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特表2024-545091通信装置およびこれを利用する車両間通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】通信装置およびこれを利用する車両間通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/46 20180101AFI20241128BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20241128BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20241128BHJP
【FI】
H04W4/46
H04W92/18
H04W48/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533986
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 KR2022019824
(87)【国際公開番号】W WO2023106836
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174560
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】イ チョン ヨプ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB21
5K067EE02
5K067EE25
5K067HH21
5K067JJ31
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る通信装置は、カバレッジ内端末リストおよび前記端末リスト内端末別に支援する通信方式情報を含むカバレッジ情報を周期的にアップデートするカバレッジ管理部と、第1通信方式を支援する第1データパケットを受信する受信部と、前記端末リスト内前記第1通信方式を支援できず、前記第1通信方式と異種の第2通信方式を支援できる端末が存在すると、前記第1データパケットを、前記第2通信方式を支援する第2データパケットに切り替える制御部と、前記第2データパケットを送信する送信部を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバレッジ内端末リストおよび前記端末リスト内端末別に支援する通信方式情報を含むカバレッジ情報を周期的にアップデートするカバレッジ管理部と、
第1通信方式を支援する第1データパケットを受信する受信部と、
前記端末リスト内前記第1通信方式を支援できず、前記第1通信方式と異種の第2通信方式を支援できる端末が存在すると、前記第1データパケットを、前記第2通信方式を支援する第2データパケットに切り替える制御部と、
前記第2データパケットを送信する送信部を含む、通信装置。
【請求項2】
前記第1通信方式はDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式およびC-V2X(Cellular-V2X)方式のうちの一つであり、
前記第2通信方式は前記DSRC方式および前記C-V2X方式のうちの他の一つである、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御部は前記第1通信方式および前記第2通信方式をすべて支援する、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記端末リスト内路側基地局が存在すると、前記制御部は前記第1データパケットから前記第2データパケットへの切り替えを中断する、請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記カバレッジ情報は端末別受信信号強度情報、負荷情報および電力情報のうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御部は前記端末別受信信号強度情報、負荷情報および電力情報のうちの少なくとも一つを利用して前記端末リスト内アンカー端末を選定する、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記アンカー端末が他の通信装置であれば、前記制御部は前記第1データパケットから前記第2データパケットへの切り替えを中断する、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
カバレッジ内端末リストおよび前記端末リスト内端末別に支援する通信方式情報を含むカバレッジ情報を周期的にアップデートする段階と、
第1通信方式を支援する第1データパケットを受信する段階と、
前記端末リスト内前記第1通信方式を支援できず、前記第1通信方式と異種の第2通信方式を支援できる端末が存在すると、前記第1データパケットを、前記第2通信方式を支援する第2データパケットに切り替える段階と、
前記第2データパケットを送信する段階を含む、通信方法。
【請求項9】
前記カバレッジ情報を利用して前記端末リスト内アンカー端末を選定する段階をさらに含み、
前記カバレッジ情報は端末別受信信号強度情報、負荷情報および電力情報のうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
前記アンカー端末が路側基地局であるか、他の通信装置であれば、前記第1データパケットから前記第2データパケットへの切り替えを中断する、請求項9に記載の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置およびこれを利用する車両間通信方法に関し、より詳細には、異種のV2X(Vehicle to everything)通信方式を支援する通信装置が混在された環境で車両間通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術および自動車技術が発展するにつれ、自律走行車両に対する関心が高まっている。一般的に、自律走行車両はカメラ、レーダー(radar)、ライダー(lidar)等のセンサを利用した知能型運転者補助システム(Advanced Driver Assistance System、ADAS)技術、経路探索技術、V2X(Vehicle to Everything)通信技術などを搭載して周辺環境に対する情報を習得しこれを認知することによって、目的地まで自ら走行する自動車を意味する。
【0003】
一般的に、V2X通信技術は車両間の安全情報および運行情報などを共有するために、車両が有無線網を通じて他の車両、モバイル機器、道路などの事物と情報を交換する技術を意味する。
【0004】
V2X通信技術は、大きくDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式とC-V2X(Cellular-V2X)方式の二つの通信方式に区分され得る。DSRC方式とC-V2X方式は5.9GHz周波数帯域を使う点で同一であるが、DSRC技術はIEEE 802.11標準基盤の技術であり、C-V2Xはセルラー通信標準基盤の技術である点で異なる。
【0005】
DSRC方式とC-V2X方式をすべて支援するハイブリッド通信装置に対する関心が高まっているが、現在道路上にはDSRC方式のみを支援する通信装置、C-V2X方式のみを支援する通信装置およびDSRC方式とC-V2X方式をすべて支援するハイブリッド通信装置が混在されている。
【0006】
このような環境で異種の方式を支援する通信装置間の通信方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が達成しようとする技術的課題は、異種のV2X(Vehicle to everything)通信方式を支援する通信装置が混在された環境に通信装置間の通信方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例に係る通信装置は、カバレッジ内端末リストおよび前記端末リスト内端末別に支援する通信方式情報を含むカバレッジ情報を周期的にアップデートするカバレッジ管理部と、第1通信方式を支援する第1データパケットを受信する受信部と、前記端末リスト内前記第1通信方式を支援できず、前記第1通信方式と異種の第2通信方式を支援できる端末が存在すると、前記第1データパケットを、前記第2通信方式を支援する第2データパケットに切り替える制御部と、前記第2データパケットを送信する送信部を含む。
【0009】
前記カバレッジ情報をアップデートする周期は予め設定されるか、動的に変わり得る。
【0010】
前記カバレッジ情報をアップデートする周期は、前記通信装置が搭載された車両の速度、周辺車両の速度、前記通信装置が搭載された車両の周辺交通量、前記通信装置が搭載された車両の周辺ネットワーク環境のうちの少なくとも一つにより動的に変わり得る。
【0011】
前記受信部はカバレッジ内の他の端末が周期的にブロードキャストしたカバレッジ情報のアップデートのための情報を含むメッセージを受信することができる。
【0012】
前記送信部はカバレッジ内の他の端末にカバレッジ情報のアップデートのための情報を含むメッセージを周期的にブロードキャストすることができる。
【0013】
前記第1通信方式はDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式およびC-V2X(Cellular-V2X)方式のうちの一つであり、前記第2通信方式は前記DSRC方式および前記C-V2X方式のうちの他の一つであり得る。
【0014】
前記制御部は前記第1通信方式および前記第2通信方式をすべて支援することができる。
【0015】
前記端末リスト内路側基地局が存在すると、前記制御部は前記第1データパケットから前記第2データパケットへの切り替えを中断することができる。
【0016】
前記カバレッジ情報は端末別受信信号強度情報、負荷情報および電力情報のうちの少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0017】
前記負荷情報は端末別CPUの負荷情報であり、前記電力情報は端末別最大電力情報であり得る。
【0018】
前記制御部は前記端末別受信信号強度情報、負荷情報および電力情報のうちの少なくとも一つを利用して前記端末リスト内アンカー端末を選定することができる。
【0019】
前記アンカー端末は前記第1通信方式および前記第2通信方式をすべて支援する端末であり得る。
【0020】
前記端末リスト内路側基地局が存在すると、前記路側基地局がアンカー端末に選定され得る。
【0021】
前記アンカー端末が他の通信装置であれば、前記制御部は前記第1データパケットから前記第2データパケットへの切り替えを中断することができる。
【0022】
前記第1通信方式および前記第2通信方式は同じ周波数帯域を使うことができる。
【0023】
本発明の一実施例に係る通信方法はカバレッジ内端末リストおよび前記端末リスト内端末別に支援する通信方式情報を含むカバレッジ情報を周期的にアップデートする段階と、第1通信方式を支援する第1データパケットを受信する段階と、前記端末リスト内前記第1通信方式を支援できず、前記第1通信方式と異種の第2通信方式を支援できる端末が存在すると、前記第1データパケットを、前記第2通信方式を支援する第2データパケットに切り替える段階と、前記第2データパケットを送信する段階を含む。
【0024】
前記カバレッジ情報を利用して前記端末リスト内アンカー端末を選定する段階をさらに含み、前記カバレッジ情報は端末別受信信号強度情報、負荷情報および電力情報のうちの少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0025】
前記アンカー端末が路側基地局であるか、他の通信装置であれば、前記第1データパケットから前記第2データパケットへの切り替えを中断することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例によると、第1通信方式と第2通信方式を支援するハイブリッド端末が第1通信方式のみを支援する端末と第2通信方式のみを支援する端末間の通信を中継するので、道路内の車両間道路状況がリアルタイムで共有され得る。また、インフラの不足によりRSUがない環境でも第1通信方式および第2通信方式をすべて支援するハイブリッド端末がアンカーの役割を遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1-2】本発明の実施例に係る車両間通信システムの概念図である。
【0028】
図3】本発明の実施例に係る車両間通信システム内通信装置のブロック図である。
【0029】
図4】本発明の実施例に係る通信装置内通信方法のフローチャートである。
【0030】
図5-6】本発明の実施例に係るカバレッジ情報の例である。
【0031】
図7】カバレッジ情報のアップデートのための疑似コードの一例である。
【0032】
図8】アンカー端末の選定のための疑似コードの一例である。
【0033】
図9】本発明の実施例に係る通信装置の通信方法を遂行するための疑似コードの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0035】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうちの一つ以上を選択的に結合、置き換えて使うことができる。
【0036】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0037】
また、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものであり本発明を制限しようとするものではない。
【0038】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうちの少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうちの一つ以上を含むことができる。
【0039】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0040】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0041】
そして、或る構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0042】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0043】
以下、添付された図面を参照して実施例を詳細に説明するものの、図面符号にかかわらず同一または対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0044】
図1図2は、本発明の実施例に係る車両間通信システムの概念図である。
【0045】
図1図2を参照すると、道路上に第1通信方式を支援する第1通信装置が搭載された車両V1、V2、第2通信方式を支援する第2通信装置が搭載された車両V3、V4および第1通信方式と第2通信方式をすべて支援する第3通信装置が搭載された車両V5、V6、V7が混在されて走行中にある。図1を参照すると、路側基地局(RSU)にも第1通信方式と第2通信方式をすべて支援する第3通信装置が搭載され得る。第1通信装置、第2通信装置および第3通信装置は車両間通信のためのV2X(Vehicle to Everything)通信装置である。V2Xは車両が事物と情報を交換することを意味し、車両とネットワーク網間の無線通信(Vehicle to Network、V2N)、車両とインフラ間の無線通信(Vehicle to Infrastructure、V2I)、車両と車両間の無線通信(Vehicle to Vehicle、V2V)および車両と歩行者間の無線通信(Vehicle to Pedestrian、V2P)等がある。
【0046】
ここで、第1通信方式はDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式であり、第2通信方式はC-V2X(Cellular-V2X)方式であり得る。DSRC方式およびC-V2X方式は同じ周波数帯域である5.9GHzを使うが、物理的なインターフェースが異なる。これに伴い、DSRCを支援する通信装置とC-V2Xを支援する通信装置間の通信が不可能である。
【0047】
すなわち、第1通信方式を支援する第1通信装置が搭載された車両V1、V2間の通信、第2通信方式を支援する第2通信装置が搭載された車両V3、V4間の通信および第1通信方式と第2通信方式をすべて支援する第3通信装置が搭載された車両V5、V6、V7間の通信が可能であり、第1通信方式を支援する第1通信装置が搭載された車両V1、V2と第1通信方式と第2通信方式をすべて支援する第3通信装置が搭載された車両V5、V6、V7間の通信が可能であり、第2通信方式を支援する第2通信装置が搭載された車両V3、V4と第1通信方式と第2通信方式をすべて支援する第3通信装置が搭載された車両V5、V6、V7間の通信が可能である。しかし、第1通信方式を支援する第1通信装置が搭載された車両V1、V2と第2通信方式を支援する第2通信装置が搭載された車両V3、V4間の通信が不可能である。
【0048】
これに伴い、互いに異なる通信方式を支援する通信装置が混在されたシステム内で、車両間の安全情報および運行情報が円滑に共有され難い問題がある。
【0049】
本発明の実施例では、このような問題を解決するために、第1通信方式と第2通信方式をすべて支援する第3通信装置が第1通信方式を支援する第1通信装置と第2通信方式を支援する第2通信装置間の通信を中継しようとする。
【0050】
図3は、本発明の実施例に係る車両間通信システム内通信装置のブロック図であり、図4は、本発明の実施例に係る通信装置内通信方法のフローチャートである。
【0051】
図3を参照すると、本発明の実施例に係る通信装置100は受信部110、送信部120および制御部130を含む。本発明の実施例に係る通信装置100は車両に搭載された通信装置であり得る。
【0052】
受信部110は外部端末からデータパケットを受信し、送信部120は外部端末にデータパケットを送信する。受信部110および送信部120はRF(radio frequency)モジュールと指称され得る。
【0053】
制御部140は通信装置110全般を制御する。制御部140は第1通信方式および第2通信方式をすべて支援する。これに伴い、通信装置100はハイブリッド通信装置と指称され得る。以下で、第1通信方式はDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式であり、第2通信方式はC-V2X(Cellular-V2X)方式であるものを例示して説明するが、これに制限されるものではなく、第1通信方式は第1 RAT(radio access technology)であり、第2通信方式は第1 RATと異種の第2 RATであり得る。
【0054】
本発明の実施例によると、通信装置100はカバレッジ管理部140をさらに含む。カバレッジ管理部140は通信装置100のカバレッジ情報を周期的にアップデートする。ここで、カバレッジは通信装置100の通信可能領域を意味し、カバレッジ情報はカバレッジ内端末リストおよび端末リスト内端末別に支援する通信方式情報を含む。
【0055】
図5および図6は、本発明の実施例に係るカバレッジ情報の例である。図5図6を参照すると、カバレッジ情報はテーブルの形態で管理され得、端末リストおよび端末リスト内端末別に支援する通信方式であるRAT情報を含む。ここで、端末は図1図2の第1通信装置、第2通信装置および第3通信装置を意味し得る。端末リストは端末IDまたは端末が搭載された車両またはRSUのIDであり得る。カバレッジ内にRSUが存在する場合、カバレッジ情報は図5のようにRSU情報を含むことができる。カバレッジ内にRSUが存在しない場合、カバレッジ情報は図6のようにRSU情報を含まないことがある。
【0056】
本発明の実施例によると、カバレッジ情報は端末リスト内端末別パラメータ情報をさらに含むこともできる。端末別パラメータ情報は端末別受信信号強度(Received Signal Strength Indicator、RSSI)情報、端末別負荷情報および端末別電力情報のうちの少なくとも一つを含むことができる。ここで、端末別負荷情報は端末別CPUの負荷情報を意味し、端末別電力情報は端末別最大電力(max_Power)情報を意味し得る。
【0057】
再び図3を参照すると、本発明の実施例によると、制御部130はカバレッジ管理部140のカバレッジ情報アップデート結果を利用してカバレッジ内端末間の通信を中継する。
【0058】
すなわち、端末リスト内の第1通信方式を支援できず、第2通信方式を支援できる端末が存在する場合、制御部130は第1通信方式を支援する第1データパケットを、第2通信方式を支援する第2データパケットに切り替える。例えば、端末リスト内DSRC方式を支援できず、C-V2X方式のみを支援できる端末が存在する場合、制御部130はDSRC方式を支援するデータパケットをC-V2Xを支援するデータパケットに切り替えることができる。これとは反対に、端末リスト内C-V2X方式を支援できず、DSRC方式のみを支援できる端末が存在する場合、制御部130はC-V2X方式を支援するデータパケットを、DSRC方式を支援するデータパケットに切り替えることができる。
【0059】
これに伴い、第1通信方式および第2通信方式をすべて支援するハイブリッド通信装置である本発明の実施例に係る通信装置100は、第1通信方式のみを支援する通信装置と第2通信方式のみを支援する第2通信装置間の通信を中継することができる。これに伴い、第1通信方式のみを支援する通信装置、第2通信方式のみを支援する通信装置および第1通信方式と第2通信方式をすべて支援する通信装置が混在する環境下で、迅速かつ円滑に通信がなされ得る。
【0060】
以下、本発明の実施例に係る通信装置の通信方法をさらに具体的に説明しようとする。
【0061】
図4を参照すると、通信装置100はカバレッジ情報を周期的にアップデートする(S400)。図5図6に図示された通り、カバレッジ情報はテーブルの形態で管理され得、端末リストおよび端末リスト内端末別に支援する通信方式であるRAT情報を含み、端末リスト内端末別パラメータ情報をさらに含むことができる。カバレッジ情報に関連して、図5図6を参照して説明した内容と同じ内容に対しては重複した説明を省略する。
【0062】
通信装置100がカバレッジ情報をアップデートする周期は予め設定された周期であり得る。または通信装置100がカバレッジ情報をアップデートする周期は動的に変わることもある。例えば、通信装置100が搭載された車両の速度、周辺車両の速度、通信装置100が搭載された車両の周辺交通量、通信装置100が搭載された車両の周辺ネットワーク環境などにより通信装置100がカバレッジ情報をアップデートする周期は動的に変わり得る。
【0063】
カバレッジ情報のアップデートはカバレッジ内端末との通信によって遂行され得る。例えば、カバレッジ内端末は端末IDまたは端末が搭載された車両やRSU IDおよび支援する通信方式情報を伝送することができる。カバレッジ内端末はパラメータ情報、例えば受信信号強度情報、負荷情報および電力情報のうちの少なくとも一つをさらに伝送してもよい。カバレッジ内端末がカバレッジ情報のアップデートのための情報を含むメッセージを周期的にブロードキャストすると、通信装置100はカバレッジ情報のアップデートのための情報を収集することができる。例えば、カバレッジ内端末のうちのC-V2X端末はSPS folwを周期的に伝送し、DSRC端末はtiming advertisementを周期的に伝送することができる。通信装置100はSPS folwまたはtiming advertisementを利用してカバレッジの情報をアップデートすることができる。図7は、カバレッジ情報のアップデートのための疑似コードの一例である。図7を参照すると、通信装置100はカバレッジ内端末別ID(V)、受信信号強度情報R、負荷情報C、電力情報Pを収集し、新しいID(V)が存在すると、該当ID(V)に対する受信信号強度情報R、負荷情報C、電力情報Pを保存することができる。
【0064】
次に、通信装置100は段階S400でアップデートしたカバレッジ情報を利用して端末リスト内アンカー(anchor)端末を選定する(S410)。本明細書で、アンカー端末は異種の通信方式を支援する互いに異なる通信装置間の通信を中継する端末を意味する。
【0065】
このために、通信装置100はまず、端末リスト内RSUが存在するかを検索する(S412)。端末リスト内RSUが存在すると、RSUがアンカー端末となるので、通信装置100は受信モードに切り替えられ得る(S420)。もし、カバレッジ情報をアップデートする前に通信装置100がアンカー端末の役割をしていた場合、新しいアンカー端末であるRSUがカバレッジ内に存在するので、通信装置100はアンカー端末の役割を中断することができる。図示してはいないが、通信装置100が受信モードに切り替えられる前、通信装置100はアンカー端末であるRSUにアンカー端末であることを知らせるメッセージを伝送してもよい。
【0066】
端末リスト内RSUが存在しないと、通信装置100は自身がアンカー端末であるかを判断する(S414)。アンカー端末は端末リスト内端末別受信信号強度情報、負荷情報および電力情報のうちの少なくとも一つを利用して選定され得る。図8は、アンカー端末の選定のための疑似コードの一例である。図8を参照すると、通信装置100は端末リスト内RSUが一つ以上である場合、受信信号強度情報R、負荷情報Cおよび電力情報Pを考慮して最適のアンカー端末を選定し、端末リスト内RSUが一つである場合、そのRSUをアンカー端末に選定する。
【0067】
通信装置100は端末リスト内RSUがない場合、端末リスト内ハイブリッド端末を検索し、ハイブリッド端末が一つ以上である場合、受信信号強度情報R、負荷情報Cおよび電力情報Pを考慮して最適のアンカー端末を選定する。例えば、通信装置100は受信信号強度が最も強いか、CPU負荷が最も低いか、最大電力が最も強い端末をアンカー端末に選定することができる。または通信装置100はアンカー端末を選定するために受信信号強度情報R、負荷情報Cおよび電力情報Pをすべて考慮するものの、受信信号強度情報R、負荷情報Cおよび電力情報Pそれぞれには互いに異なる加重値が設定され得る。
【0068】
ここで、ハイブリッド端末は第1通信方式および第2通信方式をすべて支援する端末であって、RSUに搭載された端末ではなく車両に搭載された端末を意味する。
【0069】
段階S414の判断結果、端末リスト内自身が最適のアンカー端末ではないと判断される場合、通信装置100は受信モードに切り替えられ得る(S420)。もし、カバレッジ情報をアップデートする前に通信装置100がアンカー端末の役割をしていたが、新しいアンカー端末が検索された場合、通信装置100はアンカー端末の役割を中断することができる。図示してはいないが、通信装置100が受信モードに切り替えられる前、通信装置100はアンカー端末にアンカー端末であることを知らせるメッセージを伝送してもよい。
【0070】
一方、通信装置100がアンカー端末である場合、通信装置100はアンカー端末の役割を遂行する。
【0071】
すなわち、通信装置100が第1通信方式を支援する第1データパケットを受信すると(S430)、通信装置100は端末リスト内の第1通信方式を支援できず、第1通信方式と異種の第2通信方式を支援できる端末が存在するかを検索する(S432)。例えば、通信装置100がDSRC方式を支援する第1データパケットを受信すると、端末リスト内DSRC方式を支援できず、C-V2X方式のみを支援できる端末が存在するかを検索する。端末リスト内すべての端末が第1通信方式を支援できる場合、通信装置100は受信モードに切り替えられるが(S420)、端末リスト内の第1通信方式と異種の第2通信方式のみを支援できる端末が存在する場合、通信装置100は第1データパケットを、第2通信方式を支援する第2データパケットに切り替え(S434)、第2データパケットを伝送する(S436)。
【0072】
例えば、通信装置100が第1データパケットを受信した場合、通信装置100は第1データパケットが第1通信方式によって支援されるデータパケットなのか、それとも第2通信方式によって支援されるデータパケットなのかを判断する。これはデータパケットのヘッダを通じて確認され得る。通信装置100が第1データパケットを第2データパケットに切り替えようとする場合、通信装置100は第1データパケットのペイロードを抜粋して第2データパケットに再生成することができる。このために、通信装置100は第1データパケットのペイロードをパーシングして第2データパケットにエンコーディングすることができる。
【0073】
図9は、本発明の実施例に係る通信装置100の通信方法を遂行するための疑似コードの一例である。図9を参照すると、通信装置100はカバレッジ内端末別ID(V)、受信信号強度情報R、負荷情報C、電力情報Pを周期的にアップデートし、アンカー端末を選定する。通信装置100がアンカー端末である場合、C-V2X方式によって支援されるデータパケットを受信したのであれば、カバレッジ内DSRC方式のみを支援する端末があるかを検索し、DSRC方式によって支援されるようにデータパケットを切り替えて伝送する。通信装置100がアンカー端末である場合、DSRC方式によって支援されるデータパケットを受信したのであれば、カバレッジ内C-V2X方式のみを支援する端末があるかを検索し、C-V2X方式によって支援されるようにデータパケットを切り替えて伝送する。
【0074】
一方、カバレッジ情報の周期的なアップデートにより、自身ではない新しいアンカー端末が存在すると判断されると、通信装置100は第1データパケットから第2データパケットへの切り替えを中断し、受信モードに切り替えられ得る。ここで、新しいアンカー端末は路側基地局または車両に搭載されたハイブリッド端末であり得る。
【0075】
図示してはいないが、新しいアンカー端末の出現により、アンカー端末の役割を遂行していた通信装置100がこれ以上アンカー端末の役割をしない場合、通信装置100は自身がこれ以上アンカー端末ではないことを知らせるメッセージをブロードキャストしてもよい。
【0076】
本発明の実施例によると、第1通信方式と第2通信方式を支援するハイブリッド端末が第1通信方式のみを支援する端末と第2通信方式のみを支援する端末間の通信を中継するので、道路内の車両間道路状況がリアルタイムで共有され得る。また、インフラの不足によりRSUがない環境でも第1通信方式および第2通信方式をすべて支援するハイブリッド端末がアンカーの役割を遂行することができる。
【0077】
本実施例で使われる「~部」は用語はソフトウェアまたはFPGA(field-programmable gate array)またはASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「~部」は何らかの役割を遂行する。しかし、「~部」はソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「~部」はアドレッシングできる保存媒体にあるように構成され得、一つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成され得る。したがって、一例として「~部」はソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシーザー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を含む。構成要素と「~部」の中で提供される機能はさらに小さい数の構成要素および「~部」で結合されたり追加的な構成要素と「~部」にさらに分離され得る。それだけでなく、構成要素および「~部」はデバイスまたはセキュリティマルチメディアカード内の一つまたはそれ以上のCPUを再生させるように具現され得る。
【0078】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】