(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】風力タービンタワーとその支持体との間のコンクリート鋳造トランジションピースを伴う海洋風力タービン設備
(51)【国際特許分類】
E02D 27/52 20060101AFI20241128BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20241128BHJP
E04H 12/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
E02D27/52 A
F03D13/25
E04H12/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533943
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 DK2022050259
(87)【国際公開番号】W WO2023104268
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523480749
【氏名又は名称】スティースダル オフショア エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】スティースダル,ヘンリック
(72)【発明者】
【氏名】ニブロー,パトリック ファルク
【テーマコード(参考)】
2D046
3H178
【Fターム(参考)】
2D046DA31
2D046DA62
3H178AA03
3H178AA26
3H178BB77
3H178CC23
3H178DD61Z
3H178DD67Z
(57)【要約】
海洋風力タービン設備(1)は、支持構造(3)に風力タービン(2)を備える。コンクリート鋳造トランジションピース(9)は、風力タービン(2)のタワー(7)と、支持構造(3)のタワー支持体(8)との間に設けられる。タワー(7)及びタワー支持体(8)のフランジ(19,20)は、トランジションピース(9)を間に挟んで互いにボルト締めされる、または固定用のトランジションピース(9)にボルト締めされる、のいずれか一方が行われる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(2)と、海洋条件で前記風力タービン(2)を支持するための支持構造(3)とを備える海洋風力タービン設備(1)であって、前記支持構造(3)は支持フランジ(20)を有するタワー支持体(8)を備え、前記風力タービン(2)は、前記タワー(7)の下端にタワーフランジ(19)を有するタワー(7)を備え、コンクリート鋳造トランジションピース(9)は前記支持フランジ(20)と前記タワーフランジ(19)との間に設けられ、前記トランジションピース(9)は下側で前記支持フランジ(20)と機械的に接触し、前記タワーフランジ(19)は前記下側で前記トランジションピース(9)の上側に機械的に接触し、前記トランジションピース(9)によって支持され、
前記支持フランジ(20)は前記タワー支持体(8)の上端にあり、前記トランジションピース(9)は前記下側で前記支持フランジ(20)によって支持され、前記支持フランジ(20)及び前記タワーフランジ(19)は、それぞれ、前記フランジ(19,20)を通って延在するボルト(18)用の穴(28)を備え、前記設備(1)は、前記トランジションピース(9)を間に挟んで、前記タワーフランジ(19)を前記タワー支持フランジ(20)に保持するボルト(18)を備え、AまたはBのいずれかについて、
Aでは、前記ボルト(18)のそれぞれは、前記トランジションピース(9)を間に挟んで、前記ボルト(18)によって、前記フランジを互いに向けて引っ張るために、両方のフランジ(19,20)を通って延在し、随意に、前記ボルト(18)の少なくとも一部が、前記トランジションピース(9)の穴(28)も通って延在し、
Bでは、第1の数の前記ボルト(18)は、前記タワーフランジ(19)を通って、前記トランジションピース(9)のコンクリートの内側に埋め込まれた第1のねじ付きブッシング(28)の中に延在し、第2の数の前記ボルト(18)は、前記支持フランジ(20)を通って、前記トランジションピース(9)のコンクリートの内側に埋め込まれた第2のねじ付きブッシング(28)の中に延在し、前記フランジ(19,20)を前記トランジションピース(9)の反対側にボルト締めすることを特徴とする、海洋風力タービン設備(1)。
【請求項2】
前記支持フランジ(20)及び前記タワーフランジ(19)は、それぞれ、前記タワー(7)の中心縦軸に垂直な平面内で半径方向に延在する、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記フランジ(19,20)の前記穴を通って延在する前記ボルト(18)は、前記ボルト(18)の縦軸が前記タワー(7)の前記中心軸と平行になるように方向付けられる、請求項1-2のいずれかに記載の設備。
【請求項4】
Bでは、前記タワー(7)は第1の直径D
tを有し、前記支持構造(8)は支持直径D
sを有し、D
sはD
tと異なり、前記タワーフランジ(20)は第1の円に沿っての第1の数の穴(22)を備え、前記支持構造(8)は前記第1の直径と異なる第2の直径を伴う第2の円に沿って第2の数の穴(28)を備え、第1の数のボルト(18)は、前記支持フランジ(20)の下から、前記第1の数の穴(22)を通って、前記トランジションピース(9)の内側にある第1の協働する数のブッシング(28)の中に延在し、第2の数のボルト(18)は、前記タワーフランジ(19)の上から、前記第2の数の穴(22)を通り、前記トランジションピース(9)の内側の第2の協働する数のブッシング(28)の中に延在する、請求項1-3のいずれかに記載の設備。
【請求項5】
前記支持構造(3)は、四面体として形成され、前記タワー支持体(8)が固定される三角形土台(10A,10B,10C)を伴い、上向きに傾斜した前記三角形土台から延在する斜めブレース(11)も伴い、前記タワー支持体(8)を伴う四面体構造を形成する、請求項1-4のいずれかに記載の設備。
【請求項6】
前記斜めブレース(11)は、前記タワー支持体(8)の前記上端に含まれる体積(25)内のコンクリートに埋め込まれ、前記斜めブレース(11)のそれぞれについて、端の1つが、前記タワー支持体(8)の開口部(23)を通って、この体積(25)の中に延在する、請求項5に記載の設備。
【請求項7】
前記トランジションピース(9)は、完全に、水表面の上に位置する、請求項1-6のいずれかに記載の設備。
【請求項8】
前記トランジションピース(9)は、作業者用のプラットフォーム(15)を備える、請求項1-7のいずれかに記載の設備。
【請求項9】
前記タワー支持体(8)及び前記タワー(7)は、前記フランジ(19,20)が溶接されている鉄骨柱である、請求項1-8のいずれかに記載の設備。
【請求項10】
前記トランジションピース(9)は、前記タワーの中心軸と平行な方向に測定されるとき、高さH未満の長さにわたって延在し、Hは前記タワー(7)の直径D
tの半分よりも小さい、請求項1-9のいずれかに記載の設備。
【請求項11】
前記高さHは1~3メートルの範囲であり、前記フランジ(19,20)の間に前記トランジションピース(9)を伴う前記フランジ(19,20)の間の距離は、1~3メートルの範囲である、請求項10に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンと、風力タービンを支持するための支持構造とを備える海洋風力タービン設備に関し、コンクリート鋳造トランジションピースは、支持構造と、風力タービンのタワーとの間に設けられる。具体的には、本発明は、独立請求項の前文に記載の海洋風力タービン設備に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、現代の風力タービンは、主に、ローター及びタワーと、ローターをタワーに接続するナセルと、から成る。海洋風力タービン設備について、タワーは支持構造に設置され、支持構造は、海底で搭載される、または水表面に、もしくは水表面の下に浮いている、のいずれか一方の状態である。タワーを対応する海洋支持構造に締結するために、トランジションピースの様々な形態は、先行技術で開示されている。
【0003】
欧州特許第2011924号明細書では、トランジションピースの下部がキャビティを有し、キャビティは、海底に埋め込まれているモノパイル構造の上部を収容する、コンクリートから作られたトランジションピースが開示されている。トランジションピースの一部は、水位線の下に、かつ別の部分の上に位置する。トランジションピースがモノパイルの上部を収容する結果として、トランジションピースが大きいサイズ及び相当な長さを有することになる。これにより、トランジションピースが重くなり、生産に高額のコストと、輸送に関する課題とが生じる。さらに、水及び砂は、トランジションピースと柱との間の領域に入る可能性が高く、摩耗及び腐食のリスクが増加する。
【0004】
国際特許出願の国際公開第2020/106146号では、風力タービンのタワーがモノパイル構造に直接ボルト締めされる風力タービン構造が開示されている。
【0005】
モノパイルは、対応して協働する円錐支持体上で支持されるプラットフォームを支える円錐上側部分を有する。プラットフォームは、タワーをモノパイルに保持するために使用されるボルトに個人がアクセスできる高さにある。
【0006】
また、国際特許出願の国際公開第2018/070868号では、モノパイルの円錐上部が開示されている。この場合、プラットフォームを保持するために、同様に、風力タービンのタワーを収容するために、円錐上部を使用する。
【0007】
米国特許出願公開第2012/0257973号明細書では、タワーを取り囲み、コンテナデッキとして働くコンクリート構造を有する海洋風力タービンが開示されている。国際公開第2020/089020号では、金属フランジによって互いに締結される複数のセクションから作られた風力タービンタワーが開示されている。中国実用新案第212958956号明細書では、タワーセクションの間にある弾性トランジションピースが開示されている。欧州特許出願公開第3064309号明細書では、モノパイル構造と海洋風力タービンとの間にある位置決めデバイスが開示されている。英国特許出願公開第2419150号明細書では、風力タービンタワー支持台用のケースジョイントが開示されている。英国特許第2116237号明細書、米国特許第4553878号明細書、及び米国特許第4687380号明細書では、様々な海洋タワー構造が開示されている。
【0008】
支持構造と風力タービンタワーとの間にあるトランジションピースについて、円錐上部を伴うモノパイルが必要なく、腐食のリスクが減る、より多くのオプションがあるのが望ましいだろう。また、より小さいトランジションピースを有することも望ましいだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第2011924号明細書
【特許文献2】国際公開第2020/106146号
【特許文献3】国際公開第2018/070868号
【特許文献4】米国特許出願公開第2012/0257973号明細書
【特許文献5】国際公開第2020/089020号
【特許文献6】中国実用新案第212958956号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第3064309号明細書
【特許文献8】英国特許出願公開第2419150号明細書
【特許文献9】英国特許第2116237号明細書
【特許文献10】米国特許第4553878号明細書
【特許文献11】米国特許第4687380号明細書
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の目的は、当技術の改善を提供することである。具体的には、円錐上部を伴うモノパイルを必要としない、支持構造と、風力タービンタワーとの間にトランジションピースを提供することが目的である。これにより、トランジションピースは、より汎用的であり、モノパイル以外の支持構造、具体的には、海洋風力タービン用の浮体支持構造を含むものに関連して広範囲の用途がある。また、コスト及び重量を削減するために、かつトランジションピースの輸送を簡単にするために、比較的小さいトランジションピースを提供することも目的である。さらなる目的として、摩耗及び腐食を最小にするために水位線の上にあるトランジションピースを提供することである。これらの目的及びさらなる利点は、下記に説明され、特許請求の範囲に記載されるように、海洋風力タービン設備によって実現される。
【0011】
要するに、支持構造に風力タービンを備える海洋風力タービン設備が設けられる。コンクリート鋳造トランジションピースは、風力タービンのタワーと、支持構造のタワー支持体、通常は支持柱との間に設けられる。タワー及びタワー支持体のフランジは、トランジションピースを間に挟んで互いにボルト締めされる、または固定用のトランジションピースにボルト締めされる、のいずれか一方が行われる。
【0012】
風力タービンはタワー上にローターを備え、通常、水平回転軸を伴うローターを保持するためのナセルを使用する。海洋条件でタワーを支持するために、海洋支持構造は、フレームに搭載されたタワー支持体を備える。通常、タワー支持体は支持柱として設けられるが、これは絶対に必要なわけではない。タワー支持体及びフレームは、支持構造の部分である。
【0013】
支持構造は、浮体支持構造または海底固定支持構造である。浮体構造の例は四面体フレームを含み、タワー支持体は、随意に、フレームの角または中心に位置する。しかしながら、他の多角形構造も有用である。
【0014】
タワー支持体、例えば支持柱は、その上端に支持フランジを有する。同様に、タワーは、その下端にタワーフランジを有する。支持フランジ及びタワーフランジのそれぞれは、フランジを通って延在するボルト用の穴を備える。コンクリート鋳造トランジションピースは、支持フランジとタワーフランジとの間に設けられる。このトランジションピースの下側は、支持フランジの上側と機械的に接触し、それによって支持される。他方では、タワーフランジの下側は、トランジションピースの上側に機械的に接触し、トランジションピースによって、ひいては、タワー支持体によって支持される。言い換えれば、タワーは、トランジションピースを間に挟んで、タワー支持体によって支持される。
【0015】
設備は、トランジションピースを間に挟んで、タワーフランジを、タワー支持フランジに締結するボルトを備える。
【0016】
第1の実施形態では、ボルトのそれぞれは、両方のフランジを通って延在し、距離保持具としてトランジションピースを間に挟んで、フランジを互いに向けて引っ張る。
【0017】
他の実施形態では、第1の数のボルトは、タワーフランジを通って下向きに進み、コンクリート鋳造トランジションピースの内側に埋め込まれる第1のねじ付きブッシングの中に延在し、そして、第2の数のボルトは、支持フランジを通って上向きに進み、鋳造トランジションピースの内側に埋め込まれた第2のねじ付きブッシングの中に延在し、その結果、フランジは、フランジの間に位置するトランジションピースにボルト締めされる。
【0018】
有利には、支持フランジ及びタワーフランジは、それぞれ、タワーの中心縦軸に垂直な平面内で半径方向に延在する。有用なオプションとして、フランジの穴を通って延在するボルトは、その縦軸がタワーの中心軸と平行になるように方向付けられる。タワーは、通常、動作中に垂直に方向付けられるので、風により傾斜方向に押されない限り、ボルトは垂直に延在する。
【0019】
この原理のトランジションピースは、特に、有用である。タワー及びタワー支持体、例えば支持柱は、同じ直径を有さない。例えば、タワーはタワー直径Dtを有し、支持構造は、Dtよりも大きいまたは小さい支持直径Dsを有する。
【0020】
接続について、以下の原理は有用であり、タワーフランジは、通常、直径Dtを伴う円の上に、または近くに、第1の円に沿って第1の数の穴を備え、そして、支持構造は、通常、直径Dtを伴う円の上に、または近くに、第1の直径と異なる第2の直径を伴う円に沿って、第2の数の穴を備える。
【0021】
第1の数のボルトは、タワーフランジの上から、タワーフランジの第1の数の穴を通り、トランジションピースの内側の第1の数の協働するブッシングの中に延在する。第2の数のボルトは、タワーフランジの下から、支持フランジの第2の数の穴を通り、トランジションピースの内側の第2の数の協働するブッシングの中に延在する。ブッシングは、コンクリート材料の内側に強固に埋め込まれ、随意に、コンクリート鋳造トランジションピースに強固に接続するために、せん断キー、例えば翼を備える。
【0022】
上述したように、浮体構造は、随意に、四面体フレームを備える。そのような場合、より詳細には、支持構造には、タワー支持体が固定される三角形土台が形成され、三角形土台からタワー支持体に向けて延在する斜めブレースも伴う。例えば、斜めブレースの端は、タワー支持体の上端に含まれる体積内のコンクリートに埋め込まれる。
【0023】
通常、タワー支持体及びタワーは鉄骨柱であり、フランジは柱の端に溶接される。
【0024】
いくつかの有用な実施形態では、トランジションピースは作業者用のプラットフォームを備える。そのようなプラットフォームは、プラットフォーム支持体上に設けられる。随意に、プラットフォーム支持体は、トランジションピースの一体型部分である。代替として、プラットフォームフレームは、トランジションピースの一部として設けられ、例えば、コネクタセグメントのコンクリートに埋め込まれたバーとして設けられ、そこから外向きに水平に延在する。後者の場合、プラットフォームはバー上に建設される。
【0025】
有用な実施形態では、トランジションピースの高さHは、タワーの中心軸と平行な方向に測定されるとき、タワーの直径の半分よりも小さく、タワー支持体の直径の半分よりも小さい。これにより、結果として、比較的狭い及び比較的小さい体積であるトランジションピースが生じる。
【0026】
本発明は、図面を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】支持構造と、等しい直径のタワーとの間のトランジションピースを示す。
【
図3】タワーよりも小さい直径を有する支持構造用のトランジションピースを示す。
【
図4】タワーよりも大きい直径を有する支持構造用のトランジションピースを示す。
【
図5A】プラットフォーム用の横側支持バーを伴うトランジションピースを示す。
【
図6A】グラウト接続用のタワー支持体の中に挿入された斜めブレースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、海洋風力タービン設備1を示す。設備1は風力タービン2及び海洋支持構造3を備え、風力タービン2は海洋支持構造3に搭載され、風力タービン2は海洋支持構造3によって海洋条件で支持される。風力タービン2は、ローター5及びタワー7と、ローター5をタワー7と接続するナセル6と、を備える。
【0029】
海洋支持構造3は、係留ライン13及び浮力タンク12を伴う半潜水型海洋掘削構造として例示され、これにより、構造3が水中に不完全に浸水して浮いている状態を維持する。代替として、構造は、十分に沈む浮体支持構造を伴う張力係留式浮体プラットフォーム(TLP)、または底部支持プラットフォーム、例えばモノパイルであり得る。
【0030】
例示される半潜水型構造3は、三角形の形状で相互接続される浮力タンク12を備え、その形状について、三角形土台は、サイドブレース10A及びラジアルブレース10Bによって形成される。サイドブレース10Aは、角10Cで相互接続によって、三角形を形成する。ラジアルブレース10Bは、角10Cをタワー支持体8に接続する。
【0031】
タワー支持体8は支持柱として例示される。支持柱8の上部に、トランジションピース9が設けられる。また、トランジションピース9は、随意に、風力タービン2を検査し、タワー7に入るとき、作業者がアクセス可能である作業プラットフォーム15も備える。
【0032】
支持柱8と、サイドブレース10A及びラジアルブレース10Bによって形成された三角形土台との間に機械的安定度の増加をもたらすために、斜めブレース11が設けられる。斜めブレース11が角10Cから、支持柱8の上部に延在することによって、四面体を形成する。
【0033】
示されるように、タワー支持体8は、水表面4の上の位置まで延在し、状況に応じて、同様に、作業プラットフォーム15を伴うトランジションピース9も、完全に水表面4の上に位置する。トランジションピース9が水表面4の上に位置するという事実により、摩耗及び腐食のリスクを減らす。
【0034】
図2は、タワー支持柱8とタワー7との間にトランジションピース9を示す。トランジションピース9に作業プラットフォーム15が統合され、既に言及したように、作業者は検査のために立ち止まることができる。安全のために、フェンス14によって囲まれる。
【0035】
トランジションピース9は、コネクタセグメント16と、作業プラットフォーム15を支持するプラットフォーム支持体17とを備える。コネクタセグメント16は、タワー7のフランジ19と、支持柱8のフランジ20との間に設けられる。フランジ19及び20は、互いに平行に配置され、タワー7の中心縦軸と垂直に方向付けられる。フランジ19,20は、コネクタセグメント16を通り、対応する穴28の中に垂直に延在するボルト18によって、互いに接続される。
【0036】
代替として、フランジ19及び20は、ボルト18によって、コネクタセグメント16に埋め込まれた対応するねじ付きブッシングの中にねじ込まれる。以下に、例が与えられる。
【0037】
図3は、タワー支持体8とタワー7との間にトランジションピース9を示し、タワー支持体8は、タワーの直径D
tよりも小さい直径D
sを有する。この場合、タワー7のフランジ19は、ボルト18によって、トランジションピース9に、具体的にはコネクタセグメント16に締結され、ボルト18は、コネクタセグメント16で、対応するねじ付きブッシング22の上から中に進み、タワーフランジ19の穴を通って垂直に延在する。状況に応じて、タワー8のフランジ20は、ボルト18によってコネクタセグメント16に固定され、ボルト18は、コネクタセグメント16内のねじ付きブッシング22の下から中に進み、タワーフランジ20の穴を通って垂直に延在する。通常、ブッシング22は、コンクリートで鋳造されるとき、トランジションピース9のコネクタセグメント16で統合される。
【0038】
図4は、タワー支持体8がタワー7の直径D
tよりも小さい直径D
sを有する実施形態を示す。また、この場合、対応するフランジ19及び20は、ねじ付きブッシング22で締結されるボルト18によって、コネクタセグメント16に固定される。
【0039】
そして、説明される方式でトランジションピース9を提供する原理の利点として、成形及び生産の柔軟性が優れていることが挙げられ、これにより、支持柱8及びタワー7の様々なサイズに合わせて容易にカスタマイズできる。具体的には、固定直径Dsの特定の支持柱8について、対応するトランジションピース9を提供することによって、異なる直径Dtを伴う様々な風力タービンタワー7を搭載することが可能になる。トランジションピース9は、強化コンクリートで鋳造され、さらには、例えば、異なる風力タービンブランドのタワー7の直径が標準であるため、対象のタワー直径Dtが知られているとき、柱の形態または別の形状であれ、タワー支持体8の特定のサイズ及び形状に合わせて在庫で準備できる。
【0040】
トランジションピース9はフランジ19とフランジ20との間に設けられているという事実により、例えば、1~3メートルの範囲で、またはさらには、1~2メートルだけの範囲で、トランジションピース9の高さHが比較的小さいという利点をもたらし、トランジションピース9の材料の対応する要件は相応に小さくなる。
【0041】
これは、トランジションピースはタワー支持体の上部の大部分を抱持する先行技術と対照的である。先行技術は、タワー支持体の上部及び/またはタワーの下部を収容するキャビティを伴う中空管状構造の鋳造を必要とする。
【0042】
図4に示されるように、プラットフォーム支持体17は、トランジションピース9の一部として、かつコネクタセグメント16と一体になって鋳造される。しかしながら、これは絶対に必要なわけではない。
【0043】
図5Aについて断面図で、
図5Bについて上面図で、代替の実施形態を示す。プラットフォーム支持体17は、コネクタセグメント16に埋め込まれているバー21を使用することによって設けられるが、コネクタセグメント16から延在する、例えば、コネクタセグメント16から半径方向に延在する。
図5Aに示される場合、これらのバー21は、実用的な実施形態では、プラットフォーム表面によって覆われる。
図4の一体的に鋳造されたプラットフォーム支持体17と比較して、
図5Aのプラットフォーム構造は、より軽量の装置をもたらす。
図5Bでは、ボルト18用の穴28も示される。
【0044】
例えば、タワー7の直径Dtは6~10mの範囲であり、支持柱の直径Dsは8~10mの範囲である。これらの組み合わせの例は例示される。しかしながら、図に与えられた寸法は例示的であり、本発明を制限しない。
【0045】
図6は、斜めブレース11の端のうちの1つがタワー8に埋め込まれた装置を示す。このタイプの取り付けについて、タワー8には、3つの開口部23が設けられ、開口部のそれぞれの中に、斜めブレース11のうちの1つの一端が挿入される。斜めブレース11の端が挿入される体積25は、底部プレート26によって区切られ、底部プレート26は、支持柱8の中心軸に対して相対的に横方向に、支持柱8を横断して延在する。例えば、底部プレート26は、金属支持柱8の内壁に溶接される。底部プレート26と支持柱8のフランジ20との間の体積25は、斜めブレース11の端の挿入後、コンクリートで充填される。
【0046】
有利に、例示されるように、体積25のコンクリートの内側に、斜めブレース11を安全に保持するために、斜めブレース11の端は、せん断キー24が設けられる。
【0047】
実際には、斜めブレース11はその端が体積25の中に挿入され、その後、例えば、トランジションピース9が体積25の上部で支持柱に設置されて固定される前に、体積25はコンクリートで充填される。代替として、トランジションピース9は、体積25がコンクリートで充填される前に、フランジ20でタワー8に締結される。これは、コンクリートを上から体積25の中に挿入できる中央開口部がトランジションピース9にあるために可能である。
【国際調査報告】