(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】自動食器洗浄用組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/72 20060101AFI20241128BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20241128BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20241128BHJP
C11D 3/33 20060101ALI20241128BHJP
C11D 3/36 20060101ALI20241128BHJP
C11D 3/04 20060101ALI20241128BHJP
A47L 15/42 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C11D1/72
C11D3/386
C11D1/22
C11D3/33
C11D3/36
C11D3/04
A47L15/42 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532321
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 US2022051306
(87)【国際公開番号】W WO2023101992
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナド、サウガタ
(72)【発明者】
【氏名】クロイツ、セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ブーセ、エマ
(72)【発明者】
【氏名】コーヴァン、セブリーヌ
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB19
4H003DA19
4H003DB02
4H003DC01
4H003EA15
4H003EA16
4H003EB08
4H003EB10
4H003EB12
4H003EB28
4H003EB36
4H003EC01
4H003ED02
4H003EE01
4H003FA04
4H003FA21
4H003FA43
(57)【要約】
自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20重量%~98.6重量%未満のビルダーと、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%の非イオン性界面活性剤と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満の式Iの物質であって、
【化1】
nは≧2であり、各M
+
は対イオンである、式Iの物質と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.005超~6重量%のプロテアーゼと、を含んで提供され、自動食器洗浄用組成物中のプロテアーゼの重量で割った式Iの物質の重量が、20未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動食器洗浄用組成物であって、
前記自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満のビルダーと、
前記自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%の非イオン性界面活性剤と、
前記自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満の式Iの物質であって、
【化1】
nは≧2であり、各
【数1】
は対イオンである、式Iの物質と、
前記自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.005超~6重量%のプロテアーゼと、
を含み、
前記自動食器洗浄用組成物中の前記プロテアーゼの重量で割った前記式Iの物質の重量が、20未満である、自動食器洗浄用組成物。
【請求項2】
前記自動食器洗浄用組成物が、前記自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.3超~6重量%のプロテアーゼを含有する、請求項1に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項3】
前記自動食器洗浄用組成物が、前記自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、2重量%未満の水を含有する無水配合物である、請求項2に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項4】
前記自動食器洗浄用組成物が、前記自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、2重量%未満のアルキルベンゼンスルホネートを含有する、請求項3に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項5】
前記自動食器洗浄用組成物が、前記自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、
a)以下の部分構造の1つ以上の単位を有するアミノカルボキシレート、
【化2】
b)以下の部分構造の1つ以上の単位を有するアミノホスホネート、
【化3】
c)下記式を有する化合物からなる多官能置換芳香族キレート剤、
【化4】
Aは、水素、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウムであり、式中、xは、1~3であり、少なくとも1つのRは、-SO
3H又は-COOH又はそれらの可溶性塩及びそれらの混合物であり、
及びd)それらの混合物からなる群から選択される鉄及びマンガンキレート剤を、0.1重量%未満含有する、請求項4に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項6】
前記ビルダーが、炭酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項7】
前記自動食器洗浄用組成物が、ホスフェート不含及びホスホネート不含である、請求項6に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項8】
漂白剤、漂白活性化剤、酵素、フィラー、及びこれらの混合物からなる群から選択される添加剤を更に含む、請求項7に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項9】
添加剤を更に含み、前記添加剤が漂白剤の混合物、漂白活性化剤及びアミラーゼを含む、請求項8に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項10】
自動食器洗浄機内で物品を洗浄する方法であって、
少なくとも1つの汚れた物品を提供することと、
請求項1に記載の自動食器洗浄用組成物を提供することと、
前記自動食器洗浄用組成物を、前記少なくとも1つの汚れた物品に適用して、清潔な物品を提供することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動食器洗浄用配合物に使用するための分散剤ポリマーに関する。特に、本発明は、自動食器洗浄用組成物であって、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満のビルダーと、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%の非イオン性界面活性剤と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満の式Iの物質であって、
【0002】
【0003】
【数1】
は対イオンである、式Iの物質と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.005超~6重量%のプロテアーゼと、を含み、自動食器洗浄用組成物中のプロテアーゼの重量で割った式Iの物質の重量が、20未満である、自動食器洗浄用組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
自動食器洗浄用組成物は、概して、布洗浄又は水処理のために使用されるものとは異なる洗剤組成物の分類として認識されている。自動食器洗浄用組成物は、洗浄サイクルの完了後、洗浄された物品上に斑点及び膜張りの無い外観になることを、使用者から期待されている。
【0005】
ホスフェート不含自動食器洗浄用組成物がますます望ましい。ホスフェート不含自動食器洗浄用組成物は、典型的には、非ホスフェートビルダー、例えば、クエン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、二ケイ酸塩、重炭酸塩、アミノカルボン酸塩、及び他の塩に依存して、硬水からカルシウム及びマグネシウムを捕捉し、乾燥すると不溶性の目に見える堆積物を残す。
【0006】
ポリカルボン酸塩コポリマーのファミリー、及び洗剤組成物及びすすぎ助剤組成物におけるビルダーとしてのそれらの使用は、皿又は食器洗浄機の最終すすぎ工程で使用するためのChristopherらによる米国特許第5,431,846号によって開示されている。Christopherらは、イタコン酸又はその同族体に由来するモノマー単位20~95モル%と、ビニルアルコール又は低級ビニルエステルに由来するモノマー単位5~80モル%と、を含むブロックコポリマーが、二価又は多価金属の優れたバインダーであり、洗剤組成物における、並びに機械式食器洗浄用組成物及びスケーリング防止すすぎ組成物における、潜在的に生分解性のビルダーとして有用であることを開示している。
【0007】
ターポリマーのファミリー及び、とりわけ分散剤としてのそれらの使用は、米国特許第5,191,048号においてSwiftらによって開示されている。Swiftらは、重合単位として、約15~55モルパーセントの、酢酸ビニル、ビニルエーテル、及び炭酸ビニルからなる群から選択される、少なくとも1つの第1のモノマーと、約10~70モルパーセントの、エチレン性不飽和モノカルボン酸の少なくとも1つの第2のモノマーと、約15~55モルパーセントの、ジカルボン酸無水物の少なくとも1つの第3のモノマーと、を含むターポリマーを教示しており、当該ターポリマーは、非水系で形成されて約1超パーセント未満のモノマーが、当該重合中に加水分解される。
【0008】
それにもかかわらず、新規な自動食器洗浄配合物が依然として必要とされている。特に、生物由来成分と生分解性成分とのバランスが改善された効果的な斑点/膜張り光沢性能を提供する新しい自動食器洗浄配合物が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、自動食器洗浄用組成物であって、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満のビルダーと、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%の非イオン性界面活性剤と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満の式Iの物質であって、
【0010】
【0011】
【数2】
は対イオンである、式Iの物質と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.005超~6重量%のプロテアーゼと、を含み、自動食器洗浄用組成物中のプロテアーゼの重量で割った式Iの物質の重量が、20未満である、自動食器洗浄用組成物を提供する。
【0012】
本発明は、自動食器洗浄用組成物であって、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満のビルダーと、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%の非イオン性界面活性剤と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満の式Iの物質であって、nが≧2であり、各
【0013】
【数3】
が対イオンである、式Iの物質と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.3超~6のプロテアーゼと、を含み、自動食器洗浄用組成物中のプロテアーゼの重量で割った式Iの物質の重量が、20未満である、自動食器洗浄用組成物を提供する。
【0014】
本発明は、自動食器洗浄用組成物であって、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満のビルダーと、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%の非イオン性界面活性剤と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満の式Iの物質であって、nが≧2であり、各
【0015】
【数4】
が対イオンである、式Iの物質と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.3超~6のプロテアーゼと、を含み、自動食器洗浄用組成物が、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて2重量%未満の水を含有する無水配合物であり、自動食器洗浄用組成物中のプロテアーゼの重量で割った式Iの物質の重量が20未満である、自動食器洗浄用組成物を提供する。
【0016】
本発明は、自動食器洗浄用組成物であって、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満のビルダーと、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%の非イオン性界面活性剤と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満の式Iの物質であって、nが≧2であり、各
【0017】
【数5】
が対イオンである、式Iの物質と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.3超~6のプロテアーゼと、を含み、自動食器洗浄用組成物が、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて2重量%未満の水を含有する無水配合物であり、自動食器洗浄用組成物が、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、2重量%未満のアルキルベンゼンスルホネートを含有し、自動食器洗浄用組成物中のプロテアーゼの重量で割った式Iの物質の重量が20未満である、自動食器洗浄用組成物を提供する。
【0018】
本発明は、自動食器洗浄用組成物であって、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満のビルダーと、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%の非イオン性界面活性剤と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満の式Iの物質であって、nが≧2であり、各
【0019】
【数6】
が対イオンである、式Iの物質と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.3超~6のプロテアーゼと、を含み、自動食器洗浄用組成物が、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて2重量%未満の水を含有する無水配合物であり、自動食器洗浄用組成物が、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、2重量%未満のアルキルベンゼンスルホネートを含有し、自動食器洗浄用組成物が、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、a)以下の部分構造の1つ以上の単位を有するアミノカルボキシレート、
【0020】
【化3】
b)以下の部分構造の1つ以上の単位を有するアミノホスホネート、
【0021】
【化4】
c)下記式を有する化合物からなる多官能置換芳香族キレート剤、
【0022】
【化5】
Aは、水素、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウムであり;式中、xは1~3であり、少なくとも1つのRは-SO
3H、又は-COOH、又はそれらの可溶性塩であり、及びd)それらの混合物からなる群から選択される鉄及びマンガンキレート剤を、0.1重量%未満含有する、自動食器洗浄用組成物を提供する。
【0023】
本発明は、自動食器洗浄機内で物品を洗浄する方法であって、少なくとも1つの汚れた物品を提供することと、本発明による自動食器洗浄用組成物を提供することと、自動食器洗浄用組成物を、少なくとも1つの汚れた物品に適用して、清潔な物品を提供することと、を含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
自動食器洗浄用組成物(特に、ホスフェート不含及びホスホネート不含の自動食器洗浄用組成物)に組み込まれた場合、式Iの物質とプロテアーゼ及び非イオン性界面活性剤との組み合わせは、驚くべきことに、従来の自動食器洗浄配合物と少なくとも同等である斑点形成防止/被膜形成防止光沢性能を提供する一方で、自動食器洗浄用組成物の全体的な持続可能性を有意に改善する。
【0025】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。組成物中の重量百分率(又は重量%)は、重量の、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を除外する百分率である。ポリマー中のモノマー単位の百分率は、重量の、すなわち、ポリマー乳剤中に存在する一切の水を排除した百分率である。
【0026】
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、「重量平均分子量」及び「Mw」という用語は、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)及びポリスチレン標準物などの従来の標準物を用いる従来の様式で測定された場合の重量平均分子量を指すのに互換的に使用される。GPCの技法は、Modem Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-lnterscience,1979に、及びA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84で詳細に考察されている。重量平均分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0027】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、40~85重量%、最も好ましくは、50~75重量%)のビルダー(好ましくは、ビルダーは、炭酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、及びケイ酸塩のうちの少なくとも1つを含む)と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%(好ましくは1~15重量%、より好ましくは、2~12重量%、最も好ましくは、3~10重量%)の非イオン性界面活性剤(好ましくは、非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールアルコキシレートである)と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満(好ましくは、0.5~9重量%、より好ましくは、0.7~8重量%、最も好ましくは、0.75~7.5重量%)の式Iの物質であって、
【0028】
【化6】
式中、nは、≧2(好ましくは、2~40、より好ましくは、2~25、最も好ましくは、2~10)であり、式中、各
【0029】
【0030】
【数8】
は、独立して、H
+、アルカリ金属カチオン、アンモニウム及び置換アンモニウム(例えば、テトラエチルアンモニウム)からなる群から選択され、より好ましくは、各
【0031】
【数9】
は、独立して、H
+、Na
+、Li
+、K
+及びNH
4
+からなる群から選択され、より好ましくは、各
【0032】
【数10】
は、独立して、H
+、Na
+及びK
+からなる群から選択され、最も好ましくは、各
【0033】
【数11】
は、独立して、H
+及びNa
+からなる群から選択され)(好ましくは、式Iの物質は、少なくとも400ダルトン(好ましくは、400~20000ダルトン、より好ましくは、400~1,500ダルトン)の重量平均分子量を有する)、式Iの物質と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.005超~6重量%(好ましくは、0.3超~5重量%、より好ましくは、0.4~4重量%、最も好ましくは、0.75~3.25重量%)のプロテアーゼと、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~25重量%(好ましくは5~22重量%、より好ましくは、7.5~20、最も好ましくは、10~20重量%)の漂白剤(好ましくは、漂白剤は過炭酸ナトリウムを含む)と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは0.5~8重量%、より好ましくは、1~7.5重量%、最も好ましくは、2~6重量%)の漂白活性化剤(好ましくは、漂白活性化剤はテトラアセチルエチレンジアミン(Tetraacetylethylenediamine、TAED)を含む)と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~6重量%(好ましくは0.4~5重量%、より好ましくは、0.5~3重量%、最も好ましくは、0.75~2重量%)の非プロテアーゼ酵素(好ましくは、非プロテアーゼ酵素はアミラーゼを含む)と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは0.5~8重量%、より好ましくは、1~7.5重量%、最も好ましくは、2~6重量%)のバインダー(好ましくは、バインダーはポリエチレングリコールである)と、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~75重量%のフィラーと、を含み、ここで、自動食器洗浄用組成物中のプロテアーゼの重量で割った式Iの物質の重量は、20未満(好ましくは0.1~20未満、より好ましくは、0.25~15、最も好ましくは、0.4~10)である。
【0034】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、40~85重量%、最も好ましくは、50~75重量%)のビルダーを含み、ビルダーが、炭酸塩、クエン酸塩及びケイ酸塩のうちの少なくとも1つを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、40~85重量%、最も好ましくは、50~75重量%)のビルダーを含み、ビルダーが、炭酸塩とクエン酸塩との混合物を含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、20~98.6重量%未満(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、40~85重量%、最も好ましくは、50~75重量%)のビルダーを含み、ビルダーが、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸ナトリウムの混合物を含む。炭酸塩、クエン酸塩、及びケイ酸塩の重量百分率は、金属イオンを含む塩の実重量に基づく。
【0035】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「炭酸塩」という用語は、炭酸塩、重炭酸塩、過炭酸塩、及び/又はセスキ炭酸塩のアルカリ金属又はアンモニウム塩を指す。好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用される炭酸塩(存在する場合)は、ナトリウム、カリウム、及びリチウムの炭酸塩(より好ましくは、ナトリウム又はカリウムの塩、最も好ましくは、ナトリウムの塩)からなる群から選択される。自動食器洗浄用組成物に使用される過炭酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム、リチウム、及びアンモニウムの塩(より好ましくは、ナトリウム又はカリウムの塩、最も好ましくは、ナトリウムの塩)からなる群から選択される。最も好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用される炭酸塩(存在する場合)は、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1つを含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーが炭酸塩を含む場合、自動食器洗浄用組成物は、好ましくは、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~98.6重量%(好ましくは、5~75重量%、より好ましくは、10~60重量%、最も好ましくは20~50重量%)の炭酸塩を含む。
【0036】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「クエン酸塩」という用語は、クエン酸アルカリ金属塩を指す。好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるクエン酸塩(存在する場合)は、ナトリウム、カリウム、及びリチウムのクエン酸塩(より好ましくは、ナトリウム又はカリウムの塩、最も好ましくは、ナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるクエン酸塩(存在する場合)は、クエン酸ナトリウムである。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーがクエン酸塩を含む場合、自動食器洗浄用組成物は、好ましくは、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~98.6重量%(好ましくは、5~75重量%、より好ましくは、10~60重量%、最も好ましくは20~40重量%)のクエン酸塩を含む。
【0037】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「ケイ酸塩」という用語は、ケイ酸アルカリ金属塩を指す。好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるケイ酸塩(存在する場合)は、ナトリウム、カリウム、及びリチウムのケイ酸塩(より好ましくは、ナトリウム又はカリウムの塩、最も好ましくは、ナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるケイ酸塩(存在する場合)は、二ケイ酸ナトリウムである。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーとしては、ケイ酸塩が挙げられる。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーがケイ酸塩を含む場合、自動食器洗浄用組成物は、好ましくは、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~98.6重量%(好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは、0.5~7.5重量%、最も好ましくは0.75~3重量%)のケイ酸塩を含む。
【0038】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%(好ましくは、1~15重量%、より好ましくは、2~12重量%、最も好ましくは、3~10重量%)の非イオン性界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%(好ましくは、1~15重量%、より好ましくは、2~12重量%、最も好ましくは、3~10重量%)の非イオン性界面活性剤を含み、好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレン界面活性剤、ポリアルキレングリコールエステル、多価アルコールの脂肪酸エステルのポリオキシエチレン誘導体、ポリアルコキシル化多価アルコールの脂肪酸エステル、ポリアルコキシル化天然油脂、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー、アルキルポリグルコシド、スクロースエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%(好ましくは、1~15重量%、より好ましくは、2~12重量%、最も好ましくは、3~10重量%)の非イオン性界面活性剤を含み、界面活性剤は、脂肪アルコールアルコキシレートを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.2~20重量%(好ましくは、1~15重量%、より好ましくは、2~12重量%、最も好ましくは、3~10重量%)の非イオン性界面活性剤を含み、非イオン性界面活性剤が、式IIによる脂肪アルコールアルコキシレートであり、
【0039】
【化7】
式中、wは、平均5~100(好ましくは6~75、より好ましくは、7~60、最も好ましくは、8~50)であり、R
1は、水素及び直鎖状又は分岐状C
1~20アルキル基(好ましくは、水素、及び直鎖状又は分岐状C
1~20アルキル基、より好ましくは、水素及び直鎖状C
1-20アルキル基)からなる群から選択され、R
2は、直鎖状又は分岐状C
1~20アルキル基及び直鎖状又は分岐状C
1~4ヒドロキシアルキル基(好ましくは、直鎖状又は分岐状C
1~20アルキル基、より好ましくは直鎖状C
1~20アルキル基)からなる群から選択され、各R
3は、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、及び2-メチル-2-ブチル基(好ましくは水素、メチル基、及びエチル基)からなる群から独立して選択され、但し、R
1及びR
2の炭素原子数の合計は5~21(好ましくは6~20個の炭素原子、より好ましくは7~20個の炭素原子)である。
【0040】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満(好ましくは、0.5~9重量%、最も好ましくは、0.7~8重量%、最も好ましくは、0.75~7.5重量%)の式Iの物質を含み、
【0041】
【化8】
式中、nは、≧2(好ましくは、2~40、より好ましくは、2~25、最も好ましくは、2~10)であり、式中、各
【0042】
【0043】
【数13】
は、独立して、H
+、アルカリ金属カチオン、アンモニウム及び置換アンモニウム(例えば、テトラエチルアンモニウム)からなる群から選択され、より好ましくは、各
【0044】
【数14】
は、独立して、H
+、Na
+、Li
+、K
+及びNH
4
+からなる群から選択され、より好ましくは、各
【0045】
【数15】
は、独立して、H
+、Na
+及びK
+からなる群から選択され、最も好ましくは、各
【0046】
【数16】
は、独立して、H
+及びNa
+からなる群から選択され)であり、式Iの物質は、少なくとも400ダルトン(好ましくは、400~20,000ダルトン、より好ましくは、400~1,500ダルトン)の重量平均分子量を有する。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1~10重量%未満(好ましくは、0.5~9重量%、最も好ましくは、0.7~8重量%、最も好ましくは、0.75~7.5重量%)の式Iの物質を含み、式中、nは、2~40(好ましくは、2~25、最も好ましくは、2~10)であり、式中、各
【0047】
【数17】
は、独立して、Na
+及びH
+からなる群から選択され、式Iの物質は、少なくとも400ダルトン(好ましくは、400~20000ダルトン、より好ましくは、400~1,500ダルトン)の重量平均分子量を有する。
【0048】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.005超~6重量%(好ましくは、0.3超~5重量%、より好ましくは、0.4~4重量%、最も好ましくは、0.75~3.25重量%)のプロテアーゼを含み、プロテアーゼが、セリンプロテアーゼ(EC No.3.4.21)である。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.005超~6重量%(好ましくは、0.3超~5重量%、より好ましくは、0.4~4重量%、最も好ましくは、0.75~3.25重量%)のプロテアーゼを含み、プロテアーゼが、セリンエンドペプチダーゼからなる群から選択されるセリンプロテアーゼである。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.005超~6重量%(好ましくは、0.3超~5重量%、より好ましくは、0.4~4重量%、最も好ましくは、0.75~3.25重量%)のプロテアーゼを含み、プロテアーゼは、主にサブチリシンA(EC No.3.4.21.62)のセリンエンドペプチダーゼである。
【0049】
本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意選択的に添加剤を更に含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、添加剤を更に含み、添加剤が選択される群に含まれるものとして、ホスホネート(例えば、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(Hydroxy Ethyliden Diphosphonic Acid、HEDP)、アルカリ源、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)、漂白活性化剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、漂白触媒(例えば、酢酸マンガン(II)、塩化コバルト(II)、ビス(TACN))三酸化マグネシウムジアセテート)、非プロテアーゼ酵素(例えば、アミラーゼ、リパーゼ、又はセルラーゼ)、発泡抑制剤、着色剤、香料、ケイ酸塩、追加のビルダー、抗菌剤、フィラー、堆積物制御ポリマー(例えば、ポリアルキレンオキシドポリマー)、並びにこれらの混合物が挙げられ得る。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、添加剤を更に含み、添加剤は、漂白剤、漂白活性化剤、非プロテアーゼ酵素、フィラー、堆積物制御ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。更により好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、添加剤であって、添加剤は漂白剤を含み、漂白剤は過炭酸ナトリウムを含む、添加剤と、漂白活性化剤であって、漂白活性化剤はテトラアセチルエチレンジアミン(Tetraacetylethylenediamine、TAED)を含む、漂白活性化剤と、非プロテアーゼ酵素であって、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及びこれらの混合物からなる群から選択される非プロテアーゼ酵素と、堆積物制御ポリマーであって、ポリアルキレンオキシドポリマーである、堆積物制御ポリマーと、それらの混合物と、を更に含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、添加剤であって、添加剤は漂白剤を含み、漂白剤は過炭酸ナトリウムを含む、添加剤と、漂白活性化剤であって、漂白活性化剤はテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む、漂白活性化剤と、非プロテアーゼ酵素であって、酵素がアミラーゼを含む、非プロテアーゼ酵素と、堆積物制御ポリマーであって、堆積物制御ポリマーがポリエチレングリコールポリマーである、堆積物制御ポリマー、及びそれらの混合物と、を更に含む。
【0050】
自動食器洗浄用組成物に含まれるフィラーは、好ましくは、不活性な水溶性物質であり、典型的にはナトリウム塩又はカリウム塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム)である。錠剤及び粉末では、フィラーは、典型的には、0重量%~75重量%の範囲の量で存在する。ゲル配合物に含まれるフィラーとしては、典型的には、錠剤及び粉末で使用するために言及されたものが挙げられる。
【0051】
本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意選択的にアルカリ源を更に含む。好適なアルカリ源としては、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム又は水酸化カリウム、又は上記の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。水酸化ナトリウムが好ましい。本発明の自動食器洗浄用組成物中のアルカリ源の量(存在する場合)は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、少なくとも1重量%(好ましくは少なくとも20重量%)及び最大80重量%(好ましくは最大60重量%)である。
【0052】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~25重量%(好ましくは、5~22重量%、より好ましくは、7.5~20、最も好ましくは、10~20重量%)の漂白剤を更に含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~25重量%(好ましくは、5~22重量%、より好ましくは、7.5~20、最も好ましくは、10~20重量%)の漂白剤を更に含み、漂白剤は過炭酸ナトリウムを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~25重量%(好ましくは、5~22重量%、より好ましくは、7.5~20、最も好ましくは、10~20重量%)の漂白剤を更に含み、漂白剤は、過炭酸ナトリウムである。
【0053】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~8重量%、より好ましくは、1~7.5重量%、最も好ましくは、2~6重量%)の漂白活性化剤を更に含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~8重量%、より好ましくは、1~7.5重量%、最も好ましくは、2~6重量%)の漂白活性化剤を更に含み、漂白活性化剤はテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~8重量%、より好ましくは、1~7.5重量%、最も好ましくは、2~6重量%)の漂白活性化剤を更に含み、漂白活性化剤が、テトラアセチルエチレンジアミンである。
【0054】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~6重量%(好ましくは、0.4~5重量%、より好ましくは、0.5~3重量%、最も好ましくは、0.75~2重量%)の非プロテアーゼ酵素を更に含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~6重量%(好ましくは、0.4~5重量%、より好ましくは、0.5~3重量%、最も好ましくは、0.75~2重量%)の非プロテアーゼ酵素を更に含み、当該酵素は、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~6重量%(好ましくは、0.4~5重量%、より好ましくは、0.5~3重量%、最も好ましくは、0.75~2重量%)の非プロテアーゼ酵素を更に含み、非プロテアーゼ酵素は、アミラーゼを含む。
【0055】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~8重量%、より好ましくは、1~7.5重量%、最も好ましくは、2~6重量%)のバインダーを更に含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~8重量%、より好ましくは、1~7.5重量%、最も好ましくは、2~6重量%)のバインダーを更に含み、バインダーが、エトキシル化タローアルコール、ポリアルキレンオキシド、フィルム形成ポリマー、脂肪酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。更により好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~8重量%、より好ましくは、1~7.5重量%、最も好ましくは、2~6重量%)のバインダーを更に含み、バインダーは、ポリアルキレンオキシドを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~8重量%、より好ましくは、1~7.5重量%、最も好ましくは、2~6重量%)のバインダーを更に含み、バインダーは、ポリエチレングリコール(好ましくは、1400~30000ダルトンの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールであり、より好ましくは、1,500~20,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリエチレングリコール)である。
【0056】
芳香剤、着色剤、発泡抑制剤、抗菌剤は通常、合計で自動食器洗浄用組成物の10重量%以下、あるいは5重量%以下である。
【0057】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、無水配合物である。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、2重量%未満(好ましくは、1重量%未満、より好ましくは、0.75重量%未満、最も好ましくは0.5重量%未満)の水を含有する無水配合物である。
【0058】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≦1重量%(好ましくは、≦0.5重量%、より好ましくは、0.2重量%以下、更により好ましくは、0.1重量%以下、なおも更により好ましくは、0.01重量%以下、最も好ましくは、検出限界未満)の、ホスフェート(元素状リンとして測定される)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、ホスフェートを含まない。
【0059】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≦1重量%(好ましくは、≦0.5重量%、より好ましくは、0.2重量%以下、更により好ましくは、0.1重量%以下、なおも更により好ましくは、0.01重量%以下、最も好ましくは、検出限界未満)の、ホスホネート(元素状リンとして測定される)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、ホスホネート(例えば、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)及びその塩)を含まない。
【0060】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、2重量%未満(好ましくは、1.5重量%以下、より好ましくは、1重量%以下、更により好ましくは、0.1重量%以下、なおより好ましくは、0.01重量%以下、更になおより好ましくは、0.001重量%以下、最も好ましくは、検出限界未満)のアルキルベンゼンスルホネートを含有する。
【0061】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の重量に基づいて、0.1重量%未満(好ましくは、0.01重量%未満、より好ましくは、0.001重量%未満、なおより好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出限界未満)の、以下からなる群から選択される鉄及びマンガンキレート剤を含む:a)1つ以上の部分構造の単位を有するアミノカルボキシレート;
【0062】
【化9】
b)以下の部分構造の1つ以上の単位を有するアミノホスホネート;
【0063】
【化10】
c)下記式を有する化合物からなる多官能置換芳香族キレート剤;
【0064】
【化11】
Aは、水素、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウムであり、式中、xは1~3であり、少なくとも1つのRは-SO
3H、又は-COOH、又はそれらの可溶性塩であり、及びd)それらの混合物。
【0065】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、少なくとも9(好ましくは、9.5以上)のpH値(水中1重量%で)を有する。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、12以下のpH値(水中1重量%で)を有する。
【0066】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意の典型的な形態、例えば、錠剤、粉末、塊、一回用量、小袋、ペースト、液体、又はゲルで配合することができる。本発明の自動食器洗浄用組成物は、食器及び調理器具、皿などの用品を自動食器洗浄機内で洗浄するのに有用である。
【0067】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、典型的な操作条件下で使用するのに好適である。例えば、自動食器洗浄機で使用されるとき、洗浄過程中の典型的な水温は、好ましくは20℃~85℃、好ましくは30℃~70℃である。自動食器洗浄用組成物の典型的な濃度は、食器洗浄機内の液体の合計百分率として、好ましくは0.1~1重量%、好ましくは0.2~0.7重量%である。適切な製品形態及び添加時間の選択により、本発明の自動食器洗浄用組成物は、予備洗浄、主洗浄、最後から2番目のすすぎ、最終的なすすぎ、又はこれらのサイクルの任意の組み合わせにおいて存在し得る。
【0068】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機内で物品を洗浄する方法は、少なくとも1つの汚れた物品(例えば、調理器具、耐熱陶器、食卓用食器類、食卓用器具、平皿類、及び/又はガラス食器を提供することと、本発明の自動食器洗浄用組成物を提供することと、自動食器洗浄用組成物を(好ましくは、自動食器洗浄機内の)少なくとも1つの汚れた物品に適用し、清潔な物品を提供することと、を含む。
【0069】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【実施例】
【0070】
比較例C1~C16及び実施例1~9:自動食器洗浄用組成物
表1~3に特定された成分配合を有する比較例C1~C16及び実施例1~9の各々で、食器洗浄用組成物を調製した。組成物に使用したアミラーゼは、IFFから入手可能なExcellenz S1000アミラーゼであった。組成物に使用したプロテアーゼは、IFFから入手可能なExcellenz P1000プロテアーゼであった。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
食品汚れを調製する手順
表4に記載のSTIWA食品汚れは、以下の手順により調製した。
a)水を沸騰させる。
b)プラスチックコップでインスタントグレービー、安息香酸、及びデンプンを混合し、次いで混合物を沸騰水に添加する。
c)(b)の生成物に乳とマーガリンを添加する。
d)(c)の生成物を約40℃に冷却する。
e)別のプラスチックコップで、卵黄、ケチャップ、及びマスタードを合わせ、スプーンで混合する。
f)(e)の生成物を(d)の混合物と混合する。
50gの(f)の生成物を100mLのガラスポットに入れ、次いで使用するまで低温凍結する。
【0075】
【0076】
食器洗浄試験の条件
機械:Miele SS-ADW、モデルG1222SC Labor。65℃で30分間洗浄/65℃ですすぐ。水:全硬度600ppm、Ca+2:Mg+2=3:1。脱イオン水と300ppmの炭酸水素ナトリウムとの比(TH=37°FH、TAC=23°FH)。食品汚れ:表4に記述された50gの組成物を、カップで凍結した状態で洗浄液に導入した。比較例C1~C17及び実施例1~8の各食器洗浄用組成物を、1回の洗浄につき18gを投入した。
【0077】
5サイクルの膜張り及び斑点形成の評価
上記の食器洗浄試験条件下で5回の洗浄サイクルの各々の後、ガラスタンブラ、ワイングラス、スチレンーアクリロニトリル(Styrene-Acrylonitrile、SAN)プラスチックタンブラ、及びステンレス鋼バター皿を外気で乾燥させた。乾燥後、下から制御された照明を有するライトボックス内でガラスタンブラ、ワイングラス、SANタンブラを観察することによって、及び上から制御された照明でステンレス鋼バター皿を観察することによって、訓練された評価者が膜形成及び斑点形成の評価を決定した。ガラスタンブラ、ワイングラス、SANタンブラ、及びステンレス鋼バター皿を、ASTM法にしたがって、1(膜/斑点なし)~5(重度の膜張り/斑点形成)の範囲で、膜張り及び斑点形成を評価した。表5に報告するように、膜張り及び斑点についての平均値1~5を判定した。表5には、各食器洗浄用組成物についての全体的な斑点、全体的な膜張り、及び全体的な光沢(すなわち、全体的な斑点+全体的な膜張り)の値も報告されている。5回の洗浄サイクル後の食器洗浄機排水フィルタの重量増加も表5に報告する。
【0078】
【0079】
15サイクルの膜張り及び斑点形成の評価
上記の食器洗浄試験条件下で15回の洗浄サイクルの各々の後、ガラスタンブラ、ワイングラス、スチレンーアクリロニトリル(SAN)グラス、及びステンレス鋼バター皿を外気で乾燥させた。乾燥後、下から制御された照明を有するライトボックス内でガラスタンブラ、ワイングラス、SANタンブラを観察することによって、及び上から制御された照明でステンレス鋼バター皿を観察することによって、訓練された評価者が膜形成及び斑点形成の評価を決定した。ガラスタンブラ、ワイングラス、SANタンブラ、及びステンレス鋼バター皿を、ASTM法にしたがって、1(膜/斑点なし)~5(重度の膜張り/斑点形成)の範囲で、膜張り及び斑点形成を評価した。表6に報告するように、膜張り及び斑点についての平均値1~5を判定した。表6には、各食器洗浄用組成物についての全体的な斑点、全体的な膜張り、及び全体的な光沢(すなわち、全体的な斑点+全体的な膜張り)についての値も報告されている。15回の洗浄サイクル後の食器洗浄機排水フィルタの重量増加も表6に報告する。
【0080】
【国際調査報告】