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特表2024-545004アミド化合物および風味改変剤としてのその使用
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  • 特表-アミド化合物および風味改変剤としてのその使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】アミド化合物および風味改変剤としてのその使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 233/47 20060101AFI20241128BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20241128BHJP
   C07D 317/68 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 31/36 20060101ALI20241128BHJP
   C07D 213/81 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20241128BHJP
   C07D 215/48 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20241128BHJP
   C07D 209/42 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 31/404 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241128BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20241128BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20241128BHJP
   A23L 27/20 20160101ALI20241128BHJP
   C07C 233/81 20060101ALI20241128BHJP
   C07C 233/63 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C07C233/47
A61P1/02
A61K31/198
C07D317/68 CSP
A61K31/36
C07D213/81
A61K31/44
C07D215/48
A61K31/47
C07D209/42
A61K31/404
A61K47/18
A61K47/22
A23L27/00 Z
A23L27/20 D
C07C233/81
C07C233/63
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529193
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 US2022049014
(87)【国際公開番号】W WO2023091315
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/279,862
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519321867
【氏名又は名称】フィルメニッヒ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Firmenich Incorporated
【住所又は居所原語表記】250 Plainsboro Road, Plainsboro, NJ 08536, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ アール. フォチング
(72)【発明者】
【氏名】メリッサ スー ウォン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー パトロン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント ダーモハソド
(72)【発明者】
【氏名】チン チェン
(72)【発明者】
【氏名】エリック フレロ
【テーマコード(参考)】
4B047
4C076
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LG14
4B047LP16
4C076BB01
4C076CC16
4C076CC50
4C076DD51T
4C076DD52T
4C076DD59T
4C076FF52
4C086AA03
4C086BA13
4C086BC17
4C086BC29
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA09
4C086ZA66
4C206AA03
4C206FA53
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA09
4C206ZA66
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB99
4H006AC53
4H006BJ20
4H006BJ50
4H006BP30
4H006BT12
4H006BV34
4H006BV72
(57)【要約】
本開示は、概して、アミド化合物、ならびに風味改変剤としてのかかる化合物および関連化合物の使用を提供する。幾つかの態様では、本開示は、かかるアミド化合物を含む組成物、例えばかかるアミド化合物と1つ以上の付加的な化合物、例えば甘味料、塩、グルタミン酸塩、アルギニン酸塩、プリンリボヌクレオチド等とを含む組成物を提供する。幾つかの他の態様では、本開示は、食品または飲料製品中の甘味料、塩、グルタミン酸塩またはアルギニン酸塩の量を低減または排除する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその食用に許容される塩である、風味改変化合物。
【化1】
[式中、
はC1~10アルキル、C5~12シクロアルケニル、C6~14アリールまたはC4~12ヘテロアリールであり、アルキル基は、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は各々、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、
はC1~10アルキル、-(C1~6アルキレン)-C6~14アリールまたは-(C1~6アルキレン)-C4~12ヘテロアリールであり、アルキル基およびアルキレン部分は各々、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、アリールおよびヘテロアリール部分は各々、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、
はRからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいC1~10アルキルであり、
はハロゲン原子、オキソ、-CN、ニトロ、-OH、-NH、-C(O)H、-O-C(O)H、-C(O)-OH、-NH-C(O)H、-C(O)-NH、-O-(C1~6アルキル)、-NH-(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、-C(O)-(C1~6アルキル)、-O-C(O)-(C1~6アルキル)、-NH-C(O)-(C1~6アルキル)、-C(O)-O-(C1~6アルキル)、-C(O)-NH-(C1~6アルキル)、-C(O)-N(C1~6アルキル)、-S(O)-(C1~6アルキル)、-O-S(O)-(C1~6アルキル)、-NH-S(O)-(C1~6アルキル)、-S(O)-O-(C1~6アルキル)、-S(O)-NH-(C1~6アルキル)、-S(O)-N(C1~6アルキル)、C3~10シクロアルキル、C2~14ヘテロシクリル、C6~14アリール、C2~14ヘテロアリール、C1~6ハロアルコキシおよびC2~6ハロアルケニルオキシであり、
はハロゲン原子、オキソ、-CN、ニトロ、-OH、-NH、-C(O)H、-O-C(O)H、-C(O)-OH、-NH-C(O)H、-C(O)-NH、-O-(C1~6アルキル)、-NH-(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、-C(O)-(C1~6アルキル)、-O-C(O)-(C1~6アルキル)、-NH-C(O)-(C1~6アルキル)、-C(O)-O-(C1~6アルキル)、-C(O)-NH-(C1~6アルキル)、-C(O)-N(C1~6アルキル)、-S(O)-(C1~6アルキル)、-O-S(O)-(C1~6アルキル)、-NH-S(O)-(C1~6アルキル)、-S(O)-O-(C1~6アルキル)、-S(O)-NH-(C1~6アルキル)、-S(O)-N(C1~6アルキル)、C3~10シクロアルキル、C2~14ヘテロシクリル、C6~14アリール、C2~14ヘテロアリール、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6ハロアルキル、C2~6ハロアルケニル、C1~6ハロアルコキシ、C2~6ハロアルケニルオキシ、(C1~6アルコキシ)-C1~6アルキル、C1~6アルキルおよびC2~6アルケニルであり、アリールまたはヘテロアリール環上の任意の隣接置換基は、任意に結合して、5~7員の縮合炭素環または複素環を形成することができ、
nは0、1または2である。]
【請求項2】
前記化合物が、式(Ia):
【化2】
の化合物またはその食用に許容される塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が、式(Ib):
【化3】
の化合物またはその食用に許容される塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
nが0または1である、請求項1から3までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
nが1であり、炭素-炭素二重結合がE配置である、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
が、-OH、-O-(C1~6アルキル)、(C1~6アルコキシ)-C1~6アルキルおよびC1~6アルキルからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいフェニルであり、フェニル環の隣接炭素上の任意の2つの置換基は、任意に結合して、メチレンジオキシ縮合環を形成していてもよい、請求項1から5までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
が非置換フェニルである、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
が、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルなどの非置換C1~10アルキルである、請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
が、-O-(C1~6アルキル)、-S-(C1~6アルキル)、-C(O)-O-(C1~6アルキル)またはそれらの任意の組合せによって1回以上任意に置換されていてもよいC1~10アルキルである、請求項1から8までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
が、-(C1~6アルキレン)-C6~14アリールであり、アリール部分は、-O-(C1~6アルキル)によって1回または2回任意に置換されていてもよい、請求項1から8までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
が、-CH-フェニルであり、フェニル部分は、メトキシ、エトキシまたはそれらの任意の組合せによって1回または2回任意に置換されていてもよい、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
が、-O-(C1~6アルキル)によって1回または2回任意に置換されていてもよいC1~6アルキルである、請求項1から11までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
が、メチル、エチル、イソプロピルまたはプロピルである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
前記風味改変化合物が、化合物101~183のいずれか1つ、またはその食用に許容される塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
前記風味改変化合物が、化合物118、化合物119、化合物140、化合物147、化合物149、化合物153、化合物169のいずれか1つ、またはその食用に許容される塩である、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
摂取可能な組成物の塩味を増強するための、請求項1から15までのいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項17】
摂取可能な組成物の旨味を増強するための、請求項1から15までのいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項18】
摂取可能な組成物のコク味を増強するための、請求項1から15までのいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項19】
前記摂取可能な組成物が、塩味物質、旨味物質、コク味物質またはそれらの任意の組合せを含む、請求項16から18までのいずれか1項記載の使用。
【請求項20】
摂取可能な組成物の塩味を増強する方法であって、前記方法が、前記摂取可能な組成物に請求項1から15までのいずれか1項記載の化合物を導入することを含む、方法。
【請求項21】
摂取可能な組成物の旨味を増強する方法であって、前記方法が、前記摂取可能な組成物に請求項1から15までのいずれか1項記載の化合物を導入することを含む、方法。
【請求項22】
摂取可能な組成物のコク味を増強する方法であって、前記方法が、前記摂取可能な組成物に請求項1から15までのいずれか1項記載の化合物を導入することを含む、方法。
【請求項23】
前記摂取可能な組成物が、塩味物質、旨味物質、コク味物質またはそれらの任意の組合せを含む、請求項20から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
請求項1から15までのいずれか1項記載の化合物と、塩味物質、旨味物質、コク味物質またはそれらの任意の組合せとを含む、摂取可能な組成物。
【請求項25】
増量剤をさらに含む、請求項24記載の摂取可能な組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、アミド化合物、ならびに風味改変剤(flavor modifiers)としてのかかる化合物および関連化合物の使用を提供する。幾つかの態様では、本開示は、かかるアミド化合物を含む組成物、例えばかかるアミド化合物と1つ以上の付加的な化合物、例えば甘味料、塩、グルタミン酸塩、アルギニン酸塩、プリンリボヌクレオチド等とを含む組成物を提供する。幾つかの他の態様では、本開示は、食品または飲料製品中の甘味料、塩、グルタミン酸塩またはアルギニン酸塩の量を低減または排除する方法を提供する。
【0002】
関連技術の説明
味覚系は、外界の化学組成物についての感覚情報を提供する。味覚変換は、動物において化学的に誘発される感覚のより洗練された形態の1つである。味覚のシグナル伝達は、単純な後生動物から最も複雑な脊椎動物まで動物界全体に見られる。哺乳動物は、甘味、苦味、酸味、塩味および旨味/コク味の5つの基本的な味覚様式を有すると考えられる。
【0003】
旨味は、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、肉製品、チーズ、トマト、キノコ、醤油、魚醤、味噌等の美味(savory taste)と最もよく関連する味である。哺乳動物は、一般に、旨味を快感として認識する。コク味は、一般に発酵製品、醤油、魚醤およびエビペーストと関連する味である。これらの旨味およびコク味の典型的な発生源の多くは、グルタミン酸および塩中に多く、または動物性製品に依存する。
【0004】
ナトリウムの過剰摂取は、多数の健康関連問題を引き起こす恐れがある。かかる問題の1つが高血圧である。高血圧は、動脈壁にかかる血液の圧力が高くなることで、最終的に心臓病および他の健康問題を引き起こす可能性がある病態である。ナトリウムの過剰摂取は、体内の水分およびミネラルのバランスにも悪影響を及ぼす。例えば、ナトリウムの過剰摂取は、カルシウム喪失を引き起こす可能性があり、これが骨粗鬆症および他の問題につながることがある。また、グルタミン酸を含有する食品製品の過剰摂取は、グルタミン酸が神経伝達物質の機能を妨げることから、健康に特定の悪影響を及ぼす可能性がある。このため、一般にはナトリウムおよびグルタミン酸の摂取を減らすことが望ましい。さらに、動物由来の脂肪、肉製品または乳製品等の動物由来の成分を含有しない食品および飲料製品に対する消費者需要が高まっている。
【0005】
塩味、旨味またはコク味の増強は、塩味、旨味および/またはコク味を付与するために従来使用される成分を部分的または完全に置き換える代替的アプローチを提供する。しかしながら、これを効果的に達成し得る化合物、特に天然由来の化合物の数は限られている。このため、風味改変剤として有用な新たな化合物、特に、幾つかある風味の中でも、塩味、旨味、コク味またはそれらの任意の組合せを増強する化合物を発見することが引き続き必要とされている。
【0006】
概要
本開示は、特定の化合物が、食品または飲料製品に使用した場合に旨味および/または塩味を増強する望ましい驚くべき効果を示すという発見に関する。
【0007】
第1の態様では、本開示は、風味改変化合物であって、この味覚改変(taste-modifying)化合物は、式(I)の化合物またはその食用に許容される塩である、風味改変化合物を提供する。
【化1】
[式中、
はC1~10アルキル、C5~12シクロアルケニル、C6~14アリールまたはC4~12ヘテロアリールであり、アルキル基は、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は各々、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、
はC1~10アルキル、-(C1~6アルキレン)-C6~14アリールまたは-(C1~6アルキレン)-C4~12ヘテロアリールであり、アルキル基およびアルキレン部分は各々、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、アリールおよびヘテロアリール部分は各々、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、
はRからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいC1~10アルキルであり、
はハロゲン原子、オキソ、-CN、ニトロ、-OH、-NH、-C(O)H、-O-C(O)H、-C(O)-OH、-NH-C(O)H、-C(O)-NH、-O-(C1~6アルキル)、-NH-(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、-C(O)-(C1~6アルキル)、-O-C(O)-(C1~6アルキル)、-NH-C(O)-(C1~6アルキル)、-C(O)-O-(C1~6アルキル)、-C(O)-NH-(C1~6アルキル)、-C(O)-N(C1~6アルキル)、-S(O)-(C1~6アルキル)、-O-S(O)-(C1~6アルキル)、-NH-S(O)-(C1~6アルキル)、-S(O)-O-(C1~6アルキル)、-S(O)-NH-(C1~6アルキル)、-S(O)-N(C1~6アルキル)、C3~10シクロアルキル、C2~14ヘテロシクリル、C6~14アリール、C2~14ヘテロアリール、C1~6ハロアルコキシおよびC2~6ハロアルケニルオキシであり、
はハロゲン原子、オキソ、-CN、ニトロ、-OH、-NH、-C(O)H、-O-C(O)H、-C(O)-OH、-NH-C(O)H、-C(O)-NH、-O-(C1~6アルキル)、-NH-(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、-C(O)-(C1~6アルキル)、-O-C(O)-(C1~6アルキル)、-NH-C(O)-(C1~6アルキル)、-C(O)-O-(C1~6アルキル)、-C(O)-NH-(C1~6アルキル)、-C(O)-N(C1~6アルキル)、-S(O)-(C1~6アルキル)、-O-S(O)-(C1~6アルキル)、-NH-S(O)-(C1~6アルキル)、-S(O)-O-(C1~6アルキル)、-S(O)-NH-(C1~6アルキル)、-S(O)-N(C1~6アルキル)、C3~10シクロアルキル、C2~14ヘテロシクリル、C6~14アリール、C2~14ヘテロアリール、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6ハロアルキル、C2~6ハロアルケニル、C1~6ハロアルコキシ、C2~6ハロアルケニルオキシ、(C1~6アルコキシ)-C1~6アルキル、C1~6アルキルおよびC2~6アルケニルであり、アリールまたはヘテロアリール環上の任意の隣接置換基は、任意に結合して、5~7員の縮合炭素環または複素環を形成することができ、
nは0、1または2である。]
【0008】
第2の態様では、本開示は、第1の態様およびその任意の実施形態の任意の風味改変化合物の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物に風味改変化合物を導入することを含む、第1の態様およびその任意の実施形態の任意の風味改変化合物を使用する対応する方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。
【0009】
第3の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の風味を改変するための第1の態様およびその任意の実施形態の任意の化合物の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物に風味改変化合物を導入することを含む、摂取可能な組成物の風味を改変するために第1の態様およびその任意の実施形態の任意の風味改変化合物を使用する対応する方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。
【0010】
第4の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩味を増強するための第1の態様およびその任意の実施形態の任意の化合物の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩(例えば塩化ナトリウム)含有量を低減するための第1の態様およびその任意の実施形態の任意の化合物の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物に風味改変化合物を導入することを含む、摂取可能な組成物の塩味を増強するために第1の態様およびその任意の実施形態の任意の風味改変化合物を使用する対応する方法を提供する。これらの態様の幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、塩化ナトリウム、塩化カリウムまたはそれらの任意の組合せを含む。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。
【0011】
第5の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の旨味を増強するための第1の態様およびその任意の実施形態の任意の化合物の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のグルタミン酸塩またはアスパラギン酸塩含有量を低減または排除するための第1の態様およびその任意の実施形態の任意の化合物の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物に風味改変化合物を導入することを含む、摂取可能な組成物の旨味を増強するために第1の態様およびその任意の実施形態の任意の風味改変化合物を使用する対応する方法を提供する。これらの態様の幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)を含まないか、または実質的に含まない(例えば1000ppm以下)。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。
【0012】
第6の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のコク味を増強するための第1の態様およびその任意の実施形態の任意の化合物の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のグルタミル(例えばL-グルタミルペプチド)含有量を低減または排除するための第1の態様またはその任意の実施形態の任意の化合物の使用を提供する。別の関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の動物(例えば、動物のブロスまたは肉)含有量を低減または排除するための第1の態様またはその任意の実施形態の任意の化合物の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物に風味改変化合物を導入することを含む、摂取可能な組成物のコク味を増強するために第1の態様およびその任意の実施形態の任意の風味改変化合物を使用する対応する方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。
【0013】
第7の態様では、本開示は、第1の態様の任意の化合物を含む摂取可能な組成物を提供する。幾つかの実施形態では、第1の態様の化合物は、乾燥重量ベースで(例えば、任意の液体担体の重量を除く組成物の総重量をベースとして)組成物の少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.5重量%、または少なくとも1.0重量%を占める。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中の第1の態様の化合物の濃度は、0.1ppm~1000ppmまたは0.5ppm~500ppmの範囲である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は塩味物質、旨味物質、コク味物質またはそれらの任意の組合せを含む。
【0014】
第8の態様では、本開示は、第1の態様の任意の化合物を含む固体組成物であって、第1の態様の化合物は、組成物の総重量をベースとして固体組成物の少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.5重量%、または少なくとも1.0重量%を占める、固体組成物を提供する。
【0015】
第9の態様では、本開示は、第1の態様の任意の化合物を含む摂取可能な組成物であって、摂取可能な組成物中の第1の態様の化合物の濃度は、1~1000ppmの範囲である、摂取可能な組成物を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、自然発生組成物ではない。
【0016】
第10の態様では、本開示は、第1の態様の任意の化合物を含む濃縮香味料組成物を提供する。
【0017】
第11の態様では、本開示は、前述の4つの態様の任意の組成物を含む風味付き製品を提供する。幾つかの実施形態では、風味付き製品は飲料製品、例えばソーダ、フレーバーウォーター、茶、ブロス等である。幾つかの他の実施形態では、風味付き製品は食品製品、例えばヨーグルト、スープ等である。幾つかの実施形態では、風味付き製品は肉類似製品である。
【0018】
更なる態様およびその実施形態を以下の詳細な説明、図面、要約書および特許請求の範囲に記載する。
【0019】
以下の図面は、本明細書に開示される組成物および方法の様々な実施形態を説明する目的で提示される。図面は、例示のみを目的として提示され、任意の好ましい組成物もしくは好ましい方法を記載するか、または特許請求される発明の範囲に対する任意の限定の根拠となることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本明細書に開示される化合物を表す化学式を示す図であり、RはC1~10アルキル、C5~12シクロアルケニル、C6~14アリールまたはC4~12ヘテロアリールであり、これらは各々、任意に置換されていてもよく、RはC1~10アルキル、-(C1~6アルキレン)-C6~14アリールまたは-(C1~6アルキレン)-C4~12ヘテロアリールであり、これらは各々、任意に置換されていてもよく、Rは任意に置換されていてもよいC1~10アルキル基であり、nは0、1または2である。
【0021】
詳細な説明
以下の詳細な説明では、本明細書で提供される様々な態様および実施形態を規定する。説明は関連技術における当業者の観点から読まれるものとする。したがって、かかる当業者によく知られている情報は、必ずしも含まれるとは限らない。
【0022】
[定義]
以下の用語および表現は、本明細書において特に規定されない限り、以下に示す意味を有する。本開示は、本明細書で明示的に定義されない他の用語および表現を用いることもある。かかる他の用語および表現は、当業者に対し、それらが本開示の文脈において有する意味を有する。場合によっては、用語または表現は、単数形または複数形で定義され得る。このような場合、単数形の任意の用語が、明示的に反対の指示がない限り、複数形のその対応物を含むことができ、その逆もまた同様であることが理解される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「溶媒和物」は、1つ以上の溶媒分子と、本明細書に記載される1つ以上の化合物との相互作用によって形成される化合物を意味する。幾つかの実施形態では、溶媒和物は、摂取可能に許容される溶媒和物、例えば水和物である。
【0024】
本明細書で使用される場合、「a」および「b」が整数である、「C~C」または「Ca~b」は、指定の基における炭素原子の数を指す。すなわち、この基は、「a」~「b」個(両端含む)の炭素原子を含み得る。このため、例えば「C~Cアルキル」または「C1~4アルキル」基は、1~4個の炭素を有する全てのアルキル基、すなわち、CH-、CHCH-、CHCHCH-、(CHCH-、CHCHCHCH-、CHCHCH(CH)-および(CHC-を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」または「ハロ」は、元素周期表の7列目の放射安定性原子、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素のいずれか1つを意味する。幾つかの実施形態では、「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素または塩素を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、完全に飽和した(すなわち、二重または三重結合を含まない)直鎖または分岐炭化水素鎖を意味する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1~20個の炭素原子を有する(本明細書に見られる場合は常に、「1~20」等の数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指す;例えば、「1~20個の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等、20個を含むそれ以下の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の出現も包含する)。アルキル基は、1~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルキルであってもよい。アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基は、「C1~4アルキル」または同様の呼称で指定され得る。ほんの一例として、「C1~4アルキル」は、アルキル鎖中に1~4個の炭素原子が存在すること、すなわち、アルキル鎖がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびt-ブチルからなる群から選択されることを示す。典型的なアルキル基としては、何ら限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。反対の指示がない限り、「アルキル」という用語は、さらに置換されない基を指す。「ブチル」、「ペンチル」、「ヘキシル」等の用語が、特に反対の指示がない限り、直鎖部分を指す(分岐鎖部分を包含しない)ことに留意されたい。
【0027】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」は、1つ以上のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素および硫黄を含むが、これらに限定されない炭素以外の元素を鎖骨格に含む直鎖または分岐炭化水素鎖を意味する。幾つかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~20個の炭素原子を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「ヘテロアルキル」という用語の出現も包含する。ヘテロアルキル基は、1~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのヘテロアルキルであってもよい。ヘテロアルキル基は、1~4個の炭素原子を有する低級ヘテロアルキルであってもよい。ヘテロアルキル基は、「C1~4ヘテロアルキル」または同様の呼称で指定され得る。ヘテロアルキル基は、1つ以上のヘテロ原子を含み得る。ほんの一例として、「C1~4ヘテロアルキル」は、1~4個の炭素原子がヘテロアルキル鎖中に存在し、さらに1つ以上のヘテロ原子が鎖の骨格に存在することを示す。反対の指示がない限り、「ヘテロアルキル」という用語は、さらに置換されない基を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、1つ以上の二重結合を含む直鎖または分岐炭化水素鎖を意味する。幾つかの実施形態では、アルケニル基は、2~20個の炭素原子を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルケニル」という用語の出現も包含する。アルケニル基は、2~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルケニルであってもよい。アルケニル基は、2~4個の炭素原子を有する低級アルケニルであってもよい。アルケニル基は、「C2~4アルケニル」または同様の呼称で指定され得る。ほんの一例として、「C2~4アルケニル」は、アルケニル鎖中に2~4個の炭素原子が存在すること、すなわち、アルケニル鎖がエテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、プロペン-3-イル、ブテン-1-イル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ブテン-4-イル、1-メチル-プロペン-1-イル、2-メチル-プロペン-1-イル、1-エチル-エテン-1-イル、2-メチル-プロペン-3-イル、ブタ-1,3-ジエニル、ブタ-1,2,-ジエニルおよびブタ-1,2-ジエン-4-イルからなる群から選択されることを示す。典型的なアルケニル基としては、何ら限定されるものではないが、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル等が挙げられる。反対の指示がない限り、「アルケニル」という用語は、さらに置換されない基を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」は、2つの結合点を介して分子の残りの部分に結合している、炭素および水素のみを含む完全に飽和した分岐または直鎖ジラジカル化学基(すなわち、アルカンジイル)を意味する。幾つかの実施形態では、アルキレン基は、1~20個の炭素原子を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていないアルキレンという用語の出現も包含する。アルキレン基は、1~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルキレンであってもよい。アルキレン基は、1~4個の炭素原子を有する低級アルキレンであってもよい。アルキレン基は、「C1~4アルキレン」または同様の呼称で指定され得る。ほんの一例として、「C1~4アルキレン」は、アルキレン鎖中に1~4個の炭素原子が存在すること、すなわち、アルキレン鎖がメチレン、エチレン、エタン-1,1-ジイル、プロピレン、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、1-メチル-エチレン、ブチレン、ブタン-1,1-ジイル、ブタン-2,2-ジイル、2-メチル-プロパン-1,1-ジイル、1-メチル-プロピレン、2-メチル-プロピレン、1,1-ジメチル-エチレン、1,2-ジメチル-エチレンおよび1-エチル-エチレンからなる群から選択されることを示す。反対の指示がない限り、「アルキレン」という用語は、さらに置換されない基を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アルケニレン」は、2つの結合点を介して分子の残りの部分に結合している、炭素および水素のみを含み、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖または分岐鎖ジラジカル化学基を意味する。幾つかの実施形態では、アルケニレン基は、2~20個の炭素原子を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていないアルケニレンという用語の出現も包含する。アルケニレン基は、2~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルケニレンであってもよい。アルケニレン基は、2~4個の炭素原子を有する低級アルケニレンであってもよい。アルケニレン基は、「C2~4アルケニレン」または同様の呼称で指定され得る。ほんの一例として、「C2~4アルケニレン」は、アルケニレン鎖中に2~4個の炭素原子が存在すること、すなわち、アルケニレン鎖がエテニレン、エテン-1,1-ジイル、プロペニレン、プロペン-1,1-ジイル、プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-メチル-エテニレン、ブタ-1-エニレン、ブタ-2-エニレン、ブタ-1,3-ジエニレン、ブテン-1,1-ジイル、ブタ-1,3-ジエン-1,1-ジイル、ブタ-2-エン-1,1-ジイル、ブタ-3-エン-1,1-ジイル、1-メチル-プロパ-2-エン-1,1-ジイル、2-メチル-プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-エチル-エテニレン、1,2-ジメチル-エテニレン、1-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペニレン、3-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペン-1,1-ジイルおよび2,2-ジメチル-エテン-1,1-ジイルからなる群から選択されることを示す。反対の指示がない限り、「アルケニレン」という用語は、さらに置換されない基を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、「芳香族」は、共役π電子系を有する環または環系を意味し、炭素環式芳香族基(例えばフェニル)および複素環式芳香族基(例えばピリジン)の両方を含む。この用語は、環系全体が芳香族である限りにおいて、単環式基または縮合環多環式基(すなわち、隣接する原子の対を共有する環)を含む。
【0032】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、環骨格に炭素のみを含む芳香環または環系(すなわち、2つの隣接する炭素原子を共有する2つ以上の縮合環)を意味する。アリールが環系である場合、系内の全ての環が芳香族である。幾つかの実施形態では、アリール基は、6~18個の炭素原子を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アリール」という用語の出現も包含する。幾つかの実施形態では、アリール基は、6~10個の炭素原子を有する。アリール基は、「C6~10アリール」、「C~C10アリール」または同様の呼称で指定され得る。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アズレニルおよびアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、「アリール」という用語は、フェニルを指す。反対の指示がない限り、「アリール」という用語は、さらに置換されない基を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アルキレン基を介して置換基として結合するアリール基、例えば「C7~14アラルキル」等を意味し、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル等を含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、アルキレン基は、低級アルキレン基(すなわち、C1~4アルキレン基)である。
【0034】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、1つ以上のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素および硫黄を含むが、これらに限定されない炭素以外の元素を環骨格に含む芳香環または環系(すなわち、2つの隣接原子を共有する2つ以上の縮合環)を意味する。ヘテロアリールが環系である場合、系内の全ての環が芳香族である。幾つかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5~18個の環員(すなわち、炭素原子およびヘテロ原子を含む、環骨格を構成する原子の数)を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「ヘテロアリール」という用語の出現も包含する。幾つかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5~10個の環員または5~7個の環員を有する。ヘテロアリール基は、「5~7員のヘテロアリール」、「5~10員のヘテロアリール」または同様の呼称で指定され得る。ヘテロアリール環の例としては、フリル、チエニル、フタラジニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、イソインドリルおよびベンゾチエニルが挙げられるが、これらに限定されない。反対の指示がない限り、「ヘテロアリール」という用語は、さらに置換されない基を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」または「炭素環」は、環系骨格に炭素原子のみを含む非芳香族環式環または環系を意味する。カルボシクリルが環系である場合、2つ以上の環が縮合、架橋またはスピロ結合によって結合していてもよい。カルボシクリルは、環系中の少なくとも1つの環が芳香族ではない限りにおいて、任意の飽和度を有し得る。このため、カルボシクリルはシクロアルキル、シクロアルケニルおよびシクロアルキニルを含む。幾つかの実施形態では、カルボシクリル基は、3~20個の炭素原子を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「カルボシクリル」という用語の出現も包含する。カルボシクリル基は、3~10個の炭素原子を有する中程度のサイズのカルボシクリルであってもよい。カルボシクリル基は、3~6個の炭素原子を有するカルボシクリルであってもよい。カルボシクリル基は、「C3~6カルボシクリル」または同様の呼称で指定され得る。カルボシクリル環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,3-ジヒドロ-インデン、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、アダマンチルおよびスピロ[4.4]ノナニルが挙げられるが、これらに限定されない。反対の指示がない限り、「カルボシクリル」という用語は、さらに置換されない基を指す。カルボシクリル基の1つのタイプは「シクロアルケニル」基であり、これは、環内に1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する、上で定義されるカルボシクリル基である。
【0036】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」または「複素環」は、環骨格に少なくとも1つのヘテロ原子を含む非芳香族環式環または環系を意味する。ヘテロシクリル同士が縮合、架橋またはスピロ結合によって結合していてもよい。ヘテロシクリルは、環系中の少なくとも1つの環が芳香族ではない限りにおいて、任意の飽和度を有し得る。ヘテロ原子は、環系中の非芳香環または芳香環のいずれに存在していてもよい。幾つかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、3~20個の環員(すなわち、炭素原子およびヘテロ原子を含む、環骨格を構成する原子の数)を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「ヘテロシクリル」という用語の出現も包含する。ヘテロシクリル基は、3~10個の環員を有する中程度のサイズのヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリル基は、3~6個の環員を有するヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリル基は、「3~6員のヘテロシクリル」または同様の呼称で指定され得る。好ましい6員単環式ヘテロシクリルでは、ヘテロ原子は、O、NまたはSの1~最大3つから選択され、好ましい5員単環式ヘテロシクリルでは、ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される1または2つのヘテロ原子から選択される。ヘテロシクリル環の例としては、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセパニル、チエパニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキソピペラジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピロリジオニル、4-ピペリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,3-ジオキシニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチアニル、1,4-オキサチイニル、1,4-オキサチアニル、2H-1,2-オキサジニル、トリオキサニル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジニル、1,3-ジオキソリル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオリル、1,3-ジチオラニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、1,3-オキサチオラニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、チアモルホリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンズイミダゾリジニルおよびテトラヒドロキノリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
或る特定のラジカル命名規則が、文脈に応じてモノラジカルまたはジラジカルのいずれも含み得ることを理解されたい。例えば、置換基が分子の残りの部分に対して2つの結合点を必要とする場合、置換基はジラジカルであると理解される。例えば、2つの結合点を必要とするアルキルとして特定される置換基には、-CH-、-CHCH-、-CHCH(CH)CH-等のジラジカルが含まれる。
【0038】
置換基がジラジカルとして示される(すなわち、分子の残りの部分に対して2つの結合点を有する)場合は常に、別段の指示がない限り、置換基が任意の方向配置で結合し得ることを理解されたい。このため、例えば、-AE-または
【化2】
として示される置換基には、Aが分子の右端の結合点に結合する場合と同様に、Aが分子の左端の結合点に結合するように配向される置換基が含まれる。
【0039】
本明細書で使用される場合、炭素-炭素二重結合に隣接する波線の(squiggly)結合は、炭素-炭素二重結合の周りの置換基がE配置もしくはZ配置のいずれか、またはいずれかの配置の分子の組合せで結合し得ることを示す。
【0040】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに他の指定がない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「置換基(a substituent)」への言及は、単一の置換基だけでなく、2つ以上の置換基等を包含する。
【0041】
本明細書で使用される場合、「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「等」または「含む」は、より一般的な主題をさらに明確にする例を紹介することを意図している。特に明示的に示されない限り、かかる例は、本開示において例示される実施形態の理解を助けるものとしてのみ与えられ、いかなる方法でも限定的であることを意図するものではない。また、これらの表現は、開示の実施形態に対していかなる種類の選好も示さない。
【0042】
本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「含む(comprising)」または「で構成される(comprised of)」は、オープンな群を指し、すなわち、その群は明示的に列挙されたものに加えて付加的なメンバーを含むことができる。例えば、「Aを含む」という表現は、Aが存在しなければならないが、他のメンバーが存在していてもよいことを意味する。「含む(include)」、「有する(have)」および「で構成される(composed of)」という用語、ならびにそれらの文法的な変化形も同じ意味を有する。対照的に、「からなる(consist of)」または「からなる(consists of)」または「からなる(consisting of)」は、クローズドな群を指す。例えば、「Aからなる」という表現は、AおよびAのみが存在することを意味する。
【0043】
本明細書で使用される場合、「任意に」は、その後に記載される事象が発生してもまたは発生しなくてもよいことを意味する。幾つかの実施形態では、任意の事象は発生しない。幾つかの他の実施形態では、任意の事象は1回以上発生する。
【0044】
本明細書で使用される場合、「または」は、その最も広い合理的な解釈が与えられるべきであり、どちらか一方の解釈に限定されるべきではない。このため、「AまたはBを含む」という表現は、Aが存在してもよく、Bが存在しないこと、またはBが存在し、Aが存在しないこと、またはAおよびBが両方存在することを意味する。さらに、Aが例えば、複数のメンバー、例えばAおよびAを有し得るクラスを規定する場合、クラスの1つ以上のメンバーが同時に存在する可能性がある。
【0045】
本明細書で使用される場合、単一の原子のみを有する或る特定の置換基または連結基は、原子の名称によって称され得る。例えば、場合によっては、置換基「-H」は、「水素」または「水素原子」と称されることがあり、置換基「-F」は、「フッ素」または「フッ素原子」と称されることがあり、連結基「-O-」は、「酸素」または「酸素原子」と称されることがある。
【0046】
基の結合点は、一般に、末端のダッシュ(-)またはアスタリスク(*)によって示される。例えば、*-CH-CHまたは-CH-CH等の基は、どちらもエチル基を表す。
【0047】
本明細書で使用される場合、炭素-炭素二重結合に隣接する波線の結合は、炭素-炭素二重結合がZ配置またはE配置のいずれかであり得ることを示す。
【0048】
化学構造は、炭素原子を明示的に示さず、炭素原子に結合した水素原子を完全に省略した「骨格」形式を用いて示されることが多い。例えば、構造
【化3】
はブタン(すなわち、n-ブタン)を表す。さらに、ベンゼン等の芳香族基は、寄与する共鳴構造の1つを示すことによって表される。例えば、構造
【化4】
はトルエンを表す。
【0049】
他の用語は、この小節に含まれていなくても、本明細書の他の部分で定義される。
【0050】
[アミド化合物]
第1の態様では、本開示は、味覚改変化合物であって、この風味改変化合物は、式(I)の化合物またはその食用に許容される塩である、風味改変化合物を提供する。
【化5】
[式中、
はC1~10アルキル、C5~12シクロアルケニル、C6~14アリールまたはC4~12ヘテロアリールであり、アルキル基は、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は各々、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、
はC1~10アルキル、-(C1~6アルキレン)-C6~14アリールまたは-(C1~6アルキレン)-C4~12ヘテロアリールであり、アルキル基およびアルキレン部分は各々、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、アリールおよびヘテロアリール部分は各々、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、
はRからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいC1~10アルキルであり、
はハロゲン原子、オキソ、-CN、ニトロ、-OH、-NH、-C(O)H、-O-C(O)H、-C(O)-OH、-NH-C(O)H、-C(O)-NH、-O-(C1~6アルキル)、-NH-(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、-C(O)-(C1~6アルキル)、-O-C(O)-(C1~6アルキル)、-NH-C(O)-(C1~6アルキル)、-C(O)-O-(C1~6アルキル)、-C(O)-NH-(C1~6アルキル)、-C(O)-N(C1~6アルキル)、-S(O)-(C1~6アルキル)、-O-S(O)-(C1~6アルキル)、-NH-S(O)-(C1~6アルキル)、-S(O)-O-(C1~6アルキル)、-S(O)-NH-(C1~6アルキル)、-S(O)-N(C1~6アルキル)、C3~10シクロアルキル、C2~14ヘテロシクリル、C6~14アリール、C2~14ヘテロアリール、C1~6ハロアルコキシおよびC2~6ハロアルケニルオキシであり、
はハロゲン原子、オキソ、-CN、ニトロ、-OH、-NH、-C(O)H、-O-C(O)H、-C(O)-OH、-NH-C(O)H、-C(O)-NH、-O-(C1~6アルキル)、-NH-(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、-C(O)-(C1~6アルキル)、-O-C(O)-(C1~6アルキル)、-NH-C(O)-(C1~6アルキル)、-C(O)-O-(C1~6アルキル)、-C(O)-NH-(C1~6アルキル)、-C(O)-N(C1~6アルキル)、-S(O)-(C1~6アルキル)、-O-S(O)-(C1~6アルキル)、-NH-S(O)-(C1~6アルキル)、-S(O)-O-(C1~6アルキル)、-S(O)-NH-(C1~6アルキル)、-S(O)-N(C1~6アルキル)、C3~10シクロアルキル、C2~14ヘテロシクリル、C6~14アリール、C2~14ヘテロアリール、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6ハロアルキル、C2~6ハロアルケニル、C1~6ハロアルコキシ、C2~6ハロアルケニルオキシ、(C1~6アルコキシ)-C1~6アルキル、C1~6アルキルおよびC2~6アルケニルであり、アリールまたはヘテロアリール環上の任意の隣接置換基は、任意に結合して、5~7員を有する縮合炭素環または複素環を形成することができ、
nは0、1または2である。]
【0051】
本明細書で使用される場合、「アミド化合物」または「風味改変化合物」という用語は、上で定義される式(I)の化合物もしくはその食用に許容される塩、または以下に記載されるそれらの任意の実施形態を指す。
【0052】
アミドの窒素原子に隣接する炭素原子は、概して、キラル中心として機能する。この炭素原子の周りの立体化学は、任意の適切な値、すなわち、RまたはSを有することができる。幾つかの実施形態では、味覚改変化合物は、式(Ia)
【化6】
[式中、変数は、上記と同じ意味を有するか、または以下に記載される実施形態のいずれかと同じ意味を有する]の化合物である。幾つかの他の実施形態では、味覚改変化合物は、式(Ib)
【化7】
[式中、変数は、上記と同じ意味を有するか、または以下に記載される実施形態のいずれかと同じ意味を有する]の化合物である。
【0053】
変数nは、上述の定義に従って任意の好適な値を有し得る。幾つかの実施形態では、nは0であり、これは、炭素-炭素二重結合が存在せず、Rがアミドのカルボニル基の炭素に直接結合することを意味する。幾つかの他の実施形態では、nは1である。幾つかのかかる実施形態では、炭素-炭素二重結合はZ配置である。幾つかの他のかかる実施形態では、炭素-炭素二重結合はE配置である。幾つかの実施形態では、nは2である。幾つかのかかる実施形態では、両方の炭素-炭素二重結合はZ配置である。
【0054】
は、上述の定義に従って任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、Rは、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいフェニルである。幾つかの更なるかかる実施形態では、Rは、-OH、-O-(C1~6アルキル)、(C1~6アルコキシ)-C1~6アルキルおよびC1~6アルキルからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいフェニルであり、フェニル環の隣接炭素上の任意の2つの置換基が任意に結合して、メチレンジオキシ縮合環を形成してもよい。幾つかの更なるかかる実施形態では、Rは非置換フェニルである。幾つかの他のかかる実施形態では、Rは、-OH、-O-(C1~6アルキル)、(C1~6アルコキシ)-C1~6アルキルおよびC1~6アルキルからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上置換されたフェニルであり、フェニル環の隣接炭素上の任意の2つの置換基が任意に結合して、メチレンジオキシ縮合環を形成してもよい。幾つかの更なるかかる実施形態では、RはC1~6アルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピルまたはそれらの任意の組合せによって1~3回置換されたフェニルである。幾つかのかかる実施形態では、Rは、メチルによって1~3回置換されたフェニルである。幾つかの実施形態では、Rは、-OH、(C1~6アルコキシ)-C1~6アルキル、-O-(C1~6アルキル)またはそれらの組合せによって1~3回置換されたフェニルである。幾つかのかかる実施形態では、Rは、-OH、-O-CH、-O-CH-CH、-CH-O-CHまたはそれらの任意の組合せによって1~3回置換されたフェニルである。幾つかの実施形態では、Rは3,4-メチレンジオキシフェニルである。
【0055】
幾つかの代替的な実施形態では、Rは、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいC4~12ヘテロアリールであり、例えば、C1-6アルキルによって1回以上任意に置換されていてもよい2-ピリジル、3-ピリジルまたは4-ピリジルである。幾つかのかかる実施形態では、Rは、非置換2-ピリジル、非置換3-ピリジルまたは非置換4-ピリジルである。幾つかのかかる実施形態では、Rは、2-ピリジル、3-ピリジルまたは4-ピリジルであり、これらは各々、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはそれらの任意の組合せによって1回または2回置換されている。幾つかの実施形態では、Rは、1-メチルインドール、例えば1-メチルインドール-3-イルである。幾つかの実施形態では、Rは、キノリニル、例えばキノリン-2-イルである。
【0056】
幾つかの実施形態では、Rは、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいC4~12シクロアルケニルであり、例えば、C1~6アルキル、C2~6アルケニルまたはそれらの任意の組合せによって1回または2回任意に置換されていてもよいシクロヘキセニルである。例えば、幾つかの実施形態では、Rは、C2~6アルケニルによって1回または2回置換された1-シクロヘキセニルである。
【0057】
幾つかの実施形態では、Rは、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいC1~10アルキルである。幾つかのかかる実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルなどの非置換C1~10アルキルである。幾つかの実施形態では、nは1または2であり、Rは、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルなどの非置換C1~10アルキルである。
【0058】
は、上記の定義に従って、任意の適切な値を有し得る。前述の実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、Rは、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよいC1~10アルキルである。幾つかのかかる実施形態では、Rは、-O-(C1~6アルキル)、-S-(C1~6アルキル)、-C(O)-O-(C1~6アルキル)またはそれらの任意の組合せによって1回以上任意に置換されていてもよいC1~10アルキルである。幾つかの更なるかかる実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロパン-2-イル、2-メチルプロパン-1-イルまたはブタン-2-イルなどの非置換C1~10アルキルである(RまたはS配置のいずれか)。幾つかの実施形態では、Rは、プロパン-2-イルである。幾つかの実施形態では、Rは、2-メチルプロパン-1-イルである。幾つかの実施形態では、Rは、-S-(C1~6アルキル)によって1回または2回置換されたC1~10アルキルである。幾つかの更なるかかる実施形態では、Rは、-(CH-S-CHである。幾つかの実施形態では、Rは、-C(O)-O-(C1~6アルキル)によって1回または2回置換されたC1~10アルキルである。幾つかのかかる実施形態では、Rは、-(CH)-C(O)-O-CH-CH、-(CH-C(O)-O-CH、または-(CH-C(O)-O-CH-CHである。幾つかの更なるかかる実施形態では、Rは、-(CH)-C(O)-O-CH-CHである。幾つかの他のかかる実施形態では、Rは、-(CH-C(O)-O-CHである。幾つかの他のかかる実施形態では、Rは、-(CH-C(O)-O-CH-CHである。
【0059】
幾つかの実施形態では、Rは、-(C1~6アルキレン)-C6~14アリールであり、アルキレン部分は、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、アリール部分は、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよい。幾つかの更なる実施形態では、Rは、-(C1~6アルキレン)-C6~14アリールであり、アリール部分は、-O-(C1~6アルキル)によって1回または2回任意に置換されていてもよい。幾つかの更なる実施形態では、Rは、非置換ベンジル(すなわち、-CH-(フェニル))である。幾つかの他の実施形態では、Rは、-CH-フェニルであり、フェニル部分は、メトキシ、エトキシまたはそれらの任意の組合せによって1回または2回置換されている。
【0060】
幾つかの実施形態では、Rは、-(C1~6アルキレン)-C4~12ヘテロアリールであり、アルキレン部分は、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよく、ヘテロアリール部分は、Rからなる群から独立して選択される置換基によって1回以上任意に置換されていてもよい。幾つかの更なるかかる実施形態では、Rは、-(CH)-(2-ピリジル)、-(CH)-(3-ピリジル)、または-(CH)-(4-ピリジル)である。
【0061】
は、上記の定義に従って、任意の適切な値を有し得る。前述の実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、Rは、-O-(C1~6アルキル)によって1回または2回任意に置換されていてもよいC1~6アルキルである。幾つかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、イソプロピルまたはプロピルである。幾つかの更なる実施形態では、Rは、メチルである。幾つかの実施形態では、Rは、エチルである。
【0062】
本明細書に開示されるアミド化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、これらは個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーとして、またはかかる異性体の混合物として存在し得る。第2の態様に関連する幾つかの実施形態では、甘味増強化合物は、相当のエナンチオマー純度を有する。
【0063】
個々の異性体の分離または個々の異性体の選択的合成は、当業者に既知の様々な方法の適用によって達成される。別段の指示がない限り(例えば、キラル中心の立体化学が明示的に示されている場合)、かかる異性体およびその混合物は全て、本明細書に開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書に開示される化合物は、1つ以上の結晶形態または非晶質形態で存在し得る。別段の指示がない限り、かかる形態は全て、任意の多形形態を含めて、本明細書に開示される化合物の範囲に含まれる。加えて、本明細書に開示される化合物の一部は、水との溶媒和物(すなわち、水和物)または一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成し得る。別段の指示がない限り、かかる溶媒和物は、本明細書に開示される化合物の範囲に含まれる。
【0064】
当業者であれば、本明細書に記載される幾つかの構造が、動力学的な場合であっても他の化学構造によって適正に表すことができる化合物の共鳴形態または互変異性体であり得ることを認識するであろう。かかる構造が、かかる化合物のサンプルのごく一部にしかすぎない可能性があることが当業者には認識される。かかる共鳴形態または互変異性体は、本明細書では表されないが、かかる化合物は、示される構造の範囲内であるとみなされる。
【0065】
同位体が記載の化合物中に存在していてもよい。化合物構造内に表される各化学元素は、上記元素の任意の同位体を含んでいてもよい。例えば、化合物構造において、水素原子が化合物中に存在することが明示的に開示または理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置で、水素原子は、水素-1(プロチウム)および水素-2(重水素)を含むが、これらに限定されない水素の任意の同位体であってもよい。このため、本明細書における化合物への言及は、文脈上明らかに他の指定がない限り、全ての潜在的な同位体形態を包含する。
【0066】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるアミド化合物は、アミノおよび/もしくはカルボキシル基、またはこれらに類似する基の存在により、酸性塩および/または塩基性塩を形成することが可能である。生理学的に許容可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸を用いて形成することができる。塩が誘導され得る無機酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。塩が誘導され得る有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等が挙げられる。生理学的に許容可能な塩は、無機および有機塩基を用いて形成することができる。塩が誘導され得る無機塩基としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等を含む塩基が挙げられ、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が特に好ましい。幾つかの実施形態では、本明細書に開示される化合物を無機塩基で処理することで、化合物から不安定な水素が失われ、Li、Na、K、Mg2+およびCa2+等の無機陽イオンを含む塩形態が得られる。塩が誘導され得る有機塩基としては、例えば第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂等、具体的にはイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミン等が挙げられる。幾つかの実施形態では、塩は食用に許容される塩であり、食用の食品および/または飲料製品に含めるのに適した塩である。
【0067】
表1に本開示のアミド化合物の例を示す。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物101またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物102またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物103またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物104またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物105またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物106またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物107またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物108またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物109またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物110またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物111またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物112またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物113またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物114またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物115またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物116またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物117またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物118またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物119またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物120またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物121またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物122またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物123またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物124またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物125またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物126またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物127またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物128またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物129またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物130またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物131またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物132またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物133またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物134またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物135またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物136またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物137またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物138またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物139またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物140またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物141またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物142またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物143またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物144またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物145またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物146またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物147またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物148またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物149またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物150またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物151またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物152またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物153またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物154またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物155またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物156またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物157またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物158またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物159またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物160またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物161またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物162またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物163またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物164またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物165またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物166またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物167またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物168またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物169またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物170またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物171またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物172またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物173またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物174またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物175またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物176またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物177またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物178またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物179またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物180またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物181またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物182またはその食用に許容される塩である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、化合物183またはその食用に許容される塩である。
【0068】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【0069】
幾つかの実施形態では、アミド化合物は、遊離酸または遊離塩基として存在する。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物101である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物102である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物103である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物104である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物105である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物106である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物107である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物108である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物109である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物110である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物111である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物112である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物113である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物114である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物115である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物116である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物117である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物118である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物119である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物120である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物121である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物122である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物123である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物124である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物125である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物126である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物127である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物128である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物129である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物130である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物131である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物132である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物133である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物134である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物135である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物136である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物137である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物138である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物139である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物140である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物141である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物142である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物143である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物144である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物145である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物146である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物147である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物148である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物149である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物150である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物151である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物152である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物153である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物154である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物155である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物156である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物157である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物158である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物159である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物160である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物161である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物162である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物163である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物164である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物165である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物166である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物167である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物168である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物169である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物170である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物171である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物172である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物173である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物174である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物175である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物176である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物177である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物178である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物179である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物180である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物181である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物182である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物183である。
【0070】
[風味改変化合物の固体形態および溶液]
別の態様では、本開示は、アミド化合物(すなわち、風味改変化合物)の様々な固体形態を提供する。
【0071】
幾つかの実施形態では、アミド化合物は、実質的に純粋な形態または下記のような配合物のいずれかにおいて結晶性固体として存在する。結晶性固体は、任意の好適な多形形態、例えば多形スクリーニングの技術分野において一般に使用される手法に従い、任意の好適な溶媒系中での再結晶化によって得られる任意の多形形態を有し得る。
【0072】
幾つかの他の実施形態では、アミド化合物は、非晶質固体または半非晶質固体として存在し、すなわち、いかなる規則的な結晶構造も有しない。かかる固体は、噴霧乾燥等の標準的な手法を用いて生成することができる。
【0073】
幾つかの実施形態では、アミド化合物は、1つ以上の溶媒分子(水分子等)が結晶構造に取り込まれた化合物の仮晶(pseudomorphic)形態である溶媒和物として存在する。水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール等を含むが、これらに限定されない任意の好適な溶媒または溶媒の組合せを使用することができる。幾つかの実施形態では、本開示は、アミド化合物の水和物を提供する。かかる溶媒和物は、多形および溶媒和物スクリーニングの分野において当業者に一般的に使用される手法等の任意の好適な手段によって生成することができる。
【0074】
幾つかの他の実施形態では、化合物は、1つ以上の他の甘味料化合物等の1つ以上の他の化合物との共結晶として存在する。アミド化合物は、任意の好適な化合物と共結晶を形成することができる。かかる好適な化合物の非限定的な例としては、プリンリボヌクレオチド(イノシン一リン酸(IMP)およびグアノシン一リン酸(GMP)等)、アルギニン酸塩、グルタミン酸塩、γ-グルタミル含有オリゴペプチド(γ-グルタミル含有トリペプチド等)が挙げられる。
【0075】
幾つかの実施形態では、アミド化合物は、乾燥粒子の形態である。かかる乾燥粒子は、当該技術分野で標準的な手法、例えば乾式造粒、湿式造粒等によって形成することができる。かかる粒子は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムおよびリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤;デンプン、セルロース系材料およびアルギン酸等の造粒剤および崩壊剤;ゼラチン、グアーガムおよびアカシアゴム等の結合剤;ならびにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルク等の滑沢剤を含む多数の添加剤を含有することもできる。食品および飲料製品に一般的に使用される他の添加剤も、典型的な食品材料のように含まれ得る。
【0076】
幾つかの実施形態では、アミド化合物は、液体溶液または液体懸濁液の形態である。かかる組成物は、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムを含んでいてもよい。分散剤または湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸に由来する部分エステルと、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート等のヘキシトールとの縮合生成物、またはエチレンオキシドと、脂肪酸に由来する部分エステルと、ヘキシトール無水物との縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。かかる組成物は1つ以上の着色料、1つ以上の香味剤等を含んでいてもよい。かかる液体懸濁液および溶液は、液体担体を有する。一般に、液体担体は水を含む。幾つかのそのような場合には、液体組成物はエマルション、例えば水中油型または油中水型エマルションである。さらに、場合によっては、水がアミド化合物を所望の濃度まで溶解するには極性が高すぎることがある。そのような場合には、アミド化合物の可溶化を促進するために水混和性溶媒、例えばアルコール、グリコール、ポリオール等を溶媒に導入することが望ましいことがある。
【0077】
幾つかの実施形態では、アミド化合物は、溶液の形態であり、すなわち、液体担体中に溶媒和されている。幾つかの実施形態では、液体担体は水性担体である。幾つかのかかる実施形態では、溶液は、アミド化合物の食用に許容される塩、例えば塩酸塩、カリウム塩またはナトリウム塩を含む。かかる溶液は、任意の好適な濃度に希釈することができる。
【0078】
[使用および方法]
或る特定の態様では、本開示は、アミド化合物(前述の態様およびその実施形態による任意の形態)の使用および使用方法を提供する。
【0079】
或る特定の態様では、本開示は、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。幾つかの実施形態では、使用は、食品または飲料製品等の摂取可能な組成物の風味を改変することを含む。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物にアミド化合物を導入することを含む、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を使用する対応する方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。かかる摂取可能な組成物は、下記の実施形態に従って任意の好適な形態を有するか、または任意の好適な付加的な成分を含有し得る。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物118である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物119である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物140である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物147である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物149である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物153である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物169である。
【0080】
或る特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の風味を改変するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物にアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を導入することを含む、摂取可能な組成物の風味を改変する対応する方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。かかる摂取可能な組成物は、下記の実施形態に従って任意の好適な形態を有するか、または任意の好適な付加的な成分を含有し得る。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物118である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物119である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物140である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物147である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物149である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物153である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物169である。
【0081】
或る特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩味を増強するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩(例えば塩化ナトリウム)含有量を低減するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中のアミド化合物の存在により、摂取可能な組成物中の塩(例えば塩化ナトリウム)の濃度を5%~20%、または5%~30%、または5%~40%、または5%~50%、または5%~60%、または5%~70%、または5%~80%、または5%~90%低減し、アミド化合物を含まない同等の組成物および標準濃度の塩と同様の知覚塩含有量を有する組成物を得ることができる。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物にアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を導入することを含む、摂取可能な組成物の塩味を増強する対応する方法を提供する。かかる摂取可能な組成物は、下記の実施形態に従って任意の好適な形態を有するか、または任意の好適な付加的な成分を含有し得る。これらの態様の幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は塩化ナトリウム、塩化カリウムまたはそれらの任意の組合せを含む。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、塩化ナトリウムを含む。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物118である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物119である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物140である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物147である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物149である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物153である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物169である。
【0082】
或る特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の旨味を増強するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のグルタミン酸塩含有量を低減または排除するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物にアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を導入することを含む、摂取可能な組成物の旨味を増強する対応する方法を提供する。かかる摂取可能な組成物は、下記の実施形態に従って任意の好適な形態を有するか、または任意の好適な付加的な成分を含有し得る。これらの態様の幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)を含まないか、または実質的に含まない(例えば1000ppm以下)。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中のアミド化合物の存在により、摂取可能な組成物中のグルタミン酸塩の濃度を5%~20%、または5%~30%、または5%~40%、または5%~50%、または5%~60%、または5%~70%、または5%~80%、または5%~90%低減し、アミド化合物を含まない同等の組成物および標準濃度のグルタミン酸塩と同様の知覚グルタミン酸塩含有量を有する組成物を得ることができる。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物はプリンリボヌクレオチド、例えばイノシン一リン酸(IMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、ヒポキサンチン、イノシンまたはそれらの任意の組合せを含む。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物118である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物119である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物140である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物147である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物149である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物153である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物169である。
【0083】
或る特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のコク味を増強するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のγ-グルタミル含有オリゴペプチド含有量を低減または排除するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の動物含有量(例えば、動物のブロス、肉等)を低減または排除するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物にアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を導入することを含む、摂取可能な組成物のコク味を増強する対応する方法を提供する。かかる摂取可能な組成物は、下記の実施形態に従って任意の好適な形態を有するか、または任意の好適な付加的な成分を含有し得る。これらの態様の幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、γ-グルタミル含有トリペプチド等のγ-グルタミル含有オリゴペプチドを含まないか、または実質的に含まない(例えば1000ppm以下)。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中のアミド化合物の存在により、摂取可能な組成物中のγ-グルタミルトリペプチドの濃度を5%~20%、または5%~30%、または5%~40%、または5%~50%、または5%~60%、または5%~70%、または5%~80%、または5%~90%低減し、アミド化合物を含まない同等の組成物および標準濃度のγ-グルタミルトリペプチドと同様の知覚γ-グルタミルトリペプチド含有量を有する組成物を得ることができる。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、1つ以上のγ-グルタミルペプチド、例えば1つ以上のγ-グルタミルトリペプチドを含む。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物118である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物119である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物140である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物147である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物149である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物153である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物169である。
【0084】
或る特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚されるジューシーさを増強するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物にアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を導入することを含む、食用組成物の知覚されるジューシーさを増強する対応する方法を提供する。かかる摂取可能な組成物は、下記の実施形態に従って任意の好適な形態を有するか、または任意の好適な付加的な成分を含有し得る。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品、例えば肉または乳製品の類似製品である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物118である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物119である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物140である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物147である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物149である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物153である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物169である。
【0085】
或る特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される脂肪感(fattiness)を増強するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物にアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を導入することを含む、食用組成物の知覚される脂肪感を増強する対応する方法を提供する。或る特定の関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の脂肪含有量を低減するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中のアミド化合物の存在により、摂取可能な組成物中の脂肪の濃度を5%~20%、または5%~30%、または5%~40%、または5%~50%、または5%~60%、または5%~70%、または5%~80%、または5%~90%低減し、アミド化合物を含まない同等の組成物および標準濃度の脂肪と同様の知覚脂肪含有量を有する組成物を得ることができる。かかる摂取可能な組成物は、下記の実施形態に従って任意の好適な形態を有するか、または任意の好適な付加的な成分を含有し得る。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、風味付き食品または飲料製品等の風味付き製品、例えば肉または乳製品の類似製品である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物118である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物119である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物140である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物147である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物149である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物153である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物169である。
【0086】
或る特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物中のアルコールの量を低減するためのアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)の使用を提供する。関連の態様では、本開示は、摂取可能な組成物にアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を導入することを含む、摂取可能な組成物中のアルコールの量を低減する方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は飲料製品、例えば低アルコールビール、アルコールフリービール、低アルコールの風味付きセルツァー(seltzer)飲料またはアルコールフリーのセルツァー飲料を含むが、これらに限定されない低アルコールまたはアルコールフリーの飲料製品である。他の実施形態では、食用製品は、菓子製品またはキャンディー製品等の食品製品である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中のアミド化合物の存在により、摂取可能な組成物中のアルコールの濃度を5%~20%、または5%~30%、または5%~40%、または5%~50%、または5%~60%、または5%~70%、または5%~80%、または5%~90%低減し、アミド化合物を含まない同等の組成物および標準濃度のアルコールと同様の知覚アルコール含有量を有する組成物を得ることができる。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中のアミド化合物の存在により、アルコールを完全に排除するか、または実質的に排除し(例えば少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも99%低減する)、アミド化合物を含まない同等の製品および標準濃度のアルコールと同様の知覚アルコール含有量を有する製品を得ることができる。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物118である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物119である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物140である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物147である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物149である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物153である。幾つかの実施形態では、アミド化合物は化合物169である。
【0087】
[摂取可能な組成物]
上述の使用および方法は、概して、1つ以上の付加的な構成要素または成分を有する摂取可能な組成物へのアミド化合物の使用または導入を伴う。例えば、少なくとも1つの態様では、本開示は、上述の態様の任意のアミド化合物を含む摂取可能な組成物を提供する。
【0088】
摂取可能な組成物は、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を任意の好適な濃度で含み得る。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、摂取可能な組成物の味を増強する(例えば旨味を増強する、コク味を増強するか、または塩味を増強する)のに十分な量で存在する。このため、幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、アミド化合物を1000ppm以下、または900ppm以下、または800ppm以下、または700ppm以下、または600ppm以下、または500ppm以下、または400ppm以下、または300ppm以下、または200ppm以下、または150ppm以下、または100ppm以下、または50ppm以下、または40ppm以下、または30ppm以下、または20ppm以下、または10ppm以下の濃度で含む。幾つかの実施形態では、アミド化合物は0.1ppm、0.5ppmまたは1ppm等の最小量で存在する。このため、幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、アミド化合物を1ppm~1000ppm、または1ppm~900ppm、または1ppm~800ppm、または1ppm~700ppm、または1ppm~600ppm、または1ppm~500ppm、または1ppm~400ppm、または1ppm~300ppm、または1ppm~200ppm、または1ppm~150ppm、または1ppm~100ppm、または1ppm~50ppm、または1ppm~40ppm、または1ppm~30ppm、または1ppm~20ppm、または0.5ppm~1000ppm、または0.5ppm~900ppm、または0.5ppm~800ppm、または0.5ppm~700ppm、または0.5ppm~600ppm、または0.5ppm~500ppm、または0.5ppm~400ppm、または0.5ppm~300ppm、または0.5ppm~200ppm、または0.5ppm~150ppm、または0.5ppm~100ppm、または0.5ppm~50ppm、または0.5ppm~40ppm、または0.5ppm~30ppm、または0.5ppm~20ppm、または0.1ppm~1000ppm、または0.1ppm~900ppm、または0.1ppm~800ppm、または0.1ppm~700ppm、または0.1ppm~600ppm、または0.1ppm~500ppm、または0.1ppm~400ppm、または0.1ppm~300ppm、または0.1ppm~200ppm、または0.1ppm~150ppm、または0.1ppm~100ppm、または0.1ppm~50ppm、または0.1ppm~40ppm、または0.1ppm~30ppm、または0.1ppm~20ppmの範囲の濃度で含む。
【0089】
上述の実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、塩味物質とアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)とを含む。幾つかの実施形態では、塩味物質は塩化ナトリウム、塩化カリウムまたはそれらの組合せである。幾つかのかかる実施形態では、塩味物質は塩化ナトリウムである。幾つかの他の実施形態では、塩味物質は塩化カリウムである。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を含まない同様の塩味の組成物よりも低い濃度で塩味物質を含む。幾つかのかかる実施形態では、塩味物質の濃度は、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を含まない同様の塩味の組成物中の塩味物質の濃度よりも10%超低い、20%超低い、30%超低い、40%超低い、50%超低い、60%超低い、または70%超低い、または80%超低い、または90%超低い。幾つかの実施形態では、塩味物質は、摂取可能な組成物の総重量をベースとして0.001重量パーセント~1.0重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.9重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.8重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.7重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.6重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.5重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.4重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.3重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.2重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.1重量パーセント、または0.01重量パーセント~1.0重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.9重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.8重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.7重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.6重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.5重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.4重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.3重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.2重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.1重量パーセントの範囲の濃度で摂取可能な組成物中に存在する。
【0090】
上述の実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、旨味物質とアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)とを含む。幾つかの実施形態では、旨味物質はグルタミン酸塩、アルギニン酸塩、プリンリボヌクレオチドまたはそれらの組合せである。幾つかのかかる実施形態では、塩味物質はグルタミン酸一ナトリウム(MSG)である。幾つかの実施形態では、旨味物質は、プリンリボヌクレオチド(例えばイノシン一リン酸(IMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、ヒポキサンチン、イノシンまたはそれらの任意の組合せ)である。幾つかの実施形態では、旨味物質はイノシン一リン酸(IMP)、グアノシン一リン酸(GMP)またはそれらの組合せである。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を含まない同様の旨味の組成物よりも低い濃度で旨味物質を含む。幾つかのかかる実施形態では、旨味物質の濃度は、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を含まない同様の旨味の組成物中の旨味物質の濃度よりも10%超低い、20%超低い、30%超低い、40%超低い、50%超低い、60%超低い、または70%超低い、または80%超低い、または90%超低い。幾つかの実施形態では、旨味物質は、摂取可能な組成物の総重量をベースとして1ppm~1000ppm、または1ppm~900ppm、または1ppm~800ppm、または1ppm~700ppm、または1ppm~600ppm、または1ppm~500ppm、または1ppm~400ppm、または1ppm~300ppm、または1ppm~200ppm、または1ppm~100ppm、または1ppm~75ppm、または1ppm~50ppm、または1ppm~25ppm、または1ppm~10ppmの範囲の濃度で摂取可能な組成物中に存在する。旨味物質がグルタミン酸一ナトリウムである幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、摂取可能な組成物の総重量をベースとして10ppm以下、または5ppm以下、または1ppm以下のグルタミン酸一ナトリウムを含む。
【0091】
或る特定の実施形態では、摂取可能な組成物は脂肪、例えば動物性または植物性脂肪と、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)とを含む。幾つかのかかる実施形態では、アミド化合物の導入により、より少ない脂肪(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、または70%超少ない、または80%超少ない、または90%超少ない)を使用しても、より高濃度の脂肪を用いるがアミド化合物を用いない同等の製品の脂肪特性のレベルを達成することができるようになる。幾つかの関連の実施形態では、アミド化合物の使用により、脂肪を組成物から排除することが可能になる。脂肪は、動物性または植物性脂肪に由来する脂肪等の任意の好適な脂肪であり得る。幾つかの実施形態では、脂肪は動物性脂肪、例えば乳脂肪(様々なチーズ中の脂肪を含む)、牛脂、豚脂、家禽脂、ラム脂、ヤギ脂、魚油、バター等である。幾つかの他の実施形態では、脂肪は非動物性脂肪、例えばオリーブ油、菜種油、トウモロコシ油、サフラワー油、堅果油、ラッカセイ油、カシュー油、ダイズ油、ヤシ油、パーム核油、ココナッツ油、ココアバターおよびナッツバター(例えばピーナッツバター、カシューバター、アーモンドバター、ヘーゼルナッツバター等)である。幾つかの実施形態では、脂肪はココアバターである。脂肪は摂取可能な組成物中に任意の好適な濃度で存在し得る。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中の脂肪濃度は、1重量パーセント~60重量パーセント、または1重量パーセント~50重量パーセント、または1重量パーセント~40重量パーセント、または1重量パーセント~30重量パーセント、または1重量パーセント~20重量パーセント、または1重量パーセント~10重量パーセントの範囲である。
【0092】
上述の実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、コク味物質とアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)とを含む。幾つかの実施形態では、コク味物質は酵母エキス、発酵食品製品、チーズ、ニンニクもしくはその抽出物、γ-グルタミル含有ポリペプチド、γ-グルタミル含有オリゴペプチド(例えばγ-グルタミル含有トリペプチド);アミド化合物(例えば、桂皮酸アミドまたはその誘導体)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、植物エキス、食品エキス、またはそれらの任意の組合せである。幾つかの実施形態では、コク味物質はγ-グルタミル含有トリペプチドである。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を含まない同様のコク味の組成物よりも低い濃度でコク味物質を含む。幾つかのかかる実施形態では、コク味物質の濃度は、アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)を含まない同様のコク味の組成物中のコク味物質の濃度よりも10%超低い、20%超低い、30%超低い、40%超低い、50%超低い、60%超低い、または70%超低い、または80%超低い、または90%超低い。幾つかの実施形態では、コク味物質は、摂取可能な組成物の総重量をベースとして1ppm~1000ppm、または1ppm~900ppm、または1ppm~800ppm、または1ppm~700ppm、または1ppm~600ppm、または1ppm~500ppm、または1ppm~400ppm、または1ppm~300ppm、または1ppm~200ppm、または1ppm~100ppm、または1ppm~75ppm、または1ppm~50ppm、または1ppm~25ppm、または1ppm~10ppmの範囲の濃度で摂取可能な組成物中に存在する。
【0093】
或る特定の実施形態では、摂取可能な組成物は、アルコールとアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)とを含む。幾つかのかかる実施形態では、アミド化合物の導入により、より少ないアルコール(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、または70%超少ない、または80%超少ない、または90%超少ない)を使用しても、より高濃度のアルコールを用いるがアミド化合物を用いない同等の製品のアルコール特性のレベルを達成することができるようになる。幾つかの関連の実施形態では、アミド化合物の使用により、アルコールを組成物から排除することが可能になる。アルコールは、摂取可能な組成物中で任意の好適な濃度を有し得る。幾つかの実施形態では、アルコール濃度は、摂取可能な組成物の総体積をベースとして1体積パーセント~50体積パーセント、または1体積パーセント~45体積パーセント、または1体積パーセント~40体積パーセント、または1体積パーセント~35体積パーセント、または1体積パーセント~30体積パーセント、または1体積パーセント~25体積パーセント、または1体積パーセント~20体積パーセント、または1体積パーセント~15体積パーセント、または1体積パーセント~10体積パーセント、または1体積パーセント~5体積パーセントの範囲である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、摂取可能な組成物の総体積をベースとして1体積パーセント以下のアルコールを含む。かかる摂取可能な組成物は、任意の好適な形態であり得る。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は食品製品、例えば以下に具体的に挙げるもののいずれかである。他の実施形態では、摂取可能な組成物は飲料製品、例えばソーダ(例えばハードソーダ)等である。アルコールは、穀物、甘蔗糖、果実等から形成されるアルコール等の任意の好適な形態で存在し得る。
【0094】
場合によっては、旨味またはコク味を増強することによって製品中の甘味料の量を減らすことが可能であり得る。このため、幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、下記の実施形態のいずれかによる1つ以上の甘味料を含む。
【0095】
かかる甘味料は、任意の好適な量で存在し得る。例えば、幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1%~12重量%の範囲の濃度で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.2%~10重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.3%~8重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.4%~6重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.5%~5重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、1%~2重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1%~5重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1%~4重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1%~3重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1%~2重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1%~1重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1%~0.5重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.5%~10重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、2%~8重量%の量で存在する。本段落に記載の実施形態の幾つかの更なる実施形態では、甘味料はスクロース、フルクトース、グルコース、キシリトール、エリトリトールまたはそれらの組合せである。上記のパーセンテージは、摂取可能な組成物の総重量をベースとした重量パーセントである。
【0096】
幾つかの他の実施形態では、甘味料は、10ppm~1000ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、20ppm~800ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、30ppm~600ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、40ppm~500ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、50ppm~400ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、50ppm~300ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、50ppm~200ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、50ppm~150ppmの量で存在する。本段落に記載の実施形態の幾つかの更なる実施形態では、甘味料はステビオールグリコシド、モグロシド、前述のいずれかの誘導体、例えばグリコシド誘導体(例えばグルコシレート)、またはそれらの任意の組合せである。
【0097】
組成物は、任意の好適な甘味料または甘味料の組合せを含み得る。幾つかの実施形態では、甘味料はスクロース、フルクトース、グルコース等の一般的なサッカリド甘味料、および天然糖を含む甘味料組成物、例えばコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)、または天然果実および野菜源に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物である。幾つかの実施形態では、甘味料はスクロース、フルクトースまたはそれらの組合せである。幾つかの実施形態では、甘味料はスクロースである。幾つかの他の実施形態では、甘味料はD-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アラビノース、D-ツラノースおよびD-ロイクロースを含む希少天然糖から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料はエリトリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン等の半合成「糖アルコール」甘味料から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料はアスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラメート、スクラロースおよびアリテーム等の人工甘味料から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料はシクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、アルロース、ネオテームおよび他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン加水分解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA、他の甘味ステビア系グリコシド、化学修飾ステビオールグリコシド(グルコシル化ステビオールグリコシド等)、モグロシド、化学修飾モグロシド(グルコシル化モグロシド等)、カレラーム(carrelame)および他のグアニジン系甘味料からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料は本段落に記載の甘味料の2つ以上の組合せである。幾つかの実施形態では、甘味料は本明細書に開示される2つ、3つ、4つまたは5つの甘味料の組合せであり得る。幾つかの実施形態では、甘味料は砂糖であり得る。幾つかの実施形態では、甘味料は1つ以上の砂糖と他の天然および人工甘味料との組合せであり得る。幾つかの実施形態では、甘味料は砂糖である。幾つかの実施形態では、砂糖は甘蔗糖である。幾つかの実施形態では、砂糖は甜菜糖である。幾つかの実施形態では、砂糖はスクロース、フルクトース、グルコースまたはそれらの組合せであり得る。幾つかの実施形態では、砂糖はスクロースであり得る。幾つかの実施形態では、砂糖はフルクトースとグルコースとの組合せであり得る。
【0098】
甘味料は例えば、1つ以上の天然または合成炭水化物を含む甘味料組成物、例えばコーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、高マルトースコーンシロップ、グルコースシロップ、スクラロースシロップ、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン加水分解物(HSH)、または天然果実および野菜源に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物、またはポリオール等の半合成「糖アルコール」甘味料も含み得る。幾つかの実施形態におけるポリオールの非限定的な例としては、エリトリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、トレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元マルトースシロップ、還元グルコースシロップ、イソマルツロース、マルトデキストリン等、および糖アルコール、または味に悪影響を及ぼさない還元が可能な任意の他の炭水化物もしくはその組合せが挙げられる。
【0099】
甘味料はアガベイヌリン、アガベネクター、アガベシロップ、甘酒、ブラゼイン、玄米シロップ、ココナッツクリスタル、ココナッツシュガー、ココナッツシロップ、デーツシュガー、フルクタン(イヌリン繊維、フラクトオリゴ糖またはオリゴフルクトースとも称される)、グリーンステビア粉末、ステビア・レバウディアナ(stevia rebaudiana)、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドMおよび他の甘味ステビア系グリコシド、ステビオシド、ステビオシド抽出物、ハチミツ、キクイモシロップ、カンゾウ根、羅漢果(果実、粉末または抽出物)、ルクマ(果実、粉末または抽出物)、メープル樹液(例えば、アケル・サッカルム(Acer saccharum)、アケル・ニグルム(Acer nigrum)、アケル・ルブルム(Acer rubrum)、アケル・サッカリヌム(Acer saccharinum)、アケル・プラタノイデス(Acer platanoides)、アケル・ネグンド(Acer negundo)、アケル・マクロフィルム(Acer macrophyllum)、アケル・グランディデンタツム(Acer grandidentatum)、アケル・グラブルム(Acer glabrum)、アケル・モノ(Acer mono)から抽出した樹液を含む)、メープルシロップ、メープルシュガー、クルミ樹液(例えば、ユグランス・シネレア(Juglans cinerea)、ユグランス・ニグラ(Juglans nigra)、ユグランス・アイランティフォリア(Juglans ailatifolia)、ユグランス・レギア(Juglans regia)から抽出した樹液を含む)、カバノキ樹液(例えば、ベツラ・パピリフェラ(Betula papyrifera)、ベツラ・アレグハニエンシス(Betula alleghaniensis)、ベツラ・レンタ(Betula lenta)、ベツラ・ニグラ(Betula nigra)、ベツラ・ポプリフォリア(Betula populifolia)、ベツラ・ペンデュラ(Betula pendula)から抽出した樹液を含む)、シカモア樹液(例えば、プラタナス・オキデンタリス(Platanus occidentalis)から抽出した樹液等)、アイアンウッド樹液(例えば、オストリア・バージニアナ(Ostrya virginiana)から抽出した樹液等)、マスコバド、糖蜜(例えば、廃糖蜜等)、糖蜜糖(molasses sugar)、モナチン、モネリン、甘蔗糖(天然糖、未精製甘蔗糖またはスクロースとも称される)、パーム糖、パノーチャ(panocha)、ピロンシージョ(piloncillo)、ラパデュラ(rapadura)、粗糖、米飴、ソルガム、ソルガムシロップ、キャッサバシロップ(タピオカシロップとも称される)、ソーマチン、ヤーコン根、麦芽シロップ、大麦麦芽シロップ、大麦麦芽粉、甜菜糖、甘蔗糖、結晶果汁結晶、カラメル、カルビトール、キャロブシロップ、上白糖、加水分解水添デンプン、加水分解甘蔗汁、加水分解デンプン、転化糖、アネトール、アラビノガラクタン、アローペ(arrope)、シロップ、P-4000、アセスルファムカリウム(アセスルファムKまたはace-Kとも称される)、アリテーム(aclameとも称される)、アドバンテーム、アスパルテーム、バイユノシド(baiyunoside)、ネオテーム、ベンズアミド誘導体、ベルナデーム(bernadame)、カンデレル、カレラームおよび他のグアニジン系甘味料、植物繊維、トウモロコシ糖、カップリングシュガー、クルクリン、シクラメート、シクロカリオシド(cyclocarioside)I、デメララ、デキストラン、デキストリン、糖化性麦芽、ズルチン、スクロール、バルジン、ズルコシドA、ズルコシドB、エムリン(emulin)、エノキソロン、マルトデキストリン、サッカリン、エストラゴール、エチルマルトール、グルシン(glucin)、グルコン酸、グルコノラクトン、グルコサミン、グルクロン酸、グリセロール、グリシン、グリシフィリン(glycyphillin)、グリチルリチン、グリシルレチン酸モノグルクロニド、ゴールデンシュガー、イエローシュガー(yellow sugar)、ゴールデンシロップ、グラニュー糖、アマチャヅル、ヘルナンズルシン、異性化液糖、ジャラブ(jallab)、チコリ根食物繊維、キヌレニン誘導体(N’-ホルミル-キヌレニン、N’-アセチル-キヌレニン、6-クロロ-キヌレニンを含む)、ガラクチトール、litesse、リジケーン(ligicane)、lycasin、ルグズナム、グアニジン、ファレナム(falernum)、マビンリンI、マビンリンII、マルトール、maltisorb、マルトデキストリン、マルトトリオール、マンノサミン、ミラクリン、水飴、モグロシド(例えばモグロシドIV、モグロシドVおよびネオモグロシドを含む)、ムクロジオシド、ナノシュガー(nano sugar)、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ニブシュガー、ニゲロオリゴ糖、ノルブ(norbu)、オルジェーシロップ、オスラジン、ペクメズ、ペンタジン、ペリアンドリンI、ペリルアルデヒド、ペリラルチン、ペトフィラム(petphyllum)、フェニルアラニン、フロミソシドI、フロロジジン(phlorodizin)、フィロズルチン、ポリグリシトールシロップ、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、rebiana、リファイナーシロップ、ルブ(rub)シロップ、ルブソシド、セリゲアインA、シュグル(shugr)、シアメノシドI、シライティア・グロスヴェノリイ(siraitia grosvenorii)、大豆オリゴ糖、Splenda、SRIオキシムV、ステビオールグリコシド、ステビオールビオシド、ステビオシド、ストロギン1、2および4、スクロン酸、スクロノネート、砂糖、スオサン、フロリジン、スーパーアスパルテーム、四糖類、トレイトール、トリークル(treacle)、トリロブタイン(trilobtain)、トリプトファンおよび誘導体(6-トリフルオロメチル-トリプトファン、6-クロロ-D-トリプトファン)、バニラ糖、ボレミトール、バーチシロップ、アスパルテーム-アセスルファム、assugrin、ならびにそれらの任意の2つ以上の組合せまたはブレンドを含むが、これらに限定されない天然または合成甘味料であり得る。
【0100】
さらに他の実施形態では、甘味料は化学的または酵素的に修飾された天然高甘味度甘味料であり得る。修飾天然高甘味度甘味料には、1~50個のグリコシド残基を含むグルコシル誘導体、ガラクトシル誘導体またはフルクトシル誘導体等のグリコシル化天然高甘味度甘味料が含まれる。グリコシル化天然高甘味度甘味料は、トランスグリコシル化活性を有する様々な酵素により触媒される酵素的トランスグリコシル化反応によって調製することができる。幾つかの実施形態では、修飾甘味料は置換されていても、または非置換であってもよい。
【0101】
付加的な甘味料には、上述のいずれかの甘味料のいずれか2つ以上の組合せも含まれる。幾つかの実施形態では、甘味料は本明細書に開示される2つ、3つ、4つまたは5つの甘味料の組合せを含み得る。幾つかの実施形態では、甘味料は砂糖であり得る。幾つかの実施形態では、甘味料は1つ以上の砂糖と他の天然および人工甘味料との組合せであり得る。幾つかの実施形態では、甘味料はスクロース、フルクトース、キシリトール、エリトリトールまたはそれらの組合せ等のカロリー甘味料である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、ステビオールグリコシド、グルコシル化ステビオールグリコシドまたはレバウジオシド等のステビア由来の甘味料を含まない(または幾つかの実施形態では実質的に含まない)。例えば、幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、ステビア由来の甘味料を含まないか、またはステビア由来の甘味料を1000ppm以下、もしくは500ppm以下、もしくは200ppm以下、もしくは100ppm以下、もしくは50ppm以下、もしくは20ppm以下、もしくは10ppm以下、もしくは5ppm以下、もしくは3ppm以下、もしくは1ppm以下の濃度で含む。
【0102】
摂取可能な組成物は、或る特定の実施形態では、限定されるものではないが、
例えばクエン酸、リン酸、アスコルビン酸、硫酸水素ナトリウム、乳酸もしくは酒石酸を含む酸;
例えばカフェイン、キニーネ、緑茶、カテキン、ポリフェノール、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、塩化カリウム、メントールもしくはタンパク質(植物、藻類または真菌に由来するタンパク質およびタンパク質分離物等)を含む苦味成分;
例えばカラメル色素、赤色40号、黄色5号、黄色6号、青色1号、赤色3号、紫ニンジン、黒ニンジンジュース、紫イモ、野菜ジュース、果汁、βカロテン、ウコンクルクミンもしくは二酸化チタンを含む着色料;
例えば安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、メタ重硫酸ナトリウム、ソルビン酸もしくは安息香酸を含む保存料;
例えばアスコルビン酸、EDTAカルシウム二ナトリウム、αトコフェロール、混合トコフェロール、ローズマリー抽出物、ブドウ種子抽出物、レスベラトロールもしくはヘキサメタリン酸ナトリウムを含む酸化防止剤;
例えばレスベラトロール、Co-Q10、オメガ3脂肪酸、テアニン、塩化コリン(シトコリン(citocoline))、fibersol、イヌリン(チコリ根)、タウリン、チョウセンニンジン抽出物、ガラナ抽出物、ショウガ抽出物、L-フェニルアラニン、L-カルニチン、L-酒石酸塩、D-グルコロノラクトン、イノシトール、ビオフラボノイド、エキナセア、ギンコ・ビローバ(ginko biloba)、イェルバ・マテ(yerba mate)、亜麻仁油、ガルシニア・カンボジア(garcinia cambogia)果皮抽出物、白茶抽出物、リボース、オオアザミ抽出物、ブドウ種子抽出物、ピリドキシンHCl(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビオチン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム(パントテン酸)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化クロム、ポリニコチン酸クロム、硫酸銅、葉酸、ピロリン酸第二鉄、鉄、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン、ヨウ化カリウム、リン酸カリウム、リボフラビン、硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、一硝酸チアミン、ビタミンD3、ビタミンAパルミテート、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛もしくは硫酸亜鉛を含むビタミンもしくは機能性成分;
例えばエステルガム、臭素化植物油(BVO)もしくはイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含む混濁剤(clouding agents);
例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムもしくは塩を含む緩衝剤;
例えばプロピレングリコール、エチルアルコール、グリセリン、アラビアゴム(アカシアゴム)、マルトデキストリン、加工トウモロコシデンプン、デキストロース、天然フレーバー、他の天然フレーバーを含む天然フレーバー(天然フレーバーWONF)、天然および人工フレーバー、人工フレーバー、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウムもしくはリン酸三カルシウムを含むフレーバー;または
例えばペクチン、キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリソルベート60、ポリソルベート80、中鎖脂肪酸トリグリセリド、セルロースゲル、セルロースガム、カゼイン酸ナトリウム、加工食品用デンプン、アラビアゴム(アカシアゴム)、イヌリンもしくはカラギーナンを含むデンプンおよび安定剤
を含む、食品および飲料製品に一般に使用されるような任意の付加的な成分または成分の組合せを含むことができる。
【0103】
摂取可能な組成物は、任意の好適なpHを有し得る。幾つかの実施形態では、アミド化合物は、広範囲のpH、例えばより低いpHないし中性pHの下で甘味料の甘味を増強する。より低いpHおよび中性pHとしては、1.5~9.0または2.5~8.5;3.0~8.0;3.5~7.5;および4.0~7のpHが挙げられるが、これらに限定されない。或る特定の実施形態では、本明細書に開示および記載される化合物は、個別にまたは組み合わせて、低pH値ないし中性pH値の両方にて50μM、40μM、30μM、20μM、または10μMの化合物濃度での味覚試験において一定濃度の甘味料の知覚される甘味を増強することができる。或る特定の実施形態では、より低いpHでの個別にまたは組み合わせた本明細書に開示および記載される化合物の増強係数は、中性pHでの化合物の増強係数と実質的に同様である。広範囲のpH下でのこのような一貫した甘味増強特性は、個別にまたは組み合わせた本明細書に開示および記載される化合物の広範な食品および飲料における幅広い使用を可能にする。
【0104】
上述の実施形態のいずれかに従って定義された摂取可能な組成物は、或る特定の実施形態では、1つ以上の付加的な風味改変化合物、例えば甘味を強める化合物(例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオールグリコシド等)、苦味を抑える化合物、旨味を強める化合物、酸味もしくはリコリス味を和らげる化合物、塩味を強める化合物、冷感効果を高める化合物、または上記の任意の組合せも含む。
【0105】
このため、幾つかの実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物のアミド化合物は、1つ以上の甘味増強化合物と組み合わされる。かかる甘味増強化合物としては、天然由来の化合物、例えばヘスペリチン、ナリンゲニン、ロイフォリン、グルコシル化ステビオールグリコシド、甘草由来のグルクロン酸塩、アロマデンドリン-3-O-アセテート、もしくは他の同様のフラボノールもしくはフラボノイド、または合成化合物、例えば米国特許第8,541,421号明細書;米国特許第8,815,956号明細書;米国特許第9,834,544号明細書;米国特許第8,592,592号明細書;米国特許第8,877,922号明細書;米国特許第9,000,054号明細書;および米国特許第9,000,051号明細書、ならびに米国特許出願公開第2017/0119032号明細書に記載されている任意の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。アミド化合物は、このような他の甘味増強剤と1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。前述の実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、アミド化合物をグルコシル化ステビオールグリコシドと上記の比率のいずれかで組み合わせる。本明細書で使用される場合、「グルコシル化ステビオールグリコシド」という用語は、天然ステビオールグリコシド化合物を酵素的にグルコシル化した生成物を指す。グルコシル化は、一般にα-1,2結合、α-1,4結合、α-1,6結合、β-1,2結合、β-1,4結合、β-1,6結合等のグリコシド結合を介して起こる。前述の実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、アミド化合物を3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピル-プロパンアミド、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、またはそれらの任意の組合せと上記の比率のいずれかで組み合わせる。
【0106】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物のアミド化合物は、1つ以上の他の旨味またはコク味増強化合物と組み合わされる。かかる旨味増強化合物としては、天然由来の化合物、例えばエルカミド、または合成化合物、例えば米国特許第8,735,081号明細書;米国特許第8,124,121号明細書;および米国特許第8,968,708号明細書に記載されている任意の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。アミド化合物は、かかる旨味増強剤と1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0107】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物のアミド化合物は、1つ以上の冷感増強化合物と組み合わされる。かかる冷感増強化合物としては、天然由来の化合物、例えばメントールもしくはその類似体、または合成化合物、例えば米国特許第9,394,287号明細書および米国特許第10,421,727号明細書に記載されている任意の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。アミド化合物は、かかる冷感増強剤と1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0108】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物のアミド化合物は、1つ以上の苦味抑制化合物と組み合わされる。かかる苦味抑制化合物としては、天然由来の化合物、例えばメントールもしくはその類似体、または合成化合物、例えば米国特許第8,076,491号明細書;米国特許第8,445,692号明細書;および米国特許第9,247,759号明細書に記載されている任意の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。アミド化合物は、かかる苦味抑制剤と1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0109】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物のアミド化合物は、1つ以上の酸味調節化合物と組み合わされる。アミド化合物は、かかる酸味調節化合物と1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0110】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物のアミド化合物は、1つ以上の食感改変化合物と組み合わされる。かかる食感改変化合物としては、タンニン、セルロース系材料、竹粉等が挙げられるが、これらに限定されない。アミド化合物は、かかる食感向上剤と1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0111】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物のアミド化合物は、1つ以上の風味マスキング化合物と組み合わされる。かかる風味マスキング化合物としては、セルロース系材料、真菌から抽出された材料、植物から抽出された材料、クエン酸、炭酸(または炭酸塩)等が挙げられるが、これらに限定されない。アミド化合物は、かかる食感向上剤と1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0112】
前述の態様および実施形態に関連する幾つかの態様では、本開示は、風味付き物品等の風味付き組成物の風味を増強するためのアミド化合物の使用を提供する。かかる風味付き組成物には、果実フレーバー、肉フレーバー、野菜フレーバー等の任意の好適なフレーバーを使用することができる。幾つかの実施形態では、風味付き組成物はスープもしくはブロス、またはチップス、または飲料である。
【0113】
[風味付き製品]
或る特定の態様では、本開示は、前述の態様またはその実施形態の任意の組成物を含む風味付き製品を提供する。幾つかの実施形態では、風味付き製品は飲料製品、例えばソーダ、フレーバーウォーター、茶等である。幾つかの他の実施形態では、風味付き製品は食品製品、例えばヨーグルト、スープ、肉類似品、乳製品類似品等である。
【0114】
風味付き製品が飲料である実施形態では、飲料は強化発泡性飲料、コーラ、レモン-ライム風味の発泡性飲料、オレンジ風味の発泡性飲料、ブドウ風味の発泡性飲料、イチゴ風味の発泡性飲料、パイナップル風味の発泡性飲料、ジンジャーエール、ルートビア、フルーツジュース、フルーツ風味のジュース、ジュース飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜風味のジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、強化水飲料、ビタミン入り強化水、ニアウォーター飲料、ココナッツウォーター、茶系飲料、コーヒー、ココア飲料、乳成分含有飲料、シリアルエキス含有飲料およびスムージーからなる群から選択することができる。幾つかの実施形態では、飲料は清涼飲料であってもよい。
【0115】
風味付き製品に言及する本明細書に記載の任意の態様および実施形態の或る特定の実施形態では、風味付き製品は、包装された食品または飲料製品等の非自然発生的な製品である。
【0116】
食品および飲料製品または配合物の更なる非限定的な例としては、かかる製品、またはスープカテゴリー、乾燥加工食品カテゴリー、飲料カテゴリー、レディミールカテゴリー、缶詰もしくは保存食品カテゴリー、冷凍加工食品カテゴリー、冷蔵加工食品カテゴリー、スナック食品カテゴリー、ベイクド品カテゴリー、菓子カテゴリー、乳製品カテゴリー、アイスクリームカテゴリー、食事代替品カテゴリー、パスタおよび麺カテゴリー、ならびにソース、ドレッシング、調味料カテゴリー、ベビーフードカテゴリー、ならびに/もしくはスプレッドカテゴリーに含まれる任意の実体に対する甘いコーティング、フロスティングまたはグレーズが挙げられる。
【0117】
概して、スープカテゴリーは缶詰/保存、乾燥、インスタント、冷蔵、UHTおよび冷凍スープを指す。この定義のために、スープは肉、鶏肉、魚、野菜、穀物、果物および他の食材から調製された食品を意味し、これらの食材の一部または全部の目に見える小片を含み得る液体中で調理されたものである。スープは、(ブロスのように)透明または(チャウダーのように)濃厚、滑らか、ピューレ状またはチャンク状、即時提供可能、半濃縮または濃縮であってもよく、温めてもしくは冷やして、食事の一品目もしくはメイン料理として、または間食(飲料のように飲まれる)として出すことができる。スープは、他の食事成分を調製するための材料として使用することができ、ブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズベースのスープ)まで様々であり得る。
【0118】
乾燥および料理用食品カテゴリーは、通常は以下を意味する:(i)最終製品として、または製品、ソースおよびレシピミックス(技術を問わない)内の成分として別個に販売される、圧縮キューブ、タブレットもしくは粉末、または顆粒の形態の濃縮ブイヨン、ブイヨンおよびブイヨン類似製品を含む粉末、顆粒、ペースト、濃縮液製品等の調理補助製品;(ii)乾燥スープミックス、乾燥インスタントスープ、乾燥調理準備済みスープを含む乾燥および凍結乾燥スープ、パスタ、ポテトおよび米料理を含む既製料理、食事および一品料理の乾燥または常温調製品等のミールソリューション製品;ならびに(iii)乾燥、液体または冷凍を問わず、最終製品または製品内の成分として販売される調味料、マリネード、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン粉、バッターミックス、常温保存可能なスプレッド、バーベキューソース、サラダ用レシピミックスを含む液体レシピミックス、濃縮物、ソースまたはソースミックス等の食事装飾製品。
【0119】
飲料カテゴリーは通常、炭酸および非炭酸飲料、アルコールおよびノンアルコール飲料、そのまま飲める飲料、ソーダ等の飲料の調製のための液体濃縮配合物、ならびに乾燥粉末状飲料前駆体ミックスを含むが、これらに限定されない飲料、飲料ミックスおよび濃縮物を意味する。飲料カテゴリーには、アルコール飲料、清涼飲料、スポーツドリンク、アイソトニック飲料およびホットドリンクも含まれる。アルコール飲料としては、ビール、シードル/ペアワイン、FAB、ワインおよびスピリッツが挙げられるが、これらに限定されない。清涼飲料としては、コーラおよび非コーラ炭酸飲料等の炭酸飲料;ジュース、ネクター、ジュース飲料およびフルーツ風味の飲料等のフルーツジュース;スパークリングウォーター、天然水および精製/食卓用水を含むボトル入り飲料水;炭酸であっても、または無炭酸であってもよく、スポーツ、栄養またはエリキシルドリンクを含む機能性飲料;そのまま飲める大きさの液体および粉末濃縮物等の濃縮物が挙げられるが、これらに限定されない。温かいまたは冷たい飲料としては、淹れたて、インスタントおよび複合的なコーヒー等のコーヒーまたはアイスコーヒー;紅茶、緑茶、白茶、ウーロン茶およびフレーバーティー等の茶またはアイスティー;ならびに牛乳または水と混合したフレーバー、麦芽または植物ベースの粉末、顆粒、ブロックまたはタブレットを含む他の飲料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
スナック食品カテゴリーは、概して、甘口および辛口の(savory)スナックおよびスナックバーを含むが、これらに限定されない、気軽な軽食となり得る任意の食品を指す。スナック食品の例としては、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押し出しスナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、ならびに他の甘口および辛口のスナックが挙げられるが、これらに限定されない。スナックバーの例としては、グラノーラ/ミューズリーバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバーおよび他のスナックバーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
ベイクド品カテゴリーは、概して、調製プロセスが熱または過度の日光への曝露を伴う任意の食用製品を指す。ベイクド品の例としては、パン、バンズ、クッキー、マフィン、シリアル、トースターペストリー、ペストリー、ワッフル、トルティーヤ、ビスケット、パイ、ベーグル、タルト、キッシュ、ケーキ、任意のベイクド食品およびそれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
アイスクリームカテゴリーは、概して、クリームおよび砂糖および香味料を含有する冷凍デザートを指す。アイスクリームの例としては、インパルスアイスクリーム;持ち帰り用アイスクリーム;フローズンヨーグルトおよび手作りアイスクリーム;ダイズ、オート麦、豆(例えば、小豆および緑豆)および米ベースのアイスクリームが挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
菓子カテゴリーは、概して、甘味のある食用製品を指す。菓子の例としては、キャンディー、ゼラチン、チョコレート菓子、砂糖菓子、ガム等および任意の複合製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
食事代替品カテゴリーは、概して、特に健康またはフィットネスに関心がある人々のための通常の食事に置き換えることを意図した任意の食品を指す。食事代替品の例としては、ダイエット製品および回復期製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
レディミールカテゴリーは、概して、大がかりな準備または処理なしに食事として提供することができる任意の食品を指す。レディミールには、製造業者によりレシピ「スキル」が加えられ、高度の即用性、完成度および利便性が得られた製品が含まれる。レディミールの例としては、缶詰/保存、冷凍、乾燥、冷蔵レディミール;ディナーミックス;冷凍ピザ;冷蔵ピザ;および調理済みサラダが挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
パスタおよび麺カテゴリーには、缶詰、乾燥および冷蔵/生パスタ;ならびにプレーン、インスタント、冷蔵、冷凍およびスナック麺を含むが、これらに限定されない任意のパスタおよび/または麺が含まれる。
【0127】
缶詰/保存食品カテゴリーには、缶詰/保存肉および肉製品、魚/シーフード、野菜、トマト、豆、果物、レディミール、スープ、パスタ、ならびに他の缶詰/保存食品が含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
冷凍加工食品カテゴリーには、冷凍加工赤肉、加工鶏肉、加工魚/シーフード、加工野菜、代替肉、加工ポテト、ベーカリー製品、デザート、レディミール、ピザ、スープ、麺および他の冷凍食品が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
乾燥加工食品カテゴリーには、米飯、デザートミックス、乾燥レディミール、乾燥スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーン麺およびインスタント麺が含まれるが、これらに限定されない。冷蔵加工食品カテゴリーには、冷蔵加工肉、加工魚/シーフード製品、ランチキット、新鮮カットフルーツ、レディミール、ピザ、調理済みサラダ、スープ、生パスタおよび麺が含まれるが、これらに限定されない。
【0130】
ソース、ドレッシングおよび調味料カテゴリーには、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ハーブおよび香辛料、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、テーブルソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェット/クッキングソース、ドライソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、ピクルス、ならびに他のソース、ドレッシングおよび調味料が含まれるが、これらに限定されない。
【0131】
ベビーフードカテゴリーには、牛乳または大豆ベースのフォーミュラ;ならびに調製済み、乾燥および他のベビーフードが含まれるが、これらに限定されない。
【0132】
スプレッドカテゴリーには、ジャムおよびプリザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベーススプレッドおよび酵母ベーススプレッドが含まれるが、これらに限定されない。
【0133】
乳製品カテゴリーは、概して、哺乳動物の乳から製造される食用製品を指す。乳製品の例としては、飲用乳製品、チーズ、ヨーグルトおよびサワーミルク飲料、ならびに他の乳製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
風味付き製品、特に食品および飲料製品または配合物の付加的な例は、以下のように与えられる。例示的な摂取可能な組成物としては、1つ以上の菓子、チョコレート菓子、タブレット、カウントライン、袋入りセルフライン/ソフトライン、箱入り詰め合わせ、標準箱入り詰め合わせ、ツイスト包装ミニチュア、季節限定チョコレート、おもちゃ付きチョコレート、アルファフォーレス、他のチョコレート菓子、ミント、スタンダードミント、パワーミント、ハードキャンディー(boiled sweets)、パスティーユ、ガム、ジェリーおよびチューズ、タフィー、キャラメルおよびヌガー、薬用菓子、ロリポップ、リコリス、他の砂糖菓子、パン、包装/工業生産パン、非包装/手作りパン、ペストリー、ケーキ、包装/工業生産ケーキ、非包装/手作りケーキ、クッキー、チョコレートコーティングビスケット、サンドイッチビスケット、フィルドビスケット、辛口のビスケットおよびクラッカー、パン代替品、朝食用シリアル、rteシリアル、家庭朝食用シリアル、フレーク、ミューズリー、他のシリアル、子ども向け朝食用シリアル、ホットシリアル、アイスクリーム、インパルスアイスクリーム、1個入り乳製品アイスクリーム、1個入り氷菓、マルチパック乳製品アイスクリーム、マルチパック氷菓、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製品アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰り用氷菓、フローズンヨーグルト、手作りアイスクリーム、乳製品、牛乳、生乳/殺菌牛乳、全脂生乳/殺菌牛乳、半脱脂生乳/殺菌牛乳、ロングライフ/uht乳、全脂ロングライフ/uht乳、半脱脂ロングライフ/uht乳、無脂肪ロングライフ/uht乳、ヤギ乳、コンデンス/エバミルク、プレーンコンデンス/エバミルク、風味付き、機能性および他のコンデンスミルク、風味付き乳飲料、乳製品のみの風味付き乳飲料、果汁入り風味付き乳飲料、豆乳、サワーミルク飲料、発酵乳飲料、コーヒー用クリーム、粉乳、風味付き粉乳飲料、クリーム、チーズ、プロセスチーズ、スプレッダブルプロセスチーズ、非スプレッダブルプロセスチーズ、未加工チーズ、スプレッダブル未加工チーズ、ハードチーズ、包装ハードチーズ、非包装ハードチーズ、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、風味付きヨーグルト、果実入りヨーグルト、プロバイオティクスヨーグルト、飲むヨーグルト、通常の飲むヨーグルト、プロバイオティクス飲むヨーグルト、冷蔵および常温保存可能デザート、乳製品ベースのデザート、大豆ベースのデザート、冷蔵スナック、フロマージュフレおよびクワルク、プレーンフロマージュフレおよびクワルク、風味付きフロマージュフレおよびクワルク、辛口のフロマージュフレおよびクワルク、甘口および辛口のスナック、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押し出しスナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、他の甘口および辛口のスナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、他のスナックバー、食事代替品、ダイエット製品、回復期飲料、レディミール、缶詰レディミール、冷凍レディミール、乾燥レディミール、冷蔵レディミール、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶詰スープ、乾燥スープ、インスタントスープ、冷蔵スープ、ホットスープ、冷凍スープ、パスタ、缶詰パスタ、乾燥パスタ、冷蔵/生パスタ、麺、プレーン麺、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、冷蔵麺、スナック麺、缶詰食品、肉および肉製品の缶詰、魚/シーフードの缶詰、野菜の缶詰、トマトの缶詰、豆の缶詰、果物の缶詰、缶詰レディミール、缶詰スープ、缶詰パスタ、他の缶詰食品、冷凍食品、冷凍加工赤肉、冷凍加工鶏肉、冷凍加工魚/シーフード、冷凍加工野菜、冷凍代替肉、冷凍ポテト、オーブン焼きポテトチップス、他のオーブン焼きポテト製品、非オーブン冷凍ポテト、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、冷凍レディミール、冷凍ピザ、冷凍スープ、冷凍麺、他の冷凍食品、乾燥食品、デザートミックス、乾燥レディミール、乾燥スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーン麺、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、冷蔵食品、冷蔵加工肉、冷蔵魚/シーフード製品、冷蔵加工魚、冷蔵コーティング魚、冷蔵燻製魚、冷蔵ランチキット、冷蔵レディミール、冷蔵ピザ、冷蔵スープ、冷蔵/生パスタ、冷蔵麺、油脂、オリーブ油、植物油および種子油、料理用油、バター、マーガリン、スプレッダブル油脂、機能性スプレッダブル油脂、ソース、ドレッシングおよび調味料、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ストックキューブ、グレイビー顆粒、液体ストックおよびフォン、ハーブおよび香辛料、発酵ソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェットソース、ドライソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、通常のマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、通常のサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、ピクルス、他のソース、ドレッシングおよび調味料、ベビーフード、粉ミルク、標準的な粉ミルク、フォローオン粉ミルク、幼児用粉ミルク、低刺激性粉ミルク、調理済みベビーフード、乾燥ベビーフード、他のベビーフード、スプレッド、ジャムおよびプリザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベーススプレッドおよび酵母ベーススプレッドが挙げられる。例示的な摂取可能な組成物には、菓子、ベーカリー製品、アイスクリーム、乳製品、甘口および辛口のスナック、スナックバー、食事代替品、レディミール、スープ、パスタ、麺、缶詰食品、冷凍食品、乾燥食品、冷蔵食品、油脂、ベビーフードもしくはスプレッド、またはそれらの混合物も含まれる。例示的な摂取可能な組成物には、理想的には従来既知のサッカリド甘味料または人工甘味料の濃度の低下を可能にするように、朝食用シリアル、甘味飲料、または飲料を調製するための固体もしくは液体濃縮組成物も含まれる。
【0135】
幾つかの実施形態は、飲み込まれることを意図していても、または意図していなくてもよいチュアブル組成物を提供する。幾つかの実施形態では、チュアブル組成物は、本明細書に開示および記載される化合物を個別にまたは組み合わせて含むガム、チューインガム、加糖ガム、無糖ガム、機能性ガム、バブルガムであり得る。
【0136】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示および記載されるアミド化合物は、個別にまたは組み合わせて、例えば即時使用可能な(すなわち、即時提供可能な)製品を製造するためのその後の処理に適した香味料濃縮配合物中で提供され得る。「香味料濃縮配合物」とは、即時使用可能な組成物とするために1つ以上の希釈媒体で再構成する必要がある配合物を意味する。「即時使用可能な組成物」という用語は、本明細書において「摂取可能な組成物」と区別なく使用され、消費を意図するか否かにかかわらず、単独でまたは別の物質とともに口から摂取することができる任意の物質を表す。一実施形態では、即時使用可能な組成物は、ヒトまたは動物によって直接消費され得る組成物を含む。香味料濃縮配合物は通例、1つ以上の希釈媒体、例えば任意の消費可能または摂取可能な成分または製品と混合するか、またはそれで希釈することによって使用され、希釈媒体に1つ以上の風味を付与または改変する。かかる使用プロセスは多くの場合、再構成と称される。再構成は、家庭環境または工業環境において行うことができる。例えば、消費者は、台所で冷凍果汁濃縮物を水または他の水性媒体で再構成して、即時使用可能な果汁飲料を得ることができる。別の例では、製造業者は、工業的大規模にて清涼飲料シロップ濃縮物を水または他の水性媒体で再構成して、即時使用可能な清涼飲料を製造することができる。香味料濃縮配合物は、香味剤または風味改変剤を即時使用可能な組成物よりも高い濃度で有するため、香味料濃縮配合物は通例、再構成せずに直接消費されるのには適していない。香味料濃縮配合物の使用および製造には多くの利点がある。例えば、香味料濃縮配合物を使用時に好適な溶媒、固体または液体の添加によって再構成し得ることから、輸送のための重量および体積が減少することが1つの利点である。
【0137】
上述の実施形態のいずれかに従って定義された風味付き製品は、或る特定の実施形態では、1つ以上の付加的な風味改変化合物、例えば甘味を強める化合物(例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオールグリコシド等)、苦味を抑える化合物、旨味を強める化合物、酸味を和らげる化合物、塩味を強める化合物、冷感効果を高める化合物、または上記の任意の組合せも含む。
【0138】
甘味料または香味料濃縮物に言及する本明細書に記載の任意の態様および実施形態の或る特定の実施形態では、甘味料または香味料濃縮物は、非自然発生的な製品、例えば食品または飲料製品等の風味付き製品の製造のために特別に製造された組成物である。
【0139】
一実施形態では、香味料濃縮配合物は、i)個別または組み合わせた本明細書に開示および記載される化合物と、ii)担体と、iii)任意に少なくとも1つのアジュバントとを含む。「担体」という用語は、配合物を形成するために本化合物および1つ以上の任意のアジュバントと組み合わせて使用される溶媒、結合剤、または他の不活性媒体等の通常は不活性な付属物質を表す。例えば、水またはデンプンを香味料濃縮配合物の担体とすることができる。幾つかの実施形態では、担体は香味料濃縮配合物を再構成するための希釈媒体と同じであり、他の実施形態では、担体は希釈媒体とは異なる。本明細書で使用される「担体」という用語は、摂取可能に許容される担体を含むが、これに限定されない。
【0140】
「アジュバント」という用語は、本発明の化合物等の活性成分の意図された機能または有効性を補完、安定化、維持または増強する添加物を表す。一実施形態では、少なくとも1つのアジュバントは、1つ以上の香味剤を含む。香味剤は、チョコレート、コーヒー、茶、モカ、フレンチバニラ、ピーナッツバター、チャイまたはそれらの組合せの風味等の当業者または消費者に既知の任意の風味であり得る。別の実施形態では、少なくとも1つのアジュバントは、1つ以上の甘味料を含む。1つ以上の甘味料は、本願において記載される甘味料のいずれであってもよい。別の実施形態では、少なくとも1つのアジュバントは、乳化剤、安定剤、抗菌性保存剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および分離物、塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される1つ以上の成分を含む。乳化剤、安定剤、抗菌性保存剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および分離物、ならびに塩の例は、米国特許第6,468,576号明細書に記載されており、その内容全体をあらゆる目的で参照により本明細書に援用するものとする。
【0141】
一実施形態では、本香味料濃縮配合物は、溶液および懸濁液を含む液体、固体、泡状物質、ペースト、ゲル、クリームおよびそれらの組合せからなる群から選択される形態、例えば或る特定の量の固形物を含有する液体であり得る。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、水系および非水系を含む液体の形態である。幾つかの実施形態では、本香味料濃縮配合物は、炭酸または非炭酸であり得る。
【0142】
香味料濃縮配合物は、少なくとも1つのアジュバントとして凝固点降下剤、核形成剤またはその両方をさらに含んでいてもよい。凝固点降下剤は、化合物または作用物質を添加する液体または溶媒の凝固点を降下させることができる、摂取可能に許容される化合物または作用物質である。すなわち、凝固点降下剤を含有する液体または溶液は、凝固点降下剤を含まない液体または溶媒よりも低い凝固点を有する。凝固点降下剤は、凝固開始点を降下させるだけでなく、香味料濃縮配合物の水分活性を低下させることもできる。凝固点降下剤の例としては、炭水化物、油、エチルアルコール、ポリオール、例えばグリセロール、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。核形成剤は、核形成を促進することが可能な摂取可能に許容される化合物または作用物質を表す。香味料濃縮配合物中の核形成剤の存在は、望ましい氷結晶化中心の数を増加させることによって冷凍スラッシュの冷凍ブラッシュ(Blushes)の食感を改善することができ、凍結温度でのスラッシュの物理特性および性能を維持するのに役立つ。核形成剤の例としては、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタンおよびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0143】
一実施形態では、香味料濃縮配合物は、貯蔵寿命を延長するために低い水分活性を有するように配合される。水分活性は、同じ温度での純水の蒸気圧に対する配合物中の水の蒸気圧の比率である。一実施形態では、香味料濃縮配合物は約0.85未満の水分活性を有する。別の実施形態では、香味料濃縮配合物は約0.80未満の水分活性を有する。別の実施形態では、香味料濃縮配合物は約0.75未満の水分活性を有する。
【0144】
一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の少なくとも2倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の少なくとも5倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の少なくとも10倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の少なくとも15倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の少なくとも20倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の少なくとも30倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の少なくとも40倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の少なくとも50倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の少なくとも60倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、香味料濃縮配合物は、即時使用可能な組成物中の化合物の濃度の最大100倍の濃度で本化合物を有する。
【0145】
上述の実施形態のいずれかに従って定義された甘味料または香味料濃縮物は、或る特定の実施形態では、1つ以上の付加的な風味改変化合物、例えば甘味を強める化合物(例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオールグリコシド等)、苦味を抑える化合物(例えばエリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ステルビン、およびそれらの塩またはグリコシド誘導体、ならびにバニリルリグナン、例えばマタイレシノール、および国際公開第2012/146584号に記載されている他の化合物)、旨味を強める化合物(例えばルベマミン、ルベセナミン、(E)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-N-(4-メトキシフェネチル)アクリルアミド等)、酸味および/もしくはリコリス味和らげる化合物、塩味を強める化合物、冷感効果を高める化合物、または上記の任意の組合せも含む。
【0146】
[包装された香味料組成物]
幾つかの更なる態様では、本開示は、(a)アミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)と、(b)少なくとも1つの増量剤とを含む包装された香味料組成物を提供する。
【0147】
包装された香味料組成物は、非晶質固体、結晶、粉末、錠剤、液体、キューブ、グラッセ(glace)もしくはコーティング、粒状製品、担体/粒子に結合もしくはコーティングしたカプセル化形態、湿式もしくは乾燥、またはそれらの組合せを含むが、これらに限定されない任意の好適な形態をとることができる。
【0148】
包装された香味料組成物は、当業者に既知の更なる添加物を含有し得る。これらの添加物には、気泡形成剤、増量剤、担体、繊維、糖アルコール、オリゴ糖、砂糖、高甘味度甘味料、栄養甘味料、香味料、風味増強剤、風味安定剤、酸味料、固化防止剤およびフリーフロー剤が含まれるが、これらに限定されない。かかる添加物は、H. Mitchell(H. Mitchell, “Sweeteners and Sugar Alternatives in Food Technology”, Blackwell Publishing Ltd, 2006、その全体を参照により本明細書に援用するものとする)によって記載されている。本明細書で使用される場合、「香味料」という用語は、天然および人工フレーバー等の当業者に既知のフレーバーを含み得る。これらの香味料は、合成香味油および香味芳香剤および/または芳香油、植物、葉、花、果実等に由来するオレオレジンおよび抽出物、ならびにそれらの組合せから選ばれ得る。非限定的な代表的な香味油としては、スペアミント油、桂皮油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、ハッカ油、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、オールスパイス、セージ油、メース、クヘントウ油およびカッシア油が挙げられる。同様に有用な香味料は、バニラ等の人工、天然および合成果実フレーバー、ならびにレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチを含む柑橘油、ならびにリンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、スイカ、アンズ、バナナ、メロン、アンズ、ウメ、サクランボ、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤを含む果実エッセンス等である。他の考え得るフレーバーとしては、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバーおよびヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバーおよびコーヒーフレーバー等の茶またはコーヒーフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバーおよびハッカフレーバー等のミントフレーバー;アサフェティダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェイフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、サンショウ(Zanthoxyli Fructus)フレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ショウガフレーバー、スターアニスフレーバー、ホースラディッシュフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバーおよびワサビフレーバー等のスパイシーフレーバー;ワインフレーバー、ウイスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバーおよびリキュールフレーバー等のアルコールフレーバー;フローラルフレーバー;ならびにタマネギフレーバー、ニンニクフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、キノコフレーバーおよびトマトフレーバー等の野菜フレーバーが挙げられる。これらの香味剤は、液体または固体形態で使用することができ、個別にまたは混合して使用することができる。一般に使用されるフレーバーとしては、個別に用いられるか、または混合して用いられるかにかかわらず、ミント、例えばペパーミント、メントール、スペアミント、人工バニラ、シナモン誘導体および様々な果実フレーバーが挙げられる。フレーバー、特に冷感剤と組み合わせて使用される場合のミントフレーバーは、口臭消臭特性をもたらすこともできる。
【0149】
フレーバー、特に冷感剤と組み合わせて使用される場合のミントフレーバーは、口臭消臭特性をもたらすこともできる。これらの香味料は、液体または固体形態で使用することができ、個別にまたは混合して使用することができる。他の有用な香味料としては、アルデヒドおよびエステル、例えば酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p-メチルアニソール等が挙げられ、使用することができる。概して、米国科学アカデミーによるChemicals Used in Food Processing, publication 1274, pages 63-258に記載されているような任意の香味料または食品添加物を使用することができる。この刊行物は、参照により本明細書に援用される。
【0150】
アルデヒド香味料の更なる例としては、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(リコリス、アニス)、桂皮アルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわちα-シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわちβ-シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわちピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α-アミルシンナムアルデヒド(スパイシーフルーティフレーバー)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(修飾、多くの種類)、デカナール(柑橘類)、アルデヒドC-8(柑橘類)、アルデヒドC-9(柑橘類)、アルデヒドC-12(柑橘類)、2-エチルブチルアルデヒド(液果類)、ヘキセナール、すなわちトランス-2(液果類)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、すなわちメロナール(メロン)、2,6-ジメチルオクタナール(未熟果)および2-ドデセナール(柑橘、マンダリン)、サクランボ、ブドウ、イチゴのショートケーキ、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。香味料のこれらのリストは、例示にすぎず、一般に「香味料」という用語または本開示の範囲のいずれかを限定することを意図するものではない。
【0151】
幾つかの実施形態では、香味料は、液体形態および/または乾燥形態のいずれかで用いられ得る。後者の形態で用いる場合、油の噴霧乾燥等の好適な乾燥手段を用いることができる。代替的には、香味料をセルロース、デンプン、糖、マルトデキストリン、アラビアゴム等の水溶性物質に吸着させてもよく、またはカプセル化してもよい。かかる乾燥形態を調製するための実際の手法は、よく知られている。
【0152】
幾つかの実施形態では、卓上用甘味料はブラウンシュガーのようにすることができる。かかる実施形態では、ブラウンノート(brown notes)を付与する化合物を組成物に添加し、ブラウンシュガーにより類似した味にすることができる。
【0153】
幾つかの実施形態では、風味の初期バーストおよび/または風味の長時間の感覚をもたらすために、香味料を当該技術分野で既知の多くの異なる物理的形態で使用することができる。限定されるものではないが、かかる物理的形態には、噴霧乾燥、粉末、ビーズ形態、カプセル化形態およびそれらの混合物等の自由形態が含まれる。
【0154】
好適な増量剤としては、マルトデキストリン(10DE、18DEまたは5DE)、コーンシロップ固形物(20または36DE)、スクロース、フルクトース、グルコース、転化糖、ソルビトール、キシロース、リブロース、マンノース、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、エリトリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、マルトース、タガトース、ラクトース、イヌリン、グリセロール、プロピレングリコール、ポリオール、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、セルロースおよびセルロース誘導体等、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、グラニュー糖(スクロース)、または結晶フルクトース等の他のカロリー甘味料、他の炭水化物、または糖アルコールは、顕著なカロリーを加えることなく良好な含量均一性をもたらすことから、増量剤として使用することができる。
【0155】
一実施形態では、少なくとも1つの増量剤は、米国特許第8,993,027号明細書に記載されている増量剤であり得る。
【0156】
一実施形態では、少なくとも1つの増量剤は、米国特許第6,607,771号明細書に記載されている増量剤であり得る。
【0157】
一実施形態では、少なくとも1つの増量剤は、米国特許第6,932,982号明細書に記載されている増量剤であり得る。
【0158】
幾つかの実施形態では、卓上用甘味料組成物は、少なくとも1つの固化防止剤をさらに含み得る。本明細書で使用される場合、「固化防止剤」および「流動剤」という表現は、少なくとも1つの甘味料が別の甘味料分子に付着、結合、または接触することを防止、低減、阻害または抑制する任意の組成物を指す。代替的には、固化防止剤は、含量均一性および均一な溶解に役立つ任意の組成物を指すことがある。固化防止剤の非限定的な例としては、酒石英、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、微結晶性セルロース(Avicel、FMC BioPolymer,Philadelphia,Pa.)およびリン酸三カルシウムが挙げられる。一実施形態では、固化防止剤は、卓上用甘味料組成物の約0.001~約3重量%の量で卓上用甘味料組成物中に存在する。
【0159】
幾つかの実施形態では、前述の態様およびその実施形態のいずれかの甘味料組成物は、フレーバーまたは香料化合物をカプセル化するための典型的な手段を用いてカプセル化される。かかる技術の非限定的な例は、米国特許出願公開第2016/0235102号明細書、米国特許出願公開第2019/0082727号明細書、米国特許出願公開第2018/0369777号明細書、米国特許出願公開第2018/0103667号明細書、米国特許出願公開第2016/0346752号明細書、米国特許出願公開第2015/0164117号明細書、米国特許出願公開第2014/0056836号明細書、米国特許出願公開第2012/0027866号明細書、米国特許出願公開第2010/0172945号明細書および米国特許出願公開第2007/0128234号明細書、ならびに米国特許第7,488,503号明細書、米国特許第6,416,799号明細書、米国特許第5,897,897号明細書、米国特許第5,786,017号明細書、米国特許第5,603,971号明細書、米国特許第4,689,235号明細書、米国特許第4,610,890号明細書、米国特許第3,704,137号明細書、米国特許第3,041,180号明細書および米国特許第2,809,895号明細書に記載されている。前述の特許公報および特許は全て、その全体が本明細書に記載されているかのように参照により本明細書に援用される。
【0160】
[非動物性タンパク質材料およびそれから作製される製品]
肉または乳製品を置換または代替することを意図した製品は、肉または乳製品の食感および風味を模倣するために植物、藻類または真菌に由来する繊維およびタンパク質等の様々な非動物性材料に依存することが多い。かかる植物性タンパク質の非限定的な例としては、ダイズタンパク質、エンドウマメタンパク質、インゲンマメタンパク質、穀物タンパク質等が挙げられる。かかる植物由来の材料と動物由来の材料との組成の差異、例えばグルタミン酸塩含有タンパク質およびグルタチオンの欠如により、これらの製品は、消費者が従来、肉または乳製品と関連付ける旨味またはコク味を欠くことがある。
【0161】
このため、或る特定の態様では、本開示は、植物由来の材料(植物由来のデンプン、植物由来のタンパク質またはそれらの組合せ等)と、アミド化合物(上記のいずれかの態様および実施形態による)とを含む風味付き製品を提供する。幾つかの更なる実施形態では、風味付き製品は、アミド化合物を含有する摂取可能な組成物について上述した特徴の組合せの任意の特徴を含み得る。幾つかの実施形態では、風味付き製品は飲料、例えば豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、オーツミルク、プロテインドリンク、食事代替飲料、または他の同様の製品である。幾つかの他の実施形態では、風味付き製品は食事代替品、例えば植物由来の鶏肉製品(植物由来のチキンナゲット等)、植物由来の牛肉製品(植物由来のバーガー等)等である。幾つかの他の実施形態では、風味付き製品はプロテインパウダー、食事代替パウダー、コーヒーまたは紅茶用の植物由来のクリーム等である。或る特定の更なる実施形態では、任意のかかる風味付き製品は、かかる製品の調製および/または製造に通常使用されるような付加的な成分を含有し、付加的な特徴を有する。例えば、かかるアミド化合物(上記の実施形態のいずれかによる)は、関連技術分野で既知の技術に従って他のフレーバーおよび味覚改変剤と組み合わせてもよく、さらには或る特定の材料にカプセル化してもよい。アミド化合物の好適な濃度は上述している。
【0162】
上記の実施形態に類似した幾つかの更なる実施形態では、藻類または菌類源に由来するタンパク質またはデンプンを、植物性デンプンまたはタンパク質の代わりにまたはそれと組み合わせて使用することができる。
【0163】
[非肉タンパク質材料およびそれから作製される製品]
或る特定の非肉動物性タンパク質、例えば乳タンパク質、および骨ブロスに由来するタンパク質は、食品製品に一般に使用され、或る特定のプロテインパウダーの主成分としても販売されている。かかるタンパク質は、消費者が望み得る完全な旨味またはコク味を欠いた風味を付与することがある。これは特にタンパク質分離物、例えばホエイタンパク質、コラーゲンタンパク質、カゼインタンパク質等のタンパク質分離物に当てはまる。このため、本開示は、非肉動物性タンパク質と、アミド化合物(上記のいずれかの態様および実施形態による)とを含む摂取可能な組成物を提供する。アミド化合物は、本開示の前節に記載される実施形態に従う任意の好適な組合せで存在し得る。幾つかの実施形態では、非肉動物性タンパク質は骨タンパク質、例えばウシ、ブタ、ロバ、ウマ、ニワトリ、カモ、ヤギ、ガチョウ、ウサギ、子ヒツジ、ヒツジ、スイギュウ、ダチョウ、ラクダ等の動物の骨に由来するコラーゲンタンパク質である。幾つかの実施形態では、非肉動物性タンパク質はホエイタンパク質、カゼインタンパク質、またはそれらの任意の組合せ等の乳タンパク質である。乳はウシ、ロバ、ウマ、ヒツジ、スイギュウ、ラクダ等の任意の好適な動物の乳であり得る。
【0164】
アミド化合物は、動物の乳または動物の乳に由来する材料を含む或る特定の食品または飲料製品に含まれていてもよい。かかる製品には、チーズ、チーズスプレッド、ヨーグルト、ケフィア、牛乳、加工乳製品、カッテージチーズ、サワークリーム、バター等が含まれる。
【0165】
[調製方法]
本明細書に開示される化合物は、下記の方法またはこれらの方法の修正によって合成することができる。方法論を修正する方法には、特に、当業者に既知の温度、溶媒、試薬等が含まれる。概して、本明細書に開示される化合物を調製するプロセスのいずれにおいても、関係する分子のいずれかの感受性または反応性基を保護することが必要であるか、または望ましい場合がある。
【実施例
【0166】
本発明をさらに説明するために、以下の例が含まれる。実施例は当然ながら、本発明を特に限定すると解釈すべきではない。特許請求の範囲内のこれらの実施例の変形形態は、当業者の専門内であり、本明細書に記載され、特許請求される本発明の範囲に含まれるとみなされる。本開示および当該技術分野における技術を身につけた当業者が網羅的な実施例なしに本発明を調製し、使用可能であることが読者には認識される。
【0167】
(実施例1:エチル(E)-(4-メチルペンタ-2-エノイル)-L-ロイシネートの合成)
【化8】
【0168】
ジクロロメタン(DCM)(20mL)中の(E)-4-メチル-2-ペンテン酸(180μL、1.5mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)(287.6mg、1.5mmol)およびtert-ブタノール(HOBt)(202.7mg、1.5mmol)の混合物に、L-ロイシンエチル塩酸塩(294mg、1.5mmol)およびDCM(5mL)中のトリエチルアミン(314μL、2.25mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、ロタバップで濃縮した。残渣を酢酸エチル(EtOAc)で希釈し、0.5N HCl溶液、飽和NaHCO溶液、水、ブラインで順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムで精製した。純粋なフラクションを合わせ、減圧下で蒸発させ、表題化合物を白色固体として得た(365mg、収率95%)。
【0169】
【化9】
【0170】
表1の他の化合物はすべて、適切なアミノ酸およびカルボン酸を用いて同様に製造し、ストレートなアミド形成を行った。
【0171】
[実施例2-化合物の試験]
化合物101~183の各々を上記の実施例1に記載の一般的手順の1つに従って合成した。その後、T1R旨味受容体を発現する細胞を有するin vitro細胞ベースアッセイにおいて化合物を試験した。用量-結合曲線を記録し、MSG結合の増強についてEC50を決定した。特定の試験化合物について算出したEC50値および特定の濃度におけるMSG増強率を表2に記載する。
【0172】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
図1
【国際調査報告】