(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ベース線量の計算方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A61N5/10 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527848
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 US2022049727
(87)【国際公開番号】W WO2023086588
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519392384
【氏名又は名称】エムアイエム ソフトウェア, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523357371
【氏名又は名称】ジーティー メディカル テクノロジーズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アボット エリオット エム.
(72)【発明者】
【氏名】ターナー アダム
(72)【発明者】
【氏名】ブラッチマン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】パイパー ジョナサン
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082AN02
(57)【要約】
治療計画に使用されるベース線量を決定するためのベース線量計算ツール。ベース治療情報は、その後の治療が計画できるように、ボクセル化ベースおよび時間ベースで考慮される。ベース線量出力は既存の治療計画システムで操作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリに結合されたプロセッサであって、前記命令が前記プロセッサによって実行されると、
患者のベース治療の情報を取得するステップと、
前記患者に実施される追加治療に関連する追加治療情報を取得するステップと、
前記ベース治療の情報および前記追加治療情報に基づいて、かつ、前記追加治療に関連する生物学的有効線量(BED)モデルから導出されるベース線量関係に従って、ベース線量分布を決定するステップと、
前記追加治療を計画するための治療計画システムに前記ベース線量分布をエクスポートするステップと、
を実行するように構成されている前記プロセッサ、を備えるシステム。
【請求項2】
前記ベース治療は、前記追加治療とは異なる療法である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ベース治療は、将来実施される模擬治療である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ベース治療の情報は、再発の時期および位置の予測モデルを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ベース治療の情報は、シミュレーション画像に登録された前記ベース治療のBEDマップを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記追加治療情報は、少なくとも関心のある特徴を示す特徴情報と、少なくとも前記特徴情報によって示される各特徴についての線量最適化パラメータを示す最適化情報と、前記特徴情報によって示される各特徴についての前記追加治療に関連するユーザ定義パラメータと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、さらに、
前記特徴情報に含まれる前記特徴を、それぞれのユーザ定義パラメータおよび最適化パラメータと照合するステップと、
前記ユーザ定義パラメータおよび前記最適化パラメータを、マッピングされた通りに代入して、前記追加治療のBEDマップを生成するステップと、
を実行するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、さらに、前記追加治療の前記BEDマップおよび前記ベース治療の情報に基づいて前記ベース線量分布を決定するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ベース線量関係は、BEDを前記治療計画システムに適した物理的線量分布に変換する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
患者のベース治療の情報を取得するステップと、
前記患者に実施される追加治療に関連する追加治療情報を取得するステップと、
前記ベース治療の情報および前記追加治療情報に基づき、前記追加治療に関連する生物学的有効線量(BED)モデルから導出されるベース線量関係に従って、ベース線量分布を決定するステップと、
前記追加治療を計画するために、前記ベース線量分布を治療計画システムにエクスポートするステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記ベース治療は、前記追加治療とは異なる療法である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ベース治療は、将来実施される模擬治療である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ベース治療の情報は、再発の時間および位置の予測モデルを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ベース治療の情報は、シミュレーション画像に登録された前記ベース治療のBEDマップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記追加治療情報は、少なくとも関心のある特徴を示す特徴情報と、少なくとも前記特徴情報によって示される各特徴についての制約を示す最適化情報と、前記特徴情報によって示される各特徴についての前記追加治療に関連するユーザ定義パラメータと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記特徴情報に含まれる前記特徴を、それぞれのユーザ定義パラメータおよび制約と照合するステップと、
前記ユーザ定義パラメータおよび前記制約を、マッピングされた通りに代入して、前記追加治療のBEDマップを生成するステップと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
さらに、前記追加治療の前記BEDマップおよび前記ベース治療の情報に基づいて前記ベース線量分布を決定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ベース線量関係は、BEDを前記治療計画システムに適した物理的線量分布に変換する、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
ベース線量計算ツール用のコンピュータ実行可能命令を記憶した非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令は、実行されると、
患者のベース治療に関連するベース治療の情報を取得するステップと、
前記患者に実施される追加治療に関連する追加治療情報を取得するステップと、
前記ベース治療の情報および前記追加治療情報に基づいて、かつ、前記追加治療に関連する生物学的有効線量(BED)モデルから導出されるベース線量関係に従って、ベース線量分布を決定するステップと、
前記追加治療を計画するための治療計画システムに前記ベース線量分布をエクスポートするステップと、
を実行するようにプロセッサを構成する、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項20】
前記ベース治療は、前記追加治療とは異なる療法である、請求項19に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項21】
前記ベース治療は、将来実施される模擬治療である、請求項19に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項22】
前記ベース治療の情報は、再発の時間および位置の予測モデルを含む、請求項21に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項23】
前記ベース情報は、シミュレーション画像に登録された前記ベース治療のBEDマップを含む、請求項19に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項24】
前記追加治療情報は、少なくとも関心のある特徴を示す特徴情報と、前記特徴情報によって示される各特徴についての最適化パラメータを示す最適化情報と、前記特徴情報によって示される各特徴についての前記追加治療に関連するユーザ定義パラメータと、を含む、請求項19に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項25】
前記プロセッサは、さらに、
前記特徴情報に含まれる前記特徴を、それぞれのユーザ定義パラメータおよび最適化パラメータと照合するステップと、
前記ユーザ定義パラメータおよび最適化パラメータを、マッピングされた通りに代入して、前記追加治療のBEDマップを生成するステップと、
前記追加治療の前記BEDマップおよび前記ベース情報に基づいてベース線量分布を決定するステップと、
を実行するように構成される、請求項24に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項26】
前記ベース線量関係は、BEDを前記治療計画システムに適した物理的分布に変換する、請求項25に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月11日に出願された米国仮特許出願第63/263,909号の利益および優先権を主張する。前記出願の全ての開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
特定線量の放射線による生物学的結果は、粒子の種類、三次元線量分布、線量率、分割スケジュールなどの仕様に基づいて変化する。従って、物理的線量だけでは、照射様式、分割スケジュール、並びに粒子のエネルギーおよび/または種類によって異なる2つ以上の放射線療法コース間で期待される生物学的効果を比較する正確な方法を提供することはできない。直接的な物理的線量の比較が生物学的効果を考慮する上で不適切である放射線治療様式の例としては、従来型および低分割外照射療法(EBRT)、陽子線療法、高線量率(HDR)小線源療法、並びに低線量率(LDR)小線源療法(BT)が挙げられる。さらに、異なる治療コースからの物理的線量分布を単純に合計しても、期待される腫瘍制御や正常組織の合併症発生確率の指標としては役に立たない。
【0003】
生物学的有効線量(BED)は、放射線療法の生物学的効果を定量的にモデル化するために導入された。BEDの概念は、治療中の亜致死的損傷の修復や細胞の再増殖を考慮するために、線量率や分割照射間の時間など、いくつかの要因を考慮するように発展してきた。異なる形態の放射線療法によるBED分布を直接比較したり、合計したりして、放射線療法の併用によって期待される生物学的結果を適切に評価することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、より詳細な説明および添付図面に続く例示的で非限定的な実施形態の様々な態様の基本的または一般的な理解を可能にするために、簡略化した要約を提供する。しかしながら、この要約は、広範なまたは網羅的な概要として意図されるものではない。むしろ、この要約の唯一の目的は、以下の様々な実施形態のより詳細な説明の前段階として、いくつかの例示的かつ非限定的な実施形態に関連するいくつかの概念を、簡略化した形で提示することである。
【0005】
様々な非限定的な実施形態において、治療計画システム(TPS)に入力されるベース線量を決定するためのシステム及び関連する方法が提供される。患者に実施された放射線治療歴に関連する先行治療情報が取得される。さらに、患者に実施される追加の放射線療法に関連する計画治療情報が取得される。先行治療情報と将来の計画治療情報に基づいてベース線量が決定される。ベース線量は、計画療法と関連する生物学的有効線量(BED)モデルから導出されるベース線量関係に従って決定される。ベース線量は、将来の放射線療法を計画するためにTPSにエクスポートされる。
【0006】
これらおよび他の実施形態については、以下に詳述する。
【0007】
様々な非限定的実施形態について、添付図面を参照してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、1以上の態様による例示的療法のためのボクセルあたりの望ましい外照射療法線量を示す図である。
【
図2】
図2は、様々な態様に従って望ましい線量分布を達成するためのベース線量最適化の概念を示す図である。
【
図3】
図3は、1以上の態様によるベース線量決定のための例示的かつ非限定的な実施形態の概略ブロック図である。
【
図4】
図4は、1以上の態様によるベース線量決定のための例示的かつ非限定的な実施形態の概略ブロック図である。
【
図5】
図5は、様々な態様によるベース線量の決定方法の例示的かつ非限定的な実施形態を示す図である。
【
図6】
図6は、1以上の態様に従ってベース線量を決定するための例示的システムの概略ブロック図である。
【
図7】
図7は、様々な態様によるベース線量を決定するための例示的システムの概略ブロック図である。
【
図8】
図8は、1以上の態様に従ってベース線量を決定するための例示的システムの概略ブロック図である。
【
図9】
図9は、
図6~
図8のシステムに関連するコンピューティングデバイスの例示的かつ非限定的な実施形態の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
背景で述べたように、生物学的有効線量(BED)は、物理的線量とは異なり、様々な放射線療法および/または様々な放射線療法の併用による生物学的結果を、評価および/または比較するために利用することができる。物理的線量からBEDへの変換は、様々な線量率および/または分割スケジュールで照射される様々な粒子タイプから様々な量の放射線を受けた後の細胞生存率を表す線形-二次(LQ)モデルに基づいていてもよい。LQモデルは、物理的線量の関数として、係数αおよびβを有する2次多項式に照射細胞の生存率を当てはめた結果である。具体的には、LQモデルは、一般に式1で示されるように、ある期間(T)にわたって線量(D)を照射された細胞の生存率(S)を示す。
【0010】
【0011】
式1において、Eは、細胞数を考慮した不活性化を引き起こす細胞集団への放射線被曝の生物学的効果を表す。Eは、式2に従って定義することができる。
【0012】
【0013】
式2において、αとβは組織の放射線感受性を表す係数であり、Gは線量率と亜致死的損傷の修復を表す係数(遷延被ばく線量係数など)であり、TPは腫瘍倍加時間であり、TKは放射線治療開始後に細胞の再増殖が開始するまでのキックオフ期間を表す。α値およびβ値は組織特異的な値であり、放射線感受性(例えば、分割に対する感受性)を表す。例示的な適用では、LQモデルは1分割あたり1~10Gyの線量における分割効果を正確に表す。
【0014】
BEDは、例えば式3に従って、式1および式2に関連していてもよい。
【0015】
【0016】
(分割外照射療法のBED)
【0017】
外照射療法(EBRT)による総線量(DEBRT)は、G=1/nEBRTとして表される亜致死的損傷修復係数を用いて、等線量の所定の分割数(nEBRT)で照射されてもよい。EBRTでは、腫瘍の「キックオフ」期間TKが全治療期間Tよりも長いため、腫瘍細胞の再増殖の影響は無視することができる。これらの値を式3に代入すると、EBRTで広く使用されている以下のBEDモデルになる。
【0018】
【0019】
(基本計画を用いたBED情報付きEBRT計画手法の導出)
【0020】
本方法では、事前に知っている望ましい基準BED分布(BEDref)および過去に照射されたBED分布(BEDprior)の両方を想定している。BEDref値は、適切なBEDモデルを用いて、指定された分割方式に対応する受容された物理的線量制約(腫瘍処方値や臓器のリスク耐容度など)を変換することによって計算できる。照射標的体積(例えば腫瘍)については、BEDref分布は、各点におけるBEDpriorとBEDEBRTとの所望の最小和を表す。リスク臓器(OAR)については、BEDrefは、BEDpriorとBEDEBRTとの所望の最大BED体積統計量を表す。
【0021】
過去の物理的線量分布が既知であり、先行治療法による物理的線量をBEDに変換するモデルが存在すると仮定すると、各ボクセルについてBEDpriorを計算することは数学的に簡単である。以下に示すように、将来のEBRTにより照射される必要がある残りのBED(BEDEBRT)は、単純にBEDrefとBEDpriorとの差である。
【0022】
【0023】
しかし、EBRT TPSプラットフォームは、BEDではなく物理的線量を用いて治療計画を最適化する。そのため、BEDEBRTを物理的線量(DEBRT)に変換する必要がある。これは、BEDEBRT、分割数(nEBRT)、およびα/β比(α/β)の観点から、EBRT線量(DEBRT)の式4を解くことによって行われる。この結果、以下の二次方程式が得られ、正の解が使用される。
【0024】
【0025】
BEDEBRTをBEDrefとBEDprior(式5)で置き換えると、以下のようになる。
【0026】
【0027】
ボクセルごとにこの計算を実行すると、標的領域のボクセルに照射される必要があるn
EBRT分割と、リスク領域の臓器のボクセルに照射されるべき最大線量と、から構成されるEBRT計画による総物理的線量を表す分布が得られる。このプロセスの概略図を
図1に示す。
図1は、標的構造におけるボクセルについて、式7を用いて計算されたボクセルごとのD
EBRT値を示す。濃緑色の各ボックスは、所望の複合BEDを得るためにEBRTから要求される各ボクセルに必要な残りの物理的線量を表す。
【0028】
上述のEBRT線量分布を得るためには、さらに物流上の問題が残る。市販のTPS逆最適化ツールでは、
図1に示されるように、ユーザーが各ボクセルに対して所望の物理的線量を指定することができないが、その代わりに、ユーザーが対象体積内のすべてのボクセルに適用される線量最適化目標(すなわち、最大線量、最小線量、均一線量など)を指定する必要がある。この問題に対処するために、各ボクセルのベース線量(D
base)を計算する方法が提案されている。D
baseは、将来のEBRT治療の分割数について計算されたBED
refに対応する物理的線量(D
ref)とD
EBRTとの差に等しい。
【0029】
【0030】
Drefは、各標的体積またはOAR体積の構造固有の値であり、nEBRT分割で照射した場合にBEDrefをもたらす総物理的線量として定義される。標的構造の場合、これは基準処方腫瘍線量のBEDに対応するBEDの望ましい最小物理的線量値を表し、OARの場合、これは従来のRTにおいて一般的に使用される最大線量制約のBEDに対応するBEDの最大物理的線量値である。Drefの式は、BED項がBEDrefで与えられる以外は、式6と同様に以下のように導出される。
【0031】
【0032】
式6および式9を式8に代入し、項を単純化すると、以下のDbaseの式が得られる。
【0033】
【0034】
この計算をボクセルごとに行うと、EBRT TPSにインポートすることを意図したベース線量分布が得られる。本明細書におけるいくつかの例示的な実施態様では、EBRT計画を生成するために逆最適化が採用される。最新のTPSプラットフォームは、「ベース線量」または「バイアス線量」を指定してEBRT計画を生成できるため、ベース線量と新しいEBRT計画の合計が入力最適化目標の達成を試みることができる。この技法は、IMRT計画(DEBRT,actual)による各ボクセルへの線量とDbaseとの合計が、標的体積内のボクセルではDrefに等しく、すべての非標的ボクセルではDref未満になるように、EBRT計画を最適化することにより、先行治療による照射線量を説明するために使用される。
【0035】
TPSが輪郭ごとの線量目標ではなくボクセルごとの線量目標をサポートする実施形態では、あるいは現在、輪郭がボクセルごとに定義されている場合に、DEBRTもTPSに直接インポートしてEBRTコースにおけるボクセルごとの所望の線量成分を定義したり、オプティマイザが目的関数内で式8を計算して、DEBRTを最適化してDrefを達成する際に、すでに照射されたDbaseを組み込んだりすることができる。
【0036】
(例示的な計画手順)
【0037】
上記の概念に基づく例示的な計画手順は、基本放射線療法(RT)治療後に、標的構造およびリスク臓器(OAR)構造に対応する過去の治療計画用CTおよび/またはMRIならびに過去に照射された線量分布(Dprior)を取得し、TPSプログラムにインポートすることから開始することができる。
【0038】
二次EBRT放射線療法シミュレーションCTが実行され、TPSプログラムにインポートされる。
【0039】
その後、TPSに備えられたツールを利用して、過去の画像と2回目の放射線治療シミュレーション画像を登録することができる。組織/空洞の変形のために許容可能な解剖学的融合が不可能な場合には、変形可能な画像登録を使用してもよい。先行治療による線量は、画像登録を使用して二次EBRTシミュレーションCT上にマッピングされる。変形可能登録ツールを使用する場合、変形登録情報を用いてD
prior分布を変形可能にマッピングしてもよい。そして、二次RT計画の輪郭が生成される。次に、各RT計画輪郭のBED
refおよび関連する組織特異的BEDパラメータ(すなわち、、、等)が指定される。組織特異的BEDパラメータは、適切なBEDモデルを使用して、EBRTシミュレーションCT上にマッピングされた先行治療の物理的線量をBED
priorに変換するために使用される。最後に、EBRTシミュレーションCT上の各ボクセルについて、式10を用いてD
baseが計算される。
図3は変換プロセスを示す。
【0040】
次に、二次EBRTシミュレーションCT、二次RT計画輪郭、およびDbase分布が二次EBRT治療計画システムにインポートされる。このステップでは、ベースTPSの関連するDICOMヘッダ情報(例:患者人口統計値)を編集して、情報が二次TPSのデータと一致するようにして、インポートの非互換性の問題を回避することができる。線量目標を達成するために、ベース線量を基礎とする逆最適化ツールを用いてRT計画(DEBRT,actual)が生成される。DbaseとDEBRT,actualの和からなる複合線量分布が評価され、必要であれば、許容可能な二次RT計画が生成されるまで再最適化される。
【0041】
他の実施形態では、ベースRT物理的線量からDbaseへの変換は、別個の第3線量変換システムを用いて計算することができる。また、他の実施形態では、ベースRT物理的線量からDbaseへの変換は、二次RT TPSを用いて計算されてもよい。
【0042】
(ベース線量決定方法の改善)
【0043】
臨床において、患者が過去に受けた放射線療法(例えば、放射性塞栓療法、分子線療法、小線源療法、陽子線療法など)あるいは細胞生存率に影響を及ぼす可能性のある他の手法の後に外照射療法を受ける場合、治療結果を最適化する処方線量を定義するために、予想される生物学的影響を考慮しなければならない。これに対する従来のアプローチの1つは、(I)線量分布から要約された値に基づくモデルを使用した非ボクセル化推定、または(II)生物学的治療計画プラグインのいずれかである。生物学的治療計画プラグインは高価で、広く採用されておらず、異なる生物学的線量効果を持つ治療法の上に別の治療法を構築することを考慮していない。
【0044】
本明細書では、治療計画で使用されるベース線量を決定するための一般的かつ改良された技術について述べる。この技術を用いると、ボクセル化ベースで先行治療線量が考慮され、今後の治療を計画することができる。ベース線量出力は従来の治療計画システムで操作可能であり、計算集約的ではない。
【0045】
上述したように、生物学的有効線量(BED)は、放射線療法または他の療法で期待される生物学的効果を表すのに、より有用な量である。特に期待される腫瘍制御や正常組織の合併症発生確率を考慮する場合、物理的線量は生物学的効果の指標としてはそれほど有用ではない。複数回の治療および/または複数の異なる治療法を用いた治療を伴う状況を考慮する場合、合併症を軽減する治療計画を立案するためには、加法性が望ましい。
【0046】
一般に、治療計画は2つの条件を満たすことができる。第一の条件は生物学的条件であり、計画された治療の生物学的有効線量(BED)に加えて、先行治療の生物学的有効線量(BED)が参照BEDまたは閾値BEDを達成すべきであることを規定する。第二の条件は、物理的条件であり、過去の物理的線量またはベース線量に加え、今後の治療のために計画された物理的線量が、基準線量(例えば、線量制約)を達成すべきであることを規定する。これらの条件は、ポイントごとに評価されうることを理解されたい。実際的には、治療計画は医用画像に基づいて行われるため、これらの条件はボクセルごとに考慮されうる。
【0047】
上述のように、従来の治療計画システム(TPS)プラットフォームは、通常、物理的線量に基づいて治療計画を最適化する。物理的線量に基づいて最適化すること(すなわち、第二の(物理的)条件を満たすこと)は、従来の手法では、第一の(生物学的)条件の違反につながる可能性がある。BEDは非線形現象である。物理的線量を考慮するだけでは、すべての生物学的制約を説明することはできない。同様に、BEDは非線形性のため、物理的線量の直接的な代替とはならない。
【0048】
ベース線量を決定する技術について以下に説明する。決定されたベース線量値は、物理的線量に従って最適化する従来のTPSプラットフォームに入力することができる。ベース線量は、TPSプラットフォームが物理的線量について最適化する際に、BEDを用いて定義された生物学的制約を考慮するように決定される。ベース線量は直接的な物理的意味を持たないが、基準BEDを満たすようにTPSプラットフォームによる最適化を可能にするプロキシとして機能する。ベース線量は、先行治療の実際の物理的線量とは異なり、先行治療のBEDを表し、それに対応し、そこから導出される値である。
【0049】
一の態様によれば、ベース線量は、BEDと線量(分割線量など)との間に生じる関係に基づいて決定される。一実施形態によれば、この関係を定義するために上記の式4を利用することができる。例えば、Dを分配することによって作成される2次方程式を解くことで、DとBEDとの関係を生成することができる。さらにこの実施形態では、BEDに従って定義されるこの値Dを、上述のモデルで使用することができる。例えば、Dの式を等価線量(EQD)の代わりに利用することができ、その後、ベース線量Dbaseを決定することができる。
【0050】
様々な態様に従って、任意の治療法による生物学的有効線量(BED)を入力として受け取り、BED制約を満足する計画を達成するために治療計画システムにインポートされうるベース線量を出力するベース線量決定ツールが提供される。いくつかの実施例では、このツールは、上述したような線形二次(LQ)BEDモデルに基づく関係を利用する。
【0051】
一実施形態では、一般に
図4に示されるように、ツールは、例えば、輪郭、ユーザ定義パラメータ(例えば、放射線生物学的パラメータ等)、最適化パラメータ(例えば、線量制約、および治療計画に使用されるシリーズ(例えば、シミュレーション画像)に登録された先行治療BEDマップ)を入力として受け取る。このツールは、シミュレーション画像の輪郭を、ランク付けされた組織特異的なユーザ定義パラメータおよび最適化パラメータと照合する。このツールは、理想的な計画から、ユーザ定義パラメータおよび最適化パラメータをランクに従って輪郭に代入することにより、パラメータマップおよび基準線量を作成することができる。次に、ツールは、ベース線量関係を、パラメータマップ、基準線量および先行治療BEDマップ上に、ボクセル単位で適用してもよい。出力として、ツールはベース線量を提供する。
【0052】
様々な実施例において、輪郭の照合は、パラメータマップと基準線量がどのように生成されるかを定義する。パラメータマップと基準線量はベース線量関係に必要な引数であり、軽量な方法を用いて所望のボクセル化出力を決定するために利用される。
【0053】
一実施形態において、追加治療は、その後、将来追加治療を必要とするであろう再発の可能性が疑われる癌に対するものであってもよい。この実施形態において、「先行線量」は、予想される再発の位置および再発までの時間並びに必要な将来の治療線量に関する統計的モデルに基づいて将来予想されるシミュレートされた線量であってもよい。この実施形態では、計画された治療最適化の結果は、将来の治療の安全な提供が可能となるように十分に線量を節約したOARを有する治療計画である。
【0054】
図5は、追加治療の治療計画に利用される例示的かつ非限定的なベース線量の決定方法100のフロー図である。一態様において、方法100は、先行治療に続く放射線療法を計画する際に適している。追加治療は、先行治療とは異なる場合と異ならない場合がある。例えば、上述の実施例のように、先行治療はLDR BTであってよく、追加治療はEBRTであってよい。しかしながら、本明細書で説明する技術はこれらの療法に限定されるものではなく、BT、EBRT、放射性塞栓療法、分子線療法、陽子線療法などのうち1つ以上を含む他の療法の組み合わせに、この技術を採用し得ることを理解されたい。
【0055】
方法100はステップ102から開始してもよく、そこで一組の入力が取得される。一組の入力は、例えば、輪郭、追加治療に関する放射線生物学的パラメータ、および最適化パラメータ(例えば線量制約)を含み得る。輪郭は、OARや標的体積などの関心領域を示すことができるが、これらに限定されない。最適化パラメータは輪郭ごとに設定され、対応する領域のそれぞれの基準線量を示すことができる。放射線生物学的パラメータは、輪郭ごとに定義されてもよく、治療法に固有のものであってもよい。例えば、EBRTの場合、生物学的モデリングパラメータには、n(例えば分割数)およびα/β(例えば、組織特異的な放射線感受性を示す)が含まれ得る。
【0056】
ステップ104では、パラメータマップと基準線量が、一組の入力に基づいて生成される。パラメータマップおよび基準線量は、輪郭を放射線生物学的パラメータおよび最適化パラメータに照合することによって生成できる。一旦照合されると、パラメータおよび最適化パラメータを輪郭に代入して、マップと基準線量を作成することができる。
【0057】
ステップ106では、先行治療の生物学的有効線量(BED)マップが得られる。本明細書では、先行治療をベース治療と呼ぶこともある。ある態様では、先行BEDマップはシミュレーション画像(例えば、治療計画に利用されるシリーズ)に登録される。先行BEDマップは、先行治療から得られる関心領域のBEDを提供する。
【0058】
ステップ108では、パラメータマップ、基準線量、および先行治療からのBEDマップに基づいて、ベース線量が決定される。例えば、パラメータマップと基準線量は、追加治療のためのBEDマップを提供することができる。上記の関係を用いて、先行治療からのBEDマップとパラメータマップ/基準線量とを関係に入力し、治療計画に適したベース線量を算出する。ステップ110では、ベース線量が治療計画システムにエクスポートされる。
【0059】
図6を参照されたい。
図6は、ベース線量計算システム200に関する例示的かつ非限定的な実施形態の概略ブロック図である。図示されているように、システム200は、ベース線量計算ツール300を実装するコンピューティングデバイス210を含むことができる。コンピューティングデバイス210は、プロセッサおよび様々なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、揮発性および不揮発性)を備えていてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本明細書に記載のベース線量計算ツール300を含む機能モジュールの少なくとも一部を実装するコンピュータ実行可能命令を記憶することができる。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、システム200は、このようにして、上記した方法100の動作など、本明細書に記載の動作を実行するように構成される。
【0060】
コンピューティングデバイス210は、ベース線量計算ツール300の一部を実施するための様々なハードウェアデバイス(図示せず)をさらに含むことができる。例えば、コンピューティングデバイス210は、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用メモリ、および/またはグラフィックデバイスをディスプレイに結合するためのハードウェアインターフェースを有するグラフィックデバイスを含むことができる。さらに、コンピューティングデバイス210は、コンピューティングデバイス210を、システム200の様々なデバイス(それに限定されないが、例えば、治療計画システム400)に結合することができる物理的ハードウェアポートおよび/または無線インターフェース(例えば、ブルートゥース(登録商標)、無線USBなど)を含んでいてもよい。
【0061】
一態様によれば、ベース線量計算ツール300は、放射線療法を計画するために治療計画システム400にエクスポートするベース線量を決定する。ベース線量計算ツール300は、関心のある様々な特徴を示す特徴情報212を取得する。例えば、特徴情報212は、OARや標的体積などの関心領域の輪郭を含み得る。また、ベース線量計算ツール300は、治療パラメータや線量制約214などの最適化情報も受け取る。ここで、線量制約は、特徴情報212が示す各特徴に対する線量制約を示す。また、ベース線量計算ツール300は、追加治療情報216及び先行治療情報218も取得する。一態様では、追加治療情報216は、特定の追加治療についての放射線生物学的パラメータを含むことがある。パラメータは、特徴情報212が示す各特徴に対して提供され得る。先行治療情報218は、幾つかの実施例では、シミュレーション画像に登録された先行治療のBEDマップであってもよい。シミュレーション画像は、治療計画の際に治療計画システム400によって利用されるDICOMシリーズであってもよい。先行治療情報218は、本明細書では、ベース治療情報と呼ばれることもある。ベース治療情報または先行治療情報218は、患者に対する先行治療またはベース治療に関連する情報に加えて、検査室メモおよび/または患者メモに関連する情報を含み得る。この情報は、ベース治療が実施されなかった場合でも、生物学的計画に関連する生物学的情報を有する可能性がある。
【0062】
これらの入力を用いて、ベース線量計算ツール300は、治療計画システム400にエクスポートされるベース線量を生成する。ベース線量は、上記したBEDモデルから導出されたベース線量関係を用いて生成してもよい。
【0063】
図7を参照すると、ベース線量計算システム500に関する例示的かつ非限定的な実施形態の概略ブロック図が図示されている。
図7に示すように、システム500は、コンピューティングデバイス210、ベース線量計算ツール300、および治療計画システム400を含む。さらに、
図7の実施形態では、登録エンジン510が設けられている。一態様によれば、登録エンジン510は登録情報512を受信し、様々な画像の対応するボクセルを一緒に登録する。登録情報512は、例えば、様々な画像上の空間/時間内の点を一緒に正確にリンクする時空間登録情報を含むことができる。登録エンジン510は、一態様において、ベース線量計算ツール300がベース線量値を決定する際に、BED量を決定し操作するための一貫した基礎を提供する。
【0064】
図8を参照すると、ベース線量計算システム600に関する別の例示的かつ非限定的な実施形態の概略ブロック図が図示されている。
図7に示されるように、システム600は、コンピューティングデバイス210、ベース線量計算ツール300、および治療計画システム400を含む。さらに、
図8の実施形態では、再発治療エンジン610が設けられている。上述したように、追加治療は、再発の可能性が疑われる癌に対するものであってもよい。再発すると、その後、将来の追加治療が必要となる可能性がある。この実施形態では、ベース治療情報218は、予想される再発の位置および時間に関する情報を含み得る。ベース治療情報218は、予測モデルまたは再発の時間および位置を生成するために、モデリングエンジン614によって受信される。シミュレーションエンジン612は、予測モデルを使用して、将来提供される模擬治療を生成してもよく、模擬治療に基づいて、予測されたまたは将来の治療線量測定を生成してもよい。この予測は、この再発治療の将来の計画のための治療計画システム400にエクスポートされるベース線量値を決定するために、ベース線量計算ツール300によって利用され得る。
【0065】
図9は、
図7のシステム200に関連するコンピューティングデバイス210に関する例示的かつ非限定的な実施形態の概略ブロック図である。
図8に示されるように、コンピューティングデバイス210は、ベース線量計算ツール300、登録エンジン510、および再発治療エンジン610を構成する命令などのコンピュータ実行可能命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ402を含む。このようなコンピュータ実行可能命令は、ストレージ404のような非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体に格納することができる。例えば、ストレージ404は、ベース線量計算ツール300、登録エンジン510、再発治療エンジン610および/またはデータ410(例えば、パラメータ、輪郭、BEDマップ、特徴情報、作業データなど)を永続的に記憶するための不揮発性ストレージを含むことができる。ストレージ404はまた、プロセッサ402による実行中に、ベース線量計算ツール300、登録エンジン510、再発治療エンジン610および他のデータ410(またはその一部)を記憶する揮発性ストレージを含み得る。
【0066】
コンピューティングデバイス210は、コンピューティングデバイス210を様々な遠隔システム(例えば、治療計画システムなど)に結合するための通信インターフェース406を含む。通信インターフェース406は、有線または無線インターフェースであり得る。通信インターフェース406は、例えば、WiFiインターフェース、イーサネットインターフェース、光ファイバインターフェース、セルラー無線インターフェース、衛星インターフェースなどを含むが、これらに限定されない。I/Oインターフェース408もまた、コンピューティングデバイス210を、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード、マウス、タッチパッドなどの様々な入出力デバイスに結合するために提供される。例として、I/Oインターフェース408は、USBインターフェース、シリアルインターフェース、WiFiインターフェース、短距離RFインターフェース(ブルートゥース)、赤外線インターフェース、近距離無線通信(NFC)インターフェースなどの有線または無線インターフェースを含むことができるが、これらに限定されない。
【0067】
本明細書において「例示的」という語は、事例、例または実例として役立つという意味で使用される。本明細書において「例示的」として記載される態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも有利であると解釈されるものではない。むしろ、例示的という語の使用は、概念を具体的な方法で提示することを意図している。本願で使用される場合、用語「または」は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することを意図している。すなわち、別段の定めがない限り、または文脈から明らかでない限り、「XがAまたはBを採用する」とは、自然で包括的な順列のいずれかを意味することを意図している。つまり、XがAを採用する場合、XがBを採用する場合、またはXがAとBの両方を採用する場合、前述のいずれの場合でも「XがAまたはBを採用している」は満たされる。また、AおよびBのうち少なくとも一方などは、一般にAまたはB、あるいはAおよびBの両方を意味する。さらに、本願および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」および「an」は、別段の指定がない限り、または文脈から単数形に向けられることが明らかでない限り、一般に「1つまたは複数」を意味すると解釈され得る。
【0068】
本主題は、構造的特徴および/または方法論的行為に特有の文言で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴または行為に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、上記した特定の特徴および行為は、特許請求の範囲の実施の例示的な形態として開示されている。もちろん、当業者であれば、特許請求される主題の範囲または精神から逸脱することなく、この構成に多くの変更を加えられ得ることを認識するであろう。
【0069】
また、本開示は、1つ以上の実施態様に関して示され、説明されてきたが、本明細書および付属図面を読み、理解することに基づいて、当業者であれば、同等の変更および修正が生じるであろう。本開示は、そのようなすべての修正および改変を含むものであり、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。特に、上述した構成要素(例えば、要素、リソースなど)によって実行される様々な機能に関して、そのような構成要素を説明するために使用される用語は、別段の指示がない限り、本開示の本明細書に図示される例示的な実施態様において機能を実行する開示された構造と構造的に同等でなくても、説明された構成要素の指定された機能を実行する(例えば、機能的に等価である)任意の構成要素に対応することを意図する。
【0070】
加えて、本開示の特定の特徴は、いくつかの実施態様のうちの1つのみに関して開示されている可能性があるが、そのような特徴は、任意の所与のまたは特定の用途にとって望ましく、かつ有利であり得るように、他の実施態様の1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよい。さらに、詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかにおいて、用語「含む」、「有する(having)」、「有する(has)」、「備える」、またはそれらの変形が使用される範囲において、そのような用語は、用語「含んでなる」と類似の態様で包括的であることを意図している。
【0071】
以上、実施態様について説明してきた。上記の方法および装置は、本発明の一般的範囲から逸脱することなく、変更および修正を組み込むことができることは、当業者には明らかであろう。本開示は、添付の特許請求の範囲またはその均等物の範囲内にある限りにおいて、そのようなすべての修正および変更を含むことを意図している。
【国際調査報告】