(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置及びそれを含むエアロゾル生成システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20241128BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241128BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533003
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2022129725
(87)【国際公開番号】W WO2023124525
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111620889.X
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】梁峰
(72)【発明者】
【氏名】鄭松杰
(72)【発明者】
【氏名】郭聡慧
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
本発明は、装置本体(1)、本体(1)内に位置する収容筒(2)及び加熱部(3)を含む非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置を開示する。収容筒(2)は底壁(22)を有し、加熱部(3)は底端(32)を有する。加熱部(3)の底端(32)は、垂直高さが収容筒(2)の底壁(22)の高さよりも高い。これにより、加熱部(3)の底端(32)の垂直高さをエアロゾル生成製品のエアロゾル生成基質における一方の側の端面よりも高くすることで、エアロゾル生成製品のエアロゾル生成基質における底端側部分の領域が加熱部により囲繞されないよう保証する。こうすることで、この区間の温度を低くして、エアロゾルをほぼ発生させないようにすれば、吸入が停止されたあと、この区間のエアロゾルが凝縮して流出し、加熱管の底壁を汚すとの問題が回避される。また、本発明のエアロゾル生成製品におけるエアロゾル生成基質区間(82)のうちフィルタ区間(84)から離隔する一端は緊密区間(81)を更に有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体(1)、前記本体(1)内に位置してエアロゾル生成製品を収容するために用いられる収容筒(2)、及び前記エアロゾル生成製品を加熱してエアロゾルを生成するために用いられる加熱部(3)を含み、
前記収容筒(2)は、エアロゾル生成製品を挿入するための天井部開口(21)と、前記天井部開口(21)と対向する底壁(22)を含み、エアロゾル生成製品は、前記天井部開口(21)から挿入されて前記収容筒(2)内に収容され、
前記加熱部(3)は、上端(31)と、前記上端(31)とは反対側の底端(32)を含み、
前記加熱部(3)の底端(32)は、垂直高さが前記収容筒(2)の底壁(22)の高さよりも高いことを特徴とする非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記加熱部(3)は、前記収容筒(2)とは別に設けられる加熱管であって、前記収容筒(2)と共同でエアロゾル生成製品を収容することを特徴とする請求項1に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記加熱管は前記収容筒(2)内に同軸に設けられ、前記加熱管の底端(32)は垂直高さが前記収容筒(2)の底壁(22)よりも高いことを特徴とする請求項2に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記収容筒(2)は、全体が段差管状となっており、直径の異なる上と下の部分を含み、上部分の直径は下部分の直径よりも大きく、下部分の上端は前記加熱管に嵌め合わされ、上部分は前記加熱管の外側を囲繞することを特徴とする請求項3に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記加熱管は前記収容筒(2)の上方に同軸に設けられ、前記加熱管の底端(32)は、垂直高さが前記収容筒(2)の上端よりも高いことを特徴とする請求項2に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記加熱部(3)と前記収容筒(2)は一体となっており、前記加熱部(3)は前記収容筒(2)の一部であることを特徴とする請求項1に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記収容筒(2)の天井部開口(21)には、エアロゾル生成製品を導入するための案内管(4)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記収容筒(2)の底壁(22)は、ガスがエアロゾル生成基材の一方の側の端面を経由してエアロゾル生成基材内へ進入するとの事態を防止又は低減するよう、収容されるエアロゾル生成製品のエアロゾル生成基材における一方の側の端面の少なくとも一部を密封することを特徴とする請求項1に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は電磁型加熱装置であり、前記加熱部(3)の外周に電磁誘導を発生可能とするコイル(5)が巻き付けられており、前記加熱部(3)は前記コイル(5)が発生させる電磁誘導を受けて発熱可能であり、前記加熱部(3)は電磁性の金属材料から選択されることを特徴とする請求項1に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記加熱部(3)と前記コイル(5)の間には断熱構造(6)が備わっており、前記断熱構造(6)と前記加熱部(3)は間隔を開けて設けられることを特徴とする請求項9に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は抵抗型加熱装置であり、前記加熱部(3)は絶縁管であり、内表面及び/又は外表面に抵抗発熱線を有することを特徴とする請求項1に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成製品(8)を含むことを特徴とするエアロゾル生成システム。
【請求項13】
前記エアロゾル生成製品(8)は、緊密区間(81)、エアロゾル生成基質区間(82)、ガス経路区間(83)及びフィルタ区間(84)を含み、
前記ガス経路区間(83)は、前記エアロゾル生成基質区間(82)と前記フィルタ区間(84)の間に位置し、
前記緊密区間(81)は、前記エアロゾル生成基質区間(82)のうち前記フィルタ区間(84)から離隔する一端に位置し、
前記ガス経路区間(83)は、軸方向に前記ガス経路区間(83)を貫通する気流経路(831)を有し、
前記緊密区間(81)の軸方向の通気度は、前記エアロゾル生成基質区間(82)の軸方向の通気度よりも小さいことを特徴とする請求項12に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項14】
前記加熱部(3)の底端(32)は、垂直高さが前記緊密区間(81)と前記エアロゾル生成基質区間(82)との接続箇所よりも高いか、前記接続箇所と整列していることを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項15】
前記緊密区間(81)は、炭素繊維材料、金属フィルム、セラミックス又は高分子材料から選択される非エアロゾル生成材料より選択されることを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項16】
前記緊密区間(81)と前記エアロゾル生成基質区間(82)の材料は同じであり、いずれもエアロゾル生成材料から選択されるが、前記緊密区間(81)の嵩密度は前記エアロゾル生成基質区間(82)の嵩密度よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項17】
前記ガス経路区間(83)は中空であり、側壁及び中空室を有し、前記中空室は、軸方向に前記ガス経路区間(83)を貫通する気流経路(831)であり、前記ガス経路区間(83)は円柱体状であり、アセテート繊維材料からなることを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項18】
前記ガス経路区間(83)の側壁には、更に、前記側壁を貫通する側流孔(832)が備わっており、前記側流孔(832)の軸方向位置は、前記エアロゾル生成基質区間(82)の位置に近接しており、前記フィルタ区間(84)の位置から離隔していることを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項19】
前記ガス経路区間(83)は、前記エアロゾル生成基質区間(82)に近接する第1ガス経路区間(833)と、前記フィルタ区間(84)に近接する第2ガス経路区間(834)を含み、
前記第1ガス経路区間(833)の気流経路(831)の横断面積は、前記第2ガス経路区間(834)の気流経路(831)の横断面積以下であるか、前記第2ガス経路区間(834)の気流経路(831)の横断面積よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項20】
前記非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置が電磁型加熱装置である場合、前記エアロゾル生成基質区間(82)内には、更に、軸方向に設けられる金属チップ(7)が備わっていることを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明特許は、低温非燃焼・加熱エアロゾル生成装置の生産の技術分野に関し、具体的には、非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置及びそれを含むエアロゾル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、非燃焼・加熱エアロゾル生成基質の加熱温度は250~350℃の間である。通常燃焼型の紙巻タバコと比較して、非燃焼・加熱エアロゾル生成製品は、従来の紙巻タバコの味わいを保ちながら、エアロゾル生成基質中の有害物質が喫煙者に及ぼす危害を大幅に減少させられる。また、高温燃焼による分解過程が発生しないため、エアロゾル生成基質中のタールや有害物質の放出量が減少し、受動喫煙の被害を大幅に低下させられる。
【0003】
現在、エアロゾル生成製品を加熱するための加熱技術には、通常、抵抗加熱又は電磁加熱がある。また、発熱体の形態には、通常、エアロゾル生成製品を囲繞して加熱する管状の加熱管、又は、エアロゾル生成製品に挿入されて加熱するチップ状/ピン状の加熱チップ/加熱ピンがある。抵抗加熱用の発熱体では、発熱体上の抵抗線路が通電時に熱を発することでエアロゾル生成製品を加熱する。また、電磁加熱用の発熱体では、磁界を感知することで電流を発生させて発熱し、エアロゾル生成製品を加熱する。従来の非燃焼・加熱用のエアロゾル生成製品は、ユーザの口部で吸入するためのフィルタ区間と、フィルタ区間から離隔するエアロゾル生成基質区間を含む。気流は、エアロゾル生成基質区間の端面からエアロゾル生成製品に進入し、フィルタ区間の端面から流出することが可能である。この場合、次のような問題が生じる。即ち、エアロゾル生成基質を加熱管で加熱するか、加熱チップ/加熱ピンで加熱するかに関わらず、ユーザが吸入していないときでも、少量の冷たい空気がエアロゾル生成基質区間の端面からエアロゾル生成基質区間に進入する。これにより、エアロゾル生成基質区間内の霧化されたわずかなエアロゾルが冷たい空気に接して凝縮され、形成された液体がエアロゾル生成基質区間の端面から流出して器具を汚す。そのほか、ユーザが吸入する際には、エアロゾル生成基質区間の負圧が低くなってエアロゾルがフィルタ区間へと流れる。しかし、ユーザが吸入していないときには、ユーザの吸引力が存在しないため、負圧の作用によって、わずかなエアロゾルがフィルタ区間からエアロゾル生成基質区間の方向へと流れる。そして、凝縮した場合には、形成された液体がエアロゾル生成基質区間の端面から流出し、器具を汚してしまう。
【0004】
そのほか、加熱管によりエアロゾル生成製品を加熱する従来の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置では、通常、加熱管の底端がエアロゾル生成基質の底端と整列し、且つ、加熱管の底壁面がエアロゾル生成基質の底端面を支持する。この場合、加熱管はエアロゾル生成基質の底端(フィルタから離隔する一端)を加熱する。よって、吸入が停止されたあと、エアロゾル生成基質区間の底端で霧化により生成されたエアロゾルは吸入が間に合わず、凝縮されてエアロゾル生成基質区間の端面から流出することで加熱管の底部を汚す。更に、このとき、エアロゾル生成基質区間の端面から進入する外気も存在する場合には、エアロゾル生成基質区間の底端で霧化により生成されたエアロゾルが予め冷却されることでいっそう凝縮しやすくなり、流出して加熱管の底壁を汚す。
【0005】
そこで、霧化されたエアロゾルの再凝縮を回避することが、器具の汚れを回避するための重要な方法の一つとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、装置本体1、前記本体1内に位置してエアロゾル生成製品を収容するために用いられる収容筒2、及び前記エアロゾル生成製品を加熱してエアロゾルを生成するために用いられる加熱部3を含む非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置を提供することを特徴とする。
【0008】
前記収容筒2は、エアロゾル生成製品を挿入するための天井部開口21と、前記天井部開口21と対向する底壁22を含む。エアロゾル生成製品は、前記天井部開口21から挿入されて前記収容筒2内に収容される。
【0009】
前記加熱部3は、上端31と、前記上端31とは反対側の底端32を含む。
【0010】
前記加熱部3の底端32は、垂直高さが前記収容筒2の底壁22の高さよりも高い。ここで、前記加熱部3の底端32の垂直高さが前記収容筒2の底壁22の高さよりも高くなるよう限定するのは、前記収容筒2にエアロゾル生成製品が収容されなくなったあと、加熱部3の底端32の垂直高さがエアロゾル生成製品のエアロゾル生成基質における一方の側の端面よりも高くなるようにすることが目的である。
【0011】
好ましくは、前記加熱部3は、前記収容筒2とは別に設けられる加熱管であって、前記収容筒2と共同でエアロゾル生成製品を収容する。つまり、前記加熱管と前記収容筒2は2つの独立した部材である。
【0012】
好ましくは、前記加熱管は前記収容筒2内に同軸に設けられる。前記加熱管の底端32は、垂直高さが前記収容筒2の底壁22よりも高い。
【0013】
好ましくは、前記収容筒2は、全体が段差管状となっており、直径の異なる上と下の部分を含む。また、上と下の部分の交差箇所が段差箇所となっており、上部分の直径が下部分の直径よりも大きい。下部分の上端は前記加熱管3に嵌め合わされ、上部分は前記加熱管3の外側を囲繞する。つまり、下部分の内側には加熱管が存在せず、上部分の内側には加熱管が備わっている。これにより、本発明における加熱管3の底端の垂直高さが前記収容筒2の底壁の高さよりも高くなるようにする。
【0014】
そのほか、好ましくは、前記加熱管は前記収容筒2の上方に同軸に設けられる。また、前記加熱管の底端32は、垂直高さが前記収容筒2の上端よりも高い。つまり、前記加熱管と前記収容筒2は、垂直方向において一部が重なり合っていてもよいし、完全に別々の2つの区間であってもよい。
【0015】
好ましくは、前記加熱部3と前記収容筒2は一体となっており、前記加熱部3は前記収容筒2の一部である。即ち、前記収容筒2は上端寄りの部分が発熱機能を有しており、エアロゾル生成製品を収容する収容筒にも、エアロゾル生成製品を加熱する加熱部にもなる。
【0016】
好ましくは、前記収容筒2の天井部開口21には、エアロゾル生成製品を導入するための案内管4が設けられている。
【0017】
前記収容筒2の底壁22は、ガスがエアロゾル生成基材の一方の側の端面を経由してエアロゾル生成基材内へ進入するとの事態を防止又は低減するよう、収容されるエアロゾル生成製品のエアロゾル生成基材における一方の側の端面の少なくとも一部を密封可能である。ここで、説明すべき点として、前記底壁22がエアロゾル生成基材における一方の側の端面の少なくとも一部を密封可能なことは選択的なものである。収容されるエアロゾル生成製品のエアロゾル生成基材における一方の側の端面にシール部材が備わっている場合には、前記底壁22が当該端面の少なくとも一部を密封するとの構成は省略してもよいし、保持してもよい。ただし、収容されるエアロゾル生成製品のエアロゾル生成基材における一方の側の端面にシール部材が備わっていない場合、つまり、ガスが遮られることなくこの端面を経由してエアロゾル生成基材に進入可能な場合には、前記底壁22が当該端面の少なくとも一部を密封するとの構成を保持する必要がある。
【0018】
好ましくは、前記非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は、電磁型加熱装置であり、前記加熱部3の外周にコイル5が巻き付けられている。前記コイル5は電磁誘導を発生可能とする。前記加熱部3は、前記コイル5が発生させる電磁誘導を受けて発熱可能である。前記加熱部3は、電磁性の金属材料から選択されるがこれに限らない。前記加熱部3と前記コイル5の間には断熱構造6が備わっている。また、前記断熱構造6と前記加熱部3は間隔を開けて設けられる。
【0019】
そのほか、好ましくは、前記非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は抵抗型加熱装置である。前記加熱部3は絶縁管であり、内表面及び/又は外表面に抵抗発熱線を有する。ここで、絶縁管は、例えばセラミックスのような絶縁材料でなる管体や、例えば金属のような絶縁処理が施された非絶縁材料でなる管体から選択してもよい。また、内表面及び/又は外表面に抵抗発熱線を有する場合には、スクリーン印刷等の方式で抵抗線路を形成し、抵抗加熱方式でエアロゾル生成製品を加熱することが可能である。本発明における加熱管の構成については、従来技術における電磁型加熱管の加熱方式及び抵抗型加熱方式に関する説明を参照すればよい。
【0020】
本発明は、第2の局面において、エアロゾル生成システムを提供する。当該システムは、本発明の第1の局面で記載した非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成製品8を含む。
【0021】
好ましくは、前記エアロゾル生成製品は、緊密区間81、エアロゾル生成基質区間82、ガス経路区間83及びフィルタ区間84を含む。
【0022】
前記ガス経路区間83は、前記エアロゾル生成基質区間82と前記フィルタ区間84の間に位置する。
【0023】
前記緊密区間81は、前記エアロゾル生成基質区間82のうち前記フィルタ区間84から離隔する一端に位置する。
【0024】
前記ガス経路区間83は、軸方向に前記ガス経路区間83を貫通する気流経路831を有する。
【0025】
前記緊密区間81の軸方向の通気度は、前記エアロゾル生成基質区間82の軸方向の通気度よりも小さい。好ましくは、前記緊密区間81の軸方向の通気度は0である。即ち、ガスの軸方向の通過を許容しない。
【0026】
前記緊密区間81、エアロゾル生成基質区間82、ガス経路区間83及びフィルタ区間84は、巻装材で巻かれることで前記エアロゾル生成製品の各区間を形成するか、一体成形された管材内に詰め込まれて装填されることで前記エアロゾル生成製品の各区間を形成する。
【0027】
好ましくは、前記加熱部3の底端は、垂直高さが前記緊密区間81と前記エアロゾル生成基質区間82との接続箇所よりも高いか、当該接続箇所と整列している。
【0028】
好ましくは、前記緊密区間81は、炭素繊維材料、金属フィルム、セラミックス又は高分子材料から選択されるがこれらに限らない非エアロゾル生成材料より選択される。前記高分子材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート又はポリ乳酸から選択されるが、これらに限らない。
【0029】
或いは、前記緊密区間81と前記エアロゾル生成基質区間82の材料は同じであり、いずれもエアロゾル生成材料から選択される。前記緊密区間81の嵩密度は、前記エアロゾル生成基質区間82の嵩密度よりも大きい。つまり、この場合、緊密区間81の材料とエアロゾル生成基質区間82の材料は同じであり、いずれもエアロゾル生成材料であるが、両端の緊密度が全く異なっており、前記緊密区間81の密度が前記エアロゾル生成基質区間82の密度よりも大きい。また、前記緊密区間81の軸方向の通気度は、前記エアロゾル生成基質区間82の軸方向の通気度よりも小さい。緊密区間81がエアロゾル生成材料の場合、緊密区間81は、エアロゾル生成基質の製造過程でエアロゾル生成基質区間82と一体的に形成し、且つ、圧縮プロセスで高密度のエアロゾル生成基質区間を緊密区間81として形成すればよいため、製造が容易である。
【0030】
好ましくは、前記ガス経路区間83は中空であり、側壁及び中空室を有する。前記中空室は、軸方向に前記ガス経路区間83を貫通する気流経路831である。前記ガス経路区間83は円柱体状であり、アセテート繊維材料からなる。
【0031】
好ましくは、前記ガス経路区間83の側壁には、更に、前記側壁を貫通する側流孔832が備わっている。前記側流孔832の軸方向位置は、前記エアロゾル生成基質区間82の位置に近接しており、前記フィルタ区間84の位置から離隔している。前記エアロゾル生成基質区間82の位置にいっそう近接させるのは、側流孔832の軸方向位置が前記エアロゾル生成基質区間82に近いほど、エアロゾル生成基質区間82からエアロゾルを抽出しやすいためである。前記側流孔832の数は6~8個としてもよいが、これに限らない。
【0032】
好ましくは、前記ガス経路区間83は、前記エアロゾル生成基質区間82に近接する第1ガス経路区間833と、前記フィルタ区間84に近接する第2ガス経路区間834を含む。前記第1ガス経路区間833と第2ガス経路区間834は一体であってもよいし、分離可能な2つの区間であってもよい。
【0033】
前記第1ガス経路区間833の気流経路831の横断面積は、前記第2ガス経路区間834の気流経路831の横断面積以下であるか、前記第2ガス経路区間834の気流経路831の横断面積よりも大きい。前記ガス経路区間83は、中空の場合、側壁及び中空室を有する。前記中空室は、軸方向に前記ガス経路区間83を貫通する気流経路831である。第1ガス経路区間833の中空室体の内径は、前記第2ガス経路区間834の中空室体の内径以下であるか、前記第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも大きい。この場合、これらの接続箇所はテーパー状の斜面であってもよいし、垂直断面であってもよいし、平角であってもよいし、R面取り構造を有していてもよい。第1ガス経路区間833の中空室体の内径が第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも大きい場合には、第1ガス経路区間833が引き込む空気の量がより多くなる。よって、エアロゾルに対する抽出作用がより良好となり、エアロゾル量がより大きくなる。一方、第1ガス経路区間833の中空室体の内径が第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも小さい場合、第2ガス経路区間834はより多くのエアロゾルを集めることが可能となり、エアロゾルに対する凝縮効果がより良好となる。また、エアロゾルの降温効果がより良好となり、吸入にいっそう適するようになる。
【0034】
好ましくは、前記非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置が電磁型加熱装置である場合、前記エアロゾル生成基質区間82内には、更に、軸方向に設けられる金属チップ7が備わっている。中央の金属チップ7もコイルが発生させる電磁気を感知して発熱可能である。
【0035】
好ましくは、前記ガス経路区間83は円柱体状であり、アセテート繊維材料、高分子材料から選択して作製してもよいが、これに限らない。
【0036】
エアロゾル生成基質区間82内にはエアロゾル生成材料が含まれている。前記エアロゾル生成材料は、粒状又は糸状形式のエアロゾル生成材料である。
【0037】
ここではエアロゾル生成材料の形式を例示して説明したにすぎず、実際には上記のいくつかの形式に限ることなく、エアロゾルを生成可能なエアロゾル生成媒質であればいずれも適用可能である。
【0038】
本発明のエアロゾル生成製品の全長は30~80mmとしてもよい。そのうち、緊密区間の範囲は2~10mmであり、好ましくは5mmである。また、エアロゾル生成基質区間82の長さは8~25mmであり、好ましくは12mmである。また、ガス経路区間83の長さは10~20mmであり、好ましくは15mmである。また、フィルタ区間84の長さは8~15mmであり、好ましくは10mmである。
【0039】
矛盾が生じないことを前提に、以上の好ましい方案は自由に組み合わせ可能である。
【発明の効果】
【0040】
従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0041】
1.本発明の非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は、装置本体1、収容筒2及び加熱部3を含む。加熱部3の底端32の垂直高さがエアロゾル生成製品のエアロゾル生成基質における一方の側の端面よりも高くなるよう、前記加熱部3の底端32は、垂直高さが前記収容筒2の底壁22の高さよりも高くなっている。こうすることで、エアロゾル生成製品のエアロゾル生成基質における底端側部分の領域が加熱部により囲繞されないよう保証する。これにより、この区間の温度を低くして、エアロゾルをほぼ発生させないようにすれば、吸入が停止されたあと、この区間の吸入されなかったエアロゾルが凝縮して端面から流出し、加熱管の底壁を汚すとの問題が回避される。
【0042】
2.本発明の好ましい実施方案において、前記収容筒2の底壁22は、ガスがエアロゾル生成基材の一方の側の端面を経由してエアロゾル生成基材内へ進入するとの事態を防止又は低減するよう、収容されるエアロゾル生成製品のエアロゾル生成基材における一方の側の端面の少なくとも一部を密封可能である。これにより、冷たい空気がエアロゾル生成基質区間の端面からエアロゾル生成基質区間に進入することで、エアロゾル生成基質区間内の霧化されたわずかなエアロゾルが冷たい空気に接して凝縮され、形成された液体がエアロゾル生成基質区間の端面から流出するとの事態を防止可能となる。
【0043】
3.本発明における前記加熱管と前記収容筒2は2つの独立した部材であってもよい。2つの部材は同軸に設けられ、且つ、垂直方向において一部が重なり合っていてもよいし、完全に別々の2つの区間であってもよい。また、前記加熱管と前記収容筒2が一体となっており、前記加熱部3が前記収容筒2の一部であってもよい。この場合、前記収容筒2は上端寄りの部分が発熱機能を有し、エアロゾル生成製品を収容する収容筒にも、エアロゾル生成製品を加熱する加熱部にもなる。当該構造はよりシンプルであり、実施が容易である。
【0044】
4.本発明の好ましい実施方案において、使用されるエアロゾル生成製品8は、エアロゾル生成基質区間82のうち前記フィルタ区間84から離隔する一端に緊密区間81が設けられている。前記緊密区間81の軸方向の通気度は、前記エアロゾル生成基質区間82の軸方向の通気度よりも小さい。こうすることで、空気が前記緊密区間81を経由して前記エアロゾル生成基質区間82へ進入するとの事態を低減及び防止可能としている。これにより、冷たい空気がエアロゾル生成基質区間の端面からエアロゾル生成基質区間に進入することで、エアロゾル生成基質区間内の霧化されたわずかなエアロゾルが冷たい空気に接して凝縮され、形成された液体がエアロゾル生成基質区間の端面から流出するとの事態を防止可能となる。
【0045】
4.従来技術では、吸入過程でエアロゾル生成基質区間の端部をガスが通過する。これにより、エアロゾル生成基質区間は吸入過程で負圧状態となるため、吸入が停止された瞬間に、吸入されなかったエアロゾルがフィルタ区間からエアロゾル生成基質区間へ逆流するとの問題が発生する。
【0046】
しかし、エアロゾル生成基質区間の手前に緊密区間を加えることで、ユーザの吸入過程で、外気は緊密区間を通過してエアロゾル基質区間に補充されることがほぼ不可能となるため、エアロゾル基質区間の負圧は上昇しない。これにより、吸入が停止されたときに、エアロゾルがエアロゾル基質区間に逆流してエアロゾル生成基質区間の端面から流出するとの事態を防止可能となる。よって、更に、エアロゾルの凝縮液がエアロゾル生成基質区間の端面から流出して器具を汚すとの問題が解決される。
【0047】
5.好ましい実施方案において、前記緊密区間81は、炭素繊維材料、金属フィルム、セラミックス又は高分子材料から選択されるがこれらに限らない非エアロゾル生成材料より選択される。或いは、前記緊密区間81はエアロゾル生成材料から選択される。また、前記緊密区間81の密度は、前記エアロゾル生成基質区間82の密度よりも大きい。よって、材料の選択範囲は広い。そのほか、緊密区間81がエアロゾル生成材料の場合、緊密区間81は、エアロゾル生成基質の製造過程でエアロゾル生成基質区間82と一体的に形成し、且つ、圧縮プロセスで高密度のエアロゾル生成基質区間を緊密区間81として形成すればよいため、製造が容易である。
【0048】
6.好ましい実施方案において、前記ガス経路区間83の側壁には、更に、前記側壁を貫通する側流孔832が備わっている。当該側流孔を設けることで、エアロゾルの吸入が容易となり、吸入時の吸引抵抗が小さくなる。
【0049】
7.好ましい実施方案において、前記側流孔832の軸方向位置は、前記エアロゾル生成基質区間82の位置に近接しており、前記フィルタ区間84の位置から離隔している。当該側流孔から引き込まれる空気は、エアロゾル生成基質区間82が生成するエアロゾルに対し抽出作用を有する。
【0050】
8.好ましい実施方案において、前記ガス経路区間83は、前記エアロゾル生成基質区間82に近接する第1ガス経路区間833と、前記フィルタ区間84に近接する第2ガス経路区間834を含む。前記第1ガス経路区間833の気流経路831の横断面積は、前記第2ガス経路区間834の気流経路831の横断面積以下であるか、前記第2ガス経路区間834の気流経路831の横断面積よりも大きい。前記ガス経路区間83は、中空の場合、側壁及び中空室を有する。前記中空室は、軸方向に前記ガス経路区間83を貫通する気流経路831である。第1ガス経路区間833の中空室体の内径は、前記第2ガス経路区間834の中空室体の内径以下であるか、前記第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも大きい。
【0051】
第1ガス経路区間833の中空室体の内径が第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも大きい場合には、第1ガス経路区間833が引き込む空気の量がより多くなる。よって、エアロゾルに対する抽出作用がより良好となり、エアロゾル量がより大きくなる。
【0052】
一方、第1ガス経路区間833の中空室体の内径が第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも小さい場合、第2ガス経路区間834はより多くのエアロゾルを集めることが可能となり、エアロゾルに対する凝縮効果がより良好となる。また、エアロゾルの降温効果がより良好となり、吸入にいっそう適するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、実施例1における緊密区間を有するエアロゾル生成製品と非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置を組み合わせたエアロゾル生成システムの概略構造図である。
【
図2】
図2は、実施例1における緊密区間を有するエアロゾル生成製品の概略構造図である。
【
図3】
図3は、実施例4における緊密区間を有するエアロゾル生成製品と非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置を組み合わせたエアロゾル生成システムの概略構造図である。
【
図4】
図4は、実施例4における緊密区間を有するエアロゾル生成製品の概略構造図である。
【
図5】
図5は、実施例5における緊密区間を有するエアロゾル生成製品の概略構造図である。
【
図6】
図6は、実施例6における緊密区間を有するエアロゾル生成製品の概略構造図である。
【
図7】
図7は、実施例7における緊密区間を有するエアロゾル生成製品の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に、実施例を組み合わせて、本発明につき更に詳細に記載する。
【0055】
当業者は、以下の実施例は本発明を説明するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではないことを理解し得る。実施例において具体的技術又は条件を明記していない場合には、当該分野の文献に記載されている技術又は条件に従うか、製品説明書に従って実施する。また、使用する材料又は機器にメーカーが明記されていない場合には、いずれも購入により取得可能な通常製品である。
【0056】
特に明記している場合を除き、当業者は、ここで用いられる単数形の「1」、「1つ」、「前記」及び「当該」は複数形を含んでもよいことを理解し得る。更に理解すべき点として、本発明の明細書で用いられる「含む」との表現は、記載する特徴、整数、ステップ、操作、部材及び/又はアセンブリの存在を意味するが、1又は複数のその他の特徴、整数、ステップ、操作、部材、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではない。理解すべき点として、部材が別の部材に「接続される」と記載している場合には、別の部材に直接接続されてもよいし、介在する部材が存在してもよい。そのほか、ここで用いられる「接続する」にはワイヤレス接続を含んでもよい。
【0057】
本発明の記載では、別途説明する場合を除き、「複数」とは2つ又は2つ以上の意味である。また、「内」、「上」、「下」等の用語で示される方向又は状態の関係は、図示に基づく方向又は状態の関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【0058】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「取り付ける」、「接続する」、「設けられている」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者は、具体的状況に応じて、本発明における上記用語の具体的意味を理解する。
【0059】
別途定義している場合を除き、当業者は、ここで用いられる技術用語及び科学用語を含む全ての用語は、当業者の一般的解釈と同じ意味を有することを理解し得る。更に、理解すべき点として、汎用の字典等で定義されている用語は、従来技術の文脈における意味と同じ意味を有し、ここで定義されている場合を除き、理想化された又は過度に正式な意味で解釈されることはないと理解すべきである。
【実施例1】
【0060】
本実施例において、エアロゾル生成製品8の全長は42mmとしてもよい。そのうち、緊密区間は5mm、エアロゾル生成基質区間82の長さは12mm、ガス経路区間83の長さは15mm、フィルタ区間84の長さは10mmである。
【0061】
図2に示すように、緊密区間を有するエアロゾル生成製品8は、緊密区間81、エアロゾル生成基質区間82、ガス経路区間83及びフィルタ区間84を含む。
【0062】
前記ガス経路区間83は、前記エアロゾル生成基質区間82と前記フィルタ区間84の間に位置する。
【0063】
前記緊密区間81は、前記エアロゾル生成基質区間82のうち前記フィルタ区間84から離隔する一端に位置する。
【0064】
前記ガス経路区間83は、軸方向に前記ガス経路区間83を貫通する気流経路831を有する。
【0065】
前記緊密区間81の軸方向の通気度は、前記エアロゾル生成基質区間82の軸方向の通気度よりも小さい。
【0066】
前記緊密区間81は、炭素繊維材料から選択される非エアロゾル生成材料より選択される。
【0067】
前記ガス経路区間83は中空であり、側壁及び中空室を有する。前記中空室は、軸方向に前記ガス経路区間83を貫通する気流経路831である。
【0068】
前記ガス経路区間83の側壁には、更に、前記側壁を貫通する側流孔832が備わっている。
【0069】
前記側流孔832の軸方向位置は、前記エアロゾル生成基質区間82の位置に近接しており、前記フィルタ区間84の位置から離隔している。
【0070】
前記側流孔832の数は6つである。
【0071】
前記ガス経路区間83は円柱体状であり、アセテート繊維材料からなる。
【0072】
図1に示すように、使用される非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は、装置本体1、前記本体1内に位置してエアロゾル生成製品を収容するために用いられる収容筒2、及び前記エアロゾル生成製品を加熱してエアロゾルを生成するために用いられる加熱部3を含む。
【0073】
前記収容筒2は、エアロゾル生成製品を挿入するための天井部開口21と、前記天井部開口21と対向する底壁22を含む。エアロゾル生成製品は、前記天井部開口21から挿入されて前記収容筒2内に収容される。
【0074】
前記加熱部3は、上端31と、前記上端31とは反対側の底端32を含む。
【0075】
前記加熱部3の底端32は、垂直高さが前記収容筒2の底壁22の高さよりも高い。
【0076】
前記加熱部3は、前記収容筒2とは別に設けられる加熱管であって、前記収容筒2と共同でエアロゾル生成製品を収容する。前記加熱管は前記収容筒2内に同軸に設けられる。前記加熱管の底端32は、垂直高さが前記収容筒2の底壁22よりも高い。
【0077】
前記収容筒2は、全体が段差管状となっており、直径の異なる上と下の部分を含む。また、上と下の部分の交差箇所が段差箇所となっており、上部分の直径が下部分の直径よりも大きい。下部分の上端は前記加熱管3に嵌め合わされ、上部分は前記加熱管3の外側を囲繞する。
【0078】
前記収容筒2の天井部開口21には、エアロゾル生成製品を導入するための案内管4が設けられている。
【0079】
前記非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は、電磁型加熱装置であり、前記加熱部3の外周にコイル5が巻き付けられている。前記コイル5は電磁誘導を発生可能とする。前記加熱部3は、前記コイル5が発生させる電磁誘導を受けて発熱可能である。前記加熱部3は、電磁性の金属材料から選択されるがこれに限らない。前記加熱部3と前記コイル5の間には断熱構造6が備わっている。また、前記断熱構造6と前記加熱部3は間隔を開けて設けられる。
【0080】
前記加熱管3の底端は、垂直高さが前記緊密区間81と前記エアロゾル生成基質区間82との接続箇所よりも高い。
【実施例2】
【0081】
本実施例で使用するエアロゾル生成製品は実施例1と同じであるが、非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は実施例1と異なっている。
【0082】
本実施例で使用する非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置において、前記加熱部3は、前記収容筒2とは別に設けられる加熱管であって、前記収容筒2と共同でエアロゾル生成製品を収容する。前記加熱管は前記収容筒2の上方に同軸に設けられる。また、前記加熱管3の底端32は、垂直高さが前記収容筒2の上端よりも高い。非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置のその他の特徴は実施例1と同じである。
【実施例3】
【0083】
本実施例で使用するエアロゾル生成製品は実施例1と同じであるが、非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は実施例1と異なっている。
【0084】
本実施例で使用する非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置では、前記加熱部3と前記収容筒2が一体となっており、前記加熱部3が前記収容筒2の一部である。即ち、前記収容筒2は上端寄りの部分が発熱機能を有しており、エアロゾル生成製品を収容する収容筒にも、エアロゾル生成製品を加熱する加熱部にもなる。非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置のその他の特徴は実施例1と同じである。
【実施例4】
【0085】
図3に示すように、本実施例で使用する非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は実施例1と同じである。ただし、エアロゾル生成製品が異なっている。
【0086】
図4に示す緊密区間を有するエアロゾル生成製品8の構造は、以下の点で実施例1と異なっている。即ち、前記エアロゾル生成基質区間82内には、更に、軸方向に設けられる金属チップ7が備わっている。中央の金属チップ7もコイルが発生させる電磁気を感知して発熱可能である。
【実施例5】
【0087】
本実施例で使用する非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は実施例1と同じである。ただし、エアロゾル生成製品が異なっている。
【0088】
図5に示すように、緊密区間を有するエアロゾル生成製品8の構造は、以下の点で実施例1と異なっている。即ち、前記ガス経路区間83は、前記エアロゾル生成基質区間82に近接する第1ガス経路区間833と、前記フィルタ区間84に近接する第2ガス経路区間834を含む。前記第1ガス経路区間833と第2ガス経路区間834は分離可能な2つの区間である。
【0089】
前記第1ガス経路区間833の気流経路831の横断面積は、前記第2ガス経路区間834の気流経路831の横断面積よりも小さい。前記ガス経路区間83は、中空の場合、側壁及び中空室を有する。前記中空室は、軸方向に前記ガス経路区間83を貫通する気流経路831である。第1ガス経路区間833の中空室体の内径は前記第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも小さい。この場合、これらの接続箇所はテーパー状の斜面としてもよい。
【0090】
第1ガス経路区間833の中空室体の内径が第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも小さい場合、第2ガス経路区間834はより多くのエアロゾルを集めることが可能となり、エアロゾルに対する凝縮効果がより良好となる。また、エアロゾルの降温効果がより良好となり、吸入にいっそう適するようになる。
【実施例6】
【0091】
本実施例で使用する非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は実施例1と同じである。ただし、エアロゾル生成製品が異なっている。
【0092】
図6に示すように、緊密区間を有するエアロゾル生成製品8の構造は、以下の点で実施例1と異なっている。即ち、前記ガス経路区間83は、前記エアロゾル生成基質区間82に近接する第1ガス経路区間833と、前記フィルタ区間84に近接する第2ガス経路区間834を含む。前記第1ガス経路区間833と第2ガス経路区間834は分離可能な2つの区間である。
【0093】
前記第1ガス経路区間833の気流経路831の横断面積は、前記第2ガス経路区間834の気流経路831の横断面積よりも大きい。前記ガス経路区間83は、中空の場合、側壁及び中空室を有する。前記中空室は、軸方向に前記ガス経路区間83を貫通する気流経路831である。第1ガス経路区間833の中空室体の内径は前記第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも大きい。この場合、これらの接続箇所はテーパー状の斜面としてもよい。
【0094】
第1ガス経路区間833の中空室体の内径が第2ガス経路区間834の中空室体の内径よりも大きい場合には、第1ガス経路区間833が引き込む空気の量がより多くなる。よって、エアロゾルに対する抽出作用がより良好となり、エアロゾル量がより大きくなる。
【実施例7】
【0095】
本実施例で使用する非燃焼・加熱型エアロゾル生成装置は実施例1と同じである。ただし、エアロゾル生成製品が異なっている。
【0096】
図7に示すように、緊密区間を有するエアロゾル生成製品8の構造は、以下の点で実施例1と異なっている。即ち、前記緊密区間81は、エアロゾル生成材料から選択される。また、前記緊密区間81の密度は、前記エアロゾル生成基質区間82の密度よりも大きい。つまり、この場合、緊密区間81の材料とエアロゾル生成基質区間82の材料は同じであり、いずれもエアロゾル生成材料であるが、両端の緊密度が全く異なっており、前記緊密区間81の密度が前記エアロゾル生成基質区間82の密度よりも大きい。また、前記緊密区間81の軸方向の通気度は、前記エアロゾル生成基質区間82の軸方向の通気度よりも小さい。
【0097】
緊密区間81は、エアロゾル生成基質の製造過程でエアロゾル生成基質区間82と一体的に形成し、且つ、圧縮プロセスで高密度のエアロゾル生成基質区間を緊密区間81として形成すればよいため、製造が容易である。
【符号の説明】
【0098】
1 装置本体
2 収容筒
21 天井部開口
22 底壁
3 加熱部
31 上端
32 底端
4 案内管
5 コイル
6 断熱構造
7 金属チップ
8 エアロゾル生成製品
81 緊密区間
82 エアロゾル生成基質区間
83 ガス経路区間
84 フィルタ区間
831 気流経路
832 側流孔
833 第1ガス経路区間
834 第2ガス経路区間
【国際調査報告】