(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】積層マルチチップの保護を強化した構造体
(51)【国際特許分類】
H01L 23/29 20060101AFI20241128BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L23/30 R
H01L25/08 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024534029
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 US2021062765
(87)【国際公開番号】W WO2023107117
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521062505
【氏名又は名称】ヴィシャイ ジェネラル セミコンダクター,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ワン-ラン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ミン-タイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,チュン-タ
【テーマコード(参考)】
4M109
【Fターム(参考)】
4M109AA02
4M109BA02
4M109EA02
4M109EA07
4M109EA10
4M109ED02
4M109ED03
4M109ED04
(57)【要約】
【構成】積層構成の導電し上部クリップ、第1/第2の半導体チップ、および導電性底部クリップなどの部品を有する電子部品サブアセンブリを備えた積層マルチチップ電子アセンブリに関する。半田層が積層構成の部品の対向接触面間に位置する。半田付けした後に、これが電子部品サブアセンブリを構成する。ポリマー層が導電性上部クリップと導電性底部クリップとの間に延在し、第1/第2の半導体チップおよび半田層の側部をカプセル化する。このポリマー層が露出したチップ面を保護および/または封止し、以降の処理を原因とする機械的損傷を抑制するとともに、さらなる組み立て工程を原因とするイオン汚染からチップ不動態化面を保護する。成形化合物を使用してパッケージを形成し、電子部品サブアセンブリおよびポリマー層をカプセル化し、導電性上部クリップおよび底部クリップからのリードが本体から外部に延在する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品サブアセンブリを有する積層マルチチップ電子アセンブリであって、
前記電子部品サブアセンブリは、部品として
上部接触面およびリードを有する導電性底部クリップと、
それぞれのチップが上部接触面および底部接触面を有する少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップと、
底部接触面およびリードを積層構造に配置した導電性上部クリップと、
を有し、これらの部品は積層構造に配置され、
この積層構造の部品に設けられた前記の接触面が半田層を挟みかつ互いに対向しており、
前記導電性上部クリップと前記導電性底部クリップとの間に延在するポリマー層であって、前記第1半導体チップと前記第2半導体チップとの側部およびこれらのチップの間に位置する前記半田層をカプセル化する前記ポリマー層があって、
前記電子部品サブアセンブリおよび前記ポリマー層をカプセル化した成形化合物の本体があって、それぞれの前記リードは少なくとも一部が前記導電性底部クリップおよび前記導電性上部クリップから伸延しかつ前記本体の外側に延在する
ことを特徴とする積層マルチチップ電子アセンブリ。
【請求項2】
前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップのみが存在し、(a)前記導電性底部クリップの上部接触面と前記第1半導体チップの底部接触面との間、(b)前記第1半導体チップの上部接触面と前記第2半導体チップの底部接触面との間、そして(c)前記第2半導体チップの上部接触面と前記導電性上部クリップの底部接触面との間、に前記半田層が位置する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ポリマー層が前記導電性上部クリップの底部接触面および前記導電性底部クリップの上部接触面の周囲に延在する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記導電性上部クリップの底部接触面がチップ接触領域を形成する突出部分を有し、前記導電性底部クリップの上部接触面がチップ接触領域を形成する突出部分を有し、そして、前記ポリマー層がこれら突出部分の縁部を取り囲む請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ポリマー層がポリイミドシリコンを有する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記成形化合物がエポキシ成形化合物である請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記本体の外側に延在する前記導電性上部クリップおよび前記導電性底部クリップからのリード部分が、前記本体の底面にそって延在するそれぞれ端部分を有する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記部品がさらに前記導電性上部クリップの底部接触面と前記第2半導体チップの上部接触面との間、あるいは前記の半導体チップの隣接するチップの接触面間、または前記第1半導体チップの底部接触面と前記導電性底部クリップの上部接触面との間の少なくとも一つの間に銅スラグが位置し、そして
前記半田層が前記の接触面のそれぞれと前記銅スラグとの間に位置する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
積層マルチチップ電子アセンブリの組み立て方法において、
上部接触面およびリードを備えた導電性底部クリップを有し、上部接触面と底部接触面とをそれぞれに備える第1半導体チップおよび第2半導体チップを少なくとも有しており、さらに、底部接触面およびリードを備えた導電性上部クリップを含めて、それらの部品を積層構成の電子部品サブアセンブリに組み立て、
前記積層構成の前記部品の前記の接触面の対向面間に半田層を被着し、
前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップの側部、および、これらのチップの間に位置する前記半田層をカプセル化すると共に前記導電性上部クリップと前記導電性底部クリップとの間にポリマー層を被着し、
前記電子部品サブアセンブリおよび前記ポリマー層をカプセル化するように本体を成形化合物で形成すると共に、それぞれの前記リードは少なくとも一部が前記導電性底部クリップおよび前記導電性上部クリップから伸延して且つ前記本体の外側に延在する状態にすることを特徴とする積層マルチチップ電子アセンブリの組み立て方法。
【請求項10】
少なくとも前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップは、前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップのみを有し、(a)前記導電性底部クリップの上部接触面と前記第1半導体チップの底部接触面との間、(b)前記第1半導体チップの上部接触面と前記第2半導体チップの底部接触面との間、そして(c)前記第2半導体チップの上部接触面と前記導電性上部クリップの底部接触面との間、に前記半田層を被着する請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項11】
前記ポリマー層が前記導電性上部クリップの底部接触面および前記導電性底部クリップの上部接触面の周囲に延在する請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項12】
前記導電性上部クリップの底部接触面がチップ接触領域を形成する突出部分を有し、前記導電性底部クリップの上部接触面がチップ接触領域を形成する突出部分を有し、そして前記ポリマー層がこれら突出部分の縁部を取り囲む請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項13】
前記ポリマー層がポリイミドシリコンを有する請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項14】
前記成形化合物がエポキシ成形化合物である請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項15】
前記導電性上部クリップおよび前記導電性底部クリップから前記本体の外側に延在するリード部分は、それぞれの端部が前記本体の底面にそって延在する請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項16】
前記電子部品サブアセンブリの組み立て時に、前記導電性上部クリップの底部接触面と前記第2半導体チップの上部接触面との間、前記の半導体チップの隣接チップの前記の接触面の間、あるいは前記第1半導体チップの底部接触面と前記導電性底部クリップの上部接触面との間の少なくとも一つの間に銅スラグが位置し、前記半田層が前記の接触面のそれぞれと前記銅スラグとの間に位置するような前記半田層の被着を行う請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項17】
それぞれが上部接触面および底部接触面を有する少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップと、これらの接触面の対向面の間に半田層とを有する部品があって、この部品は積層構成に配置された電子部品サブアセンブリであり、そして、
前記少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップの側部および前記間に位置する前記半田層をカプセル化するポリマー層と、前記電子部品サブアセンブリとを有することを特徴とする積層マルチチップ電子アセンブリ。
【請求項18】
前記部品がさらに前記第2半導体チップの前記上部接触面上、あるいは前記の半導体チップの隣接チップの接触面間、または前記第1半導体チップの前記底部接触面上の少なくとも一つに位置する銅スラグを有し、
前記半田層が前記の接触面のそれぞれと前記銅スラグとの間に位置する請求項17に記載の電子アセンブリ。
【請求項19】
前記ポリマー層がポリイミドシリコンを有する請求項17に記載の電子アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品の分野、特にTVS(transient-voltage-suppression:サージ吸収ダイオード:過電圧抑制デバイス)およびツェナーデバイスに関し、より具体的には自動車における高サージパワーTVS、電気自動車やハイブリッド車におけるテレコム基地局、および5G基地局、電気自動車、ハイブリッド自動車や充電基地などにおける高電圧TVS、および自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車、充電基地、ロボット工学や他の用途における低クランピングTVSに関する。
【背景技術】
【0002】
TVSダイオードなどの電子部品は他の半導体部品を高電圧トランジェントから保護するために多数の用途で使用されている。ツェナー素子も公知であり、電圧調整、サージ抑制やその他の各種用途でも使用されている。
【0003】
これらの電子部品や他の電子部品はPCB(printed circuit board:印刷回路基板)用途における表面実装可能な素子として形成することができる。ここで、能動チップ部品は好適なポリマーから成形したパッケージ内に位置し、リードがパッケージ外側のチップから底面まで延在し、PCBに接続する。
【0004】
一部の用途ではPCBに対するスペースが限られているため、マルチチップパッケージを使用することが知られている。このパッケージの場合、例えば2つかそれ以上のTVSチップを上下に積層し、これらチップの接触面を相互に半田付けし、適正なリードに半田付けする。このように構成すると、高容量および/または高パワー部品をより狭い面積内に実装でき、PCBに必要なスペースを小さくでき、実装面積を小さくできる上に、同じサイズを維持した状態で他の部品などを追加実装することができる。
【0005】
積層チップをパッケージ内に実装するこのような用途では、使用状態での信頼性を改善することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は電子部品サブアセンブリを有する積層マルチチップ電子アセンブリを提供するものである。電子部品サブアセンブリは底部接触面およびリードを有する導電性上部クリップ、それぞれが上部接触面および底部接触面を有する少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップ、および上部接触面およびリードを有する導電性底部クリップを有し、これら部品は積層構成である。少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップとしてはTVS、ツェナーやその他の電子デバイスを使用できる。半田層は積層構成を取る部品接触面の対向面間に位置する。第1半導体チップおよび第2半導体チップのみからなる実施態様では、半田層は(a)前記導電性底部クリップの上部接触面と第1半導体チップの底部接触面との間に、(b)第1半導体チップの上部接触面と第2半導体チップの底部接触面との間に、そして(c)第2半導体チップの上部接触面と導電性上部クリップの底部接触面との間に位置し、これら部品を電気的に接続する。これらを半田付けすると、電子部品サブアセンブリが形成する。導電性上部クリップと導電性底部クリップとの間にポリマー層を延在させて、第1および第2半導体チップの側部およびこれら間に位置する半田層をカプセル化する。このポリマー層は露出チップ面を保護および/または封止し、成形化合物被着工程などの以降のパッケージ形成工程を原因とする機械的損傷を抑制するだけでなく、連続組み立て工程で発生する恐れのあるイオン汚染からチップ不動態化面を保護する保護層として作用する。本体(またはパッケージ)を成形化合物(molding compound:樹脂成形材料)から形成し、電子部品サブアセンブリおよびポリマー層をカプセル化する。導電性上部および底部クリップからのリードの少なくとも一部は本体から外側に延在する。
【0007】
一実施態様では、ポリマー層は導電性上部クリップの底部接触面および導電性底部クリップの上部接触面の周囲に延在する。
【0008】
別な実施態様では、導電性上部クリップの底部接触面はクリップ接触領域を形成する突出部分を有し、導電性底部クリップの上部接触面はチップ接触領域を形成する突出部分を有し、そしてポリマー層はこれら突出部分の縁部を取り囲む。このように構成すると、接触領域がポリマー層の被着できる突出部分の側部によって形成するため、構成がより強靭化する。
【0009】
一つの好適な構成例では、ポリマー層はポリイミドシリコンを有する。但し、その他のポリマーも使用可能である。また、充填材とともに、あるいはこれを併用せずに各種のポリマーを使用すると、具体的な用途に対応する熱膨張係数を実現できる。
【0010】
一つの好適な構成例では、成形化合物はエポキシ成形化合物である。但し、充填材とともに、あるいはこれを併用せずに他のポリマー材料を使用することができる。
【0011】
一つの好適な構成例では、本体から外側に延在する導電性上部および底部クリップからのリードの部分は、本体の底面にそって延在する端部を有する。これはPCB用途に適する。但し、他の用途では、リードが共通表面にそって延在する必要はない。
【0012】
別な実施態様では、銅スラグの形を取る追加部品を積層構成で設ける。この銅スラグは導電性上部クリップの底部接触面と第2半導体チップの上部接触面との間の、半導体チップの隣接チップの接触面間の、または第1半導体チップの底部接触面と導電性底部クリップの上部接触面との間の少なくとも一つに位置する。ここで、半田層が接触面のそれぞれと銅スラグとの間に位置するため、積層部品と銅スラグとが導電接触できる。
【0013】
マルチチップ積層電子アセンブリは各種パッケージの形でTVSデバイスおよび/またはツェナーデバイスを有することができ、また他の表面実装リードデバイスまたは軸方向リードデバイスを有することができる。電子部品アセンブリは2つかそれ以上のチップ、あるいは導電性上部および底部クリップ間に位置する銅スラグを有するチップを備えることができる。これら銅スラグが吸熱リザーバとなりTVSサージ能力を改善できるだけなく、チップ縁部の機械的衝撃による損傷を抑制できる。
【0014】
マルチチップ積層電子アセンブリの用途は多岐にわたる。TVSデバイスまたはツェナーデバイスであるチップの潜在的な用途としては高サージパワーTVS、高電圧TVS、低クランピングTVS、非対称電圧TVSが考えられ、あるいはこれらチップは積層チップ併用体からの電圧標的を素早く満足するためにも使用できる。加えて、これらマルチチップ積層電子アセンブリはパワー整流器としても使用可能である。
【0015】
本発明のもう一つの態様は積層マルチチップ電子アセンブリの組み立て方法に関する。この方法では、積層構成の部品を使用して電子部品サブアセンブリを組み立てる。これら部品は例えば上部接触面およびリードを備えた導電性底部クリップ、それぞれが上部接触面および底部接触面を有する少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップ、底部接触面およびリードを備えた導電性上部クリップである。この方法では、さらに積層構成の部品接触面の対向面間に半田層を被着する。露出チップ面に対する保護を強化するために、本発明方法では、導電性上部クリップと導電性底部クリップとの間にポリマー層を被着し、第1および第2の半導体チップの側部およびこれらの間に位置する半田層をカプセル化する。さらに、この方法は、電子部品サブアセンブリおよびポリマー層をカプセル化(封入)する樹脂成形材料で本体を成形し、導電性上部および底部クリップからのリードの少なくとも一部が本体の外側に延びるステップを含んでいる。本体の成形は、好ましくは従来の方法で行われる。
【0016】
能動アクティブ部品として第1および第2の半導体チップのみを備えた電子部品の場合、(a)導電性底部クリップの上部接触面と第1半導体チップの底部接触面との間に、(b)第1半導体チップの上部接触面と第2半導体チップの底部接触面との間に、そして(c)第2半導体チップの上部接触面と導電性上部クリップの底部接触面との間に半田層を被着する。
【0017】
本発明のさらに別な態様はそれぞれが上部接触面および底部接触面を有する少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップ、および積層構成部品の接触面の対向面間に位置する半田層を有する部品を有する電子部品サブアセンブリを備えた積層マルチチップ電子アセンブリに関する。少なくとも第1および第2の半導体チップの側部およびこれらの間に位置する半田層の側部をポリマー層がカプセル化する。
【0018】
一つの実施態様では、前記部品がさらに第2半導体チップの上部接触面上の、前記半導体チップの隣接チップの接触面間の、あるいは第1半導体チップの底部接触面上の少なくとも一つに位置する銅スラグを有する。ここで、前記半田層は前記接触面のそれぞれと銅スラグとの間に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の前記態様および本発明の作用効果の多くについては、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読めばよりいっそう簡単に理解できるはずである。
【0020】
図1は積層マルチチップ電子アセンブリの第1実施態様を示す横断面図である。
【0021】
図2は
図1に係るサンプルに対応する横断面図である。
【0022】
図3は積層マルチチップ電子アセンブリの第2実施態様を示す横断面図である。
【0023】
図4は積層マルチチップ電子アセンブリの第3実施態様を示す横断面図である。
【0024】
図5はいくつかの積層電子部品およびこれら電子部品の側部を保護するポリマー層を有する電子部品サブアセンブリを示す横断面図である。
【0025】
図6は積層マルチチップ電子アセンブリの組み立て方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の記載において、一定の用語を使用するが、いずれも便宜上であり、限定を意図するものではない。用語“右”、“左”、“上部”および“底部”は参照する添付図面内の方向を示す。特許請求の範囲および明細書の対応する部分で使用する単数表現(aまたはone)は、特に逆の意味を指す場合でない限り、参照するものを一つかそれ以上のものとして定義するものである。この用法は上記に具体的に述べた用語だけでなく、その派生語および同様な意味を有する用語も包摂する。一つかそれ以上のものを記載したリストの前にある“A、BまたはC”はA、BまたはC個々だけではなく、A、BまたはCを任意に組み合わせたものも意味する。なお、一部の図面は部分的に透明化した部分を含むが、いずれも説明、例示のみを目的とし、要素それ自体が最終製造形態で透明であること示しているわけではない。
【0027】
図1および
図2に積層マルチチップ電子アセンブリ10の第1実施態様を示す。
図1は一つの構成を示す横断面図であり、
図2は積層マルチチップ電子アセンブリ10の第1実施態様の実際の横断面サンプルに対応する図面である。
【0028】
積層マルチチップ電子アセンブリ10は積層した複数の部品を有するサブアセンブリ12を備える。これら部品は上部接触面20aおよびリード22を有する導電性底部クリップまたはパッド20、それぞれ上部接触面30a、32aおよび底部接触面30b、32bを有する少なくとも第1および第2の半導体チップ30、32、および底部接触面40bおよびリード42を有する導電性上部クリップ40を有する。これら部品については積層する。導電性底部クリップ20および導電性上部クリップ40については、銅または同合金から形成するのが好ましい。なお、これらに加えて他の導電性材料も使用可能である。第1および第2の半導体チップ30、32としてはTVS素子、ツェナー素子や他の電子素子を例示できる。電子アセンブリ10の第1実施態様には第1および第2の半導体チップ30、32を示しているが、以下に詳しく説明するように、付加的な半導体チップも増設することができる。
【0029】
上記電子部品が連続的な構成を形成し、積層構成のこれら部品の接触面20a、30b;30a、32b;および32a、40bのうちの対向面間に半田層50が位置する。第1および第2の半導体チップ30、32のみからなる電子アセンブリ10の第1実施態様では、半田層50は(a)導電性底部クリップ20の上部接触面20aと第1半導体チップ30の底部接触面30bとの間に、(b)第1半導体チップ30の上部接触面30aと第2半導体チップ32の底部接触面32bとの間に、そして第2半導体チップ32の上部接触面32aと導電性上部クリップ40の底部接触面40bとの間に位置する。
【0030】
保護層を増設して露出チップ面を保護および/または封止し、電子部品サブアセンブリ周囲の本体またはパッケージの成形工程などの次に続く処理を原因とする機械的損傷を抑制するためだけでなく、イオン汚染が発生した場合にこれからチップ不動態化面を保護するために、ポリマー層52を設ける。このポリマー層は第1および第2の半導体チップ30、32の側部30c、32cだけでなく、これらの間に位置する半田層50の縁部をカプセル化する上部導電性クリップ40と底部導電性クリップ20との間に延在する。電子アセンブリ10の第1実施態様では、このポリマー層52は導電性上部クリップ40の底部接触面40bおよび導電性クリップ20の上部接触面20aの周囲に延在し、第1および第2の半導体チップ30、32の側部30c、32cだけでなく、半田層50の縁部をカプセル化(封入)する。ここで、構成をより強靭化するために、導電性上部チップ40の底部接触面40bに突出部分44(
図1参照)を設けてチップ接触領域を形成してもよく、導電性底部クリップ20の上部接触面20aに突出部分24を設けてチップ接触領域を設けてもよく、ポリマー層52が
図1に示すように、突出部分24、44の縁部24c、44cが取り囲む。あるいは
図2に示すように、これら突出部分24、44を設けずに、導電性上部クリップ40の接触面40bの縁部から導電性底部クリップ20の接触面20aの縁部までポリマー層を単に延在してもよい。
【0031】
一つの好適な実施態様では、ポリマー層はポリイミドシリコンで構成する。他のポリマーも使用可能である。但し、具体的な用途に応じて目的の接着特性とともに目的の熱膨張係数を得るためにセラミック充填材などの充填材は使用してもよく、あるいは使用しなくてもよい。
【0032】
図1および
図2を参照して説明を続けると、成形化合物で構成する本体54は電子部品サブアセンブリ12およびポリマー層52をカプセル化し、導電性底部および上部クリップ20、40からのリード22、42の少なくとも一部が本体54の外側に延在する。
図1に示すように、本体54の外側に延在する導電性底部および上部クリップ20、40からのリード22、42の部分は本体54の底面にそって延在する端部22c、42cを有する。これは表面実装電子アセンブリ10には有利な構成であるが、他の形式の電子アセンブリの場合には、本体側部からリード22、42は直線状に延在していてもよい。
【0033】
好適な実施態様では、成形化合物としてエポキシ成形化合物を使用する。なお、充填材を有する、あるいはこれを有さない他のポリマー材も使用可能である。
【0034】
次に、積層マルチチップ電子アセンブリ10´の第2実施態様を示す
図3を参照して説明を続ける。電子アセンブリ10´の第2実施態様は上記電子アセンブリ10の第1実施態様とほぼ同じであるが、電子部品サブアセンブリ12´の部品には積層構成の第1および第2の半導体チップ30、32間に2つの半導体チップ34、36を追加する。追加したこれら2つの半導体チップ34、36はそれぞれ上部接触面34a、36aだけでなく底部接触面34b、36bを有する。電子部品サブアセンブリ12´の部品はさらに上部導電性クリップ40の底部接触面40bと第2半導体チップ32の上部接触面32aとの間、隣接半導体チップ30、32、34、36の接触面30a、34b;34a、36b;36a、32b間;および第1半導体チップ30の底部接触面30bと導電性底部クリップ20の上部接触面20aとの間の少なくとも一つに位置する銅スラグ60を有する。図示の実施態様では、銅スラグ60はこれら位置のそれぞれに位置するが、これは必ずしも必要はなく、銅スラグ60はこれら位置の一部のみに位置していればよい。例えば、銅スラグ60は上部導電性クリップ40の底部接触面40bと第2半導体チップ32の上部接触面32aとの間にのみ、そして第1半導体チップ30の底部接触面30bと導電性底部クリップ20の上部接触面20aとの間にのみ位置していればよい。銅スラグ60の側部60cは少なくとも半導体チップ30、32、34、36の側部30c、32c、34c、36cまで延在するため、半導体チップ30、32、34、36の側部30c、32c、34c、36cを機械的衝撃による損傷から保護できる。ここで、半田層50は底部導電性クリップ20の接触面それぞれと、半導体チップ30、32、34、36と、上部導電性クリップ40と、銅スラグ60の対向接触面との間に位置する。
【0035】
さらに
図3を参照して説明を続けると、ポリマー層52´は上部導電性クリップ40の底部接触面40bおよび底部導電性クリップ20の上部接触面20aの周囲に延在し、半導体チップ30、32、34、36の側部30c、32c、34c、36cだけでなく、銅スラグ60の側部60cおよび半田層50の縁部をカプセル化する。
【0036】
成形化合物で構成する本体54´は電子部品サブアセンブリ12´およびポリマー層52´をカプセル化し、導電性底部および上部クリップ20、40からのリード22、42の少なくとも一部が本体54´の外側に延在する。
【0037】
積層マルチチップ電子アセンブリ10´´の第3実施態様を示す
図4を参照して説明を続けると、電子アセンブリ10´´のこの第3実施態様は第2実施態様10´とほぼ同様であり、上記の電子部品サブアセンブリ12´と同じ方法で形成した電子部品サブアセンブリ12´´を有する。なお、この実施態様では、ポリマー層52´´がそれぞれ底部および上部導電性クリップ20、40の突出部分24c、44cを取り囲む。このように構成すると、ポリマー層52´´の導電性クリップ20、40との接触領域が広くなり、より強靭な構成を実現できる。
【0038】
成形化合物で構成する本体54´´は電子部品サブアセンブリ12´´およびポリマー層52´´をカプセル化し、導電性底部および上部クリップ20、40からのリード22、42の少なくとも一部が本体54´´の外側に延在する。
【0039】
上記電子部品サブアセンブリ12´とほぼ同じ電子部品サブアセンブリ112を示す
図5を参照して説明を続ける。ただし、このサブアセンブリ112の場合、個別のコンダクタ取り付け部は積層構成の部品の一環としては設けない。サブアセンブリ112はディスクリートなパッケージまたはモジュールに組み込むことができる。あるいは、サブアセンブリ112は後の製造工程で実装する上記導電性クリップ20、40とほぼ同じか、異なるコンダクタを有する。ここで、電子部品サブアセンブリ112は上記半導体チップ30、32、34、36(より少ないかより多い半導体チップも使用可能である)だけでなく、第2半導体チップ32の上部接触面32a上、隣接する半導体チップ30、32、34、36の接触面30a、34b;34a、36b;36a、32b間、あるいは第1半導体チップ30の底部接触面30b上の少なくとも一つに位置する銅スラグ60を有する。図示の実施態様では、銅スラグ60はこれら位置のそれぞれに位置するが、これに限らず、銅スラグ60はこれら位置の一部のみに設けてもよい。例えば、銅スラグ60は第2半導体チップ32の上部接触面32aおよび第1半導体チップ30の底部接触面30b上にのみ設けてもよい。あるいは、銅スラグは使用しなくてもよい。
【0040】
銅スラグ60の側部60cは少なくとも半導体チップ30、32、34、36の側部30c、32c、34c、36cまで延在するため、半導体チップ30、32、34、36の側部30c、32c、34c、36cを機械的衝撃による損傷から保護できる。ここで、半田層50は半導体チップ30、32、34、36の接触面それぞれと、銅スラグ60の対向接触面との間に位置する。
【0041】
図5を参照して説明を続けると、本実施態様では、ポリマー層152が半導体チップ30、32、34、36の側部30c、32c、34c、36cだけでなく、銅スラグ60の側部60cおよび半田層50の縁部もカプセル化する。当業者ならば、電子部品サブアセンブリ12、12´、12´´、112内の半導体チップ30、32、34、36の個数が可変であることを理解できるはずであり、例えば電子部品サブアセンブリには具体的な用途に応じて5つの半導体チップ、6つの半導体チップあるいはそれ以上の半導体チップを設けることができ、そして銅スラグ60は適宜使用できるものである。
【0042】
さらに、本実施態様のポリマー層52、52´、52´´、152は半導体チップ30、32、34、36のすべての側部だけでなく、半田層50の縁部および電子部品サブアセンブリ12、12´、12´´に存在する場合には銅スラグ60の側部60cをカプセル化した状態で、ポリマー層がこれら側部および縁部のすべてに被着されていなくとも、本発明の作用効果のいくつかが達成可能である。
【0043】
図6には、積層マルチチップ電子アセンブリ10、10´、10´´の組み立て方法を示す。この方法では、積層構成の部品20、30、32、34、36、60および40(場合に応じて60)を使用して電子部品サブアセンブリ12、12´、12´´を組み立てる。これら部品を例示すると、上部接触面20aを有する導電性底部クリップ20、リード22、少なくとも第1半導体チップ30および第2半導体チップ32、付加的に使用する半導体チップ34、36を挙げることができ、いずれも上部接触面30a、32a、34a、36a、および底部接触面30b、32b、34b、36bを有する。さらに底部接触面40bおよびリード42を有する導電性上部クリップ40を挙げることができる。
図6には参照符号72でこれを示す。これら部品は積層構成である。
【0044】
参照符号74で示すように、半田層50は積層構成の部品の接触面の対向面間に被着し、電子部品サブアセンブリ12、12´、12´´を形成する。
【0045】
アセンブリをより強靭化して、露出チップ面を保護し、および/または以降の処理から発生する機械的損傷を抑制するだけでなく、以降の組み立て工程から導入する恐れのあるイオン汚染からチップ不動態化表面を保護するために、導電性上部クリップ40と導電性底部クリップ20との間に被着し、第1および第2半導体チップ30、32の側部30c、32cだけでなく、半導体34、36の側部34c、36cおよびこれらの間に位置する半田層60の縁部をカプセル化する。これを
図6に参照符号76で示す。銅スラグ60が存在する場合には、これの側部60cもカプセル化する。ポリマー層52、52´は例えば
図2および
図3に示すように、上部導電性クリップ40の底部接触面40bおよび導電性底部クリップ20の上部接触面周囲に延在するか、あるいは
図1および
図4に示すように、底部および上部導電性クリップ20、40の突出部分24、44の縁部24c、44cの周囲に延在し、底部および上部の導電性クリップ20、40に接触する表面面積をより大きくできる。
【0046】
参照符号78で示すように、本発明方法では、電子部品サブアセンブリ12、12´、12´´およびポリマー層をカプセル化する成形化合物から本体54、54´、54´´を成形し、リード22、42の導電性上部および底部クリップ40、20からの少なくとも一部が本体54から延在する。
【0047】
本発明方法で電子部品サブアセンブリ12、12´を組み立てるさいには、上部導電性クリップ40の底部接触面40bと第2半導体チップ32の上部接触面32aとの間;隣接半導体チップ30、32(加えて付設する半導体チップ34、36)の32b、32、34、36の接触面32b、36a;36b、34a;34b、30a間;あるいは第1半導体チップ30の底部接触面30bと導電性底部クリップ20の上部接触面20aとの間の少なくとも一つに位置する銅スラグ60を配置する。次に、本発明方法では、対向接触面それぞれと銅スラグ60との間に半田層50を被着する。
【0048】
図5に示す電子部品サブアセンブリ112の製造は積層構成に導電性クリップ20、40を使用せずに上記工程72、74および76と同様にして実施できる。
【0049】
なお、以上の記載は例示のみを目的とし、いかなる限定も意図していない。また、発明の精神および範囲から逸脱することなく上記実施態様には各種の変更などを加えることができる。さらに、また当業者にとっては明らかように、ごく数例を発明の詳細な説明に例示した多くの物理的変更についても、以上記載してきた本発明の考え方および原理原則を変更することなく実施可能である。また、好適な実施態様の一部のみを組み込んだ数多くの実施態様も可能であるが、これら部分に関しては、本明細書に具体的に開示した発明の考え方および原理原則を変更するものではない。従って、本発明の実施態様および適宜採用する構成はあらゆる点で例示および/または説明と考えるべきものであり、本発明の範囲は前記の記載ではなく、特許請求の範囲によって定義される範囲であり、この特許請求と等価な意味および範囲に包含される本実施態様に加えられる代替的な実施態様および変更はいずれも本発明の範囲に包摂されるものである。
【符号の説明】
【0050】
10、10´、10´´ 積層マルチチップ電子アセンブリ
112 電子部品サブアセンブリ
12、12´、12´´、112 電子部品サブアセンブリ
20 導電性底部クリップまたはパッド
20a 上部接触面
22、42 リード
24、44 突出部分
24c、44c 突出部分の縁部
30 第1半導体チップ
32 第2半導体チップ
30a、32a、34a、36a 上部接触面
30b、32b、34b、36b 底部接触面
30c、32c 第1/第2半導体チップの側部
34c、36c 半導体の側部
40 導電性上部クリップ/上部導電性クリップ
40b 底部接触面
50 半田層
52、52´、52´´、152 ポリマー層
54、54´、54´´ 本体
60 銅スラグ
60c 銅スラグの側部
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品サブアセンブリを有する積層マルチチップ電子アセンブリであって、
前記電子部品サブアセンブリは、部品として
上部接触面およびリードを有する導電性底部クリップと、
それぞれのチップが上部接触面および底部接触面を有する少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップと、
底部接触面およびリードを積層構造に配置した導電性上部クリップと、
を有し、これらの部品は積層構造に配置され、
この積層構造の部品に設けられた前記の接触面が半田層を挟みかつ互いに対向しており、
前記導電性上部クリップと前記導電性底部クリップとの間に延在するポリマー層であって、前記第1半導体チップと前記第2半導体チップとの側部およびこれらのチップの間に位置する前記半田層をカプセル化する前記ポリマー層があって、
前記電子部品サブアセンブリおよび前記ポリマー層をカプセル化した成形化合物の本体があって、それぞれの前記リードは少なくとも一部が前記導電性底部クリップおよび前記導電性上部クリップから伸延しかつ前記本体の外側に延在する
ことを特徴とする積層マルチチップ電子アセンブリ。
【請求項2】
前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップのみが存在し、(a)前記導電性底部クリップの上部接触面と前記第1半導体チップの底部接触面との間、(b)前記第1半導体チップの上部接触面と前記第2半導体チップの底部接触面との間、そして(c)前記第2半導体チップの上部接触面と前記導電性上部クリップの底部接触面との間、に前記半田層が位置する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ポリマー層が前記導電性上部クリップの底部接触面および前記導電性底部クリップの上部接触面の周囲に延在する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記導電性上部クリップの底部接触面がチップ接触領域を形成する突出部分を有し、前記導電性底部クリップの上部接触面がチップ接触領域を形成する突出部分を有し、そして、前記ポリマー層がこれら突出部分の縁部を取り囲む請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ポリマー層がポリイミドシリコンを有する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記成形化合物がエポキシ成形化合物である請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記本体の外側に延在する前記導電性上部クリップおよび前記導電性底部クリップからのリード部分が、前記本体の底面にそって延在するそれぞれ端部分を有する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記部品がさらに前記導電性上部クリップの底部接触面と前記第2半導体チップの上部接触面との間、あるいは前記の半導体チップの隣接するチップの接触面間、または前記第1半導体チップの底部接触面と前記導電性底部クリップの上部接触面との間の少なくとも一つの間に銅スラグが位置し、そして
前記半田層が前記の接触面のそれぞれと前記銅スラグとの間に位置する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
積層マルチチップ電子アセンブリの組み立て方法において、
上部接触面およびリードを備えた導電性底部クリップを有し、上部接触面と底部接触面とをそれぞれに備える第1半導体チップおよび第2半導体チップを少なくとも有しており、さらに、底部接触面およびリードを備えた導電性上部クリップを含めて、それらの部品を積層構成の電子部品サブアセンブリに組み立て、
前記積層構成の前記部品の前記の接触面の対向面間に半田層を被着し、
前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップの側部、および、これらのチップの間に位置する前記半田層をカプセル化すると共に前記導電性上部クリップと前記導電性底部クリップとの間にポリマー層を被着し、
前記電子部品サブアセンブリおよび前記ポリマー層をカプセル化するように本体を成形化合物で形成すると共に、それぞれの前記リードは少なくとも一部が前記導電性底部クリップおよび前記導電性上部クリップから伸延して且つ前記本体の外側に延在する状態にすることを特徴とする積層マルチチップ電子アセンブリの組み立て方法。
【請求項10】
少なくとも前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップは、前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップのみを有し、(a)前記導電性底部クリップの上部接触面と前記第1半導体チップの底部接触面との間、(b)前記第1半導体チップの上部接触面と前記第2半導体チップの底部接触面との間、そして(c)前記第2半導体チップの上部接触面と前記導電性上部クリップの底部接触面との間、に前記半田層を被着する請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項11】
前記ポリマー層が前記導電性上部クリップの底部接触面および前記導電性底部クリップの上部接触面の周囲に延在する請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項12】
前記導電性上部クリップの底部接触面がチップ接触領域を形成する突出部分を有し、前記導電性底部クリップの上部接触面がチップ接触領域を形成する突出部分を有し、そして前記ポリマー層がこれら突出部分の縁部を取り囲む請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項13】
前記ポリマー層がポリイミドシリコンを有する請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項14】
前記成形化合物がエポキシ成形化合物である請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項15】
前記導電性上部クリップおよび前記導電性底部クリップから前記本体の外側に延在するリード部分は、それぞれの端部が前記本体の底面にそって延在する請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項16】
前記電子部品サブアセンブリの組み立て時に、前記導電性上部クリップの底部接触面と前記第2半導体チップの上部接触面との間、前記の半導体チップの隣接チップの前記の接触面の間、あるいは前記第1半導体チップの底部接触面と前記導電性底部クリップの上部接触面との間の少なくとも一つの間に銅スラグが位置し、前記半田層が前記の接触面のそれぞれと前記銅スラグとの間に位置するような前記半田層の被着を行う請求項9に記載の組み立て方法。
【請求項17】
それぞれが上部接触面および底部接触面を有する少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップと、これらの接触面の対向面の間に半田層とを有する部品があって、この部品は積層構成に配置された電子部品サブアセンブリであり、そして、
前記少なくとも第1半導体チップおよび第2半導体チップの側部
と前記間に位置する前記半田層
とのみをカプセル化するポリマー層と、前記電子部品サブアセンブリとを有することを特徴とする積層マルチチップ電子アセンブリ。
【請求項18】
前記部品がさらに前記第2半導体チップの前記上部接触面上、あるいは前記の半導体チップの隣接チップの接触面間、または前記第1半導体チップの前記底部接触面上の少なくとも一つに位置する銅スラグを有し、
前記半田層が前記の接触面のそれぞれと前記銅スラグとの間に位置する請求項17に記載の電子アセンブリ。
【請求項19】
前記ポリマー層がポリイミドシリコンを有する請求項17に記載の電子アセンブリ。
【国際調査報告】