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特表2024-545039静脈内セット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】静脈内セット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20241128BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20241128BHJP
   A61M 5/168 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A61M5/142 506
A61M5/142 508
A61M5/14 520
A61M5/168 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532420
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 US2022050946
(87)【国際公開番号】W WO2023107282
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/287,638
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ケリー クロスター
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD06
4C066DD11
4C066HH01
4C066QQ25
4C066QQ44
4C066QQ92
(57)【要約】
IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプが、ボディと、ボディ内に配設されたコークスクリュー部材と、ボディの第1の端部に配設された入口ポートと、ボディの第2の端部に配設された出口ポートと、コークスクリュー部材に連結された駆動機構と、を含む。駆動機構は、IVセット内の下流の流体流れを増大させるためにボディの中でコークスクリュー機構を回旋させるように構成される。IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプを有するIVセット及びIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプを動作させる方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディと、
前記ボディ内に配設されたコークスクリュー部材と、
前記ボディの第1の端部に配設された入口ポートと、
前記ボディの第2の端部に配設された出口ポートと、
前記コークスクリュー部材に連結された駆動機構であって、前記ボディの中で前記コークスクリュー機構を回旋させるように構成された駆動機構と
を備える、静脈内(IV)セット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項2】
前記駆動機構が、前記ボディの外部表面から外側に延在するハンド・クランク組立体である、請求項1に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項3】
前記ハンド・クランク組立体が、
前記コークスクリュー部材に連結された第1の端部を有する駆動シャフトと、
前記駆動シャフトの第2の端部に連結されたクランクシャフトと、
前記クランクシャフトに連結された握持ハンドルと
を備える、請求項2に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項4】
前記駆動機構が、前記ボディの外部表面から外側に延在するモーター・カップリングである、請求項1に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項5】
前記モーター・カップリングが、
前記コークスクリュー部材に連結された第1の端部を有する駆動シャフトと、
モーターに連結されるように構成された第2の端部と
を備える、請求項4に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項6】
前記ボディが、内径を有する円筒形形状を有し、前記コークスクリュー部材が、前記ボディの前記内径の中にちょうど嵌め込まれるようにサイズ決めされた外径を有する円筒形形状を有し、前記コークスクリュー部材が固着することなく前記ボディ内で回旋するように構成されている、請求項1に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項7】
前記コークスクリュー部材が、前記ボディの内部軸方向長さの全体に沿って延在する、請求項1に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項8】
前記コークスクリュー部材が、
軸方向コアと、
前記軸方向コアの上に配設されたラジアルねじ山と
を備える、請求項1に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項9】
前記ラジアルねじ山の間の間隔が、前記ボディ内で所定の流れチャンネルを実現するように構成されている、請求項8に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項10】
前記ラジアルねじ山の間の間隔が、前記ボディから下流において所定の流体流量を実現するように構成されている、請求項8に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項11】
前記ラジアルねじ山が、前記ボディ内で所定の流れチャンネルを実現するように構成されたねじ山角度で前記軸方向コアから延在する、請求項8に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項12】
前記ラジアルねじ山が、前記ボディから下流において所定の流体流量を実現するように構成されたねじ山角度で前記軸方向コアから延在する、請求項8に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項13】
前記軸方向コアの長さが、前記ボディから下流において所定の流体流量を実現するように構成されている、請求項8に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項14】
前記ラジアルねじ山の外径が、前記ボディから下流において所定の流体流量を実現するように構成されている、請求項8に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項15】
前記入口ポート及び前記出口ポートのうちの一方がルアー・コネクタを備える、請求項1に記載のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ。
【請求項16】
点滴構成要素と、
前記点滴構成要素に連結されたIV管と、
前記IV管に連結されたIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプであって、
ボディ、
前記ボディ内に配設されたコークスクリュー部材、
前記ボディの第1の端部に配設された入口ポート、
前記ボディの第2の端部に配設された出口ポート、及び
前記コークスクリュー部材に連結された駆動機構であって、前記ボディの中で前記コークスクリュー機構を回旋させるように構成された駆動機構
を備える、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプと
を備える、静脈内(IV)セット。
【請求項17】
前記駆動機構が、
前記コークスクリュー部材に連結された第1の端部を有する駆動シャフトと、
前記駆動シャフトの第2の端部に連結されたクランクシャフトと、
前記クランクシャフトに連結された握持ハンドルと
を備えるハンド・クランク組立体であり、
前記握持ハンドル及び前記クランシャフトを介する手動による前記駆動シャフトの第1の回転速度が、前記出口ポートから外に出る流体の第1の流量をもたらすことを目的として第2の回転速度で前記ボディ内で前記コークスクリュー部材を回転させるように構成されている、請求項16に記載のIVセット。
【請求項18】
前記駆動機構が、
前記コークスクリュー部材に連結された第1の端部を有する駆動シャフトと、
モーターに連結されるように構成された第2の端部と
を備えるモーター・カップリングであり、
前記モーターによる前記駆動シャフトの第1の回転速度が、前記出口ポートから外に出る流体の第1の流量をもたらすことを目的として第2の回転速度で前記ボディ内で前記コークスクリュー部材を回転させるように構成されている、請求項16に記載のIVセット。
【請求項19】
IVセットと共に静脈内(IV)セット・コークスクリュー・ハンド・ポンプを動作させる方法であって、
第1のIV管を介して前記IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプの入口ポートを流体源に連結するステップと、
第2のIV管を介して前記IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプの出口ポートを流体送達デバイスに連結するステップと、
前記流体源から前記IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプの中への流体の流れを開始するステップと、
前記IVセットの最大重力流体流量を超える流体流量で前記流体源から前記IVセットを通して前記流体送達デバイスまで前記流体を圧送することを目的として、コークスクリュー部材に連結された駆動機構を介して、前記IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプのボディ内に配設された前記コークスクリュー部材を所定の速度で回転させるステップであって、前記駆動機構がハンド・クランク組立体及びモーター・カップリングのうちの一方である、ステップと
を含む、方法。
【請求項20】
前記IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプがハンド・ポンプ用バルブに取って代わるように構成され、それにより、使用者の手の疲労を低減し、前記IVセットの使用中に流体輸液時間を短縮するために流体流量を増大させる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2021年12月9日に出願した、「INTRAVENOUS SET CORKSCREW HAND PUMP」と題された米国仮特許出願第63/287,638号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、概して、静脈内(IV:intravenous)セットに関し、詳細には、IVセットのための手動式及び機械式コークスクリュー・ハンド・ポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
医学の治療は、しばしば、一般的に「IVセット」と称される可撓性管材及び接続具の構成を通して例えばIV血液バッグなどの流体の供給源に接続されるIVカテーテルを使用する、患者に対しての医療用流体(例えば、血液、血漿、生理食塩水)の点滴を含む。輸血の時間が短くなることは外傷患者の死亡リスクの低下に関連付けられていることから、医療用流体は動作中に流量を大幅に増大させるのを急に必要とする可能性がある。一般的なIVセットは、流体流量を迅速に増大させるためには手動で圧搾される円筒形ハンド・ポンプを使用し、したがって筋肉疲労につながる。
【0004】
これらの理由から、手の筋肉疲労を低減するための及びハンド・ポンプによって押し出される流体の量を増大させるための、内部コークスクリュー部材を有するIVセット・ハンド・ポンプを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つ又は複数の実施例では、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプが:ボディと;ボディ内に配設されたコークスクリュー部材と;ボディの第1の端部に配設された入口ポートと;ボディの第2の端部に配設された出口ポートと;コークスクリュー部材に連結された駆動機構であって、ボディの中でコークスクリュー機構を回旋させるように構成される駆動機構と、を備える。
【0006】
1つ又は複数の実施例では、IVセットが:点滴構成要素と;点滴構成要素に連結されたIV管と;IV管に連結されたIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプであって、ボディ;ボディ内に配設されたコークスクリュー部材;ボディの第1の端部に配設された入口ポート;ボディの第2の端部に配設された出口ポート;及び、コークスクリュー部材に連結された駆動機構であって、ボディの中でコークスクリュー機構を回旋させるように構成される駆動機構、を備える、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプと、を備える。
【0007】
1つ又は複数の実施例では、IVセットと共にIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプを動作させる方法が:第1のIV管を介してIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプの入口ポートを流体源に連結することと;第2のIV管を介してIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプの出口ポートを流体送達デバイスに連結することと;流体源からIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプの中への流体の流れを開始することと;IVセットの最大重力流体流量を超える流体流量で流体源からIVセットを通して流体送達デバイスまで流体を圧送することを目的として、コークスクリュー部材に連結された駆動機構を介して、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプのボディ内に配設されたコークスクリュー部材を所定の速度で回転させることであって、駆動機構はハンド・クランク組立体及びモーター・カップリングのうちの一方である、コークスクリュー部材を回転させることと、を含む。
【0008】
以下の詳細な説明及び添付図面から、開示される実施例の上記の並びに他の特徴、態様、及び利点がより明らかとなる。
【0009】
本開示をさらに理解するのを可能にするために含まれるものであって本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成するものである添付図面が、本開示の実施例を示しており、本記述と共に、本開示の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】流体供給装置の中身を患者まで圧送するためにそれぞれの流体供給装置に対して各々が接続された4つの流体点滴ポンプを有する例示の患者治療システム(patient care system)を示す斜視図である。
図2】ハンド・ポンプを有する一般的な組み立てられたIV点滴セットを示す上面図である。
図3】本開示の態様による、ハンド・クランクを有するIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプを示す正面図である。
図4】本開示の態様による、モーター・コネクタを有するIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプを示す正面図である。
図5】本開示の態様による、図3のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプを有するIVセットを示す斜視図である。
図6】本開示の態様による、点滴ポンプを患者に接続する図3のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に記載される詳細な説明は本主題の技術の多様な構成を説明するものであり、本主題の技術を実施することができる構成のみを表すことを意図されない。本詳細な説明は、本主題の技術を徹底的に理解するのを可能にするために具体的な細部を含む。したがって、寸法は非限定の実例として特定の態様に関連して提供される。しかし、本主題の技術がこれらの具体的な細部なしでも実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、本主題の技術の概念を不明瞭にするのを回避するために、よく知られている構造及び構成要素がブロック図の形態で示される。
【0012】
本開示が本主題の技術の実例を含むものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことが理解されよう。次に、具体的ではあるが非限定である実例に従って本主題の技術の種々の態様を開示する。本開示で説明される種々の実施例は、多様な手法及び変形形態において、及び所望の用途又は実装形態に従って、実行され得る。
【0013】
ここで、複数の図の間で同様の参照符号により同様の又は対応する要素を示している図面をより詳細に参照すると、図1に、4つの点滴ポンプ22、24、26、及び28を有する患者治療システム20が示され、4つの点滴ポンプ22、24、26、及び28の各々が、それぞれ、上流流体ライン30、32、34、及び36に流体的に接続される。4つの点滴ポンプ22、24、26、及び28の各々は、さらに、それぞれ、下流流体ライン31、33、35、及び37に流体的に接続される。流体ラインはIV投与セットなどの任意の種類の流体導管となり得、流体導管を通って流体が流れることができる。シリンジ・ポンプを含めた多様なポンプ機構のうちの任意のポンプ機構が使用され得ることを認識されたい。
【0014】
多様な形態をとることができるがこの事例ではボトルとして示される流体供給装置38、40、42、及び44が逆さにされてポンプの上方に懸吊される。流体供給装置は、バッグの形態、又はシリンジを含めた他の種類の容器の形態をとることもできる。患者治療システム20及び流体供給装置38、40、42、及び44が、ローラー・スタンド、IV棒46、テーブル面などに設置される。
【0015】
別個の点滴ポンプ22、24、26、及び28が、流体供給装置の流体の各々を患者の中に点滴するのに使用される。点滴ポンプは、流体供給装置から流体ラインを通して患者48まで流体を移動させるためにそれぞれの流体ラインに作用することになる流量制御デバイスである。個別のポンプが使用されることから、各々のポンプは、医者によって当該流体のために規定された特定のレートで、それぞれの流体供給装置から患者の中へ特定の医療用流体を点滴するのに必要である圧送パラメータ又は動作パラメータとなるように個別に設定され得る。このような医療用流体は、薬品又は栄養物、或いは他の流体を含むことができる。点滴ポンプ22、24、26、及び28は、ポンプ制御ユニット60によって制御される。
【0016】
流体供給装置38、40、42、及び44は、各々、それぞれの電子データ・タグ81、83、85、及び87又は電子送信機に連結される。点滴システムに関連付けられた任意のデバイス又は構成要素が、電子データ・タグ、読み取り機、又は送信機を装備することができる。
【0017】
さらに、一般的な点滴セットは、点滴ポンプの使用を必要としない重力セットともなり得る。例えば、流体供給装置38、40、42、及び44のうちの任意の流体供給装置が重力IVセットを介して患者48に直接に接続されてもよく、ここでは、ポンプの補助なしで重力により流体が点滴セットを通って患者48の中まで流れる。
【0018】
通常、医療用流体投与セットは、図2に示される部分などの、図1に示される部分とは別の部分も有する。IVセットは、点滴構成要素及び管材の任意の組み合わせから形成され得る。通常、点滴構成要素及び管材は、1回使用されて廃棄される使い捨て製品である。点滴構成要素及び管材は任意適切な材料(例えば、プラスチック、シリコーン、ゴム)から形成され得、これらの材料の多く又はすべては内部の流体流れ又は流体レベルを見るのを可能にするように透明又は半透明である。
【0019】
図2に示されるように、IVセット120は、管材160によって一体に接続された、滴下チャンバ130、ハンド・ポンプ140、及びローラー・クランプ150を含むことができる。IVセット120は、ニードルレス・コネクタ175を有するY形接合部を有するY形サイト170、さらにはIVセット120の端部のところにあるルアー・ロック・コネクタ180をさらに含むことができる。ルアー・ロック・コネクタ180は、例えば、患者の中に挿入されたカテーテルに接続されるのに使用され得る。IVセット120は追加の点滴構成要素を含むことができ、構成要素及び管材160の任意の組み合わせで形成され得る。
【0020】
使用時、IVセット120は滴下チャンバ130を介してIV流体バッグ(例えば、血液バッグ)に接続され、ルアー・ロック・コネクタ180は患者の静脈の中に配置されたカテーテルに接続される。したがって、流体は流体バッグから滴下チャンバ130を通ってハンド・ポンプ140まで流れてさらにIVセット120の残りの部分を通ってルアー・ロック・コネクタ180から外に出る。ハンド・ポンプ140が圧搾されると、ハンド・ポンプ140のボディ142の中に収容される量の流体が出口ポート144から強制的に排出されて下流のIVセット120を通る。ハンド・ポンプ140が解放されると(例えば、圧搾を停止すると)、ハンド・ポンプ140のボディ142が再膨張して、入口ポート146を通して新たな量の流体を吸引する。この圧搾サイクルは、可能な限り迅速に1つ又は複数の流体バッグから患者の中まで流体を移動させるのに必要である頻度と同じ頻度で繰り返され得る。
【0021】
ハンド・ポンプ140は、片手を用いて使用者により継続的に圧搾され、再び作動又は圧搾されるときにはその前に解放される、一般的な可撓性シリンダーである。しかし、ハンド・ポンプ140の滑らかな円筒形形状は手によって握持されるための非人間工学的な形状を提供するものであり、下流の流体流れを促進するための内部特徴も提供しない。さらに、圧搾可能である円筒形状のジオメトリはしばしば長時間の使用においては不快なものであり、すぐに使用者の手の疲労を引き起こす可能性がある。加えて、ハンド・ポンプ140を作る材料によっては、反動するのに時間がかかる可能性があり、及び/又は、操作のために余分な圧搾強度を必要とする可能性がある。
【0022】
本開示の態様では、円筒形ハンド・ポンプが、ハンド・クランク又はモーターのいずれかに連結された内部コークスクリュー部材を有するボディを有するコークスクリュー・ハンド・ポンプによって取って代わられ得る。内部コークスクリュー部材は、ハンド・クランク又はモーターによって回転させられるときにハンド・ポンプ内の流体を下流方向に引き寄せることを実現する。これにより、流体を圧送することによる使用者の手の疲労が低減され、新しい流体をハンド・ポンプのボディの中に引き入れる補充サイクルの速度が上がる。さらに、円筒形ハンド・ポンプ140とは異なり、コークスクリュー・ハンド・ポンプは、手を用いてハンド・ポンプをより迅速に手動で圧搾するのを必要とすることなくより高速に内部コークスクリュー部材を回転させることにより流体流量を増大させることができ、さらには、流体流れを一気に供給するのとは異なりより継続的な流体流れを実現する。
【0023】
図3に示されるように、本開示の態様によるIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200が提示される。IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200は、ボディ210と、コークスクリュー部材220と、入口ポート230と、出口ポート240と、ハンド・クランク250(例えば、駆動機構)と、を含むハンド・クランク・デザインの形態となり得る。
【0024】
ボディ210は、医療用流体(例えば、生理食塩水、血液、血漿)に接触するように構成された任意適切な材料(例えば、ポリマー、ゴム、プラスチック)で形成され得る。ボディ210の材料は可撓性又は不撓性となり得、任意の単一材料となり得るか、或いは所望の程度の可撓性/不撓性及びライフサイクル使用(life-cycle usage)を実現するように選定又は設計された材料の組み合わせとなり得る。
【0025】
本開示の態様では、ボディ210の円筒形形状が、コークスクリュー部材220の外径ODに適合するように構成された内径IDを有する曲線状の内部表面を提供し、それにより、ボディ210内の流体の上流への逆流を、及び/又は、ボディ210からの流体流出中に流体を保持するようなデッド領域を、低減又は排除することができる。例えば、コークスクリュー部材220の円筒形形状は、ボディ210の中で下方にのみ流れる流体のための完全な経路を提供するためにボディ210の円筒形状の中に緊密に嵌め込まれ得る。対照的に、円筒形ハンド・ポンプ140が圧搾されるとき、流体の一部がボディの中で強制的に上流に戻され得る。このようにして、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200は、各々のサイクルにおいてより大きい量の流体をボディ210から強制的に排出するのを実現することができる。
【0026】
本開示の態様では、コークスクリュー部材220は、ボディ210の内部軸方向長さILの一部分又は全体に沿うようにボディ210内に配設され得る。例えば、コークスクリュー部材220がボディ210の内部軸方向長さILの全体を通って延在する場合、その中では流体が静止状態を維持することができるか又は回転する下流側のコークスクリュー部材220の付勢から逃れることができるようなデッド・スペースをボディ210内に存在させないようにすることができる。コークスクリュー部材220はコア224の上に配設されたねじ山222を有することができる。
【0027】
本開示の態様では、ねじ山222の直径は、固着させることなくボディ210内でコークスクリュー部材220を回転させるのを実現しながらコークスクリュー部材220とボディ210と間の嵌合を最大限に高めることを目的として、ボディ210の内径IDよりわずかに小さい外径ODを有するようにサイズ決めされ得る。本開示の態様では、ねじ山222は、ボディ210の内径IDより小さい一定範囲内の任意の外径ODを有することができ、それにより、コークスクリュー部材220の一回転ごとの、ボディ210内での流体の流れチャンネル及び/又は流量、並びに/或いは出口ポート240から外に出る流体の流量を変化させることができる。例えば、ねじ山222の外径ODは、クランクで回転させるわけではないときに(例えば、重力流下のみ)流量を制限するものとならないように管径に適合することができる。本開示の態様では、ねじ山222の間の距離又は間隔(例えば、ねじ山密度(thread density))は、ボディ210内で所望の流れチャンネル及び/又は流量を実現するように選定され得る。
【0028】
本開示の態様では、コア224に対してのねじ山角度TAは、ボディ210内で流体の所望の流れチャンネル又は流量を実現するように選定され得る。例えば、図3に示されるように、ねじ山角度TAは90度近い又は90度に等しい(例えば、直角)。しかし、ねじ山角度TAは任意適切な角度となり得る(例えば、45度、60度)。
【0029】
本開示の態様では、ハンド・クランク250がボディ210の外側表面212から径方向外向きに延在することができ、コークスクリュー部材220に連結され得る。ハンド・クランク250は、コークスクリュー部材220に連結された第1の端部253及びクランクシャフト252に連結された第2の端部255を有する駆動シャフト251と、使用者の手又は指によって握持されるようにサイズ決め及び成形された握持ハンドル254と、を含むことができる。握持ハンドル254は、シャフト256と、シャフト256の一部分に配設されたスリーブ258と、を含むことができる。スリーブ258は、握持することにおいて人間工学的に快適なものとなるように構成された柔らかい及び/又はパッドを詰めた材料となり得る。例えば、スリーブ258は、シャフト256の上にオーバーモールドされるか又は別個に形成されてシャフト256の上まで摺動させられる柔らかい材料(例えば、ゴム、発泡体)となり得る。
【0030】
本開示の態様では、クランクシャフト252の長さは、ハンド・クランク250の一回転ごとの、ボディ210内での流体の適切な流量及び/又は出口ポート240から外に出る流体の適切な流量を実現するように構成され得る。本開示の態様では、コークスクリュー部材220とハンド・クランク250との間の連結部(例えば、駆動シャフト251)の直径又は歯車装置は、ハンド・クランク250の一回転ごとの、ボディ210内での流体の適切な流量及び/又は出口ポート240から外に出る流体の適切な流量を実現するようにサイズ決め及び成形され得る。本開示の態様では、コークスクリュー部材220の長さ、ねじ山222の外径OD、ねじ山222のねじ山角度TA、ねじ山222の間隔又は密度、コークスクリュー部材220とハンド・クランク250と間の連結部の構成、及びクランクシャフト252の長さ、のうちの任意のもの又はすべてが、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200を通る及び/又はIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200からの(例えば、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200の下流で外に出る)所望の流体流量を実現するように個別に又は組み合わせで構成又は変更され得る。本開示の態様では、入口ポート230及び出口ポート240のいずれか又は両方がルアー・タイプのコネクタとして構成され得、その結果、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200が必要に応じてIVセットに迅速に追加され得るようになる。
【0031】
図4に示されるように、本開示の態様によるIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ300が提示される。IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ300は、ボディ310と、コークスクリュー部材320と、入口ポート330と、出口ポート340と、モーター・カップリング350と、を含むモーター付きのデザインの形態となり得る。
【0032】
ボディ310は、医療用流体(例えば、生理食塩水、血液、血漿)に接触するように構成された任意適切な材料(例えば、ポリマー、ゴム、プラスチック)で形成され得る。ボディ310の材料は可撓性又は不撓性となり得、任意の単一材料となり得るか、或いは所望の程度の可撓性/不撓性及びライフサイクル使用を実現するように選定又は設計された材料の組み合わせとなり得る。
【0033】
本開示の態様では、ボディ310の円筒形形状が、コークスクリュー部材320の外径ODに適合するように構成された内径IDを有する曲線状の内部表面を提供し、それにより、ボディ310内の流体の上流への逆流を、及び/又は、ボディ310からの流体流出中に流体を保持するようなデッド領域を、低減又は排除することができる。例えば、コークスクリュー部材320の円筒形形状は、ボディ310の中で下方にのみ流れる流体のための完全な経路を提供するためにボディ310の円筒形状の中に緊密に嵌め込まれ得る。対照的に、円筒形ハンド・ポンプ140が圧搾されるとき、流体の一部がボディの中で強制的に上流に戻され得る。このようにして、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ300は、各々のサイクルにおいてより大きい量の流体をボディ310から強制的に排出するのを実現することができる。
【0034】
本開示の態様では、コークスクリュー部材320は、ボディ310の内部軸方向長さILの一部分又は全体に沿うようにボディ310内に配設され得る。例えば、コークスクリュー部材320がボディ310の内部軸方向長さILの全体を通って延在する場合、その中では流体が静止状態を維持することができるか又は回転する下流側のコークスクリュー部材320の付勢から逃れることができるようなデッド・スペースをボディ310内に存在させないようにすることができる。コークスクリュー部材320はコア324の上に配設されたねじ山322を有することができる。
【0035】
本開示の態様では、ねじ山322の直径は、固着させることなくボディ310内でコークスクリュー部材320を回転させるのを実現しながらコークスクリュー部材320とボディ310と間の嵌合を最大限に高めることを目的として、ボディ310の内径IDよりわずかに小さい外径ODを有するようにサイズ決めされ得る。本開示の態様では、ねじ山322は、ボディ310の内径IDより小さい一定範囲内の任意の外径ODを有することができ、それにより、コークスクリュー部材320の一回転ごとの、ボディ310内での流体の流れチャンネル及び/又は流量、並びに/或いは出口ポート340から外に出る流体の流量を変化させることができる。本開示の態様では、ねじ山322の間の距離又は間隔(例えば、ねじ山密度)は、ボディ310内で所望の流れチャンネル及び/又は流量を実現するように選定され得る。
【0036】
本開示の態様では、コア324に対してねじ山角度TAは、ボディ310内で流体の所望の流れチャンネル又は流量を実現するように選定され得る。例えば、図4に示されるように、ねじ山角度TAは90度近い又は90度に等しい(例えば、直角)。しかし、ねじ山角度TAは任意適切な角度となり得る(例えば、45度、60度)。
【0037】
本開示の態様では、モーター・カップリング350はボディ310の外側表面312から径方向外向きに延在することができ、コークスクリュー部材320に連結され得る。モーター・カップリング350は、所望のモーターに(例えば、モーター・シャフトに)適切に連結されるようにサイズ決め及び成形され得る。モーター・カップリング350は、コークスクリュー部材220に連結された第1の端部353及びモーターに連結されるように構成された第2の端部355を有する駆動シャフト351を含むことができる。
【0038】
本開示の態様では、モーター・カップリング350の回転速度(例えば、モーター速度)は、ボディ310内での流体の適切な流量及び/又は出口ポート340から外に出る流体の適切な流量を実現するように構成され得る。本開示の態様では、コークスクリュー部材320とモーター・カップリング350との間の連結部の直径又は歯車装置は、モーター・カップリング350の一回転ごとの、ボディ310内での流体の適切な流量及び/又は出口ポート340から外に出る流体の適切な流量を実現するようにサイズ決め及び成形され得る。本開示の態様では、コークスクリュー部材320の長さ、ねじ山322の外径OD、ねじ山322のねじ山角度TA、ねじ山322の間隔又は密度、コークスクリュー部材320とモーター・カップリング350と間の連結部の構成、及びモーター・カップリング350の回転速度、のうちの任意のもの又はすべてが、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ300を通る及び/又はIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ300からの(例えば、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ300の下流で外に出る)所望の流体流量を実現するように個別に又は組み合わせで構成又は変更され得る。
【0039】
図5に示されるように、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200はIVセット400の一部となり得る。IVセット400は、流体バッグ190と、滴下チャンバ130と、IVセット・ハンド・ポンプ200と、ローラー・クランプ150と、ニードルレス・ポート175を有するY形接合部170と、ルアー・コネクタ180と、を含むことができ、これらのすべてがIV管材160によって一体に連結される。IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ300又は任意の他の所望のIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプが、例えば、IVセット400内でIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200の代わりに使用され得る。
【0040】
本開示の態様では、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300は受動的な直列形デバイスとなり得、非起動時には(例えば、圧搾されるとき)、流体バッグ190からの流体が滴下チャンバ130を介して入口ポート230、330の中で受け取られ、流体が、重力、流体バッグ190内の流体の量、及び/又はローラー・クランプ150のいずれかによって制御される流量で、ボディ210、310を通過して出口ポート240、340から外に出る。使用時、コークスクリュー部材220、320がハンド・クランク250又はモーター・カップリング350を介して回転させられるとき、受動的な流れのフェーズ中にボディ210、310内に蓄積した量の流体が、コークスクリュー部材220、320の一回転又は複数回の回転で非常に迅速に出口ポート240、340から強制的に完全に排除され得る。
【0041】
コークスクリュー部材220、320のこの回転は上流での吸引効果を発生させることができ、それにより、より多くの流体を迅速に流体バッグ190/滴下チャンバ130からIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300の中まで流すことができる(例えば、重力により可能となるよりも迅速に)。したがって、コークスクリュー部材220、320の継続的な回転により、すべての流体が迅速に流体バッグ190から引き出され得るようになり、所望の受け側(receptacle)(例えば、患者の腕)に入れ込まれ得るようになる。
【0042】
本開示の態様では、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300はIVセット400の使い捨て構成要素となり得る。例えば、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300はIVセット400の一体構成要素となり得、ここでは、ボディ210、310が、IV管材160を介して、滴下チャンバ130及びローラー・クランプ150に直列に連結され得る。したがって、使い捨てのIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300はIVセットの寿命の間のみで使用されることになり(例えば、24時間、72時間、7日間)、その後、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300は関連のIVセット400と共に廃棄されることになる。本開示の態様では、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300はIVセット400内の任意の場所で直列に連結され得、例えば、滴下チャンバ130の代わりに流体バッグ190に直接に連結され得るか又はルアー・コネクタ180の近くに連結され得る。
【0043】
使用時、使い捨てのIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300を有するIVセット400が、医療用流体(例えば、血液)を収容する流体容器(例えば、流体バッグ190)に連結される。非作動状態では、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300は静止したコークスクリュー部材220、320を有し、したがって流量制御装置(例えば、ローラー・クランプ150)によって設定されたレートで流体がIVセット400を通って流れるのを可能にする。より迅速な流体流れが必要となる場合、コークスクリュー部材220、320が、ハンド・クランク250を介して手動により、又はモーター・カップリング350に連結されたモーターを介して機械的に、回転させられ得、それにより流体を圧搾してボディ210、310から迅速に外に出す。
【0044】
図6に示されるように、IVセット400及びIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300は、流体源38、2つの点滴ポンプ262及び制御装置264を有する点滴ポンプ260、並びに患者280の中に挿入されたカテーテル270に連結され得る。ここでは、点滴ポンプ・システム260からの最大流体流量が十分ではない場合、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300がより迅速に流体を強制的に流すように起動され得る(例えば、ハンド・クランクを用いるか、モーターを回旋させる)。例えば、IVセット400がIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300を使用する前に点滴ポンプ・システム260から迅速に外され得、及び/又は、点滴ポンプ・システム260がIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300を使用する前に流体源38からの妨げのない流体流れを可能にするようにニュートラル状態となるように設定され得る。
【0045】
本開示の態様では、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300は、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300を、IV棒46、ベッド、及び手術台などに連結するための任意適切な固定具を含むことができる。例えば、固定具は、離被架、ハンガー、フック、Velcro(登録商標)、接着剤、及び/又は任意適切な他の固定具となり得る。本開示の態様では、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300は、単純に、IV管材(例えば、IV管材160)を介してIVセット(例えば、IVセット400)と共に直列に吊設されるように構成され得る。ここでは、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300は、アクセス性を最大限に高めるように、及び/又は、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプ200、300を特定の作業領域(例えば、患者の真上)から離しておくように、IVセットの上に配置され得る。
【0046】
本開示の態様では、ボディ210、310のジオメトリ及び/又は形状は、手の大きさ及び/又は所望の流れの量に基づいて変更され得る。例えば、多様なサイズの使用者によって使用されるために、小型サイズ、中型サイズ、又は大型サイズが存在し得る。本開示の態様では、流量は、ボディ210、310のサイズ/形状、入口ポート230、330及び出口ポート240、340の直径、並びに/或いは、ねじ山222、322及びコア224、324によって画定される流れチャンネルに基づいて、構成され得る。
【0047】
本開示の態様では、コークスクリュー部材220、320の回転のレートでIVラインを介して薬品を強制的に移動させるコークスクリュー・ハンド・ポンプを介して、薬品が迅速に患者に投与され得る。
【0048】
本開示によるいくつかの実施例によると、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプが:ボディと;ボディ内に配設されたコークスクリュー部材と;ボディの第1の端部に配設された入口ポートと;ボディの第2の端部に配設された出口ポートと;コークスクリュー部材に連結された駆動機構であって、ボディの中でコークスクリュー機構を回旋させるように構成される駆動機構と、を備える。
【0049】
本開示の態様では、駆動機構は、ボディの外部表面から外側に延在するハンド・クランク組立体である。本開示の態様では、ハンド・クランク組立体は:コークスクリュー部材に連結された第1の端部を有する駆動シャフトと;駆動シャフトの第2の端部に連結されたクランクシャフトと;クランクシャフトに連結された握持ハンドルと、を備える。本開示の態様では、駆動機構は、ボディの外部表面から外側に延在するモーター・カップリングである。本開示の態様では、モーター・カップリングは:コークスクリュー部材に連結された第1の端部を有する駆動シャフトと;モーターに連結されるように構成された第2の端部と、を備える。本開示の態様では、ボディは内径を有する円筒形形状を有し、コークスクリュー部材は、ボディの内径の中にちょうど嵌め込まれるようにサイズ決めされた外径を有する円筒形形状を有し、コークスクリュー部材は固着することなくボディ内で回旋するように構成される。
【0050】
本開示の態様では、コークスクリュー部材はボディの内部軸方向長さの全体に沿って延在する。本開示の態様では、コークスクリュー部材は:軸方向コアと;軸方向コアの上に配設されたラジアルねじ山と、を備える。本開示の態様では、ラジアルねじ山の間の間隔が、ボディ内で所定の流れチャンネルを実現するように構成される。本開示の態様では、ラジアルねじ山の間の間隔が、ボディから下流において所定の流体流量を実現するように構成される。本開示の態様では、ラジアルねじ山は、ボディ内で所定の流れチャンネルを実現するように構成されたねじ山角度で軸方向コアから延在する。本開示の態様では、ラジアルねじ山は、ボディから下流において所定の流体流量を実現するように構成されたねじ山角度で軸方向コアから延在する。本開示の態様では、軸方向コアの長さが、ボディから下流において所定の流体流量を実現するように構成される。本開示の態様では、ラジアルねじ山の外径が、ボディから下流において所定の流体流量を実現するように構成される。本開示の態様では、入口ポート及び出口ポートのうちの一方がルアー・コネクタを備える。
【0051】
本開示によるいくつかの実施例では、IVセットが:点滴構成要素と;点滴構成要素に連結されたIV管と;IV管に連結されたIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプであって、ボディ;ボディ内に配設されたコークスクリュー部材;ボディの第1の端部に配設された入口ポート;ボディの第2の端部に配設された出口ポート;及び、コークスクリュー部材に連結された駆動機構であって、ボディの中でコークスクリュー機構を回旋させるように構成される駆動機構、を備える、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプと、を備える。
【0052】
本開示の態様では、駆動機構は:コークスクリュー部材に連結された第1の端部を有する駆動シャフトと;駆動シャフトの第2の端部に連結されたクランクシャフトと;クランクシャフトに連結された握持ハンドルと、を備えるハンド・クランク組立体であり、ここでは、握持ハンドル及びクランシャフトを介する手動による駆動シャフトの第1の回転速度が、出口ポートから外に出る流体の第1の流量をもたらすことを目的として第2の回転速度でボディ内でコークスクリュー部材を回転させるように構成される。本開示の態様では、駆動機構は:コークスクリュー部材に連結された第1の端部を有する駆動シャフトと;モーターに連結されるように構成された第2の端部と、を備えるモーター・カップリングであり、ここでは、モーターによる駆動シャフトの第1の回転速度が、出口ポートから外に出る流体の第1の流量をもたらすことを目的として第2の回転速度でボディ内でコークスクリュー部材を回転させるように構成される。
【0053】
本開示によるいくつかの実施例では、IVセットと共にIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプを動作させる方法が:第1のIV管を介してIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプの入口ポートを流体源に連結することと;第2のIV管を介してIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプの出口ポートを流体送達デバイスに連結することと;流体源からIVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプの中への流体の流れを開始することと;IVセットの最大重力流体流量を超える流体流量で流体源からIVセットを通して流体送達デバイスまで流体を圧送することを目的として、コークスクリュー部材に連結された駆動機構を介して、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプのボディ内に配設されたコークスクリュー部材を所定の速度で回転させることであって、駆動機構はハンド・クランク組立体及びモーター・カップリングのうちの一方である、コークスクリュー部材を回転させることと、を含む。
【0054】
本開示の態様では、IVセット・コークスクリュー・ハンド・ポンプはハンド・ポンプ用バルブに取って代わるように構成され、それにより、使用者の手の疲労を低減し、IVセットの使用中に流体輸液時間を短縮するために流体流量を増大させる。
【0055】
開示されるプロセスの方法内のブロックの任意特定の順序又は序列が例示の手法の説明であることが理解されよう。デザイン嗜好又は実装形態の嗜好に基づいて、プロセス内のブロックの特定の順序又は序列が再構成され得るか、或いはすべての示されるブロックが実施され得ること、が理解されよう。いくつかの実装形態では、ブロックのうちの任意のブロックが同時に実施され得る。
【0056】
本開示は、本明細書で説明される種々の態様を当業者が実施するのを可能にするために提供されるものである。本開示は本主題の技術の種々の実例を提供し、本主題の技術はこれらの実例のみに限定されない。これらの態様に対しての種々の修正形態が当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般的原理は他の態様にも適用され得る。
【0057】
単数の要素を参照することは、特に明記しない限り、「唯一」を意味することを意図されず、「1つ又は複数」を意味することを意図される。他の意味で特に明記しない限り、「いくつかの」という用語は1つ又は複数を意味する。男性の代名詞(例えば、彼の)は女性又は中性(例えば、彼女の又はその)も含み、逆も同様である。存在する場合の見出し及び小見出しは単に便宜的に使用されるものであり、本発明を限定しない。
【0058】
「例示」という単語は、本明細書では、「実例又は例として機能する」ことを意味するのに使用される。「例示」として本明細書で説明される任意の態様又はデザインは、他の態様又はデザインに対して好適又は有利であると必ずしも解釈されない。一態様では、本明細書で説明される多様な代替の構成及び動作は少なくとも等価であるとみなされ得る。
【0059】
アイテムのうちの任意のアイテムを分離するための「又は」という用語と共に使用される、一連のアイテムに前置される本明細書で使用される場合の「少なくとも1つの」というフレーズは、リストの各アイテムではなくリストの全体を修飾する。「少なくとも1つの」というフレーズは少なくとも1つのアイテムの選定を必要とせず、むしろ、このフレーズは、任意のアイテムのうちの少なくとも1つのアイテム、及び/又はアイテムの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つの組み合わせ、並びに/或いは各々のアイテムのうちの少なくとも1つのアイテムを含むことを意味することを可能にする。例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」というフレーズは:Aのみ、Bのみ、又はCのみ、或いは;A、B、及びCの任意の組み合わせ、を意味することができる。
【0060】
「態様」などのフレーズは、この態様が本主題の技術にとって不可欠であること又はこの態様が本主題の技術のすべての構成に適用されることを暗に意味するものではない。1つの態様に関連する開示はすべての構成或いは1つ又は複数の構成に適用される可能性がある。1つの態様は1つ又は複数の実例を提供する可能性がある。1つの態様などのフレーズは1つ又は複数の態様を意味することができ、逆も同様である。「実施例」などのフレーズは、この実施例が本主題の技術にとって不可欠であること又はこの実施例が本主題の技術のすべての構成に適用されることを暗に意味するものではない。1つの実施例に関連する開示はすべての実施例或いは1つ又は複数の実施例に適用される可能性がある。1つの実施例は1つ又は複数の実例を提供する可能性がある。このような実施例というフレーズは1つ又は複数の実施例を意味することができ、逆も同様である。「構成」などのフレーズは、この構成が本主題の技術にとって不可欠であること又はこの構成が本主題の技術のすべての構成に適用されることを暗に意味するものではない。1つの構成に関連する開示はすべての構成或いは1つ又は複数の構成に適用される可能性がある。1つの構成は1つ又は複数の実例を提供する可能性がある。このような構成というフレーズは1つ又は複数の構成を意味することができ、逆も同様である。
【0061】
本明細書で使用される場合の「決定する」又は「決定している」という用語は多種多様な処置を包含する。例えば、「決定している」は、使用者の介入なしでハードウェア要素を介して、計算している、演算している、処理している、導き出している、生成している、取得している、参照している(例えば、テーブル、データベース、又は別のデータ構造で参照を行う)、及び、確定している、などを含むことができる。さらに、「決定している」は、使用者の介入なしでハードウェア要素を介して、受信している(例えば、情報を受信している)及びアクセスしている(例えば、メモリ内のデータにアクセスしている)などを含むことができる。「決定している」は、使用者の介入なしでハードウェア要素を介して、解決する、選定する、選択する、及び確立するなどを含むことができる。
【0062】
本明細書で使用される場合の「提供する」又は「提供している」という用語は多種多様な処置を包含する。例えば、「提供している」は、後で検索を行うために保存デバイスのロケーションで値を保存すること、少なくとも1つの有線通信媒体又は無線通信媒体を介して受信者に直接に値を送信すること、及び、値の参照番号を送信又は保存すること、などを含むことができる。「提供している」は、ハードウェア要素を介して、エンコードすること、デコードすること、暗号化すること、復号すること、認証すること、照合すること、及び、挿入すること、などをさらに含むことができる。
【0063】
一態様では、特に明記しない限り、以下の特許請求の範囲を含めた本明細書に記載されるすべての測定値、値、等級、位置、マグニチュード、サイズ、及び他の仕様は、概算であり、厳密ではない。一態様では、これらは、関連する機能との及び関連する技術分野の慣例との整合性がとれる妥当な範囲を有することを意図される。
【0064】
開示されるステップ、動作、又はプロセスの方法内の特定の順序又は序列が例示の手法の説明であることが理解されよう。デザイン嗜好に基づいて、ステップ、動作、又はプロセスの特定の順序又は序列が再構成され得ることが理解されよう。ステップ、動作、又はプロセスのうちのいくつかのステップ、動作、又はプロセスは、同時に実施され得る。ステップ、動作、又はプロセスのうちのいくつかの又はすべてのステップ、動作、又はプロセスは、使用者の介入なしで自動で実施され得る。存在する場合の添付の方法クレームは、種々のステップ、動作、又はプロセスの要素をサンプルの順序で提示するものであり、提示される特定の順序又は序列のみに限定されることを意図されない。
【0065】
本開示を通して説明される当業者には既知であるか又は後で当業者に知られることになる、種々の態様の要素に対してのすべての構造的均等物又は機能的均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることを意図される。さらに、その開示が特許請求の範囲に明確に記載されるか否かに関係なく、本明細書で開示されるものは公衆に提供されることを意図されない。クレーム要素は、その要素が「のための手段」というフレーズを使用して明確に記載されない限り、又は方法クレームの場合はその要素が「のためのステップ」というフレーズを使用して記載されない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されない。さらに、「含む」又は「有する(have)」などの用語が使用されるときの範囲において、これらの用語は、特許請求の範囲で移行語(transitional word)として採用される場合の「有する(comprise)」という用語と同様に包含的であることを意図される。
【0066】
本開示の、発明の名称、背景技術、概要、図面の簡単な説明、及び要約は、限定的な説明ではなく本開示の説明的な実例として、本開示に組み込まれて提供される。これらは、特許請求の範囲の範囲又は意味を限定するのに使用されないという理解のもとに提示される。加えて、詳細な説明では、本説明が説明的な実例を提供し、本開示を簡素化することを目的として種々の実施例において種々の特徴が一体にグループ化される、ということが分かるであろう。本開示の方法は、特許請求される主題が各請求項に明確に記載される特徴以外の特徴を必要とするという意図を反映させるものとして解釈されない。むしろ、以下の特許請求の範囲で反映されることとして、発明の主題は、単一の開示される構成又は動作のすべての特徴未満にある。以下の特許請求の範囲は詳細な説明に組み込まれ、ここでは、各請求項は個別に特許請求される主題としてそれ自体で存在する。
【0067】
特許請求の範囲は本明細書で説明される態様のみに限定されることを意図されず、記載の特許請求の範囲に一致する全範囲を与えられること及びすべての法的均等物を包含することを意図される。しかしながら、いずれの請求項も、米国特許法101条、102条、又は103条の要求を満たすことができない主題を包含することを意図されず、また、いずれの請求項も、米国特許法101条、102条、又は103条の要求を満たすことができないと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】