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特表2024-544976血液採取圧力装置を選択的に結合するための方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】血液採取圧力装置を選択的に結合するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A61M1/02 121
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528445
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 US2022048141
(87)【国際公開番号】W WO2023091282
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/280,049
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/975,180
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507114521
【氏名又は名称】テルモ ビーシーティー、インコーポレーテッド
【住所又は居所原語表記】10811 West Collins Avenue, Lakewood, Colorado 80215, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】パーソンズ、ジェレミー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ジャンツェン、ジェシー
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA12
4C077AA13
4C077BB04
4C077CC04
4C077DD03
4C077EE01
4C077NN02
4C077NN03
(57)【要約】
【解決手段】血液分離システムのブラダとバケットとの選択的な結合は、バケットを血液分離システムから分解することなく、ブラダの一体化されたコネクタをバケット内に配置された受容部と嵌合させることを含む。受容部は、係止レセプタクルを有し、バケットの一部に取り付けられる。ブラダの一体化されたコネクタは、受容部と選択的に係合する。係合されると、コネクタは、係止ラッチを介して受容部に係止される。バケットからブラダを取り外すために、作業者は、係止ラッチを解除し、バケット及びブラダを分解することなく、バケットからブラダを取り外す。係合及び係合解除は、迅速な相互接続動作で行われる。一体化されたコネクタ及び受容部は、バルブレスであり、流体源からブラダへの流路を妨げない。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的結合組立体であって、該選択的結合組立体は、
バケットと、
ブラダと、
コネクタと、
を備え、
前記バケットは、
前記バケットの開放端部から前記バケットの閉鎖端部まで延在し、前記開放端部と前記閉鎖端部との間に空洞部分を少なくとも部分的に画定する壁と、
前記壁に取り付けられた受容部と、
を有し、
前記受容部は、
レセプタクルと受容部内腔とを有する本体と、
前記本体に摺動可能に取り付けられたラッチプレートと、
を有し、
前記受容部内腔は、前記本体の第1の側と前記本体の第2の側との間に延在し、内腔軸を有し、
前記ラッチプレートは、開口部を有し、前記内腔軸に平行な開口軸を有し、
前記ブラダは、
シールされた伸縮可能チャンバと、
前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、
を有し、
前記コネクタは、前記ブラダに取り付けられ、前記コネクタの少なくとも一部は前記流体ポート内にあり、
前記コネクタは、
基部と、
前記基部から突出するプラグと、
を有し、
前記コネクタには、前記基部及び前記プラグにおいてコネクタ内腔が形成され、前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える、
選択的結合組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の選択的結合組立体において、
前記受容部の少なくとも一部は、前記壁内にある、
選択的結合組立体。
【請求項3】
請求項2に記載の選択的結合組立体において、
前記プラグは、
前記プラグの前記基部から第1の距離だけ離れて設けられた凹部と、
前記プラグの周囲に形成され、前記プラグの前記基部から第2の距離だけ離れて設けられた溝と、
をさらに有する、
選択的結合組立体。
【請求項4】
請求項3に記載の選択的結合組立体において、
前記コネクタは、前記溝内に少なくとも部分的に配置されたOリングをさらに有する、
選択的結合組立体。
【請求項5】
請求項4に記載の選択的結合組立体において、
前記コネクタは、プラスチック材料を含み、
前記コネクタは、少なくとも1つの溶着部を介して前記ブラダに取り付けられる、
選択的結合組立体。
【請求項6】
請求項5に記載の選択的結合組立体において、
前記コネクタは、前記受容部との係止状態と前記受容部との係止解除状態との間で移動可能であり、
前記係止状態では、前記ブラダは前記バケットに結合され、
前記係止解除状態では、前記ブラダは前記バケットから分離されている、
選択的結合組立体。
【請求項7】
請求項6に記載の選択的結合組立体において、
前記係止状態では、前記プラグは少なくとも部分的に、前記レセプタクル内に配置され、前記ラッチプレートの一部は、前記プラグの前記凹部内にある、
選択的結合組立体。
【請求項8】
請求項7に記載の選択的結合組立体において、
前記係止状態では、流体流路が、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分と前記受容部の前記受容部内腔との間にあり、
前記流体流路は、前記ブラダと前記受容部との間のバルブによって妨げられない、
選択的結合組立体。
【請求項9】
ブラダ組立体であって、該ブラダ組立体は、
可撓性部材と、
コネクタと、
を備え、
前記可撓性部材は、シールされた伸縮可能チャンバと、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記シールされた伸縮可能チャンバの外側に通じる流体ポートと、を有し、
前記コネクタは、前記可撓性部材に取り付けられ、少なくとも一部は前記流体ポート内にあり、
前記コネクタは、
基部と、
前記基部から突出するプラグと、
を有し、
前記コネクタには、前記基部及び前記プラグを通るコネクタ内腔が形成され、前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記可撓性部材の外側へ通じる流体流路を与える、
ブラダ組立体。
【請求項10】
請求項9に記載のブラダ組立体において、
前記コネクタは、シールを介して前記可撓性部材に取り付けられ、前記シールは、前記流体ポートを取り囲み、前記可撓性部材の一部を前記コネクタの前記基部に接合する、
ブラダ組立体。
【請求項11】
ブラダをバケットに結合する方法であって、該方法は、
一体化されたコネクタを有するブラダをバケットの空洞部分内に挿入するステップと、
前記一体化されたコネクタを前記バケットの壁における受容部と位置合わせするステップと、
前記一体化されたコネクタを前記受容部内に向かって動かすステップと、
前記一体化されたコネクタに力を加えて、前記受容部のラッチを前記一体化されたコネクタの一部と係合させ、前記受容部に対する前記一体化されたコネクタの軸方向の動きを低減又は行えないようにするステップと、
を有する、
ブラダをバケットに結合する方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記一体化されたコネクタを前記受容部内に向かって動かす前記ステップは、
選択的結合ツールを前記バケットの前記空洞部分内に挿入するステップと、
前記選択的結合ツールを移動させて前記一体化されたコネクタの一部と接触させるステップと、
前記選択的結合ツールを操作して、前記一体化されたコネクタを前記受容部の方向に移動させるステップと、
を含む、
方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記選択的結合ツールを移動させて前記一体化されたコネクタの一部と接触させる前記ステップは、
前記バケットの頂面に対して前記選択的結合ツールを位置決めするステップと、
前記選択的結合ツールのシャフト上のしるしを前記バケットの前記頂面における基準点と位置合わせするステップと、
を含む、
方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記ブラダは、シールされた伸縮可能チャンバと、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有する、
方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記一体化されたコネクタは、
基部と、
前記基部から突出するプラグと、
を有し、
前記一体化されたコネクタには、前記基部及び前記プラグを通るコネクタ内腔が形成され、前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える、
方法。
【請求項16】
バケットからブラダを分離する方法であって、該方法は、
選択的結合ツールを少なくとも部分的に、ブラダとバケットの壁との間の領域における前記バケットの空洞部分内に挿入するステップと、
前記選択的結合ツールを、前記バケットの前記壁に少なくとも一部が存在する受容部のラッチプレートに係合させるステップと、
前記選択的結合ツールを移動させて、前記ラッチプレートを係止状態から解除状態に移すステップであって、前記係止状態では、前記ラッチプレートの一部が前記ブラダのコネクタの一部と係合し、前記解除状態では、前記ラッチプレートの前記一部が前記ブラダの前記コネクタの前記一部と係合解除される、ステップと、
前記コネクタを前記受容部から離れるように移動させて、前記ブラダを前記バケットから分離させるステップと、
を有する、
バケットからブラダを分離する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記係合させるステップは、
前記選択的結合ツールのピンを、前記ラッチプレートに形成された対応する穴と位置合わせするステップと、
前記ピンの少なくとも一部を前記対応する穴に挿入するステップと、
を含む、
方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
前記位置合わせするステップは、前記選択的結合ツールのシャフト上のしるしを前記バケットの頂面における基準点と位置合わせするステップを含む、
方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、
前記係合させるステップは、前記選択的結合ツールを前記ラッチプレートのフランジと接触させるステップを含む、
方法。
【請求項20】
選択的結合ツールであって、該選択的結合ツールは、
近位端から遠位端まで延在するシャフトと、
前記遠位端から突出し、第1の側と、前記第1の側の反対側に第2の側と、を有する、二股状延長部と、
を備え、
前記二股状延長部は、
前記第1の側と前記第2の側との間に接触面を有するクレードルと、
前記第2の側にある突出部と、
を有する、
選択的結合ツール。
【請求項21】
請求項20に記載の選択的結合ツールにおいて、
前記突出部は、円錐台状の突出部である、
選択的結合ツール。
【請求項22】
請求項20に記載の選択的結合ツールにおいて、
前記突出部はプレートである、
選択的結合ツール。
【請求項23】
請求項20に記載の選択的結合ツールにおいて、
該選択的結合ツールは、
前記シャフトの前記近位端に接続されたハンドルと、
前記シャフト上にあるしるしと、
をさらに備える、
選択的結合ツール。
【請求項24】
請求項23に記載の選択的結合ツールにおいて、
前記しるしは、前記シャフトの一部にエッチングされ、前記シャフトの外面の少なくとも一部の周りに延在する、
選択的結合ツール。
【請求項25】
血液分離装置であって、該血液分離装置は、
ロータと、
バケットと、
受容部と、
ブラダと、
コネクタと、
を備え、
前記バケットは、前記ロータに取り付けられ、前記バケットの開放端部から前記バケットの閉鎖端部まで延在する壁を有し、前記壁は、前記開放端部と前記閉鎖端部との間に空洞部分を画定し、
前記受容部は、前記壁に取り付けられ、
前記受容部は、
レセプタクルと受容部内腔とを有する本体と、
前記本体に摺動可能に取り付けられたラッチプレートと、
を有し、
前記受容部内腔は、前記本体の第1の側と前記本体の第2の側との間に延在し、前記受容部内腔は、内腔軸を有し、
前記ラッチプレートは、開口部を有し、前記内腔軸に平行な開口軸を有し、
前記ブラダは、
シールされた伸縮可能チャンバと、
前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分と前記ブラダの外側との間に延在する流体ポートと、
を有し、
前記コネクタは、前記ブラダに取り付けられ、前記コネクタの少なくとも一部は、前記流体ポート内にあり、
前記コネクタは、
基部と、
前記基部から突出するプラグと、
前記基部及び前記プラグを通るコネクタ内腔と、
を有し、
前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える、
血液分離装置。
【請求項26】
選択的結合組立体であって、該選択的結合組立体は、
受容部と、
ブラダと、
コネクタと、
を備え、
前記受容部の少なくとも一部は、ブラダホルダの壁内にあり、
前記受容部は、
レセプタクルと第1の内腔とを有する本体と、
前記本体に摺動可能に取り付けられたラッチプレートと、
を有し、
前記第1の内腔は、前記本体の第1の側から前記本体の第2の側へ延在し、前記第1の内腔は、内腔軸を有し、
前記ラッチプレートは、開口部を有し、前記内腔軸に平行な開口軸を有し、
前記ブラダは、
伸縮可能チャンバと、
前記伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、
を有し、
前記コネクタは、前記ブラダに取り付けられ、前記コネクタの少なくとも一部は前記流体ポート内にあり、
前記コネクタは、
基部と、
前記基部から突出するプラグと、
を有し、
前記コネクタには、前記基部及び前記プラグを通ってコネクタ内腔が形成され、前記コネクタ内腔は、前記伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える、
選択的結合組立体。
【請求項27】
請求項26に記載の選択的結合組立体において、
前記ブラダは、前記ブラダホルダの外側の第1の位置から前記ブラダホルダの内側の第2の位置へ移動されるように構成され、
前記受容部は、少なくとも部分的に前記ブラダホルダ内にある、
選択的結合組立体。
【請求項28】
請求項27に記載の選択的結合組立体において、
前記コネクタは、前記受容部との係止状態と前記受容部との係止解除状態との間で移動されるように構成され、
前記係止状態では、前記ブラダは前記ブラダホルダに結合され、
前記係止解除状態では、前記ブラダは前記ブラダホルダから分離され、
前記コネクタは、前記ブラダホルダの内側の領域から前記係止状態と前記係止解除状態との間で移動されるように構成されている、
選択的結合組立体。
【請求項29】
請求項28に記載の選択的結合組立体において、
前記コネクタは、ツールを使用することなく、前記係止状態と前記係止解除状態との間で移動されるように構成されている、
選択的結合組立体。
【請求項30】
請求項28に記載の選択的結合組立体において、
前記コネクタは、前記ブラダホルダの外側から前記領域にツールを挿入することによって、前記係止状態と前記係止解除状態との間で移動されるように構成されている、
選択的結合組立体。
【請求項31】
請求項28に記載の選択的結合組立体において、
前記ブラダホルダは、分離装置のバケットであり、
前記壁は、前記バケットの開放端部から前記バケットの閉鎖端部まで延在する、
選択的結合組立体。
【請求項32】
相互接続組立体であって、該相互接続組立体は、
受容部と、
コネクタと、
を備え、
前記受容部は、レセプタクルと受容部内腔とを有する本体と、前記本体に摺動可能に取り付けられたラッチプレートと、を有し、前記受容部内腔は前記本体の第1の側と前記本体の第2の側との間に延在し、前記受容部内腔は内腔軸を有し、前記ラッチプレートは、前記内腔軸に平行な開口軸を有する開口部を有し、
前記コネクタは、
基部と、
前記基部から突出するプラグと、を有し、
前記コネクタには、前記基部及び前記プラグを通ってコネクタ内腔が形成される、
相互接続組立体。
【請求項33】
請求項32に記載の相互接続組立体において、
該相互接続組立体は、ブラダをさらに備え、前記ブラダは、伸縮可能チャンバと、前記伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有し、前記コネクタは、前記コネクタ内腔が、前記伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与えるように、前記流体ポートに動作可能に取り付けられる、
相互接続組立体。
【請求項34】
請求項32に記載の相互接続組立体において、
前記プラグは、
前記プラグの前記基部から第1の距離だけ離れて設けられた凹部と、
前記プラグの周囲に配置され、前記プラグと前記レセプタクルとの間にシールを形成するように構成された柔軟部分と、
をさらに有し、
前記柔軟部分は、前記基部から第2の距離だけ離れて設けられた、
相互接続組立体。
【請求項35】
請求項34に記載の相互接続組立体において、
前記柔軟部分は、前記プラグから突出する弾性的に可撓性のあるリッジである、
相互接続組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月16日に出願された米国仮特許出願第63/280,049号の利益を主張する、2022年10月27日に出願された米国特許出願第17/975,180号の優先権を主張する。上記出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
このセクションは、必ずしも先行技術ではない本開示に関連する背景情報を提供する。
【0003】
本開示は、一般には、血液分離システムに関し、特に、血液分離システムにおける遠心分離機バケットへの圧力ブラダの取り付けに関する。
【背景技術】
【0004】
血液の採取及び処理は、世界的な健康管理システムにおいて重要な役割を果たす。従来の大規模な血液採取では、血液は、ドナー又は患者から取り出され、遠心分離、濾過、又はエルトリエーションによって種々の血液成分に分離され、治療用途を目的として患者に注入するために滅菌容器に保管される。分離された血液成分は、通常は、赤血球、白血球、血小板、及び血漿を含む画分を含む。血液成分への分離は、採取中に連続的に実施されたり、或いは、特に全血サンプルの処理に関して、バッチ単位での採取後に実施されたりする。高度に無菌の条件下で血液を種々の成分に分離することは、多くの治療用途にとって重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この節は、本開示の一般的な概要を提供するものであり、全範囲又は全ての特徴の包括的な開示ではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも1つの例示的実施形態は、選択的結合組立体に関する。該選択的結合組立体は、バケットと、ブラダと、コネクタと、を備える。前記バケットは、壁と、受容部とを、有する。前記壁は、前記バケットの開放端部から前記バケットの閉鎖端部まで延在する。前記壁は、前記開放端部と前記閉鎖端部との間に空洞部分を少なくとも部分的に画定する。前記受容部は前記壁に取り付けられる。前記受容部は、本体と、ラッチプレートと、を有する。前記本体は、レセプタクルと、前記本体の第1の側と前記本体の第2の側との間に延在する受容部内腔と、を有する。前記受容部内腔は、内腔軸を有する。前記ラッチプレートは、前記本体に摺動可能に取り付けられる。前記ラッチプレートは、開口部を有し、前記内腔軸に平行な開口軸を有する。前記ブラダは、シールされた伸縮可能チャンバと、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有する。前記コネクタは、前記ブラダに取り付けられる。前記コネクタの少なくとも一部は、前記流体ポート内にある。前記コネクタは、基部と、プラグと、を有する。前記プラグは、前記基部から突出する。前記コネクタには、前記基部及び前記プラグにおいてコネクタ内腔が形成される。前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える。
【0007】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記受容部の少なくとも一部は、前記壁内にある。
【0008】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記プラグは、凹部と、溝と、をさらに有する。前記凹部は、前記プラグの前記基部から第1の距離だけ離れて設けられている。前記溝は、前記プラグの周囲に形成される。前記溝は、前記プラグの前記基部から第2の距離だけ離れて設けられている。
【0009】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記コネクタは、前記溝内に少なくとも部分的に配置されたOリングをさらに有する。
【0010】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記コネクタは、プラスチック材料を含む。前記コネクタは、少なくとも1つの溶着部を介して前記ブラダに取り付けられる。
【0011】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記コネクタは、前記受容部との係止状態と前記受容部との係止解除状態との間で移動するように構成される。前記係止状態では、前記ブラダは前記バケットに結合される。前記係止解除状態では、前記ブラダは前記バケットから分離されている。
【0012】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記係止状態では、前記プラグは少なくとも部分的に、前記レセプタクル内に配置され、前記ラッチプレートの一部は、前記プラグの前記凹部内にある。
【0013】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記係止状態では、流体流路が、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分と前記受容部の前記受容部内腔との間にある。前記流体流路は、前記ブラダと前記受容部との間のバルブによって妨げられない。
【0014】
少なくとも1つの例示的実施形態は、ブラダ組立体に関する。該ブラダ組立体は、可撓性部材と、コネクタと、を備える。前記可撓性部材は、シールされた伸縮可能チャンバを有する。該可撓性部材は、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記シールされた伸縮可能チャンバの外側に通じる流体ポートを有する。前記コネクタは、前記可撓性部材に取り付けられ、少なくとも一部は前記流体ポート内にある。前記コネクタは、基部と、プラグと、を有する。前記プラグは、前記基部から突出する。前記コネクタには、前記基部及び前記プラグを通るコネクタ内腔が形成される。前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記可撓性部材の外側へ通じる流体流路を与える。
【0015】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記コネクタは、シールを介して前記可撓性部材に取り付けられ、前記シールは、前記流体ポートを取り囲み、前記可撓性部材の一部を前記コネクタの前記基部に接合する。
【0016】
少なくとも1つの例示的実施形態は、ブラダをバケットに結合する方法に関する。この方法は、一体化されたコネクタを有するブラダをバケットの空洞部分内に挿入するステップを有する。本方法は、前記一体化されたコネクタを前記バケットの壁における受容部と位置合わせするステップをさらに有する。本方法は、前記一体化されたコネクタを前記受容部内に向かって動かすステップをさらに有する。この方法は、前記一体化されたコネクタに力を加えて、前記受容部のラッチを前記一体化されたコネクタの一部と係合させ、前記受容部に対する前記一体化されたコネクタの軸方向の動きを低減又は行えないようにするステップをさらに有する。
【0017】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記一体化されたコネクタを前記受容部内に向かって動かす前記ステップは、選択的結合ツールを前記バケットの前記空洞部分内に挿入するステップを含む。前記一体化されたコネクタを前記受容部内に向かって動かす前記ステップは、前記選択的結合ツールを移動させて前記一体化されたコネクタの一部と接触させるステップをさらに含む。前記一体化されたコネクタを前記受容部内に向かって動かす前記ステップは、前記選択的結合ツールを操作して、前記一体化されたコネクタを前記受容部の方向に移動させるステップをさらに含む。
【0018】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記選択的結合ツールを移動させて前記一体化されたコネクタの一部と接触させる前記ステップは、前記バケットの頂面に対して前記選択的結合ツールを位置決めするステップを含む。前記選択的結合ツールを移動させて前記一体化されたコネクタの一部と接触させる前記ステップは、前記選択的結合ツールのシャフト上のしるしを前記バケットの前記頂面における基準点と位置合わせするステップをさらに含む。
【0019】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記ブラダは、シールされた伸縮可能チャンバと、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有する。
【0020】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記一体化されたコネクタは、基部と、プラグと、を有する。前記プラグは、前記基部から突出する。コネクタ内腔は、前記基部及び前記プラグを通る。前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える。
【0021】
少なくとも1つの例示的実施形態は、バケットからブラダを分離する方法に関する。該方法は、選択的結合ツールを少なくとも部分的に、前記ブラダとバケットの壁との間の領域における前記バケットの空洞部分内に挿入するステップを有する。本方法は、前記選択的結合ツールを、前記バケットの前記壁に少なくとも一部分が存在する受容部のラッチプレートに係合させるステップをさらに有する。本方法は、前記選択的結合ツールを移動させて、前記ラッチプレートを係止状態から係止解除状態に移すステップをさらに有する。前記係止状態では、前記ラッチプレートの一部が前記ブラダのコネクタの一部と係合される。前記係止解除状態では、前記ラッチプレートの前記一部が前記ブラダの前記コネクタの前記一部と係合解除される。本方法は、前記コネクタを前記受容部から離れるように移動させて、前記ブラダを前記バケットから分離させるステップをさらに有する。
【0022】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記係合させるステップは、前記選択的結合ツールのピンを、前記ラッチプレートに形成された対応する穴と位置合わせするステップを含む。前記係合させるステップは、前記ピンの少なくとも一部を前記対応する穴に挿入するステップをさらに含む。
【0023】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記位置合わせするステップは、前記選択的結合ツールのシャフト上のしるしを前記バケットの頂面における基準点と位置合わせするステップを含む。
【0024】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記係合させるステップは、前記選択的結合ツールを前記ラッチプレートのフランジと接触させるステップを含む。
【0025】
少なくとも1つの例示的実施形態は、選択的結合ツールに関する。該選択的結合ツールは、シャフトと、二股状延長部と、を備える。前記シャフトは、近位端から遠位端まで延在する。前記二股状延長部は、前記遠位端から突出する。前記二股状延長部は、第1の側と、前記第1の側の反対側に第2の側と、を有する。前記二股状延長部は、クレードルと、突出部と、を有する。前記クレードルは、前記第1の側と前記第2の側との間に接触面を有する。前記突出部は前記第2の側にある。
【0026】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記突出部は円錐台状の突出部である。
【0027】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記突出部はプレートである。
【0028】
少なくとも1つの例示的実施形態において、該選択的結合ツールは、ハンドルと、しるしと、をさらに備える。前記ハンドルは、前記シャフトの前記近位端に接続される。前記しるしは前記シャフト上にある。
【0029】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記しるしは、前記シャフトの一部にエッチングされる。前記しるしは、前記シャフトの外面の少なくとも一部の周りに延在する。
【0030】
少なくとも1つの例示的実施形態は、血液分離装置に関する。前記血液分離装置は、ロータと、バケットと、受容部と、ブラダと、コネクタと、を備える。前記バケットは、前記ロータに取り付けられる。前記バケットは、壁と、受容部とを含む。前記壁は、前記バケットの開放端部から前記バケットの閉鎖端部まで延在する。前記壁は、前記開放端部と前記閉鎖端部との間に空洞部分を画定する。前記受容部は前記壁に取り付けられる。前記受容部は、本体とラッチプレートとを有する。前記本体は、レセプタクルと、前記本体の第1の側と前記本体の第2の側との間に延在する受容部内腔と、を有する。前記受容部内腔は、内腔軸を有する。前記ラッチプレートは、前記本体に摺動可能に取り付けられる。前記ラッチプレートは、開口部を有し、前記内腔軸に平行な開口軸を有する。前記ブラダは、シールされた伸縮可能チャンバと、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分と前記ブラダの外側との間に延在する流体ポートと、を有する。前記コネクタは、前記ブラダに取り付けられる。前記コネクタの少なくとも一部は、前記流体ポート内にある。前記コネクタは、基部と、プラグと、コネクタ内腔と、を有する。前記プラグは、前記基部から突出する。前記コネクタ内腔は、前記基部及び前記プラグを通る。前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える。
【0031】
少なくとも1つの例示的実施形態は、選択的結合組立体に関する。該選択的結合組立体は、受容部と、ブラダと、コネクタと、を備える。前記受容部の少なくとも一部は、ブラダホルダの壁内にある。前記受容部は、本体と、ラッチプレートと、を有する。前記本体は、レセプタクルと、前記本体の第1の側から前記本体の第2の側へ延在する第1の内腔と、を有する。前記第1の内腔は、内腔軸を有する。前記ラッチプレートは、前記本体に摺動可能に取り付けられる。前記ラッチプレートは、開口部を有し、前記内腔軸に平行な開口軸を有する。前記ブラダは、伸縮可能チャンバと、前記伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有する。前記コネクタは、前記ブラダに取り付けられる。前記コネクタの少なくとも一部は前記流体ポート内にある。前記コネクタは、基部と、プラグと、を有する。前記プラグは、前記基部から突出する。前記コネクタには、前記基部及び前記プラグを通ってコネクタ内腔が形成される。前記コネクタ内腔は、前記伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える。
【0032】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記ブラダは、前記ブラダホルダの外側の第1の位置から前記ブラダホルダの内側の第2の位置へ移動されるように構成される。前記受容部は、少なくとも部分的に前記ブラダホルダ内にある。
【0033】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記コネクタは、前記受容部との係止状態と前記受容部との係止解除状態との間で移動されるように構成される。前記係止状態では、前記ブラダは前記ブラダホルダに結合される。前記係止解除状態では、前記ブラダは前記ブラダホルダから分離される。前記コネクタは、前記ブラダホルダの内側の領域から前記係止状態と前記係止解除状態との間で移動されるように構成される。
【0034】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記コネクタは、ツールを使用することなく、前記係止状態と前記係止解除状態との間で移動されるように構成される。
【0035】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記コネクタは、前記ブラダホルダの外側から前記領域にツールを挿入することによって、前記係止状態と前記係止解除状態との間で移動されるように構成される。
【0036】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記ブラダホルダは、分離装置のバケットである。前記壁は、前記バケットの開放端部から前記バケットの閉鎖端部まで延在する。
【0037】
少なくとも1つの例示的実施形態は、相互接続組立体に関する。該相互接続組立体は、受容部と、コネクタと、を備える。前記受容部は、本体とラッチプレートとを有する。前記本体は、レセプタクルと、前記本体の第1の側と前記本体の第2の側との間に延在する受容部内腔と、を有する。前記受容部は、内腔軸を有する内腔を有する。前記ラッチプレートは、前記本体に摺動可能に取り付けられる。前記ラッチプレートは、前記内腔軸に平行な開口軸を有する開口部を有する。前記コネクタは、基部と、プラグと、を有する。前記プラグは、前記基部から突出する。前記コネクタには、前記基部及び前記プラグを通ってコネクタ内腔が形成される。
【0038】
少なくとも1つの例示的実施形態において、該相互接続組立体は、ブラダをさらに備える。前記ブラダは、伸縮可能チャンバと、前記伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有する。前記コネクタは、前記コネクタ内腔が、前記伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与えるように、前記流体ポートに動作可能に取り付けられる。
【0039】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記プラグは、凹部と、柔軟部分と、をさらに有する。前記凹部は、前記プラグの前記基部から第1の距離だけ離れて設けられている。前記柔軟部分は、前記プラグの周囲に配置される。前記柔軟部分は、前記プラグと前記レセプタクルとの間にシールを形成するように構成される。前記柔軟部分は、前記基部から第2の距離だけ離れて設けられている。
【0040】
少なくとも1つの例示的実施形態において、前記柔軟部分は、前記プラグから突出する弾性的に可撓性のあるリッジである。
【0041】
血液分離システムは、血液成分化のプロセスを自動化するために使用され得る。少なくとも1つの例示的実施形態では、このプロセスは、血液バッグを金属バケットに装填し、回転軸を中心に回転させ、血液を成分に分離することによって、行われる。分離されると、種々の成分は、バケットの内側にもある(例えば、血液バッグの外側に隣接且つ接触して配置される)ブラダ(例えば、膨張可能、空気圧、液圧等)を用いて血液バッグ内の流体を押し出すことによって、バケットから外に搾出されてもよい。これらのブラダは、血液分離システムのために予定された日常のメンテナンスの一部として交換される必要がある。ブラダを交換するには、保守作業者が、血液分離システムから各バケットを完全に取り外して、バケット内にブラダを固定しているナットねじにアクセスしてこれを緩める必要がある。このプロセスは、時間がかかり、複雑であり、保守作業者に固有のリスクをもたらす。このプロセスは、完了するのに数時間もかかることがある。理解されるように、システムの保守及びブラダの交換は、保守作業者にとって費用がかかり、フラストレーションを引き起こす作業である。
【0042】
明細書に提示される実施形態が企図されたのは、上記の問題及び他の問題に対処するためである。
【0043】
少なくともいくつかの実施形態では、本開示は、血液分離システムからバケットを完全に分解する必要なく、ブラダを前記バケットに対して選択的に結合する(例えば、取り付ける及び/又は取り外す等)ための方法、装置、及びシステムを説明する。一実施例では、受容部(例えば、係止受容部等)がバケットの一部に取り付けられ、受容部に対して選択的に係合する別体のコネクタがブラダに取り付けられる。係合されると、コネクタは、係止ラッチを介して受容部に係止される。バケットからブラダを係合解除するために、作業者は、バケット及び/又はブラダを分解することなく、係止ラッチを解除し、バケットからブラダを取り外すことができる。係合及び係合解除は、完了するのに1分もかからない迅速な相互接続動作で実行され得る。
【0044】
コネクタ(例えば、係合プラグ等)は、ブラダ(例えば、膨張可能ブラダ等)に取り付けられてもよい。コネクタは、基部と、基部から突出する係合プラグとを有することができる。コネクタは、射出成形され、ブラダに(例えば、高周波(RF)、超音波等で)溶着されてもよく、或いは他の方法で付着されてもよい(例えば、糊付け、接着、溶融、締結等)。例えば、コネクタの基部は、ブラダの本体に取り付けられる平坦なシート又は平面状の本体であってもよい。
【0045】
受容部は、バケット及び/又は血液分離システムの製作中又は製造中に取り付けられてもよく、又は他の方法で形成されてもよい。すなわち、バケットに取り付けられて(又は、付着されて)、受容部は、バケット又はバケット組立体の一部になる。バケットの受容部は、ブラダの嵌合コネクタの少なくとも一部を受容するように構成された開口部を含むことができる。少なくとも1つの例示的実施形態において、受容部は、ばね荷重式ラッチ及び係止ラッチプレートを含んでもよい。受容部は、コネクタの係合プラグの少なくとも一部を受容するように構成されたレセプタクル又は開口部を含んでもよい。少なくとも1つの例示的実施形態では、受容部は、レセプタクルの軸に対して垂直に配置されたプレートを有するばね荷重式ラッチを含む。該プレートは、受容部の開口部とサイズが同様である開口部を含んでもよい。該プレートの開口部は、プレートが解除位置にあるときに、受容部の開口部に対して同心状に配置されてもよい。一例では、プレートは、解除位置にあるときにプレートの開口部の縁部が受容部の開口部の領域を塞がないように配置される。いずれにしても、プレートは、プレートが係止位置にあるときに、受容部の開口部に対してシフトすることができる。シフトされると、プレートの開口部は、受容部の開口部に対して偏心して配置される。係止位置では、プレートの開口部の縁部は、受容部の開口部の領域の一部を塞ぐ。
【0046】
(ブラダの)係合プラグが(バケットの)受容部のレセプタクルに挿入され、トリガ位置に押し込まれると、コネクタは、受容部内のばね荷重式ラッチ及びプレートを解除位置から係止位置に移動させるトリガピンを押圧し、それにより、プレートは、コネクタ内の受容溝と係合する。前記受容溝は、前記係合プラグ又はその一部の周囲に設けられてよい。一例では、受容溝は、係合プラグの本体における凹部として構成されてもよい。係合されると、プレートの開口部の縁部の少なくとも一部は、係合プラグの本体の凹部に挿入され、受容部の開口部の軸及び係合プラグの軸に沿った係合プラグの動きを防止することができる。
【0047】
バケットからブラダを係合解除するとき、係合手順を逆にして行われる。例えば、作業者は、プレートがコネクタの受容溝から係合解除されるように、プレートを係止位置から解除位置に移動させるばね荷重式ラッチを(例えば、手によって、或いはツール(工具)を用いて)ラッチ解除する。係合プラグの本体の凹部として構成される場合、プレートの係合解除は、プレートの開口部の縁部を係合プラグの本体の凹部から完全に外し、受容部の開口部の軸及び係合プラグの軸に沿った係合プラグの移動が可能になるようにする。いくつかの例では、ばね荷重式ラッチは、解除位置に保持して、トリガピンをリセットする。解除位置にある間、係合プラグは、受容部から外され、ブラダは、バケットから完全に分離される。理解されるように、本方法、装置、及びシステムは、メンテナンス作業中のブラダの迅速な交換を可能にし、従来の分解する手法に対して時間が節約され、分解することなく実行することができる信頼性の高い相互接続が提供される。とりわけ、本明細書に記載される方法、装置、及びシステムは、従来のシステムにおいて行われているように数時間を要する(例えば、2時間以上の複雑な分解作業を必要とする)ことなく、数秒或いは数分(例えば、1~2分)の時間枠内でブラダ及びバケットの迅速な選択的結合(例えば、接続及び分離等)を行うことを可能にする。
【0048】
少なくとも1つの例示的実施形態では、コネクタは、係合プラグ及び基部を通って延在する内腔(例えば、流体チャネル又は導管)を備える。内腔は、ブラダの内部容積部分と流体連通する。内腔は、妨げられず(例えば、バルブレス)、コネクタを通って、障害物のない制限されない流路(例えば、封止バルブや流量制限バルブによって制限されない流路)を構成する。同様に、受容部のレセプタクル又は開口部は、受容部を通って延びる中空チャネル又は内腔の一部を形成してもよい。受容部のこの内腔は、バルブレスであってもよく、受容部を通って、障害物のない制限されない流路(例えば、封止バルブ又は流量制限バルブによって制限されない流路)を構成する。少なくとも1つの例示的実施形態では、流体(例えば、空気圧流体、液圧流体等、及び/又はそれらの組み合わせ)は、流路に沿って受容部の内腔に移送される。コネクタが受容部と係合されると、流体は、流路を介して、受容部を通ってコネクタの内腔内に、及びブラダの内部容積部分内に流れる、又はその逆に流れる。流体がブラダ内に移動されると、ブラダはサイズが増大(例えば、膨張、増大、拡張等)し、流体がブラダから(例えば、流体をブラダから流路に沿って圧出或いは引き出す等を介して)移動されると、ブラダはサイズが減少(例えば、しぼむ、縮小する、収縮する等)する。
【0049】
さらなる適用範囲は、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。この概要における説明及び特定の例は、例示のみを目的とすることを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0050】
本明細書における図面は、選択された実施形態の例示のみを目的とし、全ての可能な実施形態ではなく、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1図1は、少なくとも1つの実施形態に係る、分離装置のロータの斜視図である。
図2図2は、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、図1の分離装置の、直径面に沿った部分断面の概略図である。
図3図3は、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、図1のロータの上面図である。
図4図4は、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、図1のロータの分離セルの半径方向面に沿った断面の概略図である。
図5図5は、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、他の分離セルの半径方向面に沿った断面の概略図である。
図6図6は、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、ロータ及び単一の分離セルを有する分離装置の断面図である。
図7図7は、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、図6の分離装置の部分断面図である。
図8図8A図8Cは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、図6の分離装置の選択的結合組立体の部分断面図である。図8Aは、解除(又は係合解除若しくは係止解除)状態にある選択的結合組立体を示す。図8Bは、中間状態(又は部分的に係合された状態)にある選択的結合組立体を示す。図8Cは、係止状態(又は係合状態)にある選択的結合組立体を示す。
図9図9A図9Dは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、選択的結合ツールを示す。図9Aは、選択的結合ツールの第1の側からの斜視図である。図9Bは、選択的結合ツールの第2の側からの斜視図である。図9Cは、選択的結合ツールの第1の側からの部分斜視図である。図9Dは、選択的結合ツールの第2の側からの部分斜視図である。
図10図10は、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、図9A図9Dの選択的結合ツールによって解除状態から係止状態に向かってガイドされる選択的結合組立体を有する図6の分離装置の部分立面図である。
図11図11A図11Bは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、係止状態にある図6の選択的結合組立体の図である。図11Aは、選択的結合組立体のコネクタ(点線で示される)及び受容部の斜視図である。図11Bは、受容部の斜視図である。
図12図12A図12Bは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、図9A図9Dの選択的結合ツールによって係止解除される前の係止状態にある図11Aの選択的結合組立体の図である。図12Aは、ツールが受容部の一部と係合している状態にある、係止状態の選択的結合組立体の斜視図である。図12Bは、係止状態において受容部の一部と係合したツールの斜視図である。
図13図13は、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、図9A図9Bの選択的結合ツールが受容部の一部と係合している状態にある、係合解除状態の図12Aの選択的結合組立体の斜視図である。
図14図14A図14Bは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、係合プラグ及び受容部を有する他の選択的結合組立体の断面図である。図14Aは、受容部に係合プラグが係合した状態を示す。図14Bは、受容部から係合プラグが係合解除された状態を示す。
図15図15A図15Bは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、係合プラグ及び受容部を有するさらに他の選択的結合組立体の断面図である。図15Aは、受容部に係合プラグが係合した状態を示す。図15Bは、受容部から係合プラグが係合解除された状態を示す。
図16図16A図16Bは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、係合プラグ及び受容部を有するさらに他の選択的結合組立体の断面図である。図16Aは、受容部に係合プラグが係合した状態を示す。図16Bは、受容部から係合プラグが係合解除された状態を示す。
図17図17A図17Dは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、他の選択的結合ツールを示す。図17Aは、選択的結合ツールの第1の側からの斜視図である。図17Bは、選択的結合ツールの第2の側からの斜視図である。図17Cは、選択的結合ツールの第1の側からの部分斜視図である。図17Dは、選択的結合ツールの第2の側からの部分斜視図である。
図18図18A図18Bは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、図17A図17Dのツールを使用した選択的結合組立体の係止解除に関する図である。図18Aは、係止状態の選択的結合組立体の斜視図である。図18Bは、解除状態に移動される前の、ツールが選択的結合組立体に係合している状態にある、係止状態の選択的結合組立体の斜視図である。
図19図19A図19Bは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、選択的結合ツールの使用を容易にするためのチャネルを有する他の分離装置の概略部分断面図である。図19Aは、ツールが部分的にチャネル内にある状態の選択的結合組立体を示す。図19Bは、ツールがチャネル内にあり、且つ選択的結合組立体の受容部に接触した状態にある選択的結合組立体を示す。
図20図20は、本開示の実施形態に係る、ブラダを分離装置の分離セルに係合するための方法のフローチャートである。
図21図21は、本開示の実施形態に係る、分離装置の分離セルからブラダを係合解除するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
対応する参照符号は、図面のいくつかの図に示される、対応する部分を示す。
【0053】
例示的実施形態は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【0054】
例示的実施形態は、本開示が完全となるために、また、当業者に範囲が完全に伝わるようにするために、提供される。本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、装置、及び方法の例等の多数の特定の詳細が記載される。特定の詳細を用いる必要がないこと、例示的実施形態は多くの異なる形態で具現化され得ること、及びいずれも本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的実施形態では、周知のプロセス、周知の装置構造、及び周知の技術は、詳細には説明されない。
【0055】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的実施形態を説明するためのものにすぎず、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図されている。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含んでいる(including)」、及び「有している(having)」は、包括的であり、従って、述べられた特徴、実体物、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの集合の存在又は追加を排除しない。本明細書に記載された方法のステップ、プロセス、及び動作は、実行の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明又は図示された特定の順序での実行を必要とすると解釈されるべきではない。追加の又は代替のステップが使用されてもよいことも理解されたい。
【0056】
要素又は層が他の要素又は他の層「の上にある」、「に係合される」、「に接続される」、又は「に結合される」と称されるとき、それは、該他の要素又は該他の層、の直接上にある、に直接係合される、に直接接続される、又は、に直接結合されてもよく、或いは介在要素又は介在層が存在してもよい。一方、要素が他の要素又は他の層「の直接上にある」、「に直接係合される」、「に直接接続される」、又は「に直接結合される」と称されるとき、介在要素又は介在層が存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の語は、同様に解釈されるべきである(例えば、「間に」対「直接間に」、「隣接して」対「直接隣接して」等)。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数の任意の且つ全ての組合せを含む。
【0057】
第1、第2、第3等の用語は、本明細書では、種々の要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを説明するために使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、又はセクションを他の領域、層、又はセクションと区別するためにのみ使用される。「第1の」、「第2の」等の用語、及び他の数に関する用語は、本明細書で使用されるとき、文脈によって明確に示されない限り、順番や順序を暗示しない。従って、以下で説明される第1の要素、第1の構成要素、第1の領域、第1の層、又は第1のセクションは、例示的実施形態の教示から逸脱しなければ、第2の要素、第2の構成要素、第2の領域、第2の層、又は第2のセクションと呼ばれることもできる。
【0058】
「内側」、「外側」、「真下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」等の空間的な関係を示す用語は、図に示されるように、1つの要素又は1の特徴部分の他の要素(複数可)又は他の特徴部分(複数可)に対する関係を説明する際に、説明を容易にするために本明細書では使用される。空間的な関係を示す用語は、図に示された向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きを包含することを意図され得る。例えば、図中の装置が反転されると、他の要素又は他の特徴部分の「下」又は「真下」にあると説明された要素は、該他の要素又は該特徴部分の「上」と、それに応じて変更されることになる。従って、例えば、用語「下」は、上及び下の両方の向きを包含することができる。装置は、他の方向に向けられてもよく(90度回転して、他の方向に)、本明細書で使用される空間的な関係を示す記載は、その状況に応じて解釈される。
【0059】
本開示の少なくとも1つの実施形態は、遠心分離によって、複合液体(例えば、血液)の別々の体積を並行して(又は同時に)分離するための装置に関する。この装置は、それぞれ異なる容積の複合液体が入った複数の分離バッグを受容するように構成された遠心分離機と、少なくとも1つの分離された成分を、各分離バッグから、該分離バッグに接続されたサテライトバッグへ移送させるための成分移送手段と、4つの分離バッグの重量が異なる場合に、ロータを最初にバランスさせるための第1のバランス手段と、サテライトバッグに移動された分離成分の重量がロータのアンバランスを生じさせる場合に、ロータをバランスさせるための第2のバランス手段と、を備える。
【0060】
図1には、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、分離装置(例えば、図2の遠心分離機200)のロータ100が示される。ロータ100は、一般に、1又は複数(例えば、図では4つ)の分離セル102を含む。少なくとも1つの例示的実施形態において、分離セル102は互いに同一である。各分離セル102は、容器104(本明細書では同義に「バケット」とも呼ばれる)を含む。容器104の各々は、直方体の一般的な形状を有してもよい。
【0061】
分離セル102の各々は、蓋106をさらに含んでよい。少なくとも1つの例示的実施形態において、蓋106は、ヒンジ付きの横蓋である。少なくとも1つの例示的実施形態において、蓋106は、容器104の外壁の上部を含む。蓋106は、開いたときに、液体が入った(又は満杯の)分離バッグ(例えば、図4図5の分離バッグ400)を分離セル102に容易に装填できるような寸法になっている。容器104は、蓋106を容器104の残りの部分に締結又は係止することができる締結係止手段(図示せず)を含むことができる。
【0062】
少なくとも1つの例示的実施形態において、各分離セル102は、第1及び第2のピンチバルブ108、110(まとめて「一対のピンチ弁108、110」と呼ぶ)をさらに含む。
【0063】
ロータ100は、中央容器120等の貯蔵手段をさらに含むことができる。少なくとも1つの例示的実施形態において、中央容器120は、図示されるように、複数のサテライト容器122に細分される。サテライト容器122は、中央キャビティ124の周りに配置されてもよい。
【0064】
ロータ100は、ターンテーブル130をさらに含んでもよい。少なくとも1つの例示的実施形態において、ターンテーブル130は、円錐台形状を有する。ロータ100は、マニホールド132をさらに含むことができる。マニホールド132は、略円形の形状又は略円形の配置構成を有してもよい。少なくとも1つの例示的実施形態では、マニホールド132は、ターンテーブル130の周縁部134の近傍に配置される。少なくとも1つの例示的実施形態において、マニホールド132は、ターンテーブル130e(図示せず)内にリングを形成する。少なくとも1つの例示的実施形態では、マニホールド132は、「周辺円形マニホールド」と呼ばれる。
【0065】
図2において、少なくとも1つの例示的実施形態では、ロータ100は、遠心分離機200のような分離装置の一部である。ロータ100は、第1の軸又は回転軸204を中心とするロータ100の回転を容易にするために、軸受アセンブリ202によって支持される。ロータ100は、第2の軸又はシャフト長手方向軸208に沿って延在する円筒形ロータシャフト206を含む。プーリ210は、ロータシャフト206に接続される。中央容器120は、ロータシャフト206の上端212に接続される。従って、シャフト長手方向軸208は、回転軸204と、中央容器120の第3の長手方向軸又は容器長手方向軸214との両方と一致する。
【0066】
少なくとも1つの例示的実施形態において、ターンテーブル130は、中央容器120の開口部の下でフレア状に広がっている。分離セル102は、回転軸204に対して対称な配置となるようにターンテーブル130上に取り付けられる。
【0067】
少なくとも1つの例示的実施形態において、遠心分離機200は、モータ220をさらに備える。モータ220は、ベルト222によってロータ100に結合されてもよい。ベルト222は、モータ220による回転軸204を中心とするロータ100の回転を容易にするために、プーリ210の溝224に係合されてもよい。
【0068】
各分離セル102は、中央長手方向軸226を有する。少なくとも1つの例示的実施形態において、分離セル102は、それぞれの中央長手方向軸226が回転軸204と交差するように、そして、分離セルそれぞれが回転軸204から略同じ距離に位置し、及び/又は、分離セルの中央長手方向軸226間の角度が略同じ(例えば、約90度)となるように、ターンテーブル130上に取り付けられる。ターンテーブル130上の分離セル102の位置は、ロータ100のバランスを取るために、例えば、分離セル102が空であるときにターンテーブル上の重量が均等に分配されるように調整されてもよい。少なくとも1つの例示的実施形態において、分離セル102は、ターンテーブル130を幾何学的に画定する円錐台の角度に等しい鋭角で回転軸204に対して傾斜している。
【0069】
各容器104は、空洞部分230を画定する。少なくとも1つの例示的実施形態において、空洞部分230は、液体が入った(又は液体で満たされた)分離バッグ(例えば、図4図5の分離バッグ400)を緩く収容できるようなサイズで成形される。空洞部分230(本明細書では「分離コンパートメント230」とも呼ばれる)は、回転軸204から最も遠くに位置する底壁と、ターンテーブル130に最も近い下壁と、下壁の反対側の上壁と、2つの側壁と、によって画定される。
【0070】
少なくとも1つの例示的実施形態において、空洞部分230は、底壁から延在し、丸みを帯びた角を有する略直方体の形状を有する主要部分と、一点に収束していく三角形の底面を有する略角柱の形状を有する上部とを含む。従って、空洞部分230の上部は、空洞部分230の中心の中央長手方向軸226に向かって収束する2対の対向する壁によって画定される。少なくとも1つの例示的実施形態では、この設計は、遠心分離による分離後の複合流体の小さい成分(例えば、全血中の血小板)の薄層の半径方向の拡張を容易にして、小さい成分を分離バッグ(例えば、図4図5の分離バッグ400)の上部でより容易に検出可能にし得る。
【0071】
遠心分離機200は、各分離バッグ(例えば、図4図5の分離バッグ400)から、少なくとも1つの分離された成分を、接続されたサテライトバッグ(例えば、図5のサテライトバッグ502)へ移送するための成分移送手段をさらに含む。成分移送手段は、少なくとも1つの例示的実施形態では、以下でより詳細に説明するように、分離コンパートメント230内の分離バッグを圧搾し、分離された成分をサテライトバッグ内に移送させるための圧搾システムを含むことができる。
【0072】
少なくとも1つの例示的実施形態において、圧搾システムは、容器104のそれぞれに選択的に結合されてその空洞部分内に伸縮可能チャンバ234を構成する可撓性隔壁232(本明細書では同義で「ブラダ」とも呼ばれる)を含む。より具体的には、可撓性隔壁232は、空洞部分230の底壁と、ターンテーブル130に最も近い空洞部分230の下壁の少なくとも一部(例えば、大部分)とを内側で覆うように寸法決定される。各容器104は、それぞれの可撓性隔壁232を含むことができる。
【0073】
少なくとも1つの例示的実施形態において、圧搾システムは、マニホールド132をさらに含む。伸縮可能チャンバ234の各々は、それぞれの容器104の底部付近で容器の壁を貫通する供給チャネル236によって、マニホールド132に流体接続される。
【0074】
少なくとも1つの例示的実施形態において、圧搾システムは、液圧ポンプステーション240をさらに含む。液圧ポンプステーション240は、ポンプにより液圧作動液を、分離セル102内の伸縮可能チャンバ234のそれぞれの中へ入れたり及び/又はそこから出したりするように構成されてもよい。液圧作動液は、分離される複合液体中の成分のうちの最も密度の高い成分(例えば、複合液体が血液である場合、赤血球)よりもわずかに高い密度を有するように選択される。その結果、遠心分離中、各伸縮可能チャンバ234内の作動液は、その体積がどのようなものであっても、一般に、各分離セル102の最も外側の部分に留まる。少なくとも1つの例示的実施形態では、液圧ポンプステーション240は、回転シール又は流体継手242を介して、ダクト244によって、伸縮可能チャンバ234の各々に接続される。該ダクトは、ロータシャフト206、中央容器120の底部及び側壁を通り、中央容器120のリムから、半径方向にターンテーブル130を通って、マニホールド132に接続する。
【0075】
少なくとも1つの例示的実施形態において、液圧ポンプステーション240は、回転シール242を介してダクト244に流体接続された液圧シリンダ248内で移動可能なピストン246を有するピストンポンプを含む。ピストン246は、ピストン246のロッドに連結された送りねじ252を動かすステッピングモータ250によって作動され得る。液圧シリンダ248はまた、作動液リザーバ254に接続される。作動液リザーバ254は、バルブ256によって制御される経路を有してもよい。バルブ256は、液圧シリンダ248、ダクト244、及び伸縮可能チャンバ234を含む液圧回路への液圧作動液の導入又は液圧回路からの液圧作動液の引き出しを選択的に可能にするように構成され得る。少なくとも1つの例示的実施形態において、圧力計258は、液圧回路に接続されて、その中の液圧を測定する。
【0076】
少なくとも1つの例示的実施形態では、遠心分離機200は、4対の第1及び第2のピンチバルブ部材108、110をさらに含む。ピンチバルブ部材108、110の対は、中央容器120の開口部の周りでロータ100に取り付けられてもよい。ピンチバルブ部材108、110の対の各々は、該対が関連付けられた分離セル102に面する。ピンチバルブ部材108、110は、可撓性プラスチックチューブ(例えば、図5のチューブ506)を通る液体の流れを選択的に遮断又は許容し、可撓性プラスチックチューブを選択的に密封及び切断することを容易にするように構成されてよい。
【0077】
ピンチバルブ部材108、110の各々は、細長い円筒形本体と、溝260を有するヘッド部と、を含む。溝260は、固定された上顎部(図示せず)と、開位置と閉位置との間で移動可能な下顎部(図示せず)とによって画定されてもよい。溝260は、下顎部が開位置にあるときに、1又は複数のバッグセットのチューブ(例えば、図5のチューブ506)が溝にぴったりと係合できるような寸法になっている。細長い本体は、下顎部を移動させるための機構(図示せず)を含んでもよく、チューブ(例えば、プラスチック製)を密閉及び切断するために必要なエネルギーを供給する、高周波発生器に接続される。
【0078】
少なくとも1つの例示的実施形態では、ピンチバルブ部材108、110は、その長手方向軸が回転軸204に略平行となるように且つそのヘッド部が中央容器120のリムの上方に突出するように、中央容器120の内側に、その内面に隣接して取り付けられる。少なくとも1つの例示的実施形態では、電力は、ロータシャフト206の下部の周りに取り付けられたスリップリングアレイ270を通してピンチバルブ部材108、110に供給される。
【0079】
少なくとも1つの例示的実施形態において、遠心分離機200は、分離セル102に含まれる分離バッグ(例えば、図4図5の分離バッグ400)の重量が異なる場合に、最初にロータ100のバランスをとるための第1のバランス手段をさらに有する。第1のバランス手段は、上述の成分移送手段の要素と実質的に同じ構成要素を有する。すなわち、(例えば、マニホールド132と同様の)マニホールドによって相互接続された(例えば、液圧チャンバ234と同様の)4つの伸縮可能液圧チャンバと、マニホールドに接続された(例えば、ダクト244と同様の)ダクトを通して液圧チャンバ内に液圧作動液をポンプで注入するための(例えば、液圧ポンプステーション240と同様の)液圧ポンプステーションとを含む。4つの分離セル102が、(4つの体積が等しくない及び/又は液体の密度が各体積ごとにわずかに異なっているため)同じ重量を有していない複合液体の4つのそれぞれの体積を含むロータ100を最初にバランスさせるために、液圧ポンプステーションは、分離プロセスの開始時に、最も不釣り合いな状況のロータ100をバランスさせるように選択された所定の体積の液圧作動液を相互接続された液圧チャンバにポンプ注入するように制御される。全血については、このバランスさせるための体積の決定は、2つの献血間の容積の最大差、及び2つの献血間のヘマトクリット(すなわち、密度)の最大差を考慮に入れる。遠心力の下で、作動液は、分離バッグの重量の差に応じて、4つの分離セル102内に不均等に分配され、ロータ100のバランスをとる。所望の又は最適な初期バランスを達成するために、分離セル102の空洞部分230の容積は、空洞部分230が、その中に収容される分離バッグの容積がどのようなものであっても、決定された量の作動液が相互接続された伸縮可能チャンバ234内にポンプで注入された後に満杯にならないように選択されてもよい。
【0080】
少なくとも1つの例示的実施形態において、遠心分離機200は、中央容器120におけるサテライトバッグ(例えば、図5のサテライトバッグ502)に移送された成分の重量が異なる場合に、ロータ100のバランスをとるための第2のバランス手段をさらに有する。例えば、2つの供血が同一のヘマトクリット値で且つ異なる体積を有する場合、それぞれの供血から抽出された血漿の体積は異なり、また2つの供血が同一の体積で且つ異なるヘマトクリット値を有する場合もまた同じことが言える。少なくとも1つの例示的実施形態では、第2のバランス手段は、4つのチューブセクション(図示せず)によって相互接続される4つの可撓性長方形パウチ280を含む。各チューブセクションは、2つの隣接するパウチ280を底部において接続する。パウチ280は、複合液体の密度に近い密度を有するバランス液をある体積だけ収容する。バランス液の該体積は、最も不釣合いの状態のロータ100をバランスさせるように選択される。4つのパウチ280は中央容器120の内面を覆うように、且つバランス液がパウチ280の中で自由に広がることができるように、バランス液の体積より大きい内部体積を有するように寸法決定される。動作において、例えば、4つのパウチ280にそれぞれ隣接する4つのサテライトバッグ(例えば、図5のサテライトバッグ502)が、異なる体積の血漿成分を受け取る場合、4つのサテライトバッグは、遠心力を受けて、4つのパウチ280に対して不均一に押圧され、その結果、バランス液が4つのパウチ280内で不均一に分配されるようになり、サテライトバッグ内の重量の差を補償するようになる。
【0081】
少なくとも1つの例示的実施形態では、遠心分離機は、制御ユニット(例えば、マイクロプロセッサ、コントローラ等)と、種々の分離プロトコル(例えば、血漿成分及び血液細胞成分の分離のためのプロトコル、又は血漿成分、血小板成分、及び赤血球成分の分離のためのプロトコル)に関する情報及びプログラムされた命令及びそのような分離プロトコルに従った装置の動作に関する情報及びプログラムされた命令を、マイクロプロセッサに提供するためのメモリ(例えば、コンピュータ可読メモリ等)とを含む、コントローラ290をさらに含む。特に、マイクロプロセッサは、分離プロセスの様々な段階(例えば、成分分離の段階、血漿成分搾り出しの段階、血漿画分中の血小板懸濁の段階、血小板成分搾り出しの段階等)でロータ100を回転させるべき遠心分離速度に関する情報、及び分離された成分を分離バッグ(例えば、図4図5の分離バッグ400)からサテライトバッグ(例えば、図5のサテライトバッグ502)へ移送させるべき種々の移送流量に関する情報、を受信するようにプログラムされる。種々の移送流量に関する情報は、例えば、液圧回路における液圧作動液流量として、又は液圧ポンプステーション240のステッピングモータ250の回転速度として表現することができる。マイクロプロセッサは、圧力計258から、及び4対のセンサ310、312からの情報を直接又はメモリを介して受信し、遠心分離モータ220、液圧ポンプステーション240のステッピングモータ250、及び4対のピンチバルブ部材108、110を制御して、分離装置を選択された分離プロトコルに沿って動作させるように、さらにプログラムされてもよい。
【0082】
図3に示すように、少なくとも1つの例示的実施形態では、各分離セル102の上部は、それぞれの中央長手方向軸226に向かって収束する壁300を含む。少なくとも1つの例示的実施形態において、壁300は、容器104の頂部で開口する複数(例えば、図示されるように3つ)のチャネル302に向かって収束する。チャネル302は、円筒形チャネルであってもよい。チャネル302は、互いに略平行に延在してもよい。
【0083】
少なくとも1つの例示的実施形態では、遠心分離機200は、装置が動作するときに各分離バッグ内で生じる種々の成分の分離を監視するための4対のセンサをさらに含む。各センサ対は、第1のセンサすなわちバッグセンサ310と、第2のセンサすなわちチューブセンサ312とを含む。センサ310、312は、各分離セル102の容器104の蓋106に埋め込まれてもよい。センサ310、312は、容器104の中央長手方向軸226に沿って取り付けられてもよい。バッグセンサ310は、チューブセンサ312よりも回転軸204から遠くに位置してもよい。少なくとも1つの例示的実施形態では、分離バッグ(例えば、図4図5の分離バッグ400)が容器104内に載置され、蓋106が閉じられると、バッグセンサ310は、分離バッグの上部三角形部分に面し、チューブセンサ312はチューブ(例えば、図5のチューブ506)の近位端に面する。バッグセンサ310は、液体中の血球を検出するように構成されてもよい。チューブセンサ312は、チューブ内の液体の有無を検出すると共に、液体中の血球を検出するように構成されてもよい。センサ310、312の各々は、赤外線LED及び光検出器を含むフォトセルを含んでもよい。少なくとも1つの例示的実施形態において、電力は、ロータシャフト206(図2)の下側部分の周りに搭載されているスリップリングアレイ270(図2)を介してセンサ310、312に供給される。
【0084】
図4に示すように、各容器104は、それぞれの分離バッグ400を収容するように構成されてもよい。容器104は、分離バッグ400を分離セル102内に固定するための固定手段を有してもよい。少なくとも1つの例示的実施形態において、固定手段は、1又は複数(例えば、図示のように2つ)のピン410と、それらに対応する1又は複数の凹部412と、を含む。ピン410は、分離セル102の頂部416の近傍において、蓋106の内面414から突出してもよい。凹部412は、容器104の内面418に形成されてもよい。ピン410は、離間して配置され、分離バッグ400の上縁(例えば、2つの上側角部)の1又は複数の穴420に受容されるように、寸法決定されてもよい。
【0085】
少なくとも1つの例示的実施形態において、遠心分離機200(図2)は、バッグセット500と共に使用されるように構成される。図5に示すように、バッグセット500は、分離バッグ400と複数のサテライトバッグ502と、を含む。分離バッグ400及びサテライトバッグ502は、可撓性であってよい。少なくとも1つの例示的実施形態では、分離バッグ400は、遠心分離機200から独立して又は離れて収集するために、次いで、遠心分離機200内で分離するために、連続的に使用される。サテライトバッグ502は、分離された成分を受け入れるために遠心分離機200内で使用されてもよい。
【0086】
少なくとも1つの例示的実施形態では、分離バッグ400は、チューブ(図示せず)に接続されている。該チューブは、任意に、血液供与のために、その遠位端に針(図示せず)を有してもよい。サテライトバッグ502は、チューブ506と、任意選択であるが、分離バッグ400とサテライトバッグ502との間における破断可能なストッパ(図示せず)と、によって、分離バッグ400に接続されてもよい。ピンチバルブ部材108、110(図1図3)は、サテライトバッグ502につながる各チューブ506に配置される。
【0087】
少なくとも1つの例示的実施形態において、図5に示すように、分離セル102´は、サテライトバッグ容器510と一体化された、分離バッグ400用容器104´を含む。分離セル102´及び容器104´は、以下に特に記載がない限り、図1図3の分離セル102及び容器104と同じである。サテライトバッグ容器510は、直方体の形状を有するサテライト空洞部512を画定する。サテライト空洞部512は、上述のバランス組立体のパウチ280のうちの1つを収容するように構成されてもよい。分離バッグ容器104´は、容器がターンテーブル130(図1図3)に取り付けられたときに、両容器104´、510の開口部が回転軸204(図2図3)を向いて同一平面内にあるように、サテライトバッグ容器510に重ね合わせられる。
【0088】
少なくとも1つの例示的実施形態では、バッグセット500は、ドナーからの個別の体積の全血を受容するための分離バッグ400と、2つのサテライトバッグ502とを含む。第1のサテライトバッグは、全血から血漿成分及び血小板成分を受容するように構成され、第2のサテライトバッグは、全血の赤血球成分を受容するように構成される。少なくとも1つの他の例示的実施形態では、バッグセット500は、ドナーからの個別の体積の全血を受容するための分離バッグ400と、3つのサテライトバッグ502とを含む。第1のサテライトバッグは、全血の血漿成分を受容するように構成され、第2のサテライトバッグは、全血の血小板成分を受容するように構成され、第3のサテライトバッグは、全血の赤血球成分を受容するように構成される。少なくとも1つの他の例示的実施形態において、複数のサテライトバッグ502は、3つより多いサテライトバッグを含む。バッグセット500は、分離バッグ400とサテライトバッグ502の一部との間のチューブに三方コネクタを含むことができる。分離バッグ400が容器104´内にあるとき、チューブ506は、それぞれのチャネル302を通って延在する。1又は複数のサテライトバッグ502は、白血球除去フィルタ等のフィルタ520に流体接続されてもよい。
【0089】
遠心分離機200の分離セル102の少なくとも1つの配置構成を参照して説明されるが、本明細書に記載される選選択的結合組立体の実施形態は、任意の流体処理、分離、及び/又は分析システムにおいて利用されてもよく、本明細書に記載される分離装置に限定されないことを理解されたい。追加的に又は代替的に、本開示の実施形態は、バケット内における又はアクセスが制限される任意の部分的に閉じ込められた容積内における、構成要素間の任意の結合に採用され得る。例えば、バケットは、深い容器部分、すなわち、一方の側でのみアクセス可能であるか、断面積が小さいか又は横幅或いは縦幅が狭いか又は限られた容積を有する空洞部分を含むことができる。いくつかの例では、バケットは、作業者が手を空洞部分に入れてバケットの底壁に届かせることができないようなサイズであってもよい。いずれの場合も、本明細書に記載される選択的結合組立体は、限られた容積及び空間を有するバケット内で1つの構成要素を他の構成要素に迅速に結合するために使用される。
【0090】
図6には、少なくとも1つの例示的実施形態に係る分離装置600が示されている。分離装置600は、以下に説明される、ブラダをバケットに結合する選択的結合組立体の存在を除いて、図2の分離装置200と同じものである。
【0091】
少なくとも1つの例示的実施形態において、分離装置600は、ロータ602と、少なくとも1つの分離セル604(例えば、図示されるように、単一の分離セル604)と、を含む。分離セル604は、バケット606(容器又はブラダホルダとも呼ばれる)を含む。上述のように、分離セル604のバケット606は、ロータ602の回転軸608に対して角度を付けて配置される。分離装置600は、選択的結合組立体620(「クイックコネクタ」、「QCコネクタ」、又は「相互接続アセンブリ」とも呼ばれる)を含む。選択的結合組立体620は、コネクタ622及び受容部624を含む。少なくとも1つの例示的実施形態において、コネクタ622は、可撓性隔壁すなわちブラダ626に関連付けられ、受容部624は、バケット606に関連付けられる。
【0092】
図7に示すように、選択的結合組立体620の受容部624は、バケット606の少なくとも1つの壁700に取り付けられてよい。少なくとも1つの例示的実施形態において、受容部624は少なくとも部分的に、バケットの壁700内にある。受容部624は、バケット606の底壁702に隣接して配置されてもよい。受容部624は、ポリマー(例えば、プラスチック)、金属、又はそれらの任意の組み合わせから作製されてもよい。少なくとも1つの例示的実施形態では、受容部624の金属は、アルミニウム、鋼、チタン、又はそれらの任意の組み合わせを含む。受容部624は、以下でより詳細に説明するが、係止部材、それを貫通する内腔、及び/又は1又は複数の外部シールを含む。
【0093】
図では、コネクタ622は、ブラダ626に取り付けられている。少なくとも1つの例示的実施形態において、コネクタ622は、平坦基部706と、平坦基部706から延在する係合プラグ708と、を有する本体704を含む。コネクタ622は、貫通する第1の内腔710を有する又は画定する。
【0094】
コネクタ622は、ブラダ626から形成されてもよく、又はブラダ626に取り付けられてもよい。例えば、コネクタ622の平坦基部706は、ブラダ626に(例えば、超音波で)溶着されてもよく、及び/又は接着剤で接着されてもよい。少なくとも1つの例示的実施形態では、接続される部分は、ポリマー(例えば、プラスチック材料)から形成される。
【0095】
少なくとも1つの例示的実施形態では、コネクタ622の平坦基部706は、ブラダ626の内壁と外壁との間、或いは内層と外層との間に挟持され、それらの間に取り付けられる。例えば、ブラダ626の壁712は、1又は複数の層を有する積層体に対応する。この場合、該層を貫通して穴が形成され、平坦基部706は、積層体の2以上の層の間にある。積層体の層は、接着剤による接着、融着、及び/又はRF若しくは超音波を使用した溶着によって、平坦基部706に取り付けられてもよい。取り付けられると、ブラダ626の内部容積部分は、平坦基部706の周囲における接触によって、ブラダ626の外部に対してシールされる。しかしながら、第1の内腔710は、係合プラグ708を貫通して、画定された空間内のブラダ626の内部容積部分内への流体流路720を提供することができる。
【0096】
受容部624に接続されると、流体流路720は、流体源(例えば、液体供給部又は気体供給部)とブラダ626の内部容積部分との間に形成される。流体流路720は、選択的結合組立体620の相互接続部分において妨げられない。少なくとも1つの例示的実施形態では、選択的結合組立体620内の流体流路に配置されるバルブやシールはない。すなわち、流体流路720は、バルブ及びシールを含まない。
【0097】
図8A図8Cは、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、係合及び係合解除の種々の状態にある選択的結合組立体620を示す。コネクタ622は、平坦基部706から突出する係合プラグ708を有する。係合プラグ708には、Oリング802を少なくとも部分的に受け入れて収容する(又は少なくとも部分的に受け入れて収容するように構成された)第1の環状溝800(本明細書では「Oリング溝800」とも呼ばれる)が形成される。係合プラグ708が受容部624に係合されると、コネクタ622のOリング802は、流体源とブラダ626の内部容積部分との間の流体流路720(図7に示す)に沿って流れる液圧流体又は空気圧ガスの漏れを低減又は防止することができる。係合プラグ708には、図示のように、環状溝である、係止凹部804がさらに形成されてもよい。係止凹部804の軸方向中心箇所は、平坦基部706から第1の距離806にある。環状溝800の軸方向中心箇所は、平坦基部706から第2の距離808にある。第2の距離808は、第1の距離806よりも大きい。
【0098】
少なくとも1つの例示的実施形態では、受容部624は、通常、基部810と、ばね荷重式ラッチ812のような自動ラッチ組立体と、を含む。ばね荷重式ラッチ812は、ラッチプレート814と、トリガピン818と、を含む。ラッチプレート814は、基部810に摺動可能に取り付けられる。ラッチプレート814は、主要部分820とフランジ822とを含む。主要部分820には、受容開口部824が形成されている。主要部分820は、コネクタ622の係合プラグ708の少なくとも一部を受容するように構成されている。主要部分820は、トリガピン818の少なくとも一部を受容するようにさらに構成される。
【0099】
基部810は、第1のレセプタクル又はコネクタレセプタクル826を有する又は画定する。少なくとも1つの例示的実施形態では、基部810は、内側環状突出部又は返し(barb)828を含む。コネクタレセプタクル826は、環状壁830と内側環状突出部828との間の半径方向の領域に画定される。内側環状突出部828には、第2の内腔すなわち受容部内腔832が形成される。ラッチプレート814の受容開口部824は、コネクタレセプタクル826及び第2の内腔832に対して同心状に配置されている。
【0100】
基部810には、第2のレセプタクルすなわちトリガピンレセプタクル840がさらに形成される。トリガピンレセプタクル840は、トリガピン818の少なくとも一部を受容する。第1のばね842(例えば、圧縮ばね)は、トリガピンレセプタクル840内に少なくとも部分的に受容される。第1のばね842は、基部810及びトリガピン818に係合する。少なくとも1つの例示的実施形態では、第1のばね842は、トリガピンレセプタクル840の底壁844とトリガピン818の底面846との間に延在する。少なくとも1つの例示的実施形態では、トリガピン818は、凹部847を有する又は画定する。凹部847は、トリガピン818の底面846によって少なくとも部分的に画定される。凹部847は、第1のばね842の一部を受容するように構成されてもよい。少なくとも1つの例示的実施形態では、第1のばね842は、トリガピン818を第1の方向すなわち外へ向かう方向848に付勢するように構成される。第1の方向848は、トリガピン818の長手方向軸849に略平行である。
【0101】
少なくとも1つの例示的実施形態では、トリガピン818は、第1の段付き部分すなわち第1の環状溝850と、第2の部分すなわち第2の環状溝852と、を有する又は画定する。第1の環状溝850は、第2の環状溝852よりも底面846に近い位置に形成される。すなわち、第2の環状溝852と底面846との間の距離は、第1の環状溝850と底面846との間の距離よりも長い。トリガピン818は、第1の環状溝850において第1の直径を、第2の環状溝852において第2の直径を、最外面854において第3の直径を、有する。第1の直径は、第3の直径よりも小さい。第2の直径は、第1の直径(及び第3の直径)よりも小さい。トリガピン818は、頂面856を有する。
【0102】
受容部624は、第2のばね860(例えば、圧縮ばね)をさらに含む。第2のばね860は、基部810及びラッチプレート814に係合する。第2のばね860は、ラッチプレート814のフランジ822と基部810の外面862との間に位置する。第2のばね860は、ラッチプレート814を第2の方向すなわち係止方向864に付勢するように構成される。第2の方向864は、第1の方向848に対して略垂直である。
【0103】
ばね荷重式ラッチ812は、解除位置、係合解除位置、又は係止解除位置(図8Aに示される)と、係止位置又は係合位置(或いは係止状態又は係合状態)(図8Cに示される)との間で移動するように構成される。解除位置では、ラッチプレート814は、受容開口部824がコネクタ622の係合プラグ708を受容することが可能であるように、開状態にある。例えば、トリガピン818の第1の環状溝850は、解除位置において、ラッチプレート814の第1の縁部又はピン縁部870を受容する。トリガピン818が長手方向軸849に平行な線に沿って移動されると、トリガピン818の第1の環状溝850は、受容部624内に移動し、トリガピン818の第2の環状溝852は、ラッチプレート814と一致するように位置付けられる。トリガピン818のこのような位置付けにより、第2のばね860が、ラッチプレート814を、解除位置(図8A)から第2の方向864に沿ってラッチ位置(図8C)へ並進、摺動、又は他の仕方で移動させる。ラッチプレート814の並進後、ラッチプレート814の第1の縁部870は、少なくとも部分的に第2の環状溝852内に入る。
【0104】
図8Cは、コネクタ622の係合プラグ708が、受容部624のラッチプレート814に係止されている状態が示されている。少なくとも図示の例示的実施形態では、この係止は、(図8Cに示すように)ラッチプレート814の第2の縁部又は係止縁部872が係合プラグ708のプラグ表面874と係合することによって行われる。第2の縁部872を含むラッチプレート814は、コネクタ622の係止凹部804内に少なくとも部分的に位置する。
【0105】
図8Aは、解除状態にある選択的結合組立体620のコネクタ622及び受容部624の断面詳細図を示す。コネクタ622を受容部624に結合する場合、係合プラグ708は、図8Aの矢印880によって示されるように、ブラダ626とバケット606との間の空間に挿入されたツール(例えば、図9A図9Dのツール900及び図17A図17Dのツール1700)によって支持又はガイドされる。上記のガイドを行いながら位置合わせすることのさらなる詳細は、以下に記載される。とりわけ、ツールは、作業者が係合プラグ708の軸をコネクタレセプタクル826及び/又は第2の内腔832の軸にそろえることを可能にする。しかしながら、いくつかの例では、コネクタ622を受容部624に結合するとき、及び/又はコネクタ622を受容部624から分離するときに、ツールが必要とされなくてもよい。いずれにしても、ブラダ626及び一体化されたコネクタ622が、受容部624が設けられたブラダホルダ(例えば、バケット等)の受容容積部分内に配置されている状態で、ブラダ626の結合又は分離が行われる。
【0106】
図8Bは、係合プラグ708が部分的にコネクタレセプタクル826内にあり、ばね荷重式ラッチ812が解除状態にある、中間状態又は部分的係合状態を示す。図8Bに示すように、コネクタ622の第1の内腔710が受容部624の第2の内腔832と同心になるように、コネクタ622の係合プラグ708を受容部624のコネクタレセプタクル826と接触させる。ブラダ626及びコネクタ622が受容部624に向かって(例えば、着座位置に)移動すると、ブラダ626及び/又はコネクタ622の少なくとも一部がトリガピン818に接触し、図8Cに示すように、ラッチプレート814が係合プラグ708の係止凹部804との係合位置に移動する。この位置では、コネクタ622は、第1及び第2の内腔710、832の軸に沿って移動することを防止され、ブラダ626は、この位置で受容部624及びバケット606に係止される。
【0107】
一旦係合されると、ブラダ626のバケット606からの分離は、受容部624のラッチプレート814を解除することによって行われる。ラッチプレート814を解除することは、以下により詳細に説明されるように、受容部624が配置される壁700(図7に示される)とブラダ626との間の空間にツール(例えば、結合ツール)を挿入することを含み得る。次いで、結合ツールを、ラッチプレート814に配置された作動特徴部分(例えば、穴、スロット、タブ等)と係合させ、結合ツールを、ラッチプレート814と係合プラグの凹部又は溝との係合を解除するように動かす。図8Cを参照すると、この移動は、図の左上側から右下側に向かう移動方向に相当する。ラッチプレート814がこの移動方向にある距離だけ移動されると、トリガピン818は、ブラダ626に向かって並進し、ラッチプレート814を解除位置(図8A図8Bに示す)に係止する。移動方向は、例えば、バケット606内の受容部624の配置及び/又は他の設計上の選択に応じて、押す方向であってもよいし、引く方向であってもよい。
【0108】
いくつかの例では、別体のツールを必要とすることなく、受容部624のラッチプレート814を解除することによって、ブラダ626をバケット606から分離することができる。ラッチプレート814を解除することは、ラッチプレート814が係合プラグ708の係止凹部804から係合解除するように、受容部624のラッチプレート814を作動させることを含むことができる。
【0109】
図9A図9Dは、コネクタ622及びそれに関連付けられたブラダ626を、受容部624及びそれに関連付けられたバケット606(図6)に対して係止及び/又は係止解除することを容易にするために使用され得るツール900(「選択的結合ツール」とも呼ばれる)を示す。ツール900は、近位端904から遠位端906まで延在するシャフト902を有する。ハンドル908は、シャフト902の近位端904に配置される。結合端部910は、シャフト902の遠位端906に配置される。
【0110】
少なくとも1つの例示的実施形態では、ツール900は、バケット606(図6に示す)への挿入深さを示すように構成されたしるしを含む。示された例示的実施形態では、シャフト902には、図示されているように、第1のしるし912及び第2のしるし914が設けられている。しるし912、914は、互いに長手方向に離間している。少なくとも1つの例示的実施形態では、第1のしるし912は、選択的結合組立体620(図6に示す)を係止するための挿入深さを示し、第2のしるし914は、選択的結合組立体620を係止解除するための挿入深さを示す。少なくとも1つの例示的実施形態において、それらのしるしは、シャフト902にエッチングされる。
【0111】
少なくとも1つの例示的実施形態では、図9Cに最もよく示されているように、ツール900は、選択的結合組立体620(図6に示されている)の係止を容易にする特徴部分を含む。ツール900の結合端部910は、シャフト902の遠位端906から突出する二股状延長部916を備えてもよい。二股状延長部916は、U字形状、又は蹄鉄の形状であってもよい。二股状延長部916は、結合端部910の第1の側918(図9Cに示す)と結合端部910の第2の側920(図9Dに示す)との間を延在する。
【0112】
二股状延長部916には、以下により詳細に説明するように、コネクタ622(図7に示す)の係合プラグ708(図7に示す)の外面に係合するように構成されたクレードル922が設けられる。クレードル922は、コネクタ622の係合プラグ708の外径のサイズに一致するようなサイズに形成された、1又は複数の弧状接触面924を含んでもよい。少なくとも1つの他の例示的実施形態では、クレードルは、コネクタ622の係合プラグ708の外径よりも大きい直径を有するようなサイズに形成された1又は複数の弧状接触面を備える。クレードル922は、作業者が係合プラグ708を受容部624(図7に示す)内に向かって動かすことを支援するために使用される。
【0113】
少なくとも1つの例示的実施形態では、図9Dに最もよく示されているように、ツール900は、選択的結合組立体620(図6に示す)の係止解除を容易にするために、ラッチプレート814(図8Aに示す)と係合する1又は複数の解除用特徴部分を含むことができる。少なくとも1つの例示的実施形態では、解除用特徴部分は、ツール900の結合端部910の第2の側920の面932から突出する1又は複数の解除ピン930を含む。少なくとも1つの例示的実施形態では、ピン930は、結合端部910の底面932に対して略垂直に延在する。ピン930は、以下でより詳細に説明するように、ラッチプレートにおける対応する特徴部分(例えば、穴、スロット等)と係合するようなサイズ及び形状にされる。少なくとも1つの例示的実施形態において、解除ピン930は円錐台形状を有する。
【0114】
上述したように、ツール900は、選択的結合組立体620(図6に示す)の係止を容易にするために使用されてもよい。図10には、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、選択的結合組立体620を係止するための配置構成が示されている。ブラダ626がバケット606(図6に示す)に挿入された後、ツール900は、ブラダ626と受容部624との間の領域又は空間1000に挿入される。ツール900は、選択的結合組立体620に向かって移動される。少なくとも図示された例示的実施形態では、ツール900は第2の方向864に移動される。選択的結合ツール900のクレードル922(図9C図9D)は、弧状接触面924が外面1004に接触するように、係合プラグ708の外面1004を受容する。コネクタ622は、ブラダ626と共に、第1の方向848(図8A)とは反対の第3の方向すなわち内へ向かう方向1006に、受容部624に向かって移動される。第3の方向1006への移動中、ツール900は、係合プラグ708を受容部624の受容開口部824内に向かって動かす。係合プラグ708が動かされて受容開口部824に挿入されると、ツール900は領域1000から取り去られ、ブラダ626は、第3の方向1006にさらに押されて、受容部624との係止状態又は完全係合状態になる。
【0115】
図11A図11Bに示されたように、係止状態では、係合プラグ708は少なくとも部分的に、受容開口部824内にある。ラッチプレート814のピン縁部870は少なくとも部分的に、トリガピン818の第2の環状溝852(図8A)内にある。ラッチプレート814の係止縁部872は少なくとも部分的に、係合プラグ708の係止凹部804内にある。この係合は、コネクタ622を受容部624に軸方向に係止する。
【0116】
図11Bに最もよく示されるように、トリガピン818は少なくとも部分的に、ラッチプレート814のスロット1100内にある。図示の例示的実施形態では、スロット1100は、スロット1100が受容開口部824と連通するように、係止縁部872に形成される。ラッチプレート814の主要部分820は、第1の端部1110と第2の端部1112との間に延在する。第1の端部1110を含むラッチプレート814の主要部分820は、少なくとも部分的に基部810のチャネル1114内にある。第1の端部1110は、弧状面1116を含むことができる。フランジ822は、第2の端部1112から延在してもよい。ラッチプレート814には、1又は複数の解除用開口部1120が形成される。
【0117】
上述したように、ツール900(図9A図9D)は、選択的結合組立体620の係止解除を容易にするために使用することができる。図12A図12Bに示すように、ツール900は、選択的結合組立体620に向かって移動され得る。少なくとも図示の例示的実施形態では、ツール900は第2の方向864に移動され、コネクタ622と受容部624との間の領域1000(図10に示す)に挿入される。ツール900をさらに、第3の方向1006に移動し、ツール900のピン930(図9A及び図9C)をラッチプレート814の解除用開口部1120(図11B)に少なくとも部分的に挿入する。ピン930が解除用開口部1120内にある状態で、ツール900を、第2の方向864とは反対の第4の方向すなわち係止解除方向1200に並進させる。ツール900のピン930とラッチプレート814との係合により、ラッチプレート814はツール900と共に第4の方向1200に移動する。
【0118】
図13では、ツール900がラッチプレート814とまだ係合している状態にある、解除状態の選択的結合組立体620が示されている。解除状態において、基部810のコネクタレセプタクル826は、ラッチプレート814の受容開口部824と略同心である。別の言い方をすれば、プレート縁部1300は、受容部624の基部810内の環状壁830に接近して移動され、環状壁830と重なり合うか、又は一致する。この位置において、コネクタ622の係合プラグ708は、図13に示すように、受容部624から取り外されるように第1の方向848に移動される。
【0119】
コネクタ622は、受容部624の環状壁830に対してシールを形成するように構成されたOリング802(図8Aに示す)を有するように示されているが、流体源とブラダ626の内部容積との間の流体流路720(図7に示す)に沿って流れる液圧作動流体又は空気圧ガスの漏れを低減又は防止するために、異なる又は追加のシール要素又は特徴部分が使用されてもよいことが理解されるべきである。例えば、係合プラグは、コネクタと受容部との間にシール(例えば、気密、液密等)を提供することができる(例えば、弾性的に曲がる又は可撓性のリッジとして構成される)シール特徴部分及び/又は柔軟部分を備えることができる。いくつかの例では、シール特徴部分は、係合プラグに取り付けられ、係合プラグと共にインサート成形され、及び/又は係合プラグと共成形される別体の構成要素であってもよい。一例では、シール特徴部分は、係合プラグの材料から一体的に形成されてもよい。
【0120】
図14A図14Bには、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、他の選択的結合組立体1400が示されている。選択的結合組立体1400は、以下に特に規定する部分を除き、図6の選択的結合組立体620と同じであってもよい。選択的結合組立体1400は、コネクタ1402及び受容部1404を含む。受容部1404は、コネクタ1402の一部を受容するように構成されたコネクタレセプタクル1406(図14B)を有する又は画定する。コネクタレセプタクル1406は、環状壁1408によって少なくとも部分的に画定される。
【0121】
コネクタ1402は、平坦基部1420と、係合プラグ1422と、を含む。係合プラグ1422には、第1及び第2のOリング1428、1430を少なくとも部分的に受容する第1及び第2の環状溝1424、1426が形成される。コネクタ1402がコネクタレセプタクル1406と係合されると、第1及び第2の環状シール1440、1442が、環状壁1408と第1及び第2のOリング1428、1430との間にそれぞれ形成される。
【0122】
コネクタ1402には、平坦基部1420と係合プラグ1422の両方を貫通して延びる第1の内腔すなわちコネクタ内腔1448が形成される。環状内腔面1450は、第1の内腔1448を少なくとも部分的に画定する。受容部1404は、内側環状突出部又は返し1452を含む。内側環状突出部1452は、コネクタレセプタクル1406内に突出し、第2の内腔1454を画定する。コネクタ1402が受容部1404と係合されると、内側環状突出部1452は少なくとも部分的に、第1の内腔1448内に位置する。第3の環状シール1456は、内側環状突出部1452と内腔面1450との間に形成される。従って、選択的結合組立体1400は、内側シール(すなわち、第3のシール1456)及び外側シール(すなわち、第1及び第2のシール1440、1442)の両方を有する。
【0123】
図15A図15Bには、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、他の選択的結合組立体1500が示されている。選択的結合組立体1500は、以下に特に規定する部分を除き、図6の選択的結合組立体620と同じであってもよい。選択的結合組立体1500は、コネクタ1502及び受容部1504を含む。受容部1504には、コネクタ1502の一部を受容するように構成されたコネクタレセプタクル1506(図15B)が形成される。
【0124】
コネクタ1502は、平坦基部1520と、係合プラグ1522と、を含む。コネクタ1502には、平坦基部1520と係合プラグ1522の両方を貫通して延びる第1の内腔1558が形成される。環状内腔面1550は、第1の内腔1548を少なくとも部分的に画定する。
【0125】
受容部1504は、内側環状突出部又は返し1552を含む。内側環状突出部1552は、コネクタレセプタクル1506内に突出し、第2の内腔1554を画定する。コネクタ1502が受容部1504と係合されると、内側環状突出部1552は少なくとも部分的に、第1の内腔1548内に位置する。環状シール1556は、内側環状突出部1552と内腔面1550との間に形成される。従って、選択的結合組立体1400は、内側シール(すなわち、シール1656)のみを有する。
【0126】
図16A図16Bには、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、他の選択的結合組立体1600が示されている。選択的結合組立体1600は、以下に特に規定する部分を除き、図6の選択的結合組立体620と同じであってもよい。選択的結合組立体1600は、コネクタ1602及び受容部1604を含む。受容部1604には、コネクタ1602の一部を受容するように構成されたコネクタレセプタクル1606(図16B)が形成されている。コネクタレセプタクル1606は、環状壁1608によって少なくとも部分的に画定される。
【0127】
コネクタ1602は、平坦基部1620と、係合プラグ1622と、を含む。係合プラグ1622には、第1及び第2のOリング1628、1630を少なくとも部分的に受容する第1及び第2の環状溝1624、1626が形成される。コネクタ1602がコネクタレセプタクル1606と係合されると、第1及び第2の環状シール1640、1642が、環状壁1608と第1及び第2のOリング1628、1630との間にそれぞれ形成される。従って、選択的結合組立体1600は、外側シール(すなわち、第1及び第2のシール1640、1642)のみを有する。
【0128】
図17A図17Dは、コネクタ及びそれに関連付けられたブラダを、受容部及びそれに関連付けられたバケットに対して係止及び/又は係止解除することを容易にするために使用され得るツール1700(「選択的結合ツール」とも呼ばれる)を示す。ツール1700は、近位端1704から遠位端1706まで延在するシャフト1702を含む。ハンドル1708は、近位端1704に配置される。結合端部1710は、シャフト1702の遠位端1706に配置される。少なくとも1つの例示的実施形態では、ツール1700は、バケットへの挿入深さを示すように構成されたしるし(例えば、図9A図9Bのしるし1712、1714)をさらに含む。
【0129】
少なくとも1つの例示的実施形態では、図17Cに最もよく示されているように、ツール1700は、選択的結合機構の係止を容易にする特徴部分を含む。ツール1700の結合端部1710は、シャフト1702の遠位端1706から突出する二股状延長部1720を備えてもよい。二股状延長部1720は、U字形状、又は蹄鉄の形状であってもよい。二股状延長部1720には、コネクタの係合プラグの外面に係合するように構成されたクレードル1722が設けられる。クレードル1722は、コネクタの係合プラグの外径のサイズに一致するようなサイズに形成された、1又は複数の弧状接触面1724を含んでもよい。少なくとも1つの他の例示的実施形態では、クレードルは、コネクタの係合プラグの外径よりも大きい直径を有するようなサイズに形成された1又は複数の弧状接触面を備える。クレードル1722は、作業者が係合プラグを受容部内に向かって動かすことを支援するために使用される。
【0130】
少なくとも1つの例示的実施形態では、図17Dに最もよく示されているように、ツール1700は、選択的結合機構の係止解除を容易にするために、ラッチプレートと係合する1又は複数の解除用特徴部分を含むことができる。少なくとも1つの例示的実施形態において、解除用特徴部分は、ツール1700の結合端部1710の表面1732から突出する横方向プレート(transverse plate)1730のような突出部を含む。少なくとも1つの例示的実施形態では、プレート1730は、結合端部1710の表面1732に対して略垂直に延在する。プレート1730は、以下でより詳細に説明するように、ラッチプレート上の対応する特徴部分(例えば、フランジ)と係合するようなサイズ及び形状に形成される。
【0131】
上述のように、ツール1700は、選択的結合組立体の係止及び/又は係止解除を容易にするために使用され得る。ツール1700、ツール900と同じ方法で使用されて、クレードル1722を使用して選択的結合組立体を係止することを容易にすることができる。
【0132】
図18Aには、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、受容部624´が示される。受容部624´は、バケット(図示せず)に対して中心軸1800を中心に180度回転された状態でバケットに取り付けられることを除いて、図6の受容部624と同じである(同じ参照符号を有する同じ特徴部分を含む)。受容部624´は、係止状態で示されている。
【0133】
図18Bに示すように、ツール1700は、受容部624´の係止解除を容易にするために使用され得る。ツール1700のプレート1730がラッチプレート814のフランジ822と係合するまで、ツール1700を受容部624´に向かって移動させる。ツール1700は、第4の方向1200に移動されて、ラッチプレート814を第4の方向1200に並進させる。ラッチプレート814が並進すると、ラッチプレート814のピン縁部870(図8A)は、トリガピン818の第2の環状溝852から抜け出し、トリガピン818が第1のばね842(図8A)によって第1の方向848に押し動かされる。それによってラッチプレート814は解除状態に保持される。
【0134】
少なくとも1つの例示的実施形態において、分離装置は、チャネルのような、選択的結合ツールを使用しやすくするための特徴部分を含み得る。図19A図19Bには、少なくとも1つの例示的実施形態に係る、分離装置1900が示されている。分離装置1900は、以下に特に規定する部分を除き、図6の分離装置600と同じである。分離装置は、受容部624´を含む。
【0135】
少なくとも1つの例示的実施形態において、分離装置1900は、ロッド並進チャネル1904を少なくとも部分的に画定するバケット1902を含む。ロッド並進チャネル1904は、穴、溝、開口、又は他の特徴部分を含むことができる。ロッド並進チャネル1904は、ラッチプレート814の一部と整列される。ロッド並進チャネル1904は、例えば、バケットの上部(図示せず)から受容部624´のラッチプレート814に隣接する箇所1908まで延在するように、各バケット1902の側壁1906に形成されてもよい。
【0136】
ツールロッド又は解除ロッド1920は、ロッド並進チャネル1904内で移動可能である。示される例示的実施形態では、ロッド並進チャネル1904は、ロッド1920がラッチプレート814のフランジ822に接触することができるように、ロッド1920の少なくとも一部を受容することができる。ツール1920は、図18A図18Bを参照して説明したように、受容部624´を解除するために使用されてもよい。従って、受容部624´は、ブラダ626と側壁1906との間の空間にツールを挿入することなく、解除され得る。
【0137】
少なくとも1つの例示的実施形態において、ツール1920は側壁1906内に留まり、図19Aに示される非接触位置から図19Bに示される接触位置へと動かされる。追加的に或いは代替的に、ツール1920は、(例えば、メンテナンス作業中等に)ロッド並進チャネル1904内に選択的に受容され、図19Bに示されるように、ツール1920の端部がラッチプレート814に接触するまでロッド並進チャネル1904内において動かされる。
【0138】
図20は、本開示の実施形態に係る、ブラダを分離装置の分離セルに係合させるための方法2000のフローチャートである。方法2000は、S2004において、コネクタ(例えば、一体化されたコネクタ)を含むブラダを、ブラダとバケットとの間の領域に挿入することによって開始する。少なくとも1つの例示的実施形態では、S2004は、分離装置の初期設定中に、及び/又は分離装置のメンテナンス中に実行される。少なくとも1つの例示的実施形態において、ブラダは、ブラダの底部に配置されたコネクタがまず空洞部分の空間内に挿入され、該コネクタがバケットにおける受容部に近接するまで下がっていくように、挿入される。
【0139】
次に、方法2000は、S2008に進み、コネクタの係合プラグがバケットの受容部と位置合わせされる。少なくとも1つの例示的実施形態では、ツール900(図9A図9D)、ツール1700(図17A図17D)、又はツール1920(図19A図19B)等のツールが、係合プラグと受容部との位置合わせを補助するために作業者によって使用される。例えば、ツールのシャフトの長さは、ツールの結合端部がバケット内に挿入され、バケットの底壁に向かって移動されるとき、ツールのハンドルがバケットの頂部に隣接して配置された状態で、ツールのクレードルが受容部の受容開口部と略同心状に位置決めされるように設定される。少なくとも1つの例示的実施形態において、ツールのシャフトは、作業者がバケットの頂部からツールの結合端部までの深さを判断することを可能にする、目盛り、マーク、又は他のしるしを含む。S2008の間、ツールのクレードルを、コネクタの係合プラグの外径の一部に接触させて、クレードルによって支持する。位置合わせされると、係合プラグの軸は、受容開口部の軸と略同一線上になる(例えば、受容開口部の軸を中心として測定した場合、半径約3ミリメートル~約5ミリメートル以内等)。このステップは、少なくとも図8A図10、及び図13に示される係合プラグの位置に対応する。
【0140】
受容部と位置合わせされると、方法2000は、S2012において、受容部が係合プラグを所定の位置でラッチして係止するまで、コネクタの係合プラグを受容部(例えば、受容開口部)内に向かって動かす。S2012は、図8A図8Cにおいて説明したような、コネクタと受容部との係合に対応する。少なくとも1つの例示的実施形態において、ツールは、係合プラグを受容部の方向に移動させるために使用される。例えば、選択的結合ツールは、係合プラグと接触している結合端部のクレードルを受容部に向かう方向に移動させるために、ハンドルにおいて、移動、回転、及び/又は旋回される。いくつかの例では、ブラダは、コネクタに対して押されることによって、トリガピンがラッチプレートを解放し、係合プラグが所定の位置で係止される(例えば、少なくとも図8C及び図11Aに示される)。このブラダを押すステップは、ツールをバケット内のブラダ及びコネクタの背後の空間に挿入し、ブラダに対して、コネクタを受容部に係合させる力を加えるようにツールを操作することによって行われてもよい。
【0141】
図21は、少なくとも1つの実施形態に係る、分離装置のバケットからブラダを係合解除するための方法2100のフローチャートである。方法2100は、例えば、(作業者等による)メンテナンス作業又はブラダ交換作業の間に実行されてもよい。
【0142】
方法2100は、S2104で、ツール900(図9A図9D)、ツール1700(図17A図17D)、又はツール1920(図19A図19B)等のツールを、ブラダとバケットの受容部との間の空間に挿入することによって開始する。このステップの間、図8Cに示すように、ブラダは受容部に接続されている。少なくとも1つの例示的実施形態において、ツールの結合端部がコネクタに接触するまで、ツールが、ブラダとバケットの受容部及び/又はバケットの壁との間の空間内において移動される。少なくとも1つの例示的実施形態において、ツールは、解除ピンがバケットの受容部に面するようにバケットに挿入される。
【0143】
次に、方法2100は、S2108に進み、ツールを受容部のラッチプレートに係合させる。少なくとも1つの例示的実施形態において、ツールは、解除ピンが少なくとも部分的に、ラッチプレートの解除穴に挿入されるように移動される。
【0144】
S2112において、解除ピンがラッチプレートに係合されると、選択的結合ツールは、解除方向に移動され、係合プラグを受容部から係止解除する。解除方向は、バケット内の受容部及びラッチプレートの向きに依存する。
【0145】
ラッチプレートが解除位置に移動すると、方法2100は、S2116に進み、コネクタの係合プラグを受容部から取り外し、ブラダをバケットから物理的に分離する。係合プラグを取り外すことは、コネクタを受容部から離れる方向に移動させることを含んでもよい。受容部から取り外されると、ブラダ及び一体化されたコネクタは、バケットから取り外される。ブラダ交換又はメンテナンス作業の一部である場合、作業者は、図20の方法2000に関連して説明したように、一体化されたコネクタを有する新しいブラダ又は修理されたブラダを、挿入して取り付けることを決定することができる。理解されるように、方法2000及び方法2100は、分離装置の寿命の間、繰り返し行われる。
【0146】
本明細書で説明されるステップ、機能、及び動作のいずれも、連続的且つ自動的に実行され得る。
【0147】
事象の特定のシーケンスに関してフローチャートを論じて例示してきたが、開示された実施形態、構成、及び、態様の動作に実質的に影響を及ぼすことなくこのシーケンスに対する変更、追加、及び、省略を行なうことができることが理解されるべきである。
【0148】
本開示の例示的なシステム及び方法は、ブラダと流体供給源との間の結合に関連して説明されてきた。しかしながら、本開示を不必要に分かりにくくするのを避けるため、先の説明は、いくつかの既知の構造及び装置を省略している。この省略は、特許請求の範囲に記載される開示内容の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。特定の詳細な記述は、本開示の理解を与えるために記載される。しかしながら、本開示が本明細書中に記載される特定の詳細な記述以外の種々の方法で実施されてもよいことが理解されるべきである。
【0149】
本開示の複数の変形形態及び変更形態を使用できる。本開示のいくつかの特徴を他の特徴を与えることなく設けることができる。
【0150】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」、「いくつかの実施形態」等への言及は、説明される実施形態が特定の特徴、特定の構造、又は特定の特性を含み得るが、全ての実施形態が、その特定の特徴、その特定の構造、又はその特定の特性を必ずしも含むとは限らない。さらに、上記は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、特定の構造、又は特定の特性が一実施形態と併せて説明される場合、そのような特徴、構造、又は特性の説明は、特に記載のない限り、及び/又は詳細な説明から当業者に容易に明白となるであろう場合を除き、任意の他の実施形態に適用され得ることに留意されたい。種々の実施形態、構成及び態様における本開示は、種々の実施形態、サブコンビネーション、及び/又は、そのサブセットを含めて、実質的に図示されて本明細書中に記載される構成要素、方法、プロセス、システム、及び/又は、機器を含む。当業者は、本開示を理解した後に、本明細書に開示されるシステム及び方法をどのように作製及び使用するかを理解するであろう。種々の実施形態、構成及び/又は態様において、本開示は、例えば、性能を向上させる、容易さを得る、及び/又は、実施コストを低減するために、以前の装置又はプロセスで使用され得たような項目の非存在の状況を含めて、図示されていない及び/又は本明細書中に記載されていない項目の非存在の状況下で或いはその種々の実施形態、構成及び/又は態様において、装置及びプロセスを提供することを含む。
【0151】
本開示の以上の説明は、例示及び説明の目的で与えられてきた。以上の説明は、本明細書中に開示される1つ又は複数の形態に開示内容を限定しようとするものではない。例えば、前述の詳細な説明では、開示を簡素化する目的で、本開示の種々の特徴が1つ以上の実施形態、構成及び/又は態様がまとめられた。本開示の実施形態、構成、又は態様の特徴は、上記で説明したもの以外の代替の実施形態、構成、又は態様において組み合わせられてもよい。この開示方法は、特許請求される開示が、各請求項に明示的に記載されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、単一の上記の開示された実施形態、構成、又は態様の全ての特徴よりも少ない特徴にある。従って、それにより、以下の特許請求項はこの詳細な説明に組み入れられ、各請求項は、本開示の別個の好ましい実施形態としてそれ自体存在する。
【0152】
さらに、本開示の説明は、1又は複数の実施形態、構成、又は態様、並びにある特定の変形形態及び変更形態の説明を含んでいるが、他の変形形態、組合せ、及び変更形態は、本開示の範囲内にあり、例えば、本開示を理解した後に、当業者の技術及び知識の範囲内にあり得る。それは、特許請求の範囲に記載されるものに代わって置き換え可能な及び/又は等価な構造、機能、範囲又はステップが本明細書中に開示されているか否かにかかわらず、及び、任意の特許可能な主題を公に提供することを意図することなく、それら置き換え可能な及び/又は等価な構造、機能、範囲又はステップを含む他の実施形態、構成及び/又は、態様を含む権利を、許される範囲で、得ようとするものである。
【0153】
例示的な態様は、選択的結合組立体に関し、該選択的結合組立体は、バケットと、ブラダと、コネクタと、を備え、前記バケットは、前記バケットの開放端部から前記バケットの閉鎖端部まで延在する側壁と、前記バケットの前記開放端部と前記バケットの前記閉鎖端部との間に配置された空洞部分と、前記側壁に取り付けられた受容部と、を有し、前記受容部は、本体と、前記本体に摺動可能に取り付けられたラッチプレートと、を有し、前記本体は、前記本体の第1の側から前記本体の第2の側を通る受容部内腔と、前記受容部内腔の周りに配置された受容開口部と、を含み、前記ラッチプレートは、開口部と、前記受容部内腔の軸に平行に配置された開口軸とを含み、前記ブラダは、シールされた伸縮可能チャンバと、前記ブラダに配置され、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有し、前記コネクタは、前記ブラダに取り付けられ(或いは付着され)、少なくとも一部は前記流体ポート内に配置され、前記コネクタは、基部と、前記基部から突出する係合プラグと、前記基部及び前記係合プラグを通るコネクタ内腔と、を有し、前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える。
【0154】
上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記受容部の少なくとも一部は、前記側壁内に配置される。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記係合プラグは、前記係合プラグの前記基部から第1の距離だけ離れて設けられた少なくとも1つの凹部と、前記係合プラグの周囲に形成され、前記係合プラグの前記基部から第2の距離だけ離れて設けられた溝と、をさらに有する。上記態様の任意の1つ以上において、前記コネクタは、前記溝内に少なくとも部分的に配置されたOリングをさらに有する。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記コネクタは、ポリマー(例えば、プラスチック材料)から作製され、前記コネクタは、少なくとも1つの溶着部を介してブラダに取り付けられる(或いは、付着される)。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記コネクタは、前記受容部との係止状態と前記受容部との係止解除状態との間で移動可能であり、前記係止状態では、前記ブラダは前記バケットに固定して結合され、前記係止解除状態では、前記ブラダは前記バケットから分離されている。上記態様のうちの任意の1つ以上において、係止状態では、前記係合プラグは少なくとも部分的に、前記受容部の前記受容開口部内に配置され、前記ラッチプレートの一部は、前記係合プラグの前記少なくとも1つの凹部内に配置される。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記係止状態では、流体流路が、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分と前記受容部の前記受容部内腔との間に形成され、前記流体流路は、前記ブラダと前記受容部との間のバルブによって妨げられない。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記係合プラグは、前記係合プラグの前記基部から第1の距離だけ離れて設けられた少なくとも1つの凹部と、前記係合プラグの周囲に配置された柔軟部分と、をさらに有し、前記柔軟部分は、前記係合プラグと前記受容開口部との間のシールに対応し、前記柔軟部分は、前記係合プラグの前記基部から第2の距離だけ離れて設けられている。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記柔軟部分は、前記係合プラグから突出する弾性的に可撓性のあるリッジである。
【0155】
例示的な態様は、ブラダ組立体に関し、該ブラダ組立体は、可撓性部材と、コネクタと、を備え、該可撓性部材は、シールされた伸縮可能チャンバと、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記シールされた伸縮可能チャンバの外側に通じる流体ポートと、を有し、前記コネクタは、前記可撓性部材に取り付けられ(或いは、付着され)、少なくとも一部は前記流体ポート内に配置され、前記コネクタは、基部と、前記基部から突出する係合プラグと、を有し、前記コネクタには、前記基部及び前記係合プラグを通るコネクタ内腔が形成され、前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記可撓性部材の外側へ通じる流体流路を与える。
【0156】
上記態様のうちの任意の1つ以上において前記コネクタは、シールを介して前記可撓性部材に取り付けられ(或いは、付着され)、前記シールは、前記流体ポートを取り囲み、前記可撓性部材の一部を前記コネクタの前記基部に接合する。
【0157】
例示的な態様は、ブラダをバケットに結合する方法であって、該方法は、一体化されたコネクタを含むブラダをバケットの空洞部分内に挿入するステップと、前記一体化されたコネクタを前記バケットの側壁に配置された受容部と位置合わせするステップと、前記一体化されたコネクタを前記受容部内に向かって動かすステップと、前記一体化されたコネクタに係止するための力を加えて、前記受容部のラッチを前記一体化されたコネクタの一部と係合させ、前記受容部に対する前記一体化されたコネクタの軸方向の動きを行えないようにするステップと、を有する。
【0158】
上記態様のうちの任意の1つ以上において、一体化されたコネクタを前記受容部内に向かって動かす前記ステップは、選択的結合ツールを前記バケットの前記空洞部分内に挿入するステップと、前記選択的結合ツールを移動させて前記一体化されたコネクタの一部と接触させるステップと、前記選択的結合ツールを操作して、前記一体化されたコネクタを前記受容部の方向に移動させるステップと、を含む。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記選択的結合ツールを移動させて前記一体化されたコネクタの一部と接触させるステップは、前記バケットの頂面に対して前記選択的結合ツールを位置決めするステップと、前記選択的結合ツールのシャフト上の目盛りを前記バケットの前記頂面における基準点と位置合わせするステップと、を含む。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記ブラダは、シールされた伸縮可能チャンバと、前記ブラダに配置され、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有する。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記一体化されたコネクタは、基部と、前記基部から突出する係合プラグと、前記基部及び前記係合プラグを通るコネクタ内腔と、を有し、前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える。
【0159】
例示的な態様は、バケットからブラダを分離する方法に関し、該方法は、選択的結合ツールの端部を、前記ブラダと前記バケットの側壁との間の空間における前記バケットの空洞部分内に挿入するステップと、前記選択的結合ツールの前記端部を、前記バケットの前記側壁に少なくとも一部分が配置された受容部のラッチプレートに係合させるステップと、前記選択的結合ツールを解除方向に移動させて、前記ラッチプレートを係止状態から解除状態に移すステップであって、前記係止状態では、前記ラッチプレートの一部が前記ブラダのコネクタの一部と係合し、前記解除状態では、前記ラッチプレートの前記一部が前記ブラダの前記コネクタの前記一部と係合解除される、ステップと、前記ブラダの前記コネクタを前記受容部から離れる方向に移動させて、前記ブラダを前記バケットから分離させるステップと、を有する。
【0160】
上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記選択的結合ツールの前記端部を、前記受容部の前記ラッチプレートと係合させるステップは、前記選択的結合ツールの前記端部に配置されたピンを、前記ラッチプレートに配置された対応する穴と位置合わせするステップと、前記ピンの一部を前記ラッチプレートに配置された前記対応する穴に挿入するステップと、を含む。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記選択的結合ツールの前記端部に配置された前記ピンを、前記ラッチプレートに配置された前記対応する穴と位置合わせするステップは、前記バケットの頂面に対して前記選択的結合ツールを位置決めするステップと、前記選択的結合ツールのシャフト上の目盛りを前記バケットの前記頂面における基準点と位置合わせするステップと、を含む。
【0161】
例示的な態様は、選択的結合ツールに関し、該選択的結合ツールは、近位端から遠位端まで延在するシャフトと、前記遠位端から突出し、第1の側と、前記第1の側の反対側に第2の側と、を有する、二股状延長部と、を備え、該二股状延長部は、前記第1の側から前記第2の側へ延在する接触面を有するクレードルと、前記第2の側から突出する解除ピンと、を有する。
【0162】
上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記解除ピンは、円錐台状の突出部である。上記態様のうちの任意の1つ以上は、前記シャフトの前記近位端に接続されたハンドルと、前記シャフトの長さに沿って配置された少なくとも1つの目盛りと、をさらに備える。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記少なくとも1つの目盛りは、前記シャフトの一部にエッチングされ、前記シャフトの外面の少なくとも一部の周りを囲む。
【0163】
例示的な態様は、血液分離装置に関し、該血液分離装置は、ロータと、バケットと、受容部と、ブラダと、コネクタと、を備え、前記バケットは、前記ロータに取り付けられ、前記バケットの開放端部から前記バケットの閉鎖端部まで延在する側壁と、前記バケットの前記開放端部と前記バケットの前記閉鎖端部との間に配置された空洞部分と、を有し、前記受容部は、前記側壁に取り付けられ、前記受容部は、本体と、前記本体に摺動可能に取り付けられたラッチプレートと、を有し、前記本体は、前記本体の第1の側から前記本体の第2の側を通る受容部内腔と、前記受容部内腔の周りに配置された受容開口部と、を有し、前記ラッチプレートは、開口部と、前記受容部内腔の軸に平行に配置された開口軸とを有し、前記ブラダは、シールされた伸縮可能チャンバと、前記ブラダに配置され、前記シールされた伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有し、前記コネクタは、前記ブラダに取り付けられ(或いは付着され)、前記コネクタの少なくとも一部は、前記流体ポート内に配置され、前記コネクタは、基部と、前記基部から突出する係合プラグと、前記基部及び前記係合プラグを通るコネクタ内腔と、を有し、前記コネクタ内腔は、前記シールされた伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える。
【0164】
上記態様のいずれか1つ以上において、前記基部は、平面状の基礎部分を含み、略平坦である。
【0165】
例示的な態様は、選択的結合組立体に関し、該選択的結合組立体は、受容部と、ブラダと、コネクタと、を備え、前記受容部の少なくとも一部は、ブラダホルダの側壁内に配置され、前記受容部は、本体と、前記本体に摺動可能に取り付けられたラッチプレートと、を有し、前記本体は、前記本体の第1の側から前記本体の第2の側を通る受容部内腔と、前記受容部内腔の周りに配置された受容開口部とを含み、前記ラッチプレートは、開口部と、前記受容部内腔の軸に平行に配置された開口軸とを有し、前記ブラダは、伸縮可能チャンバと、前記ブラダに配置され、前記伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有し、前記コネクタは、前記ブラダに取り付けられ(或いは付着され)、前記コネクタの少なくとも一部は前記流体ポート内に配置され、前記コネクタは、基部と、前記基部から突出する係合プラグと、前記基部及び前記係合プラグを通るコネクタ内腔と、を有し、前記コネクタ内腔は、前記伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与える。
【0166】
上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記ブラダは、前記ブラダホルダの受容容積部分の外側に前記ブラダを配置する分離位置から、前記ブラダホルダの前記受容容積部分の内側に前記ブラダを配置する保持位置まで移動可能であり、前記受容部は少なくとも部分的に、前記ブラダホルダの前記受容容積部分内に配置される。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記コネクタは、前記受容部との係止状態と前記受容部との係止解除状態との間で移動可能であり、前記係止状態では、前記ブラダは前記ブラダホルダに固定結合され、前記係止解除状態では、前記ブラダは前記ブラダホルダから分離され、前記コネクタは、前記ブラダホルダの前記受容容積部分の内側の空間から前記係止状態と前記係止解除状態との間で移動可能である。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記コネクタは、ツールを使用することなく、前記係止状態と前記係止解除状態との間で移動可能である。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記コネクタは、前記ブラダホルダの前記受容容積部分の外側から前記ブラダホルダの前記受容容積部分の内側の空間へツールを挿入することによって、前記係止状態と前記係止解除状態との間で移動可能である。上記態様のうちの任意の1つ以上において、前記ブラダホルダは、分離装置のバケットであり、前記側壁は、前記バケットの開放端部から前記バケットの閉鎖端部まで延在し、前記受容容積部分は、前記バケットの前記開放端部と前記バケットの前記閉鎖端部との間に配置される。
【0167】
例示的な態様は、相互接続組立体に関し、該相互接続組立体は、受容部と、コネクタと、を備え、前記受容部は、本体と、前記本体に摺動可能に取り付けられたラッチプレートと、を有し、前記本体は、前記本体の第1の側から前記本体の第2の側を通る受容部内腔と、前記受容部内腔の周りに配置された受容開口部とを有し、前記ラッチプレートは、開口部と、前記受容部内腔の軸に平行に配置された開口軸とを有し、前記コネクタは、基部と、前記基部から突出する係合プラグと、前記基部及び前記係合プラグを通るコネクタ内腔と、を有する。
【0168】
上記態様のうちの1つ以上は、伸縮可能チャンバと、前記ブラダに配置され、前記伸縮可能チャンバの内部容積部分から前記ブラダの外側に通じる流体ポートと、を有するブラダをさらに備え、前記コネクタは、前記コネクタ内腔が前記伸縮可能チャンバの前記内部容積部分から前記ブラダの外側へ通じる流体流路を与えるように、前記流体ポートに動作可能に取り付けられる。
【0169】
本明細書中に実質的に開示される上記態様/実施形態のうちのいずれか1つ以上。
【0170】
本明細書に実質的に開示される前記態様/実施形態のうちの任意の1つ以上は、任意選択で、本明細書に実質的に開示される他の態様/実施形態のうちの任意の1つ以上と組み合わされる。
【0171】
本明細書中に実質的に開示される上記態様/実施形態のうちのいずれか1つ以上を実行するように構成された1つ以上の手段。
【0172】
本明細書に開示される前記特徴のうちの任意の1つ以上。
【0173】
本明細書に実質的に開示される前記特徴のうちの任意の1つ以上。
【0174】
本明細書に実質的に開示される前記特徴のうちの任意の1つ以上は、本明細書に実質的に開示される他の特徴のうちの任意の1つ以上と組み合わされる。
【0175】
前記態様/特徴/実施形態のうちの任意の1つと、他の態様/特徴/実施形態のうちの任意の1つ以上との組み合わせ。
【0176】
本明細書に開示される前記態様又は特徴のうちの任意の1つ以上の使用。
【0177】
実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提供されてきた。網羅的であることや本開示を限定することは意図されていない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、たとえ具体的に図示又は説明されていなくても、適用可能な場合、交換可能であり、選択された実施形態において使用され得る。同じことが、多くの方法で変更されてもよい。そのような変更は、本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのような変形は全て、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21
【国際調査報告】