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特表2024-545046酸化ウェットビーズ化カーボンブラック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】酸化ウェットビーズ化カーボンブラック
(51)【国際特許分類】
   C09C 1/58 20060101AFI20241128BHJP
   B01J 2/00 20060101ALI20241128BHJP
   B01J 2/28 20060101ALI20241128BHJP
   C01B 32/05 20170101ALI20241128BHJP
【FI】
C09C1/58
B01J2/00 A
B01J2/28
C01B32/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532681
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2022084125
(87)【国際公開番号】W WO2023099693
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21212084.4
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21212085.1
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21212087.7
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21212088.5
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521399892
【氏名又は名称】オリオン エンジニアード カーボンズ アイピー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディト ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】ノゲーラ アイノア
(72)【発明者】
【氏名】リヒター ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェシュテンベルク ハウケ
(72)【発明者】
【氏名】シャルフェンベルク カールケ ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】アビ ハイダル ジャド
(72)【発明者】
【氏名】ベルクシュトレッサー ラルフ
【テーマコード(参考)】
4G004
4G146
4J037
【Fターム(参考)】
4G004AA00
4G004NA01
4G146AA01
4G146AA15
4G146AB03
4G146AC07A
4G146AC07B
4G146AC21B
4G146AC23A
4G146AC23B
4G146AC27A
4G146AC28B
4G146AC30A
4G146AC30B
4G146AD37
4G146BA03
4G146CB04
4G146CB05
4G146CB14
4G146CB32
4G146DA05
4G146DA13
4G146DA23
4G146DA25
4G146DA27
4G146DA43
4G146DA45
4J037AA02
4J037BB22
4J037CC02
4J037EE19
(57)【要約】
本発明は、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの製造方法に関する。カーボンブラックは、ウェットビーズ化され、続いて酸化され得ることが見出された。この方法は、ビーズを損傷することなく、酸化度のより良好な制御を可能にする。さらに、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは、ゴム組成物に有益に使用することができて、得られたゴム製品の特性を高めることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記ステップを含む、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の製造方法(100):
(a) カーボンブラック(101)を提供すること、
(b) ステップ(a)で得られたカーボンブラック(102)をウェットビーズ化して、ウェットビーズ化カーボンブラックを得ること、および
(c) ステップ(b)で得られたウェットビーズ化カーボンブラック(103)を反応チャンバ(218)で酸化して、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)、好ましくは請求項11~15のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)を得ること。
【請求項2】
ステップ(c)が、オゾン(217)、Hおよび/またはNOx、好ましくはオゾン(217)を使用する、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
反応チャンバ(218)中に存在する気体の0.1~95重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~15重量%、さらにより好ましくは1.5~15重量%、最も好ましくは2~10重量%がオゾン(217)であり、および/または反応チャンバ(218)中のオゾン(217)の濃度が、1~300g/m、例えば1~200g/m、1~50g/m、1~60g/m、15~60g/m、15~60g/m、または15~50g/mである、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項4】
オゾン(217)濃度が、950℃で測定される揮発分含有量が1~25重量%、例えば1.5~20重量%、1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%であるように調整/制御される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項5】
ステップ(c)における酸化が、ステップ(c)において言及された反応チャンバ(218)を含むスクリューコンベヤ(200、300)において実施され、好ましくは、スクリューの速度が、0.01~10rpm、好ましくは0.1~5rpm、より好ましくは0.2~3rpm、さらにより好ましくは0.3~2.5rpm、最も好ましくは0.4~1rpmである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項6】
ステップ(a)(101)で得られたウェットビーズ化カーボンブラック(201)が、スクリューコンベヤ(200、300)、特にスクリューコンベヤ(200、300)の反応チャンバ(218)に供給される、請求項5に記載の方法(100)。
【請求項7】
ステップ(c)(103)における酸化のためのウェットビーズ化カーボンブラック(201)対オゾン(217)の重量比が、1:1~15:1、好ましくは1.1:1~13:1、より好ましくは1.5:1~10:1、さらにより好ましくは2:1~8:1、最も好ましくは3:1~6:1であり、および/またはステップ(c)(103)における酸化のためのウェットビーズ化カーボンブラック(201)対オゾン(217)の重量比が、1を超え、好ましくは3以上、より好ましくは4以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項8】
ステップ(c)(103)における酸化のための温度が、10~60℃、好ましくは20~50℃、より好ましくは30~45℃である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項9】
ウェットビーズ化(b)が下記ステップ(b1)、(b2)および(b3)を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法(100):
(b1) カーボンブラックを水で処理してウェットカーボンブラックを得ること、
(b2) ウェットカーボンブラックをビーズ化して、水を含むビーズ化カーボンブラックを得ること、および
(b3) ビーズ化カーボンブラックを乾燥してウェットビーズ化カーボンブラック(201)を得ること、ここで、好ましくはウェットビーズ化カーボンブラック(201)の含水量は、10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、最も好ましくは0.01~1重量%である。
【請求項10】
水がバインダを含み、好ましくはバインダが糖蜜および/またはリグノスルホネートを含む、請求項9に記載の方法(100)。
【請求項11】
950℃で測定した揮発分含有量が1~25重量%であり、直径0.71~1.0mmのペレットの平均ペレット破砕強度が4~80cN、好ましくは5~40cN、より好ましくは10~30cNである、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【請求項12】
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の直径1.0~1.4mmのペレットの平均ペレット破砕強度が、4~80cN、好ましくは5~40cN、より好ましくは10~30cNであり、および/または酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの直径1.4~1.7mmのペレットの平均ペレット破砕強度が、3~80cN、好ましくは4~40cN、より好ましくは5~30cNである、請求項11に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【請求項13】
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の950℃で測定した揮発分含有量が、1.5~20重量%、例えば1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%である、請求項11または12に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【請求項14】
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)のASTM D6556-17に従って測定される統計的厚さ表面積(STSA)が、15~500m/g、好ましくは20~400m/g、より好ましくは30~300m/g、さらに好ましくは40~200m/g、最も好ましくは50~150m/gである、請求項11~13のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【請求項15】
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の微粉含有量が、0.1~50%、好ましくは1~10%、より好ましくは1~5%である、請求項11~14のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化されたウェットビーズ化カーボンブラックの製造方法に関する。カーボンブラックは、ウェットビーズ化され、続いて酸化され得ることが見出された。この方法は、ビーズを損傷することなく、酸化度のより良好な制御を可能にする。さらに、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは、ゴム組成物に有益に使用することができて、得られたゴム製品の特性を高めることができる。
【背景技術】
【0002】
カーボンブラックは、貯蔵、輸送または加工が困難な微粉末である。これらの困難を回避するために、カーボンブラック粉末は、多くの場合、増加した嵩密度を有するペレットまたはビーズとして提供される。
【0003】
これらのビーズを提供するための1つの方法は、カーボンブラック粉末を水中で撹拌しその後乾燥させるウェットビーズ化として知られている。このような方法は、GB839,918に記載されている。
【0004】
ドラム内でのドライビーズ化およびドライビーズ化ドラム内で直接酸化剤を供給することは、従来技術において知られている。しかし、この技術は、ドライビーズ化製品のペレット強度が低いため、ゴムの顧客には適用できない。
【0005】
一方、ウェットビーズ化カーボンブラックは、ペレット強度の向上が達成されるので、ゴム組成物に有益に使用することができる。カーボンブラックの酸化およびその後のウェットビーズ化は、US2019/0161621A1に記載されている。製造されたカーボンブラックは、粉砕され、第2の反応器に供され、カーボンブラック/水混合物が得られる。次いで、混合物中のカーボンブラックは酸化され、その後、ペレタイザー中でビーズ化される。得られた酸化ビーズ化カーボンブラックはスクリューコンベヤを介して乾燥機に移される。
【0006】
しかしながら、酸化カーボンブラックのビーズ化および乾燥の欠点は、酸化の程度、すなわち、カーボンブラックビーズの表面の官能基の量がプロセス中に減少することである。したがって、カーボンブラックビーズの所望の酸化の程度を制御することは困難である。
【0007】
したがって、本発明の目的は、酸化の程度を制御することができ、ビーズの高い平均ペレット破砕強度を有する多用途の方法を提供することである。さらに、ゴム組成物に特に有用な、ビーズ化および酸化されたカーボンブラックを提供すべきである。
【0008】
驚くべきことに、特にスクリューコンベヤを酸化ユニットとして使用して、製造されたウェットビーズ化カーボンブラックを引き続き酸化する場合、950℃で測定される高い揮発分含有量を有し、同時に高いペレット破砕強度を有する、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを製造できることが見出された。カーボンブラックビーズの表面積が著しく小さくても、カーボンブラックビーズの酸化は可能である。さらに、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは、ゴム組成物に有益に使用することができて、得られたゴム製品の特性を高めることができる。
【発明の概要】
【0009】
驚くべきことに、上記目的は、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)、好ましくは下記態様または特許請求の範囲に記載されたような本発明に係る酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の製造方法(100)によって達成できることが判明した。この方法は、次のステップを含む:(a) カーボンブラック(101)を提供すること、(b) ステップ(a)で得られたカーボンブラック(102)をウェットビーズ化して、ウェットビーズ化カーボンブラックを得ること、および(c) ステップ(b)で得られたウェットビーズ化カーボンブラック(103)を反応チャンバ(218)で酸化して、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)、好ましくは下記態様または特許請求の範囲に記載されたような本発明に係る酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)を得ること。酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)を製造するための方法(100)は、好ましくは本発明によるスクリューコンベヤ中で実施される。
【0010】
本発明はまた、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の本発明の製造によって得られる酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)に関する。特に、950℃で測定した揮発分含有量が1~25重量%であり、直径0.71~1.0mmのペレットの平均ペレット破砕強度が4~80cN、好ましくは5~40cN、より好ましくは10~30cNである酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【0011】
本発明のこれらおよび他の任意の特徴および利点は、以下の説明、図、態様および特許請求の範囲においてより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の製造方法(100)。
図2】酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを製造するためのスクリューコンベヤ(200、300)の内側部分。
図3】酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを製造するためのスクリューコンベヤ(200、300)の外側部分。
図4】コンベヤスクリュー(400)の部分。
図5】円周方向クリアランス(503)を形成する第2の螺旋コンベヤブレード(501)を有するコンベヤスクリュー(500)の部分。
図6】異なる螺旋コンベヤブレード(501、502)の区画(601、602、603)を有するコンベヤスクリュー(600)の部分。
図7】円周方向クリアランス(503)を形成する第2の螺旋コンベヤブレード(501)およびターナー(702、703)を有するコンベヤスクリュー(700)の部分。
図8】円周方向クリアランス(503)を形成する第2の螺旋コンベヤブレード(501)およびターナー(702、703)を有するコンベヤスクリュー(700)の部分であり、角度および回転方向を含む。
図9】酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の画像。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で言及される「カーボンブラック」は、炭素原料の熱酸化熱分解または熱分裂によって生成される炭素であって、実質的に、例えば総量に基づいて80重量%超、90重量%超または95重量%超の炭素で構成される材料を意味する。ファーネスプロセス、ガスブラックプロセス、アセチレンブラックプロセス、サーマルブラックプロセスまたはランプブラックプロセスなど、カーボンブラックを製造するための種々の工業的方法が知られる。カーボンブラックの製造はそれ自体、当該技術分野において周知であり、例えばJ.-B.ドネット他、「カーボンブラック:サイエンス・アンド・テクノロジー」、第2版に概説されており、以下でさらに説明する。カーボンブラックとは、特に明記しない限り、粉末形態のカーボンブラックを指す。ウェットカーボンブラックは、水および任意にバインダを含むカーボンブラック粉末を指す。ビーズ化カーボンブラックは、ドライまたはウェットのビーズ化カーボンブラックのいずれかを指す。酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは、本発明に従って製造されたカーボンブラックを指し、特に明記しない限り、カーボンブラックは最初にビーズ化され、続いて酸化される。ビーズおよびペレットという用語は、同義語として使用される。酸化カーボンブラックは一般に、顕著な酸素含有量を有し、かつ、限定されないが、例示としてキノン、カルボキシ、フェノール、ラクトール、ラクトン、無水物およびケトンの基が挙げられる酸素含有官能基を有する。本発明によるスクリューコンベヤは、カーボンブラックビーズの酸化のために設計されたスクリューコンベヤである。直径は特に明記しない限り、常に内径を指す。
【0014】
上述のように、本発明は、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック、好ましくは下記態様または特許請求の範囲に記載されたような本発明に係る酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの製造方法に関し、この方法は、次のステップを含む:(a) カーボンブラックを提供すること、(b) ステップ(a)で得られたカーボンブラックをウェットビーズ化して、ウェットビーズ化カーボンブラックを得ること、および(c) ステップ(b)で得られたウェットビーズ化カーボンブラックを反応チャンバで酸化して、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック、好ましくは下記態様または特許請求の範囲に記載されたような本発明に係る酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを得ること。したがって、ドライカーボンブラックビーズなどのカーボンブラックビーズ(ウェットビーズ化によって提供される)が続いて酸化されるプロセスを提供することが可能である。ウェットビーズ化の後に得られたカーボンブラックビーズは一般に、乾燥されたビーズを指す。乾燥は、ウェットビーズが乾燥工程に供されることを意味する。ウェットビーズ化後の乾燥ビーズの含水量は、最大5重量%、例えば4重量%、例えば0.001~5重量%、0.01~4重量%、0.1~3重量%であり得る。好ましくは、ウェットビーズ化カーボンブラックが0.01~2重量%の含水量を有する。重量%は、ウェットビーズ化カーボンブラックの総重量を指す。
【0015】
得られた酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは、とりわけ、高いペレット破砕強度および低いペレット摩耗を有する。同時に、揮発分は、乾燥プロセスまたはビーズ化プロセス中に揮発分を失う(すなわち、酸化の程度を低下させる)リスクなしに、製造中に制御することができる。言い換えれば、本発明のさらなる利点は、カーボンブラックのウェットビーズ化(乾燥を含む)後に酸化が起こるので、酸化生成物が高温に曝されず、したがって、酸化をより効率的に制御することができることである。さらに、ビーズの特性が維持されるだけでなく、すなわち、ビーズが酸化工程中に破壊/変化しないだけでなく、ビーズの特性を改善することさえできる。
【0016】
加えて、カーボンブラックのウェットビーズ化は、特定のカーボンブラック粉末材料に依存するため、乾燥工程はカーボンブラック粉末材料に応じて異なる。したがって、乾燥のためにより多くのエネルギー量を必要とする方法は、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの表面上の揮発分のより高い損失をもたらす。新規で発明性のある方法はそのような制限を克服し、その結果、より汎用性の高い方法が提供される。
【0017】
ステップ(c)における酸化は、ステップ(c)で述べた反応チャンバと、反応チャンバにオゾンを供給するための少なくとも1つのオゾン入口とを含むスクリューコンベヤ中で実施することができる。ステップ(a)で得られたウェットビーズ化カーボンブラックは、スクリューコンベヤ、特にスクリューコンベヤの反応チャンバに供給することができる。スクリューコンベヤは、以下でさらに説明される。しかしながら、本発明の方法は、スクリューコンベヤに限定されず、任意の反応器、特に、酸化中のビーズの破壊を防止することができる反応器中で実施することができる。それにもかかわらず、ビーズ化中にウェットビーズ化カーボンブラックが破壊されないので、スクリューコンベヤが特に好ましい。
【0018】
スクリュー(スクリューコンベアのスクリュー)の速度は、0.01~10rpm、好ましくは0.1~5rpm、より好ましくは0.2~3rpm、さらにより好ましくは0.3~2.5rpm、最も好ましくは0.4~1rpmであることが望ましい。一般に、スクリュー回転速度は、特定の値に限定されない。スクリューの回転速度は、製造される酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの特性への影響を有する場合がある。例えば、スクリューの低い回転速度は、ウェットビーズ化カーボンブラックが反応チャンバ中により長く存在するので、製造された酸化ウェットビーズ化カーボンブラックのより高い揮発分含有量をもたらす。したがって、所望の揮発分含有量が一定であるべきである場合、スクリューのより低い回転速度は、オゾンのより低い供給(または設定されたオゾン流量などのオゾン流量)を必要とし得る。スクリューの回転速度は、ビーズの破壊が全く観察されないか、または最小限しか観察されない値に設定されることが望ましい。最適な回転速度は、酸化される特定のウェットビーズ化カーボンブラック材料に依存し得る。したがって、ウェットビーズ化カーボンブラックと同様に、特定のスクリューコンベヤのスクリューの最適な回転速度を測定することが推奨される。測定値は、回転速度n(t)、および回転速度n(t)に必要な設定モータ電流Iset(t)としてルックアップテーブルに記憶することができる。上述のように、回転速度n(t)は、ビーズの破壊が全く観察されないか、または最小限しか観察されない回転速度であるべきである。さらに、酸化剤(オゾンなど)の必要な流れを決定し、所望の酸化ウェットビーズ化カーボンブラックのためのルックアップに保存することができる。使用者は、プロセス中に必要に応じてスクリューの回転速度またはオゾン流量を増加または減少させることができる。
【0019】
スクリュー回転速度はさらに、ペレット破砕強度、ペレット摩耗、および微粉含有量、ならびにビーズの破壊の影響を有する。スクリューの速い回転速度は、プロセスのより高いスループットをもたらす。酸化ステップ(c)の間、少なくとも80%、好ましくは90%、より好ましくは95%のペレットが破砕されるべきではない。
【0020】
ステップ(a)におけるカーボンブラックは、一般に粉末として提供される。任意の種類のカーボンブラック粉末材料、例えばアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラックおよびサーマルブラックを本発明に従って使用することができる。ファーネスブラックが特に好ましい。破砕機は、ウェットビーズ化の前にカーボンブラック粉末をさらに粉砕することができる。
【0021】
ステップ(a)におけるカーボンブラックのASTM D556-17に従って測定される統計的厚さ表面積(STSA)は、30~190m/g、好ましくは50~160m/g、より好ましくは100~140m/g、最も好ましくは110~120m/gの範囲であり、およびASTM D3493-18に従って測定される圧縮吸油量(COAN)は、55~150mL/100g、好ましくは80~120mL/100g、より好ましくは90~115mL/100gの範囲であり得る。
【0022】
ステップ(a)におけるカーボンブラックのASTM D6556-17に従って測定されるBET表面積は、30~200m/g、好ましくは50~170m/g、より好ましくは100~150m/gの範囲であり、およびASTM D2414-18に従って測定される吸油量(OAN)は、60~180mL/100g、好ましくは85~140mL/100g、より好ましくは100~130mL/100gの範囲であり得る。
【0023】
一般に、BET表面積は、ASTM D6556-17に従って窒素吸着によって測定することができる。
【0024】
ステップ(a)におけるカーボンブラックのASTM D6556-17に従って測定されるBET表面積は、40~100m/g、好ましくは50~80m/g、より好ましくは55~70m/gの範囲であり、およびASTM D2414-18に従って測定される吸油量(OAN)は、150~450mL/100g、好ましくは200~320mL/100g、より好ましくは240~300mL/100gの範囲であり得る。
【0025】
ステップ(a)におけるカーボンブラックのASTM D6556-17に従って測定されるBET表面積は、10~100m/g、好ましくは20~90m/g、より好ましくは25~80m/gの範囲であり、およびASTM D2414-18に従って測定される吸油量(OAN)は、20~180mL/100g、好ましくは30~160mL/100g、より好ましくは40~150mL/100gの範囲であり得る。
【0026】
ステップ(a)におけるカーボンブラックのASTM D6556-17に従って測定されるBET表面積は、200~600m/g、好ましくは250~500m/g、より好ましくは300~450m/gの範囲であり、およびASTM D2414-18に従って測定される吸油量(OAN)は、50~200mL/100g、好ましくは60~120mL/100g、より好ましくは70~100mL/100の範囲であり得る。
【0027】
ステップ(a)におけるカーボンブラックのASTM D6556-17に従って測定されるBET表面積は、15~500m/g、好ましくは30~300m/g、より好ましくは40~250m/g、さらにより好ましくは50~200m/g、最も好ましくは70~150m/gの範囲であり得る。
【0028】
ステップ(a)におけるカーボンブラックのASTM D2414-18に従って測定される吸油量(OAN)は、30~350mL/100g、好ましくは40~300mL/100g、より好ましくは50~150mL/100g、さらにより好ましくは100~290mL/100g、最も好ましくは40~150mL/100gの範囲であり得る。
【0029】
酸化のために、任意の酸化剤を使用することができる。本発明による方法は、特定の酸化剤に限定されない。ステップ(c)において、オゾン、Hおよび/またはNOx(HNOなど)を酸化のために使用することができる。オゾンは、空気を使用するオゾン発生器から容易に得ることができるので、特に好ましい。さらに、NOxの代わりにオゾンを使用することにより、装置の酸化/腐食の低減が観察される。これは、スクリューなどの可動部品を含むスクリューコンベヤに特に有用である。しかしながら、カーボンブラックの表面に特定の官能基が望まれる場合、NOxなどの異なる酸化剤を使用することができる。
【0030】
高濃度のオゾンは、酸化のために反応チャンバ内で使用することができる。反応チャンバ内のオゾンの濃度または量は、所望の酸化の程度(揮発分の量)に依存する。オゾンの濃度は、オゾン入口で最も高く、製造された酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの出口に向かって減少するはずである。オゾンは、ウェットビーズ化カーボンブラックと完全に反応することが望ましい。したがって、反応チャンバの出口にオゾンが実質的に存在しないか、またはオゾンが存在しないか、またはオゾンの量が、反応チャンバの出口に存在するガスの0.1重量%未満であることが望ましい。オゾン濃度またはオゾン量は、反応チャンバへのオゾン流量によって調整することができる。反応チャンバ内に存在するガスの0.1~95重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~15重量%、さらにより好ましくは1.5~15重量%、最も好ましくは2~10重量%がオゾンであり、および/またはオゾン入口を介して反応チャンバに供されるガスはオゾンであることが望ましい。通常、反応チャンバ内に存在するガスの0.5~5重量%がオゾンである。特に、オゾン富化空気は、本明細書で言及される量または濃度を含む酸化工程のために使用される。反応チャンバ内のオゾンの濃度、またはオゾン入口を介して反応チャンバに供されるオゾンの濃度は、1~300g/m、例えば1~200g/m、1~50g/m、1~60g/m、15~60g/m、15~60g/m、または15~50g/mであり得る。反応チャンバ内のオゾン濃度またはオゾン量は、反応チャンバ内の濃度勾配を考慮することができる。したがって、全体的なオゾン濃度または反応チャンバ全体におけるオゾンの量が一般的に考慮される。したがって、全体の濃度が上記の範囲に従う限り、オゾン入口でのオゾン濃度は、上記の最大値を上回るか、または上記の出口での最小値を下回ることが可能である。オゾン流量は、100~50000g/h、例えば300~5000g/h、300~30000g/h、500~10000g/h、800~5000g/h、5000~30000g/h、または1000~30000g/hであり得る。オゾン流量は、酸化の程度に応じて所望のように調整することができる。さらに、オゾン流量は、スクリューコンベヤのサイズに依存する。大型のスクリューコンベヤを使用する場合、より高いオゾン流量を利用すべきである。オゾン入口を介して反応チャンバに供されるオゾンは、空気または液体酸素から誘導することができる。
【0031】
一般に、オゾン濃度は、950℃で測定される揮発分含有量が1~25重量%、例えば1.5~20重量%、1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、5~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%であるように、調整/制御される。したがって、反応チャンバ内のオゾン濃度は、所望の揮発分含有量が達成されるように調整/制御されるべきである。例えば、反応器へのオゾン流量は、オゾン濃度を調整/制御するために調整/制御することができる。オゾン濃度は、ウェットビーズ化カーボンブラックが処理されるときのオゾン濃度を指すものとする。例えば、反応器または反応器チャンバ内のオゾン濃度である。
【0032】
950℃での揮発分含有量は、ウェットビーズ化カーボンブラックの空気流量と滞留時間によっても調整/制御できる。ウェットビーズ化カーボンブラックの滞留時間は、ウェットビーズ化カーボンブラックの供給速度および/またはスクリュー回転速度によって調整することができる。
【0033】
一般に、空気流量は、950℃で測定される揮発分含有量が1~25重量%、例えば1.5~20重量%、1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、5~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%であるように、調整/制御される。例えば、空気は、反応チャンバに流入する。
【0034】
一般に、ウェットビーズ化カーボンブラックの滞留時間は、950℃で測定される揮発分含有量が1~25重量%、例えば1.5~20重量%、1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、5~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%であるように、調整/制御される。例えば、反応チャンバ中のウェットビーズ化カーボンブラックの滞留時間である。
【0035】
一般に、スクリュー回転速度は、950℃で測定される揮発分含有量が1~25重量%、例えば1.5~20重量%、1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、5~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%であるように、調整/制御される。例えば、スクリューコンベヤのスクリュー回転速度である。
【0036】
オゾン濃度、空気流量、ウェットビーズ化カーボンブラックの滞留時間、および/またはスクリュー回転速度は、950℃で測定される揮発分含有量が1~25重量%、例えば1.5~20重量%、1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、5~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%であるように、調整/制御することが可能である。
【0037】
950℃での揮発分は、Fa.LECOインスルメンツ社製の熱重量測定装置(TGA-701)を用いて、以下の手順に従って測定することができる。試料皿を650℃で30分間乾燥させる。カーボンブラック材料を測定前に、乾燥剤を備えたデシケータ中に保存する。焼き出した試料皿を装置に装填し、風袋重量を測定し、0.5g~10gのカーボンブラック材料で充填する。次に、試料充填皿を装填したTGA機器のオーブンを、自動ソフトウェア制御によって105℃まで徐々に加熱し、一定の質量が達成されるまで試料を乾燥させる。続いて、皿を蓋で閉じ、オーブンを窒素(99.9体積%グレード)でパージし、950℃まで加熱する。オーブン温度を950℃で7分間維持する。950℃における揮発分の含有量は、下記式を用いて計算される。
【数1】
揮発分含有量は、DIN53552:1977-09に従って測定することもできる。
【0038】
ウェットビーズ化カーボンブラック(例えば、カーボンブラックの乾燥重量)対ステップ(c)における酸化のためのオゾンの重量比は1を超えるべきであり、好ましくは3以上、より好ましくは4以上である。特に、ウェットビーズ化カーボンブラック対ステップ(c)における酸化のためのオゾンの重量比は、1:1~15:1、好ましくは1.1:1~13:1、より好ましくは1.5:1~10:1、さらにより好ましくは2:1~8:1、最も好ましくは3:1~6:1であるべきである。
【0039】
ステップ(c)における酸化の温度は、10~60℃、好ましくは20~50℃、より好ましくは30~45℃である。特に、反応チャンバ内の温度は、10~60℃、好ましくは20~50℃、より好ましくは30~45℃である。スクリューコンベヤ内の温度は、スクリューコンベヤまたはスクリューコンベヤのバレルに取り付けられた液体または流体、例えば水によって制御することができる。したがって、スクリューコンベヤは、冷却または加熱のための温度制御ユニットを含むことができる。反応チャンバまたは酸化のための温度は、酸化中に揮発分の損失が生じないように制御されることが望ましい。一般に、ウェットビーズ化カーボンブラックの酸化は発熱反応であり、熱を放散すべきである。これは、高度に酸化されたカーボンブラックまたは高度に酸化されたウェットビーズ化カーボンブラックが得られるプロセスに特に関連し得る。しかしながら、酸化度の低いカーボンブラックが得られる方法では、酸化工程のために追加の熱を反応チャンバに移動させると有益であり得る。
【0040】
ウェットビーディング(b)は一般に、(b1)カーボンブラックを水で処理して、ウェットカーボンブラックを得ること、(b2)ウェットカーボンブラックをビーズ化して、水を含むビーズ化カーボンブラックを得ること、および(b3)ビーズ化カーボンブラックを乾燥して、ウェットビーズ化カーボンブラックを得ることのステップを含む。
【0041】
ウェットビーズ化カーボンブラックの含水量は、10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、さらにより好ましくは0.001~4重量%、最も好ましくは0.01~1重量%であるべきである。これは、すでに乾燥されたウェットビーズ化カーボンブラックを用いて酸化が行われるように、前述の乾燥工程の後、含水量の大部分が除去されることを意味する。したがって、酸化は、乾燥したウェットビーズ化カーボンブラックを用いて行われることが好ましい。
【0042】
ウェットビーズ化は、通常、本体を通って長手方向に延びかつカーボンブラック粉末の種類に応じて約240rpmまでの速度で回転するシャフトに固定された多数の撹拌ピンを備えた「ウェットビーズ化ボックス」内で実施される。ピンの作用は、ウェットカーボンブラックをビーズまたはペレットに形成させ、その後、それは乾燥機中で乾燥される。しかしながら、あらゆるタイプのウェットビーズ化装置が、ウェットビーズ化のために使用され得る。
【0043】
ビーズ化に使用される水の重量は、通常、ビーズ化されるカーボンブラック粉末の重量に等しい。範囲は、カーボンブラックの総重量に基づいて、5重量%~1000重量%であり得る。好ましくは、カーボンブラックの総重量に基づいて、20~200重量%、より好ましくは50~150重量%である。
【0044】
ウェットビーズ化のための水は通常、バインダを含み、好ましくは、バインダは糖蜜および/またはリグノスルホネートを含む。そのようなバインダは、ビーズを通して均一に分散される。バインダは、カーボンブラックビーズの破砕強度および充填点を増加させることができる。バインダは、カーボンブラック、特にウェットビーズ化のためのカーボンブラックの総重量に基づいて、0.01~1.00重量%、好ましくは0.05~0.9重量%、より好ましくは0.1~0.80重量%の量で存在することができる。ウェットビーズ化のためのカーボンブラックに対するバインダの重量比は、1/10000~1/100、好ましくは1~1/2000~1/110、より好ましくは1/1000~1/125である。
【0045】
ウェットビーズ化カーボンブラックおよび/または酸化ウェットビーズ化カーボンブラックのペレットサイズ(またはビーズサイズ)は、10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下であり得る。ウェットビーズ化カーボンブラックおよび/または酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの総重量に基づいてウェットビーズ化カーボンブラックおよび/または酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの少なくとも90重量%は、0.1~20mm、好ましくは0.1~15mm、より好ましくは0.1~10mm、最も好ましくは0.5~10mmのペレットサイズを有することが可能である。言い換えると、(a)10~90重量%の酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは0.1~10mm、好ましくは0.5~6mm、より好ましくは0.5~5mmのペレットサイズを有することができ、(b)30~90重量%の酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは0.1~10mm、好ましくは0.5~6mm、より好ましくは0.5~5mmのペレットサイズを有することができ、(c)50~90重量%の酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは0.1~10mm、好ましくは0.5~6mm、より好ましくは0.5~5mmのペレットサイズを有することができ、または(d)70~90重量%の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)は0.1~10mm、好ましくは0.5~6mm、より好ましくは0.5~5mmのペレットサイズを有することができる。
【0046】
ウェットビーズ化カーボンブラックの嵩密度は、通常150g/Lを超え、好ましくは150~600g/L、より好ましくは300~500g/Lである。嵩密度は、ASTM D1513-05に従って測定することができる。
【0047】
反応チャンバへ空気流量は、5~1000Nm/h、例えば5~200Nm/h、10~150Nm/h、15~100Nm/h、20~50Nm/h、10~600Nm/h、15~300Nm/h、10~600Nm/h、100~800Nm/h、または200~600Nm/hであるべきである。空気流量は一般に、設定されたオゾン流量に依存する。さらに、空気流量は、反応チャンバのサイズに依存する。より大きい反応チャンバは、通常、より高い空気流量を必要とする。反応チャンバへのウェットビーズ化カーボンブラック供給は、0.01~1000g/s、例えば1~500g/s、100~600g/s、0.05~50g/s、0.08~20g/s、または0.08~5g/sであり得る。
【0048】
上述のように、本発明は、950℃で測定した揮発分含有量が1~25重量%でありかつ直径0.71~1.0mmのペレットの平均ペレット破砕強度が4~80cN、好ましくは5~40cN、より好ましくは10~30cNである酸化ウェットビーズ化カーボンブラックに関する。ペレット破砕強度、例えば平均ペレット破砕強度は、ASTM D5230-19に従って測定することができる。特に、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの950℃で測定した揮発分含有量は1.5~20重量%、例えば1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%である。本発明によるウェットビーズ化カーボンブラックの950℃で測定される揮発分含有量は、2.2~25重量%、好ましくは2.2~20重量%、より好ましくは2.2~15重量%、さらにより好ましくは3~15重量%、最も好ましくは3~10重量%であることが好ましい。驚くべきことに、特に酸化ユニットとしてスクリューコンベヤを使用することによって、ウェットビーズ化カーボンブラックが引き続き酸化されて製造される場合、950℃で測定される揮発分の高い含有量を有し同時に高いペレット破砕強度を有する酸化ウェットビーズ化カーボンブラックが製造され得ることが見出された。さらに、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは、ゴム組成物に有益に使用することができて、得られたゴム製品の特性を高めることができる。
【0049】
酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの直径1.0~1.4mmのペレットの平均ペレット破砕強度は、4~80cN、好ましくは5~40cN、より好ましくは10~30cNであり得る。酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの直径1.4~1.7mmのペレットの平均ペレット破砕強度は、3~80cN、好ましくは4~40cN、より好ましくは5~30であり得る。
【0050】
ペレット破砕強度、例えば平均ペレット破砕強度は、ASTM D5230-19に従って測定することができる。
【0051】
直径0.71~1.0mmのペレットの平均ペレット破砕強度は4~80cN、好ましくは5~40cN、より好ましくは10~30cNであり、直径1.0~1.4mmのペレットの平均ペレット破砕強度は4~80cN、好ましくは5~40cN、より好ましくは10~30cNであり、および直径1.4~1.7mmのペレットの平均ペレット破砕強度は3~80cN、好ましくは4~40cN、より好ましくは5~30であることが特に望ましい。
【0052】
直径0.71~1.0mmの最も硬いペレット5個の平均ペレット破砕強度は、10~110cN、好ましくは12~80cN、より好ましくは15~60cN、最も好ましくは17~50cNであることが特に望ましい。直径0.71~1.0mmの最も硬いペレットのペレット破砕強度は、10~110cN、好ましくは12~80cN、より好ましくは15~60cN、最も好ましくは17~50cNであるべきである。直径1.0~1.4mmの最も硬いペレット5個の平均ペレット破砕強度は、10~110cN、好ましくは12~80cN、より好ましくは15~60cN、最も好ましくは17~50cNであるべきである。直径1.0~1.4mmの最も硬いペレットのペレット破砕強度は、10~110cN、好ましくは12~80cN、より好ましくは15~60cN、最も好ましくは17~50cNであるべきである。
【0053】
酸化ウェットビーズ化カーボンブラックのヨウ素吸着量は、30~80mg/g、好ましくは40~70mg/g、より好ましくは45~65mg/gであるべきである。ヨウ素吸着量は、ASTM D1510-17に従って測定することができる。
【0054】
酸化ウェットビーズ化カーボンブラックのASTM D6556-17に従って測定される統計的厚さ表面積(STSA)は、15~500m/g、好ましくは20~400m/g、より好ましくは30~300m/g、さらにより好ましくは40~200m/g、最も好ましくは50~150m/gの範囲であるべきである。39.
【0055】
酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの微粉含有量は、0.1~50%、好ましくは1~10%、より好ましくは1~5%であってよい。微粉含有量は、ASTM D1508-02に従って測定することができる。低微粉含有量は、酸化工程中のビーズ/ペレットの破壊を回避するための指標である。
【0056】
酸化ウェットビーズ化カーボンブラックのpH値は、7未満、例えば2~6、2~4、2~3、好ましくは2.4~2.9、より好ましくは2.7~2.9であるべきである。pH値は、ASTM D1512-15b、試験方法B-音波スラリーに従って測定することができる。
【0057】
ペレット摩耗は、6.5%未満、好ましくは0.1~5%、より好ましくは0.2~3%、最も好ましくは0.5~2%であるべきである。ペレット摩耗は、ASTM D1508-02に従って測定することができる。ビーズの輸送および混合が改善されるように、低いペレット摩耗が望ましい。さらに、低いペレット摩耗は、輸送または取扱中のペレットの破壊を防止する。
【0058】
本発明の方法は、反応チャンバと、オゾンを反応チャンバに供給するための少なくとも1つのオゾン入口とを含む、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを製造するためのスクリューコンベヤ中で実施することができる。したがって、スクリューコンベヤは、ウェットビーズ化カーボンブラックを酸化するために使用することができる。カーボンブラックビーズの破壊は、酸化のためのスクリューコンベヤを用いて有利に回避され得ることが見出された。
【0059】
さらに、スクリューコンベヤは、オゾンを発生させるための手段を含むことができる。オゾンを発生させる手段は、少なくとも1つのオゾン入口に接続しているべきである。
【0060】
スクリューコンベヤは、通常、シャフトの周りにコイル状に巻かれた「螺旋ブレード」を含む円筒である。スクリューコンベヤは、ウェットビーズ化カーボンブラックの酸化を可能にするようにさらに改変される。したがって、スクリューコンベヤは、スクリューコンベヤのチャンバにオゾンを供給するための少なくとも1つのオゾン入口を含む。このように、スクリューコンベヤのチャンバは反応チャンバであり、オゾンなどの酸化剤が、ウェットビーズ化カーボンブラックを酸化することができる。
【0061】
したがって、スクリューコンベヤは反応チャンバ内にオゾンを含むことができ、反応チャンバ内に存在するガスの好ましくは0.1~80重量%、より好ましくは0.5~20重量%、最も好ましくは1~10重量%はオゾンである。オゾン入口は、反応チャンバへのオゾン供給を制御および/または測定して、反応チャンバ内のオゾン濃度を調整する手段をさらに含む。さらに、反応チャンバは、ウェットビーズ化カーボンブラックおよび/または酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを含むことができる。要するに、反応チャンバは、ウェットビーズ化カーボンブラックおよび酸化ウェットビーズ化カーボンブラックならびにオゾン、好ましくは前述の量/濃度で、を含むべきである。オゾン入口は、好ましくはスクリューコンベヤのバレルの底部に配置される。
【0062】
スクリューコンベヤは、反応チャンバを冷却または加熱するための少なくとも1つの温度制御ユニットを含むことができる。ウェットビーズ化カーボンブラックの酸化の間、温度は上昇し得る。反応チャンバの温度を温度制御ユニットによって制御することで、揮発分を失う(酸化の程度を低下させる)リスクを回避することができる。しかしながら、酸化度の低いカーボンブラックが得られる方法では、酸化工程のために追加の熱を反応チャンバに移動させると有益であり得る。温度制御ユニットは、反応チャンバまたはバレルの外面に取り付けられることが好ましい。
【0063】
スクリューコンベヤ(コンベヤスクリュー)のスクリューは、従来の螺旋状スクリューブレードであり得る。スクリューコンベヤのスクリューは、ネジ山(または螺旋状のスクリューブレード)を有し、ネジ山は2~100巻き、好ましくは5~50巻きを有することができる。ネジ山は、連続的な、または一定の増加/減少ピッチを有することができる。一般に、スクリューは、シャフトと、その上の螺旋コンベヤブレードとを含む。しかしながら、スクリューは、シャフトレス螺旋コンベヤブレードであることも可能である。したがって、ブレードは、モータによって直接駆動することができる。スクリューコンベヤは、螺旋コンベヤブレードを含むことができる。スクリューは一般に、シャフトからおよびシャフトに沿って半径方向および螺旋状に延在する少なくとも1つのスクリューフライトを有する。
【0064】
スクリューは、少なくとも部分的にフライトとして、好ましくは少なくとも部分的に単一フライトとして、より好ましくは少なくとも部分的に二重フライトとして構成することができ、スクリューは、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)を含み、スクリューが少なくとも部分的に二重フライトリボンとして構成される場合、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(第1のフライト)をさらに含む。
【0065】
スクリューコンベヤまたは螺旋コンベヤブレードは、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレードおよび/または少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレードを含むことができる。第1および第2の螺旋コンベヤブレードは、順番に構成され、したがって単一のネジ山を形成することができる。また、第1および第2の螺旋コンベヤブレードは、二条ネジ山(または二重開始ネジ山、または二重フライト)を形成することが望ましい。例えば、第1および第2の螺旋コンベヤブレードは、高低ネジ山を形成することができ、第1の螺旋コンベヤブレードは低いネジ山であり、第2の螺旋コンベヤブレードは高いネジ山である。第1のコンベヤブレードの個々の旋回は、第2のコンベヤブレードの後続の個々の旋回の間で、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在することができる。二条ネジ山が存在する場合、両方のネジ山を同時に開始する必要はない。
【0066】
第2の螺旋コンベヤブレードは、シャフトまでの半径方向距離を有し、それによってシャフトと第2の螺旋コンベヤブレードとの間に円周方向クリアランスを形成しながら、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在することができる。このようなクリアランスを有する螺旋コンベヤブレードは、一般にフライトリボンと呼ばれている。したがって、スクリューは、少なくとも部分的にフライトリボンとして、好ましくは少なくとも部分的に単一フライトリボンとして、より好ましくは少なくとも部分的に二重フライトリボンとして構成することができる。
【0067】
スクリューは、少なくとも部分的にフライトリボンとして、好ましくは少なくとも部分的に単一フライトリボンとして、より好ましくは少なくとも部分的に二重フライトリボンとして構成することができ、スクリューは、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)を含み、スクリューが少なくとも部分的に二重フライトリボンとして構成される場合、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(第1のフライト)をさらに含む。
【0068】
スクリューは、フライトリボン、好ましくは単一フライトリボン、より好ましくは二重フライトとして構成することができ、1つのフライトは少なくとも部分的にフライトリボンを含み、スクリューは、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)を含み、スクリューが二重リボンとして構成される場合、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(第1のフライト)をさらに含み、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)は、少なくとも部分的にフライトリボンとして構成される。
【0069】
スクリューは二重フライトとして構成することができ、スクリューは少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)および少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(第1のフライト)を含み、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)は、少なくとも部分的にフライトリボン(好ましくは第2の区画)として構成されることが特に好ましい。フライトリボンはオゾン入口に隣接して存在することが好ましい。
【0070】
スクリューは1つのフライトとして構成することができることも好ましく、スクリューは少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)を含み、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)はフライトリボンとして(好ましくは第2の区画として)少なくとも部分的に構成され、好ましくは少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)は3つの区画を有し、第1の区画は、シャフトに直接かつ連続的に取り付けられたフライトであり、第2の区画はフライトリボンであり、第3の区画は、シャフトに直接かつ連続的に取り付けられたフライトである。フライトリボンはオゾン入口に隣接して存在することが好ましい。第2の区画は、第1の区画と第2の区画との間に配置されるべきである。
【0071】
スクリューは二重フライトとして構成することができることが特に好ましく、スクリューは少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)および少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(第1のフライト)を含み、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)はフライトリボンとして(好ましくは第2の区画として)少なくとも部分的に構成され、好ましくは少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(第2のフライト)は3つの区画を有し、第1の区画は、シャフトに直接かつ連続的に取り付けられたフライトであり、第2の区画はフライトリボンであり、第3の区画は、シャフトに直接かつ連続的に取り付けられたフライトであり、好ましくは少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(第1のフライト)は、シャフトに直接かつ連続的に取り付けられたフライトである。フライトリボンはオゾン入口に隣接して存在することが好ましい。第2の区画は、第1の区画と第2の区画との間に配置されるべきである。
【0072】
従来のスクリューコンベヤにおけるシャフトと螺旋コンベヤブレードとの間のクリアランスは、材料を搬送する能力が低下するという欠点を有する。言い換えれば、従来のスクリューコンベヤの主な目的は、例えば傾斜に打ち勝つための材料の輸送である。しかしながら、本発明のスクリューコンベヤは、材料を搬送するためだけでなく、供給材料を酸化するためにも使用することができる。シャフトと螺旋コンベヤブレードとの間にクリアランスを有するこのようなブレードは、酸化のために有益に使用することができる。酸化剤は、反応チャンバを通してより良好に分配することができ、ウェットビーズ化カーボンブラックを均一に混合することができる。酸化中の均一な混合によって、ウェットビーズ化カーボンブラックの改善された均一な酸化が可能になる。
【0073】
シャフトまでの半径方向距離を有し、それによってシャフトと第2の螺旋コンベヤブレードとの間に円周方向クリアランスを形成する第2の螺旋コンベヤブレードは、オゾン入口が位置するシャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在することが特に好ましい。
【0074】
第2の螺旋コンベヤブレードは、シャフトに直接取り付けられた螺旋コンベヤブレードを含む第1の区画と、シャフトまでの半径方向距離を有し、それによってシャフトと第2の螺旋コンベヤブレードとの間に円周方向クリアランスを形成しながら、シャフトの(好ましくはオゾン入口が位置する)少なくとも一部の長さにわたって延在する螺旋コンベヤブレードを含む第2の区画とを含むことが可能である。さらに、第2の螺旋コンベヤブレードは、シャフトに直接取り付けられた螺旋コンベヤブレードを含む第1の区画と、シャフトまでの半径方向距離を有し、それによってシャフトと第2の螺旋コンベヤブレードとの間に円周方向クリアランスを形成しながら、シャフトの(好ましくはオゾン入口が位置する)少なくとも一部の長さにわたって延在する螺旋コンベヤブレードを含む第2の区画と、シャフトに直接取り付けられた螺旋コンベヤブレードを含む第3の区画とを含むことが望ましい。第2の螺旋コンベヤブレードは、第1の区画、第2の区画および第3の区画の順序で区画を含むことが好ましい。第1の螺旋コンベヤブレードは、スクリューの第2のネジ山を形成することができ、第1の螺旋コンベヤブレードの直径(または外径)は、第2の螺旋コンベヤブレードの直径(外径)よりも小さい。
【0075】
第2のコンベヤブレードは、シャフトから半径方向に延びるスペーサバーを介して、好ましくは3つ以上のバーを介して、シャフトの少なくとも一部の長さにわたってシャフトに取り付けることができる。特に、第2のコンベヤブレードは、シャフトまでの半径方向距離を有し、それによってシャフトと第2の螺旋コンベヤブレードとの間に円周方向クリアランスを形成する場合、シャフトから半径方向に延びるスペーサバーを介して、好ましくは3つ以上のバーを介して、シャフトの少なくとも一部の長さにわたってシャフトに取り付けることができる。これは、上記クリアランスを有する第2のコンベヤブレードの部分は、シャフトから半径方向に延びるスペーサバーを介して、好ましくは3つ以上のバーを介して、シャフトの少なくとも一部の長さにわたってシャフトに取り付けられるべきであることを意味する。
【0076】
シャフトと第2の螺旋コンベヤブレードとの間に円周方向クリアランスを形成するシャフトまでの半径方向距離は、10~200mm、好ましくは20~150mm、より好ましくは30~100mm、さらにより好ましくは40~80mm、最も好ましくは45~70mmであるべきである。
【0077】
従来のスクリューコンベヤにおいて、シャフトまでの半径方向距離によってシャフトと螺旋コンベヤブレードとの間に周方向クリアランスを形成することは、材料を搬送する能力が低下するという欠点であった。言い換えれば、従来のスクリューコンベヤの主な目的は、例えば傾斜に打ち勝つ材料の輸送である。しかしながら、本発明によるスクリューコンベヤは、材料を搬送するためだけでなく、供給材料を酸化するためにも使用される。クリアランスを有するこのようなブレードは、酸化のために有益に使用することができる。酸化剤は、反応チャンバを通してより良好に分配することができ、ウェットビーズ化カーボンブラックを均一に混合することができる。酸化中の均一な混合によって、ウェットビーズ化カーボンブラックの改善された均一な酸化が可能になる。
【0078】
第1のコンベヤブレードは第1の外径を有し、第2のコンベヤブレードは第2の外径を有し、好ましくは第1の外径と第2の外径とは互いに異なることが好ましい。特に、第1の外径は、第2の外径よりも小さい。シャフトの少なくとも一部の長さにわたる第2のコンベヤブレードの間隔(リード)は、第1のコンベヤブレードの間隔(リード)よりも小さくなければならない。
【0079】
スクリューコンベヤは、駆動部と、反応チャンバを形成するバレル内に延在する被駆動スクリューとを含むことができ、スクリューは、シャフトと、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレードとを含む。駆動部は、被駆動ネジを駆動するように構成されるべきである。
【0080】
一般に、スクリューコンベヤのスクリューは、シャフトと、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレードとを含む。代替的にまたは追加的に、スクリューコンベヤのスクリューは、シャフトおよび少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレードを含む。
【0081】
スクリューコンベヤおよび/または反応チャンバのスクリューは、0.1~100m、例えば1~20m、5~15m、2~4m、10~90m、または20~80mの長さを有することができる。反応チャンバの容積は、1~10000L、例えば10~1000L、20~100L、2~50L、100~9000Lまたは500~5000Lであり得る。反応チャンバの容積は、プロセスのために必要に応じて選択することができる。ウェットビーズ化カーボンブラック供給物のより高い投入は、より大きな反応チャンバを必要とする。スクリューコンベヤは、駆動部と、反応チャンバを形成するバレル内に延在する被駆動スクリューとを含むことができる。スクリューコンベヤは、通常、反応チャンバへのウェットビーズ化カーボンブラックの入口を含む。同様に、スクリューコンベヤは通常、製造された酸化ウェットビーズ化カーボンブラックのための出口を含み、出口は入口に対して反応チャンバの反対側に配置される。入口はスクリューコンベヤの頂部に配置し、出口はスクリューコンベヤの底部に配置する。
【0082】
スクリューの直径は、50~300mm、好ましくは60~250mm、より好ましくは70~200mm、さらにより好ましくは80~150mm、最も好ましくは90~130mmであり得る。少なくとも1つの第1および/または少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレードの直径は、50~1000mm、好ましくは100~800mm、より好ましくは150~700mm、さらにより好ましくは200~600mm、最も好ましくは250~400mmであり得る。少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレードの直径は、25~500mm、好ましくは50~400mm、より好ましくは75~350mm、さらにより好ましくは100~300mm、最も好ましくは150~300mmであり得る。バレルの内径は、50~3000mm、例えば100~800mm、150~700mm、200~600mm、250~400mm、100~2000mm、または150~1000mmであり得、好ましくは、バレルの内径は、少なくとも1つの第1および/または少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレードの直径よりも大きい。少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレードの内径は、40~900mm、好ましくは80~750mm、より好ましくは130~650mm、さらにより好ましくは180~550mm、最も好ましくは230~350mmであり得る。少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレードの外径は、50~1000mm、好ましくは100~800mm、より好ましくは150~700mm、さらにより好ましくは200~600mm、最も好ましくは250~400mmであるべきである。
【0083】
一般に、スクリューコンベヤの構成要素のそれぞれのサイズは、スクリューコンベヤのサイズに対して選択されるべきである。大型スクリューコンベヤは、通常、より大きな構成要素と、構成要素のより大きな寸法とを含む。したがって、スクリューコンベヤの特定の構成要素または部品のサイズおよび寸法は通常一致する。
【0084】
螺旋コンベヤブレードと反応器チャンバの内面との間のギャップは、0mm(または0mm超)~200mm、好ましくは1mm~100mm、より好ましくは2mm~80mm、さらにより好ましくは5~50mm、最も好ましくは10~40mmであり得る。
【0085】
少なくとも1つの第1および/または少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレードは、搬送方向とは反対側の表面に取り付けられた少なくとも1つのターナーを含むことができる。ターナーは、材料の混合が改善されるように、ウェットビーズ化カーボンブラック材料の一部を持ち上げることができるべきである。これは、酸化が促進されるように材料の均一な混合を可能にする。
【0086】
少なくとも1つの第1および/または少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレードは、少なくとも1つの第1のターナーおよび少なくとも1つの第2のターナーを含むことができる。少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2のターナーは、少なくとも1つの第1および/または少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレードに交互に取り付けられることができる。少なくとも1つの第1のターナーの角度は、少なくとも1つの第2のターナーの角度よりも大きくなければならず、ターナーは、第2のコンベヤブレードの円周の接線に対してある角度で延在する(図8に示される)。少なくとも1つの第1のターナーの角度は、30~100°、好ましくは35~90°、より好ましくは40~80°、さらにより好ましくは50~70°、最も好ましくは55~65°とすることができる。少なくとも1つの第2のターナーの角度は10~60°、好ましくは15~55°、より好ましくは20~50°、さらにより好ましくは25~45°、最も好ましくは35~45°であり、ターナーは、第2のコンベヤブレードの円周の接線に対してある角度で延在する。
【0087】
製造された酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは、ゴム組成物などの組成物に実装することができる。ゴム組成物は、トランスミッションおよびコンベヤベルト、タイヤまたは履物などの多数の工業製品を製造するために広く適用されている。カーボンブラックは、多くのポリマー組成物中に含まれ、例えば、それらの色、機械的、電気的、および/または加工特性を改変するためのものである。カーボンブラックは例えば、一般に、タイヤまたはその構成要素を製造するために使用されるゴム組成物に添加されて、絶縁マトリックスに電気的散逸性を付与する。同時に、カーボンブラック添加剤は、剛性、耐摩耗性およびヒステリシスのような機械的および弾性特性に影響を及ぼし、これらは、例えば、その転がり抵抗および耐久性に関して、得られるタイヤの性能に大いに影響を及ぼす。
【0088】
したがって、(a)エラストマーポリマー材料、および(b)酸化ウェットビーズ化カーボンブラック、例えば、下記態様または特許請求の範囲に記載されたような本発明に係る酸化ウェットビーズ化カーボンブラック、を含む組成物を提供することができる。組成物は、本発明の方法に従って調製された酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを含むことが特に好ましい。さらに、本発明による酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの製造、およびエラストマーポリマー材料を含む組成物への酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの添加を含む、前述の組成物の調製が開示される。したがって、ゴム組成物などの組成物は、本明細書に記載されるように提供される。
【0089】
用語「組成物」は、本明細書中で使用される場合、複数の構成化学種または成分から構成される材料を指す。「エラストマーポリマー材料」は、本質的にエラストマーポリマーからなる材料として理解される。用語「ポリマー」は、本明細書において当技術分野におけるその一般的な意味で使用され、高分子化合物、すなわち、比較的高い分子量(例えば、500Da以上)を有する化合物を指し、その構造は、比較的低い分子量の化学種に実際にまたは概念的に由来する複数の繰り返し単位(「マー」とも呼ばれる)を含む。用語「エラストマーポリマー」は、本明細書では弾性であるポリマーを指す、当技術分野におけるその一般的な意味で使用される。
【0090】
本発明の実施のためのエラストマーポリマー材料として特に有用なのは、ゴム材料のようなエラストマーである。本発明による組成物のエラストマーポリマー材料(a)は、1種または2種以上のゴムを含むことができる。用語「ゴム」、「ゴム材料」および「エラストマー」は特に明記しない限り、本明細書全体を通して互換的に使用され得る。本発明に従って使用することができるゴムとしては、オレフィン系不飽和を含有するもの、すなわちジエン系ゴム材料、ならびに非ジエン系ゴム材料が挙げられる。用語「ジエン系ゴム材料」は、天然ゴムおよび合成ゴムの両方、またはそれらの混合物を含むことが意図される。エラストマーポリマー材料(a)は、合成ゴムからなり得る。
【0091】
したがって、本発明はまた、本発明による前述の組成物から作製されるか、またはそれを含む物品、特にタイヤに関する。本発明によるタイヤは、トレッド、カーカス、サイドウォール、インナーライナー、アペックス、ショルダー、ハンプストリップ、チェーファー、および/またはビードフィラーを含むことができ、これらのうちの少なくとも1つは、本発明による組成物から製造されるか、または本発明による組成物を含む。このようなタイヤとしては、例えば、これに限定されないが、トラック用タイヤ、乗用車用タイヤ、オフロード用タイヤ、航空機用タイヤ、農業用タイヤおよびアースムーブ用タイヤが挙げられる。
【0092】
物品は、ケーブルシース、チューブ、駆動ベルト、コンベヤベルト、ロールカバー、靴底、ホース、シール部材、プロファイル、ダンピング素子、コーティング、または着色されたもしくは印刷された物品であり得る。
【0093】
さらに、物品は、コンベヤベルトであってもよく、コンベヤベルトは、エラストマーポリマー材料および酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを含み、組成物は、好ましくは(a)60~95phrの天然ゴムおよび5~40phrの合成ゴム、好ましくは70~85phrの天然ゴムおよび15~30phrの合成ゴム、より好ましくは80phrの天然ゴムおよび20phrの合成ゴムを含み、合成ゴムは好ましくはポリブタジエンを含み、より好ましくはポリブタジエンからなり、(b)30~70phrの酸化ウェットビーズ化カーボンブラック、好ましくは40~60phrの酸化ウェットビーズ化カーボンブラック、より好ましくは50phrの酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを含む。
【0094】
さらに、本発明は、タイヤ、好ましくは空気入りタイヤ、タイヤトレッド、ベルト、ベルト補強材、カーカス、カーカス補強材、サイドウォール、インナーライナー、アペックス、ショルダー、ハンプストリップ、チェーファー、ビードフィラー、ケーブルシース、チューブ、駆動ベルト、コンベヤベルト、ロールカバー、靴底、ホース、シール部材、プロファイル、ダンピング素子、コーティング、または着色されたもしくは印刷された物品を製造するための、本発明による上記組成物の使用に関する。
【0095】
さらに、エラストマーポリマー材料と酸化ウェットビーズ化カーボンとを混合することを含む、組成物、好ましくは本発明による組成物の調製方法が開示される。さらに、ゴム組成物を調製するための酸化ウェットビーズ化カーボンの使用が開示される。
【0096】
ここで、本発明の範囲および領域を限定しない添付の図面を参照して、本発明を説明する。提供される説明は純粋に、事例および説明図を示すためのものである。しかしながら、図面に例示された特定の特徴は、本発明の範囲および特許請求の範囲をさらに制限するために使用され得る。
【0097】
図1は、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の製造のための本発明の方法に関する。まず、カーボンブラックを、好ましくは粉末として提供する(101)。上述したように、カーボンブラック粉末は、ファーネスブラックであることが好ましい。しかしながら、カーボンブラック材料の混合物を含む、任意の種類のカーボンブラック材料を本発明に従って使用することができる。第2のステップでは、カーボンブラックをウェットビーズ化する。ウェットビーズ化は、カーボンブラック粉末を水および場合によりバインダで処理することを含むことができる。続いて、混合物をビーズ化し、乾燥させて、ウェットビーズ化カーボンブラックを得る(102)。次いで、ビーズを酸化ステップ(103)に供して、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)を得る。酸化ステップは、好ましくは本発明によるスクリューコンベヤ(200、300)中で実施される。しかしながら、酸化のための特定の手段は、スクリューコンベヤに限定されない。好ましくは、オゾンが酸化剤として使用される。
【0098】
図2を参照すると、本発明によるスクリューコンベヤ(200)の内側部分が示されている。スクリューコンベヤ(200)は、スクリューを駆動する電気モータ(215)に接続されたシャフト(213)に取り付けられた少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(214、502)を含む。あるいは、図2に示された螺旋コンベヤブレードは、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)である。スクリューコンベヤ(200)は、反応チャンバ(218)を画定するか、または反応チャンバ(218)を画定するバリアを提供するバレル(211)をさらに含む。スクリューコンベヤ(200)は、ウェットビーズ化カーボンブラック(201)のための入口(210)と、製造された酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)のための出口(212)とを含む。スクリューコンベヤ(200)の底部には、いくつかのオゾン入口(216)が取り付けられ、反応チャンバ(218)内にオゾン(217)を供給する。スクリューは、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(214)を含んで、供給材料を入口から出口に向かう方向に輸送する。シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在する第2の螺旋コンベヤブレード(501)であって、シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成する第2の螺旋コンベヤブレードが存在する場合、クリアランス(すなわち、シャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間の円周方向クリアランス(503)を形成する、シャフト(213)までの半径方向距離)は、オゾン入口が位置するシャフトの一部の長さにわたって位置することが望ましい。スクリューの長手方向(220)は、図1に示されている。
【0099】
図3を参照すると、本発明によるスクリューコンベヤ(300)の外側部分が示されている。この図では、スクリューコンベヤ(300)の外壁、すなわちバレル(211)の外壁に取り付けられた3つの温度制御ユニット(301)が見える。温度制御ユニットは、この図には示されていないスクリューコンベヤ(300)の反対側に延在する。各温度制御ユニット(301)は、水などの流体のための入口(302)と、水などの流体のための出口(303)とを含む。入口(301)と出口(302)は入れ替えることができる。さらに、バリア(304)は、流体の流路を示す破線として示されている。したがって、各バリアは、流体が入口(302)から出口(303)に輸送され得るように、流路を定義するための少なくとも1つの開口部を有する。いくつかの開口部は、温度制御ユニット(301)の反対側に存在するので、図には示されていない。
【0100】
図4は、シャフト(213)に取り付けられた少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(214、502)を含むスクリュー(400)の区画を示す。この図では、単一フライト(少なくとも部分的に)として構成されたスクリューが示されている。少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(214、502)は、シャフト(213)までの半径方向距離なしに、したがって、シャフト(213)と第1の螺旋コンベヤブレード(214、502)との間に周方向クリアランス(503)を形成することなく、シャフト(213)に直接取り付けられる。あるいは、図2に示された螺旋コンベヤブレードが少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)である。第1のコンベヤブレード(214、502)の間隔が図に示されている。第1のコンベヤブレードの間隔はリードである。特定のコンベヤブレードまたは特定のコンベヤブレードのリードの間隔は、コンベヤブレードの1回の完全な回転によってカバーされるスクリューの軸に沿った距離である。スクリューが1つのコンベヤブレードのみを含む場合、リードおよびピッチは同じである(単一開始ネジ山)。図4では、フライトは、シャフトに直接かつ連続的に取り付けられている(クリアランスがなく、フライトリボンではない)。
【0101】
図5は、シャフト(213)と、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(502)と、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)とを含むスクリュー(500)の区画を示しており、この第2の螺旋コンベヤブレードは、シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成しながら、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在する。したがって、スクリューは、二条ネジ山(または二重開始ネジ山)として設計され、第1の螺旋コンベヤ(502)は低いネジ山であり、第2の螺旋コンベヤは高いネジ山(501)である。これは、第1のコンベヤブレード(214、502)の個々の旋回は、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって、第2のコンベヤブレード(501)の後続の個々の旋回の間で延在することを意味する。この構成は、オゾン入口が配置される場所に存在することが望ましい。したがって、説明されたスクリュー(500)は、好ましくはスクリューの中央部分に配置され、好ましくはオゾン(216)のための入口が配置される。したがって、入口(216)を介して供されるオゾン(217)は、反応チャンバ(218)内に容易に分配することができ、改善された均一な酸化が達成される。少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)は、シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成しながら、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在し、かつ、図に示されていないバー(スペーサバー)を介してスクリューに取り付けることができることに留意されたい。バー(スペーサバー)は、構造体を支持することができる。しかしながら、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)をスクリューに取り付けるための任意の考えられる手段を使用することができる。少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(502)の間隔(504)またはリード(504)は、図5に示されている。少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)の間隔(505)またはリード(505)は、図5に示されている。この図では、リボンフライトを有する二重フライト(少なくとも部分的に)として構成されたスクリューが示されている。リボンフライトは、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤ(501)である。
【0102】
図6を参照すると、螺旋コンベヤブレードの異なる区画(601、602、603)を有するスクリュー(600)が示されている。この構成では、スクリューは、シャフト(213)と、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(502)と、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)とを含み、この第2の螺旋コンベヤブレードは、シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成しながら、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在する。スクリューは、二条ネジ山(または二重開始ネジ山)として設計され、第1の螺旋コンベヤ(502)は低いネジ山であり、第2の螺旋コンベヤは高いネジ山(501)である。したがって、第2の螺旋コンベヤブレード(501)は、シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成しながら、シャフトの長さにわたって部分的にのみ延在する。この部分は、区画(602)として示される。したがって、区画(601)および(603)内の第2の螺旋コンベヤブレード(501)は、シャフト(213)に直接取り付けられる。シャフト(213)が直接接続された第2の螺旋コンベヤブレード(501)の区画から、シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成しながら、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在する区画への滑らかな移行部が、一般に形成される。
【0103】
図7および図8は、シャフト(213)と、少なくとも1つの第1の螺旋コンベアブレード(502)と、少なくとも1つの第2の螺旋コンベアブレード(501)と、さらにターナー(702、703)を含むスクリューの断面を示し、第2の螺旋コンベアブレードは、シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成しながら、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在する。シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成しながら、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在する少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)は、スペーサバー(701)を介してスクリュー(213)に取り付けられる。符号502は、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(502)がより小さい直径を有することを示す。図8には、それぞれの螺旋コンベヤブレードのそれぞれの直径およびクリアランス(503)が示されている。シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成しながら、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在する少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)の内径(804)は、第2の螺旋コンベヤブレード(501)とシャフト(213)との間のクリアランス(503)を同時に規定する。本明細書で言及される直径は、例えば図7に示されるような断面を考慮して、螺旋コンベヤブレードの直径を指すことに留意されたい。さらに、図8には、シャフト(213)までの半径方向距離を有し、それによってシャフト(213)と第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間に円周方向クリアランス(503)を形成しながら、シャフトの少なくとも一部の長さにわたって延在する少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)の外径(803)、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(502)と少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)との間の距離(807)、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(502)の直径(806)、および少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)の内径と外径との間の距離(805)が示されている。図8から分かるように、ターナー(702、703)は、少なくとも1つの第2の螺旋コンベヤブレード(501)に特定の角度(801、802)で取り付けられる。それぞれの角度は、特に図8に示されるように、ターナーが第2のコンベヤブレードの円周の接線に対してある角度で延びる角度である。上述のように、ターナー(702、703)は、少なくとも1つの第1の螺旋コンベヤブレード(214、502)に取り付けることもできる。
【0104】
図9は、本発明に従って調製された酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを示す。画像から分かるように、ビーズを破壊することなく、ウェットビーズ化カーボンブラックを酸化することが可能である。
【実施例
【0105】
実施例1:本発明による酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの製造
実施例A~I(実施例A~I)における酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの製造に使用されるカーボンブラック粉末はN234である。
【0106】
実施例A~Hでは、水をカーボンブラック粉末にかけ、ウェットカーボンブラック粉末をビーズ化し、続いて、得られたウェットビーズ化カーボンブラックを乾燥させることによって、カーボンブラック粉末をウェットビーズ化する。
【0107】
次いで、ウェットビーズ化カーボンブラックを、酸化のためのスクリューコンベヤに供する。オゾンは、スクリューコンベヤの反応チャンバに供給され、ウェットビーズ化カーボンブラックを酸化する。酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの製造の設定および結果を表1に示す。オゾン流量は、反応チャンバ内の標的オゾン流量を示す。スクリューコンベヤの反応チャンバは水で冷却される。
【0108】
比較例I(比較例I)では、カーボンブラックビーズの揮発分の減少を避けるために、カーボンブラック粉末を最初に酸化し、次いでドライビーズ化する。
【0109】
表1:酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの製造。
【表1】
ペレット破砕強度はASTM D5230-19に従って測定される。
微粉含有量はASTM D1508-02に従って測定される。
揮発分は以下に記載されるように950℃7分間で測定される。
BET表面積はASTM D6556-17に従って測定される。
STSA表面積はASTM D6556-17に従って測定される。
ヨウ素吸着量はASTM D1510-17に従って測定される。
ペレット摩耗はASTM D1508-02に従って測定される。
pH値はASTM D1512-15b、試験方法B-ソニックスラリーに従って測定される。
吸油量はASTM D2414-18に従って測定される。
10 カーボンブラックのオゾンに対する重量比。
【0110】
950℃での揮発分は、Fa.LECOインスルメンツ社製の熱重量測定装置(TGA-701)を用いて、以下の手順に従って測定した。試料皿を650℃で30分間乾燥させた。カーボンブラック材料を測定前に、乾燥剤を備えたデシケータ中に保存した。焼き出した試料皿を装置に装填し、風袋重量を測定し、0.5g~10gのカーボンブラック材料で充填した。次いで、試料充填皿を装填したTGA機器のオーブンを、自動ソフトウェア制御によって105℃まで徐々に加熱し、一定の質量が達成されるまで試料を乾燥させた。続いて、皿を蓋で閉じ、オーブンを窒素(99.9体積%グレード)でパージし、950℃まで加熱した。オーブン温度を950℃で7分間維持した。950℃における揮発分の含有量は、下記式を用いて計算した。
【数2】
【0111】
製造された酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは、比較例Iで得られたビーズと比較して顕著なペレット破砕強度を有する。これはビーズがスクリューコンベヤ中での酸化処理中に破壊されないことを示した。ペレット破砕強度は、3rpmの代わりに0.5rpmなどの低スクリュー回転速度を使用することによって特に高い。一方、より高いスクリュー回転速度を使用することによって、微粉含有量はより低くなる。製造された酸化ウェットビーズ化カーボンブラックのBET、STSAおよびCTAB表面積は、比較例Iによるパレット化カーボンブラックと比較してより大きい。さらに、ペレット摩耗およびOANは、比較例Iによるパレット化カーボンブラックと比較して改善される。図11は、実施例Aに従って製造された酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを示す。
【0112】
実施例2:ゴム組成物中の酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの性能
ゴム製品の製造のためのエラストマーポリマー材料を含む組成物中の酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの性能を、ビーズ化カーボンブラック粉末および酸化カーボンブラック粉末と比較する。実施例JおよびKにおいて、上記組成物から製造されたゴム製品の特性は数回測定され、それぞれの表に示される値は測定値の平均を指す。
【0113】
以下の表から分かるように、損失係数tanδはより低く、したがって、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックを使用することによって改善される。さらに、動的弾性率は、最初に酸化され、その後ドライビーズ化されるカーボンブラックと比較してより高い。したがって、酸化ウェットビーズ化カーボンブラックは、ゴム組成物に有益に使用することができて、得られたゴム製品の特性を高めることができる。組成物の調製および製造された物品を以下に見ることができる。
【0114】
【表2】
表:試験配合
:促進剤、ライン・ケミー・アディティブス社から市販されている
:促進剤、ライン・ケミー・アディティブス社から市販されている
【0115】
組成物は、3つの混合ステップを適用することによって、標準的なゴム混合手順によって調製した。各混合ステップは、内部ミキサーGK1.5E中で、噛み合いローター形状を用いて混合し、続いて、オープンツーロールミル上で混合することからなった。
【0116】
第1のステップでは、天然ゴムを内部ミキサー中で30秒間粉砕した。次いで、CBの半分、ZnOおよびステアリン酸を添加し、1:15分間混合した。その後、ラムを持ち上げて洗浄し、残りの半分のカーボンブラックを加え、ラムを持ち上げて再度洗浄する際に1:15分間混合した。合計4分の混合後、複合物をオープンミルに移した。チャンバ温度は60℃であり、ローター速度は第1の混合ステップ全体の間45rpmであった。バッチ温度は160℃を超えないように確保した。
【0117】
上記複合物を16時間以上貯蔵した後、化学物質を添加せずに複合物を6分間混合し、この間、混合室は60℃の温度を有し、ローター速度は48rpmであった。続いて、複合物をオープンミルに移した。バッチ温度は160℃を超えないように確保した。
【0118】
最低16時間の別の貯蔵時間の後、内部ミキサーを40℃のチャンバ温度および33rpmのローター速度で操作しながら、硫黄、TBBS-80およびDPG-80を上記組成物に添加した。降下温度は80℃~110℃であった。再び、混合段階は、用紙が形成されたオープンミル上で混合することによって最終化された
【0119】
動的‐機械的分析のための試料、すなわち物品を150℃で13分間硬化させた。
【0120】
実施例J
【表3】
【0121】
実施例K
【表4】
【0122】
上記の値および損失係数tan(d)は、DIN53 513に従って、歪み制御モード(1±0.5mm)または力制御モード(50N±25N)、60℃、周波数16Hzで、円筒状試験片(高さ10mm、直径10mm)を用いて測定した。
【0123】
発明の態様
1.
下記ステップを含む、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)、好ましくは、態様23~29のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の製造方法(100):
(a) カーボンブラック(101)を提供すること、
(b) ステップ(a)で得られたカーボンブラック(102)をウェットビーズ化して、ウェットビーズ化カーボンブラックを得ること、および
(c) ステップ(b)で得られたウェットビーズ化カーボンブラック(103)を反応チャンバ(218)で酸化して、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)、好ましくは態様23~29のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)を得ること。
【0124】
2.
ステップ(c)が、オゾン(217)、Hおよび/またはNOx、好ましくはオゾン(217)を使用する、態様1に記載の方法(100)。
【0125】
3.
反応チャンバ(218)中に存在する気体の0.1~95重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~15重量%、さらにより好ましくは1.5~15重量%、最も好ましくは2~10重量%がオゾン(217)であり、および/または反応チャンバ(218)中のオゾン(217)の濃度が、1~300g/m、例えば1~200g/m、1~50g/m、1~60g/m、15~60g/m、15~60g/m、または15~50g/mである、態様1または2に記載の方法(100)。
【0126】
4.
オゾン(217)濃度が、950℃で測定される揮発分含有量が1~25重量%、例えば1.5~20重量%、1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%であるように調整/制御される、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0127】
5.
ステップ(a)におけるカーボンブラック(101)が粉末として提供される、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0128】
6.
ステップ(a)(101)におけるカーボンブラックのASTM D6556-17に従って測定されるBET表面積が、15~500m/g、好ましくは30~300m/g、より好ましくは40~250m/g、さらにより好ましくは50~200m/g、最も好ましくは70~150m/gである、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0129】
7.
ステップ(a)におけるカーボンブラックのASTM D2414-18に従って測定される吸油量数(OAN)が、30~350mL/100g、好ましくは40~300mL/100g、より好ましくは50~150mL/100g、さらにより好ましくは100~290mL/100g、最も好ましくは40~150mL/100gの範囲である、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0130】
8.
ステップ(a)におけるカーボンブラックが、下記特性(a)、(b)および/または(c)を有する、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)
(a) 40~100m/g、好ましくは50~80m/g、より好ましくは55~70m/gの範囲であるASTM D6556-17に従って測定されるBET表面積、および150~350mL/100g、好ましくは200~320mL/100g、より好ましくは240~300mL/100gの範囲であるASTM D2414-18に従って測定される吸油量(OAN)、
(b) 10~100m/g、好ましくは20~90m/g、より好ましくは25~80m/gの範囲であるASTM D6556-17に従って測定されるBET表面積、および20~180mL/100g、好ましくは30~160mL/100g、より好ましくは40~150mL/100gの範囲であるASTM D2414-18に従って測定される吸油量(OAN)、および/または
(c) 200~600m/g、好ましくは250~500m/g、より好ましくは300~450m/gの範囲であるASTM D6556-17に従って測定されるBET表面積、および50~150mL/100g、好ましくは60~120mL/100g、より好ましくは70~100mL/100gの範囲であるASTM D2414-18に従って測定される吸油量(OAN)。
【0131】
9.
ステップ(c)における酸化が、ステップ(c)において言及された反応チャンバ(218)と、オゾン(217)を反応チャンバ(218)に供給するための少なくとも1つのオゾン入口(216)とを含むスクリューコンベヤ(200、300)において実施され、好ましくは、スクリューの速度が0.01~10rpm、好ましくは0.1~5rpm、より好ましくは0.2~3rpm、さらにより好ましくは0.3~2.5rpm、最も好ましくは0.4~1rpmである、先行する態様のいずれか1項による方法(100)。
【0132】
10.
ステップ(a)(101)で得られたウェットビーズ化カーボンブラック(201)が、スクリューコンベヤ(200、300)、特にスクリューコンベヤ(200、300)の反応チャンバ(218)に供給される、態様9に記載の方法(100)。
【0133】
11.
ステップ(c)(103)における酸化のためのウェットビーズ化カーボンブラック(201)(カーボンブラックの乾燥重量など)対オゾン(217)の重量比が、1:1~15:1、好ましくは1.1:1~13:1、より好ましくは1.5:1~10:1、さらにより好ましくは2:1~8:1、最も好ましくは3:1~6:1であり、および/またはステップ(c)(103)における酸化のためのウェットビーズ化カーボンブラック(201)(カーボンブラックの乾燥重量など)対オゾン(217)の重量比が、1を超え、好ましくは3以上、より好ましくは4以上である、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0134】
12.
ステップ(c)(103)における酸化のための温度が、10~60℃、好ましくは20~50℃、より好ましくは30~45℃である、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0135】
13.
反応チャンバ内の温度が(103)、10~60℃、好ましくは20~50℃、より好ましくは30~45℃である、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0136】
14.
ウェットビーズ化カーボンブラック(201)の嵩密度が、150g/Lを超え、好ましくは150~600g/L、より好ましくは300~500g/Lである、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0137】
15.
ウェットビーズ化(b)が下記ステップ(b1)、(b2)および(b3)を含む、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100):
(b1) カーボンブラックを水で処理してウェットカーボンブラックを得ること、
(b2) ウェットカーボンブラックをビーズ化して、水を含むビーズ化カーボンブラックを得ること、および
(b3) ビーズ化カーボンブラックを乾燥してウェットビーズ化カーボンブラック(201)を得ること、ここで、好ましくはウェットビーズ化カーボンブラック(201)の含水量は、10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、最も好ましくは0.01~1重量%である。
【0138】
16.
水がバインダを含み、好ましくはバインダが糖蜜および/またはリグノスルホネートを含む、態様15に記載の方法(100)。
【0139】
17.
バインダが、水の総重量に基づいて、0.01~1.00重量%、好ましくは0.05~0.9重量%、より好ましくは0.1~0.80重量%の量で存在する、態様15および16のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0140】
18.
カーボンブラックを処理するための水の量が、カーボンブラックの総重量に基づいて、5~1000重量%、好ましくは20~200重量%、より好ましくは50~150重量%である、態様15~17のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0141】
19.
ウェットビーズ化カーボンブラック(201)および/または酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)のペレットサイズが、10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0142】
20.
先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100):ここで、
(a) 10~90重量%の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)は、0.1~10mm、好ましくは0.5~6mm、より好ましくは0.5~5mmのペレットサイズを有し、
(b) 酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の30~90重量%は、0.1~10mm、好ましくは0.5~6mm、より好ましくは0.5~5mmのペレットサイズを有し、
(c) 酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の50~90重量%は、0.1~10mm、好ましくは0.5~6mm、より好ましくは0.5~5mmのペレットサイズを有し、または
(d) 70~90重量%の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)は、0.1~10mm、好ましくは0.5~6mm、より好ましくは0.5~5mmのペレットサイズを有する。
【0143】
21.
ペレットの少なくとも80%、好ましくは90%、より好ましくは95%が、酸化ステップ(c)(103)中に破砕されない、先行する態様のいずれか1項に記載の方法(100)。
【0144】
22.
先行する態様のいずれか1項に従って得られた酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【0145】
23.
950℃で測定した揮発分含有量が1~25重量%であり、直径0.71~1.0mmのペレットの平均ペレット破砕強度が4~80cN、好ましくは5~40cN、より好ましくは10~30cNである、酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【0146】
24.
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の直径1.0~1.4mmのペレットの平均ペレット破砕強度が、4~80cN、好ましくは5~40cN、より好ましくは10~30cNであり、および/または酸化ウェットビーズ化カーボンブラックの直径1.4~1.7mmのペレットの平均ペレット破砕強度が、3~80cN、好ましくは4~40cN、より好ましくは5~30cNである、態様23に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【0147】
25.
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の950℃で測定した揮発分含有量が、1.5~20重量%、例えば1~10重量%、1.5~10重量%、1.5~20重量%、2~10重量%、2~15重量%、2.5~10重量%、3~7重量%、または3.5~7重量%である、態様23および24のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【0148】
26.
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)のヨウ素吸着量が、30~80mg/g、好ましくは40~70mg/g、より好ましくは45~65mg/gである、態様23~25のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【0149】
27.
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)のASTM D6556-17に従って測定される統計的厚さ表面積(STSA)が、15~500m/g、好ましくは20~400m/g、より好ましくは30~300m/g、さらにより好ましくは40~200m/g、最も好ましくは50~150m/gである、態様23~26のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。39.
【0150】
28.
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)の微粉含有量が、0.1~50%、好ましくは1~10%、より好ましくは1~5%である、態様23~27のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【0151】
29.
酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)のpH値が、7未満、例えば2~6、好ましくは2~5、より好ましくは2~3、さらにより好ましくは2.4~2.9、最も好ましくは2.7~2.9である、態様23~28のいずれか1項に記載の酸化ウェットビーズ化カーボンブラック(202)。
【符号の説明】
【0152】
200 スクリューコンベヤ
201 ウェットビーズ化カーボンブラック
202 酸化ウェットビーズ化カーボンブラック
210 入口
211 バレル
212 出口
213 シャフト
214 第1の螺旋コンベヤブレード
215 電気モータ
216 オゾン入口
217 オゾン
218 反応チャンバ
501 第2の螺旋コンベヤブレード
502 第1の螺旋コンベヤブレード
503 円周方向クリアランス
504 第1の螺旋コンベヤブレードの間隔
505 第2の螺旋コンベヤブレードの間隔
702、703 ターナー
801、802 ターナーの角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】