(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】測定装置を含む医薬品製造設備
(51)【国際特許分類】
A61J 3/07 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A61J3/07 P
A61J3/07 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534424
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2022078499
(87)【国際公開番号】W WO2023104375
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021132328.2
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521077576
【氏名又は名称】シンテゴンテクノロジー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Syntegon Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Stuttgarter Strasse 130, 71332 Waiblingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ブリンツ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ シュティルム
(72)【発明者】
【氏名】シュテファニー シュッツ
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047CC16
4C047GG35
4C047LL12
4C047LL19
(57)【要約】
本発明は、カプセル(20)の封止を監視する測定装置(30,32)を備えた医薬品製造設備(10)であって、カプセルは、カプセルシェルを有しており、カプセルシェルは、第1のシェル部分と第2のシェル部分とにより形成されており、シェル部分に、封止領域において密閉性の封止液が備えられており、測定装置は、赤外線カメラ(34)又は赤外線フィルタを備えたカメラを含み、測定装置は、封止領域及び/又は封止領域に隣接するカプセル区分の温度又は温度変化を検出する、医薬品製造設備(10)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル(20)の封止を監視する測定装置(30,32)を備えた医薬品製造設備(10)であって、前記カプセル(20)は、カプセルシェル(42)を有しており、前記カプセルシェル(42)は、第1のシェル部分(44)と第2のシェル部分(46)とにより形成されており、前記シェル部分(44,46)に、封止領域(24)において密閉性の封止液(22)が備えられている、医薬品製造設備(10)において、
前記測定装置(30,32)は、赤外線カメラ(34)又は赤外線フィルタを備えたカメラを含み、前記測定装置(30,32)は、前記封止領域(24)及び/又は前記封止領域(24)に隣接するカプセル区分の温度又は温度変化を検出することを特徴とする、医薬品製造設備(10)。
【請求項2】
前記医薬品製造設備(10)は、評価ユニット(38,40)を含み、前記評価ユニット(38,40)は、前記測定装置(30,32)により検出された前記温度及び/又は前記温度変化を自動的に評価するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項3】
前記医薬品製造設備(10)は、前記カプセル(20)を封止するための封止装置(16)と、制御ユニット(26)とを含み、前記制御ユニット(26)は、1つのカプセル(20)上に前記封止液(22)を塗布する期間及び/又は量及び/又は位置に関する方法パラメータを設定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項4】
前記制御ユニット(26)は、前記評価ユニット(38,40)と通信することを特徴とする、請求項2を引用する請求項3に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項5】
前記測定装置(30)は、重力方向(28)に関して前記封止装置(16)の上方に配置されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項6】
前記医薬品製造設備(10)は、乾燥区間(18)を含み、前記乾燥区間(18)に沿って、前記カプセル(20)は、前記封止液(22)の乾燥中に搬送されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項7】
空間的に相互にずらして配置された複数の測定装置(30,32)が設けられており、前記測定装置(30,32)は、それぞれ赤外線カメラ(34)又は赤外線フィルタを備えたカメラを有していることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項8】
カプセル(20)の封止を監視する方法であって、前記カプセル(20)は、カプセルシェル(42)を有しており、前記カプセルシェル(42)は、第1のシェル部分(44)と第2のシェル部分(46)とにより形成されており、特に請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医薬品製造設備(10)を使用すると共に、前記シェル部分(44,46)に、封止領域(24)において密閉性の封止液(22)を備えており又は密閉性の封止液(22)が備えられている、方法において、
a)前記封止領域(24)及び/又は前記封止領域(24)に隣接するカプセル区分の温度又は温度変化を検出することと、
b)前記温度又は前記温度変化を評価することと、
を含む方法。
【請求項9】
前記検出することa)を、前記封止領域(24)における前記封止液(22)の塗布中に、及び/又は、前記封止領域(24)における前記封止液(22)の塗布後に行うことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1つのカプセル(20)上に前記封止液(22)を塗布する期間及び/又は量及び/又は位置に関する方法パラメータを、a)により検出された前記温度又は前記温度変化に依存して適合させることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルの封止を監視する測定装置を備えた医薬品製造設備であって、カプセルが、カプセルシェルを有しており、カプセルシェルが、第1のシェル部分と第2のシェル部分とにより形成されており、これらのシェル部分に、封止領域において密閉性の封止液が備えられている、医薬品製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば米国特許出願公開第2005/0217207号明細書に基づき、カプセル充填兼封止装置が公知である。この装置は、カプセルの開いたシェル部分を充填するための充填ユニットと、カプセルの相互に結合すべき2つのシェル部分を封止するための封止ユニットとを有している。上述のユニットは、充填すべきカプセル部分又は封止部を備えるべきカプセルによって通過される。封止ユニットは、封止エラーを伴うカプセルを選別する目的に関連して、封止されたカプセルの結合区分の封止状態を検査するために、ラインセンサカメラを有している。
【0003】
米国特許出願公開第2005/0217207号明細書に基づいて公知の装置によって、ラインセンサカメラを用いてカプセルの2次元の結像を作成し、このような結像に基づいてカプセルの封止状態を検査することが可能になる。ラインセンサカメラは、隣接するカプセル区分とは色彩的に明らかに異なる帯封部のために適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0217207号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これを前提として、本発明の根底を成す課題は、封止状態のよりフレキシブルな検出を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、冒頭に述べた形式の医薬品製造設備において、測定装置が、赤外線カメラ又は赤外線フィルタを備えたカメラを含み、測定装置が、封止領域及び/又は封止領域に隣接するカプセル区分の温度又は温度変化を検出することによって、解決される。
【0007】
赤外線カメラ又は赤外線フィルタを備えたカメラは、赤外線放射を検出することを可能にし、カプセルの少なくとも1つの部分領域の温度の画像による検出を可能にする。
【0008】
本発明によれば、封止液の塗布及び乾燥に、カプセルの種々異なる封止状態にとって特徴的である温度変化を伴うことが判った。まだ流動的で温かい封止液の塗布は、例えば、まず封止領域への熱入力を伴う。このような熱入力は、赤外線カメラ又は赤外線フィルタを備えたカメラによって検出することができる。
【0009】
封止液の続く乾燥中に、封止液の溶媒が蒸発し、これによって封止液から熱が取り出される。このような熱排出は、赤外線カメラ又は赤外線フィルタを備えたカメラによって、例えば、カプセル区分の冷却の検出によって、及び/又は、カプセルの変化した周囲温度の検出によって、検出可能である。
【0010】
本発明に係る製造設備は、カプセルの封止状態及び封止液の乾燥状態の簡単かつ確実な検出を可能にし、この場合にこの目的のために、封止液と隣接するカプセル区分との色の識別可能性を必要とすることはない。さらに、画像による温度検出により、封止液の位置、姿勢及び空間的な広がりを特定することが可能である。
【0011】
封止液は特に、カプセルと同一の材料、例えばゼラチンから成る。封止液は、帯封液であるものとしてよい(この場合、封止部は、帯封部を有しており、又は、帯封部によって形成されている)。
【0012】
有利な実施形態においては、医薬品製造設備が、評価ユニットを含み、評価ユニットが、測定装置により検出された温度及び/又は温度変化を自動的に評価するように構成されている。このことは、所望の封止状態に関してカプセルを少なくとも十分に自動化して検査することを可能にする。例えば、欠陥のある封止部を含むカプセルを識別し、理想的には自動的に選別することができる。
【0013】
さらに、医薬品製造設備が、カプセルを封止するための封止装置と、制御ユニットとを含み、制御ユニットが、特に、1つのカプセル上に封止液を塗布する期間及び/又は量及び/又は位置に関する方法パラメータを設定すると有利である。
【0014】
有利な或る実施形態において、封止装置は、例えば第1のシェル部分と第2のシェル部分とが既に相互に接合されている状態で、カプセルシェルの封止領域にわたって封止液を塗布するように構成されている。これにより、帯封部の形態の密閉性の封止部を製造することができる。
【0015】
付加的又は代替的な或る実施形態において、封止装置は、封止液を、まだ別のシェル部分に接合されていない1つのシェル部分の内面又は外面の封止領域に被着させるように構成されており、シェル部分は、封止液の塗布後に相互に接合される。
【0016】
制御ユニットによって、封止形式並びにカプセル及び封止液の材料特性を考慮して、封止液の塗布を最適化することができる。
【0017】
医薬品製造設備は、好適には封止装置、制御ユニット及び測定装置を含む。これによって、コンパクトな製造ユニットを使用しながら、カプセル封止部を製造及び検査することが可能となる。
【0018】
好適には、医薬品製造設備は、充填装置を含む。これにより、粉末状又は液体状の作用物質をカプセルシェルに充填し、次いで封止装置内で封止することができ、この場合、測定装置は、封止状態の最終的な検査を可能にする。
【0019】
特に好適には、制御ユニットは、評価ユニットと通信する。カプセルシェルの封止領域の温度状態は、測定装置によって検出され、赤外線画像が作成される。この赤外線画像は、評価ユニットによって評価される。評価ユニットは、好適には、検出された実際値と、評価ユニットに格納された目標値との比較を実施する。このような比較に依存して、制御ユニットの評価ユニットは、方法パラメータに対する変更された値を設定することができる。
【0020】
さらに好適な或る実施形態においては、測定装置は、重力方向に関して封止装置の上方に配置されている。これによって、封止液の塗布中に既に、又は、封止部の製造に時間的かつ空間的に直接に続いて、付加的な載置面を要求することなしに、封止状態の監視が可能となる。
【0021】
好適には、医薬品製造設備は、乾燥区間を含み、この乾燥区間に沿って、カプセルが、封止液の乾燥中に搬送される。例えば、乾燥区間に沿って複数のカプセルが分配して配置されていることが可能であり、カプセルの乾燥度は、乾燥区間に沿って見てカプセルの搬送方向で増加する。
【0022】
特に、空間的に相互にずらされて配置された複数の測定装置が設けられており、これらの測定装置が、それぞれ赤外線カメラ又は赤外線フィルタを備えたカメラを有している。例えば第1の測定装置は、重力方向に関して封止装置の上方に配置されている。第2の測定装置は、例えば封止装置に隣接する領域に配置されている。医薬品製造設備が乾燥区間を含む場合、空間的に封止装置に対応配置されていて封止液の塗布を監視する第1の測定装置と、乾燥区間に空間的に対応配置されていて乾燥プロセスを監視する第2の測定装置とが設けられるものとしてよい。第3の測定装置及び別の測定装置の使用も可能である。
【0023】
冒頭で述べた課題は、方法に関する独立請求項の特徴を有する方法によっても解決される。本発明に係る方法の構成及び利点は、既に上記で本発明に係る製造設備に関連して説明された。
【0024】
本発明に係る方法の好適な構成は、従属請求項9及び10の対象である。
【0025】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の実施例の説明及び図面の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】2つの測定装置を備えた医薬品製造設備の1つの実施形態を示す側面図である。
【
図2】カプセルの第1の実施形態を示す平面図である。
【
図3】カプセルの他の実施形態を示す平面図である。
【
図4】
図1に示した製造設備の第1の測定装置により検出された、複数のカプセル及びそれらの封止部の温度状態を示す図である。
【
図5】
図1に示した製造設備の第2の測定装置により検出された、複数のカプセル及びそれらの封止部の温度状態を示す、
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1には、全体として符号10が付された医薬品製造設備の1つの実施形態が概略的に図示されている。医薬品製造設備10には、製造方向12が対応付けられており、この製造方向12に沿って、カプセル部分又はカプセルの処理及び加工が行われる。医薬品製造設備10は、製造方向12に沿って見て搬送ベルト14と、封止装置16と、乾燥区間18とを含む。
【0028】
搬送ベルト14は、製造方向12に沿ってシェル部分44及び46を封止装置16内に配置して搬送するために働く。
【0029】
封止装置16においては、カプセル20を製造するためのシェル部分44及び46が、封止液22によって、封止領域24において密閉されるように封止される(
図2及び
図3参照)。
【0030】
封止装置16は、制御ユニット26と通信し、制御ユニット26は、1つのカプセル20上に封止液22を塗布する期間及び/又は量及び/又は位置に関する方法パラメータを設定する。例えば、封止装置16は、制御ユニット26に電気的に接続されるものとしてよく、又は、封止装置16と制御ユニット26とは、ワイヤレスで相互に通信するものとしてよい。
【0031】
封止液22の塗布後に、封止されたカプセル20は乾燥区間18に達し、この乾燥区間18に沿って、カプセル20が製造方向12に続いて搬送され、製造方向12に沿って、それぞれカプセル20に塗布された封止液22が乾燥する。
【0032】
製造設備10は、例えば2つの測定装置30,32を有している。第1の測定装置30は、好適には重力方向28に関して封止装置16の上方に配置されている。第2の測定装置32は、例えば重力方向28に関して乾燥区間18の上方に、特に乾燥区間18の端部の領域に配置されている。
【0033】
測定装置30,32は、それぞれ赤外線カメラ34を含む。測定装置30,32は、赤外線カメラ34により、カプセル20の温度及び/又は温度変化、特にカプセル20の封止領域24の温度を検出する。
【0034】
(封止装置16に対応配置された)第1の測定装置30は、それぞれのカプセル20のそれぞれの封止領域24の温度状態、及び/又は、それぞれの封止領域24に隣接するカプセル区分、特にシェル部分44及び46の相互に反対側の端部の温度状態を検出する。
図4には、第1の測定装置30により検出される温度状態の図を例示的に示している。封止液22の塗布に直接に続いて、カプセル20の封止領域24は、これらのカプセル20のシェル部分44及び46の側方に隣接するカプセル区分に比べて、著しく高い温度を有しており、このことは、
図4において、カプセル20の上記領域間の明確なコントラストに対応している。
【0035】
(乾燥区間18の一方の端部に対応配置された)第2の測定装置32も同様に、それぞれのカプセル20のそれぞれの封止領域24の温度状態、及び/又は、それぞれの封止領域24に隣接するカプセル区分、特にシェル部分44及び46の相互に反対側の端部の温度状態を検出する。
図5は、第2の測定装置32により検出される温度状態の図を例示的に示している。カプセル20の封止液22の(溶剤を蒸発させながら)少なくとも十分に終了された乾燥後に、封止領域24は、このカプセル20のシェル部分44及び46の側方で隣接するカプセル区分の温度に十分に同化した温度を有し、このことは、
図5においてカプセル20の上述の領域間の単に弱いコントラストに対応している。
【0036】
第1の測定装置30と第2の測定装置32とは、それぞれ対応配置された評価ユニット38,40とそれぞれ通信する。これに対して代替的には、医薬品製造設備10は、第1の測定装置30とも第2の測定装置32とも通信する唯1つの共通の評価ユニット38又は40のみを有している。
【0037】
少なくとも1つの評価ユニット38,40は、測定装置30,32により検出された温度及び/又は温度変化を自動的に評価するように構成されている。
【0038】
第1の測定装置30は、温度及び/又は温度変化を検出し、並びに、これらの温度の空間的な対応配置により、カプセル20の、製造されたばかりの封止領域24の封止部の位置決め、延在長さ及び/又は完全性も検出する。
【0039】
第2の測定装置32は、温度及び/又は温度変化を検出し、並びに、これらの温度の空間的な対応配置により、カプセル20の、少なくとも部分的に乾燥させられた封止領域24の封止部の位置決め、延在長さ及び/又は完全性も検出する。
【0040】
図示されていない代替的な実施形態においては、乾燥区間18が設けられていない。この場合、カプセル20は、封止液22の塗布後に、乾燥期間にわたって、封止装置16内に残留する。封止装置16に対応配置された測定装置30は、この場合、好適には、製造されたばかりの封止領域24の温度状態も、部分的に乾燥させられた又は完全に乾燥させられた封止領域24の温度状態も検出する。
【0041】
評価ユニット38,40は、制御ユニット26と通信する。例えば、第1の評価ユニット38及び第2の評価ユニット40は、制御ユニット26に電気的に接続されるものとしてよく、又は、非接触に相互に通信するものとしてよい。一方又は両方の評価ユニット38,40が、封止領域24の位置及び/又は完全性及び/又は乾燥の予め規定された目標値に対する実際値の偏差を特定すると、封止装置16の運転のための方法パラメータ、例えば、封止液22を塗布する期間及び/又は量及び/又は位置が、制御ユニット26によって自動的に適合させられる。
【0042】
製造設備10は、種々異なる封止形式を有するカプセル20に使用するために適している。これについては、以下において、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
【0043】
カプセル20は、カプセルシェル42を有している。カプセルシェル42は、第1のシェル部分44と第2のシェル部分46とから形成されている。各シェル部分44及び46は、1つの共通の延在軸線48を中心として回転対称に延びる壁部50を有しており、壁部50は、医薬品作用物質を収容するために働く収容室52を画定している。各シェル部分44,46の自由端54は閉じられており、第2の端部56は、内側に位置する収容室52にそれぞれ面した開口58,60を有している。第1のシェル部分44の開口58の直径は、第2のシェル部分46の開口60の直径よりも大きく、この場合、第2のシェル部分46の開口60は、カプセルシェル42を形成するために、第1のシェル部分44の開口58内に挿入され得る。
【0044】
図2は、覆われた封止部36を備えたカプセル20の1つの実施形態を示している。第1のシェル部分44と第2のシェル部分46との差し合わせ前に、半径方向外方に向かって第1のシェル部分44の第2の端部56により画定されており、かつ、半径方向内方に向かって第2のシェル部分46の第2の端部56により画定されている領域において、封止液22の塗布が行われる。
【0045】
図3は、外方に向かって露出した封止部36を備えたカプセル20の1つの実施形態を示している。第1のシェル部分44及び第2のシェル部分46は、
図2に示した実施形態と同様に、差し合わされている。封止領域24は、壁部50に関して半径方向外側に配置されていて、カプセル20の周囲に向かって露出している。このような封止領域24は、帯封部とも称される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル(20)の封止を監視する測定装置(30,32)を備えた医薬品製造設備(10)であって、前記カプセル(20)は、カプセルシェル(42)を有しており、前記カプセルシェル(42)は、第1のシェル部分(44)と第2のシェル部分(46)とにより形成されており、前記シェル部分(44,46)に、封止領域(24)において密閉性の封止液(22)が備えられている、医薬品製造設備(10)において、
前記測定装置(30,32)は、赤外線カメラ(34)又は赤外線フィルタを備えたカメラを含み、前記測定装置(30,32)は、前記封止領域(24)及び/又は前記封止領域(24)に隣接するカプセル区分の温度又は温度変化を検出することを特徴とする、医薬品製造設備(10)。
【請求項2】
前記医薬品製造設備(10)は、評価ユニット(38,40)を含み、前記評価ユニット(38,40)は、前記測定装置(30,32)により検出された前記温度及び/又は前記温度変化を自動的に評価するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項3】
前記医薬品製造設備(10)は、前記カプセル(20)を封止するための封止装置(16)と、制御ユニット(26)とを含み、前記制御ユニット(26)は、1つのカプセル(20)上に前記封止液(22)を塗布する期間及び/又は量及び/又は位置に関する方法パラメータを設定することを特徴とする、請求項
2に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項4】
前記制御ユニット(26)は、前記評価ユニット(38,40)と通信することを特徴とする、
請求項3に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項5】
前記測定装置(30)は、重力方向(28)に関して前記封止装置(16)の上方に配置されていることを特徴とする、請求項
3に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項6】
前記医薬品製造設備(10)は、乾燥区間(18)を含み、前記乾燥区間(18)に沿って、前記カプセル(20)は、前記封止液(22)の乾燥中に搬送されることを特徴とする、請求項
1に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項7】
空間的に相互にずらして配置された複数の測定装置(30,32)が設けられており、前記測定装置(30,32)は、それぞれ赤外線カメラ(34)又は赤外線フィルタを備えたカメラを有していることを特徴とする、請求項
1に記載の医薬品製造設備(10)。
【請求項8】
カプセル(20)の封止を監視する方法であって、前記カプセル(20)は、カプセルシェル(42)を有しており、前記カプセルシェル(42)は、第1のシェル部分(44)と第2のシェル部分(46)とにより形成されており、特に請求項
1に記載の医薬品製造設備(10)を使用すると共に、前記シェル部分(44,46)に、封止領域(24)において密閉性の封止液(22)を備えており又は密閉性の封止液(22)が備えられている、方法において、
a)前記封止領域(24)及び/又は前記封止領域(24)に隣接するカプセル区分の温度又は温度変化を検出することと、
b)前記温度又は前記温度変化を評価することと、
を含む方法。
【請求項9】
前記検出することa)を、前記封止領域(24)における前記封止液(22)の塗布中に、及び/又は、前記封止領域(24)における前記封止液(22)の塗布後に行うことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1つのカプセル(20)上に前記封止液(22)を塗布する期間及び/又は量及び/又は位置に関する方法パラメータを、a)により検出された前記温度又は前記温度変化に依存して適合させることを特徴とする、請求項
8に記載の方法。
【国際調査報告】