非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコールであってもよい。非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHを有し得、式中、Rは、約8~約16個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカルからなる群から選択され、nの平均値は、約5~約15である。例えば、非イオン性界面活性剤は、アルコール(アルキル部分)に平均約12個~14個の炭素原子を有し、アルコール1モル当たり約7モル~9モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度を有するエトキシル化アルコールから選択してもよい。
【0085】
追加の非限定的な例としては、式R(OCOH(式中、Rが、アルキル基が約8~約12個の炭素原子を含有し、nの平均値が約5~約15であるアルキルフェニルラジカルを含む)のエトキシル化アルキルフェノール、ShellからのNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤などのC12~C18アルキルエトキシレート;C14~C22中鎖分岐アルコール;C14~C22中鎖分岐アルキルエトキシレート、BAE(式中、xが、1~30である)が挙げられる。本明細書の非イオン性エトキシル化アルコール界面活性剤は、残留アルコキシル化触媒を更に含み得、これは反応からの残留物又は不純物とみなすことができる。それは、アルコキシル化反応の様々な不純物又は副生成物を更に含み得る。不純物は、使用される触媒及び反応条件に依存して変化し得る。不純物としては、アルキルエーテル、例えば、ジドデシルエーテルなどのジアルキルエーテル、グリコール、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、他のポリエチレングリコールが挙げられる。
【0086】
非イオン性エトキシル化アルコールは、狭い範囲のエトキシル化アルコールであり得る。狭い範囲のエトキシル化アルコールは、以下の一般式(I)を有し得、
【0087】
【化7】
式中、Rは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のC~C20アルキル基から選択され、nの90%超は、0≦n≦15である。加えて、nの平均値は、約6~約10であり得、アルコールエトキシレートの約10重量%未満がn<7を有するエトキシレートであり、アルコールエトキシレートの10重量%~約20重量%がn=8を有するエトキシレートである。
【0088】
組成物は、約10のnの平均値を含んでもよい。組成物は、以下のnの各々について以下の範囲を有し得る:n=0は最大5%、n=1、2、3、4、5は各々、最大2%、n=6は最大4%、n=7は最大10%、n=8は12%~20%、n=9は15%~25%、n=10は15%~30%、n=11は10%~20%、n=12は最大10%、n>12は最大10%。組成物は、30%~70%でnが9~10であってもよい。組成物は、その組成の50%超でnが8~11であってもよい。
【0089】
本明細書に記載のアルコールエトキシレートは、典型的には、それらの一般式(I)によって示唆されるような単一の化合物ではなく、むしろ、アルコールエトキシレートは、様々なポリアルキレンオキシド鎖長及び分子量を有するいくつかの同族体の混合物を含む。同族体の中では、アルコール1モル当たりの総アルキレンオキシド単位の数が最も優勢なアルキレンオキシド付加物に近いものが望ましく、総アルキレンオキシド単位の数が最も優勢なアルキレンオキシド付加物よりもはるかに少ないか又ははるかに多い同族体は、あまり望ましくない。換言すれば、「狭い範囲」又は「ピークのある」アルコキシル化アルコール組成物が望ましい。「狭い範囲」又は「ピークのある」アルコキシル化アルコール組成物は、アルキレンオキシド付加モル数の分布が狭いアルコキシル化アルコール組成物を指す。
【0090】
「狭い範囲」又は「ピークのある」アルコキシル化アルコール組成物は、選択された用途に望ましい場合がある。選択された目的の分布範囲内の同族体は、選択された用途のための適切な親油性-親水性バランスを有し得る。例えば、1分子当たり平均比5のエチレンオキシド(ethylene oxide、EO)単位を含むエトキシル化アルコール生成物の場合、所望の親油性-親水性バランスを有する同族体は、2EO~9EOの範囲であり得る。より短いEO鎖長(<2EO)又はより長いEO鎖長(>9EO)を有する同族体は、このようなより長い及びより短い同族体がこの生成物を利用する用途には親油性が高すぎるか又は親水性が高すぎるため、α=5 EO/アルコール比の界面活性剤が通常選択される用途には望ましくない場合がある。したがって、ピークのある分布を有するアルコキシル化アルコールを開発することが有利である。
【0091】
本開示のアルコキシル化アルコール組成物の狭い範囲は、約0~約15の範囲、例えば、約4~約14、約5~10、約8~11、及び約6~9などの範囲の平均エトキシル化度を有し得る。本開示の狭い範囲のアルコキシル化アルコール組成物は、10の平均エトキシル化度を有し得る。本開示の狭い範囲のアルコキシル化アルコール組成物は、9の平均エトキシル化度を有し得る。本開示の狭い範囲のアルコキシル化アルコール組成物は、5の平均エトキシル化度を有し得る。
【0092】
カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これは26個以下の炭素原子を有し得、アルコキシレート四級アンモニウム(alkoxylate quaternary ammonium、AQA)界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤;及びアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(amido propyldimethyl amine、APA)が挙げられる。本開示の組成物は、カチオン性界面活性剤及び/又はpH7未満若しくはpH6未満でカチオン性になる界面活性剤を実質的に含まなくてもよいが、それは、カチオン性界面活性剤がアニオン性界面活性剤などの他の成分と負の相互作用をする可能性があるためである。
【0093】
双性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミン誘導体、複素環式二級及び三級アミン誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双性イオン性界面活性剤は、アルキルジメチルベタイン、ココジメチルアミドプロピルベタインを含むベタイン、並びにC~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド、並びにN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート(アルキル基は、C~C18又はC10~C14であってもよい)などのスルホ及びヒドロキシベタインを含み得る。
【0094】
洗剤補助剤
液体洗剤組成物は、1つ以上の補助成分を、例えば、約0.1%~約50%のレベルで含み得る。補助成分としては、例えば、カラーケア剤;有機溶媒;審美染料;色調染料;ロイコ染料;Acusolの商標名で市販されているものなどの乳白剤、FWA49、FWA15、及びFWA36を含む光沢剤;PVNO、PVP、及びPVPVI染料移動抑制剤を含む染料移動抑制剤;クエン酸及び脂肪酸を含むビルダー;キレート剤;酵素、香料カプセル;保存剤;亜硫酸カリウム塩又は重亜硫酸カリウム塩などの亜硫酸塩、及びブランド名Raloxで市販されているものを含む酸化防止剤;BASF社から入手可能なTinosan HP100などの4.4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含む抗細菌剤及び抗ウイルス剤;安息香酸ベンジルなどの抗ダニ活性物質;硬化ヒマシ油を含む構造化剤;シリコーン系消泡材料;塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、及び塩化カルシウム、並びに関連する硫酸ナトリウム塩、硫酸カリウム塩、硫酸マグネシウム塩、及び硫酸カルシウム塩などの無機電解質、並びにホルメート、シトレート、アセテートなどのカルボネート、ビカルボネート、カルボキシレートのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩などの有機電解質;水酸化ナトリウム、塩化水素、並びにモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びモノイソプロパノールアミンを含むアルカノールアミンを含むpH調整剤;プロバイオティック;衛生剤、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)などの四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASF製のLupasol(登録商標)などの)、及びその亜鉛錯体、銀及び銀化合物、塩化オクチルデシルジメチルアンモニウムを含むカチオン性殺生物剤、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、分散剤、清浄化ポリマー、グルカン、又はこれらの混合物を挙げることができる。例えば、洗剤補助剤は、酵素、酵素安定剤、ビルダー、色相剤、汚れ再付着防止剤、漂白剤、又はこれらの組み合わせを含む。
【0095】
有機溶媒は、アルコール及び/又はポリオールを含み得る。例えば、有機溶媒は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、糖アルコール、グリコール、グリコールエーテル、又はこれらの組み合わせを含み得る。有機溶媒は、ポリエチレングリコール、特にPEG 200及びPEG 400などの低分子量ポリエチレングリコール;ジエチレングリコール;グリセロール;1,2-プロパンジオール;ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールを含むポリプロピレングリコール、並びにPPG400などの低分子量ポリプロピレングリコール;又はこれらの混合物を含み得る。
【0096】
キレート剤は、例えば、EDDS、HEDP、GLDA、DTPA、DTPMP、DETA、EDTA、MGDA、又はこれらの混合物を含み得る。キレート剤は、生分解性であり得る。生分解性キレート剤としては、例えば、NTA、IDS、EDDG、EDDM、HIDS、HEIDA、HEDTA、DETA、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0097】
酵素は、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ヌクレアーゼ酵素、又はこれらの混合物を含み得る。
【0098】
清浄化ポリマーとしては、例えば、衣類上の染み又は汚れを清浄化するのに役立ち、及び/又は洗浄中にこれらの汚れが衣類上に再付着するのを阻止するのに役立ち得るものを挙げることができる。例は、任意選択で変性されるカルボキシメチルセルロース、変性ポリグルカン、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートなどのポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーである。
【0099】
組成物は、1つ以上の両親媒性清浄化ポリマーを含み得る。このようなポリマーは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性及び疎水性の特性が釣り合っている。好適な両親媒性アルコキシル化グリース清浄化ポリマーは、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基とを含む。これらは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、特に、エトキシル化ポリエチレンイミン、又は内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するポリエチレンイミンを含み得る。典型的には、これらは、0.005重量%~10重量%、概ね0.5重量%~8重量%の量で本発明の組成物に配合され得る。
【0100】

洗剤組成物はまた、水を含み得る。水は、組成物の約5重量%~約95重量%のレベルで存在し得る。
【0101】
pH
洗剤組成物は、約5.0~約12、好ましくは6.0~10.0、より好ましくは8.0~10のpHを有し得、洗剤組成物のpHは、20℃の脱塩水中の10%希釈物として測定される。
【0102】
粘度
液体洗剤組成物は、水溶液又は均一な分散液若しくは懸濁液の形態であり得る。このような溶液、分散液又は懸濁液は、許容可能な相安定性を有する。液体洗剤組成物は、20s-1及び21℃において1~1500センチポアズ(1~1500mPas)、より好ましくは100~1000センチポアズ(100~1000mPas)、最も好ましくは200~500センチポアズ(200~500mPas)の粘度を有し得る。粘度は、従来法によって測定することができる。粘度は、直径40mm及びギャップサイズ500μmのプレートスチールスピンドルを使用するTA instruments製のAR550レオメータを使用して測定されてもよい。20s-1における高剪断粘度及び0.05-1における低剪断粘度は、21℃で3分間の対数剪断速度掃引0.1-1~25-1から得ることができる。本明細書に記載する好ましいレオロジーは、内部構造剤を洗剤成分とともに使用して、又は外部レオロジー変性剤を用いることによって得ることができる。より好ましくは、洗濯ケア組成物、例えば、液体洗剤組成物は、約100センチポアズ~1500センチポアズ、より好ましくは100~1000cpsの高剪断速度における粘度を有する。
【0103】
組成物の作製
液体組成物は、その構成成分を任意の便利な順番で組み合わせ、得られた構成成分の組み合わせを混合、例えば撹拌して、相安定性液体洗濯ケア組成物を形成することによって調製することができる。このような組成物を調製するためのプロセスでは、例えば、非イオン性界面活性剤、非界面活性液体担体、及び他の任意選択の液体成分などの液体成分の少なくとも大部分、又は更には実質的に全てを含有する液体マトリックスを形成することができ、液体構成成分は、この液体の組み合わせに剪断撹拌を付与することによって十分に混合される。例えば、機械的撹拌機による高速撹拌が有用に用いられ得る。剪断撹拌を維持しつつ、あらゆるアニオン性界面活性剤及び固体形態の成分の実質的に全てを添加することができる。混合物の撹拌を継続し、必要であればその時点で増強させて、液相内の不溶性固相粒子の溶液又は均質な分散液を形成することができる。固体形態物質の一部又は全てをこの撹拌混合物に添加した後、含める任意の酵素物質の粒子、例えば、酵素プリルを配合する。上述の組成物調製手順の変形例として、固体成分の1つ以上を、液体成分の1つ以上の微量の部分と予め混合した粒子の溶液又はスラリーとして、撹拌混合物に添加してもよい。組成物成分の全てを添加した後、必要な粘度及び相安定特性を有する組成物を形成するのに十分な時間にわたって、混合物の撹拌を継続する。多くの場合、これは約30分~60分の期間の撹拌を伴う。
【0104】
組み合わせ
1. 液体洗剤組成物であって、
a)組成物の約1重量%~約30重量%の、式1の界面活性剤異性体の混合物と式2の界面活性剤とから本質的になる第1の界面活性剤であって、
【0105】
【化8】
第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、混合物の約25%~約50%の式1の界面活性剤異性体が、n=0を有し、第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式2の界面活性剤であり、式中、Xが、親水性部分である、第1の界面活性剤と、
b)組成物の約0.1重量%~約5重量%の、シェル及びコアを含むカプセル化剤であって、シェルが、ポリアクリレートを含み、コアが、香料を含む、カプセル化剤と、
c)洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物。
2. 液体洗剤組成物が、第1の界面活性剤を含むがカプセル化剤を含まない第1の参照組成物と、カプセル化剤を含むが前記第1の界面活性剤を含まない第2の参照組成物とのスコアの組み合わせに対して、より高い乾燥布地臭気、好ましくは10%高い乾燥布地臭気を有する、1に記載の液体洗剤組成物。
3. 液体洗剤組成物が、第1の界面活性剤を含むがカプセル化剤を含まない第1の参照組成物と、カプセル化剤を含むが第1の界面活性剤を含まない第2の参照組成物とのスコアの組み合わせに対して、より高い粉砕布地臭気、好ましくは10%高い粉砕布地臭気を有する、1又は2に記載の液体洗剤組成物。
4. 第1の界面活性剤とカプセル化剤との重量比が、約300:1~約2:1、好ましくは約35:1~約5:1である、1~3のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
5. 追加の界面活性剤を更に含む、1~4のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
6. 追加の界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルエトキシル化サルフェート、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、6に記載の液体洗剤組成物。
7. 洗剤補助剤が、酵素、酵素安定剤、ビルダー、色相剤、汚れ再付着防止剤、漂白剤、又はこれらの組み合わせを含む、1~6のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
8. 第1の界面活性剤の約15重量%~約40重量%の、式1の界面活性剤異性体の混合物が、n=1を有する、1~7のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
9. 第1の界面活性剤の約60重量%~約90重量%の、式1の界面活性剤異性体の混合物が、n<3を有する、1~8のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
10. 第1の界面活性剤の約90重量%~約100重量%の界面活性剤異性体が、m+n=11を有する、1~9のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
11. Xが、サルフェートを含む、1~10のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
12. 約10%~約90%、好ましくは約15%~約85%の水を更に含む、1~11のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
13. カプセル化剤のシェルが、約60ナノメートル~約200ナノメートルの厚さである、1~12のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
14. シェル壁が、約70%以上、好ましくは約90%以上の脂肪族ウレタンアクリレートポリマーを含む、1~13のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
【実施例
【0106】
実施例1:分岐C15アルコール生成物の調製
本実施例で使用される均質なロジウム有機リン触媒は、高圧ステンレス鋼撹拌オートクレーブ中で調製される。オートクレーブに、0.027重量%のRh(CO)2ACAC((アセチルアセトナト)ジカルボニルロジウム(I))、1.36重量%のトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト配位子、及び98.62重量%のSynfluid(登録商標)PAO 4 cSt(Chevron Phillips Chemical Company LP、P.O.Box4910,The Woodlands,TX 77387-4910、電話番号(800)231-3260)不活性溶媒を添加した。混合物を、CO/H2雰囲気及び2bar(g)の圧力の存在下にて80℃で4時間加熱して、活性ロジウム触媒溶液(109ppmロジウム、P:Rhモル比=20)を生成した。Chevron Phillips Chemical Company LP製のC14直鎖アルファオレフィン原料(1-テトラデセン)(Chevron Phillips Chemical Company LP(P.O.Box 4910,The Woodlands,TX 77387-4910、電話番号(800)231-3260)によるAlphaPlus(登録商標)1-テトラデセン)を添加した。得られた混合物は、およそ30ppmのロジウム濃度を有していた。次いで、1-テトラデセン直鎖アルファオレフィンを、CO/H2雰囲気及び1bar(g)の圧力の存在下にて、80℃で12時間異性化した。次いで、異性化オレフィンを、CO/H2雰囲気及び20bar(g)の圧力の存在下にて、70℃で8時間ヒドロホルミル化した。得られた反応生成物を150~160℃及び25ミリバールでフラッシュ蒸留して、ロジウム触媒溶液を塔底生成物として回収し、分岐C15アルデヒド塔頂生成物を回収した。次いで、回収されたロジウム触媒溶液を再び使用して、第2の1-テトラデセンバッチ異性化(4時間)及びヒドロホルミル化(6時間)を完了させた。2つのバッチから得られたC15アルデヒド生成物を合わせて、以下を含む分岐C15アルデヒド生成物を得た:
【0107】
【表4】
【0108】
分岐C15アルデヒド生成物中の分岐の重量%は87.8%であった。
【0109】
分岐C15アルデヒド生成物を高圧Inconel625撹拌オートクレーブにおいて150C及び20bar(g)の水素圧で水素化した。使用した水素化触媒は、0.25重量%ローディングで使用したRaney(登録商標)Nickel 3111(W.R.Grace & Co.、7500 Grace Drive,Columbia,MD21044,US、電話番号1-410-531-4000)触媒であった。アルデヒドを10時間水素化し、得られた反応混合物を濾過して、以下を含む分岐C15アルコール生成物を生成した:
【0110】
【表5】
【0111】
分岐C15アルコール生成物中の2-アルキル分岐の重量%は83.6%であった。
【0112】
実施例2.流下膜サルフェート化反応器を使用する、狭い分岐ペンタデカノール(C15)サルフェートの合成(分岐アルキルサルフェート実施例Z)
実施例1から得られたアルコールを、5.5lb/時の硫黄で動作し、体積基準で3.76%のSO3を生成する硫黄燃焼ガスプラントから生成されたSO3を使用し、Chemithon単一15mm×2m管型反応器を使用して、流下膜においてサルフェート化する。アルコール供給速度は17.4kg/時間であり、供給温度は83Fであった。アルコールのアルコールサルフェート酸混合物への変換は、97%の完全性で達成された。50%水酸化ナトリウムでの中和は、周囲プロセス温度で0.54%過剰の水酸化ナトリウムに完了する。30ガロンのナトリウムで、C15狭い分岐アルコールサルフェートペーストを中和した。標準的なカチオン性SO3滴定法による分析により、最終平均生成物活性は74.5%であると判定する。平均非サルフェート化レベルは、2.65%w/wである。
【0113】
【表6】
出発アルコールの重量による
** 2-アルキル分岐C15アルコールの重量による
【0114】
【表7】
【0115】
【表8】
【0116】
【表9】
Sartomer Inc.から入手可能なPAC PMC CN975、分岐アルキルサルフェート実施例Z、P&G Chemicalsから入手可能な、AESのアルキル部分が211~218ダルトンの分子量を有するC12~15EO2.5Sアルキルエトキシサルフェート、P&G Chemicalsから供給されている高C12約96%直鎖アルキルベンゼンスルホネート、P&G Chemicalsから供給されているC12/C14アルキルサルフェート、Huntsmanから市販されているSurfonic L24-9、AkzoNobelから市販されているDISSOLVINE GL-47-S、Archer Daniels Midlandから市販されているCitrosol 502、DuPontから市販されているPreferenz、10Univar Solutionsから商業的に供給されている四ホウ酸二ナトリウム五水和物、11BASFから市販されているPE-20、12Dowから市販されている泡抑制剤DOWSIL AF-8017
【0117】
比較例及び本発明の実施例を、比較組成物B~G及び本発明の組成物1~5について分岐アルキルサルフェート及びカプセル化剤に添加するための空間(穴と称される)を残すために、泡抑制剤、水添ヒマシ油、及び水の全てを添加しないことを除いて、比較組成物Aを得るために全ての原料を組み合わせることによって調製する。以下の原材料を、混合インペラで約60分間急速に混合して、ボルテックスを達成する:安定な1相液体をもたらすための、水、溶媒、界面活性剤、安定剤、ホウ砂、中和剤、ビルダー、キレート剤、ポリマー、及び酵素。
【0118】
比較組成物B~G及び本発明の組成物1~5を作製するために、バランスをとるための分岐アルキルサルフェート、カプセル化剤泡抑制剤、水添ヒマシ油、及び水を比較組成物A(穴を有する)の上部に添加して、所望のレベルを達成した。8.4~8.7の一貫したpHが、試験した全ての配合物で測定された。
【0119】
方法
布地ヘッドスペース分析方法
方法は、洗濯機における布地の洗浄をシミュレートするためにターゴトメーターを使用することを伴う。テリー生地は、Calderon(Indianapolis,IN,USA)から得られた。140°F及び軟水中で48gのAATCC洗剤を使用する2回の洗浄及びすすぎサイクル、並びに140°Fの軟水中で製品なしで2回の洗浄及びすすぎサイクルを使用して、布地を剥がした。85gの無香料/香料カプセル化剤洗剤及び48.5gの液体無香料/香料カプセル化剤布地増強剤を使用して、3回の洗剤/LFEサイクルを使用して、事前コンディショニングした布地を生成した。各サイクルは、90°F洗浄/60°Fすすぎで7gpgの水を用いて行う。
【0120】
洗浄試験は、以下(表2)に記載の各処理A~Lにつき4つの内部複製物及び3つの外部複製物からなっていた。各洗浄試験は、18.93Lの水対48.48gの液体洗剤試験組成物の比を含み、試験布地は、25℃及び7US gpgであり、12分間撹拌し、25℃の水中で7US gpgで3分間すすぎ、遠心脱水した。すすいだ後、布地を145Fで30分間乾燥させた。布地を分析する前に、布地を73F及び湿度50%に4時間曝露した。GCMSヘッドスペース分析を、以下に記載される方法を用いて、各布地サンプルに対して使用した。
【0121】
下記に記載の固相マイクロ抽出ガスクロマトグラフィー質量分析法(SPME GC MS)を用いて布地ヘッドスペース分析を行う。通常、布地上の香料カプセル化剤の濃度が高ければ、香料の強度(ヘッドスペース分析により測定)が高くなるという相関関係がある。上述の布地作成方法に従って準備及び処理されている処理済みの100%コットンテリータオル(30.5cm×30.5cm、RN37000ITL、Calderon Textiles,LLC、Indianapolis,IN,USAから入手可能)に対して、香料カプセル化剤のヘッドスペース分析を実行する。
【0122】
ヘッドスペース分析は、合計12個の布地(3つの異なる洗いサイクルで4個ずつ処理済み布地が得られた)に対して行われる。およそ8個の1cmドットの試験布地を、20mLヘッドスペースサンプルバイアル(#24694、Restek(Bellefonte,PA)から入手可能)に入れ、バイアルにキャップをする(#093640-094-00、Gerstel(Linthicum,MD)から入手可能)。乾燥布地を、キャップをする前に21℃及び50%RHの一定温度及び湿度の部屋で4時間平衡化する。粉砕布地を装置でキャップを外し、続いて、67psiに等しい重量でロッドを下げた。圧力を10秒適用し、次いで、バイアルにキャップをする前に10秒間待った。
【0123】
サンプルバイアルをその後Gerstel MPS2オートサンプラに搭載する(Gerstel Inc.、Linthicum,MD,USA)。ヘッドスペースの分析前に、各サンプルを65℃で10分間事前調整する。ヘッドスペースは、Supelco 50/30マイクロメータDVB/CAR/PDMS 23Ga.固相マイクロ抽出繊維(Supelco Inc.、Bellefonte,PA,USA)を備えるAgilent 7890B/5977A GC-MSシステム(Agilent Technologies、Santa Clara,CA,USA)に抽出される。無極毛管カラム(DB-5MS UI、30メートル(名目直径)、0.25mm(名目直径)、厚さ25マイクロメートル)のGC分析を行い、質量分析法(EI、70eV検出器)によってヘッドスペース成分(すなわち、香料原材料)をモニタリングする。香料原料のシングルポイントキャリブレーションを利用してヘッドスペース強度を算出する。各検出された香料原料の濃度の合計から各バイアルの合計ヘッドスペース濃度が計算される。12個の処理対象布地に対して、ヘッドスペースの平均をとる。ヘッドスペースの向上は、基準処理に対して判定されてもよい。
【0124】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に明記されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0125】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文献における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する程度まで、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0126】
本発明の特定の実施形態を例解及び記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
【化8】
第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、混合物の約25%~約50%の式1の界面活性剤異性体が、n=0を有し、第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式2の界面活性剤であり、式中、Xが、親水性部分である、第1の界面活性剤と、
b)組成物の約0.1重量%~約5重量%の、シェル及びコアを含むカプセル化剤であって、シェルが、ポリアクリレートを含み、コアが、香料を含む、カプセル化剤と、
c)洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物。
2. 液体洗剤組成物が、第1の界面活性剤を含むがカプセル化剤を含まない第1の参照組成物と、カプセル化剤を含むが前記第1の界面活性剤を含まない第2の参照組成物とのスコアの組み合わせに対して、より高い乾燥布地臭気、好ましくは10%高い乾燥布地臭気を有する、1に記載の液体洗剤組成物。
3. 液体洗剤組成物が、第1の界面活性剤を含むがカプセル化剤を含まない第1の参照組成物と、カプセル化剤を含むが第1の界面活性剤を含まない第2の参照組成物とのスコアの組み合わせに対して、より高い粉砕布地臭気、好ましくは10%高い粉砕布地臭気を有する、1又は2に記載の液体洗剤組成物。
4. 第1の界面活性剤とカプセル化剤との重量比が、約300:1~約2:1、好ましくは約35:1~約5:1である、1~3のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
5. 追加の界面活性剤を更に含む、1~4のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
6. 追加の界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルエトキシル化サルフェート、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、に記載の液体洗剤組成物。
7. 洗剤補助剤が、酵素、酵素安定剤、ビルダー、色相剤、汚れ再付着防止剤、漂白剤、又はこれらの組み合わせを含む、1~6のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
8. 第1の界面活性剤の約15重量%~約40重量%の、式1の界面活性剤異性体の混合物が、n=1を有する、1~7のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
9. 第1の界面活性剤の約60重量%~約90重量%の、式1の界面活性剤異性体の混合物が、n<3を有する、1~8のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
10. 第1の界面活性剤の約90重量%~約100重量%の界面活性剤異性体が、m+n=11を有する、1~9のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
11. Xが、サルフェートを含む、1~10のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
12. 約10%~約90%、好ましくは約15%~約85%の水を更に含む、1~11のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
13. カプセル化剤のシェルが、約60ナノメートル~約200ナノメートルの厚さである、1~12のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
14. シェル壁が、約70%以上、好ましくは約90%以上の脂肪族ウレタンアクリレートポリマーを含む、1~13のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗剤組成物であって、
a)前記組成物の1重量%~30重量%の、式1の界面活性剤異性体の混合物と式2の界面活性剤とから本質的になる第1の界面活性剤であって、
【化1】
前記第1の界面活性剤の50重量%~100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、前記混合物の25%~50%の式1の界面活性剤異性体が、n=0を有し、前記第1の界面活性剤の0.001重量%~25重量%が、式2の界面活性剤であり、式中、Xが、親水性部分である、第1の界面活性剤と、
b)前記組成物の0.1重量%~5重量%の、シェル及びコアを含むカプセル化剤であって、前記シェルが、ポリアクリレートを含み、前記コアが、香料を含む、カプセル化剤と、
c)洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物。
【請求項2】
前記液体洗剤組成物が、前記第1の界面活性剤を含むが前記カプセル化剤を含まない第1の参照組成物と、前記カプセル化剤を含むが前記第1の界面活性剤を含まない第2の参照組成物とのスコアの組み合わせに対して、より高い乾燥布地臭気、好ましくは10%高い乾燥布地臭気を有する、請求項1に記載の液体洗剤組成物。
【請求項3】
前記液体洗剤組成物が、前記第1の界面活性剤を含むが前記カプセル化剤を含まない第1の参照組成物と、前記カプセル化剤を含むが前記第1の界面活性剤を含まない第2の参照組成物とのスコアの組み合わせに対して、より高い粉砕布地臭気、好ましくは10%高い粉砕布地臭気を有する、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項4】
前記第1の界面活性剤と前記カプセル化剤との重量比が、300:1~2:1、好ましくは35:1~5:1である、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項5】
追加の界面活性剤を更に含む、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項6】
前記追加の界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルエトキシル化サルフェート、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の液体洗剤組成物。
【請求項7】
前記洗剤補助剤が、酵素、酵素安定剤、ビルダー、色相剤、汚れ再付着防止剤、漂白剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項8】
前記第1の界面活性剤の15重量%~40重量%の、式1の界面活性剤異性体の前記混合物が、n=1を有する、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項9】
前記第1の界面活性剤の60重量%~90重量%の、式1の界面活性剤異性体の前記混合物が、n<3を有する、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項10】
前記第1の界面活性剤の90重量%~100重量%の界面活性剤異性体が、m+n=11を有する、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項11】
Xが、サルフェートを含む、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項12】
10%~90%、好ましくは15%~85%の水を更に含む、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項13】
前記カプセル化剤のシェルが、60ナノメートル~200ナノメートルの厚さである、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項14】
シェル壁が、70%以上、好ましくは90%以上の脂肪族ウレタンアクリレートポリマーを含む、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【国際調査報告】