(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】可変利得増幅器および送信装置
(51)【国際特許分類】
H03G 3/10 20060101AFI20241128BHJP
H03G 3/02 20060101ALI20241128BHJP
H04B 1/04 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H03G3/10 A
H03G3/02 A
H04B1/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528612
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 CN2022081919
(87)【国際公開番号】W WO2023087589
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202111362245.5
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】林思宇
【テーマコード(参考)】
5J100
5K060
【Fターム(参考)】
5J100AA02
5J100AA18
5J100BA04
5J100BB02
5J100BC02
5J100CA02
5J100CA12
5J100CA15
5J100EA02
5J100FA01
5J100FA08
5K060BB04
5K060CC04
5K060HH06
5K060HH39
(57)【要約】
本開示は、電圧信号入力端と、第1高レベル信号出力端と第2高レベル信号出力端を含み、前記電圧信号入力端から入力された電圧信号を第1高レベル信号と第2高レベル信号に変換するように構成される高レベル生成モジュールと、高レベル信号入力端、N個のデジタル信号入力端、N個のスイッチング信号出力端を含み、デジタル信号入力端から入力された信号の制御の下で、対応するスイッチング信号出力端を介して、前記高レベル信号入力端から出力された信号に関連する利得制御信号を出力するように構成されるスイッチング信号変換モジュールと、増幅手段とN段目利得制御手段とを含み、Nが1以上の正整数である増幅モジュールと、を含む可変利得増幅器を提供する。本開示は送信装置をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧信号入力端と、
第1高レベル信号出力端と第2高レベル信号出力端を含み、前記電圧信号入力端から入力された電圧信号を第1高レベル信号と第2高レベル信号に変換し、前記第1高レベル信号と前記第2高レベル信号がいずれも前記可変利得増幅器の温度に正相関し、前記第1高レベル信号の電位が前記第2高レベル信号の電位よりも高いように構成される高レベル生成モジュールと、
高レベル信号入力端、N個のデジタル信号入力端、N個のスイッチング信号出力端を含み、前記高レベル信号入力端が前記第1高レベル信号出力端に電気的に接続され、N個のスイッチング信号出力端はN個の信号入力端と一対一で対応し、デジタル信号入力端から入力された信号の制御の下で、対応するスイッチング信号出力端を介して、前記高レベル信号入力端から出力された信号に関連する利得制御信号を出力するように構成されるスイッチング信号変換モジュールと、
増幅手段とN段目利得制御手段とを含み、N段目利得制御手段が前記スイッチング信号変換モジュールのN個のスイッチング信号出力端に一対一で対応し、前記利得制御手段の制御端が対応するスイッチング信号出力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の入力端が前記電圧信号入力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の出力端が前記増幅手段の中間ノードに電気的に接続され、前記利得制御手段が、該利得制御手段の制御端が受信した信号の制御下で前記中間ノードに温度に正相関する電圧信号を供給することができ、前記増幅手段の入力端が前記第2高レベル信号出力端に電気的に接続され、前記増幅手段の制御端子が、前記第1高レベル信号出力端子に電気的に接続され、Nが1以上の正整数である増幅モジュールと
を含む可変利得増幅器。
【請求項2】
前記スイッチング信号変換モジュールはN個のスイッチング信号変換手段を含み、N個のスイッチング信号変換手段はN個のデジタル信号入力端に一対一で対応し、N個のスイッチング信号変換手段はN個のスイッチング信号出力端子に一対一で対応し、
前記スイッチング信号変換手段の制御端は対応するデジタル信号入力端に電気的に接続され、前記スイッチング信号変換手段の入力端は前記第1高レベル信号端に電気的に接続され、前記スイッチング信号変換手段の出力端は対応するスイッチング信号出力端に電気的に接続され、
前記スイッチング信号変換手段が該スイッチング信号変換手段の制御端から該スイッチング信号変換手段に有効なデジタル信号を受信すると、該スイッチング信号変換手段の入力端と該スイッチング信号変換手段の出力端とをオンすることができる
請求項1に記載の可変利得増幅器。
【請求項3】
前記スイッチング信号変換手段は、第1スイッチング信号変換トランジスタと第2スイッチング信号変換トランジスタとを含み、前記第1スイッチング信号変換トランジスタのゲートは前記第2スイッチング信号変換トランジスタのゲートに電気的に接続され、いずれも対応するデジタル信号入力端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタの第1極は前記第1高レベル信号入力端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタの第2極は前記第2スイッチング信号変換トランジスタの第1極に電気的に接続され、前記第2スイッチング信号変換トランジスタの第2極は低レベル信号基準端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタおよび前記第2スイッチング信号変換トランジスタの一方はP型トランジスタであり、前記第1スイッチング信号変換トランジスタおよび前記第2スイッチング信号変換トランジスタの他方はN型トランジスタである
請求項2に記載の可変利得増幅器。
【請求項4】
前記第1スイッチング信号変換トランジスタはP型トランジスタであり、前記第2スイッチング信号変換トランジスタはN型トランジスタである
請求項3に記載の可変利得増幅器。
【請求項5】
前記高レベル生成モジュールは、
入力端が前記電圧信号入力端として形成され、前記電圧信号入力端から入力された電圧信号を電流に変換することができ、前記電流が前記可変利得増幅器の温度に正相関する電流源と、
入力端が前記電流源の出力端に電気的に接続され、第1出力端は前記第1高レベル信号出力端に形成され、第2出力端は前記第2高レベル信号出力端に形成され、前記電流を前記第1高レベル信号と前記第2高レベル信号にそれぞれ変換するように構成され、前記第1高レベル信号を前記第1出力端を介して出力し、前記第2高レベル信号を前記第2出力端を介して出力する電流変換手段と、
含む請求項1に記載の可変利得増幅器。
【請求項6】
前記高レベル生成モジュールは、第1電流変換トランジスタと第2電流変換トランジスタとを含み、
前記第1電流変換トランジスタのゲートは前記第1電流変換トランジスタの第1極に電気的に接続され、前記高レベル生成モジュールの入力端として形成され、前記第1出力端は前記第1電流変換トランジスタの第1極に電気的に接続され、
前記第2電流変換トランジスタのゲートは前記第2電流変換トランジスタの第1極に電気的に接続され、且ついずれも前記第1電流変換トランジスタの第2極に電気的に接続され、前記第2出力端は前記第2電流変換トランジスタの第1極に電気的に接続され、前記第2電流変換トランジスタの第2極は低レベル信号基準端に電気的に接続される
請求項5に記載の可変利得増幅器。
【請求項7】
前記利得制御手段はゲイントランジスタを含み、前記ゲイントランジスタのゲートは前記利得制御手段の制御端として形成され、前記ゲイントランジスタの第1極は前記電圧信号入力端に電気的に接続され、前記ゲイントランジスタの第2極は前記利得制御手段の出力端として形成される、
請求項1~6のいずれかに記載の可変利得増幅器。
【請求項8】
前記増幅手段は、第1増幅トランジスタと第2増幅トランジスタとを含み、前記第1増幅トランジスタのゲートは、前記増幅手段の制御端として形成され、前記第1増幅トランジスタの第1極は、前記増幅手段の出力端に電気的に接続され、前記第1増幅トランジスタの第2極は、中間ノードに電気的に接続され、
前記第2増幅トランジスタのゲートは、前記増幅手段の入力端として形成され、前記第2増幅トランジスタの第1極は前記増幅トランジスタの第2極に電気的に接続され、前記第2増幅トランジスタの第2極は低レベル信号基準端に電気的に接続される
請求項1~6のいずれかに記載の可変利得増幅器。
【請求項9】
前記増幅手段は抵抗素子をさらに含み、前記抵抗素子の一端は前記電圧信号入力端に電気的に接続され、前記抵抗素子の他端は前記第1増幅トランジスタの第1極に電気的に接続される
請求項8に記載の可変利得増幅器。
【請求項10】
順次接続された中間周波数可変利得増幅器、ミキサ、無線周波数可変利得増幅器および電力増幅器を含み、前記中間周波数可変利得増幅器および無線周波数可変利得増幅器のうちの少なくとも1つは、請求項1~9のいずれか1項に記載の可変利得増幅器である
送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2021年11月17日に提出された中国特許出願No.202111362245.5の優先権を主張し、該中国特許出願の内容を引用により全体的に本願に援用する。
【0002】
本開示は、通信装置の分野に関するがこれに限らず、特に可変利得増幅器および該可変利得増幅器を含む送信装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
可変利得増幅器は送受信システムなどの重要な構成部分である。よく見られる可変利得増幅器には、デジタル電流舵構造を有する可変利得増幅器、アナログ電流舵構造を有する可変利得増幅器、デジタル・ステッピング減衰器構造を有する可変利得増幅器がある。
【0004】
デジタル電流舵構造を有する可変利得増幅器の応用は最も広い。しかし、デジタル電流舵構造を有する可変利得増幅器のゲイン・ステッピング、および最大利得は温度とプロセス角の影響を大きく受けることから、デジタル電流舵構造を有する可変利得増幅器の誤差も温度およびプロセス角の変化によって異なる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例は、可変利得増幅器と、該可変利得増幅器を含む送信装置を提供する。
本開示の1つの態様として、
電圧信号入力端と、
第1高レベル信号出力端と第2高レベル信号出力端を含み、前記電圧信号入力端から入力された電圧信号を第1高レベル信号と第2高レベル信号に変換し、前記第1高レベル信号と前記第2高レベル信号がいずれも前記可変利得増幅器の温度に正相関し、前記第1高レベル信号の電位が前記第2高レベル信号の電位よりも高いように構成される高レベル生成モジュールと、
高レベル信号入力端、N個のデジタル信号入力端、N個のスイッチング信号出力端を含み、前記高レベル信号入力端が前記第1高レベル信号出力端に電気的に接続され、N個のスイッチング信号出力端はN個の信号入力端と一対一で対応し、デジタル信号入力端から入力された信号の制御の下で、対応するスイッチング信号出力端を介して、前記高レベル信号入力端から出力された信号に関連する利得制御信号を出力するように構成されるスイッチング信号変換モジュールと、
増幅手段とN段目利得制御手段とを含み、N段目利得制御手段が前記スイッチング信号変換モジュールのN個のスイッチング信号出力端に一対一で対応し、前記利得制御手段の制御端が対応するスイッチング信号出力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の入力端が前記電圧信号入力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の出力端が前記増幅手段の中間ノードに電気的に接続され、前記利得制御手段が、該利得制御手段の制御端が受信した信号の制御下で前記中間ノードに温度に正相関する電圧信号を供給することができ、前記増幅手段の入力端が前記第2高レベル信号出力端に電気的に接続され、前記増幅手段の制御端子が、前記第1高レベル信号出力端子に電気的に接続され、Nが1以上の正整数である増幅モジュールと
を含む可変利得増幅器を提供する。
【0006】
本開示の2つの態様として、
順次接続された中間周波数可変利得増幅器、ミキサ、無線周波数可変利得増幅器および電力増幅器を含み、前記中間周波数可変利得増幅器および無線周波数可変利得増幅器のうちの少なくとも1つは、本開示が提供する上記可変利得増幅器である
送信装置を提供する。
前記可変利得増幅器を用いて入力信号を増幅すると、増幅手段の入力端を介して入力信号が受信されるとともに、電圧信号入力端を介して高レベル生成モジュールおよび利得制御手段に電源電圧が供給される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は本開示が提供する可変利得増幅器の1つの実施形態の概略図である。
【
図2】
図2は本開示が提供する可変利得増幅器のもう1つの実施形態の概略図である。
【
図3】
図3で示されているのは、N(デジタル信号入力端またはスイッチング信号出力端子の数)が4である場合において、可変利得増幅器が-25℃、25℃、125℃であるときの可変利得増幅器の利得曲線である。
【
図4】
図4で示されているのは、Nが4である場合の、可変利得増幅器のTT、FF、SSプロセス角での利得曲線である。
【
図5】
図5は、本開示が提供する送信装置の1つの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の技術案を当業者がよりよく理解できるように、以下では図面を組み合わせ、本開示が提供する可変利得増幅器および送信装置について詳細に説明する。
【0009】
以下では図面を参考にして例示的な実施例をより十分に説明するが、例示的な実施例は、異なる形式で体現することができ、本文で述べた実施例に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施例を提供する目的は、本開示を詳らかにかつ完全にし、当業者に本開示の範囲を十分に理解させることである。
【0010】
矛盾することがなければ、本開示の各実施例および実施例における各特徴は互いに任意に組み合わせることができる。
【0011】
本文で使用する「および/または」という用語は1つまたは複数の関連列挙項目のいずれかとすべての組み合わせを含む。
【0012】
本文で使用する用語は特定の実施例を説明するためのものにすぎず、本開示を限定することを意図するものではない。前後の文で特に明瞭に指摘しない限り、本文で使用する「1つ」および「該」という単数形も複数形を含むことを意図している。また、本明細書で「含む」および/または「……からなる」という用語を使用する場合は、前記特徴、全体、部材および/または構成要素が存在するが、1つまたは複数の他の特徴、全体、部材、構成要素および/またはそのグループの存在または追加を排除しないということを示す。
【0013】
特に限定しない限り、本文で使用するすべての用語(技術と科学用語を含む)の意味は、当業者が通常理解しているものと同じである。例えば、常用辞書において限定されているような用語は、その関連技術および本開示の背景での意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本文が明確にそのように限定しない限り、理想化されたものまたは過度な形式上の意味を有すると解釈されないことも理解される。
【0014】
本開示の1つの態様として可変利得増幅器を提供する。
図1に示すように、前記可変利得増幅器は、電圧信号入力端ELVDD、高レベル生成モジュール110、スイッチング信号変換モジュール120、増幅モジュール130を含む。
【0015】
高レベル生成モジュール110は第1高レベル信号出力端と第2高レベル信号出力端とを含み、電圧信号入力端ELVDDを介して入力された電圧信号を第1高レベル信号VGH1と第2高レベル信号VGH 2に変換するように構成され、前記第1高レベル信号と前記第2高レベル信号はいずれも前記可変利得増幅器の温度に正相関し、前記第1高レベル信号の電位は前記第2高レベル信号の電位よりも高い。
【0016】
スイッチング信号変換モジュール120は、高レベル信号入力端、N個のデジタル信号入力端(それぞれはD1~DNである)、およびN個のスイッチング信号出力端子を含み、前記高レベル信号入力端は前記第1高レベル信号出力端子に電気的に接続され、N個のスイッチング信号出力端子はN個の信号入力端に一対一で対応し、前記スイッチング信号変換モジュールは、デジタル信号入力端から入力される信号の制御の下で、対応するスイッチング信号出力端子を介して前記高レベル信号入力端から出力される信号に関連する利得制御信号を出力するように構成される。本開示においてNは1以上の正整数である。
【0017】
増幅モジュール130は、増幅手段131とN段利得制御手段(それぞれは利得手段1321~利得手段132Nである)とを含み、N段利得制御手段はそれぞれ前記スイッチング信号変換モジュールのN個のスイッチング信号出力端に一対一で対応し、前記利得制御手段の制御端は、対応するスイッチング信号出力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の入力端は、前記電圧信号入力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の出力端は、前記増幅手段の中間ノードに電気的に接続され、前記利得制御手段は、該利得制御手段の制御端が受信した信号の制御の下で、温度に正相関する電圧信号を前記中間ノードに供給し、前記増幅手段の入力端は前記第2高レベル信号出力端に電気的に接続され、前記増幅手段の制御端は前記第1高レベル信号出力端に電気的に接続される。
【0018】
前記可変利得増幅器を用いて入力信号を増幅する場合、増幅手段131の入力端を介して入力信号RFinを受信するとともに、電圧信号入力端を介して高レベル生成モジュールおよび利得制御手段に電源電圧を供給する必要がある。
【0019】
使用時間が長くなるにつれて、前記可変利得増幅器は発熱により温度が上昇し、高レベル生成モジュール110が出力する第1高レベル信号は可変利得増幅器の温度と正相関し、増幅モジュール130の増幅手段131の制御端が受信した信号も温度と正相関する。
【0020】
高レベル生成モジュール110が出力する第1高レベル信号には、スイッチング信号変換モジュールが第1高レベル信号に関連する制御信号を出力する(すなわち、利得制御手段の制御信号を温度に関連付ける)第1機能と、第1高レベル信号に関連する制御信号を増幅手段の制御端に受信させる第2機能(すなわち、増幅手段の制御信号を温度に関連付ける)という2つの機能がある。
【0021】
利得制御手段132の制御信号および増幅手段131の制御信号はすべて温度に関連し、これにより利得制御手段132の出力の温度に伴う変化が、増幅手段131の出力の温度およびプロセス角に伴う変化と一致し、これにより本開示が提供する可変利得増幅器のゲイン・ステッピングは異なる温度条件下で、および異なるプロセス角条件下で一致を保持することができ、可変利得増幅器の利得誤差および最大利得状態での電圧利得に対する温度とプロセス角の影響を低減し、高いロバスト性を有する。
【0022】
本開示では、スイッチング信号変換モジュール120の具体的な構成について特に限定を行わず、デジタル信号の制御の下で、第1高レベル信号を利得制御手段の制御信号に変換できればよい。
【0023】
任意の実施形態として、スイッチング信号変換モジュール120はN個のスイッチング信号変換手段(例えば、それぞれスイッチング信号変換手段121~スイッチング信号変換手段12N)を含み、N個のスイッチング信号変換手段はN個のデジタル信号入力端に一対一で対応し、N個のスイッチング信号変換手段はN個のスイッチング信号出力端子に一対一で対応する。
【0024】
前記スイッチング信号変換手段の制御端は対応するデジタル信号入力端に電気的に接続され(
図2に示す具体的な実施形態においてデジタル信号入力端D1はスイッチング信号変換手段121の制御端に電気的に接続され、デジタル信号入力端DNはスイッチング信号変換手段12Nの制御端に電気的に接続される)、スイッチング信号変換手段の入力端は第1高レベル信号端に電気的に接続され、スイッチング信号変換手段の出力端は、対応するスイッチング信号出力端に電気的に接続される。
【0025】
スイッチング信号変換手段がスイッチング信号変換手段の制御端において、該スイッチング信号変換手段に有効なデジタル信号を受信すると、該スイッチング信号変換手段の入力端と該スイッチング信号変換手段の出力端とをオンすることができる。スイッチング信号変換手段の入力端と出力端子とがオンすると、第1高レベル信号は対応する利得制御手段の制御端子に出力されることができる。
【0026】
なお、デジタル信号は0であってもよく、1であってもよい。スイッチング信号変換手段に有効なデジタル信号は0であってもよく、1であってもよく、これはスイッチング信号変換手段の具体的な構造によって決定される。
【0027】
図2に示す実施形態においてスイッチング信号変換手段は、第1スイッチング信号変換トランジスタ(第1スイッチングトランジスタ)と、第2スイッチング信号変換トランジスタ(第2スイッチングトランジスタ)とを含み、前記第1スイッチング信号変換トランジスタのゲートは、前記第2スイッチング信号変換トランジスタのゲートに電気的に接続され、かついずれも対応するデジタル信号入力端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタの第1極(ソース)は、前記第1高レベル信号入力端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタの第2極(ドレイン)は、前記第2スイッチング信号変換トランジスタの第1極(ドレイン)に電気的に接続され、前記第2スイッチング信号変換トランジスタの第2極(ソース)は低レベル信号基準端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタおよび前記第2スイッチング信号変換トランジスタの一方はP型トランジスタであり、前記第1スイッチング信号変換トランジスタおよび前記第2スイッチング信号変換トランジスタの他方はN型トランジスタである。
【0028】
具体的に、第1スイッチング信号変換トランジスタがP型トランジスタであり、第2スイッチング信号変換トランジスタがN型トランジスタである場合、スイッチング信号変換手段に有効なデジタル信号は0である。第1スイッチング信号変換トランジスタがN型トランジスタであり、第2スイッチング信号変換トランジスタがP型トランジスタである場合、スイッチング信号変換手段に有効なデジタル信号は1である。
【0029】
図2に示す実施形態において前記第1スイッチング信号変換トランジスタはP型トランジスタであり、前記第2スイッチング信号変換トランジスタはN型トランジスタである。
【0030】
スイッチング信号変換手段121は、第1スイッチングトランジスタT11および第2スイッチングトランジスタT12を含む。スイッチング信号変換手段12Nは第1スイッチングトランジスタTN1および第2スイッチングトランジスタTN2を含む。
【0031】
図2に示すように、第1スイッチングトランジスタT11の第1極(ソース)は第1高レベル信号出力端に電気的に接続され、第1スイッチングトランジスタTN1の第1極(ソース)も第1高レベル信号出力端に電気的に接続されている。第2スイッチングトランジスタT12の第2極(ソース)は低レベル信号基準端に電気的に接続され、第2スイッチングトランジスタTN 2の第2極(ソース)も低レベル信号基準端に電気的に接続される。
【0032】
スイッチング信号変換手段121の制御端がデジタル信号0を受信すると、第1スイッチングトランジスタT11の第1極(ソース)と第2極(ドレイン)がオンし、第2スイッチングトランジスタT12の第1極(ドレイン)と第2極(ソース)がオフすることで、第1高レベル信号端の信号をスイッチング信号121に対応する利得制御手段の制御端に出力することができる。
【0033】
スイッチング信号変換手段12Nの制御端がデジタル信号0を受信すると、第1スイッチングトランジスタTN1の第1極と第2極がオンし、第2スイッチングトランジスタTN 2の第1極と第2極がオフすることで、第1高レベル信号端の信号をスイッチング信号12Nに対応する利得制御手段の制御端に出力することができる。
【0034】
各スイッチング信号変換手段により、利得制御手段を制御するためのデジタル信号を温度に関する制御信号に変換することができる。
【0035】
本開示では、高レベル生成モジュール110の具体的な構成については特に限定を行わず、温度に正関連する第1高レベル信号と温度に正関連する第2高レベル信号を生成できればよい。
図2に示す実施形態において前記高レベル生成モジュールは、電流源111と電流変換手段112とを含む。
【0036】
電流源111の入力端は前記電圧信号入力端として形成され、電流源111は前記電圧信号入力端から入力された電圧信号を電流Iptatに変換することができ、前記電流は前記可変利得増幅器の温度に正相関する。
【0037】
電流変換手段112の入力端は電流源111の出力端に電気的に接続され、電流変換手段112の第1出力端は前記第1高レベル信号出力端として形成され、電流変換手段112の第2出力端は前記第2高レベル信号出力端として形成され、前記電流変換手段は前記電流をそれぞれ前記第1高レベル信号と前記第2高レベル信号に変換し、前記第1出力端を介して前記第1高レベル信号を出力し、前記第2出力端を介して前記第2高レベル信号を出力するように構成される。
【0038】
本開示では、電流変換手段112の具体的な構造について特に限定を行わない。例えば、電流変換手段112は、第1電流変換トランジスタT1および第2電流変換トランジスタT2を含む。
【0039】
図2に示す実施形態において第1電流変換トランジスタT1のゲートは、第1電流変換トランジスタT1の第1極に電気的に接続され、電流変換手段112の入力端として形成され、前記第1出力端は第1電流変換トランジスタT1の第1極に電気的に接続される。第2電流変換トランジスタT2のゲートは第2電流変換トランジスタT2の第1極に電気的に接続され、且ついずれも第1電流変換トランジスタT1の第2極に電気的に接続され、前記第2出力端は第2電流変換トランジスタT2の第1極に電気的に接続され、第2電流変換トランジスタT2の第2極は低レベル信号基準端に電気的に接続される。
【0040】
電圧信号入力端に電圧信号が入力されると、電流源111は電圧信号を第1高レベル信号に変換して第1電流変換トランジスタT1の第1極とゲートに入力し、第1電流変換トランジスタT1のゲートは第1高レベル信号を受信し、第1電流変換トランジスタT1の第1極と第2極はオンし、第1電流変換トランジスタT1の第2極は別の高レベル信号に変換され、第2電流変換トランジスタT2のゲートは上記高レベル信号を受信して第2電流変換トランジスタT1の第1極と第2極をオンする。第1電流変換トランジスタT1と第2電流変換トランジスタT2の分圧作用により、第1電流トランジスタT1の第2極と第2電流トランジスタT2の第1極との間のノード(すなわち、第2出力端)の電圧は第2高レベル信号となり、該第2高レベル信号の電位は第1高レベル信号の電位よりも低い。
【0041】
第2高レベル信号が増幅手段131の入力端に供給されることで、増幅手段131の入力信号も可変利得増幅器の温度に相関するようになる。
【0042】
一部の実施形態において第1電流変換トランジスタT1と第2電流変換トランジスタT2はいずれもN型トランジスタである。第1電流変換トランジスタT1と第2電流変換トランジスタT2の第1極はドレインであり、第2極はソースである。
【0043】
本開示では、利得制御手段の具体的な構造についても具体的な限定を行わない。本開示において利得制御手段の主な役割は、制御信号の制御の下で、外部の電源電圧を増幅手段131の中間ノードに導入することである。任意の実施形態として、前記利得制御手段はゲイントランジスタを含んでもよく、前記ゲイントランジスタのゲートは前記利得制御手段の制御端として形成され、前記ゲイントランジスタの第1極(ドレイン)は電圧信号入力端ELVDDに電気的に接続され、前記ゲイントランジスタの第2極(ソース)は前記利得制御手段の出力端として形成される。
【0044】
ゲイントランジスタのゲート電圧は温度に関連し、ゲイントランジスタの第2極(ソース)電圧も温度に関連するため、ゲイントランジスタのトランスコンダクタンスは温度につれて変化する。
【0045】
増幅手段131において入力端から入力される信号は入力電圧RFinと温度に関する第2高レベル信号であるため、増幅手段131の入力電圧は温度に関わり、増幅手段131の中間ノードの電圧も温度に関わる。上述のとおり、増幅手段131の制御端子が受信した信号は第1高レベル信号である。増幅手段131の各ノード信号は温度に関わり、これにより増幅手段131のゲイン・ステッピングは異なる温度とプロセス角の条件下での一致を保持することができる。
【0046】
図2に示す実施形態において利得制御手段1321はゲイントランジスタT1321を含み、ゲイントランジスタ手段132NはゲイントランジスタT132Nを含む。
【0047】
図2に示す実施形態においてゲイントランジスタはいずれもN型トランジスタである。
【0048】
本開示では、増幅手段131の具体的な構造について特に限定を行わないが、任意で、増幅手段131は第1増幅トランジスタT3と第2増幅トランジスタT4とを含み、第1増幅トランジスタT3のゲートは増幅手段131の制御端として形成され、第1増幅トランジスタT3の第1極(ドレイン)は増幅手段131の出力端に電気的に接続され、第1増幅トランジスタT3の第2電極(ソース)は中間ノードに電気的に接続される。
【0049】
第2増幅トランジスタT4のゲートは増幅手段131の入力端として形成され、第2増幅トランジスタT4の第1極(ドレイン)は増幅トランジスタT4の第2極(ソース)に電気的に接続され、第2増幅トランジスタT4の第2極(ソース)は前記低レベル信号基準端に電気的に接続される。
【0050】
第2増幅トランジスタT4のゲートは入力信号RFinおよび第2高レベル信号を受信すると、増幅領域で動作し、中間ノードに信号を出力する。第1増幅トランジスタT3のゲート電圧は第1高レベル信号であり、第1増幅トランジスタT3のソース電圧は、各段の利得制御手段が出力する信号と第2増幅トランジスタT3の第1極が出力する信号との重畳を含むため、第2増幅トランジスタT4は増幅後の信号を出力することができる。
【0051】
図2に示す実施形態において第1増幅トランジスタT3および前記第2増幅トランジスタはいずれもN型トランジスタである。
【0052】
本開示において増幅手段131は、外部電源から入力される電圧信号を受信する必要がある。任意で、第1増幅トランジスタT3の第1極(ドレイン)は、電圧信号入力端に直接電気的に接続されてもよい。
図2に示す実施形態において増幅手段131は抵抗素子Rをさらに含み、抵抗素子Rの一端は電圧信号入力端に電気的に接続され、抵抗素子Rの他端は第1増幅トランジスタT3の第1極に電気的に接続される。
【0053】
以下では
図2を組み合わせて本開示が提供する可変利得増幅器の一実施形態の具体的な構造と動作原理について説明する。該実施形態において低レベル信号基準端は接地端GNDである。
【0054】
図2に示す実施形態において高レベル生成モジュール110は電流源111と電流変換手段112とを含み、当該電流変換手段112は第1電流変換トランジスタT1と第2電流変換トランジスタT2とを含み、第1電流変換トランジスタT1と第2電流変換トランジスタT2はいずれもN型トランジスタである。第1電流変換トランジスタT1のゲートは第1電流変換トランジスタT1の第1極に電気的に接続され、第1電流変換トランジスタT1の第2極は第2電流変換トランジスタT2の第1極に電気的に接続され、第2電流変換トランジスタT2の第2極は接地端GNDに電気的に接続される。
【0055】
スイッチング信号変換手段120は、N個のスイッチング信号変換手段を含み、
図2ではスイッチング信号変換手段121とスイッチング信号変換手段12Nが示されている。スイッチング信号変換手段121は、第1スイッチングトランジスタT11と第2スイッチングトランジスタT12を含む。スイッチング信号変換手段12Nは第1スイッチングトランジスタTN1と第2スイッチングトランジスタTN2を含む。第1スイッチングトランジスタT11の第1極(ソース)は第1高レベル信号出力端に電気的に接続され、第1スイッチングトランジスタTN1の第1極(ソース)も第1高レベル信号出力端に電気的に接続される。第2スイッチングトランジスタT21の第2極は低レベル信号基準端に電気的に接続され、第2スイッチングトランジスタTN2の第2極も低レベル信号基準端に電気的に接続される。
【0056】
スイッチング信号変換手段121の制御端がデジタル信号0を受信すると、第1スイッチングトランジスタT11の第1極と第2極がオンし、第2スイッチングトランジスタT12の第1極と第2極がオフすることで、第1高レベル信号端の信号を、スイッチング信号121に対応する利得制御手段(1321)の制御端に出力することができる。
【0057】
スイッチング信号変換手段12Nの制御端がデジタル信号0を受信すると、第1スイッチングトランジスタTN1の第1極と第2極がオンし、第2スイッチングトランジスタTN 2の第1極と第2極がオフすることで、第1高レベル信号端の信号を、スイッチング信号12Nに対応する利得制御手段(132N)の制御端に出力することができる。
【0058】
図2に示す実施形態において利得制御手段1321はゲイントランジスタT1321を含み、ゲイントランジスタ手段132NはゲイントランジスタT132Nを含む。ゲイントランジスタT1321のゲートは第1スイッチングトランジスタT11の第2極に電気的に接続され、ゲイントランジスタT132Nのゲートは第1スイッチングトランジスタTN1の第2極に電気的に接続される。
【0059】
増幅手段131は第1増幅トランジスタT3と第2増幅トランジスタT4を含み、第1増幅トランジスタT3のゲートは増幅手段131の制御端子として形成され、第1増幅トランジスタT3の第1極は増幅手段131の出力端に電気的に接続され、第1増幅トランジスタT3の第2極は中間ノードに電気的に接続される。
【0060】
第2増幅トランジスタT4のゲートは増幅手段131の入力端として形成され、第2増幅トランジスタT4の第1極は増幅トランジスタT4の第2極に電気的に接続され、第2増幅トランジスタT4の第2極は前記低レベル信号基準端に電気的に接続される。
【0061】
各ゲイントランジスタのゲートソース電圧は第1増幅トランジスタT3のゲートソース電圧と一致するため、各ゲイントランジスタのトランスコンダクタンスの温度およびプロセス角に伴う変化と、第1増幅トランジスタTのトランスコンダクタンスの温度およびプロセス角に伴う変化は一致し、これにより可変利得増幅器のゲイン・ステッピングは異なる温度およびプロセス角の条件下での一致を保持することができ、前記可変利得増幅器が高いロバスト性を有するようにする。
【0062】
図3で示されているのは、Nが4である場合において、可変利得増幅器が-25℃、25℃、125℃であるときの可変利得増幅器のゲイン・ステッピングおよび利得曲線(横軸はサンプリングポイント(points)、縦軸はゲイン(gain))である。これから見て取れるように、異なる温度で可変利得増幅器のゲイン・ステッピングは一致している。
【0063】
図4で示されているのは、Nが4である場合において、可変利得増幅器がTT(typical nmos and typical pmos)、FF(fast nmos and fast pmos)、SS(slow nmos and slow pmos)というプロセス角の下で、可変利得増幅器のゲイン・ステッピングおよび利得曲線(横軸はサンプリングポイント(points)、縦軸は利得(gain))である。このことから見て取れるように、異なるプロセス角で可変利得増幅器のゲイン・ステッピングは一致している。
【0064】
本開示の2つの態様として送信装置を提供する。
図5に示すように、前記送信装置は、順次接続された中間周波数可変利得増幅器210、ミキサ220、無線周波数可変利得増幅器230と電力増幅器240を含み、前記中間周波数可変利得増幅器と無線周波数可変利得増幅器における少なくとも1つは本開示が提供する上記可変利得増幅器である。
【0065】
前記可変利得増幅器は高いロバスト性を有するため、前記送信装置も優れた性能を有する。
【0066】
任意で、前記送信装置は、携帯電話の無線周波数フロントエンドチップ、フェーズドアレイレーダー受信用フロントエンドチップ、K-Ka帯域基地局受信用フロントエンドチップまたはコンポーネント、自動車レーダ受信用フロントエンドチップまたはコンポーネント、その他の無線周波数ミリメートル波フロントエンドチップまたはコンポーネント、その他の無線周波数ミリメートル波広帯域の関連駆動チップまたはコンポーネントであってもよい。
【0067】
上文で開示した方法のすべてまたは一部のシステム、装置における機能モジュール/手段はソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、およびこれらの適切な組み合わせとして実施することができることを当業者は理解できるはずである。ハードウェアの実施形態において上記の説明で言及した機能モジュール/手段との間の区分は必ずしも物理コンポーネントの区分に対応せず、例えば、1つの物理コンポーネントは複数の機能を有してもよく、あるいは1つの機能は若干のコンポーネントにより連携して実行することができる。このほか、ハードウェアを含む実施形態では、特に説明がないか、または不適切でない限り、上記で説明した機能モジュール/手段は、回路(例えば、集積回路)または回路素子によって実現されてもよい。この状況において、ある機能を実施するモジュールまたは手段は、該機能を実施する回路と呼ばれてもよい。
【0068】
本文では例示的な実施の形態を開示し、具体的な用語を採用しているが、これらは一般的な例示的な意味としてのみ使用、解釈すべきであり、かつ限定的な目的のためのものではない。一部の実例では、別途明確に指摘しない限り、特定の実施の形態を組み合わせて説明した特徴、特性および/または要素を単独で使用してもよく、または他の実施の形態を組み合わせて説明した特徴、特性および/または要素を組み合わせて使用してもよいことは、当業者にとって明らかである。したがって、添付の請求項に記載の本開示の範囲を逸脱しない限り、様々な形式および詳細に関する変更を行うことができると当業者は理解できる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
電圧信号入力端と、
第1高レベル信号出力端と第2高レベル信号出力端を含み、前記電圧信号入力端から入力された電圧信号を第1高レベル信号と第2高レベル信号に変換し、前記第1高レベル信号と前記第2高レベル信号がいずれ
も可変利得増幅器の温度に正相関し、前記第1高レベル信号の電位が前記第2高レベル信号の電位よりも高いように構成される高レベル生成モジュールと、
高レベル信号入力端、N個のデジタル信号入力端、N個のスイッチング信号出力端を含み、前記高レベル信号入力端が前記第1高レベル信号出力端に電気的に接続され、N個のスイッチング信号出力端はN個の信号入力端と一対一で対応し、デジタル信号入力端から入力された信号の制御の下で、対応するスイッチング信号出力端を介して、前記
第1高レベル信号
出力端から出力された
前記第1高レベル信号に関連する利得制御信号を出力するように構成されるスイッチング信号変換モジュールと、
増幅手段とN段目利得制御手段とを含み、N段目利得制御手段が前記スイッチング信号変換モジュールのN個のスイッチング信号出力端に一対一で対応し、前記利得制御手段の制御端が対応するスイッチング信号出力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の入力端が前記電圧信号入力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の出力端が前記増幅手段の中間ノードに電気的に接続され、前記利得制御手段が、該利得制御手段の制御端が受信した信号の制御下で前記中間ノードに温度に正相関する電圧信号を供給することができ、前記増幅手段の入力端が前記第2高レベル信号出力端に電気的に接続され、前記増幅手段の制御端子が、前記第1高レベル信号出力
端に電気的に接続され、Nが1以上の正整数である増幅モジュールと
を含む可変利得増幅器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記スイッチング信号変換手段は、第1スイッチング信号変換トランジスタと第2スイッチング信号変換トランジスタとを含み、前記第1スイッチング信号変換トランジスタのゲートは前記第2スイッチング信号変換トランジスタのゲートに電気的に接続され、いずれも対応するデジタル信号入力端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタの第1極は前
記高レベル信号入力端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタの第2極は前記第2スイッチング信号変換トランジスタの第1極に電気的に接続され、前記第2スイッチング信号変換トランジスタの第2極は低レベル信号基準端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタおよび前記第2スイッチング信号変換トランジスタの一方はP型トランジスタであり、前記第1スイッチング信号変換トランジスタおよび前記第2スイッチング信号変換トランジスタの他方はN型トランジスタである
請求項2に記載の可変利得増幅器。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本開示の実施例は、可変利得増幅器と、該可変利得増幅器を含む送信装置を提供する。
本開示の1つの態様として、
電圧信号入力端と、
第1高レベル信号出力端と第2高レベル信号出力端を含み、前記電圧信号入力端から入力された電圧信号を第1高レベル信号と第2高レベル信号に変換し、前記第1高レベル信号と前記第2高レベル信号がいずれも前記可変利得増幅器の温度に正相関し、前記第1高レベル信号の電位が前記第2高レベル信号の電位よりも高いように構成される高レベル生成モジュールと、
高レベル信号入力端、N個のデジタル信号入力端、N個のスイッチング信号出力端を含み、前記高レベル信号入力端が前記第1高レベル信号出力端に電気的に接続され、N個のスイッチング信号出力端はN個の信号入力端と一対一で対応し、デジタル信号入力端から入力された信号の制御の下で、対応するスイッチング信号出力端を介して、前記第1高レベル信号出力端から出力された前記第1高レベル信号に関連する利得制御信号を出力するように構成されるスイッチング信号変換モジュールと、
増幅手段とN段目利得制御手段とを含み、N段目利得制御手段が前記スイッチング信号変換モジュールのN個のスイッチング信号出力端に一対一で対応し、前記利得制御手段の制御端が対応するスイッチング信号出力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の入力端が前記電圧信号入力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の出力端が前記増幅手段の中間ノードに電気的に接続され、前記利得制御手段が、該利得制御手段の制御端が受信した信号の制御下で前記中間ノードに温度に正相関する電圧信号を供給することができ、前記増幅手段の入力端が前記第2高レベル信号出力端に電気的に接続され、前記増幅手段の制御端子が、前記第1高レベル信号出力端子に電気的に接続され、Nが1以上の正整数である増幅モジュールと
を含む可変利得増幅器を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
スイッチング信号変換モジュール120は、高レベル信号入力端、N個のデジタル信号入力端(それぞれはD1~DNである)、およびN個のスイッチング信号出力端子を含み、前記高レベル信号入力端は前記第1高レベル信号出力端子に電気的に接続され、N個のスイッチング信号出力端子はN個の信号入力端に一対一で対応し、前記スイッチング信号変換モジュールは、デジタル信号入力端から入力される信号の制御の下で、対応するスイッチング信号出力端子を介して前記第1高レベル信号出力端から出力される前記第1高レベル信号VGH1に関連する利得制御信号を出力するように構成される。本開示においてNは1以上の正整数である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
増幅モジュール130は、増幅手段131とN段利得制御手段(それぞれは利得制御手段1321~利得制御手段132Nである)とを含み、N段利得制御手段はそれぞれ前記スイッチング信号変換モジュールのN個のスイッチング信号出力端に一対一で対応し、前記利得制御手段の制御端は、対応するスイッチング信号出力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の入力端は、前記電圧信号入力端に電気的に接続され、前記利得制御手段の出力端は、前記増幅手段の中間ノードに電気的に接続され、前記利得制御手段は、該利得制御手段の制御端が受信した信号の制御の下で、温度に正相関する電圧信号を前記中間ノードに供給し、前記増幅手段の入力端は前記第2高レベル信号出力端に電気的に接続され、前記増幅手段の制御端は前記第1高レベル信号出力端に電気的に接続される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
図2に示す実施形態においてスイッチング信号変換手段は、第1スイッチング信号変換トランジスタ(第1スイッチングトランジスタ)と、第2スイッチング信号変換トランジスタ(第2スイッチングトランジスタ)とを含み、前記第1スイッチング信号変換トランジスタのゲートは、前記第2スイッチング信号変換トランジスタのゲートに電気的に接続され、かついずれも対応するデジタル信号入力端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタの第1極(ソース)は、前
記高レベル信号入力端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタの第2極(ドレイン)は、前記第2スイッチング信号変換トランジスタの第1極(ドレイン)に電気的に接続され、前記第2スイッチング信号変換トランジスタの第2極(ソース)は低レベル信号基準端に電気的に接続され、前記第1スイッチング信号変換トランジスタおよび前記第2スイッチング信号変換トランジスタの一方はP型トランジスタであり、前記第1スイッチング信号変換トランジスタおよび前記第2スイッチング信号変換トランジスタの他方はN型トランジスタである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
スイッチング信号変換手段121の制御端がデジタル信号0を受信すると、第1スイッチングトランジスタT11の第1極(ソース)と第2極(ドレイン)がオンし、第2スイッチングトランジスタT12の第1極(ドレイン)と第2極(ソース)がオフすることで、第1高レベル信号端の信号をスイッチング信号変換手段121に対応する利得制御手段の制御端に出力することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
スイッチング信号変換手段12Nの制御端がデジタル信号0を受信すると、第1スイッチングトランジスタTN1の第1極と第2極がオンし、第2スイッチングトランジスタTN 2の第1極と第2極がオフすることで、第1高レベル信号端の信号をスイッチング信号変換手段12Nに対応する利得制御手段の制御端に出力することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
電圧信号入力端に電圧信号が入力されると、電流源111は電圧信号を第1高レベル信号に変換して第1電流変換トランジスタT1の第1極とゲートに入力し、第1電流変換トランジスタT1のゲートは第1高レベル信号を受信し、第1電流変換トランジスタT1の第1極と第2極はオンし、第1電流変換トランジスタT1の第2極は別の高レベル信号に変換され、第2電流変換トランジスタT2のゲートは上記高レベル信号を受信して第2電流変換トランジスタT2の第1極と第2極をオンする。第1電流変換トランジスタT1と第2電流変換トランジスタT2の分圧作用により、第1電流トランジスタT1の第2極と第2電流トランジスタT2の第1極との間のノード(すなわち、第2出力端)の電圧は第2高レベル信号となり、該第2高レベル信号の電位は第1高レベル信号の電位よりも低い。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
図2に示す実施形態において利得制御手段1321はゲイントランジスタT1321を含み、ゲイン
制御手段132NはゲイントランジスタT132Nを含む。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
第2増幅トランジスタT4のゲートは増幅手段131の入力端として形成され、第2増幅トランジスタT4の第1極(ドレイン)は第1増幅トランジスタT3の第2極(ソース)に電気的に接続され、第2増幅トランジスタT4の第2極(ソース)は前記低レベル信号基準端に電気的に接続される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
スイッチング信号変換手段120は、N個のスイッチング信号変換手段を含み、
図2ではスイッチング信号変換手段121とスイッチング信号変換手段12Nが示されている。スイッチング信号変換手段121は、第1スイッチングトランジスタT11と第2スイッチングトランジスタT12を含む。スイッチング信号変換手段12Nは第1スイッチングトランジスタTN1と第2スイッチングトランジスタTN2を含む。第1スイッチングトランジスタT11の第1極(ソース)は第1高レベル信号出力端に電気的に接続され、第1スイッチングトランジスタTN1の第1極(ソース)も第1高レベル信号出力端に電気的に接続される。第2スイッチングトランジスタ
T12の第2極は低レベル信号基準端に電気的に接続され、第2スイッチングトランジスタTN2の第2極も低レベル信号基準端に電気的に接続される。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
スイッチング信号変換手段121の制御端がデジタル信号0を受信すると、第1スイッチングトランジスタT11の第1極と第2極がオンし、第2スイッチングトランジスタT12の第1極と第2極がオフすることで、第1高レベル信号端の信号を、スイッチング信号変換手段121に対応する利得制御手段(1321)の制御端に出力することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
スイッチング信号変換手段12Nの制御端がデジタル信号0を受信すると、第1スイッチングトランジスタTN1の第1極と第2極がオンし、第2スイッチングトランジスタTN 2の第1極と第2極がオフすることで、第1高レベル信号端の信号を、スイッチング信号変換手段12Nに対応する利得制御手段(132N)の制御端に出力することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図2に示す実施形態において利得制御手段1321はゲイントランジスタT1321を含み、ゲイン
制御手段132NはゲイントランジスタT132Nを含む。ゲイントランジスタT1321のゲートは第1スイッチングトランジスタT11の第2極に電気的に接続され、ゲイントランジスタT132Nのゲートは第1スイッチングトランジスタTN1の第2極に電気的に接続される。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
第2増幅トランジスタT4のゲートは増幅手段131の入力端として形成され、第2増幅トランジスタT4の第1極は第1増幅トランジスタT3の第2極に電気的に接続され、第2増幅トランジスタT4の第2極は前記低レベル信号基準端に電気的に接続される。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
各ゲイントランジスタのゲートソース電圧は第1増幅トランジスタT3のゲートソース電圧と一致するため、各ゲイントランジスタのトランスコンダクタンスの温度およびプロセス角に伴う変化と、第1増幅トランジスタT3のトランスコンダクタンスの温度およびプロセス角に伴う変化は一致し、これにより可変利得増幅器のゲイン・ステッピングは異なる温度およびプロセス角の条件下での一致を保持することができ、前記可変利得増幅器が高いロバスト性を有するようにする。
【国際調査報告】