(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】CO2を含むガスフローを冷却するための設備及びそのような設備を使用する方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/18 20060101AFI20241128BHJP
B01D 47/14 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B01D53/18 130
B01D47/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534637
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2022082837
(87)【国際公開番号】W WO2023110329
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ルクレール,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】カロロ,ジャン ルイジ
(72)【発明者】
【氏名】ハルバル,アシュラフ
【テーマコード(参考)】
4D020
4D032
【Fターム(参考)】
4D020AA05
4D020AA06
4D020AA07
4D020BA01
4D020BA08
4D020BA09
4D020BA23
4D020BB03
4D020BC04
4D020CB08
4D020CC09
4D020CD02
4D020DA03
4D020DB02
4D020DB03
4D020DB04
4D032BB07
(57)【要約】
【解決手段】 CO
2、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガスフロー(1)を冷却するための設備が、スクラビング塔(3)、ガスフローを第1温度で塔の底部に搬送するためのパイプ、水を、第1温度未満である第2温度で、スクラビング塔の頂部の第1レベルに搬送するためのパイプ(13)、ポンプ(7)、タンク水を除去するためにカラム(5)のタンクに及びタンクから除去された水を加圧するためにポンプに接続されているパイプ、並びにポンプの下流で水を引き出すための手段(21)を含み、これらの手段は、加圧された水を第3温度で塔において第1レベルより高い第2レベルに位置する間接熱交換器(25)に搬送するために塔に接続されており、第3温度は第2温度より高いが第1温度未満である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO
2、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガス流(1)を冷却するための設備であって、スクラビング塔(3)、前記ガス流を第1温度で前記塔の底部に送るためのダクト、水(13)を、前記第1温度未満である第2温度で、前記スクラビング塔の頂部の第1レベルに送るためのダクト、ポンプ(7)、前記底部の水(5)を取り除くためにカラムの底部端に及び前記底部端から除去された前記水を加圧するために前記ポンプに接続されているダクトを含む設備において、前記設備が、前記ポンプの下流で水(21)を引き出すための手段を含み、これらの手段が、前記加圧された水を第3温度で前記塔において前記第1レベルより高い第2レベルに位置する間接熱交換器(25)に送るために、前記塔に接続されており、前記第3温度が前記第2温度より高いが前記第1温度未満であることを特徴とする、設備。
【請求項2】
前記設備が加熱器(29)を含み、前記ポンプにより加圧された水をそこに送るように及び前記加熱器において加熱された前記水を前記間接熱交換器に送るように、前記手段が、前記加圧された水(21)を前記第3温度で前記加熱器に接続されている前記間接熱交換器(25)に送るように前記塔に接続される、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記塔(3)が、前記第1レベルより下及び前記第1及び第2レベルの間に配置されるが好ましくは前記第2レベルより上には配置されない質量及び熱交換要素を含む、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項4】
CO
2、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガス流(1)を冷却するための方法であって、前記ガス流が第1温度でスクラビング塔(3)の前記底部に送られ、前記ガス流が、前記スクラビング塔の前記頂部の第1レベルに前記第1温度未満である第2温度で送られた水(13)でスクラブされ、水の少なくとも部分的に浄化されたガス(17)が、前記第1温度未満の温度で及び好ましくはその露点より高い温度で前記塔の前記頂部で除去され、水(5)が前記スクラビング塔の前記底部端で除去されるとともにポンプ(7)において加圧され、前記ポンプにより加圧された水(21)が、冷却される必要なしに、第3温度で、前記塔において前記第1レベルより高い第2レベルに位置する間接熱交換器(25)に送られ、前記第3温度が前記第2温度より高いが前記第1温度未満であり、前記水の前記第1部分が、前記スクラビング塔の前記頂部に熱を導入するために前記間接熱交換器において冷却される、方法。
【請求項5】
前記熱交換器(25)において冷却された前記水(21)の少なくとも一部が、加圧された水と混合され、冷却器(9)において冷却され、好ましくは処理ユニットに送られる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記塔の前記頂部で除去された前記ガス(17)が、固体不純物を取り除くためにフィルタ(19)に送られる、請求項4又は5のいずれかに記載の方法
【請求項7】
前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記第3温度に達するように前記加圧の下流で加熱されない、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記第3温度に達するように前記加圧の下流で加熱される、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記フィルタ(19)において濾過された前記ガスとの間接熱交換により加熱され、次いで圧縮器(27)において圧縮される、請求項6又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記塔(3)の上流での前記ガス流(1)との間接熱交換により加熱される、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CO2、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガス流を冷却するための設備、及びこのような設備を実装する冷却方法に関する。冷却は水スクラビングにより実施されるとともにまた、ガス流を、それが含むガス不純物及び/又は粒子の一部を除去することにより浄化する効果を有し得る。
【背景技術】
【0002】
CO2を含むということは、乾燥重量基準で10mol%を上回るCO2の含有量を意味すると理解される。
【0003】
ヒトに由来するCO2の大気中への排出を減少させるために、所与のプロセスにおいて生じたCO2を捕捉するためのプロセスが開発されてきた。これはプロセスにより生じたガスからCO2を抽出し、それを浄化し、最後に、一般的に、それをパイプラインで輸送するためにそれを圧縮するという問題である。この処理には、ガスが水スクラビング塔において冷却及び/又は浄化されることが必要とされることが多い。
【0004】
CO2捕捉プロセスにおいて処理されたガス流は通常は高温及び大気圧に近い低圧で利用可能である。処理の前に、欧州特許第0503910号明細書に記載のとおり通常は水との直接接触によりそれらを冷却することが必要であり、その理由はこの解決策により圧力損失を最小化することが可能になるためである。フィルタがこのスクラビング塔の下流で使用される場合(粒子を多く含むガス流、例えばセメント又は石灰製造により又は石炭からの発電により生じたものなどの場合)、ガス流は、フィルタの壁に、それを詰まらせるとともに動的フィルタの場合において潜在的にはその再生をブロックし得る、湿った「ケーク」が形成されるのを回避するために、その露点に対して過熱されなければならない。本発明はこの過熱を実施するために最適な解決策を提案する。
【0005】
[
図1]は、例えば少なくとも乾燥重量基準でCO
2、並びにまた水及び少なくとも1つの他の成分、例えば窒素、酸素、アルゴン、任意選択的にダストなど粒子形状の固体不純物、及び任意選択的に酸性化合物、例えばNO
X、SO
X、ハロゲン化合物を含む、CO
2を豊富に含んだフロー1を浄化するための水スクラビングプロセスを示す。
【0006】
高温で大気圧に近い圧力のフロー1は、スクラビングカラム3において水13のフローによりスクラブされる。水13はカラムの頂部に送られて、ガスを冷却するとともにガス1に存在する不純物を減らし、5~70℃、すなわちその露点の浄化されたガス17、及びポンプ7により加圧され、加熱され、2つに分割される、主に水である、底部液体5を生じさせる。一部分11が浄化されるために取り出され、残りの部分13はバルブ15における膨張後にカラム3の頂部に送られる。
【0007】
浄化された部分は、プロセスの様々な回路を供給するために浄化後に再生利用(図示せず)されてもよく、又は設備の外側に排出されてもよい。
【0008】
塔の下流でダクトの壁に硫酸が堆積するのを回避するためにスクラビング塔において冷却されたガスを加熱することが、「Steam:Its Generation and Use」第41版、2005、Babcock and Wilcoxから知られている。熱交換器内での加熱のための蒸気の使用が言及されている。
【0009】
水でのスクラビングによる熱交換後に、スクラビング塔の上部分に直接設置された熱交換器によりスクラビング塔に由来するガスを加熱することを考えることが可能であり得る。この解決策により、専用の熱交換器を含む解決策と比べて圧力損失を最小化することが可能となり得る。さらに、これらの交換器のサイズを最小化するため(したがってガス流側で引き起こされる圧力損失を最小化するために)、選択された高温の流体は凝縮蒸気(単位面積当たりより大きい熱強度のために)又は極めて高温の水であり得る。
【0010】
他の場合において、蒸気又は極めて高温の水が利用可能でないとき、同じ理由(高い熱強度、したがって小さい圧力損失)のため、電気熱交換器がこの過熱を実施するために使用され得る。
【0011】
蒸気又は極めて高温の水が存在しないとき、電気的に加熱された熱交換器の使用は、加熱されることになる大流量の結果としてユニットの電気消費を極めて著しく増加させる。これによりこの解決策は高価となり過ぎ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の1つの目的は設備の加熱コストを低下させることである。
【0013】
本発明の別の目的は、プロセスの電気消費を低下させることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明により、ガス流における極めて小さい圧力損失を確実にしながらほぼゼロのエネルギーコストでガス流を加熱することが可能となり、その理由は、ガス流は、追加的な処理及び分離を実施するために圧縮器において圧縮されなければならないからである。大きな圧力損失は、圧縮中のより大きいエネルギー消費及びまた圧縮器のサイズ及びその投資コストの増加を示唆する。
【0015】
本発明の1つの主題によると、CO2、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガス流を冷却するための設備であって、スクラビング塔、ガス流を第1温度で塔の底部に送るためのダクト、水を、第1温度未満である第2温度で、スクラビング塔の頂部の第1レベルに送るためのダクト、ポンプ、底部の水を取り除くためにカラムの底部端に及び底部端から除去された水を加圧するためにポンプに接続されているダクトを含む設備において、設備が、ポンプの下流で水を引き出すための手段を含み、これらの手段が、加圧された水を第3温度で塔において第1レベルより高い第2レベルに位置する間接熱交換器に送るために塔に接続されており、第3温度が第2温度より高いが第1温度未満であることを特徴とする設備が提供される。
【0016】
他の任意選択の態様によると、
・設備は加熱器を含み、ポンプにより加圧された水をそこに送るように及び加熱器において加熱された水を間接熱交換器に送るように、手段が、加圧された水を第3温度で加熱器に接続されている間接熱交換器に送るように塔に接続される。
・塔は、第1レベルより下及び第1及び第2レベルの間に配置されるが好ましくは第2レベルより上には配置されない質量及び熱交換要素を含む。
【0017】
本発明の別の主題によると、CO2、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガス流を冷却するための方法であって、ガス流が第1温度でスクラビング塔の底部に送られ、ガス流が、スクラビング塔の頂部の第1レベルに第1温度未満である第2温度で送られた水でスクラブされ、水の少なくとも部分的に浄化されたガスが、第1温度未満の温度で及び好ましくはその露点より高い温度で塔の頂部で除去され、水がスクラビング塔の底部端で除去されるとともにポンプにおいて加圧され、ポンプにより加圧された水が、冷却される必要なしに、第3温度で塔において第1レベルより高い第2レベルに位置する間接熱交換器に送られ、第3温度が第2温度より高いが第1温度未満であり、水の第1部分が、スクラビング塔の頂部に熱を導入するために間接熱交換器において冷却される方法が提供される。
【0018】
他の任意選択の態様によると、
・熱交換器において冷却された水の少なくとも一部は、加圧された水と混合され、冷却器において冷却され、好ましくは処理ユニットに送られる。
・塔の頂部で除去されたガスは固体不純物を取り除くためにフィルタに送られる。
・設備は、第3温度に達するように加圧の下流で熱交換器に送られた水を加熱するための手段を含まない。
・設備は、第3温度に達するように加圧の下流で熱交換器に送られた水を加熱するための手段を含む。
・設備は、第3温度に達するように加圧の下流で熱交換器に送られた水を冷却するための手段を含まない。
・熱交換器に送られた水は貯蔵部に由来する。
・ダクトは熱交換器とポンプの出口とを接続する。
・熱交換器に送られた水は、第3温度に達するように加圧の下流で加熱される。
・熱交換器に送られた水は、フィルタにおいて濾過されたガスとの間接熱交換により加熱され、次いで圧縮器において圧縮される。
・熱交換器に送られた水は塔の上流でのガス流との間接熱交換により加熱される。
・第2温度でスクラビング塔の頂部の第1レベルに送られた水は、苛性ソーダ又は重炭酸ナトリウムなどの化学的試薬の追加により予め処理されている。
・第1温度は100~200℃である。
・第2温度は3℃~37℃である。
・第3温度は40~115℃である。
・第3温度は40~95℃である。
・第2及び第3温度は、少なくとも30℃、又はさらには少なくとも60℃異なる。
・塔のベースに到達するガス流の圧力は0.9~2.0baraである。
・水はポンプにより2.0~10.0baraの圧力まで加圧される。
・水の少なくとも部分的に浄化されたガスは、その露点より5~15℃、好ましくは10℃高い温度で塔の頂部で除去される。
・水の、塔の底部端で除去されるとともに加圧される部分は、第1レベルに送られるスクラビング水を形成するために冷却される。
・冷却器は、第1レベルに送られた水を第2温度まで冷却する働きをする。
【0019】
本発明は、主に、
・約50~80℃でスクラビング塔の底部端で水の少なくとも一部を回収すること。この水は、スクラビング塔内で冷却を実施するためにカラムの頂部端に送られ得る。しかしながら、本発明との関連において、これは冷却前に(又は冷却器が無い場合は冷却なしで)回収される。この水はスクラビング塔の入口でのガス流の圧力に極めて近い圧力で利用可能である。
・この水を0.9~2.0baraの圧力範囲から2.0~10.0baraの圧力範囲で圧送すること
・5~70℃で利用可能なスクラビング塔の出口でガス流を約5~15℃及び優先的に10℃加熱するために、水をスクラビング塔の頂部端で熱交換器に注入すること
からなる。
【0020】
この部分的に加熱された水の温度は低すぎること及び熱交換器に注入される量は所望の熱交換を確実にするには極めて多いことが証明され得る。これは、ガス流1が比較的冷たく(例えば冬)、極めて局所的にしか水を加熱できないときに起こり得る。この場合において、熱交換器を増やすことが必要であり、これはガス流側での圧力損失を増大させ、それを大きくし過ぎる。水のフローを減少させる、したがって熱交換器の数を制限するために、このとき熱交換器への注入の前に水の温度を上昇させることが必要である。これを行うために、関心のある順で複数の解決策が考えられる、すなわち、
・フィルタの下流で圧縮されたガス流に対する部分的に高温の水の加熱。この場合において、加圧された水は、圧縮器の1つ又は複数の冷却器内の冷却水に部分的に取って代わる。したがって、熱は、圧縮エネルギーに由来するため、不可避であるため、無償である。圧縮されたガス流は50~120℃に達するため、加圧された水は、したがって45~115℃に達し得る。加圧された水は、冷却水ほど冷却することを可能にしないため、圧縮されたガス流の冷却は冷却水により補充され得ることに留意することが重要である。下位変形形態において、加圧された水及び冷却水による圧縮されたガス流の冷却は、同一交換器において行われ得る。これは、したがってこの熱統合の投資を限定する。
・典型的には100~200℃となる、スクラビング塔の上流のガス流に対する加圧された水の加熱。熱はまた通常はスクラビング塔において放散されるため、そこでは無償である。他方で、この解決策はガス流側での圧力損失を伴う。
【0021】
無視できるほどのエネルギーコストでの加熱の他に、この解決策はまた、必要な装置の数が少ない、すなわち、提供されなければならないのはスクラビング塔の頂部端の熱交換器、及び場合により圧縮されたガス流でも熱交換器のみであるため、極めて経済的である。
【0022】
本発明は図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、例えば少なくとも乾燥重量基準でCO
2、並びにまた水及び少なくとも1つの他の成分、例えば窒素、酸素、アルゴン、任意選択的にダストなど粒子形状の固体不純物、及び任意選択的に酸性化合物、例えばNO
X、SO
X、ハロゲン化合物を含む、CO
2を豊富に含んだフロー1を浄化するための水スクラビングプロセスを示す。
【
図2】
図2は、水スクラビング塔においてガス流を冷却するための設備を表す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[
図2]は、少なくとも乾燥重量基準で10mol%のCO
2含有量を有するガス流1が底部端に供給される水スクラビング塔3を示す。ガス流は、水並びに少なくとも1つの他の成分、例えばNOx、SOx、窒素、酸素、アルゴン、水素、一酸化炭素及び粒子形状の固体不純物、例えばダストを含む。ガス流は、大気圧に近い圧力、例えば0.9~2.0bara及び100~200℃の予温度で塔に到着する。
【0025】
塔は、構造化されたパッキングなど熱及び質量交換を促進するための手段を含む。ガス流は塔内を上昇するとともに水と直接接触することにより冷却される。塔の底部端の水5はガス流1に含まれる水の大部分を含むとともに、ガス流の、水により吸収された固体不純物及び/又は構成要素を含み得る。水5は40~95℃、好ましくは50~80℃の温度である。
【0026】
水5は、ポンプ7により2.0~10.0baraの圧力まで加圧され、次いで、圧送によっての他に加熱されることなしに及び冷却される必要なしに2つの部分に分割される。第1部分21は、調整バルブ23を通って、スクラビング塔において、第2レベルに、好ましくは質量及び熱交換を促進するための手段より上に配置された間接熱交換器内へと送られる。交換器25における水は、交換器25に到着時40~95℃の第3温度であり、そこで塔3内を上昇しているガス流を加熱することにより冷却され、加熱されたガス流17は塔を離れるとともに、それが含む固体不純物を取り除くためにフィルタ19に送られ、これらの不純物は、場合によりガス流1に存在しているか塔3において回収又は生成されたものである。
【0027】
水21の温度は、カラム内を上昇しているガス流を加熱することを可能にし、その結果、塔を離れるガス流17は5~15℃及び優先的に10℃上昇し、スクラビング塔3の出口のガス流17は、ガス流が塔の頂部で加熱されない先の場合において5~70℃で利用可能となる。したがって、ガス流17はその露点より5~15℃、好ましくは10℃高い。
【0028】
圧送された水の第2部分は調整バルブ22を通過するとともに、フロー13及びフロー11を形成するように分割される前に冷却器9により冷却される。フロー13は、調整バルブ15を介してスクラビング塔の、第1部分21の到着点である、第2レベルより下の第1レベルに送られる。
【0029】
第2温度でスクラビング塔3の頂部の第1レベルに送られた水13は、苛性ソーダ又は重炭酸ナトリウムなどの化学的試薬の追加により予め処理されている。例に示されるとおり、特にこの水が塔の底部端に由来するときに、これは水のpHを上昇させるとともに、SOxの減少を確実にする。
【0030】
第2及び第3温度は、好ましくは少なくとも30℃、又はさらには少なくとも60℃異なる。
【0031】
熱交換器25において冷却された水21は、フロー11と混合される。依然として過度に高温であるため、交換器25において冷却された水21はスクラビングのために使用されない。
【0032】
質量及び熱交換要素は、第1レベルより下及び第1及び第2レベルの間に配置されるが好ましくは第2レベルより上には配置されない。
【0033】
間接熱交換器25は好ましくはヘアピン熱交換器タイプのものであり、水は、1つ又は複数のチューブにおいて循環するとともに1つ又は複数のチューブの1つ又は複数の外壁と接触してガスと熱交換する。
【0034】
本例において、スクラビングのために使用される水は、塔の底部端に由来する。しかしながら、別の源、例えば貯蔵部に由来する水をスクラビング水として使用することが可能である。
【0035】
[
図3]における変形形態において、水21の第1部分はスクラビング塔3に直接送られないが、圧縮器27の下流の熱交換器29における間接熱交換により熱を回収する。圧縮器27はフィルタ19を離れるガス流17を圧縮する働きをし、生じた圧縮熱は、水21の第1部分であって、その上流が熱交換器25に送られている水21の第1部分を加熱する働きをする。圧縮器27を離れるガス流は50~120℃であるため、この圧縮されたガス流により加熱された水21は、したがって、45~115℃に到達し得る。したがって、ガス流17は、その露点より5~15℃、好ましくは10℃高い。
【0036】
圧縮されたガス17は好ましくは、水21との熱交換がそれを冷却するのに十分でない場合、別の冷却器に送られる。
【0037】
示されたとおり、この解決策は、ガス流が比較的低温度であるとき、例えば冬に特に有用である。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO
2、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガス流(1)を冷却するための設備であって、スクラビング塔(3)、前記ガス流を第1温度で前記塔の底部に送るためのダクト、水(13)を、前記第1温度未満である第2温度で、前記スクラビング塔の頂部の第1レベルに送るためのダクト、ポンプ(7)、前記底部の水(5)を取り除くためにカラムの底部端に及び前記底部端から除去された前記水を加圧するために前記ポンプに接続されているダクトを含む設備において、前記設備が、前記ポンプの下流で水(21)を引き出すための手段を含み、これらの手段が、前記加圧された水を第3温度で前記塔において前記第1レベルより高い第2レベルに位置する間接熱交換器(25)に送るために、前記塔に接続されており、前記第3温度が前記第2温度より高いが前記第1温度未満であることを特徴とする、設備。
【請求項2】
前記設備が加熱器(29)を含み、前記ポンプにより加圧された水をそこに送るように及び前記加熱器において加熱された前記水を前記間接熱交換器に送るように、前記手段が、前記加圧された水(21)を前記第3温度で前記加熱器に接続されている前記間接熱交換器(25)に送るように前記塔に接続される、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記塔(3)が、前記第1レベルより下及び前記第1及び第2レベルの間に配置されるが好ましくは前記第2レベルより上には配置されない質量及び熱交換要素を含む、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項4】
CO
2、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガス流(1)を冷却するための方法であって、前記ガス流が第1温度でスクラビング塔(3)の前記底部に送られ、前記ガス流が、前記スクラビング塔の前記頂部の第1レベルに前記第1温度未満である第2温度で送られた水(13)でスクラブされ、水の少なくとも部分的に浄化されたガス(17)が、前記第1温度未満の温度で及び好ましくはその露点より高い温度で前記塔の前記頂部で除去され、水(5)が前記スクラビング塔の前記底部端で除去されるとともにポンプ(7)において加圧され、前記ポンプにより加圧された水(21)が、冷却される必要なしに、第3温度で、前記塔において前記第1レベルより高い第2レベルに位置する間接熱交換器(25)に送られ、前記第3温度が前記第2温度より高いが前記第1温度未満であり、前記水の前記第1部分が、前記スクラビング塔の前記頂部に熱を導入するために前記間接熱交換器において冷却される、方法。
【請求項5】
前記熱交換器(25)において冷却された前記水(21)の少なくとも一部が、加圧された水と混合され、冷却器(9)において冷却され、好ましくは処理ユニットに送られる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記塔の前記頂部で除去された前記ガス(17)が、固体不純物を取り除くためにフィルタ(19)に送られる、請求項4又は
5に記載の方法
【請求項7】
前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記第3温度に達するように前記加圧の下流で加熱されない、請求項4
又は5に記載の方法。
【請求項8】
前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記第3温度に達するように前記加圧の下流で加熱される、請求項4
又は5に記載の方法。
【請求項9】
前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記フィルタ(19)において濾過された前記ガスとの間接熱交換により加熱され、次いで圧縮器(27)において圧縮される、請求項6
に従属する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記塔(3)の上流での前記ガス流(1)との間接熱交換により加熱される、請求項8に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
示されたとおり、この解決策は、ガス流が比較的低温度であるとき、例えば冬に特に有用である。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] CO
2
、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガス流(1)を冷却するための設備であって、スクラビング塔(3)、前記ガス流を第1温度で前記塔の底部に送るためのダクト、水(13)を、前記第1温度未満である第2温度で、前記スクラビング塔の頂部の第1レベルに送るためのダクト、ポンプ(7)、前記底部の水(5)を取り除くためにカラムの底部端に及び前記底部端から除去された前記水を加圧するために前記ポンプに接続されているダクトを含む設備において、前記設備が、前記ポンプの下流で水(21)を引き出すための手段を含み、これらの手段が、前記加圧された水を第3温度で前記塔において前記第1レベルより高い第2レベルに位置する間接熱交換器(25)に送るために、前記塔に接続されており、前記第3温度が前記第2温度より高いが前記第1温度未満であることを特徴とする、設備。
[2] 前記設備が加熱器(29)を含み、前記ポンプにより加圧された水をそこに送るように及び前記加熱器において加熱された前記水を前記間接熱交換器に送るように、前記手段が、前記加圧された水(21)を前記第3温度で前記加熱器に接続されている前記間接熱交換器(25)に送るように前記塔に接続される、[1]に記載の設備。
[3] 前記塔(3)が、前記第1レベルより下及び前記第1及び第2レベルの間に配置されるが好ましくは前記第2レベルより上には配置されない質量及び熱交換要素を含む、[1]又は[2]に記載の設備。
[4] CO
2
、水及び少なくとも1つの他の成分を含むガス流(1)を冷却するための方法であって、前記ガス流が第1温度でスクラビング塔(3)の前記底部に送られ、前記ガス流が、前記スクラビング塔の前記頂部の第1レベルに前記第1温度未満である第2温度で送られた水(13)でスクラブされ、水の少なくとも部分的に浄化されたガス(17)が、前記第1温度未満の温度で及び好ましくはその露点より高い温度で前記塔の前記頂部で除去され、水(5)が前記スクラビング塔の前記底部端で除去されるとともにポンプ(7)において加圧され、前記ポンプにより加圧された水(21)が、冷却される必要なしに、第3温度で、前記塔において前記第1レベルより高い第2レベルに位置する間接熱交換器(25)に送られ、前記第3温度が前記第2温度より高いが前記第1温度未満であり、前記水の前記第1部分が、前記スクラビング塔の前記頂部に熱を導入するために前記間接熱交換器において冷却される、方法。
[5] 前記熱交換器(25)において冷却された前記水(21)の少なくとも一部が、加圧された水と混合され、冷却器(9)において冷却され、好ましくは処理ユニットに送られる、[4]に記載の方法。
[6] 前記塔の前記頂部で除去された前記ガス(17)が、固体不純物を取り除くためにフィルタ(19)に送られる、[4]又は[5]のいずれかに記載の方法
[7] 前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記第3温度に達するように前記加圧の下流で加熱されない、[4]~[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8] 前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記第3温度に達するように前記加圧の下流で加熱される、[4]~[6]のいずれか一項に記載の方法。
[9] 前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記フィルタ(19)において濾過された前記ガスとの間接熱交換により加熱され、次いで圧縮器(27)において圧縮される、[6]又は[8]に記載の方法。
[10] 前記熱交換器(25)に送られた前記水(21)が、前記塔(3)の上流での前記ガス流(1)との間接熱交換により加熱される、[8]に記載の方法。
【国際調査報告】