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特表2024-545057液体貯蔵装置およびそれを備えた電解脱酸素システムならびに冷蔵庫
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】液体貯蔵装置およびそれを備えた電解脱酸素システムならびに冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   B01F 21/00 20220101AFI20241128BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20241128BHJP
   C25B 15/08 20060101ALI20241128BHJP
   C25B 1/16 20060101ALI20241128BHJP
   C25B 1/02 20060101ALI20241128BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20241128BHJP
   C25B 15/02 20210101ALI20241128BHJP
   B01F 23/231 20220101ALI20241128BHJP
   B01F 25/30 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
B01F21/00
F25D23/00 302Z
C25B15/08 302
C25B1/16
C25B1/02
C25B9/00 Z
C25B15/02
C25B15/08 304
B01F23/231
B01F25/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533025
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2022135570
(87)【国際公開番号】W WO2023098749
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202111468134.2
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111467792.X
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】青島海爾電氷箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No. 1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101, China
(71)【出願人】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】海爾智家股分有限公司
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong 266101, China
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】ファン ルールー
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ビン
(72)【発明者】
【氏名】ミァォ ジェンリン
【テーマコード(参考)】
3L345
4G035
4K021
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345BB01
3L345DD52
3L345GG40
3L345KK02
3L345KK04
4G035AA01
4G035AB06
4G035AC22
4G035AE13
4K021AA01
4K021AB01
4K021BA02
4K021BA17
4K021BC01
4K021BC02
4K021BC04
4K021CA08
4K021CA09
4K021CA11
4K021DA03
4K021DA11
4K021DC01
4K021DC15
(57)【要約】
液体貯蔵装置およびそれを備えた電解脱酸素システムならびに冷蔵庫である。液体貯蔵装置は、内部に第1液体貯蔵空間が形成された液体貯蔵容器と、ハウジングおよび濾過部を有し、ハウジング内に第1液体貯蔵空間と連通する第2液体貯蔵空間が形成され、濾過部が第2液体貯蔵空間に配置され、外部環境からのガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間に溶解させ、第1液体貯蔵空間に流入させて再利用する濾過機構と、を含む。該液体貯蔵装置は濾過回収機能を有し、ガス中の特定物質成分を分離して再利用することができ、ガス排出による汚染を低減または回避し、同時に資源利用効率を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過回収機能を有する液体貯蔵装置であって、
内部に第1液体貯蔵空間が形成された液体貯蔵容器と、
ハウジングおよび濾過部を有し、前記ハウジング内に前記第1液体貯蔵空間と連通する第2液体貯蔵空間が形成され、前記濾過部は前記第2液体貯蔵空間に配置され、外部環境からのガス中の特定物質成分を前記第2液体貯蔵空間に溶解させ、前記第1液体貯蔵空間に流入させて再利用する濾過機構と、を含む液体貯蔵装置。
【請求項2】
前記ハウジングが前記第1液体貯蔵空間内に挿入され、その底部に前記第1液体貯蔵空間と連通する液体出口孔が設けられており、前記第2液体貯蔵空間内の液体を前記第1液体貯蔵空間に逆流させる、請求項1に記載の液体貯蔵装置。
【請求項3】
前記ハウジング上に前記外部環境からのガスを入力するための空気入口孔がさらに設けられており、
前記濾過部は気体導管であり、前記空気入口孔から前記第2液体貯蔵空間に挿入され、前記第2液体貯蔵空間の底部ゾーンまで延びており、前記外部環境のガスを前記第2液体貯蔵空間の底部ゾーンに導き、前記外部環境のガス中の特定物質成分をガス上昇過程で前記第2液体貯蔵空間に溶解させる、請求項1または2に記載の液体貯蔵装置。
【請求項4】
前記気体導管は直管であり、または、
前記気体導管は垂直カーブフック形状管であって、前記第2液体貯蔵空間の底部ゾーンまで延びた直管部および前記直管部の末端から湾曲して上方に延びた湾曲管部を有し、前記湾曲管部の末端は前記直管部の末端よりもわずかに高く、それを流れたガスを上方に導く、請求項3に記載の液体貯蔵装置。
【請求項5】
前記ハウジングに、前記ハウジングの頂部に位置し、前記気体導管および前記第2液体貯蔵空間を流れて前記特定物質成分が分離されたガスを排出するための空気出口孔がさらに設けられている、請求項3に記載の液体貯蔵装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、頂部開口を有する第1タンクおよび前記第1タンクの頂部開口を閉鎖する第1タンクカバーを含み、前記空気入口孔と前記空気出口孔は互いに間隔を置いて前記第1タンクカバー上に位置する、請求項5に記載の液体貯蔵装置。
【請求項7】
前記液体貯蔵容器は、頂部開口を有する第2タンクおよび前記第2タンクの頂部開口を閉鎖する第2タンクカバーを含み、前記第2タンクカバーに取付口が設けられており、前記取付口の孔壁が上方に延びて中空筒状の雄ネジインタフェースを形成し、
前記第1タンクカバーは、前記第1タンク上方にある閉鎖カバープレートおよび前記閉鎖カバープレートの外縁から下方に延びた環状雌ネジインタフェースを有し、前記環状雌ネジインタフェースは前記雄ネジインタフェースにねじ接続され、前記第1タンクカバーが前記第2タンクカバーに着脱可能に接続され、
前記第1タンクが前記閉鎖カバープレートの下面から下方に延びており、前記雄ネジインタフェースを通過して前記第1液体貯蔵空間内に挿入されている、請求項6に記載の液体貯蔵装置。
【請求項8】
前記第2タンクカバーに液体添加口がさらに設けられており、その口の壁が液体添加溝を形成するように下方に延びており、前記液体添加溝の一部の溝壁が傾斜して下方に延びており、前記液体添加溝の底部に先細りの開口が形成されている、請求項7に記載の液体貯蔵装置。
【請求項9】
前記液体貯蔵容器の底部ゾーンに、外部環境に液体を出力するための液体供給口が設けられている、請求項1または2に記載の液体貯蔵装置。
【請求項10】
反応容器を有し、前記反応容器の内部に電気化学反応を行って酸素を消費する反応場所を形成し、前記反応容器に液体補充口が設けられている電解脱酸素装置と、
請求項1~9のいずれか1項に記載の液体貯蔵装置であって、前記液体貯蔵装置の液体貯蔵容器に前記液体補充口と連通するための液体供給口が設けられており、前記反応容器に液体を補充するために使用される液体貯蔵装置と、を備えている冷蔵庫用の電解脱酸素システム。
【請求項11】
前記液体供給口は前記液体貯蔵容器の底部ゾーンに位置し、前記液体補充口は前記反応容器の頂部ゾーンに位置し、
前記液体供給口は前記液体補充口よりも高い、請求項10に記載の電解脱酸素システム。
【請求項12】
一端が前記液体供給口と連通し、他端が前記液体補充口と連通し、前記液体供給口からの液体を前記液体補充口に導くために使用される液体輸送管をさらに備えている、請求項10に記載の電解脱酸素システム。
【請求項13】
前記反応容器に、前記反応容器内で発生したガスが前記濾過機構の前記ハウジングの内部空間に排出されることを可能にする排気口がさらに設けられており、
前記濾過部は、前記排気口からのガス中の特定物質成分を前記ハウジングの内部空間に溶解させ、前記第1液体貯蔵空間に流入させて再利用するために使用される、請求項10に記載の電解脱酸素システム。
【請求項14】
前記ハウジングに、前記排気口と前記ハウジングの内部空間を連通するための空気入口孔が設けられており、
前記電解脱酸素システムは、一端が前記排気口と連通し、他端が前記空気入口孔と連通し、前記排気口からのガスを前記空気入口孔に導くために使用されるガス輸送管をさらに備えている、請求項13に記載の電解脱酸素システム。
【請求項15】
前記濾過部は気体導管であり、前記空気入口孔から前記ハウジングの内部空間に挿入され、前記ハウジング内の底部ゾーンまで延びており、前記排気口からのガスを前記ハウジング内の底部ゾーンに導き、前記排気口からのガス中の特定物質成分を上昇過程で前記ハウジングの内部空間に溶解させ、
前記ハウジングに空気出口孔がさらに設けられており、前記空気入口孔から互いに間隔を置いて前記ハウジングの頂部に位置し、前記気体導管および前記ハウジングの内部空間を流れて前記特定物質成分が分離されたガスを排出する、請求項14に記載の電解脱酸素システム。
【請求項16】
前記ハウジングが前記液体貯蔵空間に挿入され、その底部に前記第1液体貯蔵空間と連通する液体出口孔が設けられており、前記ハウジング内の液体を前記液体貯蔵容器内に逆流させる、請求項13に記載の電解脱酸素システム。
【請求項17】
前記反応容器内に位置し、スイッチ本体を有し、前記反応容器内の液位に応じて移動し、前記液体補充口を開閉し、前記液体貯蔵容器内の電解液が順次前記液体供給口および前記液体補充口を流れて前記反応容器内に進入することを許容または防止するために使用される液位スイッチをさらに備えている、請求項10に記載の電解脱酸素システム。
【請求項18】
前記液位スイッチはフロートをさらに含み、前記フロートは前記スイッチ本体に接続により固定されるか、または前記スイッチ本体と一体的に成形され、軸の周りに回転可能に構成されており、前記反応容器内で軸周りの回転により浮き上がりまたは沈み込みを実現し、前記スイッチ本体を移動させる、請求項17に記載の電解脱酸素システム。
【請求項19】
請求項10~18のいずれか1項に記載の電解脱酸素システムを備え、前記電解脱酸素装置は前記冷蔵庫の貯蔵空間と気流連通し、前記電解脱酸素装置が電気化学反応を利用して前記冷蔵庫の貯蔵空間内の酸素を消費する、冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鮮度保持装置に関し、特に液体貯蔵装置およびそれを備えた電解脱酸素システムならびに冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学反応を通じて冷蔵庫内部の酸素を低減するための電気化学反応装置のような一部の反応装置では、電気化学反応過程に電解液の関与が必要であり、その反応過程でガスが発生し、発生したガスを外部環境に排出する必要がある。
【0003】
反応過程において、大量の熱が発生するため電解液が加熱・蒸発し、その結果、反応容器から排出されたガスには微量の電解液蒸気が含まれることがある。電解液のほとんどは酸性溶液またはアルカリ性溶液であり、腐食性がある。反応装置から発生したガスが処理されずに大気に直接排出されると、大気汚染に繋がり、生命と健康を危険にさらす可能性がある。
【0004】
また、反応装置で発生したガスが電解液蒸気を運ぶ場合、電解液が徐々に失われ、その結果、資源浪費につながり、生産コストが上昇する。
【0005】
一部の物品、例えば果物や野菜について、保存期間を長くして高い鮮度を保持するために、一般的には低酸素・低温の環境で保存することが望ましい。
【0006】
低酸素・低温の鮮度保持雰囲気を作り出すために、冷蔵庫に電解脱酸素装置を取り付けることができる。電解脱酸素装置は、電気化学反応を利用して貯蔵空間内の酸素を消費することができる。電気化学反応は通常電解液中で行われ、電解液の成分を消費するため、電気化学反応を正常に行うために適時に電解脱酸素装置に液体を添加する必要がある。
【0007】
電解液は一般に腐食性のある酸性液体またはアルカリ性液体である。電解液の充填を手作業で行うと、安全上のリスクが避けられない。また、外部から電解脱酸素装置に液体を補充すると、電解脱酸素装置およびその周辺部品を着脱する必要があり、操作過程が煩雑になり、装置の破損リスクが高まる。
【0008】
本明細書において背景技術で開示された上記情報は、本出願の背景技術の理解を深めることのみを意図したものであるため、当業者にとって公知の先行技術に該当しない先行技術が含まれる場合がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明の1つの目的は、先行技術における少なくとも1つの技術的欠陥を克服し、液体貯蔵装置およびそれを備えた電解脱酸素システムならびに冷蔵庫を提供することである。
【0010】
本発明の一側面の1つのさらなる目的は、ガス中の特定物質成分を分離して再利用することができ、ガス排出による汚染を低減または回避し、同時に資源利用効率を向上させる、濾過回収機能を有する液体貯蔵装置を提供することである。
【0011】
本発明の一側面の別のさらなる目的は、液体貯蔵装置の回収過程を容易かつ効果的にすることである。
【0012】
本発明の一側面の別のさらなる目的は、液体貯蔵装置を巧妙かつ簡単な構造としつつも優れた濾過浄化効果を得ることである。
【0013】
本発明の一側面の別のさらなる目的は、冷蔵庫脱酸素過程における液体補充が困難で、電解液が損失するという問題を解決することである。
【0014】
本発明の別の側面の1つのさらなる目的は、脱酸素機能と液体補充機が統合された電解脱酸素システムを提供することであり、電解脱酸素装置の液体補充難易度を低減し、脱酸素効果を向上させることである。
【0015】
本発明の別の側面の別のさらなる目的は、電解脱酸素システムの液体補充過程を機械構造により自動的に行い、電気的制御コストを削減し、自動化の程度を向上させることである。
【0016】
本発明の別の側面の別のさらなる目的は、電解脱酸素装置から排出されたガスの腐食性を低減し、脱酸素過程が環境に及ぼす不良影響を低減することである。
【0017】
本発明の別の側面の別のさらなる目的は、電解脱酸素装置から排出されたガス中の特定物質成分を回収して再利用し、脱酸素過程の資源消費を低減することである。
【0018】
本発明の一側面によれば、濾過回収機能を有する液体貯蔵装置を提供し、内部に第1液体貯蔵空間が形成された液体貯蔵容器と、ハウジングおよび濾過部を有し、ハウジング内に第1液体貯蔵空間と連通する第2液体貯蔵空間が形成され、濾過部が第2液体貯蔵空間に配置され、外部環境からのガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間に溶解させ、第1液体貯蔵空間に流入させて再利用するために使用される濾過機構と、を含む。
【0019】
選択的に、ハウジングが第1液体貯蔵空間内に挿入され、その底部に第1液体貯蔵空と連通する液体出口孔が設けられており、第2液体貯蔵空間内の液体を第1液体貯蔵空間に逆流させる。
【0020】
選択的に、ハウジングに外部環境からのガスを入力するための空気入口孔がさらに設けられており、濾過部は気体導管であり、空気入口孔から第2液体貯蔵空間に挿入され、第2液体貯蔵空間の底部ゾーンまで延びており、外部環境のガスを第2液体貯蔵空間の底部ゾーン導き、外部環境のガス中の特定物質成分をガス上昇過程で第2液体貯蔵空間に溶解させる。
【0021】
選択的に、気体導管は直管であり、または気体導管は垂直カーブフック形状管であって、第2液体貯蔵空間の底部ゾーンまで延びた直管部および直管部の末端から湾曲して上方に延びた湾曲管部を有し、湾曲管部の末端は直管部の末端よりもわずかに高く、それを流れたガスを上方に導くために使用される。
【0022】
選択的に、ハウジングに空気出口孔がさらに設けられており、ハウジングの頂部に位置し、気体導管および第2液体貯蔵空間を流れて特定物質成分が分離されたガスを排出するために使用される。
【0023】
選択的に、ハウジングは、頂部開口を有する第1タンクおよび第1タンクの頂部開口を閉鎖する第1タンクカバーを含み、空気入口孔は空気出口孔から互いに間隔を置いて第1タンクカバー上に位置する。
【0024】
選択的に、液体貯蔵容器は、頂部開口を有する第2タンクおよび第2タンクの頂部開口を閉鎖する第2タンクカバーを含み、第2タンクカバー上に取付口が設けられており、取付口の孔壁が上方に延びて中空筒状の雄ネジインタフェースを形成し、第1タンクカバーは第1タンク上方にある閉鎖カバープレートおよび閉鎖カバープレートの外縁から下方に延びた環状雌ネジインタフェースを含み、環状雌ネジインタフェースは雄ネジインタフェースにねじ接続され、第1タンクカバーは第2タンクカバーに着脱可能に接続され、第1タンクは閉鎖カバープレートの下面から下方に延びており、雄ネジインタフェースを通過して第1液体貯蔵空間内に挿入される。
【0025】
選択的に、第2タンクカバーに液体添加口がさらに設けられており、その口の壁が下方に延伸し液体添加溝を形成し、液体添加溝の一部の溝壁が傾斜して下方に延びており、液体添加溝の底部に先細りの開口が形成される。
【0026】
選択的に、液体貯蔵容器の底部ゾーンに、外部環境に液体を出力するために使用される液体供給口が設けられている。
【0027】
本発明の別の側面によれば、冷蔵庫用の電解脱酸素システムをさらに提供し、
反応容器を有し、反応容器の内部に電気化学反応を行って酸素を消費する反応場所が形成され、反応容器に液体補充口が設けられた電解脱酸素装置と、
上記に記載の液体貯蔵装置であって、液体貯蔵装置の液体貯蔵容器に液体補充口と連通する液体供給口が設けられており、反応容器に液体を補充するために使用される液体貯蔵装置と、を備える。
【0028】
選択的に、液体供給口は液体貯蔵容器の底部ゾーンに位置し、液体補充口は反応容器の頂部ゾーンに位置し、
液体供給口は液体補充口よりも高い。
【0029】
選択的に、該電解脱酸素システムは、
一端が液体供給口と連通し、他端が液体補充口と連通し、液体供給口からの液体を液体補充口に導くために使用される液体輸送管をさらに備える。
【0030】
選択的に、反応容器に、反応容器内で発生したガスが濾過機構のハウジングの内部空間に排出されることを可能にする排気口がさらに設けられており、
濾過部は、排気口からのガス中の特定物質成分をハウジングの内部空間に溶解させ、第1液体貯蔵空間に流入させて再利用するために使用される。
【0031】
選択的に、ハウジングに排気口とハウジングの内部空間を連通するための空気入口孔が設けられており、
電解脱酸素システムは、一端が排気口と連通し、他端が空気入口孔と連通し、排気口からのガスを空気入口孔に導くために使用されるガス輸送管をさらに備える。
【0032】
選択的に、濾過部は気体導管であり、空気入口孔からハウジングの内部空間に挿入され、ハウジング内の底部ゾーンまで延びており、排気口からのガスをハウジング内の底部ゾーンに導き、排気口からのガス中の特定物質成分を上昇過程でハウジングの内部空間に溶解させ、
ハウジングに空気出口孔がさらに設けられており、空気入口孔から互いに間隔を置いてハウジングの頂部に位置し、気体導管およびハウジングの内部空間を流れて特定物質成分が分離されたガスを排出するために使用される。
【0033】
選択的に、ハウジングが液体貯蔵空間に挿入され、その底部に第1液体貯蔵空間と連通する液体出口孔が設けられており、ハウジング内の液体を液体貯蔵容器内に逆流させる。
【0034】
選択的に、該電解脱酸素システムは、
反応容器内に設けられ、スイッチ本体を有し、反応容器内の液位に応じて移動して液体補充口を開閉し、液体貯蔵容器内の電解液が順次液体供給口および液体補充口を流れて反応容器内に進入することを許容または防止するために使用される液位スイッチをさらに備える。
【0035】
選択的に、液位スイッチはフロートをさらに含み、前記フロートはスイッチ本体に接続により固定されるか、またはスイッチ本体と一体的に成形され、軸の周りに回転可能に構成されており、反応容器内で軸周りの回転により浮き上がりまたは沈み込みを実現し、スイッチ本体を移動させる。
【0036】
本発明のさらに別の側面によれば、冷蔵庫をさらに提供し、
上記いずれか1項に記載の電解脱酸素システムであって、電解脱酸素装置が冷蔵庫の貯蔵空間と気流連通し、電解脱酸素装置が電気化学反応を利用して冷蔵庫の貯蔵空間内の酸素を消費する電解脱酸素システムを備える。
【0037】
本発明の濾過回収機能を有する液体貯蔵装置およびそれを備えた冷蔵庫では、液体貯蔵装置は濾過機構を有し、該濾過機構のハウジング内に液体貯蔵容器の第1液体貯蔵空間と連通する第2液体貯蔵空間が形成され、濾過機構の濾過部は外部環境のガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間に溶解させ、第1液体貯蔵空間に流入させて再利用するために使用されるので、本発明は濾過回収機能を有する液体貯蔵装置を提供し、該液体貯蔵装置はガス中の特定物質成分を分離して再利用することができ、ガス排出による汚染を低減または回避し、同時に資源利用効率を向上させることができる。
【0038】
さらに、本発明の濾過回収機能を有する液体貯蔵装置およびそれを備えた冷蔵庫では、ハウジングが第1液体貯蔵空間内に挿入され、ハウジング底部の液体出口孔を介して第1液体貯蔵空間と連通し、第2液体貯蔵空間内の液体をそれ自体の重力により下方に液体出口孔を通過させて第1液体貯蔵空間に逆流させ、これにより、液体貯蔵装置の回収過程を容易かつ効果的にすることができる。
【0039】
さらに、本発明の濾過回収機能を有する液体貯蔵装置およびそれを備えた冷蔵庫では、濾過部は気体導管であり、ハウジングの空気入口孔から第2液体貯蔵空間に挿入され、第2液体貯蔵空間の底部ゾーンまで延びており、外部ガスを第2液体貯蔵空間の底部ゾーンに導き、気体導管から流出したガスが上昇過程で第2液体貯蔵空間の液体と接触し、ガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間内に溶解させ、液体貯蔵装置を巧妙かつ簡単な構造としつつも優れた濾過浄化効果を得ることができる。
【0040】
またさらに、本発明の濾過回収機能を有する液体貯蔵装置およびそれを備えた冷蔵庫では、液体貯蔵装置は濾過回収機能を有し、液体供給口を通じて外部環境に液体を出力するので、液体貯蔵装置が冷蔵庫の電気化学脱酸素装置に組み立てられると、電気化学脱酸素装置から排出されたガスが第2液体貯蔵空間に導かれ、ガス中の特定物質成分を分離して再利用することができ、電気化学脱酸素装置内の電解液が不足である場合、第1液体貯蔵空間内の液体を利用して液体補充を行うことができるので、本発明の液体貯蔵装置は、冷蔵庫の脱酸素過程における液体補充が困難で、電解液が損失するという問題を解決することができる。
【0041】
本発明の冷蔵庫用の電解脱酸素システムおよびそれを備えた冷蔵庫では、電解脱酸素システムが電解脱酸素装置の反応容器に液体を補充する液体貯蔵装置を含むので、本発明の電解脱酸素システムには脱酸素機能と液体補充機能が統合され、それ自体にある液体貯蔵装置を利用して反応容器に液体を補充し、電解脱酸素装置の液体補充難易度を低減するのに寄与し、電解脱酸素装置の液体補充過程がより安全で、より効果的で、よりタイムリーで、よりインテリジェントであり、電解脱酸素装置の脱酸素効果をさらに確保することができる。
【0042】
さらに、本発明の冷蔵庫用の電解脱酸素システムおよびそれを備えた冷蔵庫では、液体貯蔵容器の液体供給口が反応容器の液体補充口よりも高く、液体貯蔵容器からの液体をそれ自体の重力により反応容器内に進入させることができるので、電解脱酸素システムの液体補充過程を機械構造により自動的に行い、電気的制御コストを削減し、自動化の程度を向上させることができる。
【0043】
さらに、本発明の冷蔵庫用の電解脱酸素システムおよびそれを備えた冷蔵庫では、濾過機構は電解脱酸素装置から排出されたガス中の特定物質成分をハウジングの内部空間に溶解させ、排出すべきガスが濾過され、その結果、電解脱酸素装置から排出されたガスの腐食性を低減し、脱酸素過程が環境に及ぼす不良影響を低減することができる。
【0044】
またさらに、本発明の冷蔵庫用の電解脱酸素システムおよびそれを備えた冷蔵庫では、濾過機構のハウジングが液体貯蔵空間と連通し、ハウジング内に溶解した特定物質成分が液体貯蔵空間に入ることができるので、電解脱酸素装置から排出されたガス中の特定物質成分が回収されて再利用することができ、脱酸素過程の資源消費を低減することに寄与する。
【0045】
以下、添付図面と併せて本発明の具体的な実施例を以下に詳細に説明することにより、当業者は本発明の上記および他の目的、利点および特徴をより把握することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
以下、添付図面を参照しながら、例示のかつ非限定的な態様で本発明のいくつかの具体的な実施例を詳細に説明する。添付図面において同一の符号は同一または類似の部材または部分を示す。これらの添付図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことを当業者は理解すべきである。
図1】本発明の一実施例による濾過回収機能を有する液体貯蔵装置の概略構造図である。
図2図1に示す液体貯蔵装置の概略断面図である。
図3図1に示す液体貯蔵装置の概略分解図である。
図4図1に示す液体貯蔵装置の濾過機構の概略構造図である。
図5図4に示す液体貯蔵装置の濾過機構の概略分解図である。
図6図3に示す液体貯蔵装置の液体貯蔵容器の第2タンクカバーの概略構造図である。
図7図1に示す液体貯蔵装置の濾過回収過程の概略図である。
図8】本発明の一実施例による冷蔵庫の概略ブロック図である。
図9】本発明の一実施例による反応システムの概略構造図である。
図10】本発明の一実施例による反応システムの液位スイッチの概略構造図である。
図11】本発明の一実施例による冷蔵庫用の電解脱酸素システムの概略構造図である。
図12】本発明の一実施例による冷蔵庫用の電解脱酸素システムの電解脱酸素装置の概略構造図である。
図13図12に示す電解脱酸素システムの電解脱酸素装置の概略分解図である。
図14】本発明の別の実施例による冷蔵庫の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、本発明の一実施例による濾過回収機能を有する液体貯蔵装置20の概略構造図である。本実施例の液体貯蔵装置20は濾過回収機能を有し、ガス中の特定物質成分を分離して回収し、再利用する。
【0048】
図2は、図1に示す液体貯蔵装置20の概略断面図である。図3は、図1に示す液体貯蔵装置20の概略分解図である。液体貯蔵装置20は一般に液体貯蔵容器200と濾過機構400を含む。
【0049】
ここで、液体貯蔵容器200の内部に第1液体貯蔵空間210が形成されている。該第1液体貯蔵空間210内には液体、例えば特定成分を含有する電解液または水などが貯蔵されるが、これらに限定されない。
【0050】
濾過機構400はハウジング420および濾過部440を有し、ハウジング420内に第1液体貯蔵空間210と連通する第2液体貯蔵空間421が形成されている。濾過部440は第2液体貯蔵空間421に配置され、外部環境からのガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間421に溶解させ、第1液体貯蔵空間210に流入させて再利用する。第2液体貯蔵空間421内には、液体、例えば特定成分を含有する電解液または水などが貯蔵される。外部環境のガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間421に溶解させることは、第2液体貯蔵空間421に貯蔵された液体に溶解させることを指す。
【0051】
本実施例では、上記特定物質成分は水溶解性物質である。いくつかの選択可能な実施例では、分離すべき特定物質成分の物理化学的特性に応じて第1液体貯蔵空間210と第2液体貯蔵空間421に貯蔵された液体成分を調整してもよい。
【0052】
第2液体貯蔵空間421が第1液体貯蔵空間210と連通しているので、第2液体貯蔵空間421に溶解した外部環境からのガス中の特定物質成分を第1液体貯蔵空間210に進入させて再利用することができる。
【0053】
本実施例の液体貯蔵装置20では、濾過機構400を有し、該濾過機構400のハウジング420内に液体貯蔵容器200の第1液体貯蔵空間210と連通する第2液体貯蔵空間421が形成され、濾過機構400の濾過部440は外部環境のガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間421で溶解させ、第1貯蔵空間に流入させて再利用するために使用されるので、本発明は濾過回収機能を有する液体貯蔵装置20を提供し、ガス中の特定物質成分を分離して再利用することができ、ガス排出による汚染を低減または回避し、同時に資源利用効率を向上させる。
【0054】
いくつかの選択可能な実施例では、ハウジング420が第1液体貯蔵空間210内に挿入される。例えば、液体貯蔵容器200はほぼ直方体状であり、ハウジング420は内側スリーブとして第1液体貯蔵空間210内に挿入されてもよい。液体貯蔵容器200とハウジング420の形状の例は単なる概略的なものであり、当業者によって容易に拡張されるべきであり、本明細書ではすべて列挙されていない。
【0055】
図4は、図1に示す液体貯蔵装置20の濾過機構400の概略構造図である。図5は、図4に示す液体貯蔵装置20の濾過機構400の概略分解図である。
【0056】
ハウジング420の底部に第1液体貯蔵空間210と連通するための液体出口孔422が設けられており、第2液体貯蔵空間421内の液体を第1液体貯蔵空間210に逆流させることを可能にしている。該液体出口孔422は、2つの液体貯蔵空間間の物質交換「窓」として機能し得る。該液体出口孔422により、第1液体貯蔵空間210の液面が第2液体貯蔵空間421の液面と一致し、第2液体貯蔵空間421内の液体が第1液体貯蔵空間210に拡散しやすくなる。
【0057】
ハウジング420が第1液体貯蔵空間210内に配置され、ハウジング420の底部にある液体出口孔422を介して第1液体貯蔵空間210と連通し、第2液体貯蔵空間421内の液体をそれ自体の重力により下方に向けて液体出口孔422を通過させて第1液体貯蔵空間210に逆流させ、液体貯蔵装置20の回収過程を容易かつ効果的にする。
【0058】
いくつかの選択可能な実施例では、ハウジング420に外部環境からのガスを入力するための空気入口孔423がさらに設けられている。該空気入口孔423はハウジング420の頂部に設けられており、例えばハウジング420のタンクカバーに位置していてもよく、これにより、第2液体貯蔵空間421内に貯蔵された液体の漏れを回避することができる。いくつかの選択可能な実施例では、空気入口孔423はハウジング420の側壁に設けられており、第2液体貯蔵空間421の通常液位よりも高くてもよい。
【0059】
濾過部440は気体導管であり、空気入口孔423から第2液体貯蔵空間421へと、第2液体貯蔵空間421の底部ゾーンまで延びており、外部ガスを第2液体貯蔵空間421の底部ゾーンに導き、外部環境のガス中の特定物質成分をガス上昇過程で第2液体貯蔵空間421に溶解させる。気体導管が第2液体貯蔵空間421の底部ゾーンまで延びていることにより、気体導管が外部環境からのガスを第2液体貯蔵空間421内に貯蔵された液体の深くまで輸送することができ、第2液体貯蔵空間421内のガス流動経路を延長することができる。
【0060】
濾過部440は気体導管であり、そしてハウジング420の空気入口孔423から第2液体貯蔵空間421へと、第2液体貯蔵空間421の底部ゾーンまで延びており、外部環境のガスを第2液体貯蔵空間421の底部ゾーンに導き、気体導管から流出したガスを上昇過程で第2液体貯蔵空間421の液体と十分に接触させ、ガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間421内に溶解させることができ、これにより、液体貯蔵装置20を巧妙かつ簡単な構造としつつも優れた濾過浄化効果を得ることができる。
【0061】
本実施例の気体導管は直管であり、その両端はいずれも開口であり、ガスの出し入れを容易にし、構造が簡単で、優れた気体導通効果を得ることができる。
【0062】
いくつかの選択可能な実施例では、気体導管の形状は垂直カーブフック形状管に変更されてもよく、第2液体貯蔵空間421の底部ゾーンまで延びた直管部および直管部の末端から湾曲して上方に延びた湾曲管部を有する。湾曲管部の末端は直管部の末端よりもわずかに高く、それを流れたガスを上方に導くために使用される。
【0063】
すなわち、本実施例の気体導管は垂直カーブフック形状であってもよく、直管部は傘竿のようなものであり、湾曲管部は傘竿末端に接続された傘柄のようなものである。湾曲管部が直管部の末端から湾曲して上方に延びており、その結果、気体導管から流出したガスが上方に流動するように導かれ、ガスの移動方向がより明確になる。湾曲管部の末端は直管部の末端よりもわずかに高いことは、湾曲管部の末端が依然として第2液体貯蔵空間421の底部ゾーンに位置することを指し、その結果、溶解過程中のガス流動経路が著しく短縮されることがない。
【0064】
いくつかの選択可能な実施例では、ハウジング420に空気出口孔424がさらに設けられており、気体導管および第2液体貯蔵空間421を流れて特定物質成分が分離されたガスを排出するために使用される。空気出口孔424はハウジング420の頂部、例えばハウジング420のタンクカバーに位置していてもよい。該空気出口孔424は、濾過後のガスを外部環境、例えば外部環境の空気に排出してもよい。いくつかの実施例では、空気入口孔423と空気出口孔424はそれぞれ円形開口である。本実施例の空気入口孔423と空気出口孔424はそれぞれ管状貫通孔である。ここで、空気入口孔423の管孔の孔壁が下方に連続的に延びて第2液体貯蔵空間421内に延在し、気体導管として機能する。いくつかの実施例では、空気出口孔424に、ガスを導くためのガス排出導管が接続されていてもよい。
【0065】
いくつかの選択可能な実施例では、ハウジング420は一体的に成形されてもよい。別のいくつかの選択可能な実施例では、ハウジング420は複数の異なる部材を接続して形成されてもよい。例えば、ハウジング420は、頂部開口を有する第1タンク426および第1タンク426の頂部開口を閉鎖する第1タンクカバー428を含んでいてもよい。空気入口孔423は空気出口孔424から互いに間隔を置いて第1タンクカバー428上に位置する。第1タンク426は直管状であり、その管径は気体導管の管径よりも大きい。第1タンク426の頂端は開口状であり、第1タンクカバー428に密封接続されている。第1タンク426の底端は閉鎖状であり、その上に上記液体出口孔422が設けられている。液体出口孔422は少なくとも1つであってもよい。
【0066】
空気入口孔423は、気体導管および空気出口孔424とともに、第1タンク426で覆われてスリーブ構造を形成している。気体導管の底端は第1タンク426の底端よりも高く、気体導管から流出したガスが第1タンク426から漏れるのを防止する。
【0067】
ハウジング420のタンクカバーに空気入口孔423と空気出口孔424が設けられることにより、孔を開けることの難易度が低減され、製造工程が簡素化され、ガスの排出効率も向上する。
【0068】
いくつかの選択可能な実施例では、液体貯蔵容器200は一体的に成形されてもよく、液体貯蔵容器200の密封効果を向上させ、漏れを防止することに資する。別のいくつかの選択可能な実施例では、液体貯蔵容器200は複数の異なる部材を接続して形成されてもよい。例えば、液体貯蔵容器200は、頂部開口を有する第2タンク260および第2タンク260の頂部開口を閉鎖する第2タンクカバー280を含んでもよい。第2タンク260は無蓋の直方体水タンク状であってもよく、その容積が第1タンク426の容積よりも大きい。
【0069】
図6は、図3に示す液体貯蔵装置20の液体貯蔵容器200の第2タンクカバー280の概略構造図である。図6(a)は斜視図であり、図6(b)は正面図であり、図6(c)は上面図である。
【0070】
第2タンクカバー280上には、取付口282が設けられている。取付口282の孔壁が上方に延びて中空筒状の雄ネジインタフェース288を形成している。該雄ネジインタフェース288が取付口282の孔壁から上方に延びているので、雄ネジインタフェース288の上縁が第2タンクカバー280の上面よりも高く、同時に下記液体添加溝286の上縁よりも高い。液体添加過程の最高液位を雄ネジインタフェース288の上縁以下に制御することができる。
【0071】
第1タンクカバー428は、第1タンク426の上方にある閉鎖カバープレート428aおよび閉鎖カバープレート428aの外縁から下方に延びた環状雌ネジインタフェース428bを有する。ここで、閉鎖カバープレート428aは第1タンク426の頂部開口を遮蔽するために使用される。環状雌ネジインタフェース428bは雄ネジインタフェース288にねじ接続され、第1タンクカバー428が第2タンクカバー280に着脱可能に接続される。すなわち、環状雌ネジインタフェース428bは、第1タンクカバー428を第2タンクカバー280に接続させるために使用される。
【0072】
第1タンク426は閉鎖カバープレート428aの下面から下方に延びており、雄ネジインタフェース288を通過して第1液体貯蔵空間210内に挿入されている。
【0073】
第1タンクカバー428と第2タンクカバー280のねじ接続を利用して取付口282が閉鎖されることにより、濾過機構400の取付固定過程が簡素化され、所定位置へのワンステップ取付を実現することができ、同時に第1タンク426が「ガス遮断管」としても機能する。
【0074】
図7は、図1に示す液体貯蔵装置20の濾過回収過程の概略図であり、図における矢印方向はガス流動方向、または液体流動方向を示す。「ガス遮断管」の制限により、第1タンク426上方の第1タンクカバー428の空気出口孔424に到達して排出されるまで、気体導管から流出したガスは気泡の形でしか第1タンク426の内部で上昇することができず、これにより濾過過程を完了する。いくつかの選択可能な実施例では、上記ネジ止めと締結の取付方法は、締まり嵌めまたはシールリングによる密封接続などの方法に変更されてもよく、水密性及び気密性が保証されればよい。
【0075】
外部環境からのガスが可溶性の酸性物質またはアルカリ性物質を含有する場合、これらの特定物質成分が濾過されて第1タンク426に残留し、第1タンク426底部の液体出口孔422を徐々に通過し、第2タンク260内の液体に拡散する。第1タンク426は液体補充タンクとして機能してもよく、その内部の液体が液体補充により反応が起こっている場所に再度輸送されて再利用することができる。
【0076】
いくつかの選択可能な実施例では、第2タンクカバー280上に液体添加口284が設けられていてもよく、その口の壁が下方に延びて液体添加溝286を形成している。該液体添加溝286は第2タンクカバー280の上面から下方に延びており、雄ネジインタフェース288は第2タンクカバー280の上面から上方に延びているので、液体添加口284から第2タンク260に液体を添加するとき、液体添加過程による第2タンク260のこぼれが発生しても、こぼれたときの液面が雄ネジインタフェース288を超えることがない。
【0077】
液体添加溝286の一部の溝壁が傾斜して下方に延びており、液体添加溝286の底部に先細りの開口が形成されている。すなわち、水タンクは一定深さを有する傾斜貫通孔であるので、ユーザが液体を添加するときに液位状況を観察することが容易となる。傾斜して下方に延びた溝壁に液位マークが設けられ、液体添加過程の液位を提示するために使用される。例えば、該液位マークは、液体が満杯であることをユーザに提示するための「最高液位目盛り」として設計されてもよい。
【0078】
液体貯蔵容器200の底部ゾーンに液体供給口262が設けられており、外部環境に液体を出力するために使用される。液体供給口262は第2タンク260の底部ゾーンに設けられている。すなわち、液体貯蔵容器200は液体を貯蔵すると同時に、液体供給口262を通じて外部環境に液体を輸送して再利用することもでき、これにより、生産工程の最適化や生産効率の向上に資する。例えば、該液体供給口262はパイプラインを介して電気化学反応を行う電気化学脱酸素装置に接続され、電気化学脱酸素装置に液体、例えば電解液または水などを補充することができる。
【0079】
第2タンク260の底部ゾーンに液体供給口262が設けられており、第2タンク260内の液体が重力により自動的に流出し、液体供給過程の自動化の程度を高めることに資する。
【0080】
いくつかの選択可能な実施例では、第2タンクカバー280の縁部は、外側に突出して力を加えるための突起287を有する。ユーザは、把持するような動作によって第2タンクカバー280に力を加えることができ、第2タンクカバー280と第2タンク260間の着脱過程を実現することができる。
【0081】
第2タンクカバー280と第2タンク260間の閉鎖部の周縁に弾性シールリングが配置されてもよい。これによって、第2タンクカバー280と第2タンク260間の押圧によって密封を実現し、第2タンク260も水漏れを防止することができる。
【0082】
図8は、本発明の一実施例による冷蔵庫1の概略ブロック図である。冷蔵庫1は反応装置10を備えている。冷蔵庫1は一般に上記いずれか1つの実施例の液体貯蔵装置20を備えている。反応装置10は電気化学脱酸素装置であってもよく、電気化学反応を通じて冷蔵庫1内部の酸素を消費し、酸素低減作用を果たす。いくつかの選択可能な実施例では、反応装置10は実際のニーズに応じて、脱臭のための反応装置10など、他の装置に置き換えられてもよい。
【0083】
電気化学脱酸素装置は、内部に電気化学反応が行われる場所を形成する反応容器500を含む。反応容器500内に電気化学反応素子(陽極板、陰極板など)が配置され、反応容器500は電解液、例えば水酸化ナトリウム溶液などを貯蔵してもよい。陽極板、陰極板はそれぞれ電解液に浸漬される。
【0084】
陰極板は冷蔵庫1の貯蔵室の内部空間と気流連通する。通電時に、陰極板は電気化学反応を通じて貯蔵室内の酸素を消費する。例えば、空気中の酸素は陰極板で還元反応を起こす。すなわち、O+2HO+4e-→4OH-である。
【0085】
陽極板は陰極板から互いに間隔を置いて反応容器500内に配置される。通電時、陽極板は、電気化学反応を通じて陰極に反応物(例えば、電子)を供給して酸素を生成するために使用される。陰極板で発生したOH-は陽極板において酸化反応を起こし、酸素を生成する。すなわち、4OH-→O+2HO+4e-である。酸素は反応容器500上の排気口510から排出され得る。
【0086】
濾過部440は冷蔵庫1の電気化学脱酸素装置からのガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間421に溶解させるために使用される。例えば、反応容器500の排気口510はハウジング420の空気入口孔423と連通し、反応容器500内で生成した酸素が気体導管に進入して濾過され、酸素に運ばれた電解液が第2液体貯蔵空間421に残留する。
【0087】
第1液体貯蔵空間210は、冷蔵庫1の電気化学脱酸素装置に液体を輸送するために使用される。例えば、反応容器500に液体補充口520が設けられていてもよく、第2タンク260の液体供給口262は反応容器500の液体補充口520と連通し、第1液体貯蔵空間210内の液体が順次液体供給口262と液体補充口520を流れて反応容器500に進入する。反応容器500内に、反応容器500内の液位に応じて液体補充口520を自動的に開閉するために使用される液位スイッチ600が取り付けられている。
【0088】
本実施例では、電気化学脱酸素装置の電気化学反応が水を消費するため、第1液体貯蔵空間210内の液体は水であってもよく、または電解液に変更されてもよい。酸素によって運ばれた電解液中の電解質が水溶性であるため、第2液体貯蔵空間421内の液体は水であってもよく、または電解液に変更されてもよい。
【0089】
液体貯蔵装置20と電気化学脱酸素装置の有機的な協力により、電気化学脱酸素装置に自動的に水を補充することができると同時に、電気化学脱酸素装置で発生した排ガス中の酸性成分またはアルカリ性成分を除去することができ、本来失われた電解質を回収して再利用することができ、全過程は専門人員の操作を必要とせず、電子素子を使用する必要もなく、システム全体は統合性、モジュール性、低コストという利点を有する。
【0090】
液体貯蔵装置20は濾過回収機能を有し、液体供給口262を通じて外部環境に液体を出力することができるため、液体貯蔵装置20を冷蔵庫1の電気化学脱酸素装置に組み込む場合、電気化学脱酸素装置から排出されたガスが第2液体貯蔵空間421に導かれ、ガス中の特定物質成分を分離して再利用することができ、電気化学脱酸素装置内の電解液が不足である場合、第1液体貯蔵空間210内の液体を利用して液体を補充することができるので、本実施例の冷蔵庫1は脱酸素過程における液体補充が困難で、電解液が損失するという問題を解決することができる。
【0091】
いくつかの選択可能な実施例では、液体貯蔵装置20は他の反応装置10と協働してもよく、以上の実施例の電気化学脱酸素装置に限定されない。
【0092】
液体貯蔵装置20は反応装置10とは独立していることにより、反応装置10への直接液体添加によるリスクを回避することができる。
【0093】
気体導管とハウジング420の相互協働により、水によるガス濾過が実現され、摩耗性ろ材の使用を避け、ろ材を交換する必要がなく、コスト節約に資する。
【0094】
液体貯蔵容器200の設計容量は、設定時間内で反応装置10の液体補充需要を満たすことができる。
【0095】
図9は、本発明の一実施例による反応システムの概略構造図である。該反応システムは一般的に反応装置10および上記のいずれか1つの実施例の液体貯蔵装置20を備える。本実施例の反応システムは、化学反応過程の排ガス濾過および回収再利用を実現することができる。
【0096】
図9に示すように、液体貯蔵容器200の液体供給口262は反応容器500の液体補充口520と液体導出管を介して連通し、第1液体貯蔵空間210、液体供給口262、液体補充口520および反応容器500の内部空間に輸液通路が形成される。
【0097】
液体補充口520は液体貯蔵容器200の液体供給口262よりも低いため、第1液体貯蔵空間210内の液体はそれ自体の重力により下方に液体補充口520に流れる。液体補充口520は反応容器500の頂部に位置するため、反応容器500の漏れを防止する。
【0098】
反応容器500の頂部に排気口510がさらに設けられており、ガスパイプを介して第2液体貯蔵空間421と連通する。ガスパイプの一端が排気口510に接続され、他端がハウジング420の空気入口孔423に接続されている。
【0099】
図10は、本発明の一実施例による反応システムの液位スイッチ600の概略構造図である。
【0100】
いくつかの選択可能な実施例では、反応システムは、スイッチ本体620を有し、反応容器500内に配置され、反応容器500内の液位に応じて移動し、液体補充口520を開閉し、第1液体貯蔵空間210の液体が液体補充口520を通じて反応容器500に進入することを許容または防止するために使用される液位スイッチ600をさらに含む。すなわち、液位スイッチ600は、液体補充口520の開閉を制御するために使用される。すなわち、液位スイッチ600は上記輸液通路のゲートとして輸液通路を開閉する役割を果たす。液位スイッチ600のスイッチ本体620は反応容器500の液位に応じて移動し、液体補充口520を開閉し、液体補充口520の開閉過程を電子制御する必要がない。
【0101】
液位スイッチ600は、反応容器500の液位に応じて自動的に移動し、液体補充口520を開閉し、輸液通路を開閉することができるので、本実施例の反応システムは自動液体補充機能を有し、外部環境から反応容器500に液体を添加することができる。
【0102】
スイッチ本体620は、液体補充口520の下方に移動可能に構成され、反応容器500内の液位が上昇する場合、上昇して液体補充口520の下周縁に押圧されて液体補充口520を閉鎖し、反応容器500内の液位が降下する場合、降下して液体補充口520の下周縁から離れて液体補充口520を開く。
【0103】
すなわち、スイッチ本体620は反応容器500内の液位が上昇する場合、上昇して液体補充口520の下周縁に押圧されて液体補充口520を閉鎖し、第1液体貯蔵空間210内の液体が液体補充口520を通過できなく、反応容器500内の液位が低下する場合、降下して離れて液体補充口520を開き、第1液体貯蔵空間210内の液体が重力により下方に反応容器500内に流れる。
【0104】
液位スイッチ600はフロート610をさらに含み、スイッチ本体620に接続により固定されるか、またはスイッチ本体620と一体的に成形され、反応容器500内で浮き上がりまたは沈み込みによりスイッチ本体620を移動させる。すなわち、スイッチ本体620はフロート610によって「駆動」され、フロート610の移動に必要な動力は反応容器500内で受けた浮力によって決定される。
【0105】
例えば、フロート610の一部が液体に浸漬されることにより、フロート610が液体の浮力を受ける。容器の内部空間の液位が変化すると、フロート610が受けた浮力も変化するので、フロート610が受けた浮力と重力の合力が変化する。例えば、反応容器500内の液位が降下すると、フロート610が受けた浮力が減少し、フロート610が受けた浮力と重力の合力の方向が下向きであれば、フロート610が下方に移動することになる。逆に、フロート610が上方に移動することになる。フロート610は垂直方向に沿って上昇または降下してもよく、または曲線に沿って上昇または降下してもよい。
【0106】
いくつかの選択可能な実施例では、フロート610は軸の周りに回転可能に構成されている設けられる。すなわち、本実施例のフロート610は直線に沿って昇降移動することではなく、軸の周りに回転するように上昇または降下し、このように設計すれば、フロート610とある固定軸に枢動可能に接続すればよく、高い寸法精度の案内部材を設ける必要がなく、構造が巧妙で、組立過程が簡単であり、装置信頼性が良好であるという利点を有する。
【0107】
フロート610は軸の周りに回転可能に構成されているので、移動軌跡が明確であり、本実施例のフロート610とスイッチ本体620は明確な移動軌跡に沿って移動しやすく、液位スイッチ600の信頼性が向上し、フロート610の自由移動による密封不良などの問題を低減または回避することができる。
【0108】
液位スイッチ600は回転軸630と接続部材640をさらに含む。
【0109】
ここで、回転軸630は反応容器500に固定されている。例えば、回転軸630は反応容器500の内部空間に固定され、反応容器500の容器の内壁に接続により固定されてもよい。
【0110】
いくつかの選択可能な実施例では、回転軸630は反応容器500に着脱可能に固定されてもよく、実際のニーズに応じて回転軸630の高さを調整し、液体補充を開始する容器内の液位高さを調整することができる。
【0111】
接続部材640はフロート610に接続により固定されるか、またはフロート610と一体的に成形され、その上に軸孔が形成され、そこに回転軸630が挿入されて回転可能に協働して回転可能な接続を実現する。すなわち、接続部材640は回転軸630とフロート610を有機な全体として組み合わせ、フロート610が回転軸630の周りに回転することができる。
【0112】
接続部材640上に軸孔が設けられており、回転軸630が軸孔に回転可能に嵌合されることにより、フロート610が軸の周りに回転軸630に回転可能に取り付けられ、構造が巧妙であり、工程が簡単である。
【0113】
スイッチ本体620は棒状である。接続部材640に組み立てポートがさらに形成され、スイッチ本体620の一部がそこに挿入されて組み立てによる固定を実現する。すなわち、スイッチ本体620の一部が接続部材640によって組み立てによって固定され、フロート610との接続による固定を間接的に実現することができる。例えば、上記スイッチ本体620の一部が接続部材640の組み立てポートに締まり嵌めにより組み立てられてもよい。
【0114】
それぞれ回転軸630とスイッチ本体620を、フロート610に接続により固定されるか、またはフロート610と一体的に成形された接続部材640に組み付けることにより、液位スイッチ600を形成し、構造の一体性が高くなる。
【0115】
本発明の濾過回収機能を有する液体貯蔵装置20およびそれを備えた冷蔵庫1では、液体貯蔵装置20は濾過機構400を有し、該濾過機構400のハウジング420内に液体貯蔵容器200の第1液体貯蔵空間210と連通する第2液体貯蔵空間421が形成され、濾過機構400の濾過部440は、外部環境のガス中の特定物質成分を第2液体貯蔵空間421に溶解させ、第1液体貯蔵空間に流入させて再利用するために使用されるので、本発明は、濾過回収機能を有する液体貯蔵装置20を提供し、該液体貯蔵装置20はガス中の特定物質成分を分離して再利用することができ、ガス排出による汚染を低減または回避し、同時に資源利用効率を向上させることができる。
【0116】
いくつかの実施例では、反応装置10は電解脱酸素装置であってもよく、電解脱酸素装置と液体貯蔵装置20から構成される反応システムは電解脱酸素システムである。
【0117】
本発明は、冷蔵庫用の電解脱酸素システムをさらに提供する。図11は、本発明の一実施例による冷蔵庫1用の電解脱酸素システム2の概略構造図である。電解脱酸素システム2は一般に電解脱酸素装置10と液体貯蔵装置20を備える。
【0118】
本実施例の実施態様によれば、電解脱酸素装置10と液体貯蔵装置20を有機的に結合して電解脱酸素システム2を形成し、脱酸素過程における液体補充が困難で、安全リスクが高く、排ガスによる汚染、電解質損失などの問題を解決することができ、ある程度脱酸素過程の連続的な実行を確保し、冷蔵庫1の分野における電解脱酸素装置10の普及および応用を促進し、冷蔵庫1の鮮度保持性能を向上させることができる。
【0119】
電解脱酸素装置10は反応容器110を有し、電解脱酸素装置10の反応容器110の内部に電気化学反応を通して酸素を消費する反応場所が形成される。電気化学反応は酸素を反応物として用い、電解脱酸素装置10の反応容器110の内部で行われる。例えば、電解脱酸素装置10の反応容器110の内部に電解液が収容され、電解脱酸素装置10の電気化学素子は電解液に浸漬して電気化学反応を行うことができる。反応容器110に液体補充口116が設けられており、該液体補充口116は反応容器110の内外空間を連通する開口を形成する。
【0120】
液体貯蔵装置20は液体貯蔵容器200を有し、液体貯蔵容器200の内部に液体貯蔵空間(第1液体貯蔵空間とも呼ばれる)210が形成され、液体貯蔵容器200に液体補充口116と連通するための液体供給口262が設けられており、反応容器110に液体を補充するために使用される。すなわち、液体貯蔵容器200は反応容器110の液体補充タンクとして、反応容器110に液体を補充することができる。
【0121】
電解脱酸素システム2は電解脱酸素装置10の反応容器110に液体を補充する液体貯蔵装置20を備え、本実施例の電解脱酸素システム2は脱酸素機能と液体補充機能を統合し、それ自体にある液体貯蔵装置20を利用して反応容器110に液体を補充することができ、電解脱酸素装置10の液体補充難易度を低減することに寄与し、電解脱酸素装置10の液体補充過程がより安全で、より効果的で、よりタイムリーであり、電解脱酸素装置10の脱酸素効果をさらに確保することができる。
【0122】
いくつかの選択可能な実施例では、液体供給口262は液体貯蔵容器200の底部ゾーンに位置する。液体補充口116は反応容器110の頂部ゾーンに位置する。液体供給口262は液体補充口116よりも高い。液体供給口262と液体補充口116はそれぞれ開状態である場合、液体貯蔵容器200と反応容器110間に輸液通路が形成され、液体貯蔵容器200内の液体が順次液体供給口262と液体補充口116を流れて反応容器110内に進入し、液体補充過程を完了する。
【0123】
液体貯蔵容器200の液体供給口262が反応容器110の液体補充口116よりも高く、液体貯蔵容器200からの液体がそれ自体の重力により反応容器110内に進入することができ、電解脱酸素システム2の液体補充過程を機械構造により自動的に行い、電気的制御コストを削減し、自動化の程度を向上させることに寄与する。
【0124】
電解脱酸素システム2は、一端が液体供給口262と連通し、他端が液体補充口116と連通し、液体供給口262からの液体を液体補充口116に導くために使用される液体輸送管30をさらに備える。
【0125】
液体輸送管30は液体供給口262と液体補充口116を接続させることにより、液体補充過程の円滑な進行を確保し、液体貯蔵装置20と電解脱酸素装置10間の距離を適切に長くすることができ、例えば、液体貯蔵装置20を人の手が届きやすい場所に設けて、ユーザや技術者による点検または液体貯蔵容器200への液体添加を行うことができる。
【0126】
本実施例では、電解脱酸素装置10の電気化学反応が水を消費するため、液体貯蔵容器200内の液体は水であってもよく、または電解液に変更されてもよい。酸素によって運ばれた電解液中の電解質が水溶性であるため、下記ハウジング420内の液体も水であってもよく、または電解液に変更されてもよい。
【0127】
図12は、本発明の一実施例による冷蔵庫1用の電解脱酸素システム2の電解脱酸素装置10の概略構造図である。図13は、図12に示す電解脱酸素システム2用の電解脱酸素装置10の概略分解図である。電解脱酸素装置10は一般に上記反応容器110および陽極板140と陰極板120を含む。本実施例では、電解脱酸素装置10の構造の例示に過ぎず、電解脱酸素装置10の構造がこれに限定されるものと見なすべきではない。
【0128】
反応容器110は箱状であってもよい。反応容器110上に側方開口114が設けられていてもよい。
【0129】
陰極板120は側方開口114に配置され、反応容器110とともに電解液を収容するための液体貯蔵室を画定し、電気化学反応を通じて冷蔵庫1の貯蔵空間210内の酸素を消費するように構成されている。側方開口114は冷蔵庫1の貯蔵空間と連通し、陰極板120は貯蔵空間と気流連通することができる。空気中の酸素は陰極板120で還元反応を起こす。すなわち、O+2HO+4e-→4OH-である。
【0130】
例えば、反応容器110の一方の壁面が開かれて側方開口114を形成してもよい。本実施例の陰極板120は直接反応容器110の側方壁面として液体貯蔵室を封止するために使用されてもよい。電解脱酸素装置10の液体貯蔵室内にアルカリ性電解液、例えば1mol/LのNaOHが収容され得、その濃度は実際のニーズに応じて調整することができる。
【0131】
陽極板140は液体貯蔵室内に配置され、電気化学反応を通じて陰極板120に反応物を供給し、酸素を生成する。例えば、陰極板120で発生したOH-は陽極板140で酸化反応を起こし、酸素を生成することができる。すなわち、4OH-→O+2HO+4e-である。陽極板140上に陽極給電端子142が形成される。外部電源に接続されるために使用される。
【0132】
反応容器110上に、反応容器110内で発生したガスが下記ハウジングの内部空間に排出されることを可能にする排気口112がさらに設けられている。本実施例の陽極板140が電気化学反応を行うと酸素を生成し、上記排気口は、陽極板140で生成した酸素を排出することを可能にする。排気口112は反応容器110の頂部に近接して設けられてもよく、電解液の漏れを低減または回避することができる。いくつかの実施例では、排気口112に排気管160が接続され、該排気管はガス輸送管40と連通する。
【0133】
いくつかの実施例では、電解脱酸素装置10は分離部材130と固定アセンブリ150をさらに含んでいてもよい。ここで、分離部材130は液体貯蔵室内に配置され、陰極板120と陽極板140間に位置し、陰極板120と陽極板140を分離し、電解脱酸素装置10の短絡を防止するために使用される。具体的に、分離部材130の陽極板140に面する側に複数の突起部132が形成され、突起部132は陽極板140に当接し、陰極板120が分離部材130の突起部132から離れた側に貼り付けられることにより、陰極板120と陽極板140に所定の隙間が形成され、さらに陰極板120と陽極板140を分離する。
【0134】
固定アセンブリ150は陰極板120の外側に配置され、陰極板120を反応容器110の側方開口114に固定するように構成されている。具体的に、該固定アセンブリ150は金属フレーム152と支持部材154を含む。金属フレーム152は陰極板120の外側に貼り付けられる。金属フレーム152は陰極板120と直接接触し、陰極板120を押圧する役割を果たし、金属フレーム152に、外部電源に接続されるための陰極板120の陰極給電端子152bが設けられている。支持部材154には挿入溝が形成されている。金属フレーム152の包囲部152aが支持部材154の挿入溝に入ると、金属フレーム152は支持部材154によって固定および位置決められ、金属フレーム152が陰極板120を押し付ける。
【0135】
いくつかの実施例では、電解脱酸素システム2は、ハウジング420と濾過部440を有する濾過機構400をさらに備える。濾過機構400の構造は図4および図5に示すように、ハウジング420の内部空間(第2液体貯蔵空間とも呼ばれる)421は液体貯蔵空間210と連通し、濾過部440はハウジング420の内部空間421に配置され、排気口112からのガス中の特定物質成分をハウジング420の内部空間421に溶解させ、液体貯蔵空間210に流入させて再利用することができる。すなわち、排気口112から排出されたガスが濾過部440の作用下で濾過され、特定物質成分が分離され、特定物質成分がハウジング420の内部空間421に残留する。ハウジング420内に液体を収容するための空間が形成され、例えば特定成分を含有する電解液または水などを収容することができる。反応容器110から排出されたガス中の特定物質成分をハウジング420の内部空間421に溶解させることは、反応容器110に収容された液体に溶解させることを指す。
【0136】
濾過機構400は電解脱酸素装置10から排出されたガス中の特定物質成分をハウジング420の内部空間421に溶解させることができるので、排出すべきガスが濾過され、電解脱酸素装置10から排出されたガスの腐食性を低減し、脱酸素過程が環境に及ぼす不良影響を低減することに寄与する。
【0137】
また、濾過機構400のハウジング420が液体貯蔵空間210と連通し、ハウジング420内に溶解した特定物質成分が液体貯蔵空間210に進入することができるので、電解脱酸素装置10から排出されたガス中の特定物質成分が回収されて再利用することができ、脱酸素過程の資源消費を低減することに寄与する。
【0138】
上記特定物質成分は水溶性物質であってもよい。いくつかの選択可能な実施例では、分離すべき特定の物質成分の物理化学的性質に応じてハウジング420内と液体貯蔵容器200内に貯蔵された液体成分を調整することができる。
【0139】
図1図3を参照すると、ハウジング420と液体貯蔵空間210間の連通方法について、いくつかの選択可能な実施例では、ハウジング420が液体貯蔵空間210に挿入され、ハウジング420の底部に液体貯蔵空間210と連通する液体出口孔が設けられており、ハウジング420内の液体を液体貯蔵容器200内に逆流させることを可能にすることができる。例えば、液体貯蔵容器200は実質的に直方体状であり、ハウジング420は内側スリーブとして液体貯蔵容器200内に挿入されてもよい。液体貯蔵容器200とハウジング420の形状の例は単なる例示であり、当業者は拡張しやすく、本明細書ではすべて列挙されていない。
【0140】
液体出口孔422は、ハウジング420の内部空間421と液体貯蔵容器200の内部空間(すなわち、液体貯蔵空間210)間の物質交換用の「窓」として機能し得る。該液体出口孔422は、ハウジング420の内部空間421と液体貯蔵容器200の内部空間の液面を一致させ、ハウジング420内の液体を液体貯蔵容器200内に拡散しやすくなる。
【0141】
ハウジング420が液体貯蔵容器200の内部空間に設けられ、ハウジング420底部の液体出口孔422を介して液体貯蔵容器200と連通し、ハウジング420内の液体をそれ自体の重力により下方に液体出口孔422を通過させて液体貯蔵容器200内に逆流させ、これにより、回収過程を容易かつ効果的にすることができる。
【0142】
ハウジング420上に排気口112とハウジング420の内部空間421を連通するための空気入口孔423が設けられている。電解脱酸素システム2は、一端が排気口112と連通し、他端が空気入口孔423と連通し、排気口112からのガスを空気入口孔423に導くために使用されるガス輸送管40をさらに備えている。
【0143】
ガス輸送管40を介して排気口112と空気入口孔423を接続させることにより、排気口112と空気入口孔423間のガス輸送パイプラインの接続構造を簡素化することができ、組立過程の柔軟性を向上させることができる。
【0144】
いくつかの選択可能な実施例では、濾過部440は気体導管であり、空気入口孔423からハウジング420の内部空間421に挿入され、ハウジング420内の底部ゾーンまで延びており、排気口112からのガスをハウジング420内の底部ゾーンに導き、排気口112からのガス中の特定物質成分を上昇過程でハウジング420の内部空間421に溶解させる。本実施例の気体導管は直管であってもよく、その両端はいずれも開口であり、ガスの出し入れを容易にし、構造が簡単で、優れた気体導通効果を有する。
【0145】
気体導管がハウジング420内の底部ゾーンまで延びることにより、気体導管がガスをハウジング420内の液体の深くに輸送し、ハウジング420内のガス流動経路を長くすることができ、気体導管から流出したガスが上昇過程でハウジング420内の液体と十分に接触し、ガス中の特定物質成分をハウジング420内に溶解させることにより、電解脱酸素システム2は巧妙かつ簡単な構造であるにもかかわらず優れた濾過浄化および回収効果を得ることができる。
【0146】
いくつかの選択可能な実施例では、気体導管の形状は垂直カーブフック形状管に変更されてもよく、ハウジング420の底部ゾーンまで延びた直管部および直管部の末端から湾曲して上方に延びた湾曲管部を有する。湾曲管部の末端は直管部の末端よりもわずかに高く、それを流れたガスを上方に導くために使用される。直管部は傘竿のようなものであり、湾曲管部は傘竿末端に接続された傘柄のようなものである。湾曲管部が直管部の末端から湾曲して上方に延びており、気体導管から流出したガスが上方に流動するように導かれ、ガスの移動方向がより明確になる。湾曲管部の末端が直管部の末端よりもわずかに高いことは、湾曲管部の末端が依然としてハウジング420の底部ゾーンに位置するので、溶解過程のガス流動経路を著しく短縮することがない。
【0147】
ハウジング420に空気出口孔424がさらに設けられており、空気入口孔423から互いに間隔を置いてハウジング420の頂部に位置し、気体導管およびハウジング420の内部空間を流れて特定物質成分が分離されたガスを排出するために使用される。該空気出口孔424は、濾過後のガスを外部環境、例えば外部環境の空気に排出するために使用される。
【0148】
いくつかの実施例では、空気入口孔423と空気出口孔424はそれぞれハウジング420の頂盖(すなわち、下記第1タンクカバー428)に設けられる。空気入口孔423と空気出口孔424はそれぞれ円形開口である。本実施例の空気入口孔423と空気出口孔424はそれぞれ管状貫通孔である。気体導管と空気入口孔423は一体的に成形されてもよい。空気入口孔423の管孔の孔壁は下方に連続的に延びてハウジング内に延在して気体導管として機能する。いくつかの実施例では、空気出口孔424に、ガスを導くためのガス排出導管が取り付けられてもよい。
【0149】
いくつかの選択可能な実施例では、ハウジング420は一体的に成形されてもよい。別のいくつかの選択可能な実施例では、ハウジング420は複数の異なる部材を接続して形成されてもよい。例えば、ハウジング420は、頂部開口を有する第1タンク426および第1タンク426の頂部開口を閉鎖する第1タンクカバー428を含む。空気入口孔423と空気出口孔424は互いに間隔を置いて第1タンクカバー428に位置する。第1タンク426は直管状であってもよく、その管径が気体導管の管径よりも大きい。第1タンク426の頂端は開口状であり、第1タンクカバー428に密封接続される。第1タンク426の底端は閉鎖状であり、その上に上記液体出口孔422が設けられている。液体出口孔422は少なくとも1つである。
【0150】
空気入口孔423は、気体導管、および空気出口孔424とともに、第1タンク426で覆われてスリーブ構造が形成される。気体導管の底端は第1タンク426の底端よりも高く、気体導管から流出したガスが第1タンク426に漏れるのを防止する。
【0151】
いくつかの選択可能な実施例では、液体貯蔵容器200は一体的に成形されてもよく、液体貯蔵容器200の密封効果の向上、漏れの防止に寄与する。別のいくつかの選択可能な実施例では、液体貯蔵容器200は複数の異なる部材を接続して形成される。例えば、液体貯蔵容器200は、頂部開口を有する第2タンク260および第2タンク260の頂部開口を閉鎖する第2タンクカバー280を含む。第2タンク260は、無蓋の直方体水タンク状であってもよく、その容積が第1タンク426の容積よりも大きい。
【0152】
図6を参照すると、第2タンクカバー280に取付口282が設けられている。取付口282の孔壁が上方に延びて中空筒状の雄ネジインタフェース288を形成する。該雄ネジインタフェース288が取付口282の孔壁から上方に延びているので、雄ネジインタフェース288の上縁が第2タンクカバー280の上面よりも高く、同時に下記液体添加溝286の上縁よりも高い。これにより、液体添加過程の最高液位を雄ネジインタフェース288の上縁以下に制御することができる。
【0153】
第1タンクカバー428は、第1タンク426上方の閉鎖カバープレート428aおよび閉鎖カバープレート428aの外縁から下方に延びた環状雌ネジインタフェース428bを有する。ここで、閉鎖カバープレート428aは、第1タンク426の頂部開口を遮蔽するために使用される。環状雌ネジインタフェース428bは雄ネジインタフェース288にねじ接続され、第1タンクカバー428が第2タンクカバー280に着脱可能に接続される。すなわち、環状雌ネジインタフェース428bは第1タンクカバー428を第2タンクカバー280に接続させるために使用される。
【0154】
第1タンク426は閉鎖カバープレート428aの下面から下方に延びており、雄ネジインタフェース288を通過して液体貯蔵容器200内に挿入されている。
【0155】
第1タンクカバー428と第2タンクカバー280のねじ接続を利用して、取付口282を閉鎖することにより、濾過機構400の取付固定過程を簡素化することができ、所定位置へのワンステップ取付を実現することができ、同時に第1タンク426が「ガス遮断管」として機能する。
【0156】
本実施例の冷蔵庫1用の電解脱酸素システム2の濾過回収過程は、図7に示すように、液体貯蔵装置20の濾過回収過程と同様である。図の矢印方向はガス流動方向、または液体流動方向を示す。ハウジング420の「ガス遮断管」としての制限により、第1タンク426上方の第1タンクカバー428の空気出口孔424に到達して排出されるまで、気体導管から流出したガスが気泡の形で第1タンク426の内部でしか上昇することができず、濾過過程を完了する。いくつかの選択可能な実施例では、上記ネジ止めと締結の取付方法は、締まり嵌めまたはシールリングによる密封接続などの方法に変更されてもよく、水密性及び気密性が保証されればよい。
【0157】
排気口112から排出されたガスが可溶性酸性物質またはアルカリ性物質を含有する場合、これらの特定物質成分が濾過されて第1タンク426に残留し、第1タンク426の底部の液体出口孔422を徐々に通過し、第2タンク260内の液体に拡散する。第1タンク426は液体補充タンクとして機能し、その内部の液体が液体補充により反応容器110に再度輸送され、再利用を実現することができる。
【0158】
いくつかの選択可能な実施例では、第2タンクカバー280に液体添加口284が設けられており、その口の壁が下方に延伸し液体添加溝286を形成する。該液体添加溝286が第2タンクカバー280の上面から下方に延びており、雄ネジインタフェース288が第2タンクカバー280の上面から上方に延びているので、液体添加口284から第2タンク260に液体を添加する時、液体添加過程により第2タンク260がこぼれても、こぼれた時の液面が雄ネジインタフェース288を超えることもない。
【0159】
液体添加溝286の一部の溝壁が傾斜して下方に延びており、液体添加溝286の底部に先細りの開口が形成されている。すなわち、水添加タンクは一定深さを有する傾斜貫通孔であるので、ユーザが液体を添加するときに液位状況を観察することが容易となる。傾斜して下方に延びた溝壁に液位マークが設けられ、液体添加過程の液位を提示するために使用される。例えば、該液位マークは、液体が満杯であることをユーザに提示するための「最高液位目盛り」として設計されてもよい。
【0160】
第2タンク260の底部ゾーンに液体供給口262が設けられており、第2タンク260内の液体を重力により自動的に流出させることができ、液体供給過程の自動化の程度の向上に資する。
【0161】
いくつかの選択可能な実施例では、第2タンクカバー280の縁部に外側に突出して力を加えるための突起287が設けられている。ユーザは、把持するような動作によって第2タンクカバー280に力を加えることができ、第2タンクカバー280と第2タンク260間の着脱過程を実現することができる。
【0162】
第2タンクカバー280と第2タンク260間の閉鎖部の周縁に弾性シールリングが設けられてもよく、第2タンクカバー280と第2タンク260間の押圧によって密封を実現し、第2タンク260も水漏れを防止することができる。
【0163】
図14は、本発明の別の実施例による冷蔵庫1の概略ブロック図である。冷蔵庫1は一般に上記いずれか1つの実施例の電解脱酸素システム2を備え、庫体をさらに備える。庫体の内部に貯蔵空間が形成される。電解脱酸素装置10が貯蔵空間と気流連通し、電解脱酸素装置10が電気化学反応を通じて貯蔵空間内の酸素を消費する。電解脱酸素装置10の陰極板120は貯蔵空間と気流連通している。例えば、陰極板は貯蔵空間に向かって配置されていてもよく、または接続パイプラインを介して陰極板と貯蔵空間を連通させてもよい。
【0164】
液体貯蔵装置20と電解脱酸素装置10の有機的な協働により、電解脱酸素装置10に自動的に水を補充することができ、同時に電解脱酸素装置10で発生した排ガス中の酸性成分またはアルカリ性成分を除去し、本体失われた電解質を回収して再利用することができ、全過程は専門人員の操作を必要とせず、電子素子を使用する必要もなく、システム全体は統合性、モジュール性、低コストという利点を有する。
【0165】
液体貯蔵装置20は反応装置10とは独立していることにより、反応装置10への直接液体添加によるリスクを回避することができる。液体貯蔵容器200の設計容量は、設定時間内で反応装置10の液体補充需要を満たすことができる。気体導管とハウジング420の相互協働により、水によるガス濾過が実現され、摩耗性ろ材の使用を避け、ろ材を交換する必要がなく、コスト節約に資する。
【0166】
いくつかの選択可能な実施例では、図10に示すように、電解脱酸素システム2は液位スイッチ600をさらに備えてもよい。反応容器110内に配置され、スイッチ本体620を有し、反応容器110内の液位に応じて移動し、液体補充口116を開閉し、液体貯蔵容器200内の液体が液体供給口262と液体補充口116を流れて反応容器110内に進入することを許容または防止するために使用される。すなわち、液位スイッチ600は液体補充口116の開閉を制御するために使用される。すなわち、液位スイッチ600は上記輸液通路のゲートとして輸液通路を開閉する役割を果たす。液位スイッチ600のスイッチ本体620は反応容器110の液位に応じて移動し、液体補充口116を開閉し、液体補充口116の開閉過程を電子制御する必要がない。
【0167】
液位スイッチ600は、反応容器110の液位に応じて自動的に移動し、液体補充口116を開閉し、輸液通路を開閉することができるので、本実施例の電解脱酸素システム2は自動液体補充機能を有し、外部環境から反応容器110に液体を添加することができる。
【0168】
スイッチ本体620は、液体補充口116の下方に移動可能に構成されており、反応容器110内の液位が上昇する場合、上昇して液体補充口116の下周縁に押圧されて液体補充口116を閉鎖し、反応容器110内の液位が降下する場合、降下して液体補充口116の下周縁から離れて液体補充口116を開く。
【0169】
すなわち、スイッチ本体620は反応容器110内の液位が上昇する場合、上昇して液体補充口116の下周縁に押圧されて液体補充口116を閉鎖し、液体貯蔵容器内の液体が液体補充口116を通過できなく、反応容器110内の液位が低下する場合、降下して離れて液体補充口116を開き、液体貯蔵容器内の液体が重力により下方に向けて反応容器110内に流れる。
【0170】
液位スイッチ600はフロート610をさらに含み、スイッチ本体620に接続により固定されるか、またはスイッチ本体620と一体的に成形され、反応容器110内で浮き上がりまたは沈み込みによりスイッチ本体620を移動させる。すなわち、スイッチ本体620はフロート610によって「駆動」され、フロート610の移動に必要な動力は反応容器110内で受けた浮力によって決定される。
【0171】
例えば、フロート610の一部が液体に浸漬されることにより、フロート610が液体の浮力を受ける。反応容器110の内部空間の液位が変化すると、フロート610が受けた浮力も変化するので、フロート610が受けた浮力と重力の合力が変化する。例えば、反応容器110内の液位が降下すると、フロート610が受けた浮力が減少し、フロート610が受けた浮力と重力の合力の方向が下向きであれば、フロート610が下方に移動することになる。逆に、フロート610が上方に移動することになる。
【0172】
本実施例のフロート610は直線に沿って昇降移動することではなく、軸の周りに回転するように上昇または降下し、このように設計すれば、フロート610とある固定軸に枢動可能に接続すればよく、高い寸法精度の案内部材を設ける必要がなく、構造が巧妙で、組立過程が簡単であり、装置信頼性が良好であるという利点を有する。
【0173】
フロート610は軸の周りに回転可能に構成されているので、移動軌跡が明確であり、本実施例のフロート610とスイッチ本体620は明確な移動軌跡に沿って移動しやすく、液位スイッチ600の信頼性が向上し、フロート610の自由移動による密封不良などの問題を低減または回避することができる。
【0174】
液位スイッチ600は回転軸630と接続部材640をさらに含む。
【0175】
ここで、回転軸630は反応容器110に固定される。例えば、回転軸630は反応容器110の内部空間に固定され、反応容器110の容器の内壁に接続により固定されてもよい。
【0176】
いくつかの選択可能な実施例では、回転軸630は反応容器110に着脱可能に固定されてもよく、実際のニーズに応じて回転軸630の高さを調整し、液体補充を開始する容器内の液位高さを調整することができる。
【0177】
接続部材640はフロート610に接続により固定されるか、またはフロート610と一体的に成形され、その上に軸孔が形成され、そこに回転軸630が挿入されて回転可能に協働して回転可能な接続を実現する。すなわち、接続部材640は回転軸630とフロート610を有機な全体として組み合わせ、フロート610が回転軸630の周りに回転することができる。
【0178】
接続部材640上に軸孔が設けられており、回転軸630が軸孔に回転可能に配置されることにより、フロート610が軸の周りに回転軸630に回転可能に取り付けられ、構造が巧妙であり、工程が簡単である。
【0179】
スイッチ本体620は棒状である。接続部材640に組み立てポートがさらに形成され、スイッチ本体620の一部がそこに挿入されて組み立てによる固定を実現する。すなわち、スイッチ本体620の一部が接続部材640によって組み立てによって固定され、フロート610との接続による固定を間接的に実現することができる。例えば、上記スイッチ本体620の一部が接続部材640の組み立てポートに締まり嵌めにより組み立てられてもよい。
【0180】
それぞれ回転軸630とスイッチ本体620を、フロート610に接続により固定されるか、またはフロート610と一体的に成形された接続部材640に組み付けることにより、液位スイッチ600を形成し、構造の一体性が高くなる。
【0181】
本実施例の冷蔵庫1用の電解脱酸素システム2およびそれを備えた冷蔵庫1では、由于電解脱酸素システム2は、電解脱酸素装置10の反応容器110に液体を補充するための液体貯蔵装置20を有するので、本発明の電解脱酸素システム2は脱酸素機能と液体補充機能を統合し、それ自体にある液体貯蔵装置20を用いて反応容器110に液体を補充し、電解脱酸素装置10の液体補充難易度を低減することに寄与し、電解脱酸素装置10の液体補充過程がより安全で、より効果的で、よりタイムリーで、よりインテリジェントであり、電解脱酸素装置10の脱酸素効果をさらに確保することができる。
【0182】
ここまでに、本明細書では、本発明の複数の例示的な実施例が示され、説明されたが、本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、本発明の開示内容に基づいて本発明の原理に適合する他の多くの変形または修正が直接決定または推定され得ることを、当業者は理解すべきである。したがって、本発明の範囲は、そのような他の変形または修正をカバーするものとして理解され、認識されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】