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特表2024-544977電気刺激機能付き心電図モニタリング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電気刺激機能付き心電図モニタリング装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20241128BHJP
   A61B 5/308 20210101ALI20241128BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20241128BHJP
【FI】
A61N1/36
A61B5/308
A61B5/33 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528478
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 KR2022013785
(87)【国際公開番号】W WO2023128138
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193231
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524179628
【氏名又は名称】メジュ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MEZOO CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Medical device Multi Complex Center)#808,8-Floor,200 Gieopdosi-ro,Jijeong-myeon Wonju-si Gangwon-do 26354,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン ファン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ヒョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ソン ピル
【テーマコード(参考)】
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053JJ03
4C053JJ04
4C053JJ23
4C053JJ40
4C127AA02
4C127BB05
4C127CC01
4C127EE03
(57)【要約】
【要約】
本発明の一実施形態の電気刺激機能付き心電図モニタリング装置は、心電図を測定するための2つ以上の電極を含み、予め定められた心電図信号取得周期でユーザの心電図を測定する心電図測定モジュールと、ユーザの皮膚に接触して電気刺激を提供する2つ以上の電極パッドを含む電気刺激モジュールと、前記心電図測定モジュール及び電気刺激モジュールの動作を制御する制御モジュールと、を含み、前記制御モジュールは、前記心電図測定モジュールのユーザに対する心電図測定結果に基づいて、前記取得周期の信号取得タイミングの間に前記電気刺激モジュールが電気刺激を出力するように制御することができる。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心電図を測定するための2つ以上の電極を含み、予め定められた心電図信号取得周期でユーザの心電図を測定する心電図測定モジュールと、
ユーザの皮膚に接触して電気刺激を提供する2つ以上の電極パッドを含む電気刺激モジュールと、
前記心電図測定モジュール及び電気刺激モジュールの動作を制御する制御モジュールと、を含み、
前記制御モジュールは、前記心電図測定モジュールのユーザに対する心電図測定結果に基づいて、前記取得周期の信号取得タイミングの間に前記電気刺激モジュールが電気刺激を出力するように制御することを特徴とする、電気刺激機能付き心電図モニタリング装置。
【請求項2】
前記電気刺激は、経皮的電気神経刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation(TENS)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気刺激機能付き心電図モニタリング装置。
【請求項3】
前記取得周期は1ms~10msであることを特徴とする、請求項1に記載の心電図モニタリング装置。
【請求項4】
前記電気刺激モジュールは、前記2つ以上の電極パッドを介して150μs~400μsのパルス幅、及び15Hz~25Hzの周波数を有する電気刺激をユーザに提供することを特徴とする、請求項1に記載の電気刺激機能付き心電図モニタリング装置。
【請求項5】
前記心電図測定モジュールは、モニタリングモード及び休止モードを含み、前記モニタリングモードでは、前記心電図測定モジュールが予め定められたパターンの周期タイミングでユーザの心電図信号を取得して心電図を測定し、前記休止モードでは、前記心電図測定モジュールが心電図測定を中断し、
前記制御モジュールは、前記心電図測定モジュールのモニタリングモード中に、ユーザに対する心電図測定結果に基づいて、前記取得周期の信号取得タイミングの間に前記電気刺激モジュールが電気刺激を出力するように制御することを特徴とする、請求項1に記載の心電図モニタリング装置。
【請求項6】
前記心電図測定モジュールは、各信号取得周期内で取得された前記心電図信号をデジタルに変換してADC(Analog to digital conversion)信号を生成し、
前記制御モジュールは、前記心電図測定モジュールのユーザに対する心電図測定結果に基づいて、前記ADC信号生成タイミングと、その次の心電図信号取得タイミングとの間で前記電気刺激モジュールが電気刺激を出力するように制御することを特徴とする、請求項1に記載の心電図モニタリング装置。
【請求項7】
前記制御モジュールは、前記モニタリングモード中に、前記心電図測定モジュールのユーザに対する心電図測定結果が再び予め定められた正常範囲に戻った場合、前記電気刺激モジュールがユーザに対する電気刺激の提供を中断するように制御することを特徴とする、請求項5に記載の電気刺激機能付き心電図モニタリング装置。
【請求項8】
前記心電図測定モジュールは、前記電気刺激の出力信号をリファレンス信号として用いる適応ノイズキャンセラによって前記心電図信号のノイズをフィルタリングすることを特徴とする、請求項1に記載の電気刺激機能付き心電図モニタリング装置。
【請求項9】
前記心電図モニタリング装置内で前記心電図を測定するための2つ以上の電極を結ぶ直線と、前記電気刺激を提供する2つ以上の電極パッドを結ぶ直線とは、互いに垂直な状態に配置されるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電気刺激機能付き心電図モニタリング装置。
【請求項10】
ネットワークを介してユーザ端末又は外部システムとデータを送受信する通信モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気刺激機能付き心電図モニタリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気刺激印加機能付き心電図モニタリング装置に関し、より詳しくは、心電図測定結果に基づいたバイオフィードバックとしての電気刺激出力のパターンを心電図測定タイミングに対して適応させることで歪みを最小化した電気刺激機能付き心電図モニタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報検出装置の小型化及びウェアラブル化だけでなく、5G及びIoTなどの通信技術の発展により、ユーザに対する現場分析と共に、リモートヘルスモニタリング及び医療技術が急速に発展している。特に、心電図(ECG:Electrocardiogram)モニタリングの場合、すなわち、不整脈、心筋梗塞、狭心症などの心臓の異常を検出するために主に用いられる。生命活動における重要性により、遠隔ヘルスケア又はユーザモニタリングで通信可能な携帯型心電図モニタリング装置が広く用いられている。
【0003】
心電図とは、心臓筋肉の収縮と拡張による活動電流であり、心臓筋肉が収縮及び弛緩する際に発生する活動電位が心臓から全身に広がる際に生じる電流である。このような電流は、身体の位置に応じて電位差を生じるため、人体の皮膚に付着した2つ以上の電極を通じて検出して測定することができる。
【0004】
従来の心電図モニタリング装置は、単にユーザの心電図を測定及びモニタリングし、その測定データ又は分析データを遠隔ヘルスケアシステム又は医療スタッフに送信することを目的として製造されてきた。しかしながら、このような心電図データに基づいてユーザの心臓状態に対する危険が認識された場合には、該当ユーザに物理的な身体刺激を印加するバイオフィードバック(biofeedback)として、ユーザに警告したり軽い治療を提供したりする必要がある。バイオフィードバックとは、特殊な機器を用いて心身の反応を測定し、測定情報に基づいてユーザが自分の弛緩や緊張状態を自ら調節できるように身体的に知覚可能な形のフィードバックを与えることを意味する。
【0005】
従来のバイオフィードバックは、主に心電図モニタリング装置とは独立して設けられたバイオフィードバック装置が特定の空間に装着され、ユーザが快適に横たわったり座ったりした状態で行われた。
【0006】
しかしながら、このような従来の技術は、空間上の制約があり、ユーザの移動や動きが制限されるため、日常生活において継続的なモニタリングやバイオフィードバックが困難であるという問題があった。
【0007】
これと関連して、大韓民国公開特許公報第10-2007-0097900号には、心電図測定装置がユーザの心電図を測定し、その心電図データに基づいて危険度を判断し、心電図の危険度に応じて、軽い危険の場合には、ユーザに音源ファイルを出力して不安定な状態を緩和する音響治療を行い、心電図の危険度が高い場合には、音源ファイルの出力を停止し、警報音を送信してユーザの周囲の人たちに知らせる発明が開示されている。しかしながら、心電図の危険が軽い場合には、音源ファイルの出力による音響治療は、ユーザの心電図の不安定な状態に対する緩和効果が非常に小さいという問題がある。
【0008】
また、日本公開特許公報第2018-531642号には、心臓信号を検出できる検出電極と、心臓に危険信号が検出される場合にユーザに治療ショックを伝達できる一体化された電気刺激用除細動器電極パッドを含むウェアラブルデバイスが開示されている。しかしながら、このような文献では、除細動器電極パッドによって、緊急な治療が必要な状況で1回限りのショックを加える場合ではなく、継続的なモニタリングと警報性の電気刺激を与えるか又は軽い危険の場合、すなわちユーザに、不安定な状態を緩和する治療用電気刺激のように低いレベルの電気刺激を継続的に印加しなければならない場合には、ユーザに電気刺激の印加と同時に心電図測定が行われると、電気刺激により心電図信号に歪みが生じ、心電図を正確にモニタリングしにくいという問題がある。
【0009】
特に、人間に対する低いレベルの電気刺激として、経皮的電気神経刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation(TENS)を用いることができる。このような電気刺激は、皮膚と筋肉に電気刺激を与えて痛症を緩和させる目的で主に用いる。通常のTENS装置は、電気刺激周波数、パルス幅、及び強度を調節でき、好ましい周波数は約1~200Hzであり、パルス幅は約50~200μsである。しかしながら、このような電気刺激の周波数と振幅は心電図と同様である。
【0010】
したがって、このような電気刺激の印加を心電図の測定と同時に行う場合、心電図信号に発生する歪みによって心電図測定の精度が低下するため、通常は電気刺激と心電図測定を同時に行わず、心電図測定と電気刺激のための別々の装置が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2007-0097900号
【特許文献2】日本公開特許公報第2018-531642号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明が達成しようとする技術的課題は、遠隔ヘルスケアシステム又は遠隔医療システムにおいて、心電図モニタリングを行う際に、心電図データに基づいてユーザに警告又は軽い治療のためのフィードバックを、後続する心電図モニタリングに歪みなどの影響を与えない電気刺激の形で提供できる電気刺激機能付き心電図モニタリング装置を提供することである。
【0013】
また、本発明が達成しようとする他の技術的課題は、心電図モニタリング装置以外の追加の生体計測装置又は電気刺激印加装置を必要とせずに、日常生活における継続的なモニタリングとバイオフィードバックが可能になるように、ユーザの心電図測定モジュールとそれに基づいた電気刺激を1つの装置により達成すると共に、心電図モニタリングの精度を向上させることができる電気刺激機能付き心電図モニタリング装置を提供することである。
【0014】
本発明が達成しようとする技術的課題は上述した技術的課題に限定されず、言及されていないまた他の技術的課題は、以下の記載から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば明確に理解することができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記技術的課題を達成するために、本発明の一実施形態の電気刺激機能付き心電図モニタリング装置は、心電図を測定するための2つ以上の電極を含み、予め定められた心電図信号取得周期でユーザの心電図を測定する心電図測定モジュールと、ユーザの皮膚に接触して電気刺激を提供する2つ以上の電極パッドを含む電気刺激モジュールと、前記心電図測定モジュール及び電気刺激モジュールの動作を制御する制御モジュールと、を含み、前記制御モジュールは、前記心電図測定モジュールのユーザに対する心電図測定結果に基づいて、前記取得周期の信号取得タイミングの間に前記電気刺激モジュールが電気刺激を出力するように制御することができる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記電気刺激は、経皮的電気神経刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation(TENS)を含んでもよい。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記取得周期は1ms~10msであってもよい。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記電気刺激モジュールは、前記2つ以上の電極パッドを介して150μs~400μsのパルス幅、及び15Hz~25Hzの周波数を有する電気刺激をユーザに提供することができる。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記心電図測定モジュールは、モニタリングモード及び休止モードを含み、前記モニタリングモードでは、前記心電図測定モジュールが予め定められたパターンの周期タイミングでユーザの心電図信号を取得して心電図を測定し、前記休止モードでは、前記心電図測定モジュールが心電図測定を中断し、前記制御モジュールは、前記心電図測定モジュールのモニタリングモード中に、ユーザに対する心電図測定結果に基づいて、前記取得周期の信号取得タイミングの間に前記電気刺激モジュールが電気刺激を出力するように制御することができる。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、前記心電図測定モジュールは、各信号取得周期内で取得された前記心電図信号をデジタルに変換してADC(Analog to digital conversion)信号を生成し、前記制御モジュールは、前記心電図測定モジュールのユーザに対する心電図測定結果に基づいて、前記ADC信号生成タイミングと、その次の心電図信号取得タイミングとの間で前記電気刺激モジュールが電気刺激を出力するように制御することができる。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記制御モジュールは、前記モニタリングモード中に、前記心電図測定モジュールのユーザに対する心電図測定結果が再び予め定められた正常範囲に戻った場合、前記電気刺激モジュールがユーザに対する電気刺激の提供を中断するように制御することができる。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記心電図測定モジュールは、前記電気刺激の出力信号をリファレンス信号として用いる適応ノイズキャンセラによって前記心電図信号のノイズをフィルタリングすることができる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記心電図モニタリング装置内で前記心電図を測定するための2つ以上の電極を結ぶ直線と、前記電気刺激を提供する2つ以上の電極パッドを結ぶ直線とは、互いに垂直な状態に配置されるように構成されることを特徴とする、電気刺激機能を含んでもよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、ネットワークを介してユーザ端末又は外部システムとデータを送受信する通信モジュールをさらに含むことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態に係る電気刺激機能付き心電図モニタリング装置は、心電図測定モジュールとそれに基づいたバイオフィードバックを提供する電気刺激モジュールとを1つの装置に統合して提供し、心電図測定タイミングと電気刺激出力タイミングとを交差して提供することで、空間的な制約なく日常生活において継続的な心電図モニタリングとそれに基づいたバイオフィードバックを可能にすると共に、心電図測定信号に対する歪みを最小化することで、心電図モニタリングの精度を向上させることができる。
【0026】
本発明の効果は上述の効果に限定されるのではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】ユーザに電気刺激を印加していない際に、従来技術の心電図モニタリング装置によって測定した正常な心電図(ECG)測定グラフである。
図2】ユーザに電気刺激装置を装着して電気刺激を印加する際に、図1と同一の従来技術の心電図モニタリング装置によって測定した心電図(ECG)測定グラフである。
図3】本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置の機能的構成を概略的に示すブロック図である。
図4図3の本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置がユーザの心電図を測定する測定タイミング及び周期と、ユーザに電気刺激を印加するために電気刺激を出力する出力タイミング及び周期とを対比して示したグラフである。
図5】本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置が心電図測定信号に適応ノイズキャンセラを適用して信号の歪みを減少させるフローチャートである。
図6図5で用いられる適応ノイズキャンセラの一実施形態の概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置の構成を概略的に示す概略図である。
図8a】ユーザの両手に電気刺激を印加する際に、本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置のLA電極とRA電極とを接続する方向が、両手の電気刺激電極パッドを接続する方向と水平になるように配置して測定した心電図のグラフである。
図8b】ユーザの両手に電気刺激を印加する際に、本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置のLA電極とRA電極とを接続する方向が、両手の電気刺激電極パッドを接続する方向と45゜をなすように配置して測定した心電図のグラフである。
図8c】ユーザの両手に電気刺激を印加する際に、本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置のLA電極とRA電極とを接続する方向が、両手の電気刺激電極パッドを接続する方向と垂直になるように配置して測定した心電図のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明を説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で実施することができ、したがって、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。また、図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分には類似の図面符号を付した。
【0029】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続、接触、結合)」されているというとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、それらの間に他の部材を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに備えることができることを意味する。
【0030】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用されたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0031】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る電気刺激機能付き心電図モニタリング装置を説明する。
【0032】
図1は、ユーザに電気刺激を印加していない際に、従来技術の心電図モニタリング装置によって測定した正常な心電図(Electrocardiogram:ECG)測定グラフを示す。図1のグラフは、心臓の異常を持たない健康なユーザの心電図測定グラフであり、ユーザに電気刺激が印加されておらず、心電図測定信号に歪みが生じていないグラフを示す。
【0033】
一方、図2は、ユーザに電気刺激装置を装着して電気刺激を印加する際に、図1と同一の従来技術の心電図モニタリング装置によって測定した心電図(ECG)測定グラフを示す。図2の場合、電気刺激の心電図に対する影響が相対的に少ないユーザの首の後ろの部分に別の独立した電気刺激装置を付着し、電気刺激を印加して心電図を測定したにもかかわらず、図1の正常な心電図測定グラフと比較すると、図2のグラフでは、電気刺激の印加時に心電図測定信号にノイズのような歪みが発生することが確認される。
【0034】
このような問題点を認識して、発明者は、心電図モニタリング装置が単に心電図測定結果のモニタリング及び分析に限定されず、心電図モニタリング装置のモニタリングモードでの動作中にも、その結果に異常が検出された場合には、直ちにユーザにそれに対する警報又は軽い治療のようなフィードバックを電気刺激として提供できると共に、その電気刺激によって心電図測定結果の歪みを最小化することで、モニタリングの精度を維持できる電気刺激機能付き心電図モニタリング装置を発明した。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に係る電気刺激機能付き心電図モニタリング装置の機能的構成を概略的に示すブロック図を示す。図3を参照すると、心電図モニタリング装置300は、心電図測定モジュール310、電気刺激モジュール320、制御モジュール330を含んでもよい。また、心電図モニタリング装置300は、データ管理モジュール340、通信モジュール350、電源供給モジュール360をさらに含んでもよい。
【0036】
前記心電図測定モジュール310は、予め定められた心電図信号取得周期でユーザの心電図を測定でき、心電図(ECG)を測定するための2つ以上の心電図測定用電極を含む信号取得部と、信号取得部で取得された心電図信号を分析し、分析結果としてユーザに状態診断結果及び/又は心電図測定信号データを提供できる信号分析部と、を含んでもよい。前記心電図測定モジュール310は、モニタリングモード及び休止モードを含むことができ、前記モニタリングモードでは、心電図測定モジュール310が信号取得部により予め定められたパターンの測定周期タイミングでユーザの心電図を測定し、前記休止モードでは、心電図測定モジュール310の心電図測定が停止される。
【0037】
前記モニタリングモード中に、前記心電図測定モジュール310は、前記信号取得部で1ms~10msの周期又は100Hz~1000Hzの周波数で心電図信号を取得することができるが、このような周期に限定されるものではない。前記心電図測定モジュール310は、前記信号取得部で前記周期でユーザの心電図信号を取得した直後、アナログ信号をデジタル信号に変換してアナログ/デジタル変換(analog to digital conversion、ADC)信号を生成することができる。前記ADC信号の生成周期間隔は、前記心電図信号を取得する周期間隔と同一であり、好ましくは1ms~10msであり、より好ましくは1ms~2msであるが、これに限定されるものではない。前記信号取得部で生成されたADC信号を前記信号分析部が受信してユーザの心臓徴候を分析し、前記ADC信号の分析結果は、制御モジュール330、データ管理モジュール340及び/又は通信モジュール350に伝達することができる。
【0038】
前記電気刺激モジュール320は、電気刺激を出力させる電気刺激出力部と、電気刺激出力部と電気的に接続され、ユーザの皮膚に接触して電気刺激を印加するための2つ以上の電気刺激用電極を含む電気刺激用パッドと、を含んでもよい。前記電気刺激出力部は、少なくとも1つ以上の電気刺激パターンを出力でき、前記電気刺激パターンは、電気刺激タイミング、時間間隔、周波数、出力強度のうちの少なくとも1つ以上を変化させることによって設定することができる。前記電気刺激モジュール320は、好ましくは前記2つ以上の電気刺激用電極を通じて経皮的電気神経刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation(TENS)を印加することができるが、これに限定されるものではない。また、前記電気刺激は、150μs~400μsのパルス幅、及び15Hz~25Hzの周波数を有する電気刺激であってもよいが、これに限定されない。電気刺激モジュール320は、心電図測定モジュール310のモニタリングモード中に、ユーザに電気刺激を出力する第1出力モードと、心電図測定モジュール310の休止モードに切り替えた後にユーザに電気刺激を出力する第2出力モードと、を含むこともできる。前記第1出力モードで、電気刺激モジュール320は、前記心電図測定モジュール310の測定結果に基づいて複数の電気刺激パターンを印加するように構成することもできる。
【0039】
前記制御モジュール330は、心電図測定モジュール310及び電気刺激モジュール320とデータを送受信し、心電図測定モジュール310及び電気刺激モジュール320の動作を制御することができる。制御モジュール330は、心電図測定モジュール310で提供される状態診断結果に基づいて、ユーザに警報を提供するか又はユーザの状態を調節するために、電気刺激モジュール320がユーザに電気刺激を出力して提供するように制御することができる。本発明の一実施形態において、前記心電図測定モジュール310のモニタリングモードの動作中にユーザの心臓状態が「異常」であることを示す状態診断結果が提供される場合、制御モジュール330は、電気刺激モジュール320が電気刺激用電極を介してユーザに少なくとも1つ以上の電気刺激パターンのうちの1つの電気刺激を提供するように制御することができる。
【0040】
前記制御モジュール330は、心電図測定モジュール310で判断された心拍数、又はその分析によるユーザの心臓状態に対する判断に基づいて、電気刺激モジュール320から提供される電気刺激パターンの種類を制御することもできる。制御モジュール330は、心電図測定結果に基づいて、心電図信号取得周期で信号取得タイミングの間の区間、すなわち、心電図測定を行っていない区間でのみ電気刺激モジュール320がユーザに電気刺激を提供するように制御することができる。また、制御モジュール330は、心電図測定モジュール310の心電図測定結果に基づいて、電気刺激モジュール320の電気刺激出力のタイミングを心電図測定モジュール310の心電図信号取得タイミングと全体的又は部分的に交互に交差するように制御して測定された、心電図信号の歪みを減少させることができる。本発明の一実施形態において、制御モジュール330は、前記心電図測定モジュール310のユーザに対する心電図測定結果に基づいて、心電図信号取得周期で前記ADC信号生成タイミングと、その次の心電図信号取得タイミングとの間で前記電気刺激モジュールが電気刺激を出力するように制御することができる。前記制御モジュール330は、前記モニタリングモード中に、前記心電図測定モジュール310のユーザに対する心電図測定結果が再び予め定められた正常範囲に戻ったことが確認される場合、前記電気刺激モジュール320が電気刺激の提供を中断するように制御することができる。
【0041】
前記データ管理モジュール340は、心電図測定モジュール310、電気刺激モジュール320、制御モジュール330のうちの少なくとも1つ以上で発生したデータを格納して加工することができる。
【0042】
前記通信モジュール350は、心電図モニタリング装置300がネットワークを介してスマートフォン又はタブレットなどのようなユーザ端末や外部システムとデータを送受信することを可能にする。ネットワークの一例としては、3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)ネットワーク、LTE(Long Term Evolution)ネットワーク、5Gネットワーク、WIMAX(登録商標)(World Interoperability for Microwave Access)ネットワーク、有無線インターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)、Wireless LAN(Wireless Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、PAN(Personal Area Network)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)ネットワーク、Wifiネットワーク、NFC(登録商標)(Near Field Communication)ネットワーク、衛星放送ネットワーク、アナログ放送ネットワーク、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)ネットワークなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
前記電源供給モジュール360は、電気の充電又は放電が可能なバッテリー部、及び商用電力網と接続して電源を供給できる電源接続部のうちの少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0044】
図4は、図3の本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置がユーザの心電図を測定する測定タイミング及び周期と、ユーザに電気刺激を印加するために電気刺激を出力する出力タイミング及び周期とを対比して示したグラフを示す。
【0045】
図4の本発明の一実施形態において、心電図信号取得周期410が2msであり、印加される電気刺激のパルス幅420が200μsであり、パルス周期430が20msである場合、電気刺激出力タイミングは、心電図測定タイミングでないところで発生し、すなわち、電気刺激がn番目の心電図取得タイミングとn+1番目の心電図取得タイミングとの間に印加されるようになる。すなわち、心電図測定モジュール310が予め定められた心電図信号取得周期で心電図を測定しているモニタリングモード中に、一周期内で心電図測定タイミングと重複しない区間でのみ、電気刺激モジュールが、ユーザに電気刺激出力タイミングがなされるように制御することにより、心電図の測定時に電気刺激によって発生する歪みを最小化することができる。本発明の一実施形態において、電気刺激出力タイミングは、心電図取得タイミングと時間的に、全体的又は部分的に交差するように制御することができる。
【0046】
ただし、このように本発明の一実施形態において、モニタリングモードで心電図信号取得周期が、例えば約1ms~10msと非常に短いため、電気刺激出力のタイミングを心電図取得タイミングと重複しないように時間的に心電図取得タイミングの間に配列しても、電気刺激を印加した直後に測定された心電図信号440の場合には、印加された電気刺激によって微細な残留歪みが生じる可能性がある。
【0047】
したがって、本発明の一実施形態の心電図モニタリング装置300においては、心電図測定モジュール310の信号分析部が、信号取得部で取得された心電図信号を適応ノイズキャンセラ(Adaptive Noise Canceller:ANC)500を用いてフィルタリングした後に分析することで、信号の歪みをさらに最小化することができる。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置300が、心電図測定信号に前記適応ノイズキャンセラを適用して信号の歪みを減少させるプロセスのフローチャートを示す。図6は、図5で用いられる適応ノイズキャンセラ500の一実施形態の概略図を示す。
【0049】
具体的に、図5及び図6を参照すると、まず、ステップS510において、制御モジュール330によって心電図モニタリング装置300の心電図測定モジュール310の心電図サンプリング周波数と電気刺激モジュール320の電気刺激周波数及びパルス幅が設定され、心電図測定モジュール310の信号取得部が予め定められた周期で心電図信号を測定する。
【0050】
ステップS520においては、前記信号分析部で前記心電図測定モジュールの心電図信号が異常であると判断する場合、制御モジュール330は、電気刺激モジュール320が前記心電図測定モジュール310の心電図信号取得タイミング及び/又はADC信号生成タイミングと重複しないように、心電図信号取得周期内で心電図信号測定が行われていない時間区間のタイミングで電気刺激のオン-オフ交差信号を出力して、ユーザの皮膚に電気刺激を印加するように制御する。
【0051】
ステップS530においては、前記制御モジュール330は、前記電気刺激のオン-オフ交差信号を適応ノイズコントローラ600のリファレンス入力620として入力でき、このとき、前記リファレンス入力620は、電気刺激出力によって発生したノイズのリファレンスを含んでもよい。
【0052】
ステップS540においては、このような電気刺激のオン-オフ交差信号が出力された後に、心電図測定モジュール310が信号取得部により再びユーザの心電図信号を取得し、これをデジタル変換してADC信号を生成し、この心電図ADC信号は、電気刺激によって微細に残留ノイズ及び/又は歪みが発生した心電図波形であり得る。ステップS550では、前記心電図測定モジュール310が前記心電図ADC信号を適応ノイズコントローラ600の主入力620として入力し、ステップS560において、適応ノイズキャンセラ600は、入力された前記心電図ADC信号を前記リファレンス信号を参照してフィルタリングすることで、電気刺激によって発生したノイズを除去する。
【0053】
本発明の一実施形態に係る適応ノイズキャンセラ600は、適応フィルタ630を含むことができ、一般的な時間領域では、入力信号が時間遅延素子によって遅延されてN個のシーケンスを生成し、これらのそれぞれに重みを乗算した後に再度加算して(640)出力信号を生成(650)し、これらの出力信号は、所望のリファレンス入力信号との比較により誤差を取得し、この誤差を用いて重みを変化(630)させる方法を用いることができる。
【0054】
図7は、本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置の構成を概略的に示す概略図を示し、図7においては、図3での制御モジュール330、データ管理モジュール340、通信モジュール350、電源供給モジュール360に対応する構成要素は簡略化のために示していない。図7を参照すると、本発明の一実施形態に係る電気刺激機能付き心電図モニタリング装置700は、心電図測定モジュール710と電気刺激モジュール720とを含んでもよい。
【0055】
前記心電図測定モジュール710は、2つの心電図測定用の左側電極(LA)712及び右側電極(RA)714を含む信号取得部と、前記信号取得部で提供する信号を分析する信号分析部と、を含んでもよい。前記信号分析部は、信号取得部で取得された心電図信号の波形内に予め設定された特徴条件を満たす波形が存在すると判断される場合、予め設定された特徴条件を満たす波形に対応する信号が異常疑心心電図信号であると一次的に判断することができる。前記予め定められた特徴条件は、閾値範囲に属する信号が予め設定された時間の間に発生する特徴に対する条件であり得る。
【0056】
前記電気刺激モジュール720は、ユーザの皮膚に接触して電気刺激を印加するそれぞれ正極(+)と負極(-)を提供する2つの電気刺激電極パッド722、724を含む電気刺激電極パッド部と、制御モジュールの制御信号によってこの電気刺激電極パッド部に電気刺激を出力する電気刺激出力722と、を含んでもよい。2つの電気刺激電極パッド722、724は、例えばそれぞれ右手と左手に付着されてもよい。
【0057】
前記心電図を測定するための2つの電極を結ぶ直線と、前記電気刺激を出力する2つの電気刺激電極パッドを結ぶ直線との間の角度が変更されると、ユーザに印加された電気刺激の心電図測定信号におけるノイズ及び/又は歪みの発生程度が異なるようになるため、このような影響を最小化するように、心電図モニタリング装置700内に、前記心電図を測定するための2つの電極と、前記電気刺激を出力する2つの電気刺激電極パッドとを配置して構成することができる。例えば、本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置は、心電図測定信号の歪みを最小化するために、前記心電図を測定するための2つの電極を結ぶ直線と、前記電気刺激を出力する2つの電気刺激電極パッドを結ぶ直線とは、互いに垂直な状態に配置されるように構成することができる。
【0058】
ただし、図7の本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置700において、前記心電図を測定するための2つ以上の電極を結ぶ直線と、前記電気刺激を出力する2つ以上の電気刺激電極パッドを結ぶ直線との角度が変更される場合、ユーザに印加された電気刺激の心電図測定信号に与えられる歪みの影響程度が異なるようになるという問題が発生する可能性がある。
【0059】
図8aは、図7の本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置の2つの電気刺激電極パッド722、724を介してユーザの両手に電気刺激を印加する場合、LA電極712とRA電極714とを接続する方向が、両手の前記電気刺激電極パッド722、724を接続する方向と水平になるように配置して測定した心電図のグラフを示す。図8aのグラフにおいて、ユーザに電気刺激を印加していない区間(A領域)と比較すると、心電図測定と同時に電気刺激を印加した時間区間(A領域)では、心電図測定結果であるECG波形の歪みとノイズが非常にひどいことが分かる。
【0060】
図8bは、図7の本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置の2つの電気刺激電極パッド722、724を介してユーザの両手に電気刺激を印加する場合、心電図測定モジュールのLA電極712とRA電極714を結ぶ直線が、ユーザの両手の電気刺激電極パッドを接続する方向と45゜をなすように心電図モニタリング装置を配置して測定した心電図のグラフを示す。図8bのグラフにおいて、ユーザに電気刺激を印加していない区間(A’領域)と比較すると、心電図測定と同時に電気刺激を印加した時間区間では、心電図測定結果であるECG波形に歪みとノイズがかなり存在することが分かるが、図8aと比較すると、一定の心電図パターンの全体的な規則性が崩れない程度であると見られる。
【0061】
図8cは、図7の本発明の一実施形態に係る心電図モニタリング装置の2つの電気刺激電極パッド722、724を介してユーザの両手に電気刺激を印加する場合、心電図測定モジュールのLA電極712とRA電極714を結ぶ直線が、ユーザの両手の前記電気刺激電極パッドを接続する方向と垂直になるように心電図モニタリング装置を配置して測定した心電図のグラフを示す。図8cのグラフにおいては、ユーザに電気刺激を印加していない区間(A”領域)と比較すると、心電図測定と同時に電気刺激を印加した時間区間では、ECG波形に歪みとノイズがかなり減少し、軽微な歪みとノイズのみが現れることが確認される。
【0062】
したがって、本発明の一実施形態に係る電気刺激機能付き心電図モニタリング装置において、電気刺激の印加によるノイズ又は歪みの影響を最小化してユーザの心電図測定信号を分析できるように、より好ましくは、心電図モニタリング装置700内で前記心電図を測定するための2つの電極を結ぶ直線と、前記電気刺激を出力する2つの電気刺激電極パッドを結ぶ直線とを互いに垂直に配置するように構成することができる。
【0063】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須な特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形できることが理解されるであろう。したがって、上述した実施形態はあらゆる点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されるべきである。例えば、単一形として説明されている各構成要素は分散して実施されてもよく、同様に分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されてもよい。
【0064】
本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、またその均等概念から導き出される全ての変更又は変形された形態は本発明の範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、心電図測定モジュールと、それに基づいたバイオフィードバックを提供する電気刺激モジュールとを1つの装置に統合して提供し、心電図測定タイミングと電気刺激出力タイミングとを交差して提供することで、空間的な制約なく日常生活において継続的な心電図モニタリングとそれに基づいたバイオフィードバックを可能にすると共に、心電図測定信号に対する歪みを最小化することで、心電図モニタリングの精度を向上させる一実施形態に係る電気刺激機能付き心電図モニタリング装置を提供することができる。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
【国際調査報告】