IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイクフライツ、エルエルシーの特許一覧

特表2024-545162自転車輸送装置及びそれを使用する方法
<>
  • 特表-自転車輸送装置及びそれを使用する方法 図1
  • 特表-自転車輸送装置及びそれを使用する方法 図2
  • 特表-自転車輸送装置及びそれを使用する方法 図3
  • 特表-自転車輸送装置及びそれを使用する方法 図4
  • 特表-自転車輸送装置及びそれを使用する方法 図5
  • 特表-自転車輸送装置及びそれを使用する方法 図6
  • 特表-自転車輸送装置及びそれを使用する方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】自転車輸送装置及びそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   B62J 50/10 20200101AFI20241128BHJP
   B62K 3/00 20060101ALI20241128BHJP
   B65D 85/68 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B62J50/10
B62K3/00
B65D85/68 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534458
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 US2022052108
(87)【国際公開番号】W WO2023107544
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】17/546,288
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524217218
【氏名又は名称】バイクフライツ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルコーン、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ロゼック、カート
【テーマコード(参考)】
3E037
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BB20
(57)【要約】
調節可能なスペーサは、自転車の輸送のために自転車の前輪又は後輪のフレームを支持するように位置付けることができる。いくつかの実施例では、第1のスペーサは、フレーム用の後輪ハブを支持するために使用することができ、第2のスペーサは、フレーム用の前輪ハブを支持するために使用することができる。スペーサは、自転車のフレームへの損傷を防ぐのに役立つように、箱又は他の容器内での輸送のためにフレームを支えるように位置付けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペーサ(1)を含む自転車の輸送装置であって、
前記スペーサ(1)は、外側本体(2)と、前記外側本体(2)の内部通路(2a)内で様々な位置に位置決め可能な調節可能部材(4)とを有しているので、前記スペーサ(1)の長さは調節可能であり、
前記スペーサ(1)は、自転車のフレーム(11)に取り付けるために位置決めが可能である、自転車の輸送装置。
【請求項2】
前記調節可能部材(4)は、突起(4a)を有し、前記外側本体(2)は、前記内部通路(2a)に隣接して位置付けられた複数の溝(2c)を有し、前記溝(2c)の各々は前記内部通路(2a)と連通し、
前記突起(4a)は、前記調節可能部材(4)の一部が前記内部通路(2a)内にある間、前記溝(2c)のいずれかの内部に嵌合状態で受容されるようなサイズ及び構成である、請求項1に記載の自転車輸送装置。
【請求項3】
前記溝(2c)の各々は、前記スペーサ(1)の様々な長さを画定するための前記調節可能部材(4)の様々な位置を画定するために、異なる長さを有する、請求項2に記載の自転車輸送装置。
【請求項4】
前記突起(4a)が前記溝(2c)の全長の範囲内に位置付けられるときに、前記溝(2c)の各々は、前記調節可能部材(4)が前記外側本体(2)内の選択可能な予め定められた位置にあるようなサイズである、請求項2又は3に記載の自転車輸送装置。
【請求項5】
前記外側本体(2)は、第1の端部(2b)と第2の端部(2d)とを有し、前記溝(2c)の各々は、前記第2の端部(2d)から前記外側本体(2)内へ延在し、
前記内部通路(2a)は、前記外側本体(2)の前記第2の端部(2d)から前記外側本体(2)の前記第1の端部(2b)まで、又は、前記外側本体(2)の前記第1の端部(2b)と前記外側本体(2)の前記第2の端部(2d)との間の位置まで延在する、請求項2又は3に記載の自転車輸送装置。
【請求項6】
前記溝(2c)の各々は、前記外側本体(2)の前記第2の端部(2d)に画定された末端開口部を有する、請求項2、3、4、又は5に記載の自転車輸送装置。
【請求項7】
表示部(2i)を備えており、前記表示部(2i)の各々は、前記溝(2c)の前記末端開口部のうちのそれぞれ1つに隣接する前記外側本体の第2の端部(2d)上に位置付けられる、請求項1、2、3、4、5、又は6に記載の自転車輸送装置。
【請求項8】
前記外側本体(2)は、ポリマー材料で構成され、前記調節可能部材(4)は、ポリマー材料で構成される、請求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載の自転車輸送装置。
【請求項9】
離間したフロント・フォーク(11a)を有する自転車フレーム(11)を備え、前記スペーサ(1)は、前記フロント・フォーク(11a)の間に取り付けられる、請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8に記載の自転車輸送装置。
【請求項10】
離間したシート・ステー(11b)及び/又はチェーン・ステーを有する自転車フレームを備え、前記スペーサ(1)は、前記シート・ステー(11b)及び/又はチェーン・ステー間に取り付けられる、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、又は9に記載の自転車輸送装置。
【請求項11】
前記スペーサ(1)は前部スペーサ(1)であり、前記自転車輸送装置はまた、
離間したフロント・フォーク(11a)と、離間したシート・ステー(11b)及び/又はチェーン・ステーとを有する自転車フレーム(11)であって、前記前部スペーサ(1)は、前記フロント・フォーク(11a)間の前記フレーム(11)に取り付けられる、自転車フレーム(11)と、
後部スペーサ(1)であって、前記外側本体(2)と、前記外側本体(2)の前記内部通路(2a)内で様々な位置に位置決め可能な調節可能部材(4)とを有するので、前記後部スペーサ(1)の長さを第1の長さから少なくとも1つの第2の長さまで調節可能であり、前記シート・ステー(11b)及び/又はチェーン・ステー間に取り付けられる、後部スペーサ(1)と
を備える、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9,又は10に記載の自転車輸送装置。
【請求項12】
箱(20)を含み、前記フレーム(11)が前記箱(20)内に位置決め可能である、請求項9、10、又は11に記載の自転車輸送装置。
【請求項13】
自転車輸送用スペーサ(1)であって、
第1の端部(2b)と、前記第1の端部(2b)の反対側の第2の端部(2d)とを有する外側本体(2)であって、前記外側本体(2)は、前記第2の端部(2d)から延在する内部通路(2a)と、前記内部通路(2a)の周りに位置付けられた複数の離間した溝(2c)であって、前記溝(2c)の各々は、前記内部通路(2a)と連通している溝(2c)とを有する、外側本体(2)と、
前記外側本体(2)の前記内部通路(2a)内で様々な位置に位置決め可能であるので、前記スペーサ(1)の長さが調節可能である調節可能部材(4)であって、前記調節可能部材(4)の一部が前記内部通路(2a)内にある間に、前記溝(2c)のいずれかの内部に嵌合状態で受容されるようなサイズ及び構成の突起(4a)を有する、調節可能部材(4)と
を備える、自転車輸送用スペーサ(1)。
【請求項14】
前記溝(2c)の各々は、異なる長さを有して、前記スペーサ(1)の様々な長さを画定するために、前記調節可能部材の様々な位置を画定する、請求項13に記載の自転車輸送用スペーサ(1)。
【請求項15】
前記突起(4a)が前記溝(2c)の全長の範囲内に位置付けられて、自転車のフレーム(11)に取り付けるために前記スペーサ(1)の長さを画定するときに、前記溝(2c)の各々は、前記調節可能部材(4)が前記外側本体(2)内の選択可能な予め定められた位置にあるようなサイズである、請求項13又は14に記載の自転車輸送用スペーサ(1)。
【請求項16】
前記内部通路(2a)は、前記外側本体(2)の前記第2の端部(2d)から前記外側本体(2)の前記第1の端部(2b)まで、又は、前記外側本体(2)の前記第1の端部(2b)と前記外側本体(2)の前記第2の端部(2d)との間の位置まで延在し、
前記溝(2c)の各々は、前記外側本体(2)の前記第2の端部(2d)に画定された末端開口部を有し、
前記突起(4a)は、スプラインであり、
前記調節可能部材(4)は、管状部材又は環状部材である、請求項13、14又は15に記載の自転車輸送用スペーサ(1)。
【請求項17】
自転車のフレーム(11)に取り付けるための少なくとも1つのスペーサ(1)を提供するステップであって、前記スペーサ(1)は、外側本体(2)と、前記外側本体(2)の内部通路(2a)内で様々な位置に位置決め可能な調節可能部材(4)とを有するので、前記スペーサ(1)の長さは調節可能となるステップと、
前記フレーム(11)に前記少なくとも1つのスペーサ(1)を取り付けるステップと、
前記自転車の輸送用の箱(20)内で取り付けられる前記少なくとも1つのスペーサ(1)を有する前記フレームを位置付けるステップと
を含む、自転車を輸送する方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのスペーサ(1)を前記フレームに取り付ける前に、前記内部通路(2a)内の予め選択された位置に前記調節可能部材(4)を移動することによって、前記少なくとも1つのスペーサ(1)の長さを調節するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記スペーサ(1)の長さを調節する前記ステップは、前記調節可能部材(4)の突起(4a)を前記外側本体(2)の溝(2c)内に位置付けるステップと、前記突起(4a)が前記溝(2c)の全長の範囲内にあるときまで前記調節可能部材(4)を前記内部通路(2a)内で摺動させるステップとを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記突起(4a)は、スプラインであり、前記調節可能部材(4)は、管状部材又は環状部材であり、前記調節可能部材(4)は、ポリマー材料で構成され、前記外側本体(2)は、ポリマー材料で構成される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月9日に出願された米国特許出願第17/546,288号の優先権を主張するものである。本特許出願全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本技術革新は、自転車輸送装置及びそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
サイクル、バイク、及びマウンテン・バイクなどの自転車は、多くの場合、前輪及び後輪を含み、チェーンを介して自転車の車輪を回転させるために、ペダルを使用して使用者の足によって駆動される。自転車が、使用者の足によってペダルを回転駆動することによって動くとき、使用者は、前輪の回転を助けるために自転車のハンドルバーを使用して自転車を操縦することができる。
【0004】
いくつかの自転車は、車輪の駆動を補助するための、又は、車輪の動きに動力を与えるためのモータを含むことができる。そのような自転車のいくつかのタイプは、電動アシスト自転車と呼ばれることもある
【0005】
自転車は、使用者がレースに参加及び出場するために、又は他の用途のために輸送されることがある。自転車を輸送する際、自転車は、多くの場合、箱又は自転車用容器内に置かれる。車輪、シート、及びハンドルバーは、自転車の輸送のために自転車のフレームから取り外す場合がある。場合によっては、自転車の構成部品は、輸送中に損傷することがある。このような損傷を避けようとするために、構成部品は、箱若しくは容器内に位置付けるために、典型的には、発泡体、気泡緩衝材、又は、他の包装材の中に包まれる。いくつかの自転車輸送容器は、その中に位置付けられた自転車を保護するための剛性の外側ハウジングを有することもできる。自転車は、ラックに載置して輸送することもできる。
【0006】
自転車、自転車の構成部品、自転車用容器及び自転車輸送方法の実例は、米国特許第10,946,924号、第9,902,333号、第9,381,973号、第9,022,265号、第8,820,004号、第8,505,793号、第7,874,567号、第7,503,864号、第6,505,719号、第5,579,972号、第5,520,280号、第5,328,033号、第2,490,186号、及び第2,339,947号から理解することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第10,946,924号
【特許文献2】米国特許第9,902,333号
【特許文献3】米国特許第9,381,973号
【特許文献4】米国特許第9,022,265号
【特許文献5】米国特許第8,820,004号
【特許文献6】米国特許第8,505,793号
【特許文献7】米国特許第7,874,567号
【特許文献8】米国特許第7,503,864号
【特許文献9】米国特許第6,505,719号
【特許文献10】米国特許第5,579,972号
【特許文献11】米国特許第5,520,280号
【特許文献12】米国特許第5,328,033号
【特許文献13】米国特許第2,490,186号
【特許文献14】米国特許第2,339,947号
【発明の概要】
【0008】
自転車の輸送は、自転車の構成部品を不注意により損傷する可能性がある。自転車のフレームは、例えば、箱又は容器が落下することにより損傷する可能性がある。このような損傷の発生を防ぐのに役立つように、少なくとも1つのスペーサを、自転車のフレームのより弱い前部の車輪軸支持部分を支持するのを助けるために提供することができると判断した。例えば、前部スペーサは、前輪車軸をフレームに接続して支持するために使用される自転車フレームのフロント・フォークの間に位置付けることができる。別の実例として、後部スペーサは、このような損傷の発生を防ぐのに役立つように、後部車輪軸が自転車フレームに接続することができる自転車フレームの離間したシート・ステー又はチェーン・ステーの間に位置付けることができる。各スペーサは、車輪軸を受容するための穴を有する離間したフレーム要素の間に延在するようなサイズ及び構成であってもよく、スペーサが取り付けられるフレーム部分が曲がったり、破砕したりするのを防ぐのに役立つ比較的剛性の支持体を提供する。
【0009】
スペーサは、サイズを調節可能に構成することができる。例えば、多数の異なる自転車フレーム寸法に適応できる調節可能なサイズのスペーサを提供するために、調節可能部材は、スペーサの本体内へ摺動されてスペーサをより短くし、スペーサの本体から外へ摺動されてスペーサの長さを延長することができる。別の実例として、調節可能部材は、調節可能な長さのスペーサを提供するために、スペーサを延長又は収縮するように空間の別の部材に対して移動することができる。
【0010】
自転車の輸送装置は、スペーサを含むことができ、スペーサは、外側本体と、外側本体の内部通路内で様々な位置に位置決め可能な調節可能部材とを有しているので、スペーサの長さは調節可能である。スペーサは、自転車のフレームに取り付けるために位置決めが可能であってもよい。
【0011】
いくつかの実施例では、調節可能部材は、突起を有していてもよく、外側本体は、溝の各々が内部通路と連通するように、内部通路に隣接して位置付けられた複数の溝を有することができる。突起は、調節可能部材の一部が内部通路内にある間、溝のいずれかの内部に嵌合状態で受容されるようなサイズ及び構成であってもよい。突起は、調節可能部材の第2の端部から、調節可能部材の第1の端部とは離間した位置まで延在して、自転車の車輪軸の一部を保持するようなサイズの自転車フレームの穴(例えば、フロント・フォーク穴、又は自転車フレームの後部ステー内の穴など)内に挿入するようなサイズの調節可能部材の終端部分を画定することができる。
【0012】
いくつかの実施例では、溝の各々は、スペーサの様々な長さを画定するための調節可能部材の様々な位置を画定するために、異なる長さを有することができる。例えば、突起が溝の全長の範囲内に位置付けられてスペーサの複数の異なる長さのうちの1つを画定するときに、溝の各々は、調節可能部材が外側本体内の選択可能な予め定められた位置にあるようなサイズであってもよい。
【0013】
いくつかの実施例では、外側本体は、第1の端部と第2の端部とを有することができ、溝の各々は、第2の端部から外側本体内へ延在(例えば、第2の端部から、外側本体の第1の端部と外側本体の第2の端部との間の内側位置まで延在)することができる。外側本体の内部通路は、外側本体の第2の端部から外側本体の第1の端部まで、又は、外側本体の第1の端部と外側本体の第2の端部との間の位置まで延在することができる。
【0014】
溝の各々は、外側本体の第2の端部に画定された末端開口部を有することができる。末端開口部は、溝及び外側本体の内部通路と連通することができる。
【0015】
1つ又は複数の表示部は、溝の末端開口部のうちのそれぞれ1つに隣接する外側本体の第2の端部上に位置付けることができる。例えば、その溝に隣接する外側本体の第2の端部の上に位置付けられた各溝に少なくとも1つの表示部が存在する。表示部は、スペーサのサイズ(例えば、スペーサの全長、又は車軸の長さ)を表示するために、単語、文字、数字、又はその他の表示を含むことができ、調節可能部材の突起が、外側本体の第2の端部上の末端開口部の近くの表示部の位置によって、その表示部に関連付けられた溝及び末端開口部に位置付けられるときに、スペーサは、自転車の輸送のために交換することができる。
【0016】
外側本体は、ポリマー材料で構成することができ、調節可能部材も、ポリマー材料で構成することができる。外側本体は、環状部材(例えば、管状の中空多角形形状部材、他の形状の中空部材など)であってもよい。調節可能部材も、環状部材(例えば、管状の中空多角形形状部材、他の形状の中空部材など)であってもよい。
【0017】
自転車の輸送装置は、離間したフロント・フォークを有する自転車フレームを含むこともできる。スペーサは、フロント・フォークの間に取り付けることができる。いくつかの実施例では、外側部材の第1の端部は、一方のフロント・フォークの穴の中に位置決め可能であり、調節可能部材の第1の端部は、他方のフロント・フォークの穴の内部に位置決め可能である。
【0018】
いくつかの実施例では、自転車フレームは、離間したシート・ステー及び/又はチェーン・ステーを有することができ、スペーサは、シート・ステー及び/又はチェーン・ステーの間に取り付けることができる。
【0019】
いくつかの実施例では、複数のスペーサ(例えば、前部スペーサ及び後部スペーサ)が存在する場合がある。このような実施例は、離間したフロント・フォークと、離間したシート・ステー及び/又はチェーン・ステーとを有する自転車フレームを含むことができる。前部スペーサは、フロント・フォーク間のフレームに取り付けることができ、後部スペーサは、シート・ステー及び/又はチェーン・ステー間に取り付けることができる。このような実施例では、後部スペーサ及び前部スペーサはそれぞれ、外側本体と、外側本体の内部通路内で様々な位置に位置決め可能な調節可能部材とを有することができるので、スペーサの長さを第1の長さから少なくとも1つの第2の長さまで調節可能であることを理解されたい。
【0020】
自転車輸送装置は、他の要素を含むこともできる。例えば、装置は、箱を含む場合がある。箱は、自転車フレームが箱内に位置決め可能であるようなサイズであってもよい。いくつかの実施例では、箱は、段ボール箱、ヒンジ付きの蓋を有するプラスチック容器、又は他のタイプの容器であってもよい。
【0021】
別の実例として、自転車フレームとスペーサとを保持することができる箱のキャビティ内の箱の底部に位置決め可能な1つ又は複数の取付け装置が存在する場合がある。各取付け装置の本体の底部は、箱内のキャビティの床の上に位置決め可能であるか、又は、箱に取り付けられ、箱内の自転車フレームの位置決めのために内部にスペーサを受容して保持するための上方取付け開口部(例えば、溝、細長いくぼみ、チャネル、又は他のタイプの開口部)を画定する上部を有することができる。上方取付け開口部は、例えば、フォーク又は自転車フレームの他の部分の間に位置付けられたスペーサの外側本体及び/又は調節可能部材を保持するようなサイズ及び形状であってもよい。いくつかの実施例では、本体の頂部は、溝又は他の開口部を画定することができるので、スペーサの本体は、本体の上面又は頂部に位置付けることができる。他の実施例では、取付け開口部は、スペーサの外側本体部分を内部に受容するために、本体の頂部と底部との間にある本体の少なくとも1つの側面から延在するように画定されたチャネルであってもよい。次いで、外側本体がチャネル内にあって、取付け装置の本体の側面から延在している間、調節可能部材は、スペーサの外側本体内に調節可能に位置付けることができる。このような実施例では、調節可能部材は、取付け装置の本体の第1の側面(例えば、本体の頂部と底部との間に位置付けられた本体の左側、右側、前側、又は後ろ側)の外側に位置決めすることができ、スペーサの外側本体の一端は、第1の側面の反対側の本体の第2の側面(例えば、左側、又は右側、又は前側、又は後ろ側)の外側に位置付けられる。
【0022】
取付け装置の本体は、(例えば、基部及び上方取付け開口部を有するように、発泡体又はポリマー材料から成形されるか、又は他の方法で形成される)一体型の本体としてサイズ決めされ形成されてもよい。
【0023】
自転車輸送用スペーサも提供される。スペーサは、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する外側本体を含むことができる。外側本体は、第2の端部から内側に延在する内部通路を有することができ、内部通路の周りに位置付けられた複数の離間した溝を有することもできる。溝の各々は、内部通路と連通していてもよい。調節可能部材は、外側本体の内部通路内で様々な位置に位置決め可能であり得るので、スペーサの長さは、最長の長さと最短の長さとの間で調節可能となる。調節可能部材は、調節可能部材の一部が内部通路内にある間に、溝のいずれかの内部に嵌合状態で受容されるようなサイズ及び構成の突起を有することができる。
【0024】
溝の各々は、異なる長さを有していてもよく、スペーサの様々な長さを画定するために、調節可能部材の様々な位置を画定することができる。例えば、突起が溝の全長の範囲内に位置付けられて、自転車のフレームに取り付けるためにスペーサの長さを画定するときに、溝の各々は、調節可能部材が外側本体内の選択可能な予め定められた位置にあるようなサイズであってもよい。
【0025】
内部通路は、外側本体の第2の端部から外側本体の第1の端部まで、又は、外側本体の第1の端部と外側本体の第2の端部との間の位置まで延在することができる。溝の各々は、外側本体の第2の端部に画定された末端開口部を有することができる。突起は、スプライン又は他のタイプの突起(例えば、こぶ、歯など)であってもよい。
【0026】
調節可能部材は、いくつかの実施例では、管状部材又は環状部材であってもよい。調節可能部材及び外側部材はそれぞれ、多角形形状、ロッド状、棒状、又はある種の細長い形状の本体を有することができる。
【0027】
スペーサの実施例は、取付け装置を含む場合もある。例えば、取付け装置は、上述のように、外側本体を保持するために内部に画定された開口部を含むことができる。
【0028】
自転車を輸送する方法も提供される。この方法は、自転車のフレームに取り付けるための少なくとも1つのスペーサを提供するステップを含み得る。スペーサは、外側本体と、外側本体の内部通路内で様々な位置に位置決め可能な調節可能部材とを有することができるので、スペーサの長さは調節可能となる。この方法は、フレームに少なくとも1つのスペーサを取り付けるステップと、自転車の輸送用の箱内で取り付けられる少なくとも1つのスペーサを有するフレームを位置決めするステップとを含むこともできる。
【0029】
この方法は、他のステップも含むことができる。例えば、この方法は、少なくとも1つのスペーサをフレームに取り付ける前に、内部通路内の予め選択された位置に調節可能部材を移動することによって、少なくとも1つのスペーサの長さを調節するステップを含むことができる。スペーサの長さを調節するステップは、調節可能部材の突起を外側本体の溝内に位置付けるステップと、突起が溝の全長の範囲内にあるときまで調節可能部材を内部通路内で摺動させるステップとを含むことができる。溝は、内部通路と連通することができる。
【0030】
上述のように、いくつかの実施例では、突起はスプラインであってもよく、調節可能部材は、管状部材又は環状部材であってもよく、調節可能部材は、ポリマー材料又は金属で構成されてもよく、外側本体は、ポリマー材料又は金属で構成されてもよい。
【0031】
方法の実施例は、1つ又は複数の取付け装置の使用も含むことができる。例えば、1つ又は複数の取付け装置は、箱内に位置付けることができ、それぞれのスペーサは、取付け装置のそれぞれ1つの上方取付け開口部内に位置付けることができる(例えば、前部スペーサは、前部取付け装置の上方取付け開口部内に位置付けることができ、後部スペーサは、後部取付け装置の上方取付け開口部内に位置付けることができる。)1つ又は複数の取付け装置は、輸送用の箱内に自転車フレームを保持するのに役立つように、箱内に位置付けることができる。
【0032】
方法の実施例は、自転車輸送用スペーサ及び/又は自転車輸送装置の一実施例を利用することができる。自転車輸送用スペーサ及び/又は自転車輸送装置の実施例が、他の要素を含むことができることも理解されたい。例えば、実施例は、本明細書で論じられる特徴、又は図1図7に示される特徴を含むことができる。
【0033】
自転車輸送用スペーサ、自転車輸送装置、並びに、それらを製造及び使用する方法の他の詳細、目的、及び利点は、以下の特定の例示的な実施例の説明が進むにつれて明らかになるであろう。
【0034】
輸送用スペーサ、自転車輸送装置、及びそれらを製造及び使用する方法の例示的な実施例は、本明細書とともに含まれる図面に示されている。図面で使用される同様の参照文字は、同様の構成要素を識別し得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】自転車輸送用スペーサの第1の例示的な実施例の斜視図である。
図2】スペーサの一部の拡大詳細図も提供する、自転車輸送用スペーサの第1の例示的な実施例の端面図である。
図3】自転車輸送用スペーサの第1の例示的な実施例の外側部材の斜視図である。
図4】自転車輸送用スペーサの第1の例示的な実施例の調節可能に伸縮することができる内側部材の斜視図である。
図5】自転車フレームのフロント・フォーク間に取り付けられた自転車輸送用スペーサの第1の例示的な実施例の斜視図である。
図6】自転車フレームの後部シート・ステー間に取り付けられた自転車輸送用スペーサの第1の例示的な実施例の斜視図である。
図7】梱包及び輸送用の開いた箱内の自転車の斜視図であり、後部スペーサが、箱内の自転車フレームの後部シート・ステー間に取り付けられ、前部スペーサが、箱内の自転車フレームのフロント・フォーク間に取り付けられている自転車輸送用スペーサの複数の第1の例示的な実例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1図7を参照すると、自転車輸送装置は、スペーサ1を含むことができる。スペーサ1は、内部通路2aが内部に画定された外側本体2を含むことができる。内部通路2aは、外側本体2の第2の端部2dから外側本体2の第1の端部2bまで延在することができるか、又は、外側本体2の第2の端部2dから、或いは外側本体2の第2の端部2dと外側本体の第1の端部2bとの間の位置(例えば、外側本体2の中央部又は中間部の近くの位置)まで延在することができる。第1の端部2bは、自転車の車輪の車軸を受容するようなサイズの自転車フレームの穴(例えば、フロント・フォーク11aの穴、又は、後部シート・ステー11bの穴など)に挿入するための形状の末端部を含むことができる。
【0037】
スペーサ1は、外部本体2の内部通路2a内に調節可能に挿入することができる調節可能部材4を含むこともできる。調節可能部材4は、遠位縁部4tоpと、遠位頂縁部4tоpの対向する辺から調節可能部材の本体4eまで延在する側壁4swとを有する突起を含むことができる。調節可能部材4は、その第1の端部4cからその第2の端部4dまで延在することができる。調節可能部材4は、中実形状部材であってもよく、又は中空であってもよく、内側チャネル4b(例えば、管状、パイプ状、又は環状多角形部材)を含んでもよい。突起4aは、調節可能部材4の長さのかなりの部分(例えば、調節可能部材の長さの50%超、調節可能部材の長さの70%超、調節可能部材の長さの85%超など)に沿って、又は、調節可能部材の第1の端部4cと、環状部材4の第2の端部4dに隣接する(例えば、第2の端部4dにおける、若しくはその近くの)突起4aの外側周縁部4оendの反対側の突起4aの内側遠位縁部4iendとの間に間隙4gが存在するように、延在することができる。間隙4gは、調整可能部材の第1の端部4cが自転車フレームの穴(例えば、タイヤが自転車フレームに取り付けられるときに自転車の車輪軸が通過可能なフロント・フォーク11aの遠位部における穴、又は、後部ステーの穴)に挿入可能であり得るサイズであってもよい。
【0038】
外側本体2は、内部通路2aとそれぞれ連通している複数の離間した内部溝2cを画定することもできるので、調節可能部材4の本体から延在する突起4aは、調節可能部材4が内部通路2a内に位置付けられる間、溝2c内に挿入可能である。各溝2cは、内部通路と連通しているチャネル、細長いくぼみ、又は別のタイプの溝とみなすことができる。突起4aは、スプライン、こぶ、リブ、又は他のタイプの細長い突起とみなすことができる。各溝2cは、調節可能部材4が内部通路内で移動し、突起4aが溝2c内にあるとき、外側本体2内での調節可能部材4の移動を誘導するのに役立つことができる。
【0039】
各溝2cは、調節可能部材4から延在することができる突起4aを嵌合状態で受容するようなサイズ及び形状であってもよいので、調整可能部材は、内部通路2aを出入りして様々な位置へスペーサ1の長さを調節することができる。各溝2cは、異なる長さを有して、最長の長さと最短の長さとの間でスペーサの様々な予め選択された長さを画定することができる。調節可能部材4は、異なる溝2c内へ移動可能であり、調節可能部材4が外側本体2から延在する範囲を調整して、スペーサ1が様々な長さに調節可能であるようにスペーサの長さを画定することができる。
【0040】
外側本体2の第2の端部2dは、その中に画定された各溝2cの末端開口部を有することができる。各溝2cは、溝2cが内部通路2aと連通している口部又はインターフェースを含むこともでき、この口部又はインターフェースは、溝2cよりも外側本体2内のより中央に位置付けることができる(例えば、離間した溝2cは、内側通路の周囲に沿った様々な位置で内部通路の周囲に沿って延在するように配置することができる)。
【0041】
外側本体2の第2の端部2dは、表示部2iを含むこともできる。各表示部2iは、調節可能部材4の突起4aが溝2c内に位置付けられるときに、スペーサ1のサイズ又は長さの視覚的な表示を提供するために、溝2cのそれぞれの末端開口部に隣接して位置付けることができる。各溝2cは、外側本体2の第2の端部2dと第1の端部2bとの間に画定された末端溝の終端位置に向かって第2の端部2dから延在する固有の長さを有することができる。各表示部2iは、第2の端部2dに隣接するそれぞれの溝2cのそれぞれの末端開口部に隣接して位置付けられ、調節可能部材4の突起4aがその特定の溝2cの全長の範囲内にあるときにスペーサがなり得る長さを示すことができる。
【0042】
例えば、第1の溝2cは、第1の長さを有し、第2の溝2cは、第1の長さよりも長いか短い第2の長さを有し、第3の溝2cは、第1の長さよりも長いか短い、また第2の長さよりも長いか短い第3の長さを有することができる。また、(i)第1の長さよりも長いか短い、(ii)第2の長さよりも長いか短い、(iii)第3の長さよりも長いか短い第4の溝2cも存在し得る。また、(i)第1の長さよりも長いか短い、(ii)第2の長さよりも長いか短い、(iii)第3の長さよりも長いか短い、(iv)第4の長さよりも長いか短い第5の溝2cも存在し得る。また、(i)第1の長さよりも長いか短い、(ii)第2の長さよりも長いか短い、(iii)第3の長さよりも長いか短い、(iv)第4の長さよりも長いか短い、(v)第5の長さよりも長いか短い第6の溝2cも存在し得る。また、(i)第1の長さよりも長いか短い、(ii)第2の長さよりも長いか短い、(iii)第3の長さよりも長いか短い、(iv)第4の長さよりも長いか短い、(v)第5の長さよりも長いか短い、(vi)第6の長さよりも長いか短い第7の溝2cも存在し得る。また、(i)第1の長さよりも長いか短い、(ii)第2の長さよりも長いか短い、(iii)第3の長さよりも長いか短い、(iv)第4の長さよりも長いか短い、(v)第5の長さよりも長いか短い、(vi)第6の長さよりも長いか短い、(vii)第7の長さよりも長いか短い第8の溝2cも存在し得る。また、(i)第1の長さよりも長いか短い、(ii)第2の長さよりも長いか短い、(iii)第3の長さよりも長いか短い、(iv)第4の長さよりも長いか短い、(v)第5の長さよりも長いか短い、(vi)第6の長さよりも長いか短い、(vii)第7の長さよりも長いか短い、(viii)第8の長さよりも長いか短い第9の溝2cも存在し得る。他の実施例は、9つ未満の溝4c、又は9つを超える溝4cを利用することができる。外側本体2の第2の端部2dに位置する各溝には、それぞれ表示部2iがあって、内側調節可能部材4が内部通路2a内にあり、突起4aがその表示部2iの溝2c内にあるときに画定され得るスペーサ1の固有の長さを示すことができる。
【0043】
各溝2cは、調節可能部材4から延在することができる突起4aを嵌合状態で受容するための断面プロファイルを有することができる。溝のサイズ及び形状は、締りばめを提供するように構成することができ、その結果、突起4aが溝2c内にあるときであって、調節可能部材4が外側本体2の内部通路2a内で移動される際に溝2cの側面を画定する外側本体2の一部に接触し及びそれに沿って移動する突起4aの側壁4sw及び遠位末端側面4tоpから誘発される摩擦を克服するための、調節可能部材4を移動させるのに十分な力を使用者が加えたときに、調節可能部材4は内部通路2a内で摺動可能である。
【0044】
いくつかの実施例では、各溝2cの断面形状は、(図2から最もよくわかるように)台形の形状であってもよく、又は、別のタイプの多角形(例えば、三角形、五角形、六角形、八角形など)であってもよい。突起4aの断面プロファイルは、溝2c内で嵌合可能な嵌合部を提供するために、溝2cの断面形状と同様の多角形プロファイルを有することができる(例えば、突起4aの断面形状は、三角形、台形、五角形、六角形などであってもよい)。
【0045】
突起4aと、溝2cの側面を画定する外側本体2の一部との間の係合(例えば、側壁4sw及び末端側面4tоpと、外側本体2の一部によって画定された溝2cの側面との間の接触)は、突起4aが溝2cの内部又は溝2cの全長の範囲内にあるときに、調節可能部材4が内部通路内外を自由に移動することを防ぐのに十分であり得る。外側本体2の突起4aと溝2cとの間のこのような締りばめにより、スペーサ1が自転車のフレームに連結された後に、スペーサ1の長さが変化するのを防ぐことができる。
【0046】
調節可能部材4が特定の位置に固定されると、使用者は、調節可能部材4を異なる溝2c内に再配置するために、手又は工具を使用することによって、調節可能部材4に力を加えて、調節可能部材4を外側本体2から取り外す必要があり得る。例えば、使用者は、外側本体2がクランプ内に保持されているか、又は使用者の手でしっかりと把持されている間、調節可能部材4の一端に接触するために、ドライバ又は釘を内部通路2a内に挿入する必要があり得る。次いで、調節可能部材4が内部通路内に位置付けられて、突起4aが溝2cの全長の範囲内になった後、使用者は、調整可能部材4を外側本体2から取り外す力を提供するために、ドライバ又は釘を叩くためのハンマを使用することができる。別の実例として、使用者は、一方の手で可動部材4の露出部分を把持し、他方の手で外側本体2を把持し、次いで、内部通路から調節可能部材4を摺動させるのに十分な力でそれらの構成部品を互いに離れるように移動させる力を提供することができるので、調節可能部材4がスペーサ1の異なる長さを画定するために異なる溝2c内に位置付けられるように、突起4aは溝2cから完全に外れる。
【0047】
調節可能部材4が外側本体2から取り外されると、調節可能部材4は、突起4aが溝2cの全長の範囲内にあるときまで、その突起4aを異なる溝2cに挿入して外側本体2内で摺動させることによって、外側本体2から異なる距離だけ延在するように位置付けることができる。必要に応じて、調節可能部材4を外側本体内で所望の位置に移動させるのに役立つように、ハンマを使用して、調節可能部材4の遠位端を叩くことができる。
【0048】
調節可能部材4は、外側本体2から取り外され、その後、スペーサ1の様々な長さを特定の輸送状況に必要とされるように何度も画定するために、又は、特定の自転車フレームの寸法を考慮するようにスペーサ1のサイズを調整するために、様々な位置にある異なる溝2cに移動させられることを理解されたい。
【0049】
図5図7は、スペーサ1を自転車のフレーム11に取り付けるために位置付けることができる例示的な方法を示す。例えば、前部スペーサ1をフレームのフロント・フォーク2aの間に位置付けて、前輪車軸がフロント・フォーク2aの間に保持されるところにスペーサ1を位置付けることができる。スペーサ1の位置決めは、フレーム11のフロント・フォーク11aの間隔を維持すること、及び、フレーム11を輸送する箱20が落下したり、重い物体が箱又は他の容器上に落下したりする場合に、フォーク11aが曲がったり、破砕したりするのを防ぐことによって、フレームの剛性の向上に役立つことができる。
【0050】
この位置では、スペーサ1は、ハンドルバーがフレーム11に取り付けられ得る自転車フレーム11の上部11hの下方(例えば、フレーム11のステム部)に位置することができる。前部スペーサ1の位置はまた、フロント・フォーク11aと後部シート・ステー11bとの間に延在する上管11cの前方であってもよい。前部スペーサ1はまた、シート・ステーの下部遠位部からフレームの下部中間部11pまで延在することもできるチェーン・ステーの前方に位置することもでき、フレームの下部中間部11pにおいて、ペダル、クランク・アーム、チェーン、及びギア・アセンブリは、フレーム11に接続することができる。前部スペーサ1は、シート・ステー11bと上管11cとの間に位置し得るシートに連結することができるフレーム11の部分11sの前方にあってもよい。
【0051】
後部スペーサ1は、後輪の後部車軸が保持可能な穴の間の後部シート・ステー11bの後部遠位端の間に位置付けることができる。これらの穴は、チェーン・ステーの後端で画定することもできる。後部スペーサ1は、フレーム11のシート、ステム及びフォーク11aの後方の位置に配置することができる。後部スペーサ1はまた、チェーン・ステー及びフレームの上管11cの後方であってもよい。
【0052】
後部スペーサ1は、後部シート・ステーの後部末端遠位端、及び/又は、離間したチェーン・ステーの後端の間に接続することができ、シート・ステー11b及び/又はチェーン・ステーが曲がったり、破砕したりするのを防ぐために、シート・ステー11b及び/又はチェーン・ステーの間の間隔を維持し、フレームの剛性の向上に役立つことができる。後部スペーサ1は、離間した後部シート・ステーと、離間したフロント・フォーク11aとの間に存在し得る異なる間隔を考慮するために、前部スペーサ1の長さとは異なる長さに調節することができる。長さの調節は、上述のように実行(例えば、内側調節可能部材4を取り外して、その後、ステー又はフォークの間の特定の間隔に所望され得るスペーサ1の適切な長さに対応する適切な溝2c内に突起4aを挿入し、その後、溝2c内の突起4aと外側本体2の内部通路2a内の部材4とを摺動させることによって調節可能部材4を所望の長さまで外側本体2内へ移動)することができる。
【0053】
図7を参照すると、後部及び前部スペーサ1がフレーム11(例えば、後部シート・ステー11b及び/又はチェーン・ステーの間に取り付けられた後部スぺーサ、及び、フロント・フォーク11a間に取り付けられた前部スペーサ)に連結された後、スペーサ1が取り付けられた自転車フレーム11は、箱20内に位置付けることができる。箱20は、段ボール箱であってもよく、別のタイプの容器(例えば、硬質ポリマー容器、ヒンジ付きの蓋を有する容器など)であってもよい。箱20は、内部キャビティ20aを画定する複数の側面21を有することができ、内部キャビティ20aでは、スペーサ1が取り付けられたフレーム11が位置決め可能である。フレーム11は、自転車の他の構成部品とともに箱の側壁21によって画定されるキャビティ内に位置付けることができる。これらの部品はまた、紙、ポリマー材料(例えば、気泡緩衝材))又は他の包装材の中に包むことができる。充填材(ピーナッツ形発泡スチロール、段ボール紙など)は、箱20内に位置付けられた様々な構成部品の移動を制限するのに役立つように、箱のキャビティ内に位置付けることもできる。次いで、箱20は、輸送のために密閉及び封止することができる。箱20のいくつかの側面21は、輸送中に箱20が密閉された状態を保つのに役立つように、様々な継ぎ目においてテープで貼り合わされてもよい。
【0054】
配送サービスは、次いで、目的地に輸送するために、フレーム11と、スペーサ1と、その他の自転車の構成部品とを有する密閉された箱20を輸送することができる。これらのその他の構成部品は、例えば、車輪、ハンドルバー、少なくとも1つのシート、ヘルメット、ペダル、クランク・シャフト、ギア、ブレーキ、及びチェーンを含むことができる。この輸送は、異なるタイプの搬送システム及び棚を有する複数の異なる倉庫を通過する箱20を含むことができる。各倉庫は、箱が目的地まで移送されている間、箱20を棚又は他の保管場所に保持するために、フォークリフト又は他の装置を利用することができる。箱は、移送中、その目的地への輸送のために飛行機又はボート上に配置することもできる。箱が目的地に配送された後、箱は、積荷の受取人によって開封され得る。受取人は、箱を開け、フレーム11及び他の構成部品の包みをほどき、スペーサ1を取り外し、次いで、箱20内の構成部品を使用して、その後の使用のために自転車を再び組み立てることができる。
【0055】
スペーサ1は、フレームへの損傷又は深刻な損傷を防ぐのに役立つように、箱20の移送中にフレーム11の剛性の向上に役立つことができる。例えば、フロント・フォーク、後部シート・ステー又はチェーン・ステーの望ましくない曲がり方、又は破砕は、スペーサ1の使用により、フレームの剛性が向上することによって防ぐことができる。
【0056】
外側本体2及び内側調節可能部材4はそれぞれ、ポリマー材料、金属又は複合材料で構成することができる。調節可能部材4は、スペーサ1の重量を軽減するのに役立つように、管状部材又は環状部材(例えば、長方形又は六角形の断面プロファイルを有する環状の細長い部材など)であってもよい。他の実施例では、調節可能部材4は、中実であってもよく、環状構造でなくてもよい。さらに別の実施例では、調節可能部材4は、中空部材であってもよく、又は完全な環状の形状(例えば、管状など)を有さず、部材の重量を軽減するのに役立つように中空部分を含んでもよい。
【0057】
いくつかの実施例では、装置は、箱20内に位置決め可能な取付け装置31を含むこともできる。例えば、箱20の底部に取り付ける(例えば、接着する、テープで貼る、締結するなど)ことができるか、又は箱20の底部上に位置決めすることができる前部又は後部取付け装置31が存在し得る。取付け装置31は、発泡体若しくは他のタイプの軽量材料で構成することができ、多角形、略三角形若しくは三角錐型の形状、又は他の形状を有することができ、その結果、取付け装置の底基部は箱20の底部上にあり、取付け装置の上部は自転車フレームに取り付けられたスペーサを保持するように位置付けることができる。いくつかの実施例では、取付け装置本体の頂部又は上部は、取付け装置の本体の両側に画定された穴の間に延在する取付けチャネル(例えば、取付け装置の本体の左側及び右側に画定された穴の間に延在するチャネル、取付け装置の本体の前側及び後側に画定された穴の間に延在するチャネル)を有することができる。図6は、このような取付け装置31の一実例を破線で示している。
【0058】
図6から最もよくわかるように、外側本体2は、取付け装置31の本体のチャネル内に保持されるために、チャネル内を通過するようなサイズ及び構成であってもよい。外側本体2の一端は、自転車フレームの一部に位置付けられるように、チャネルの外側に位置付けることができる(例えば、外側本体2が取付け装置31のチャネル内にある間、外側本体の第1の端部は、取付け装置31の頂部と底部との間の取付け装置の第1の側から延在することができる)。調節可能部材4は、チャネル内にある間、外側本体2内に位置決め可能であってもよく、自転車フレームの別の部分に取り付けるために、取付け装置の本体の反対側から延在するように位置付けることもできる(例えば、外側本体の第2の端部は、第1の側とは反対の取付け装置の第2の側に位置付けることができ、取付け装置31の頂部と底部との間に位置付けることができ、調節可能部材4は、外側本体2が取付け装置31のチャネル内に位置付けられている間、取付け装置31の第2の側から延在することができる。)スペーサ1は、箱20のキャビティの床の上方にスペーサ1を位置付け、箱内の自転車フレームを所望の位置で支持するために、取付け装置31の本体内で画定されたチャネル内に位置決め可能であってもよい。このような構成では、取付け装置31の本体は、自転車フレームに追加の支持及び保護を提供するのに役立つことができる。
【0059】
他の実施例では、取付け装置31の取付け開口部は、取付け装置の本体の頂部で画定された取付け溝、細長いくぼみ、又は他の上方取付け開口部であってもよく、スペーサの本体(例えば、外側本体2及び/又は調節可能部材4)を受容して、箱20内の自転車の輸送のために箱20内に自転車フレームを位置付けるために、その上方取付け開口部にスペーサ1を保持するようなサイズ及び構成である。このような実施例では、取付け開口部は、取付け装置31の本体の最上面又は上面によって画定することができる。
【0060】
取付け装置31の各取付け本体は、少なくとも前部及び後部取付け装置が箱20内に位置決め可能であるように箱20内に位置付けるために、内部に画定された上方取付け開口部又はチャネルを有する一体型のサイズの本体となるような形状であってよい。各取付け装置は、例えば、上方取付け開口部を有する予め定められた形状を有する発泡体又はポリマー材料で構成された、及び/又は成形された本体を有することができる。本体の予め定められた形状は、三角形、長方形、正方形、又は他のタイプの適切な形状であってもよい。
【0061】
本明細書に明示的に示され説明される実施例に対する修正は、特定のセットの設計目標又は特定のセットの設計基準を満たすように行うことができることを理解されたい。例えば、装置の様々な構造的な構成部品の材料組成は、特定のセットの設計基準を満たすために必要とされ得る任意のタイプの適切な材料であってもよい。例えば、いくつかの実施例では、スペーサ1の内側及び外側本体は、ポリマー材料、金属、又は複合材料で構成することができる。別の実例として、スペーサ1の内側本体は、溝又は突起を画定することができ、外側部材は、内側部品に対して摺動可能に位置付けることができると考えられる。外側調節可能部材は、異なる溝内に嵌合可能に位置付けるための突起を有することができるか、又は、異なる突起内に嵌合可能に位置付けることができるような溝を有して、外側部材がスペーサ1の調節可能な長さを画定するために内側本体に対して摺動可能又は調節可能である代替の調節可能スペーサ1を提供することができる。
【0062】
別の実例として、個別に、又は一実施例の一部として説明される特定の特徴は、個別に説明された他の特徴、又は他の実施例の一部と組み合わせることができると考えられる。したがって、本明細書に記載の様々な実施例の要素及び行為は、さらなる実施例を提供するために組み合わせることができる。したがって、自転車輸送用スペーサ、自転車輸送装置、及び、それらを製造及び使用する方法の特定の例示的な実施例が上記に示され、説明されてきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の方法で、以下の特許請求の範囲内で様々な形で実施及び実行することができることが明確に理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】