(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】半導体構造をエッチングするための酸素とヨウ素とを含有するハイドロフルオロカーボン化合物
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534638
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 US2022052706
(87)【国際公開番号】W WO2023114207
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】マルケジャーニ,ファブリツィオ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA05
5F004AA09
5F004BA09
5F004BB13
5F004CA02
5F004CA03
5F004CA04
5F004CB03
5F004CB09
5F004DA00
5F004DA01
5F004DA15
5F004DA16
5F004DA18
5F004DA20
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA25
5F004DA26
5F004DA27
5F004DA28
5F004DB01
5F004DB02
5F004DB03
5F004DB07
5F004DB30
5F004EA03
5F004EA07
5F004EB01
5F004EB04
(57)【要約】
【解決手段】 方法は、基板上に堆積されたケイ素含有膜と、ケイ素含有層上に堆積されたパターン化されたマスク層とを有する基板が入っているチャンバー中に、式C
nH
xF
yI
zO
e(式中、0≦n≦10であり、0≦x≦21であり、0≦y≦21であり、1≦z≦4であり、1≦e≦2である)を有する酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気を導入すること;プラズマを活性化して、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物を生成すること;及び酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物とケイ素含有膜との間でエッチング反応を進行させて、パターン化されたマスク層からケイ素含有膜を選択的にエッチングし、それによってパターン化された構造を形成することを含む。
【選択図】
図1b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン化された構造を形成する方法であって、
a)基板上に堆積されたケイ素含有膜と、ケイ素含有層上に堆積されたパターン化されたマスク層とを有する基板が入っている反応チャンバー中に、式C
nH
xF
yI
zO
e(式中、0≦n≦10であり、0≦x≦21であり、0≦y≦21であり、1≦z≦4であり、1≦e≦2である)を有する酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気を導入するステップ;
b)プラズマを活性化して、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物を生成するステップ;及び
c)前記酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物と前記ケイ素含有膜との間でエッチング反応を進行させて、前記パターン化されたマスク層から前記ケイ素含有膜を選択的にエッチングし、それによって前記パターン化された構造を形成するステップ;
を含む方法。
【請求項2】
前記ステップc)が、前記パターン化されたマスク層を改質するか、又は前記酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素を、前記パターン化されたマスク層にドープするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
不活性ガスを前記反応チャンバーに導入するステップをさらに含み、前記不活性ガスが、He、Ar、Xe、Kr、Ne及びN
2からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
O
2、O
3、CO、CO
2、NO、N
2O、NO
2、H
2O、H
2O
2、COS、SO
2及びそれらの組合せから選択される酸化剤を前記反応チャンバーに導入するステップを任意選択的にさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がC
3F
7IO及びその異性体である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ケイ素含有膜が、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、結晶Si、ポリシリコン(p-Si)、多結晶シリコン、非晶質シリコン、低誘電率SiCOH、SiOCN、SiC、SiON、Si
aO
bH
cC
dN
e(式中、a>0であり;b、c、d、及びe≧0である)、交互のSiO層とSiN(ONON)との層、又は交互のSiO層とp-Si(OPOP)との層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、SiO層対SiN層に関して約1:2~約2:1の選択性を有して交互のSiOとSiN(ONON)の層をプラズマエッチングする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、SiO層対p-Si層に関して約1:2~約2:1の選択性を有して交互のSiOとp-Si(OPOP)の層をプラズマエッチングする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記パターン化されたマスク層が、炭素含有層、非晶質カーボン層、ドープされた非晶質カーボン層、フォトレジスト層、反射防止層、有機平坦化層、又はそれらの組合せである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記反応チャンバーに追加のエッチングガスを導入することをさらに含み、前記追加のエッチングガスが、cC
4F
8、C
4F
8、cC
5F
8、C
5F
8、C
4F
6、CF
4、CH
3F、CF
3H、CH
2F
2、C
3HF
7、C
3F
6、C
3H
2F
6、C
3H
2F
4、C
3H
3F
5、C
4HF
7、C
5HF
9、C
3F
6、C
3F
8、CF
3I、C
2F
3I、C
2F
5I、C
3F
7I、1-ヨードヘプタフルオロプロパン(1-C
3F
7I)、2-ヨードヘプタフルオロプロパン(2-C
3F
7I)、C4F9I、C
3HF
7、COS、FNO、F-C≡N、CS
2、SO
2、SF
6、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(trans-C
4H
2F
6)、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(cis-C
4H
2F
6)、ヘキサフルオロイソブテン(C
4H
2F
6)、トランス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(trans-C
4H
2F
6)、1,1,2,2,3-ペンタフルオロシクロブタン(C
4H
3F
5)、1,1,2,2-テトラフルオロシクロブタン(C
4H
4F
4)、及びシス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(cis-C
4H
2F
6)又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ケイ素含有膜に形成される前記パターン化された構造が約1:1~約200:1のアスペクト比を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
パターン化された構造を形成する方法であって、
a)基板上に堆積されたケイ素含有膜と、ケイ素含有層上に堆積されたパターン化されたマスク層とを有する基板が入っている反応チャンバー中に、C
3F
7IOの蒸気を導入するステップ;
b)プラズマを活性化して、活性化されたC
3F
7IOを生成するステップ;及び
c)前記活性化されたC
3F
7IOと前記ケイ素含有膜との間でエッチング反応を進行させて、前記パターン化されたマスク層から前記ケイ素含有膜を選択的にエッチングし、それによって前記パターン化された構造を形成するステップ;
を含む方法。
【請求項13】
前記ステップc)が、
前記活性化されたC
3F
7IOから生成したヨウ素イオン由来のヨウ素を、前記パターン化されたマスク層にドープすることによって、前記パターン化されたマスク層を改質するステップ
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
基板の表面を改質する方法であって、
前記基板上に堆積されたケイ素含有膜と、ケイ素含有層上に堆積されたパターン化されたマスク層とを有する基板が入っている反応チャンバー中に、式C
nH
xF
yI
zO
e(式中、4≦n≦10であり、0≦x≦21であり、0≦y≦21であり、1≦z≦4であり、1≦e≦2である)を有する酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気を導入すること;
プラズマを活性化することによって形成された、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物を使用して、前記パターン化されたマスク層から前記ケイ素含有膜をエッチングし、パターン化された構造を形成すること;
を含み;
前記酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素が、前記基板に前記パターン化された構造を形成する間にパターン化されたハードマスク層にドープされ、それによって前記パターン化されたマスク層が強化され、前記パターン化されたマスクの損傷が最小限に抑えられる、方法。
【請求項15】
前記酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がC
3F
7IO及びその異性体である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(a)及び(b)の下、2021年12月17日に出願された米国特許出願第17/555,094号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、パターン化された構造を形成するためのケイ素含有膜のエッチング方法、特に、式CnHxFyIzOe(式中、0≦n≦10であり、0≦x≦21であり、0≦y≦21であり、1≦z≦4であり、1≦e≦2である)を有する酸素とヨウ素とを含有する化合物を使用して、パターン化されたマスク層上のケイ素含有膜をエッチングしてパターン化された構造を形成し、その結果、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素がパターン化されたマスク層にドープされることにより、パターン化されたマスク層が補強される、強化される、又は損傷が最小限に抑えられる、方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体産業においては、3DNANDに関して、複数のSiO/SiN又はSiO/ポリケイ素(p-Si)層のスタックのエッチングは重要である。例えば、Samsung Electronics Co.,Ltd.への米国特許出願公開第2011/0180941号明細書を参照されたい。マスクとエッチングされる層との間の高い選択性を有するエッチング剤が不可欠である。さらに、エッチングされた構造は、歪曲を有さないストレートな垂直プロファイル及び低いラインエッチ粗さ(LER)を有するべきである。
【0004】
酸化ケイ素のエッチングに使用される標準的なハイドロフルオロカーボンは、酸化剤(例えばO2)及び希ガス(例えばAr、Kr、Xe)と組み合わされたcC4F8、C4F6である。窒化ケイ素のエッチングには、通常、上記のガスにCHF2、CHF3、CH3Fなどの水素含有フルオロカーボンが混合される。
【0005】
しかしながら、従来のエッチングの化学的性質は、少なくとも、プラズマエッチングプロセスの間の側壁上の不十分なエッチング抵抗ポリマー堆積のため、新規用途(例えば、3DNAND)で必要とされる20:1より高いアスペクト比を有するホール又はトレンチなどのフィーチャを提供することが不可能であり得る。側壁-CxFy-ポリマー(式中、xは0.01~1の範囲であり、且つyは0.01~4の範囲である)は、エッチングに影響され得る。結果として、エッチングされたパターンは垂直ではあり得ず、且つエッチング構造は歪曲、寸法の変化、パターン崩壊及び/又は増加した粗さを示し得る。
【0006】
歪曲は、しばしば非晶質炭素(a-C)材料であり得るマスク層の側壁エッチングに起因し得る。a-C材料は、マスクの開口の増加を引き起こし得、そして歪曲様又は角度のある/湾曲したエッチング構造をもたらす、プラズマ中の酸素ラジカルによってエッチングされ得る。
【0007】
カルボニル含有化合物はエッチバック用のエッチングガスとして使用されており、及び/又はカルボニル含有化合物の分解が開示されている。Y.Toshiharuの日本特許第3291885B2号公報には、COF2、COFCl、COFBr、COFI、及び(COF)2などのフッ化カルボニル化合物ガスを使用してブランケットCVDタングステン層をエッチバックすることにより、接続孔を平坦性良く埋め込むドライエッチング法が開示されている。さらに、F源の一般的なガスとして、SF6、NF3、CF4、ClF3、XeF2、F2などのF系ガスが使用されている。O.Masakazuifcoの米国特許出願公開第2006/0140836A1号明細書には、分子内にヨウ素を有するフッ素化合物を分解して無害化するプロセスが開示されている。フッ素化合物には、C2F5IOやC2F4I2Oなどの化合物が含まれる。Uenverenらの国際公開第2009/019219号パンフレットは、ハイドロフルオロカーボンを使用する自己整合コンタクト用のSiO2のエッチング方法が開示されている。C3F5IOが挙げられているものの、酸素は炭素に結合した末端酸素であり、サポートするエッチングの実施例は開示されていない。
【0008】
ハードマスクに対する選択性を最大化し、且つ現在の用途(例えばコンタクトエッチング又は3D NAND)に必要な高アスペクト比(すなわち最大200:1)を達成するためには、歪曲、CD変動(上部対下部)、ねじれ、不完全なエッチングを最小限に抑えることが重要である。さらに、エッチングは、フォトレジストマスクへの選択性に限定されない。a-C、SiN、p-Si、SiC又は他の形態のSiaCbOcHdNe材料(式中、a>0;b、c、d及びe≧0)などの他の材料の間で高い選択性を得ることは等しく重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、広範囲のプロセス条件に対して選択性及び高いアスペクト比を維持する、プラズマエッチング用途における使用のために適切なエッチングガス組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
パターン化された構造を形成する方法が開示され、この方法は:
a)基板上に堆積されたケイ素含有膜と、ケイ素含有層上に堆積されたパターン化されたマスク層とを有する基板が入っている反応チャンバー中に、式CnHxFyIzOe(式中、0≦n≦10であり、0≦x≦21であり、0≦y≦21であり、1≦z≦4であり、1≦e≦2である)を有する酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気を導入するステップ;
b)プラズマを活性化して、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物を生成するステップ;及び
c)酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物とケイ素含有膜との間でエッチング反応を進行させて、パターン化されたマスク層からケイ素含有膜を選択的にエッチングし、それによってパターン化された構造を形成するステップ;
を含む。
【0011】
開示された方法は、次の態様の1つ又はそれ以上を含み得る:
・ステップc)が、パターン化されたマスク層を改質するか、又は酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素を、パターン化されたマスク層にドープするステップを含む;
・ステップc)が、パターン化されたマスク層を改質するステップを含む;
・ステップc)が、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素を、パターン化されたマスク層にドープするステップを含む;
・ステップc)が、パターン化されたマスク層を補強するか、又は酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素をパターン化されたマスク層にドープするステップを含む;
・ステップc)が、パターン化されたマスク層を強化するか、又は酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素をパターン化されたマスク層にドープするステップを含む;
・ステップc)が、パターン化されたマスク層の損傷を最小化するか、又は酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素をパターン化されたマスク層にドープするステップを含む;
・ステップc)が、パターン化されたマスク層のエッチング耐性を高めるか、又は酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素をパターン化されたマスク層にドープするステップを含む;
・ステップc)が、基板にパターン化された構造を形成しながら、基板の下層に対するエッチング選択性を増加させるステップを含む;
・不活性ガスを反応チャンバー中に導入するステップをさらに含む;
・不活性ガスが、He、Ar、Xe、Kr、Ne及びN2からなる群から選択される;
・不活性ガスがArである;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物と不活性ガスとを、チャンバーの中に導入する前に混合して混合物を生成する;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を、不活性ガスとは別に導入する;
・不活性ガスを連続的に導入し、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物をパルスで導入する;
・不活性ガスが、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気及び不活性ガスの総体積の約0.01%v/v~約99.9%v/vを占める;
・不活性ガスが、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気及び不活性ガスの総体積の約90%v/v~約99%v/vを占める;
・反応チャンバーに酸化剤を導入するステップを任意選択的にさらに含む;
・酸化剤が、O2、O3、CO、CO2、NO、N2O、NO2、H2O、H2O2、COS、SO2及びそれらの組合せから選択される;
・酸化剤がO2である;
・酸化剤がO3である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物と酸素含有ガスを、チャンバーへ導入する前に混合して混合物を生成する;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を、酸素含有ガスとは別に導入する;
・酸素含有ガスを連続的に導入し、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を導入する;
・酸素含有ガスが、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物及び酸素含有ガスの合計体積の約0.01%v/v~約99.9%v/vを占める;
・酸素含有ガスが、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物及び酸素含有ガスの合計体積の約0.01%v/v~約10%v/vを占める;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がハイドロフルオロカーボン化合物である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、酸素とヨウ素とを含有するハイドロフルオロカーボンである;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が有機フッ素化合物である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がフッ素含有炭化水素化合物である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がフルオロカーボン化合物である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が水素を含まない;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が水素を含む;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がフッ素を含む;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がフッ素を含まない;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、C3F7IO及びその異性体である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、C3F7IO、2-ヨード-1-(トリフルオロメトキシ)テトラフルオロエタン(CAS番号:1561-52-0)である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、C3F7IO、1,1,1,2-テトラフルオロ-2-ヨード-2-(トリフルオロメトキシ)エタン(CAS番号:139604-89-0)である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、C3F7IO、1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメトキシ-1-ヨードエタン(CAS番号:69066-98-4)である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、C3F7IO、1,1,1,2,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-3-ヨードシル-プロパン(CAS番号:180613-10-9)である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、C3F6I2O、C3F5I3O、C3F4I4O及びそれらの異性体である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、C3F7IO、C3F6I2O、C3F5I3O、C3F4I4O、C4F9IO、C4F8I2O、C4F7I3O、C4F6I4O、C5F11IO、C5F10I2O、C5F9I3O、C5F8I4O、C6F13IO、C6F12I2O、C6F11I3O、C6F10I4O、C7F15IO、C7F14I2O、C7F13I3O、C7F12I4O、C8F17IO、C8F16I2O、C8F15I3O、C8F14I4O、C9F19IO、C9F18I2O、C9F17I3O、C8F16I4O、C10F21IO、C10F20I2O、C10F19I3O、C10F18I4O及びそれらの異性体である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、C4F9IO、C4F9IO、C5F11IO、C5F11IO、C6F13IO、C7F15IO、C8F17IO、C9F19IO、C10F21IO、及びそれらの異性体である;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、C3HF6IO、C3HF5I2O、C3HF4I3O、C3HF3I4O、C4HF8IO、C4HF7I2O、C4HF6I3O、C4HF5I4O、C5HF10IO、C5HF9I2O、C5HF8I3O、C5HF7I4O、C6HF12IO、C6HF11I2O、C6HF9I3O、C6HF8I4O、C7HF14IO、C7HF13I2O、C7HF12I3O、C7HF11I4O、C8HF16IO、C8HF15I2O、C8HF14I3O、C8HF10I4O、C9HF18IO、C9HF17I2O、C9HF16I3O、C9HF15I4O、C10HF20IO、C10HF19I2O、C10HF18I3O、C10HF17I4O及びそれらの異性体である;
・プラズマによって活性化された、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、ケイ素含有膜と反応して揮発性副生成物を形成する;
・揮発性副生成物が反応チャンバーから除去される;
・ケイ素含有膜が、酸素、窒素、炭素、水素、炭素又はそれらの組合せを含む;
・ケイ素含有膜が、B、C、P、As、Ga、In、Sn、Sb、Bi及び/又はGeなどのドーパント、又はそれらの組合せを任意選択的に含む;
・ケイ素含有膜が、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、結晶Si、ポリシリコン(p-Si)、多結晶シリコン、非晶質シリコン、低誘電率SiCOH、SiOCN、SiC、SiON、SiaObHcCdNe(式中、a>0であり;b、c、d、及びe≧0である)、交互のSiOとSiN(ONON)の層、又は交互のSiOとp-Si(OPOP)の層を含む;
・ケイ素含有膜が、SiOxNyHzCk(式中、xは0~2の範囲であり、yは0~4の範囲であり、zは0~約1の範囲であり、kは0~1の範囲である)である;
・ケイ素含有膜がSiO層を含む;
・ケイ素含有膜がSiN層である;
・ケイ素含有膜が、交互のSiOとSiN(ONON)の層を含む;
・ケイ素含有膜が、交互のSiOとp-Si(OPOP)の層を含む;
・パターン化されたマスク層が、非晶質カーボン層、ドープされた非晶質カーボン層、フォトレジスト層、反射防止層、有機平坦化層又はそれらの組合せである;
・パターン化されたマスク層が、CVD、PECVD、ALD、PEALD又はスピンオン堆積(SOD)非晶質カーボン又はドープされた非晶質カーボン、ケイ素含有スピンオンマスク、又は炭素含有スピンオンマスクの層である;
・パターン化されたマスク層が、非晶質カーボン(a-C)層である;
・パターン化されたマスク層が、ドープされたカーボン層である;
・ドープされた非晶質カーボン層が、ホウ素がドープされたa-C層である;
・ドープされた非晶質カーボン層が、タングステンがドープされたa-C層である;
・交互の層が、パターン化されたマスク層から選択的にエッチングされる;
・交互の層が、a-C層から選択的にエッチングされる;
・交互の層が、ドープされたカーボン層から選択的にエッチングされる;
・酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互の層が、a-C層から選択的にエッチングされる;
・酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互の層が、ドープされたカーボン層から選択的にエッチングされる;
・酸化ケイ素とポリシリコンの交互の層が、a-C層から選択的にエッチングされる;
・酸化ケイ素とポリシリコンの交互の層が、ドープされたカーボン層から選択的にエッチングされる;
・酸化ケイ素層が、パターン化されたマスク層から選択的にエッチングされる;
・酸化ケイ素層が、a-C層から選択的にエッチングされる;
・酸化ケイ素層が、ドープされたカーボン層から選択的にエッチングされる;
・窒化ケイ素層が、パターン化されたマスク層から選択的にエッチングされる;
・窒化ケイ素層が、a-C層から選択的にエッチングされる;
・窒化ケイ素層が、ドープされたカーボン層から選択的にエッチングされる;
・ポリシリコン層が、パターン化されたマスク層から選択的にエッチングされる;
・ポリシリコン層が、a-C層から選択的にエッチングされる;
・ポリシリコン層が、ドープされたカーボン層から選択的にエッチングされる;
・ケイ素含有膜が、a-C層、ドープされたa-C層、フォトレジスト層、反射防止層又は有機平坦化層から選択的にエッチングされる;
・酸化ケイ素層が、a-C層、ドープされたa-C層、フォトレジスト層、反射防止層又は有機平坦化層から選択的にエッチングされる;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、高いエッチング速度で酸化ケイ素層と窒化ケイ素層の両方をエッチングする;
・交互のSiOとSiN(ONON)の層をプラズマエッチングする酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、SiO層対SiN層に関して約1:2~約2:1の選択性を有する;
・交互のSiOとSiN(ONON)の層をプラズマエッチングする酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、SiO層対SiN層に関して約1:1の選択性を有する;
・交互のSiOとp-Si(OPOP)の層をプラズマエッチングする酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、SiO層対p-Si層に関して約1:2~約2:1の選択性を有する;
・交互のSiOとp-Si(OPOP)の層をプラズマエッチングする酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、SiO層対p-Si層に関して約1:1の選択性を有する;
・パターン化されたマスク層上のSiO2をプラズマエッチングする酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の選択率が、同様のエッチング速度でパターン化されたマスク層上のSiO2をエッチングするベンチマークガスであるC4F6の選択率よりも約70%高い;
・パターン化されたマスク層が、炭素含有層、非晶質カーボン層、ドープされた非晶質カーボン層、フォトレジスト層、反射防止層、有機平坦化層、又はそれらの組合せである;
・酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物が、エッチングされるケイ素含有膜の底部に位置するランディング層からケイ素含有膜を選択的にエッチングする;
・ランディング層が、エッチングされる構造の底部に位置する埋め込み型ランディング層である;
・ランディング層がエッチング停止層である;
・ランディング層がシリコン層である;
・ランディング層が金属層である;
・ランディング層が3D NAND構造のタングステン金属ワールドライン及び/又はW、Cu、Al、Ru、Pt、Ti、Ta、Ni、Co、Mo、Mn、Nb、Cr、Rh、Pd、Ir、V、Au、Ag又はそれらの組合せなどの別の金属である;
・ランディング層が、W、Cu、Al、Ru、Pt、Ti、Ta、Ni、Co、Mo、Mn、Nb、Cr、Rh、Pd、Ir、V、Au、Ag、又はそれらの組合せから選択される金属層である;
・ランディング層が金属酸化物層又は金属窒化物層である;
・ランディング層が、AlO、WO、HfO、TiO、TaO、InO、WO、CrO、RuO、CoO、MoO、ZrO、SnO、又はそれらの組合せから選択される金属酸化物層である;
・ランディング層が、TiN、TaN、HfN、AlN、WN、MoN、NiN、NbN、CrN、RuN、CoN、ZrN、SrN又はそれらの組合せから選択される金属窒化物層である;
・基板がSiウエハである;
・基板が結晶シリコン層である;
・パターン化された構造を形成する;
・パターン化された構造が3D NANDアパーチャーである;
・パターン化された構造がコンタクトホールである;
・パターン化された構造が3D NANDコンタクトホールである;
・パターン化された構造がDRAMコンタクトである;
・パターン化された構造がチャネルホールである;
・パターン化された構造が3D NANDチャネルホールである;
・パターン化された構造が3D NANDスリットコンタクトである;
・アパーチャーが階段状コンタクトである;
・アパーチャーが自己整合コンタクトである;
・アパーチャーが自己整合ビアである;
・アパーチャーがスーパービアである;
・追加のエッチングガスを反応チャンバーに導入することをさらに含む;
・追加のエッチングガスが、cC4F8、C4F8、cC5F8、C5F8、C4F6、CF4、CH3F、CF3H、CH2F2、C3HF7、C3F6、C3H2F6、C3H2F4、C3H3F5、C4HF7、C5HF9、C3F6、C3F8、CF3I、C2F3I、C2F5I、C3F7I、1-ヨードヘプタフルオロプロパン(1-C3F7I)、2-ヨードヘプタフルオロプロパン(2-C3F7I)、C4F9I、C3HF7、COS、FNO、F-C≡N、CS2、SO2、SF6、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(trans-C4H2F6)、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(cis-C4H2F6)、ヘキサフルオロイソブテン(C4H2F6)、トランス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(trans-C4H2F6)、1,1,2,2,3-ペンタフルオロシクロブタン(C4H3F5)、1,1,2,2-テトラフルオロシクロブタン(C4H4F4)、及びシス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(cis-C4H2F6)、又はそれらの組合せからなる群から選択される;
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を追加のエッチングガスとは別に導入する;
・約0.01%v/v~約99.99%v/vの追加のエッチングガスを酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物に添加する;
・ケイ素含有膜に形成されたパターン化された構造が、約1:1~約200:1のアスペクト比を有する;
・ヨウ素のドーピング濃度が堆積膜全体にわたって0.1%~99.9%増加する;
・RF電力を印加してプラズマを活性化する;
・約25W~約100,000Wの範囲のRF電力によってプラズマを活性化する;
・エッチング圧力が約1mTorr~10Torrの範囲である;
・エッチング圧力が30mTorrである;
・約0.1sccm~約1slmの範囲の流量でヨウ素含有エッチング化合物を導入する;
・基板を約-196℃~約500℃の範囲の温度に維持する。
【0012】
パターン化された構造を形成する方法が開示され、この方法は:
a)基板上に堆積されたケイ素含有膜と、ケイ素含有層上に堆積されたパターン化されたマスク層とを有する基板が入っている反応チャンバー中に、C3F7IOの蒸気を導入すること;
b)プラズマを活性化して、活性化されたC3F7IOを生成すること;及び
c)活性化されたC3F7IOとケイ素含有膜との間でエッチング反応を進行させて、パターン化されたマスク層からケイ素含有膜を選択的にエッチングし、それによってパターン化された構造を形成すること;
を含む。開示された方法は、次の態様の1つ又はそれ以上を含み得る:
・ステップc)が、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素を、パターン化されたマスク層にドープすることによって、パターン化されたマスク層を改質するステップを含む;
・ステップc)が、パターン化されたマスク層を改質するステップを含む;
・ステップc)が、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素を、パターン化されたマスク層にドープするステップを含む;
・ヨウ素のドーピング濃度が堆積膜全体にわたって0.1%~99.9%増加する;
・パターン化されたマスク層上のSiO2をプラズマエッチングする酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の選択率が、同様のエッチング速度でパターン化されたマスク層上のSiO2をエッチングするベンチマークガスであるC4F6の選択率よりも約70%高い。
【0013】
基板の表面を改質する方法が開示され、この方法は:
基板上に堆積されたケイ素含有膜と、ケイ素含有層上に堆積されたパターン化されたマスク層とを有する基板が入っている反応チャンバー中に、式CnHxFyIzOe(式中、4≦n≦10であり、0≦x≦21であり、0≦y≦21であり、1≦z≦4であり、1≦e≦2である)を有する酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気を導入すること;
プラズマを活性化することによって形成された、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物を使用して、パターン化されたマスク層からケイ素含有膜をエッチングし、パターン化された構造を形成すること;
を含み;
酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素が、基板にパターン化された構造を形成する間にパターン化されたハードマスク層にドープされ、それによってパターン化されたマスク層が強化され、パターン化されたマスクの損傷が最小限に抑えられる。開示された方法は、次の態様の1つ又はそれ以上を含み得る:
・酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がC3F7IO及びその異性体である;
・ヨウ素のドーピング濃度が堆積膜全体にわたって0.1%~99.9%増加する;
・パターン化されたマスク層上のSiO2をプラズマエッチングする酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の選択率が、同様のエッチング速度でパターン化されたマスク層上のSiO2をエッチングするベンチマークガスであるC4F6の選択率よりも約70%高い。
【0014】
表示法及び命名法
以下の詳細な説明及び請求の範囲では、一般に、当該技術分野において周知である多数の略語、記号、及び用語が利用される。それらには以下のものが含まれる:
【0015】
本明細書で使用される不定冠詞「a」又は「an」は、1つ又は複数を意味する。
【0016】
本明細書で使用される、文章中又は特許請求の範囲中の「約」又は「ほぼ」又は「およそ」は、記載された値の±10%を意味する。
【0017】
本明細書で使用される、文章中又は特許請求の範囲中の「室温」は、約20℃~約25℃を意味する。
【0018】
「周囲温度」という用語は、約20℃~約25℃の環境温度を意味する。
【0019】
「基板」という用語は、その上でプロセスが行われる1つ以上の材料を指す。基板は、その上でプロセスが行われる1つ以上の材料を有するウエハを指す場合がある。基板は、半導体、太陽光発電、フラットパネル、又は液晶デイスプレイ薄膜トランジスタ(LCD-TFT)デバイスの製造に使用される任意の適切なウエハであってよい。基板は、その前の製造ステップからその上に既に堆積された異なる材料の1つ以上の層も有し得る。例えば、ウエハは、シリコン層(例えば結晶性、非晶質、多孔性など)、ケイ素含有層(例えばSiO2、SiN、SiON、SiC、SiCN、SiOCN、SiCOHなど)、金属含有層(例えば銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、マンガン、白金、パラジウム、ニッケル、ルテニウム、金など)、又はこれらの組合せを含み得る。さらに、基板は平坦であっても、又はパターン化されていてもよい。基板は、有機物でパターン化されたフォトレジスト膜であってもよい。基板は、MEMS、3D NAND、MIM、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、又はFeRamデバイス用途で誘電体材料として使用される酸化物の層(例えばZrO2ベースの材料、HfO2ベースの材料、TiO2ベースの材料、希土類酸化物ベースの材料、三元酸化物ベースの材料など)又は電極として使用される窒化物ベースの膜(例えばTaN、TiN、NbN)を含み得る。当業者は、本明細書で使用される「膜」又は「層」という用語が、表面上に配置されているか広がっている何らかの材料の厚さを指し、その表面はトレンチ又はラインであってよいことを認識するであろう。本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、ウエハ及びその上の関連する層は、基板と呼ばれる。
【0020】
「ウエハ」又は「パターン化されたウエハ」という用語は、基板上のケイ素含有膜のスタックと、パターンエッチングのために形成されたケイ素含有膜のスタック上のパターン化されたハードマスク層とを有するウエハを指す。
【0021】
「パターンエッチング」又は「パターン化されたエッチング」という用語は、ケイ素含有膜のスタック上のパターン化されたマスク層などの非平坦構造をエッチングすることを指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、「エッチ」又は「エッチング」という用語は、プラズマを使用して、イオン衝撃、リモートプラズマ、又はエッチングガスと基板との間の化学気相反応によって材料を除去することを意味し、等方性エッチングプロセス及び/又は異方性エッチングプロセスを指す。等方性エッチングプロセスは、エッチング化合物と基板との間の化学反応を伴い、基板上の材料の一部が除去される。このタイプのエッチングプロセスには、ケミカルドライエッチング、気相ケミカルエッチング、サーマルドライエッチングなどが含まれる。等方性エッチングプロセスは、基板に横方向又は水平方向のエッチングプロファイルを生成する。等方性エッチングプロセスは、基板に予め形成されたアパーチャーの側壁にリセス又は水平方向のリセスを生成する。異方性エッチングプロセスには、イオン衝撃によって化学反応が垂直方向に加速され、その結果マスクされたフィーチャのエッジに沿って基板に対して直角に垂直な側壁が形成されるプラズマエッチングプロセス(すなわちドライエッチングプロセス)が含まれる(Manos and Flamm,Thermal etching an Introduction,Academic Press,Inc.1989 pp.12-13)。プラズマエッチングプロセスは、基板に垂直エッチングプロファイルを生成する。プラズマエッチングプロセスは、基板に、垂直ビア、アパーチャー、トレンチ、チャネルホール、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、コンデンサーホール、コンタクトホール、スリットエッチング、自己整合コンタクト、自己整合ビア、スーパービアなどを生成する。
【0023】
「マスク」という用語は、エッチングに抵抗する層を指す。マスク層は、エッチングされる層の上に配置することができる。マスク層は、ハードマスク層も指す。マスク層は、炭素含有層、ケイ素含有層、金属含有層、金属酸化物含有層、又は金属窒化物含有層であってよい。
【0024】
「エッチング停止」という用語は、下の層を保護する、エッチングされる層の下の層を意味する。
【0025】
「デバイスチャネル」という用語は、実際のデバイスの一部である層を意味し、そしてそれに対するいずれのダメージもデバイス性能に影響するであろう。
【0026】
「アスペクト比」という用語は、トレンチの幅(又はビアの直径)に対するトレンチ(又はビア)の高さの比率を意味する。
【0027】
「選択性」という用語は、別の材料のエッチング速度に対する1つの材料のエッチング速度の比率を意味する。「選択性エッチング」又は「選択的エッチング」という用語は、別の材料よりも1つの材料をエッチングすることを意味するか、或いは換言すれば、2つの材料間のエッチング選択性が1:1より高いか、又はそれ未満であることを意味する。
【0028】
「独立して」という用語は、R基の記載に関して使用される場合、対象のR基が、同一又は異なる下付き文字又は上付き文字を有する他のR基に対して独立して選択されるのみならず、同一R基のいずれかの追加の種に対しても独立して選択されることも意味するものとして理解されるべきである。例えば、Mが原子であり、xが2又は3である式MR1
x(NR2R3)(4-x)において、2個又は3個のR1基は、互いに、又はR2若しくはR3と同一であってもよいが、同一である必要はない。さらに、他に特記されない限り、R基の値は、異なる式で使用される場合、互いに独立していることは理解されるべきである。
【0029】
本明細書中、「膜」及び「層」という用語は、互換的に使用され得ることに留意されたい。膜は層に相当し得るか、又は層に関連し得ること、及び層が膜と呼ばれてもよいことが理解される。さらに、当業者は、「膜」又は「層」という用語が、本明細書で使用される場合、表面上に適用されたか、又は延展されたいくつかの材料の厚さを意味し、且つ表面が、ウエハ全体と同程度の大きいものからトレンチ又はライン程度の小さいものまでの範囲であり得ることを認識するであろう。
【0030】
本明細書中、「エッチング化合物」及び「エッチングガス」という用語は互換的に使用されてもよいことに留意されたい。エッチング化合物がエッチングガスに相当するか、又は関連し得ること、及びエッチングガスがエッチング化合物を意味し得ることは理解される。
【0031】
「ビア」、「アパーチャー」、「トレンチ」、及び「ホール」という用語は、互換的に使用される場合があり、一般的に層間絶縁体の開口部を意味する。
【0032】
本明細書で使用される「NAND」という略語は、「Negated AND」又は「Not AND」ゲートを指し、「2D」という略語は、平坦基板上の2次元ゲート構造を指し、「3D」という略語は、ゲート構造が垂直方向にスタックされた3次元又は垂直ゲート構造を指す。
【0033】
本明細書中、元素周期表からの元素の標準的な略語が使用される。元素がこれらの略語によって示され得ることは理解されるべきである(例えば、Siはケイ素を意味し、Nは窒素を意味し、Oは酸素を意味し、Cは炭素を意味し、Hは水素を意味し、Fはフッ素を意味する、など)。
【0034】
Chemical Abstract Serviceによって割り当てられたユニークなChemical Abstract Service(CAS)登録番号(すなわち、「CAS」)は、開示された分子をよりよく識別するのを助けるために提供される。
【0035】
窒化ケイ素及び酸化ケイ素などのケイ素含有膜が、それらの適切な化学量論を示さずに明細書及び請求の範囲全体に列挙されることに留意されたい。ケイ素含有膜には、結晶質Si、ポリケイ素(p-Si若しくは多結晶質Si)又は非晶質ケイ素などの純粋なケイ素(Si)層;窒化ケイ素(SikNl)層;酸化ケイ素(SinOm)層;又はその混合物が含まれてよく、ここで、k、l、m及びnは、全てを含めて0.1~6の範囲である。好ましくは、窒化ケイ素は、k及びIがそれぞれ0.5~1.5の範囲であるSikNlである。より好ましくは、窒化ケイ素はSi3N4である。好ましくは、酸化ケイ素は、nが0.5~1.5の範囲であり、且つmが1.5~3.5の範囲であるSinOmである。より好ましくは、酸化ケイ素はSiO2である。本明細書中、以下の明細書中のSiN及びSiOは、それぞれSikNl及びSinOm含有層を表すのに使用される。ケイ素含有膜は、SiOCHを有する、Applied Materials,Inc.によるBlack Diamond II又はIII材料などの、有機ベース又は酸化ケイ素ベースの低誘電率誘電体材料などの酸化ケイ素ベースの誘電体材料であることも可能である。ケイ素含有膜は、a、b、c、d、eが0.1~6の範囲であるSiaObCcNdHeを含み得る。ケイ素含有膜は、B、C、P、As、Ga、In、Sn、Sb、Bi及び/又はGeなどのドーパントも含み得る。
【0036】
範囲は、本明細書において、約ある特定の値から、及び/又は約別の特定の値までとして表現される場合がある。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は、前記範囲内の全ての組合せとともに、ある特定の値から、及び/又は別の特定の値までのものであることが理解されるべきである。
【0037】
本明細書における「一実施形態」又は「ある実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所における「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではなく、また別の又は代替の実施形態は、必ずしも他の実施形態と相互に排他的ではない。同じことが「実装」という用語にも当てはまる。
【0038】
本発明の特性及び目的のさらなる理解のために、以下の詳細な説明は、添付の図面と関連して参照されるべきである。図面中、同様の要素は、同一又は類似の参照番号が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1a】
図1aは、3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
【
図1b】
図1bは、3D NANDスタックのエッチングの間に側壁上に堆積したポリマーを示す3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
【
図1c】
図1cは、3D NANDスタックの交互SiO/SiN層エッチングの間に生じた粒子を示す3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
【
図1d】
図1dは、3D NANDスタック中の側壁上に暴露されたSiNの選択的エッチングを示す3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
【
図2】
図2は、DRAMスタックの模範的な層の断面図である。
【
図3a】
図3aは、トランジスタ構造を作成するための典型的なトランジスタデバイス領域の周囲のSiO絶縁層上のフォトレジストパターンを示す模範的な層の断面図である。
【
図3b】
図3bは、SiO絶縁層のエッチング後の
図3aの模範的な層の断面図である。
【
図4】
図4は、4つの異なる基板上でのC
3F
7IOのエッチング速度(ER)及び選択性である。
【
図5a】
図5aは、C
3F
7IOによってエッチングされた非晶質カーボンパターンマスクの原子濃度(%)対Arエッチング時間を示すX線光電子分光法(XPS)の深さ方向プロファイルである。
【
図5b】
図5bは、C
3F
7IOによってエッチングされた非晶質カーボンパターンマスクの原子濃度(%)対Arエッチング時間を示すX線光電子分光法(XPS)の深さ方向プロファイルの拡大図であり、マスクのヨウ素及び酸素によるドーピングが強調されている。
【
図6a】
図6aは、C
3F
7IOによってエッチングされたシリコン基板の原子濃度(%)対Arエッチング時間を示すX線光電子分光法(XPS)の深さ方向プロファイルである。
【
図6b】
図6bは、C
3F
7IOによってエッチングされたシリコン基板の原子濃度(%)対Arエッチング時間を示すX線光電子分光法(XPS)の深さ方向プロファイルの拡大図であり、マスクの酸素によるドーピングが強調されている。
【
図7】
図7は、C
3F
7IOによってエッチングされた非晶質カーボンパターンマスクのフッ素(F1s)ピークとヨウ素I3dピークの、結合エネルギー(eV)に対する1秒当たりのカウント数を示すX線光電子分光法(XPS)である。
【
図8】
図8は、酸素流量に対する、4つの異なる基板上でのC
4F
6のエッチング速度(ER)及び選択性である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
ケイ素含有膜中のトレンチ、ナノライン、ナノピラー、チャネルホール、ゲートトレンチ、コンタクト、階段状コンタクト、コンデンサーホール、コンタクトホール高アスペクト比構造、3D NAND構造、DRAM構造、スリットトレンチ、自己整合コンタクト、ビア、自己整合ビア、スーパービアなどの半導体構造のプラズマエッチングのための方法が開示される。開示された方法は、i)基板上に堆積された膜と、膜上に堆積されたパターン化されたマスク層とを有する基板が入っている反応チャンバー中に、式CaHbFcIdOe(式中、0≦a≦10であり、0≦b≦21であり、0≦c≦21であり、1≦d≦4であり、1≦e≦2である)を有する酸素(アルコキシを含む)とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気を導入するステップと;ii)プラズマを活性化して、基板からパターン化されたマスク層上のフィルムをエッチングすることができる酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物を生成するステップとを含む。膜がエッチングされる間に、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物から生成したヨウ素イオン由来のヨウ素がパターン化されたマスク層にドープされることにより、パターン化されたマスク層が補強又は強化され、その結果パターン化されたマスク層への損傷が最小限に抑えられる。ここでの膜はケイ素含有膜であってよい。
【0041】
以下の例において示されるように、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物のヨウ素イオンは、低エネルギー(eV)(すなわち、<20eV)において化合物から解離する。結果として、出願人らは、開示されたエッチング化合物は、それらがより低いプラズマエネルギーにおいて実行可能であるため、下の基板へのダメージが少ない乾式プラズマエッチングプロセスにおいて使用され得ると考える。例えば、より低いプラズマエネルギーによって、エッチングサイトを包囲する多孔性低誘電率材料へのダメージが少ないため、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、ダメージが特に懸念される低誘電率エッチングプロセスに特に適切であり得る。低誘電率材料への低いダメージは、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物によって与えられるUV光子及びFラジカルの発生が低減されることに起因し得る。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、臨界寸法の損失も防ぎ、そして低誘電率表面粗さを減少させ得る。加えて、2つのヨウ素原子を有する分子は、これらの利点を高め、ドーピングレベルを増加させ、下層を損傷することなくマスク層を保存することができる。
【0042】
ヨウ素(10.5eV)は、フッ素(17.4eV)並びに不活性ガス:Ar(15.8eV)、Xe(12.1eV)、及びKr(14eV)より低いイオン化閾値を有する。したがって、ヨウ素は、フッ素よりも容易にプラズマによってイオン化することができ、ヨウ素含有エッチング化合物は、プラズマ密度を増加させることができる。ヨウ素は、重い元素(質量127amu)であり、プラズマ中の不活性ガス(88amuのKr、131amuのXeなど)と同様の挙動も示すことができ、ウエハに向かって加速する。高アスペクト比構造のエッチングの間、イオンが深く浸透するほどイオンのエネルギーが弱くなるため、多くのイオンがトレンチの底部に到達することはできない。しかしながら、重いヨウ素イオンは、プラズマエッチングプロセス中に印加される電圧によってウエハに向かって加速されて深く浸透することができ、高アスペクト比の深いパターン化された構造をエッチングすることができる。フッ素のイオン化閾値は中性化学種としてそれを維持するために有用である。結果として、フッ素は、典型的に化学反応によるエッチングプロセスに関与する。ヨウ素はフッ素より低い化学反応性を示し、そしてプラズマエッチングプロセスの間にイオン化され、そして表面に衝撃を与える。またC-Iの結合エネルギーはC-Fの結合エネルギーより低く、それによって、C-F結合と比較して、C-I結合は、プラズマ中でより容易に破壊される。したがって、ヨウ素イオンは、a-Cマスク層に容易にドープされ得る。ヨウ素は重い元素であるため、軽い元素よりもマスク層の中に注入しやすく、深く浸透しやすい。加えて、C-I結合が弱く、ヨウ素のイオン化閾値が低いという事実のため、ヨウ素含有エッチング化合物の大気中における寿命は短いか無視できる程度であり、そのためこれはパーフルオロカーボン化合物によって引き起こされる地球温暖化係数(GWP)を低減するための優れた候補である。様々な結合の平均結合エネルギーを表1に示す(Huheey et al.,Inorganic Chemistry,4th ed.(1993)より)。
【0043】
【0044】
以下の比較例において言及されるように、ヨウ素イオンは、低いeV(すなわち<20eV)において、開示されたエッチング化合物から解離する。しかしながら、表面及び/又は本体/バルクなどのマスクフィーチャへヨウ素イオンが注入される可能性はある。この注入は、マスクフィーチャの強化、損傷の最小化、エッチング耐性の向上、及びエッチングプロセス中の形状及びプロファイルの維持に役立ち得る。以下の実施例で示されるように、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を使用した後、パターンマスクの組成が変更される。出願人らは、ヨウ素イオンが表面を改質し、有機マスク層(非晶質炭素マスクなど)との架橋を増加させることによってパターンマスク層のバルクに組み込まれると考えている。ヨウ素イオンのドーピング、並びに炭素、ヨウ素、水素及びフッ素の原子間、好ましくは炭素とヨウ素と間の架橋のため、パターンマスク層の密度が増加し、それによりパターンマスク層がより強くなる。以下の実施例では、ヨウ素イオンによる強化効果及びエッチング耐性の改善は、ヨウ素含有エッチング化合物でエッチングした場合にcC4F8やC4F6などの従来のエッチングガスでエッチングした場合よりもパターンマスク層のエッチング速度が低くなることを示すことによって証明されている。
【0045】
本発明の最も重要な点は、非晶質カーボンに対するヨウ素の効果を理解することである。ヨウ素は、a-C層の表面を改質し、ドープすることによって、エッチング中にa-Cマスクを保存するのに役立つ。また、パターン化されたマスク層を強化することによって、損傷を最小限に抑えるのに有用である。プラズマプロセス中、開示されたヨウ素含有ガス又は前駆体は、以下の形態で生成する可能性がある:1)ヨウ素イオン(I+、I-);2)ヨウ素ラジカル(I・);3)ヨウ素含有高分子イオン(+CxHyIzFdOe、-CxHyIzFdOe);及び4)ヨウ素含有高分子ラジカル(・CxHyIzFdOe)。上記ヨウ素含有種は、バイアス電力を制御することにより、炭素含有層上に堆積させることができる。さらに、これらの化学形態は、パターン化プロセス中に層のEUV吸収を高めることができるポリマー層として堆積する。ヨウ素イオン及びラジカルをカーボンマトリックスにドープすることで、レジストレスリソグラフィーなどのパターン形成プロセス中に層のEUV吸収を高めることができる。そのように形成されたヨウ素含有ポリマー及び/又はヨウ素ドープカーボン層は、ケイ素含有層などのエッチングされる層に対するエッチング選択性を高めるために利用することができる。
【0046】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、式
CaHbFcIdOe
(式中、0≦a≦10であり、0≦b≦21であり、0≦c≦21であり、1≦d≦4であり、1≦e≦2である)
を有する。
【0047】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が1つの酸素を含む場合(すなわちe=1)、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、式
CaHbFcIdO
(式中、0≦a≦10であり、0≦b≦21であり、0≦c≦21であり、1≦d≦4である)
を有し、酸素は2つの炭素を連結して2つの炭素間を架橋している。
【0048】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が水素を含まない(すなわちb=0)場合、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、式
CaFcIdOe
(式中、0≦a≦10であり、0≦c≦21であり、1≦d≦4であり、1≦e≦2である)
を有する。この場合、a=3のとき、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、式C3FcIdOe(式中、1≦d≦4であり、c≦10-dであり、1≦e≦2である)を有する。Hを含まない例示的なC3の酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物としては、C3F7IO、C3F6I2O、C3F5I3O、C3F4I4O及びそれらの異性体が挙げられる。
【0049】
Hを含まない例示的な開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物としては、C3F7IO、C3F6I2O、C3F5I3O、C3F4I4O、C4F9IO、C4F8I2O、C4F7I3O、C4F6I4O、C5F11IO、C5F10I2O、C5F9I3O、C5F8I4O、C6F13IO、C6F12I2O、C6F11I3O、C6F10I4O、C7F15IO、C7F14I2O、C7F13I3O、C7F12I4O、C8F17IO、C8F16I2O、C8F15I3O、C8F14I4O、C9F19IO、C9F18I2O、C9F17I3O、C8F16I4O、C10F21IO、C10F20I2O、C10F19I3O、C10F18I4O及びそれらの異性体が挙げられる。ここでの酸素は2つの炭素を連結して2つの炭素間を架橋している。
【0050】
1つの酸素と1つのヨウ素とを含有しHを含まない、一般式CaF2a+1IO(式中、0≦a≦10である)を有する例示的な開示されたエッチング化合物は、表2に列挙されている。これらの分子は、市販されており、或いは当該技術分野で公知の方法によって合成することができる。それらの構造式、CAS番号及び沸点は表2に含まれる。酸素とヨウ素とを含有しHを含まない、一般式CaF2a+1IO(式中、3≦a≦10である)を有する開示されたエッチング化合物には、それらの異性体も含まれ得る。より具体的には、酸素は2つの炭素を連結して2つの炭素間を架橋している。
【0051】
【0052】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、純粋なケイ素(Si)、例えば結晶Si、ポリシリコン(p-Si又は多結晶Si)、又は非晶質シリコン、低誘電率SiCOH、SiOCN、SiC、SiON、SiaObHcCdNe(式中、a>0であり;b、c、d及びe≧0である)、又はそれらの組合せの層を含むケイ素含有膜をエッチングするのに適している。ケイ素含有膜は、酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互の層(ONON)又は酸化ケイ素とポリシリコンの交互の層(OPOP)を含むこともできる。ケイ素含有膜は、B、C、P、As、Ga、In、Sn、Sb、Bi及び/又はGeなどのドーパントを含むこともできる。
【0053】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がHを含む場合、マスク層に対する高い選択性を維持しながらもSiO及びSiNのエッチング速度を向上させることができるが、これに限定されない。b=1の場合に1つのHを有する開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、式CaHFcIdOe(式中、3≦a≦10であり、0≦c≦20であり、1≦d≦4であり、y+z≦2n+1であり、1≦e≦2である)を有する。1つのHを有する例示的な化合物としては、C3HF6IO、C3HF5I2O、C3HF4I3O、C3HF3I4O、C4HF8IO、C4HF7I2O、C4HF6I3O、C4HF5I4O、C5HF10IO、C5HF9I2O、C5HF8I3O、C5HF7I4O、C6HF12IO、C6HF11I2O、C6HF9I3O、C6HF8I4O、C7HF14IO、C7HF13I2O、C7HF12I3O、C7HF11I4O、C8HF16IO、C8HF15I2O、C8HF14I3O、C8HF10I4O、C9HF18IO、C9HF17I2O、C9HF16I3O、C9HF15I4O、C10HF20IO、C10HF19I2O、C10HF18I3O、C10HF17I4O及びそれらの異性体が挙げられる。
【0054】
b=2の場合に2つの水素を有する、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、式CaH2FcIdOe(式中、3≦a≦10であり、0≦c≦19であり、1≦d≦4であり、c+d≦2nであり、1≦e≦2である)を有する。例示的な化合物としては以下のものが挙げられる。
【0055】
b=3の場合に3つの水素を有する、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、式CaH3FcIdOe(式中、3≦a≦10であり、0≦c≦19であり、1≦d≦4であり、c+d≦2n-1であり、1≦e≦2である)を有する。
【0056】
b=4の場合に4つの水素を有する、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、式CaH3FcIdOe(式中、3≦a≦10であり、0≦c≦19であり、1≦d≦4であり、c+d≦2n-2であり、1≦e≦2である)を有する。
【0057】
出願人らは、3つ以上の炭素原子を有する分子が、3つ未満の炭素の分子よりも、エッチングプロセス中に、例えば真っ直ぐなプロファイルであること、湾曲がないこと、先細りがないこと、ねじれがないこと、不完全なエッチングがないこと、エッチングされた構造の上部から底部までの限界寸法の変動がないことなど、より良好なエッチング速度及び側壁保護を提供できると考えている。出願人らは、4つ以上の炭素原子を有する分子が、4つ未満の炭素の分子よりも、湾曲、先細り、ねじれ、及び不完全なエッチング、又はエッチングされた構造の上部から底部までの限界寸法の変動がない、より真っ直ぐなプロファイルを提供することができるとも考えている。出願人らは3個以上の炭素の分子がより厚いパッシベーション層を生成すると考えているため、側壁保護のためにはそれらが好ましい。
【0058】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、マスク層、フォトレジスト、エッチング停止層及びデバイスチャネル材料に対して高い選択性を提供し得、且つDRAM及び3D NANDメモリ及びロジック構造などの1:1~200:1の範囲のアスペクト比を有するものなどの高アスペクト比構造(HAR)におけるプロファイル歪みを提供し得ない。代わりに、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、コンタクトエッチング用途において1:1~200:1の範囲のアスペクト比を有するものなどのマスク層又はケイ素含有膜に対して高い選択性を提供し得る。
【0059】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、エッチングの広範なプロセス条件に関する無数の選択性を提供し得る。本明細書中、選択性とは、2つの異なる層のエッチング速度比を示す。例えば、SiO層対a-C層に関する選択性は、a-C層のエッチング速度で割られたSiOのエッチング速度である。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、ケイ素含有膜とマスク材料との間の改善された選択性、低減されたチャネル領域へのダメージ、改善された臨界寸法均一性、及び低減された湾曲、ねじれ、先細り、ノッチ、アンダーカットなどのプロファイル歪みを提供することができ、またエッチングされた構造の上部から底部までの同じ限界寸法及びパターン高アスペクト比構造でのアーキングを維持することができる。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、p-Si、SiO、及び/又はSiNの交互の層を通してエッチングすることができ、垂直エッチングプロファイルが得られる(すなわち、交互の層の間に2:1~1:2の範囲の選択性を示す)。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物のプラズマは、SiO層対SiN層に関して約1:2~約2:1の選択性を有して交互のSiOとSiN(ONON)の層をエッチングする。好ましくは、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物のプラズマは、SiO層対SiN層に関して約1:1の選択性を有して交互のSiOとSiN(ONON)の層をエッチングする。
【0060】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、95%v/vより高い純度で、好ましくは、99.99%v/vより高い純度で、より好ましくは、99.999%v/vより高い純度で提供される。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、5体積%未満の微量ガス不純物を含有し、微量ガス不純物中には、体積で150ppm未満のN2及び/又はH2O及び/又はCO2などの不純物ガスが含まれる。好ましくは、プラズマエッチングガス中の含水量は、重量で20ppm未満である。精製された生成物は、蒸留、及び/又は4Åモレキュラーシーブなどの適切な吸着剤を通してガス又は液体を通過させることによって製造され得る。
【0061】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、10%v/v未満、好ましくは、1%v/v未満、より好ましくは、0.1%v/v未満、さらにより好ましくは、0.01%v/v未満のいずれかのその異性体を含有し、これは、異性体を除去するためのガス又は液体の蒸留によって精製され得、且つより良好なプロセス繰返し性を提供し得る。
【0062】
或いは、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、特に、異性体混合物が改善されたプロセスパラメータを提供する場合、又は標的異性体の単離が困難であるか費用がかかりすぎる場合、0.01%v/v~99.99%v/vのその異性体を含んでいてもよい。例えば、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、約50%v/v~約75%v/vの2-ヨード-1-(トリフルオロメトキシ)テトラフルオロエタンと、約25%v/v~約50%v/vの1,1,1,2-テトラフルオロ-2-ヨード-2-(トリフルオロメトキシ)エタンと、約25%v/v~約50%v/vの1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメトキシ-1-ヨードエタンとを含み得る。異性体の混合物は、反応チャンバーへの2つ以上のガスラインの必要性を減らすこともできる。
【0063】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物のいくつかは、室温及び気圧においてガス状である。非ガス状(すなわち、液体又は固体)化合物に関して、それらのガス形態は、直接蒸発などの従来的な蒸発ステップによって化合物を蒸発させることによって、又は不活性ガス(N2、Ar、Heなど)によるバブリングによって生成され得る。非ガス状化合物は、それを反応器中に導入する前にそれを蒸発させる蒸発器に液体形態で提供され得る。
【0064】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、ケイ素含有膜中のチャネルホール、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、スリット、コンデンサーホール、コンタクトホール、自己整合コンタクト、自己整合ビア、スーパービアなどの半導体構造のプラズマエッチングに適切である。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が、高アスペクト比構造の良好なプロファイルとともにマスク上にダメージを誘発しないか、又はわずかのみ誘発するため、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、現在入手可能なマスク材料と適合性があるのみならず、次世代のマスク材料とも適合性がある。換言すれば、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、最小限の歪曲、パターン崩壊又は粗さを有するか、又は有さない垂直エッチングパターンを作成し得る。これらの特性を達成するために、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、エッチングプロセスの間に酸素及びフッ素ラジカルの直接的な影響を減少させることの補助とするため、エッチングの間にエッチング抵抗ポリマー層を堆積してもよい。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、エッチングの間のp-Si又は結晶質Siチャネル及びケイ素含有構造に対するダメージを減少させ得る。
【0065】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、ほとんどの用途でエッチングされる構造の底部に位置する金属層である埋め込み型ランディング層又は材料からケイ素含有層を選択的にエッチングする。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、ランディング層又は金属ランディング層をエッチングしない。埋め込み型ランディング層は、エッチング停止層又は拡散バリア層であってもよい。金属ランディング層の材料は、3D NAND構造のタングステン金属ワールドライン、及び/又はW、Cu、Al、Ru、Pt、Ti、Ta、Ni、Co、Mo、Mn、Pd、Ir、Nb、Cr、Rh、V、Au、Ag若しくはそれらの組合せなどの別の金属、及び/又は金属若しくは金属酸化物若しくは窒化物層などのエッチング停止層(AlO、WO、HfO、TiO、TaO、InO、CrO、RuO、CoO、MoO、ZrO、SnO、TiN、TaN、HfN、AlN、WN、MoN、NiN、NbN、CrN、RuN、CoN、ZrN、SnN又はそれらの組合せなど)であってよい。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、コンタクトホール、階段状及びスリット状の底部の材料(3D NAND構造のタングステン金属ワールドライン及び/又はW、Cu、Al、Ru、Pt、Ti、Ta、Ni、Co、Mo、Mn、Pd、Ir、Nb、Cr、Rh、V、Au、Ag若しくはそれらの組合せなどの別の金属など)、及び/又は金属若しくは金属酸化物若しくは窒化物層などのエッチング停止層(AlO、WO、HfO、TiO、TaO、InO、CrO、RuO、CoO、MoO、ZrO、SnO、TiN、TaN、HfN、AlN、WN、MoN、NiN、NbN、CrN、RuN、CoN、ZrN、SnN、又はそれらの組合せなど)にほとんど又は全くダメージを誘発しない。当業者は、Ti/TiN、Ti/TiN/Ti、TiZrN、Ta/TaN、TaN/Cu/TaN、TaN/Ru/TaNなどであるバリア層が前述した金属及び金属酸化物及び窒化物の組合せから構成することもできることを認識するであろう。バリアには、シリサイド(TiSiN、TaSiN、TiSi2、MnSiOなど)、リン化物(CuWP、NiMoP、NiPなど)、炭化物(TaC、TaCN、WCNなど)、ホウ化物(NiMoB、NiBなど)又はそれらの組合せも含まれ得る。好ましくは、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、反応器/チャンバー中への送達のため、エッチングプロセスの間、適切に揮発性及び安定性である。
【0066】
材料適合性試験は、いずれかの開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がチャンバー材料と反応して、そして短期又は長期使用によってチャンバーの性能を低下させるかどうかを決定するために重要である。チャンバー、バルブなどの一部に関連する重要な材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PFA、PP、kalrez、viton並びに他の金属及びポリマーが含まれる。時には、これらの材料は、それらの低下を強化し得る、高温、例えば、20℃より高い温度、及び高圧、例えば、1atmより高い圧力に暴露される。測定方法には、目視検査、重量測定、走査型電子顕微鏡法(SEM)におけるナノメートルスケールでの変化の測定、引張強度、硬度などが含まれ得る。
【0067】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、基板上にケイ素含有膜をプラズマエッチングするために使用され得る。開示されたプラズマエッチング法は、NAND又は3D NANDゲートなどの半導体デバイス、或いはフィン型電界効果トランジスタ(fin-shaped field-effect transistor)(FinFET)、ゲートオールアラウンド(GAA)FET、ナノワイヤFET、ナノシートFET、フォークシートFET、相補型FET(CFET)、バルク相補型金属酸化物半導体(バルクCMOS)、MOSFET、完全空乏シリコンオンインシュレータ(FD-SOI)構造などのフラッシュ又はDRAMメモリ又はトランジスタの製造において有用であり得る。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、異なるフロントエンド(front end of the line)(FEOL)及びバックエンド(back end of the line)(BEOL)エッチング用途などの他の領域の用途において有用であり得る。さらに、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、基板上のロジックにメモリを相互連結させるため、3D Si貫通電極(through silicon via)(TSV)エッチング用途においてSiをエッチングするために、及びMEMS用途において使用され得る。
【0068】
プラズマエッチング法は、その中に配置された基板を有する反応チャンバーを提供することを含む。反応チャンバーは、限定されないが、反応性イオンエッチング(RIE)、単一又は複数周波数RF源による容量結合プラズマ(CCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、又はマイクロ波プラズマ反応器、或いは選択的にケイ素含有膜の一部を除去することが可能であるか、又は活性種を生成することが可能である他の種類のエッチングシステムなどのその中でエッチング法が実行されるデバイス中のいずれかのエンクロージャ又はチャンバーであり得る。当業者は、異なるプラズマ反応チャンバー設計によって異なる電子温度制御が提供されることを認識するであろう。適切な商業的に入手可能なプラズマ反応チャンバーとしては、限定されないが、eMAX(商標)の商標で販売されるApplied Materials磁気強化反応性イオンエッチャー、又は2300(登録商標)Flex(商標)の商標名で販売されるLam Research Dual CCP反応性イオンエッチャー誘電体エッチング製品系統が含まれる。それらの中のRF電力は、プラズマ特性を制御し、それによって、エッチング性能(選択性及びダメージ)をさらに改善するために断続的であってもよい。
【0069】
代わりに、プラズマ処理された反応物は、反応チャンバーの外部で生成され得る。MKS InstrumentsのASTRONi(登録商標)反応性ガス発生機は、反応チャンバー中への通過の前に反応物を処理するために使用され得る。2.45GHz、7kWプラズマ電力及び約0.5Torr~約10Torrの範囲の圧力で作動させると、反応物O2は2つのO・ラジカルに分解し得る。好ましくは、リモートプラズマは、約1kW~約10kW、より好ましくは、約2.5kW~約7.5kWの範囲の電力で生成され得る。
【0070】
反応チャンバーは、1つ又は1つより多くの基板を含有し得る。例えば、反応チャンバーは、25.4mm~450mmの直径を有する1~200のケイ素ウエハを含有し得る。基板は、半導体、光起電、フラットパネル又はLCD-TFTデバイス製造において使用されるいずれかの適切な基板であってよい。適切な基板の例としては、ケイ素、シリカ、ガラス、Ge、SiGe、GeSn、InGaAs、GaSb、InP又はGaAsウエハなどのウエハが含まれる。ウエハは、ケイ素含有膜又は層を含む、以前の製造ステップからのその上の複数の膜又は層を有するであろう。層はパターン化されていても、又はされていなくてもよい。適切な層の例としては、限定されないが、シリコン(非晶質シリコン、p-Si、結晶シリコン、これらのいずれもB、C、P、As、Ga、In、Sn、Sb、Bi及び/又はGeによってさらにp-ドープ又はn-ドープされていてもよい)、シリカ、窒化ケイ素、酸化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、SiaObHcCdNe(式中、a>0であり;b、c、d、e≧0である)、Ge、SiGe、GeSn、InGaAs、GaSb、InP;ドーパントを含む又は含まない非晶質炭素、反射防止コーティング、フォトレジスト材料、金属酸化物、例えばAlO、TiO、HfO、ZrO、SnO、TaO、又は金属窒化物層、例えばAlN、ZrN、SnN、HfN、窒化チタン、窒化タンタルなど、又はそれらの組合せなどのマスク層材料;窒化シリコン、ポリシリコン、結晶シリコン、炭化ケイ素、SiON、SiCN又はそれらの組合せ、デバイスチャネル材料、例えば結晶シリコン、エピタキシャルシリコン、ドープされたシリコン、SiaObHcCdNe(式中、a>0であり;b、c、d、e≧0である)又はそれらの組合せなどのエッチング停止層材料;が挙げられる。一例では、マスク層は、炭素含有層、及び/又はケイ素含有層、及び/又は金属含有層の組合せなどの2つ以上の層で構成されていてもよい。一例では、マスクはSiN及びTiNであってよく、ランディング層はCu、W、又はRuである。酸化ケイ素層は、有機ベースか、又は酸化ケイ素ベースの低誘電率誘電体材料(例えば、多孔性SiCOH膜)などの誘電体材料を形成し得る。模範的な低誘電率誘電体材料は、商標名Black Diamond II又はIIIでApplied Materialsによって販売される。さらに、タングステン又は貴金属(例えば、白金、パラジウム、ロジウム又は金)を含む層が使用されてもよい。さらに、ケイ素含有膜の例は、SiaObHcCdNe(式中、a>0;b、c、d、e≧0)であり得る。明細書及び請求の範囲全体で、ウエハ及びそのいずれかの関連層は基板と記載される。
【0071】
以下は、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物がエッチングするために適用され得る基板の模範的な実施形態である。
【0072】
一実施形態において、
図1aに示されるように、基板100は、複数の層のスタックを含み得る。
図1aは、3D NANDゲートを作成するための3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
図1aにおいて、7つの交互SiO/SiN(すなわち、104a/104b)層104のスタックがケイ素ウエハ102上に位置する(すなわち、ONON又はterabit cell array transistor(TCAT)技術)。いくつかの用途では、ウエハ102は、3D NAND構造のタングステン金属ワールドライン及び/又はW、Cu、Al、Ru、Pt、Ti、Ta、Ni、Co、Mo、Mn、Pd、Ir、Nb、Cr、Rh、V、Au、Ag若しくはそれらの組合せなどの別の金属などの埋め込み型ランディング層若しくは材料、並びに/又は金属若しくは金属酸化物若しくは窒化物層などのエッチング停止層若しくは拡散バリア層(AlO、WO、HfO、TiO、TaO、InO、WO、CrO、RuO、CoO、MoO、TiN、TaN、HfN、AlN、WN、MoN、NiN、NbN、CrN、RuN、CoN又はそれらの組合せなど)であってよい。当業者は、Ti/TiN、Ti/TiN/Ti、TiZrN、Ta/TaN、TaN/Cu/TaN、TaN/Ru/TaNなどであるバリア層が前述した金属及び金属酸化物及び窒化物の組合せから構成することもできることを認識するであろう。バリアには、シリサイド(TiSiN、TaSiN、TiSi
2、MnSiOなど)、リン化物(CuWP、NiMoP、NiPなど)、炭化物(TaC、TaCN、WCNなど)、ホウ化物(NiMoB、NiBなど)又はそれらの組合せも含まれ得る。当業者は、何らかの技術によってSiN層104bがp-Si層によって置き換えられること(例えばSiO/p-Si又はpipe-shaped bit cost scalable(p-BICS)技術)を認識するであろう。ハードマスク層106は、7つのSiO/SiN層104の上部に位置する。ハードマスク層106は、ドーパントあり又はなしの非晶質炭素(a-C)ハードマスク層であってよい。ハードマスク層106は、CVD、PECVD、ALD、PEALD又はスピンオン堆積(SOD)非晶質炭素又はドープされた非晶質炭素、ケイ素含有スピンオンマスク、又は炭素含有スピンオンマスクの層であってよい。ハードマスク層106は、SiO/SiN層エッチング中のエッチング耐性を高めるために、C及びHのみならず、ホウ素、窒素、硫黄、塩素、フッ素、又は金属(Al、Zr、Ti、W、Y)などの他の元素も含んでいてもよい。この場合、ハードマスク層106は、例えば、ホウ素がドープされたa-C層、タングステンがドープされたa-C層などのドープされたa-C層である。反射防止コーティング層108は、ハードマスク層106の上部に位置する。パターン化されたフォトレジスト層110は、パターン112を有する反射防止コーティング層108の上部に位置する。本明細書中、フォトレジスト層110中のパターン112をハードマスク層106に移して、(示されない)パターニングされたハードマスク層を形成するために、反射防止コーティング層108とハードマスク層106との間に(示されない)SiON層が存在してもよい。当業者は、
図1a中の基板100中の層のスタックが、模範的な目的のためのみ提供され、且つ開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が他の種類の層のスタックをエッチングするために使用されてもよいことを認識するであろう。さらに、当業者は、基板100のスタック中の交互SiO/SiN又はSiO/p-Si層104の数が変動し得ること(すなわち、記載された7つより多いか、又は7つより少ないSiO/SiN(104a/104b)層を含み得ること)を認識するであろう。
【0073】
図1bは、エッチングにより形成された構造又はビア112aの側壁上に堆積したポリマーを示す、
図1aの3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、ケイ素含有膜104の異方性エッチング、及び
図1bに示されるようにエッチングされる構造又はビア112aの側壁上での酸素とヨウ素とを含有するポリマーパッシベーション層214の堆積のために適切であるプラズマプロセスの間にフラグメントを生じ得る。
図1b及び
図1aの間の差異は、
図1bにおいては、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を使用するプラズマエッチングによって基板100中に構造又はビア112aが形成され、それによって、構造又はビア112aの側壁上にポリマーパッシベーション層214も堆積されるということである。また、ポリマーパッシベーション層214は、構造又はビア212の底部において、より平滑な側壁、より少ない歪曲及びより少ない変形を提供する。しかしながら、ポリマーパッシベーション層214は、当該技術において既知の乾式又は湿式エッチング化学薬品によって容易に除去又はクリーニングされ得る。
【0074】
図1cは、3D NANDスタック中の交互SiO/SiN層エッチングの間に発生した粒子316を示す、
図1aの3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
図1cに示すように、交互SiO/SiN(すなわち、104a/104b)層104の側壁上に生じた粒子316は、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を使用することによって最小化され得る。
図1c及び
図1bの間の差異は、
図1cにおいては、交互SiO/SiN曝露側面が、プラズマエッチングの間に発生した粒子316を有するということである。出願人らは、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が
図1cに示される粒子316を発生させるとは考えない。
【0075】
図1dは、異方性エッチングプロセス後に3D NANDスタック中の側壁上で暴露されたSiN層104bの選択的等方性エッチングを示す、
図1aの3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。スタック100中のSiN曝露側面は、SiO層104a中のSi-O結合よりもSiN層104b中のSi-N結合を選択的に破壊し、ビア112a中のSiO/SiN層104中のスタック上に選択的側壁SiNエッチング418を形成するように、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を使用することによって、
図1dに示されるように選択的にエッチングされ得る。
図1d及び
図1bの間の差異は、
図1dにおいて、交互SiO/SiN側壁上に暴露されたSiN層が、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物によって選択的にエッチングされて、選択的側壁SiNエッチング418が形成されるということである。典型的に、選択的側壁SiNエッチング418は、リン酸との混合物を使用する湿式エッチングによって実行される。湿式エッチングは基板を異なる湿式エッチング装置に移動させることを必要とするため、湿式エッチングプロセスを乾式プラズマエッチングプロセスで置き換えることによって、半導体デバイス製作プロセスの経済的側面を非常に改善することが知られている。開示された方法に関して、
図1dの選択的側壁SiNエッチングを含む全てのエッチングは、一体型エッチング装置において実行され得、このことは、半導体製作のコストを減少し得る。
【0076】
別の実施形態において、
図2に示されるように、基板200は、複数の層のスタックを含み得、それは、DRAMメモリを作成するためのDRAMスタック中の模範的な層の断面図である。示されるように、4層のスタックがケイ素ウエハ202上に位置する。ハードマスク層206は、大SiO層204の上部に位置する。反射防止コーティング層208は、ハードマスク層206の上部に位置する。パターンフォトレジスト層210は、反射防止コーティング208の上部に位置する。フォトレジスト層210中のパターン212をハードマスク層206に移すために、反射防止コーティング層208とハードマスク層206との間に(示されない)SiON層が存在してもよい。当業者は、
図2中の層のスタックが、模範的な目的のためのみ提供され、且つ開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が他の層のスタック、例えば、ハードマスク層206がTiN層によって置き換えられたスタックをエッチングするために使用されてもよいことを認識するであろう。さらに、当業者は、スタック中の層の数が変動し得ること(すなわち、記載された層より多いか、又は少ない層を含み得ること)を認識するであろう。
【0077】
図3aは、トランジスタ構造を製造するための典型的なトランジスタデバイス領域を囲むSiO絶縁層上のフォトレジストパターンを示す例示的な層の側断面図である。図示されているように、基板300は、シリコンウエハ302上に支持されたトランジスタゲート電極領域を囲む4層のスタックを含むことができる。図示のトランジスタ領域は、ソース及びドレインとして機能する2つのドープされたシリコン領域306を含む。トランジスタゲート誘電体314はゲート電極316の下に存在する。トランジスタ全体、すなわちトランジスタゲート誘電体314及びゲート電極316は、薄いSiN層308で囲まれており、これは、その後コンタクトエッチング中にエッチング停止層として機能することができる。各トランジスタデバイス領域306/316は、電気的干渉を最小限に抑えるために、シリコンウエハ302内のSiO分離領域304によって分離されている。当業者であれば、層302がシリコンオンインシュレータ(SOI)ウエハ(図示せず)の酸化ケイ素層の上に配置されてもよいことを認識するであろう。絶縁層としての別のSiO層310がトランジスタ上に堆積され、トランジスタデバイス領域306へのあらゆる金属接触を絶縁するために使用される。パターン化されたフォトレジストマスク312は、SiO層310をパターン化するために使用される。エッチングは、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を使用して、プラズマ環境で行われる。パターン化されたフォトレジストマスク312は、SiO層310をエッチングするテンプレートとして機能し、
図3bに示されているように、エッチングはSiN層308上で停止される。
【0078】
図3bは、SiO層310のエッチング後の
図3aの模範的な層の断面図である。
図3b及び
図3aの間の差異は、
図3bにおいて、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物によるエッチングによって、SiO層310中に構造又はビア318が形成されるということである。SiO層310は、マスク層としてのフォトレジスト層312を用いてエッチングされ得る。マスク層は、TiN、a-Cなどのいずれかの適切なフォトレジストマスク材料であり得る。エッチングは、下のSiN層308で停止され得る。
【0079】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、エッチング化合物の異なるプラズマ条件及び異なる混合物を用いてSiN層308をエッチングするために使用されてもよい。当業者は、
図3a及び
図3bの層のスタック及び幾何構造が、模範的な目的のためのみ提供され、且つ開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が他の種類の層のスタックをエッチングするために使用されてもよいことを認識するであろう。さらに、当業者は、スタック中の層の数が変動し得ること(すなわち、記載された4層より多いか、又は少ない層を含み得ること)を認識するであろう。
【0080】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気は、基板及びケイ素含有膜を含有する反応チャンバー中に導入される。蒸気は、約0.1sccm~約1slmの範囲のフロー速度においてチャンバーに導入され得る。ここでのsccmは標準立方センチメートル毎分であり、slmは標準リットル毎分である。例えば、200mmのウエハ径に関して、蒸気は約5sccm~約50sccmの範囲のフロー速度においてチャンバーに導入され得る。代わりに、450mmのウエハ径に関して、蒸気は約25sccm~約250sccmの範囲のフロー速度においてチャンバーに導入され得る。当業者は、フロー速度がツールによって変動し得ることを認識するであろう。
【0081】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、そのままの形態で、又はN2、Ar、Kr、Ne、He、Xeなどの不活性ガス又は溶媒とのブレンドのいずれかで供給され得る。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、ブレンド中、様々な濃度で存在し得る。液体酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物に関して、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気形態は、そのままの、又はブレンドされた酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物溶液を、直接蒸留などの従来の蒸発ステップによって蒸発させることによって、又はバブリングによって生成され得る。そのままの、又はブレンドされた酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、それを反応器中に導入する前にそれを蒸発させる蒸発器へと液体状態で供給され得る。
【0082】
代わりに、そのままの、又はブレンドされた酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を含有する容器中にキャリアガスを通過させることによって、又は開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物中にキャリアガスをバブリングすることによって蒸発され得る。キャリアガスとしては、限定されないが、Ar、He、N2及びそれらの混合物が含まれる。キャリアガスによるバブリングによって、そのままの、又はブレンドされたヨウ素含有エッチング化合物溶液中に存在するいずれかの溶解酸素が除去され得る。次いで、キャリアガス及び開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は蒸気として反応器中に導入される。
【0083】
必要であれば、酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が液体相となり、且つエッチングツールへの送達のために十分な蒸気圧を有することを可能にする温度まで、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を含有する容器を加熱してもよい。容器は、例えば、約0℃~約150℃、好ましくは、約25℃~約100℃、より好ましくは、約25℃~約50℃の範囲の温度に維持されてもよい。より好ましくは、容器は、エッチングツールへのラインの加熱を避けるために室温(約25℃)に維持される。当業者は、容器の温度が、蒸発させる酸素とヨウ素とを含有する化合物の量を制御するために周知の様式で調整され得ることを認識する。
【0084】
さらに、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、95体積%~99.999体積%の範囲の純度で送達され、且つCO、CO2、N2、H2O、HF、H2S、SO2、ハロゲン化物及び他の炭化水素又はヒドロハロカーボンの除去のための周知の標準的精製技術によって精製され得る。
【0085】
不活性ガスもプラズマを受けるために反応チャンバー中に導入される。不活性ガスは、He、Ar、Xe、Kr、Ne、N2、又はそれらの組合せであり得る。エッチングガス及び不活性ガスは、不活性ガスが、得られた混合物の約0.01%v/v~約99.9%v/vを構成するように、チャンバーへの導入の前に混合されてもよい。代わりに、不活性ガスは連続的にチャンバーに導入され得るが、エッチングガスは断続的にチャンバーに導入される。
【0086】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気及び不活性ガスをプラズマによって活性化し、活性化エッチングガスを生成する。プラズマによって酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物はラジカル型(すなわち、活性化エッチングガス)へと分解する。プラズマは、RF又はDC電力を適用することによって発生させてもよい。プラズマは、約25W~約100,000Wの範囲のRF電力によって発生させてもよい。プラズマは、遠位で、又は反応器自体の中で発生させてもよい。プラズマは、両電極において適用されたRFによって、デュアルCCP又はICPモードで発生させてもよい。プラズマのRF周波数は、100KHz~1GHzの範囲であり得る。異なる周波数における異なるRF源を組み合わせて、そして同一電極において適用されてもよい。分子断片化及び基板における反応を制御するため、さらにプラズマRFパルスを使用してもよい。当業者は、そのようなプラズマ処理のために適切な方法及び装置を認識するであろう。
【0087】
四重極質量分析装置(QMS)、光学発光分光器、FTIR又は他のラジカル/イオン測定ツールによって、生成した種の種類及び数を決定するために、チャンバー排出物からの活性化エッチングガスを測定してもよい。必要であれば、エッチングガス及び/又は不活性ガスのフロー速度は、発生したラジカル種の数を増加又は減少させるように調整されてもよい。
【0088】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気は、反応チャンバー中への導入の前、又は反応チャンバー中のいずれかで、他のガスと混合されてもよい。好ましくは、ガスは、混入ガスの均一な濃度を提供するために、チャンバーへの導入の前に混合されてよい。
【0089】
別の選択肢において、酸素とヨウ素とを含有する化合物の蒸気は、2種以上のガスが反応するか又は独立して送達するのがより容易である場合など、他のガスから独立してチャンバー中に導入されてよい。
【0090】
別の代替形態では、エッチングガス、すなわち酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気、及び不活性ガスは、エッチングプロセス中に使用されるただ2つのガスである。
【0091】
模範的な他のガスとしては、限定されないが、O2、O3、CO、CO2、NO、N2O、NO2、H2O、H2O2、COS、SO2及びそれらの組合せなどの酸化剤が含まれる。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチングガス及び酸化剤は、反応チャンバー中に導入される前に一緒に混合されてもよい。
【0092】
代わりに、酸化剤は連続的にチャンバーに導入され得、且つエッチングガスは断続的にチャンバーに導入される。酸化剤は、チャンバー中に導入される混合物の約0.01%v/v~約99.99%v/vを構成してもよい(99.99%v/vは、連続導入の選択肢に関して、ほぼ純粋な酸化剤の導入を表す)。
【0093】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が使用され得る他の例示的なガスとしては、cC4F8、C4F8、cC5F8、C5F8、C4F6、CF4、CH3F、CF3H、CH2F2、C3HF7、C3F6、C3H2F6、C3H2F4、C3H3F5、C4HF7、C5HF9、C3F6、C3F8、CF3I、C2F3I、C2F5I、C3F7I、1-ヨードヘプタフルオロプロパン(1-C3F7I)、2-ヨードヘプタフルオロプロパン(2-C3F7I)、C4F9I、C3HF7、COS、FNO、F-C≡N、CS2、SO2、SF6、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(trans-C4H2F6)、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(cis-C4H2F6)、ヘキサフルオロイソブテン(C4H2F6)、トランス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(trans-C4H2F6)、1,1,2,2,3-ペンタフルオロシクロブタン(C4H3F5)、1,1,2,2-テトラフルオロシクロブタン(C4H4F4)、及びシス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(cis-C4H2F6)又はそれらの組合せが挙げられる。例えば、約1%v/v~約25%v/vの開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物が使用され得、残りはC4F6又はcC4F8である。以下の実施例に示されるように、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物と従来のエッチングガスとの組合せによって、基板と、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物と関連してエッチングされる層との間のより高い選択性を維持しながら、増加したエッチング速度をもたらし得る。
【0094】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物の蒸気及びエッチングガスは、反応チャンバーへの導入の前に混合されてもよい。追加のエッチングガスは、チャンバー中に導入される混合物の約0.01%v/v~約99.99%v/vを構成してもよい。
【0095】
1つの非限定的なプラズマエッチングプロセスでは、C
4F
9IOなどの開示された酸素とヨウ素とを含有する化合物の蒸気は、制御ガスフローデバイスを使用して、200mmデュアルCCPプラズマエッチングツールへと導入される。制御ガスフローデバイスは、所望の分子の蒸気を送達するための不活性ガスフローによるマスフロー制御器又はバブラーデザインであり得る。高沸点分子の場合、Brooks Automation(No.GF120XSD)、MKS Instrumentsなどからの特別な低圧損失マスフロー制御器が使用され得る。反応チャンバーの圧力は、約30mTorrに設定される。蒸気圧が十分である場合、ガス供給源の加熱は必要とされなくてもよい。2つのCCP電極間の距離は1.35cmに保持され、且つ上部電極RF電力は750Wに固定される。底部電極RF電力は、分子の性能を分析するために変更される。
図1aに示されるものと同様に、反応チャンバーは、その上にケイ素含有膜を有する基板を含有する。反射防止コーティング層108は、フッ化炭化水素(例えば、CF
4及びCH
2F
2)並びに酸素含有ガス(例えば、O
2)によってパターン化/エッチングされる。非晶質炭素マスク層106は、酸素含有ガスによってパターン化/エッチングされる。SiO及びSiN層104は、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物(例えば、C
4F
9IO)及びアルゴンのプラズマによってパターン化される。アルゴンは、独立して、250sccmフロー速度においてチャンバー中に導入される。C
4F
9IOは、独立して、15sccmにおいてチャンバー中に導入される。O
2は、独立して、チャンバー中に導入され、且つ最適エッチング条件を決定するために0sccm~20sccmで様々である。10:1、好ましくは50:1以上のアスペクト比を有するアパーチャーが作製され、それは3D NAND及びDRAM中のチャネルホール又はコンタクトホール又は階段状エッチング、スリットエッチングとして使用され得る。類似の例は、
図2及び
図3aに示されるような他のスタック層に関して使用されてもよい。
【0096】
別の非限定的な模範的なプラズマエッチングプロセスにおいて、C
4F
9IOは、制御ガスフローデバイスを使用して、200mmデュアルCCPプラズマエッチングツールへと導入される。制御ガスフローデバイスは、マスフロー制御器であり得る。高沸点分子の場合、Brooks Automation(No.GF120XSD)、MKS Instrumentsなどからの特別な低圧損失マスフロー制御器が使用され得る。反応チャンバーの圧力は、約30mTorrに設定される。蒸気圧力が十分である場合、ガス供給源の加熱は必要とされなくてもよい。2つのCCP電極間の距離は1.35cmに保持され、且つ上部電極RF電力は750Wに固定される。底部電極RF電力は、C
4F
9IOの性能を分析するために変更される。反応チャンバーは、
図2に示される層と同様に、その上にSiO厚層104aを有する基板100を含有する。このプロセスの前に、反射防止コーティング層108は、フッ化炭化水素(例えば、CF
4)及び酸素含有ガス(例えば、O
2)によって除去され、そしてa-Cマスク層106は酸素含有ガスによって除去される。アルゴンは、独立して、250sccmフロー速度においてチャンバー中に導入される。C
4F
9IOは、独立して、15sccmにおいてチャンバー中に導入される。O
2は、独立して、最適エッチング条件を決定するために0sccm~20sccmにおいてチャンバー中に導入される。10:1以上のアスペクト比を有するアパーチャーが作成され、それはDRAM中のコンタクトホールとして使用され得る。類似の例は、
図1a及び3aに示されるような他のスタック層に関して使用されてもよい。
【0097】
ケイ素含有膜及び酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチングガスは反応して、反応チャンバーから除去される揮発性副生成物を形成する。a-Cマスク、反射防止コーティング及びフォトレジスト層は、活性化エッチングガスに対してそれほど反応性ではない。したがって、活性化エッチングガスはケイ素含有膜と選択的に反応し、揮発性副生成物を形成する。
【0098】
反応チャンバー中の温度及び圧力は、ケイ素含有膜が活性化エッチングガスと反応するために適切な条件に保持される。例えば、チャンバー中の圧力は、エッチングパラメーターによる必要に応じて、約0.1mTorr~約1000Torr、好ましくは、約1mTorr~約10Torr、より好ましくは、約10mTorr~約1Torr、より好ましくは、約10mTorr~約100mTorrに保持され得る。同様に、チャンバー中の基板温度は、約-196℃~約500℃、好ましくは、約-120℃~約300℃、より好ましくは、約-100℃~約50℃、そしてより好ましくは、約-10℃~約40℃の範囲であり得る。チャンバー壁部温度は、プロセス必要条件次第で、約-196℃~約300℃の範囲であり得る。
【0099】
ケイ素含有膜と活性化エッチングガスとの間の反応は、基板からのケイ素含有膜の異方性除去をもたらす。窒素、酸素及び/又は炭素原子もケイ素含有膜に存在し得る。除去は、(プラズマによって促進された)プラズマイオンからのケイ素含有膜の物理的スパッタリング及び/又はSiを、xが1~4の範囲であるSiFxなどの揮発性種に変換するためのプラズマ種の化学反応による。
【0100】
開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物のプラズマ活性化蒸気は、好ましくは、マスクに対して高い選択性を示し、且つSiO及びSiNの交互層を通してエッチングが生じ、歪曲又は粗さのない垂直エッチングプロファイルが得られる。これは3D NAND適用に関して重要である。さらに、プラズマ活性化蒸気は、側壁上にポリマーを堆積させ、フィーチャプロファイル変形を最小化する。DRAM及び2D NANDなどの他の用途に関して、例えば、異なるプロセス条件下でのプラズマ活性化エッチングガスは、SiNから選択的にSiOをエッチングし得る。プラズマ活性化エッチングガスは、a-C、フォトレジスト、p-Si又は炭化ケイ素などのマスク層から;或いはCu、W、Ruなどの金属コンタクト層から;或いはSiGe又はポリケイ素領域からなるチャネル領域から、選択的にSiO及び/又はSiNをエッチングし得る。
【0101】
開示されたエッチングプロセスは、エッチングガスはケイ素含有膜中にチャネルホール、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、コンデンサーホール、コンタクトホール、コンタクトエッチ、スリットエッチ、自己整合コンタクト、自己整合ビア、スーパービアなどを作成するため、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を使用する。結果として生じるアパーチャーは、約10:1~約200:1の範囲のアスペクト比及び約5nm~約500nm、好ましくは100nm未満の範囲の直径を有し得る。例えば、当業者は、チャネルホールエッチングによって、50:1より高いアスペクト比を有するケイ素含有膜中のアパーチャーが作成されることを認識するであろう。
【0102】
エッチングされる必要がある典型的な材料は、SiOであってよい。SiOをエッチングするプロセスは、湿式又は乾式プロセスによって製造された熱酸化物であるホウリンケイ酸ガラス(BPSG)、テトラエチルオルトケイ酸(TEOS)、又は低堆積速度TEOS(LDTEOS)のトレンチのエッチングに関連し得る。エッチング停止層は、窒化ケイ素又は窒化ケイ素酸素(SiON)又はポリケイ素であり得る。使用されたマスク材料は、a-C、p-Si又はフォトレジスト材料であり得る。本明細書中、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、SiO、SiN、p-Si及び/又はa-C基板膜をエッチングするために使用される。
【0103】
以下の実施例に示されるように、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を用いたSiO、SiN、p-Si及びa-C膜のドライエッチングの評価からは、酸素とヨウ素とを含有するHFCが、先行技術のフルオロカーボンと比較して非晶質炭素、窒化ケイ素及びp-Siに対する酸化ケイ素の選択性を最も高くすることが示される。高い選択性の理由は、エッチングガスのプラズマ解離時に低F/Cのヨウ素含有フラグメントが形成されて基板上に保護ポリマー膜が形成されるためと考えられる。さらに、ヨウ素はイオン化され、Ar、Kr、及びXeなどの不活性ガスと同様に重いヨウ素イオンを表面に衝突させる。また、イオン化されたヨウ素原子は、高アスペクト比のエッチングに有利になるように、有機ハードマスクをドーピングして有機ハードマスクのエッチング耐性を改善することにより、有機ハードマスクの表面を改質する。酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物は、パターン化されたマスク層を強化するヨウ素イオンを生成し、これにより、基板にパターン化された構造を形成しながらもパターン化されたマスク層を補強して損傷を最小限に抑える。本明細書で示されるエッチングガスの結果は、コンタクトエッチングプロセスなどのパターン化された構造のエッチングプロセスに期待されるのみならず、低誘電率エッチングプロセスを含むケイ素又は金属含有基板上での他のエッチングプロセスにも有益である可能性があることを示している。加えて、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を用いたエッチングによりパターン化された構造を形成するプロセスでは、パターンマスク層の表面にヨウ素をドーピングして表面を改質することにより、パターンマスク層のエッチング耐性を高めることができる。この場合、活性された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物からのヨウ素イオンは、基板からケイ素含有膜をエッチングしてパターン化された構造を形成しながら、パターン化されたマスク層(すなわちパターン化されたマスク層の表面及び/又は本体/バルク)に注入される。さらに、開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物は、パーフルオロカーボン化合物に起因する地球温暖化係数の低減に適している。
【0104】
プロセスパラメータを調整し、用途に応じて、ヨウ素のドーピング濃度を堆積膜全体にわたって0.1~99.9%増加させることができる。
【0105】
基板材料中のヨウ素原子濃度は、約0.1%~約99.9%の範囲であり、蒸着膜全体にわたって均一な濃度である。
【0106】
基板材料中のヨウ素原子濃度は、約1%~約50%の範囲であり、蒸着膜全体にわたって均一な濃度である。
【0107】
基板材料中のヨウ素原子濃度は、約2%~約30%の範囲であり、蒸着膜全体にわたって均一な濃度である。
【0108】
さらに、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物中の酸素をa-Cマスク層にドープすることができる。酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物中の酸素は、酸化剤の使用を減らすこと、又は酸化剤の使用をなくすこともできる。いくつかの実施形態では、酸化剤が導入されなくてよい。いくつかの実施形態では、酸化剤がほとんど使用されなくてよい。上述したように、酸化剤は堆積したポリマーを除去するが、エッチングされた構造を変形させる可能性がある。開示された酸素とヨウ素とを含有するエッチング化合物を用いると、酸化剤をほとんど又は全く適用しないことができ、その結果、エッチングされた構造は、直線的なプロファイルを維持する。さらに、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物中の酸素は、炭素含有層などのマスク層にヨウ素含有イオン、ラジカル及び種をより多く取り込むのに役立つ。加えて、酸素とヨウ素とを含有する活性化されたエッチング化合物中の酸素は、ケイ素含有層のエッチング速度を高めるのにも役立つ。
【実施例】
【0109】
次の非限定的な実施例は、本発明の実施形態をさらに例示するために提供される。しかしながら、実施例は包括的であるように意図されず、且つ本明細書に記載される本発明の範囲を制限するように意図されない。
【0110】
以下の実施例では、市販のLAMツール4520XLe200mm(CCPデュアル周波数プラズマ)を用いて、或いは市販のAMEC300mmPrimo SSC HD-RIEエッチャーを用いて実験を行った。平坦ウエハはAdvantive Techから購入した。試験した平坦ウエハは、以下の4枚の異なる基板である。
【0111】
実験は、市販のLAMツール4520XLe200mm(CCPデュアル周波数プラズマ、10本のガスライン)を用いて、the Air Liquide R&D Innovation Campus Delawareで行った。
平坦ウエハはAdvantive Techから購入した。試験した平坦ウエハは以下のものである:
・Si基板上に2umのPECVD TEOS;
・Si基板上に2umのPECVD Si3N4;
・Si基板上に300nmのLP-CVD ポリ-Si;及び
・Si基板上に350nmのPE-CVD a-C。
【0112】
平面試験では、エッチング速度及び選択性は、エッチング時間の関数としてエッチング厚さの変化を測定することにより、異なるO2流量でエリプソメトリー及びSEMを通して評価した。プロセス試験用分子のガス流量は15sccm、Ar流量は250sccmで一定に維持する一方で、O2流量は0~20sccmでスクリーニングした。その後、X線光電子分光法によってポリマーの組成を調べた。
【0113】
エッチング実験は、SiO2、Si3N4、p-Si及びa-Cを含む4つの異なる基板材料を有する4つの1.5×1.5cm2の平面クーポンに対して行った。クーポンは、直径200mmのキャリアウエハ上に配置され、シリコンオイル又はサーマルペーストを使用して接触した状態で保持される。或いは、キャリアウエハ上にクーポンを貼り付けるためにSPI suppliesから入手した両面カーボンテープが使用されていてもよい。
【0114】
エッチング試験は、30mTorrの圧力及び750W(27MHz)の電源、1500W(2MHz)のバイアス電力、及び20℃の温度で行った。供給混合物は、250sccmのArと15sccmのエッチングガスを含むが、O2は0~20sccmの範囲で変化する。
【0115】
再現性を証明するために、各エッチング試験を少なくとも3回繰り返した。3回の測定の平均の標準偏差は、チャート中のエラーバーとして示されている。その後、ポリマーの組成をX線光電子分光法(XPS)によって調べた。
【0116】
実施例1 C
3F
7IOを使用するプラズマ強化ドライエッチング
【化1】
C
3F
7IO、2-ヨード-1,1,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメトキシ)エタンを酸化ケイ素SiO
2のプラズマエッチングに適用した。
【0117】
【0118】
図4は、異なるO
2流量(0~20sccm)における、異なる4つの基板、すなわちSiO、SiN、p-Si、a-Cに対するC
3F
7IOのエッチング速度(ER)及び選択性を示している。SiO
2とa-CのERは反比例する:O
2流量が減少するのに伴いSiO
2のERは増加し、a-CのERは減少する。O
2=0sccmで最も高いSiO
2/a-C選択性が約17:1であり、SiO
2のERが約535nm minになることが示されている。表4は、業界で一般的に使用されているベンチマークである標準的なエッチングガスC
4F
6との比較である。C
3F
7IOは、同様のエッチング速度で、ベンチマークガス(C
4F
6)よりも約70%高いSiO
2/a-C選択性を示す。注目すべきは、2つの分子の炭素数(C
3対C
4)と、2つのエッチング化合物のF/C比の違いである:C
3F
7IOはF/C比=2.33であり、C
4F
6はF/C比=1.5である。一般に、文献によれば、F/C比が高いほど、ポリマーを形成してパターンマスクを保護する炭素数が少ないため、選択性が低くなる。しかしながら、C
3F
7IOは、炭素数が少なくても、エッチング化合物中にヨウ素及び酸素を含む元素が存在するため、高い選択性を示す。
図8は、C
4F
6を使用したSiO、SiN、p-Si及びa-Cのエッチング速度を示すグラフである。
【0119】
【0120】
XPSデータ分析:プラズマエッチングプロセス中に上面及び側壁で起こるポリマー層の形成をシミュレートするために、プロセス条件を調整した:a-C及びSiのベアクーポンを、30mTorrで60秒間、電源750W(27MHz)、基板でのバイアス電力なし(0W、2MHz)でエッチングした。プロセスでは、表5に記載の通り、125sccmのArと30sccmのC3F7IOを含み、O2を含まない混合物が供給される。バイアス電力がないため、基板に到達したイオンは基板をエッチングするのに十分なエネルギーを持たない可能性がある。さらに、基板表面に到達した中性種及び活性種は、その付着係数に基づいて表面に付着し、その結果上に薄いポリマー層を堆積させる。この薄いポリマー層が側壁のパッシベーションに貢献でき、多くの場合、選択性を提供する。
【0121】
【0122】
XPS深さ方向プロファイルについては、化学的損傷を最小限に抑えるために、及びフルオロカーボンポリマーや非晶質カーボンなどの有機材料スパッタリング中に起こりうるArスパッタリング中のヨウ素原子のノックオンの可能性を回避するために、単原子Ar
+の代わりに、5keVのイオンエネルギーの大きなクラスターイオンガスであるAr1000
+を使用した。
図5aは、a-C基板上の深さ方向プロファイルを示す。
図5bは、C1sを示さない
図3aの拡大図を示す。表6は、C
3F
7IOを使用して炭素含有基板をエッチングしたXPS結果を示す。
【0123】
【0124】
【0125】
酸素とヨウ素とを含むフルオロカーボン化合物は、Si含有材料と比較して、炭素を含むマスクのエッチング中に興味深い挙動を示す。XPSデータによれば、ヨウ素は炭素表面を改質し、ドーピング効果と同様にa-Cマスクに深く浸透し、エッチング中にハードマスク層を保護するのに役立つ。表7は、C3F7IOを使用してケイ素含有基板をエッチングしたXPS結果を示す。Si基板上では、構造CxFyIzOkを有する薄いポリマー層が表面的に観察されるが、約20秒のエッチング時間後にはヨウ素含有量はゼロに低下する。その一方で、a-C層では、ヨウ素はより深く、低い割合(<2%)で見ることができる。また、C3F7IO由来の酸素は、a-Cマスク層のバルクに2~3%の割合で取り込まれる。プロセスパラメータを調整することにより、用途に応じて、ヨウ素のドーピング濃度を堆積膜全体にわたって0.1~99.9%増加させることができる。
【0126】
表5に示すXPS中のF1sピークとI3dピークを比較すると、a-C基板上での深さ方向プロファイル(
図7では、y軸は1秒当たりのカウント数、x軸は結合エネルギー(eV)を示す)は:
・フッ素が表面的に堆積して薄いIFC(ヨード-フルオロカーボン)ポリマーを形成する(F1sは最大120秒のArエッチング)、
・ヨウ素がa-Cマスクのより深くまで浸透する(I3dは最大500秒のエッチング)
ことを示している。
【0127】
このように、ヨウ素種と酸素種及びは、表面を改質し、ヨウ素をa-C層にドーピングすることで、エッチング中にa-Cマスクを保護するのに役立つ。また、ヨウ素はa-Cマスクを強化することにより、損傷を最小限に抑えるのに役立つ。加えて、酸素含有種は、ヨウ素をより高い割合でパターンマスク中に保持して取り込むことで、パターンマスクのエッチング耐性を向上させるのに役立つ。
【0128】
再現性を証明するために、各エッチング試験を3回繰り返した。3回の測定の平均の標準偏差が
図4にエラーバーとして示されている。本明細書で説明される主題は、ユーザ対話型コンポーネントを有するコンピューティングアプリケーションのための1つ以上のコンピューティングアプリケーション機能/動作を処理するための例示的な実装との関係で説明され得るが、主題はこれらの特定の実施形態に限定されない。むしろ、本明細書に記載の技術は、任意の適切なタイプのユーザ対話型コンポーネント実行管理方法、システム、プラットフォーム、及び/又は装置に適用することができる。
【0129】
本発明の性質を説明するために本明細書で説明及び図示されたパーツの詳細、材料、ステップ、及び配置における多くの追加の変更が、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の原理及び範囲内で当業者によって行われ得ることは理解されるであろう。したがって、本発明は、上で示した実施例及び/又は添付の図面における具体的な実施形態に限定されることを意図するものではない。
【0130】
本発明の実施形態が示されて、説明されているが、本発明の精神及び教示から逸脱することなく、当業者によって修正され得る。本明細書に記載の実施形態は、単に模範的なものであり、限定するものではない。組成物及び方法の多くの変形及び修正は可能であり、且つそれらは本発明の範囲内である。したがって、保護の範囲は、本明細書に記載された実施形態に限定されないが、請求の範囲の対象の全ての同等物を含む請求の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】