(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】皮膚疾患の処置のための微生物組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 35/74 20150101AFI20241128BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20241128BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20241128BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20241128BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20241128BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20241128BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20241128BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241128BHJP
A61K 31/51 20060101ALI20241128BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20241128BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241128BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241128BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20241128BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20241128BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20241128BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20241128BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20241128BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20241128BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241128BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20241128BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20241128BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
A61K35/74 A
A61K9/10
A61K9/107
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A61K9/06
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A61K9/14
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A61P17/04
A61P17/00
A61P29/00
A61P17/06
A61P31/10
A61P31/04
A61P17/14
A61P17/02
A61P43/00
A61K8/99
A61Q19/00
A61Q19/08
G01N21/64 F
C12N1/20 A ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527754
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 US2022079637
(87)【国際公開番号】W WO2023086883
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524176834
【氏名又は名称】コンチェルト バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ケヒ, ジャレッド
(72)【発明者】
【氏名】セルバンテス, ベルナルド
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン, シェリ
(72)【発明者】
【氏名】ハッサバラ, アブドゥルラーマン
(72)【発明者】
【氏名】アーメントラウト, キートン
【テーマコード(参考)】
2G043
4B065
4C076
4C083
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043BA16
2G043CA04
2G043EA01
2G043FA01
2G043FA02
4B065AA01X
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4C087ZB11
4C087ZB13
4C087ZB32
4C087ZB35
(57)【要約】
皮膚疾患の処置のための組成物、方法、キット、およびデバイスを、本明細書中に提供する。分離および精製された細菌、賦形剤、担体、剤形、ならびにかかる細菌のための投与経路も本明細書中に提供する。さらに、分離および精製された細菌の混合物、賦形剤、担体、剤形、およびかかる混合物のための投与経路を本明細書中に提供する。細菌および細菌混合物を用いた処置のための条件もまた、本明細書中に提供する。組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されて得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、前記組成物が、
精製された細菌株を含み、前記細菌株が、
配列番号4に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の株;
配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の株;および
配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の株;
を含み、
(a)前記細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項2】
前記第1の株が、配列番号4に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記第2の株が、配列番号1に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記第3の株が、配列番号2に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記第1の株が、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記第1の株が、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記第2の株が、配列番号15に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記第2の株が、配列番号15の配列を有するをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記第3の株が、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記第3の株が、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
第4の細菌株をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
組成物であって、前記組成物が、
精製された細菌株を含み、前記細菌株が、
配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の株;
配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の株;および
配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の株;
を含み、
(a)前記細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項14】
前記第1の株が、配列番号5に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記第2の株が、配列番号1に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記第3の株が、配列番号2に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
前記第1の株が、配列番号13に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
前記第1の株が、配列番号13の配列を有するをさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項19】
前記第2の株が、配列番号15に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項20】
前記第2の株が、配列番号15の配列を有するをさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項21】
前記第3の株が、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項22】
前記第3の株が、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項13に記載の組成物。
【請求項24】
第4の細菌株をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項25】
組成物であって、前記組成物が、
精製された細菌株を含み、前記細菌株が、
配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の株;
配列番号3に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の株;および
配列番号6に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の株;
を含み、
(a)前記細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項26】
前記第1の株が、配列番号5に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記第2の株が、配列番号3に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
前記第3のが、配列番号6に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
前記第1の株が、配列番号13に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項30】
前記第1の株が、配列番号13の配列を有するをさらに含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項31】
前記第2の株が、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項32】
前記第2の株が、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項33】
前記第3の株が、配列番号14に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項34】
前記第3の株が、配列番号14の配列を有するをさらに含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項35】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項25に記載の組成物。
【請求項36】
第4の細菌株をさらに含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項37】
組成物であって、前記組成物が精製された細菌株を含み、前記細菌株が、以下の細菌株:
配列番号4に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の株;
配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の株;
配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の株;
配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第4の株;
配列番号6に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第5の株;および
配列番号3に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第6の株;
のうちの少なくとも2つを含み、
(a)前記少なくとも2つの細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項38】
前記第1の株が、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記第1の株が、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
前記第2の株が、配列番号15に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項41】
前記第2の株が、配列番号15の配列をさらに有する、請求項37に記載の組成物。
【請求項42】
前記第3の株が、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項43】
前記第3の株が、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項44】
前記第4の株が、配列番号13に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項45】
前記第4の株が、配列番号13の配列を有するをさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項46】
前記第5の株が、配列番号14に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項47】
前記第5の株が、配列番号14の配列を有するをさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項48】
前記第6の株が、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項49】
前記第6の株が、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項50】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項37に記載の組成物。
【請求項51】
前記第1の株が、配列番号4に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項52】
前記第2の株が、配列番号1に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項53】
前記第3の株が、配列番号2に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項54】
前記第4の株が、配列番号5に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項55】
前記第5の株が、配列番号6に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項56】
前記第6の株が、配列番号3に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項57】
前記細菌株が、細菌株前記第1の株および前記第2の株を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項58】
前記細菌株が、前記第4の株および前記第2の株を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項59】
前記細菌株が、前記第4の株および前記第6の株を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項60】
前記細菌株が、前記第1の株および前記第3の株を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項61】
前記細菌株が、前記第2の株および前記第3の株を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項62】
前記細菌株が、前記第5の株および前記第6の株を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項63】
組成物であって、前記組成物が、
精製された細菌株を含み、前記細菌株が、
配列番号4に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;
を含み、
(a)前記細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項64】
前記細菌株が、配列番号4に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
前記細菌株が、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項66】
前記細菌株が、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項67】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項63に記載の組成物。
【請求項68】
第2の細菌株をさらに含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項69】
組成物であって、前記組成物が、
精製された細菌株を含み、前記細菌株が、
配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;
を含み、
(a)前記細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項70】
前記細菌株が、配列番号1に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
前記細菌株が、配列番号15に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項72】
前記細菌株が、配列番号15の配列を有するをさらに含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項73】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項69に記載の組成物。
【請求項74】
第2の細菌株をさらに含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項75】
組成物であって、前記組成物が、
精製された細菌株を含み、前記細菌株が、
配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;
を含み、
(a)前記細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項76】
前記細菌株が、配列番号2に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項75に記載の組成物。
【請求項77】
前記細菌株が、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項75に記載の組成物。
【請求項78】
前記細菌株が、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項75に記載の組成物。
【請求項79】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項75に記載の組成物。
【請求項80】
第2の細菌株をさらに含む、請求項75に記載の組成物。
【請求項81】
組成物であって、前記組成物が、
精製された細菌株を含み、前記細菌株が、
配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;
を含み、
(a)前記細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項82】
前記細菌株が、配列番号5に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項81に記載の組成物。
【請求項83】
前記細菌株が、配列番号13に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項81に記載の組成物。
【請求項84】
前記細菌株が、配列番号13の配列を有するをさらに含む、請求項81に記載の組成物。
【請求項85】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項81に記載の組成物。
【請求項86】
第2の細菌株をさらに含む、請求項81に記載の組成物。
【請求項87】
組成物であって、前記組成物が、
精製された細菌株を含み、前記細菌株が、
配列番号6に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;
を含み、
(a)前記細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項88】
前記細菌株が、配列番号6に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項87に記載の組成物。
【請求項89】
前記細菌株が、配列番号14に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項87に記載の組成物。
【請求項90】
前記細菌株が、配列番号14の配列を有するをさらに含む、請求項87に記載の組成物。
【請求項91】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項87に記載の組成物。
【請求項92】
第2の細菌株をさらに含む、請求項87に記載の組成物。
【請求項93】
組成物であって、前記組成物が、
精製された細菌株を含み、前記細菌株が、
配列番号3に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;
を含み、
(a)前記細菌株が凍結乾燥されている;あるいは
(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【請求項94】
前記細菌株が、配列番号3に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する前記16s rRNA配列を含む、請求項93に記載の組成物。
【請求項95】
前記細菌株が、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む、請求項93に記載の組成物。
【請求項96】
前記細菌株が、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む、請求項93に記載の組成物。
【請求項97】
前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、請求項93に記載の組成物。
【請求項98】
第2の細菌株をさらに含む、請求項93に記載の組成物。
【請求項99】
前記組成物が、少なくとも10
3コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む、請求項1~98のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項100】
前記組成物が、10
3~10
12コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む、請求項1~99のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項101】
前記細菌株を、好気的条件で成長させる、請求項1~100のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項102】
前記細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる、請求項1~101のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項103】
前記細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる、請求項1~102のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項104】
前記組成物が、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約10
4cfuを保持する、請求項1~103のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項105】
賦形剤をさらに含む、請求項1~104のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項106】
凍結乾燥保護剤をさらに含む、請求項1~105のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項107】
皮膚軟化薬をさらに含む、請求項1~106のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項108】
チアミンまたはその塩をさらに含む、請求項1~107のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項109】
前記細菌株が、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する、請求項1~108のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項110】
前記細菌株が、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する、請求項1~108のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項111】
アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む、請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物を投与する方法。
【請求項112】
アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む、請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物を投与する方法。
【請求項113】
前記投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に前記組成物を投与することを含む、請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物を投与する方法。
【請求項114】
乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む、請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物を投与する方法。
【請求項115】
炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する前記状態が、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む、請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物を投与する方法。
【請求項116】
S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含み、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する、請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物を投与する方法。
【請求項117】
前記投与する方法が局所投与である、請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物を投与する方法。
【請求項118】
皮膚の状態の処置で用いるための請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項119】
炎症の処置で用いるための請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項120】
炎症を処置するための方法であって、
配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む細菌株を含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含み、前記細菌株が精製されており、前記細菌株が、炎症の処置のために十分な量で存在する、方法。
【請求項121】
皮膚におけるStaphylococcus aureusの成長を低下させることを必要とする被験体の皮膚におけるStaphylococcus aureusの成長を低下させるための方法であって、
配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の細菌株;
配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の細菌株;および
配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の細菌株
を含む医薬組成物を前記被験体の皮膚に局所投与することを含み、
前記細菌株が精製されており、前記細菌株が、生存可能であり、皮膚におけるS.aureusの低減を必要とする前記被験体の皮膚におけるS.aureusの低減のために十分な量で存在する、方法。
【請求項122】
アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するための方法であって、
配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む細菌株を含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含み、前記細菌株が精製されており、前記細菌株が、アトピー性皮膚炎に関連する症状の軽減のために十分な量で存在する、方法。
【請求項123】
炎症に関連する状態の発生率を低下させるための方法であって、
配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の細菌株;および
配列番号6に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の細菌株
を含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含み、
前記細菌株が精製されており、前記細菌株が炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量で存在し、炎症に関連する前記状態が、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む、方法。
【請求項124】
そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む、請求項1~110のいずれか1項に記載の組成物を投与する方法。
【請求項125】
前記審美的状態が、皺または老化の外見を含む、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
被験体の皮膚におけるStaphylococcus aureusの成長を低下させるための方法であって、
配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の細菌株;
配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の細菌株;および
配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の細菌株
を含む組成物を前記被験体の皮膚に局所投与することを含み、
前記細菌株が精製されており、前記細菌株が、生存可能であり、前記被験体の皮膚の外見を向上させるために十分な量で存在する、方法。
【請求項127】
前記被験体の皮膚の外見を向上させることが、皺の減少、病変サイズの減少、毛穴サイズの減少、毛穴密度の減少、皺の発生の減少、皺の深さの減少、シミの減少、または皮膚の弾力性の増加を含む、請求項126に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年11月11日出願の米国仮特許出願63/278,134号(その開示全体が本明細書中で参考として援用される)の利益を主張する。
【0002】
配列表
本出願は、配列表を含んでおり、この配列表は、XML形式で電子的に提出され、その全体が本明細書中で参考として援用される。前記XMLコピーは、2022年11月8日に作成され、名称はST26_202421-701601であり、サイズは43,284バイトである。
【発明の概要】
【0003】
発明の概要
本明細書に開示されるのは、組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、配列番号4に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の株;配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の株;および配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の株;を含み、(a)細菌株が凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号4に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号1に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号2に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号15に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号15の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第4の細菌株をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。
【0004】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の株;配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の株;および配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の株;を含み、(a)細菌株が凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号5に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号1に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号2に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号13に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号13の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号15に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号15の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第4の細菌株をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。
【0005】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の株;配列番号3に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の株;および配列番号6に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の株;を含み、(a)細菌株が凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号5に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号3に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号6に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号13に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号13の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号14に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号14の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第4の細菌株をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。
【0006】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、以下の細菌株:配列番号4に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の株;配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の株;配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の株;配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第4の株;配列番号6に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第5の株;および配列番号3に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第6の株;のうちの少なくとも2つを含み、(a)少なくとも2つの細菌株は凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号15に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号15の配列をさらに有する。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第4の株は、配列番号13に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第4の株は、配列番号13の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第5の株は、配列番号14に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第5の株は、配列番号14の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、第6の株は、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第6の株は、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、第1の株は、配列番号4に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の株は、配列番号1に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の株は、配列番号2に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第4の株は、配列番号4に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第5の株は、配列番号1に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第6の株は、配列番号2に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、細菌株第1の株および第2の株を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、第4の株および第2の株を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、第4の株および第6の株を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、第1の株および第3の株を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、第2の株および第3の株を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、第5の株および第6の株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。
【0007】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、配列番号4に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;を含み、(a)細菌株は凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では細菌株は、配列番号4に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌株をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。
【0008】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;を含み、(a)細菌株は凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号1に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号15に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号15の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌株をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。
【0009】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;を含み、(a)細菌株は凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号2に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌株をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。
【0010】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;を含み、(a)細菌株は凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号5に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号13に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号13の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌株をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。
【0011】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、配列番号6に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;を含み、(a)細菌株は凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号6に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号14に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号14の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌株をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。
【0012】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌株を含み、細菌株は、配列番号3に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列;を含み、(a)細菌株は凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号3に対して少なくとも1000塩基にわたって少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方の配列を有するをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌株をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌株を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌株を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に少なくとも約104cfuを保持する。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、またはその塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、発現の低下は、蛍光レポーターアッセイによって測定される。いくつかの実施形態では、細菌株は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、発現の低下は、蛍光レポーターアッセイによって測定される。
【0013】
本明細書でまた開示されるのは、上記の組成物を投与する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。
【0014】
本明細書でまた開示されるのは、上記の組成物を投与する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、方法は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含み、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、投与する方法は局所投与である。
【0015】
本明細書でまた開示されるのは、皮膚の状態の処置で用いるための組成物(例えば、上記で開示された組成物)である。本明細書に開示されるのは、炎症の処置で用いるための組成物である。
【0016】
本明細書でまた開示されるのは、炎症を処置するための方法であって、配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む細菌株を含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含み、細菌株が精製されており、細菌株が、炎症の処置のために十分な量で存在する、方法である。
【0017】
本明細書でまた開示されるのは、被験体の皮膚におけるStaphylococcus aureusの成長を低下させるための方法であって、配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の細菌株;配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の細菌株;および配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の細菌株を含む医薬組成物を被験体の皮膚に局所投与することを含み、細菌株が精製されており、細菌株が、生存可能であり、皮膚におけるS.aureusの低減を必要とする被験体の皮膚におけるS.aureusの低減のために十分な量で存在する、方法である。
【0018】
本明細書でまた開示されるのは、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するための方法であって、配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む細菌株を含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含み、細菌株が精製されており、細菌株が、アトピー性皮膚炎に関連する症状の軽減のために十分な量で存在する、方法である。
【0019】
本明細書でまた開示されるのは、炎症に関連する状態の発生率を低下させるための方法であって、配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の細菌株;および配列番号6に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の細菌株を含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含み、細菌株が精製されており、細菌株が炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量で存在し、炎症に関連する状態が、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む、方法である。
【0020】
本明細書でまた開示されるのは、上記の組成物を投与する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含み得る。いくつかの実施形態では、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。
【0021】
本明細書でまた開示されるのは、被験体の皮膚におけるStaphylococcus aureusの成長を低下させるための方法であって、配列番号5に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第1の細菌株;配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第2の細菌株;および配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む第3の細菌株を含む組成物を被験体の皮膚に局所投与することを含み、細菌株が精製されており、細菌株が、生存可能であり、被験体の皮膚の外見を向上させるために十分な量で存在する、方法である。いくつかの実施形態では、被験体の皮膚の外見を向上させることは、皺の減少、病変サイズの減少、毛穴サイズの減少、毛穴密度の減少、皺の発生の減少、皺の深さの減少、シミの減少、または皮膚の弾力性の増加を含む。
【0022】
参照による組み込み
本明細書中で言及した全ての刊行物、特許、および特許出願は、各々の個別の刊行物、特許、または特許出願が、参考として援用されることを具体的かつ個別に示すことと同程度に、本明細書中で参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の特徴を、添付の特許請求の範囲に具体的に記載する。本発明の特徴および利点のよりよい理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって得られ、添付の図面は以下である:
【0024】
【
図1】
図1は、異なるS.aureus遺伝子を阻害した、試験した株の組み合わせの数をまとめている円グラフである。
図1は、Staphylococcus aureusのagrおよびpsmAの発現を阻害し(左)、あるいは、agr、psmA、およびsigBの発現を阻害する(右)2つの株の組み合わせの百分率を示す。S.aureusの複数の機能を阻害する株の組み合わせは珍しい。
【0025】
【
図2】
図2は、蛍光レポーターによるS.aureus遺伝子発現の活性の百分率をプロットした棒グラフである。X軸は、コンビナトリアルスクリーニングアッセイにおける株を示す。Y軸は、S.aureus単独培養と比較した活性の百分率(0~100%)を示す。
図2は、S.aureusのレポーター株をjl.83株、jl.27株、およびjl.77株の単一の株、2つの株、または3つの株と混合した場合の、異なるS.aureusプロモーター-レポーター構築物の阻害を示す。
【0026】
【
図3】
図3は、蛍光レポーターによるS.aureus遺伝子発現の活性の百分率をプロットした棒グラフである。X軸は、コンビナトリアルスクリーニングアッセイにおける株を示す。Y軸は、S.aureus単独培養と比較した活性の百分率(0~100%)を示す。
図3は、S.aureusのレポーター株をjl.21株、jl.68株、およびjl.121株の単一の株、2つの株、または3つの株と混合した場合の、異なるS.aureusプロモーター-レポーター構築物の阻害を示す。
【0027】
【
図4】
図4は、蛍光レポーターによるS.aureus遺伝子発現の活性の百分率をプロットした棒グラフである。X軸は、コンビナトリアルスクリーニングアッセイにおける株を示す。Y軸は、S.aureus単独培養と比較した活性の百分率(0~100%)を示す。
図4は、S.aureusのレポーター株をjl.27株、jl.68株、およびjl.121株の単一の株、2つの株、または3つの株と混合した場合の、異なるS.aureusプロモーター-レポーター構築物の阻害を示す。
【0028】
【
図5】
図5は、異なる環境条件でのS.aureusの単独培養と比較したjl.83株、jl.27株、およびjl.77株の3株混合物における蛍光レポーターによるS.aureus遺伝子発現の百分率変化をプロットした棒グラフである。Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した百分率変化を示す。X軸は、試験した環境条件を示す。
図5は、S.aureusのレポーター株をさらなる環境条件(例えば、異なる栄養素)の存在下でjl.83株、jl.27株、およびjl.77株の3株混合物と混合した場合の異なるS.aureusプロモーター-レポーター構築物(agr、psmA、GMK)の阻害を示す。このデータは、株の組み合わせが異なる栄養素にわたってS.aureusの阻害機能を保持したことを示す。
【0029】
【
図6】
図6は、異なる環境条件でのS.aureusの単独培養と比較したjl.21株、jl.68株、およびjl.121株の3株混合物における蛍光レポーターによるS.aureus遺伝子発現の百分率変化をプロットした棒グラフである。Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した百分率変化を示す。X軸は、試験した環境条件を示す。
図6は、S.aureusのレポーター株をさらなる環境条件(例えば、異なる栄養素)の存在下でjl.21株、jl.68株、およびjl.121株の3株混合物と混合した場合の異なるS.aureusプロモーター-レポーター構築物(agr、psmA、GMK)の阻害を示す。このデータは、株の組み合わせが異なる栄養素にわたってS.aureusの阻害機能を保持したことを示す。
【0030】
【
図7】
図7は、異なる環境条件でのS.aureusの単独培養と比較したjl.27株、jl.68株、およびjl.121株の3株混合物における蛍光レポーターによるS.aureus遺伝子発現の百分率変化をプロットした棒グラフである。Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した百分率変化を示す。X軸は、試験した環境条件を示す。
図7は、S.aureusのレポーター株をさらなる環境条件(例えば、異なる栄養素)の存在下でjl.27株、jl.68株、およびjl.121株の3株混合物と混合した場合の異なるS.aureusプロモーター-レポーター構築物(agr、psmA、GMK)の阻害を示す。このデータは、株の組み合わせが異なる栄養素にわたってS.aureusの阻害機能を保持したことを示す。
【0031】
【
図8】
図8は、異なる成長条件での蛍光レポーターによるS.aureusの遺伝子発現の活性の百分率をプロットした棒グラフである。Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した活性の百分率を示す。X軸は、S.aureusのagr(クオラムセンシング)、psmA(毒素産生)、およびGMK(代謝機能)の発現を示す。
図8は、S.aureusのレポーター株をチアミンの存在下でjl.83株、jl.27株、およびjl.77株の3株混合物と混合した場合の異なるS.aureusプロモーター-レポーター構築物(agr、psmA、GMK)の阻害を示す。チアミンの存在は、3株混合物によるS.aureusの阻害を増強する。
【0032】
【
図9】
図9は、異なる培地中の分離株の最大コロニー形成単位(cfu)/mlをプロットした棒グラフである。Y軸は、試験培地にわたって観察されたcfu/mLを示す。X軸は、試験した株および試験した株のために使用した動物由来物質を含まない培地配合物(animal-free medium formulation)を示す。
図9は、動物由来物質ベースの培地(animal-based medium)と比較した動物由来物質を含まない培地中の異なる皮膚分離菌の成長を示す。この図は、動物由来物質を含まない培地中でほとんどの分離株についての成長が増加したことを示す。
【0033】
【
図10】
図10は、S.aureusの単独培養と比較した混合培養の成長の百分率をプロットした棒グラフである。Y軸は、株の組み合わせによる成長阻害の効果(%)を示す。X軸は、アンサンブル(例えば、3つの株の組み合わせ)またはS.aureus株のみの存在下での異なるS.aureus株の成長を示す。
図10は、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株と共に成長させた場合の異なるS.aureus株の阻害を示す。この図は、分離菌を組み合わせると多数のS.aureus分離菌の成長を阻害することができることを示す。
【0034】
【
図11】
図11は、S.aureusの単独培養と比較した混合培養の成長の百分率をプロットした棒グラフである。Y軸は、株の組み合わせによる成長阻害の効果(%)を示す。X軸は、アンサンブル(例えば、3つの株の組み合わせ)またはS.aureus株のみの存在下での異なるS.aureus株の成長を示す。
図11は、jl.21株、jl.68株、およびjl.121株と共に成長させた場合の異なるS.aureus株の阻害を示す。この図は、分離菌を組み合わせると多数のS.aureus分離菌の成長を阻害することができることを示す。
【0035】
【
図12】
図12は、S.aureusの単独培養と比較した混合培養の成長の百分率をプロットした棒グラフである。Y軸は、株の組み合わせによる成長阻害の効果(%)を示す。X軸は、アンサンブル(例えば、3つの株の組み合わせ)またはS.aureus株のみの存在下での異なるS.aureus株の成長を示す。
図12は、jl.27株、jl.68株、およびjl.121株と共に成長させた場合の異なるS.aureus株の阻害を示す。この図は、分離菌を組み合わせると多数のS.aureus分離菌の成長を阻害することができることを示す。
【0036】
【
図13】
図13は、jl.27株との異なる混合物における蛍光レポーターによるS.aureusの遺伝子発現のlog
2(共培養/単独培養)の変化をプロットしたデータプロットである。Y軸は、共培養/S.aureusプロモーター-レポーター単独培養のlog
2発現変化を示す。X軸は、試験した遺伝子プロモーターを示す。
図13は、S.aureusのレポーター株をjl.27株の株の組み合わせと混合した場合の異なるS.aureusプロモーター-レポーター構築物の阻害を示す。
【0037】
【
図14】
図14は、agr、psmA、およびGMKの蛍光レポーターによるS.aureus遺伝子のS.aureusの挙動(すなわち、発現)の百分率をプロットした棒グラフである。レポーターのS.aureusの単独培養の発現と比較した場合の発現をプロットしている。jl.121株、jl.21株、およびjl.68株の異なる株の組み合わせを、最大7つの微生物コミュニティの存在下で、これらがS.aureusの遺伝子発現を低下させる能力について試験した。Y軸は、S.aureusの単独培養と比較したレポーターの発現百分率を示す。X軸は、試験した株の組み合わせを示す。データは、jl.121株、jl.21株、およびjl.68株の3種の組み合わせが、典型的には、そのサブセット(例えば、単一の株または2つの株の組み合わせ)より遺伝子発現を頑強に低下させ、さらなる微生物の存在下でS.aureusの遺伝子発現を低下させることができたことを示す。
【0038】
【
図15】
図15は、agr、psmA、およびGMKの蛍光レポーターによるS.aureus遺伝子のS.aureusの挙動(すなわち、発現)の百分率をプロットした棒グラフである。レポーターのS.aureusの単独培養の発現と比較した場合の発現をプロットしている。jl.121株、jl.27株、およびjl.68株の異なる株の組み合わせを、最大7つの微生物コミュニティの存在下で、これらがS.aureusの遺伝子発現を低下させる能力について試験した。Y軸は、S.aureusの単独培養と比較したレポーターの発現百分率を示す。X軸は、試験した株の組み合わせを示す。データは、jl.121株、jl.27株、およびjl.68株の3種の組み合わせが、典型的には、そのサブセット(例えば、単一の株または2つの株の組み合わせ)より遺伝子発現を頑強に低下させ、さらなる微生物の存在下でS.aureusの遺伝子発現を低下させることができたことを示す。
【0039】
【
図16】
図16は、agr、psmA、およびGMKの蛍光レポーターによるS.aureus遺伝子のS.aureusの挙動(すなわち、発現)の百分率をプロットした棒グラフである。レポーターのS.aureusの単独培養の発現と比較した場合の発現をプロットしている。jl.27株、jl.77株、およびjl.83株の異なる株の組み合わせを、最大7つの微生物コミュニティの存在下で、これらがS.aureusの遺伝子発現を低下させる能力について試験した。Y軸は、S.aureusの単独培養と比較したレポーターの発現百分率を示す。X軸は、試験した株の組み合わせを示す。データは、jl.27株、jl.77株、およびjl.83株の3種の組み合わせが、典型的には、そのサブセット(例えば、単一の株または2つの株の組み合わせ)より遺伝子発現を頑強に低下させ、さらなる微生物の存在下でS.aureusの遺伝子発現を低下させることができたことを示す。
【0040】
【
図17A】
図17A~17Bは、S.aureus細胞の菌叢上にプレーティングしたjl.68株のホールセルを含む寒天プレートの画像を示す。S.aureus細胞は、agr(クオラムセンシング)およびGMK(代謝)の発現についてのレポーターを含んでいた。agrおよびGMKの発現は、jl.68株の添加の影響を受けた。
図17Aは、プレートのズームアウト写真を示す。
図17Bは、プレートのズームイン写真を示す。
【
図17B】
図17A~17Bは、S.aureus細胞の菌叢上にプレーティングしたjl.68株のホールセルを含む寒天プレートの画像を示す。S.aureus細胞は、agr(クオラムセンシング)およびGMK(代謝)の発現についてのレポーターを含んでいた。agrおよびGMKの発現は、jl.68株の添加の影響を受けた。
図17Aは、プレートのズームアウト写真を示す。
図17Bは、プレートのズームイン写真を示す。
【0041】
【
図18A-B】
図18A~18Fは、単独培養または異なる細菌株との混合後におけるS.aureus細胞中のS.aureusのagrレポーターおよびGMKレポーターの発現ならびにS.aureus細胞のCFUを示す棒グラフを示す。
図18Aは、S.aureusの単独培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Bは、S.aureusのWT株(agr/GMKレポーターを持たない)との1:1共培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Cは、jl.27株、jl.68株、およびjl.77株の3株ミックスとの1:1共培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Dは、単一のjl.68株との1:1共培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Eは、jl.27株、jl.68株、およびjl.77株の3株ミックスからの上清を用いた培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Fは、jl.68株からの上清を用いた培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
【
図18C-D】
図18A~18Fは、単独培養または異なる細菌株との混合後におけるS.aureus細胞中のS.aureusのagrレポーターおよびGMKレポーターの発現ならびにS.aureus細胞のCFUを示す棒グラフを示す。
図18Aは、S.aureusの単独培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Bは、S.aureusのWT株(agr/GMKレポーターを持たない)との1:1共培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Cは、jl.27株、jl.68株、およびjl.77株の3株ミックスとの1:1共培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Dは、単一のjl.68株との1:1共培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Eは、jl.27株、jl.68株、およびjl.77株の3株ミックスからの上清を用いた培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Fは、jl.68株からの上清を用いた培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
【
図18E-F】
図18A~18Fは、単独培養または異なる細菌株との混合後におけるS.aureus細胞中のS.aureusのagrレポーターおよびGMKレポーターの発現ならびにS.aureus細胞のCFUを示す棒グラフを示す。
図18Aは、S.aureusの単独培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Bは、S.aureusのWT株(agr/GMKレポーターを持たない)との1:1共培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Cは、jl.27株、jl.68株、およびjl.77株の3株ミックスとの1:1共培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Dは、単一のjl.68株との1:1共培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Eは、jl.27株、jl.68株、およびjl.77株の3株ミックスからの上清を用いた培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Fは、jl.68株からの上清を用いた培養におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
【0042】
【
図19A】
図19A~19Bは、異なる密度のS.aureus培養物中の代謝活性およびクオラムセンシング活性を示す棒グラフを示す。jl.68株からの上清(10%)またはPBS(対照)を、異なる濃度のS.aureusに添加した。
図19Aは、上清添加後のGMKの発現を示す。
図19Bは、上清添加後のagrの発現を示す。
【
図19B】
図19A~19Bは、異なる密度のS.aureus培養物中の代謝活性およびクオラムセンシング活性を示す棒グラフを示す。jl.68株からの上清(10%)またはPBS(対照)を、異なる濃度のS.aureusに添加した。
図19Aは、上清添加後のGMKの発現を示す。
図19Bは、上清添加後のagrの発現を示す。
【0043】
【
図20】
図20は、TSB寒天プレート中に異なる濃度(0%、5%、および10%)のjl.68株からの上清を包埋し、寒天上にS.aureusの10倍希釈系列をプレーティングした寒天プレートの画像を示す。CFU/mlは、インキュベーション後のプレート上のS.aureusの存在量である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
発明の詳細な説明
皮膚疾患の処置のための組成物、方法、キット、およびデバイスを本明細書中に提供する。さらに、(1)細菌の混合物(2)賦形剤、剤形、およびかかる混合物のための投与経路、(3)ならびにかかる細菌混合物を用いた処置の条件を本明細書中に提供する。
【0045】
本開示を通して、種々の実施形態を範囲の形式で表している。範囲の形式での記載は便宜および簡潔さのみを目的とし、いかなる実施形態の範囲も不変の制限を受けると解釈されないと理解されるべきである。したがって、文脈上他の意味を明確に示さない限り、範囲の記載は、全ての可能な下位範囲ならびにその範囲内の個別の数値が、下限の単位の10分の1まで具体的に開示されていると見なすべきである。例えば、1から6までなどの範囲の記載は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6までなどの下位範囲、ならびにその範囲内の個別の値(例えば、1.1、2、2.3、5、および5.9)を具体的に開示していると見なすべきである。これらの介在する範囲の上限または下限は、より小さな範囲に独立して含まれてよく、記載の範囲の任意の具体的に除外される制限を条件として、本発明の範囲内に包含される。文脈上別段の明確な指示がない限り、記載の範囲が限度の一方または両方を含む場合、含まれる限度のいずれかまたは両方を除外する範囲も含まれる。
【0046】
本明細書中で使用した用語が特定の例を説明することのみを目的とし、いかなる実施形態の制限も意図しない。本明細書中で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数形も含まれることを意図する。本明細書中で使用する場合、用語「および/または」には、1つまたは複数の列挙した関連項目のありとあらゆる組み合わせが含まれる。
【0047】
具体的に記載されていないか、文脈から明らかでない限り、本明細書中で使用される場合、数値または数値の範囲に関する用語「約」は、記載の数値およびその数値+/-10%、または、範囲について列挙した値については、列挙した下限の10%未満および列挙した上限の10%超を意味すると理解される。
【0048】
本明細書中で使用される用語「被験体」は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物(例えば、他の生物がコロニー形成することができる霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、またはげっ歯類を含む)を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、参照株との16S rRNA細菌遺伝子配列、16S rRNAの超可変領域、または全ゲノムの比較に基づいてある同一性パーセントを有する細菌を含む組成物を本明細書中に提供する。典型的には、16S rRNA細菌遺伝子配列の比較は、NCBI BLAST検索を使用して配列を既知の細菌DNA配列と比較することによって、株が同一の種内にあるのか、別の株であるのかを同定することが可能である。ヌクレオチド配列に関する同一性のレベルを、少なくとも20の連続するヌクレオチドについて、少なくとも30の連続するヌクレオチドについて、少なくとも少なくとも40の連続するヌクレオチドについて、少なくとも50の連続するヌクレオチドについて、少なくとも60の連続するヌクレオチドについて、少なくとも100の連続するヌクレオチドについて、少なくとも200の連続するヌクレオチドについて、少なくとも300の連続するヌクレオチドについて、少なくとも400の連続するヌクレオチドについて、少なくとも500の連続するヌクレオチドについて、少なくとも600の連続するヌクレオチドについて、少なくとも700の連続するヌクレオチドについて、少なくとも800の連続するヌクレオチドについて、少なくとも900の連続するヌクレオチドについて、少なくとも1000の連続するヌクレオチドについて、少なくとも1100の連続するヌクレオチドについて、少なくとも1200の連続するヌクレオチドについて、少なくとも1300の連続するヌクレオチドについて、少なくとも1400の連続するヌクレオチドについて、または少なくとも1500の連続するヌクレオチドについて決定し得る。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列に関する同一性のレベルを、検索された配列全体について決定する。同一性パーセントは、参照細菌の16S rRNA配列、16S rRNA V4領域配列、または全ゲノム配列に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であり得る。同一性パーセントは、参照細菌の16S rRNA:V1領域、V2領域、V3領域、V5領域、V6領域、V7領域、V8領域、またはV9領域の配列に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であり得る。同一性パーセントは、参照細菌の配列に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であり得る。
【0050】
本明細書中で使用される場合、物質が得られる試料供給源の他の成分を実質的に含まない場合、物質は、「純粋」または「実質的に純粋」である。用語「精製する」、「精製すること」、および「精製された」は、細菌(単数または複数)に適用される場合、細菌が最初に産生または生成されたとき、あるいはその最初の産生後の任意の期間中に会合していた少なくともいくつかの成分から分離されている細菌を指すことができる。細菌または細菌集団は、産生時または産生後に細菌または細菌集団を含む材料もしくは環境などから分離されているか、培養によって継代されている場合、精製されていると見なされ得る。精製された細菌または細菌集団は、少なくとも最大約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約90%超の他の材料を含んでよく、依然として精製されたと見なされ得る。精製された細菌または細菌集団は、単一の株型が組成物中に存在する細菌の少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50%、またはそれを超えて存在してよく、依然として精製されたと見なされ得る。
【0051】
細菌混合物
ヒトの皮膚は、マイクロバイオームに多数の環境を提供する。健常人では、皮膚のマイクロバイオームおよび皮膚の宿主環境の両方は、皮膚健康の維持に重要である。しかしながら、皮膚マイクロバイオームのディスバイオシスおよび共生細菌種の病原性細菌種での置き換えは、疾患を引き起こし得る。この目的のために、損傷を受けた皮膚マイクロバイオームを健常人からの細菌の分離菌で撹乱することにより、皮膚マイクロバイオームの機能および多様性を修復することができる。例えば、損傷を受けたマイクロバイオームの修復および/または改変を使用して、疾患を処置することができる。本明細書中に記載の組成物を、損傷を受けた皮膚マイクロバイオームの処置のために使用し、この組成物は、精製された細菌種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種は、以下の細菌種のうちの少なくとも1つ、2つ、または3つを含む:Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、Lysinibacillus macrolides、Bacillus amyloliquefaciens、Staphylococcus caprae、およびBacillus tropicus。いくつかの実施形態では、組成物は、以下の細菌種のうちの少なくとも1つ、2つ、または3つを含む:Bacillus cereus、Staphylococcus epidermidis、Bacillus nakamurai、Bacillus vallismortis、Lysinibacillus boronitolerans、Bacillus paranthracis、Bacillus thuringiensis、Psychrobacillus sp. INOP01、Lysinibacillus sp. FN11、Bacillus sp. Lzh-5、またはStaphylococcus capitis。細菌種は、凍結乾燥されており、そして/あるいは皮膚への送達のために製剤化されている。組成物を、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化することができる。細菌種の投与を使用して、皮膚の炎症、皮膚障害(アトピー性皮膚炎など)、または皮膚の炎症もしくは皮膚障害に関連する症状を処置する。
【0052】
さらに、本明細書中に記載の組成物を、損傷を受けた皮膚マイクロバイオームの処置のために使用し、この組成物は、精製された細菌株を含む。いくつかの実施形態では、細菌株は、以下の細菌株のうちの少なくとも1つ、2つ、または3つを含む:jl.121株、jl.21株、jl.27株、jl.68株、jl.83株、またはjl.77株。細菌株は、凍結乾燥されており、そして/あるいは皮膚への送達のために製剤化されている。組成物を、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化することができる。細菌株の投与を使用して、皮膚の炎症、皮膚障害(アトピー性皮膚炎など)、または皮膚の炎症もしくは皮膚障害に関連する症状を処置する。
【0053】
本明細書中に記載の細菌および本明細書中に記載の細菌の混合物を使用して、病原性細菌のコロニー形成または皮膚の炎症の誘発を処置もしくは阻害、軽減、および/または排除する。本明細書中に記載の細菌および本明細書中に記載の細菌の混合物を使用して、病原性細菌の成長を抑制する。本明細書中に記載の細菌を使用して、病原性微生物中の遺伝子発現をモジュレートする。本明細書中に記載の細菌を使用して、病原性微生物中のタンパク質発現をモジュレートする。本明細書中に記載の細菌を、健常人の皮膚から分離する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の細菌を精製する。例えば、本明細書中に記載の細菌の分離菌を、寒天培地上での1またはそれを超える回数の継代によって精製することができる。一部の場合において、健常人は、1またはそれを超える皮膚疾患を持たない被験体である。一部の場合において、細菌を、皮膚の表皮から分離する。一部の場合において、細菌を、足、脚、腕、胴体、手、鼠径部、腋窩、背中、頸部、頭部、耳、鼻、顔、または皮膚で覆われた身体の任意の領域の皮膚から分離する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の細菌は、組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の細菌を、疾患の処置のために投与する。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は凍結乾燥されている。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。
【0054】
いくつかの実施形態では、組成物は、生きている細菌を含む。一部の場合において、生きている細菌は、膜安定性を保持する細菌を含む。一部の場合において、生きている細菌は、転写および翻訳することができる細菌を含む。一部の場合において、生きている細菌は、細胞分裂することができる細菌を含む。一部の場合において、生きている細菌は、培養依存性技術または培養非依存性技術によって判定される。一部の場合において、生きている細菌は、安定な成長培地上にプレーティングした場合にコロニー形成単位(cfu)を得ることができる個別の細菌または細菌群を含む。いくつかの実施形態では、生きているおよび/または死んだ細菌を、例えば、生/死染色を用いた画像化によって判定する。一部の場合において、生存率PCRベースの方法(a viability PCR based method)を使用して、生きている細菌を判定することができる。一部の場合において、メタボロミックアッセイを使用して、生きている細菌を判定する。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の細菌を、好気的条件で成長させる。一部の場合において、本明細書中に記載の細菌を、嫌気的条件で成長させる。一部の場合において、本明細書中に記載の細菌は、偏性好気性菌、偏性嫌気性菌、通性嫌気性菌、微好気性菌、または耐気性微生物であることが可能であり、成長のために適用可能な任意の条件(例えば、0~40%のO2、および/または0~40%のCO2)で成長させることができる。本明細書中に記載の細菌を、室温またはインキュベーター中で成長させる。例えば、本明細書中に記載の細菌を、成長の助けとなる任意の温度で成長させることができる。一部の例において、本明細書中に記載の細菌を、約1℃~50℃で成長させる。一部の例において、本明細書中に記載の細菌を、30℃で成長させる。一部の例において、本明細書中に記載の細菌を、37℃で成長させる。本明細書中に記載の細菌を、液体培養でまたは固体培地(栄養素を補足した寒天など)上で成長させる。一部の場合において、細菌を、動物性生成物を含むか含まない培地中で成長させる。一部の場合において、細菌を、動物性生成物を含まない培地中で成長させる。一部の例において、細菌を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。
【0056】
一部の場合において、本明細書中に記載の細菌および/または組成物を、容器中で保存する。一部の場合において、容器は、ガラス、プラスチック、金属、または任意の固体材料である。一部の場合において、容器は、キットに含まれる。一部の例において、本明細書中に記載の細菌または組成物を含む密封容器を約:-80℃、-79℃、-78℃、-77℃、-76℃、-75℃、-74℃、-73℃、-72℃、-71℃、-70℃、-69℃、-68℃、-67℃、-66℃、-65℃、-64℃、-63℃、-62℃、-61℃、-60℃、-59℃、-58℃、-57℃、-56℃、-55℃、-54℃、-53℃、-52℃、-51℃、-50℃、-49℃、-48℃、-47℃、-46℃、-45℃、-44℃、-43℃、-42℃、-41℃、-40℃、-39℃、-38℃、-37℃、-36℃、-35℃、-34℃、-33℃、-32℃、-31℃、-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、または38℃においた場合、細菌は、cfuカウントによって測定した場合に、3ヶ月後、6ヶ月後、または12ヶ月後に約:0.1%、1%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%を超える培養生存率を保持することができる。一部の例において、本明細書中に記載の細菌または組成物を含む密封容器を約:-80℃、-79℃、-78℃、-77℃、-76℃、-75℃、-74℃、-73℃、-72℃、-71℃、-70℃、-69℃、-68℃、-67℃、-66℃、-65℃、-64℃、-63℃、-62℃、-61℃、-60℃、-59℃、-58℃、-57℃、-56℃、-55℃、-54℃、-53℃、-52℃、-51℃、-50℃、-49℃、-48℃、-47℃、-46℃、-45℃、-44℃、-43℃、-42℃、-41℃、-40℃、-39℃、-38℃、-37℃、-36℃、-35℃、-34℃、-33℃、-32℃、-31℃、-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、または38℃においた場合、細菌は、cfuカウントによって測定した場合に、3ヶ月後、6ヶ月後、または12ヶ月後に、約:約103cfu、約104cfu、約105cfu、約106cfu、約107cfu、約108cfu、約109cfu、約1010cfu、約1011cfu、約1012cfuを超えて保持することができる。一部の場合において、本明細書中に開示の組成物は、冷凍庫(例えば、-80℃~約-20℃)、冷蔵庫(例えば、4℃)、または室温で安定である。
【0057】
いくつかの実施形態では、細菌種の組成物を本明細書中に提供する。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、1またはそれを超える細菌種を含む。例えば、本明細書中に記載の組成物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える細菌種を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、1つの細菌種を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、2つの細菌種を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、3つの細菌種を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、4つの細菌種を含む。1またはそれを超える表1の細菌種を含む細菌の混合物を本明細書中に提供する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える表1中の細菌種を含む。
【0058】
【0059】
一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、1またはそれを超える細菌株を含む。例えば、本明細書中に記載の組成物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える細菌株を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、1つの細菌株を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、2つの細菌株を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、3つの細菌株を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、4つの細菌株を含む。1またはそれを超える表2の細菌株を含む細菌の混合物を本明細書中に提供する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える表2中の細菌株を含む。
【0060】
【0061】
一部の場合において、細菌株は、jl.83株、jl.27株、jl.77株、jl.68株、jl.121株、またはjl.21株を含む。一部の例において、本明細書中の細菌株を、16s rRNA配列によって同定する。一部の場合において、jl.83株は、配列番号4の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.83株は、配列番号4に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.27株は、配列番号1の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.27株は、配列番号1に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.77株は、配列番号2の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.77株は、配列番号2に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.68株は、配列番号5の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.68株は、配列番号5に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.121株は、配列番号6の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.121株は、配列番号6に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.21株は、配列番号3の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.21株は、配列番号3に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。
【0062】
一部の場合において、細菌株は、jl.19株、jl.39株、jl.26株、jl.116株、jl.119株、またはjl.45株を含む。一部の場合において、jl.19株は、配列番号16の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.19株は、配列番号16に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.39株は、配列番号17の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.39株は、配列番号17に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.26株は、配列番号18の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.26株は、配列番号18に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.116株は、配列番号19の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.116株は、配列番号19に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.119株は、配列番号20の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.119株は、配列番号20に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.45株は、配列番号21の16s rRNA配列を含む。一部の場合において、jl.45株は、配列番号21に対して少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、本明細書中の細菌株は、配列番号1~6または16~21のうちのいずれか1つに対して少なくとも500塩基、600塩基、700塩基、800塩基、900塩基、1000塩基、または1100塩基にわたって少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。一部の場合において、本明細書中の細菌株は、配列番号1~6または16~21のうちのいずれか1つに対して少なくとも500塩基、600塩基、700塩基、800塩基、900塩基、1000塩基、または1100塩基にわたって100%の配列同一性を有する16s rRNA配列を含む。
【0063】
一部の例において、本明細書中の細菌株は、識別子配列によって同定される。例えば、識別子配列は、細菌株を同定するために使用されるゲノムおよび/またはアクセサリーゲノム(プラスミドなど)において見出される配列である。一部の場合において、jl.83株は、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方の識別子配列を含む。一部の場合において、jl.83株は、配列番号11に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、jl.83株は、配列番号12に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、jl.27株は、配列番号15の識別子配列を含む。一部の場合において、jl.27株は、配列番号15に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、jl.77株は、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の識別子配列を含む。一部の場合において、jl.77株は、配列番号7に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、jl.77株は、配列番号8に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、jl.68株は、配列番号13の識別子配列を含む。一部の場合において、jl.68株は、配列番号13に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、jl.121株は、配列番号14の識別子配列を含む。一部の場合において、jl.121株は、配列番号14に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、jl.21株は、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方の識別子配列を含む。一部の場合において、jl.21株は、配列番号9に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、jl.21株は、配列番号10に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、本明細書中の細菌株は、配列番号7~15のうちのいずれか1つに対して少なくとも500塩基、600塩基、700塩基、800塩基、900塩基、1000塩基、1100塩基、または1200塩基にわたって少なくとも:95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する識別子配列を含む。一部の場合において、本明細書中の細菌株は、配列番号7~15のうちのいずれか1つに対して少なくとも500塩基、600塩基、700塩基、800塩基、900塩基、1000塩基、1100塩基、または1200塩基にわたって100%の配列同一性を有する識別子配列を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、配列番号11、配列番号12、またはこれらの両方の配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号11に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号12に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号15の配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号15に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号7、配列番号8、またはこれらの両方の配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号7に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号8に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号13の配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号13に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号14の配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号14に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号9、配列番号10、またはこれらの両方の配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号9に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む細菌を本明細書中に提供する。一部の場合において、配列番号10に対して少なくとも:90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む細菌を本明細書中に提供する。
【0065】
いくつかの実施形態では、本明細書中の組成物は、無細胞成分(表2に列挙した株のうちの任意の1つからの上清など)を含むことができる。一部の場合において、本明細書中の組成物は、表2に列挙した株の任意の組み合わせからの無細胞成分を含むことができる。一部の場合において、本明細書中の組成物は、配列番号1~6または16~21のうちの任意の1つに対して少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する1またはそれを超える細菌株からの無細胞成分を含むことができる。一部の場合において、本明細書中の組成物は、配列番号1~6または16~21のうちの任意の1つを含む1またはそれを超える細菌株からの無細胞成分を含むことができる。一部の場合において、本明細書中の組成物は、配列番号5に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する細菌株からの無細胞成分を含むことができる。一部の場合において、本明細書中の組成物は、配列番号5を含む細菌株からの無細胞成分を含むことができる。
【0066】
一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、1またはそれを超える細菌株および1またはそれを超える細菌種を含む。例えば、本明細書中に記載の組成物は、2つの細菌種および1つの細菌株を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、組成物は、2またはそれを超える細菌種または細菌株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、以下の細菌種のうちの少なくとも2つを含む:Staphylococcus cohnii、Staphylococcus capitis、Staphylococcus caprae、Bacillus tropicus、Bacillus mycoides、Bacillus wiedmannii、Bacillus mediterraneensis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus velezensis、Bacillus cereus、Bacillus cecembensis、Kocuria marina、およびLysinibacillus macroides。いくつかの実施形態では、組成物は、以下の細菌種のうちの少なくとも2つを含む:Bacillus cereus、Staphylococcus epidermidis、Bacillus nakamurai、Bacillus vallismortis、Lysinibacillus boronitolerans、Bacillus paranthracis、Bacillus thuringiensis、Psychrobacillus sp. INOP01、Lysinibacillus sp. FN11、Bacillus sp. Lzh-5、またはStaphylococcus capitis。いくつかの実施形態では、組成物は、以下の細菌種のうちの少なくとも2つを含む:Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、Lysinibacillus macrolides、Bacillus amyloliquefaciens、Staphylococcus caprae、およびBacillus tropicus。いくつかの実施形態では、組成物は、以下の細菌株のうちの少なくとも2つを含む:jl.83株、jl.27株、jl.77株、jl.68株、jl.121株、およびjl.21株。一部の場合において、組成物は、細菌株jl.83株およびjl.27株を含む。一部の場合において、組成物は、細菌株jl.68株およびjl.27株を含む。一部の場合において、組成物は、細菌株jl.68株およびjl.21株を含む。一部の場合において、組成物は、細菌株jl.83株およびjl.77株を含む。一部の場合において、組成物は、細菌株jl.27株およびjl.121株を含む。一部の場合において、組成物は、細菌株jl.21株およびjl.121株を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、組成物は、3またはそれを超える細菌種または細菌株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、以下の細菌種のうちの少なくとも3つを含む:Staphylococcus cohnii、Staphylococcus capitis、Staphylococcus caprae、Bacillus tropicus、Bacillus mycoides、Bacillus wiedmannii、Bacillus mediterraneensis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus velezensis、Bacillus cereus、Bacillus cecembensis、Kocuria marina、およびLysinibacillus macroides。いくつかの実施形態では、組成物は、以下の細菌種のうちの少なくとも3つを含む:Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、Lysinibacillus macrolides、Bacillus amyloliquefaciens、Staphylococcus caprae、およびBacillus tropicus。いくつかの実施形態では、組成物は、以下の細菌株のうちの少なくとも3つを含む:jl.83株、jl.27株、jl.77株、jl.68株、jl.121株、およびjl.21株。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の組成物は、3つの細菌種または細菌株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、細菌種Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macrolidesを含む。一部の場合において、組成物は、細菌株jl.83株、jl.27株、およびjl.77株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、細菌種Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus wiedmannii、およびStaphylococcus capraeを含む。一部の場合において、組成物は、細菌株jl.68株、jl.27株、およびjl.121株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、細菌種Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus tropicus、およびStaphylococcus capraeを含む。一部の場合において、組成物は、細菌株jl.68株、jl.21株、およびjl.121株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表3からの細菌種の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表3からの細菌種の組み合わせである。いくつかの実施形態では、組成物は、表4からの細菌株の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表4からの細菌株の組み合わせである。
【0070】
【0071】
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の組成物は、1つの細菌種または細菌株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌種または細菌株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Bacillus velezensisを含む。一部の場合において、組成物は、jl.83株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Bacillus wiedmanniiを含む。一部の場合において、組成物は、jl.27株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Lysinibacillus macroidesを含む。一部の場合において、組成物は、jl.77株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Bacillus tropicusを含む。一部の場合において、組成物は、jl.21株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Bacillus amyloliquefaciensを含む。一部の場合において、組成物は、jl.68株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Staphylococcus capraeを含む。一部の場合において、組成物は、jl.121株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Staphylococcus cohniiを含む。一部の場合において、組成物は、jl.19株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Staphylococcus capitisを含む。一部の場合において、組成物は、jl.39株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Bacillus mycoidesを含む。一部の場合において、組成物は、jl.26株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Bacillus mediterraneensisを含む。一部の場合において、組成物は、Bacillus mediterraneensis jl.44を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Bacillus cereusを含む。一部の場合において、組成物は、jl.116株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Bacillus cecembensisを含む。一部の場合において、組成物は、jl.119株を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Kocuria marinaを含む。一部の場合において、組成物は、jl.45株を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、Bacillus velezensisはBacillus velezensis DSM23117であり、DSMZ-German Collection of Microorganisms and Cell Cultures寄託機関から入手することができる。いくつかの実施形態では、Bacillus wiedmanniiはBacillus wiedmannii DSM102050であり、DSMZ-German Collection of Microorganisms and Cell Cultures寄託機関から入手することができる。いくつかの実施形態では、Lysinibacillus macroidesはLysinibacillus macroides DSM54であり、DSMZ-German Collection of Microorganisms and Cell Cultures寄託機関から入手することができる。いくつかの実施形態では、Bacillus amyloliquefaciensはBacillus amyloliquefaciens DSM7であり、DSMZ-German Collection of Microorganisms and Cell Cultures寄託機関から入手することができる。いくつかの実施形態では、Staphylococcus capraeはStaphylococcus caprae DSM20608であり、DSMZ-German Collection of Microorganisms and Cell Cultures寄託機関から入手することができる。いくつかの実施形態では、Bacillus amyloliquefaciensはBacillus amyloliquefaciens ATCC23350(Bacillus amyloliquefaciens F IFO15535)であり、ATCC(American Type Culture Collection)寄託機関から入手することができる。いくつかの実施形態では、Bacillus tropicusはBacillus tropicus ATCC4342(Bacillus tropicus NRS731)であり、ATCC(American Type Culture Collection)寄託機関から入手することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、被験体に投与したとき、本明細書中に記載の細菌種または細菌株は、病原性の細菌、真菌、またはウイルスの皮膚でのコロニー形成を軽減または排除することができる。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物を使用して、病原性の細菌、真菌、またはウイルスを死滅させる。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物を使用して、病原性の細菌、真菌、またはウイルスの成長を抑制する。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物を使用して、病原性の細菌、真菌、またはウイルスの成長を制御する。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物を使用して、病原性の細菌、真菌、またはウイルスのビルレンスを制御する。一部の場合において、1またはそれを超える細菌種または細菌株を含む組成物は、投与したとき、病原性の細菌、真菌、またはウイルスの皮膚でのコロニー形成を軽減または排除することができる。皮膚病原性細菌は、Staphylococcus sp.、Micrococcus sp.、Corynebacterium sp.、Staphylococcus aureus、Streptococcus pyogenes、Pseudomonas aeruginosa、Pasteurella multocida、Capnocytophaga canimorsus、Bartonella sp..、Klebsiella rhinoscleromatis、およびVibrio vulnificusを含むが、これらに限定されない。一部の場合において、病原性細菌は、Gardnerella vaginalisを含む。病原性皮膚真菌は、Aspergillus属、Trichophyton属、Microsporum属、およびEpidermophyton属を含む子嚢菌類皮膚糸状菌、およびMalassezia属における担子菌類の真菌を含むが、これらに限定されない。一部の場合において、皮膚病原性真菌は、Malassezia pachydermatis、Candida albicans、Microsporum canis、およびTrichophyton mentagrophytesを含む。例示的な皮膚病原性ウイルスは、Herpes sp.、Herpes zoster.、Herpes simplex.、Molluscum contagiosum、およびヒトパピローマウイルスを含むが、これらに限定されない。病原性の細菌、真菌、またはウイルスのかかる減少は、皮膚の任意の位置(例えば、被験体の前腕、脚、または胃)においてであり得る。一部の場合において、本明細書中の組成物は、S.aureusの毒素産生を減少させることができ、真菌(例えば、Candida)の菌糸形成を減少させることができ、Malasseziaの皮脂代謝を減少させることができ、あるいはGardnerellaのバイオフィルム形成を減少させることができる。
【0075】
病原性微生物中の遺伝子発現のモジュレーションまたは病原性微生物中のタンパク質発現のモジュレーションのために十分な量で本明細書中に記載の細菌種および/または細菌株を含む組成物を本明細書中に提供する。一部の場合において、モジュレーションは、遺伝子発現またはタンパク質発現の増加である。一部の場合において、モジュレーションは、遺伝子発現またはタンパク質発現の減少である。一部の場合において、組成物は、S.aureusまたはS.pyogenesからの遺伝子またはタンパク質の発現を低下させる。モジュレーションおよび抑制のための遺伝子の例は、ビルレンス遺伝子、代謝遺伝子、転写遺伝子、翻訳遺伝子、タンパク質プロセシング遺伝子、タンパク質折りたたみ遺伝子、分泌遺伝子、細胞分裂遺伝子、生合成遺伝子、細胞壁遺伝子、細胞膜遺伝子、抗生物質耐性遺伝子、およびこれらの遺伝子のうちの1つによってコードされるタンパク質を含むが、これらに限定されない。一部の場合において、遺伝子またはタンパク質は、成長、調節(例えば、ビルレンス調節、代謝調節、または成長調節)、直接的なビルレンス(毒素、ストレス、または代謝状態など)に関連する。一部の場合において、遺伝子は、gmk、agr、psmA、sigB、saeR、および/またはccpAである。一部の場合において、タンパク質は、gmk、agr、psmA、sigB、saeR、および/またはccpAによってコードされる。一部の場合において、遺伝子の発現を、プロモーター-レポーター株によって測定する。例えば、gmk、agr、psmA、sigB、saeR、またはccpAなどの目的の遺伝子のプロモーターを、蛍光レポーター(GFPなど)またはルシフェラーゼに融合して遺伝子発現量を測定することができる。プロモーター-レポーターS.aureus株の例示的な遺伝子を、表5に示す。一部の場合において、遺伝子発現を使用して、構成性代謝機能、クオラムセンシング、宿主の組織に損傷を与える毒素、ストレス応答シグマ因子、ビルレンス調節、および/または炭素異化代謝産物抑制を評価する。一部の場合において、遺伝子発現を、ノーザンブロット、ウェスタンブロット、プロモーター-レポーター遺伝子、マイクロアレイ、PCRアッセイ(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応など)、遺伝子発現連続解析法(SAGE)、次世代配列決定技術(RNA Seqなど)、またはこれらの方法の組み合わせによって測定する。一部の場合において、タンパク質の発現を測定する。一部の場合において、タンパク質発現を、ウェスタンブロット、酵素結合免疫アッセイ(ELISA)、SDS-PAGEゲル、ビシンコニン酸(BCA)アッセイ、またはタンパク質の発現および/または量を定量する任意のアッセイによって測定する。
【0076】
【0077】
いくつかの実施形態では、細菌種および/または細菌株を含む組成物は、1またはそれを超える化合物をさらに含むことができる。一部の場合において、化合物は、環境成分であり得る。一部の場合において、化合物は、炭素源、窒素源、リン源、硫黄源、または金属イオン源を含む。一部の場合において、化合物は、細菌組成物と相乗効果を得ることができる。例えば、化合物は、S.aureus発現の阻害を増強することができる。一部の場合において、化合物は、細菌組成物の効力を増加させる。一部の場合において、化合物は、チアミン(ビタミンB-1)またはその塩を含む。一部の場合において、化合物は、アセテート、ベータ-アラニン、ビカルボネート、ビオチン、ブチレート、カフェイン、シトレート、クレアチン、D-セロビオース、D-フルクトース、D-グルコサミン、D-グルコース、D-マンニトール、D-ラフィノース、D-ソルビトール、D-スクロース、D-トレハロース、D-キシロース、ホルメート、GlcNAc、グリセロール、グリシン、L-アラニン、L-アラビノース、L-アルギニン、L-シトルリン、L-グルタミン、L-ヒドロキシプロリン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-メチオニン、L-オルニチン、L-プロリン、L-セリン、L-タウリン、L-トレオニン、L-バリン、L-アスコルベート、L-ラクテート、ニコチンアミン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、プロピオネート、ピルベート、スクシネート、チアミン、トリエタノールアミン、または尿素を含む。
【0078】
投与経路、賦形剤、投薬、および剤形
いくつかの実施形態では、用語「投与する」、「投与すること」、および「投与」などは、本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載の組成物を所望の生物学的作用部位に送達できるように使用することができる方法を指すことができる。一部の場合において、送達は、局所投与を含む。一部の場合において、送達は、注射、吸入、カテーテル法、胃瘻管投与、静脈内投与、骨内投与、眼への投与、耳への投与、局所投与、経皮投与、経口投与、直腸投与、経鼻投与、膣内投与、海綿体内投与、脳内投与、経尿道投与、頬側投与、舌下投与、またはこれらの組み合わせを含むことができる。送達は、身体の罹患組織または罹患領域への直接適用を含むことができる。送達は、実質注射、髄腔内注射、室内注射、または槽内注射を含むことができる。本明細書中に提供した組成物を、任意の方法によって投与することができる。投与する方法は、動脈内注射、脳室内注射、槽内注射、筋肉内注射、眼窩内注射、実質内注射、腹腔内注射、脊髄内注射、髄腔内注射、静脈内注射、室内注射、定位注射、皮下注射、硬膜外、またはこれらの組み合わせによる方法であり得る。送達は、非経口投与(例えば、静脈内、皮下、髄腔内、腹腔内、筋肉内、血管内、または注入による投与)を含む。いくつかの実施形態では、送達は、ナノ粒子、微粒子、ウイルス様粒子、リポソーム、エキソソーム、細胞外小胞、マイクロニードル、インプラント、またはこれらの組み合わせを含む。一部の場合において、送達は、デバイスからの送達である。一部の場合において、送達は、浣腸器、点眼薬、鼻噴霧剤、噴霧剤、点耳薬、またはこれら任意の組み合わせによる送達である。一部の場合において、送達は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸薬、ペレット剤、カプセル剤、液体を含むカプセル剤、散剤、徐放製剤、指向性放出製剤(directed release formulation)、凍結乾燥物(フリーズドライ/凍結乾燥)、エアロゾル、噴霧剤、顆粒剤、散剤、またはシロップ剤の形態である。一部の場合において、送達は、吸入器、ディフューザー、ネブライザー、またはこれらの組み合わせを含む。送達は、皮膚などの表面の外面への局所投与(ローション剤、クリーム剤、貼付剤、フィルム剤、ゲル剤、噴霧剤、点滴剤、液体製剤、軟膏剤、懸濁剤、乳剤、チンキ剤、フォーム剤、散剤、パスタ剤、または油剤など)を含むことができる。一部の例において、被験体は、監督されることなく組成物を投与することができる。一部の例において、被験体は、医療専門家(例えば、医師、看護師、医師のアシスタント、オーダリー、ホスピス職員など)の監督下で組成物を投与することができる。一部の場合において、医療専門家が組成物を投与することができる。一部の場合において、被験体が組成物を投与することができる。
【0079】
投与を容易にするために、本明細書中に記載の医薬組成物は、1またはそれを超える薬学的に許容され得る賦形剤を含み得る。例示的な薬学的に許容され得る賦形剤は、希釈剤、補助剤、賦形剤、水、油(石油、動物油、植物油、天然油、合成油が挙げられる)を含むが、これらに限定されない。さらなる例は、食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、および尿素を含む。かかる賦形剤は、結合剤(エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、微結晶性セルロース、またはゼラチンなど);賦形剤(デンプン、ラクトース、またはデキストリンなど);崩壊剤(アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、Primogel、およびトウモロコシデンプンなど);滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムまたはSterotexなど);流動促進剤(コロイド状二酸化ケイ素など);甘味剤(スクロースまたはサッカリンなど)、香味料(ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香味など)、または着色剤を含み得る。賦形剤のさらなる例は、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、油、またはカプセル剤に製剤化され得る任意の他の類似の液体担体を含む。賦形剤のなおさらなる例は、滅菌希釈剤、例えば、水、食塩液、生理食塩水、リンゲル液、等張塩化ナトリウム、リン酸緩衝食塩水、固定油(合成のモノグリセリドもしくはジグリセリド)、ポリエチレングリコール、グリセリン、シクロデキストリン、プロピレングリコール、または他の溶媒など;抗菌剤(ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなど);抗酸化剤(アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなど);キレート剤(エチレンジアミン四酢酸など);緩衝液(酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、またはリン酸緩衝液など)および張度を調整するための剤(塩化ナトリウムまたはデキストロースなど)、増粘剤、滑沢剤、ならびに着色剤を含む。本発明のいくつかの実施形態では、薬学的に許容され得る担体は、被験体への医薬組成物の投与前に医薬組成物の文脈で有利な本明細書中に記載の細菌の成長および/または静的存在を補助することができる成長培地を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の組成物は、凍結乾燥保護剤を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、抗凍結剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含むことができる。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物は、フリーズドライまたは凍結乾燥されている。一部の場合において、凍結乾燥保護剤は、ミルク、糖、スクロース、ラクトース、グルコース、トレハロース、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、グリシン、アラニン、リジン、ポリエチレングリコール、デキストラン、またはポリビニルピロリドン(PVP)を含むことができる。
【0081】
種々の他の添加物を、組成物に含めることができる。
【0082】
添加物の非限定的な例は、抗酸化剤、収斂薬、香料、防腐剤、皮膚軟化薬、顔料、染料、湿潤剤、噴射剤、および日焼け防止剤、ならびにその存在が薬学的またはその他で望ましい場合がある他の材料クラスを含む。一部の場合において、皮膚軟化薬は、保湿剤を含むことができる。
【0083】
必要に応じた添加物の非限定的な例は、防腐剤(ソルベートなど);溶媒(イソプロパノールおよびプロピレングリコールなど);収斂薬(メントールおよびエタノールなど);皮膚軟化薬(ポリアルキレンメチルグルコシドなど);湿潤剤(グリセリンなど);乳化剤(ステアリン酸グリセロール、PEG-100ステアラート、ポリグリセリル-3ヒドロキシルウリルエーテル、およびポリソルベート60など);ソルビトールおよび他のポリヒドロキシアルコール(ポリエチレングリコールなど);日焼け防止剤(メトキシオクチルシンナマート(Parsol MCX)およびブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789)など);抗酸化剤(アスコルビン酸(ビタミンC)、α-トコフェロール(ビタミンE)、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、ε-トコフェロール、ζ1-トコフェロール、ζ2-トコフェロール、η-トコフェロール、およびレチノール(ビタミンTHE)など);精油、セラミド、必須脂肪酸、鉱油、植物油(例えば、ダイズ油、パーム油、シアバター液体画分、ヒマワリ油)、動物油(例えば、ペルヒドロスクアレン)、合成油、シリコーン油またはワックス(例えば、シクロメチコンおよびジメチコン)、フッ素化油(通常は、ペルフルオロポリエーテル)、脂肪アルコール(例えば、セチルアルコール)、およびワックス(例えば、蜜蝋、カルナウバ蝋、およびパラフィン蝋);皮膚感触調整剤(modifier of skin feel);ならびに増粘剤および構造化剤(膨張性クレイおよび架橋カルボキシポリアルキレンなど)を含む。
【0084】
一部の場合において、組成物は治療剤を含む。一部の例において、治療剤は、薬物または化合物である。一部の場合において、治療剤は、治療剤の塩を含むことができる。本明細書中で使用される場合、治療剤は、治療剤の遊離塩基、酸、塩、エステル、および混合物を指すこともできる。一部の場合において、塩は、薬学的に許容され得る塩を含むことができる。一部の場合において、塩は、HCl塩、アスコルビン酸塩、マンデル酸塩、アスパラギン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、グルタミン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、マレイン酸塩、パルミチン酸塩、またはリン酸塩を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、投与は、1またはそれを超えるさらなる治療薬の投与を含む。一部の場合において、第2の治療薬を投与する。一部の例において、第2の治療を、第1の治療と併せてまたは連続して投与する。一部の例において、第2の治療を、第1の治療と並行して投与する。一部の例において、第2の治療は、第1の治療の有効性を増強することができる。一部の例において、第2の治療は、第1の治療と単回投与で構成される。例えば、さらなる治療薬を、本明細書中に記載の細菌混合物に添加することができる。一部の例において、第2の治療は、第1の治療とは別個の投与で構成される。一部の場合において、第2の治療は、クリーム剤、湿性包帯、光治療(例えば、光線療法)、または行動変容を含む。一部の場合において、第2の治療は、抗体(ヒトモノクローナル抗体など)を含む。一部の場合において、第2の治療は、抗生物質を含む。一部の場合において、第2の治療は、コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤、ピメクロリムス、タクロリムス、クリサボロール、ドキセピン、狭帯域紫外線B(NBUVB)光線療法、紫外線A1(UVA1)光線療法、抗ヒスタミン、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、シプロヘプタジン、フェキソフェナジン、セチリジン、ロラタジン、シクロスポリン、デュピルマブ、トラロキヌマブ、ネモリズマブ、抗OX40抗体、JAK1/JAK2阻害剤、PDE4阻害剤、ウパダシチニブ、アブロシチニブ、アザチオプリン、皮膚軟化薬、保湿剤、インターロイキン阻害剤、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル、またはインターフェロンガンマを含む。一部の場合において、第2の治療は、セファロスポリン(ephalosporin)(例えば、セファゾリン、セファロチン、およびセファレキシン)、クリンダマイシン、リンコマイシン、エリスロマイシン、フルクロキサシリン、ジクロキサシリン、リファンピシン、リンコサミド(例えば、クリンダマイシン、リンコマイシン)、コトリモキサゾール、リネゾリド、キヌプリスチン、ダルホプリスチン、トリメトプリム、スルファメトキサゾール、フシジン酸、ペニシリン、メチシリン、バンコマイシン、またはこれらのうちのいずれかの塩を含む。一部の例において、第2の治療薬または第1の治療を、頬側に、経腸的に、吸入投与によって、注入投与によって、筋肉内に、髄腔内に、静脈内に、鼻に、眼に、経口で、耳に、直腸投与によって、皮下に、舌下に、局所に、経皮に、または任意の投与方法によって投与することができる。
【0086】
投薬は、本明細書中に記載の医薬組成物の単回投与または複数回投与を含み得る。例は、1日複数回、毎日、1日おき、1週間に1、2、3、5、6、または7回、毎週、もしくはそれ未満の頻度、単回投与、規則的もしくは不規則な数回の処置を含む一連の処置、または疾患もしくは状態が処置される一定期間にわたる複数回の投与を含む。一部の場合において、毎日、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間、2年間、または必要に応じて投薬することができる。投薬レジメン(投与の規則性および様式を含む)は、処置される被験体;状態の重症度;投与様式、コロニー形成のステージ、病原性生物の存在量、1またはそれを超える他の状態(妊娠、乳児期など)の存在、または1またはそれを超えるさらなる疾患の存在を含むが、これらに限定されない要因に依存し得る。一部の場合において、被験体は乳児である。乳児は、最長6ヶ月齢、最長12ヶ月齢、または最長24ヶ月齢であり得る。一部の場合において、被験体は未成年者である。未成年者は、2歳~21歳であり得る。一部の場合において、未成年者は、最長5、7、12、18、または21歳であり得る。一部の場合において、被験体は成人である。成人は、21歳またはそれを超え得る。いくつかの実施形態では、成人は、高齢の成人である(例えば、65歳またはそれを超える)。
【0087】
本明細書中に開示の組成物の投与または適用を、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、少なくとも1年間、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、約5年間、少なくとも6年間、少なくとも7年間、少なくとも8年間、少なくとも9年間、少なくとも10年間、少なくとも15年間、少なくとも20年間、または一生涯の処置期間にわたって行うことができる。被験体の一生涯にわたって繰り返し投与することができる(被験体の一生涯にわたって1ヶ月に1回または1年に1回など)。被験体の生涯のかなりの部分にわたって繰り返し投与することができる(少なくとも約1年間、5年間、10年間、15年間、20年間、25年間、30年間、またはそれを超える期間にわたって1ヶ月に1回または1年に1回など)。
【0088】
本明細書中に記載の組成物(医薬組成物を含む)は、単回(単位)用量の細菌を含み得る。本明細書中に記載の組成物は、約102~約1015コロニー形成単位(cfu)の本明細書中に記載の細菌、細菌種、または細菌株を含み得る。本明細書中に記載の組成物は、以下を含み得る:約102~1012cfu、103~1012cfu、103~1011cfu、103~1010cfu、103~109cfu、103~108cfu、103~107cfu、103~106cfu、103~約105cfu、103~104cfu、104~1012cfu、104~1011cfu、104~1010cfu、104~109cfu、104~108cfu、104~107cfu、104~106cfu、105~1012cfu、105~1011cfu、約105~約1010cfu、106~1012cfu、107~1012cfu、108~1012cfu、109~1012cfu、1010~1012cfu、1011~1012cfu、または106~1010cfuの本明細書中に記載の細菌、細菌種、または細菌株。いくつかの実施形態では、組成物は、約103cfu、約104cfu、約105cfu、約106cfu、約107cfu、約108cfu、約109cfu、約1010cfu、約1011cfu、約1012cfu、または約1013cfuの本明細書中に記載の細菌、細菌種、または細菌株を含む。
【0089】
本明細書中に記載の組成物(医薬組成物など)は、mLあたり102~1015コロニー形成単位(cfu)の本明細書中に記載の細菌、細菌種、または細菌株を含み得る。本明細書中に記載の組成物は、mLあたり約102~1012cfu、103~1012cfu、103~1011cfu、103~1010cfu、103~109cfu、103~108cfu、103~107cfu、103~106cfu、103~約105cfu、103~104cfu、104~1012cfu、104~1011cfu、104~1010cfu、104~109cfu、104~108cfu、104~107cfu、104~106cfu、105~1012cfu、105~1011cfu、105~1010cfu、106~1012cfu、107~1012cfu、108~1012cfu、109~1012cfu、1010~1012cfu、1011~1012cfu、または106~1010cfuの本明細書中に記載の細菌、細菌種、または細菌株を含み得る。
【0090】
本明細書中に記載の組成物(医薬組成物など)は、グラムあたり102~1015コロニー形成単位(cfu)の本明細書中に記載の細菌、細菌種、または細菌株を含み得る。本明細書中に記載の組成物は、グラムあたり約102~1012cfu、103~1012cfu、103~1011cfu、103~1010cfu、103~109cfu、103~108cfu、103~107cfu、103~106cfu、103~約105cfu、103~104cfu、104~1012cfu、104~1011cfu、104~1010cfu、104~109cfu、104~108cfu、104~107cfu、104~106cfu、105~1012cfu、105~1011cfu、105~1010cfu、106~1012cfu、107~1012cfu、108~1012cfu、109~1012cfu、1010~1012cfu、1011~1012cfu、または106~1010cfuの本明細書中に記載の細菌、細菌種、または細菌株を含み得る。
【0091】
本明細書中に記載の組成物は、少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.05重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、少なくとも約0.4重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約0.6重量%、少なくとも約0.7重量%、少なくとも約0.8重量%、少なくとも約0.9重量%、少なくとも約1.0重量%、少なくとも約1.5重量%、少なくとも約2.0重量%、少なくとも約3.0重量%、少なくとも約4.0重量%、少なくとも約5.0重量%、少なくとも約6.0重量%、少なくとも約7.0重量%、少なくとも約8.0重量%、少なくとも約9.0重量%、少なくとも約10.0重量%、少なくとも約11.0重量%、少なくとも約12.0重量%、少なくとも約13.0重量%、少なくとも約14.0重量%、少なくとも約15.0重量%、少なくとも約16.0重量%、少なくとも約17.0重量%、少なくとも約18.0重量%、少なくとも約19.0重量%、少なくとも約20.0重量%、少なくとも約25.0重量%、少なくとも約30.0重量%、少なくとも約35.0重量%、少なくとも約40.0重量%、少なくとも約45.0重量%、または少なくとも約50.0重量%の本明細書中に記載の細菌、細菌種、または細菌株を含み得る(may comprise may)。いくつかの実施形態では、組成物は、0.01重量%から30重量%まで、約0.01重量%から20重量%まで、0.01重量%から5重量%まで、0.1重量%から30重量%まで、0.1重量%から20重量%まで、0.1重量%から約15重量%まで、0.1重量%から10重量%まで、0.1重量%から5重量%まで、0.2重量%から5重量%まで、0.3重量%から5重量%まで、0.4重量%から5重量%まで、0.5重量%から5重量%まで、または1重量%から5重量%までの本明細書中に記載の細菌、細菌種、または細菌株を含むことができる。
【0092】
本明細書中に記載の組成物(医薬組成物を含む)は、約:1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、または約1:1000の表1中の種の表1中の別の種に対する比、表2中の株の表2中の別の株に対する比、または表1中の種の表2中の株に対する比(cfu対cfu)を含み得る。本明細書中に記載の組成物(医薬組成物を含む)は、約:1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、または約1:1000のBacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、Lysinibacillus macrolides、Bacillus amyloliquefaciens、Staphylococcus caprae、および/またはBacillus tropicusの複数の株の比(cfu対cfu)を含み得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書中の組成物は、製剤を含む。一部の場合において、製剤は、フリーズドライまたは凍結乾燥された細菌を含む。一部の場合において、製剤は、再構成された細菌を含む。一部の場合において、個別の種または株は、バイアルなどの容器中で保存されている。一部の例において、本明細書中の製剤は、2、3、4、5、またはそれを超える再構成されたバイアルからの細菌の混合物を含む。
【0094】
状態
いくつかの実施形態では、皮膚の状態または疾患の処置のための組成物を本明細書中に提供する。本明細書中により詳細に記載するように、かかる状態または疾患は、表皮、真皮、または皮下組織(例えば、皮下の組織)の状態または疾患である。一部の場合において、状態または疾患は、角質層、胚芽層、有棘層(statum spinosum)、基底層、皮膚乳頭、皮脂腺、毛包、神経線維、立毛筋、皮膚乳頭、汗腺、またはこれらのいずれかの組み合わせの状態または疾患である。皮膚は、身体の任意の表面の皮膚を含むことができる。例えば、頭部、腕、脚、胴体、胃、足、趾、手の指、母指、前腕、背中、鼠径部、または身体上の任意の領域からの皮膚。一部の場合において、記載の組成物は、病原性の細菌、真菌、またはウイルスのコロニー形成の発生率の低減のために十分な量で存在する分離細菌を含む。一部の場合において、記載の組成物は、病原性の細菌、真菌、またはウイルスの遺伝子発現の低減のために十分な量で存在する分離細菌を含む。一部の場合において、記載の組成物は、病原性の細菌、真菌、またはウイルスの代謝の低減のために十分な量で存在する分離細菌を含む。一部の場合において、記載の組成物は、病原性の細菌、真菌、またはウイルスのビルレンスの低減のために十分な量で存在する分離細菌を含む。一部の場合において、疾患または状態は、細菌感染に関し得る。本明細書中に記載の医薬組成物での処置のための細菌感染の供給源は、S.aureus(メチシリン耐性S.aureus(MRSA)およびメチシリン感受性S.aureus(MSSA))、Gardnerella vaginalis、およびStreptococcus pyogenesを含むが、これらに限定されない。
【0095】
いくつかの実施形態では、皮膚の状態または疾患を、本明細書中に記載の組成物の投与によって処置する。一部の場合において、処置を、レシピエントにおいて有利または所望の結果を得るための医薬レジメンまたは他の介入レジメンを参照して使用することができる。有利または所望の結果は、治療上の利点および/または予防上の利点を含むが、これらに限定されない。治療上の利点は、処置される基礎となる障害の症状の根絶または改善を指し得る。一部の場合において、予防効果は、疾患または状態の出現の遅延、予防、または排除、疾患または状態の症状の発症の遅延もしくは排除、疾患または状態の進行の遅延、停止、または逆行を含むことができる。一部の場合において、炎症を、本明細書中に記載の組成物の投与によって処置する。本明細書中に記載の組成物の投与に従った処置のための皮膚の状態および疾患は、真菌症、乾燥皮膚、皮膚の痒み、皮膚糸状菌症(白癬菌属)、細菌性毛包炎、細菌感染、炎症の状態、または遺伝性の状態を含むが、これらに限定されない。本明細書中に記載の組成物の投与に従った処置のための皮膚の状態および疾患は、皮膚および軟部組織の感染を含む。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物の投与は、湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームの修復を含む。例えば、湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを、健康であるか湿疹を発症する傾向のないマイクロバイオームに修復することができる。一部の例において、真菌症は、マラセチア毛包炎、癜風、皮膚カンジダ症、カンジダ性爪囲炎を含む。一部の例において、皮膚糸状菌症(白癬菌属)は、頭部白癬(頭皮白癬)、白癬性毛瘡(ひげ白癬)、体幹白癬(体部白癬)、股部白癬(「いんきんたむし」)、足白癬(「足白癬」)、頭部白癬(頭皮白癬)、白癬性毛瘡(ひげ白癬)、体幹白癬(体部白癬)、爪白癬(爪真菌症)、手白癬(手)、顔面白癬(顔)を含む。一部の例において、細菌感染は、S.aureusの毛包炎、毛包炎、尋常性毛瘡(「床屋かゆみ症」)、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、せつ、膿瘍、フルンケル、乳腺炎、膿瘡、丹毒、壊死性筋膜炎、二次皮膚感染(例えば、創傷、皮膚炎、疥癬、糖尿病性潰瘍の二次皮膚感染など)、熱帯性潰瘍、水疱性指端炎、レンサ球菌性の肛門周囲および/または外陰性の皮膚炎を含む。一部の場合において、疾患または状態は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍を含む。一部の例において、遺伝性の状態は、ネザートン症候群を含む。一部の例において、炎症の状態は、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹、掻痒症、脂漏性皮膚炎、ざ瘡(尋常性ざ瘡)、乾癬(尋常性乾癬、尋常性の乾癬)、酒さ、汗腺膿瘍を含む。一部の場合において、皮膚の状態は、加齢状態(皺など)を含む。一部の場合において、皮膚の状態は、フケ症、または日光皮膚炎を含む。一部の場合において、皮膚の疾患または状態は、湿疹、おむつ負け、脂漏性皮膚炎、水疱、麻疹、疣贅、ざ瘡、第五病、じんま疹、白癬、細菌もしくは真菌感染症からの発疹(例えば、皮膚カンジダ症)、またはアレルギー反応からの発疹を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の組成物を、膣の状態を処置するために投与する。本明細書中に記載の組成物の投与に従った処置のための膣の状態および疾患は、外陰膣カンジダ症、再発性外陰膣カンジダ症、および細菌性膣症を含むことができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の組成物を被験体に局所投与することを含む、被験体における皮膚の状態を予防または軽減する方法を本明細書中に提供する。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物および方法は、美容上の不整(cosmetic irregularity)を改善するために使用される組成物である。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物および方法は、そう痒症(pruritis)、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するために使用される組成物である。一部の場合において、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。一部の例において、審美的状態は、美容上の不整である。美容上の不整が改善されると、小皺の発生、小皺の深さ、皺の発生、皺の深さ、鱗状の斑、粗さ、ざ瘡、瘢痕、不規則な色素沈着、黒点、肝斑、日光黒子、黒皮症、多形皮膚萎縮症、光線性角化症、悪性黒子、眼窩周囲の色素沈着過剰、てかり、ぎらつき、脂性の外見、水疱形成、剥離、痂皮形成、かさつき、または毛穴サイズが軽減され得る;皮膚の色合い、皮膚の硬さ、触覚的滑らかさ、柔軟性、艶、視覚的滑らかさ、または輝きが改善され得る。さらに、本明細書中に記載の組成物または方法を用いて美容上の不整が改善されると、皮膚上および/または皮膚内の病原性の細菌、ウイルス、または真菌を低減することを必要とする被験体の皮膚上および/または皮膚内の病原性の細菌、ウイルス、または真菌が低減し得る。一部の場合において、本明細書中に記載の組成物および方法により、経表皮性の水分喪失によって測定した場合の皮膚のバリア機能が向上する。本明細書中に記載の投与(例えば、局所、経口、または直腸)は再発を低減し得るので、皮膚の美容上の不整のさらなる出来事が、数、強度、または頻度に関して減少する。投与により、緩和の期間(出来事間の時間の長さなど)が増加し得る。いくつかの実施形態では、美容上の不整のさらなる出来事は、適用後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間生じない。いくつかの実施形態では、美容上の不整のさらなる出来事は、局所適用後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間生じない。例えば、本明細書中の組成物を、皺を減少させるか、病変サイズを減少させるか、毛穴サイズを減少させるか、毛穴密度を減少させるために投与する。被験体における皮膚の状態を予防または軽減する方法であって、皮膚の状態が、小皺の発生、小皺の深さ、皺の発生、皺の深さ、鼻唇ヒダ、鱗状の斑、粗さ、ざ瘡、瘢痕、発赤、不規則な色素沈着、張りの低下、皮膚バリアの低下、シミ、黒点、肝斑、光による損傷、日光曝露、日光曝露からの損傷、環境による損傷、日光黒子、黒皮症、多形皮膚萎縮症、光線性角化症、悪性黒子、眼窩周囲の色素沈着過剰、てかり、ぎらつき、脂性の外見、皮膚の保湿能力の減少、表皮の厚さの異常、真皮・上皮接合部の低下、水疱形成、剥離、痂皮形成、かさつき、毛穴サイズ、皮膚の色合い、皮膚の硬さ、肌のきめ、皮膚の弾力性、触覚的滑らかさ、柔軟性、艶、視覚的滑らかさ、輝き、またはこれらの組み合わせを含む、方法を本明細書中にさらに提供する。一部の場合において、処置に対する皮膚の状態および/または美容上の不整の有効性の評価を、10点満点制を使用して、被験体の処置領域(例えば、被験体の顔)に対して臨床的に格付けすることができる(0=なし、0.5~3.5=軽度、4~6.5=中等度、および7~10=重症)。一部の場合において、有効性評価を、一定期間(例えば、各々の処置後、または毎週、または毎月)実施することができる。全ての格付け評価を、格付けの一貫性を保証するために、各々の来院において同一の研究責任医師によるか、コンピュータによるアルゴリズムの実装によって実施することができる。一部の場合において、皺の数または皺の深さなどを測定し、これらは、臨床スコアの因子である。
【0098】
いくつかの実施形態では、炎症の症状を、本明細書中に記載の組成物の投与によって処置する。いくつかの実施形態では、皮膚の状態または疾患の症状を、本明細書中に記載の組成物の投与によって処置する。例えば、組成物を、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量で投与することができる。一部の場合において、症状は、瘤の隆起、瘤の変色、発疹、疼痛、そう痒、鱗状の皮膚、肌荒れ、皮膚の剥離、潰瘍、開放性のただれ、病変、乾燥皮膚、皮膚のひび割れ、皮膚のシミの変色、肉様隆起、疣贅、皮膚の成長、母斑、母斑のサイズもしくは色の変化、皮膚色素の喪失、または過剰な潮紅を含む。一部の場合において、症状は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、組成物を、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量で投与する。一部の場合において、組成物を、炎症に関連する状態(例えば、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑)の発生率の低減のために十分な量で投与する。
【0099】
いくつかの実施形態では、炎症の処置のための方法は、Bacillus wiedmanniiを含む組成物を局所投与することを必要とする被験体に該組成物を局所投与することを含む。一部の場合において、Bacillus wiedmanniiは精製されており、Bacillus wiedmanniiは、炎症の処置のために十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、方法は、皮膚におけるS.aureusの成長を減少させることを必要とする被験体の皮膚におけるS.aureusの成長を減少させることを含む。一部の場合において、方法は、Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesを含む医薬組成物を、該組成物を皮膚に局所投与することを必要とする被験体の皮膚に局所投与することを含む。一部の場合において、Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesは精製されており、Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesは生存可能であり、皮膚におけるS.aureusの低減を必要とする被験体の皮膚におけるS.aureusの低減のために十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するための方法は、Bacillus amyloliquefaciensを含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含む。一部の場合において、Bacillus amyloliquefaciensは精製されており、Bacillus amyloliquefaciensは、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、炎症に関連する状態の発生率を低下させるための方法は、Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeを含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含む。一部の場合において、Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeは精製されている。一部の場合において、Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeは、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量で存在する。一部の例において、炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、炎症を処置するための方法は、細菌株jl.27を含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含む。一部の場合において、jl.27株は精製されており、jl.27株は、炎症の処置のために十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、方法は、皮膚におけるS.aureusの成長を減少させることを必要とする被験体の皮膚におけるS.aureusの成長を減少させることを含む。一部の場合において、方法は、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株を含む医薬組成物を、該組成物を皮膚に局所投与することを必要とする被験体の皮膚に局所投与することを含む。一部の場合において、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株は精製されており、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株は生存可能であり、皮膚におけるS.aureusの低減を必要とする被験体の皮膚におけるS.aureusの低減のために十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するための方法は、jl.68株を含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含む。一部の場合において、jl.68株は精製されており、jl.68株は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、炎症に関連する状態の発生率を低下させるための方法は、jl.27株およびjl.121株を含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含む。一部の場合において、jl.27株およびjl.121株は精製されている。一部の場合において、jl.27株およびjl.121株は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量で存在する。一部の例において、炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。
【0101】
キット
本明細書中に記載の医薬組成物は、本明細書中に記載の細菌(例えば、凍結乾燥された細胞)が第1の容器に含まれ、1またはそれを超える薬学的に許容可能な賦形剤(例えば、水または緩衝液)が第2の容器に含まれるキットを含み得る。いくつかの実施形態では、キットを本明細書中に提供し、前記キットは、第1の容器であって、Staphylococcus cohnii、Staphylococcus capitis、Staphylococcus caprae、Bacillus tropicus、Bacillus mycoides、Bacillus wiedmannii、Bacillus mediterraneensis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus velezensis、Bacillus cereus、Bacillus cecembensis、Kocuria marina、Lysinibacillus macrolides、またはこれらの混合物を含む精製され凍結乾燥された細菌を含む、第1の容器と;第2の容器であって、薬学的に許容され得る賦形剤を含む、第2の容器とを含む。いくつかの実施形態では、キットを本明細書中に提供し、前記キットは、第1の容器であって、jl.83株、jl.27株、jl.77株、jl.68株、jl.121株、jl.21株、またはこれらの混合物を含む精製され凍結乾燥された細菌を含む、第1の容器と;第2の容器であって、薬学的に許容され得る賦形剤を含む第2の容器とを含む。いくつかの実施形態では、キットを本明細書中に提供し、前記キットは、第1の容器であって、Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macrolidesを含む精製され凍結乾燥された細菌を含む、第1の容器と;第2の容器であって、薬学的に許容され得る賦形剤を含む第2の容器とを含む。いくつかの実施形態では、キットを本明細書中に提供し、前記キットは、第1の容器であって、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus wiedmannii、およびStaphylococcus capraeを含む、第1の容器と;第2の容器であって、薬学的に許容され得る賦形剤を含む、第2の容器とを含む。いくつかの実施形態では、キットを本明細書中に提供し、前記キットは、第1の容器であって、Bacillus amyloliquefaciens;Bacillus tropicus;およびStaphylococcus capraeを含む精製され凍結乾燥された細菌を含む、第1の容器と;第2の容器であって、薬学的に許容され得る賦形剤を含む、第2の容器とを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、キットを本明細書中に提供し、前記キットは、第1の容器であって、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株を含む精製され凍結乾燥された細菌を含む、第1の容器と;第2の容器であって、薬学的に許容され得る賦形剤を含む、第2の容器とを含む。いくつかの実施形態では、キットを本明細書中に提供し、前記キットは、第1の容器であって、jl.68株、jl.27株、およびjl.121株を含む精製され凍結乾燥された細菌を含む、第1の容器と;第2の容器であって、薬学的に許容され得る賦形剤を含む、第2の容器とを含む。いくつかの実施形態では、キットを本明細書中に提供し、前記キットは、第1の容器であって、jl.68株;jl.21株;およびjl.121株を含む精製され凍結乾燥された細菌を含む、第1の容器と;第2の容器であって、薬学的に許容され得る賦形剤を含む、第2の容器とを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、キットを本明細書中に提供し、前記キットは、第1の容器であって、少なくとも103cfuの総量で存在する、表1からの1またはそれを超える種および/または表2からの1またはそれを超える株を含む精製され凍結乾燥された細菌を含む、第1の容器と;第2の容器であって、薬学的に許容され得る賦形剤を含む、第2の容器とを含む。一部の例において、キットは、1、2、3、4、5、またはそれを超える容器を、各々の容器が細菌の個別の株または種を含むために含む。キットを本明細書中にさら提供し、精製され凍結乾燥された細菌は、1015cfuまでの総量で存在する。キットを本明細書中にさら提供し、精製され凍結乾燥された細菌は、103~1012cfuの総量で存在する。
【0104】
番号を付けた実施形態
いくつかの組成物および方法を本明細書中に開示する。これらの組成物および方法を具体的に例示した実施形態を、以下に開示する。以下の実施形態は、本明細書中に開示の特徴の組み合わせの非限定的な並び替えを列挙している。特徴の組み合わせの他の並び替えも意図される。特に、これらの番号を付けた実施形態の各々は、その列挙した順序と無関係に、あらゆる前または後の番号を付けた実施形態に依存するか関連することが意図される。
【0105】
実施形態1.組成物であって、前記組成物が、精製された細菌種を含み、前記細菌種が、Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesを含み;(a)前記細菌種が凍結乾燥されており;あるいは(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【0106】
実施形態2.前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、実施形態1に記載の組成物。
【0107】
実施形態3.第4の細菌種をさらに含む、実施形態1に記載の組成物。
【0108】
実施形態4.組成物であって、前記組成物が、精製された細菌種を含み、前記細菌種が、Bacillus amyloliquefaciens;Bacillus wiedmannii;およびStaphylococcus capraeを含み;(a)前記細菌種が凍結乾燥されており;あるいは(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【0109】
実施形態5.前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、実施形態4に記載の組成物。
【0110】
実施形態6.第4の細菌種をさらに含む、実施形態4に記載の組成物。
【0111】
実施形態7.組成物であって、前記組成物が、精製された細菌種を含み、前記細菌種が、Bacillus amyloliquefaciens;Bacillus tropicus;およびStaphylococcus capraeを含み;(a)前記細菌種が凍結乾燥されており;あるいは(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【0112】
実施形態8.前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、実施形態7に記載の組成物。
【0113】
実施形態9.第4の細菌種をさらに含む、実施形態7に記載の組成物。
【0114】
実施形態10.組成物であって、前記組成物が、精製された細菌種を含み、前記細菌種が、以下の細菌種:Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、Lysinibacillus macrolides、Bacillus amyloliquefaciens、Staphylococcus caprae、およびBacillus tropicusのうちの少なくとも2つを含み、(a)前記少なくとも2つの細菌種は、凍結乾燥されている;あるいは、(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【0115】
実施形態11.前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、実施形態10に記載の組成物。
【0116】
実施形態12.組成物であって、前記組成物が、精製された細菌種を含み、前記細菌種が、Bacillus velezensisを含み;(a)前記細菌種が凍結乾燥されており;あるいは、(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【0117】
実施形態13.前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、実施形態12に記載の組成物。
【0118】
実施形態14.第2の細菌種をさらに含む、実施形態12に記載の組成物。
【0119】
実施形態15.組成物であって、前記組成物が、精製された細菌種を含み、前記細菌種が、Bacillus wiedmanniiを含み;(a)前記細菌種が凍結乾燥されており;あるいは、(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【0120】
実施形態16.前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、実施形態15に記載の組成物。
【0121】
実施形態17.第2の細菌種をさらに含む、実施形態15に記載の組成物。
【0122】
実施形態18.組成物であって、前記組成物が、精製された細菌種を含み、前記細菌種が、Lysinibacillus macroidesを含み;(a)前記細菌種が凍結乾燥されており;あるいは、(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【0123】
実施形態19.前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、実施形態18に記載の組成物。
【0124】
実施形態20.第2の細菌種をさらに含む、実施形態18に記載の組成物。
【0125】
実施形態21.組成物であって、前記組成物が、精製された細菌種を含み、前記細菌種が、Bacillus tropicusを含み;(a)前記細菌種が凍結乾燥されており;あるいは、(b)前記組成物が、皮膚への送達のために製剤化されている、組成物。
【0126】
実施形態22.前記組成物が、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている、実施形態21に記載の組成物。
【0127】
実施形態23.第2の細菌種をさらに含む、実施形態21に記載の組成物。
【0128】
実施形態24.前記組成物が、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載の組成物。
【0129】
実施形態25.前記組成物が、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む、実施形態1~24のいずれか1つに記載の組成物。
【0130】
実施形態26.前記細菌種を、好気的条件で成長させる、実施形態1~25のいずれか1つに記載の組成物。
【0131】
実施形態27.前記細菌種を、動物性生成物を用いずに成長させる、実施形態1~26のいずれか1つに記載の組成物。
【0132】
実施形態28.前記細菌種を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる、実施形態1~27のいずれか1つに記載の組成物。
【0133】
実施形態29.前記組成物が、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に約104cfu超を保持する、実施形態1~28のいずれか1つに記載の組成物。
【0134】
実施形態30.賦形剤をさらに含む、実施形態1~29のいずれか1つに記載の組成物。
【0135】
実施形態31.凍結乾燥保護剤をさらに含む、実施形態1~30のいずれか1つに記載の組成物。
【0136】
実施形態32.皮膚軟化薬をさらに含む、実施形態1~31のいずれか1つに記載の組成物。
【0137】
実施形態33.チアミンまたはその塩をさらに含む、実施形態1~32のいずれか1つに記載の組成物。
【0138】
実施形態34.前記細菌種が、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させ、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物。
【0139】
実施形態35.前記細菌種が、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在し、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物。
【0140】
実施形態36.アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物を投与する方法。
【0141】
実施形態37.アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物を投与する方法。
【0142】
実施形態38.前記投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に前記組成物を投与することを含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物を投与する方法。
【0143】
実施形態39.乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物を投与する方法。
【0144】
実施形態40.炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する前記状態が、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物を投与する方法。
【0145】
実施形態41.S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含み、前記発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する、実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物を投与する方法。
【0146】
実施形態42.皮膚の状態の処置で用いるための実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物。
【0147】
実施形態43.炎症の処置で用いるための実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物。
【0148】
実施形態44.炎症を処置するための方法であって、Bacillus wiedmanniiを含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含み、前記Bacillus wiedmanniiが精製されており、前記Bacillus wiedmanniiが炎症の処置のために十分な量で存在する、方法。
【0149】
実施形態45.皮膚におけるStaphylococcus aureusの成長を低下させることを必要とする被験体の皮膚におけるStaphylococcus aureusの成長を低下させるための方法であって、Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesを含む医薬組成物を、該組成物を皮膚に局所投与することを必要とする被験体の皮膚に局所投与することを含み、前記Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesが精製されており、前記Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesは生存可能であり、皮膚におけるS.aureusの低減を必要とする被験体の皮膚におけるS.aureusの低減のために十分な量で存在する、方法。
【0150】
実施形態46.アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するための方法であって、Bacillus amyloliquefaciensを含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含み、前記Bacillus amyloliquefaciensが精製されており、前記Bacillus amyloliquefaciensが、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量で存在する、方法。
【0151】
実施形態47.炎症に関連する状態の発生率を低下させるための方法であって、Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeを含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含み、前記Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeが精製されており、前記Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeが、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量で存在し、前記炎症に関連する状態が、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む、方法。
【0152】
実施形態48.そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物を投与する方法。
【0153】
実施形態49.前記審美的状態が、皺または老化の外見を含む、実施形態48に記載の方法。
【0154】
実施形態の概要
【0155】
組成物を本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種は、Bacillus velezensis;Bacillus wiedmannii;およびLysinibacillus macroidesを含む。いくつかの実施形態では、(a)細菌種は、凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第4の細菌種をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌種を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に約104cfu超を保持することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、チアミンまたはその塩をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させることができる。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。組成物を投与する方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、組成物を、その投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、方法は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の状態の処置で用いるためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、炎症の処置で用いるためのものである。
【0156】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種は、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeを含む。いくつかの実施形態では、(a)細菌種は、凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第4の細菌種をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌種を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に約104cfu超を保持することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、チアミンまたはその塩をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させることができる。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。組成物を投与する方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、組成物を、その投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、方法は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の状態の処置で用いるためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、炎症の処置で用いるためのものである。
【0157】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種は、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus tropicusおよびStaphylococcus capraeを含む。いくつかの実施形態では、(a)細菌種は、凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第4の細菌種をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌種を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に約104cfu超を保持することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、チアミンまたはその塩をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させることができる。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。組成物を投与する方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、組成物を、その投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、方法は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の状態の処置で用いるためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、炎症の処置で用いるためのものである。
【0158】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種は、以下の細菌種のうちの少なくとも2つを含む:Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、Lysinibacillus macrolides、Bacillus amyloliquefaciens、Staphylococcus capraeおよびBacillus tropicus。いくつかの実施形態では、(a)少なくとも2つの細菌種は、凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌種を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に約104cfu超を保持することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、チアミンまたはその塩をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させることができる。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。組成物を投与する方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、組成物を、その投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、方法は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の状態の処置で用いるためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、炎症の処置で用いるためのものである。
【0159】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種は、Bacillus velezensisを含む。いくつかの実施形態では、(a)細菌種は、凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌種をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌種を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に約104cfu超を保持することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、チアミンまたはその塩をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させることができる。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。組成物を投与する方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、組成物を、その投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、方法は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の状態の処置で用いるためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、炎症の処置で用いるためのものである。
【0160】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種は、Bacillus wiedmanniiを含む。いくつかの実施形態では、(a)細菌種は、凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌種をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌種を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に約104cfu超を保持することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、チアミンまたはその塩をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させることができる。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。組成物を投与する方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、組成物を、その投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、方法は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の状態の処置で用いるためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、炎症の処置で用いるためのものである。
【0161】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種は、Lysinibacillus macroidesを含む。いくつかの場合では、(a)細菌種は、凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌種をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌種を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に約104cfu超を保持することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、チアミンまたはその塩をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させることができる。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。組成物を投与する方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、組成物を、その投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、方法は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の状態の処置で用いるためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、炎症の処置で用いるためのものである。
【0162】
いくつかの実施形態では、組成物は、精製された細菌種を含む。いくつかの実施形態では、細菌種は、Bacillus tropicusを含む。いくつかの実施形態では、(a)細菌種は、凍結乾燥されている;あるいは(b)組成物は、皮膚への送達のために製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、チンキ剤、ゲル剤、フォーム剤、散剤、軟膏剤、パスタ剤、または油剤として製剤化されている。いくつかの実施形態では、組成物は、第2の細菌種をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも103コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、103~1012コロニー形成単位(cfu)/グラムの細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌種を、好気的条件で成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、動物性生成物を用いずに成長させる。いくつかの実施形態では、細菌種を、トリプシン大豆ブロス(TSB)中で成長させる。いくつかの実施形態では、組成物は、密封容器に入れ20℃に置いて保存した場合、cfuカウントによる測定で、6ヶ月後に約104cfu超を保持することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥保護剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化薬をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、チアミンまたはその塩をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusと接触した場合に、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現を低下させることができる。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、細菌種は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。組成物を投与する方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症、湿疹、乾癬、酒さ、真菌症、皮膚糸状菌症、毛包炎、ざ瘡、脱毛症、白斑、フケ症、慢性創傷、皮膚潰瘍、ネザートン症候群、汗腺膿瘍、尋常性毛瘡、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、膿痂疹、膿瘡、蜂巣炎、カルブンケル、フルンケル、および膿瘍からなる群から選択される疾患を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、そう痒症、審美的状態、および体臭からなる群から選択される状態を処置するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、審美的状態は、皺または老化の外見を含む。いくつかの実施形態では、方法は、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、組成物を、その投与前に湿疹を発症する傾向のあるマイクロバイオームを有する被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、乾燥皮膚に関連する症状を軽減するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量を投与することを含み、前記炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。いくつかの実施形態では、方法は、S.aureusにおける以下の遺伝子:gmk、agr、psma、saeR、ccpA、およびSigBのうちの少なくとも1つの発現の低下によって測定した場合に、S.aureusのビルレンスを抑制するのに十分な量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、発現の低下を、蛍光レポーターアッセイによって測定する。いくつかの実施形態では、組成物は、皮膚の状態の処置で用いるためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、炎症の処置で用いるためのものである。
【0163】
炎症を処置するための方法であって、Bacillus wiedmanniiを含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含む、方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、Bacillus wiedmanniiは精製されている。いくつかの実施形態では、Bacillus wiedmanniiは、炎症の処置のために十分な量で存在する。
【0164】
皮膚におけるStaphylococcus aureusの成長を低下させることを必要とする被験体の皮膚におけるStaphylococcus aureusの成長を低下させるための方法であって、Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesを含む医薬組成物を、該組成物を皮膚に局所投与することを必要とする被験体の皮膚に局所投与することを含む、方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesは精製されている。いくつかの実施形態では、Bacillus velezensis、Bacillus wiedmannii、およびLysinibacillus macroidesは生存可能であり、皮膚におけるS.aureusの低減を必要とする被験体の皮膚におけるS.aureusの低減のために十分な量で存在する。
【0165】
アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するための方法であって、Bacillus amyloliquefaciensを含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含む、方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、Bacillus amyloliquefaciensは精製されている。いくつかの実施形態では、Bacillus amyloliquefaciensは、アトピー性皮膚炎に関連する症状を軽減するのに十分な量で存在する。
【0166】
炎症に関連する状態の発生率を低下させるための方法であって、Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeを含む組成物を、該組成物を局所投与することを必要とする被験体に局所投与することを含む、方法も本明細書中に開示する。いくつかの実施形態では、Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeは精製されている。いくつかの実施形態では、Bacillus wiedmanniiおよびStaphylococcus capraeは、炎症に関連する状態の発生率の低減のために十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、炎症に関連する状態は、そう痒、発疹、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、または落屑を含む。
【実施例】
【0167】
実施例1:細菌株およびスクリーニング
【0168】
1750の細菌の分離菌を、20人の健常なドナーの皮膚の異なる部位から選別した。1750株のうち、609株を凍結し、180株を最初のスクリーニングのために選択した。180株を、Sanger配列決定を使用した16S全長配列決定によって同定した。リードをトリミングし、連結した。16S配列を、BLASTアルゴリズムによってNCBI16Sデータベースと比較し、種を、データベースからの上位ヒットとして同定した。品質管理のために最小閾値を配列に適用した。最初のスクリーニングにおける180株からの上位28株を、いくつかの実験のためにさらに選択した。表1は、選択された上位28株からの種を示す。
【0169】
S.aureusの株との分離菌(複数可)の相互作用を決定するための包括的アプローとしてのアレイアッセイにおいて株をスクリーニングした。簡潔に述べれば、分離菌およびS.aureus株を、数千のマイクロウェルを含むアレイアッセイに添加した。株を同定用の異なる波長の分子と混合し、混合したときに固有の波長コードが生成され、このコードを画像化デバイスによって読み取ってインプットを決定した。S.aureus株は、遺伝子発現の阻害についてスクリーニングするために使用されたプロモーター/レポーター株であった。皮膚分離菌(複数可)と共に成長させたときのプロモーター/レポーター株の発現の減少を、単独で成長させたプロモーター/レポーター株と比較した蛍光の減少として示した。
【0170】
S.aureusプロモーター/レポーター株は、目的の遺伝子のプロモーターの制御下で蛍光レポーターを含んでいた。生成されたプロモーター/レポーター株は、以下の通りであった:株1-クオラムセンシング誘導のためのagrプロモーター、株2-宿主組織に損傷を与える毒素のためのpsmAプロモーター、株3-ビルレンス調節のためのsaeRプロモーター、株4-ストレス応答シグマ因子のためのsigBプロモーター、株5-代謝(例えば、炭素異化代謝産物抑制)のためのccpAプロモーター、および株6-構成性代謝機能のためのGMKプロモーター。
【0171】
アレイアッセイのほかに、株を、多種多様のアッセイ(マイクロタイタープレート成長アッセイ、または別の液体培養成長アッセイなど)において遺伝子発現阻害について試験することができる。別の例では、株を、寒天プレート上で遺伝子阻害についてスクリーニングすることができる。
【0172】
実施例2:S.aureusの遺伝子発現阻害についての細菌の分離菌のペアワイズアッセイ
【0173】
健常人の皮膚からの180の多様な細菌の分離菌を、4つのS.aureusの挙動レポーターに対するペアワイズコンビナトリアルスクリーニングアッセイでスクリーニングした。S.aureusの挙動を、一連のプラスミド媒介「プロモーター-レポーター」株(その蛍光が1つの特異的な活性を報告する)を介して測定した。株の組み合わせを、アレイアッセイにおいて10日間スクリーニングした。対照は、1)分離菌なし(S.aureusの単独培養であった)、2)野生型S.aureus、および3)S.aureusの根絶についての負の対照としてのストレプトマイシンであった。スクリーニングでは、構成性代謝機能のためのレポーターGMK、クオラムセンシング誘導のためのレポーターagr、宿主組織に損傷を与える毒素のためのレポーターpsmA、およびストレス応答シグマ因子のためのレポーターsigBを分析した。
図1を参照して、
図1の左側は、スクリーニングした180の細菌の分離菌のうちで、ペアワイズ組み合わせのわずか3.8%が、単独培養レベルの3倍または12.5%までagrおよびpsmAを阻害したことを示す。同様に、
図1の右側は、スクリーニングした180の細菌の分離菌のうちで、ペアワイズ組み合わせのわずか1.1%が、単独培養レベルの3倍または12.5%までagr、psmA、およびsigBを阻害したことを示す。これらのデータは、複数の機能を保有する組み合わせが稀であることを示す。
【0174】
実施例3:S.aureusの遺伝子発現阻害についての細菌の分離菌の3つずつのアッセイ
【0175】
健常人の皮膚からの細菌の分離菌を、6つのS.aureusの挙動レポーターに対する3つずつのコンビナトリアルスクリーニングアッセイ(three-wise combinatorial screening assay)においてスクリーニングした。S.aureusの挙動を、一連のプラスミド媒介「プロモーター-レポーター」株(その蛍光が1つの特異的な活性を報告する)を介して測定した。株の組み合わせを、アレイアッセイにおいて4日間スクリーニングした。株混合物の条件は、1)分離菌なし(S.aureusの単独培養であった)、2)分離株を含む野生型S.aureus、および3)、S.aureusの根絶についての負の対照としてのストレプトマイシンであった。スクリーニングでは、クオラムセンシング誘導のためのレポーターagr、宿主組織に損傷を与える毒素のためのレポーターpsmA、ビルレンス調節のためのレポーターsaeR、ストレス応答シグマ因子のためのレポーターsigB、代謝(例えば、炭素異化代謝産物抑制)のためのレポーターccpA、および構成性代謝機能のためのレポーターGMKの発現を分析した。
【0176】
図2を参照して、Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した活性の百分率を示す。X軸は、コンビナトリアルスクリーニングアッセイにおける株を示す。1またはそれを超える株に伴う「X」は、上位28の分離菌からの全ての個別の株を混合物に添加したことを示し、混合物からの平均を示す。例えば、jl27+jl77+Xデータは、26の異なる3つずつの組成物の平均である。別の例では、jl27+X+Xは、351の異なる組成物の平均である。ランダムコミュニティは、上位28の分離菌から無作為に選択された3分離菌のコミュニティである。レポーターを以下の通り左から右に示す:agr、psmA、saeR、sigB、ccpA、およびGMK。jl.83株、jl.27株、およびjl.77株を含む3つずつの組み合わせは、S.aureusのagr(クオラムセンシング)およびpsmA(毒素産生)の抑制に有効であった;これらの対は依然としてより強力であった;3つ全てを合わせると最大の効果が得られた。いくつかの条件では、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株を含む3つずつの組み合わせは、S.aureusのsaeR、sigB、ccpA、およびGMKの抑制に有効であった。3つ全てを合わせると、単独培養と比較して全てのレポーターの活性を10%未満の活性に減少させた。前記減少は、単独培養と比較してsaeR、sigB、ccpA、およびGMKの発現レベルを約20%~40%にしか減少させなかったランダムコミュニティと比較して予想外であった。データは、株の組み合わせがS.aureusの遺伝子発現の阻害に有効であり得ることを示す。
【0177】
図3を参照して、Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した活性の百分率を示す。X軸は、コンビナトリアルスクリーニングアッセイにおける株を示す。1またはそれを超える株に伴う「X」は、上位28の分離菌からの全ての個別の株を混合物に添加したことを示し、混合物からの平均を示す。例えば、jl21+jl68+Xデータは、26の異なる3つずつの組成物の平均である。別の例では、jl21+X+Xは、351の異なる組成物の平均である。ランダムコミュニティは、上位28の分離菌から無作為に選択された3分離菌のコミュニティである。レポーターを以下の通り左から右に示す:agr、psmA、saeR、sigB、ccpA、およびGMK。jl.21株、jl.68株、およびjl.121株を含む3つずつの組み合わせは、S.aureusのagr(クオラムセンシング)およびpsmA(毒素産生)の抑制に有効であった;これらの対は依然としてより強力であった;3つ全てを合わせると最大の効果が得られた。いくつかの条件では、jl.21株、jl.68株、およびjl.121株を含む3つずつの組み合わせは、S.aureusのsaeR、sigB、ccpA、およびGMKの抑制に有効であった。3つ全てを合わせると、単独培養と比較して全てのレポーターの活性を10%未満の活性に減少させた。前記減少は、単独培養と比較してsaeR、sigB、ccpA、およびGMKの発現レベルを約20%~40%にしか減少させなかったランダムコミュニティと比較して予想外であった。データは、株の組み合わせがS.aureusの遺伝子発現の阻害に有効であり得ることを示す。
【0178】
図4を参照して、Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した活性の百分率を示す。X軸は、コンビナトリアルスクリーニングアッセイにおける株を示す。1またはそれを超える株に伴う「X」は、上位28の分離菌からの全ての個別の株を混合物に添加したことを示し、混合物からの平均を示す。例えば、jl27+jl68+Xデータは、26の異なる3つずつの組成物の平均である。別の例では、jl27+X+Xは、351の異なる組成物の平均である。ランダムコミュニティは、上位28の分離菌から無作為に選択された3分離菌のコミュニティである。レポーターを以下の通り左から右に示す:agr、psmA、saeR、sigB、ccpA、およびGMK。jl.27株、jl.68株、およびjl.121株を含む3つずつの組み合わせは、S.aureusのagr(クオラムセンシング)およびpsmA(毒素産生)の抑制に有効であった;これらの対は依然としてより強力であった;3つ全てを合わせると最大の効果が得られた。いくつかの条件では、jl.27株、jl.68株、およびjl.121株を含む3つずつの組み合わせは、S.aureusのsaeR、sigB、ccpA、およびGMKの抑制に有効であった。3つ全てを合わせると、単独培養と比較して全てのレポーターの活性を10%未満の活性に減少させた。前記減少は、単独培養と比較してsaeR、sigB、ccpA、およびGMKの発現レベルを約20%~40%にしか減少させなかったランダムコミュニティと比較して予想外であった。データは、株の組み合わせがS.aureusの遺伝子発現の阻害に有効であり得ることを示す。
【0179】
実施例4:異なる環境条件でのS.aureusの遺伝子発現阻害のアッセイ
【0180】
jl.83株、jl.27株 jl.77株 jl.21株、jl.68株、およびjl.121株の3つずつの組み合わせを、栄養素などのさらなる環境成分を混合物に添加した場合のS.aureusの挙動の評価でスクリーニングした。S.aureusの挙動を、一連のプラスミド媒介「プロモーター-レポーター」株(その蛍光が1つの特異的な活性を報告する)を介して測定した。株および環境条件の組み合わせを、アレイにおいて1日間スクリーニングした。株混合物の条件は、1)S.aureusの単独培養、および2)3つの皮膚分離菌と混合したS.aureusであった。スクリーニングでは、クオラムセンシング誘導のためのレポーターagr、宿主組織に損傷を与える毒素のためのレポーターpsmA、および構成性代謝機能のためのレポーターGMKの発現を分析した。
【0181】
図5を参照して、Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した百分率変化を示す。単独培養条件を、灰色のバーを用いて示し、黒色のバーは、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株を培養物に添加した条件を示す。X軸は、試験した環境条件を示す。条件を左から右に示す:(1)基礎培地、次いで、以下のうちの1つを補足した基礎培地:(2)アセテート、(3)ベータ-アラニン、(4)ビカルボネート、(5)ビオチン、(6)ブチレート、(7)カフェイン、(8)シトレート、(9)クレアチン、(10)D-セロビオース、(11)D-フルクトース、(12)D-グルコサミン、(13)D-グルコース、(14)D-マンニトール、(15)D-ラフィノース、(16)D-ソルビトール、(17)D-スクロース、(18)D-トレハロース、(19)D-キシロース、(20)ホルメート、(21)GlcNAc、(22)グリセロール、(23)グリシン、(24)L-アラニン、(25)L-アラビノース、(26)L-アルギニン、(27)L-シトルリン、(28)L-グルタミン、(29)L-ヒドロキシプロリン、(30)L-イソロイシン、(31)L-ロイシン、(32)L-メチオニン、(33)L-オルニチン、(34)L-プロリン、(35)L-セリン、(36)L-タウリン、(37)L-トレオニン、(38)L-バリン、(39)L-アスコルベート、(40)L-ラクテート、(41)ニコチンアミン、(42)ポリソルベート20、(43)ポリソルベート80、(44)プロピオネート、(45)ピルベート、(46)スクシネート、(47)チアミン、(48)トリエタノールアミン、または(49)尿素。データは、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株を含む株組み合わせが、全ての試験環境条件(S.aureusの成長を補助した条件を含む)で、S.aureusのagr(クオラムセンシング)、psmA(毒素産生)、およびGMK(代謝機能)の抑制に有効であったことを示す。
【0182】
図6を参照して、Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した百分率変化を示す。単独培養条件を、灰色のバーを用いて示し、黒色のバーは、jl.21株、jl.68株、およびjl.121株を培養物に添加した条件を示す。X軸は、試験した環境条件を示す。条件を左から右に示す:(1)基礎培地、次いで、以下のうちの1つを補足した基礎培地:(2)アセテート、(3)ベータ-アラニン、(4)ビカルボネート、(5)ビオチン、(6)ブチレート、(7)カフェイン、(8)シトレート、(9)クレアチン、(10)D-セロビオース、(11)D-フルクトース、(12)D-グルコサミン、(13)D-グルコース、(14)D-マンニトール、(15)D-ラフィノース、(16)D-ソルビトール、(17)D-スクロース、(18)D-トレハロース、(19)D-キシロース、(20)ホルメート、(21)GlcNAc、(22)グリセロール、(23)グリシン、(24)L-アラニン、(25)L-アラビノース、(26)L-アルギニン、(27)L-シトルリン、(28)L-グルタミン、(29)L-ヒドロキシプロリン、(30)L-イソロイシン、(31)L-ロイシン、(32)L-メチオニン、(33)L-オルニチン、(34)L-プロリン、(35)L-セリン、(36)L-タウリン、(37)L-トレオニン、(38)L-バリン、(39)L-アスコルベート、(40)L-ラクテート、(41)ニコチンアミン、(42)ポリソルベート20、(43)ポリソルベート80、(44)プロピオネート、(45)ピルベート、(46)スクシネート、(47)チアミン、(48)トリエタノールアミン、または(49)尿素。全ての場合において、株組み合わせは、3つ全てのレポーターの発現を単独培養レベルの10%未満に減少させることができた。データは、jl.21株、jl.68株、およびjl.121株を含む株組み合わせが、全ての試験環境条件(S.aureusの成長を補助した条件を含む)で、S.aureusのagr(クオラムセンシング)、psmA(毒素産生)、およびGMK(代謝機能)の抑制に有効であったことを示す。全ての場合において、株組み合わせは、3つ全てのレポーターの発現を単独培養レベルの10%未満に減少させることができた。
【0183】
図7を参照して、Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した百分率変化を示す。単独培養条件を、灰色のバーを用いて示し、黒色のバーは、jl.27株、jl.68株、およびjl.121株を培養物に添加した条件を示す。X軸は、試験した環境条件を示す。条件を左から右に示す:(1)基礎培地、次いで、以下のうちの1つを補足した基礎培地:(2)アセテート、(3)ベータ-アラニン、(4)ビカルボネート、(5)ビオチン、(6)ブチレート、(7)カフェイン、(8)シトレート、(9)クレアチン、(10)D-セロビオース、(11)D-フルクトース、(12)D-グルコサミン、(13)D-グルコース、(14)D-マンニトール、(15)D-ラフィノース、(16)D-ソルビトール、(17)D-スクロース、(18)D-トレハロース、(19)D-キシロース、(20)ホルメート、(21)GlcNAc、(22)グリセロール、(23)グリシン、(24)L-アラニン、(25)L-アラビノース、(26)L-アルギニン、(27)L-シトルリン、(28)L-グルタミン、(29)L-ヒドロキシプロリン、(30)L-イソロイシン、(31)L-ロイシン、(32)L-メチオニン、(33)L-オルニチン、(34)L-プロリン、(35)L-セリン、(36)L-タウリン、(37)L-トレオニン、(38)L-バリン、(39)L-アスコルベート、(40)L-ラクテート、(41)ニコチンアミン、(42)ポリソルベート20、(43)ポリソルベート80、(44)プロピオネート、(45)ピルベート、(46)スクシネート、(47)チアミン、(48)トリエタノールアミン、または(49)尿素。全ての場合において、株組み合わせは、3つ全てのレポーターの発現を単独培養レベルの約50%未満に減少させることができた。データは、jl.27株、jl.68株、およびjl.121株を含む株組み合わせが、全ての試験環境条件(S.aureusの成長を補助した条件を含む)で、S.aureusのagr(クオラムセンシング)、psmA(毒素産生)、およびGMK(代謝機能)の抑制に有効であったことを示す。
【0184】
実施例5:チアミンによるS.aureusの遺伝子発現阻害の増強のアッセイ
【0185】
jl.83株、jl.27株、およびjl.77株を、チアミンを混合物に添加した場合のS.aureusの挙動の評価でスクリーニングした。S.aureusの挙動を、一連のプラスミド媒介「プロモーター-レポーター」株(その蛍光が1つの特異的な活性を報告する)を介して測定した。株および環境条件の組み合わせを、アレイアッセイにおいて1日間スクリーニングした。株混合物の条件は、(1)S.aureusの単独培養、(2)過剰なチアミンを有する培地におけるS.aureusの単独培養、(3)jl.83株、jl.27株、およびjl.77株と混合したS.aureus、ならびに(4)過剰なチアミンを有する培地におけるjl.83株、jl.27株、およびjl.77株と混合したS.aureusであった。アレイアッセイでは、クオラムセンシング誘導のためのレポーターagr、宿主組織に損傷を与える毒素のためのレポーターpsmA、および構成性代謝機能のためのレポーターGMKの発現を分析した。
図8を参照して、Y軸は、S.aureusの単独培養と比較した活性の百分率を示す。X軸は、S.aureusのagr(クオラムセンシング)、psmA(毒素産生)、およびGMK(代謝機能)の発現を示す。各々の遺伝子について、3つの株混合物の条件を左から右に示し、前記条件は、条件(4)、条件(3)、および条件(2)である。チミンの添加は、驚いたことに、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株と共に添加した場合に、S.aureusのagr(クオラムセンシング)およびpsmA(毒素産生)の発現抑制において、相乗効果を示した。例えば、agr発現およびpsmA発現は、両方の場合において1/2未満に減少した。このデータは、チミンが細菌の混合物との相乗効果を示してS.aureusの遺伝子阻害を増加させたことを示す。
【0186】
実施例6:動物由来物質を含まない培地で成長させた分離株
【0187】
細菌の分離菌jl.27株、jl.77株、jl.83株、jl.21株、jl.68株、およびjl.121株を、動物由来物質ベースの培地トリプシン大豆ブロス(TSB)および種々の動物由来物質を含まない培地(AFM)において類似の条件で成長させた。株を、同数の細菌の接種後48時間成長させた。
図9を参照して、Y軸は、試験した培地にわたって観察されたコロニー形成単位(cfu)/mLを示す。X軸は、試験した株および試験した株のために使用した動物由来物質を含まない培地配合物(例えば、動物由来物質を含まない培地配合物6についてはAFM-6)を示す。試験した株は、jl.27株(jl27)、jl.77株(jl77)、jl.83株(jl83)、jl.21株(jl21)、jl.68株(jl68)、およびjl.121株(jl121)であった。動物由来物質を含まない培地で成長したほとんどの株について、48時間後の培養cfu/mlが10~100倍改善された。データは、株を、様々な培地で培養することができ、医薬組成物などの組成物の生産のために動物由来物質を含まない培地で製造することができることを示す。
【0188】
実施例7:細菌の分離菌の組み合わせを用いたS.aureusの成長阻害のアッセイ
【0189】
健常人の皮膚からの細菌の分離菌を、いくつかのS.aureus株の成長を阻害する能力について試験した。株を、同数の細菌の接種後48時間成長させた。
図10、
図11、および
図12を参照して、Y軸は、株組み合わせによる成長阻害の効果を示す。X軸は、アンサンブル(例えば、3つの株の組み合わせ)またはS.aureus株のみの存在下での異なるS.aureus株の成長を示す。試験したS.aureus株について、アンサンブルは棒グラフの左側であり、S.aureus株のみは棒グラフの右側である。
図10は、アンサンブルjl27/jl77/jl83(jl.27株、jl.77株、およびjl.83株)を試験し、
図11は、アンサンブルjl21/jl68/jl121(jl.21株、jl.68株、およびjl.121株)を試験し、
図12は、アンサンブルjl27/jl68/jl121(jl.27株、jl.68株、およびjl.121株)を試験した。3つ全ての試験した株組み合わせは、異なるS.aureus株の成長を阻害することができた。これは、株組み合わせが多種多様のS.aureus株に対して有効であることを示唆している。
【0190】
実施例8:Bacillus wiedmanniiのみおよびさらなる株との組み合わせを用いたS.aureusの遺伝子発現阻害のアッセイ
【0191】
jl.27株を、健常人の皮膚から分離し、4つのS.aureusの挙動レポーターに対するペアワイズコンビナトリアルスクリーニングアッセイでスクリーニングした。S.aureusの挙動を、一連のプラスミド媒介「プロモーター-レポーター」S.aureus株(その蛍光が1つの特異的な活性を報告する)を介して測定した。株の組み合わせを、アレイアッセイにおいてスクリーニングした。株混合物の条件は、1)jl.27株の自家交雑、2)無作為な皮膚分離菌を伴うjl.27株、および3)S.aureusの遺伝子発現の阻害を示した別の分離菌を伴うjl.27株であった。スクリーニングでは、クオラムセンシング誘導のためのレポーターagr、ストレス応答シグマ因子のためのレポーターsigB、宿主組織に損傷を与える毒素のためのレポーターpsmA、および構成性代謝機能のためのレポーターGMKの発現を分析した。
図13を参照して、Y軸は、共培養/S.aureusプロモーター-レポーター単独培養のlog
2発現変化を示す。X軸は、試験した遺伝子プロモーターを示す。大きな丸は、自家交雑(jl.27株およびjl.27株)についてのデータポイントを示す。小さな黒丸は、S.aureusの遺伝子発現の阻害を示した別の分離菌と交雑させたjl.27株を示す。小さな淡灰色の丸は、無作為な皮膚分離菌を伴うjl.27株を示す。データは、jl.27株がS.aureusの成長、ストレス、および毒素産生に対して強力な抑制効果を有していたことを示す。また、S.aureusにおいてクオラムセンシングが強力に抑制される組み合わせが多く生じた。このデータは、jl.27株がS.aureusの遺伝子発現阻害において単独または組み合わせで有効であることを示す。
【0192】
実施例9:さらなる微生物の存在下でのS.aureusの遺伝子発現の阻害
【0193】
jl.83株、jl.27株 jl.77株 jl.21株、jl.68株、およびjl.121株の3つずつの組み合わせ、2つずつの組み合わせ、および個別の株を、異なる微生物が存在する場合のS.aureusの挙動の評価でスクリーニングした。混合物に添加された細菌株を、最初の609の凍結株のコレクションから選択された92株から無作為に選択した。S.aureusの挙動を、一連のプラスミド媒介「プロモーター-レポーター」株(その蛍光が1つの特異的な活性を報告する)を介して測定した。スクリーニングでは、レポーター:クオラムセンシング誘導のためのagr、宿主組織に損傷を与える毒素のためのpsmA、および構成性代謝機能のためのGMKの発現を分析した。株の組み合わせを、成長の1日後にアレイにおいてスクリーニングした。株混合物の条件は、1)さらなる4株セットを伴う3つずつの組み合わせ、2)さらなる5株セットを伴う2つずつの組み合わせ、および3)さらなる6株セットを伴う1つの個別株であった。例えば、jl121/jl21/jl68+4Xは、jl.121、jl.21、およびjl.68ならびに最大4つのさらなる微生物(89株から選択)が存在する試験コミュニティを示す。別の例では、jl121/jl21+5Xは、jl.121およびjl.21ならびに最大5つのさらなる微生物(90株から選択)が存在する試験コミュニティを示す。別の例では、jl121+6Xは、jl.121および最大6つのさらなる微生物(91株から選択)が存在する試験コミュニティを示す。
【0194】
図14を参照して、Y軸は、S.aureusの単独培養(すなわち、単独培養が100%である)と比較したレポーターの発現百分率を示す。X軸は、試験した株の組み合わせを示す。試験した株は、jl.121株、jl.21株、およびjl.68株であった。これらの株を、7株コミュニティが形成されるように株を無作為に選択した異なる組み合わせで試験した。データは、jl.121株、jl.21株、およびjl.68株を含む株組み合わせが、(1)S.aureusのagr(クオラムセンシング)、psmA(毒素産生)、およびGMK(代謝機能)の抑制に有効であったこと;(2)株組み合わせ(アンサンブル)が、他の微生物が存在する場合でさえも依然として強力に機能し、組み合わせがネイティブなマイクロバイオームでうまく機能すると示唆されること;および(3)3種の組み合わせの任意のサブセットが存在する場合よりも強力に機能することを示す。例えば、jl.121株、jl.21株、およびjl.68株の3種の組み合わせは、agr発現が約5%未満に低下し、psmA発現が約2%未満に低下し、GMK発現が約20%未満に低下したので、より大きなコミュニティに対してロバストであり、そのサブセットよりロバストである。
【0195】
図15を参照して、S.aureusの単独培養(すなわち、単独培養が100%である)と比較したレポーターの発現百分率を示す。X軸は、試験した株の組み合わせを示す。試験した株は、jl.121株、jl.27株、およびjl.68株であった。これらの株を、7株コミュニティが形成されるように株を無作為に選択した異なる組み合わせで試験した。データは、jl.121株、jl.27株、およびjl.68株を含む株組み合わせが、(1)S.aureusのagr(クオラムセンシング)、psmA(毒素産生)、およびGMK(代謝機能)の抑制に有効であったこと;(2)株組み合わせ(アンサンブル)が、他の微生物が存在する場合でさえも依然として強力に機能し、組み合わせがネイティブなマイクロバイオームでうまく機能すると示唆されること;および(3)3種の組み合わせの任意のサブセットが存在する場合よりも強力に機能することを示す。例えば、jl.121株、jl.27株、およびjl.68株の3種の組み合わせは、agr発現が約5%未満に低下し、psmA発現が約2%未満に低下し、GMK発現が約40%未満に低下したので、より大きなコミュニティに対してロバストであり、そのサブセットよりロバストである。
【0196】
図16を参照して、S.aureusの単独培養(すなわち、単独培養が100%である)と比較したレポーターの発現百分率を示す。X軸は、試験した株の組み合わせを示す。試験株は、jl.27株、jl.77株、およびjl.83株であった。これらの株を、7株コミュニティが形成されるように株を無作為に選択した異なる組み合わせで試験した。データは、jl.27株、jl.77株、およびjl.83株を含む株組み合わせが、(1)S.aureusのagr(クオラムセンシング)、psmA(毒素産生)、およびGMK(代謝機能)の抑制に有効であったこと;(2)株組み合わせ(アンサンブル)が、他の微生物が存在する場合でさえも依然として強力に機能し、組み合わせがネイティブなマイクロバイオームでうまく機能すると示唆されること;および(3)3種の組み合わせの任意のサブセットが存在する場合よりも強力に機能することを示す。例えば、jl.27株、jl.77株、およびjl.83株の3種の組み合わせは、agr発現が約2%未満に低下し、psmA発現が約2%未満に低下し、GMK発現が約10%未満に低下したので、より大きなコミュニティに対してロバストであり、そのサブセットよりロバストである。
【0197】
実施例10:皮膚炎症の臨床研究
【0198】
皮膚の炎症の診断を受けた女性被験体を、jl.21株、jl.68株、およびjl.121株を含む医薬組成物で処置する。医薬組成物を2週間投与した後、以下を観察する:疼痛量、発赤量、腫脹量、およびそう痒量。
【0199】
実施例11:アトピー性皮膚炎の臨床研究
【0200】
アトピー性皮膚炎の診断を受けた男性被験体を、jl.83株、jl.27株、およびjl.77株を含む医薬組成物で処置する。医薬組成物を3週間投与した後、以下を観察する:かさつきの量、発赤量、乾燥量、および剥離量。
【0201】
実施例12:分離株の配列
【0202】
分離株を、全ゲノム配列決定および生成されたコンティグのアセンブリに供した。さらに、16s rRNA遺伝子配列を、Sanger配列決定によって配列決定し、手作業でトリミングした。分離株からの16s rRNA配列を、表6に示す。さらに、いくつかの識別子配列を、同定のために各々の分離株のアセンブリから得た。分離株からの識別子配列を表7に示す。識別子配列を同定するために、ゲノムアセンブリを、株識別配列について評価した。アセンブリを、エッジ効果を最小にするために各々のアセンブリ配列の各々のサイドから1000bpを除去することによって前処理し、収穫後に得られた配列長が10kbp未満であった場合、考慮から排除した。一連の新規の部分配列を、いくらかの長さのスライディングウィンドウを適用すること(ウィンドウ全体にわたって10%重複を有する)によって作出した;500bp重複を有する5000bpのウィンドウを使用し、120bp重複を有する1200bpウィンドウを使用した。配列を、2022年9月17日にダウンロードした国立生物工学情報センター(NCBI)提供のヌクレオチドコレクションデータベース(ヌクレオチドコレクション(nt)データベース)からのBLASTによって検索した。クエリカバレッジが99%より大きいまたはそれに等しく、かつ配列同一性パーセントが98%未満であるBLAST配列検索結果を有していた識別子配列が、表7に含まれる。
【0203】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【0204】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【表7-5】
【表7-6】
【表7-7】
【表7-8】
【表7-9】
【表7-10】
【0205】
実施例13:jl.68株と混合した場合の寒天プレート上のS.aureusのクオラムセンシングおよび代謝発現
【0206】
GMKプロモーター融合GFPレポーターまたはagrプロモーター融合GFPレポーターを含むS.aureusレポーター株を、寒天プレート上に播種した。10マイクロリットルのjl.68株を、プレートの中央部にプレーティングした。37℃で24時間のインキュベーション後に、プレートの画像を撮影した。
図17A~
図17Bは、S.aureusレポーター株の発現および成長を示す。レポーターの発現を、GFP列中に示す。S.aureusの成長を、明視野列中に示す。画像は、jl.68株の細胞が寒天プレート上のS.aureusの成長を遅延させ、クオラムセンシングに影響を及ぼすことを示唆している。
【0207】
実施例14:選択された株および選択された株の上清との混合後のS.aureusの成長およびS.aureus遺伝子の発現
【0208】
GMKプロモーター融合GFPレポーターまたはagrプロモーター融合GFPレポーターを含むS.aureusレポーター株を、以下の条件にて液体培養で成長させた:単独培養で、S.aureus WTと混合して(対照);jl.27株、jl.68株、およびjl.77株と混合して;jl.68株のみと混合して;jl.27株、jl.68株、およびjl.77株の上清と混合して;またはjl.68株のみからの上清と混合して成長させた。GMKおよびagrの発現を、24時間のインキュベーション後に決定した。発現およびCFUのレベルを、PBS対照と比較し、(時間24-時間0)/(時間24のPBS-時間0のPBS)によって計算した。
図18A~
図18Fは、Y軸においてPBSと比較したレベルを示し、X軸において異なる成長条件でのCFU、GMK発現、およびagr発現を示す。ゼロ未満の値を0に設定したので「agr」のエラーバーが見かけ上大きい。
図18Aは、S.aureusの単独培養対照におけるS.aureusのCFUならびにGMKおよびagrの発現を示す。
図18Bは、ai.15(S.aureus WT)との1:1共培養を示し、クオラムセンシングが増加したが、細胞の生存率や代謝に対する影響はほとんどないかまったくなかった。
図18C~
図18Dは、jl.27株、jl.68株、およびjl.77株またはjl.68株との1:1共培養を示し、細胞生存率が減少した(1%未満(CFU))。同様に、クオラムセンシング(agr-GFP)は、PBS対照と比較して無視できるレベル(ほぼ0%)まで低下し、代謝(GMK-GFP)は、PBS対照と比較して5~10%まで低下した。
図18E~
図18Fは、jl.27株、jl.68株、およびjl.77株、またはjl.68株の上清がクオラムセンシング(agr-GFP)を減少させた(ほぼ0%)ことを示す。細胞生存率(CFU)は影響を受けず、代謝(GMK-GFP)は、PBS対照と比較して5~10%まで低下した。高密度S.aureus(10
9CFU/mL)との液体共培養では、jl.27株、jl.68株、およびjl.77株の3つの株組み合わせならびに単一のjl.68株は、クオラムセンシング(agr)を抑制し、生存率を低下させた(1%未満)。同様に、上清は、生存率を低下させることなくクオラムセンシングに対するこの効果を維持した。
【0209】
実施例15:選択された株の上清との混合後のS.aureusの代謝およびクオラムセンシングの発現
【0210】
GMKプロモーター融合GFPレポーターまたはagrプロモーター融合GFPレポーターを含むS.aureusレポーター株を、1E4、1E5、1E6、1E7、1E8、または1E9CFU/mlのように開始密度を漸増させた液体培養で成長させた。液体培養物を、PBSまたは10%(v/v)のjl.68株の一晩培養物からの上清と混合した。培養物を48時間成長させた。発現レベルを、PBS対照と比較し、(時間48-時間0)/(時間48のPBS-時間0のPBS)によって計算した。
図19Aは、GMKの発現をプロットしたグラフを示し、
図19Bは、agrの発現を示す。グラフは、PBS対照と比較した48時間にわたるGMKまたはagrの活性をY軸に示す。X軸は、異なる濃度のS.aureusの初期密度を示す。代謝(拡大解釈すると、クオラムセンシング)は、S.aureusの低密度培養物(1E6 CFU/mLでまたはそれ未満から開始)で停止されるようであった。中密度およびより高い密度のS.aureus培養物において代謝が部分的に修復されているようであり(上清なしと比較して20~30%)、一方、クオラムセンシングはわずかしか増加しなかった(上清なしと比較して1~3%)。この実験からの結果は、上清が代謝を遅延させ、S.aureusを、それがクオラムセンスではないよりゆっくりとした成長状況に至らせ、そして/あるいは上清がクオラムセンシングに作用して代謝活性全体を遅延させることを示し得る。
【0211】
実施例16:選択された株の上清との混合後のS.aureusの成長阻害
【0212】
agrプロモーター融合GFPレポーターを含むS.aureusを、0%(PBS対照)、5%、または10%(v/v)のjl.68株からの上清を含むTSB寒天プレート上に10倍希釈系列でプレーティングした。プレートを37℃で18時間インキュベートし、コロニーをカウントした。
図20は、種々のパーセンテージのjl.68株からの上清を含む寒天プレート上にS.aureusの希釈系列を含むプレートの画像を示す。未変更のTSB培地の存在下では、およそ6~7つの10倍希釈系列の個別のコロニーを飽和培養物としてカウントできた。これらは鮮やかに蛍光を発しており、クオラムセンシングが作動していることを示していた。5%のjl.68株上清の存在下では、コロニーは、目視によってより小さく、かつ蛍光がはるかに弱く、成長およびクオラムセンシングが影響を受けたことを示唆していた。コロニーカウントは、TSBのみの対照と比較して明らかに変化していなかった。18時間で、コロニーはほとんど目視できなかった。10%のjl.68株上清の存在下では、カウント可能なコロニーは存在しなかった。プレーティングした培養物の残留物が存在し、蛍光は検出されなかった。時折、上清の阻害効果を克服する希釈度の低いケースではコロニーが出現した。まとめると、データは、寒天表面に包埋したjl.68株上清がS.aureusのコロニー生育およびクオラムセンシングを実質的に排除したことを示す。
【0213】
本発明の好ましい実施形態を本明細書中に示し、説明しているが、かかる実施形態をほんの一例として提供していることが当業者に明らかである。当業者であるならば、本発明を逸脱することなく、多数の変形形態、変更形態、および置換形態を直ちに想到する。本発明の実施において、本明細書中に記載の発明の実施形態の種々の代替形態を使用することができると理解すべきである。以下の請求項は、本発明の範囲を定義しており、これらの請求項の範囲内の方法および構造物ならびにその均等物がそれによって包含されることが意図される。
【配列表】
【国際調査報告】