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特表2024-544988負極活物質、これを含む負極および二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】負極活物質、これを含む負極および二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/587 20100101AFI20241128BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20241128BHJP
   H01M 4/1393 20100101ALI20241128BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20241128BHJP
   H01M 4/133 20100101ALI20241128BHJP
   C01B 32/205 20170101ALI20241128BHJP
【FI】
H01M4/587
H01M4/36 C
H01M4/1393
H01M4/62 Z
H01M4/133
C01B32/205
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528560
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 KR2022020945
(87)【国際公開番号】W WO2023121284
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0184259
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ガ・ヒュン・イム
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ジュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】サン・ウク・ウ
【テーマコード(参考)】
4G146
5H050
【Fターム(参考)】
4G146AA02
4G146AB02
4G146AC01A
4G146AC01B
4G146AC02A
4G146AC02B
4G146AC07A
4G146AC07B
4G146AD23
4G146AD25
4G146BA22
4G146BA27
4G146BB02
4G146BB10
4G146BC04
4G146BC36B
4G146CB10
4G146CB11
4G146CB12
4G146CB23
4G146CB35
5H050AA19
5H050BA17
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB08
5H050DA10
5H050DA11
5H050DA18
5H050EA10
5H050EA28
5H050FA17
5H050FA20
5H050GA06
5H050GA10
5H050GA28
5H050HA00
5H050HA01
5H050HA05
5H050HA07
5H050HA08
(57)【要約】
本発明は、人造黒鉛粒子を含む負極活物質であって、前記負極活物質および水からなるサンプルのトルクレオメータ測定時に、特定方法で測定される前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は69.5重量%以上である負極活物質に関する。前記トルクレオメータ測定時に最大トルク値を有する時の固形分の値が前記範囲を満たすと、負極活物質の粉体流動性に優れると評価することができ、前記負極活物質が負極スラリーに含まれる場合、分散性および相安定性を向上することができる。したがって、本発明の負極活物質を含む負極スラリー、これより製造された負極および二次電池は、生産性および品質が向上することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人造黒鉛粒子を含む負極活物質であって、
前記負極活物質および水からなるサンプルのトルクレオメータ測定時に、前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、69.5重量%以上であり、
前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、下記ステップ(a)~(c):
(a)前記負極活物質をトルクレオメータのサンプル容器に投入するステップ、
(b)前記トルクレオメータのサンプル容器に水を所定の速度で注入しながら前記トルクレオメータを作動させて前記サンプルの固形分の値によるトルク値を測定するステップ、および
(c)前記ステップ(b)で前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値を導出するステップ、
を含む方法により測定される、負極活物質。
【請求項2】
前記負極活物質の球形化度は、0.75~1である、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項3】
前記負極活物質の粉体流動分析(Powder flow test)によって測定される圧縮密度は、850kg/m~1,200kg/mである、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項4】
前記人造黒鉛粒子は、2以上の一次粒子が造粒された二次粒子形態である、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項5】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は、14μm~20μmである、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項6】
前記負極活物質のBET比表面積は、0.1m/g~2.0m/gである、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項7】
前記人造黒鉛粒子の表面に位置する非晶質炭素コーティング層をさらに含む、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項8】
前記非晶質炭素コーティング層は、前記負極活物質に0.01重量%~10重量%含まれる、請求項7に記載の負極活物質。
【請求項9】
請求項1に記載の負極活物質と、
負極バインダーと、
負極導電材と、
溶媒とを含む、負極スラリー。
【請求項10】
前記負極スラリーの固形分含量は、負極スラリーの全重量に対して46重量%以上である、請求項9に記載の負極スラリー。
【請求項11】
前記負極スラリーの固形分含量が46重量%以上である時に、せん断速度によるせん断粘度の測定時に得られる粘稠化スロープ(shear thickening slope)の勾配が負の値を有する、請求項9に記載の負極スラリー。
【請求項12】
負極集電体と、
前記負極集電体の少なくとも一面に配置された負極活物質層とを含み、
前記負極活物質層は、請求項1に記載の負極活物質を含む、負極。
【請求項13】
請求項12に記載の負極と、
前記負極に対向する正極と、
前記負極と前記正極との間に介在されるセパレータと、
電解質とを含む、二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月21日付けの韓国特許出願第10-2021-0184259号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、負極活物質、これを含む負極および二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
環境問題に関する関心が高まるにつれて、大気汚染の主な原因の一つであるガソリン車、ディーゼル車など、化石燃料を使用する車両を代替できる電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などに関する研究が多く行われている。このような電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などの動力源としては、高いエネルギー密度、高い放電電圧および出力安定性のリチウム二次電池が主に研究、使用されている。
【0004】
一般的に、リチウム二次電池は、正極、負極、セパレータおよび電解質を含んで構成され、前記正極または負極は、正極活物質または負極活物質をバインダーなどと混合して溶媒に分散させてスラリーを製造し、前記スラリーを電極集電体の表面に塗布、および乾燥して電極活物質層を形成することで製造される。
【0005】
一方、前記負極活物質としては、可逆的なリチウムイオンの挿入(intercalation)および脱離が可能であり、構造的および電気的性質を維持する炭素系活物質が使用されている。前記炭素系活物質としては、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボンなどの様々な形態の炭素系材料が適用されており、中でも、優れた可逆性によりリチウム二次電池の寿命特性を保障することができる黒鉛系活物質が最も広く使用されている。前記黒鉛系活物質は、リチウムに比べて放電電圧が-0.2Vと低いため、黒鉛系活物質を用いた電池は、3.6Vの高い放電電圧を示すことができ、リチウム電池のエネルギー密度の面で多くの利点を提供している。
【0006】
中でも、人造黒鉛は、天然黒鉛に比べて電極の圧延時に配向度が相対的に低くて、リチウムイオンの出/入り特性が良いことから、電池の急速充電性能に優れ、充放電による膨張の程度が低くて、寿命特性に優れるという利点がある。
【0007】
しかし、人造黒鉛の場合、疎水性(hydrophobicity)を示すため、負極スラリーの溶媒として水を使用する場合に、分散が容易でなく、スラリーの相安定性が低下する問題がある。特に、負極ローディング量の増加、乾燥工程時の効率の向上、バインダーマイグレーション(migration)の改善などの理由で、負極スラリーの固形分含量を増量するための試みがなされており、このような固形分含量の増加の面で上述の人造黒鉛の分散性の低下およびスラリーの相安定性の問題がさらに顕著になっている。また、このような分散性の問題は、負極の製造工程時に、負極スラリーの移送途中にフィルタ詰まりの問題を引き起こし、全体的な二次電池の製造工程効率および品質を低下させる問題がある。
【0008】
特許第4403327号公報は、リチウムイオン二次電池負極用の黒鉛粉末について開示しているが、上述の問題に対する代案を提示することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4403327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一課題は、負極スラリーの固形分含量が増加しても、優れた分散性を有し、負極スラリーの相安定性を向上させることができる負極活物質を提供することである。
【0011】
また、本発明の他の課題は、上述の負極活物質を含む負極スラリーに関する。
【0012】
また、本発明のさらに他の課題は、上述の負極活物質を含む負極に関する。
【0013】
また、本発明のさらに他の課題は、上述の負極を含む二次電池に関する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、人造黒鉛粒子を含む負極活物質であって、前記負極活物質および水からなるサンプルのトルクレオメータ測定時に、前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、69.5重量%以上であり、前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、下記ステップ(a)~(c)を含む方法により測定される負極活物質を提供する。
(a)前記負極活物質をトルクレオメータのサンプル容器に投入するステップ、
(b)前記トルクレオメータのサンプル容器に水を所定の速度で注入しながら前記トルクレオメータを作動させて前記サンプルの固形分の値によるトルク値を測定するステップ、および
(c)前記ステップ(b)で前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値を導出するステップ。
【0015】
また、本発明は、上述の負極活物質と、負極バインダーと、負極導電材と、溶媒とを含む負極スラリーを提供する。
【0016】
また、本発明は負極集電体と、前記負極集電体の少なくとも一面に配置された負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、上述の負極活物質を含む負極を提供する。
【0017】
また、本発明は、上述の負極と、前記負極に対向する正極と、前記負極と前記正極との間に介在されるセパレータと、電解質とを含む二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、人造黒鉛粒子を含む負極活物質であって、前記負極活物質および水からなるサンプルのトルクレオメータ測定時に、特定の方法で測定される前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は69.5重量%以上である負極活物質に関する。前記トルクレオメータ測定時に、最大トルク値を有する時の固形分の値が前記範囲を満たすと、負極活物質の粉体流動性に優れると評価することができ、前記負極活物質が負極スラリーに含まれる場合、分散性および相安定性を向上することができる。したがって、本発明の負極活物質を含む負極スラリー、これより製造された負極および二次電池は、生産性および品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1による負極活物質および水からなるサンプルの固形分の値およびトルク値に対するグラフを示す。
図2】実施例2による負極活物質および水からなるサンプルの固形分の値およびトルク値に対するグラフを示す。
図3】比較例1による負極活物質および水からなるサンプルの固形分の値およびトルク値に対するグラフを示す。
図4】比較例2による負極活物質および水からなるサンプルの固形分の値およびトルク値に対するグラフを示す。
図5】実施例A、実施例B、実施例C、比較例A、比較例B、および比較例Cのせん断速度によるせん断粘度の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書および特許請求の範囲にて使用されている用語や単語は、一般的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者は、自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0021】
本明細書で使用される用語は、単に例示的な実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図しない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味を有していない限り、複数の表現を含む。
【0022】
本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、ステップ、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の異なる特徴や数字、ステップ、構成要素、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないことを理解すべきである。
【0023】
本明細書において、平均粒径(D50)とは、粒子の粒径分布曲線において、体積累積量の50%に該当する粒径として定義することができる。前記平均粒径(D50)は、例えば、レーザ回折法(laser diffraction method)を用いて測定することができる。前記レーザ回折法は、一般的に、サブミクロン(submicron)領域から数mm程度の粒径の測定が可能であり、高再現性および高分解性の結果を得ることができる。
【0024】
本明細書において、「一次粒子」は、単粒子、すなわち、一つの粒子(single particle)を意味し、「二次粒子」は、前記一次粒子が意図的な造粒または結合工程によって複数個凝集した凝集体を意味する。
【0025】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0026】
負極活物質
本発明は、負極活物質、具体的には、リチウム二次電池用負極活物質に関する。
【0027】
具体的には、前記負極活物質は、人造黒鉛粒子を含む負極活物質であって、前記負極活物質および水からなるサンプルのトルクレオメータ測定時に、前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、69.5重量%以上であり、前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、下記ステップ(a)~(c)を含む方法により測定されることを特徴とする。
【0028】
(a)前記負極活物質をトルクレオメータのサンプル容器に投入するステップ、
(b)前記トルクレオメータのサンプル容器に水を所定の速度で注入しながら前記トルクレオメータを作動させて前記サンプルの固形分の値によるトルク値を測定するステップ、および
(c)前記ステップ(b)で前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値を導出するステップ
【0029】
従来、人造黒鉛は、疎水性(hydrophobicity)を示すため、これを負極スラリー溶媒としての水に添加する場合に、分散性が良くなく、スラリー相安定性を低下させる問題があった。また、このような分散性の問題は、負極の製造工程時に、負極スラリーの移送途中にフィルタ詰まりの問題を引き起こし、全体的な二次電池の製造工程の効率および品質を低下させる問題がある。
【0030】
このような問題を解決するために、本発明は、人造黒鉛粒子を含む負極活物質であって、前記負極活物質および水からなるサンプルのトルクレオメータ測定時に、特定の方法で測定される前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値が69.5重量%以上である負極活物質に関する。前記トルクレオメータ測定時に、最大トルク値を有する時の固形分の値が前記範囲を満たすと、負極活物質の粉体流動性に優れると評価することができ、前記負極活物質が負極スラリーに含まれる場合、分散性および相安定性を向上することができる。したがって、本発明の負極活物質を含む負極スラリー、これより製造された負極および二次電池は、生産性および品質が向上する。
【0031】
前記負極活物質は、人造黒鉛粒子を含む。人造黒鉛は、無定形炭素を高温(例えば、2,500℃~3,200℃)で熱処理して製造され、人工的に合成された黒鉛であるという点で天然黒鉛とは区別される。
【0032】
前記人造黒鉛粒子は、一次粒子形態であることができ、または2以上の一次粒子が造粒された二次粒子形態であることができる。より具体的には、前記人造黒鉛粒子は、2以上の一次粒子が造粒された二次粒子形態であることができ、この場合、スラリー分散性および相安定性の面で好ましい。
【0033】
前記人造黒鉛粒子が二次粒子形態である場合、前記人造黒鉛粒子内には空隙が形成されることができ、前記空隙は、一次粒子の間に形成される空き空間であることができ、無定形であることができ、2以上存在することができる。
【0034】
本発明において、後述する「最大トルク値を有する時の固形分の値」を満たす限り、人造黒鉛粒子の製造方法は、特に制限されない。
【0035】
具体的には、前記人造黒鉛粒子が二次粒子形態である場合、前記人造黒鉛粒子は、炭素前駆体およびバインダー材料(例えば、ピッチ)を混合し、球形化および造粒工程を行って二次粒子形態の中間体を製造し、前記中間体を2,500℃以上、具体的には3,000℃以上の温度で熱処理して黒鉛化して製造されることができる。ここで、前記炭素前駆体は、石炭系重質油、石油系重質油、タール、ピッチ、コークスなどであることができ、具体的には、コークスおよびピッチからなる群から選択される少なくとも1種であることができる。ここで、さらに、炭素前駆体に球形化工程が行われることができ、この場合、一次人造黒鉛粒子の表面をより滑らかにすることができ、これにより、二次粒子化した人造黒鉛粒子の濡れ性を向上させ、前記負極活物質粉体の流動性を向上させることができ、後述する前記負極活物質および水からなるサンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値が好ましい水準に向上することができる。前記炭素前駆体に行われる球形化工程は、例えば、ジェットミル、具体的にはカウンタージェットミルを用いて行われることができ、ここで、ジェットミルの回転速度は、8Hz以上、具体的には10Hz以上、より具体的には15Hz以上であることができ、50Hz以下、具体的には40Hz以下、さらに具体的には30Hz以下であることができる。また、前記炭素前駆体に行われる球形化工程に行われる球形化工程は、3分~60分、具体的には5分~15分間行われることができる。
【0036】
また、前記人造黒鉛粒子が二次粒子形態である場合、前記人造黒鉛粒子は、一次粒子形態の人造黒鉛粒子をバインダー材料(例えば、ピッチ)と混合し、球形化し、凝集し、熱処理して、一次粒子形態の人造黒鉛粒子を凝集して二次粒子化する方法により製造されることができる。ここで、前記一次粒子形態の人造黒鉛粒子は、炭素前駆体を2,500℃以上、具体的には3,000℃以上の温度で熱処理して黒鉛化して製造されることができる。前記炭素前駆体は、石炭系重質油、石油系重質油、タール、ピッチ、コークスなどであることができ、具体的には、コークスおよびピッチからなる群から選択される少なくとも1種であることができる。ここで、さらに、前記一次粒子形態の人造黒鉛粒子;または前記一次粒子形態の人造黒鉛粒子の製造時に使用される炭素前駆体;に球形化工程を行うことができ、この場合、一次人造黒鉛粒子の表面をより滑らかにすることができ、これにより、二次粒子化した人造黒鉛粒子の濡れ性を向上させ、前記負極活物質粉体の流動性を向上させることができ、後述する前記負極活物質および水からなるサンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値が好ましい水準に向上することができる。前記一次粒子形態の人造黒鉛粒子;または前記一次粒子形態の人造黒鉛粒子の製造時に使用される炭素前駆体;に行われる球形化工程は、例えば、ジェットミル、具体的にはカウンタージェットミルを用いて行われることができ、ここで、ジェットミルの回転速度は、8Hz以上、具体的には10Hz以上、より具体的には15Hz以上であることができ、50Hz以下、具体的には40Hz以下、さらに具体的には30Hz以下であることができる。また、一次粒子形態の人造黒鉛粒子;または前記一次粒子形態の人造黒鉛粒子の製造時に使用される炭素前駆体;に行われる球形化工程は、3分~60分、具体的には5分~15分間行われることができる。
【0037】
本発明において、前記負極活物質および水からなるサンプルのトルクレオメータ測定時に、前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、69.5重量%以上であることを特徴とする。
【0038】
前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、下記ステップ(a)~(c)を含む方法によって測定されることができる。
【0039】
(a)前記負極活物質をトルクレオメータのサンプル容器に投入するステップ、
(b)前記トルクレオメータのサンプル容器に水を所定の速度で注入しながら前記トルクレオメータを作動させて前記サンプルの固形分の値によるトルク値を測定するステップ、および
(c)前記ステップ(b)で前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値を導出するステップ
【0040】
前記トルクレオメータ(torque rheometer)は、流体などを回転させることで発生する流動によるレオロジー特性を測定する装置であり、例えば、せん断作用から形成される流体の抵抗によって発生する粘度関連トルク、これによる様々なレオロジー特性などを測定することができる。前記トルクレオメータとしては、Brabender社製のMeasuring Mixers機器が例として挙げられる。
【0041】
具体的には、本発明では、前記トルクレオメータのサンプル容器に負極活物質を投入し、前記サンプル容器に所定の速度で水を注入しながら前記サンプル容器内のサンプルを2個のブレード(blade)を用いて撹拌し、負極活物質および水からなるサンプルの固形分の値によるトルク値を測定することができる。前記トルクレオメータの分析装置器により、サンプルの固形分の値によるトルク値が図示されているグラフを得ることができる。
【0042】
前記負極活物質のトルクレオメータによりサンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値を測定することで、負極活物質を含む負極スラリーの相安定性および分散性を予測することができる。前記負極活物質および水からなるサンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値が69.5重量%以上である場合、前記負極活物質は、水に対する濡れ性に優れ、前記負極活物質粉体の流動性に優れると評価することができる。上述の特徴を有する負極活物質は、負極スラリーに添加される時に、分散性に優れ、スラリーの相安定性を向上させることができ、負極製造工程の生産性および品質を向上させることができる利点がある。例えば、前記負極活物質および水からなるサンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値が69.5重量%未満である場合、粉体の流動性が良くなくて負極スラリーの分散性および相安定性を減少させるため、負極スラリー移送過程でのフィルタ詰まりを引き起こすなど、負極の生産性と品質を低下させる恐れがある。
【0043】
ステップ(a)において、前記サンプル容器に投入される負極活物質の体積は、55mLであることができる。
【0044】
ステップ(b)において、前記水を注入する速度は、1mL/minであることができる。また、前記サンプル容器の撹拌速度または前記サンプル容器内の2個のブレードの回転速度は、50rpmであることができる。前記トルクレオメータ駆動時のサンプル容器の温度は、25℃であることができる。
【0045】
本発明による前記負極活物質および水からなるサンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、負極活物質の製造工程での形状、表面粗さなどを調節することで得られ、例えば、人造黒鉛の製造時の球形化速度、球形化時間などを調節して得られる。例えば、本発明による前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、負極活物質の形状を滑らか且つ緩やかにする面で、球形化速度を高めることなどにより実現されることができ、より具体的には、二次粒子形態の人造黒鉛の製造時に、一次人造黒鉛粒子または一次人造黒鉛粒子となる炭素前駆体に球形化工程を行い、球形化速度および時間を適切に調節するなどにより達成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0046】
前記負極活物質の粉体流動分析(Powder flow test)によって測定される圧縮密度は、850kg/m~1、200kg/m、具体的には900kg/m~950kg/mであることができる。前記負極活物質の粉体流動分析(Powder flow test)によって測定される圧縮密度が前記範囲を満たす場合に、負極活物質が球形に近いと評価することができ、これにより、負極活物質の流動性および分散性がより向上する。
【0047】
前記負極活物質の圧縮密度の測定は、粉体流動分析装置によって行われることができ、例えば、前記負極活物質を粉体流動分析装置に入れ、リッド(lid)で前記負極活物質に垂直応力(normal stress)およびせん断応力(shear stress)を加える工程を5回繰り返して、前記負極活物質の圧縮後の密度を測定する方法により行われることができる。前記負極活物質の圧縮密度の測定は、米国のマサチューセッツ州ミドルボロウ所在のBrookfield Engineering Laboratories社製の粉体流動分析装置(機器名:PFT)を使用して行われることができる。前記圧縮密度は、ASTM D6128に準じて行われることができる。
【0048】
前記負極活物質の球形化度は、0.75~1、具体的には0.78~0.95であることができる。前記範囲内である場合に、負極活物質の流動性、分散性がより向上することができる。しかし、前記負極活物質の球形化度を高めることだけでは、負極活物質の流動性、分散性の向上効果を達成することができず、上述の前記負極活物質および水からなるサンプルの「最大トルク値を有する時の固形分の値」まで満たす必要がある。
【0049】
前記球形化度は、粒子形状分析装置(例えば、Malvern Panalytical社製のMorphologi M4機器)を用いて測定することができる。
【0050】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は、14μm~20μmであることができる。前記範囲内である場合に、比表面積が適切な水準に小さく調節されて、負極スラリーの製造時に投入しなければならない分散剤の量を最小化することができ、負極活物質の平均粒径(D50)が過剰に大きくなることによる凝集、相安定性の低下の問題を防止することができ、工程性の向上およびこれによる電池性能の向上の面で好ましい。
【0051】
前記負極活物質のBET比表面積は、0.1m/g~2.0m/g、具体的には0.6m/g~1.2m/g、より具体的には0.6m/g~0.9m/gであることができ、前記範囲内である場合に、比表面積が適切な水準に小さく調節されて、負極スラリーの製造時に投入しなければならない分散剤の量を最小化することができ、工程性の向上およびこれによる電池性能の向上の面で好ましい。前記BET比表面積は、BEL Sorption機器(BEL Japan社製)を用いて測定することができる。
【0052】
前記負極活物質は、前記人造黒鉛粒子の表面に位置する非晶質炭素コーティング層をさらに含むことができる。前記非晶質炭素コーティング層は、人造黒鉛粒子の構造的安定性を向上させ、負極活物質と電解液の副反応の防止に役立つことができる。
【0053】
前記非晶質炭素コーティング層は、前記負極活物質の全重量に対して0.1重量%~10重量%、好ましくは1重量%~5重量%で形成されることができる。前記非晶質炭素コーティング層の存在は、負極活物質の構造的安定性を向上させることができるが、非晶質炭素コーティング層の過剰な形成は、負極圧延時に比表面積の増加による初期効率の減少を引き起こし、高温貯蔵性能が低下する恐れがあるため、上述の範囲の含量で炭素コーティング層を形成することが好ましい。
【0054】
前記非晶質炭素コーティング層は、炭素コーティング層前駆体を人造黒鉛粒子に提供した後、熱処理して形成されることができる。
【0055】
前記炭素コーティング層前駆体は、高分子樹脂およびピッチから選択される少なくとも1種を含むことができる。具体的には、前記高分子樹脂はスクロース(sucrose)、フェノール(phenol)樹脂、ナフタレン(naphthalene)樹脂、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)樹脂、フルフリルアルコール(furfuryl alcohol)樹脂、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)樹脂、ポリアミド(polyamide)樹脂、フラン(furan)樹脂、セルロース(cellulose)樹脂、スチレン(stylene)樹脂、ポリイミド(polyimide)樹脂、エポキシ(epoxy)樹脂、塩化ビニル(vinyl chloride)樹脂、およびポリビニルクロライドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。前記ピッチは石炭系ピッチ、石油系ピッチ、およびメソフェーズピッチからなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。前記非晶質炭素コーティング層を形成するための熱処理工程は非晶質炭素コーティング層の均一な形成を図る面で、1,000℃~1,500℃で実施することができる。
【0056】
負極スラリー
また、本発明は、負極スラリーを提供する。前記負極スラリーは、リチウム二次電池用負極を製造するための負極スラリーであることができる。
【0057】
前記負極スラリーは、上述の負極活物質を含む。具体的には、前記負極スラリーは、上述の負極活物質と、負極バインダーと、負極導電材と、溶媒とを含むことができる。
【0058】
本発明による負極スラリーは、上述の負極活物質を含み、分散性に優れ、相安定性が向上することができる。特に、本発明による負極スラリーは、負極スラリーの固形分含量が増加しても、優れた分散性と相安定性を示すことから、高容量負極および二次電池の生産性および品質の向上が可能である。
【0059】
前記負極活物質は、前記負極スラリーの固形分の重量基準80重量%~99重量%、好ましくは88重量%~98重量%で前記負極スラリーに含まれることができる。
【0060】
その他、負極活物質に関する説明は上述のとおりである。
【0061】
前記負極バインダーは、負極活物質および/または集電体の間の結合に役立つ成分であり、前記負極スラリーの固形分の重量基準で1重量%~30重量%、好ましくは1重量%~10重量%で前記負極スラリーに含まれることができる。
【0062】
前記負極バインダーは、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化-EPDM、スチレン-ブタジエンゴムおよびフッ素ゴムからなる群から選択される少なくとも1種、好ましくは、ポリビニリデンフルオライドおよびスチレン-ブタジエンゴムから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0063】
前記負極導電材は、負極活物質の導電性をより向上させるための成分として、前記負極スラリーの固形分の重量基準で1重量%~30重量%、好ましくは1重量%~10重量%で前記負極スラリーに含まれることができる。
【0064】
前記負極導電材は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されることができる。市販の導電材の具体的な例としては、アセチレンブラック系(シェブロンケミカルカンパニー(Chevron Chemical Company)製、デンカブラック(Denka Singapore Private Limited)、またはガルフオイルカンパニー(Gulf Oil Company)製など)、ケッチェンブラック(Ketjenblack)、EC系(アルマックカンパニー(Armak Company)製)、バルカン(Vulcan)XC-72(キャボットカンパニー(Cabot Company)製)およびスーパー(Super)P(Timcal社製)などがある。
【0065】
前記溶媒は、水またはNMP(N-methyl-2-pyrrolidone)などの有機溶媒を含むことができ、より具体的には、水であることができる。本発明による負極スラリーは、人造黒鉛粒子を含む負極活物質を使用することによる分散性の低下、相安定性の低下の問題が著しい水準に防止することができる。
【0066】
前記負極スラリーは、分散性の向上の面で、増粘剤をさらに含むことができる。
【0067】
前記増粘剤としては、従来、リチウム二次電池に使用されるすべての増粘剤が使用されることができ、一例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)などがある。
【0068】
前記負極スラリーの固形分含量は、前記負極スラリーの全重量に対して46重量%以上、具体的には47重量%~56重量%であることができる。
【0069】
本発明によると、上述の負極活物質の使用により、負極スラリーの分散性および相安定性が向上することから、前記範囲の固形分含量で負極スラリーを製造しても、優れた水準の分散性および相安定性を確保することができる。
【0070】
前記負極スラリーの固形分含量が46重量%以上、具体的には47重量%~56重量%である場合に、23℃での粘度は4,500cP~10,000cP、具体的には4,800cP~7,800cPであることができる。
【0071】
一方、前記負極スラリーの固形分含量が46重量%以上、具体的には47重量%~56重量%である場合に、せん断速度によるせん断粘度の測定時に得られる粘稠化スロープ(shear thickening slope)の勾配が負(-)の値を有することができる。
【0072】
前記負極スラリーの粘稠化スロープの勾配が負(-)の勾配を有する場合、フィルタの通過がスムーズであり、具体的には125メッシュ(mesh)フィルタの通過が可能であり、これを通過させた時にフィルタの詰まりが発生しない。負極スラリーは、粘稠化現象(shear thickening)が減少するほど、フィルタの通過がスムーズになる。フィルタで強いせん断(shear)が作用する時に、粘稠化(thickening)が大きく示される負極活物質スラリーは、フィルタが詰まる可能性が高く、このような傾向は、前記粘稠化スロープ値によって定量的に評価されることができる。
【0073】
前記粘稠化スロープ勾配は、レオメータ(rheometer)を用いて前記負極活物質スラリーのせん断速度によるせん断粘度を測定し、測定されたせん断粘度で粘稠化現象(shear thickening)を示す区間の粘度値をログ(log)値に変形した時に、粘稠化現象が始まる地点から終わる地点を線型近似(linear fitting)して直線グラフを描くことで、判断することができる。
【0074】
負極
また、本発明は、負極、具体的にリチウム二次電池用負極を提供する。前記負極は、上述の負極活物質を含む負極であることができる。
【0075】
具体的には、前記負極は負極集電体と、前記負極集電体の少なくとも一面に配置された負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、上述の負極活物質を含む。
【0076】
前記負極集電体は、当分野において一般的に使用される負極集電体が制限なく使用可能であり、例えば、リチウム二次電池の化学的変化を引き起こさず、高い導電性を有するものであれば特に制限されない。例えば、前記負極集電体は、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、およびアルミニウム-カドミウム合金から選択される少なくとも1種、好ましくは銅を含むことができる。
【0077】
前記負極集電体は、表面に微細な凹凸を形成して負極活物質の結合力を強化すこともでき、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態で使用されることができる。
【0078】
前記負極集電体は、一般的に、3μm~500μmの厚さを有することができる。
【0079】
前記負極活物質層は、前記負極集電体の少なくとも一面に配置される。具体的には、前記負極活物質層は、前記負極集電体の一面または両面に配置されることができる。
【0080】
前記負極活物質層は、上述の負極活物質を含む。
【0081】
前記負極活物質は、前記負極活物質層に80重量%~99重量%、好ましくは88重量%~98重量%含まれることができる。
【0082】
その他、負極活物質に関する説明は、上述のとおりである。
【0083】
前記負極活物質層は、上述の負極活物質の他に、負極バインダー、負極導電材および/または増粘剤をさらに含むことができる。
【0084】
前記負極バインダーは、活物質および/または集電体の間の結合に役立つ成分として、通常、負極活物質層内に1重量%~30重量%、好ましくは1重量%~10重量%含まれることができる。
【0085】
その他、負極バインダーに関する説明は上述のとおりである。
【0086】
前記増粘剤としては、従来、リチウム二次電池に使用されているすべての増粘剤が使用可能であり、一例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)などがある。
【0087】
前記負極導電材は、負極活物質の導電性をより向上させるための成分として、負極活物質層内に1重量%~30重量%、好ましくは1重量%~10重量%含まれることができる。
【0088】
その他、負極導電材に関する説明は上述のとおりである。
【0089】
前記負極活物質層の厚さは、10μm~150μm、具体的には50μm~100μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0090】
前記負極活物質層は、上述の負極スラリーを前記負極スラリーを前記負極集電体に塗布、圧延、および乾燥して製造されることができる。
【0091】
二次電池
また、本発明は、上述の負極を含む二次電池、より具体的には、リチウム二次電池を提供する。
【0092】
前記二次電池は、上述の負極と、前記負極に対向する正極と、前記負極と前記正極との間に介在されるセパレータと、電解質とを含むことができる。
【0093】
前記正極は、前記負極に対向することができる。
【0094】
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に配置された正極活物質層とを含むことができる。
【0095】
前記正極集電体は、当分野において一般的に使用される正極集電体が制限なく使用可能であり、例えば、二次電池の化学的変化を引き起こさず、高い導電性を有するものであれば、特に制限されない。例えば、前記正極集電体は、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、およびアルミニウム-カドミウム合金から選択される少なくとも1種、好ましくは、アルミニウムを含むことができる。
【0096】
前記正極集電体は、表面に微細な凹凸を形成して正極活物質の結合力を強化することもでき、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態で使用されることができる。
【0097】
前記正極集電体は、一般的に、3μm~500μmの厚さを有することができる。
【0098】
前記正極活物質層は、正極活物質を含むことができる。
【0099】
前記正極活物質は、リチウムの可逆的なインターカレーションおよびデインターカレーションが可能な化合物として、具体的には、コバルト、マンガン、ニッケルまたはアルミニウムのような1種以上の金属とリチウムを含むリチウム複合金属酸化物を含むことができる。より具体的には、前記リチウム複合金属酸化物は、リチウム-マンガン系酸化物(例えば、LiMnO、LiMnなど)、リチウム-コバルト系酸化物(例えば、LiCoOなど)、リチウム-ニッケル系酸化物(例えば、LiNiOなど)、リチウム-ニッケル-マンガン系酸化物(例えば、LiNi1-YMn(ここで、0<Y<1)、LiMn2-zNi(ここで、0<Z<2)など)、リチウム-ニッケル-コバルト系酸化物(例えば、LiNi1-Y1CoY1(ここで、0<Y1<1)など)、リチウム-マンガン-コバルト系酸化物(例えば、LiCo1-Y2MnY2(ここで、0<Y2<1)、LiMn2-z1Coz1(ここで、0<Z1<2)など)、リチウム-ニッケル-マンガン-コバルト系酸化物(例えば、Li(NiCoMnr1)O(ここで、0<p<1、0<q<1、0<r1<1、p+q+r1=1)またはLi(Nip1Coq1Mnr2)O(ここで、0<p1<2、0<q1<2、0<r2<2、p1+q1+r2=2)など)、またはリチウム-ニッケル-コバルト-遷移金属(M)酸化物(例えば、Li(Nip2Coq2Mnr3S2)O(ここで、Mは、Al、Fe、V、Cr、Ti、Ta、MgおよびMoからなる群から選択され、p2、q2、r3およびs2は、それぞれ独立した元素の原子分率として、0<p2<1、0<q2<1、0<r3<1、0<s2<1、p2+q2+r3+s2=1である)など)などが挙げられ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の化合物が含まれることができる。中でも、電池の容量特性および安定性を高めることができる点で、前記リチウム複合金属酸化物は、LiCoO、LiMnO、LiNiO、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(例えば、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.5Mn0.3Co0.2)O、またはLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oなど)、またはリチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(例えば、Li(Ni0.8Mn0.15Co0.05)Oなど)などであることができ、リチウム複合金属酸化物を形成する構成元素の種類および含量比の制御による改善効果の顕著性を考慮すると、前記リチウム複合金属酸化物は、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.5Mn0.3Co0.2)O、Li(Ni0.7Mn0.15Co0.15)OまたはLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oなどであることができ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用されることができる。
【0100】
前記正極活物質は、前記正極活物質層内に80重量%~99重量%含まれることができる。
【0101】
前記正極活物質層は、前記正極活物質とともに、バインダー、および導電材からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含むことができる。
【0102】
前記バインダーは、活物質と導電材などの結合と集電体に対する結合を容易にする成分として、通常、正極合剤の全重量に対して1~30重量%添加される。このようなバインダーの例としては、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンテルポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン-ブタジエンゴム、およびフッ素ゴムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0103】
前記バインダーは、前記正極活物質層内に1重量%~30重量%含まれることができる。
【0104】
前記導電材は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、グラファイト;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどの炭素系物質;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性材料などが使用されることができる。市販の導電材の具体的な例としては、アセチレンブラック系(シェブロンケミカルカンパニー(Chevron Chemical Company)製、デンカブラック(Denka Singapore Private Limited)、またはガルフオイルカンパニー(Gulf Oil Company)製など)、ケッチェンブラック(Ketjenblack)、EC系(アルマックカンパニー(Armak Company)製)、バルカン(Vulcan)XC-72(キャボットカンパニー(Cabot Company)製)およびスーパー(Super)P(Timcal社製)などがある。
【0105】
前記導電材は、前記正極活物質層内に1重量%~30重量%添加されることができる。
【0106】
前記セパレータは、負極と正極を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供するものであり、通常、リチウム二次電池において、セパレータとして使用されるものであれば、特に制限なく使用可能であり、特に、電解質のイオン移動に対して低抵抗であるとともに電解液含湿能力に優れたものが好ましい。具体的には、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体およびエチレン/メタクリレート共重合体などのポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムまたはこれらの2層以上の積層構造体が使用されることができる。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が使用されることもできる。また、耐熱性または機械的強度の確保のために、セラミック成分または高分子物質が含まれたコーティングされたセパレータが使用されることもでき、選択的に、単層または多層構造で使用されることができる。
【0107】
また、本発明で使用される電解質としては、リチウム二次電池の製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル型高分子電解質、固体無機電解質、溶融型無機電解質などが挙げられ、これらに限定されるものではない。
【0108】
具体的には、前記電解質は、有機溶媒およびリチウム塩を含むことができる。
【0109】
前記有機溶媒としては、電池の電気化学的反応に関わるイオンが移動することができる媒質の役割を果たすものであれば、特に制限なく使用可能である。具体的には、前記有機溶媒としては、メチルアセテート、エチルアセテート、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトンなどのエステル系溶媒;ジブチルエーテルまたはテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ベンゼン、フルオロベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート系溶媒;エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;R-CN(Rは、C2~C20の直鎖状、分岐状または環構造の炭化水素基であり、二重結合芳香環またはエーテル結合を含むことができる)などのニトリル類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;1,3-ジオキソランなどのジオキソラン類;またはスルホラン(sulfolane)類などが使用されることができる。中でも、カーボネート系溶媒が好ましく、電池の充放電性能を高めることができる高いイオン伝導度および高誘電率を有する環状カーボネート(例えば、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートなど)と、低粘度の直鎖状カーボネート系化合物(例えば、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートなど)の混合物がより好ましい。この場合、環状カーボネートと直鎖状カーボネートは、約1:1~約1:9の体積比で混合して使用することで、電解液が優れた性能を示すことができる。
【0110】
前記リチウム塩は、リチウム二次電池で使用されるリチウムイオンを提供することができる化合物であれば、特に制限なく使用可能である。具体的には、前記リチウム塩としては、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAl0、LiAlCl、LiCFSO、LiCSO、LiN(CSO、LiN(CSO、LiN(CFSO、LiCl、LiI、またはLiB(Cなどが使用されることができる。前記リチウム塩の濃度は、0.1~2.0Mの範囲内で使用することが好ましい。リチウム塩の濃度が前記範囲に含まれると、電解質が適切な伝導度および粘度を有することから優れた電解質性能を示すことができ、リチウムイオンが効果的に移動することができる。
【0111】
前述のように、本発明によるリチウム二次電池は、優れた放電容量、急速充電特性および容量維持率を安定的に示すことから、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラなどのポータブル機器、およびハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle、HEV)などの電気自動車分野などにおいて有用であり、特に、中大型電池モジュールの構成電池として好ましく使用されることができる。したがって、本発明はまた前述のような二次電池を単位電池として含む中大型電池モジュールを提供する。
【0112】
このような中大型電池モジュールは、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、電力貯蔵装置などのように、高出力、大容量が求められる動力源として好ましく適用されることができる。
【0113】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施するように本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相違する形態に実現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0114】
実施例および比較例
(1)負極活物質の準備
下記表1のような実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2の負極活物質を準備した。
【0115】
実施例1:負極活物質の製造
コークス原料を粉砕し、気流分級し、球形化して一次粒子形態の炭素前駆体を製造した後、前記炭素前駆体とピッチを混合し、球形化して、二次粒子形態の中間体を製造し、前記中間体を3,000℃で熱処理して黒鉛化し、これによって、2以上の一次人造黒鉛粒子が凝集した二次粒子形態の人造黒鉛粒子を製造した。ここで、前記炭素前駆体の製造時の球形化は、カウンタージェットミル(回転速度:10Hz)で10分間行った。
【0116】
前記人造黒鉛粒子とピッチを混合した後、1,200℃で熱処理して、前記人造黒鉛粒子の表面に非晶質炭素コーティング層を形成し、負極活物質を製造した。前記非晶質炭素コーティング層は、前記負極活物質に3重量%含まれた。
【0117】
前記負極活物質の球形化度は0.79であり、平均粒径(D50)は18μmであり、BET比表面積は0.7m/gであった。
【0118】
実施例2:負極活物質の製造
前記炭素前駆体の製造時の球形化工程でカウンタージェットミルの回転速度を25Hzに調節した以外は、実施例1と同じ方法で負極活物質を製造した。
【0119】
前記負極活物質の球形化度は0.81であり、平均粒径(D50)は18μmであり、BET比表面積は0.8m/gであった。
【0120】
比較例1:負極活物質の製造
前記炭素前駆体の製造時に球形化工程を行っていない以外は、実施例1と同じ方法で比較例1の負極活物質を製造した。
【0121】
前記負極活物質の球形化度は0.74であり、平均粒径(D50)は18μmであり、BET比表面積は0.8m/gであった。
【0122】
比較例2:負極活物質の製造
前記炭素前駆体の製造時の球形化工程でカウンタージェットミルの回転速度を5Hzに調節し、球形化時間を20分にした以外は、実施例1と同じ方法で負極活物質を製造した。
【0123】
前記負極活物質の球形化度は0.81であり、平均粒径(D50)は18μmであり、BET比表面積は0.8m/gであった。
【0124】
【表1】
【0125】
1)サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値
トルクレオメータとして、Brabender社製のMeasuring Mixers機器を使用した。
【0126】
「最大トルク値を有する時の固形分の値」は、以下のような方法によって測定した。
【0127】
ステップ(a):前記トルクレオメータのサンプル容器に実施例1の負極活物質55mLを投入した。
ステップ(b):前記サンプル容器に水を1mL/minの速度で注入しながら、前記トルクレオメータを作動させて前記サンプル容器内の2個のブレードを50rpmで回転させてサンプルを撹拌した。この過程で、トルクレオメータの分析ソフトウェアを駆動して、固形分の値によるトルク値を測定し、これにより、X軸固形分の値(単位:重量%)、Y軸トルク値(単位:N・m)に対するグラフを図1のように図示した。
ステップ(c):ステップ(b)で得たグラフを分析して、前記負極活物質および水からなるサンプルの「最大トルク値を有する時の固形分の値」を求めた。
【0128】
前述のような方法で実施例2、比較例1、および比較例2に対する「サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値」を求めた。実施例2、比較例1、および比較例2の負極活物質および水からなるサンプルの固形分の値およびトルク値に対するグラフをそれぞれ図2図3および図4に示す。
【0129】
2)球形化度
前記負極活物質の球形化度は、Malvern Panalyrical社製のMorphologi M4機器を用いて測定された。具体的には、前記負極活物質のサンプルを準備し、前記機器を用いてサンプル内の粉体の球形化度を測定した後、これらの平均値を負極活物質の球形化度とした。
【0130】
3)平均粒径(D50
負極活物質の平均粒径(D50)は、レーザ回折法を用いて、粒子の粒径分布曲線を得た後、体積累積量の50%に該当する粒径を求め、これを負極活物質の平均粒径(D50)として定義した。
【0131】
4)BET比表面積
負極活物質のBET比表面積は、BEL Sorption機器(BEL Japan社製)を用いて測定した。
【0132】
(2)負極スラリーの製造
実施例A
実施例1の負極活物質、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(SBR)、導電材としてカーボンブラック、および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を96:1:1:2の重量比で溶媒としての水に添加し、負極スラリーを得た。
【0133】
前記負極スラリーの固形分含量は、負極スラリーの全重量に対して48重量%に調節された。
【0134】
前記負極スラリーの25℃での粘度は、7,500cPであった。
【0135】
実施例B
実施例2の負極活物質、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(SBR)、導電材としてカーボンブラック、および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を96:1:1:2の重量比で溶媒としての水に添加し、負極スラリーを得た。
【0136】
前記負極スラリーの固形分含量は、負極スラリーの全重量に対して53重量%に調節された。
【0137】
前記負極スラリーの25℃での粘度は、6,000cPであった。
【0138】
実施例C
実施例2の負極活物質、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(SBR)、導電材としてカーボンブラック、および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を96:1:1:2の重量比で溶媒としての水に添加し、負極スラリーを得た。
【0139】
前記負極スラリーの固形分含量は、負極スラリーの全重量に対して48重量%に調節された。
【0140】
前記負極スラリーの25℃での粘度は、5,000cPであった。
【0141】
比較例A
比較例1の負極活物質、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(SBR)、導電材としてカーボンブラック、および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を96:1:1:2の重量比で溶媒としての水に添加し、負極スラリーを得た。
【0142】
前記負極スラリーの固形分含量は、負極スラリーの全重量に対して46重量%に調節された。
【0143】
前記負極スラリーの25℃での粘度は、8,000cPであった。
【0144】
比較例B
比較例1の負極活物質、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(SBR)、導電材としてカーボンブラック、および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を96:1:1:2の重量比で溶媒としての水に添加し、負極スラリーを得た。
【0145】
前記負極スラリーの固形分含量は、負極スラリーの全重量に対して48重量%に調節された。
【0146】
前記負極スラリーの25℃での粘度は、9,500cPであった。
【0147】
比較例C
比較例2の負極活物質、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(SBR)、導電材としてカーボンブラック、および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を96:1:1:2の重量比で溶媒としての水に添加し、負極スラリーを得た。
【0148】
前記負極スラリーの固形分含量は、負極スラリーの全重量に対して48重量%に調節された。
【0149】
前記負極スラリーの25℃での粘度は、8,000cPであった。
【0150】
実験例
実験例1:フィルタテスト
実施例A、実施例B、実施例C、比較例A、比較例B、および比較例Cでそれぞれ製造された負極スラリーを125メッシュ(mesh)フィルタに通過させてフィルタテストを実施した。負極スラリーによってフィルタが詰まると「×」、フィルタ詰まり現象が発見されなければ「○」と表記した。その結果を下記表2に示した。
【0151】
実験例2:粘稠化スロープ値の測定
Hakke Rheometer(Thermo Scientific社製)を用いて、実施例A、実施例B、実施例C、比較例A、比較例B、および比較例Cでそれぞれ製造された負極スラリーのせん断速度によるせん断粘度を測定した。せん断速度(shear rate、単位:1/s)によるせん断粘度(shear viscosity、単位:Pa・s)の変化を図5に示した。
【0152】
測定されたせん断粘度で粘稠化現象(shear thickening)を示す区間の粘度値をログ(log)値に変形し、スロープ値(linear fitting値)の勾配が正(+)であるか負(-)であるか判断し、これを表2に示す。
【0153】
【表2】
【0154】
表2を参照すると、本発明による負極活物質を含む実施例A、実施例B、および実施例Cの負極スラリーは、比較例A、比較例B、および比較例Cの負極スラリーに比べて相安定性に優れ、負極活物質の分散性が非常に向上したことを確認することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人造黒鉛粒子を含む負極活物質であって、
前記負極活物質および水からなるサンプルのトルクレオメータ測定時に、前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、69.5重量%以上であり、
前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値は、下記ステップ(a)~(c):
(a)前記負極活物質をトルクレオメータのサンプル容器に投入するステップ、
(b)前記トルクレオメータのサンプル容器に水を所定の速度で注入しながら前記トルクレオメータを作動させて前記サンプルの固形分の値によるトルク値を測定するステップ、および
(c)前記ステップ(b)で前記サンプルの最大トルク値を有する時の固形分の値を導出するステップ、
を含む方法により測定される、負極活物質。
【請求項2】
前記負極活物質の球形化度は、0.75~1である、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項3】
前記負極活物質の粉体流動分析(Powder flow test)によって測定される圧縮密度は、850kg/m~1,200kg/mである、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項4】
前記人造黒鉛粒子は、2以上の一次粒子が造粒された二次粒子形態である、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項5】
前記負極活物質の平均粒径(D50)は、14μm~20μmである、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項6】
前記負極活物質のBET比表面積は、0.1m/g~2.0m/gである、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項7】
前記人造黒鉛粒子の表面に位置する非晶質炭素コーティング層をさらに含む、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項8】
前記非晶質炭素コーティング層は、前記負極活物質に0.01重量%~10重量%含まれる、請求項7に記載の負極活物質。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の負極活物質と、
負極バインダーと、
負極導電材と、
溶媒とを含む、負極スラリー。
【請求項10】
前記負極スラリーの固形分含量は、負極スラリーの全重量に対して46重量%以上である、請求項9に記載の負極スラリー。
【請求項11】
前記負極スラリーの固形分含量が46重量%以上である時に、せん断速度によるせん断粘度の測定時に得られる粘稠化スロープ(shear thickening slope)の勾配が負の値を有する、請求項9に記載の負極スラリー。
【請求項12】
負極集電体と、
前記負極集電体の少なくとも一面に配置された負極活物質層とを含み、
前記負極活物質層は、請求項1に記載の負極活物質を含む、負極。
【請求項13】
請求項12に記載の負極と、
前記負極に対向する正極と、
前記負極と前記正極との間に介在されるセパレータと、
電解質とを含む、二次電池。
【国際調査報告】