(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】双方向インターロッキングサイプとスロットの組み合わせ
(51)【国際特許分類】
B60C 11/12 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B60C11/12 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533783
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-16
(86)【国際出願番号】 US2022080480
(87)【国際公開番号】W WO2023107828
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シンガー,アダム ディー.
(72)【発明者】
【氏名】セヴェリン,デイビッド エム.
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BC12
3D131BC18
3D131EB91Z
3D131EB99Z
(57)【要約】
【解決手段】 一態様においてトレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、トレッドリブ又はトレッドブロックに含まれるサイプであって、半径方向外側部分と、半径方向外側部分の半径方向内側にあり、半径方向外側部分に直接接続されたインターロック部分と、インターロック部分の半径方向内側にあり、インターロック部分に直接接続されたベース部分と、を含み、インターロック部分は、タイヤの周方向軸Cとタイヤの軸方向軸Aとによって形成される平面において正弦波プロファイルを形成する複数の正のインターロック部分および負のインターロック部分を含む、サイプと、を備えるタイヤが提供される。
【選択図】
図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤであって、
トレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、
前記トレッドリブ又は前記トレッドブロックに含まれるサイプであって、
半径方向外側部分と、
前記半径方向外側部分の半径方向内側にあり、前記半径方向外側部分に直接接続されたインターロック部分と、
前記インターロック部分の半径方向内側にあり、前記インターロック部分に直接接続されたベース部分と、を含み、
前記インターロック部分は、前記タイヤの周方向軸Cと前記タイヤの軸方向軸Aとによって形成される平面において正弦波プロファイルを形成する複数の正のインターロック部分および負のインターロック部分を含む、サイプと、を備える、タイヤ。
【請求項2】
前記ベース部分は、幅BW1から幅BW2へと半径方向内向きにテーパ状になっている、請求項1記載のタイヤ。
【請求項3】
前記幅BW1と前記幅BW2との比が1.15である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記幅BW1と前記幅BW2との比が1.25である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記半径方向外側部分は幅TSWを有し、前記インターロック部分は幅IWを有し、前記幅TSWと前記幅IWの比は4.00である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記半径方向外側部分は幅TSWを有し、前記幅TSWと前記幅BW1との比は1.33である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記半径方向外側部分は幅TSWを有し、前記幅TSWと前記幅BW1との比は2.00である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記半径方向外側部分は幅TSWを有し、前記幅TSWと前記幅BW2との比は1.54である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項9】
前記半径方向外側部分は幅TSWを有し、前記幅TSWと前記幅BW2との比は2.50である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記半径方向外側部分は幅TSWを有し、前記インターロック部分は幅IWを有し、前記幅TSWは、前記幅IW、前記幅BW1、および前記幅BW2よりも大きい、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項11】
前記正のインターロック部分と前記負のインターロック部分は、インターロックを可能にするために互いに位相がずれている、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項12】
前記トレッド部分がトレッド表面を含み、未摩耗状態では、前記半径方向外側部分は前記トレッド表面に接触し、摩耗状態では、前記インターロック部分および前記ベース部分の一方が前記トレッド表面に接触する、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項13】
タイヤであって、
トレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、
前記トレッドリブ又は前記トレッドブロックに含まれるサイプであって、
半径方向外側部分と、
前記半径方向外側部分の半径方向内側にあり、前記半径方向外側部分に直接接続されたインターロック部分と、
前記インターロック部分の半径方向内側にあり、前記インターロック部分に直接接続されたベース部分と、を含み、
前記インターロック部分は、前記タイヤの周方向軸Cと前記タイヤの軸方向軸Rとによって形成される平面においてジグザグ形状を形成する複数の正のインターロック部分および負のインターロック部分を含む、サイプと、を備える、タイヤ。
【請求項14】
前記ベース部分は、幅BW1から幅BW2へと半径方向内向きにテーパ状になっている、請求項13記載のタイヤ。
【請求項15】
前記幅BW1と前記幅BW2との比が1.15である、請求項14に記載のタイヤ。
【請求項16】
前記幅BW1と前記幅BW2との比が1.25である、請求項14に記載のタイヤ。
【請求項17】
前記半径方向外側部分は幅TSWを有し、前記インターロック部分は幅IWを有し、前記幅TSWと前記幅IWとの比は4.00である、請求項13に記載のタイヤ。
【請求項18】
前記半径方向外側部分は幅TSWを有し、前記インターロック部分は幅IWを有し、前記幅TSWは、前記幅IW、前記幅BW1、および前記幅BW2よりも大きい、請求項14に記載のタイヤ。
【請求項19】
前記トレッド部分がトレッド表面を含み、未摩耗状態では、前記半径方向外側部分は前記トレッド表面に接触し、摩耗状態では、前記インターロック部分および前記ベース部分の一方が前記トレッド表面に接触する、請求項13に記載のタイヤ。
【請求項20】
前記インターロック部分は、
前記外側部分に直接接続された半径方向最外側の半径方向部分と、
第1の周方向に角度が付けられ、前記半径方向部分の半径方向内側に配向され、前記半径方向部分に直接接続されている、第1の角度付き部分と、
第2の周方向に角度が付けられ、前記第1の角度付き部分の半径方向内側に配向され、前記第1の角度付き部分に直接接続されている、第2の角度付き部分と、
第1の周方向に角度が付けられ、前記第2の角度付き部分の半径方向内側に配向され、前記第2の角度付き部分に直接接続されている、第3の角度付き部分と、を含む、請求項13に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
タイヤは、多くの場合、様々な道路条件において性能を最適化するように設計される。例えば、タイヤは、雪道/凍結道路条件と乾燥した道路条件とにおける性能を最適化するように設計された、トレッドの特徴を含み得る。
【0002】
雪及び氷の中でトラクションを得ることは、タイヤのトレッドに「噛み込みエッジ」を設けることによって達成することができる。これらの「噛み込みエッジ」は、サイプ又はスロットの形態であることが多い。しかしながら、サイプ又はスロットが多すぎると、トレッドブロック又はリブの剛性が失われる可能性があり、これは、特に乾燥した道路条件において、タイヤの性能の最適化にとって望ましくない場合がある。
【0003】
したがって、必要とされているのは、雪上及び氷上のトラクションと乾燥した道路上のトラクションとのバランスをとるタイヤのトレッドの特徴である。
【発明の概要】
【0004】
一態様においてトレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、トレッドリブ又はトレッドブロックに含まれるサイプであって、半径方向外側部分と、半径方向外側部分の半径方向内側にあり、半径方向外側部分に直接接続されたインターロック部分と、インターロック部分の半径方向内側にあり、インターロック部分に直接接続されたベース部分と、を含み、インターロック部分は、タイヤの周方向軸Cとタイヤの軸方向軸Aとによって形成される平面において正弦波プロファイルを形成する複数の正のインターロック部分および負のインターロック部分を含む、サイプと、を備えるタイヤが提供される。
【0005】
別の態様において、トレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、トレッドリブ又はトレッドブロックに含まれるサイプであって、半径方向外側部分と、半径方向外側部分の半径方向内側にあり、径方向外側部分に直接接続されたインターロック部分と、インターロック部分の半径方向内側にあり、インターロック部分に直接接続されたベース部分と、を含み、インターロック部分は、タイヤの周方向軸Cとタイヤの軸方向軸Rとによって形成される平面においてジグザグ形状を形成する複数の正のインターロック部分および負のインターロック部分を含む、サイプと、を備えるタイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図は、様々な例示的態様を例解し、様々な例示的態様を例解するために使用されるにすぎない。図において、同様の要素は、同様の参照符号を有する。
【
図1A】
図1Aは、双方向インターロッキングサイプ及びスロットを形成するためのサイプブレード130の立面断面図を示す。
【
図1B】
図1Bは、双方向インターロッキングサイプ及びスロットを形成するためのサイプブレード130の斜視図を示す。
【
図2A】
図2Aは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット210を有するトレッドブロック206の立面図を示す。
【
図2B】
図2Bは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット210を有するトレッドブロック206の平面図を示す。
【
図2C】
図2Cは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット210を有するトレッドブロック206の斜視図を示す。
【
図2D】
図2Dは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット210を有するトレッドブロック206の斜視図を示す。
【
図2E】
図2Eは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット210を有するトレッドブロック206の分解斜視図を示す。
【
図2F】
図2Fは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット210を有する未摩耗のトレッドブロック206の斜視図を示す。
【
図2G】
図2Gは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット210を有する摩耗済みのトレッドブロック206の斜視図を示す。
【
図2H】
図2Hは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット210を有する摩耗済みのトレッドブロック206の斜視図を示す。
【
図3A】
図3Aは、双方向インターロッキングサイプ及びスロットを形成するためのサイプブレード330の立面断面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、双方向インターロッキングサイプ及びスロットを形成するためのサイプブレード330の斜視図を示す。
【
図4A】
図4Aは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット410を有するトレッドブロック406の立面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット410を有するトレッドブロック406の平面図を示す。
【
図4C】
図4Cは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット410を有するトレッドブロック406の斜視図を示す。
【
図4D】
図4Dは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット410を有するトレッドブロック406の斜視図を示す。
【
図4E】
図4Eは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット410を有するトレッドブロック406の分解斜視図を示す。
【
図4F】
図4Fは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット410を有する未摩耗のトレッドブロック406の斜視図を示す。
【
図4G】
図4Gは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット410を有する摩耗済みのトレッドブロック406の斜視図を示す。
【
図4H】
図4Hは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット410を有する摩耗済みのトレッドブロック406の斜視図を示す。
【
図5A】
図5Aは、双方向インターロッキングサイプ及びスロットを形成するためのサイプブレード530の立面断面図を示す。
【
図5B】
図5Bは、双方向インターロッキングサイプ及びスロットを形成するためのサイプブレード530の斜視図を示す。
【
図6A】
図6Aは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット610を有するトレッドブロック606の立面図を示す。
【
図6B】
図6Bは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット610を有するトレッドブロック606の平面図を示す。
【
図6C】
図6Cは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット610を有するトレッドブロック606の斜視図を示す。
【
図6D】
図6Dは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット610を有するトレッドブロック606の分解斜視図を示す。
【
図6E】
図6Eは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット610を有する未摩耗のトレッドブロック606の斜視図を示す。
【
図6F】
図6Fは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット610を有する摩耗済みのトレッドブロック606の斜視図を示す。
【
図6G】
図6Gは、双方向インターロッキングサイプ及びスロット610を有する摩耗済みのトレッドブロック606の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で説明する軸線及び平面は、図に示されており、タイヤの周方向に配向された周方向軸線C、タイヤの半径方向に配向された半径方向軸線R、及びタイヤの軸方向に配向された軸方向軸線Aを含む。
【0008】
図1Aおよび
図1Bは、双方向インターロッキングサイプおよびスロットを形成するためのサイプブレード130を示す。サイプブレード130は、上側モールド挿入部分132と、下側サイプ形成部分134とを含む。
【0009】
サイプブレード130は、末端ベース部分139において半径方向内方で終端する。サイプブレード130は、上側モールド挿入部分132の中心及びベース部分139の中心を通って延在する中心線CLを含む。
【0010】
下側部分134は、サイプを形成するための複数の部分を含む。半径方向外側の拡幅部分136が、上側部分132の半径方向内側にあり、上側部分132に直接接続されている。外側部分136は、インターロック部分138へと半径方向内向きにテーパ状になっている。インターロック部分138は、上側部分136の半径方向内側にあり、上側部分136に直接接続されている。最後に、ベース部分139は、インターロック部分138の半径方向内側にあり、インターロック部分138に直接接続されている。ベース部分139は、インターロック部分138へと半径方向外向きにテーパ状になっている。
【0011】
上側部分132は、周方向トレッド表面サイプ幅TSWを含み、これは、トレッド表面(例えば、トレッド表面201)におけるサイプ(例えば、以下に記載するサイプ/スロット210)の幅である。幅TSWは、約2.00mmであってもよい。幅TSWは2.00mmであってもよい。幅TSWは、約1.80mm~約2.20mmであってもよい。幅TSWは、1.80mm~2.20mmであってもよい。幅TSWは、約1.60mm~約2.40mmであってもよい。幅TSWは、1.60mm~2.40mmであってもよい。幅TSWは、約1.40mm~約2.60mmであってもよい。幅TSWは、1.40mm~2.60mmであってもよい。
【0012】
インターロック部分138は、周方向幅IWを含む。幅IWは、約0.50mmであってもよい。幅IWは0.50mmであってもよい。幅IWは、約0.40mm~約0.60mmであってもよい。幅IWは、0.40mm~0.60mmであってもよい。幅IWは、約0.30mm~約0.70mmであってもよい。幅IWは、0.30mm~0.70mmであってもよい。幅IWは、約0.20mm~約0.80mmであってもよい。幅IWは、0.20mm~0.80mmであってもよい。
【0013】
ベース部分139は、テーパ半径TRでインターロック部分138へと半径方向外向きにテーパ状になっている。テーパ半径TRは、約0.50mmであってもよい。テーパ半径TRは0.50mmであってもよい。テーパ半径TRは、約0.40mm~約0.60mmであってもよい。テーパ半径TRは、0.40mm~0.60mmであってもよい。テーパ半径TRは、約0.30mm~約0.70mmであってもよい。テーパ半径TRは、0.30mm~0.70mmであってもよい。テーパ半径TRは、約0.20mm~約0.80mmであってもよい。テーパ半径TRは、0.20mm~0.80mmであってもよい。
【0014】
ベース部分139は、幅BW1から幅BW2まで半径方向内向きにテーパ状になっている。
【0015】
幅BW1は、約1.00mmであってもよい。幅BW1は1.00mmであってもよい。幅BW1は、約0.90mm~約1.10mmであってもよい。幅BW1は、0.90mm~1.10mmであってもよい。幅BW1は、約0.80mm~約1.20mmであってもよい。幅BW1は、0.80mm~1.20mmであってもよい。幅BW1は、約0.70mm~約1.30mmであってもよい。幅BW1は、0.70mm~1.30mmであってもよい。
【0016】
幅BW2は、約0.80mmであってもよい。幅BW2は0.80mmであってもよい。幅BW2は、約0.70mm~約0.90mmであってもよい。幅BW2は、0.70mm~0.90mmであってもよい。幅BW2は、約0.60mm~約1.00mmであってもよい。幅BW2は、0.60mm~1.00mmであってもよい。幅BW2は、約0.50mm~約1.10mmであってもよい。幅BW2は、0.50mm~1.10mmであってもよい。
【0017】
幅BW1と幅BW2の比は、約1.25又は正確に1.25であってもよい。幅BW1と幅BW2の比は、約1.11~1.57又は正確に1.11~1.57であってもよい。
【0018】
幅TSWと幅BW1の比は、約2.00又は正確に2.00であってもよい。
【0019】
幅TSWと幅BW2の比は、約2.50又は正確に2.50であってもよい。
【0020】
幅TSWと幅IWの比は、約4.00又は正確に4.00であってもよい。
【0021】
幅BW1と幅IWの比は、約2.00又は正確に2.00であってもよい。
【0022】
幅TSWは、幅IW、幅BW1、および幅BW2より大きくてもよい。
【0023】
ベース部分139は、半径方向最内側の半径BRを含む。半径BRは、約1.00mmであってもよい。半径BRは1.00mmであってもよい。半径BRは、約0.90mm~約1.10mmであってもよい。半径BRは、0.90mm~1.10mmであってもよい。半径BRは、約0.80mm~約1.20mmであってもよい。半径BRは、0.80mm~1.20mmであってもよい。半径BRは、約0.70mm~約1.30mmであってもよい。半径BRは、0.70mm~1.30mmであってもよい。
【0024】
図1Bに示すように、インターロック部分138は、複数の負のインターロック部分138A及び正のインターロック部分138Bを含んでもよい。インターロック部分138は、周方向軸C及び軸方向軸Aによって形成される平面内で正弦波に近似する波形を含んでもよく、正弦波は、負のインターロック部分138A及び正のインターロック部分138Bから構成される。
【0025】
図2A~
図2Hは、双方向インターロッキングサイプおよびスロット210を有するトレッドブロックまたはトレッドリブ206を示す(トレッドブロックおよびトレッドリブは、本明細書では、本出願の読みやすさを助けるために互換的に使用される)。サイプ/スロット210は、サイプブレード130を使用して形成され、したがって、サイプブレード130に関して説明したのと同じ寸法および比率を有する。サイプ/スロット210は、トレッド表面201からトレッドブロック206内に、半径方向内向きに延在する。サイプ/スロット210は、半径方向外側の拡幅部分246と、インターロック部分248と、ベース部分249とを含むことができる。インターロック部分248は、上側部分246の半径方向内側にあり、上側部分246に直接接続されていてよい。ベース部分249は、インターロック部分248の径方向内側にあり、インターロック部分248に直接接続されていてよい。
【0026】
インターロック部分248は、複数の正のインターロック部分252A及び複数の負のインターロック部分252Bを含む。正のインターロック部分252Aと負のインターロック部分252Bは、各インターロック部分が2つの対向するインターロック部分の間の空隙に嵌合するように、互いに位相がずれている。
【0027】
ベース部分249は、サイプブレード130のベース部分139に関して上述したようにテーパ状になっている。
【0028】
図2F~
図2Hは、様々な摩耗状態にあるブロック206を示す。
図2Fは、未摩耗状態にあるブロック206を示す。
図2Gは、摩耗状態にあるブロック206を示しており、外側部分246は、インターロック部分248がトレッド表面201に接触するように摩耗している。インターロック部分248の正弦波プロファイルは、
図2Gにおいて容易に見ることができる。
図2Hは、摩耗状態にあるブロック206を示しており、外側部分246及びインターロック部分248は、ベース部分249がトレッド表面201に接触するように摩耗している。
【0029】
図2F~
図2Hの様々な摩耗段階に示されているように、サイプ/スロット210は、外側部分246およびベース部分249において(サイプよりも広い)スロットとして作用し、インターロック部分248において(スロットよりも薄い)インターロッキングサイプとして作用し得る。
【0030】
図3Aおよび
図3Bは、双方向インターロッキングサイプおよびスロットを形成するためのサイプブレード330を示す。サイプブレード330は、上側モールド挿入部分332と、下側サイプ形成部分334とを含む。
【0031】
サイプブレード330は、末端ベース部分339において半径方向内方で終端する。サイプブレード330は、上側モールド挿入部分332の中心及びベース部分339の中心を通って延在する中心線CLを含む。
【0032】
下側部分334は、サイプを形成するための複数の部分を含む。半径方向外側の拡幅部分336が、上側部分332の半径方向内側にあり、上側部分332に直接接続されている。外側部分336は、インターロック部分338へと半径方向内向きにテーパ状になっている。インターロック部分338は、上側部分336の半径方向内側にあり、上側部分336に直接接続されている。最後に、ベース部分339は、インターロック部分338の半径方向内側にあり、インターロック部分338に直接接続されている。ベース部分339は、インターロック部分338へと半径方向外向きにテーパ状になっている。
【0033】
上側部分332は、周方向トレッド表面サイプ幅TSWを含み、これは、トレッド表面(例えば、トレッド表面401)におけるサイプ(例えば、以下に記載するサイプ/スロット410)の幅である。幅TSWは、約2.00mmであってもよい。幅TSWは2.00mmであってもよい。幅TSWは、約1.80mm~約2.20mmであってもよい。幅TSWは、1.80mm~2.20mmであってもよい。幅TSWは、約1.60mm~約2.40mmであってもよい。幅TSWは、1.60mm~2.40mmであってもよい。幅TSWは、約1.40mm~約2.60mmであってもよい。幅TSWは、1.40mm~2.60mmであってもよい。
【0034】
インターロック部分338は、周方向幅IWを含む。幅IWは、約0.50mmであってもよい。幅IWは0.50mmであってもよい。幅IWは、約0.40mm~約0.60mmであってもよい。幅IWは、0.40mm~0.60mmであってもよい。幅IWは、約0.30mm~約0.70mmであってもよい。幅IWは、0.30mm~0.70mmであってもよい。幅IWは、約0.20mm~約0.80mmであってもよい。幅IWは、0.20mm~0.80mmであってもよい。
【0035】
ベース部分339は、テーパ半径TRでインターロック部分338へと半径方向外向きにテーパ状になっている。テーパ半径TRは、約0.50mmであってもよい。テーパ半径TRは0.50mmであってもよい。テーパ半径TRは、約0.40mm~約0.60mmであってもよい。テーパ半径TRは、0.40mm~0.60mmであってもよい。テーパ半径TRは、約0.30mm~約0.70mmであってもよい。テーパ半径TRは、0.30mm~0.70mmであってもよい。テーパ半径TRは、約0.20mm~約0.80mmであってもよい。テーパ半径TRは、0.20mm~0.80mmであってもよい。
【0036】
ベース部分339は、幅BW1から幅BW2まで半径方向内向きにテーパ状になっている。
【0037】
幅BW1は、約1.50mmであってもよい。幅BW1は1.50mmであってもよい。幅BW1は、約1.40mm~約1.60mmであってもよい。幅BW1は、1.40mm~1.60mmであってもよい。幅BW1は、約1.30mm~約1.70mmであってもよい。幅BW1は、1.30mm~1.70mmであってもよい。幅BW1は、約1.20mm~約1.80mmであってもよい。幅BW1は、1.20mm~1.80mmであってもよい。
【0038】
幅BW2は、約1.30mmであってもよい。幅BW2は1.30mmであってもよい。幅BW2は、約1.20mm~約1.40mmであってもよい。幅BW2は、1.20mm~1.40mmであってもよい。幅BW2は、約1.10mm~約1.50mmであってもよい。幅BW2は、1.10mm~1.50であってもよい。幅BW2は、約1.00mm~約1.60mmであってもよい。幅BW2は、1.00mm~1.60mmであってもよい。
【0039】
幅BW1と幅BW2の比は、約1.15又は正確に1.15であってもよい。幅BW1と幅BW2の比は、約1.07~1.33又は正確に1.07~1.33であってもよい。
【0040】
幅TSWと幅BW1の比は、約1.33又は正確に1.33であってもよい。
【0041】
幅TSWと幅BW2の比は、約1.54又は正確に1.54であってもよい。
【0042】
幅TSWと幅IWの比は、約4.00又は正確に4.00であってもよい。
【0043】
幅BW1と幅IWの比は、約3.00又は正確に3.00であってもよい。
【0044】
幅TSWは、幅IW、幅BW1、および幅BW2より大きくてもよい。
【0045】
ベース部分339は、半径方向最内側の半径BRを含む。半径BRは、約1.00mmであってもよい。半径BRは1.00mmであってもよい。半径BRは、約0.90mm~約1.10mmであってもよい。半径BRは、0.90mm~1.10mmであってもよい。半径BRは、約0.80mm~約1.20mmであってもよい。半径BRは、0.80mm~1.20mmであってもよい。半径BRは、約0.70mm~約1.30mmであってもよい。半径BRは、0.70mm~1.30mmであってもよい。
【0046】
図3Bに示すように、インターロック部分338は、複数の負のインターロック部分338A及び正のインターロック部分338Bを含んでもよい。インターロック部分338は、円周方向軸C及び軸方向軸Aによって形成される平面内で正弦波に近似する波形を含んでもよく、正弦波は、負のインターロック部分338A及び正のインターロック部分338Bから構成される。
【0047】
図4A~
図4Hは、双方向インターロッキングサイプおよびスロット410を有するトレッドブロックまたはトレッドリブ406を示す(トレッドブロックおよびトレッドリブは、本明細書では、本出願の読みやすさを助けるために互換的に使用される)。サイプ/スロット410は、サイプブレード330を使用して形成され、したがって、サイプブレード330に関して説明したのと同じ寸法および比率を有する。サイプ/スロット410は、トレッド表面401からトレッドブロック406内に、半径方向内向きに延在する。サイプ/スロット410は、半径方向外側の拡幅部分446と、インターロック部分448と、ベース部分449とを含むことができる。インターロック部分448は、上側部分446の半径方向内側にあり、上側部分446に直接接続されていてよい。ベース部分449は、インターロック部分448の半径方向内側にあり、インターロック部分448に直接接続されていてよい。
【0048】
インターロック部分448は、複数の正のインターロック部分452A及び複数の負のインターロック部分452Bを含む。正のインターロック部分452Aと負のインターロック部分452Bは、各インターロック部分が2つの対向するインターロック部分の間の空隙に嵌合するように、互いに位相がずれている。
【0049】
ベース部分449は、サイプブレード430のベース部分439に関して上述したようにテーパ状になっている。
【0050】
図4F~
図4Hは、様々な摩耗状態にあるブロック406を示す。
図4Fは、未摩耗状態にあるブロック406を示す。
図4Gは、摩耗状態にあるブロック406を示しており、外側部分446は、インターロック部分448がトレッド表面401に接触するように摩耗している。インターロック部分448の正弦波プロファイルは、
図4Gにおいて容易に見ることができる。
図4Hは、摩耗状態にあるブロック406を示しており、外側部分446及びインターロック部分448は、ベース部分449がトレッド表面401に接触するように摩耗している。
【0051】
図4F~
図4Hの様々な摩耗段階に示されているように、サイプ/スロット410は、外側部分446およびベース部分449において(サイプよりも広い)スロットとして作用し、インターロック部分448において(スロットよりも薄い)インターロッキングサイプとして作用し得る。
【0052】
図5Aおよび
図5Bは、双方向インターロッキングサイプおよびスロットを形成するためのサイプブレード530を示す。サイプブレード530は、上側モールド挿入部分532と、下側サイプ形成部分534とを含む。
【0053】
サイプブレード530は、末端ベース部分539において半径方向内方で終端する。サイプブレード530は、上側モールド挿入部分532の中心及びベース部分539の中心を通って延在する中心線CLを含む。
【0054】
下側部分534は、サイプを形成するための複数の部分を含む。半径方向外側の拡幅部分536が、上側部分532の半径方向内側にあり、上側部分532に直接接続されている。外側部分536は、インターロック部分538へと半径方向内向きにテーパ状になっている。インターロック部分538は、上側部分536の半径方向内側にあり、上側部分536に直接接続されている。最後に、ベース部分539は、インターロック部分538の半径方向内側にあり、インターロック部分538に直接接続されている。ベース部分539は、インターロック部分538へと半径方向外向きにテーパ状になっている。
【0055】
インターロック部分538は、外側部分536に直接接続された半径方向最外側の半径方向部分560を含んでもよい。インターロック部分538は、第1の周方向に角度を付けられ、半径方向部分560の半径方向内側に配向され、半径方向部分560に直接接続される、第1の角度付き部分562を含んでもよい。インターロック部分538は、第2の周方向に角度を付けられ、第1の角度付き部分562の半径方向内側に配向され、第1の角度付き部分562に直接接続される、第2の角度付き部分564を含んでもよい。インターロック部分538は、第1の周方向に角度を付けられ、第2の角度付き部分564の半径方向内側に配向され、第2の角度付き部分564に直接接続される、第3の角度付き部分566を含んでもよい。ベース部分539は、第3の角度付き部分566の半径方向内側に配向され、第3の角度付き部分566に直接接続されている。インターロック部分538の第1、第2、及び第3の角度付き部分562、564、566は、半径方向軸R及び周方向軸Cによって形成される平面内でジグザグ形状を形成してもよい。それに代わって、インターロック部分538の第1、第2、及び第3の角度付き部分562、564、566は、半径方向軸R及び円周方向軸Cによって形成される平面において正弦波形状を形成してもよい。
【0056】
上側部分532は、周方向トレッド表面サイプ幅TSWを含み、これは、トレッド表面(例えば、トレッド表面601)におけるサイプ(例えば、以下に記載するサイプ/スロット610)の幅である。幅TSWは、約2.00mmであってもよい。幅TSWは2.00mmであってもよい。幅TSWは、約1.80mm~約2.20mmであってもよい。幅TSWは、1.80mm~2.20mmであってもよい。幅TSWは、約1.60mm~約2.40mmであってもよい。幅TSWは、1.60mm~2.40mmであってもよい。幅TSWは、約1.40mm~約2.60mmであってもよい。幅TSWは、1.40mm~2.60mmであってもよい。
【0057】
インターロック部分538は、周方向幅IWを含む。幅IWは、約0.50mmであってもよい。幅IWは0.50mmであってもよい。幅IWは、約0.40mm~約0.60mmであってもよい。幅IWは、0.40mm~0.60mmであってもよい。幅IWは、約0.30mm~約0.70mmであってもよい。幅IWは、0.30mm~0.70mmであってもよい。幅IWは、約0.20mm~約0.80mmであってもよい。幅IWは、0.20mm~0.80mmであってもよい。
【0058】
ベース部分539は、幅BW1から幅BW2まで半径方向内向きにテーパ状になっている。
【0059】
幅BW1は、約1.00mmであってもよい。幅BW1は1.00mmであってもよい。幅BW1は、約0.90mm~約1.10mmであってもよい。幅BW1は、0.90mm~1.10mmであってもよい。幅BW1は、約0.80mm~約1.20mmであってもよい。幅BW1は、0.80mm~1.20mmであってもよい。幅BW1は、約0.70mm~約1.30mmであってもよい。幅BW1は、0.70mm~1.30mmであってもよい。
【0060】
それに代わって、幅BW1は、約1.50mmであってもよい。幅BW1は1.50mmであってもよい。幅BW1は、約1.40mm~約1.60mmであってもよい。幅BW1は、1.40mm~1.60mmであってもよい。幅BW1は、約1.30mm~約1.70mmであってもよい。幅BW1は、1.30mm~1.70mmであってもよい。幅BW1は、約1.20mm~約1.80mmであってもよい。幅BW1は、1.20mm~1.80mmであってもよい。
【0061】
幅BW2は、約0.80mmであってもよい。幅BW2は0.80mmであってもよい。幅BW2は、約0.70mm~約0.90mmであってもよい。幅BW2は、0.70mm~0.90mmであってもよい。幅BW2は、約0.60mm~約1.00mmであってもよい。幅BW2は、0.60mm~1.00mmであってもよい。幅BW2は、約0.50mm~約1.10mmであってもよい。幅BW2は、0.50mm~1.10mmであってもよい。
【0062】
それに代わって、幅BW2は、約1.30mmであってもよい。幅BW2は1.30mmであってもよい。幅BW2は、約1.20mm~約1.40mmであってもよい。幅BW2は、1.20mm~1.40mmであってもよい。幅BW2は、約1.10mm~約1.50mmであってもよい。幅BW2は、1.10mm~1.50であってもよい。幅BW2は、約1.00mm~約1.60mmであってもよい。幅BW2は、1.00mm~1.60mmであってもよい。
【0063】
幅BW1と幅BW2の比は、約1.25又は正確に1.25であってもよい。幅BW1と幅BW2の比は、約1.11~1.57又は正確に1.11~1.57であってもよい。それに代わって、幅BW1と幅BW2の比は、約1.15又は正確に1.15であってもよい。幅BW1と幅BW2の比は、約1.07~1.33又は正確に1.07~1.33であってもよい。
【0064】
幅TSWと幅BW1の比は、約2.00又は正確に2.00であってもよい。幅TSWと幅BW1の比は、約1.33又は正確に1.33であってもよい。
【0065】
幅TSWと幅BW2の比は、約2.50又は正確に2.50であってもよい。幅TSWと幅BW2の比は、約1.54又は正確に1.54であってもよい。
【0066】
幅TSWと幅IWの比は、約4.00又は正確に4.00であってもよい。
【0067】
幅BW1と幅IWの比は、約2.00又は正確に2.00であってもよい。幅BW1と幅IWの比は、約3.00又は正確に3.00であってもよい。
【0068】
幅TSWは、幅IW、幅BW1、および幅BW2より大きくてもよい。
【0069】
図6A~
図6Hは、双方向インターロッキングサイプおよびスロット610を有するトレッドブロックまたはトレッドリブ606を示す(トレッドブロックおよびトレッドリブは、本明細書では、本出願の読みやすさを助けるために互換的に使用される)。サイプ/スロット610は、サイプブレード530を使用して形成され、したがって、サイプブレード530に関して説明したのと同じ寸法および比率を有する。サイプ/スロット610は、トレッド表面601からトレッドブロック606内に、半径方向内向きに延在する。サイプ/スロット610は、半径方向外側の拡幅部分646と、インターロック部分648と、ベース部分649とを含むことができる。インターロック部分648は、上側部分646の半径方向内側にあり、上側部分646に直接接続されていてよい。ベース部分649は、インターロック部分648の半径方向内側にあり、インターロック部分648に直接接続されていてよい。
【0070】
インターロック部分648は、インターロック部分648内の複数の要素によって形成された正及び負のインターロック要素を含む。インターロック部分648は、外側部分646に直接接続された半径方向最外側の半径方向部分660を含んでもよい。インターロック部分648は、第1の周方向に角度を付けられ、半径方向部分660の半径方向内側に配向され、半径方向部分660に直接接続される、第1の角度付き部分662を含んでもよい。インターロック部分648は、第2の周方向に角度を付けられ、第1の角度付き部分662の半径方向内側に配向され、第1の角度付き部分662に直接接続される、第2の角度付き部分664を含んでもよい。インターロック部分648は、第1の周方向に角度を付けられ、第2の角度付き部分664の半径方向内側に配向され、第2の角度付き部分664に直接接続される、第3の角度付き部分666を含んでもよい。ベース部分649は、第3の角度付き部分666の半径方向内側に配向され、第3の角度付き部分666に直接接続されている。インターロック部分648の第1、第2、及び第3の角度付き部分662、664、666は、半径方向軸R及び周方向軸Cによって形成される平面内でジグザグ形状を形成してもよい。それに代わって、インターロック部分648の第1、第2、及び第3の角度付き部分662、664、666は、半径方向軸R及び周方向軸Cによって形成される平面において正弦波形状を形成してもよい。
【0071】
ベース部分649は、サイプブレード530のベース部分539に関して上述したようにテーパ状になっている。
【0072】
図6F~
図6Hは、様々な摩耗状態にあるブロック606を示す。
図6Eは、未摩耗状態にあるブロック606を示す。
図6Fは、摩耗状態にあるブロック606を示しており、外側部分646は、インターロック部分648がトレッド表面601に接触するように摩耗している。
図6Gは、摩耗状態にあるブロック606を示しており、外側部分646及びインターロック部分648は、ベース部分649がトレッド表面601に接触するように摩耗している。
【0073】
図6F~
図6Hの様々な摩耗段階に示されているように、サイプ/スロット610は、外側部分646およびベース部分649において(サイプよりも広い)スロットとして作用し、インターロック部分648において(スロットよりも薄い)インターロッキングサイプとして作用し得る。
【0074】
上述の様々な態様に関して、本明細書に記載のサイプ/スロットを有するタイヤトレッドは、そのような特徴を欠くタイヤトレッドと比較して、雪の中及び/又は氷の中でのトラクションが改善されている。本明細書に記載のサイプ/スロットを有するタイヤトレッドは、サイプ/スロットの摩耗段階と未摩耗段階の両方において、雪および/または氷の中で改善されたトラクションを有し得る。
【0075】
本明細書に記載のサイプ/スロットを有するタイヤトレッドは、ベース部分249、449、および649が、ベース部分が残るサイプ/スロットの摩耗のすべての段階中に水のための通路を提供することによってタイヤトレッド踏面から水を排出するように作用するため、サイプ/スロットの摩耗段階と未摩耗段階の両方において、改善された高速ウェット性能および水排出特性を有し得る。
【0076】
本明細書に記載のサイプ/スロットを有するタイヤトレッドは、インターロック部分248、448、および648により、改善されたドライストップ特性を有することができる。本明細書に記載されるサイプ/スロットを有するタイヤトレッドは、インターロック部分248、448、および648により、改善されたコーナリング特性を有し得る。本明細書に記載されるサイプ/スロットのインターロック部分248、448、および648は、制動、加速、および横方向への操縦下で自己接触(インターロック)する相互に連結するサイプ側壁を作り出す。トレッドブロックのこのインターロックする態様は、制動、加速、及び/又は横方向の操縦下で、ブロックの剛性を増加させるように作用し得る。
【0077】
「含む(includes)」又は「含む(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲で使用される限りにおいて、特許請求の範囲で移行語として用いられる際に解釈されるように、「備える(comprising)」という用語と同様に、包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が用いられる(例えば、A又はB)限りにおいて、「A若しくはB、又は両方」を意味することが意図される。本出願人らが「両方ではなくA又はBのみ」を示すことを意図する場合、「両方ではなくA又はBのみ(only A or B but not both)」という用語が用いられる。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的使用ではなく、包括的使用である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、「中に(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、「上に(on)」又は「上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。「実質的に」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、タイヤ製造で利用可能な精度を考慮に入れることが意図される。「選択的に」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、装置の使用者が、装置の使用時に、必要又は所望に応じて、構成要素の特徴又は機能を作動又は停止させ得る、構成要素の状態を指すことが意図される。「動作可能に接続され」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、特定された構成要素が指定された機能を実行するように接続されていることを意味することが意図される。本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数形を含む。最後に、「約(about)」という用語が数値と併せて使用される場合、その数値の±10%を包含することが意図される。言い換えれば、「約10」は、9~11までを意味することができる。
【0078】
上述のとおり、本出願は、その実施形態及び態様の説明によって例解され、実施形態及び態様は、かなり詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲の範囲をこのような詳細に制限すること、又は、いかようにも限定することは、本出願人らの意図ではない。追加の利点及び変更は、本出願の利益を享受しながら、当業者に容易に明らかになるであろう。したがって、本出願は、本出願のより広い態様において、具体的な詳細、示された用例、又は参照されたいずれの装置にも限定されない。全体的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、このような詳細、例、及び装置からの逸脱がなされ得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤであって、
トレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、
前記トレッドリブ又は前記トレッドブロックに含まれるサイプであって、
半径方向外側部分と、
前記半径方向外側部分の半径方向内側にあり、前記半径方向外側部分に直接接続されたインターロック部分と、
前記インターロック部分の半径方向内側にあり、前記インターロック部分に直接接続されたベース部分と、を含み、
前記ベース部分は、幅BW1から幅BW2へと半径方向内向きにテーパ状になっており、
前記インターロック部分は、前記タイヤの周方向軸Cと前記タイヤの軸方向軸Aとによって形成される平面において正弦波プロファイルを形成する複数の正のインターロック部分および負のインターロック部分を含む、サイプと、を備える、タイヤ。
【請求項2】
前記幅BW1と前記幅BW2との比が1.15である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記半径方向外側部分は幅TSWを有し、前記インターロック部分は幅IWを有し、前記幅TSWは、前記幅IW、前記幅BW1、および前記幅BW2よりも大きい、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記正のインターロック部分と前記負のインターロック部分は、インターロックを可能にするために互いに位相がずれている、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記トレッド部分がトレッド表面を含み、未摩耗状態では、前記半径方向外側部分は前記トレッド表面に接触し、摩耗状態では、前記インターロック部分および前記ベース部分の一方が前記トレッド表面に接触する、請求項1に記載のタイヤ。
【国際調査報告】