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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】架空線クランプ
(51)【国際特許分類】
   B60M 1/23 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B60M1/23 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534339
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 IB2022061806
(87)【国際公開番号】W WO2023105396
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2117893.4
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2218241.4
(32)【優先日】2022-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598107622
【氏名又は名称】グリップル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIPPLE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、サミュエル
(57)【要約】
架空線クランプ
架空線(2)に固定可能な架空線クランプ(100)であって、架空線クランプ(100)は、ピンサー部材(102)と、ピンサー部材(102)が開位置と閉位置との間で作動することを可能にするヒンジ(104)と、ここで、閉位置において、ピンサー部材(102)が架空線(2)を固定するように構成され、ピンサー部材(102)を開位置と閉位置との間で作動させるように構成された手動ラッチ(108)と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架空線に固定可能な架空線クランプであって、
ピンサー部材と、
前記ピンサー部材が開位置と閉位置との間で作動することを可能にするヒンジと、ここで、前記閉位置において、前記ピンサー部材が前記架空線を固定するように構成され、
前記開位置と前記閉位置との間で前記ピンサー部材を作動させるように構成された手動ラッチとを備える、架空線クランプ。
【請求項2】
前記手動ラッチは、手動レバーを備える、請求項1に記載の架空線クランプ。
【請求項3】
前記手動ラッチは双安定ラッチ機構である、請求項1または2に記載の架空線クランプ。
【請求項4】
前記ラッチは、前記ピンサー部材を相互接続するスタッドを備え、前記スタッドの一端は、前記ラッチに固定され、前記ラッチは、前記ピンサー部材のうちの第1のピンサー部材に対して押し込むように構成され、前記スタッドの他端は、前記第1のピンサー部材の反対側の前記ピンサー部材のうちの第2のピンサー部材に固定される、請求項1、2、または3に記載の架空線クランプ。
【請求項5】
前記手動ラッチは、前記ピンサー部材が前記閉位置から離れるように移動することを阻止するために、前記ピンサー部材が前記閉位置で作動されるときに係合可能なキャッチをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の架空線クランプ。
【請求項6】
前記架空線クランプのソケットと前記ピンサー部材との間に電気的接続を形成するための導電性材料を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の架空線クランプ。
【請求項7】
架空接触線の形態の前記架空線にドロッパを固定するように構成された架空接触線クランプの形態で、前記架空接触線クランプは、
前記クランプを前記ドロッパに固定するためのドロッパコネクタと、
前記ピンサー部材と、前記ピンサー部材が閉位置にあるときに、前記架空接触線の対応する側溝内に嵌合するようにそれぞれ成形され、
前記ピンサー部材が前記開位置と前記閉位置との間で作動することを可能にする前記ヒンジと、
前記開位置と前記閉位置との間で前記ピンサー部材を作動させるように構成された前記手動ラッチとを備える、請求項1に記載の架空線クランプ。
【請求項8】
前記手動ラッチは、手動レバーを備える、請求項7に記載の架空接触線クランプ。
【請求項9】
前記手動レバーのストローク長は、前記手動レバーがそのストロークの一端にあるとき、前記ピンサー部材が、前記架空接触線の前記側溝をその間に受け入れるのに十分に離れて間隔を置かれた前記開位置にあり、前記手動レバーがそのストロークの第2の端にあるとき、前記ピンサー部材が、前記側溝に対してクランプする前記閉位置にあるように構成される、請求項8に記載の架空接触線クランプ。
【請求項10】
前記手動レバーは、2よりも大きい機械的利点を有し、及び/又は、前記手動レバーの長さは、少なくともピンサー部材の長さと同じか、又はそれよりも長い、請求項8又は9に記載の架空接触線クランプ。
【請求項11】
前記手動ラッチは、双安定ラッチ機構である、請求項7から10のいずれか1項に記載の架空接触線クランプ。
【請求項12】
前記手動ラッチは、オーバーセンターラッチである、請求項11に記載の架空接触線クランプ。
【請求項13】
前記オーバーセンターラッチは、カムを回転させて前記ピンサー部材を作動させるように構成された手動レバーを備える、請求項8に従属する請求項12に記載の架空接触線クランプ。
【請求項14】
前記手動レバーは、前記カムを回転させて前記ピンサー部材を作動させ、前記ピンサー部材が前記閉位置にあることを示すトグルフィードバックをユーザに提供するように構成される、請求項13に記載の架空接触線クランプ。
【請求項15】
前記ラッチは、前記ピンサー部材を相互接続するスタッドを備え、前記スタッドの一端は、前記ラッチに固定され、前記ラッチは、前記ピンサー部材のうちの第1のピンサー部材に対して押し込むように構成され、前記スタッドの他端は、前記第1のピンサー部材の反対側の前記ピンサー部材のうちの第2のピンサー部材に固定される、請求項7から14のいずれか一項に記載の架空接触線クランプ。
【請求項16】
前記手動ラッチは、前記ピンサー部材が前記閉位置から離れるように移動することを阻止するために、前記ピンサー部材が前記閉位置で作動されるときに係合可能なキャッチをさらに備える、請求項7から15のいずれか一項に記載の架空接触線クランプ。
【請求項17】
前記キャッチは、手動レバーの遠位端に向かうスロットを備え、前記手動レバーがラッチ閉鎖位置に到達すると、前記手動レバーの前記スロットは、前記ドロッパコネクタの上方に同軸に整列される、請求項16に記載の架空接触線クランプ。
【請求項18】
前記ドロッパコネクタと前記ピンサー部材との間に電気的接続を形成するための導電性材料を備える、請求項7から17のいずれか一項に記載の架空接触線クランプ。
【請求項19】
前記ヒンジは、リビングヒンジである、請求項7から18のいずれか一項に記載の架空接触線クランプ。
【請求項20】
前記ヒンジは、前記ドロッパコネクタを備える、請求項7から19のいずれか1項に記載の架空接触線クランプ。
【請求項21】
前記ドロッパコネクタは、前記ドロッパを受け入れるソケットを備える、請求項7から20のいずれか一項に記載の架空接触線クランプ。
【請求項22】
前記ソケットは、前記ヒンジに配置され、前記ピンサー部材が前記閉位置に移動するとき、前記ヒンジの変形が前記ソケットを圧縮して、前記クランプを前記ドロッパに固定する、請求項21に記載の架空接触線クランプ。
【請求項23】
前記ヒンジは、前記導電性材料を備える、請求項18に従属する請求項22に記載の架空接触線クランプ。
【請求項24】
前記ヒンジは、前記ピンサー部材と一体である、請求項23に記載の架空接触線クランプ。
【請求項25】
請求項7から24のいずれか1項に記載の架空接触線クランプと、前記架空接触線と、前記ドロッパと、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、架空線クランプに関する。特に、しかし排他的ではなく、それらは、電化架空線システムのための架空接触線クランプに関する。
【背景技術】
【0002】
輸送用の電化架空線システムは、架空カテナリシステムとも呼ばれる。システムは、電気機関車、トロリーバス、路面電車、またはさらには重量物道路車両などの車両に電気エネルギーを伝送するように構成された電気ケーブルを備える。
【0003】
車両は、架空線システムから電気エネルギーを収集するために、パンタグラフ、船首コレクタ、またはトロリーポールなどの架線装置を備える。
【0004】
一般的な架空線システムは、上部線、下部線(接触線)、および上部線から下部線を吊り下げる、周期的に間隔を置いて配置されたドロッパを含む。
【0005】
各ドロッパの上端は、クランプによって上部線に接続される。各ドロッパの下端は、クランプによって下部線に接続される。各クランプは、緊密な機械的および電気的接続を形成する。
【0006】
既存のクランプ設計は、特に、接触線の正確な垂直高さを設定するためにクランプを緩めて何度もわずかに再位置決めする必要がある場合、締結するのに時間がかかる。
【0007】
本発明のさまざまな実施形態の簡単な説明
本発明の一態様によれば、架空接触線にドロッパを固定するように構成された架空接触線クランプが提供され、
クランプをドロッパに固定するためのドロッパコネクタと、
ピンサー部材と、ピンサー部材が閉位置にあるときに、架空接触線の対応する側溝内に嵌合するようにそれぞれ成形され、
ピンサー部材が開位置と閉位置との間で作動することを可能にするヒンジと、
開位置と閉位置との間でピンサー部材を作動させるように構成された手動ラッチとを備える。
【0008】
手動ラッチは、架空接触線へのドロッパの迅速な固定を可能にし、ドロッパの垂直性を修正するためのクランプ位置の迅速な調整を可能にするという利点を提供する。これは、手動ラッチが工具の必要性を排除するからである。
【0009】
手動ラッチは、手動レバーを備えてもよい。手動レバーのストローク長は、手動レバーがそのストロークの一端にあるとき、ピンサー部材が、それらの間に架空接触線の側溝を受け入れるのに十分に離れて間隔を置かれた開位置にあり、手動レバーがそのストロークの第2の端にあるとき、ピンサー部材が、側溝に対してクランプする閉位置にあるように構成されてもよい。
【0010】
利点は、ドロッパを架空接触線に固定することができる速度をさらに増加させることである。
【0011】
手動レバーは、例えば、2よりも大きい機械的利点を有してもよい。しかしながら、3つよりも多い、または4つよりも多い手動レバーの機械的利点は、耐久性のある剛性ヒンジ(例えば、以下に説明されるような金属リビングヒンジ)の使用を可能にしながら、上記で説明されるような単一ストローク動作のために要求される労力をさらに低減させ得る。手動レバーの長さは、少なくともピンサー部材の長さと同じか、またはそれより長くてもよい。
【0012】
手動ラッチは、双安定ラッチ機構であってもよい。例えば、手動ラッチは、オーバーセンターラッチであってもよい。オーバーセンターラッチは、カムを回転させてピンサー部材を作動させるように構成された手動レバーを備えてもよい。
【0013】
利点は、ピンサー部材が閉位置にあることを示すトグル状のフィードバックがユーザに提供されることである。これは、ユーザが手動でチェックし、厳守するためのトルク仕様の必要性を排除する。
【0014】
ラッチは、ピンサー部材を相互接続するスタッドを備えてもよく、スタッドの一端は、ラッチに固定され、ラッチは、ピンサー部材のうちの第1のものに対して押し込むように構成され、スタッドの他端は、第1のピンサー部材の反対側のピンサー部材のうちの第2のものに固定される。
【0015】
あるいは、手動ラッチは、オーバーセンターラッチとは異なるタイプのものであってもよい。
【0016】
手動ラッチは、ピンサー部材が閉位置から離れる方向に移動するのを阻止するために、ピンサー部材が閉位置で作動されるときに係合可能なキャッチをさらに備えることができる。
【0017】
利点は、ラッチが、例えば、とりわけ、通過する車両の騒音、振動、および、不快さ、または、風によって引き起こされる線の振動の結果として、緩く作動されることに対して耐性があるということである。
【0018】
クランプは、ドロッパコネクタとピンサー部材との間に電気的接続を形成するために導電性材料を備えてもよい。導電性材料は、銅、銀、スズ、アルミニウム、またはこれらの合金であってもよい。
【0019】
ヒンジはリビングヒンジであってもよい。ヒンジは、導電性材料を備えることができる。ヒンジは、ピンサー部材と一体であってもよい。
【0020】
利点は、導電性材料の単一の成形体を使用できることである。
【0021】
ヒンジは、ドロッパコネクタを備えてもよい。ドロッパコネクタは、ドロッパを受け入れるためのソケットを備えてもよい。
【0022】
ソケットは、ヒンジに配置されてもよく、その結果、ピンサー部材が閉位置に移動するとき、ヒンジの変形がソケットを圧縮して、クランプをドロッパに固定する。利点は、同じユーザの手の作動が、架空接触線とドロッパの両方にクランプを固定することである。さらなる利点は、クランプを介した振動の間、使用中に導電性が維持されることである。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、架空接触線クランプ、架空接触線、及びドロッパを含むシステムが提供される。
【0024】
本発明のさらなる態様によれば、架空線に固定可能な架空線クランプが提供され、
ピンサー部材と、
ピンサー部材が開位置と閉位置との間で作動することを可能にするヒンジと、ここで、閉位置において、ピンサー部材が架空線を固定するように構成され、
開位置と閉位置との間でピンサー部材を作動させるように構成された手動ラッチとを備える。
【0025】
本発明の参照の実施形態のさまざまな例のより良い理解のために、単なる例として、添付の図面についての参照が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、架空線システムの例を例示している。
図2図2は、架空接触線の例を例示している。
図3図3は、架空接触線クランプの例を例示している。
図4図4は、カムレバーが開位置にある架空接触線クランプを例示している。
図5図5は、カムレバーが閉位置にある架空接触線クランプを例示している。
【発明を実施するための形態の説明】
【0027】
図1は輸送用の例示的な電化架空線システムを図示している。架空線システム1は、上側のカテナリ線3と、下側の接触線2と、カテナリ線3から接触線2を吊り下げる、周期的に離間したドロッパ4とを備える。
【0028】
接触線2は、車両の頭上装置に接触して電気的接続を形成するように構成された導電線である。接触線2は、パンタグラフ、船首集電器、またはトロリーポールなどの車両の頭上装置との一定の接触を維持するために、レール/車道の上方の実質的に一定の垂直高さで吊り下げられる。
【0029】
カテナリ線3は、マストや建物等の支持構造物に間隔をあけて取り付けられた導電線である。カテナリ線3は、接触線2に平行に、かつ接触線2の上方に伸長する。カテナリ線3は、その自重と、吊り下げられたドロッパ4及び接触線2の重量とによって、各中間径間で垂下する。
【0030】
ドロッパ4は、カテナリ線3から接触線2を吊り下げるための、概ね垂直なワイヤなどの直立した導電線である。カテナリ線3の中間スパンに接続されたドロッパ4は、カテナリ線3の垂下を補償し、接触線2が一定の高さであることを確実にするために、典型的には、カテナリ線3の端部スパンに向かって接続されたドロッパよりも短い。
【0031】
図示された例示的なシステム1は、軌道(a permanent way)で、重量のあるレールの実施に適している。しかしながら、本発明のクランプは、他のタイプの架空線システム、例えば、ライトレール/トラムの電化架空線システムにも使用可能である。後者のシステムは、接触線2に対して垂直な離間した支持線を有してもよく、これらの支持線は、接触線2に直接または短いドロッパ4を介して接続する。
【0032】
図2は、接触線2の断面の一例を図示する。限定するものではないが、接触線2は、銅、銀、スズ、またはそれらの合金から作られた冷間引抜きソリッドワイヤなどの単芯ワイヤであってもよい。
【0033】
接触線2は、非円形の断面を有する。接触線2は、その左右両側に側溝20を有する。側溝20は、クランプのためのクランプ面を提供し、ピンサー部材が側溝20に入り込み、接触線2を横方向に圧縮する干渉クランプ嵌合を可能にする。接触線2の正確な寸法は標準化されてもよいが、その領域に適用可能な鉄道規格に応じて全体的に異なってもよい。
【0034】
図3は、本発明のさまざまな実施形態による、架空接触線クランプ100の例示的な実施を図示する。クランプ100は、図2に概略的に示される接触線2などの、関連する規格によって規定される幾何学的形状の接触線2上にクランプするように構成される。
【0035】
クランプ100は、ピンサー部材102を備え、ピンサー部材102が閉位置にあるときに、架空接触線2の対応する側溝内に嵌合するようにそれぞれ成形される。
【0036】
閉位置では、ピンサー部材102の先端は、少なくとも5.5ミリメートルから8ミリメートル未満の範囲から選択される値、例えば約6ミリメートルだけ互いに離間していてもよい。これにより、ピンサー部材102は、少なくともヨーロッパスタイルの接触線2が脱落することを防止する干渉を伴って、溝20に嵌合することができる。
【0037】
開位置では、ピンサー部材102の先端は、8ミリメートルよりも大きく互いから離間され得る。これは、接触線2の少なくとも上部を受け入れるのに十分な幅である。
【0038】
クランプ100は、クランプ100をドロッパ4に固定するためのドロッパコネクタ106を備える。図示されたドロッパコネクタ106は、ドロッパ4を受け入れるためのソケットを備える。ソケットは、貫通孔として示されており、この貫通孔を通して、ドロッパ4の端部(例えば、圧着された端部)を挿入し、次いで、ソケットの変形によってクランプして、ドロッパ4の端部をクランプ100に固定することができる。
【0039】
他の実施態様では、別のタイプのドロッパコネクタ106を使用することができることが理解されよう。
【0040】
クランプ100は、導電性材料の単一体を備えることができる。本体は、ピンサー部材102とドロッパコネクタ106とを一体的に組み合わせることができる。
【0041】
導電性材料は、ドロッパコネクタ106とピンサー部材102との間の電気的接続を形成する。これにより、電力をドロッパ4から接触線2に伝達することが可能になる。
【0042】
クランプ100は、ピンサー部材102が図4に示される開位置と図5に示される閉位置との間で作動することを可能にするヒンジ104をさらに備える。ヒンジ104のヒンジ軸は、接触線2の軸に実質的に平行である。
【0043】
図示された例では、ヒンジ104は、上述したものと同じ導電性材料からなるリビングヒンジである。銅の固有の可撓性は、リビングヒンジ104が必ずしもピンサー部材102よりも弱い/幾何学的に剛性が低い必要がないことを意味する。
【0044】
ドロッパコネクタ106は、ピンサー部材102の間のヒンジ104に位置してもよい。
ドロッパコネクタ106は、垂直に配向され、ヒンジ104のヒンジ軸に対して垂直であってもよい。ドロッパコネクタ106は、導電性材料の穴であってもよい。ドロッパコネクタ106は、所与のドロッパ断面に対して寸法決定されてもよい。例えば、ドロッパコネクタ106は、約5ミリメートルよりも大きい穴直径を有してもよい。ヒンジ104にドロッパコネクタ106を位置づけることによって、ピンサー部材102を閉位置に作動させる動作は、ドロッパコネクタ106がドロッパ4の端部(例えば、圧着された端部)の側部を圧縮して圧迫するのに十分にヒンジ104を変形させる。
【0045】
図3図5は、カム110と手動レバー112とを備えるカムレバーの形態の手動オーバーセンターラッチ108をさらに図示する。「カム」という用語は、ローブカム機構と偏心機構の両方をカバーするものと理解される。
【0046】
ラッチ108は、図4に示すように、ピンサー部材102が開位置にあるラッチ開位置を有する。ラッチ108は、図5に示すように、ピンサー部材102が閉位置にあるラッチ閉位置を有する。ラッチ108は双安定性を示し、カム110の「オーバーセンター」に移動されるときに安定位置間で切り替わる。
【0047】
レバー112は、カム110がオーバーセンター位置(最大リフト)に達するまで、カムレバー112を介して成人の手がヒンジ104(例えば、銅製リビングヒンジ)を弾性的に変形させることを可能にするために、2つよりも大きい、3つよりも大きい、または4つよりも大きい機械的利点を有する手動操作可能である。
【0048】
レバー112は、安定したラッチ閉鎖位置に落ち着くために、オーバーセンター位置(カム110の最大リフト)を少なくとも短い距離だけ通過することができる。
【0049】
ラッチ108は、ピンサー部材102を相互接続するスタッド114を備える。スタッド114の一端は、ラッチ108に固定される。カム110は、ピンサー部材102Aの第1のものに対して押圧するように構成されている。スタッド114は、第1のピンサー部材を貫通して延びる。スタッド114の他端は、第1のピンサー部材102Aの反対側の第2のピンサー部材102Bに固定される。
【0050】
レバー112のストローク長さは、レバー112がそのストロークの一端にあるとき(図4)、ピンサー部材102が、それらの間に架空接触線2の側溝20を受け入れるのに十分に離れて間隔を置かれた開位置にあるようなものである。レバー112がそのストロークの第2の端部にあるとき(図5)、ピンサー部材102は、架空接触線2の側溝20に対してクランプするために閉位置にある。レバー112のストロークは、60度よりも大きい値、または約120度などの100度よりも大きい値であってもよい。
【0051】
図示されたレバー112は、ラッチ閉鎖位置に対応するそのストロークの第2の端部(図5)にあるときに、レバー112の先端がヒンジ104の頂部の上方に突出するのに十分な長さである。レバー112は、ピンサー部材102の長さと少なくとも同じ長さであるか、又はそれよりもわずかに長くてもよい。図5では、レバー112は、そのストロークの第2の端部において、第1のピンサー部材102Aに対して実質的に平行であってもよい。
【0052】
図3は、ピンサー部材が閉位置から離れるように動くことを阻止するために、ピンサー部材が閉位置で作動されるときに係合可能な例示的なキャッチ116Aを概略的に示す。
【0053】
図示されたキャッチ116Aは、カム110がレバー112のラッチ閉鎖位置に向かってオーバーセンター回転したときに、第1のピンサー部材102Aの側部の歯受け面形成部116B(例えば、スタッド穴)と係合するように構成されたカム110上の歯を含む。
歯および歯受け面構造は、レバー112の後方回転を阻止するラチェット力を生成するように成形されてもよい。
【0054】
したがって、図示のように、キャッチ116Aは、レバー112がラッチ閉鎖位置に到達すると自動的に係合するように構成されてもよい。さらに、キャッチ116Aは、レバー112をラッチ開位置からラッチ閉位置に移動させるよりも、レバー112をラッチ閉位置からラッチ開位置に移動させる方がより大きな力を必要とするように構成されている。
【0055】
キャッチ116Aは、示した特定の例に限定されないことが認識されるであろう。例えば、代替的な(または追加の)タイプのキャッチは、レバー112の遠位端に向かう側部スロットを備えることができる。レバー112がラッチ閉鎖位置に到達すると、レバー112の側部スロットは、ドロッパコネクタ106の上方に同軸に整列され得る。したがって、ドロッパ4は、レバー112の端部の側部スロット内に摺動されることができる。これは、レバー112が、まず、側部スロットからドロッパ4を横方向にスライドさせて出さずに、ラッチ閉鎖位置から移動されることができないことを意味する。
【0056】
他の例では、手動ラッチ108は、オーバーセンターラッチとは異なるタイプのものであってもよい。例は、
-一端に手動操作可能なクランクレバーを有するねじ山付きねじなどの手動操作可能なクランク、
-四分の一回転クランプ、半回転クランプ、または全回転クランプなどの回転ボタンクランプ、
-はさみ機構クランプまたは他のプッシュプルクランプを含むがこれらに限定されない。
【0057】
クランキングを含むいくつかの例示的な実施形態は、オーバートルクを自動的に防止するために、トルクリミッタを備えることができる。トルクリミッタは、クラッチベースのトルクリミッタ、または別のタイプのトルクリミッタであり得る。クラッチベースのトルクリミッタは、爪クラッチまたはボール戻り止めクラッチ、あるいは別の適切なタイプのクラッチを備えることができる。このようなクラッチは、例えば、ボールが戻り止めから飛び出すトルクを低減するために、逆方向にボール戻り止め表面を浅くすることによって、手動ラッチの逆方向の動きを防止するようにさらに適合されることができる。
【0058】
本発明の実施形態を、様々な実施例を参照して上記段落に記載してきたが、請求項に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、与えられた実施例に対する変更を行うことができることを理解されたい。例えば、クランプは、カテナリ線に接続するために、ドロッパの上端に使用されることができる。
【0059】
上記の説明に記載された特徴は、明示的に記載された組み合わせ以外の組み合わせで使用されてもよい。
【0060】
機能は、特定の特徴を参照して説明されているが、それらの機能は、説明されているか否かにかかわらず、他の特徴によって実行可能であり得る。
【0061】
特徴が特定の実施形態を参照して説明されたが、それらの特徴は、説明されたか否かにかかわらず、他の実施形態にも存在し得る。
【0062】
前述の明細書では、特に重要であると考えられる本発明の特徴に注意を引くように努力しているが、出願人は、特に強調されているか否かにかかわらず、本明細書で言及され、及び/又は図面に示される任意の特許性のある特徴又は特徴の組み合わせに関して保護を主張することを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】