IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イオス エナジー テクノロジー ホールディングス,エルエルシーの特許一覧

特表2024-545094密閉型静的バイポーラ電池並びにその製造及び組立方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】密閉型静的バイポーラ電池並びにその製造及び組立方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/227 20210101AFI20241128BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20241128BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20241128BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20241128BHJP
   H01M 4/70 20060101ALI20241128BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20241128BHJP
   H01M 50/193 20210101ALI20241128BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20241128BHJP
【FI】
H01M50/227
H01M4/66 A
H01M50/184 A
H01M50/289 101
H01M4/70 A
H01M50/296
H01M50/193
H01M50/103
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534006
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 US2022051794
(87)【国際公開番号】W WO2023107365
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/286,379
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524101043
【氏名又は名称】イオス エナジー テクノロジー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リッチー,フランシス,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ザムレタ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】プリチタ,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ヨセフ,キリル フェルナンデス,ロルドナタン
(72)【発明者】
【氏名】マニ,ヴァサンサン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H017
5H040
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011BB03
5H011CC02
5H011GG01
5H011GG08
5H011HH02
5H017BB03
5H017CC03
5H017EE06
5H017EE07
5H040AA03
5H040AT02
5H040AY10
5H040CC13
5H040CC33
5H040DD06
5H040LL01
5H040LL06
5H040LL07
(57)【要約】
非導電性エラストマー又は熱可塑性ハウジングを有する静的電池。電池ハウジングは、少なくとも1つのアノードアセンブリ、少なくとも1つのカソードアセンブリ及び少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリを受け入れるように適応される。少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリは、CPEシートとして形成される導電性プラスチック樹脂から形成される。バイポーラ電極を形成するため、炭素材料をCPEシートに密着させる。少なくとも1つのカソードアセンブリ、少なくとも1つのアノードアセンブリ及び少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリは、液体及び/又は気体シールが電極アセンブリ間に形成されるように電池ボックスに受け入れられる。電池ハウジングは、電極アセンブリが受け入れられるスロットを有する。電極アセンブリがハウジングに受け入れられると、電極アセンブリと電池ハウジングの協働によって、セルが形成される。次いで、臭化亜鉛などの電解液がセルに充填され、電池ボックスに蓋が被せられる。密閉された時点で、電池ボックスは、電池用の液密容器となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非導電性プラスチック材料から形成されたハウジングと、
端子カソードアセンブリと、
端子アノードアセンブリと、
シート状に形成された導電性プラスチック樹脂を含む少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリであって、前記導電性プラスチック樹脂の上には炭素材料が形成され、それにより、バイポーラ電極が形成される、少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリと
を含む、静的バイポーラ電池であって、
前記ハウジングが、隣接する電極アセンブリ間に液体シールが形成されるように、前記端子カソードアセンブリ、前記端子アノードアセンブリ及び前記少なくとも1つのバイポーラアセンブリを受け入れる、静的バイポーラ電池。
【請求項2】
第1の端子スロット、第2の端子スロット及び少なくとも1つの中間スロットを含む多数のスロットをさらに含む、請求項1に記載の静的バイポーラ電池であって、各スロットが、前記端子カソードアセンブリ、前記端子アノードアセンブリ及び1つのバイポーラ電極アセンブリのうちの1つを受け入れ、前記端子カソードアセンブリが、前記第1の端子スロット及び前記第2の端子スロットの一方に受け入れられ、前記アノードが、前記第1の端子スロット及び前記第2の端子スロットの他方に受け入れられる、静的バイポーラ電池。
【請求項3】
前記多数のスロットが、仕切りによって互いに切り離される、請求項1又は2に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項4】
前記ハウジングが、射出成形、押出、ブロー成形及び回転成形のうちの1つによって形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項5】
前記導電性プラスチック樹脂が、ポリオレフィン又はフルオロポリマーを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項6】
前記非導電性プラスチック材料が、1つ又は複数の非導電性ポリマーの混合複合材を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項7】
前記非導電性プラスチック材料が、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル又はポリフェニレンエーテルからなる群から選択される、請求項6に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリと接触する電解液を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項9】
前記電解液が、臭化亜鉛電解液である、請求項8に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項10】
前記導電性プラスチック樹脂が、炭素質導電性希釈剤と複合化される、請求項5に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項11】
前記炭素質導電性希釈剤が、金属又はグラファイトを含む、請求項10に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項12】
前記ポリオレフィン又はフルオロポリマーが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はフッ化ビニリデンのホモポリマー又はコポリマーを含む、請求項5又は10に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項13】
前記ポリマーが、導電性炭素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維又はそれらの組合せと複合化される、請求項12に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項14】
前記ポリマーが、構造フィラー、ガラス繊維、ガラスビーズ又はシリカフュームをさらに含む、請求項13に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項15】
前記炭素材料が、バインダと組み合わされたカーボンブラックである、請求項1に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項16】
前記炭素材料が、バインダと組み合わされる、請求項15に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項17】
前記バイポーラ電極アセンブリが、周囲サポートをさらに含む、請求項1に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項18】
前記周囲サポートが、少なくとも1つのシールを含む、請求項17に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項19】
前記周囲サポートが、補強アセンブリをさらに含む、請求項18に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項20】
前記補強アセンブリが、少なくとも1つのシール上に形成される、請求項19に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項21】
第2のシールが、前記補強アセンブリ上に形成される、請求項20に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項22】
前記アノードアセンブリ、前記カソードアセンブリ、又は前記アノード及びカソードアセンブリが、周囲サポートをさらに含む、請求項17~21のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項23】
前記周囲サポートが、隣接する電極アセンブリ間に形成される前記液体シールを形成するために前記ハウジングと協働する、請求項17~22のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項24】
前記アノードアセンブリが、金属集電体である、請求項1に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項25】
前記集電体が、パターン化集電体である、請求項24に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項26】
前記集電体が、導電性ポリマーで被覆される、請求項25に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項27】
前記アノードアセンブリ及び前記カソードアセンブリが、導電性プラスチック樹脂を含む、請求項1に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項28】
前記アノードアセンブリ及び前記カソードアセンブリが、前記導電性プラスチック樹脂内に埋め込まれ、そこから延びている、導電性金属端子を含む、請求項27に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項29】
前記金属端子が、チタン及びアルミニウムからなる群から選択される、請求項28に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項30】
前記シール材が、固体タイプ又は発泡タイプである、請求項18又は21に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項31】
静的バイポーラ電池を組み立てるための方法であって、
非導電性プラスチック製の電池ハウジングを提供することであって、前記電池ハウジングが、導電性プラスチック、端子アノードアセンブリ及び端子カソードアセンブリから形成される少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリを受け入れるように構成される、提供することと、
前記電池ハウジングのセルの間にシールを形成することであって、前記セルが、前記電極アセンブリと前記電池ハウジングの協働によって形成される、形成することと、
前記セルに電解液を充填することと、
前記電池ハウジングに蓋を被せることと、
前記蓋を密閉することと
を含む、方法。
【請求項32】
前記電池ハウジングが、多数のスロットを含み、各スロットが、その中に前記電極アセンブリの周囲部分を受け入れるように構成される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記電池ハウジング、前記多数のスロット及び前記電極アセンブリが、その間に液体シールを有する多数のセルを形成するために協働する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
炭素材料を導電性ポリマー電極に密着させる、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
シールが、前記導電性ポリマー電極の前記周囲にシール材を付着させることによって、前記導電性ポリマー電極の前記周囲に形成される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記シール材が、前記炭素材料を前記導電性ポリマー電極シートに密着させる前又は密着させた後に、前記導電性ポリマー電極の前記周囲に付着される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
補強材が、前記導電性ポリマー電極シートの前記周囲に前記シールと共に形成される、請求項35又は36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2021年12月6日に出願された米国仮特許出願第63/286,379号の利益及び優先権を主張し、同出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
[0002] 本発明は、バイポーラ電池用の多数の電極アセンブリを受け入れる電池ボックスに加えて、導電性プラスチック電極を有する静的バイポーラ電池に関する。バイポーラ電池は、亜鉛臭素バイポーラ電池であり得る。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] この発明は、電解液を含有する静的バイポーラ電池の密閉及び組立に関する固有の課題に対処し、それを低コスト及び高い製造スループットで実現する。歴史的には、バイポーラ電池スタックは、バイポーラスタックに対して望ましい数のセルを直列に接続することを繰り返す方法で、セル又はフレームの別々のモジュール式サブアセンブリを接合することによって組み立てられている。隣接するセル間や、セルと電池外部の環境との間の分離は両方とも、圧縮タイプシール、赤外線溶接、レーザ溶接、振動溶接又は接着タイプシールを含む、多様な接合方法を使用して達成される。この組立パラダイムでは、製造及び自動化の任意選択が制限され、外部に面するシールが原因で全体的な歩留まりが悪くなることがあり、一緒に組み立てられるモジュール部品の数が原因で単一のスタックの組立中に高レベルの工程管理及び公差を必要とする多くの連続サブ工程が発生してしまい、成形しなければならない又は別の方法で製造しなければならない複雑なモジュール部品が多数あることにより、電池のコストが増大する。それに加えて、上述の接合方法はすべて、典型的には、化学的、熱的及び機械的耐性を組立工程にもたらし得る剛性金属電極をフレーム内で使用することで完成する。
【0004】
[0004] 現在では、バイポーラ電池は、個々のセルを一緒に接合してバイポーラスタックを作成することによって、又は電極の周りに壁を構築して密閉型ボックスを作成することによって形成される。上述の通り、そのような組立方法は、非常に難易度が高く、高価である。導電性プラスチック電極に対して提案される他の設計では、フレーム又は電池ケーシングが導電性プラスチック電極と共に共射出成形されることが必要とされる。しかし、この技法における課題は、射出成形が可能な材料がごく一部であることを理由に、導電性プラスチック電極に使用できる材料が大幅に制限されることである。
【0005】
[0005] 歴史的には、バイポーラ電池の実装における最大の課題は、外部環境と隣接するセル間の内部環境の両方から個々のセルを密閉することに関連する。個々のセルが一緒に溶接される設計では、外部環境から電池を密閉するには、広い表面積にわたって強力な溶接を繰り返し行う必要があり、内部で隣接するセルを密閉するには、ガスケット又はシールが必要である。これらの密閉戦略は、製造上のばらつきが大きく、組立に時間がかかり、組立に大量の機器が必要であり得る。典型的には、最高の性能を有する導電性プラスチック電極材料は、プラスチックの量に対して導電性希釈剤の割合が高くなければならない。そのような導電性希釈剤は、典型的には、炭素、グラファイト、金属又は他の導電性材料を含有する。このような希釈剤の体積分率が低融点ポリマーに対して高い場合は、それらを一緒に溶接すること又は射出成形することが困難になる。従って、よりシンプル且つ安価なバイポーラ電池の構造及び構築方法が求められており、それらは、そのような電池を低コストで構築するために使用される材料や方法にも従順である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
[0006] 本開示の態様は、電極を収納する密閉型電池ハウジング(すなわち、本明細書では「電池ボックス」)及びその組立方法を提供する。電池ボックスは、非導電性エラストマー又は樹脂から形成される。非導電性電池ボックスは、例えば、射出成形、押出、ブロー成形、回転成形などの従来の技法を使用して形成することができる。バイポーラ電池ボックスの内部は、電極アセンブリ及び構造物(電池ボックスの内部に形成されるスロットなど)によって画定される電池セルの間に液体シールを提供する方法で電極アセンブリを受け入れるように構成される。電池ボックスを形成することができる。一態様では、電池ボックスは、電池ボックスの長さに沿って長手方向に延在する多数のスロットを含む。スロット(並びにその中に受け入れられる端子及びバイポーラ電極)は、電池ボックスに収納され、電池ボックスは、多数の長手方向壁、多数の短手方向壁、底壁及び上部を有する。各スロットは、仕切りによって、その近隣のスロットから少なくとも部分的に切り離される。一態様では、各仕切りは、電池(例えば、成形)ボックスの底部から上方向に及び成形ボックスの側面から内方向に延在する部分的な内壁である。仕切りによって画定されるスロットは、成形ボックスの上部より底部の方が狭くなるようなテーパ幅を有し得る。このテーパスロットは、テーパ電極アセンブリを受け入れ、テーパ電極アセンブリもまた、その上方部分よりもその下方部分の方が狭くなっている。テーパは、本明細書では、抜き勾配と呼ばれる。内部仕切りによって画定されるスロットの幅及び抜き勾配は、電極アセンブリの異なる厚さ、又は電極アセンブリによって形成される個別のセルの間の異なる密閉方法に対応するために変化させることができる。
【0007】
[0007] いくつかの態様では、電池ボックスは、電極アセンブリ及び他の電池コンポーネントをその中に受け入れるために内部が開かれた非導電性複合樹脂から構成される一体(すなわち、成形)ボックスである。仕切り(存在する場合)もまた、非導電性複合樹脂から形成され、電池ボックスと共に成形することも、電池組立の間に電池ボックスに挿入する(例えば、溶接する)こともできる。非導電性樹脂は、1つ又は複数の非導電性ポリマーの混合複合材であり、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル若しくはポリフェニレンエーテル、又は電池デバイスで使用される電解液と化学的に互換性のある他の任意の適切な熱可塑性材料を含み得る。材料は、構造フィラー(ガラス繊維、ガラスビーズ若しくはシリカフュームを含む)、着色材料(カーボンブラック若しくはチタニアを含む)又は難燃剤とさらに複合化することができる。いくつかの態様では、電池ボックスは、射出成形又は機械加工することができる。いくつかの態様では、非導電性複合樹脂は、多層被覆製品であり得る。それらの態様では、電池ボックス基板又は基部は、熱可塑性である必要はない。
【0008】
[0008] 電池ボックスは、端子電極アセンブリ(すなわち、アノード及びカソード)並びに少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリを収納する。一態様では、少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリは、導電性複合樹脂から構築されたコンポーネントを有する。導電性複合樹脂は、導電性希釈剤(例えば、金属、グラファイトなど)と複合化されたポリオレフィン又はフルオロポリマーなどのポリマーである。一態様では、ポリマーは、好ましくは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はポリフッ化ビニリデンのホモポリマー又はコポリマーであり、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維又はそれらの組合せなどの導電性炭素と複合化される。また、複合材は、ガラス繊維、ガラスビーズ又はシリカフュームなどの構造フィラーも含み得る。導電性複合樹脂を形成するための組成物及び材料混合方法については、参照により本明細書に組み込まれるHsue C. Tsien(ExxonMobil Research and Engineering Co.、出願人)の米国特許第4,169,816号及びTekkanat、Bora等の(Johnson Controls Battery Group, Inc、譲受人)の米国特許第5,173,362号において説明されている。上記文献で説明される電池用の電極アセンブリにおける使用に適した導電性複合樹脂は、約10ohm-cm未満の固有体積抵抗率を有する。一態様では、固有抵抗率は、約1ohm-cm未満である。本明細書で使用される場合、「約」は、各寸法又は値にばらつきがあること、及びそのような寸法又は値が記載される値又は寸法から約5パーセントの誤差があることを伝える。本明細書で説明される電極アセンブリの態様では、導電性複合樹脂は、電極板を形成するために使用される。別の態様では、バイポーラ電極は、金属又は半導体(すなわち、非被覆)を含む。適切な金属の例は、これらに限定されないが、チタン、アルミニウム又は他の適切な金属を含む。適切な半導体の例は、これらに限定されないが、炭化チタン(TiC)、炭化ケイ素(SiC)又は他のそのような材料を含む。
【0009】
[0009] また、電極アセンブリは、導電性複合樹脂と接触する導電性材料も含み得る。適切な導電性材料は、電解液の存在下で実質的に不活性な、臭素種(例えば、臭素溶液又は臭化物溶液)を可逆的に吸収することができる炭素を含む。
【0010】
[0010] いくつかの態様では、仕切りは、第1の部分、第2の部分及び第3の部分を有するように構成される。第1の部分は、電池ボックスの第1の側壁に沿って延在し、第2の部分は、電池ボックスの底部に沿って延在し、第3の部分は、電池ボックスの反対側の壁に沿って延在する。上述の通り、仕切りは、電極アセンブリを受け入れるスロットを互いに切り離す。
【0011】
[0011] バイポーラ電池成形ボックスは、多数の電極アセンブリを収納し、電池ボックスの長手方向壁に最も近い2つの端子電極アセンブリを含み、その一方は、端子アノード電極アセンブリであり、他方は、端子カソード電極アセンブリである。端子電極アセンブリを収納するスロットの間に位置する個々のスロットによって受け入れられる1つ又は複数の電極アセンブリは、1つ又は複数のバイポーラ電極アセンブリである。各電極アセンブリは、別個のスロットに受け入れられる。いくつかの態様では、スロットの分離は、電極アセンブリ自体によって提供される。電極アセンブリは、シールを形成するために、電極アセンブリの周囲に延在する周囲サポートを有することも、スロット間の気体/液体シールを形成するために、仕切り、スロット及び/又は電池ボックスの壁と協働することもできる。電池ボックスが組み立てられ、スロットに電解液が充填されると、スロットは電池セルとなる。
【0012】
[0012] 端子電極アセンブリは、導電性複合樹脂、導電性複合樹脂に封入された金属若しくは半導体、又は金属若しくは半導体(すなわち、非被覆)から形成することができる集電体を有する。適切な金属の例は、チタン、アルミニウム又は他の適切な金属を含む。適切な半導体の例は、炭化チタン(TiC)、炭化ケイ素(SiC)又は他のそのような材料を含む。集電体は、多様な構成を有し得る。どのような構成を選択しても、集電体を電池ボックスの端子スロット内に受け入れ、電池ボックスの端子電気化学セルを形成することができる。
【0013】
[0013] いくつかの態様では、各バイポーラ電極は、導電性プラスチック樹脂から形成された電極である、本明細書で説明される導電性複合樹脂から形成された導電性複合ポリマー電極(以下、「CPE」)シートを含み得る。いくつかの態様では、CPEシートには、炭素材料が取り付けられる。一態様では、炭素材料は、炭素フェルトである。
【0014】
[0014] いくつかの態様では、本明細書で説明される電極アセンブリは、周囲サポートによって密閉することができる。一態様では、炭素材料を担持するCPEシートは、2つの周囲サポートの間に挟まれている。さらなる態様では、周囲サポートは、セル間の密閉を提供するためにCPEシートの周囲全体を密閉するオーバーモールド成形ガスケットであり得る。そのような周囲サポートは、電極アセンブリが配置されるスロットの内容物(すなわち、電極アセンブリが配置されるスロットに加えられる電解液)を密閉することに加えて、電極アセンブリを機械的にサポートする。
【0015】
[0015] 上述の通り、いくつかの態様では、バイポーラ電極アセンブリは、CPEシートの2つの面の一方に炭素材料片を接合させることで構成することができる。この接合は、CPEシートと炭素材料片を一緒に高温でバキュームフォームするか又は別の方法で圧着させることを必然的に伴う。しかし、炭素材料の周りに導電性樹脂を射出成形するなど、他の組立方法も可能である。
【0016】
[0016] 本明細書では、非導電性プラスチックから形成されたハウジングを有する電池を組み立てる方法について説明する。従って、ハウジングは、3D印刷、溶接などの他の技法から成形又は形成することができる。電池ボックスは、電極アセンブリを受け入れるためのスロットを有するように組み立てられる。一態様では、電極アセンブリは、導電性炭素材料(一態様では、炭素フェルトとして形成された炭素材料)を担持するCPEシートを組み立てることによって形成される。
【0017】
[0017] 電極アセンブリは、各スロットが他のスロットから密閉されるように(電解液が電池セルの間を移動することを軽減するか又は防ぐため)、多様な異なる方法で電池ボックスに形成及び配置することができる。一態様では、電池ボックスは、電極アセンブリの周囲サポートをその間に受け入れるように寸法決定された仕切りを有する。周囲サポート自体は、CPEシートの周囲にオーバーモールド成形することができるが、CPEシートが担持する炭素材料(例えば、炭素フェルト)は、オーバーモールド成形されない。一態様では、周囲サポートは、CPEシートの周囲の両側でCPEシートに嵌合されるフレームである。一態様では、周囲サポートは、内側シール材を有し、その上に補強インサートとして形成された周囲サポートがあり、その部分上に外側シール材を付着させる。別の態様では、仕切りは、補強インサートを受け入れる。補強インサートは、CPEシートの周囲に配置されたシール材との間でシールを形成する。本明細書で使用される場合、補強インサートは、本明細書で説明される周囲サポートの一態様である。
【0018】
[0018] 電極アセンブリが電池ボックスによって受け入れられた時点で、電極アセンブリによって単独で又は電池ボックス内の他の構造物(例えば、スロット、仕切りなど)と組み合わせて画定されたセルに電解液が加えられ、電池ボックスに蓋が被せられる。蓋は、溶接、熱成形、接着剤などの任意の従来の方法によって、電池ボックスに密着させることができる。
【0019】
図面の簡単な説明
[0019] 本明細書で説明される図面は、選択された構成の単なる例示を目的とするものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】[0020]本明細書で説明されるバイポーラ電池アセンブリの一態様による、成形電池ボックスの斜視図である。
図1B】[0020]本明細書で説明されるバイポーラ電池アセンブリの一態様による、成形電池ボックスの斜視図である。
図2】[0021]本説明の一態様による、組み立てられたバイポーラ電池ボックスの断面図である。
図3A】[0022]本説明の一態様による、電池ボックスと1つのバイポーラ電極アセンブリの分解図である。
図3B】[0022]本説明の一態様による、アノード電極アセンブリ、カソード電極アセンブリ及びその間に配置された多数のバイポーラ電極アセンブリを有する組み立てられた電池ボックスの斜視図である。
図4】[0023]成形電池ボックスにおけるテーパスロットによって受け入れられているテーパプロファイルを有するバイポーラ電極の概略図である。
図5A】[0024]周囲サポートと共に組み立てられた電極を示す。
図5B】[0024]周囲サポートと共に組み立てられた電極を示す。
図6A】[0025]本明細書で説明される電池ボックスの別の態様による、バイポーラ電極アセンブリを示す。
図6B】[0025]本明細書で説明される電池ボックスの別の態様による、バイポーラ電極アセンブリを示す。
図6C】[0025]本明細書で説明される電池ボックスの別の態様による、バイポーラ電極アセンブリを示す。
図7A】[0026]本明細書で説明される端子アノード電極の一態様を示す。
図7B】[0026]本明細書で説明される端子カソード電極の一態様を示す。
図8】[0027]本明細書で説明される電池ボックスの一態様による、CPEシート及びそれに密着させた炭素フェルトを示す。
図9】[0028]金属集電材シートの一態様の図である。
図10A】[0029]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図10B】[0029]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図10C】[0029]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図10D】[0029]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図10E】[0029]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図11】[0030]本明細書で説明される電池ボックスの別の態様の断面を示し、電池ボックスは補強シートなしで組み立てられている。
図12A】[0031]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図12B】[0031]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図12C】[0031]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図13A】[0032]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図13B】[0032]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図13C】[0032]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図13D】[0032]本明細書で説明されるバイポーラ電極アセンブリの別の態様を示す。
図14】[0033]その中にバイポーラ電極アセンブリを受け入れるための異なる補強構造を有する、本明細書で説明される組み立てられた電池ボックスの一部分の切断詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
[0034] 図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。図面では、同様の参照番号は、同様の又は同一の要素を識別する。開示される実施形態は、本開示の単なる例であり、様々な形態で具体化できることを理解されたい。本開示を不必要に曖昧にすることを避けるため、周知の機能又は構造については、詳細には説明しない。従って、本明細書で開示される特定の構造上及び機能上の詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び実質的に任意の適切な詳細構造で本開示を多様に採用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0022】
I.定義
[0035] 本明細書で使用される用語は、特定の例示的な構成を説明することのみを目的とするものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形の冠詞「a」、「an」及び「the」は、文脈で明確に示されない限り、複数形も含むことが意図され得る。「含む(「comprises」、「comprising」、「including」)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であり、従って、フィーチャ、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、1つ又は複数の他のフィーチャ、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。本明細書で説明される方法ステップ、工程及び動作は、実行順序として具体的に特定されない限り、論じられる又は示される特定の順序で実行されることを必ずしも必要とするとは解釈されない。追加の又は代替のステップを採用することもできる。
【0023】
[0036] ある要素又は層が、別の要素又は層「の上にある」、「に係合されている」、「に接続されている」、「に接合されている」又は「に結合されている」と称される場合は、それは、他の要素又は層の直上にある、他の要素又は層に直接係合されている、直接接続されている、直接接合されている又は直接結合されている可能性も、介在する要素又は層が存在する可能性もある。対照的に、ある要素が別の要素又は層「の直上にある」、「に直接係合されている」、「に直接接続されている」、「に直接接合されている」又は「に直接結合されている」と称される場合は、介在する要素又は層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も同様に解釈されるべきである(例えば、「間」対「直接間」、「隣接する」対「直接隣接する」など)。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、列挙された関連アイテムの1つ又は複数の任意の及びすべての組合せを含む。
【0024】
[0037] 第1、第2、第3などの用語は、本明細書では、様々な要素、コンポーネント、領域、層及び/又はセクションを説明するために使用することができる。これらの要素、コンポーネント、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、コンポーネント、領域、層又はセクションを別の領域、層又はセクションから区別するためにのみ使用することができる。「第1」、「第2」及び他の数値用語は、文脈によって明確に示されない限り、順序又は順番を意味するものではない。従って、以下で論じられる第1の要素、コンポーネント、領域、層又はセクションは、例示的な構成の教示から逸脱しない範囲で、第2の要素、コンポーネント、領域、層又はセクションと呼ぶことができる。
【0025】
[0038] 上方、下方、上、下、右、左などの用語は、本明細書では、他の要素に対する様々な要素の位置を説明するために使用することができる。これらの用語は、例示的な構成における要素の位置を表す。しかし、本開示から逸脱しない範囲で、フレームアセンブリを空間内で回転できることが当業者には明らかであり、従って、これらの用語は、本開示の範囲を限定するために使用されるべきではない。
【0026】
[0039] 本明細書で使用される場合、「電池」という用語は、少なくとも1つの電気化学セルを含む蓄電デバイスを包含する。
【0027】
[0040] 本明細書で使用される場合、「電気化学セル」又は「セル」という用語は、化学反応から電気エネルギーを生成するか又は電気エネルギーの導入によって化学反応を促進することができるデバイスを指すために互換的に使用される。
【0028】
[0041] 本明細書で使用される場合、「電解質」は、イオン伝導性媒体として挙動する物質を指す。例えば、電解質は、セル内の電子及び陽イオンの可動化を促進する。電解質は、ハロゲン化金属塩(例えば、ZnBr、ZnCl又は同様のもの)の水溶液などの物質の混合物を含む。
【0029】
[0042] 本明細書で使用される場合、「電極」という用語は、回路の非金属部分(例えば、半導体、電解質又は真空)と接触させるために使用される導電体を指す。また、電極は、アノード又はカソードを指す場合もある。
【0030】
[0043] 本明細書で使用される場合、「アノード」という用語は、電池の放電段階で電子が流れ出る負極を指す。また、アノードは、放電段階で化学的酸化を受ける電極でもある。しかし、再充電可能電池では、アノードは、電池の充電段階で化学的還元を受ける電極である。アノードは、例えば、導電性プラスチック又は複合材、金属(例えば、チタン若しくはアルミニウムなど)、金属酸化物、金属合金、金属複合材、半導体(例えば、TiC、SiC)或いは同様のものなど、導電性又は半導電性材料から形成される。
【0031】
[0044] 本明細書で使用される場合、「カソード」という用語は、電池の放電段階で電子が流れ込む正極を指す。また、カソードは、放電段階で化学的還元を受ける電極でもある。しかし、二次電池又は再充電可能電池では、カソードは、電池の充電段階で化学的酸化を受ける電極である。カソードは、例えば、導電性プラスチック又は複合材、金属(例えば、チタン若しくはアルミニウムなど)、金属酸化物、金属合金、金属複合材、半導体(例えば、TiC、SiC)或いは同様のものなど、導電性又は半導電性材料から形成される。
【0032】
[0045] 本明細書で使用される場合、「バイポーラ電極」という用語は、あるセルのアノードとして機能し、別のセルのカソードとして機能する電極を指す。例えば、電池スタックでは、バイポーラ電極は、あるセルではアノードとして機能し、直接隣接するセルではカソードとして機能する。いくつかの例では、バイポーラ電極は、カソード表面とアノード表面の2つの表面を含み、2つの表面は、導電性材料によって接続されている。例えば、バイポーラ電極板は、対向する表面を有し、一方の表面はアノード表面であり、他方の表面はカソード表面であり、導電性材料は、対向する表面間の板の厚さを有する。
【0033】
I.本明細書で説明されるバイポーラ電池アセンブリの態様
[0046] 本明細書では、導電性プラスチック電極、又は導電性プラスチックバイポーラ電極と金属端子電極の組合せを非導電性電池ボックスに配備した電池について説明する。導電性プラスチック材料製の電極については知られている。そのような材料は、金属電極よりも剛性は低いが、温度安定性ウィンドウは小さい。従って、従来の電池構造において導電性プラスチック電極が配備される場合は、従来の電池密閉手法は難易度が高い。本明細書では、一体成形ボックス内のスロットに電極を機械的に直接挿入して密閉し、その後、ボックス全体を蓋で密閉することによって、上記で列挙される課題を軽減する機械設計について説明する。この設計により、ボックスの成形又は他の製作の間の単一工程ステップの間に最終的な電池のフォームファクタ及びその関連耐性をほぼ確定することができ、起こり得る外部リーク経路の数を大幅に低減することができ、製造歩留まりが向上する。また、この手法は、電池ケーシングのコンポーネントの製造総数を低減することによって又はコンポーネントの材料特性に対する要件を緩和することによって、コストの削減や製造の簡略化も行うことができる。この設計では、隣接するセル間のバイポーラ電極の縁部を密閉することにのみ集中できるため、剛性金属電極の場合よりも高い柔軟性、より柔らかい導電性プラスチック電極、又は電池アセンブリにおける他のバイポーラ電極材料の使用も可能になる。これらの利点を総合すると、しばしば説明される他の設計と比較して、製造歩留まりの向上、製造の簡素化、及び電池の全体的なコストの削減が可能になる。
【0034】
[0047] 一態様では、本明細書では、成形ボックス内に少なくとも1つの電気化学セルを有する静的バイポーラ電池の設計及びそのような電池を組み立てるための方法について説明する。一態様では、バイポーラ電池は、亜鉛臭素電池である。個々のモジュール式フレーム及び電極を一緒に接合するというよりむしろ、電極を受け入れるように構成された一体成形ボックスに電極が挿入される。電極は、成形ボックスのスロットに直接挿入することも、周囲サポート(本明細書では「ウィンドウフレーム」としても説明される)に封入し、その後、成形ボックスに挿入することもできる。電極がボックスのスロットに直接挿入される場合は、液体ガスケット/接着剤を使用して密閉するか、又はボックスに直接接合することができる。最初に電極がプラスチック周囲サポートの中に封入される場合は、プラスチック周囲サポートにガスケット/接着剤を直接付着させることができ、バイポーラ又は封入された電極を有する周囲サポートが成形ボックスのスロットに受け入れられると、圧縮シールが達成される。成形ボックスのスロットは、抜き勾配を有し得、抜き勾配は、電極周囲が封入されている周囲サポートがスロットに押し込まれた際に、周囲サポートの周りにこのシールを作成する上で役立つ。抜き勾配は、熱形成工程でよく知られており、典型的には、成形工程の間の材料収縮に対応するために、約1度~約5度である。特定の態様では、周囲サポートには、補強材を組み込むことができる。他の態様では、補強サポートは、電極アセンブリから切り離される。他の態様では、組み立てられた電池ボックス内には、補強材は含まれない。
【0035】
[0048] 電池の個々のセルに電解液が充填された後、電極を含む成形ボックスの上部に蓋を溶接する(又は別の方法で接合する)ことができる。この設計により、すべての電極が成形ボックスに収められ、上部のみが密閉されているため、底部又は側面から電解液が漏れることがない(すなわち、電池ボックスの底部又は側面を通る潜在的なリーク経路がない)バイポーラ電池が作成される。それに加えて、この設計により、バイポーラ電池を組み立てるためにフレームと電極を一緒に接合する必要がある組立工程と比較して、効率的な製造工程も提供される。本明細書で説明される設計及び製造方法は、導電性プラスチック又は金属で形成することができる導電性プラスチックバイポーラ電極及び端子電極により適している。導電性プラスチック電極と互換性のないバイポーラ電池を組み立てるために接合工程を展開する他の設計及び方法。
【0036】
[0049] 導電性プラスチック電極の周縁部を機械的に封入し、次いで、それらを成形ボックスに機械的に挿入することは、導電性プラスチック電極を利用するバイポーラ電池を密閉して組み立てるための効率的且つ効果的な手法である。また、それにより、混合材料の電極(例えば、導電性プラスチックバイポーラ電極と金属端子電極)の使用も可能になる。また、それにより、他の方法では溶接又は共射出成形が困難な導電性プラスチック電極材料の使用も容易になり、導電性プラスチック電極に加える導電性希釈剤の使用範囲が広がる。これを受けて、導電性プラスチック電極の抵抗が減少し、バイポーラ電池のエネルギー効率が向上する。
【0037】
[0050] 本明細書では、亜鉛臭素電池について説明しているが、そのような説明は例示であり、限定するものではない。本明細書で説明される電池設計及び製造方法は、あらゆる静的バイポーラ電池化学において使用することができる。
【0038】
[0051] また、本明細書では、電池ボックスは、成形又は射出成形によって作成されるように説明されているが、電池ボックスは、機械加工、又は他の任意の適切な及び従来のプラスチック製品を製作するための技法によって製造することもできる。成形は、より高い製造スループットを有する低コストの方法である。
【0039】
[0052] また、圧縮シール、液体/硬化シール、オーバーモールド成形シール(電極自体へのオーバーモールド成形又はプラスチックウィンドウフレームへのオーバーモールド成形)を含めて、ボックス内に隣接するセルを密閉するための多くの代替の方法が存在する。本明細書で説明される電池ボックス及び方法は、本明細書で説明される特定のシールに限定されない。また、電池ボックス設計は導電性プラスチック電極と互換性を有するが、本明細書で説明される設計及び方法において、プラスチック又は導電性プラスチックを有するアセンブリにおいて全体的に又は一部として金属電極を使用することもできる。
【0040】
[0053] 上述の通り、隣接するセル間の電極の密閉は、ボックスのスロットの抜き勾配を使用した圧縮シール、事前硬化型ガスケットシールによって、又はボックスのスロットに挿入された電極の周りの所定の位置で硬化する液体タイプのシールでスロットの周りを密閉することによって達成される。
【0041】
[0054] 電極アセンブリを受け入れるボックス及びスロットには、複数の異なるサイズ及び形状がある。電池ボックス内に含めることができるセルの数及びその向きは、設計上の選択によるところが大きい。電池ボックスのバイポーラスタック内の端子電極と外部電気接触を行うための様々な方法が企図され、端子電極の向きも様々である。また、電極が挿入され、電解液が充填された後に、電池ボックスに蓋を取り付ける/密閉するための複数の様々な方法も企図される。ボックスの蓋に通気弁又は圧力開放弁を設けるための複数の様々な方法も企図される。複数の異なるフィーチャを蓋に追加し、出荷中、取扱中、操作中などに、あるセルから次のセルに電解液がこぼれたり、スロッシングしたりすることを防ぐことも企図される。また、電池ボックスに挿入する前(又はプラスチックウィンドウフレームに封入する前)に導電性プラスチックバイポーラ電極及び端子電極を組み立てるための複数の方法も企図される。また、電極をボックスに挿入する前に、炭素材料を導電性プラスチック電極に取り付けるための複数の方法も企図される。また、ボックスに挿入する前に、導電性プラスチック電極の表面を粗くして、金属メッキ(例えば、亜鉛メッキ)に適した状態にするための複数の方法も企図される。しかし、ここでは、例示的な態様で電池ボックスについて説明する。
【0042】
[0055] 以下で示されるように、電池ボックスは、図1に示されている。図2は、中間スロットに配置されたバイポーラ電極と、端部スロットに受け入れられた端子電極とを有する組み立てられた電池の断面である。図3A及び8は、フェルトが取り付けられた導電性プラスチックバイポーラ電極を示す。図3Bは、導電性プラスチックバイポーラ電極と、外部電気接続を提供するための端子タブを備える導電性プラスチック端子電極とを有する電池ボックスを示す。外部電気コネクタ/接続は、タブ、スタッド、ねじ込み金具、はんだ付け金具などの形態であり得る。当業者は、本明細書で使用できる多種にわたる外部電気コネクタ/接続について知っている。従って、本明細書では、外部電気コネクタ/接続について詳細に説明しない。図5A及び5Bは、本明細書で説明されるバイポーラ電池の一態様に従ってバイポーラ電極が組み立てられる方法を示す。
【0043】
[0056] 組み立てた後、電極アセンブリは、図2、3B及び11に示されるように、密閉され、電池ボックス内(仕切りによって画定されたスロット内)に配置される(図11の電池ボックスは補強プレートを含まない)。図5A、5B、6A~6C、10A~10E、12A~12C、13A~13Dは、CPEの周囲を周囲サポートで囲むことによって形成されている電極アセンブリを示す。図6は、補強周囲サポートを示す。図3Aは、成形電池ボックスに挿入されている電極アセンブリ(プラスチック周囲サポートを有する)を示す。図2及び11は、電池ボックスの蓋も示しており、外部電気接続用の導電性タブ、圧力調整安全弁及びスロッシュ防止(電極に含まれない電解液用)を受け入れる蓋アセンブリの一態様が示されている。
【0044】
II.電池ボックス
[0057] 図1A及び1Bを参照すると、成形電池ボックス100が示されており、成形ボックス100は、多数の長手方向壁102で囲まれた、成形ボックス100の長さに沿って長手方向に延在する多数のスロット101を含む。本明細書で使用される場合、長さは、個々のセルを横切る方向であり、幅は、セルスタックの方向である。成形電池ボックスは、多数の短手方向壁(例えば、側壁)103、底壁104及び上部105も有する。各スロット101は、仕切り106によってその近隣のスロットから少なくとも部分的に切り離される。各仕切り106の長さは、成形ボックス100の長さに沿って長手方向に延在し、仕切り106の幅及び抜き勾配は、電極アセンブリの異なる厚さ、又は電極アセンブリによって形成される個別のセルの間の異なる密閉方法に対応するために変化させることができる。
【0045】
[0058] いくつかの実施形態では、仕切りは、第1の部分107(第1の側壁103の内側に沿って延在する)と、第2の部分108(底壁104に沿って延在する)と、第3の部分109(第2の反対側の側壁103の内側に沿って延在する)とを有する。第1の部分107と第3の部分109は、同じ又は同様の高さを有し、第2の部分108は、それより短いものであり得る。
【0046】
[0059] 図2を参照すると、多数の電極アセンブリ222を収納し、多数のスロット201を含む、バイポーラ電池成形ボックス200の断面図。長手方向壁202に最も近い2つの電極はそれぞれ、端子アノード電極(図示せず)及び端子カソード電極(図示せず)であり、他の電極アセンブリ222は、中間分割部分に配置されたバイポーラ電極である。電池ボックスは、非導電性複合樹脂から構成される非導電性のボックスのような構造である。例えば、非導電性樹脂は、1つ又は複数の非導電性ポリマーの混合複合材であり得、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド又はポリフェニレンエーテルを含み得る。材料は、構造フィラー(ガラス繊維、ガラスビーズ若しくはシリカフュームを含む)、着色材料(カーボンブラック若しくはチタニアを含む)又は難燃剤とさらに複合化することができる。いくつかの実施形態では、電池ボックスは、射出成形によって形成することも、機械加工することも、3D印刷することも、そのような構造を形成するための他の従来の方法によって形成することもできる。
【0047】
[0060] いくつかの態様では、トップカバー205は、電極アセンブリ222をスロットに挿入し、電解液をスロットに加えて電池セルを形成できるようにするため、最初は存在しない。蓋は、電池ケーシングを閉じるのに適切なサイズの非導電性樹脂の固体片であり得る。蓋は、外部端子及び/又は圧力調整ハードウェアを収容するための機械加工された穴を有し得る。蓋は、組み立てた後、シール材(例えば、圧縮シール、エラストマー、接着剤など)、赤外線、振動、レーザ又は他の公知のプラスチック溶接方法によって、電池ケーシング及び外部端子に密閉することができる。電池ボックスのシール材についてはよく知られており、本明細書では詳細に説明しない。適切なシール材は、密閉された電池ボックスから電解液や上部にできた空間の気体が漏れないように、液密/気密シールを提供する。電池の蓋は、セルへの電解液の充填を容易にするため又は電池内のセル間の液体の移動を緩和するための追加のフィーチャを含み得る。
【0048】
[0061] 図2を参照すると、電池ボックス200は、トップカバー205の気体チャネル290と、電池セルを形成するために電極アセンブリ222と結合させたスロットに電解液を導入するための充填ポート292とを含む。
【0049】
[0062] 図2に示される電池ボックスでは、中間電極アセンブリは、バイポーラ電極であり、端部アセンブリは、一方の端部は端子アノード電極であり、他方の端部は端子カソード電極である。バイポーラ電池成形ボックス200は、多数のスロット201を有し得る。各バイポーラ電極は、炭素材料(フェルト260)が取り付けられたCPEシート240を含み得る。また、CPEシートの周囲に機械剛性を提供するためにCPEシートの周囲に配置される補強インサート293又はアセンブリも提供される。
他の態様では、CPEシートに密着させる炭素材料は、カーボンブラックであり得、他の炉処理炭素から形成すること又は他の炉処理炭素を含むことが可能である。適切なカーボンブラック材料は、これらに限定されないが、Cabot Vulcan(登録商標)XC72R、Akzo-Nobel Ketjenblack EC600JD及び導電性炉処理カーボンブラックの他のマットブラック混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、炭素材料は、他の成分も含み得、これらに限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)バインダ及び脱イオン水を含む。例えば、炭素材料は、炭素材料の重量に対して50重量パーセント未満(例えば、約0.01重量パーセント~約30重量パーセント)の含水率を有する。いくつかの実施形態では、炭素材料は、PTFEを含む(例えば、炭素材料の重量に対して約0.5重量パーセント~約5重量パーセント)。
【0050】
[0063] 図3A及び3Bを参照すると、2つの異なる組立段階における、多数のスロット301を含むバイポーラ電池成形ボックス300の斜視図が示されている。図3Aは、バイポーラ電極アセンブリ324が1つのスロット301の上方に分解図で示されている成形電池ボックスを示す。図3Bは、各スロットが電極アセンブリで占められている成形電池ボックス300を示す。長手方向壁302に最も近い2つの電極アセンブリは、端子アノード電極343及び端子カソード電極342を含み、他の電極324は、バイポーラ電極である。端子アノード電極343は、1つ又は複数のCPEシート340と組み合わせることができる集電材シート(例えば、本明細書の他の場所で説明されるような金属)を含み得る(或いは導電性プラスチック樹脂に金属シートを埋め込むことができる)。示されるように、集電材シート342’、343’の一部分は、外部電気接続を可能にするために露出される。端子カソード電極342は、バイポーラ電極324で使用されるものと同様の方法で、その2つの面の一方に炭素材料フェルト360を取り付けることによって、端子アノード電極343とはさらに区別される。各電極は、一態様では、電極セル間を密閉するために、各CPEシートに対して2つの補強プレート382、384を含む任意選択の周囲サポート380内に密閉することや、オーバーモールド成形ガスケット326によって四方を囲むことができる。
【0051】
[0064] 上述の通り、電極アセンブリが電池ボックス内にぴったりと収まることは重要であり、ぴったりと収まることで、任意の周囲サポートによって提供される密閉性が向上し、電極アセンブリにさらなる機械的なサポートがもたらされる。図4は、仕切り406a及び406bを有するスロット401を示し、仕切り406a及び406bの各々は、スロット401の上部415がスロットの底部416よりも広くなるように、テーパプロファイルを有する。このテーパスロット401は、テーパ電極アセンブリ424を受け入れるものであり、テーパ電極アセンブリ424もまた、その上方部分433よりもその下方部分431の方が狭くなっている。テーパの協働により、スロット401は、電極アセンブリの任意の周囲サポートによって形成されるシールをさらに確実にするように、電極アセンブリを受け入れることができる。
【0052】
[0065] 図5A及び5Bは、CPEシート540及び周囲サポート522を有する基本的な電極アセンブリ500を示す。炭素材料560のシートは、CPEシート540の2つの面の一方に配置される。図から分かるように、炭素材料は、周囲サポート522によって画定される周囲内に収まる。周囲サポートは、オーバーモールド成形又は射出成形などの従来の技法を使用して、CPEシートに付着させることができる。典型的には、炭素材料560のシートは、CPEシート540の周囲に周囲サポート522を形成する前又は形成した後に、CPEシートに密着させる。炭素材料のシートは、バキュームフォーム、又はCPEシートと炭素材料片とを高温で圧着するための他の公知の工程を使用して、CPEシートに密着させることができる。炭素材料の周りに導電性樹脂を射出成形するなど、他の組立方法も企図される。
【0053】
[0066] 図6A~6Cを参照すると、この示される態様では、周囲サポート622は、補強アセンブリとして提供されている。図6Aは、周囲サポート622を有する電極アセンブリ600の分解図である。図6Bは、周囲サポートをその上に載せた電極アセンブリ600の斜視図であり、図6Cは、図6Bの周囲サポートの詳細な断面である。この例では、補強アセンブリは、電極アセンブリ600(CPEシート640及びそれに密着させた炭素材料シート660を有する)の両面に位置する2つの部分619、620から組み立てられている。CPEシートの周囲には、シール材670がある。シール材は、CPEシートの周囲の所定の位置にオーバーモールド成形又は硬化させたエラストマー材料であり得る。2つの補強アセンブリ619、620は、一緒にスナップ結合するように構成されているが、これは必須要件ではない。補強アセンブリが所定の位置に配置された後、補強アセンブリ622と電極との間、及び補強アセンブリと電池ケーシング(図示せず)との間でシールが達成され得るように、別のシール671を補強アセンブリ622上に配置することができる。シール材は、圧縮によるシールであるが、圧縮を伴わないシールも企図される。内側及び外側シール材は、これらに限定されないが、電極CPEシート及び/又は補強アセンブリに機械的に固定又は接着される既に形成されたガスケット材料を含む、多くの異なる方法で組み込むことができる。一例として、電極アセンブリの縁部の周りのUチャネルタイプのガスケット、又は補強アセンブリの外面の平坦な若しくは丸みを帯びたガスケットがある。上述の通り、シールは、補強インサート又はCPEシートの所定の位置にオーバーモールド成形するか又はディスペンスして硬化させるエラストマー材料であり得る。
【0054】
[0067] 図7Aを参照すると、端子電極の一態様の図が示されている。端子電極は、金属製(例えば、チタン若しくはアルミニウム)、導電性プラスチック製又は半導体製(炭化チタン若しくは炭化ケイ素など)であり得る。また、端子電極は、これらの材料の複合材でもあり得る。示される態様では、端子アノード電極743アセンブリは、集電材料745の封入を介して形成され、集電材料745は、示されるように、1つ又は複数のCPEシート740に埋め込まれ、集電材料の一部分746は、外部電気接続を可能にするために露出される。前述の通り、外部電気コネクタ/接続は、タブ、スタッド、ねじ込み金具、はんだ付け金具などの形態であり得る。これは、圧縮成形、射出成形又は同様の技法を通じて達成することができる。集電材料は、端子電極内に延びるタブでも、図9に示される集電体などの大きな表面でもあり得る。周囲744は、非導電性シール744であり得る。
【0055】
[0068] 上述の通り、本明細書で説明される電池アセンブリは、アノード743及びカソード742を有する。アノードとカソードは、その構造において異なり、カソードは、導電性プラスチック電極(CPE)740に取り付けられた炭素材料760(例えば、炭素フェルト)を有する。図7Bは、そのような構造を示す。電極740への炭素材料の取り付けについては、本明細書の他の場所で論じられている。図7Bで企図される電極用の集電材料は、図7Aで説明される電極アセンブリに対するものと同じである。
【0056】
[0069] 図8を参照すると、周囲サポートのない電極アセンブリ800が示されている。示されるような電極アセンブリは、炭素フェルト860をその上に配置して取り付けることができるCPEシート840である。CPEシート840は、突出した周囲844を有する。炭素フェルト860は、炭素フェルト860が占めるエリアに衝突しないように突出した周囲に周囲サポートを形成できるように、CPEシート840上に構成されている。示されるように、いくつかの態様では、CPEシート840は、丸みを帯びた角を有する。いくつかの態様では、炭素フェルト860は、CPEシーと同じ又は同様の丸みを帯びた角を有し得る。
【0057】
[0070] いくつかの実施形態では、CPEシート840は、押出、射出成形又は同様のポリマー処理方法を介して、0.02~0.1インチの範囲の厚さを有するスタンドアロンシートに樹脂を熱処理することにより、複合ペレットをさらに処理することによって作成することができる。シートへの処理後の材料の空隙率は、約0~約40%の範囲であり得るが、10%未満であることが好ましい。
【0058】
[0071] 図9は、集電材シートの一例を示す。集電材料は、端子電極上の長い長さ方向の電流分布や、端子電極アセンブリの電池外部への外部接続を提供する。材料は金属シートであり、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、合金、又は他の導電性金属材料製でもよい。シート942は、穴を開けることも、拡大して穴パターン944を形成することもできる。穿孔により、集電材料が導電性プラスチック材料に埋め込まれた際に、ポリマーは、それらの穴に入ることができる。タブ状の突出部946は、電池外部との電気接続を形成するために使用することができる。タブ状の突出部は、集電材料に溶接することも、集電材料から一体成形することもできる。
【0059】
[0072] 本明細書で説明される電池ボックスで使用するための集電体は、被覆しても被覆しなくともよく、金属製又は導電性プラスチック製であり得る。一態様では、集電体は、CPEシートから製作される。別の態様では、集電体は、被覆された金属集電体であり、その中の開口部のパターンにより、被覆材が集電体中を流れ、よりしっかりと集電体をプラスチックに埋め込むことができる。別の態様では、集電体は、パターンのない金属シートであり得る。
【0060】
[0073] 図10A~10Eは、図6A~6Cで説明されるアセンブリの代替の形態である電極及び補強アセンブリを示す。周囲サポート(補強アセンブリ1022)は、CPEシート1040の周囲に配置されたシール1070上に射出成形することによって形成される。炭素材料1060(例えば、炭素フェルト)は、補強アセンブリ1022がCPEシート1040の周囲に形成される前又は形成された後に、CPEシート1040に密着させることができる。シール1070は、CPEシートの両面に配置されることに留意されたい。図10D~10Eに示されるように、オーバーモールド成形補強アセンブリ1022上には、第2のシール1071が配置される。オーバーモールド成形補強アセンブリは、第2のシール1071を受け入れるための溝1072を有し得る。
【0061】
[0074] 図11は、本明細書で説明される電池ボックス1100の代替の態様を示す組み立てられたバイポーラ電池の切断図である。この態様では、電池ボックス1100は、補強アセンブリのないバイポーラ電極アセンブリ1121を受け入れている。図2に示されるものと同様に、電池ボックス1100は、側壁1102、蓋1105及びヘッドスペース1190を有する。電極端子1108及び1109は、電池ボックスの内部のアノード1143及びカソード1142アセンブリから蓋1105の上方に延びている。バイポーラ電極アセンブリは、CPEシート1140を有し、CPEシート1140には、カソード1142と同様に、炭素材料1160(例えば、炭素フェルト)が取り付けられる。スロット1101は、CPEシート1140を受け入れるように構成され、電池ボックス1100の底部1104に形成される。バイポーラ電極を含む個々のセル間のシールは、電極アセンブリの端部と内壁(図示せず)との間にシール材を配置することによって達成することができる。この態様では、シール材と組み合わせたCPEシートは、電池セルの仕切りとして役立つ。
【0062】
[0075] 図12A~12Cは、本明細書で説明される電池ボックスで使用するための電極アセンブリの別の態様を示す。この態様では、電極アセンブリ1200は、射出成形補強インサート1222を用いて組み立てられる。補強インサートは、非導電性樹脂製又は導電性複合樹脂製であり得る。補強アセンブリは、電極アセンブリの平坦性を促進する及び/又はシール材を圧縮する。
【0063】
[0076] 示されるように、2つの補強インサート1222’及び1222”が提供されている。しかし、補強インサートを1つだけ使用することも企図される。図12Aを参照すると、補強インサートは、CPEシート1240と、CPEシートに密着させた炭素材料(例えば、炭素フェルト)1260の層とを含む電極アセンブリ1200用の周囲サポートを形成するために、一緒にスナップ結合される。図12Bには、一部の周囲1244に補強インサートを有する電極アセンブリ1200が示されている。図12Cは、補強インサート1222と共に形成されたシール1270及び1271を有する補強インサートの詳細切断面図である。シール材は、機械的に配置されたエラストマー、オーバーモールド成形エラストマー又は現場硬化型接着剤であり得る。シール材は、固体タイプ材料又は発泡タイプ材料であり得る。そのようなシールは、電極アセンブリと補強アセンブリとの間及び/又は補強インサートと電池ケーシングとの間の液密又は気密シールを実現するために使用することができる。補強インサート1222’及び1222”は、電池ボックスのスロット(101、図1)に受け入れることができ、電極アセンブリ全体(すなわち、その上に形成される周囲サポート及びあらゆる関連シールを有する電極)で単一のサブアセンブリが形成され、その単一のサブアセンブリを、電池を組み立てる間に、電池ボックスのスロットに挿入することができる。図4を参照すると、電極アセンブリと電池ボックスのスロットは両方とも、テーパ状になっており、それにより、電池の組立が容易になる。
【0064】
[0077] 図13A~13Dは、補強シートとCPEシートが一緒に共射出成形される電極アセンブリを示す。本明細書で説明される他の組立方法と同様に、炭素材料(例えば、炭素フェルト)1360は、電極が完全に組み立てられる前又は組み立てられた後にCPEシートに密着させることができる。補強アセンブリ1322はCPEシート1340と共射出成形されるため、別個のシールを補強アセンブリに含める必要はない。図13A及び13Bに示されるように、補強アセンブリは、補強サポートによって封入されるCPEシート1340の部分をよりしっかりと保持するように成形することができる。補強サポート1222がCPEシートと共射出成形された後、図13Dに示されるように、シール材1370をアセンブリに付着させることができる。代替の形態として、導電性複合樹脂を使用した射出成形によって、アセンブリ全体(すなわち、電極と補強アセンブリ)を1つの単体構造として形成することができる。この場合もやはり、成形は、炭素材料を導電性複合樹脂材料に密着させる前又は密着させた後に実行することができる。組み立てた後、電極アセンブリ全体が電池ボックスのスロットに受け入れられ、周囲は、スロットの仕切りの間でぴったりと保持される。
【0065】
[0078] 図14は、使用できる別のタイプの補強材を示す。図14は、バイポーラ電極アセンブリが電池ボックス1400内に形成されるスロットに受け入れられている、電池ボックスの部分的な切断図である。図14は、補強材1422が電池ボックス1400の側面1404に形成されたスロット1401に受け入れられるような向きになっている。しかし、図14に示されるものは、1404が電池ボックスの底部であるような向きにすることもできる。図14に示される「C」字形の補強材1222は、一体形成され、電池ボックス1400の底部1404に形成されたスロット1401に嵌合する凸部分1423を有する。隣接する電極アセンブリ間のシールを形成する(すなわち、電池セルを互いに密閉する)ため、シール材1470を補強インサート1422の外面に付着させる。しかし、補強インサート1422と電池ボックス1400との間にはシールは形成されない。図14に記載されるように、電極アセンブリ(すなわち、炭素材料1460を密着させたCPEシート1440)は、補強インサート1422によってしっかりと保持され、隣接する電極アセンブリから切り離される。また、示されるように、CPEシート1440は、電池ボックス1400の側面又は底部1404に形成されたスロット1424に受け入れられる。
【0066】
[0079] また、静的バイポーラ電池を組み立てるための方法も企図される。本方法によれば、非導電性電池ハウジングが提供される。電池ハウジングは、導電性プラスチック、端子アノードアセンブリ及び端子カソードアセンブリから形成される少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリを受け入れるように構成される。任意選択により、電池ハウジングは、単一の電極アセンブリを受け入れるスロットを有する。電極アセンブリ、電池ボックス及びスロットは、組み立てられた静的バイポーラ電池の各電極アセンブリの密閉セルを形成するために協働する。任意選択により、バイポーラ電極は、導電性ポリマー電極シートを炭素材料に組み付けることによって形成される。任意選択により、シールは、導電性ポリマー電極シートの周囲に形成される。任意選択により、導電性ポリマー電極シートの周囲に形成されるシールは、補強インサートとして形成される。炭素材料は、バイポーラ電極アセンブリの周囲にシールが置かれる前か後に、導電性プラスチックシートに付着させることができる。電極アセンブリが組み立てられ、電池ハウジングに受け入れられた後、電極アセンブリ、電池ハウジング及びスロットの協働によって電池ハウジング内に形成されたセルに電解液が加えられる。ハウジング内のセルに電解液が加えられた後、蓋が被せられて密閉される。
【0067】
[0080] 本明細書では、非導電性プラスチック材料、端子カソードアセンブリ、端子アノードアセンブリ及び少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリから形成されるハウジングを有する静的バイポーラ電池であって、少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリが、シート状に形成された導電性プラスチック樹脂を含み、導電性プラスチック樹脂の上には炭素材料が形成され、それにより、バイポーラ電極が形成される、静的バイポーラ電池について説明する。一態様では、ハウジングは、隣接する電極アセンブリ間に液体シールが形成されるように、端子カソードアセンブリ、端子アノードアセンブリ及び少なくとも1つのバイポーラアセンブリを受け入れる。
【0068】
[0081] さらなる態様では、電池は、多数のスロットを有する。一態様では、第1の端子スロット、第2の端子スロット及び少なくとも1つの中間スロットが存在し、各スロットは、端子カソードアセンブリ、端子アノードアセンブリ及び1つのバイポーラ電極アセンブリのうちの1つを受け入れる。端子カソードアセンブリは、第1の端子スロット及び第2の端子スロットの一方に受け入れることができ、アノードは、第1の端子スロット及び第2の端子スロットの他方に受け入れることができる。上記の態様のいずれにおいても、多数のスロットは、仕切りによって互いに切り離される。
【0069】
[0082] 上記で説明される静的バイポーラ電池のハウジングは、射出成形、押出、ブロー成形及び回転成形のうちの1つによって形成することができる。上記で説明される静的バイポーラ電池の導電性プラスチック樹脂は、ポリオレフィン又はフルオロポリマーであり得る。上記で説明される静的バイポーラ電池の非導電性プラスチック材料は、1つ又は複数の非導電性ポリマーの混合複合材であり得る。
【0070】
[0083] 一態様では、静的バイポーラ電池の非導電性プラスチック材料は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル又はポリフェニレンエーテルからなる群から選択することができる。
【0071】
[0084] 上記の態様のいずれにおいても、静的バイポーラ電池は、少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリと接触する電解液を有し得る。さらなる態様では、電解液は、臭化亜鉛電解液であり得る。
【0072】
[0085] 一態様では、静的バイポーラ電池の導電性プラスチック樹脂は、炭素質導電性希釈剤と複合化することができる。さらなる態様では、炭素質導電性希釈剤は、金属又はグラファイトを含む。
【0073】
[0086] 上記の態様のいずれかの静的バイポーラ電池であって、ポリオレフィン又はフルオロポリマーが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はフッ化ビニリデンのホモポリマー又はコポリマーであり得る、静的バイポーラ電池。さらなる態様では、ポリマーは、導電性炭素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維又はそれらの組合せと複合化される。さらなる態様では、ポリマーは、任意選択により、構造フィラー、ガラス繊維、ガラスビーズ又はシリカフュームを有する。
【0074】
[0087] 上記の態様のいずれにおいても、静的バイポーラ電池の炭素材料は、バインダと組み合わせることができ、バインダと組み合わされたカーボンブラックであり得る。
【0075】
[0088] 上記の態様のいずれにおいても、バイポーラ電極アセンブリは、シール及び/又は補強アセンブリの少なくとも1つを任意選択により有する周囲サポートを有し得る。さらなる態様では、補強アセンブリは、少なくとも1つのシール上に形成することができる。さらなる態様では、第2のシールは、補強アセンブリ上に形成することができる。
【0076】
[0089] 上記の態様のいずれかの静的バイポーラ電池であって、アノードアセンブリ、カソードアセンブリ、並びにアノード及びカソードアセンブリの少なくとも1つが、周囲サポートを有し得る、静的バイポーラ電池。これらの態様によれば、周囲サポートは、隣接する電極アセンブリ間に形成される液体シールを形成するためにハウジングと協働することができる。
【0077】
[0090] 上記の態様のいずれにおいても、静的バイポーラ電池のアノードは、金属集電体であり得る。さらなる態様では、集電体は、パターン化集電体である。さらなる態様では、集電体は、導電性ポリマーで被覆することができる。
【0078】
[0091] 上記の態様のいずれにおいても、アノードアセンブリ及びカソードアセンブリは、導電性プラスチック樹脂製であり得る。さらなる態様では、アノードアセンブリ及びカソードアセンブリは、導電性プラスチック樹脂内に埋め込まれ、そこから延びている、導電性金属端子であり得る。さらなる態様では、金属端子は、チタン又はアルミニウム製であり得る。
【0079】
[0092] また、本明細書では、静的バイポーラ電池を組み立てるための方法についても説明している。本方法によれば、非導電性プラスチック製の電池ハウジングが提供され得、電池ハウジングは、導電性プラスチック、端子アノードアセンブリ及び端子カソードアセンブリから形成される少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリを受け入れるように構成される。シールは、電池ハウジングのセルの間に形成され、セルは、電極アセンブリと電池ハウジングの協働によって形成することができる。次いで、セルに電解液が充填され、その後、電池ハウジングに蓋が被せられ、その後、蓋が密閉される。さらなる態様では、電池ハウジングは、多数のスロットを有し得、各スロットは、その中に電極アセンブリの周囲部分を受け入れるように構成される。方法の上記の態様のいずれかによれば、電池ボックス、多数のスロット及び電極アセンブリは、その間に液体シールを有する多数のセルを形成するために協働することができる。さらなる態様では、炭素材料を導電性ポリマー電極に密着させることができる。さらなる態様では、シールは、導電性ポリマー電極の周囲にシール材を付着させることによって、導電性ポリマー電極の周囲に形成される。さらなる態様では、シール材は、炭素材料を導電性ポリマー電極シートに密着させる前又は密着させた後に、導電性ポリマー電極の周囲に付着させることができる。
【0080】
[0093] 方法の上記の態様のいずれにおいても、補強材は、導電性ポリマー電極シートの周囲にシールと共に形成することができる。
【0081】
[0094] 37. シール材が、固体タイプ又は発泡タイプである、請求項18又は21に記載の静的バイポーラ電池。
【0082】
[0095] 以上から、また、様々な図面を参照することにより、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱しない範囲で、本開示をある程度変更できることが理解されよう。本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示がそれに限定されることは意図されず、本開示は当技術分野が許容する限り広い範囲であり、本明細書も同様に読まれることが意図される。従って、上記の説明は、限定的なものではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付される特許請求の範囲及び主旨の範囲内で、他の変更を想定するであろう。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
[0093] 方法の上記の態様のいずれにおいても、補強材は、導電性ポリマー電極の周囲にシールと共に形成することができ、シール材は、固体タイプ又は発泡タイプである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
[0095] 以上から、また、様々な図面を参照することにより、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱しない範囲で、本開示をある程度変更できることが理解されよう。本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示がそれに限定されることは意図されず、本開示は当技術分野が許容する限り広い範囲であり、本明細書も同様に読まれることが意図される。従って、上記の説明は、限定的なものではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付される特許請求の範囲及び主旨の範囲内で、他の変更を想定するであろう。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非導電性プラスチック材料から形成されたハウジングと、
端子カソードアセンブリと、
端子アノードアセンブリと、
シート状に形成された導電性プラスチック樹脂を含む少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリであって、前記導電性プラスチック樹脂の上には炭素材料が形成され、それにより、バイポーラ電極が形成される、少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリと
を含む、静的バイポーラ電池であって、
前記ハウジングが、隣接する電極アセンブリ間に液体シールが形成されるように、前記端子カソードアセンブリ、前記端子アノードアセンブリ及び前記少なくとも1つのバイポーラアセンブリを受け入れる、静的バイポーラ電池。
【請求項2】
第1の端子スロット、第2の端子スロット及び少なくとも1つの中間スロットを含む多数のスロットをさらに含む、請求項1に記載の静的バイポーラ電池であって、各スロットが、前記端子カソードアセンブリ、前記端子アノードアセンブリ及び1つのバイポーラ電極アセンブリのうちの1つを受け入れ、前記端子カソードアセンブリが、前記第1の端子スロット及び前記第2の端子スロットの一方に受け入れられ、前記アノードが、前記第1の端子スロット及び前記第2の端子スロットの他方に受け入れられる、静的バイポーラ電池。
【請求項3】
前記多数のスロットが、仕切りによって互いに切り離される、請求項1又は2に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項4】
前記ハウジングが、射出成形、押出、ブロー成形及び回転成形のうちの1つによって形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項5】
前記導電性プラスチック樹脂が、ポリオレフィン又はフルオロポリマーを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項6】
前記非導電性プラスチック材料が、1つ又は複数の非導電性ポリマーの混合複合材を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項7】
前記非導電性プラスチック材料が、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル又はポリフェニレンエーテルからなる群から選択される、請求項6に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリと接触する電解液を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項9】
前記電解液が、臭化亜鉛電解液である、請求項8に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項10】
前記導電性プラスチック樹脂が、炭素質導電性希釈剤と複合化される、請求項5に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項11】
前記炭素質導電性希釈剤が、金属又はグラファイトを含む、請求項10に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項12】
前記ポリオレフィン又はフルオロポリマーが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はフッ化ビニリデンのホモポリマー又はコポリマーを含む、請求項5又は10に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項13】
前記ポリマーが、導電性炭素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維又はそれらの組合せと複合化される、請求項12に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項14】
前記ポリマーが、構造フィラー、ガラス繊維、ガラスビーズ又はシリカフュームをさらに含む、請求項13に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項15】
前記炭素材料が、バインダと組み合わされたカーボンブラックである、請求項1に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項16】
前記炭素材料が、バインダと組み合わされる、請求項15に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項17】
前記バイポーラ電極アセンブリが、周囲サポートをさらに含む、請求項1に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項18】
前記周囲サポートが、少なくとも1つのシールを含む、請求項17に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項19】
前記周囲サポートが、補強アセンブリをさらに含む、請求項18に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項20】
前記補強アセンブリが、少なくとも1つのシール上に形成される、請求項19に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項21】
第2のシールが、前記補強アセンブリ上に形成される、請求項20に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項22】
前記アノードアセンブリ、前記カソードアセンブリ、又は前記アノード及びカソードアセンブリが、周囲サポートをさらに含む、請求項17~21のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項23】
前記周囲サポートが、隣接する電極アセンブリ間に形成される前記液体シールを形成するために前記ハウジングと協働する、請求項17~22のいずれか一項に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項24】
前記アノードアセンブリが、金属集電体である、請求項1に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項25】
前記集電体が、パターン化集電体である、請求項24に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項26】
前記集電体が、導電性ポリマーで被覆される、請求項25に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項27】
前記アノードアセンブリ及び前記カソードアセンブリが、導電性プラスチック樹脂を含む、請求項1に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項28】
前記アノードアセンブリ及び前記カソードアセンブリが、前記導電性プラスチック樹脂内に埋め込まれ、そこから延びている、導電性金属端子を含む、請求項27に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項29】
前記金属端子が、チタン及びアルミニウムからなる群から選択される、請求項28に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項30】
前記シール材が、固体タイプ又は発泡タイプである、請求項18又は21に記載の静的バイポーラ電池。
【請求項31】
静的バイポーラ電池を組み立てるための方法であって、
非導電性プラスチック製の電池ハウジングを提供することであって、前記電池ハウジングが、導電性プラスチック、端子アノードアセンブリ及び端子カソードアセンブリから形成される少なくとも1つのバイポーラ電極アセンブリを受け入れるように構成される、提供することと、
前記電池ハウジングのセルの間にシールを形成することであって、前記セルが、前記電極アセンブリと前記電池ハウジングの協働によって形成される、形成することと、
前記セルに電解液を充填することと、
前記電池ハウジングに蓋を被せることと、
前記蓋を密閉することと
を含む、方法。
【請求項32】
前記電池ハウジングが、多数のスロットを含み、各スロットが、その中に前記電極アセンブリの周囲部分を受け入れるように構成される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記電池ハウジング、前記多数のスロット及び前記電極アセンブリが、その間に液体シールを有する多数のセルを形成するために協働する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
炭素材料を導電性ポリマー電極に密着させる、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
シールが、前記導電性ポリマー電極の前記周囲にシール材を付着させることによって、前記導電性ポリマー電極の前記周囲に形成される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記シール材が、前記炭素材料を前記導電性ポリマー電極シートに密着させる前又は密着させた後に、前記導電性ポリマー電極の前記周囲に付着される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
補強材が、前記導電性ポリマー電極シートの前記周囲に前記シールと共に形成される、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
前記導電性プラスチック樹脂が、前記補強アセンブリに溶接される、請求項19に記載の静的バイポーラ電池。
【国際調査報告】