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特表2024-545180医療用内視鏡の制御ハンドルのためのアセンブリ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】医療用内視鏡の制御ハンドルのためのアセンブリ方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A61B1/00 711
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534611
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 FR2022052393
(87)【国際公開番号】W WO2023118707
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】2114360
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521511759
【氏名又は名称】アクセス ヴィジョン テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ル ルー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ルクーティ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】クーラティ,ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】アロエ,エマニュエル
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161FF11
4C161HH32
4C161JJ06
4C161JJ13
(57)【要約】
本発明は、医療用内視鏡の制御ハンドル用のアセンブリ方法に関し、圧力と、超音波又はレーザエネルギービームと、の印加を含む。本発明はまた、ハンドルのハーフシェルが溶接される医療用内視鏡のハンドルに関する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用内視鏡(1)の制御ハンドル(3)をアセンブリするための方法であって、
以下のステップ:
a)対向する2つのハーフシェル(6,7)及び貫通開口(13)を有するハウジング(4)を備える制御ハンドル(3)であって、各ハーフシェル(6,7)が遠位部(6d,7d)、近位部(6p,7p)、及び外周接合縁(6b,7b)を有し、前記ハーフシェル(6,7)のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(14)を有する、制御ハンドル(3)を提供することと、
b)前記2つのハーフシェル(6,7)を互いに溶接するために、前記少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(14)を溶かすように、前記少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(14)にレーザエネルギービーム又は超音波ビームを加えながら、前記2つのハーフシェル(6,7)の間で、前記少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(14)の介在をもたらした状態で、前記2つのハーフシェル(6,7)の間に圧力を加えることと、
を含む、方法。
【請求項2】
少なくとも1つのハーフシェル(6,7)の前記遠位部が、少なくとも1つのラグ(15)を有し、
前記方法がさらに、以下のステップ:
-ステップa)とステップb)との間のステップa1)であって、挿入管(2)を提供することからなる、ステップa1)と、
-ステップa1)とステップb)との間のステップa2)であって、前記少なくとも1つのラグ(15)と対向するように、前記制御ハンドル(3)の前記ハウジング(4)の前記2つのハーフシェル(6,7)の間に、前記挿入管(2)を位置付けることからなる、ステップa2)と、
を含み、
前記方法のステップb)は、前記少なくとも1つのラグ(15)が、前記制御ハンドル(3)内で前記挿入管(2)を遮るように、前記挿入管(2)を貫通することを可能にする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)において、前記2つのハーフシェル(6,7)の間に加えられる前記圧力は、前記2つのハーフシェル(6,7)の間で、前記ハーフシェルの前記外周接合縁から突出して前記ハーフシェルの前記外周接合縁を拡張する前記少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(14)の介在をもたらす、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップb)において、前記2つのハーフシェル(6,7)の間に加えられる前記圧力は、前記2つのハーフシェル(6,7)の間で、
-前記ハーフシェル(6,7)のうちの少なくとも1つの前記遠位部にある少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(14)の、及び、
-前記ハーフシェル(6,7)のうちの少なくとも1つの前記近位部にある少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(14)の、
介在をもたらす、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ステップb)において、前記2つのハーフシェル(6,7)の間に加えられる前記圧力は、前記2つのハーフシェル(6,7)の間で、各貫通開口(13)を境界付ける少なくとも1つのエネルギー方向付け突起の介在をもたらす、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(14)は、前記2つのハーフシェル(6,7)がステップb)中でアセンブリされるときに、前記制御ハンドル(3)の密封をもたらすように、前記2つのハーフシェル(6,7)のそれぞれの各貫通開口(13)の境界に位置し、共にカラーを形成する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ステップb)において、前記レーザエネルギービーム又は超音波ビームは、先細りの突出部の形状のエネルギー方向付け突起(14)に加えられる、
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ステップb)において、前記レーザエネルギービーム又は超音波ビームは、先鋭な形状、二重先鋭な形状、又はラグの形状のエネルギー方向付け突起(14)に加えられる、
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
さらに以下のステップ:
-ステップa)とステップb)との間のステップa3)であって、カラー(14a)の形状の少なくとも1つのエネルギー方向付け突起を備える少なくとも1つの挿入要素(17)を提供することからなる、ステップa3)と、
-ステップa3)とステップb)との間のステップa4)であって、カラー(14a)の形状の前記少なくとも1つのエネルギー方向付け突起が、貫通開口(13)で前記ハウジング(4)と対向して位置するように、前記制御ハンドル(3)の前記ハウジング(4)の前記2つのハーフシェル(6,7)の間に、前記少なくとも1つの挿入要素を位置付けることからなる、ステップa4)と、
を含み、
前記方法のステップb)は、前記挿入要素(17)を前記ハウジング(4)に溶接して前記制御ハンドル(3)の密封をもたらすように、前記カラー(14a)の形状の前記少なくとも1つのエネルギー方向付け突起を溶融させることに加え、前記挿入要素(17)と前記ハウジング(4)との間で、前記カラー(14a)の形状の前記少なくとも1つのエネルギー方向付け突起の介在を可能にする、
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
挿入要素(17)として、ダブルルアーコネクタ、及び/又は、キャップ、及び/又は、プーリ、及び/又は、接続ケーブル、及び/又は、吸引コーンが存在する、
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記2つのハーフシェル(6,7)は、同じ材料から構成される、
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ハウジング(4)の前記ハーフシェルのうちの一方は、レーザに対して透明であり、前記ハウジング(4)の他方のハーフシェルは、レーザに対して不透明である、
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ステップb)において、前記2つのハーフシェルの最終的な位置を制御するように、支持止具(16)が前記外周接合縁から突出している、
請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
ステップb)において、超音波が加えられる、
請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
医療用内視鏡(1)の制御ハンドル(3)であって、
請求項1~14のいずれか1項に記載の方法によって、前記ハウジング(4)の前記2つのハーフシェル(6,7)が互いに溶接されている、
制御ハンドル(3)。
【請求項16】
請求項15に記載の制御ハンドル(3)であって、
前記ハウジング(4)の前記2つのハーフシェル(6,7)は、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(14)を溶融させることによって互いに溶接されている、
制御ハンドル(3)。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の制御ハンドル(3)であって、
前記ハウジング(4)の前記2つのハーフシェル(6,7)は、前記2つのハーフシェル(6,7)の遠位部(6d,7d)及び近位部(6p,7p)の端部で互いに溶接されている、
制御ハンドル(3)。
【請求項18】
請求項15~17のいずれか1項に記載の制御ハンドル(3)であって、
前記ハウジング(4)の前記2つのハーフシェル(6,7)は、各貫通開口(13)で互いに溶接されている、
制御ハンドル(3)。
【請求項19】
請求項15~18のいずれか1項に記載の制御ハンドル(3)であって、
前記制御ハンドル(3)は、前記ハーフシェル(6,7)のうちの少なくとも1つに位置付けられる少なくとも1つのラグを用いて、挿入管(2)にアセンブリされ、
前記制御ハンドル(3)は、前記挿入管(2)に挿入されている、
制御ハンドル(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再利用可能又は使い捨ての医療用内視鏡の技術分野に関する。
【0002】
本発明に係る医療用内視鏡は、治療、手術、又は診断の目的で、様々な作業を実施するために、人体の中空器官、空洞、又は自然若しくは人工の導管の内表面にアクセスすることを可能にする。本発明に係る医療用内視鏡は、自然又は人工的な経路によって、アクセス可能な人体の全ての内部を検査するために使用される。例えば、本発明に係る医療用内視鏡は、尿路、消化管、呼吸器系、心臓血管系、気管、副鼻腔、女性生殖器系、腹腔、又は自然若しくは人工的な経路によって探索される人体の他の任意の部分の分野で使用され得る。
【0003】
より正確には、医療用内視鏡の制御ハンドルをアセンブリするための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
一般に、医療用内視鏡は、例えば特許出願 国際公開第2014/106510号明細書に記載されるように、挿入管が取り付けられている制御ハンドルを備える。この管は、人体の器官、空洞、又は導管を照らし、検査するための光学的視覚システムを設けている遠位頭部を備える。この遠位頭部の上流において、挿入管は、関節接続された骨格(vertebres articulees)により形成される屈曲構造又は先端偏向部(une structure de flexion ou partie de bequillage)であって、挿入管の内側に設けられる1つ又は複数の駆動ケーブルを用いて、遠位頭部の方向付けを可能にする屈曲構造又は先端偏向部を備える。各駆動ケーブルは、遠位頭部に固定される第1端と、第2端と、を備え、第2端において、ケーブルの摺動をもたらすように、ハンドルを備える制御機構が動作し、その結果、遠位頭部を方向付けるように、この先端偏向部を屈曲させる。
【0005】
従来、ハウジングは、文献 国際公開第2017/040692号明細書、欧州特許出願公開第2853202号明細書、米国特許出願公開第2019/350440号明細書に記載されるように、スナップ締結によって、又は、接着によって、又は、溶接によってアセンブリされる2つのハーフシェルから構成されている。これらの技術は、必ずしも制御ハンドルを確実で十分にアセンブリできるものではない。特に、内視鏡の使用中及び操作中には、(典型的には、制御ハンドルの近位部及び遠位部に位置する)接続コネクタに大きな力が加えられ、ハーフシェルを離れるように運動させる傾向にあり得る。さらに、制御ハンドルのハウジングの2つのハーフシェルをより確実にアセンブリする必要がある。有利には、2つのハーフシェルをアセンブリするための方法は、実行することが容易であり、廉価である。
【0006】
通常、ハウジングは、貫通開口を備える。内視鏡検査での使用に関して、制御ハンドルは、特にこれらの開口で、密封されていることが好ましい。この目的のために、ロータとステータとの間に配置される防水シールを備える、特に、遠位端及び近位端に配置される環状ゴムリングを備え得る内視鏡が、文献 欧州特許出願公開第2736399号明細書から公知である。この解決策は、ゴムリングを用意して位置付ける必要があるという欠点を有する。そのため、効果的で、簡単で、廉価な方法で、制御ハンドルの密封をもたらすことを可能にする方法が必要である。有利には、当該方法は、リングなどの要素のハウジングへの配置を必要としない。有利には、この方法は、2つのハーフシェルを確実に固定してアセンブリすることにも寄与する。
【0007】
通常、制御ハンドルは、挿入管にアセンブリされる。その際に、一方の他方に対する任意の運動を遮り、これにより、医療用内視鏡の使用中での任意の問題を回避するために、挿入管が制御ハンドルに取り付けられることが重要である。挿入管及び制御ハンドルを互いに確実に固定してアセンブリすることが必要である。有利には、この方法は、ハウジングの2つのハーフシェルを互いに固定して確実にアセンブリすることにも寄与する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、制御ハンドルのハウジングの2つのハーフシェルを互いに固定してアセンブリするための方法を提案することによって、先行技術の欠点を克服することを目的とする。そのような目的を達成するために、本発明に係る医療用内視鏡の制御ハンドル用のアセンブリ方法は、以下のステップ:
a)対向する2つのハーフシェル及び貫通開口を有するハウジングを備える制御ハンドルであって、各ハーフシェルが遠位部、近位部、及び外周接合縁を有する、制御ハンドルを提供することと、
b)2つのハーフシェルを互いに溶接するために、レーザエネルギービーム又は超音波を加えながら、2つのハーフシェルの外周接合縁の間に接触をもたらした状態で、2つのハーフシェルの間に圧力を加えることと、
を含む。
【0009】
本発明に係る方法は、有利には、特に貫通開口で、制御ハンドルの密封をもたらすことを可能にする。
【0010】
有利には、本発明に係る方法は、挿入管及び制御ハンドルを固定してアセンブリすることを可能にする。その結果、一度アセンブリされると、制御ハンドル内での挿入管の運動(並進又は回転)が可能でなくなる。
【0011】
本発明に係る方法は、有利には、以下の特徴のいずれか又はそれらの組合せ:
-少なくとも1つのハーフシェルの遠位部は、少なくとも1つのラグ有し、当該方法はさらに、以下のステップ:
-ステップa)とb)との間のステップa1)であって、挿入管を提供することからなる、ステップa1)と、
-ステップa1)とb)との間のステップa2)であって、少なくとも1つのラグと対向するように、制御ハンドルのハウジングの2つのハーフシェルの間に、挿入管を位置付けることからなる、ステップa2)と、
を含み、
-当該方法のステップb)は、少なくとも1つのラグが、制御ハンドル内で挿入管を遮ぎるように、挿入管を貫通させることを可能にする;
-少なくとも1つのエネルギー方向付け突起(au moins une saillie directrice d'energie)は、ハーフシェルの外周接合縁から突出してハーフシェルの外周接合縁を拡張する(l'au moins une saillie directrice d'energie s'etend en saillie a partir du bord peripherique de jonction de la demi-coque et dans le prolongement du bord peripherique de jonction de la demi-coque);
-ハーフシェルのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起をその遠位部に備え、ハーフシェルのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起をその近位部に備える;
-各貫通開口は、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起によって境界付けられる;
-少なくとも1つのエネルギー方向付け突起は、2つのハーフシェルのそれぞれの各貫通開口の境界に位置し、2つのハーフシェルがアセンブリされるときに、制御ハンドルの密閉をもたらすように、共にカラーを形成する;
-エネルギー方向付け突起は、先細りの突出部である;
-エネルギー方向付け突起は、先鋭(pointe)な形状、二重先鋭(double pointe)な形状、又はラグ(d'ergot)の形状である;
-当該方法はさらに、以下のステップ:
-ステップa)とb)との間のステップa3)であって、カラーの形状の少なくとも1つのエネルギー方向付け突起を備える少なくとも1つの挿入要素を提供することからなる、ステップa3)と、
-ステップa3)とb)との間のステップa4)であって、カラーの形状の少なくとも1つのエネルギー方向付け突起が貫通開口でハウジングと対向して位置するように、制御ハンドルのハウジングの2つのハーフシェルの間に、少なくとも1つの挿入要素を位置付けることからなる、ステップa4)と、
を含み、
-当該方法のステップb)は、挿入要素をハウジングに溶接して制御ハンドルの密封をもたらすように、カラーの形状の少なくとも1つのエネルギー方向付け突起の溶融に加え、カラーの形状の少なくとも1つのエネルギー方向付け突起の、挿入要素とハウジングとの間での介在を可能にする;
-挿入要素(17)として、ダブルルアーコネクタ、及び/又は、キャップ、及び/又は、プーリ、及び/又は、接続ケーブル、及び/又は、吸引コーンが存在する;
-2つのハーフシェルは、同じ材料から構成される;
-ハウジングのハーフシェルのうちの一方は、レーザに対して透明であり、ハウジングの他方のハーフシェルは、レーザに対してレーザに対して不透明である;
-ステップb)において、2つのハーフシェルの最終的な位置を制御するために、支持止具が外周接合縁から突出する;
-ステップb)において、超音波が加えられる;
を有する。
【0012】
本発明は、医療用内視鏡の制御ハンドルに関し、ハウジングの2つのハーフシェルは、それらの外周接合縁の全体または一部の溶融によって、及び/又は、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起の溶融によって、好ましくは、それらの遠位端及び近位端で、互いに溶接される。一実施形態によれば、これらの2つのハーフシェルは、ハウジングのそれぞれの貫通開口で互いに溶接される。本発明はまた、制御ハンドルに関し、2つのハーフシェルは互いに溶接され、制御ハンドルは、ハーフシェルのうちの少なくとも1つに位置付けられる1つ又は複数のラグの存在によって、挿入管にアセンブリされて、挿入管に挿入される。
【0013】
最後に、本発明は、本明細書に記載される制御ハンドルを備える医療用内視鏡に関する。
【0014】
様々な他の特徴は、非限定的な例として、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、以下に与えられる説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明に係る、制御ハンドルを備える医療用内視鏡の側面図である。
図2図2は、本発明に係る、制御ハンドルを備える医療用内視鏡の斜視図である。
図3図3は、本発明に係る医療用内視鏡の制御ハンドルのハウジングの2つのハーフシェルの斜視図である。
図4図4は、本発明に係る医療用内視鏡の制御ハンドルのハウジングの2つのハーフシェルの側面図である。
図5図5は、支持止具に加え、貫通開口にエネルギー方向付け突起を含む、本発明に係る医療用内視鏡の制御ハンドルのハウジングのハーフシェルの斜視図である。
図6図6は、本発明に係る医療用内視鏡の制御ハンドルのハウジングのハーフシェルの斜視図である。
図7図7は、ラグを設けている、図6に示されるハーフシェルの拡大図VIIである。
図8図8は、ハウジングのうちの一方のハーフシェルにあるラグが屈曲構造に挿入されている制御ハンドルの側面図である。
図9図9は、図8に示される制御ハンドルのIX-IX線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~4は、例として、例えば空洞又は管などの体の内部にアクセスするように設計されている医療用内視鏡1を示している。従来通り、医療用内視鏡1は、制御ハンドル3のハウジング4と接続される近位部2pを一方側に、遠位頭部5を備える遠位部2dを反対側に有する挿入管2を備える。ハウジング4は、対向する2つのハーフシェル6及び7から構成され、それぞれは、図3及び4に示されるように、遠位部6d及び7d、近位部6p及び7p、並びに外周接合縁6b及び7bをそれぞれ有する。アセンブリされる位置において、ハーフシェル6の外周接合縁6bは、ハーフシェル7の外周接合縁7bに対向して位置する。外周接合縁6b及び7bは、平坦な表面、又は、アセンブリ中にバッフルを形成し得る肩部を有することができ、これは、制御ハンドル3の密封に寄与する。
【0017】
第1実施形態によれば、ハーフシェル6及び7は、同じ材料から構成される。
【0018】
第2実施形態によれば、ハーフシェル6及び7は、異なる材料から構成される。好ましくは、この実施形態によれば、ハーフシェルのうちの一方は、レーザに対して透明であり、他のハーフシェルは、レーザに対して不透明である。
【0019】
挿入管2は、一時的又は半永久的に制御ハンドル3のハウジング4に取り付けられる。この挿入管2は、多少の長さ及び柔軟性を有し、治療、手術、又は診断の目的で、様々な作業を実施するために、自然又は人工のアクセルルート(voie d'acces naturelle ou artificielle)に導入されることを意図している。挿入管2は、半剛性材料から構成され、検査される導管の長さに適合した長さを有し、5cmと2mとの間の長さであり得る。挿入管2は、四角形、楕円形、又は円形などの様々な断面形状を有する。この挿入管2は、組織、ヒトの器官、又は医療器具(トロカール又はプローブ)と接触し、基本的に、患者により一回又は複数回使用されるためのものであり、さらには、除染、消毒、又は滅菌後に再使用可能なものである。
【0020】
本発明に係る医療用内視鏡1は、挿入管2の遠位部で像を照らして映し出す(apte a eclairer et a ramener une image de la partie distale du tube d'insertion 2)ことが可能な視覚システムを備える。したがって、内視鏡1は、制御ハンドル3の内側に設けられ、挿入管2の内部を遠位頭部5まで通る視覚システムを備える。
【0021】
従来通り、医療用内視鏡1はまた、挿入管2の長手軸Lに対して遠位頭部5を方向付けるための制御機構8を備える。この目的のために、挿入管2は、遠位頭部5の上流において、折り畳み又は先端偏向のための屈曲部9であって、挿入管2の長手軸Lに対する遠位頭部5の方向付けを可能にする、屈曲部9を備える。この折り畳み又は先端偏向のための屈曲部9は、挿入管2の長手軸Lに対する遠位頭部5の屈曲をもたらす任意の適切な材料から構成される。例えば、この折り畳み又は先端偏向のための屈曲部9は、バネによって、又は、互いに関節接続された環状骨格(vertebres tubulaires articulees)によって具現化される。
【0022】
制御機構8は、挿入管2が直線的である休止位置と、先端偏向部9が曲がっている先端偏向位置と、の間で、遠位頭部5が運動し得るように、任意の適切な方法で製造され得る。非限定的な例では、制御機構8は、仏国特許第3047887号明細書に記載される制御機構に対応し得る。この目的のために、制御機構8は、制御ハンドル3のハウジング4の外側からアクセス可能な手動制御レバー10を備える。この制御レバー10は、ハウジング4の内側に設けられるプーリ11などの少なくとも1つのピボット部であって、遠位頭部5に固定されるように、挿入管2の内側に設けられる少なくとも1つの、図示される例では2つの駆動ケーブル12が取り付けられる、少なくとも1つのピボット部を回転駆動させる。駆動ケーブル12の近位端12pは、直径平面に対して対称的に対向するように、ピボット部又はプーリ11に固定され、一方、駆動ケーブル12の遠位端12dは、遠位頭部5に取り付けられる。
【0023】
制御機構8は、例えば、遠位頭部5の左右又は上下運動をもたらすのに適する。図示される例では、制御レバー10は、回転ストロークを有するが、運動変換システムによって、ピボット部11の回転を生じさせる並進運動を有することも可能である。同様に、制御機構8は、3本又は4本の駆動ケーブル12を用いて、遠位頭部5の左右又は上下運動をもたらすのに適する。
【0024】
当然、駆動ケーブル12は、遠位頭部5の屈曲を導く運動伝達機能をもたらすように、任意の適切な方法で製造される。したがって、これらの駆動ケーブル12は、例えばロッド、ワイヤ、フィラメント、ストランド又はチェーンによって具現化され、例えば金属又は高分子材料から構成され得る。典型的には、駆動ケーブル12は、例えば0.1mmと2mmとの間の直径を有するステンレス鋼から構成される。
【0025】
制御ハンドル3のハウジング4は、その使用のために必要な様々な挿入要素17の通過を許容するように、貫通開口13を備える。非限定的な例では、ダブルルアーコネクタ、及び/又は、キャップ、及び/又は、プーリ、及び/又は、(任意でトレーを有する)接続ケーブル、及び/又は、吸引コーンが、挿入要素17として存在する。貫通開口13は、様々な形状とすることができ、概して、円形又は楕円形である。
【0026】
図5に示される本発明の好ましい実施形態によれば、ハウジング4の少なくとも1つのハーフシェル6又は7は、超音波又はレーザ溶接によって、2つのハーフシェル6及び7を互いに固定するために、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14を有する。エネルギー方向付け突起14は、超音波又はレーザ溶接中に、超音波エネルギーを方向付けて集中させる突出部である。そのため、エネルギー方向付け突起14は、超音波溶接又はレーザ溶接による、アセンブリ又は2つのハーフシェルの相互固定を容易にし得る。
【0027】
エネルギー方向付け突起14は、不連続又は連続した突出部であり、より更に効果的な(超音波又はレーザ)溶接を可能とするために、好ましくは先細りしている。例えば、エネルギー方向付け突起は、先鋭な形状又は二重先鋭な形状である。代替的には、エネルギー方向付け突起は、先細りの形状を有さず、例えば平坦な形状又は丸みを帯びた形状を有する。
【0028】
その一方で、エネルギー方向付け突起14は、タブ、連続したリブ、又は離間したリブの形状で、多かれ少なかれ相当な長さに亘って延在し得る。
【0029】
エネルギー方向付け突起の高さは、外周接合縁6b及び7bが(超音波又はレーザ)溶接後に接する又は概略接するようなものである。局所的な過剰厚さがないことによって、2つのハーフシェル6及び7の全周に亘る接触が妨げられない。
【0030】
好ましい実施形態によれば、1つ又は複数のエネルギー方向付け突起14は、ハーフシェルの外周接合縁から突出してハーフシェルの外周接合縁を拡張する(la ou les saillies directrices d'energie 14 s'etendent en saillie a partir du bord peripherique de jonction de la demi-coque et dans le prolongement du bord peripherique de jonction de la demi-coque)。
【0031】
本発明に関して、各エネルギー方向付け突起14は、ハウジング4のハーフシェル6若しくは7のうちの一方若しくは両方の、近位部6p若しくは7p、遠位部6d若しくは7d、及び/又は、これらの2つの部分の間(換言すれば、中央部)に位置し得る。好ましくは、ハーフシェル6又は7のうちの少なくとも1つの近位部及びハーフシェル6又は7のうちの少なくとも1つの遠位部はそれぞれ、少なくともエネルギー方向付け突起14を有する。
【0032】
特定の実施形態によれば、特に図3及び5に示されるように、エネルギー方向付け突起14は、ハーフシェル6及び7の近位部及び遠位部に位置し、外周接合縁から突出して、その外周接合縁を拡張する(et s'etendent en saillie a partir du bord peripherique de jonction et dans le prolongement du bord peripherique de jonction de celles-ci)。
【0033】
図示されていないが、1つ又は複数のエネルギー方向付け突起14は、遠位部及び/又は近位部における1つ又は複数のエネルギー方向付け突起14の存在に代えて、又は、これに加えて、少なくとも1つのハーフシェルの中央部に、換言すれば、ハーフシェルの近位部と遠位部との間に位置し得る。
【0034】
一実施形態によれば、エネルギー方向付け突起14は、別のエネルギー方向付け突起14と対向して位置されない。過剰な材料を避けるように、2つのエネルギー方向付け突起14の間に、間隔が設けられ得る。
【0035】
別の実施形態によれば、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14は、別のエネルギー方向付け突起14と対向して位置し得る。この場合、過剰な材料を避けることを望むのであれば、当業者は、エネルギー方向付け突起14の高さを制御し得るであろう。
【0036】
一実施形態によれば、エネルギー方向付け突起14は、同じハーフシェル6又は7にすべて位置する。代替的には、エネルギー方向付け突起14は、両方のハーフシェル6又は7に位置付けられ得る。
【0037】
エネルギー方向付け突起の数は限定されず、当業者によって調整され得る。
【0038】
好ましい実施形態によれば、エネルギー方向付け突起14は、制御ハンドル3のハウジング4と同じ材料から構成される。この実施形態によれば、ハーフシェル6及び7は、エネルギー方向付け突起14と同時に、成形によって製造され得る。
【0039】
好ましくはないが、エネルギー方向付け突起14は、制御ハンドル3のハウジング4の材料とは異なる材料から製造されることが可能である。この場合、エネルギー方向付け突起14は、例えば接着によって、又は、溶接によって固定される取り付け要素である。
【0040】
特定の実施形態によれば、1つ又は複数のエネルギー方向付け突起14は、2つのハーフシェル6及び7を互いに確実に固定し、制御ハンドルの密封をもたらすように、貫通開口13に存在し得る。
【0041】
好ましい実施形態によれば、貫通開口13に位置するエネルギー方向付け突起14は、連続しており、一度、挿入要素17がハウジング4にアセンブリされると、ハーフシェル6及び7と対向するように、挿入要素17(例えば、コネクタ、ケーブルなど)上に位置付けられる。そして、これらのエネルギー方向付け突起は、挿入要素17上でカラーを形成し、このカラー14aは、ハウジング4と挿入要素17との溶接を可能にすることを意図している。そして、典型的には、カラー14aの形状のこれらの1つ又は複数のエネルギー方向付け突起は、挿入要素17の周囲にある。
【0042】
好ましくはないが、貫通開口13に位置するエネルギー方向付け突起14は、連続しており、ハーフシェル6及び7上の各貫通開口13の周囲又は境界で対向するように位置付けられ得る。その結果、2つのハーフシェル6及び7がアセンブリされるときに、これらのエネルギー方向付け突起14は、共にカラー14aを形成する。
【0043】
どの実施形態であれ、カラー14aの形状のこれらのエネルギー方向付け突起は、2つのハーフシェル6及び7の確実なアセンブリを可能にするだけなく、貫通開口13での制御ハンドル3の密封をももたらす。
【0044】
特定の実施形態によれば、図6及び7に示されるように、少なくとも1つのハーフシェル6又は7の遠位部6d又は7dは、少なくとも1つのラグ又はスパイク15を有する。このラグ15は、先細りであっても、先細りでなくてもよい。このラグ15は、(超音波又はレーザ)溶接中に、挿入管2を貫通することを意図しており、これにより、任意の運動を遮るように、挿入管2を固定して確実に保持する。
【0045】
ラグ15の数は限定されない。図6及び7に示される例では、2つのラグがあるが、本発明の範囲内において、1つのラグ又は3つ以上のラグが可能である。
【0046】
図6及び7に示される例では、ラグ15は平板状である。この例は、限定的ではなく、他の形状が可能である(例えば、先鋭な形状又は円錐台状の形状)。
【0047】
好ましくは、ラグ15は、1つ又は複数のエネルギー方向付け突起14に近接して位置付けられる。
【0048】
図5に示される特定の実施形態によれば、支持止具16が、ハーフシェルのうちの少なくとも1つの外周接合縁から突出する。支持止具16は、もう一つのハーフシェルの外周接合縁と接触することを意図する平坦な上表面を有する突出要素である。これらの支持止具16の形状、配置、及び数は限定されない。図示される例では、支持止具16は、ハーフシェルの遠位部の外周接合縁全体に亘って規則的に配置されている。
【0049】
本発明は、医療用内視鏡1の制御ハンドル3をアセンブリするための方法に関し、以下のステップ:
a)対向する2つのハーフシェル6及び7並びに貫通開口13を有するハウジング4を備える制御ハンドル3であって、各ハーフシェル6及び7が遠位部6d及び7d、近位部6p及び7p、並びに外周接合縁6b及び7bを有する、制御ハンドル3を提供することと、
b)2つのハーフシェル6及び7を互いに溶接するために、レーザエネルギー又は超音波ビームを加えながら、2つのハーフシェル6及び7の外周接合縁6b及び7bの間の接触をもたらした状態で、2つのハーフシェル6及び7の間に圧力を加えることと、
を含む。
【0050】
ステップa)の制御ハンドルは、本明細書の冒頭に記載される通りである。
【0051】
本発明による方法に関して、2つのハーフシェル6及び7は、レーザエネルギービーム又は超音波エネルギービームの印加によって実現される溶接によって取り付けられ得る。
【0052】
第1実施形態によれば、ステップb)における溶接は、レーザによって実現される。この実施形態によれば、制御ハンドル3のハウジング4の第1のハーフシェル6又は7は、レーザに対して透明であり、一方、第2のハーフシェルは、レーザに対して不透明である。したがって、レーザビームは、(レーザに対して不透明な)第2のハーフシェルの対象領域に到達するまで、(レーザに対して透明な)第1のハーフシェルを通過するように位置付けられる。レーザの印加によって、レーザエネルギービームによる対象領域が加熱されることで、(溶融によって)対象領域を軟化させることができ、これは、圧力の同時印加によって溶接を生成することを可能にする。冷却及び硬化の後に、2つのハーフシェルは、対象領域で互いに固定してアセンブリされる。
【0053】
本発明の第2実施形態によれば、2つのハーフシェル6及び7は、超音波溶接によって溶接される。この実施形態によれば、2つのハーフシェルは、有利には、同じ材料から構成されるが、2つのハーフシェルを異なる材料から構成することも可能である。同様に、超音波の印加によって、超音波エネルギービームによる対象領域が加熱されることで、(溶融によって)対象領域を軟化させることが可能であり、これは、圧力の同時印加及び冷却により生じる硬化によって溶接を生成することを可能にする。
【0054】
溶接に採用されるエネルギー(超音波又はレーザ)が何であれ、制御ハンドル3のハウジング4のハーフシェル6及び7のうちの少なくとも1つが、1つ又は複数のエネルギー方向付け突起14を備えるか、そうでなければ、ハーフシェル6及び7はいずれも、エネルギー方向付け突起14がないかのいずれかである。
【0055】
第1実施形態によれば、ハーフシェル6及び7は、エネルギー方向付け突起を備えていない。その際には、溶接の対象領域は、ハーフシェルの外周接合縁の全部又は一部である。この実施形態によれば、ステップb)を行うために、2つのハーフシェル6及び7は、2つのハーフシェル6及び7の外周接合縁6b及び7bが互いに対向するように配置される。外周接合縁6b及び7bでのレーザエネルギービーム又は超音波エネルギーの印加によって、外周接合縁6b及び7bが軟化する。軟化した部分は、圧力の印加によって変形し、これは、その後の冷却で、2つのハーフシェルが互いに溶接されることを可能にする。より具体的には、(溶融によって)軟化した材料は、冷却中に硬化し、2つのハーフシェル6及び7の間に固定された剛性の連結部を形成する。溶接は、外周接合縁全体に亘って、又は、超音波又はレーザが加えられた外周接合縁の部分に生成される。
【0056】
第2実施形態によれば、ハーフシェルのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14を備える。そして、対象領域は、1つ又は複数のエネルギー方向付け突起14からなる。そして、本発明は、医療用内視鏡1の制御ハンドル3をアセンブリするための方法に関し、以下の連続するステップ:
a’)対向する2つのハーフシェル6及び7並びに貫通開口13を有するハウジング4を備える制御ハンドル3であって、各ハーフシェルが遠位部6d及び7d、近位部6p及び7p、並びに外周接合縁6b及び7bを有し、ハーフシェル6及び7のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14を有する、制御ハンドル3を提供することと、
b’)ハーフシェル6及び7の間で、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14の介在をもたした状態で、ハーフシェル6及び7の間に圧力を加え、2つのハーフシェルを互いに溶接するために、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14を溶かすように、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14に超音波又はレーザエネルギーを加えることと、
を含む。
【0057】
ステップb’)を行うために、2つのハーフシェル6及び7は、2つのハーフシェル6及び7の外周接合縁6b及び7bが互いに対向するように配置される。その結果、あるハーフシェルの1つ又は複数のエネルギー方向付け突起14は、第2のハーフシェルの外周接合縁と対向する。
【0058】
ステップb’)において、2つのハーフシェル6及び7のうちの少なくとも1つに、2つのハーフシェル6及び7を互いにより近接するように運動させ、2つのハーフシェル6及び7の間での少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14の介在をもたらすように、圧力が加えられる。
【0059】
ステップb’)におけるレーザエネルギー又は超音波の印加によって、エネルギー方向付け突起14の軟化が可能となる。その結果、2つのハーフシェル6及び7への圧力の印加によって、軟化したエネルギー方向付け突起14が変形し、2つのハーフシェル6及び7の外周接合縁6b及び7bが互いにより近接するように運動し、その後に接触することが可能となる。超音波又はレーザの印加(ステップb’))の終了の後に、エネルギー方向付け突起14の軟化した材料は硬化し、2つのハーフシェル6及び7の間に固定された剛性の連結部を形成する。
【0060】
ステップb’)において、溶接が超音波溶接であるとき、対象領域の位置に応じて、1つ又は複数のソノトロードを用いて、圧力及び超音波が加えられる。
【0061】
どの実施形態であれ(レーザ溶接であろうと超音波溶接であろうと)、1つ又は複数のエネルギー方向付け突起があろうとなかろうと、支持止具16がハウジング4のハーフシェル6及び7のうちの少なくとも1つの外周接合縁にあるときには、支持止具16によって、ハーフシェル6及び7の互いに対する位置を調製することが可能になる。
【0062】
制御ハンドル3のハウジング4が、2つのハーフシェル6及び7のうちの少なくとも1つの遠位部に、少なくとも1つのラグ15を備えるときには、本発明に係る方法は、その際に、以下のステップ:
a’’)対向する2つのハーフシェル6及び7並びに貫通開口13を有するハウジング4を備える制御ハンドル3であって、各ハーフシェルが遠位部、近位部、及び外周接合縁を有し、ハーフシェル6及び7のうちの少なくとも1つの遠位部が、少なくとも1つのラグ15を有する、制御ハンドル3を提供することと、
a1)挿入管2を提供することと、
a2)少なくとも1つのラグ15と対向するように、制御ハンドル3のハウジング4の2つのハーフシェル6及び7の間に、挿入管2を位置付けることと、
b’’)2つのハーフシェル6及び7の外周接合縁6b及び7bの間に接触をもたらした状態で、2つのハーフシェルの間に圧力を加え、2つのハーフシェル6及び7を互いに溶接するように、レーザエネルギー又は超音波エネルギーのビームを加え、制御ハンドル3内で挿入管2を遮るように、少なくとも1つのラグ15を挿入管に貫通させることと、
を含む。
【0063】
制御ハンドル3のハウジング4が、2つのハーフシェル6及び7のうちの少なくとも1つの遠位部において、エネルギー方向付け突起に加え、少なくとも1つのラグ15を備えるときには、本発明に係る方法は、その際に、以下のステップ:
a’’’)対向する2つのハーフシェル6及び7並びに貫通開口13を有するハウジング4を備える制御ハンドル3であって、各ハーフシェルが遠位部、近位部、及び外周接合縁を有し、ハーフシェル6及び7のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14を有し、ハーフシェル6及び7のうちの少なくとも1つの遠位部が、少なくとも1つのラグ15を有する、制御ハンドル3を提供することと、
a1)挿入管2を提供することと、
a2)少なくとも1つのラグ15と対向するように、制御ハンドル3のハウジング4の2つのハーフシェル6及び7の間に、挿入管2を位置付けることと、
b’’’)2つのハーフシェルの間での少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14の介在をもたらした状態で、2つのハーフシェルの間に圧力を加え、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14を溶かして2つのハーフシェル6及び7を互いに溶接するように、少なくとも1つのエネルギー方向付け突起14にレーザエネルギー又は超音波エネルギーのビームを加え、制御ハンドル3内で挿入管を遮るように、少なくとも1つのラグ15を挿入管に貫通させることと、
を含む。
【0064】
ステップb’’)又はb’’’)中に、レーザエネルギー又は超音波ビームのビームによる1つ又は複数の対象領域(外周縁又はエネルギー方向付け突起14)が軟化し、図8及び9に示されるように、ラグ15が挿入管2を貫通するまで、挿入管2とラグ15との互いにより近接する運動に加え、2つのハーフシェル6及び7の互いにより近接する運動が可能となる。そして、この方法は、2つのハーフシェル6及び7を互いに確実且つ容易に取り付けることだけでなく、制御ハンドル3内での挿入管2の任意の運動(並進又は回転)を遮ることをも可能にする。
【0065】
本発明の特定の実施形態によれば、制御ハンドルをアセンブリするための方法は、本明細書でこれまでに記載されていることに加え、例えば、ダブルルアーコネクタ、キャップ、プーリ、接続ケーブル、又は吸引コーンなどの挿入要素17のアセンブリを含む。この実施形態によれば、挿入要素17は、上述のように、カラー14aの形状の少なくとも1つのエネルギー方向付け突起を備える。当該方法は、以下のステップ:
ステップa)(又はa’)又はa’’)又はa’’’))とステップb)(又はb’)又はb’’)又はb’’’))との間のステップa3)であって、カラー14aの形状の少なくとも1つのエネルギー方向付け突起を備える少なくとも1つの挿入要素17を提供することからなる、ステップa3)と、
ステップa3)とステップb)(又はb’)又はb’’)又はb’’’))との間のステップa4)であって、カラー14aの形状の少なくとも1つのエネルギー方向付け突起が、ハウジング4を構成する、アセンブリされる2つのハーフシェルと対向して位置するように、貫通開口13で、少なくとも1つの挿入要素17を位置付けることからなる、ステップa4)と、
を含む。
そして、ステップb)(又はb’)又はb’’)又はb’’’))中に、カラー14aの形状の1つ又は複数のエネルギー方向付け突起が、挿入要素17とハウジング4との間に介在するように、挿入要素17をハウジング4に溶接して制御ハンドル3の密封をもたらすように、少なくとも1つのカラー14aの溶融を生じさせるためのレーザビーム又は超音波を加えながら、圧力がもたらされる。
【0066】
本発明に係る方法がステップa1)~a4)を含むときには、ステップa2)及びa4)は、好ましくは同時に行われる。対照的に、ステップa1)及びa3)の順序は重要ではなく、これらは、有利には、ステップa2)及びa4)の前にそれぞれ行われる。
【0067】
本発明はまた、上述の方法によって得られる制御ハンドル3に関する。より正確には、制御ハンドル3は、ハウジング4の2つのハーフシェル6及び7が互いに溶接されるものである。一実施形態によれば、これらの2つのハーフシェル6及び7によって形成されるハウジング4は、単一の材料から構成され、換言すれば、2つのハーフシェル6及び7並びにこれらを連結する溶接部は、同じ材料からなる。別の実施形態によれば、これらの2つのハーフシェル6及び7によって形成され、互いに溶接されるハウジング4は、2つ以上の別個の材料からなる。
【0068】
本発明の有利な実施形態によれば、2つのハーフシェル6及び7は、それらの遠位部及び近位部で溶接される。さらに、2つのハーフシェル6及び7は、それらの中央部で溶接され得る。代替的に、溶接は、外周接合縁全体に沿って連続的であり得る。
【0069】
本発明の有利な実施形態によれば、2つのハーフシェル6及び7は、1つ又は複数の貫通開口13でも、好ましくは、各貫通開口13でも溶接される。有利には、貫通開口13で行われる溶接は、少なくとも1つのカラー14aの存在によって密封される。
【0070】
好ましい実施形態によれば、制御ハンドル3は、挿入管2とアセンブリされる。この実施形態によれば、ハウジングに対する挿入管の任意の運動は、ハウジング4のハーフシェルのうちの少なくとも1つの遠位部から突出する少なくとも1つのラグ15の存在によって遮られ、ハウジング4は、挿入管2に挿入される。
【0071】
本発明はまた、挿入管2と、1つ又は複数の貫通開口13で1つ又は複数の挿入要素17と、にアセンブリされる制御ハンドル3に関する。この本発明の特定の実施形態によれば、各挿入要素17は、少なくとも1つのカラー14aの存在によって、固定して確実にアセンブリされる。このカラー14aは連続的であり、これはまた、制御ハンドル3の密封をもたらし得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】