(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】導光板、バックライトモジュール、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241128BHJP
【FI】
F21S2/00 442
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534043
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2022136511
(87)【国際公開番号】W WO2023109545
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111525938.1
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515353475
【氏名又は名称】ラディアント オプト‐エレクトロニクス (スーチョウ) カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】517413731
【氏名又は名称】ラディアント オプト-エレクトロニクス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Radiant Opto-Electronics Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】ファン,イ‐ウェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チア‐イン
(72)【発明者】
【氏名】リ,イェン‐チャン
(72)【発明者】
【氏名】リ,チュン‐シェン
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA04
3K244BA08
3K244BA11
3K244BA20
3K244BA48
3K244BA50
3K244CA03
3K244EA02
3K244EA12
3K244EE05
3K244EE07
(57)【要約】
導光板(400)、バックライトモジュール(200)、及び表示装置(100)であって、導光板(400)は、本体(410)と、光作用膜(420)と、を含む。本体(410)は、光入射面(411)と、側面(412)と、光学面(413)と、を有する。光入射面(411)及び側面(412)は、それぞれ光学面(413)に接続される。光作用膜(420)は、本体(410)の側面(412)に設けられる。光作用膜(420)の全反射率は、拡散反射率と平行反射率とからなる。全反射率に対する平行反射率の比は、25以上45以下である。バックライトモジュール(200)、及び表示装置(100)は、導光板(400)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板であって、
光入射面と、側面と、光学面とを有し、前記光入射面及び前記側面はそれぞれ前記光学面に接続される本体と、
前記本体の前記側面に設けられ、全反射率が拡散反射率と平行反射率とからなり、前記全反射率に対する前記平行反射率の比をRとして定義し、前記Rの値が25以上45以下である光作用膜と、を含む、
導光板。
【請求項2】
前記本体は、互いにマトリックス状に配列された複数の発光エリアを定義しており、前記複数の発光エリアのうち前記本体の中央に位置する1つの発光エリアの輝度に対する前記本体の最も近い対向する2つの側に位置する複数の発光エリアの輝度の平均値の比はR
Lであり、前記R及び前記R
Lは、以下の関係式:
1>R
L≧7*10
-6R
3-0.0012R
2+0.0582R-0.0015を満たす、
請求項1に記載の導光板。
【請求項3】
前記R
Lの値は0.8よりも大きく1未満である、
請求項2に記載の導光板。
【請求項4】
前記R
Lの値は0.845よりも大きく0.875未満である、
請求項3に記載の導光板。
【請求項5】
前記光作用膜の前記拡散反射率の前記平行反射率に対する比は、0.12以上7.33以下であり、前記本体の厚さは、0.7mm以上1mm以下である、
請求項1に記載の導光板。
【請求項6】
前記光作用膜の前記拡散反射率の前記平行反射率に対する比は、1.875以下である、
請求項5に記載の導光板。
【請求項7】
前記光作用膜の前記拡散反射率の前記平行反射率に対する比は、1.21以上1.875以下であり、前記本体の厚さは1mm以下である、
請求項1に記載の導光板。
【請求項8】
前記本体の前記厚さは0.35mm以上0.7mm以下であり、前記光作用膜の前記拡散反射率の前記平行反射率に対する比は1.3以上である、
請求項7に記載の導光板。
【請求項9】
前記光作用膜の前記拡散反射率の前記平行反射率に対する比は、0.12以上1.27以下であり、前記本体の厚さは、0.7mm以上1mm以下である、
請求項1に記載の導光板。
【請求項10】
前記光作用膜の前記拡散反射率の前記平行反射率に対する比は、1.1以上1.27以下であり、前記本体の厚さは、0.55mm以上1mm以下である、
請求項1に記載の導光板。
【請求項11】
前記光作用膜は前記側面に直接接触する、
請求項1~9のいずれか1項に記載の導光板。
【請求項12】
バックライトモジュールであって、
請求項1~11のいずれか1項に記載の導光板と、
前記導光板の前記光入射面に隣接して設けられた光源と、
前記導光板の前記光学面の前方に設けられた少なくとも1つの光学フィルムと、を含む、
バックライトモジュール。
【請求項13】
表示装置であって、
請求項1~11のいずれか1項に記載の導光板と、
前記導光板の前記光入射面に隣接して設けられた光源と、
前記導光板の前記光学面の前方に設けられた少なくとも1つの光学フィルムと、
前記少なくとも1つの光学フィルムの前方に設けられた表示パネルと、を含む、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月14日に提出された、出願番号が202111525938.1、発明の名称が「導光板、バックライトモジュール、及び表示装置」である中国特許出願の優先権を主張しており、当該出願のすべての内容は引用によって本願に組み込まれている。
【0002】
本開示は、導光素子及びその使用に関し、特に、導光板及びこれを用いたバックライトモジュール並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
周知のサイドライト型バックライトモジュールは、主に光源及び導光板を含む。ここで、導光板は、入光面と、反入光面と、光出射面と、反射面と、を有し、入光面は反入光面に対向し、反射面は光出射面に対向し、入光面と反入光面とを接続する。これにより、光源から供給された光線は、入光面から導光板の内部に入射された後、導光板の内部で反射されて光出射面から出射することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一部の光線が反入光面に到達すると、反入光面から出射され、光漏れや輝線が発生する問題が生じる。
【0005】
そこで、本開示の目的は、光線を十分に利用することができ、周知の導光板に存在する光漏れや輝線の発生等の問題を改善することができる導光板、バックライトモジュール、及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の上記目的に基づいて、導光板が提案される。導光板は、本体と、光作用膜と、を含む。本体は、光入射面と、側面と、光学面とを有する。光入射面及び側面はそれぞれ光学面に接続される。光作用膜は、本体の側面に設けられる。ここで、光作用膜の全反射率は、拡散反射率と平行反射率とからなる。全反射率に対する平行反射率の比をXとして定義し、Xの値は、25以上45以下である。
【0007】
本開示の一つの実施例によれば、上記の本体は、互いにマトリックス状に配列された複数の発光エリアを定義している。本体の中央に位置する発光エリアの輝度に対する、本体の最も近い対向する2つの側に位置する発光エリアの輝度の平均値の比はYである。X及びYは次の関係式を満たす。
1>Y≧7*10-6X3-0.0012X2+0.0582X-0.0015
【0008】
本開示の一つの実施例によれば、上記のYの値は、0.8よりも大きく1未満である。
【0009】
本開示の一つの実施例によれば、上記のYの値は、0.845よりも大きく0.875未満である。
【0010】
本開示の一つの実施例によれば、上記の光作用膜の拡散反射率の平行反射率に対する比は、0.12以上7.33以下である。本体の厚さは、0.7mm以上1mm以下である。
【0011】
本開示の一つの実施例によれば、上記の光作用膜の拡散反射率の平行反射率に対する比は、1.875以下である。
【0012】
本開示の一つの実施例によれば、上記の光作用膜の拡散反射率の平行反射率に対する比は、1.21以上1.875以下である。本体の厚さは、1mm以下である。
【0013】
本開示の一つの実施例によれば、上記の本体の厚さは、0.35mm以上0.7mm以下である。光作用膜の拡散反射率の平行反射率に対する比は、1.3以上である。
【0014】
本開示の一つの実施例によれば、上記の光作用膜の拡散反射率の平行反射率に対する比は、0.12以上1.27以下である。本体の厚さは、0.7mm以上1mm以下である。
【0015】
本開示の一つの実施例によれば、上記の光作用膜の拡散反射率の平行反射率に対する比は、1.1以上1.27以下であり、本体の厚さは、0.55mm以上1mm以下である。
【0016】
本開示の一つの実施例によれば、上記の光作用膜は本体の側面に直接接触する。
【0017】
本開示の上記目的に基づいて、また、バックライトモジュールが提案される。バックライトモジュールは、前述の導光板と、光源と、光学フィルムとを含む。光源は、導光板の光入射面に隣接して設けられる。光学フィルムは、導光板の光学面の前方に設けられる。
【0018】
本開示の上記目的に基づいて、また、表示装置が提案される。表示装置は、前記導光板と、光源と、光学フィルムと、表示パネルとを含む。光源は、導光板の光入射面に隣接して設けられる。光学フィルムは、導光板の光学面の前方に設けられる。表示パネルは、光学フィルムの前方に設けられる。
【発明の効果】
【0019】
以上から分かるように、本開示では、主に導光板の側面に光作用膜を設け、導光板の側面に設けられた光作用膜に平行反射率の全反射率に対する比を組み合わせることにより、導光板の側面を透過する光線を減少させ、導光板の光線利用率を増加させ、光漏れや輝線を改善する良好な効果が得られ、さらに全体的なバックライトモジュールと表示装置の光学品位が向上する。言い換えれば、本開示の平行反射率の全反射率に対する比よりも小さいか、又は大きい設計では、光漏れや輝線を改善する良好な効果は得られない。本開示の導光板は、前述の目的を改善することができるので、狭額縁バックライトモジュールに対する市場の需要と期待により合致する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の上記及び他の目的、特徴、利点、並びに実施例をより明確にわかりやすくするために、図面は以下のように説明される。
【
図1】本開示の一つの実施形態による表示装置を示す装置概略図である。
【
図2】本開示の一つの実施形態による光線が光作用膜に入射した後に起こる拡散反射及び平行反射を示す光路の概略図である。
【
図3】本開示の一つの実施形態による反射率比と輝度比の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、本開示の一つの実施形態による表示装置を示す装置概略図である。本実施形態の表示装置100は、バックライトモジュール200と、バックライトモジュール200の前方に設けられた表示パネル300とを含む。
図1に示すように、バックライトモジュール200は、光源210と、導光板400と、少なくとも1つの光学フィルム220と、反射シート230と、バックプレート240と、を含む。ここで、光源210、反射シート230、導光板400、及び光学フィルム220は、共同でバックプレート240内に担持され、光源210は、導光板400に隣接して設けられ、主に導光板400内に光線を供給して、光線が導光板400を透過して面光源を形成するために使用される。反射シート230は、導光板400の底部に設けられ、導光板400の底部から出射された光線を導光板400内に反射させるために使用される。本実施例では、導光板400の側面に光作用膜420を設けるような設計により、導光板400からの光線漏れを低減することができる。
【0022】
具体的には、
図1に示すように、導光板400は、本体410と、光作用膜420と、を含む。ここで、導光板400の本体410は、光入射面411と、側面412と、光学面413とを有する。ここで、光入射面411及び側面412は、それぞれ光学面413に接続される。一つの実施例では、光学面413は光出射面であってもよい。本実施例では、光作用膜420は、側面412に設けられ、本体410内を通過する光線を反射するために使用される。本実施例では、側面412は、厚さを有する本体410の側面であり、反入光面又は反入光面を含む他の側面であってもよく、光入射面として使用されていない。いくつかの実施例では、光作用膜420は側面412に直接接触する。他の実施例では、光作用膜420は、接着、塗布、転写、又は蒸着によって側面412上に形成される。このように、光源210によって提供された光線は、導光板400の内部に入って側面412に到達すると、側面412に設けられた光作用膜420によって反射されて導光板400に戻り、それによって、光線をさらに利用する目的を達成させることができる。
【0023】
本実施例では、光作用膜420は、その材料特性から、それ自体が全反射率、拡散反射率及び平行反射率を有し、全反射率は拡散反射率及び平行反射率の合計である。
図2も併せて参照すると、
図2は、本開示の一つの実施形態に係る、光線が光作用膜420に入射した後に起こる拡散反射及び平行反射を示す光路の概略図である。
図2に示すように、光線Lが光作用膜420の表面に照射されると、光作用膜420で反射された光線A1’は、規則的に反射され、反射された光線A1’は互いに平行になる。一方、光線Lが光作用膜420の表面に照射されると、光作用膜420で反射された光線A2’は、必ずしも互いに平行ではなく、異なる方向に沿って非規則的に反射される。
【0024】
一つの実施例では、導光板400の本体410の厚さは1mm以下である。他の実施例では、導光板400の本体410の厚さは、光作用膜420の拡散反射率の平行反射率に対する比が1未満である場合に0.35mmよりも大きい。
【0025】
また、以下の表1も参照する。以下の表1は、本開示の複数の実施例及び複数の比較例に異なる反射率の組み合わせを有する光作用膜420を組み合わせることによって生成された光学シミュレーション結果の比較表である。ここで、表1中の「〇」は、導光板400のエッジに近い部分の輝度及び光学品位が要件を満たし、かつ、不良現象が発生していないことを示し、「△」は、導光板400のエッジに近い部分の輝度及び光学品位がやや劣るが、低い基準の要件を満たすことを示し、「X」は、導光板400のエッジに近い部分の輝度及び光学品位が要件を満たさず、例えば、輝線や暗いハローなどの不具合が生じることを示す。
【0026】
【0027】
表1に示すように、実施例1~8の光作用膜を用いて、本体410の厚さが1mm以下(端点値を含む)の条件を組み合わせることで、生成される光学品位は、一部の条件において要件を満たすことができる。ここで、実施例3の光作用膜420は、24%~27%の平行反射率及び43%~46%の拡散反射率を有し、全反射率が70%であり、Rの値が34.29~38.57である。実施例4の光作用膜420は、27%~30%の平行反射率及び39%~42%の拡散反射率を有し、全反射率が69%であり、Rの値が39.13~43.48である。実施例5の光作用膜420は、35%~38%の平行反射率及び46%~49%の拡散反射率を有し、全反射率が84%であり、Rの値が41.67~45.24である。すなわち、実施例3~実施例5において、光作用膜420の拡散反射率の平行反射率に対する比が1.21よりも大きく1.875未満である場合、異なる厚さの導光板400(例えば、本体410の厚さが1mm以下の導光板400)を組み合わせることで、輝線の発生の問題を回避することができ、また、拡散反射率の平行反射率に対する比が1.3よりも大きい場合、光作用膜420をより薄い導光板400(例えば、厚さが0.35mm以上0.7mm以下の導光板400)に適用することができ、それによっても、導光板400の光学品位を向上させることができる。
【0028】
実施例1及び実施例2に関しては、実施例1と実施例2における光作用膜420の拡散反射率の平行反射率に対する比はいずれも5よりも大きく、本体410の厚さが0.7mm以上1mm以下である場合に限り、明暗ハローの問題は生じない。したがって、光作用膜420は、拡散反射率の平行反射率に対する比が5よりも大きい場合、厚い導光板400への適用に適しており、拡散反射率の平行反射率に対する比が5未満に設計されている場合、薄い導光板400への適用に適しており、このように、様々な導光板400の厚さの要件に対応することができる。
【0029】
実施例6~実施例8に関しては、光作用膜420の拡散反射率の平行反射率に対する比が0.12以上1.27以下である場合、厚さ0.7mm~1mmの本体410を組み合わせることができ、これにより、明暗ハローの問題が生じず、少なくとも低い基準の要件を満たす。さらに、導光板400の厚さが0.7mmよりも大きい、例えば1mmの場合、光学的外観をより良好なものとすることができる。光作用膜420がより薄いバックライトモジュールにさらに適用される場合、実施例6に示すように、光作用膜420の拡散反射率の平行反射率に対する比を1.1以上1.27以下にさらに小さくし、厚さが0.55mm以上0.7mm以下の導光板400と組み合わせることによって、導光板400のエッジ部分の輝度と光学品位はわずかに劣るが、低い基準の要件を満たす。
【0030】
比較例1に関しては、比較例1の光作用膜の全反射率が高すぎて鏡面反射の光学効果に近いため、通常は全反射率が100%を超える場合を指し、どのような厚さの導光板400を組み合わせても、エッジ輝線等の問題が生じる。つまり、実施例1~実施例8において、光作用膜420の拡散反射率の平行反射率に対する比が0.12よりも大きく7.33未満である場合、厚さが0.7mm以上1mm以下の導光板400を組み合わせると、導光板400の光学品位を向上させることができる。さらに、実施例1及び2の場合、導光板400をより薄く、例えば厚さ0.7mmとする場合、良好な効果を得るために、光作用膜420の拡散反射率の平行反射率に対する比を1.875未満とする必要がある。
【0031】
上記の実施の説明に加えて、別の実施例では、光作用膜420の全反射率に対する平行反射率の比をRと定義してもよい。R、平行反射率、及び全反射率の関係は次のようになる。
R=((RT-RD)/RT)*100、ここで、RTは全反射率、RDは拡散反射率、RT-RDの値は平行反射率である。
【0032】
図1を参照すると、本体410は、互いにマトリクス状に配列された複数の発光エリア410bを定義している。ここで、本体410の中央に位置する発光エリア410bの輝度に対する、本体410の最も近い対向する2つの側に位置する発光エリア410bの輝度の平均値の比はR
Lであり、R及びR
Lは以下のような関係にある。
1>R
L≧7*10
-6R
3-0.0012R
2+0.0582R-0.0015
【0033】
また、以下の表2を参照すると、以下の表2は、本開示の複数の実施例及び複数の比較例に異なるR及びRLを示す光作用膜420を組み合わせることによって生成された光学シミュレーション結果の比較表である。ここで、表2中の「〇」は、導光板400のエッジに近い部分の輝度及び光学品位が要件を満たし、かつ、不良現象が発生していないことを示し、「△」は、導光板400のエッジに近い部分の輝度及び光学品位がやや劣るが、低い基準の要件を満たすことを示し、「X」は、導光板400のエッジに近い部分の輝度及び光学品位が要件を満たさず、例えば、輝線や暗いハローなどの不具合が生じることを示す。
【0034】
【0035】
表2に示すように、実施例C~実施例Iの光作用膜420を用いて、本体410の厚さが0.55mm以下であるという条件を組み合わせると、生成される光学品位は、一部の条件において要件を満たすことができる。そのうち、実施例Dの光作用膜420は、Rの値が34.29であり、RLの値が0.87である。実施例Eの光作用膜420は、Rの値が39.13であり、RLの値が0.86である。実施例Fの光作用膜420は、Rの値が41.67であり、RLの値が0.85である。つまり、実施例D~実施例Fにおいて、光作用膜420は、Rの値が34.28よりも大きく41.67未満であり、RLの値が0.845よりも大きく0.875未満である。異なる厚さの導光板400(例えば、本体410の厚さが0.55mm以下の導光板400)を組み合わせることで、輝線の発生の問題を回避することができ、より薄い0.35mmの導光板400にも適用することができ、それによって、導光板400の光学品位を向上させることができる。
【0036】
実施例Aと実施例Bに関しては、実施例Aと実施例Bにおける光作用膜420は、いずれも、Rの値が25未満であり、RLの値が0.8未満であり、本体410の厚さが0.55mmの条件を組み合わせても、本体410の厚さが0.35mmの条件を組み合わせても、エッジ輝線等の問題が生じる。したがって、導光板400の光学品位を向上させるには、光作用膜420のRの値を25よりも大きく設計するか、RLの値を0.8よりも大きく設計する必要がある。
【0037】
実施例Jに関しては、実施例Jにおける光作用膜420は、Rの値が45よりも大きく、RLの値が0.8未満であるため、本体410の厚さが0.55mmの条件を組み合わせても、本体410の厚さが0.35mmの条件を組み合わせても、エッジ輝線等の問題が生じる。したがって、導光板400の光学品位を向上させるには、光作用膜420のRの値を45未満に設計するか、RLの値を0.8よりも大きく設計する必要がある。
【0038】
実施例Cに関しては、実施例Cにおける光作用膜420は、Rの値が25であり、RLの値が0.81であり、0.8よりも若干大きく、本体410の厚さが0.55mmの条件を組み合わせると、明暗ハローの問題は生じない。したがって、光作用膜420は、Rの値が25に近く、RLの値が0.8よりもやや大きい場合、厚い導光板400への適用に適しており、要件を満たす光学品位を実現することができる。一方、光作用膜420は、RLの値が0.845に達していないのに、本体410の厚さが0.35mmのような薄い導光板400に適用すると、光学品位は要件を満たしていない。
【0039】
実施例G、実施例H及び実施例Iに関しては、実施例Gの光作用膜420は、Rの値が42.50であり、RLの値が0.84である。実施例Hの光作用膜420は、Rの値が44.05であり、RLの値が0.83である。実施例Gの光作用膜420は、Rの値が45.00であり、RLの値が0.83である。実施例G、実施例H及び実施例IにおけるRの値は42.50よりも大きく45.00未満であり、RLの値は0.84未満であり、本体410の厚さが0.55mmであるという条件を組み合わせると、明暗ハローの問題は生じない。したがって、光作用膜420は、RLの値が0.84未満である場合、厚い導光板400への適用に適しており、要件を満たす光学品位を実現することができる。しかし、これを、本体410の厚さが0.35mmであるような薄い導光板400に適用すると、RLの値が0.845に達していないので、光学品位は要件を満たさなくなりやすい。
【0040】
比較例Aに関しては、比較例Aの光作用膜は、Rの値が70であり、すなわち45よりも大きく、RLの値が0.59であり、すなわち0.8未満であり、本体410の厚さが0.55mmの条件を組み合わせても、本体410の厚さが0.35mmの条件を組み合わせても、エッジ輝線等の問題が生じる。
【0041】
表2、及び
図3を参照すると、
図3の横軸は光作用膜420の全反射率に対する平行反射率の比(R)であり、縦軸は、本体410の中央に位置する発光エリア410bの輝度に対する本体410の最も近い対向する2つの側に位置する発光エリア410bの輝度の平均値の比(R
L)である。選択された光作用膜420のRの値が25以上45以下である場合、又は選択された光作用膜420のR
Lの値が0.8よりも大きく1未満である場合、曲線の頂点付近の位置する領域は、少なくとも低い基準の光学品位の要件を満たす。好ましくは、選択された光作用膜420のRの値は、34.29以上41.67以下である。選択された光作用膜420のR
Lの値は、0.845よりも大きく0.875未満である。すなわち、曲線の頂点付近の位置する領域は、最適化効果がより高く、光学品位の向上に対応するためにより厚い0.55mmの導光板400に適用することができるだけでなく、さらに薄い0.35mmの導光板400にも適用することができる。
【0042】
詳しくは、光作用膜420のRの値が25から39.13に増加すると、Rの値の増加に伴ってRLの値も0.81から0.87に増加する。光作用膜420のRの値が39.13から45に増加すると、Rの値の増加に伴ってRLの値が0.87から0.83に低下する。そのため、Rの値が45から引き続き増加すると、RLの値は0.8を下回るまで持続的に低下し、輝線や暗ハローなどの不良現象を改善できず、しかも光学品位も要件を満たさない。したがって、光作用膜420のRの値が大きければ大きいほど良好な光学品位が得られるわけではない。むしろ、Rの値が25から引き続き減少すると、RLの値も0.8を下回るまで持続的に低下し、輝線や暗ハローなどの不良現象を改善できず、しかも光学品位も要件を満たさない。したがって、光作用膜420のRの値が小さいほど良好な光学品位が得られるわけではない。したがって、R値が45よりも大きくなると、又は25より小さくなると、いずれも光学品位に悪影響を及ぼすので、当業者にとっては、本発明の開示に基づいてのみ、光漏れや輝線を改善する良好な効果を達成するために、最適なR値範囲の光作用膜420を選択することができる。
【0043】
上記の実施形態から分かるように、本発明は、導光板の側面に光作用膜を設け、導光板の側面に設けられた光作用膜に平行反射率の全反射率に対する比を組み合わせることにより、導光板の側面を透過する光線を減少させ、導光板の光線利用率を増加させ、漏れ光や輝線を改善する良好な効果が得られ、さらに全体的なバックライトモジュールと表示装置の光学品位が向上するという利点を有する。言い換えれば、本開示の平行反射率の全反射率に対する比よりも小さいか、又は大きい設計では、光漏れや輝線を改善する良好な効果は得られない。本開示の導光板は、前述の目的を改善することができるので、狭額縁バックライトモジュールに対する市場の需要と期待により合致する。
【0044】
本開示の実施例は上記のように開示されているが、それは本開示の範囲を限定するためではなく、当業者であれば、本開示の実施例の精神と範囲を逸脱しない範囲で、若干の変更と修飾を行うことができるので、本開示の実施例の保護範囲は、添付の特許請求の範囲で定められた範囲を基準としなければならない。
【符号の説明】
【0045】
100 表示装置
200 バックライトモジュール
210 光源
220 光学フィルム
230 反射シート
240 バックプレート
300 表示パネル
400 導光板
410 本体
410b 発光エリア
411 光入射面
412 側面
413 光学面
420 光作用膜
L 光線
A1’ 光線
A2’ 光線
【国際調査報告】