(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】洗濯機の給液投入制御方法及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/37 20200101AFI20241128BHJP
【FI】
D06F33/37
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534489
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2022132807
(87)【国際公開番号】W WO2023103745
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111505328.5
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524217665
【氏名又は名称】海爾衣聯生態科技(上海)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】孫冬松
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】張涛
(72)【発明者】
【氏名】馬伝栄
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AE01
3B167AE04
3B167BA82
3B167FB02
3B167LA23
3B167LA38
3B167LC01
3B167LC05
3B167LC09
3B167LC12
(57)【要約】
洗濯機の給液投入制御方法及び洗濯機において、制御方法は、S1:衣類処理剤投入命令を受信するステップ、S2:バルブコア(2)が弁体(1)の複数の給液口(11)と連通しない予め定められたニュートラル位置となるよう、切換弁を制御するステップ、S3:バルブコア(2)を回転させて衣類処理剤に対応する給液口(11)と連通させるよう切換弁を制御し、投入を行うステップ、S4:切換弁を予め定められたニュートラル位置まで回転させるよう制御するステップ、S5:予め定められた時間内に衣類処理剤投入命令を受信したか否かを検出し、受信した場合には、ステップS3を実行し、受信していない場合には、切換弁に給水して洗い流すよう制御するステップ、を含む。投入命令を受信したあと、切換弁を予め定められたニュートラル位置から始動させることで、切換弁の制御精度を向上させる。また、対応する衣類処理剤を投入したあとは、再び切換弁を予め定められたニュートラル位置に復帰させるよう制御する。そして、投入命令を受信したか否かを判断することで、切換弁に対する連続的な調節を実現し、機器の実用性を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の給液投入制御方法であって、
前記洗濯機は切換弁を含み、前記切換弁はバルブコア及び弁体を含み、前記弁体には複数の給液口が設けられており、前記バルブコアは、回転可能に前記弁体内に取り付けられて、複数の給液口のいずれかと選択可能に連通し、
前記制御方法は、
S1:衣類処理剤投入命令を受信するステップ、
S2:バルブコアが弁体の複数の給液口と連通しない予め定められたニュートラル位置となるよう、切換弁を制御するステップ、
S3:バルブコアが衣類処理剤に対応する給液口と連通するまで切換弁を回転させるよう制御し、投入を行うステップ、
S4:切換弁を予め定められたニュートラル位置まで回転させるよう制御するステップ、
S5:衣類処理剤を再び投入するか否かを取得し、投入する場合にはステップS3を実行し、投入しない場合には切換弁に給水して洗い流すよう制御するステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
更に、前記バルブコアに接続されて、バルブコアを前記弁体内で回転させるために用いられるステッピングモータを含み、予め定められたニュートラル位置には、バルブコアの回転継続を阻止するための位置規制構造が設けられており、
前記ステップS2には、
S21:切換弁を予め定められたニュートラル位置の方向に回転させるよう制御するステップ、
S22:ステッピングモータの電流値Iを検出するステップ、
S23:ステッピングモータの電流値Iが所定値I0以上か否かを判断し、そうであれば、予め定められたニュートラル位置まで切換弁が回転したと判定して、回転を停止するよう切換弁を制御するステップ、
が含まれることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の給液投入制御方法。
【請求項3】
前記弁体の予め定められたニュートラル位置には位置規制リブが設けられており、前記バルブコアの端部には位置決め突起が設けられており、前記位置決め突起は、前記位置規制リブと当接して、バルブコアの回転範囲を規制可能であり、
前記ステップS2には、
S21:切換弁を予め定められたニュートラル位置の方向に回転させるよう制御するステップ、
S22:位置規制リブに対する位置決め突起の相対位置を検出するステップ、
S23:位置決め突起が位置規制リブと当接しているか否かを判断し、当接している場合には、予め定められたニュートラル位置まで切換弁が回転したと判定して、回転を停止するよう切換弁を制御するステップ、
が含まれることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の給液投入制御方法。
【請求項4】
前記ステップS3には、
S31:予め定められたニュートラル位置及び投入する衣類処理剤に対応する給液口の位置に基づいて、回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出するステップ、
S32:取得した回転方向及び算出した回転ステップ数に基づいて、ステッピングモータを回転させるよう制御するステップ、
S33:対応する衣類処理剤を投入するステップ、
が含まれることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の給液投入制御方法。
【請求項5】
前記ステップS3とステップS4の間には、更に、
衣類処理剤の投入流量L1を検出し、衣類処理剤の投入流量L1が予め定められた流量L1以上であるか否かを判断して、そうである場合には、衣類処理剤の投入が完了したと判定してステップS4を実行するステップ、
が含まれることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の給液投入制御方法。
【請求項6】
前記ステップS5には、
予め定められた時間T内に衣類処理剤を再び投入する必要があるか否かを取得し、投入する必要がある場合にはステップS3を実行し、投入する必要がない場合には、切換弁に給水して洗い流すよう制御するステップ、
が含まれることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の給液投入制御方法。
【請求項7】
前記S5において、前記予め定められた時間Tは1s≦T≦5sであり、
好ましくは、前記予め定められた時間は3sであることを特徴とする請求項6に記載の洗濯機の給液投入制御方法。
【請求項8】
前記弁体の複数の給液口には、切換弁に給水して洗い流すために用いられる水入口が含まれ、
前記ステップS5において、切換弁に給水して洗い流すよう制御すると判定された場合には、
S51:予め定められたニュートラル位置及び水入口の位置に基づいて、回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出するステップ、
S52:取得した回転方向及び算出した回転ステップ数に基づいて、ステッピングモータを回転させるよう制御するステップ、
S53:切換弁に給水して洗い流すよう制御するステップ、
が含まれることを特徴とする請求項6に記載の洗濯機の給液投入制御方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の洗濯機の給液投入制御方法を用いることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類処理機の分野に属し、具体的には、洗濯機の給液投入制御方法及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術レベルの発展に伴って、洗濯機器の種類もますます多くなっており、洗濯機器のスマート化が徐々に進んでいる。従来の自動投入装置の出現によって、人々の生活は極めて便利になった。しかし、通常、投入装置は多くの種類の衣類処理剤を投入する必要があり、複数の投入ポンプによってそれぞれを投入せねばならない。従って、投入ポンプの数が増え、構造が複雑化し、コストが高くなっている。
【0003】
特許文献1は、衣類処理剤貯蔵ケースを含む洗濯機及びその自動投入システムを開示している。前記衣類処理剤貯蔵ケース内には複数の衣類処理剤貯蔵室が規定されている。また、電磁切換弁を含む。前記電磁切換弁は複数の給液口及び1つの吐液口を有する。前記衣類処理剤貯蔵ケースは前記電磁切換弁と連通し、且つ、前記複数の給液口と前記複数の衣類処理剤貯蔵室が一対一で対応している。前記電磁切換弁は、前記複数の給液口の1つを選択的に前記1つの吐液口と連通させるために用いられる。また、投入ポンプを含む。前記投入ポンプは入口及び出口を有する。前記投入ポンプの入口は前記1つの吐液口に連なっている。前記洗濯機は、電磁切換弁により、吐液口といずれか1つの給液口が連通するよう制御するとともに、残りの給液口を遮断する。これにより、切換弁の調節を実現可能であるが、電磁弁は精度が制約されやすく、且つ連続的に調節することができない。
【0004】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第201420198178.7号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、衣類処理剤を投入する際に、まず、バルブコアと弁体の複数の給液口が連通しない予め定められたニュートラル位置まで切換弁を回転させるよう制御して、切換弁の制御精度を向上させるとともに、対応する衣類処理剤を投入したあと、再び切換弁を予め定められたニュートラル位置に復帰させるよう制御し、続いて、投入命令の受信を判断することで、切換弁に対する連続的な調節を実現して、機器の実用性を向上させる洗濯機の給液投入制御方法及び洗濯機を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、切換弁の状態を制御することで連続制御を実現して、制御精度を向上させる洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。即ち、洗濯機の給液投入制御方法を提供する。切換弁はバルブコア及び弁体を含む。前記バルブコアには1つの入口及び1つの出口が設けられており、前記弁体には複数の給液口及び1つの吐液口が設けられている。前記複数の給液口は水入口を含む。
【0009】
前記制御方法は、以下のステップを含む。
【0010】
S1:衣類処理剤投入命令を受信する。
【0011】
S2:バルブコアが弁体の複数の給液口と連通しない予め定められたニュートラル位置となるよう、切換弁を制御する。
【0012】
S3:バルブコアが衣類処理剤に対応する給液口と連通するまで切換弁を回転させるよう制御し、投入を行う。
【0013】
S4:切換弁を予め定められたニュートラル位置まで回転させるよう制御する。
【0014】
S5:衣類処理剤を再び投入するか否かを取得し、投入する場合にはステップS3を実行し、投入しない場合には切換弁に給水して洗い流すよう制御する。
【0015】
本発明では、洗濯機が動作を開始する際に、衣類処理剤投入命令を受信したあと、切換弁をニュートラル状態から始動させることで、切換弁のバルブコアの入口と弁体の給液口との連通が不正確になるとの事態を回避する。且つ、対応する衣類処理剤を投入したあとは、再び切換弁を予め定められたニュートラル位置に復帰させるよう制御する。そして、投入命令を受信したか否かを判断することで、切換弁に対する連続制御を実現する。これにより、切換弁の制御精度が向上し、ユーザエクスペリエンスが高まる。
【0016】
更に、前記バルブコアに接続されて、前記バルブコアを前記弁体内で回転させるために用いられるステッピングモータを含む。予め定められたニュートラル位置には、バルブコアの回転継続を阻止するための位置規制構造が設けられている。
【0017】
前記ステップS2には、更に以下のステップが含まれる。
【0018】
S21:切換弁を予め定められたニュートラル位置の方向に回転させるよう制御する。
【0019】
S22:ステッピングモータの電流値Iを検出する。
【0020】
S23:ステッピングモータの電流値Iが所定値I0以上か否かを判断し、そうであれば、予め定められたニュートラル位置まで切換弁が回転したと判定して、回転を停止するよう切換弁を制御する。
【0021】
更に、前記弁体の予め定められたニュートラル位置には位置規制リブが設けられており、前記バルブコアの端部には位置決め突起が設けられている。前記位置決め突起は、前記位置規制リブと当接して、バルブコアの回転範囲を規制可能である。
【0022】
前記ステップS2には、更に以下のステップが含まれる。
【0023】
S21:切換弁を予め定められたニュートラル位置の方向に回転させるよう制御する。
【0024】
S22:位置規制リブに対する位置決め突起の相対位置を検出する。
【0025】
S23:位置決め突起が位置規制リブと当接しているか否かを判断し、当接している場合には、予め定められたニュートラル位置まで切換弁が回転したと判定して、回転を停止するよう切換弁を制御する。
【0026】
更に、前記ステップS3には、以下のステップが含まれる。
【0027】
S31:予め定められたニュートラル位置及び投入する衣類処理剤に対応する給液口の位置に基づいて、回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出する。
【0028】
S32:取得した回転方向及び算出した回転ステップ数に基づいて、ステッピングモータを回転させるよう制御する。
【0029】
S33:対応する衣類処理剤を投入する。
【0030】
更に、前記ステップS3とステップS4の間には、以下のステップが含まれる。
【0031】
衣類処理剤の投入流量L1を検出し、衣類処理剤の投入流量L1が予め定められた流量L1以上であるか否かを判断して、そうである場合には、衣類処理剤の投入が完了したと判定してステップS4を実行する。
【0032】
更に、前記ステップS5には、以下のステップが含まれる。
【0033】
予め定められた時間T内に衣類処理剤を再び投入する必要があるか否かを取得し、投入する必要がある場合にはステップS3を実行し、投入する必要がない場合には、切換弁に給水して洗い流すよう制御する。
【0034】
更に、前記S5において、前記予め定められた時間Tは1s≦T≦5sである。
【0035】
更に、前記弁体1の複数の給液口には、切換弁に給水して洗い流すために用いられる水入口が含まれる。
【0036】
前記ステップS5において、切換弁に給水して洗い流すよう制御すると判定された場合には、以下のステップを含む。
【0037】
S51:予め定められたニュートラル位置及び水入口の位置に基づいて、回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出する。
【0038】
S52:取得した回転方向及び算出した回転ステップ数に基づいて、ステッピングモータを回転させるよう制御する。
【0039】
S53:切換弁に給水して洗い流すよう制御する。
【0040】
本発明は、更に、上記いずれかで記載した洗濯機の給液投入制御方法を用いる洗濯機を提供する。
【発明の効果】
【0041】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0042】
(1)本発明では、ステッピングモータの電流値を検出することで、衣類処理剤を投入する際に、切換弁が予め定められたニュートラル位置にあるか否かを判断する。これにより、切換弁が投入を行う際に、前記バルブコアの入口と前記弁体の複数の給液口との連通異常が回避されて、複数種類の衣類処理剤の投入が実現される。且つ、切換弁の制御精度が向上し、ユーザエクスペリエンスが高まる。
【0043】
(2)本発明では、ステッピングモータを用いて切換弁を動作させるよう制御することで、切換弁の動作時におけるニュートラル状態、投入状態及び洗い流し状態の連続的な調節を実現する。また、必要に応じて、ステッピングモータを対応する方向及びステップ数でそれぞれ回転させて、バルブコアの入口と弁体の複数の給液口とを連通又は遮断させる。これにより、切換弁の状態の変化を実現することで、制御精度が向上し、投入精度及び洗浄効果が高まる。
【0044】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0045】
図面は、本発明の一部として、本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】
図1は、本発明における洗濯機の給液投入制御方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明における洗濯機の給液投入制御方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明における切換弁の構造図である。
【
図4】
図4は、本発明における切換弁の弁体及びバルブコアの構造図である。
【
図5】
図5は、本発明の切換弁が予め定められたニュートラル位置にある場合の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の切換弁が投入状態にある場合の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の切換弁が洗い流し状態にある場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0048】
本発明の実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例における図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0049】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【0050】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「取り付ける」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0051】
図1~
図7に示すように、本発明で記載する洗濯機の給液投入制御方法では、前記洗濯機が切換弁を含む。
【0052】
前記切換弁はバルブコア2及び弁体1を含む。
【0053】
前記弁体1には複数の給液口11が設けられている。前記バルブコア2は、回転可能に前記弁体1内に取り付けられて、複数の給液口11のいずれかと選択可能に連通する。
【0054】
前記制御方法は、以下のステップを含む。
【0055】
S1:衣類処理剤投入命令を受信する。
【0056】
S2:バルブコア2が弁体1の複数の給液口11と連通しない予め定められたニュートラル位置となるよう、切換弁を制御する。
【0057】
S3:バルブコア2が衣類処理剤に対応する給液口と連通するまで切換弁を回転させるよう制御し、投入を行う。
【0058】
S4:切換弁を予め定められたニュートラル位置まで回転させるよう制御する。
【0059】
S5:衣類処理剤を再び投入するか否かを取得し、投入する場合にはステップS3を実行し、投入しない場合には、切換弁に給水して洗い流すよう制御する。
【0060】
本発明では、洗濯機が動作を開始する際に、衣類処理剤投入命令を受信したあと、前記切換弁を予め定められたニュートラル位置としてから、ようやく、命令内の衣類処理剤を投入するよう制御可能とする。これにより、切換弁が投入を行う際に、前記バルブコア2の入口22と前記弁体1の複数の給液口11との連通異常が回避される。また、投入後は、切換弁が再びニュートラル状態に復帰してから、衣類処理剤を再び投入するか否かを取得し、衣類処理剤を再投入するか、切換弁を洗い流す操作を完了する。これにより、複数種類の衣類処理剤の投入及び連続制御が実現されるとともに、切換弁の制御精度が向上し、ユーザエクスペリエンスが高まる。
【0061】
更に、ステッピングモータ3も含む。
【0062】
前記ステッピングモータ3は、前記バルブコア2に接続されて、前記バルブコア2を前記弁体1内で回転させるために用いられる。
【0063】
前記予め定められたニュートラル位置には、バルブコア2の回転継続を阻止するための位置規制構造が設けられている。
【0064】
前記ステップS2には、以下のステップが含まれる。
【0065】
S21:切換弁を予め定められたニュートラル位置の方向に回転させるよう制御する。
【0066】
S22:ステッピングモータ3の電流値Iを検出する。
【0067】
S23:ステッピングモータ3の電流値Iが所定値I0以上か否かを判断し、そうであれば、投入を行わないニュートラル位置まで切換弁が回転したと判定して、ステップS3を実行する。
【0068】
本発明では、ステッピングモータ3の電流値Iを設定し、ステッピングモータ3の動作時の電流値I1と比較する。そして、ステッピングモータ3の電流値I1が予め定められた電流値I以上の場合にのみ、予め定められたニュートラル位置に切換弁が位置すると判定する。この場合に、洗濯機はようやく切換弁を制御して投入動作を実施可能となる。
【0069】
更に、前記弁体1の予め定められたニュートラル位置には位置規制リブ14が設けられている。また、前記バルブコア2の端部には位置決め突起21が設けられている。前記位置決め突起21は、前記位置規制リブ14と当接して、バルブコア2の回転範囲を規制可能である。
【0070】
前記ステップS2には、以下のステップが含まれる。
【0071】
S21:切換弁を予め定められたニュートラル位置の方向に回転させるよう制御する。
【0072】
S22:位置規制リブ14に対する位置決め突起21の相対位置を検出する。
【0073】
S23:位置決め突起21が位置規制リブ14と当接しているか否かを判断し、当接している場合には、予め定められたニュートラル位置まで切換弁が回転したと判定して、回転を停止するよう切換弁を制御する。
【0074】
本発明では、前記バルブコア2に位置決め突起21を設けるとともに、前記弁体1の予め定められたニュートラル位置に位置規制リブ14を設けている。これにより、切換弁がニュートラル状態に復帰する必要があると判定された場合、ステッピングモータ3はバルブコア2を回転させ、前記バルブコア2の位置決め突起21が前記弁体1の位置規制リブ14と当接したときに、システムが、前記切換弁が予め定められたニュートラル位置にあると判断する。
【0075】
具体的に、前記位置決め突起21が前記位置規制リブ14と当接すると、ステッピングモータ3がバルブコア2を回転させる際に阻止されて、電流値が増大する。これにより、電流値I1の値がステッピングモータ3の所定値Iを超えたか否かを判断することで、予め定められたニュートラル位置まで切換弁が回転したか否かを判断できる。
【0076】
次回、洗濯を行う際には、切換弁のバルブコア2が弁体1の複数の給液口11と連通しない予め定められたニュートラル位置にあるか否かを検出するだけでよい。そして、切換弁がすでに予め定められたニュートラル位置にある場合には、切換弁を再び回転させるよう制御する必要はなく、投入操作を行うよう切換弁を直接制御すればよい。これにより、洗浄時の給液を再び行う際の複雑性が低下する。
【0077】
図5に示すように、バルブコア2が前記弁体1の複数の給液口11と連通しない予め定められたニュートラル位置まで前記切換弁が回転した状態が切換弁のニュートラル状態である。
【0078】
更に、前記ステップS3には、以下のステップが含まれる。
【0079】
S31:予め定められたニュートラル位置及び投入する衣類処理剤に対応する給液口の位置に基づいて、回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出する。
【0080】
S32:取得した回転方向及び算出した回転ステップ数に基づいて、ステッピングモータ3を回転させるよう制御する。
【0081】
S33:対応する衣類処理剤を投入する。
【0082】
本発明では、まず、切換弁の状態を判断して、切換弁の投入時の状態がニュートラル状態である場合にようやく投入動作を実施可能とする。これにより、投入を行うにあたり、衣類処理剤の投入前にニュートラル状態に復帰しないとの事態を回避する。そして、前記入口22と前記給液口が連通してから衣類処理剤を投入することで、衣類処理剤の無駄や、衣類処理剤が切換弁から溢れるとの事態を防止し、投入精度を向上させる。
【0083】
具体的に、本発明では、予め定められたニュートラル位置及び投入する衣類処理剤に対応する給液口の位置に基づいて、回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出する。次に、取得した回転方向及び算出した回転ステップ数に基づいて、ステッピングモータ3を回転させるよう制御する。そして、回転方向及び回転ステップ数に基づく切換弁の回転が完了すると、給液口とバルブコア2の入口22が連通したと判定し、対応する洗剤を投入する。これにより、衣類処理剤の投入について正確な制御が実現され、制御精度が向上する。また、ユーザエクスペリエンスが高まる。
【0084】
図6に示すように、前記切換弁がバルブコア2を回転させて衣類処理剤に対応する給液口と連通させ、投入を行う状態が、切換弁の投入状態である。
【0085】
更に、前記ステップS3とステップS4の間には、以下のステップが含まれる。
【0086】
衣類処理剤の投入流量L1を検出し、衣類処理剤の投入流量L1が予め定められた流量L1以上であるか否かを判断する。そして、そうである場合には、衣類処理剤の投入が完了したと判定してステップS4を実行し、そうでない場合には、衣類処理剤の投入が完了していないと判定してステップS33を実行する。
【0087】
本発明では、切換弁内の衣類処理剤の流量L1から衣類処理剤の投入が終了したか否かを判断する。仮に、流量L1が所定の流量L以上でない場合には、衣類処理剤の投入が終了していないと判定して、衣類処理剤の投入動作を続ける。そして、衣類処理剤の投入量L1が所定の投入量L以上になると、衣類処理剤の投入が終了したと判定する。これにより、衣類処理剤の投入精度が向上し、衣類の洗浄効果が高まる。
【0088】
更に、衣類処理剤の投入時間t1を検出して前記所定の時間tと比較することで、衣類処理剤の投入が完了したと特定してもよい。所定の時間範囲T内で切換弁内の衣類処理剤をより良好に洗浄槽内に流入可能とすることで、衣類処理剤が切換弁内に残留して切換弁を詰まらせる結果、洗浄効果が低下するとの事態が防止される。
【0089】
前記ステップS4には、以下のステップが含まれる。
【0090】
S41:切換弁を予め定められたニュートラル位置の方向に回転させるよう制御する。
【0091】
S42:ステッピングモータ3の電流値Iを検出する。
【0092】
S43:ステッピングモータの電流値Iが所定値I0以上か否かを判断し、そうであれば、予め定められたニュートラル位置まで切換弁が回転したと判定して、回転を停止するよう切換弁を制御する。
【0093】
衣類処理剤の投入が終了したあと、再び切換弁をニュートラル状態に復帰させるよう制御することは、洗濯機がステッピングモータ3の回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出するのに都合がよい。これにより、ステッピングモータ3がバルブコア2を回転させるよう制御する際の精度が向上し、バルブコア2の入口22と弁体1の複数の給液口11及び水入口12との連通がより正確になるよう確実に保証されるため、切換弁の投入精度が向上し、ユーザエクスペリエンスが高まる。
【0094】
更に、前記ステップS5には、以下のステップが含まれる。
【0095】
予め定められた時間T内に衣類処理剤を再び投入する必要があるか否かを取得し、投入する必要がある場合にはステップS3を実行し、投入する必要がない場合には、切換弁に給水して洗い流すよう制御する。
【0096】
更に、前記ステップS5において、前記予め定められた時間Tは1s≦T≦5sである。
【0097】
好ましくは、前記予め定められた時間Tは3sである。
【0098】
具体的に、洗濯機が初めて洗剤を投入したあと、予め定められた時間T内に衣類処理剤を再び投入する必要がある場合の投入過程は上記投入過程と同じである。つまり、予め定められたニュートラル位置及び投入する衣類処理剤に対応する給液口の位置に基づいて、回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出する。次に、取得した回転方向及び算出した回転ステップ数に基づいて、ステッピングモータ3を回転させるよう制御する。これにより、前記バルブコア2の入口22を投入する衣類処理剤に対応する給液口と連通させることで、前記切換弁を再び投入状態とする。
【0099】
更に、前記弁体1の複数の給液口11には、切換弁に給水して洗い流すために用いられる水入口12が含まれる。
【0100】
前記ステップS5において、切換弁に給水して洗い流すよう制御すると判定された場合には、以下のステップを含む。
【0101】
S51:予め定められたニュートラル位置及び水入口12の位置に基づいて、回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出する。
【0102】
S52:取得した回転方向及び算出した回転ステップ数に基づいて、ステッピングモータ3を回転させるよう制御する。
【0103】
S53:切換弁に給水して洗い流すよう制御する。
【0104】
本発明では、切換弁がニュートラル状態から投入状態となり、投入完了後にニュートラル状態に復帰する。洗濯機が切換弁を洗い流すよう制御する場合には、予め定められたニュートラル位置及び弁体1の水入口12の位置に基づいて、回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出する。次に、取得した回転方向及び算出した回転ステップ数に基づいて、ステッピングモータ3を回転させるよう制御する。そして、水入口12とバルブコア2の入口22が連通したか否かを判断して、切換弁に給水して洗い流すよう制御する。これにより、衣類処理剤が切換弁内に残留して切換弁を詰まらせる結果、投入効率及び洗浄効果が低下するとの事態が防止される。また、衣類処理剤の投入精度が向上するとともに、切換弁の3種類の状態の連続制御が実現される。
【0105】
図7に示すように、上記の切換弁に給水して洗い流すよう制御する状態が切換弁の洗い流し状態である。
【0106】
切換弁に給水して洗い流すよう制御する際には、洗い流し時間T1を検出して所定の洗い流し時間T2と比較することで、切換弁に対する洗い流しが完了したことを特定し、動作を終了する。これにより、長時間の洗い流しによる水資源の無駄が防止される。
【0107】
具体的には、切換弁の水入口12と連通する水路を洗濯機から別途引き出し、回路内に残留した衣類処理剤を水道水で洗い流す。ステッピングモータ3は、バルブコア2の開口を弁体1の水入口12と連通させて、切換弁の洗い流しを実現する。且つ、切換弁は、投入状態から洗い流し状態に切り替えられて、切換弁の洗い流しを完了する。
【0108】
本発明では、投入又は洗い流しを行ったあと、複数回の投入を行う必要がある場合、切換弁が投入を完了するたびに、ステッピングモータ3が切換弁をニュートラル状態に復帰させる。このことは、洗濯機が回転方向を取得するとともに、回転ステップ数を算出するのに都合がよく、ステッピングモータ3の回転を制御しやすくする。本方法は簡単であり、投入が正確となる。
【0109】
前記切換弁のニュートラル状態、投入状態及び洗い流し状態は、いずれもステッピングモータ3の正回転又は逆回転に対応する方向及びステップ数により管路の接続を実現する。
【0110】
本発明は、更に、電気信号又はマグネットスイッチにより切換弁の制御を実現してもよい。
【0111】
具体的には、前記バルブコア2に永久磁石であるマグネットが設けられ、前記弁体1の給液口に異なる磁気誘導スイッチが設けられる。ステッピングモータ3がバブルコア2を対応する位置まで回転させるよう制御するときに、磁気誘導により電気信号が発生することで、切換弁の動作状態が取得されて、衣類処理剤の投入が実現される。
【0112】
本発明で記載する洗濯機の給液投入制御方法では、前記切換弁が動作する際に、初期位置をニュートラル状態とするリセット動作を行う必要がある。ニュートラル状態の判定については、弁体1の位置規制リブ14がバルブコア2の位置決め突起21と接触したときに、ステッピングモータ3の回転が阻止される。このとき、モータの電流が所定値よりも大きくなって、切換弁がニュートラル状態であることを示す。ニュートラル状態から開始して、ステッピングモータ3が、システムの信号にそれぞれ基づいて対応する方向又はステップ数で回転すると、バルブコア2が弁体1の複数の給液口11又は水入口12と連通するよう制御されることで、切換弁のニュートラル状態、投入状態及び洗い流し状態という3種類の状態の連続制御が実現される。これにより、制御精度及び衣類処理剤の投入精度が向上し、洗浄効果及びユーザエクスペリエンスが高まる。
【0113】
本発明は、更に、上記いずれかで記載した洗濯機の給液投入制御方法を用いる洗濯機を提供する。
【0114】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではなく、本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは補足は、同等に変更された等価の実施例とみなされる。上記の実施例における実施方案は、更に組み合わせ又は置き換えが可能であるが、本発明の技術方案の内容を逸脱することなく、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる何らかの簡単な修正、同等の変更及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0115】
1 弁体
11 複数の給液口
12 水入口
13 吐液口
14 位置規制リブ
2 バルブコア
21 位置決め突起
22 入口
23 出口
3 ステッピングモータ
【国際調査報告】