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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】新規の中空経口ニコチン製品
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20241128BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20241128BHJP
   A61K 9/00 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20241128BHJP
   A61K 31/465 20060101ALI20241128BHJP
   A61P 25/26 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/16
A61K9/00
A61K47/38
A61K31/465
A61P25/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024534211
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2022085795
(87)【国際公開番号】W WO2023110984
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】21215245.8
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】チェン イウー チー
【テーマコード(参考)】
4B043
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4B043BB01
4B043BB10
4B043BB16
4B043BB22
4B043BC02
4C076AA99
4C076BB01
4C076CC01
4C076EE31
4C076FF68
4C086AA01
4C086AA10
4C086BC20
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA11
4C086MA52
4C086NA10
4C086ZA01
(57)【要約】
水溶性繊維マトリクスと、ガム結合剤と、水溶性繊維マトリクス内に分散されたニコチンの供与源とを含むニコチン組成物で形成された経口ニコチン製品が提供され、経口ニコチン製品は、中空管(10)(20)の両端の間に延び、かつ少なくとも4ミリメートルの直径を有する中央長軸方向チャネル(14)(24)を画定する中空管(10)(20)の形態である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性繊維マトリクスと、ガム結合剤と、前記水溶性繊維マトリクス内に分散されたニコチンの供与源とを含むニコチン組成物で形成される経口ニコチン製品であって、前記経口ニコチン製品が、中空管の形態にあり、前記中空管の両端の間に延び、かつ少なくとも4ミリメートルの直径を有する中央長軸方向チャネルを画定する中空管の形態である、経口ニコチン製品。
【請求項2】
前記中空管の前記内表面が、前記中空管の前記両方の端の間に延びる複数の長軸方向の溝を備える、請求項1に記載の経口ニコチン製品。
【請求項3】
前記長軸方向の溝が少なくとも1ミリメートルの深さを有する、請求項2に記載の経口ニコチン製品。
【請求項4】
前記ニコチン組成物が1200~3800MPaの弾性係数を有する、請求項1~3のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項5】
前記中空管が、加わる最大10ニュートンの力の下で弾性変形可能である、請求項1~4のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項6】
前記中空管が、少なくとも2ミリメートルの壁厚さを有する、請求項1~5のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項7】
前記中央長軸方向空洞が、6ミリメートル~10ミリメートルの直径を有する、請求項1~6のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項8】
前記ガム結合剤が、水溶性である、請求項1~7のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項9】
前記ニコチン組成物が、少なくとも一つの風味剤をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項10】
前記ニコチン組成物中の前記ニコチンの供与源が、一つ以上のニコチン塩を含む、請求項1~9のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項11】
前記水溶性繊維マトリクスが、セルロース系繊維を含む、請求項1~10のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項12】
前記中空管の少なくとも一つの表面上に塗布された溶解可能なコーティング層をさらに備える、請求項1~11のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項13】
前記中空管が、その前記長軸方向チャネル内に飲み物用のストローを受容するように適合される、請求項1~12のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項14】
前記中空管が、消費者の指の端の上に保持されるように適合される、請求項1~13のいずれかに記載の経口ニコチン製品。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載の経口ニコチン製品を製造する方法であって、
可溶性繊維、ニコチンの供与源、およびガム結合剤を含む混合物を形成する工程と、
前記混合物を、摂氏100度未満の温度に加熱する工程と、
前記混合物を、管状モールドの中に注ぐ工程と、
前記混合物を中空管の形態で固化するために、前記管状モールド内の前記混合物を冷却する工程と、
前記固化した中空管を前記モールドから取り外す工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口ニコチン製品、およびこうした経口ニコチン製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スヌースおよび嗅ぎたばこなどの無煙経口たばこ製品は、当該技術分野で周知であり、また長年にわたり、従来の喫煙製品に対する経口代替品を提供してきた。より最近では、典型的にたばこを含まないニコチンの供与源を提供する、新しいクラスの「現代風の」経口ニコチン製品が出現している。経口ニコチン製品は、ニコチン供与源の加熱を通してエアロゾル化されたニコチンを送達するeシガレットおよびエアロゾル発生装置に対して代替的なニコチンの供与源を提供する。最も一般的なタイプの経口ニコチン製品のうちの一つは、たばこを含まないニコチンパウチであり、これは、小さいシールされたパウチの内側にニコチン粉末組成物を提供する。使用中に、ニコチンパウチは、ニコチンを口腔粘膜組織を通して体の中に送達することができるように、消費者の唇と歯茎との間に定置される。欧州特許第A-1 617 823号は、イオン性炭水化物にイオン結合したニコチンなどの生物活性薬剤を含む組成物材料を含有する経口パウチ製品を開示する。パウチは、消費者の口内でニコチンの急速な経粘膜的送達を提供するように適合される。
【0003】
トローチ剤、チュアブル錠剤、およびチューインガムの形態の経口ニコチン製品も知られている。例えば、国際公開第A-2017/182084号は、ニコチンを装填したカチオン交換樹脂粒子を含む経口投与剤形を開示しており、経口投与剤形は、チューインガム、錠剤、またはトローチ剤であってもよい。
【0004】
一般に、経口ニコチン製品は、飲み込まれるように適合されていないが、ニコチンが放出される間、ある特定の持続時間の間、口内に保持される。したがって、消費者は使用後、残留する製品を自分の口から取り出して廃棄しなければならない。使用後の経口ニコチン製品のこの取り扱いは、特に、使用済み製品を直ちに廃棄することが不可能な場合、一部の消費者にとって魅力がないまたは不便であると考えられる場合がある。加えて、パッケージからの製品の取り外しおよび消費者の口の中への挿入中に、使用前の経口ニコチン製品の取り扱いにおいて不便または衛生の欠如の問題が知覚される場合がある。
【0005】
したがって、既存の製品とは異なるやり方で消費されることができる経口ニコチン製品の代替的な形態を提供し、新規な消費者体験を提供することが望ましいことになる。例えば、消費者の指との接触を低減して使用することができ、それによって衛生および利便性の潜在的な改善を提供する、こうした経口ニコチン製品を提供することが特に望ましいことになる。消費者に、消費できる方法に関していくらかの柔軟性を提供するこうした製品を提供することがさらに望ましいことになる。また、大規模な製造プロセスで効率的に製造することができるこうした製品を提供することも望ましいことになる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ニコチン組成物で形成された経口ニコチン製品に関する。ニコチン組成物は水溶性繊維マトリクスを含んでもよい。ニコチン組成物は、ガム結合剤をさらに含んでもよい。ニコチン組成物は、水溶性繊維マトリクス内に分散されたニコチンの供与源をさらに含んでもよい。経口ニコチン製品は、中空管の両端の間に延びる中央長軸方向チャネルを画定する中空管の形態であってもよい。中央長軸方向チャネルは、少なくとも4ミリメートルの直径を有してもよい。
【0007】
本発明によると、水溶性繊維マトリクスと、ガム結合剤と、水溶性繊維マトリクス内に分散されたニコチンの供与源とを含むニコチン組成物で形成された経口ニコチン製品が提供され、経口ニコチン製品は、中空管の両端の間に延び、かつ少なくとも4ミリメートルの直径を有する中央長軸方向チャネルを画定する中空管の形態である。
【0008】
本発明は、経口ニコチン製品を製造するための方法にも関する。方法は、可溶性繊維、ニコチンの供与源、およびガム結合剤を含む混合物を形成する工程を含んでもよい。方法は、混合物を摂氏100度未満の温度に加熱するさらなる工程を含んでもよい。方法は、混合物を管状モールドの中に注ぐさらなる工程を含んでもよい。方法は、混合物を中空管の形態で固化するために、管状モールド内で混合物を冷却するさらなる工程を含んでもよい。方法は、固化した中空管をモールドから取り外すさらなる工程を含んでもよい。
【0009】
本発明によると、先行するいずれかの請求項による経口ニコチン製品を製造するための方法が提供され、方法は、可溶性繊維、ニコチンの供与源、およびガム結合剤を含む混合物を形成する工程と、混合物を摂氏100度未満の温度に加熱する工程と、混合物を管状モールドの中に注ぐ工程と、混合物を中空管の形態で固化するために、管状モールド内の混合物を冷却する工程と、固化した中空管をモールドから取り外す工程と、を含む。
【0010】
したがって、本発明は、新規の中空管状形態を有する経口ニコチン製品を提供する。この中空管状形態は、経口ニコチン製品を消費する間、製品を消費者の口の中に直接挿入する代わりに、何らかのタイプの「スティック」の上に据え付け、かつ保持することを可能にする。例えば、本発明による経口ニコチン製品は、ストロー、鉛筆、ペン、または箸などの一般的な物体の端に好都合に取り付けることができる。次いで消費者は、ニコチンの消費者の口の中への送達を達成するために、経口ニコチン製品を吸う、噛む、または舐めることができる。
【0011】
本発明の経口ニコチン製品を消費するこの新規なやり方は、有利なことに、経口ニコチン製品と消費者の指との間の接触を低減する。これは結果として、製品自体または消費者の手のいずれかが汚染されるリスクを最小化する。一旦選択された「スティック」の上の適所に置かれると、製品を、消費者の個別的に、かつ好都合にすることができ、そして消費者には、消費のタイミングおよび持続時間にわたる完全な制御が提供される。このようにして、消費者は製品の使用にわたってより大きい柔軟性を有する。
【0012】
下記に記述されるように、本発明のある特定の実施形態は、消費者の指の先端上に保持することができる経口ニコチン製品を提供する。これは、経口的に送達されるニコチンに加えて、ある特定のレベルのニコチンの経皮的送達を可能にし、これは消費者へのニコチンの全体的な送達を最適化する。こうした実施形態はまた、ニコチンを送達する方法に関して、消費者に対して柔軟性の増加も提供する。
【0013】
本発明による経口ニコチン製品は、知られているモールディング技法を使用して容易に製造することができる。
【0014】
上記で定義したように、本発明による経口ニコチン製品は、中空管の形態にある。中空管は、円筒形状を有することが好ましい。中空管の外部横断断面は、実質的に円形であることが好ましい。
【0015】
好ましくは、中空管の外径は、少なくとも約7ミリメートル、より好ましくは少なくとも約8ミリメートル、そしてより好ましくは少なくとも約10ミリメートルである。
【0016】
好ましくは、中空管の外径は、約25ミリメートル未満、より好ましくは約15ミリメートル未満、そしてより好ましくは約12ミリメートル未満である。例えば、中空管は、約7ミリメートル~約25ミリメートル、または約8ミリメートル~約15ミリメートル、または約10ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有してもよい。
【0017】
中空管は、中空管全体を通して、二つの端の間を通る穴を画定する中央長軸方向チャネルを提供し、これはしたがって、経口ニコチン製品をストローまたは指などのスティック様の物体の上に挿入することを可能にする。中央長軸方向チャネルは、少なくとも約4ミリメートルの直径を有する。直径はチャネルの長軸方向に対して横断方向に測定され、また中空管の「内径」に対応する。長軸方向チャネルの断面形状が、長軸方向チャネルの直径が測定の角度に応じて変化するように非円形状である場合、最小直径は、少なくとも約4ミリメートルである。これは、直径が測定される場合はいつも、直径が常に少なくとも約4ミリメートルであることを意味する。4ミリメートル以上の直径を有する長軸方向チャネルの提供は、経口ニコチン製品が、ストロー、鉛筆などのより幅広く様々な一般的なスティック様の物体上に効果的に保持されることを可能にする。
【0018】
好ましくは、中空管の長軸方向チャネルの直径は、少なくとも約5ミリメートルであり、より好ましくは少なくとも約6ミリメートルである。
【0019】
好ましくは、中空管の長軸方向チャネルの直径は、約20ミリメートル未満、より好ましくは約15ミリメートル未満、そしてより好ましくは約10ミリメートル未満である。例えば、長軸方向チャネルは、約4ミリメートル~約20ミリメートル、または約5ミリメートル~約15ミリメートル、または約6ミリメートル~約10ミリメートルの直径を有してもよい。
【0020】
中空管の長軸方向チャネルは、任意の適切な断面形状を有してもよい。長軸方向チャネルは、実質的に円形の横断断面を有することが好ましい。これは、ストロー、鉛筆、または指などの「丸みのある」スティック様の物体の上への経口ニコチン製品の挿入を容易にする。長軸方向チャネルは、その全長に沿って実質的に一定の横断断面を有することが好ましい。
【0021】
ある特定の好ましい実施形態では、長軸方向チャネルは、使用中に経口ニコチン製品をストローの端の上に保持することができるように、飲み物用のストローを受容するように特に適合される。他の好ましい実施形態では、長軸方向チャネルは、使用中に経口ニコチン製品を指の上に保持することができるように、消費者の指の端を受容するように特に適合される。
【0022】
中空管は、好ましくは少なくとも約2ミリメートル、より好ましくは少なくとも約3ミリメートルの壁厚を有する。
【0023】
中空管は、好ましくは少なくとも約8ミリメートル、より好ましくは少なくとも約10ミリメートル、そしてより好ましくは、少なくとも約15ミリメートルの長さを有する。
【0024】
好ましくは、中空管は、約30ミリメートル未満、より好ましくは約25ミリメートル未満、そしてより好ましくは約20ミリメートル未満の長さを有する。例えば、中空管の長さは、約8ミリメートル~約30ミリメートル、または約10ミリメートル~約25ミリメートル、または約15ミリメートル~約20ミリメートルであってもよい。
【0025】
中空管は、加わる最大約10ニュートンの力まで弾性変形可能であることが好ましい。これは、加わる最大10ニュートンの力で中空管を圧縮することができ、力が除去された後に実質的にその元の形状に戻ることを意味する。中空管のこの弾性特性は、対応するスティックへの経口ニコチン製品の取り付けを容易にするための、中空管の操作を可能にする。
【0026】
下記により詳細に記述することになる、中空管を形成するニコチン組成物は、好ましくは約1200MPa~約3800MPa、より好ましくは約2100MPa~約3200MPaの弾性係数を有する。
【0027】
本発明のある特定の実施形態では、中空管は、加わる12ニュートン以上の力で塑性変形されてもよい。これは、加わる12ニュートン以上の力で中空管が圧縮された時、元の形態に戻るのではなく、その圧縮された形態のままであることを意味する。これは、経口ニコチン製品を、従来のニコチンパウチの形態により類似したより平坦な形態に適合させることを可能にする。圧縮されたパウチは、経口ニコチン製品を細長い物体上に取り付ける代替品として、ニコチンパウチと同様のやり方で口の中に好都合に挿入することができる。したがって、消費者には、どのようにして経口ニコチン製品を消費することができるかの柔軟性の増加が提供される。
【0028】
本発明のある特定の実施形態では、長軸方向チャネルの表面に対応する中空管の内表面は、滑らかであってもよく、または平坦であってもよい。本発明の代替的な実施形態では、中空管の内表面は、中空管と、経口ニコチン製品が取り付けられるスティックの外表面との間の把持を改善するように適合されてもよい。これは有利なことに、経口ニコチン製品を定位置に、より効果的に保持することを可能にする場合がある。
【0029】
中空管の内表面は、把持の改善を提供するための複数の溝またはチャネルを備えることが好ましい。例えば、中空管の内表面は、中空管の対向する端の間に延びる複数の長軸方向の溝を備えてもよい。別の方法として、中空管の内表面は、内表面の周囲で軸方向に延びる複数の軸方向溝を備えてもよい。複数の溝が提供されるこうした実施形態では、中空管の内径は、内径が溝の深さを含まないように、溝と溝との間で測定されるべきである。
【0030】
好ましくは、溝は、少なくとも約1ミリメートル、より好ましくは少なくとも約1.5ミリメートルの深さを有する。好ましくは、溝は、約3ミリメートル以下、より好ましくは約2ミリメートル以下の深さを有する。例えば、溝は、約1ミリメートル~約3ミリメートル、または約1ミリメートル~約2ミリメートル、または約1.5ミリメートル~約3ミリメートル、または約1.5ミリメートル~約2ミリメートルの深さを有してもよい。
【0031】
上記で定義したように、本発明の経口ニコチン製品の中空管は、水溶性繊維マトリクスと、水溶性繊維マトリクス内に分散されたニコチンの供与源とを含むニコチン組成物で形成される。
【0032】
繊維マトリクスは、ニコチンの供与源をニコチン組成物内に保持するためのマトリクス構造を提供することができる任意の適切な繊維質材料によって提供されてもよい。したがって、繊維質材料は、内部細孔またはチャネルのネットワークを有する構造を提供し、その中に供与源ニコチンを含有することができる。経口製品が消費者の口の内側の唾液と接触すると徐々に溶解するように、繊維質材料は水溶性である。したがって、繊維マトリクスは、典型的に消費者の口の中に提供される条件下で水溶性である必要がある。
【0033】
水溶性繊維マトリクスは、セルロース系繊維を含むことが好ましい。例えば、水溶性繊維マトリクスとしては、木材パルプ、綿、サトウダイコン、ふすま、シトラスパルプ、スイッチグラス、ヤナギ属の植物、茶、ハコヤナギ、オオバコ、アラビノキシラン、またはこれらの任意の組み合わせに由来するセルロース系繊維が挙げられてもよい。別の方法として、または追加的に、水溶性マトリクスとしては、一つ以上の多糖類、例えば、マルトデキストリン、イヌリン、デンプン、ペクチン、ベータグルカンが挙げられてもよい。その他の適切な繊維質材料としては、オリゴ糖およびリグニンが挙げられる。
【0034】
好ましくは、ニコチン組成物は、乾燥重量基準で少なくとも約20重量パーセント、より好ましくは、少なくとも約30重量パーセントの水溶性繊維マトリクスを含む。
【0035】
好ましくは、ニコチン組成物は、乾燥重量基準で約60重量パーセント以下、より好ましくは、約50重量パーセント以下の水溶性繊維マトリクスを含む。例えば、ニコチン組成物は、乾燥重量基準で、約20重量パーセント~約60重量パーセント、または約30重量パーセント~約50重量パーセントの水溶性繊維マトリクスを含んでもよい。
【0036】
水溶性繊維マトリクス内に含有されるニコチンの供与源は、任意の適切な形態を取ってもよい。ニコチンの供与源は、一つ以上のニコチン塩を含むことが好ましい。例えば、ニコチンの供与源は、ニコチン乳酸塩、ニコチンクエン酸塩、ニコチンピルビン酸塩、ニコチン一酒石酸塩、ニコチン重酒石酸塩、ニコチン重酒石酸塩二水和物、ニコチン安息香酸塩、ニコチンペクチン酸塩、ニコチンアルギン酸塩、ニコチン硫酸塩、ニコチン塩酸塩、およびニコチンサリチル酸塩から成るリストから選択される一つ以上のニコチン塩を含んでもよい。ニコチンの供与源は、ニコチン乳酸塩またはニコチン安息香酸塩を含むことが好ましい。
【0037】
別の方法として、ニコチンの供与源は、液体ニコチン、ニコチンゲル、安定化させたニコチン、またはニコチン塩基を含んでもよい。
【0038】
好ましくは、ニコチン組成物は、乾燥重量基準で少なくとも約0.5重量パーセント、より好ましくは少なくとも約1重量パーセント、より好ましくは少なくとも約1.5重量パーセントのニコチンの供与源を含む。
【0039】
好ましくは、ニコチン組成物は、乾燥重量基準で約10重量パーセント以下、より好ましくは約8重量パーセント以下、より好ましくは約6重量パーセント以下のニコチンの供与源を含む。例えば、ニコチン組成物は、乾燥重量基準で約0.5重量パーセント~約10重量パーセント、または約1重量パーセント~約8重量パーセント、または約1.5重量パーセント~約6重量パーセントのニコチンの供与源を有してもよい。
【0040】
各個々の経口ニコチン製品は、約1mg~約11mgのニコチンを含有することが好ましい。製品中のニコチンの量は、望ましい強度に依存して変化させることができる。例えば、「軽い」強度の製品は、約1mg~約3mgのニコチンを含有してもよく、「通常」強度の製品は、約3mg~約7mgのニコチンを含有してもよく、そして「強い」製品は、約7mg~約11mgのニコチンを含有してもよい。
【0041】
上記で定義したように、中空管を形成するニコチン組成物は、ガム結合剤をさらに含む。ガム結合剤は、水溶性であることが好ましい。本発明の経口ニコチン製品中のガム結合剤の包含は、有利なことに、消費者によって望ましい「スティック」の上に挿入することができるように、製品を取り扱うことを可能にする、望ましいレベルの弾性およびテクスチャを提供する場合がある。
【0042】
適切なガム結合剤は当業者に知られていることになり、またアラビアガム、キサンタンガム、ジェランガム、およびそれらの組み合わせなどの天然ガムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
好ましくは、ニコチン組成物は、乾燥重量基準で少なくとも約10重量パーセント、より好ましくは、少なくとも約15重量パーセントのガム結合剤を含む。
【0044】
好ましくは、ニコチン組成物は、乾燥重量基準で約30重量パーセント以下、より好ましくは、約25重量パーセント以下のガム結合剤を含む。例えば、ニコチン組成物は、乾燥重量基準で、約10重量パーセント~約30重量パーセント、または約15重量パーセント~約25重量パーセントのガム結合剤を含んでもよい。
【0045】
随意に、ニコチン組成物は、一つ以上の風味剤をさらに含んでもよい。例えば、使用中に経口ニコチン製品の温度が上昇するにつれて消費者に対して放出されるニコチン組成物内に一つ以上の揮発性風味を提供することは有利である場合がある。これは、消費者の感覚的体験を高める場合がある。一つ以上の風味剤は、液体形態、またはゲル形態で提供されてもよい。風味剤は、合成風味剤の天然風味剤であってもよい。一つ以上の風味剤は、ニコチンの供与源と一緒に水溶性繊維マトリクス内に組み込まれてもよく、またはニコチン含有繊維マトリクスに適用されてもよい。
【0046】
適切な風味剤は、当業者に知られていることになり、また甘草、ウインターグリーン、チェリーおよびベリータイプの風味剤、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ(apium graveolents)、クローブ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、ハッカ、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメンタ、ショウガ、アニス、チャイ、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属の種由来のハッカ油、ココア、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
ニコチン組成物は、約4重量パーセント以下の風味剤を含むことが好ましい。
【0048】
風味剤のレベルは、風味の望ましい強度に応じて、このレベル未満に調整することができる。ニコチン組成物は、少なくとも約0.5重量パーセントの風味剤を含むことが好ましい。
【0049】
別の方法として、または一つ以上の風味剤の包含に加えて、ニコチン組成物は随意に一つ以上の甘味料をさらに含んでもよい。一つ以上の甘味料の包含は、有利なことに、経口ニコチン製品の風味を強化する場合がある。
【0050】
適切な甘味料は、当業者に知られていることになり、またサッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
ニコチン組成物は、約2重量パーセント以下の甘味料を含むことが好ましい。
【0052】
甘味料のレベルは、望ましい甘味に応じてこのレベル未満に調整することができる。ニコチン組成物は、少なくとも約0.25重量パーセントの甘味料を含むことが好ましい。
【0053】
ニコチン組成物は、ニコチン組成物がその水性液体中に溶解された時に、唾液などの水性液体のpHを調整する物質であるpH調整剤をさらに含むことが好ましい。適切なpH調整剤としては、アルカリ金属もしくはアンモニウムの炭酸塩(一炭酸塩、重炭酸塩、およびセスキ炭酸塩を含む)、酢酸塩、グリシン酸塩、グルコン酸塩、ホウ酸塩、グリセロリン酸塩、またはクエン酸塩、リン酸塩系(リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、およびリン酸三水素塩を含む)、金属水酸化物(水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなど)、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいpH調整剤は、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物である。
【0054】
ニコチン組成物は、一つ以上の随意の添加物を含んでもよい。例えば、ニコチン組成物は、非ニコチンアルカロイド、ミネラル、ビタミン、栄養補助食品、着色剤、アミノ酸、抗酸化物質、および植物成分のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0055】
本発明のある特定の実施形態では、中空管は、その表面のうちの少なくとも一つに塗布されたコーティング層を備えてもよい。好ましくは、コーティング層は水溶性であり、したがって水中で溶解可能であり、これにより使用中に経口ニコチン製品が消費者の口に挿入された時に唾液と接触すると容易に溶解する。
【0056】
コーティング層は、中空管の少なくとも外表面に塗布されることが好ましい。コーティング層は、ニコチン組成物を保護し、かつ使用前にニコチンまたは風味剤などの活性化合物の経口ニコチン製品からの損失を防止するのに役立つ場合があるバリア層を提供する。
【0057】
中空管上にコーティング層を提供するための適切なコーティング材料は当業者に知られていることになり、そしてカルナウバワックス、蜜ろう、ゼラチン、アセチル化モノグリセリド、デンプン(例えば、天然ジャガイモデンプン、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化ジャガイモデンプン)、ゼイン、シェラック、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
コーティング層の特性を修正するために、一つ以上の添加物が、随意にコーティング材料に添加されてもよい。例えば、コーティング層は、水分または酸素に対するコーティング層のバリア特性を改善するために、以下の添加剤:ミグリコール(miglycol)、二酸化チタン、カオリン、ベントナイトのうちの一つ以上を含んでもよい。別の方法として、または追加的に、コーティング層は、一つ以上の糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。一つ以上の糖アルコールは、コーティング材料の風味を強化するために、またはコーティング材料のテクスチャを改善するために含まれてもよい。
【0059】
別の方法として、または追加的に、コーティング層は一つ以上の可塑剤を含んでもよい。適切な可塑剤としては、プロピレングリコール、グリセロール、植物油、トリグリセリド、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
ここで、本発明による経口ニコチン製品の意図される使用について記述する。上記で考察したように、本発明の経口ニコチン製品は、適切なスティックの上に容易に据え付けることができ、かつ使用中にスティックの上に保持することができるように、中空管状形態で提供される。スティックの適切な選択は、経口ニコチン製品の寸法、具体的には長軸方向チャネルの直径に依存するが、適切な例としては、ストロー、鉛筆、ペン、または箸が挙げられる場合がある。別の方法として、「スティック」は消費者の指の形態とすることが可能である。
【0061】
使用中に、適切なサイズの選択された「スティック」は、消費者によって中空管の長軸方向チャネルの中に挿入される。「スティック」という用語は、本明細書でその上に据え付けられ、かつ保持される経口ニコチン製品のために適切な釣合いの任意の適切な細長い物体を指すために使用される。好ましくは、スティックの外径は、中空管の内表面とスティックの外表面との間の摩擦によって、使用中に中空管を適所に保持することができるように、中空管の内径に実質的に対応する。スティック上に据え付けられると、消費者は、経口ニコチン製品を望ましい持続時間の間、自分の口の中に挿入することができる。存在する任意のコーティング層は、消費者の口の中で唾液と当初に接触すると溶解する。次いで、水溶性繊維マトリクスは溶解および分解を開始し、それによってニコチンの供与源および風味剤などの存在する場合がある任意の他の構成成分を、消費者の口の中に放出する。
【0062】
経口ニコチン製品は、単一の期間中に完全に消費されてもよく、または複数の別個の期間にわたって消費されてもよい。これは、製品の消費のタイミングおよび持続時間にわたって消費者により高い柔軟性を提供する。
【0063】
経口ニコチン製品が消費者の指の上に据え付けられる場合、水溶性マトリクスが消費者の口の中への経口ニコチン製品の挿入に起因して破壊を開始すると、ニコチンの一部の送達は経皮的に追加的に提供される場合がある。このようにして、ニコチンは、皮膚を通して経口的および経皮的の両方で送達される場合がある。
【0064】
本発明による経口ニコチン製品は、任意の適切な方法および設備を使用して製造されてもよい。経口ニコチン製品は、所望の中空管状形状を達成するためにモールディングプロセスを使用して形成されることが好ましい。押出成形またはダイキャスティングプロセスもまた、管状構造を提供するために適切である場合がある。
【0065】
本発明は、上記で定義したように、本発明による経口ニコチン製品の製造方法をさらに提供する。この方法の第一の工程では、可溶性繊維およびニコチンの供与源を含む混合物が形成される。この混合物は、典型的に、水を含む溶液の形態である。経口ニコチン製品のために必要とされる任意の他の随意の構成成分を、この工程の間に混合物に添加することができる。次いで、結果として得られる混合物を、摂氏100度未満の温度に加熱する。好ましくは、加熱工程は、摂氏約45度~約75度の温度で実行されることが好ましく、より好ましくは摂氏約50度~摂氏約60度の温度で実行され、温度は混合物の所望の粘度を達成するために選択される。
【0066】
加熱された混合物はその後、管状モールドの中に注がれる、または注入される。この工程のための適切なモールディング設備は、当業者に知られていることになるが、菓子製品のモールディングに一般的に使用されるデンプンモーグル設備を含む。こうした方法では、コーンスターチのトレイが提供され、そして所望の形状(この場合、管状)をコーンスターチベッドにスタンプするためにモールド成形型が使用される。製品が固化されると、下記に記述されるように、デンプンを除去して再使用することができる。このタイプのプロセスは、欧州特許第A-2645885号に記述されている。
【0067】
混合物を中空管の形態で固化するために、管状モールド内の混合物を冷却する。これは、最大15~25時間かかる場合がある。固化の間、可溶性繊維は、ニコチンの供与源の周りに水溶性マトリクスを形成することになる。
【0068】
最終的に、固化した中空管をモールドから取り外し、所望のように包装することができる。
【0069】
下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【実施例
【0070】
実施例1. 水溶性繊維マトリクスと、水溶性繊維マトリクス内に分散されたニコチンの供与源とを含む経口ニコチン製品であって、中空管の両端の間に延びる中央長軸方向チャネルを画定する中空管の形態にある、経口ニコチン製品。
【0071】
実施例2. 中央長軸方向チャネルが、少なくとも4ミリメートルの直径を有する、実施例1による経口ニコチン製品。
【0072】
実施例3. 中空管が円筒形状を有する、実施例1または実施例2による経口ニコチン製品。
【0073】
実施例4. 中空管の外径が25ミリメートル未満である、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0074】
実施例5. 中空管の外径が少なくとも7ミリメートルである、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0075】
実施例6. 中央長軸方向チャネルが、20ミリメートル未満の直径を有する、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0076】
実施例7. 長軸方向チャネルが、実質的に円形状の横断断面形状を有する、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0077】
実施例8. 長軸方向チャネルが、飲み物用のストローを受容するように適合される、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0078】
実施例9. 中空管が、少なくとも2ミリメートルの壁厚さを有する、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0079】
実施例10. 中空管が、少なくとも8ミリメートルの長さを有する、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0080】
実施例11. 中空管が、30ミリメートル未満の長さを有する、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0081】
実施例12. 中空管が、加わる最大10ニュートンの力で弾性変形可能である、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0082】
実施例13. ニコチン組成物が、1200MPa~3800MPaの弾性係数を有する、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0083】
実施例14. 中空管が、加わる12ニュートン以上の力で塑性変形可能である、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0084】
実施例15. 中空管の内表面が平坦である、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0085】
実施例16. 中空管の内表面が、複数の溝を備える、実施例1~実施例14のいずれかによる経口ニコチン製品。
【0086】
実施例17. 中空管の内表面が、中空管の対向する両方の端の間に延びる複数の長軸方向の溝を備える、実施例16による経口ニコチン製品。
【0087】
実施例18. 中空管の内表面が、内表面の周囲で軸方向に延びる複数の軸方向溝を備える、実施例16による経口ニコチン製品。
【0088】
実施例19. 溝が、少なくとも1ミリメートルの深さを有する、実施例16~実施例18のいずれかによる経口ニコチン製品。
【0089】
実施例20. 溝が、3ミリメートル以下の深さを有する、実施例16~実施例19のいずれかによる経口ニコチン製品。
【0090】
実施例21. ニコチン組成物の水溶性繊維マトリクスが、セルロース系繊維を含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0091】
実施例22. セルロース系繊維が、木材パルプ、綿、サトウダイコン、ふすま、シトラスパルプ、スイッチグラス、ヤナギ属の木、茶、ハコヤナギ、オオバコ、アラビノキシラン、またはこれらの任意の組み合わせに由来する、実施例21による経口ニコチン製品。
【0092】
実施例23. ニコチン組成物が、少なくとも20重量パーセントの水溶性繊維マトリクスを含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0093】
実施例24. ニコチン組成物が、60重量パーセント以下の水溶性繊維マトリクスを含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0094】
実施例25. ニコチンの供与源が、一つ以上のニコチン塩を含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0095】
実施例26. ニコチン組成物が、少なくとも0.5重量パーセントのニコチンの供与源を含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0096】
実施例27. ニコチン組成物が、10重量パーセント以下のニコチンの供与源を含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0097】
実施例28. 1mg~3mgのニコチンを含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0098】
実施例29. 3mg~7mgのニコチンを含む、実施例1~実施例27のいずれかによる経口ニコチン製品。
【0099】
実施例30. 7mg~11mgのニコチンを含む、実施例1~実施例27のいずれかによる経口ニコチン製品。
【0100】
実施例31. ニコチン組成物が、一つ以上のガム結合剤をさらに含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0101】
実施例32. 一つ以上のガム結合剤が、水溶性である、実施例31による経口ニコチン製品。
【0102】
実施例33. ニコチン組成物が、少なくとも10重量パーセントの一つ以上のガム結合剤を含む、実施例31または実施例32による経口ニコチン製品。
【0103】
実施例34. ニコチン組成物が、30重量パーセント以下の一つ以上のガム結合剤を含む、実施例31~実施例33による経口ニコチン製品。
【0104】
実施例35. ガム結合剤がアラビアガムを含む、実施例31~実施例34のいずれかによる経口ニコチン製品。
【0105】
実施例36. ニコチン組成物が、一つ以上の風味剤をさらに含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0106】
実施例37. ニコチン組成物が、4重量パーセント以下の一つ以上の風味剤をさらに含む、実施例36による経口ニコチン製品。
【0107】
実施例38. ニコチン組成物が、一つ以上の甘味料をさらに含む、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0108】
実施例39. ニコチン組成物が、2重量パーセント以下の一つ以上の甘味料をさらに含む、実施例38による経口ニコチン製品。
【0109】
実施例40. 中空管が、その表面のうちの少なくとも一つの上に塗布されたコーティング層を備える、いずれかの先行する実施例による経口ニコチン製品。
【0110】
実施例41. コーティング層が、水溶性である、実施例40による経口ニコチン製品。
【0111】
実施例42. コーティング層が、一つ以上の添加剤をさらに含む、実施例40または実施例41による経口ニコチン製品。
【0112】
実施例43. コーティング層が、一つ以上の糖アルコールを含む、実施例42による経口ニコチン製品。
【0113】
実施例44. コーティング層が、一つ以上の可塑剤を含む、実施例42または実施例43による経口ニコチン製品。
【0114】
実施例45. 実施例1による経口ニコチン製品を製造するための方法であって、
可溶性繊維、ニコチンの供与源、およびガム結合剤を含む混合物を形成することと、
混合物を、摂氏100度未満の温度に加熱することと、
混合物を、管状モールドの中に注ぐことと、
混合物を中空管の形態で固化するために、管状モールド内の混合物を冷却することと、
固化した中空管をモールドから取り外すことと、を含む、方法。
【0115】
実施例46. 加熱する工程が、摂氏約45度~約75度の温度において実行される、実施例45による方法。
【0116】
実施例47. 成形する工程が、デンプンモーグル設備を使用して実行される、実施例45または実施例46による方法。
【0117】
実施例48. 混合物が、モールド内で最大15~25時間の間固化される、実施例45~実施例47のいずれかによる方法。
【0118】
具体的な実施形態を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが、さらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0119】
図1図1は、本発明による経口ニコチン製品の第一の実施形態の斜視図を示す。
図2図2は、本発明による経口ニコチン製品の第二の実施形態の斜視図を示す。
図3図3は、図2に示す経口ニコチン製品の端面図を示す。
図4図4は、飲み物用のストロー上の適所にある図2および図3の経口ニコチン製品の概略的な表現を示す。
図5図5は、圧縮された形態にある図1および図2の経口ニコチン製品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0120】
図1に示す経口ニコチン製品は、ニコチン組成物で形成された周辺壁12と、中空管10の対向する端の間に延びる中央長軸方向チャネル14とを有する円筒状の中空管10の形態にある。長軸方向チャネル14は、円形状の横断断面を有し、また中央長軸方向チャネルの表面は平坦である。中空管10横断方向内径に対応する、中央長軸方向チャネル14の直径は、8ミリメートルである。中空管10の外径は、12ミリメートルであり、これにより周辺壁12は、2ミリメートルの厚さを有する。中空管10は、18ミリメートルの長さを有する。中空管10は、ペン、箸、またはストローなどのスティック様の物体の上に据え付けるために適切である。
【0121】
中空管10は、水溶性セルロース繊維マトリクス、ニコチン塩、天然ガム結合剤、および風味剤を含むニコチン組成物で形成される。バリア層を提供するために、蜜ろうの溶解可能なコーティング層(図示せず)が中空管10の外表面上に提供される。
【0122】
図2および図3は、周辺壁22と、中空管20の対向する端の間の中央長軸方向チャネル24とを備える中空管20の形態の、本発明の第二の実施形態による経口ニコチン製品を示す。中空管20は、上述のように、図1に示す中空管10を形成するものと類似したニコチン組成物で形成される。長軸方向チャネル24は円形状の横断断面を有するが、中空管10とは対照的に、長軸方向チャネル24の内表面は、把持表面を提供する長軸方向チャネル24の周囲の周りに離隔した複数の長軸方向の溝26を備える。各長軸方向の溝26は、中空管24の両方の端の間に延び、また1.5ミリメートルの横断方向深さを有する実質的に長方形状の断面を有する。中空管20の外径(Dext)は、12ミリメートルであり、中空管の内径(Dint)に対応する長軸方向チャネルの直径は9ミリメートルである。図3に示すように、中空管(Dint)の内径は、長軸方向の溝26から離れた位置において測定され、したがって長軸方向の溝26の深さは考慮されない。したがって、Dintの値は、中空管の最小内径である。中空管20は、18ミリメートルの長さを有し、またペン、箸、またはストローなどのスティック様の物体の上に据え付けるために適切である。
【0123】
図4は、消費のために用意ができている飲み物用のストロー30の端の上に据え付けられた図2および図3の中空管20を示す。中空管20の溝付きの内表面は、使用中に中空管をストロー上の適所に滑ることなく保持することができるように、ストロー30の外表面を把持する。したがって、使用中、消費者は、中空管20に触れる必要は全くないが、ストロー30の移動を通して中空管20を自身の口の中に単純に挿入することができる。
【0124】
中空管20は、消費のために望ましいスティックの上に取り付けるために、消費者によって加えられた圧縮の結果として、ある特定の程度まで弾性的に変形することができるように、ある程度の弾性を有する。
【0125】
望ましい場合、中空管20は、図5に示すように、消費者によるより大きい圧縮力で圧縮されて、恒久的により平坦な形態を提供することができ、これは経口ニコチンパウチの形状によりよく似ている。圧縮力は、消費者によって図5に示す方向に、12ニュートンを上回るレベルで加えられるべきである。この扁平な形態で、ニコチンを放出するために、中空管20を、口の中に挿入し、かつ歯茎と唇との間に保持することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】