(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ボスウェリアシックオイルおよびオート麦核油を含むフィルム形成化粧品成分
(51)【国際特許分類】
A61K 8/92 20060101AFI20241128BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20241128BHJP
A61K 8/9794 20170101ALI20241128BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20241128BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241128BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/9789
A61K8/9794
A61Q17/04
A61Q19/00
A61Q5/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534511
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2022084741
(87)【国際公開番号】W WO2023104860
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロイネット,ジュリエット
(72)【発明者】
【氏名】ダイナント-ビリンスキ,セリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ローランド,ヨハン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB211
4C083AB222
4C083AB241
4C083AB242
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4C083AC302
4C083AC341
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4C083AC372
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4C083AC472
4C083AC511
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4C083AC552
4C083AC791
4C083AC851
4C083AC852
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4C083AD262
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4C083DD27
4C083DD30
4C083DD31
4C083DD32
4C083DD33
4C083EE07
4C083EE17
(57)【要約】
ボスウェリアシックオイル(Boswellia serrata oil)およびオート麦核油(Avena Sativa (Oat) Kernel oil)を含む化粧品成分、ならびにそれを含む化粧品組成物、およびそれらの使用方法が提供される。成分は、フィルム形成剤として、または、日焼け止めなどの化粧品組成物の耐水性を改善するために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボスウェリアシックオイルおよびオート麦核油を60:40~15:85の間の重量比で含む化粧品成分。
【請求項2】
ボスウェリアシックオイルおよびオート麦核油を、50:50~20:80の間の重量比で、より好ましくは45:55~25:75の間の重量比で、さらにより好ましくは45:55~35:65の間の重量比で、最も好ましくは約40:60の間の重量比で含む、請求項1に記載の化粧品成分。
【請求項3】
ボスウェリアシックオイルおよびオート麦核油からなる、請求項1または2に記載の化粧品成分。
【請求項4】
オート麦核油が、少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約30重量%、さらにより好ましくは少なくとも約35重量%、および最も好ましくは約40重量%の極性脂質含量を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧品成分。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品成分および化粧品活性剤を含む、化粧品組成物。
【請求項6】
さらに美容的に許容される賦形剤を含む、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
美容的に許容される賦形剤が、水中油型エマルション、油中水型エマルション、ローション、クリーム、油、二相性基剤、およびアルコール性基剤からなる群から選択される、請求項6に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
約1%~約5%の量で、より好ましくは約2%~約4%の量で、および最も好ましくは約3%の量で化粧品成分を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
化粧品組成物が、スキンまたはヘアケア組成物、とりわけ日焼け防止スキンまたはヘアケア組成物である、請求項5~8のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
化粧品活性剤が、UVフィルター;抗老化活性剤;抗酸化剤;保湿活性剤;鎮静活性剤;およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5~9のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
UVフィルターが、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾールトリシロキサン、メンチルアントラニラート、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリリリデンジカンファースルホン酸、酸化亜鉛、4-メチルベンジリデンカンファー、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ジエチルヘキシルブトアミドトリアゾン、エチルヘキシルメトキシシンナマート、エチルヘキシルサリチラート、エチルヘキシルトリアゾン、エチルヘキシルジメチルパラ-アミノ安息香酸、ホモメンチルサリチラート、イソアミルp-メトキシシンナマート、オクトクリレン、ポリオキシエチレン(25)パラ-アミノ安息香酸、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ポリシリコーン-15、二酸化チタン、トリスビフェニルトリアジンおよびこれらの混合物、より好ましくは、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、酸化亜鉛、エチルヘキシルメトキシシンナマート、エチルヘキシルサリチラート、エチルヘキシルジメチルパラ-アミノ安息香酸、ホモメンチルサリチラート、オクトクリレン、二酸化チタン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるサンフィルターからなる群から選択される、請求項10に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
化粧品組成物、とりわけ日焼け防止スキンまたはヘアケア組成物の耐水性を改善する方法であって、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品成分を化粧品組成物に組み込むステップを含む、前記方法。
【請求項13】
フィルム形成剤としての請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品成分の使用。
【請求項14】
化粧品組成物の耐水性を改善するための、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品成分の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボスウェリアシックオイル(Boswellia serrata oil)およびオート麦核油(Avena Sativa (Oat) Kernel oil)を含む化粧品成分、それを含む化粧品組成物、およびそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
耐水性を付与し、パーソナルケア組成物中の化粧品活性剤の保持を助けるための化粧品成分の必要性は周知である。これらがないと、パーソナルケア活性剤は、洗い流されたり、摩耗したり、再乳化されたり、さもなければ効能を失い得る。耐水性は、汗および水への暴露によって保護組成物がケラチン性基材表面から容易に除去されるのを防ぐために、サンケア組成物にとって特に重要である。
【0003】
消費者のパーソナルケア組成物の選択の際、または少なくともパーソナルケア組成物に対する忠誠心において、審美性は最も重要な考慮事項の1つであるため、リーブオン製剤に配合される場合、耐水性付与成分は、粘着性ではなく、消費者に悪い美的感覚を付与しないことがさらに重要である。
【0004】
US 4,978,527は、ヨウ素を含有するフィルム形成エマルションおよびその使用方法を教示している。フィルム形成エマルションは以下を含む:(a)A、BおよびCモノマーを含む実質的に耐水性のフィルム形成コポリマー相、ここで、Aは、対応するホモポリマーが約-15℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する「ソフト」モノマーであり、コポリマー中の全モノマーの総重量の約15~80%で存在し、Bは、対応するホモポリマーが約-5℃を超えるTgを有し、コポリマー中の全モノマーの総重量の約20~70%として存在する「硬い」モノマーであり、およびCは、ヨウ素を錯体化して、それを皮膚に送達することができるモノマーであり、コポリマー中の全モノマーの総重量の約1~15%として存在する;(b)エマルションの総重量に対して約0.05~15%のヨウ素;(c)有効量の乳化剤;および(d)約30~95重量%の水。
【0005】
US 4,584,192は、抗菌剤を含有するフィルム形成組成物およびその使用方法を教示している。このフィルム形成性組成物は、(a)以下のとおり共重合されたA、BおよびCモノマーから本質的になるフィルム形成コポリマー:Aは、単一のヒドロキシルを含有するアルキルアルコールの単量体のアクリル酸またはメタクリル酸エステルであり、アルコールは、Aモノマーがアクリル酸エステルである場合には2~約14個の炭素原子を有し、Aモノマーがメタクリル酸エステルである場合には約7~18個の炭素原子を有するものとしてさらに記載され、Aモノマーの重量は、コポリマー中の全モノマーの総重量の約15~80%である;Bは、単一のヒドロキシルを含有するアルキルアルコールの単量体のメタクリル酸エステルであり、アルコールはさらに、1から約6個の炭素原子を有するものとして記載され、Bモノマーの重量は、コポリマー中の全モノマーの総重量の約20~から70%であり;および、CはN-ビニルラクタムであり、その重量はコポリマー中の全モノマーの総重量の約1~15重量%であり;(b)有効量の広スペクトル抗菌剤;を含み;組成物は皮膚科学的に許容され、および、フュゲート溶媒から皮膚に適用された場合、皮膚に付着し、抗菌剤を皮膚に放出する、透明で、実質的に耐液性で、実質的にタックフリーで、柔軟なフィルムを形成することができる。
【0006】
WO 2013/148614は、パーソナルケアのための耐水性ポリマーを教示している。パーソナルケア組成物は、以下を含むポリマーを含む:(a)重合単位として、(i)前記ポリマーの重量に基づいて75~35重量%の、C1-C4(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、または置換スチレンの少なくとも1つから選択される1以上の(メタ)アクリレートモノマー、および(ii)ポリマーの重量に基づいて25~65重量%の1以上の疎水性モノマー、これは疎水的に置換された(メタ)アクリレートモノマーを包含し、C8~C22のアルキル鎖長を有する、(iii)任意に架橋剤、および、(b)サンケア活性剤以外の少なくとも1のパーソナルケア活性剤。
【0007】
WO 2015/153461は、ビニルラクタム由来のポリマー、向上された耐水性を有するその組成物、およびその使用方法を教示している。ポリマーは、(a)前記ポリマーの16重量%~約35重量%の少なくとも1のN-ビニルラクタムモノマー;(b)官能化および非官能化の、C1-C6アルキル(メタ)アクリラート、C1-C6アルキル(メタ)アクリルアミドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1のモノマー;および(c)官能化および非官能化の、C8-C30分枝アルキル(メタ)アクリレート、C8-C30分枝アルキル(メタ)アクリルアミド、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1のモノマー;から誘導される繰り返し単位を含み、ここで、ポリマーは、約45℃を超えるガラス転移温度を有する。
【0008】
WO2017/087645は、アクリロイル部分およびラクタム部分を有するモノマーから誘導されるポリマーの非水性組成物およびその用途を教示する。非水性組成物は、少なくとも以下から誘導される繰り返し単位を含むフィルム形成ポリマーを含む:(a)少なくとも1の官能化または非官能化アクリロイル部分および少なくとも1つのラクタム部分を含む少なくとも1のモノマー;(b)官能化および非官能化の、C1-C7アルキル(アルク)アクリラート、C1-C7アルキル(アルク)アクリルアミド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1のモノマー;および(c)官能化および非官能化の、C8-C60アルキル(アルク)アクリラート、C8-C60アルキルアルキル(アルク)アクリルアミド、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1のモノマー。
【発明の概要】
【0009】
以上からわかるとおり、現在知られている耐水性付与成分のほとんどは合成物である。しかしながら、消費者の環境に対する意識はますます高まり、天然の代替品を求めるようになっている。
したがって、必要とされるのは、水が存在する場合に有効成分の優れた保持力を持ち、良好な美的性能を提供する天然由来の耐水性付与成分である。
【0010】
驚くべきことに、本発明の化粧品成分は、他の多くの利点の中でも、耐水性の向上と良好な肌感触という重要な利点をもたらすことが見出された。化粧品成分は、多くの重要な用途、とりわけサンケアなどの化粧品用途のために、多種多様な組成物に配合することができる。
【0011】
第1の側面において、本発明は、60:40~15:85の重量比のボスウェリアシックオイルおよびオート麦核油を含む化粧品成分を提供する。
第2の側面において、本発明は、化粧品成分および化粧品活性剤を含む化粧品組成物を提供する。
第3の側面において、本発明は、化粧品組成物、とりわけ日焼け防止スキンまたはヘアケア組成物の耐水性を改善する方法であって、化粧品組成物に化粧品成分を組み込むステップを含む、前記方法を提供する。
第4の側面において、本発明は、フィルム形成剤としての化粧品成分の使用に関する。
第5の側面において、本発明は、化粧品組成物の耐水性を改善するための化粧品成分の使用に関する。
【0012】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の化粧品成分は、ボスウェリアシックオイル(Boswellia serrata oil)およびオート麦核油(Avena Sativa (Oat) Kernel oil)を含む。
本出願を通して、用語「ボスウェリアシックオイル(boswellia thick oil)」、「ボスウェリア樹脂」および「Boswellia serrata oil」は互換的に使用される。
本出願を通して、用語「オート麦核油(oat kernel oil)」、「オート麦油(oat oil)」、「カラスムギ穀粒油(Avena Sativa Kernel oil)」および「Avena Sativa (Oat) Kernel oil」は互換的に使用される。
【0013】
Boswelliaはムクロジ目のボスウェリア属の樹木で、その香りのよい樹脂で知られている。Boswellia種は、樹木と低木の両方を包含する中程度の大きさの顕花植物であり、アフリカとアジアの熱帯地域に自生している。Boswellia serrataはインド乳香を産生する植物である。この植物はインドの大部分とパキスタンに広がるパンジャブ地方に自生している。
【0014】
伝統的に、ボスウェリアはヘキサンで抽出される。例えば、このプロセスは、以下のステップの1以上を含み得る:ヘキサンでのボスウェリアガム樹脂の抽出;溶媒を除去してボスウェリア粗油を得る;粗油を水性エタノールで抽出してエタノール抽出物を得る;溶媒を除去して(任意に真空下で)脱臭されたボスウェリアシックオイルを得る。任意に、脱臭および/または減色の追加ステップを、実例として、真空下での蒸留、場合によっては共溶媒での蒸留、任意の形態の活性炭の使用、または当業者によく知られている他のそのようなステップによって実施してもよい。
【0015】
しかしながら、Indfrag Biosciencesは最近、アルコールでの抽出によってボスウェリアシックオイルを調製することに成功し、完全な天然製品を提供している。例えば、このプロセスは1以上の以下のステップを含み得る:乾燥ボスウェリアセラータガムをエタノールで抽出してエタノール抽出物を得る;苛性でのテルペン酸の沈殿;ろ過;濃縮。
【0016】
ボスウェリアシックオイルは、例としてIndfrag Biosciences社から市販されている。典型的には、黄色から暗褐色、比重約0.99~1.2、屈折率約1.48から1.55、含水率≦2%、および過酸化物価<10meq O2/kgを有する濃厚な液体である。しかしながら、これより若干低い値または高い値、例として比重、もまた許容される。インドフラグのボスウェリアシックオイルは、ISA16128規格に従う100%天然である。
【0017】
ボスウェリアシックオイルは、ボスウェリア(または乳香)精油と混同すべきではない:ボスウェリアのオレオガム樹脂は、典型的に、約60~70%のエタノール可溶性ボスウェリア樹脂、約25~30%の水溶性画分、および約5~10%のボスウェリア精油を含有する。
【0018】
ボスウェリアシックオイルまたはボスウェリア樹脂は、主にモノ-、ジ-、トリ-テルペン酸で構成されている。主なファミリー(トリテルペン酸)は、典型的に、以下の6つの主なボスウェリン酸を含有する:
- 約15-25%の3-O-アセチル-11-ケト-β-ボスウェリン酸(AKBA)
- 約15-25%の3-O-アセチル-β-ボスウェリン酸(β-ABA)
- 約15-25%のβ-ボスウェリン酸(β-BA)
- 約10-20%のα-ボスウェリン酸(α-BA)
- 約5-15%の3-O-アセチル-α-ボスウェリン酸(α-ABA)
- 約1-10%の11-ケト-β-ボスウェリン酸(KBA)
【0019】
一方、乳香精油は、リモネンおよびα-ピネンを主構成要素として含有する。ボスウェリア精油の典型的な組成物は、約45.1%のα-ピネン、14.9%のリモネン、10.6%のα-ツエン、8.3%のミルセン、7.6%のサビネン、3.4%のパラ-シメンおよび10.1%のその他の構成要素からなる。
そして、水溶性画分は、典型的に、異なるタイプのプロテオグリカンおよび糖タンパク質(古典的なアラビノガラクタンタンパク質)を有する多糖類画分である。
【0020】
しばしばエンバク(common oat)とも呼ばれるオート麦(Avena sativa)は、穀物の一種で、その種子用に栽培される。オート麦は、オートミールおよびロールドオーツとしてヒトの食用に好適であるが、最も一般的な使用のひとつは家畜の飼料である。オート麦はまた、何千年もの間、皮膚を落ち着かせ、局所的に治療する方法としても使用されてきた。オート麦とオート麦から作られた抽出物の使用が化粧品成分として広まったのは、かゆみを和らげ、皮膚を保護する力が広く知られるようになった1930年代のことである。
【0021】
オート麦核油は典型的に、外皮を除去し、および熱処理したオート麦核の抽出により生産される。
例えば、オート麦核を粉砕し、および水/エタノール抽出により脱脂し、タンパク質およびβ-グルカンを豊富に含む粗油および小麦粉を得ることができる。極性脂質の含有量に基づく精製プロセスにより、例として、約4%の極性脂質を有する画分、約15%の極性脂質を有する画分、約40%の極性脂質を有する画分(指標値)へと、粗油にさらなる分留をしてもよい。任意に、脱臭および/または減色の追加のステップを、例えば、真空下での蒸留、場合によっては共溶媒を用いた蒸留、任意の形態の活性炭の使用、または当業者に周知の他のそのようなステップによって実施してもよい。
【0022】
オート麦核油は、例としてOat Cosmeticsから市販されている。典型的には、約1.0~1.1kg/lの密度、20'000ppm未満(好ましくは1500ppm未満)の含水量、<10meq O2/kg脂肪の過酸化物価を有する黄褐色の液体である。しかしながら、これより若干低い値または高い値、例として密度、もまた許容される。
【0023】
どちらの油も、COSMOSおよびISO 16128など、いくつかの国際規格に準拠した完全な天然製品である。
驚くべきことに、ボスウェリアシックオイルおよびオート麦核油を60:40~15:85の間の重量比で提供することにより、油単独または他の比率のいずれかと比較して、優れた耐水性付与効果を達成できることが見出された。
【0024】
本発明の化粧品成分は、心地よい美的感覚、優れたフィルム形成を示し、および水の存在下で有効成分の優れた保持性を有する。
一態様において、本発明の化粧品成分は、ボスウェリアシックオイルおよびオート麦核油を、50:50~20:80の間の重量比で、より好ましくは45:55~25:75の間の重量比で、さらにより好ましくは45:55~35:65の間の重量比で、最も好ましくは約40:60の間の重量比で含む。用途に応じて、これらの比率が好ましく、優れた耐水性をもたらすことが見出された。
【0025】
本発明の化粧品成分は、他の材料を含んでもよく、または本質的にまたは完全にボスウェリアシックオイルおよびオート核油からなってもよい。一態様において、化粧品成分はボスウェリアシックオイルおよびオート麦核油からなる。
粗オート麦油は、使用する抽出溶媒に応じて、典型的には、全脂質の約8~25%の極性脂質含量を有する。
【0026】
比較的高い極性脂質含量を有するオート麦核油が特に良好な結果をもたらすことが見出された。
したがって、一態様において、オート麦核油は、油の少なくとも約25重量%、より好ましくは少なくとも約30重量%、さらにより好ましくは少なくとも約35重量%、最も好ましくは約40重量%の極性脂質含量を有する。オート麦核油はまた、約45重量%または約50重量%、あるいはそれ以上の極性脂質含量を有していてもよい。
【0027】
WO 2010/10444には、分画により極性脂質含量の高いオート麦核油を調製するいくつかの方法が記載されている。高い極性脂質含量を有するオート麦核油の調製に関するWO 2010/104444の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の化粧品成分は、化粧品組成物に耐水性を付与するために使用することができ、それにより化粧品組成物中に含まれる化粧品活性剤(単数または複数)を保護する。
したがって、本発明はまた、化粧品成分および化粧品活性剤を含む化粧品組成物を提供する。
【0028】
本発明の化粧品組成物は、完全にまたは本質的に化粧品成分および1以上の化粧品活性剤からなってもよい。代替的に、化粧品組成物は、任意に、溶媒、賦形剤、および/または他のアジュバントをさらに含有してもよい。化粧品の調製において一般的に使用される任意の溶媒、賦形剤、および/または他のアジュバントを、本発明において採用することができる。
【0029】
一態様において、化粧品組成物は、美容的に許容される賦形剤をさらに含む。
美容的に許容される賦形剤は、当該技術分野において周知である。意図される用途に応じて、好適な賦形剤が選択され得る。
本発明の化粧品組成物は、1以上の化粧品として許容される賦形剤を含有することができる。ヒトの皮膚または毛への使用のための化粧品の調製において一般的に使用される任意の賦形剤を、本発明において採用することができる。好適な賦形剤は、これらに限定されないが、本発明の化粧品活性剤の官能特性、皮膚への浸透、および生物学的利用能に影響を与え得る成分を包含する。より具体的には、それらは、水、油または界面活性剤などの液体を包含し、これは、石油、動物、植物または合成起源のもの、たとえば、これらに制限されないが、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油、ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、エーテルスルファート、スルファート、ベタイン、グリコシド、マルトシド、脂肪アルコール、ノノキシノール、ポロキサマー、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、デキストロース、グリセロールなどを包含する。
【0030】
一態様において、美容的に許容される賦形剤は、水中油型エマルション、油中水型エマルション、ローション、クリーム、オイル、二相性基剤、およびアルコール性基剤からなる群から選択される。これらの賦形剤は、実例として、日焼け防止用スキンまたはヘアケア組成物における使用に特に好適であることが見出された。
【0031】
化粧品組成物は、任意の物理的形態をとることができる。実例としては、化粧品組成物は、リポソーム組成物、混合リポソーム、オレオソーム、ニオソーム、エトソーム、ミリ粒子、マイクロ粒子、ナノ粒子および固体脂質ナノ粒子、ベシクル、ミセル、界面活性剤の混合ミセル、界面活性剤-リン脂質混合ミセル、ミリスフェアー、マイクロスフェアーおよびナノスフェアー、リポスフェアー、ミリカプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、ならびにマイクロエマルションおよびナノエマルションの形態であってもよく、これを、化粧品活性剤のより高い浸透を達成するために添加することができる。
【0032】
化粧品組成物は、皮膚または毛への局所適用または経皮適用に有用な任意の固体、液体、または半固体の形態で生産することができる。よって、局所適用または経皮適用のためのこれらの調製物は、これらに制限されないが、クリーム、複数のエマルション、たとえば、これらに制限されないが、水中油および/またはシリコーンエマルション、油中水型および/またはシリコーンエマルション、水/油/水または水/シリコーン/水型エマルション、および油/水/油またはシリコーン/水/シリコーン型エマルション、マイクロエマルション、エマルションおよび/または溶液、液晶、無水組成物、油、ミルク、バルサム、フォーム、水性または油性ローション、油性ゲル、クリーム、ヒドロアルコール溶液、ヒドログリコール溶液、リニメント、血清、石鹸、フェイスマスク、美容液、多糖フィルム、軟膏、ムース、ポマード、ペースト、パウダー、バー、ペンシル、およびスプレーまたはエアゾール(スプレー)などを包含し、これらはリーブオン処方およびリンスオフ処方を含む。
本出願を通じて、「皮膚」および「毛」という用語は、特にそれぞれヒトの皮膚およびヒトの毛を指す。
【0033】
化粧品成分は、所望の水保護効果を提供するのに十分な量で化粧品組成物中に含まれるべきである。約1%~約5%、より好ましくは約2%~約4%、最も好ましくは約3%の濃度が特に好適であることが見出された。
したがって、一態様において、化粧品組成物は、約1%~約5%、より好ましくは約2%~約4%、および最も好ましくは約3%の量の化粧品成分を含む。
【0034】
良好な耐水性は、水、例として、汗または海水と接触する前に塗布される可能性のある化粧品組成物にとって特に重要である。
一態様において、化粧品組成物は、スキンまたはヘアケア組成物、特に日焼け防止スキンまたはヘアケア組成物である。
人は汗をかく傾向があり、および/または、クールダウンするために例えば海やプールでの入浴によって水を使用する傾向があるため、日焼け防止組成物は、特に、水によって活性が失われやすい。本発明の化粧品成分は、その耐水性を改善することができ、それによって日焼け防止効果を長持ちさせることができる。
【0035】
一態様において、化粧品活性剤は、UVフィルター;例としてアセチル化ヒアルロン酸ナトリウムまたはレチノールなどの抗老化活性剤;例としてフェルラ酸またはビタミンEなどの抗酸化剤;例としてヒアルロン酸ナトリウム、ポルフィリジウムクルエンタム抽出物または加水分解βグルカンなどの保湿活性剤;例としてビサボロールまたはボスウェリアセラータガムなどの鎮静活性剤;およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0036】
本発明の化粧品組成物は、皮膚および/または毛を保護するための任意の好適なUVフィルターを含んでいてもよい。UVフィルターは、物理的または化学的またはそれらの組み合わせであってもよい。
一態様において、化粧品組成物は、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾールトリシロキサン、メンチルアントラニラート、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、酸化亜鉛、4-メチルベンジリデンカンファー、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ジエチルヘキシルブトアミドトリアゾン、エチルヘキシルメトキシシンナマート、エチルヘキシルサリチラート、エチルヘキシルトリアゾン、エチルヘキシルジメチルパラ-アミノ安息香酸、ホモメンチルサリチラート、イソアミルp-メトキシシンナマート、オクトクリレン、ポリオキシエチレン(25)パラ-アミノ安息香酸、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ポリシリコーン-15、二酸化チタン、トリスビフェニルトリアジン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるUVフィルター、より好ましくは、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、酸化亜鉛、エチルヘキシルメトキシシンナマート、エチルヘキシルサリチラート、エチルヘキシルジメチルパラ-アミノ安息香酸、ホモメンチルサリチラート、オクトクリレン、二酸化チタン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるサンフィルターを含む。
【0037】
上記のUVフィルターは一般的に知られている。
ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンは、しばしばBEMTと略される。
パラアミノ安息香酸は、しばしばPABAと略される。
エチルヘキシルメトキシシンナマートは、しばしばEHMCと略される。
エチルヘキシルサリチラートは、しばしばEHSと略される。
エチルヘキシルトリアゾンは、しばしばEHTと略される。
ホモメンチルサリチラートは、しばしばHMSと略される。
オクトクリレンは、しばしばOCRと略される。
ポリオキシエチレン(25)パラアミノ安息香酸は、しばしばPEG-25 PABAと略される。
【0038】
ポリシリコーン-15(INCI)は、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ポマードおよびカラートリートメント製品などのヘア製品に使用される有機化合物で、UVB放射を吸収する。EUでは、日焼け止めおよび化粧品への使用も認められている。骨格鎖は主にシロキサンの繰り返し単位から構成され、分子量が低いためオリゴマーに分類される。IUPAC名はα-(トリメチルシリル)-ω-(トリメチルシリルオキシ)ポリ[オキシ(ジメチル)シリレン]-コ-[オキシ(メチル)(2-{4-[2,2-ビス(エトキシカルボニル)ビニル]フェノキシ}-1-メチレンエチル)シリレン]-コ-[オキシ(メチル)(2-(4-[2,2-ビス(エトキシカルボニル)ビニル]フェノキシ)プロプ-1-エニル)シリレン]である。
【0039】
本発明の化粧品組成物は、1以上のアジュバント、たとえば、防腐剤、例として、フェノキシエタノールおよび/またはエチルヘキシルグリセリン;保湿剤、例として、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール;ゲル化剤、例として、キサンタンガムおよび/またはセルロースガム;乳化剤、例として、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムおよび/またはステアリン酸グリセリルSE(SE=自己乳化性);着色剤、例として、CI 42090(青1)および/またはCI 19140(黄5);および/またはフレグランスなどをさらに含んでもよい。
【0040】
本発明はさらに、化粧品組成物、とりわけ日焼け防止スキンまたはヘアケア組成物の耐水性を改善する方法であって、本発明の化粧品成分を化粧品組成物に組み込むステップを含む、前記方法に関する。
【0041】
化粧品成分は、単に化粧品組成物に添加され、および共に混合されてもよく、または、実例として、加熱または冷却、振盪または撹拌などの追加の組み込みステップがあってもよい。好ましくは、化粧品成分は、例として、穏やかに撹拌しながら、任意に昇温された温度(例として、65~70℃)で油相に添加される。次いで、油相は、その後、1以上の他の相、例として、水相および/またはアルコール相と組み合わせてもよい。
【0042】
化粧品成分は、フィルム形成剤として使用することができる。
化粧品成分はさらに、化粧品組成物の耐水性を改善するために使用することができる。
本発明は、以下の非限定的な例によってさらに説明される:
【0043】
例1:SPF測定のプロトコル
サンプロテクションファクター(SPF)は以下のプロトコルに従って測定した:
1. 秤量および拡散
精密10-4グラム実験室用天秤(AT200;Mettler Toledo)を使用して、試験する製品を1.3 mg/cm2秤量した。次いで、ISO 24443法に記載されたプロトコルに従って、サンドブラストしたポリメチルメタクリレート(PMMA)プレート(Sunplates;Helioscience)の粗面にその量を拡散した。
2. 透過率の測定
PMMAプレートの透過率は、UV光源と290と400nmの間のUVエネルギーを送達できるモノクロメーターを備えたUV分光光度計(Uvikon 933;Bio-Tek Kontron Instruments、またはUV-2600i;Shimadzu)で測定した。
【0044】
3. 照射
サンシミュレーター(Suntest CPS+;Atlas)を使用して、550W/m2の放射照度でPMMAプレートを30分間紫外線にさらした。こうして、試験製品は2回の最小紅斑線量(MED)を受けた。
4. 透過率測定
PMMAプレートの透過率は、UV光源と290と400nmの間のUVエネルギーを送達できるモノクロメーターを備えたUV分光光度計(Uvikon 933;Bio-Tek Kontron Instruments、またはUV-2600i;Shimadzu)で再度測定した。
【0045】
5. SPFの計算
in vitroのSPFは、PMMAプレート上に広げられた製品の層を通過した残留UVBとUVAのスペクトル全体から表された。ただし、この波動関数T(λ)は以下によって乗算されなければならない:
- サンスペクトル特性S(λ)を表す第一波動関数。
- 第二の波動関数は、皮膚の反応性を波長の関数として表すもので(したがって散逸エネルギー):これは紅斑関数E(λ)である。
【数1】
各製品を3~5回測定した。各試験の保護指数の算術平均を計算することにより、試験製品の平均SPFが得られた。計算は特定のソフトウェアを使用して実施した。
【0046】
例2:SPF20(合成UVフィルター)を有するエタノールオイルベーススプレー
耐水性を改善させる異なるフィルム形成剤の能力を、サンプロテクションファクター(SPF)20のエタノールオイルベースのスプレー製剤でテストした。合成UVフィルターを含有する以下の製剤で試験した:
【表1】
【0047】
試験するスプレー製剤は、穏やかな攪拌下、A相を80℃に1時間加熱し、それを70℃まで冷却し、および穏やかな攪拌下、B相を添加し、および25℃までをそれを冷却し、および穏やかな攪拌下、C相を添加することにより調製した。
最初に、例1に記載したように、各スプレー製剤についてSPFを測定した。
次いで、スプレー製剤付きPMMAプレートを、流量調整可能な水循環ポンプ(Polystat 86694;Bioblock Scientific)を備えた恒温制御流水(30±2℃)の水浴に20分間浸漬した。浴後、SPFを再度測定した。
耐水性は以下の式に従って決定した:
【数2】
【0048】
以下のフィルム形成剤を単独または組み合わせて試験した:
【表2】
【0049】
結果を以下の表1に示す(括弧内のフィルム形成剤は混合物であり、その後の数字は重量比を示す)。
これらの結果は次のことを示している:
- 5%のUnimer U-151は3%のUnimer U-151より良好である。
- Dermacryl 79はUnimer U-151よりも効果的である。
- Sweoat(登録商標)Oil PL40 FGはBoswellia Thick Oilより良好である。
- SolAmaze Sun Natural MB、Lexfilm Sun Natural MB、Emolid DD、Emolid CC、およびBoswellia Thick OilまたはSweoat(登録商標)Oil PL40 FGとEmolid DDとの混合物およびEmolid CCは耐水性を改善しない。
- Sweoat(登録商標)Oil PL40 FGとボスウェリアシックオイルの間には良い相乗効果がある。
- 最良の結果は、Boswellia Thick OilとSweoat(登録商標)Oil PL40 FGを40:60で混合した場合に観察される。
- 約3%の濃度が最良の結果を提供する。
- エタノールでの抽出によって調製されたボスウェリアシックオイルは、ヘキサン抽出によって調製されたボスウェリアシックオイルと同様の結果を提供する。
【0050】
例3:SPF30(合成UVフィルター)を有するエタノールオイルベーススプレー
ボスウェリアシックオイルとオート麦核油の40:60混合物の耐水性を改善する能力を、サンプロテクションファクター(SPF)30を有するエタノールオイルベーススプレー製剤で試験した。合成UVフィルターを含有する以下の製剤で試験した:
【表3】
【0051】
試験は、上記の例2に記載のとおりに行った。
結果を以下の表2に示す。
これらの結果からわかるように、約3%の濃度で、ボスウェリアシックオイルとSweoat(登録商標)Oil PL40 FGの40:60混合物が最良の結果を提供する。
【0052】
例4:SPF50(合成UVフィルター)を有するエタノールオイルベーススプレー
ボスウェリアシックオイルとオート麦核油の40:60混合物の耐水性を改善する能力を、サンプロテクションファクター(SPF)50を有するエタノールオイルベーススプレー製剤で試験した。合成UVフィルターを含有する以下の製剤で試験した:
【表4】
【0053】
試験は、上記の例2に記載のとおりに行った。
結果を以下の表3に示す。
これらの結果からわかるように、約3%の濃度で、ボスウェリアシックオイルとSweoat(登録商標)Oil PL40 FGの40:60混合物が最良の結果を提供する。
【0054】
例5:SPF20を有する日焼け止め(合成UVフィルター)
異なるフィルム形成剤の耐水性を向上させる能力を、サンプロテクションファクター(SPF)20を有する日焼け止め製剤でテストした。合成UVフィルターを含有する以下の製剤で試験した:
【表5】
【0055】
試験する日焼け止め製剤は、A相を調製して80℃に30分間加熱し、D相を5000rpmで30分間高撹拌下で調製し、D相に穏やかな撹拌下で予備混合したE相を添加し、およびそれを80℃に加熱し、A相にB相とC相を添加し、次いで、乳化直前に穏やかな攪拌下でD&E相の混合物にF相を添加し、D&E&F相の混合物をA&B&C相の混合物に3000rpmで数分間高攪拌下で添加し、穏やかな攪拌下で30℃まで冷却し、G相を添加し、およびpHをH相で5.5に調整することによって調製した。
【0056】
試験は、上記の例2に記載のとおりに行った。
結果を以下の表4に示す。
これらの結果は以下を示している:
- ボスウェリアシックオイルとオート麦核油の混合物のみが、フイルム形成剤なしの製剤と比較してより優れた耐水性をもたらす。
- 最良の結果は、ボスウェリアシックオイルとSweoat(登録商標)Oil PL40 FGの30:70、35:65、および40:60混合物で観察された。
- ボスウェリアシックオイルとSweoat(登録商標)Oil PL40 FGを25:75~45:55の比率で混合すると、100%以上の耐水性を提供する。
- 約3%の濃度が最良の結果を提供する。
- エタノール抽出によって調製されたボスウェリアシックオイルは、ヘキサン抽出によって調製されたボスウェリアシックオイルと同様の結果を提供する。
【0057】
例6:SPF30を有する日焼け止め(合成UVフィルター)
ボスウェリアシックオイルとオート麦核油の40:60混合物の耐水性を改善する能力を、サンプロテクションファクター(SPF)30を有する日焼け止め製剤で試験した。合成UVフィルターを含有する以下の製剤で試験した:
【表6】
【0058】
試験は、上記の例5に記載のとおりに行った。
結果を以下の表5に示す。
これらの結果からわかるとおり、約3%の濃度で、ボスウェリアシックオイルとSweoat(登録商標)Oil PL40 FGの40:60混合物が、フィルム形成剤無しのコントロールよりも明らかに良好である。
【0059】
例7:SPF50を有する日焼け止め(合成UVフィルター)
ボスウェリアシックオイルとオート麦核油の40:60混合物の耐水性を改善する能力を、サンプロテクションファクター(SPF)50を有する日焼け止め製剤で試験した。合成UVフィルターを含有する以下の製剤で試験した:
【表7】
【0060】
試験は、上記の例5に記載のとおりに行った。
結果を以下の表6に示す。
これらの結果からわかるとおり、約3%の濃度で、ボスウェリアシックオイルとSweoat(登録商標)Oil PL40 FGの40:60混合物が、フィルム形成剤無しのコントロールよりも明らかに良好である。
【0061】
例8:SPF20を有する日焼け止め(ミネラルUVフィルター)
異なるフィルム形成剤の耐水性を向上させる能力を、サンプロテクションファクター(SPF)20を有する日焼け止め製剤で試験した。ミネラルUVフィルターを含有する以下の製剤で試験した:
【表8】
【0062】
試験する日焼け止め製剤は、A相を調製して80℃に加熱し、次いでそれを3000rpmで10分間混合し、5000rpmで30分間高撹拌下でD相を調製し、D相に穏やかな撹拌下で予備混合したE相を添加し、およびをれを80℃に加熱し、A相にB相とC相を添加し、次いで、乳化直前に穏やかな攪拌下でD&E相の混合物にF相を添加し、D&E&F相の混合物をA&B&C相の混合物に3000rpmで数分間高攪拌下で添加し、穏やかな攪拌下で30℃まで冷却し、G相を添加し、およびpHをH相で5.5に調整することによって調製した。
【0063】
試験は、上記の例2に記載のとおりに行った。
結果を以下の表7に示す。
これらの結果からわかるとおり、Unimer U-151、および、約3%の濃度の、ボスウェリアシックオイルとSweoat(登録商標)Oil PL40 FGとの混合物の両方が、それぞれフィルム形成剤無しのコントロールよりも良好である。
【0064】
例9:SPF30を有する日焼け止め(合成およびミネラルUVフィルター)
ボスウェリアシックオイルとオート麦核油の40:60混合物の耐水性を改善する能力を、サンプロテクションファクター(SPF)30を有する日焼け止め製剤で試験した。合成およびミネラルUVフィルターを含有する以下の製剤で試験した:
【表9】
【0065】
試験する日焼け止め製剤は、A相を調製して80℃に30分間加熱し、B相を80℃のA相に穏やかな攪拌下で添加し、3000rpmでそれを10分間混合し、E相を5000rpmで30分間高攪拌下で調製し、予備混合したF相をE相に穏やかな攪拌下で添加し、80℃に加熱することにより調製し、A&B相の混合物にCおよびD相を添加し、次いで、乳化直前に穏やかな攪拌下で相E&Fの混合物にG相を添加し、E&F&G相の混合物を3000rpmで数分間高攪拌下でA&B&C&D相の混合物に添加し、穏やかな攪拌下で30℃まで冷却し、H相を添加し、pHをI相で5.5に調整することによって調製した。
【0066】
試験は、上記の例2に記載のとおりに行った。
結果を以下の表8に示す。
これらの結果からわかるとおり、約3%の濃度で、ボスウェリアシックオイルとSweoat(登録商標)Oil PL40 FGの40:60混合物が、フィルム形成剤無しのコントロールよりも明らかに良好である。
【0067】
【0068】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【国際調査報告】