(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】管腔外画像データを使用した管腔内生理学的データと体腔の長手方向画像とのレジストレーション
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534024
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2022084684
(87)【国際公開番号】W WO2023104841
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(71)【出願人】
【識別番号】515122402
【氏名又は名称】フィリップス イメージ ガイディッド セラピー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】コーエン アシェル
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ぺイ‐イン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムシュトライド ロナルド クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】プライスレル エフラット
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD14
4C601EE11
4C601FE04
4C601JC15
4C601KK24
4C601KK31
4C601LL33
(57)【要約】
システムは、血管内撮像カテーテルからの血管内撮像データ、X線撮像デバイスからのX線画像、及び血管内圧力感知ガイドワイヤからの血管内圧力データを受信するプロセッサ回路を含む。プロセッサ回路は、血管内撮像データ及び血管内圧力データを、X線画像内に示された体腔に沿った位置に相関付ける。プロセッサ回路は、血管内撮像データに基づいて体腔の長手方向ビューを生成し、血管内圧力測定値に対応する重ね合わせられたグラフィカル表現を有する体腔の長手方向ビューを含む画面表示を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔内撮像デバイスと通信するプロセッサ回路と、管腔内生理学的測定デバイスとを含み、前記プロセッサ回路は、
前記管腔内撮像デバイスが患者の体腔を通って移動している間に前記管腔内撮像デバイスによって取得された複数の管腔内画像を受信し、
前記管腔内生理学的測定デバイスが前記体腔を通って移動している間に前記管腔内生理学的測定デバイスによって取得された複数の管腔内生理学的測定値を受信し、
前記複数の管腔内画像に基づいて前記体腔の長手方向ビューを生成し、
前記複数の管腔内生理学的測定値に基づいてグラフィカル表現を生成し、
前記プロセッサ回路と通信状態にあるディスプレイに、
前記体腔の前記長手方向ビューと、
前記長手方向ビューに重ね合わせられた前記グラフィカル表現と
を含む画面表示を出力する、システム。
【請求項2】
前記プロセッサ回路は、更に、
前記複数の管腔内画像を前記体腔に沿った第1の対応する位置にコレジストレーションし、
前記複数の管腔内生理学的測定値を前記体腔に沿った第2の対応する位置にコレジストレーションし、
前記グラフィカル表現は、前記複数の管腔内画像をコレジストレーションすること及び前記複数の管腔内生理学的測定値をコレジストレーションすることに基づいて前記長手方向ビューに重ね合わせられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記グラフィカル表現は、前記グラフィカル表現に沿った位置が前記長手方向ビューに沿った位置に対応するように前記長手方向ビューに重ね合わせられ、
前記グラフィカル表現に沿った前記位置及び前記長手方向ビューに沿った前記位置は、前記体腔に沿った同じ対応する位置を表す、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサ回路は、更に、
前記複数の管腔内画像をコレジストレーションすることに基づいて、前記管腔内撮像デバイスの前記移動の開始位置と、前記管腔内撮像デバイスの前記移動中に前記管腔内撮像デバイスが前記体腔に沿って進行した長さとを識別し、
前記生理学的測定デバイスの前記移動の開始位置と、前記生理学的測定デバイスの前記移動中に前記生理学的測定デバイスが前記体腔に沿って進行した長さとを識別し、
前記グラフィカル表現は、
前記管腔内撮像デバイスの前記移動の前記開始位置、
前記管腔内撮像デバイスが前記体腔に沿って進行した前記長さ、
前記生理学的測定デバイスの前記移動の前記開始位置、及び
前記生理学的測定デバイスが前記体腔に沿って進行した長さ
に基づいて長手方向ビューに重ね合わせられる、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサ回路は、更に、前記管腔内撮像デバイスの前記移動の前記開始位置と前記生理学的測定デバイスの前記移動の前記開始位置との間のオフセットを決定し、前記グラフィカル表現は、
前記オフセット、
前記管腔内撮像デバイスが前記体腔に沿って進行した前記長さ、及び
前記生理学的測定デバイスが前記体腔に沿って進行した前記長さ
に基づいて前記長手方向ビューに重ね合わせられる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサ回路は、更に、
前記複数の管腔内画像をコレジストレーションすることに基づいて、前記管腔内撮像デバイスの前記移動の開始位置、及び前記管腔内撮像デバイスの前記移動の終了位置を識別し、
前記生理学的測定デバイスの前記移動の開始位置、及び前記管腔内生理学的測定デバイスの前記移動の終了位置を識別し、
前記グラフィカル表現は、
前記管腔内撮像デバイスの前記移動の前記開始位置、
前記管腔内撮像デバイスの前記移動の前記終了位置、
前記生理学的測定デバイスの前記移動の前記開始位置、及び
前記管腔内生理学的測定デバイスの前記移動の前記終了位置
に基づいて前記長手方向ビューに重ね合わせられる、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記グラフィカル表現は、前記複数の管腔内生理学的測定値に基づくプロットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記管腔内生理学的測定デバイスは、血管内圧力測定デバイスを備え、
前記複数の管腔内生理学的測定値は、複数の血管内圧力測定値を含み、
前記プロセッサ回路は更に、前記複数の管腔内生理学的測定値を使用して複数の圧力比を算出し、
前記複数の管腔内生理学的測定値に基づく前記プロットは、前記複数の圧力比のプロットを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサ回路は、前記複数の管腔内生理学的測定値に基づいて更なるグラフィカル表現を生成し、
前記画面表示は、前記長手方向ビューに重ね合わせられた前記更なるグラフィカル表現を含み、
前記グラフィカル表現は、前記複数の管腔内生理学的測定値に基づく調整済みプロットを含み、
前記更なるグラフィカル表現は、前記複数の管腔内生理学的測定値に基づく未加工のプロットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記管腔内生理学的測定デバイスは、血管内圧力測定デバイスを備え、
前記複数の管腔内生理学的測定値は、複数の血管内圧力測定値を含み、
前記プロセッサ回路は更に、前記複数の管腔内生理学的測定値を使用して複数の圧力比を算出し、
前記グラフィカル表現は、前記複数の圧力比間の変化量を表す複数の形状を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサ回路は、前記プロセッサ回路と通信状態にあるユーザ入力デバイスから、前記長手方向ビューの一部分を選択するユーザ入力を受信し、
前記画面表示は、前記長手方向ビューに重ね合わせられた、前記長手方向ビューの前記一部分を識別する指標を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記体腔の前記長手方向ビューは、前記複数の管腔内画像を含む画像ベースの長手方向ビューを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサ回路は、前記複数の管腔内画像を使用して前記体腔に関連する複数の測定値を算出し、
前記体腔の前記長手方向ビューは、前記複数の測定値に基づく測定値ベースの長手方向ビューを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記画面表示は、
前記体腔の管腔外画像と、
前記管腔内撮像デバイスの前記移動中に前記管腔内撮像デバイスが進行した長さの指標であって、前記管腔内撮像デバイスが進行した前記長さの前記指標が前記管腔外画像に重ね合わせられる、指標と、
前記管腔内撮像デバイスの前記移動中に前記管腔内生理学的測定デバイスが進行した長さの指標であって、前記管腔内生理学的測定デバイスが進行した前記長さの前記指標が前記管腔外画像に重ね合わせられる、指標と
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記画面表示は、
前記体腔の管腔外画像と、
前記複数の管腔内画像のうちの1つの管腔内画像と
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記管腔内撮像デバイスと通信状態にあるプロセッサ回路が、前記管腔内撮像デバイスが患者の体腔を通って移動している間に前記管腔内撮像デバイスによって取得された複数の管腔内画像を受信するステップと、
前記プロセッサ回路が、前記管腔内生理学的測定デバイスが前記体腔を通って移動している間に前記管腔内生理学的測定デバイスによって取得された複数の管腔内生理学的測定値を受信するステップと、
前記プロセッサ回路が、前記複数の管腔内画像に基づいて前記体腔の長手方向ビューを生成するステップと、
前記プロセッサ回路が、前記複数の管腔内生理学的測定値に基づいてグラフィカル表現を生成するステップと、
前記プロセッサ回路と通信状態にあるディスプレイに、
前記体腔の前記長手方向ビューと、
前記長手方向ビューに重ね合わせられた前記グラフィカル表現と
を含む画面表示を出力するステップと
を有する、方法。
【請求項17】
血管内撮像カテーテルと、
圧力感知ガイドワイヤと、
前記血管内撮像カテーテル及び前記圧力感知ガイドワイヤと通信するプロセッサ回路と
を含み、前記プロセッサ回路は、
前記血管内撮像カテーテルが患者の血管を通って移動している間に前記血管内撮像カテーテルによって取得された複数の血管内画像を受信し、
前記圧力感知ガイドワイヤが前記血管を通って移動している間に前記圧力感知ガイドワイヤによって取得された複数の血管内圧力測定値を受信し、
前記複数の血管内画像に基づいて前記血管の長手方向ビューを生成し、
前記複数の血管内圧力測定値に基づいてグラフィカル表現を生成し、
前記プロセッサ回路と通信状態にあるディスプレイに、
前記血管の前記長手方向ビューと、
前記長手方向ビューに重ね合わせられた前記グラフィカル表現と
を含む画面表示を出力する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年12月11日に出願された米国仮特許出願第63/288,553号及び2021年12月22日に出願された米国仮特許出願第63/292,529号に対する優先権並びに利益を主張するものであり、これらの出願はそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、一般に、異なる医療診断モダリティからのデータをコレジストレーションすることに関する。詳細には、生理学的データ、血管内撮像データ、及びX線データがトリレジストレーションされ、生理学的データは血管内データの長手方向ビューに重ね合わせられる。
【背景技術】
【0003】
[0003] 医師は、患者の健康状態を監視し、病状を診断するために、多くの様々な医療診断システム及び医療診断ツールを使用する。医療診断システムの様々なモダリティは、患者の内部構造に関する様々な画像、モデル、及び/又はデータを医師に提供する。これらのモダリティは、血管内システムなどの侵襲的なデバイス及びシステム、並びにX線システム及びコンピュータ断層撮影(CT)システムなどの非侵襲的なデバイス及びシステムを含む。複数の診断システムを使用して患者の解剖学的部位を検査することにより、医師は患者の状態について更なる見識を得ることができる。
【0004】
[0004] 血管内撮像及び生理学的測定の分野において、侵襲的デバイス(例えば、血管内超音波(IVUS)デバイス又は瞬時血流予備量比(iFR)デバイス)からのデータと、(例えば、X線血管造影を介して)非侵襲的に収集された画像とのコレジストレーションは、血管カテーテル挿入手順の効率及び正確度を向上させるための有力な技法である。コレジストレーションは、血管の血管造影画像にデータをマッピングすることによって、血管に沿った血管内データ測定の位置を識別する。その場合、医師は、位置を推定するのではなく血管内のどこで測定が行われたかを厳密に知ることができる。コレジストレーションは、冠動脈疾患(CAD)の診断及び治療において特に有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] 本開示の実施形態は、圧力データなどの生理学的データを血管内データの長手方向ビューに重ね合わせるためのシステム、デバイス、及び方法である。有利なことに、これによりユーザは、患者の解剖学的部位をより容易に理解すること、及び最適な治療経路を決定することが可能になる。治療対象となる血管の長手方向表示に沿った対応する位置における圧力データ及び血管内撮像データのビューが提供されることにより、医師は、ステントなどの適切な治療タイプ、並びにステントの近位及び遠位のランディングゾーンなどの血管に沿った治療のための正しい位置をより迅速且つ正確に決定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006] 開示されたシステムは、圧力データなどの生理学的データ、血管内撮像データ、及びX線血管造影画像などの管腔外画像という3つのモダリティのトリレジストレーションを実行する。システムは、圧力プルバック手順からの生理学的データを血管造影図にコレジストレーションして、圧力データと関心血管に沿った位置との間の関係を確立する。次いで、システムは、血管内超音波(IVUS)撮像プルバック手順からのIVUS画像を含むIVUSデータを同じ血管造影図にコレジストレーションする。次いで、システムは、両方のプルバックの位置情報を使用して、血管造影画像又はIVUS撮像データの長手方向ビューのいずれかに沿った同じ位置におけるIVUS撮像データ及び圧力データを表示する。
【0007】
[0007] 例示的な態様では、システムが提供される。システムは、管腔内撮像デバイスと通信するように構成されたプロセッサ回路と、管腔内生理学的測定デバイスとを含み、プロセッサ回路は、管腔内撮像デバイスが患者の体腔を通って移動している間に管腔内撮像デバイスによって取得された複数の管腔内画像を受信し、管腔内生理学的測定デバイスが体腔を通って移動している間に管腔内生理学的測定デバイスによって取得された複数の管腔内生理学的測定値を受信し、複数の管腔内画像に基づいて体腔の長手方向ビューを生成し、複数の管腔内生理学的測定値に基づいてグラフィカル表現を生成し、プロセッサ回路と通信状態にあるディスプレイに、体腔の長手方向ビューと、長手方向ビューに重ね合わせられたグラフィカル表現とを含む画面表示を出力するように構成される。
【0008】
[0008] 一態様では、プロセッサ回路は、更に、複数の管腔内画像を体腔に沿った第1の対応する位置にコレジストレーションし、複数の管腔内生理学的測定値を体腔に沿った第2の対応する位置にコレジストレーションするように構成され、グラフィカル表現は、複数の管腔内画像をコレジストレーションすること及び複数の管腔内生理学的測定値をコレジストレーションすることに基づいて長手方向ビューに重ね合わせられる。一態様では、グラフィカル表現は、グラフィカル表現に沿った位置が長手方向ビューに沿った位置に対応するように長手方向ビューに重ね合わせられ、グラフィカル表現に沿った位置及び長手方向ビューに沿った位置は、体腔に沿った同じ対応する位置を表す。一態様では、プロセッサ回路は、更に、複数の管腔内画像をコレジストレーションすることに基づいて、管腔内撮像デバイスの移動の開始位置、及び管腔内撮像デバイスの移動中に管腔内撮像デバイスが体腔に沿って進行した長さを識別し、生理学的測定デバイスの移動の開始位置、及び生理学的測定デバイスの移動中に生理学的測定デバイスが体腔に沿って進行した長さを識別するように構成され、グラフィカル表現は、管腔内撮像デバイスの移動の開始位置、管腔内撮像デバイスが体腔に沿って進行した長さ、生理学的測定デバイスの移動の開始位置、及び生理学的測定デバイスが体腔に沿って進行した長さに基づいて長手方向ビューに重ね合わせられる。一態様では、プロセッサ回路は、更に、管腔内撮像デバイスの移動の開始位置と生理学的測定デバイスの移動の開始位置との間のオフセットを決定するように構成され、グラフィカル表現は、オフセット、管腔内撮像デバイスが体腔に沿って進行した長さ、及び生理学的測定デバイスが体腔に沿って進行した長さに基づいて長手方向ビューに重ね合わせられる。一態様では、プロセッサ回路は、更に、複数の管腔内画像をコレジストレーションすることに基づいて、管腔内撮像デバイスの移動の開始位置、及び管腔内撮像デバイスの移動の終了位置を識別し、生理学的測定デバイスの移動の開始位置、及び管腔内生理学的測定デバイスの移動の終了位置を識別するように構成され、グラフィカル表現は、管腔内撮像デバイスの移動の開始位置、管腔内撮像デバイスの移動の終了位置、生理学的測定デバイスの移動の開始位置、及び管腔内生理学的測定デバイスの移動の終了位置に基づいて長手方向ビューに重ね合わせられる。一態様では、グラフィカル表現は、複数の管腔内生理学的測定値に基づくプロットを含む。一態様では、管腔内生理学的測定デバイスは、血管内圧力測定デバイスを備え、複数の管腔内生理学的測定値は、複数の血管内圧力測定値を含み、プロセッサ回路は更に、複数の管腔内生理学的測定値を使用して複数の圧力比を算出するように構成され、複数の管腔内生理学的測定値に基づくプロットは、複数の圧力比のプロットを含む。一態様では、プロセッサ回路は、複数の管腔内生理学的測定値に基づいて更なるグラフィカル表現を生成するように構成され、画面表示は、長手方向ビューに重ね合わせられた更なるグラフィカル表現を含み、グラフィカル表現は、複数の管腔内生理学的測定値に基づく調整済みプロットを含み、更なるグラフィカル表現は、複数の管腔内生理学的測定値に基づく未加工のプロットを含む。一態様では、管腔内生理学的測定デバイスは、血管内圧力測定デバイスを備え、複数の管腔内生理学的測定値は、複数の血管内圧力測定値を含み、プロセッサ回路は更に、複数の管腔内生理学的測定値を使用して複数の圧力比を算出するように構成され、グラフィカル表現は、複数の圧力比間の変化量を表す複数の形状を含む。一態様では、プロセッサ回路は、プロセッサ回路と通信状態にあるユーザ入力デバイスから、長手方向ビューの一部分を選択するユーザ入力を受信し、画面表示は、長手方向ビューに重ね合わせられた、長手方向ビューの一部分を識別する指標を更に含む。一態様では、体腔の長手方向ビューは、複数の管腔内画像を含む画像ベースの長手方向ビューを含む。一態様では、プロセッサ回路は、複数の管腔内画像を使用して、体腔に関連する複数の測定値を算出するように構成され、体腔の長手方向ビューは、複数の測定値に基づく測定値ベースの長手方向ビューを含む。一態様では、画面表示は、体腔の管腔外画像と、管腔内撮像デバイスの移動中に管腔内撮像デバイスが進行した長さの指標であって、管腔内撮像デバイスが進行した長さの指標が管腔外画像に重ね合わせられる、指標と、管腔内撮像デバイスの移動中に管腔内生理学的測定デバイスが進行した長さの指標であって、管腔内生理学的測定デバイスが進行した長さの指標が管腔外画像に重ね合わせられる、指標とを更に含む。一態様では、画面表示は、体腔の管腔外画像と、複数の管腔内画像のうちの1つの管腔内画像とを更に含む。
【0009】
[0009] 例示的な態様では、方法が提供される。方法は、管腔内撮像デバイスと通信状態にあるプロセッサ回路によって、管腔内撮像デバイスが患者の体腔を通って移動している間に管腔内撮像デバイスによって取得された複数の管腔内画像を受信するステップと、プロセッサ回路によって、管腔内生理学的測定デバイスが体腔を通って移動している間に管腔内生理学的測定デバイスによって取得された複数の管腔内生理学的測定値を受信するステップと、プロセッサ回路によって、複数の管腔内画像に基づいて体腔の長手方向ビューを生成するステップと、プロセッサ回路によって、複数の管腔内生理学的測定値に基づいてグラフィカル表現を生成するステップと、プロセッサ回路と通信状態にあるディスプレイに、体腔の長手方向ビューと、長手方向ビューに重ね合わせられたグラフィカル表現とを含む画面表示を出力するステップとを有する。
【0010】
[0010] 例示的な態様では、システムが提供される。システムは、血管内撮像カテーテルと、圧力感知ガイドワイヤと、血管内撮像カテーテル及び圧力感知ガイドワイヤと通信するように構成されたプロセッサ回路とを含み、プロセッサ回路は、血管内撮像カテーテルが患者の血管を通って移動している間に血管内撮像カテーテルによって取得された複数の血管内画像を受信し、圧力感知ガイドワイヤが血管を通って移動している間に圧力感知ガイドワイヤによって取得された複数の血管内圧力測定値を受信し、複数の血管内画像に基づいて血管の長手方向ビューを生成し、複数の血管内圧力測定値に基づいてグラフィカル表現を生成し、プロセッサ回路と通信状態にあるディスプレイに、血管の長手方向ビューと、長手方向ビューに重ね合わせられたグラフィカル表現とを含む画面表示を出力するように構成される。
【0011】
[0011] 本開示の更なる態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。
【0012】
[0012] 本開示の例示的な実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】[0013] 本開示の態様による、管腔内撮像システム、生理学的測定システム、及びX線システムの概略図である。
【
図1B】[0014] 本開示の態様による、管腔外撮像システムの概略図である。
【
図1C】[0015] 本開示の態様による、管腔内撮像デバイスの概略図である。
【
図2】[0016] 本開示の態様による、平坦な構成の超音波撮像アセンブリの概略上面図である。
【
図3】[0017] 本開示の態様による、支持部材の周囲に巻かれた構成の超音波撮像アセンブリの概略斜視図である。
【
図4】[0018] 本開示の態様による、超音波撮像アセンブリの概略断面側面図である。
【
図5】[0019] 本開示の態様による、プロセッサ回路の概略図である。
【
図6】[0020] 本開示の態様による、患者の血管系の領域の概略図である。
【
図7】[0021] 本開示の態様による、X線透視画像と、圧力データと、血管内デバイスの運動によって画定される経路との間の関係の概略図である。
【
図8】[0022] 本開示の態様による、X線透視画像と、血管内超音波画像と、血管内デバイスの運動によって画定される経路との間の関係の概略図である。
【
図9】[0023] 本開示の態様による、管腔外画像にコレジストレーションされた血管内画像と、管腔外画像にコレジストレーションされた圧力データと、血管内画像及び圧力データに基づく長手方向ビューとの間の関係を示す概略図である。
【
図10】[0024] 本開示の態様による、コレジストレーションされた圧力データを有する管腔の画像ベースの長手方向ビューの概略図である。
【
図11】[0025] 本開示の態様による、コレジストレーションされた圧力データを有する管腔の画像ベースの長手方向ビューの概略図である。
【
図12】[0026] 本開示の態様による、コレジストレーションされた圧力データを有する管腔の測定値ベースの長手方向ビューの概略図である。
【
図13】[0027] 本開示の態様による、コレジストレーションされた圧力データを有する管腔の画像ベースの長手方向ビューの概略図である。
【
図14】[0028] 本開示の態様による、グラフィカルユーザインターフェースの概略図である。
【
図15】[0029] 本開示の態様による、グラフィカルユーザインターフェースの概略図である。
【
図16】[0030] 本開示の態様による、管腔内生理学的データを体腔の長手方向画像にコレジストレーションする方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0031] 本開示の原理の理解を促進するために、次に、図面に示されている実施形態を参照し、特定の言語を使用してその実施形態について説明する。それでもなお、本開示の範囲を制限する意図はないことを理解されたい。説明されるデバイス、システム、及び方法に対する任意の変更及び更なる修正、並びに本開示の原理の任意の更なる適用例は、本開示が関連する技術分野の当業者にとって通常生じ得るものとして、十分に企図され、本開示に含まれる。特に、一実施形態に関して説明された特徴、構成要素、及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に関して説明された特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせられることが十分に企図される。しかしながら、簡潔にするために、これらの組合せの多数の反復については個別に説明しない。
【0015】
[0032]
図1Aは、本開示の態様による、管腔内撮像システム、生理学的測定システム、及びX線システムの概略図である。いくつかの実施形態では、生理学的測定システム、管腔内撮像システム、及び管腔外撮像システムは、生理学的測定システム101、管腔内撮像システム191、及び管腔外撮像システム151の3つの別個のシステムを含むか、又はこれら3つのシステムの組合せである。生理学的測定システム101は、管腔内デバイスが患者の体の内部に配置されている間に、患者の体に関する医療データを取得する。例えば、生理学的測定システム101は、管腔内デバイスが患者の体の内部にある間に患者の体の内部の管腔内データを取得するように管腔内デバイスを制御することができる。管腔内撮像システム191もまた、管腔内デバイスが患者の体の内部に配置されている間に、患者の体に関する医療データを取得する。例えば、管腔内撮像システム101は、管腔内デバイスが患者の体の内部にある間に患者の体の内部の管腔内データを取得するように管腔内デバイスを制御することができる。管腔外撮像システム151は、管腔外撮像デバイス152が患者の外部に配置されている間に、患者の体に関する医療データを取得する。例えば、管腔外撮像システム151は、管腔外撮像デバイス152が患者の体の外部にある間に患者の体の内部の管腔外画像を取得するように管腔外撮像デバイス152を制御することができる。
【0016】
[0033] 生理学的測定システム101は、任意の好適な構成要素を通じて管腔外撮像システム151と通信状態にある。このような通信は、有線ケーブルを通じて、無線信号を通じて、又は他の任意の手段によって確立される。加えて、生理学的測定システム101は、X線システム151と連続的に通信状態あるか、又は断続的に通信状態にある。例えば、検査の前、検査の後、又は検査中のある時点で、2つのシステムが、有線ケーブルを介して一時的な通信状態に至るか、無線通信を介して通信状態に至るか、又は他の任意の好適な手段を通じて通信状態に至る。加えて、生理学的測定システム101は、X線画像、注釈付きX線画像、X線撮像システム151を用いて算出された測定基準、検査の日時に関する情報、患者の状態若しくは診断に関する種類及び/若しくは重症度、患者の病歴若しくは他の患者情報、又は任意の好適なデータ若しくは情報などのデータを、X線撮像システム151から受信する。X線撮像システム151もまた、生理学的測定システム101からこれらのデータのいずれかを受信する。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、生理学的測定システム101及びX線撮像システム151は、同じ制御システム130と通信状態にある。この実施形態では、両方のシステムは、示されている同じディスプレイ132、プロセッサ134、及び通信インターフェース140と通信状態にあり、制御システム130内に実装された他の任意の構成要素とも通信状態にある。
【0017】
[0034] 管腔内撮像システム191は、任意の好適な構成要素を通じて管腔外撮像システム151と通信状態にある。このような通信は、有線ケーブルを通じて、無線信号を通じて、又は他の任意の手段によって確立される。加えて、管腔内撮像システム191は、X線システム151と連続的に通信状態にあるか、又は断続的に通信状態にある。例えば、検査の前、検査の後、又は検査中のある時点で、2つのシステムが、有線ケーブルを介して一時的な通信状態に至るか、無線通信を介して通信状態に至るか、又は他の任意の好適な手段を通じて通信状態に至る。加えて、管腔内撮像システム191は、X線画像、注釈付きX線画像、X線撮像システム151を用いて算出された測定基準、検査の日時に関する情報、患者の状態若しくは診断に関する種類及び/若しくは重症度、患者の病歴若しくは他の患者情報、又は任意の好適なデータ若しくは情報などのデータを、X線撮像システム151から受信する。X線撮像システム151もまた、管腔内撮像システム191からこれらのデータのいずれかを受信する。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、管腔内撮像システム191及びX線撮像システム151は、同じ制御システム130と通信状態にある。この実施形態では、両方のシステムは、示されている同じディスプレイ132、プロセッサ134、及び通信インターフェース140と通信状態にあり、制御システム130内に実装された他の任意の構成要素とも通信状態にある。
【0018】
[0035] 管腔内撮像システム191は、任意の好適な構成要素を通じて生理学的測定システム101と通信状態にある。このような通信は、有線ケーブルを通じて、無線信号を通じて、又は他の任意の手段によって確立される。加えて、管腔内撮像システム191は、生理学的測定システム101と連続的に通信状態にあるか、又は断続的に通信状態にある。例えば、検査の前、検査の後、又は検査中のある時点で、2つのシステムが、有線ケーブルを介して一時的な通信状態に至るか、無線通信を介して通信状態に至るか、又は他の任意の好適な手段を通じて通信状態に至る。加えて、管腔内撮像システム191は、圧力データ、血流データ、生理学的測定システム101を用いて算出された測定基準、検査の日時に関する情報、患者の状態若しくは診断に関する種類及び/若しくは重症度、患者の病歴若しくは他の患者情報、又は任意の好適なデータ若しくは情報などのデータを、生理学的測定システム101から受信する。生理学的測定システム101もまた、管腔内撮像システム191からこれらのデータのいずれかを受信する。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、管腔内撮像システム191及び生理学的測定システム101は、同じ制御システム130と通信状態にある。この実施形態では、両方のシステムは、示されている同じディスプレイ132、プロセッサ134、及び通信インターフェース140と通信状態にあり、制御システム130内に実装された他の任意の構成要素とも通信状態にある。
【0019】
[0036] いくつかの実施形態では、システム100は、生理学的測定システム101、管腔内撮像システム191、及び/又はX線撮像システム151と通信状態にある制御システム130を含まない。代わりに、システム100は、別個の制御システムを含む。例えば、1つの制御システムは生理学的測定システム101と通信状態にあるか又はその一部であり、1つの制御システムは管腔内撮像システム191と通信状態にあるか又はその一部であり、追加の別個の制御システムはX線撮像システム151と通信状態にあるか又はその一部である。この実施形態では、生理学的測定システム101、管腔内撮像システム191、及びX線撮像システム151の別個の制御システムは、制御システム130と同様である。例えば、各制御システムは、通信インターフェース、プロセッサ、及び/若しくはディスプレイなどの様々な構成要素又はシステムを含む。この実施形態では、生理学的測定システム101の制御システム、管腔内撮像システム191の制御システム、又は管腔外撮像システム151の制御システムのいずれかが、本開示で説明されているコレジストレーションステップのいずれか又はすべてを実行する。いくつかの実施形態では、1つの制御システム130が管腔内撮像システム191と生理学的測定システム101との両方と通信状態にあり、その両方を制御するように構成される一方で、別個の制御システム130が管腔外撮像システム151を制御する。他の実施形態では、1つの制御システム130が管腔内撮像システム191及び管腔外撮像システム151と通信状態にあり、それらを制御するように構成される一方で、別個の制御システム130が生理学的測定システム101を制御する。他の実施形態では、1つの制御システム130が生理学的測定システム101及び管腔外撮像システム151と通信状態にあり、それらを制御するように構成される一方で、別個の制御システム130が管腔内撮像システム191を制御する。
【0020】
[0037] 生理学的測定システム101は、侵襲的な血圧又は血流測定システムであり得る。場合によっては、生理学的測定システム101は、瞬時血流予備量比(iFR)システム、部分血流予備能(FFR)システム、又はPd/Paシステムなどの圧力比システムであり得る。管腔内システム101は、ソリッドコア圧力ワイヤなどの圧力ガイドワイヤを含む。圧力ワイヤは、1998年2月10日に付与された「Ultra Miniature Pressure Sensor and Guide Wire Using the Same and Method」と題する米国特許第5715827号、2012年10月2日に付与された「Combination Sensor Guidewire and Methods of Use」と題する米国特許第8277386号、2016年5月17日に付与された「Devices,Systems,and Methods for Assessing a Vessel」と題する米国特許第9339348号に記載されている1つ又は複数の特徴を含み、これらの特許はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0021】
[0038] 大まかには、圧力感知デバイスは、患者の体腔内に配置される。圧力感知デバイスは、圧力感知ガイドワイヤ102と、圧力感知カテーテル103とを含む。圧力ガイドワイヤ102は、圧力センサを含む。圧力感知カテーテルも、圧力センサを含む。圧力プルバック手順中、圧力感知カテーテル103は、測定対象領域の近位の位置で血管内に配置される。また、圧力感知ガイドワイヤ102のセンサは、測定対象領域の遠位の位置で血管内に配置される。圧力感知カテーテル103は、プルバック手順中、実質的に静止したままである。次いで、圧力ガイドワイヤ102は、センサが遠位位置から近位方向に血管を通るように引かれる。遠位ガイドワイヤセンサが管腔を通って移動するとき、ガイドワイヤ102のセンサとカテーテル103のセンサとの両方が圧力測定値を収集する。したがって、ガイドワイヤ102の各位置について、2つの圧力測定値、すなわち遠位ガイドワイヤ圧力及び近位カテーテル圧力の測定値が収集される。次いで、圧力比を生成するために、これらの2つの圧力が比較される。圧力比は、部分血流予備能(FFR)、瞬時血流予備量比(iFR)、Pd/Pa、及び/又は他の任意の好適な圧力比である。例えば、2つのセンサが血管内の実質的に同じ場所にあるとき(例えば、圧力プルバック手順が完了した後)、各センサによって記録される圧力は同じになるか又は実質的に同じになる。したがって、結果として得られるこれらの2つの圧力の圧力比は、1.0倍又は1.0倍に近い値である。プルバックの開始位置が血管内の閉塞の遠位にある場合、遠位ガイドワイヤセンサによって測定される圧力は、近位カテーテルセンサによって測定される圧力よりも低くなり、その結果、圧力比は1.0未満になる。圧力比が1.0よりどれだけ低いかが、閉塞の重症度を示すものとなる。遠位ガイドワイヤセンサが開始位置(血管内の遠位)から血管内のガイドワイヤに沿って近位方向に移動するとき、遠位ガイドワイヤセンサによって測定される圧力は、近位の静止しているカテーテルセンサを基準にして変化する。結果として、遠位ガイドワイヤセンサが移動すると、比率は、分析される血管に沿った様々な位置において、遠位ガイドワイヤ圧力センサが近位カテーテルセンサに近づくにつれて遠位ガイドワイヤ圧力センサの位置に対応する圧力比が1.0に近づくように増加し始める。
【0022】
[0039] 通信インターフェース140は、制御システム130と生理学的測定システム101との間の測定値の通信を容易にする。いくつかの実施形態では、通信インターフェース140は、データをプロセッサ134に中継する前に、データの予備処理を実行する。一実施形態では、通信インターフェース140はまた、生理学的測定システム101のデバイスの動作をサポートするために高電圧及び低電圧のDC電力を供給する。
【0023】
[0040] PIM104は、生理学的測定システム101と制御システム130との間の通信を更に容易にするように構成される。例えば、PIM104は、伝送線束を通信インターフェース140に電気的に結合し、圧力センサガイドワイヤ106及び/又は圧力感知カテーテル103を含む任意の圧力感知デバイスを通信インターフェース140に物理的に結合する。いくつかの実施形態では、通信インターフェース140はPIMである。
【0024】
[0041] 血行動態システム105は、生理学的測定システム101の様々な特徴を含む。例えば、血行動態システム105は、圧力感知カテーテル103と制御システム130との通信を容易にする通信インターフェースを含む。いくつかの実施形態では、血行動態システム105は、圧力感知ガイドワイヤ102などの生理学的測定システム101の追加の要素、又は他の任意のシステム若しくはデバイスと通信状態にある。例えば、血行動態システム105は、管腔外撮像システム151などの管腔外撮像システムと通信状態にある。血行動態システム105は、心電図(ECG)電極と通信状態にあり、患者の心臓の心電図のグラフィカル表示を提供することができる。血行動態システム105は、心拍数センサと通信状態にあり、心拍数のグラフィカル表示を提供することができる。血行動態システム105は、外部血圧モニタ(例えば、血圧計、膨張式カフ、及び/又は圧力計)と通信状態にあり、収縮期血圧及び拡張期血圧のグラフィカル表示を提供することができる。
【0025】
[0042] いくつかの実施形態では、管腔内デバイスは、管腔内(例えば、血管内)圧力データを取得する圧力感知デバイス(例えば、圧力感知ガイドワイヤ)であり、生理学的測定システム101は、部分血流予備能(FFR)、瞬時血流予備量比(iFR)、及び/又は遠位圧力と近位/大動脈圧力との間の他の好適な比(Pd/Pa)などの圧力データに基づいて圧力比を決定する血管内圧力感知システムである。いくつかの実施形態では、管腔内デバイスは、管腔内(例えば、血管内)流動データを取得する流動感知デバイス(例えば、流動感知ガイドワイヤ)であり、管腔内システム101は、冠血流予備能(CFR)、流速、流量などの圧力データに基づいて流動関連値を決定する血管内流動感知システムである。
【0026】
[0043]
図1Bは、本開示の態様による、管腔外撮像システムの概略図である。X線撮像システム151は、撮像技法の中でもとりわけX線撮像、血管造影、透視、放射線撮影、静脈造影を実行するように構成された、X線撮像装置又はデバイス152を含む。X線撮像システム151は、X線デバイス152によって収集されたX線画像データに基づいて、単一のX線画像(例えば、血管造影図若しくは静脈造影図)又は複数(例えば、2つ以上)のX線画像(例えば、映像及び/又は透視画像ストリーム)を生成することができる。X線撮像デバイス152は、任意の好適なタイプのデバイスであり、例えば、固定式CアームX線デバイス、可動式CアームX線デバイス、ストレートアームX線デバイス、又はUアームデバイスなどの据え置き型X線システムである。X線撮像デバイス152は更に、任意の好適な可動式デバイスである。X線撮像デバイス152はまた、制御システム130と通信状態にある。いくつかの実施形態では、X線システム151は、デジタル放射線撮影デバイス又は他の任意の好適なデバイスを含む。
【0027】
[0044]
図1に示すX線デバイス152は、X線源160と、入力スクリーン174を含むX線検出器170とを含む。X線源160及び検出器170は、互いに距離を置いて取り付けられる。X線源160とX線検出器170との間には、患者又は対象180の解剖学的部位が配置される。例えば、患者の(血管120を含む)解剖学的部位がX線源160とX線検出器170との間に配置され得る。
【0028】
[0045] X線源160は、X線を生成するように適合されたX線管を含む。X線源160のいくつかの態様は、高電圧電源の負のリードに接続された陰極と、同じ電源の正のリードに接続された陽極とを含む1つ又は複数の真空管を含む。X線源160の陰極は、更にフィラメントを含む。フィラメントは、任意の好適なタイプのフィラメントであるか、又はタングステン又はレニウムタングステンを含む任意の好適な材料から構築され、陰極の凹状領域内に配置される。陰極の機能の1つは、高電圧電源から電子を放出し、それらを集束させて、陽極を目指す明確に定義されたビームを作り出すことである。陽極もまた、任意の好適な材料から構築され、陰極から放出された電子からX線放射を作成するように構成される。加えて、陽極は、X線放射を生成する過程で生じる熱を放散する。陽極は、傾斜したディスクとして成形され、いくつかの実施形態では電気モータを介して回転する。X線源160の陰極及び陽極は、エンベロープと呼ばれることもある気密筐体内に収容される。
【0029】
[0046] いくつかの実施形態では、X線源160は、画像の可視性に影響を与える放射線対象焦点を含む。放射線対象焦点は、システム100のユーザ又はシステム100の製造者によって、ぼやけ、可視性、熱放散能力、又は他の特性などの特性に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、システム100のオペレータ又はユーザは、ポイントオブケア設定において、提供された異なる放射線対象焦点を切り替える。
【0030】
[0047] 検出器170は、X線画像を取得するように構成され、入力スクリーン174を含む。入力スクリーン174は、X線エネルギーを吸収してそのエネルギーを光に変換するように構成された1つ又は複数の増感スクリーンを含む。次に、光がフィルムを露光する。入力スクリーン174は、フィルムがX線放射よりも光に対して感度が高い実施形態においてX線エネルギーを光に変換するために使用される。撮像される患者の領域、画像の詳細及び/若しくは患者の露光の要件、又は他の任意の要因に応じて、画像増強管内の異なるタイプの増感スクリーンが選択される。増感スクリーンは、硫酸バリウム鉛、硫酸バリウムストロンチウム、フッ化塩化バリウム、イットリウム酸硫化物、又は他の任意の好適な材料を含む任意の好適な材料から構築される。入力スクリーン374は、蛍光スクリーン、又は蛍光スクリーンに直接隣接して配置されたフィルムである。いくつかの実施形態では、入力スクリーン374には、検出器370内の回路又は構成要素を周囲の環境から遮蔽するための保護スクリーンも含まれる。いくつかの実施形態では、X線検出器170には、フラットパネル検出器(FPD)が含まれる。検出器170は、間接変換FPD又は直接変換FPDである。検出器170には、電荷結合素子(CCD)も含まれる。X線検出器370は更に、X線センサとも呼ばれる。
【0031】
[0048] 対象180は、撮像される任意の好適な対象である。例示的な実施形態では、対象は患者の解剖学的部位である。より具体的には、撮像される解剖学的部位には、患者の胸部、腹部、骨盤領域、首、脚、頭、足、心臓血管系を有する領域、又は末梢血管系を含む領域が含まれ、臓器、組織、血管及び血液、ガス、又は他の任意の解剖学的な構造若しくは対象などのこれらに限定されない様々な解剖学的構造が含まれる。他の実施形態では、対象は、人工構造物であるか又は人工構造物を含む。
【0032】
[0049] いくつかの実施形態では、X線撮像システム151は、造影なしのX線画像を取得するように構成される。いくつかの実施形態では、X線撮像システム151は、造影ありのX線画像(例えば、血管造影図又は静脈造影図)を取得するように構成される。そのような実施形態では、撮像の前に、造影剤又はX線染料が患者の解剖学的部位に導入される。造影剤は、放射線造影剤、造影物質、造影染料、又は造影媒体とも呼ばれる。造影染料は、任意の好適な材料、化学物質、又は化合物の造影染料であり、液体、粉末、ペースト、錠剤、又は他の任意の好適な形態の造影染料である。例えば、造影染料は、ヨウ素ベースの化合物、硫酸バリウム化合物、ガドリニウムベースの化合物、又は他の任意の好適な化合物である。造影剤は、患者の解剖学的部位内の内部流体又は内部構造の可視性を高めるために使用される。造影剤は外部のX線を吸収し、X線検出器170への露出を減少させることになる。
【0033】
[0050] いくつかの実施形態では、管腔外撮像システム151は、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴撮像(MRI)などの任意の好適な管腔外撮像デバイスである。
【0034】
[0051] 制御システム130がX線システム151と通信状態にあるとき、通信インターフェース140は、制御システム130とX線デバイス152との間の信号の通信を容易にする。この通信は、X線デバイス152のX線源160及び/又はX線検出器170に制御コマンドを提供すること、並びにX線デバイス152からデータを受信することを含む。いくつかの実施形態では、通信インターフェース140は、データをプロセッサ134に中継する前にX線データの予備処理を実行する。そのような実施形態の例では、通信インターフェース140は、データの増幅、フィルタリング、及び/又は集約を実行する。一実施形態では、通信インターフェース140はまた、デバイス内の回路を含むデバイス152の動作をサポートするために高電圧及び低電圧のDC電源を供給する。
【0035】
[0052] プロセッサ134は、通信インターフェース140を経由してX線デバイス152からX線データを受信し、そのデータを処理して、撮像されている解剖学的部位の画像を再構築する。プロセッサ134は、画像がディスプレイ132に表示されるように画像データを出力する。患者の解剖学的部位に造影剤が導入されて静脈造影図が生成される実施形態では、撮像される特定の関心領域は、1つ若しくは複数の血管、又は人間の血管系の他の区分若しくは部分である。造影剤は、心臓血管、末梢血管、神経血管、腎血管、及び/若しくは体の内部にある他の任意の好適な管腔を含む患者の血管系の動脈又は静脈など、液体で満たされた自然及び/又は人工の両方の構造を識別する。例えば、X線デバイス152は、任意の数の解剖学的な場所及び組織型を検査するために使用され、解剖学的な場所及び組織型は、前述のすべての臓器、体液、又は解剖学的部位の他の構造若しくは部分を含むが、これらに限定されない。X線デバイス152は、自然構造に加えて、前述の構造のいずれかなどの人工構造を検査するために使用される。
【0036】
[0053] プロセッサ134は、臨床処置中にX線撮像デバイス152によって記憶されたX線画像を受信するように構成される。画像は、患者の病歴、患者の記録、IVUS撮像、術前超音波撮像、術前CT、又は他の任意の好適なデータなどの他の情報によって更に強化される。
【0037】
[0054]
図1Cは、本開示の態様による、管腔内撮像デバイス102の概略図である。
図1Cは、管腔内撮像デバイス102と関連構成要素とを含む管腔内撮像システム191の態様を示している。上記で説明したように、管腔内撮像システム191は、より広範なシステム100の様々なシステムに組み込まれる。加えて、管腔内撮像システム191は、
図1Cに図示されているもの以外の追加の構成要素を含む。いくつかの実施態様では、管腔内撮像デバイス102はカテーテル又はガイドワイヤである。
【0038】
[0055] 管腔内撮像システム191は超音波撮像システムであり得る。場合によっては、管腔内撮像システム191は血管内超音波(IVUS)撮像システムであり得る。管腔内撮像システム191は、制御システム130と通信状態にあるカテーテル、ガイドワイヤ、又はガイドカテーテルなどの管腔内撮像デバイス102を含む。制御システム130は、構成要素の中でもとりわけ、ディスプレイ132、プロセッサ134、及び通信インターフェース140を含む。管腔内撮像デバイス102は超音波撮像デバイスであり得る。場合によっては、デバイス102はソリッドステートIVUSデバイスなどのIVUS撮像デバイスであり得る。
【0039】
[0056] 大まかには、IVUSデバイス102は、カテーテルデバイスの遠位端付近に取り付けられたIVUS撮像アセンブリとも呼ばれるスキャナアセンブリに含まれるトランスデューサアレイ124から超音波エネルギーを放出する。超音波エネルギーは、血管120などの周囲の媒体内の組織構造、又はスキャナアセンブリ110を囲む別の体腔によって反射され、超音波エコー信号がトランスデューサアレイ124によって受信される。その点において、デバイス102は、患者の体腔内に配置されるようにサイズ設定、成形、又は構成され得る。通信インターフェース140は、受信したエコー信号を制御システム130のプロセッサ134に転送し、プロセッサ134において超音波画像(いくつかの実施形態では流動情報を含む)が再構築され、ディスプレイ132上に表示される。プロセッサ134を含む制御システム130は、本明細書に記載のIVUS撮像システム191の機能を容易にするように動作可能であり得る。例えば、プロセッサ134は、非一時的な有形コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ可読命令を実行することができる。
【0040】
[0057] 通信インターフェース140は、制御システム130とIVUSデバイス102に含まれるスキャナアセンブリ110との間の信号の通信を容易にする。この通信は、(1)スキャナアセンブリ110に含まれる集積回路コントローラチップにコマンドを提供して、送信及び受信に使用される特定のトランスデューサアレイ素子若しくは音響素子を選択するステップ、(2)スキャナアセンブリ110に含まれる集積回路コントローラチップに送信トリガ信号を提供して、送信回路をアクティブにし、選択されたトランスデューサアレイ素子を励起するための電気パルスを生成するステップ、並びに/又は(3)選択されたトランスデューサアレイ素子から受信される、スキャナアセンブリ110の集積回路コントローラチップ上に含まれる増幅器を介して増幅されたエコー信号を受け入れるステップを含む。いくつかの実施形態では、通信インターフェース140は、データをプロセッサ134に中継する前にエコーデータの予備処理を実行する。そのような実施形態の例では、通信インターフェース140は、データの増幅、フィルタリング、及び/又は集約を実行する。一実施形態では、通信インターフェース140はまた、スキャナアセンブリ110内の回路を含むデバイス102の動作をサポートするために高電圧及び低電圧のDC電源を供給する。
【0041】
[0058] プロセッサ134は、通信インターフェース140を経由してスキャナアセンブリ110からエコーデータを受信し、そのデータを処理して、スキャナアセンブリ110を囲む媒体内の組織構造の画像を再構築する。プロセッサ134は、血管120の断面画像などの管腔120の画像がディスプレイ132上に表示されるように画像データを出力する。管腔120は、流体で満たされた又は囲まれた、自然と人工との両方の構造を表す。管腔120は患者の体内にある。管腔120は、心臓血管、末梢血管、神経血管、腎血管、及び/若しくは体の内部にある他の任意の好適な管腔を含む患者の血管系の動脈又は静脈などの血管である。例えば、デバイス102は、任意の数の解剖学的な場所及び組織型を検査するために使用され、解剖学的な場所及び組織型は、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺を含む臓器、管、腸、脳、硬膜嚢、脊髄、及び末梢神経を含む神経系構造、尿路、血液内の弁、心室若しくは心臓の他の部分、並びに/又は体の他の系統を含むが、これらに限定されない。デバイス102は、自然構造に加えて、人工構造を検査するために使用され、人工構造は、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ、及び他のデバイスなどであるが、これらに限定されない。
【0042】
[0059] いくつかの実施形態では、IVUSデバイスは、Koninklijke Philips N.Vからそれぞれ入手可能なEagleEye(登録商標)カテーテル、Visions PV.014P RXカテーテル、Visions PV.018カテーテル、Visions PV.035、及びPioneer Plusカテーテルなどの従来のソリッドステートIVUSカテーテル、並びに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,846,191号に開示されているものと同様のいくつかの特徴を含む。例えば、IVUSデバイス102は、デバイス102の遠位端付近のスキャナアセンブリ110と、デバイス102の長手方向本体に沿って延在する伝送線束112とを含む。伝送線束又はケーブル112は、1本、2本、3本、4本、5本、6本、7本、又はそれより多くの導体を含む複数の導体を含むことができる。導体には任意の好適なゲージワイヤを使用できることを理解されたい。一実施形態では、ケーブル112は、例えば41AWGゲージワイヤを用いた4導体伝送線構成を含むことができる。一実施形態では、ケーブル112は、例えば44AWGゲージワイヤを利用した7導体伝送線構成を含むことができる。いくつかの実施形態では、43AWGゲージワイヤを使用することができる。
【0043】
[0060] 伝送線束112は、デバイス102の近位端にある患者インターフェースモジュール(PIM)コネクタ114において終端する。PIMコネクタ114は、伝送線束112を通信インターフェース140に電気的に結合し、IVUSデバイス102を通信インターフェース140に物理的に結合する。いくつかの実施形態では、通信インターフェース140はPIMである。一実施形態では、IVUSデバイス102は、ガイドワイヤ出口ポート116を更に含む。したがって、場合によっては、IVUSデバイス102は、迅速交換カテーテルである。ガイドワイヤ出口ポート116により、ガイドワイヤ118を遠位端に向けて挿入してデバイス102を血管120に導くことが可能になる。
【0044】
[0061] いくつかの実施形態では、管腔内撮像デバイス102は、光干渉断層撮影(OCT)及び血管内光音響(IVPA)を含む任意の好適な撮像モダリティの血管内画像を取得する。
【0045】
[0062]
図2は、本開示の態様による、平坦な構成の超音波撮像アセンブリの概略上面図である。可撓性アセンブリ110は、トランスデューサ領域204に形成されたトランスデューサアレイ124と、制御領域208に形成された(ダイ206A及びダイ206Bを含む)トランスデューサ制御ロジックダイ206とを含み、その間には遷移領域210が配置される。トランスデューサアレイ124は、超音波トランスデューサ素子212のアレイを含む。トランスデューサ制御ロジックダイ206は、トランスデューサ素子212が予め統合されている可撓性基板214上に取り付けられる。可撓性基板214は、
図2では平坦な構成で示されている。
図2には6個の制御ロジックダイ206が示されているが、任意の数の制御ロジックダイ206が使用される。例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれより多くの制御ロジックダイ206が使用される。
【0046】
[0063] トランスデューサ制御ロジックダイ206及びトランスデューサ素子212が取り付けられる可撓性基板214は、構造的支持と、電気的結合のための相互接続とを提供する。可撓性基板214は、KAPTON(DuPontの商標)などの可撓性ポリイミド材料のフィルム層を含むように構築される。他の好適な材料には、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、又はポリエーテルイミドフィルム、液晶ポリマー、他の可撓性プリント半導体基板、並びにUpilex(Ube Industriesの登録商標)及びTEFLON(登録商標)(E.I.du Pontの登録商標)などの製品が含まれる。
図2に示す平坦な構成では、可撓性基板214は、概ね矩形の形状を有する。本明細書に示され説明されているように、可撓性基板214は、場合によっては、支持部材230(
図3)に巻き付けられるように構成される。したがって、可撓性基板214のフィルム層の厚さは、一般的に、最終的に組み立てられた可撓性アセンブリ110の曲率の度合いに関係する。いくつかの実施形態では、フィルム層は5μmから100μmの間であり、いくつかの特定の実施形態では5μmから25.1μmの間、例えば6μmである。
【0047】
[0064] 一組のトランスデューサ制御ロジックダイ206は、制御回路の非限定的な例である。トランスデューサ領域204は、可撓性基板214の遠位部221に配置される。制御領域208は、可撓性基板214の近位部222に配置される。遷移領域210は、制御領域208とトランスデューサ領域204との間に配置される。トランスデューサ領域204、制御領域208、及び遷移領域210の寸法(例えば、長さ225、227、229)は、異なる実施形態では異なる可能性がある。いくつかの実施形態では、長さ225、227、229が実質的に同様であるか、又は、それぞれ、遷移領域210の長さ227が長さ225及び229よりも短く、遷移領域210の長さ227がトランスデューサ領域の長さ225及びコントローラ領域の長さ229よりも長い可能性がある。
【0048】
[0065] 制御ロジックダイ206は必ずしも同種ではない。いくつかの実施形態では、単一のコントローラが、マスタ制御ロジックダイ206Aとして指定され、処理システム、例えば処理システム106と可撓性アセンブリ110との間のケーブル112の通信インターフェースを含む。したがって、マスタ制御回路は、ケーブル112を介して受信した制御信号を復号し、ケーブル112を介して制御応答を送信し、エコー信号を増幅し、且つ/又はケーブル112を介してエコー信号を送信する、制御ロジックを含む。残りのコントローラはスレーブコントローラ206Bである。スレーブコントローラ206Bは、トランスデューサ素子212上に配置された複数のトランスデューサ素子512を駆動して超音波信号を放出し、エコーを受信するトランスデューサ素子212を選択する、制御ロジックを含む。描写された実施形態では、マスタコントローラ206Aは、トランスデューサ素子212を直接制御しない。他の実施形態では、マスタコントローラ206Aは、スレーブコントローラ206Bと同じ数のトランスデューサ素子212を駆動するか、又はスレーブコントローラ206Bと比較して少ない組のトランスデューサ素子212を駆動する。例示的な実施形態では、単一のマスタコントローラ206A及び8個のスレーブコントローラ206Bが設けられ、各スレーブコントローラ206Bに8個のトランスデューサが割り当てられる。
【0049】
[0066] 制御ロジックダイ206とトランスデューサ素子212とを電気的に相互接続するために、一実施形態では、可撓性基板214は、制御ロジックダイ206とトランスデューサ素子212との間で信号を搬送する、フィルム層に形成された導電性トレース216を含む。具体的には、制御ロジックダイ206とトランスデューサ素子212との間の通信を提供する導電性トレース216は、遷移領域210内で可撓性基板214に沿って延在する。場合によっては、導電性トレース216は、マスタコントローラ206Aとスレーブコントローラ206Bとの間の電気通信を容易にすることもできる。導電性トレース216は、ケーブル112の導体218が可撓性基板214に機械的に且つ電気的に結合されているときにケーブル112の導体218に接触する一組の導電性パッドを提供することもできる。導電性トレース216に好適な材料は、銅、金、アルミニウム、銀、タンタル、ニッケル、及びスズを含み、スパッタリング、メッキ、及びエッチングなどのプロセスによって可撓性基板214上に堆積される。一実施形態では、可撓性基板214はクロム接着層を含む。導電性トレース216の幅及び厚さは、可撓性基板214が巻かれるときに適切な導電性及び弾力性を提供するように選択される。その点において、導電性トレース216及び/又は導電性パッドの厚さの例示的な範囲は1~5μmである。例えば、一実施形態では、5μmの導電性トレース216は5μmの間隔で分離される。更に、可撓性基板上の導電性トレース216の幅は、トレース又はパッドに結合される導体218の幅によって決定される。
【0050】
[0067] 可撓性基板214は、いくつかの実施形態では導体インターフェース220を含む。導体インターフェース220は、可撓性基板214のうちの、ケーブル112の導体218が可撓性基板214に結合される位置にある。例えば、導体インターフェース220において、ケーブル112の裸導体が可撓性基板214に電気的に結合される。導体インターフェース220は、可撓性基板214の本体から延出するタブであり得る。その点において、可撓性基板214の本体は、トランスデューサ領域204、コントローラ領域208、及び遷移領域210を総称することができる。図示の実施形態では、導体インターフェース220は、可撓性基板214の近位部222から延出している。他の実施形態では、導体インターフェース220は、遠位部221などの可撓性基板214の他の部分に位置するか、又は可撓性基板214に導体インターフェース220がない場合もある。タブ又は導体インターフェース220の寸法、例えば幅224の値は、可撓性基板214の本体の寸法、例えば幅226の値よりも小さくすることができる。いくつかの実施形態では、導体インターフェース220を形成する基板は、可撓性基板214と同じ材料で作られ、且つ/又は可撓性基板214と同様に可撓性である。他の実施形態では、導体インターフェース220は、可撓性基板214とは異なる材料で作られ、且つ/又は可撓性基板214よりも比較的剛性が高い。例えば、導体インターフェース220は、ポリオキシメチレン(例えば、DELRIN(登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、液晶ポリマー(LCP)、及び/又は他の好適な材料を含む、プラスチック、熱可塑性物質、ポリマー、硬質ポリマーなどで作られる。
【0051】
[0068]
図3は、本開示の態様による、支持部材の周囲に巻かれた構成の超音波撮像アセンブリの概略斜視図である。
図3は、巻かれた構成のスキャナアセンブリ110の透視図を示す。場合によっては、可撓性基板214は、平坦な構成(
図2)から、巻かれた又はより円筒状の構成(
図3)に移行する。例えば、いくつかの実施形態では、「ULTRASONIC TRANSDUCER ARRAY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME」と題する米国特許第6,776,763号、及び「HIGH RESOLUTION INTRAVASCULAR ULTRASOUND SENSING ASSEMBLY HAVING A FLEXIBLE SUBSTRATE」と題する米国特許第7,226,417号のうちの1つ又は複数に開示されている技法が利用され、これらの特許はそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0052】
[0069] 本開示の発明の適用例及び実施形態に応じて、トランスデューサ素子212は、圧電トランスデューサ、単結晶トランスデューサ、又はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)トランスデューサである。他の実施形態では、トランスデューサアレイ124のトランスデューサ素子は、屈曲トランスデューサ、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)、静電容量マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)、又は他の任意の好適なタイプのトランスデューサ素子である。そのような実施形態では、トランスデューサ素子212は、基板上に極めて小さな素子若しくは回路を配置するマイクロマシン加工若しくは同様の方法を可能にする細長い半導体材料又は他の好適な材料を含む。
【0053】
[0070] いくつかの実施形態では、トランスデューサ素子212及びコントローラ206は、支持部材230の長手方向軸250の周囲に円形構成などの環状構成で又は多角形構成で配置され得る。支持部材230の長手方向軸250は、スキャナアセンブリ110、可撓性の細長い部材121、又はデバイス102の長手方向軸とも呼ばれることを理解されたい。例えば、トランスデューサ素子212及び/又はコントローラ206における撮像アセンブリ110の断面輪郭は、円形又は多角形であり得る。コントローラ又はトランスデューサの数、コントローラ又はトランスデューサの可撓性などに基づく形状など、任意の好適な環状多角形形状が実装され得る。いくつかの例は、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形などを含む。いくつかの例では、トランスデューサコントローラ206は、トランスデューサ素子212の超音波トランスデューサ512を制御して血管120に関連する撮像データを取得するために使用される。
【0054】
[0071] 支持部材230は、場合によってはユニボディと呼ばれ得る。支持部材230は、ステンレス鋼などの金属材料、又は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2014年4月28日に出願された米国仮特許出願第61/985,220号「Pre-Doped Solid Substrate for Intravascular Devices」に記載されているようなプラスチック若しくはポリマーなどの非金属材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、支持部材230は303ステンレス鋼で構成される。支持部材230は、遠位フランジ又は遠位部232と近位フランジ又は近位部234とを有するフェルールであり得る。支持部材230は、管状形状であり、その長手方向に延在する管腔236を画定することができる。管腔236は、ガイドワイヤ118を収容するようにサイズ設定及び成形され得る。支持部材230は、任意の好適なプロセスを使用して製造され得る。例えば、支持部材230は、ブランクから材料を除去して支持部材230を成形することなどによって機械加工及び/若しくは電気化学的に機械加工若しくはレーザ加工されるか、又は、射出成形プロセス若しくはマイクロ射出成形プロセスなどによって成形され得る。
【0055】
[0072]
図4は、本開示の態様による、超音波撮像アセンブリの概略断面側面図である。管腔内撮像デバイス102は、本開示の態様による可撓性基板214及び支持部材230を含む。管腔236は、入口/出口ポート116に接続され、ガイドワイヤ118を収容するようにサイズ設定及び成形される(
図1)。いくつかの実施形態では、支持部材230は一体構造として一体形成され、他の実施形態では、支持部材230は、互いに固定結合されたフェルール及びスタンド242、243、及び244などの異なる構成要素から形成される。場合によっては、支持部材230及び/又はその1つ若しくは複数の構成要素は、内側部材256と完全に統合される。場合によっては、例えばポリマー支持部材の場合のように、内側部材256と支持部材230とが1つとして接合される。
【0056】
[0073] 支持部材230の遠位部、中央部、及び近位部にはそれぞれ、垂直に延出するスタンド242、243、及び244が設けられる。スタンド242、243、及び244は、可撓性基板214の遠位部、中央部、及び近位部を引き上げて支持する。その点において、トランスデューサ部204(又はトランスデューサ領域204)などの可撓性基板214の一部は、スタンド242と243と244との間に延在する支持部材230の中央本体部から間隔が空けられ得る。スタンド242、243、244は、同じ外径又は異なる外径を有し得る。例えば、遠位スタンド242は、中央スタンド243及び/若しくは近位スタンド244よりも大きい又は小さい外径を有することができ、また、回転配列並びにチップの配置及び接続の制御のための特別な特徴を有することもできる。
【0057】
[0074] 音響性能を向上させるために、トランスデューサアレイ212と支持部材230の表面との間の空洞に音響バッキング材246が充填される。スタンド242内の通路235を介して、又は以下でより詳細に説明する追加の凹部を通じて、可撓性基板214と支持部材230との間に液体バッキング材246が導入され得る。バッキング材246は、トランスデューサアレイ212によって放出される望ましくない内向き方向に伝播する超音波エネルギーを減衰させる役割を果たす。
【0058】
[0075] 回路コントローラチップ206と支持部材230の表面との間の空洞は、アンダーフィル材247で充填される。アンダーフィル材247は、回路コントローラチップ206及び/又は可撓性基板214に構造的支持を提供する接着材(例えばエポキシ)である。更に、アンダーフィル材247は任意の好適な材料である。
【0059】
[0076] いくつかの実施形態では、支持部材の中央本体部は、ユニボディの管腔と、可撓性基板214と支持部材230との間の空洞との間の流体連通を可能にする凹部を含み得る。音響バッキング材246及び/又はアンダーフィル材247は、(組み立てプロセス中、内側部材256がユニボディの管腔を通って延在する前に)空洞を介して導入され得る。いくつかの実施形態では、スタンド242、244のうちの一方の通路235を介して又は他の任意の好適な凹部に対して、吸引力が印加され、スタンド242、244のうちの他方の通路235又は他の任意の好適な凹部を介して、可撓性基板214と支持部材230との間に液体バッキング材246が供給される。バッキング材は、凝固して固まることが可能になるように硬化され得る。様々な実施形態では、支持部材230は、3つのスタンド242、243、及び244よりも多くのスタンドを含むか、スタンド242、243、244のうちの1つ若しくは2つのみを含むか、又はスタンドを全く含まない。この点において、支持部材230は、可撓性基板214の遠位部及び/又は近位部を引き上げて支持するようにサイズ設定並びに成形された、直径の大きい遠位部262及び/又は直径の大きい近位部264を有し得る。
【0060】
[0077] いくつかの実施形態では、支持部材230は実質的に円筒形であり得る。幾何学的、非幾何学的、対称的、非対称的な断面輪郭を含む、支持部材230の他の形状も企図される。支持部材230の形状という用語は、本明細書で使用される場合、支持部材230の断面輪郭を指す。他の実施形態では、支持部材230の異なる部分は、様々な形状であり得る。例えば、近位部264は、遠位部262の外径、又は遠位部262と近位部264との間に延在する中央部の外径よりも大きい外径を有し得る。いくつかの実施形態では、支持部材230の内径(例えば、管腔236の直径)は、外径の変化に応じて増加又は減少し得る。他の実施形態では、支持部材230の内径は、外径が変化しても同じままである。
【0061】
[0078] 近位内側部材256及び近位外側部材254は、支持部材230の近位部264に結合される。近位内側部材256及び/又は近位外側部材254は、可撓性の細長い部材を含み得る。近位内側部材256は、近位フランジ234内に収容され得る。近位外側部材254は、可撓性基板214の近位端に当接して接触している。遠位先端部材252は、支持部材230の遠位部262に結合される。例えば、遠位部材252は、遠位フランジ232の周囲に配置される。先端部材252は、可撓性基板214の遠位端及びスタンド242に当接して接触し得る。他の実施形態では、先端部材252の近位端は、巻かれた構成で可撓性基板214の遠位端内に収容される。いくつかの実施形態では、可撓性基板214と先端部材252との間に間隙が存在する。遠位部材252は、管腔内撮像デバイス102の最も遠位の構成要素であり得る。遠位先端部材252は、撮像デバイス102の最も遠位の端部を画定する可撓性ポリマー構成要素である。遠位先端部材252は更に、支持部材230によって画定される管腔236と連通する管腔を画定する。ガイドワイヤ118は、管腔236、及び先端部材252によって画定される管腔を通って延出する。
【0062】
[0079] 管腔内撮像デバイス102の遠位部における様々な構成要素間に、1つ又は複数の接着剤が配置され得る。例えば、可撓性基板214、支持部材230、遠位部材252、近位内側部材256、トランスデューサアレイ212、及び/又は近位外側部材254のうちの1つ又は複数が、接着剤を介して互いに結合され得る。言い換えれば、接着剤は、構成要素の中でもとりわけ、例えばトランスデューサアレイ212、可撓性基板214、支持部材230、遠位部材252、近位内側部材256、及び/又は近位外側部材254と接触し得る。
【0063】
[0080]
図5は、本開示の態様による、プロセッサ回路の概略図である。プロセッサ回路510は、
図1Aの制御システム130、管腔内撮像システム191、生理学的測定システム101、及び/若しくはX線撮像システム151、又は他の任意の好適な位置に実装される。一例では、プロセッサ回路510は、管腔内撮像デバイス102、X線撮像デバイス152、上記で説明した圧力感知ガイドワイヤ及び/若しくはカテーテル、並びに/又はシステム100内のディスプレイ132と通信状態にある。プロセッサ回路510は、プロセッサ134及び/又は通信インターフェース140(
図1A)を含む。1つ又は複数のプロセッサ回路510は、本明細書に記載の動作を実行するように構成される。図示のように、プロセッサ回路510は、プロセッサ560、メモリ564、及び通信モジュール568を含む。これらの要素は、直接的に、又は、例えば1つ若しくは複数のバスを介して間接的に相互に通信状態にある。
【0064】
[0081] プロセッサ560には、本明細書に記載の動作を実行するように構成された、CPU、GPU、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、コントローラ、FPGA、別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、又はそれらの任意の組合せが含まれる。プロセッサ560は、コンピューティングデバイスの組合せ、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つ若しくは複数のマイクロプロセッサ、又は他の任意のそのような構成としても実装される。
【0065】
[0082] メモリ564には、キャッシュメモリ(例えば、プロセッサ560のキャッシュメモリ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリデバイス、ハードディスクドライブ、他の形式の揮発性及び不揮発性メモリ、又は異なるタイプのメモリの組合せが含まれる。一実施形態では、メモリ564は非一時的コンピュータ可読媒体を含む。メモリ564は命令566を記憶する。命令566は、プロセッサ560によって実行されたとき、プロセッサ560に、プローブ110及び/又はホスト130(
図1)を参照して本明細書で説明される動作を実行させる命令を含む。命令566はコードとも呼ばれる。「命令」及び「コード」という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読ステートメントを含むように広く解釈されるべきである。例えば、「命令」及び「コード」という用語は、1つ又は複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、手順などを指す。「命令」及び「コード」には、単一のコンピュータ可読ステートメント又は多くのコンピュータ可読ステートメントが含まれる。
【0066】
[0083] 通信モジュール568は、プロセッサ回路510、プローブ110、及び/又はディスプレイ132の間のデータの直接的又は間接的な通信を容易にするための任意の電子回路及び/又は論理回路を含み得る。その点において、通信モジュール568は、入出力(I/O)デバイスであり得る。場合によっては、通信モジュール568は、プロセッサ回路510、プローブ110(
図1C)、及び/又はホスト130(
図1A)の様々な要素間の直接的又は間接的な通信を容易にする。
【0067】
[0084]
図6は、本開示の態様による、患者の血管系の領域600の概略図である。
図6には、生理学的測定システム101及び管腔内撮像システム191を用いて測定された血管690の図が示されている。生理学的測定手順は、管腔内撮像手順の前又は後に完了する。
【0068】
[0085] 一例では、生理学的測定手順が実行される。この手順中、生理学的測定システム101の圧力感知デバイスは、血管690内に配置される。例えば、圧力感知カテーテルが、血管690内の位置611に配置される。圧力感知ガイドワイヤの遠位圧力センサは、点602で示されるように、開始位置610に配置される。圧力感知手順中、圧力感知ガイドワイヤの遠位圧力センサは、血管690内の位置610から位置611まで移動する。ガイドワイヤが位置610から位置611まで引かれるとき、遠位センサが圧力測定値を取得する。位置611に配置された静止状態のカテーテルの近位圧力センサも圧力測定値を収集する。
図7を参照して説明するように、ガイドワイヤの遠位センサが進行した血管690に沿った各位置について、圧力比が算出され、血管690に沿ったその位置に関連付けられる。
【0069】
[0086]
図6では、血管690に隣接して経路603が示されている。経路603は、ガイドワイヤの遠位圧力センサが管腔の隣ではなく血管690内を進行したこと以外に、プルバックによるガイドワイヤの遠位圧力センサの経路の形状及び長さを示している。この経路603は、血管690内又は他の任意の場所に位置する。
【0070】
[0087] 管腔内撮像手順は、例えば、血管内超音波(IVUS)撮像デバイス又はカテーテル、例えばデバイス102(
図1C)を含むIVUS撮像システムを用いて実行される。この手順中、管腔内撮像システム191のIVUS撮像デバイス102は、血管690内に配置される。例えば、デバイス102は、血管690内の位置612に配置される。この位置は、点604によって示されるようにデバイス102の開始位置である。管腔内撮像手順中、デバイス102は、血管690内の位置612から位置613まで移動する。管腔内撮像デバイス102が位置612から位置613まで引かれるとき、デバイス102は血管内超音波データを取得する。管腔内撮像デバイス102が進行した経路605に沿った特定の位置において取得された管腔内超音波データは、制御システム130によって受信され、その位置における血管690の放射状の断面画像(例えば、IVUS画像)を作成するために使用される。
図8を参照して説明するように、デバイス102が通過した血管690に沿った各位置について、IVUS画像が生成され、血管690に沿ったその位置に関連付けられる。
【0071】
[0088]
図6では、血管690に隣接して経路605が示されている。経路605は、デバイス102が管腔の隣ではなく血管690内を進行したこと以外に、プルバックによる管腔内撮像システム191の管腔内撮像デバイス102の経路の形状及び長さを示している。この経路605は、血管690内又は他の任意の場所に位置する。
【0072】
[0089]
図6に示すように、ガイドワイヤの圧力センサの開始位置(例えば、位置610)と管腔内撮像デバイス102の開始位置(例えば、位置612)とは同じ位置ではない。例えば、IVUS撮像デバイス102の開始位置に対応する位置612は、圧力感知ガイドワイヤの開始位置の(
図6に示すような)遠位の位置、又は近位の位置にある。同様に、圧力ガイドワイヤの終了位置(例えば、位置611)は、デバイス102の終了位置(例えば、位置613)とは異なる位置にある。その結果、血管690の領域のうち、撮像デバイス102によってのみ撮像された領域(例えば、
図6に示す例では領域614)又は圧力感知ガイドワイヤによってのみ測定された領域(例えば、
図6に示す例では領域615)が存在する。
【0073】
[0090] いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの圧力センサの開始位置と管腔内撮像デバイス102の開始位置とは同じ位置である。同様に、圧力ガイドワイヤの終了位置は、デバイス102の終了位置と同じ位置にある。その結果、撮像デバイス102によって撮像された血管690の領域はすべて、圧力感知ガイドワイヤによっても測定されている。
【0074】
[0091]
図7及び
図8を参照すると、圧力データ及び血管内画像を管腔外画像(例えば、血管造影画像)にコレジストレーションする態様が開示されている。いくつかの実施形態では、システムは、生理学的プルバックの長さを確立するための第1のステップとして、血管造影への生理学的コレジストレーションを使用する。次いで、システムは、その長さを確立する同じ血管造影にIVUSプルバックをコレジストレーションする。次いで、システムは、これらのプルバックの長さ及びそれらの開始位置を使用して、生理学的データをIVUSプルバックの校正された長手方向断面にコレジストレーションする。いくつかの実施形態では、生理学的データ、血管内データ、及び血管造影画像のレジストレーションは、トリレジストレーションと呼ばれる。いくつかの実施形態では、トリレジストレーションは、3つの別個の撮像モダリティの相関を指す。これらのモダリティのそれぞれは、同時に表示される。
【0075】
[0092]
図7は、本開示の態様による、X線透視画像710と、圧力データ730と、血管内デバイスの動きによって画定される経路740との間の関係を示す概略図である。
図7は、圧力比データ又はiFR測定値を含む生理学的データ730を、患者の解剖学的部位の同じ領域の1つ又は複数の透視画像710上の対応する位置とコレジストレーションする方法を説明している。
【0076】
[0093] 生理学的データを管腔外画像とコレジストレーションする様々な態様は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2006年1月11日に出願された「Vascular Image Co-registration」と題する米国特許出願公開第2006/0241465号に記載されている1つ又は複数の特徴を含む。
【0077】
[0094] 医師が圧力感知デバイスでプルバックを実行している間に、例えば圧力感知ガイドワイヤが解剖学的部位の血管を通って移動している間に、X線デバイスによって患者の解剖学的部位が撮像される。圧力感知ガイドワイヤは、
図1Aを参照して説明した圧力感知ガイドワイヤと実質的に同様である。透視画像710を取得するために使用されるX線デバイスは、
図1BのX線デバイス152と実質的に同様である。いくつかの実施形態では、透視画像710は、患者の血管系内に造影剤が存在しない状態で取得される。そのような実施形態は、
図7の透視画像710によって示されている。他の実施形態では、患者の血管系内に造影剤が存在する。その点において、透視画像810は、代替として血管造影画像又は任意の好適なタイプの管腔外画像である。透視画像710内に、血管内デバイス720の放射線不透過部分が見えている。透視画像710は、透視画像の連続画像ストリームに対応し、患者の解剖学的部位が低減された線量のX線放射に曝露されるときに取得される。透視画像710は、患者の解剖学的部位に対して任意の好適な角度に配置されたX線源160及びX線検出器170を用いて取得されることに留意されたい。この角度は、角度790によって示されている。
【0078】
[0095] 血管内デバイス720は、任意の好適な血管内デバイスである。示されている例では、デバイス720は、圧力感知ガイドワイヤを含む。圧力感知ガイドワイヤが患者の血管系を通って移動するとき、X線撮像システムは、圧力感知ガイドワイヤの放射線不透過部分を示す複数の透視画像710を取得する。このように、
図7に示す各透視画像710は、プロセッサ回路510(
図5)が血管内コレジストレーション手順全体にわたって圧力感知ガイドワイヤの位置を追跡できるように、様々な位置に配置された圧力感知ガイドワイヤを描写する。
【0079】
[0096] 圧力感知ガイドワイヤが患者の血管系を通って引かれるとき、圧力感知ガイドワイヤは圧力データ730を取得する。一例では、
図7に示す圧力データ730はiFR測定値である。しかしながら、圧力データは、FFRデータ、iFRデータ、血圧、血流に関連する任意の他の測定値若しくは測定基準、又はガイドワイヤのプルバック中に取得される他の生理学的データを含む、任意の好適なデータである。
【0080】
[0097] 医師が患者の血管系を通じて圧力感知ガイドワイヤを引くとき、圧力感知ガイドワイヤによって取得された各iFRデータ点730は、矢印761で示されるように透視画像710内の位置に関連付けられる。例えば、
図7に示す第1の圧力データ測定値730は、第1の透視画像710内の位置に関連付けられる。第1のiFR測定値730は、第1の透視画像710に描写されるように、また画像710内の圧力感知ガイドワイヤの放射線不透過部分によって示されるように、血管系内の位置において(近位圧力感知カテーテルと連動する)圧力感知ガイドワイヤによって取得された圧力比である。同様に、更なるiFR測定730が、画像710内の新しい位置にある圧力感知ガイドワイヤを示す更なる透視画像710に関連付けられ、以下同様に行われる。プロセッサ回路は、取得された各X線画像710内の圧力感知ガイドワイヤの位置を特定する。プロセッサ回路510は、圧力感知ガイドワイヤの位置を任意の好適な方法によって識別する。例えば、プロセッサ回路510は、放射線不透過性マーカのエッジ識別、明るいピクセルと暗いピクセルとの間の遷移を特定するためのピクセル単位の分析、フィルタリング、又は圧力感知ガイドワイヤの位置を特定するための他の任意の好適な技法など、様々な画像処理技法を実行する。いくつかの実施形態では、プロセッサ回路は、ニューラルネットワークなどの深層学習技法又は他の任意の好適な技法を含む様々な人工知能方法を使用して、X線画像710内の圧力感知ガイドワイヤの位置を識別する。
【0081】
[0098] デバイスのプルバック中に、任意の好適な数のiFRデータ点730が取得され、任意の好適な数の透視画像710が取得される。いくつかの実施形態では、比率が1対1の透視画像710及びiFRデータ730が存在する。他の実施形態では、異なる数の透視画像710及びiFRデータ730が存在する。iFRデータ730及び/又は(
図8を参照して説明する)血管内データ830を1つ又は複数のX線画像とコレジストレーションするプロセスは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2006年1月11日に出願された「VASCULAR IMAGE CO-REGISTRATION」と題する米国特許第7,930,014号に記載されているものと同様のいくつかの特徴を含む。コレジストレーションプロセスは、米国特許第8,290,228号、米国特許第8,463,007号、米国特許第8,670,603号、米国特許第8,693,756号、米国特許第8,781,193号、米国特許第8,855,744号、及び米国特許第10,076,301号に記載されているものと同様のいくつかの特徴も含み、これらの特許はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0082】
[0099] プルバック手順が完了した後、又はプルバック手順中、システム100は、X線透視画像710内の圧力感知ガイドワイヤの位置によって画定される透視ベースの2D経路740を生成する。透視画像710に示されるプルバック中の圧力感知ガイドワイヤの様々な位置は、矢印760で示されるように2次元経路740を画定する。透視ベースの2D経路740は、X線撮像デバイス152によって角度790から観察された、圧力感知ガイドワイヤが患者の血管系を通って移動するときの圧力感知ガイドワイヤの経路を反映している。透視ベースの2D経路740は、透視画像710を取得したX線デバイスによって測定された経路を画定し、したがって、透視画像が取得されたときと同じ角度790からの経路を示す。言い換えると、2D経路740は、デバイスが辿る3D経路を撮像角度790で撮像平面に投影したものを表す。いくつかの実施形態では、経路740は、透視画像710内の圧力感知ガイドワイヤの検出された位置の平均によって決定される。例えば、経路740は、提示用に選択された任意の透視画像710内のガイドワイヤと厳密には一致しない。いくつかの実施形態では、経路740はユーザに表示されない。例えば、各圧力データ730は、画像711内の特定の座標に関連付けられる。このようにして、圧力データ730は、画像711に直接コレジストレーションされる。圧力データ730に関連付けられたすべての座標のグループが経路740を画定する。このようにして、iFRデータは、ロードマップ画像711内の部分又は位置に直接関連付けられる。
【0083】
[00100] 矢印762で示されるように、2次元経路740は透視画像710に基づいて生成されるので、2次元経路740に沿った各位置は1つ又は複数の透視画像710に関連付けられる。一例として、経路740に沿った位置741では、第1の透視画像710は、その同じ位置741にある圧力感知ガイドワイヤを描写する。加えて、矢印761で示されるように透視画像710とiFRデータ730との間に対応関係が確立されているので、矢印763で示されるように、示されている第1のiFR測定値などのiFRデータ730も経路740に沿った位置741に関連付けられる。
【0084】
[00101] 最後に、透視画像710内の圧力感知ガイドワイヤの位置に基づいて生成された経路740は、任意の好適な透視画像711(例えば、透視画像ストリーム内の透視画像710のうちの1つ)に重ね合わせられる。このようにして、矢印764で示されるように、透視画像711上に表示される経路740に沿った任意の位置がiFR測定値730などのiFRデータに関連付けられる。例えば、
図7に示す第1の圧力データ730は、示されている第1の透視画像710と同時に取得され、この2つの画像は、矢印761で示されるように互いに関連付けられる。その場合、矢印762で示されるように、透視画像710は経路740に沿った圧力感知ガイドワイヤの位置を示し、したがって、矢印763で示されるように、圧力データ730は経路740に沿った位置741に関連付けられる。最後に、透視画像711上の関連データに経路740を重ね合わせることによって、圧力データ730は、透視画像710内の圧力データ730が取得された位置に関連付けられる。経路740自体は、画像711上に表示される場合と表示されない場合がある。
【0085】
[00102] いくつかの実施形態では、コレジストレーションされたiFRデータは、iFRデータが取得される位置が血管に沿った位置に対して相対的に認知されるように、造影剤を用いて取得された(血管が見える)X線画像に関連付けられる。
【0086】
[00103]
図8は、本開示の態様による、X線透視画像810と、血管内超音波画像830と、血管内デバイスの動きによって画定される経路840と間の関係を示す概略図である。
図8は、血管内画像を含む血管内データ830を、患者の解剖学的部位の同じ領域の1つ又は複数の透視画像810上の対応する位置とコレジストレーションする方法を説明している。IVUS画像を含む血管内データ830をコレジストレーションする態様は、
図7を参照して説明した概念と同様である。
【0087】
[00104] 具体的には、医師が血管内デバイス820でプルバックを実行している間に、例えば血管内デバイス820が解剖学的部位の血管を通って移動している間に、X線デバイスによって患者の解剖学的部位が撮像される。血管内デバイスは、
図1Cを参照して説明した血管内デバイス102と実質的に同様である。透視画像810を取得するために使用されるX線デバイスは、
図1BのX線デバイス152と実質的に同様である。いくつかの実施形態では、透視画像810は、患者の血管系内に造影剤が存在しない状態で取得される。そのような実施形態は、
図8の透視画像810によって示されている。他の実施形態では、患者の血管系内に造影剤が存在する。その点において、透視画像810は、代替として血管造影画像又は任意の好適なタイプの管腔外画像である。透視画像810内に、血管内デバイス820の放射線不透過部分が見えている。透視画像810は、透視画像の連続画像ストリームに対応し、患者の解剖学的部位が低減された線量のX線放射に曝露されるときに取得される。透視画像810は、患者の解剖学的部位に対して任意の好適な角度に配置されたX線源160及びX線検出器170を用いて取得されることに留意されたい。この角度は、角度890によって示されている。
【0088】
[00105] 血管内デバイス820は、任意の好適な血管内デバイスである。血管内デバイス820が患者の血管系を通って移動するとき、X線撮像システムは、血管内デバイス820の放射線不透過部分を示す複数の透視画像810を取得する。このように、
図8に示す各透視画像810は、プロセッサ回路が血管内デバイス820の位置を経時的に追跡できるように、様々な位置に配置された血管内デバイス820を描写する。
【0089】
[00106] 血管内デバイス820が患者の血管系を通って引かれるとき、血管内デバイス820は血管内データ830を取得することができる。一例では、
図8に示す血管内データ830は、IVUS画像である。しかしながら、血管内データは、IVUS画像、OCT画像、血管内光音響(IVPA)画像、管腔構造に関連する他の任意の測定値若しくは測定基準、又は血管内デバイスのプルバック中に取得された他の生理学的データを含む、任意の好適なデータである。
【0090】
[00107] 医師が患者の血管系を通じて圧力感知ガイドワイヤを引くとき、血管内デバイス820によって取得された各血管内データ点830は、矢印861で示されるように透視画像810における患者の解剖学的部位内の位置に関連付けられる。例えば、
図8に示す第1のIVUS画像830は、第1の透視画像810に関連付けられる。第1のIVUS画像830は、第1の透視画像810に描写されるように、また画像810内の血管内デバイス820によって示されるように、血管系内の位置において血管内デバイス820によって取得された画像である。同様に、更なるIVUS画像830が、画像810内の新しい位置にある血管内デバイス820を示す更なる透視画像810に関連付けられ、以下同様に行われる。プロセッサ回路は、取得された各X線画像810内の血管内デバイス820の位置を任意の好適な方法によって特定する。例えば、プロセッサ回路は、放射線不透過性マーカのエッジ識別、明るいピクセルと暗いピクセルとの間の遷移を特定するためのピクセル単位の分析、フィルタリング、又は撮像デバイス820の位置を特定するための他の任意の好適な技法など、様々な画像処理技法を実行する。いくつかの実施形態では、プロセッサ回路は、ニューラルネットワークなどの深層学習技法又は他の任意の好適な技法を含む様々な人工知能方法を使用して、X線画像810内の撮像デバイス820の位置を識別する。
【0091】
[00108] デバイスのプルバック中に、任意の好適な数のIVUS画像又は他の血管内データ点830が取得され、任意の好適な数の透視画像810が取得される。いくつかの実施形態では、比率が1対1の透視画像810及び血管内データ830が存在する。他の実施形態では、異なる数の透視画像810及び/又は血管内データ830が存在する。
【0092】
[00109] 更に、システム100は、X線透視画像810内の血管内デバイス820の位置によって画定される透視ベースの2D経路840を生成する。透視画像810に示されるプルバック中の血管内デバイス820の様々な位置は、矢印860で示されるように2次元経路840を画定する。透視ベースの2D経路840は、X線撮像デバイス152によって角度890から観察された、血管内デバイス820が患者の血管系を通って移動するときの血管内デバイス820の1つ又は複数の放射線不透過部分の経路を反映している。透視ベースの2D経路840は、透視画像810を取得したX線デバイスによって測定された経路を画定し、したがって、透視画像が取得されたときと同じ角度890からの経路を示す。言い換えると、2D経路840は、デバイスが辿る3D経路を撮像角度890で撮像平面に投影したものを表す。いくつかの実施形態では、経路840は、透視画像810内の血管内デバイス820の検出された位置の平均によって決定される。例えば、経路840は、提示用に選択された任意の透視画像810内のガイドワイヤと厳密には一致しない。しかしながら、
図1~
図4を参照して説明したように、撮像カテーテル102はガイドワイヤに沿って移動するように配置されることに留意されたい。いくつかの実施形態では、経路840はユーザに表示されない。例えば、各IVUS画像830は、画像811内の特定の座標に関連付けられる。このようにして、圧力データ830は、画像811に直接コレジストレーションされる。圧力データ830に関連付けられたすべての座標のグループが経路840を画定する。このようにして、IVUS画像は、ロードマップ画像811内の部分又は位置に直接関連付けられる。
【0093】
[00110] 矢印862で示されるように、2次元経路840は透視画像810に基づいて生成されるので、2次元経路840に沿った各位置は1つ又は複数の透視画像810に関連付けられる。一例として、経路840に沿った位置841では、第1の透視画像810は、その同じ位置841にある血管内デバイス820を描写する。加えて、矢印861で示されるように透視画像810と血管内データ830との間の対応関係も確立されているので、矢印863で示されるように、示されているIVUS画像などの血管内データ830も経路840に沿った位置841に関連付けられる。
【0094】
[00111] 最後に、透視画像810内の血管内デバイス820の位置に基づいて生成された経路840は、任意の好適な透視画像811(例えば、透視画像ストリーム内の透視画像810のうちの1つ)に重ね合わせられる。このようにして、矢印864で示されるように、透視画像811上に表示される経路840に沿った任意の位置がIVUS画像830などのIVUSデータに関連付けられる。例えば、
図8に示すIVUS画像830は、示されている透視画像810と同時に取得され、この2つの画像は、矢印861で示されるように互いに関連付けられる。その場合、矢印862で示されるように、透視画像810は経路840に沿った血管内デバイス820の位置を示し、したがって、矢印863で示されるように、IVUS画像830は経路840に沿った位置841に関連付けられる。最後に、透視画像811上の関連データに経路840を重ね合わせることによって、IVUS画像830は、透視画像810内のIVUS画像830が取得された位置に関連付けられる。経路840自体は、画像811上に表示される場合と表示されない場合がある。
【0095】
[00112]
図8の図示された実施形態では、コレジストレーションされたIVUS画像は、IVUS画像が取得される位置がガイドワイヤに沿った位置に対して相対的に認知されるように、造影剤なしで取得された透視画像のうちの1つに関連付けられる。他の実施形態では、コレジストレーションされたIVUS画像は、IVUS画像が取得される位置が血管に沿った位置に対して相対的に認知されるように、造影剤を用いて取得された(血管が見える)X線画像に関連付けられる。
【0096】
[00113]
図9は、本開示の態様による、管腔外画像にコレジストレーションされた血管内画像と、管腔外画像にコレジストレーションされた圧力データと、血管内画像及び圧力データに基づく長手方向ビューとの間の関係を示す概略図である。具体的には、
図9は、ロードマップX線透視画像711及びコレジストレーションされたiFRデータ730(
図7)と、ロードマップX線透視画像811及びコレジストレーションされたIVUS撮像データ830(
図8)との間の関係を示している。このように、
図9は、患者の解剖学的部位の同じ領域のiFRデータ730とIVUS画像830とをコレジストレーションする方法を説明している。
【0097】
[00114] いくつかの態様では、生理学的データは、IVUS断面画像(例えば、ILD)に重ね合わせられる。生理学的データとIVUSデータとのコレジストレーションにより、ユーザは、特定のIVUSフレームに関連する生理学的データだけでなく血管の撮像及び/又は測定された区分全体の状況をよりよく理解することが可能になる。コレジストレーションは、冠動脈疾患(CAD)の診断及び治療における差別化要因である。撮像データ及び生理学的データを血管造影図に且つ/又は互いにコレジストレーションすることにより、医師は患者の冠動脈の解剖学的部位をより容易に理解できるだけでなく、最適な治療経路を特定することも可能になる。
【0098】
[00115]
図7を参照して説明した経路740は、位置データ及びiFRデータを含む。例えば、経路740は、iFRデータ(例えば、
図7のデータ730)を血管(例えば、
図6の血管690)に沿った位置に関連付ける。例えば、各iFRデータ730は、他のiFRデータ位置座標とともに経路740を画定する1つの位置座標に対応する。最初に受信されたiFRデータの位置座標は、圧力ガイドワイヤの開始位置に対応し、経路740の開始位置である。最後に受信されたiFRデータは、終了位置に対応する。開始位置と終了位置との間の血管及び/又はガイドワイヤに沿った長さは、経路740の長さを画定する。一実施形態では、各iFRデータは、ロードマップ画像711内の位置を指定する2次元座標に関連付けられる。別の実施形態では、各iFRデータは、開始位置からの距離測定の1次元座標に関連付けられる。この実施形態では、開始位置は、原点又はゼロ距離に対応する。
【0099】
[00116]
図8を参照して説明した経路840は、同様の位置データ及びIVUS撮像データを含む。例えば、経路840は、IVUS画像データ(例えば、
図8のIVUSデータ830)を血管(例えば、
図6の血管690)に沿った位置に関連付ける。例えば、各IVUS画像830は、他のIVUS画像位置座標とともに経路840を画定する1つの位置座標に対応する。経路740と同様に、最初に受信されたIVUS画像の位置座標は、撮像デバイスの開始位置に対応し、経路840の開始位置である。最後に受信されたIVUS画像は、終了位置に対応する。開始位置と終了位置との間の血管及び/又はガイドワイヤに沿った長さは、経路840の長さを画定する。一実施形態では、各IVUS画像は、ロードマップ画像811内の位置を指定する2次元座標に関連付けられる。別の実施形態では、各IVUS画像は、開始位置からの距離測定の1次元座標に関連付けられる。この実施形態では、開始位置は、原点又はゼロ距離に対応する。
【0100】
[00117] iFRデータ及びIVUS画像のそれぞれが、それぞれロードマップ画像711又はロードマップ画像811内の位置を識別する2次元座標に関連付けられる実施形態では、血管に沿った同じ位置で取得されたiFRデータ及びIVUS画像は、同じ又は実質的に同様の2次元座標を有することに基づいてコレジストレーションされる。この実施形態では、ロードマップ画像711及びロードマップ画像811は同じ画像又は実質的に同じ画像である。
【0101】
[00118] iFRデータ及びIVUS画像のそれぞれが、それぞれの開始位置からの距離を識別する1次元の長さに関連付けられる実施形態では、iFR経路740の開始位置とIVUS撮像経路840の開始位置との間の距離が特定される。この距離は、iFRデータの1次元距離座標をIVUS画像と同じ位置に一致させるためのオフセットとして使用される。この実施形態では、ロードマップ画像711及びロードマップ画像811は同じ画像であるか、又は異なる画像である。
【0102】
[00119] 経路740及び付随するiFRデータと患者の血管に沿った位置との間の関係、並びに経路840及び付随するIVUS画像データと同じ血管に沿った位置との間の関係により、
図9に示す体腔の長手方向ビュー910及び重ね合わせられたデータによって示されるように、血管に沿った同じ位置にiFRデータとIVUS画像データとが併せて表示される。長手方向ビューは、画像長手方向表示(ILD)又はインラインデジタル(ILD)ビューと呼ばれ得る。
【0103】
[00120] 取得されたIVUS画像は、ILD910を作成するために使用される。その点において、IVUS画像は、血管の断層撮影図又は放射状断面図である。ILD910は、血管の長手方向断面図を提供する。ILD910は、ILD910の長手方向ビューがIVUS画像の放射状断面図に垂直であるような、血管に沿った様々な位置で取得されたIVUS画像のスタックである。そのような実施形態では、ILD910は血管の長さを示し、個々のIVUS画像は長さに沿った所与の位置での単一の放射状断面画像である。別の実施形態では、ILD910は、撮像手順中に経時的に取得されたIVUS画像のスタックであり、ILD910の長さは、撮像手順の時間又は継続時間を表す。ILD910は、プルバック手順中にリアルタイムで又はほぼリアルタイムで生成及び表示される。追加のIVUS画像が取得されるたびに、その画像はILD910に追加される。例えば、プルバック手順中のある時点では、
図9に示すILD910は部分的に完成している。いくつかの実施形態では、プロセッサ回路は、受信されたIVUS画像に基づいて、撮像されている血管の長手方向ビューのイラストレーションを生成する。例えば、イラストレーションは、ILD910のように実際の血管画像データを表示するのではなく、血管の様式化されたバージョン、例えば管腔境界及び血管境界を示す実線である。
【0104】
[00121] 一例として、指標912は、ILD910に示されているように、血管に沿った位置を識別する。この指標912は、経路740に沿った位置741及び経路840に沿った同じ位置841に同時に対応する。その結果、位置841で取得されたIVUS画像は、矢印961で示されるように、ILD910の一部として指標912の位置に表示される。同様に、位置741に関連付けられたiFR値は、矢印963で示されるように、指標912の同じ位置でILD910上に重ね合わせられる。
【0105】
[00122] 経路740に関連付けられた取得済みのすべてのiFR値が、ILD910上に重ね合わせられる。iFR値がユーザにどのように表示されるかに関する一例が、線914で示されている。指標918及び指標920で示されているように、ILD910上にプロットが重ね合わせられる。例えば、最小iFR値は指標920に対応し、最大値は指標918に対応する。ILD910上の線914の垂直位置は、iFR値が最小値と最大値との間の何らかの値であることに対応する。例えば、線914がILD910の底部付近に位置しており、最小値920と一直線であるか又は同じ垂直位置にあることによって示されているように、ILD910に沿った最も遠位の位置では、圧力データは最小値になる。同様に、近位端では、圧力データは最大値になる。これは、線914がILD910の上部にあり、最大値918と一直線であるか又は同じ垂直位置にあることによって示されている。いくつかの実施形態では、ユーザが、線914及び/又は(後述する)線916の一部分を選択し、システム100が、選択された位置に関連付けられたiFR値をユーザに表示する。システム100は、指標912の位置のiFR値も表示する。
【0106】
[00123] システム100は、iFRデータ又はIVUS撮像データの任意の好適な処理を実行する。例えば、システムのプロセッサ回路510は、データがユーザに表示される前又は後に、平均化、平滑化、セグメント化、グループ化、又は他の任意の好適なデータ処理を実行する。一例では、
図9に示す線914は、処理済みのiFRデータを表す。回路510はまた、未加工のiFRデータを同時に表示するように構成される。未加工のiFRデータは、線によって示される。未加工のiFRデータ及び処理済みのiFRデータの視覚的表現は、異なる色、パターン、透明度、又は他の強調若しくは差別化の形式など、任意の手法で視覚的に区別される。プロセッサ回路510は、線914及び線916を同時に又は別々に示す。
【0107】
[00124] プロセッサ回路510は、管腔外画像内の任意のデバイス又は任意の解剖学的構造若しくは特徴の長さ測定を実行するように構成される。長さの決定は、例えば、プルバック経路(例えば、血管内撮像デバイス及び/又は圧力感知デバイスのプルバック経路)の長さ、推奨されるステントの長さ、関心点間の長さ、又は他の任意の長さを含む。長さの決定は、プロセッサ回路510によって自動的に又はユーザ入力に応答して行われる。長さの決定は、圧力感知ワイヤの放射線不透過性区分に少なくとも部分的に基づいて行われる。例えば、ガイドワイヤの放射線不透過性区分は、既知の長さ(例えば、3cm)である。システムは、この長さを参照長さとして使用して、画像内の他の任意の特徴の長さを決定する。IVUS撮像デバイスの放射線不透過性部分を使用して、同様の方法が適用される。例えば、いくつかの実施形態では、血管内撮像デバイスのトランスデューサ区分は、放射線不透過性材料から構築され、既知の寸法である。プロセッサ回路510によって行われる長さの比較に沿って、既知の長さの追加マーカも存在する。
【0108】
[00125] いくつかの実施形態では、IVUSプルバックの位置データにエラーが存在する。更に、生理学的プルバックに沿った位置データにエラーが存在する。IVUS位置データ及び生理学的データは、互いにコレジストレーションされる管腔外画像にコレジストレーションされるので、IVUSプルバック位置情報と生理学的プルバック情報との両方の誤差がスタックされる。これらのスタックされる誤差を関係付けるために、システムは、iFRデータ(点1114若しくは線914及び線916)又はIVUSデータのいずれかに関連するエラーバーを生成して表示する。これらのエラーバーは、ILD又は管腔外画像に沿って表示され、表示された位置データに関連するエラーの存在及び量をユーザが容易に理解できるよう支援する。
【0109】
[00126]
図10は、本開示の態様による、コレジストレーションされた圧力データを有する管腔の画像ベースの長手方向ビューの概略図である。
図10は、ILDに沿ったステント1010の描写を示す。この点において、ステント1010はILD910上に重ね合わせられ得る。プロセッサ回路510によって、ステント配置の推奨が自動的に行われる。この推奨は、ステントの種類、ステントの長さ、ステントの直径、ステントの近位及び遠位のランディングゾーン、並びに推奨されるステントの数、又は他の任意の好適なステントパラメータを含む。いくつかの実施形態では、ステントの推奨は、iFRデータ、IVUS撮像データ、撮像/測定された血管の側枝の位置、連続するステント間若しくは直列のステント間の距離、又は他の任意の因子のいずれかに基づく。ステントの自動推奨の態様は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2021年12月11日に出願された「AUTOMATIC SEGMENTATION AND TREATMENT PLANNING FOR A VESSEL WITH COREGISTRATION OF PHYSIOLOGY DATA AND EXTRALUMINAL DATA」と題する米国仮特許出願第63/288,554号に記載されている特徴を含む。いくつかの実施形態では、ステント1010の描写は、仮想ステント又は計画されたステントを表す。いくつかの実施形態では、仮想ステント1010の描写は、ユーザ入力デバイス(例えば、タッチスクリーンディスプレイ、マウス/キーボードなど)によるユーザ入力によって手動で配置され得る。例えば、プロセッサ回路510は、ステントの位置、長さなどを調整するための指示を提供するユーザ入力を受信するように構成される。ユーザは、線914で描写されるiFRデータ及び/又はIVUS撮像データに基づいて、ステントの配置又はステントの他の特徴を決定する。他の実施形態では、ILD910上に重ねて示されるグラフィカル要素1010は、ステントではなく他の任意の好適な治療である。例えば、グラフィカル要素1010は、血管形成デバイス、バルーン、アテローム切除デバイス、又は他の任意の治療デバイスを表す。
【0110】
[00127] いくつかの実施態様では、線914は、代替として傾向線と呼ばれる。いくつかの実施態様では、線914は、生理学的測定デバイスによって測定された生理学的データに基づく。一例では、線914は血管内の圧力測定値に基づく。いくつかの実施態様では、線914はiFR値を示す。いくつかの実施態様では、線914に対応するiFR値は、遠位位置の圧力ガイドワイヤによって取得された圧力測定値、及びガイドカテーテル上に配置された圧力センサなどの近位位置の圧力センサによって同時に取得された圧力測定値に基づく。いくつかの実施態様では、iFR値を測定する圧力デバイスは腎動脈内に配置され、圧力ガイドワイヤ上に配置された圧力センサが腎動脈内の測定値を受信し、大動脈内に配置されたガイドカテーテル上に配置された圧力センサが大動脈内の圧力の測定値を受信する。いくつかの実施態様では、近位圧力測定又は遠位圧力測定は、大動脈カテーテルによって行われる。したがって、線914の値は、これらの圧力センサのいずれか2つの間の圧力比に対応する。
【0111】
[00128]
図10は領域1014も示す。
図10に示すように、iFRデータに対応する線914は、領域1014の近位の位置で終了する。その理由は、領域1014が、IVUS撮像デバイスで撮像されたが圧力感知ガイドワイヤで測定されなかった領域であったからである。その結果、領域1014は、ILDの撮像ベースの区分を示しているが、重ね合わせられたiFRデータは含まない。したがって、
図10に示す例では、領域1014は、
図6を参照して示され説明された領域614に対応する。
【0112】
[00129]
図10には領域1015も示されている。ILD910の一部として含まれる画像データは、領域1015の遠位の位置で終了するように示されている。その理由は、領域1015が、圧力感知ガイドワイヤで測定されたがIVUSデバイスで撮像されなかった領域であったからである。その結果、領域1015は、線914及び/又は916のiFRデータを示しているが、IVUS撮像デバイスで取得されたデータに対応する画像ベースのデータは示していない。したがって、
図10に示す例では、領域1015は、
図6を参照して示され説明された領域615に対応する。
【0113】
[00130] 領域1014及び/又は1015によって示されるように、血管内デバイス又は圧力プルバックデバイスのみによって測定される血管の領域によって、1つ又は複数のオフセットが発生する。その結果、システムは、血管内画像データの位置が対応する圧力データの位置と一致することを保証するために、様々な校正手順を実行する。例えば、システムは、圧力データが対応するIVUSデータと同じ場所にコレジストレーションされることを保証するために校正を実行する。場合によっては、ILD910の右上(例えば、領域1015)に示されているように、生理学的プルバック長(例えば、経路603)はIVUSプルバック長(例えば、経路605)よりも長い。生理学的プルバックとIVUSプルバックの経路は両方ともオフセット又は校正され得る参照点から始まるので、生理学的プルバックに沿った位置はIVUSプルバックに沿った位置と一致する。一例として、管腔内画像(例えば、IVUS画像)は、前述のコレジストレーションステップのいずれかによって、患者の体腔に沿った第1の対応する位置と相関付けられる。管腔内生理学的測定値(例えば、iFR測定値)も同様に、患者の同じ体腔に沿った第2の対応する位置と相関付けられる。この例では、管腔内画像の第1の位置のうちの1つ、いくつか、又はすべてが、管腔内生理学的測定値の第2の位置のうちの1つ、いくつか、又はすべてと同じであるか又は異なる。いくつかの実施態様では、管腔内画像及び生理学的測定値は、体腔に沿った同じ位置に対応する。
【0114】
[00131]
図11は、本開示の態様による、コレジストレーションされた圧力データを有する管腔の画像ベースの長手方向ビュー1110の概略図である。
図11は、ILD(例えば、ILD1110)上に重ね合わせられたiFRデータを表示する追加の方法を示す。
図11に示すように、複数の点1114がILD1110上に重ね合わせられる。ILD1110は、前に示したILD910と実質的に同様である。
【0115】
[00132]
図11に示す実施形態では、各点1114は、圧力比(例えば、iFR)の変化に対応する。例えば、いくつかの実施形態では、所与の場所に1つの点1114が存在することは、圧力比の変化0.01に対応する。点1114は、0.01以外の任意の好適な圧力比の変化に関連付けられる。この値は、プロセッサ510又はシステム100のユーザによって決定される。ILD1110の上に重ねて示される点1114は、ILD1110の上に、ILD1110に近接して、又は他の任意の場所に重ね合わせられるなど、任意の好適な場所に配置される。
【0116】
[00133] 点1114は任意の好適な外観であることに更に留意されたい。特に、点1114は、本開示では教育目的のみで丸い点として示され説明されている。例えば、点1114は、任意の好適な形状、パターン、サイズ、又は他の任意の視覚的外観である。
【0117】
[00134]
図12は、本開示の態様による、コレジストレーションされた圧力データを有する管腔の測定値ベースの長手方向ビュー1210の概略図である。
図12は、ILD(例えば、ILD1210)上に重ね合わせられたiFRデータを表示する追加の方法を示す。
図12に示すように、複数の点1114がILD1210上に重ね合わせられる。
【0118】
[00135] いくつかの実施形態では、ILD1210は様式化されたILDを含む。特に、様式化されたILDは、IVUS画像に基づいて生成されるのではなく、管腔測定値に基づいて生成されるILDである。一例として、
図11を参照するとILD1110は主にIVUS画像に基づいているが、様式化されたILD1210は、撮像された血管及び/又は管腔の管腔内測定値に基づいている。例えば、様式化されたILD1210は、線1212及び線1214を含む。線1212は、撮像された血管の血管壁に対応する。例えば、プロセッサ回路510は、撮像手順中、受信された各IVUS画像内の血管壁を自動的に識別する。プロセッサ回路510は、各IVUS画像内のカテーテルの周囲の各方向における撮像カテーテルから血管壁までの距離を決定する。プロセッサ回路は、これらの測定値(例えば、血管壁の識別及び血管壁からカテーテルまでの距離)に基づいて、血管に沿った各位置における各IVUS画像内の血管の平均直径を決定する。これらの平均化された直径は、それぞれのIVUS画像に関連付けられ、経路840(
図8)に沿ったそれぞれの位置に関連付けられる。次いで、線1212は、ILD1210に沿った中心線を中心とする対称線として生成され、その位置における血管壁の平均直径に基づいて互いに間隔が空けられる。これにより、血管壁を明確に識別して簡略化した描写を提示することによって、システム100のユーザは血管の撮像された区分に沿って血管壁を容易に見ることが可能になる。いくつかの実施形態では、ILD1210は血管再構築と呼ばれる。
【0119】
[00136] 同様に、管腔の様式化された描写が、線1214によって識別され図示される。線1214は、撮像された血管の管腔境界に対応する。例えば、プロセッサ回路510は、撮像手順中、受信された各IVUS画像内の管腔境界を自動的に識別する。プロセッサ回路510は更に、各IVUS画像内のカテーテルの周囲の各方向における撮像カテーテルから管腔境界までの距離を決定する。プロセッサ回路は、これらの測定値(例えば、管腔境界の識別及び管腔境界からカテーテルまでの距離)に基づいて、各IVUS画像の管腔境界の平均直径を決定する。これらの平均化された直径は、それぞれのIVUS画像に関連付けられ、経路840(
図8)に沿ったそれぞれの位置に関連付けられる。次いで、線1214は、ILD1210に沿った中心線を中心とする対称線として生成され、その位置における管腔境界の平均直径に基づいて互いに間隔が空けられる。これにより、境界を明確に識別して簡略化した描写を提示することによって、システム100のユーザは血管の撮像された区分に沿って管腔境界を容易に見ることが可能になる。
【0120】
[00137] 境界検出、画像処理、画像分析、及び/又はパターン認識の例には、2001年3月13日にD.Geoffrey Vince、Barry D.Kuban、及びAnuja Nairを発明者として発行された「VASCULAR PLAQUE CHARACTERIZATION」と題する米国特許第6,200,268号、2002年4月30日にJon D.Klingensmith、D.Geoffrey Vince、及びRaj Shekharを発明者として発行された「INTRAVASCULAR ULTRASONIC ANALYSIS USING ACTIVE CONTOUR METHOD AND SYSTEM」と題する米国特許第6,381,350号、2006年7月11日にAnuja Nair、D.Geoffrey Vince、Jon D.Klingensmith、及びBarry D.Kubanを発明者として発行された「SYSTEM AND METHOD OF CHARACTERIZING VASCULAR TISSUE」と題する米国特許第7,074,188号、2007年2月13日にD.Geoffrey Vince、Anuja Nair、及びJon D.Klingensmithを発明者として発行された「NON-INVASIVE TISSUE CHARACTERIZATION SYSTEM AND METHOD」と題する米国特許第7,175,597号、2007年5月8日にJon D.Klingensmith、Anuja Nair、Barry D.Kuban、及びD.Geoffrey Vinceを発明者として発行された「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」と題する米国特許第7,215,802号、2008年4月15日にJon D.Klingensmith、D.Geoffrey Vince、Anuja Nair、及びBarry D.Kubanを発明者として発行された「SYSTEM AND METHOD FOR IDENTIFYING A VASCULAR BORDER」と題する米国特許第7,359,554号、並びに2008年12月9日にJon D.Klingensmith、Anuja Nair、Barry D.Kuban、及びD.Geoffrey Vinceを発明者として発行された「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」と題する米国特許第7,463,759号が含まれ、これらの特許の教示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0121】
[00138] 線1212及び線1214は、
図12に示すように同時に又は別々にユーザに表示される。同時に表示される場合、ユーザは、撮像された血管に沿ったあらゆる位置で血管壁の直径を管腔境界の直径と比較して簡単に識別でき、撮像された血管内の狭窄の程度を容易に且つ迅速に評価することが可能である。線1212及び線1214は、本明細書に記載の方法のいずれかを使用して互いに区別される。
【0122】
[00139]
図12に示すように様式化されたILD1210の上に、更に点1114が重ね合わせられる。点1114は、
図11を参照して説明したものと同じである。血管壁の様式化された描写(例えば、線1212)と、管腔境界の様式化された描写(例えば、線1214)と、血管に沿った圧力比の変化を表す点1114との組合せは、システム100のユーザに、血管内の狭窄レベルの正確且つ簡潔なビューを提供する。このデータを使用することで、ユーザは、治療が必要な血管の位置を迅速且つ正確に識別し、どのような種類の治療が必要かを識別することが可能になる。
【0123】
[00140]
図12に示すように、線1212による血管壁の描写は、線1212の切れ目を含む。これらの切れ目は、血管の側枝に対応する。これらの側枝の位置は、プロセッサ回路510によって自動的に決定されるか、又は、システムのユーザによって管腔外画像、IVUS画像、若しくは示されたILDのいずれかにおいて識別される。
【0124】
[0141] 更に、任意の方式で圧力データがILD1210と併せて表示されることに留意されたい。一例として、測定値ベースのILD1210の上に線914及び/又は916と同様の線が重ね合わせられる。このようにして、線914及び916並びに指標918及び920を含む、
図9及び
図10を参照して示され説明された圧力比データを表示するプロットスタイルは、
図12に示す様式化されたILDの上にも重ね合わせられる。例えば、様式化されたILD1210は、点1114、並びに/又は、線914及び916並びに付随する指標918及び920を含む。本明細書に記載のILDのいずれも、本明細書で説明又は示されている圧力変化データの形式のいずれかを含む。
【0125】
[00142]
図13は、本開示の態様による、コレジストレーションされた圧力データを有する管腔の画像ベースの長手方向ビュー1310の概略図である。
図13は、追加のILD1310を示す。ILD1310は、複数のステントを描写する。例えば、
図13に示すように、ステント1315がILD1310の上に重ねて示され、追加のステント1320がILD1310の上に重ねて示される。いくつかの実施形態では、ステント1315及びステント1320は仮想ステントである。例えば、1310に沿って示されるステント1315及び1320は、血管内に配置されるステントの推奨位置である。
【0126】
[00143] いくつかの実施形態では、ステント1315は、
図10を参照して概説した原理に従ってプロセッサ回路510によって自動的に推奨される仮想ステントに対応する。ステント1320は、システムのユーザによって手動で置かれた仮想ステントに対応する。システム100は、例えば、ユーザが任意のタイプ又はサイズのステントを選択してそのステントをILD1310に沿った任意の場所に配置できるようにするグラフィカルユーザインターフェースをユーザに提供する。このようにして、ユーザはILD1310(又は本明細書に記載の他のILD)を使用してステントの展開を計画する。
【0127】
[00144] いくつかの実施形態では、仮想ステント(例えば、ステント1010、1315、又は1320)が推奨、選択、指定、又は表示された後、システムは圧力データにおける仮想変化を予測する。例えば、システムは、圧力データにおける予測された変化を示す線914及び916(
図9)並びに/又は点1114(
図11)の修正版を生成する。仮想ステントの圧力データにおける変化を予測する態様は、前に組み込まれている2021年12月11日に出願された「AUTOMATIC SEGMENTATION AND TREATMENT PLANNING FOR A VESSEL WITH COREGISTRATION OF PHYSIOLOGY DATA AND EXTRALUMINAL DATA」と題する米国仮特許出願第63/288,554号に記載されているものを含む様々な特徴を含む。いくつかの実施形態では、予測された修正圧力データは、圧力データの前処理(例えば、線914及び916又は点1114)と同時に表示される。いくつかの実施形態では、予測された修正圧力データは、前処理データとは別々に表示される。
【0128】
[00145]
図14は、本開示の態様による、グラフィカルユーザインターフェース1400の概略図である。グラフィカルユーザインターフェース1400は、IVUSプルバック及び管腔内生理学的測定プルバックが実行され、IVUS画像及び生理学的測定値が長手方向ビュー(例えば、ILD1450)及び/又は管腔外画像(例えば、X線画像1410)に沿った位置にコレジストレーションされた後に、ユーザに対して表示される。
【0129】
[00146] プロセッサ回路510は、(IVUS画像又はiFR圧力比データを含む)任意の管腔内データを経路(例えば、経路740及び/又は経路840)にコレジストレーションするように構成される。例えば、IVUS撮像データ及び/又は生理学的データは、経路に沿った位置に関連付けられる。その経路が管腔外画像に重ね合わせられると、その管腔内データが管腔外画像内の位置に対応して表示され、経路によって示される血管に沿ったどの位置でその管腔内データが取得されたかを示す。前述のように、管腔内生理学的データは、体腔の長手方向ビューの上に重ね合わせられる。
図14に示すように、コレジストレーションされた管腔内データを有する管腔外画像と、コレジストレーションされた生理学的データを有する長手方向ビューとの両方が、同じ画面表示内に表示される。
【0130】
[00147] 一例として、グラフィカルユーザインターフェース1400は、撮像された血管のX線画像1410、IVUS画像1430、生理学的データ1490、及び長手方向ビュー1450を提供する。X線画像1410は、経路1440の描写を含む。経路1440は、
図7の経路740及び/又は
図8の経路840と同様である。いくつかの実施形態では、経路1440は、血管内撮像カテーテルの動きに対応する経路である。経路1440は、画像1410の上に重ね合わせられ、撮像された血管の位置を識別する。
図14に示すように、また
図15を参照して更に詳細に説明するように、コレジストレーションされた管腔内データに関連する様々な指標が、この経路1440に沿って又はその隣に表示される。
【0131】
[00148] 一例として、iFRデータ1490が、経路1440にコレジストレーションされる。例えば、iFRデータは、iFRプルバック中にプロセッサ回路510によって受信され、同時に管腔外画像(例えば、
図7の画像710)も受信される。iFRデータが取得され、管腔外画像内の位置に関連付けられると、iFRデータは経路1440に沿った位置で識別される。一例として、指標1422が経路1440に沿って提供される。指標1422は、iFR推定測定基準などのiFRデータ1490が取得された経路1440に沿った位置に対応する。同様に、画像1410内に経路1440に沿って指標1494が提供される。指標1494は、データ1490の一部として表示されるiFR遠位値など、iFRデータ1490が取得された遠位位置を識別する。
【0132】
[00149] グラフィカルユーザインターフェース1400内にはIVUS画像1430も示される。その点において、(画像1430を含む)複数のIVUS画像が経路1440にコレジストレーションされ得る。IVUS画像1430は、指標1422によって識別された位置で取得されたIVUS画像である。代替として、IVUS画像1430は、指標1494によって識別された位置で取得されたIVUS画像である。いくつかの実施形態では、IVUS画像1430は境界1432を含む。この境界は、プロセッサ回路510によって自動的に識別されるか又はシステムのユーザによって識別される。いくつかの実施形態では、境界1432は、管腔境界、血管境界、ステント境界、又は画像内の他の境界である。
【0133】
[00150] 境界検出、画像処理、画像分析、及び/又はパターン認識の例には、2001年3月13日にD.Geoffrey Vince、Barry D.Kuban、及びAnuja Nairを発明者として発行された「VASCULAR PLAQUE CHARACTERIZATION」と題する米国特許第6,200,268号、2002年4月30日にJon D.Klingensmith、D.Geoffrey Vince、及びRaj Shekharを発明者として発行された「INTRAVASCULAR ULTRASONIC ANALYSIS USING ACTIVE CONTOUR METHOD AND SYSTEM」と題する米国特許第6,381,350号、2006年7月11日にAnuja Nair、D.Geoffrey Vince、Jon D.Klingensmith、及びBarry D.Kubanを発明者として発行された「SYSTEM AND METHOD OF CHARACTERIZING VASCULAR TISSUE」と題する米国特許第7,074,188号、2007年2月13日にD.Geoffrey Vince、Anuja Nair、及びJon D.Klingensmithを発明者として発行された「NON-INVASIVE TISSUE CHARACTERIZATION SYSTEM AND METHOD」と題する米国特許第7,175,597号、2007年5月8日にJon D.Klingensmith、Anuja Nair、Barry D.Kuban、及びD.Geoffrey Vinceを発明者として発行された「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」と題する米国特許第7,215,802号、2008年4月15日にJon D.Klingensmith、D.Geoffrey Vince、Anuja Nair、及びBarry D.Kubanを発明者として発行された「SYSTEM AND METHOD FOR IDENTIFYING A VASCULAR BORDER」と題する米国特許第7,359,554号、並びに2008年12月9日にJon D.Klingensmith、Anuja Nair、Barry D.Kuban、及びD.Geoffrey Vinceを発明者として発行された「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」と題する米国特許第7,463,759号が含まれ、これらの特許の教示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0134】
[00151] インターフェース1400には更に、測定基準1434も描写される。測定基準1434は、示されているIVUS画像1430、特に境界1432に関連する。例えば、プロセッサ回路510は、境界1432に関連する様々な測定基準1434を自動的に算出する。例えば、プロセッサ回路510は、境界1432の断面積を識別する。回路は、境界の最小直径、境界の最大直径、若しくは境界1432に関連する他の任意の測定値若しくは測定基準、又は画像1430の他の態様も識別する。
【0135】
[00152] いくつかの実施形態では、長手方向ビュー140も表示される。長手方向画像1450は、インラインデジタル(ILD)表示又は血管内長手方向表示(ILD)1450と呼ばれる。IVUSプルバック中などの血管内超音波撮像手順中に取得されたIVUS画像は、ILD1450を作成するために使用される。その点において、IVUS画像は、血管の断層撮影図又は放射状断面図である。ILD1450は、血管の長手方向断面図を提供する。ILD1450は、ILD1450の長手方向ビューがIVUS画像の放射状断面図に垂直であるような、血管に沿った様々な位置で取得されたIVUS画像のスタックである。そのような実施形態では、ILD1450は血管の長さを示し、個々のIVUS画像は長さに沿った所与の位置での単一の放射状断面画像である。別の実施形態では、ILD1450は、撮像手順中に経時的に取得されたIVUS画像のスタックであり、ILD1450の長さは、撮像手順の時間又は継続時間を表す。ILD1450は、プルバック手順中にリアルタイム又はほぼリアルタイムで生成及び表示される。追加のIVUS画像が取得されるたびに、その画像はILD1450に追加される。例えば、プルバック手順中のある時点では、
図14に示すILD1450は部分的に完成している。いくつかの実施形態では、プロセッサ回路は、受信されたIVUS画像に基づいて、撮像されている血管の長手方向ビューのイラストレーションを生成する。例えば、イラストレーションは、実際の血管画像データを表示するのではなく、血管の様式化されたバージョン、例えば管腔境界及び血管境界を示す実線である。
図11に示すように、ILD1450は、ILD1450を横断する実線として延在する管腔境界1156を示す様式化されたILDを表す。管腔境界1156の位置は、中心軸の周りに対称に配置され、対応する各IVUS画像において算出された管腔直径に従って配置される。
【0136】
[00153] ILD1450は、iFRデータ1492、様々な長さ測定値1462、長さ測定値の開始及び終了を識別する指標1452及び1456、並びにブックマーク識別子1454の描写を含む。
【0137】
[00154] いくつかの実施形態では、iFRデータ1492は、説明した測定基準1490を投入ために使用されるiFRデータと同じである。ILD1450に示されているように、またILD1450はIVUSデータに基づいて生成されるので、2つの管腔内手順(例えば、IVUSデータ及び生理学的データ)が実行され、同じ経路(例えば、経路1440)にコレジストレーションされる場合、ILD1450に沿った位置に示されているiFRデータ1492によって示されるように、同じIVUSデータ及び生理学的データが互いにコレジストレーションされる。iFRデータ1492は、
図10を参照して説明した線914と同様である。ILD1450は更にiFRデータ1493を含む。いくつかの実施態様では、iFRデータ1493は未加工のiFRデータに対応し、iFRデータ1492は処理済みのiFRデータに対応する。iFRデータ1493は、
図10を参照して説明した線916と同様である。
【0138】
[00155] ILD1450は、iFRデータ1492及び1493以外の追加又は代替の生理学的測定データを含む。例えば、ILD1450に重ね合わせられる生理学的データは、
図11及び
図12を参照して示され説明された点1114と同様の点を含む。加えて、ILD1450は、
図14に示すような管腔の画像ベースの長手方向ビューであるか、又は
図12に示す長手方向ビュー1210と同様の測定値ベースの長手方向ビューである。
【0139】
[00156] ILD1450に沿った長さ測定値は、システム100のユーザによって、且つ/又はプロセッサ回路510によって自動的に生成される。例えば、ユーザが、ILD1450に沿った様々な位置を選択し、プロセッサ回路が、選択された位置に対応する長さ測定値を算出する。これらの様々な長さ測定値は、ILD1450の付近に測定基準1460として表示される。いくつかの実施形態では、長さ測定値は、ラベル、色、パターン、ハイライト、又は他の視覚的特徴によって互いに区別される。
【0140】
[00157] 指標1452及び1456は、ILD1450に沿ってユーザが選択した位置である。いくつかの実施形態では、指標は自動的に選択される。一例として、指標1452及び1456は、長さ測定値の開始位置及び終了位置を識別する。いくつかの実施形態では、指標1452及び1456は、医師によって検討されているステントの遠位及び近位のランディングゾーンに対応する。生理学的データ1490におけるiFR推定値は、血管内に提案されたステントが配置された状態で指標1452及び1456に基づいて予測されるiFR値である。いくつかの実施形態では、対応する指標が、画像1410の経路1440に沿った対応する位置に表示される。
【0141】
[00158] いくつかの実施形態では、ILD1450に沿って1つ又は複数のブックマーク1454も含まれる。これらのブックマーク1454は、画像1410の経路1440に沿った対応する位置にある同様のブックマークに対応する。
【0142】
[00159] 画面表示1400においてX線画像1410に重ね合わせられた状態で、指標1470が提供される。指標1470は、X線画像がゼロコントラスト画像フレームであることをユーザに示す。
【0143】
[00160]
図15は、本開示の態様による、グラフィカルユーザインターフェース1500の概略図である。グラフィカルユーザインターフェース1500は、管腔外画像1510、IVUS画像1530、及び長手方向ビュー1550を含む。
【0144】
[00161] 管腔外画像1510は、X線画像である。画像1510は、患者の血管系に造影剤を導入した状態で又は導入せずに取得された画像である。いくつかの実施態様では、X線画像1510は、IVUS画像1530及び長手方向ビュー1550に示されているのと同じ血管のビューを示す。画像1510は、ロードマップ1512及び複数の点1514を含む。ロードマップ1512は、画像1510内のIVUS撮像デバイスが進行した位置に対応する。ロードマップ1512は、例えば、
図7のロードマップ740及び/又は
図8のロードマップ840を含む、本明細書で前述したロードマップのいずれかと同様である。いくつかの実施態様では、ロードマップ1512に沿った位置は、長手方向ビュー1550内の位置に対応する。例えば、ロードマップ1512に沿った遠位位置1516は、長手方向ビュー1550の遠位位置1553に対応する。この例では、X線画像1510の位置1516及び長手方向ビュー1550の位置1556は、患者の体腔内の同じ位置に対応する。
【0145】
[00162] いくつかの実施態様では、複数の点1514は、圧力測定値などの生理学的測定値が受信された位置に対応する。一例として、画像1510内の点1514は、生理学的測定が取得された単一の位置に対応する。いくつかの実施形態では、画像1510内の点1514の位置は、ロードマップ1512と位置合せされる。他の実施形態では、点1514の位置は、ロードマップ1512と位置合せされない。
図15に示すように、血管のいくつかの領域は、血管内撮像デバイスによって撮像されるが、生理学的測定デバイスによって測定されない。いくつかの例では、血管のいくつかの領域は、生理学的測定デバイスによって測定されるが、血管内撮像デバイスによって撮像されない。一例として、そのような領域は、画像1510の領域1518によって示される。例えば、領域1518に沿って、生理学的測定値に対応する点1514が存在するが、血管内撮像デバイスに対応するロードマップ1512は存在しない。
【0146】
[00163] いくつかの実施態様では、画像1510の点1514は、代替として、IVUS画像が取得された位置に対応する。そのような実施態様では、線1512は、プルバック手順中の生理学的測定デバイスの経路に対応する。
【0147】
[00164] いくつかの実施態様では、点1514間の間隔は、生理学的測定デバイスなどのデバイスが血管を通って進行した速度をユーザに示す。例えば、隣り合う点1514間の間隔が大きいほど、速度が速いことに対応する。同様に、隣り合う点1514間の間隔が小さいほど、デバイスの速度が遅いことに対応する。いくつかの実施態様では、間隔が大きいほど速度が遅いことに対応し、間隔が小さいほど速度が速いことに対応する。
【0148】
[00165]
図15に示すように、指標1522は、IVUS画像1530に対応する、経路1512に沿った位置を識別する。具体的には、指標1522は、IVUS画像1530が取得された、経路1512に沿った位置を識別する。指標1522の近くに追加の指標1524が示される。指標1524は、ユーザのために、指標1522と同じ位置に対応するiFR値を識別する。いくつかの実施形態では、指標1524は、他の任意の生理学的測定値を表示する。画像1510内に血管内圧力データ指標1582も配置される。指標1582は、血管の長さに沿って取得された圧力測定値に対応する。指標1582は、ILD1550のデータ1592及び/若しくは1593のいずれか又は両方に対応する。いくつかの実施形態では、指標1582は、血管に沿った圧力の変化を示す。例えば、単一の指標1582が存在することは、0.01というiFRの変化など、圧力の所定の変化に対応する。指標1582は、画像1510内の血管に隣接して、血管に垂直な線で表示される。
【0149】
[00166] 更に、追加のデータ1590が画像1510の上に重ねて示される。データ1590は、血管内で取得された生理学的測定値に対応する。いくつかの実施形態では、データ1590には、平均値、最大値、最小値、又は生理学的測定値に対応する他の任意の値が含まれる。いくつかの実施形態では、データ1590には、IVUS測定値に対応するデータも含まれる。例えば、データ1590は、血管壁の直径若しくは面積、管腔の直径若しくは面積、プラーク負荷、又は血管内の任意の位置で取得されたIVUS画像に対応する他の任意の値に対応する。
【0150】
[00167]
図15に示す長手方向ビュー1550はILDである。ILD1550は、本出願の他のILDを参照して説明したものと同様の任意の特徴を含む。例えば、ILD1550は、画像ベースのILD又は測定値ベースのILDである。ILD1550は指標1580を含む。指標1580は、IVUS画像1530が取得された、ILD1550に沿った位置を識別する。このように、指標1580は、画像1510の指標1524に対応する。いくつかの実施形態では、ユーザが画像1510内で指標1522を移動させると、指標1580は対応する位置まで移動し、新しいIVUS画像が表示される。同様に、ユーザが指標1580を移動させると、指標1522は対応する位置まで移動し、新しいIVUS画像が表示される。
【0151】
[00168] 更に、線1592及び線1593がILD1550の上に重ねて示される。線1593は、生理学的測定デバイスによって取得された未加工の生理学的データに対応する。線1592は、生理学的測定デバイスによって取得された処理済みの生理学的データに対応する。線1592又は1593のいずれかは、本出願で説明されている生理学的測定指標、線、又は点のいずれかと同様である。
【0152】
[00169]
図16は、本開示の態様による、管腔内生理学的データを体腔の長手方向画像にコレジストレーションする方法1600の流れ図である。方法1600は、侵襲的生理学とX線画像とのコレジストレーションを使用して関心セグメントを検出するための、血管の自動セグメント化を説明している。図示のように、方法1600はいくつかの列挙されたステップを有するが、方法1600の実施形態は、列挙されたステップの前、後、又は間に追加のステップを有する場合がある。いくつかの実施形態では、列挙されたステップのうちの1つ又は複数が、省略されるか、異なる順序で実行されるか、又は同時に実行される。方法1600のステップは、診断システム100内の任意の好適な構成要素によって実施され、すべてのステップが同じ構成要素によって実施される必要はない。いくつかの実施形態では、方法1600の1つ又は複数のステップは、例えばプロセッサ560(
図5)又は他の任意の構成要素を含む診断システム100のプロセッサ回路によって、又はプロセッサ回路の指示に従って実行される。
【0153】
[00170] ステップ1610において、方法1600は、管腔内撮像デバイスが患者の体腔を通って移動している間に管腔内撮像デバイスによって取得された複数の管腔内画像を受信するステップを有する。いくつかの例では、プロセッサ回路は、IVUS撮像カテーテルが患者の血管を通って移動している間にIVUS撮像カテーテルによって取得された複数のIVUS画像を受信する。
【0154】
[00171] ステップ1620において、方法1600は、管腔内生理学的測定デバイスが体腔を通って移動している間に管腔内生理学的測定デバイスによって取得された複数の管腔内生理学的測定値を受信するステップを有する。いくつかの例では、プロセッサ回路は、圧力感知ガイドワイヤが血管を通って移動している間に圧力感知ガイドワイヤによって取得された複数の血管内圧力測定値を受信する。
【0155】
[00172] ステップ1630において、方法1600は、複数の管腔内画像に基づいて体腔の長手方向ビューを生成するステップを有する。いくつかの例では、プロセッサ回路は、複数のIVUS画像に基づいて血管の長手方向ビューを生成する。
【0156】
[00173] ステップ1640において、方法1600は、複数の管腔内生理学的測定値に基づいてグラフィカル表現を生成するステップを有する。いくつかの例では、プロセッサ回路は、複数の血管内圧力測定値に基づいてグラフィカル表現を生成する。
【0157】
[00174] ステップ1650において、方法1600は、プロセッサ回路と通信状態にあるディスプレイに、体腔の長手方向ビューと、長手方向ビューに重ね合わせられたグラフィカル表現とを含む画面表示を出力するステップを有する。いくつかの例では、プロセッサ回路は、プロセッサ回路と通信状態にあるディスプレイに、血管の長手方向ビューと、長手方向ビューに重ね合わせられたグラフィカル表現とを含む画面表示を出力する。
【0158】
[00175] 当業者は、上記で説明した装置、システム、及び方法が様々な手法で修正され得ることを認識するであろう。したがって、当業者は、本開示によって包含される実施形態が、上記で説明した特定の例示的な実施形態に限定されないことを理解するであろう。その点において、例示的な実施形態が示され説明されているが、前述の開示では広範な修正、変更、及び置換が企図されている。そのような変形形態は、本開示の範囲から逸脱することなく前述の内容に対して行われることを理解されたい。したがって、添付の請求項は、本開示と一致した様式で広く解釈されることが適切である。
【国際調査報告】