(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】シリコンフォトニクスにおける薄膜光学材料のインテグレーションのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/03 20060101AFI20241128BHJP
G02B 6/13 20060101ALI20241128BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G02F1/03 505
G02B6/13
G02B6/12 371
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531599
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 US2022050622
(87)【国際公開番号】W WO2023101856
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524059674
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】クオ,ピン ピウ
【テーマコード(参考)】
2H147
2K102
【Fターム(参考)】
2H147AB02
2H147AB05
2H147EA13A
2H147EA14A
2H147FC04
2H147FC07
2H147FD01
2H147FD15
2K102AA01
2K102AA21
2K102BA01
2K102BB01
2K102BB04
2K102BB07
2K102BC04
2K102BD01
2K102CA28
2K102DA04
2K102DD03
2K102DD05
2K102EA02
2K102EA08
2K102EB22
(57)【要約】
フォトニクススタックを製造する方法は、シリコン基板(306、366)と、酸化物層(308、368)と、1つ以上の活性デバイス(128、228)を有するエピタキシャルシリコン層(310、370)と、を含むシリコンフォトニクス構造(302、362)を用意することを含む。当該方法はまた、インタポーザ構造(106、206、304、364)を用意することと、シリコンフォトニクス構造とインタポーザ構造を付着させることと、を含む。当該方法は更に、シリコンフォトニクス構造からシリコン基板を除去することと、シリコンフォトニクス構造から酸化物層の少なくとも一部を除去することと、を含む。加えて、当該方法は、シリコンフォトニクス構造上または内に薄膜ニオブ酸リチウムクーポン(104、204、320、380)を配置することと、光学材料(108、208、332、392)で薄膜ニオブ酸リチウムクーポンを封止することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の平面内に配置されたシリコン導波管構造と、
複数の変調器電極であって、当該変調器電極の各々の少なくとも一部が、前記第1の平面内に配置される、複数の変調器電極と、
前記第1の平面に隣接する第2の平面に配置された光学材料と、
を備えたフォトニクスデバイス。
【請求項2】
前記光学材料は、非線形光学材料を含む、請求項1に記載のフォトニクスデバイス。
【請求項3】
前記非線形光学材料は、ニオブ酸リチウムを含む、請求項2に記載のフォトニクスデバイス。
【請求項4】
1つ以上の活性デバイスを更に備えた、請求項1に記載のフォトニクスデバイス。
【請求項5】
前記1つ以上の活性デバイスは、1つ以上のゲルマニウムベースのダイオードを含む、請求項4に記載のフォトニクスデバイス。
【請求項6】
前記1つ以上の活性デバイスは、少なくとも1つの高ドープn-領域及び少なくとも1つの高ドープp-領域を含む、請求項4に記載のフォトニクスデバイス。
【請求項7】
前記光学材料は、リン化インジウムデバイスの少なくとも一部を形成する、請求項1に記載のフォトニクスデバイス。
【請求項8】
1つ以上の活性デバイスを更に備えた、請求項7に記載のフォトニクスデバイス。
【請求項9】
前記1つ以上の活性デバイスは、1つ以上のゲルマニウムベースのダイオードを含む、請求項8に記載のフォトニクスデバイス。
【請求項10】
前記1つ以上の活性デバイスは、少なくとも1つの高ドープn-領域及び少なくとも1つの高ドープp-領域を含む、請求項8に記載のフォトニクスデバイス。
【請求項11】
活性デバイスを含み、第1の平面内に位置付けられたシリコン層であって、前記活性デバイスは、当該シリコン層のある横方向位置に配置される、シリコン層と、
前記第1の平面に隣接する第2の平面内に位置付けられたニオブ酸リチウム構造であって、当該ニオブ酸リチウム構造は前記横方向位置に配置される、ニオブ酸リチウム構造と、
を備えたフォトニクススタック。
【請求項12】
前記活性デバイスは、ゲルマニウムベースのダイオードを含む、請求項11に記載のフォトニクススタック。
【請求項13】
前記活性デバイスは、少なくとも1つの高ドープn-領域及び少なくとも1つの高ドープp-領域を含む、請求項11に記載のフォトニクススタック。
【請求項14】
前記シリコン層は、1つ以上の導波管を更に含む、請求項11に記載のフォトニクススタック。
【請求項15】
前記シリコン層は、1つ以上の窒化シリコン領域を更に含む、請求項11に記載のフォトニクススタック。
【請求項16】
フォトニクススタックを製造する方法であって、
シリコン基板と、酸化物層と、1つ以上の活性デバイスを有するエピタキシャルシリコン層と、を含むシリコンフォトニクス構造を用意することと、
インタポーザ構造を用意することと、
前記シリコンフォトニクス構造と前記インタポーザ構造を付着させることと、
前記シリコンフォトニクス構造から前記シリコン基板を除去することと、
前記シリコンフォトニクス構造から前記酸化物層の少なくとも一部を除去することと、
前記シリコンフォトニクス構造上または内に薄膜ニオブ酸リチウムクーポンを配置することと、
光学材料で前記薄膜ニオブ酸リチウムクーポンを封止することと、
を含む方法。
【請求項17】
前記光学材料は、前記酸化物層の屈折率に実質的に整合する屈折率を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記シリコン基板を除去することが、化学機械的研磨を使用して実行される、及び
前記酸化物層を除去することが、反応性イオンエッチングとそれに続く緩衝酸化物エッチングを使用して実行される、
のうちの少なくとも一方である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の活性デバイスは、
1つ以上のゲルマニウムベースのフォトダイオード、及び
少なくとも1つの高ドープn-領域及び少なくとも1つの高ドープp-領域、
のうちの少なくとも一方を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記エピタキシャルシリコン層は、
少なくとも1つの導波管、
少なくとも1つの窒化シリコン領域、及び
1つ以上の金属相互接続層、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記薄膜ニオブ酸リチウムクーポンは、
絶縁体層、
ハンドル基板、及び
ポリマ誘電体、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、光学システムを対象とする。より具体的には、本開示は、シリコンフォトニクスにおける薄膜光学材料のインテグレーションのためのシステム及び方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
シリコンフォトニクスにおける進歩は、多数のデバイスを包含するミリメートルスケールの光学チップの最初の実現につながってきた。それらのチップは、偏光管理、プログラム可能光学フィルタバンクの管理、ならびにディスクリート光学デバイスの性能レベルに近いまたは上回る性能レベルにおいて動作する高速変調器及びフォトディテクタなど、多様な光学機能をサポートすることができる。いくつかのケースでは、複数の導波管システムは、III-V族ベースのレーザ及び光ファイバなど、外部デバイスと連結する低損失光学系を有効にすることができる相補型金属酸化膜半導体(CMOS)製造プロセスフローによってサポートされ得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、シリコンフォトニクスにおける薄膜光学材料のインテグレーションのためのシステム及び方法に関する。
【0004】
第1の実施形態では、フォトニクスデバイスは、第1の平面内に配置されたシリコン導波管構造を含む。フォトニクスデバイスはまた、複数の変調器電極を含み、変調器電極の各々の少なくとも一部は、第1の平面内に配置される。フォトニクスデバイスは更に、第1の平面に隣接する第2の平面に配置された光学材料を含む。
【0005】
第2の実施形態では、フォトニクススタックは、活性デバイスを有し且つ第1の平面内に配置されたシリコン層を含み、活性デバイスは、シリコン層のある横方向位置に配置される。フォトニクススタックはまた、第1の平面に隣接する第2の平面内に位置付けられたニオブ酸リチウム構造を含み、ニオブ酸リチウム構造は、上記横方向位置に配置される。
【0006】
第3の実施形態では、フォトニクススタックを製造する方法は、シリコン基板、酸化物層、及び1つ以上の活性デバイスを有するエピタキシャルシリコン層と、を含むシリコンフォトニクス構造を用意することを含む。当該方法はまた、インタポーザ構造を用意することと、シリコンフォトニクス構造とインタポーザ構造を付着させることと、を含む。当該方法は更に、シリコンフォトニクス構造からシリコン基板を除去することと、シリコンフォトニクス構造から酸化物層の少なくとも一部を除去することと、を含む。加えて、当該方法は、シリコンフォトニクス構造上または内に薄膜ニオブ酸リチウムクーポンを配置することと、光学材料で薄膜ニオブ酸リチウムクーポンを封止することと、を含む。
【0007】
他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から、当業者にとって容易に明らかであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のより完全な理解のために、添付図面と併用して、以下の説明への参照がここで行われる。
【0009】
【
図1A】
図1A及び1Bは、本開示に係る、薄膜フォトニクス構造を有するフォトニクスデバイスの実施例の断面図を例示する。
【
図1B】
図1A及び1Bは、本開示に係る、薄膜フォトニクス構造を有するフォトニクスデバイスの実施例の断面図を例示する。
【
図2】本開示に係る、光学活性フォトニクス構造を有するフォトニクスデバイスの実施例の断面図を例示する。
【
図3A】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3B】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3C】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3D】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3E】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3F】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3G】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3H】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3I】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3J】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3K】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3L】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図3M】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【
図4A】
図4A及び4Bは、本開示に係る、フォトニクスデバイスのシリコンフォトニクス構造内の導波管及び変調器電極ならびに関係した詳細の実施例の図を例示する。
【
図4B】
図4A及び4Bは、本開示に係る、フォトニクスデバイスのシリコンフォトニクス構造内の導波管及び変調器電極ならびに関係した詳細の実施例の図を例示する。
【
図5A】
図5Aから5Cは、本開示に係る、シリコンフォトニクス変調器の実施例の動作特性を例示する。
【
図5B】
図5Aから5Cは、本開示に係る、シリコンフォトニクス変調器の実施例の動作特性を例示する。
【
図5C】
図5Aから5Cは、本開示に係る、シリコンフォトニクス変調器の実施例の動作特性を例示する。
【
図6A】
図6Aから6Eは、本開示に係る、例示的な光導波管及び関連する動作的特徴を例示する。
【
図6B】
図6Aから6Eは、本開示に係る、例示的な光導波管及び関連する動作的特徴を例示する。
【
図6C】
図6Aから6Eは、本開示に係る、例示的な光導波管及び関連する動作的特徴を例示する。
【
図6D】
図6Aから6Eは、本開示に係る、例示的な光導波管及び関連する動作的特徴を例示する。
【
図6E】
図6Aから6Eは、本開示に係る、例示的な光導波管及び関連する動作的特徴を例示する。
【
図7A】
図7A及び7Bは、本開示に係る、シリコンフォトニクス変調器の実施例の特性を例示する。
【
図7B】
図7A及び7Bは、本開示に係る、シリコンフォトニクス変調器の実施例の特性を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で説明される
図1Aから7B、及び本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示であるにすぎず、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。当業者は、本開示の原理がいずれかのタイプの適切に配列されたデバイスまたはシステムにおいて実装され得ることを理解するであろう。
【0011】
上記説明されたように、シリコンフォトニクスにおける進歩は、多数のデバイスを包含するミリメートルスケールの光学チップの最初の実現につながってきた。それらのチップは、偏光管理、プログラム可能光学フィルタバンクの管理、ならびにディスクリート光学デバイスの性能レベルに近いまたは上回る性能レベルにおいて動作する高速変調器及びフォトディテクタなど、多様な光学機能をサポートすることができる。いくつかのケースでは、複数の導波管システムは、III-V族ベースのレーザ及び光ファイバなど、外部デバイスと連結する低損失光学系を有効にすることができる相補型金属酸化膜半導体(CMOS)製造プロセスフローによってサポートされ得る。
【0012】
シリコンフォトニクスが光波通信において幅広い採用を経験してきた(ディスクリートのデジタル送受信機光学系がチップスケールのカウンタパートによって容易に置き換えられてきた)一方で、マイクロ波におけるシリコンフォトニクス及び/またはアナログアプリケーションの使用はわずかである。他の理由の中で、この欠陥は、シリコンフォトニクス送受信機の乏しい雑音指数(NF)によって駆動され、それは、最新のディスクリートフォトニクスマイクロ波送受信機の桁よりも少なくとも一桁高いままである。この欠陥は、(i)厳格なパワー制限を課す二光子吸収(TPA)及び(ii)シリコン変調器における自由キャリア吸収(FCA)に起因した過度な損失、から生じる。その上、シリコン変調器の本質的な非線形性は、その平方根同調特性(その位相シフトφは、V1/2に比例する)によって定義され、典型的には、歪みを抑制するために変調における著しい低減を要求し、それは、シリコンベースフォトニクスマイクロ波リンクの雑音指数を根本的に劣化させる。
【0013】
シリコンフォトニクスプラットフォームへのニオブ酸リチウム(LN)インテグレーションは、セラミック材料システムによって有効にされる線形及びパワースケーラブル変調との高密度のインテグレーションの利点の組み合わせを可能にすることができる。現在のニオブ酸リチウムインテグレーションプロセスフローは、それに続いて、TFLN基板の除去があり得る、プラズマ-活性化直接接合またはポリマアシステッド接合を介して、パターン化されたシリコン・オン・インシュレータまたは窒化シリコン・オン・インシュレータ(SOIまたはSNOI)基板の前側上に薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)チップレットを接合することを含み得る。ニオブ酸リチウム膜上または内の光導波管は、アルゴンイオンビームミリングを使用して部分的にエッチングすることによって、またはハイブリッドガイドモードを形成するようにシリコン/窒化シリコンストリップにエバネセント結合することによって形成されることができる。最終的に、変調器の無線周波数(RF)電極、任意選択で、直流(DC)バイアス電極を形成するように、TFLNの最上部で金属が堆積及びパターン化され得る。
【0014】
残念ながら、それらのアプローチは、いくつかの大きな欠点を被る。第1に、それらのアプローチは、TFLNと接合されたエリアが他の光学デバイスまたは電気デバイスを欠くことを必要とし得る。TFLN層は典型的に、低損失モード遷移ために下位にある導波管に近接する必要があり(約200ナノメートル以内)、これは、その位置におけるコンタクト及びメタライゼーションを含み得る活性フォトニクス及び電気デバイスとのTFLNのコロケーションを排除する。ニオブ酸リチウム変調器のサイズは数センチメートル程度になり得るので、この制約は、インテグレーション密度に深刻な影響を及ぼし得る。また、低い局所的金属密度は、ディッシング及び非均一なエッチングレートに起因して非均一な金属シート抵抗を生じさせ得る。低い局所的金属密度は更に、製造可能性に影響を及ぼし、チップにわたる金属密度における大きな変動は、有効な熱膨張係数(CTE)不一致に起因してなど、バック・エンド・オブ・ザ・ライン誘電体への著しいストレスを誘導してしまい得る。加えて、ディッシングに起因したTFLN接合ウインドウの近くの領域内で、著しい誘電体膜及び金属トレース厚み逸脱が発生する場合があり、それは、製造歩留りに影響を及ぼし得るとともに、性能を低下させ得る。第2に、ニオブ酸リチウム上または内で電極及び導波管が別個にパターン化されるので、高い精度で(100ナノメートル未満のアライメント公差などで)それぞれのフォトリソグラフィステップが実行される必要がある。精密なアライメントを欠くことは、著しい損失または変調器アームの間の著しい変調効率不均衡を生じさせ得る。
【0015】
本開示は、シリコンフォトニクスにおける薄膜光学材料のインテグレーションのための様々なシステム及び方法を提供する。例えば、本開示の実施形態は、シリコンフォトニクス送受信機及びプロセッサと比較して、機能性を得ることができ、雑音指数を低下させることができ、改善した線形性をもたらすことができ、及び/または改善した帯域幅性能をもたらすことができる、シリコンフォトニクスにおける非線形、活性、及び/または発光光学材料(ニオブ酸リチウムなど)のインテグレーションを可能にする。本開示の様々な実施形態では、ここで開示されるシステム及び方法は、少なくとも1桁、最新のシリコンフォトニクスデバイスのサイズ、重量、及び/またはパワー(SWaP)メトリックを低減させることができる。いくつかのケースでは、開示されるシステム及び方法は、ディスクリート光学変調器によって提供されるパワーハンドリング能力に匹敵して、シリコンフォトニクス変調器が300ミリワットを超過するパワーを扱うことを可能にすることができる。更に、本開示の実施形態は、高密度インテグレーションを可能にすることができ、それによって、最新のシリコンフォトニクス回路と同等のインテグレーション密度を達成する。
【0016】
図1A及び1Bは、本開示に係る、薄膜フォトニクス構造を有するフォトニクスデバイス100及び100’の実施例の断面図を例示する。より具体的には、
図1A及び1Bは、薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)フォトニクス構造を有するシリコンフォトニクスデバイスの実施例の断面図を例示する。
図1Aに示されるように、フォトニクスデバイス100は、シリコンフォトニクス構造102及びTFLNフォトニクス構造104を含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、TFLNフォトニクス構造104は、他の光学材料または構造と置き換えられ得、その結果、光学材料または構造は、シリコンフォトニクス構造102に光学的に結合される。例えば、フォトニクス構造104の他の実施態様は、異なる非線形光学材料を使用し得る。
【0017】
この実施例では、シリコンフォトニクス構造102は、変調器電極124、導波管126、及び1つ以上の活性デバイス128を含むことができる。変調器電極124は、シリコンフォトニクス変調器の電気接続を表し、1つ以上の金属など、いずれかの適切な導電材料(複数可)を使用して形成され得る。導波管126は、光学信号に対する経路を表し、結晶シリコン、ポリシリコン、窒化シリコン、または酸窒化シリコンなど、いずれかの適切な光学輸送材料(複数可)を使用して形成され得る。活性デバイス128は、1つ以上のゲルマニウムベースフォトダイオードまたは他の適切な半導体デバイスなど、シリコンフォトニクス構造102内で形成された1つ以上の半導体デバイスを表す。各々の活性デバイス128は、シリコンフォトニクス構造102のシリコン層内の規定された横方向位置において配置される。
【0018】
TFLNフォトニクス構造104は、シリコンフォトニクス構造102の後側に接合されることができ、またはその他の方法で付着されることができ、TFLNフォトニクス構造104に隣接した変調器電極124、導波管126、及び活性デバイス128のコロケーションを可能にする。このようにして、シリコンフォトニクスデバイスと薄膜ニオブ酸リチウムデバイスをインテグレーションする現在のアプローチと比較して、相対的に高レベルのインテグレーション密度が達成され得る。シリコンフォトニクス構造102に存在する導波管126は、ポリマ誘電体120(名前が示すように、電気絶縁ポリマを含む)を通じてなど、TFLNフォトニクス構造104内のTFLN層114に光学的に結合されることができる。TFLN層114は、ニオブ酸リチウムを使用して形成された薄膜を表すが、上述したような他の材料が使用され得る。ここでのTFLN層114は、活性デバイス(複数可)128と同一の横方向位置(複数可)に配置される。
【0019】
シリコンフォトニクス構造102に変調器電極124及び導波管126を含めることによって、光学モード127及び変調電界がセルフアラインされ得る。TFLN層114内で変調電界を生み出す変調器電極124が導波管126に近接していることを理由に、このセルフアライメントが達成され得る。TFLN層114がミスアライメントに起因してずれたとしても、光学モード127及び変調電界はなおも揃ったままであることができる。開示されるシステム及び方法における電気光学構造の本質的なセルフアライメントは、現在のアプローチに存在する平面内のミスアライメントに起因した障害を低減させる、または取り除くことができる。これは、挿入損失及び変調効率性などのシリコンフォトニクス変調器性能が、TFLNフォトニクス構造104の配置またはTFLNフォトニクス構造104と関連付けられた調整許容度の影響をあまり受けないことを可能にすることができる。この自己調整はまた、TFLNフォトニクス構造104とシリコンフォトニクス構造102との間の相対的に緩和された調整許容度を可能にすることができる。加えて、この自己調整は、シリコンフォトニクスデバイスと薄膜ニオブ酸リチウムデバイスをインテグレーションする現在のアプローチにおいて使用される正確な調整許容度を低減させる、または取り除くことができる。
【0020】
この実施例では、TFLNフォトニクス構造104はまた、ハンドル基板110及び絶縁体層112を含むことができる。絶縁体層112は、酸化物絶縁材料または他の電気的絶縁材料(複数可)を表す。いくつかの実施形態では、絶縁体層112は、埋め込み酸化シリコン(BOX)層112を表す。ハンドル基板110は、絶縁体層112にわたって位置付けられる。いくつかの実施形態では、ハンドル基板110は、半透明材料を使用して形成されるものなど、複合基板を表し得る。TFLNフォトニクス構造104は、封止層108によって封止されることができる。いくつかの実施形態では、封止層108は、1つ以上の接合ポリマ材料を使用して形成され得る。他の実施形態では、封止層108は、1つ以上の光学接着材料を使用して形成され得る。
【0021】
シリコンフォトニクス構造102はまた、絶縁体層116を含むことができ、絶縁体層116は、いずれかの適切な電気絶縁材料(複数可)を使用して形成され得る。いくつかの実施形態では、絶縁体層116は、酸化シリコンを使用して形成され得る。様々な実施形態では、TFLNフォトニクス構造104の封止層108(一部のケースで、接合ポリマ材料または光学接着材料を使用して形成され得る)は、シリコンフォトニクス構造102の絶縁体層116(一部のケースで、酸化物層を使用して形成され得る)の屈折率に合致しまたはほぼ合致する屈折率を有し得る。シリコンフォトニクス構造102はまた、光学信号を輸送するために使用されることができる少なくとも1つのアンドープシリコン導波管118と、少なくとも1つの窒化シリコン(SiN)領域122とを含み得る。
【0022】
例示される実施形態では、活性デバイス128(少なくとも1つのゲルマニウムフォトダイオードなど)のうちの少なくとも1つは、ゲルマニウム(Ge)領域130、高ドープn-領域132、及び高ドープp-領域134を含み得る。領域132及び134は、それぞれ、適切なn型材料(複数可)及びp型材料(複数可)でドープされた半導体基板または他の構造のエリアを表す。シリコンフォトニクス構造102はまた、1つ以上の高ドープシリコン領域144を含み得る。いくつかの実施形態では、高ドープシリコン領域144は、シリサイド領域を表すことができる。加えて、シリコンフォトニクス構造102は、様々な金属層142を含むことができ、金属層142は、相互接続のために使用される。金属層142は、銅またはアルミニウムのような1つ以上の金属など、いずれかの適切な材料(複数可)を使用して形成され得る。いくつかの実施形態では、インタポーザ構造106が、シリコンフォトニクス構造102に結合され得る。インタポーザ構造106は、シリコンフォトニクス構造102の様々な電極(変調器電極124を含む)を半田バンプ138または他の電気接続に電気的に接続することができる、シリコン貫通ビア(TSV)136または他の導電ビアを含むことができる。いくつかのケースでは、半田バンプ138は、モジュール基板140に電気及び機械的接続をもたらすことができ、モジュール基板140は、いずれかの適切な材料(複数可)を使用して形成され得、フォトニクスデバイス100の様々な構成要素を担持するために使用され得る。
【0023】
図1Bに示されるように、フォトニクスデバイス100’は、
図1Aのフォトニクスデバイス100と同様である。しかしながら、
図1Bでは、いくつかの実施形態において、絶縁体層116は、完全に除去され得る。この特定の構成では、シリコンフォトニクス構造102の後側での平坦化した接合表面または他の付着表面を形成するように、絶縁体層116がシリコンフォトニクス構造102から完全に除去される。
【0024】
図2は、本開示に係る、光学活性フォトニクス構造を有するフォトニクスデバイス200の実施例の断面図を例示する。
図2に示されるように、フォトニクスデバイス200は、フォトニクスデバイス200のコンテキストにおいて光学的ゲインをもたらすことができる、シリコンフォトニクス構造202及び光学活性フォトニクス構造204を含むことができる。例として、光学活性フォトニクス構造204は、少なくとも1つのリン化インジウム(InP)スタック214を含み得る。
【0025】
シリコンフォトニクス構造202は、少なくとも1つの導波管226及び1つ以上の活性デバイス228を含むことができる。各々の導波管226は、光学信号に対する経路を表し、ポリシリコン、窒化シリコン、または酸窒化シリコンなど、いずれかの適切な光学輸送材料(複数可)を使用して形成され得る。活性デバイス228は、1つ以上のゲルマニウムベースフォトダイオードまたは他の適切な半導体デバイスなど、シリコンフォトニクス構造202内で形成された1つ以上の半導体デバイスを表す。各々の活性デバイス228は、シリコンフォトニクス構造202のシリコン層内の規定された横方向位置において配置される。
【0026】
光学活性フォトニクス構造204は、シリコンフォトニクス構造202の後側に接合されることができ、またはその他の方法で付着されることができ、光学活性フォトニクス構造204に隣接した導波管(複数可)226及び活性デバイス228のコロケーションを可能にする。このようにして、シリコンフォトニクスデバイスと光学活性フォトニクスデバイスをインテグレーションする現在のアプローチと比較して、相対的に高レベルのインテグレーション密度が達成され得る。シリコンフォトニクス構造202に存在する導波管(複数可)226は、少なくとも1つのハイブリッドInP-Si導波管229を形成するようにInPスタック(複数可)214に光学的に結合されることができる。シリコンフォトニクス構造202にディープ-シリコンビア(DSV)224または他の導電ビア及び導波管(複数可)226を含めることによって、光学モード227は、ゲイン、位相変調、または振幅変調を受けることができる。
【0027】
光学活性フォトニクス構造204は、ベンゾシクロブテン(BCB)などのポリマ層212と、光学活性フォトニクス構造204に対する電気相互接続をもたらす相互接続層205とを含むことができる。光学活性フォトニクス構造204は、封止層208内で封止され得る。いくつかの実施形態では、封止層208は、1つ以上の接合ポリマ材料を使用して形成され得る。他の実施形態では、封止層208は、1つ以上の光学接着材料を使用して形成され得る。
【0028】
シリコンフォトニクス構造202は、絶縁体層216を含むことができ、絶縁体層216は、いずれかの適切な電気絶縁材料(複数可)を使用して形成されることができる。いくつかの実施形態では、絶縁体層216は、酸化シリコンを使用して形成され得る。様々な実施形態では、封止層208(一部のケースで、光学活性フォトニクス構造204の接合ポリマ材料または光学接着材料を使用して形成され得る)は、シリコンフォトニクス構造202の絶縁体層216(一部のケースで、酸化物層を使用して形成され得る)の屈折率に合致しまたはほぼ合致する屈折率を有し得る。シリコンフォトニクス構造202はまた、光学信号を輸送するために使用され得る少なくとも1つのアンドープシリコン導波管218と、少なくとも1つの窒化シリコン領域222とを含み得る。
【0029】
例示される実施形態では、活性デバイス228(少なくとも1つのゲルマニウムフォトダイオードなど)のうちの少なくとも1つは、ゲルマニウム領域230、高ドープn-領域232、及び高ドープp-領域234を含み得る。領域232及び234は、それぞれ、適切なn型材料(複数可)及びp型材料(複数可)でドープされた半導体基板または他の構造のエリアを表す。シリコンフォトニクス構造202はまた、1つ以上の高ドープシリコン領域244を含み得る。いくつかの実施形態では、高ドープシリコン領域244は、シリサイド領域を表すことができる。加えて、シリコンフォトニクス構造202は、様々な金属層242を含むことができ、金属層242は、相互接続のために使用される。金属層242は、銅またはアルミニウムのような1つ以上の金属など、いずれかの適切な材料(複数可)を使用して形成され得る。いくつかの実施形態では、インタポーザ構造206が、シリコンフォトニクス構造202に結合されることができる。インタポーザ構造206は、シリコンフォトニクス構造202の様々な電極(ディープ-シリコンビア224を含む)を半田バンプ238または他の電気接続に電気的に接続することができる、シリコン貫通ビア206または他の導電ビアを含むことができる。いくつかのケースでは、半田バンプ238は、モジュール基板240に電気及び機械的接続をもたらすことができ、モジュール基板240は、いずれかの適切な材料(複数可)を使用して形成され得、フォトニクスデバイス200の様々な構成要素を担持するために使用され得る。
【0030】
図1A、1B、及び2は、フォトニクスデバイス100、100’、200の断面図の実施例を例示するが、様々な変更が
図1A、1B、及び2に行われ得る。例えば、各々のフォトニクスデバイス100、100’、200は、いずれかの適切な配置においていずれかの適切な数の例示された構成要素の各々を含み得る。また、特定の必要性により、各々のフォトニクスデバイス100、100’、200の1つ以上の構成要素が省略され得、または1つ以上の追加の構成要素が追加され得る。加えて、フォトニクスデバイス100、100’、200及びそれらの個々の構成要素の様々なサイズ、形状、及び寸法は、必要に応じてまたは要求に応じて様々であることができる。
【0031】
図3Aから3Mは、本開示に係る、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。より具体的には、
図3Aから3Fは、第1のフォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示し、
図3Gは、フォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示し、
図3Hから3Mは、第2のフォトニクススタックを製造するための実施例の技術を例示する。
【0032】
図3Aに示されるように、完全に加工されたシリコンフォトニクスウェーハ302及びインタポーザウェーハ304が接合されることができ、またはその他の方法で付着されることができる。当業者によって明白であるように、シリコンフォトニクスウェーハ302の活性領域(複数可)がインタポーザウェーハ304と対向するように(または、その逆)、シリコンフォトニクスウェーハ302が製造されることができ、次いで反転されることができる。シリコンフォトニクスウェーハ302は、活性デバイス及び不活性デバイスと共に、シリコン基板306、酸化物層308(埋め込み酸化物層など)、及びシリコン層310(エピタキシャルシリコン層など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、インタポーザウェーハ304は、シリコン貫通ビア309または他の導電ビアを含み得る。他の実施形態では、インタポーザウェーハ304は、TSVを含んでいなくてもよく、シリコンフォトニクスウェーハ302内にTSVまたは他の導電ビアが形成され得る。インタポーザウェーハ304は、機械的支持をもたらすために使用されることができ、シリコン貫通ビア309または他の導電ビアは、シリコンフォトニクスウェーハ302内の様々な電極を伴う電気接続のために使用されることができる。
【0033】
図3Bに示されるように、シリコンフォトニクスウェーハ302及びインタポーザウェーハ304は、機械的に分離不能で電気的に接続されたスタック312を形成するように、接合されることができ、またはその他の方法で付着されることができる。
図3Bはまた、化学機械的研磨(CMP)工程314を使用することによってなどの、シリコンフォトニクスウェーハ302のシリコン基板306の除去を例示する。しかしながら、研削工程または他の適切な工程など、いずれかの他の適切な工程が、シリコン基板306を除去するために使用され得ることに留意されたい。この実施例の実施形態では、シリコン基板306に対する除去工程は、酸化物層308とシリコン基板306との間の界面で停止することができる。
【0034】
図3Cに示されるように、フォトレジスト層316が堆積及びパターン化され、酸化物層308内の受けウインドウ319を開放するために、プラズマエッチング工程または他の適切なエッチング工程318が利用される。エッチング工程318は、受けウインドウ319を形成するように、少なくとも1つのロケーション内の酸化物層308の少なくとも一部を除去する。いくつかの実施形態では、エッチング工程318の後に、例えば、受けウインドウ319内に、約100ナノメートル未満の厚みを有し得る、薄い酸化物層が残る。しかしながら、残る酸化物層の厚みについての他の値が使用されることができる。また、いくつかの実施形態では、酸化物層308の例示される部分を除去することは、反応性イオンエッチングとそれに続く緩衝酸化物エッチング工程などの優先的なエッチング工程によって実行され得る。
図3Cに例示されるように、受けウインドウ319のエッチングの間に、構造の残りをマスクするためにフォトレジスト層316が使用される。
【0035】
図3Dに示されるように、結果として生じるフォトニクススタック330に1つ以上のTFLNチップレット320を付着するための接合工程または他の付着工程が示される。
図3Dに例示されるように、付着の前に、TFLNウェーハは、接合ポリマ層328により被覆され得、TFLNチップレット320にダイス加工され得る。いくつかの実施形態では、接合ポリマ層328の厚みは、例えば、約40ナノメートル~約100ナノメートルであり得る。しかしながら、他の適切な厚み値が使用されることができる。様々な実施形態では、接合ポリマ層328は、ベンゾシクロブテンなどのいずれかの適切なポリマ材料(複数可)を含むことができる。各々のTFLNチップレット320は、基板322と、少なくとも1つの誘電材料(酸化シリコンなど)を使用して形成された誘電体層324と、薄膜ニオブ酸リチウム層326と、接合ポリマ層328とを含むことができる。いくつかの実施形態では、各々のTFLNチップレット320は、例えば、約1ミリメートル~約2ミリメートルの長さを有することができる。しかしながら、他の適切な長さが使用されることができる。
図3Dに示される実施形態では、TFLNチップレット320が選択され、受けウインドウ319の中に配置され、TFLNチップレット320はその後、フォトニクススタック330に圧着され、またはその他の方法で付着される。しかしながら、他の実施形態では、直接接合の使用を通じてなど、接合ポリマ層328なしに、TFLNチップレット320がフォトニクススタック330に接合され得ることに留意されたい。
【0036】
この時点で、TFLNチップレット320とフォトニクススタック330との間に電気接続が存在し得ない。いくつかの実施形態では、薄い酸化物の層(酸化物層308の薄い部分など)が、受けウインドウ319内に残り得る。しかしながら、この薄い酸化物の層は、少なくとも有意な程度には、その後確立される電界に影響を及ぼさないとし得る。フォトニクススタック330にTFLNチップレット320をアライメントするためのアライメント許容度は、相対的に緩和され得る。例えば、いくつかの実施形態では、アライメント許容度は、±5ミクロンであることができる。開示されるシステム及び方法では、変調器電極及び導波管がシリコンフォトニクス構造内で形成され、よって、結果として生じる光学系及び電界がアライメントされることを理由に、それらの相対的に緩和されたアライメント許容度が達成可能である。フォトニクススタック330へのTFLNチップレット320のミスアライメントが、再度少なくとも有意な程度には、光学系及び電界の調整に影響を及ぼさないので、これは、TFLNチップレット320が導波管に関して相対的に緩和されたアライメント許容度を有することを可能にすることができる。
【0037】
図3Eに示されるように、受けウインドウ319は、近赤外線(NIR)透過ポリマまたは他のポリマ332などにより封止され、近赤外線透過ポリマまたは他のポリマ332は、受けウインドウ319及びTFLNチップレット320の側壁と酸化物層308との間のロケーションを充填する。いくつかの実施形態では、光学接着剤と称され得る、ポリマ332の屈折率は、酸化物層308の屈折率に合致することができまたはほぼ合致することができる。特定の実施例として、両方は、約1.4~約1.6の屈折率を有し得る。
図3Fに示されるように、接合ウェーハ331上に半田バンプ334が形成されることができる。いくつかのケースでは、半田バンプウェーハ331は、ダイシングされ又はその他の方法で分割されて、モジュール基板336に接続され得る。
【0038】
図3Aから3Fに例示された特定のステップは、本開示に係る、第1のシリコンフォトニクススタックを製造するための特定の技術を提供することを認識されるべきである。しかしながら、他のステップのシーケンスも、本開示の他の実施形態により実行され得る。例えば、本開示の他の実施形態は、異なる順序において上記概説されたステップを実行し得る。その上、
図3Aから3Fに例示された個々のステップのいずれかまたは全ては、個々のステップ(複数可)に適切であるとして様々なシーケンスにおいて実行され得る複数のサブステップを含み得る。更に、特定の用途に応じて、追加のステップが追加され得、またはステップが除去され得る。当業者は、多くの変形物、修正物、及び代替物を認識するであろう。
【0039】
図3Gに示されるように、フォトニクススタックを製造する方法は、ステップ340において、1つ以上の活性デバイスを有する、シリコン基板、酸化物層、及びシリコン層を含むものなど、シリコンフォトニクス構造を設けることを含む。
図1Aに例示されるように、シリコンフォトニクス構造102は、1つ以上のゲルマニウム領域130、1つ以上の高ドープn-領域132、及び1つ以上の高ドープp-領域134を有する1つ以上のゲルマニウムフォトダイオードなど、1つ以上の活性デバイス128を含むことができる。シリコンフォトニクス構造102はまた、シリサイド領域などの高ドープシリコン領域144を含み得る。シリコンフォトニクス構造102は更に、ポリシリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、または光導波管形成のために適切な他の誘電材料(複数可)を含み得る。シリコンフォトニクス構造102は、相互接続のために使用される様々な金属及び導電薄膜層を含むことができる。
【0040】
ステップ342において、インタポーザ構造が設けられ、ステップ344において、シリコンフォトニクス構造が、インタポーザ構造に接着され、またはその他の方法で付着される。
図1Aに例示されるように、例えば、インタポーザ構造106は、半田バンプにシリコンフォトニクス構造102内の様々な電極を接続するために使用されるTSV136または他の導電ビアを含むことができる。ステップ346において、シリコン基板がシリコンフォトニクス構造から除去され、ステップ348において、受けキャビティを定義するように、埋め込み酸化物層または他の酸化物層の少なくとも1つの部分がシリコンフォトニクス構造から除去される。いくつかの実施形態では、シリコン基板306を除去することは、化学機械研磨工程を使用して実行される。また、いくつかの実施形態では、埋め込み酸化物層または他の酸化物層308を除去することは、反応性イオンエッチングとそれに続く緩衝酸化物エッチングを使用して実行される。
【0041】
ステップ350において、薄膜ニオブ酸リチウムクーポン(TFLNチップレット320など)が受けキャビティ内に配置され、ステップ352において、受けキャビティが光学接着剤により封止される。いくつかの実施形態では、薄膜ニオブ酸リチウムクーポンは、埋め込み酸化シリコン層などの絶縁体層と、ハンドル基板とを含むことができる。封止接着剤は、シリコンフォトニクス構造102の絶縁体層の屈折率に合致しまたはほぼ合致する屈折率を有し得る。
【0042】
図3Gに例示される特定のステップは、本開示に係る、シリコンフォトニクススタックを製造するための特定の技術を提供することを認識されるべきである。しかしながら、他のステップのシーケンスも、本開示の他の実施形態により実行され得る。例えば、本開示の他の実施形態は、異なる順序において上記概説されたステップを実行し得る。その上、
図3Gに例示された個々のステップのいずれかまたは全ては、個々のステップ(複数可)に適切であるとして様々なシーケンスにおいて実行され得る複数のサブステップを含み得る。更に、特定の用途に応じて、追加のステップが追加され得、またはステップが除去され得る。当業者は、多くの変形物、修正物、及び代替物を認識するであろう。
【0043】
図3Hに示されるように、完全に加工されたシリコンフォトニクスウェーハ362及びインタポーザウェーハ364が接合されることができ、またはその他の方法で付着されることができる。当業者によって明白であるように、シリコンフォトニクスウェーハ362の活性領域(複数可)がインタポーザウェーハ364と対向するように(または、その逆)、シリコンフォトニクスウェーハ362が製造され得、次いで反転され得る。シリコンフォトニクスウェーハ362は、活性デバイス及び不活性デバイスと共に、シリコン基板366、酸化物層368(埋め込み酸化物層など)、及びシリコン層370(エピタキシャルシリコン層など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、インタポーザウェーハ364は、シリコン貫通ビア369または他の導電ビアを含み得る。他の実施形態では、インタポーザウェーハ364は、TSVを含んでいなくてもよく、シリコンフォトニクスウェーハ362内にTSVまたは他の導電ビアが形成されることができる。インタポーザウェーハ364は、機械的支持をもたらすために使用されることができ、シリコン貫通ビア369または他の導電ビアは、シリコンフォトニクスウェーハ362内の様々な電極を伴う電気接続のために使用されることができる。
【0044】
図3Iに示されるように、シリコンフォトニクスウェーハ362及びインタポーザウェーハ364は、機械的に分離不能で電気的に接続されたスタック372を形成するように、接合されることができ、またはその他の方法で付着されることができる。
図3Iはまた、化学機械的研磨工程374を使用することによってなどの、シリコンフォトニクスウェーハ362のシリコン基板366の除去を例示する。しかしながら、研削工程または他の適切な工程など、いずれかの他の適切な工程が、シリコン基板366を除去するために使用され得ることに留意されたい。この実施例の実施形態では、シリコン基板366は、工程374によって除去され、酸化物層368全体も、シリコンフォトニクスウェーハ362から除去され得る。
【0045】
図3Jに示されるように、結果として生じるフォトニクススタック390上に接合ポリマ層376がスピンコーティングされ、またはその他の方法で堆積されることができる。
図3Kに示されるように、フォトニクススタック390を薄膜ニオブ酸リチウムチップレット380と接合し、またはその他の方法で付着するために、接合ポリマ層376が使用され得る。いくつかの実施形態では、接合ポリマ層376の厚みは、例えば、約40ナノメートル~約100ナノメートルであることができる。しかしながら、他の適切な厚み値が使用され得る。様々な実施形態では、接合ポリマ層376は、ベンゾシクロブテンなどのいずれかの適切なポリマ材料(複数可)を含むことができる。
図3Kでは、TFLNチップレット380(または、ウェーハ)は、接合ポリマ層376を使用して、フォトニクススタック390と接合されることができ、またはその他の方法で付着されることができる。しかしながら、他の実施形態では、直接接合の使用を通じてなど、接合ポリマ層376なしに、TFLNチップレット380がフォトニクススタック390に接合され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、TFLNチップレット380は、例えば、約1ミリメートル~約2ミリメートルの長さを有することができる。しかしながら、他の適切な長さが使用され得る。
【0046】
図3Lに示されるように、接合されたフォトニクス構造は、近赤外線透過ポリマまたは他のポリマ392などにより封止される。いくつかの実施形態では、ポリマ392の屈折率は、約1.4~約1.6であることができる。また、いくつかの実施形態では、接合されたフォトニクス構造は、二酸化ケイ素のような無機誘電材料などを使用することによって封止され得る。
図3Mに示されるように、接合されたウェーハ391上に半田バンプ394が形成されることができる。いくつかのケースでは、半田バンプウェーハ391は、ダイシングされ又はその他の方法で分割されて、モジュール基板396に接続され得る。
【0047】
図3Hから3Mに例示された特定のステップは、本開示に係る、第2のシリコンフォトニクススタックを製造するための特定の技術を提供することを認識されるべきである。しかしながら、他のステップのシーケンスも、本開示の他の実施形態により実行され得る。例えば、本開示の他の実施形態は、異なる順序において上記概説されたステップを実行し得る。その上、
図3Hから3Mに例示された個々のステップのいずれかまたは全ては、個々のステップ(複数可)に適切であるとして様々なシーケンスにおいて実行されることができる複数のサブステップを含み得る。更に、特定の用途に応じて、追加のステップが追加され得、またはステップが除去され得る。当業者は、多くの変形物、修正物、及び代替物を認識するであろう。
【0048】
図3Aから3Mは、フォトニクススタックを製造するための技術の実施例を例示するが、様々な変更が
図3Aから3Mに行われ得る。例えば、各々のフォトニクスデバイスは、いずれかの適切な配置においていずれかの適切な数の例示された構成要素の各々を含み得る。また、特定の必要性により、各々のフォトニクスデバイスの1つ以上の構成要素が省略され得、または1つ以上の追加の構成要素が追加され得る。更に、フォトニクスデバイス及びそれらの個々の構成要素の様々なサイズ、形状、及び寸法は、必要に応じてまたは要求に応じて様々であり得る。加えて、各々のフォトニクスデバイスを製造するために、いずれかの他の適切な技術が使用され得る。
【0049】
図4A及び4Bは、本開示に係る、フォトニクスデバイス400のシリコンフォトニクス構造内の導波管及び変調器電極、ならびに関係した詳細の実施例の図を例示する。
図4Aに示されるように、フォトニクスデバイス400は、(i)透過ポリマ402によって封止されたTFLNチップ412と、(ii)導波管408を有するシリコンフォトニクス構造404とを含むことができる。導波管408は、変調器電極410に隣接する。シリコンフォトニクス構造404はまた、「金属1」層418、「金属2」層420、及び「金属3」層422など、複数の金属層を含むことができる。金属層418、420、422は、相互接続のために、及び変調器電極410への電気駆動をもたらすために使用され得る。
図4Aにおいて見ることができるように、導波管408及び変調器電極410の部分は、共通平面内に配置されることができ、TFLNチップ412は、隣接する平面内に配置され得る。
【0050】
変調器電極410は、導波管408に近接することができ、TFLNチップ412に存在する電界を生成するために使用され得る。ここで見ることができるように、変調器電極410及び導波管408がシリコンフォトニクス構造404内で形成されることを理由に、結果として生じる光学モード416及び電界406がアライメントされる。TFLNチップ412が、ミスアライメントなどに起因して位置414にずれても、光学モード416及び電界406は、なおもアライメントされたままである。したがって、開示されるシステム及び方法における電気-光学構造の本質的なセルフアライメントは、現在のアプローチに存在する平面内ミスアライメントに起因した障害を取り除くことができる。それらの障害は、例えば、増大した金属-光学モード重なりに起因した損失の増加、光学モード及び電界ミスアライメントに起因した有効なインデックス変調の低減、ならびに入力横方向電気及び横方向磁気(TE/TM)モードを混合TE+TMモードに変換する電界ベクトル不整合に起因した偏光及び強度変調を含み得る。例として、以前のアプローチを使用して、TFLNチップとシリコンフォトニクス構造との間の0.5ミクロンのミスアライメントは、約2.66dB/cmの損失を生み出し得る。対照的に、本開示の実施形態を使用して、TFLNチップ412とシリコンフォトニクス構造404との間の0.5ミクロンのミスアライメントは、損失をもたらさないとし得る。
【0051】
図4Bに示されるように、グラフは、
図4Aにおけるフォトニクス構造に対するミスアライメントオフセットに応じた電界強度を特定する曲線432を例示する。ここで見ることができるように、TFLNチップ412が導波管408上で中心にされる場合、これは、
図4Bにおけるゼロのミスアライメントオフセットを結果としてもたらす。
図4Bにおいて見ることができるように、電界強度は、ミスアライメントオフセットが導波管408のロケーションの±5ミクロン以内にあるロケーションにおいて、相対的に高く一定である。よって、電界強度は、導波管408の部分の周りで-5ミクロン~+5ミクロンのミスアライメントオフセット値についておおよそ140KV/mであると示される。
【0052】
図4A及び4Bは、フォトニクスデバイス400のシリコンフォトニクス構造404内の導波管408及び変調器電極410ならびに関係した詳細の図の実施例を例示するが、様々な変更が
図4A及び4Bに行われ得る。例えば、フォトニクスデバイス400は、いずれかの適切な配置においていずれかの適切な数の例示された構成要素の各々を含み得る。また、フォトニクスデバイス及びその個々の構成要素の様々なサイズ、形状、及び寸法は、必要に応じてまたは要求に応じて様々であり得る。加えて、
図4Bにおけるグラフは、例示であるにすぎず、電界強度は、フォトニクスデバイス400の特定の実施態様に基づいて容易に変わり得る。
【0053】
図5Aから5Cは、本開示に係る、シリコンフォトニクス変調器の実施例の動作特性を例示する。より具体的には、
図5Aは、1センチメートルの変調器アーム長についての周波数に応じた順電圧ゲイン係数(S
21)をプロットしたグラフを含む。S
21係数は、変調器の電気光学周波数応答を表す。
図5Aにおいて見ることができるように、S
21係数は、周波数スペクトルにわたって相対的に高い値を有し、それは、変調器の性能に対して有益である。
図5Bは、
図5Aの変調器についての周波数に応じた入力ポート反射(S
11)係数をプロットしたグラフを含む。S
11係数は変調器に提供される光学信号の入力反射を表す。
図5Bにおいて見ることができるように、S
11係数は、周波数スペクトルにわたって相対的に低い値を有する。S
11係数についての相対的に低い値は、電力効率と、反射に起因したグループ遅延変動を改善することができる。それらのグラフは、変調器の変調帯域幅が100ギガヘルツまで上がり得ることを示す。
【0054】
図5Cは、
図5Aの変調器に対するバイアス電圧に応じた位相シフトをプロットしたグラフを含む。
図5Cに例示されるように、バイアス電圧が増大するにつれて、位相シフトは、ライン508に沿って線形に増大し、最終的に約4ボルトのバイアス電圧においてπラジアン/cmの位相シフトに到達する。バイアス電圧関係に応じた位相シフトは、デバイスの電気-光学変調効率の指標である。特に、ユニット長あたりπラジアン位相シフトに到達するためにより低い電圧が使用され得るとき、デバイスがより効率的である。
図5Cに示すように、位相シフトは、バイアス電圧の相対的に低い値においてπラジアン/cmの値に到達する。
【0055】
図5Aから5Cは、シリコンフォトニクス変調器の動作特性の例を例示するが、様々な変更が
図5Aから5Cに行われ得る。例えば、
図5Aから5Cに示される動作特性は、例示であるにすぎず、シリコンフォトニクス変調器のいずれかの特定の実施態様または動作特性に本開示を限定しない。特定の実施例として、シリコンフォトニクス変調器についての変調効率の値は、
図5Cに示される結果に限定されず、様々な実施形態では、
図5Cのグラフに示されるよりも良好であり得る。
【0056】
図6Aから6Eは、本開示に係る、実施例の光導波管600及び関連する動作的特徴を例示する。ここでの光導波管600は、例えば、シリコンフォトニクス構造202においてなど、上記説明されたフォトニクスデバイスのうちの1つ以上において使用され得る。
図6Aに示されるように、光導波管600の平面図が示され、光導波管600は、シリコン導波管602、LN-Siハイブリッド導波管604、及びTFLN層606を含むことができる。この実施例では、シリコン導波管602は、LN-Siハイブリッド導波管604の真下に位置付けられ、TFLN層606のエッジは、位置608によって識別される。例示される実施形態では、導波管600が拡張及び先細る領域内で、4段階先細り(テーパー)設計が使用される。
【0057】
図6Bは、
図6Aの導波管の伝播断面内の光学フィールド強度の例を例示する。
図6Bに示すように、光学フィールド強度は、
図6Bの中心部分において最大であり、
図6Bの最上部エッジ及び底部エッジに沿って著しく弱くなる。
図6Cは、シリコン導波管602への光学モード入力の実施例の断面図を例示し、
図6Dは、ハイブリッド導波管604によって出力される光学モードの実施例の断面図を例示する。
図6C及び6Dに例示されるように、本開示の実施形態は、シリコン導波管とハイブリッド導波管モードとの間のモデル不整合と、封止ポリマ(約1.44~約1.45の屈折率nを有する)及びニオブ酸リチウム(約2.2の屈折率nを有する)の連結によって生じるインデックス不整合とを克服する能力を有する。
【0058】
図6Eは、異なる量の導波管ミスアライメントについて、波長に応じた導波管損失を例示する。
図6Eに示されるように、名目上のケースである、正確にアライメントされた導波管の実施例が曲線614によって例示される。正確にアライメントされた導波管について、導波管損失は、1500ナノメートルの波長における約0.06から変動し、1560ナノメートルの波長でわずかに減少し、1600ナノメートルの波長において約0.07dBまで増大する。曲線616は、10ミクロン(ミスアライメントの±5ミクロンなど)によるシリコン導波管に対するTFLNチップレットのミスアライメントの例を例示する。曲線614と曲線616との間の差から見られ得るように、波長範囲全体にわたるシリコン導波管とTFLNチップレットとの間のミスアライメントの値に関わらず、導波管損失における差は、0.01dB未満である。
【0059】
いくつかの実施形態では、シリコン導波管602のパワーハンドリング能力を増大させるために、PINダイオードがシリコン導波管602に導入され得る。開示されるシステム及び方法を使用すると活性デバイスがTFLNとコロケートされることができるので、PINダイオードの導入が達成されることができるのに対し、従来の技術を使用すると、禁止されないとしても、導波管へのPINダイオードの導入は困難となる。
【0060】
図6Aから6Eは、光導波管600及び関連する動作的特徴の1つの例を例示するが、様々な変更が
図6Aから6Eに行われ得る。例えば、光導波管600及びその個々の構成要素の様々なサイズ、形状、及び寸法は、必要に応じてまたは要求に応じて様々であり得る。また、
図6Bから6Eに示される動作的特徴は、例示であるにすぎず、光導波管のいずれかの特定の実施態様または動作特性に本開示を限定しない。
【0061】
図7A及び7Bは、本開示に係る、シリコンフォトニクス変調器の実施例の特性を例示する。いくつかの実施形態では、フォトニクス構造内での多層金属層の利用は、進化したマイクロ波エンジニアリング技術を可能にすることができる。例えば、
図7Aは、シリコンプッシュ-プル変調器についての周波数に応じた応答をプロットした曲線712を有するグラフを例示し、シリコンプッシュ-プル変調器は、
図1Aに示されるように実装され得、シリコンプッシュ-プル変調器は、多層金属層を利用し得る。
【0062】
図7Bは、
図1Aのシリコンプッシュ-プル変調器についての周波数に応じた入力ポート反射係数をプロットした曲線714を有するグラフを例示し、シリコンプッシュ-プル変調器は、多層金属層を再度利用する。
図7A及び7Bに示されるように、3dB帯域幅は、40ギガヘルツまで増大することができ、それは、従来の技術を使用して達成され得る帯域幅よりも30%の増大を表す。その上、シリコンフォトニクスデバイス内の多層金属が、同一平面上の導波管に沿った電気信号伝播とハイブリッド導波管における光学フィールド伝播との間のグループ速度整合に対して採用されることが可能である。
【0063】
図7A及び7Bは、シリコンフォトニクス変調器の特性の例を例示するが、様々な変更が
図7A及び7Bに行われ得る。例えば、
図7A及び7Bに示される特性は、例にすぎず、シリコンフォトニクス変調器のいずれかの特定の実施態様または特性に本開示を限定しない。
【0064】
いくつかの実施形態では、シリコンフォトニクスにおける非線形光学材料のインテグレーションのための開示されるシステム及び方法は、単一モードの導波管と変調器ハイブリッドモードとの間のモード不整合損失を著しく緩和することを可能にすることができる。いくつかのケースでは、かなりの(±10ミクロンなど)ミスアライメントが存在するときでさえ、これは、シリコン導波管とTFLN内の変調器ブロックとの間で、0.1dBの超過損失未満で98%を超えるカップリング効率を可能にし得る。その上、様々な実施形態では、開示されるシステム及び方法は、既存のシリコンフォトニクス製造フローを使用してシリコンフォトニクスにおける非線形光学材料のインテグレーションを可能にし得、それによって、既存のフォトニクスプロセス開発キット(PDK)の再利用を可能にする。更に、開示されるシステム及び方法は、高密度、多機能フォトニクス集積回路(PIC)デバイスを可能にすることができる。例えば、それらのデバイスは、それらに限定されないが、ファイバ及びレーザ連結デバイス、偏光管理デバイス、非線形損失管理導波管、導波管遷移、コヒーレント受信機、フォトディテクタ、またはデジタルシリコン変調器などを含むことができる。いくつかの実施形態では、特定用途PICは、0.1cm3の体積未満で300よりも多いデバイスを含むことができる。これは、本開示の実施形態により実装される回路によって利用される0.1cm3の体積よりも100,000倍大きい空間を現状では典型的に占有し得るものである同一の回路を実装するディスクリート光学デバイスのデバイス密度特性とは対照的である。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、シリコンフォトニクスにおける薄膜非線形光学材料のインテグレーションをサポートするようにシステム及び方法の様々なアプリケーションを実装するために、本開示のシステム及び方法への他の変更が行われ得ることを認識するであろう。
【0065】
本特許文書全体を通して使用される特定の単語及び語句の定義を記載しておくと有利な場合がある。「含む(include)」及び「備える/含む(comprise)」という用語、ならびにそれらの派生語は、制限なく含むことを意味する。「または」という用語は、包括的であり、及び/またはを意味する。「に関連する(associated with)」という語句、及びその派生語は、含む、その内に含まれる、それと相互接続する、収容する、その内に収容される、それにまたはそれと接続する、それにまたはそれと結合する、それと通信可能である、それと連携する、インターリーブする、並列する、それに最も近い、それにまたはそれとバインドされる、有する、そのプロパティを有する、それにまたはそれと関係するなどを意味することがある。「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストと共に使用される場合、リストに挙げられた項目のうちの1つまたは複数の異なる組み合せを使用してもよく、リスト内の1つの項目のみを必要とする場合があることを意味する。例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」は、次の組み合わせ、A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、ならびにA及びB及びCのいずれかを含む。
【0066】
本開示における説明は、いずれかの特定の要素、ステップ、または機能が特許請求の範囲内に含まれなければならない必須のまたは重要な要素であることを黙示するものとして読まれるべきではない。特許主題の範囲は、許可された特許請求の範囲によってのみ定義される。更に、「のための手段(means for)」または「のためのステップ(step for)」という正確な語句が特定の請求項において明示的に使用され、その後に機能を特定する分詞句が続かない限り、いずれの請求項も、添付の特許請求の範囲または請求項の要素のいずれに関しても、米国特許法第112条(f)を行使しない。請求項内の「メカニズム」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「コンポーネント」、「要素」、「部材」、「装置」、「マシン」、「システム」、「プロセッサ」、または「コントローラ」のような用語の使用は(限定ではないが)、請求項自体の特徴によってさらに修正されるまたは強化される、当業者に知られている構造体を指すことが理解され、それを指すことを意図したものであり、米国特許法第112条(f)を行使することを意図したものではない。
【0067】
本開示が特定の実施形態及び一般的に関連する方法を説明してきたが、これらの実施形態及び方法の代替形態及び置換形態は、当業者には明らかであろう。したがって、例示的な実施形態の上記の説明は、本開示を定義または制約するものではない。以下の特許請求の範囲によって定義されるような、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、及び代替も可能である。
【国際調査報告】