(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】塩を含有する溶解性固体繊維性シャンプー物品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/20 20060101AFI20241128BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/362 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A61K8/20
A61Q5/02
A61K8/02
A61K8/362
A61K8/365
A61K8/36
A61K8/44
A61K8/73
A61K8/81
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534737
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022081495
(87)【国際公開番号】W WO2023114803
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン シアオチン ソン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB271
4C083AB332
4C083AC231
4C083AC291
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC532
4C083AC661
4C083AC662
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD241
4C083AD271
4C083BB01
4C083BB05
4C083BB34
4C083CC38
4C083DD12
4C083DD21
4C083EE07
(57)【要約】
本発明は、複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、a)乾燥物品基準で約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、b)乾燥物品基準で約0.1重量%~約5重量%のカチオン性ポリマーと、c)乾燥物品基準で約20重量%~約70重量%の界面活性剤と、d)乾燥物品基準で約5.5重量%~約20重量%の、無機塩及び有機塩を含む塩であって、当該無機塩が乾燥物品基準で約0重量%~5重量%未満(5重量%を除く)の濃度で含有され、当該有機塩が乾燥物品基準で約1重量%~約18重量%の濃度で含有されている、塩と、を含み、複数の繊維要素が、互いに絡み合っているか、又は他の方法で結合して、繊維性物品を形成している、溶解性固体繊維性シャンプー物品、に関する。本発明は、製造中に適切な強度を有するが、使用中に構造体の溶解を減速させない溶解性固体繊維性シャンプー物品を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、
a.乾燥物品基準で約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、
b.乾燥物品基準で約0.1重量%~約5重量%のカチオン性ポリマーと、
c.乾燥物品基準で約20重量%~約70重量%の界面活性剤と、
d.乾燥物品基準で約5.5重量%~約20重量%の、無機塩及び有機塩を含む塩であって、前記無機塩が乾燥物品基準で約0重量%~5重量%未満(5重量%を除く)の濃度で含有され、前記有機塩が乾燥物品基準で約1重量%~約18重量%の濃度で含有されている、塩と、
を含み、
前記複数の繊維要素が、互いに絡み合うか又は他の方法で会合して、繊維性物品を形成している、物品。
【請求項2】
乾燥物品基準で、約7重量%~約18重量%、好ましくは約8重量%~約16重量%の前記無機塩及び前記有機塩を含む前記塩を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記有機塩が、乾燥物品基準で、約2重量%~約16重量%、好ましくは約3重量%~約14重量%、より好ましくは約5.2重量%~約14重量%の濃度で含有されている、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項4】
前記無機塩が、乾燥物品基準で、約1.2重量%~約4.9重量%、好ましくは約1.5重量%~約4.8重量%の濃度で含有されている、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項5】
前記有機塩が、有機酸の塩である、請求項1、2、及び3のいずれかに記載の物品。
【請求項6】
前記有機酸が、約80~約400ダルトン、好ましくは約80~約200ダルトン、より好ましくは約90~約150ダルトンの平均分子量を有する、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記有機酸が、乳酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、及び酒石酸、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、前記有機酸が乳酸である、請求項6に記載の物品。
【請求項8】
前記界面活性剤が界面活性剤系であり、前記界面活性剤系は、
i.乾燥物品基準で前記界面活性剤系の約35重量%~約90重量%の主アニオン性界面活性剤と、
ii.乾燥物品基準で前記界面活性剤系の約0重量%~約65重量%の補助界面活性剤と、
を含み、
前記界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記主アニオン性界面活性剤が、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA、若しくはそれらの組み合わせから選択されるグルタメート界面活性剤、又はココイルアラニンナトリウム塩、ラウロイルアラニンナトリウム塩、N-ドデカノイル-l-アラニンナトリウム塩、若しくはそれらの組み合わせから選択されるアラニネート界面活性剤を含む、請求項8に記載の物品。
【請求項10】
前記ポリマー構造化剤が、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記繊維要素が、前記ポリマー構造化剤と、前記カチオン性ポリマーと、前記界面活性剤と、前記無機塩及び前記有機塩を含む前記塩と、を含む均質な混合物によって形成されている、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記カチオン性ポリマーが、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、カチオングアー、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
手溶解試験法に従って15ストローク未満の手溶解値を有する、請求項1に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、a)乾燥物品基準で約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、b)乾燥物品基準で約0.1重量%~約5重量%のカチオン性ポリマーと、c)乾燥物品基準で約20重量%~約70重量%の界面活性剤と、d)乾燥物品基準で約5.5重量%~約20重量%の、無機塩及び有機塩を含む塩であって、当該無機塩が乾燥物品基準で約0重量%~5重量%未満(5重量%を除く)の濃度で含有され、当該有機塩が乾燥物品基準で約1重量%~約18重量%の濃度で含有されている、塩と、を含み、複数の繊維要素が、互いに絡み合っているか、又は他の方法で結合して、繊維性物品を形成している、溶解性固体繊維性シャンプー物品、に関する。本発明は、製造中に適切な強度を有するが、使用中に構造体の溶解を減速させない溶解性固体繊維性シャンプー物品を提供する。
【背景技術】
【0002】
今日市販されている多くのパーソナルケア製品及び他の消費者製品は液体形態で販売されている。液体製品は広く用いられているものの、多くの場合、包装、保管、輸送、及び使用の利便性の点でトレードオフを有する。液体消費者製品は典型的にはボトル入りで販売されるが、これはコストと、その多くが最終的にゴミ廃棄場に行き着く結果となる包装廃棄物とを増加させる。
【0003】
溶解性固形構造体の形態のヘアケア製品は、消費者にとって魅力的な形態を呈する。溶解性固形構造体のマーケットへの参入品(execution)には、溶解性フィルム、固体中の圧縮粉末、繊維構造体、多孔質発泡体、溶解性変形可能固体、粉末などが含まれ得る。
【0004】
例えば、国際公開第2020264574(A1)号には、繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、(a)乾燥物品基準で約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、(b)乾燥物品基準で約10重量%~約90重量%の界面活性剤系であって、界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、界面活性剤系と、(c)任意選択で、ゲル浸透クロマトグラフィによって測定したときに約100,000g/mol~約2,500,000g/molの重量平均分子量及び電荷密度試験方法に従って測定したときに0.5meg/gよりも高い電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、を含み、繊維性物品は、ラメラ構造試験方法によって判定されるとき、ラメラ構造を実質的に含まず、繊維性物品は、手溶解試験方法に従って、15ストローク未満の手溶解を含む、溶解性固体繊維性シャンプー物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020264574(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような溶解性固体構造体、特にカチオン性ポリマーを含有するものが製造中に適切な強度を有するが、使用中に構造体の溶解を減速させないことに対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、a)乾燥物品基準で約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、b)乾燥物品基準で約0.1重量%~約5重量%のカチオン性ポリマーと、c)乾燥物品基準で約20重量%~約70重量%の界面活性剤と、d)乾燥物品基準で約5.5重量%~約20重量%の、無機塩及び有機塩を含む塩であって、当該無機塩が乾燥物品基準で約0重量%~5重量%未満(5重量%を除く)の濃度で含有され、当該有機塩が乾燥物品基準で約1重量%~約18重量%の濃度で含有されている、塩と、を含み、複数の繊維要素が、互いに絡み合っているか、又は他の方法で結合して、繊維性物品を形成している、溶解性固体繊維性シャンプー物品、に関する。本発明は、製造中に適切な強度を有するが、使用中に構造体の溶解を減速させない溶解性固体繊維性シャンプー物品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明の主題を具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する特許請求の範囲で締めくくられているが、本発明は、添付の図面に関連した以下の説明からより容易に理解され得る、と考えられる。
【
図1】本発明の繊維要素を作製するためのプロセスの例の概略図である。
【
図2】
図2のプロセスにおいて使用されるダイの一例を拡大図で示す概略図である。
【
図3】フィラメントを含有する繊維性物品の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
本明細書で使用するとき、「溶解性」は、溶解性固形構造体が水に完全に溶解するか、又は手溶解試験に準拠して水中で混合すると均一な分散液をもたらすことを意味する。溶解性固形構造体は、手溶解法によって測定したときに約1~約20ストローク、あるいは約4~約15ストロークの手溶解値を有する。
【0010】
本明細書で使用するとき、「可撓性」は、溶解性固形構造体が、本明細書で議論されている最大力値までの距離を満たすことを意味する。
【0011】
互換的に「繊維性構造体」とも表される「繊維性物品」とは、本明細書で使用するとき、1つ以上の繊維要素と、任意選択で1つ以上の粒子及び/又はコーティングとを含む構造体を意味する。一例では、本発明による繊維性物品は、機能を発揮することが可能な、繊維要素と、任意選択的に、一体型構造などの構造をともに形成する粒子及び/又はコーティングとの結合を意味する。
【0012】
図3は、フィラメントを含有する繊維性物品の例である。
【0013】
本発明の繊維性物品は、均質であってもよく、又は層状であってもよい。層状である場合、繊維性物品は、少なくとも2つ、及び/又は少なくとも3つ、及び/又は少なくとも4つ、及び/又は少なくとも5つの層、例えば、1つ以上の繊維要素層、1つ以上の粒子層、及び/又は1つ以上の繊維要素/粒子混合層を含んでもよい。層は、繊維性物品内又は繊維性物品内の繊維要素層間に粒子層を含んでもよい。繊維要素を含む層は、プライと称される場合がある。プライは、本明細書に記載のように均質又は層状であり得る繊維性物品であってもよい。
【0014】
本発明の繊維性構造体は、2つ以上の異なる繊維性構造体プライを含む多プライ繊維性構造体を有してもよい。各プライは、他のプライと同じであっても異なっていてもよい。
【0015】
繊維要素を含む層は、プライと称される場合がある。プライは、本明細書に記載のように、均質又は層状であり得る繊維構造体であってもよい。
【0016】
単プライ繊維構造体、又は本明細書に記載されている1つ以上の繊維構造体プライを含む多プライ繊維構造体は、本明細書に記載されている坪量試験法に準拠して測定すると、5000g/m2未満の坪量を示し得る。例えば、本開示による単プライ又は多プライ繊維構造体は、坪量試験法に準拠して測定すると、10g/m2超~約5000g/m2、及び/又は10g/m2超~約3000g/m2、及び/又は10g/m2超~約2000g/m2、及び/又は10g/m2超~約1000g/m2超、及び/又は20g/m2超~約800g/m2、及び/又は30g/m2超~約600g/m2、及び/又は50g/m2超~約500g/m2超、及び/又は300g/m2超~約3000g/m2、及び/又は500g/m2超~約2000g/m2超の坪量を示し得る。
【0017】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、「一体型繊維構造体」である。
【0018】
本明細書で使用するとき、「一体型繊維構造体」は、互いに絡み合って又は別の方法で互いに結合して繊維構造体及び/又は繊維構造体プライを形成する、2つ以上及び/又は3つ以上の複数の繊維要素を含む配置である。本発明の一体型繊維構造体は、多プライ繊維構造体内の1つ以上のプライであり得る。一実施例では、本発明の一体型繊維構造体は、3つ以上の異なる繊維要素を含み得る。別の実施例では、本発明の一体型繊維構造体は、2つ以上の異なる繊維要素を含み得る。
【0019】
「繊維要素」は、本明細書で使用するとき、その平均直径を大きく上回る長さを有する、すなわち、長さ対平均直径の比が少なくとも約10である細長い微粒子を意味する。繊維要素は、フィラメント又は繊維であり得る。一実施例では、繊維要素は、複数の繊維要素を含む糸ではなく、単一の繊維要素である。
【0020】
本発明の繊維要素は、メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング及び/又は回転紡糸などの好適な紡糸方法操作を介して、繊維要素形成組成物とも称されるフィラメント形成組成物から紡糸されてもよい。
【0021】
本発明の繊維要素は、1成分(コア/シース2成分のような2つの異なる部分ではなく単一の一体型固体片)及び/又は多成分であり得る。例えば、繊維要素は、2成分繊維及び/又はフィラメントを含んでもよい。2成分繊維及び/又はフィラメントは、サイドバイサイド(side-by-side)型、芯鞘型、海島型などの任意の形態であり得る。
【0022】
本明細書で使用するとき、「フィラメント」は、長さ5.08cm(2インチ)以上、及び/又は7.62cm(3インチ)以上、及び/又は10.16cm(4インチ)以上、及び/又は15.24cm(6インチ)以上を示す上記の細長い微粒子を意味する。フィラメントは、典型的には、本質的に連続的であるか又は実質的に連続的であるとみなされる。フィラメントは、繊維よりも相対的に長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローンフィラメント及び/又はスパンボンドフィラメントが挙げられる。
【0023】
「繊維」は、本明細書で使用するとき、5.08cm(2インチ)未満、及び/又は3.81cm(1.5インチ)未満、及び/又は2.54cm(1インチ)未満の長さを呈する上記のような細長い微粒子を意味する。典型的には、繊維は、本質的に不連続とみなされる。繊維の非限定的な例としては、フィラメント又はフィラメントトウを紡糸し、その後フィラメント又はフィラメントトウを5.08cm(2インチ)未満の断片に切断して繊維を製造することにより製造された繊維が挙げられる。したがって、本明細書におけるフィラメントへの言及は、特に記載がない限り、このようなフィラメントから作製された繊維も含む。繊維は、典型的には、本質的に連続的であるとみなされるフィラメントに対して、本質的に不連続であるとみなされる。
【0024】
本明細書で使用するとき、「フィラメント形成組成物」及び/又は「繊維状要素形成組成物」は、メルトブローイング及び/又はスパンボンディングなどによって本発明の繊維状要素を製造するために好適な組成物を意味する。フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料であって、材料を繊維状要素へと紡糸するために好適なものにする特性を呈する材料を含む。一実施例では、フィラメント形成材料は、ポリマーを含む。1つ以上のフィラメント形成材料に加えて、フィラメント形成組成物は、1つ以上の添加剤、例えば1つ以上の活性剤を含んでもよい。更に、フィラメント形成組成物は、1種以上の極性溶媒(水など)を含み得、この極性溶媒中に、1つ以上の、例えば全てのフィラメント形成材料及び/又は1つ以上の、例えば全ての活性剤が、繊維状要素(フィラメント形成組成物に由来するフィラメントなど)を紡糸する前に、溶解及び/又は分散される。
【0025】
本明細書で使用するとき、「多孔質」とは、溶解性固形構造体が、液体が流れることができるチャネル、経路又は通路を提供する、微視的で複雑な三次元構成によってもたらされる空間、空隙又は隙間(本明細書では、一般に「細孔」と呼ばれる)を有することを意味する。
【0026】
本明細書で使用するとき、「多孔率」及び「パーセント多孔率」は互換的に使用され、それぞれは、溶解性固形構造体の空隙容積の尺度を指し、
[1-([溶解性固形構造体の坪量]/[溶解性固形構造体の厚さ×塊の乾燥材料の密度])]×100%として計算され、
単位はそれらが約分して、100%を乗じられてパーセント多孔率を提供するように調整される。
【0027】
溶解性固形構造体は、本明細書では「溶解性固形構造体」又は「溶解性構造体」と称され得る。
【0028】
「乾燥繊維要素基準での重量」及び/又は「乾燥繊維性物品基準での重量」は、それぞれ、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品がそれぞれ、温度22℃±2℃及び相対湿度42%±4%に調整した室内で2時間調整された直後に測定された、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品の重量を意味する。一実施例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準での重量は、本明細書に記載の含水率試験方法に従って測定される場合、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品が、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品の乾燥重量に基づいて、20重量%未満、及び/又は15重量%未満、及び/又は10重量%未満、及び/又は7重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は0重量%まで、及び/又は0重量%超までの水、例えば、遊離水などの水分を含むことを意味する。
【0029】
「分子量(molecular weight)」又は「分子量(Molecular weight)」という用語は、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法であるゲル浸透クロマトグラフィ(「gel permeation chromatography、GPC」)を使用して測定される。
【0030】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲において使用されるときは、特許請求されている又は記載されるもののうちの1つ以上を意味するものと理解される。
【0031】
本明細書で使用するとき、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0032】
下記の溶解性構造体-物理的特性の項で考察されるものを含む、本出願人らの発明のパラメータのそれぞれの値を求めるには、本出願の試験方法の項に開示される方法を用いるべきである。
【0033】
全ての百分率及び比率は、特に断らない限り、重量基準で計算される。全ての百分率及び比率は、特に断らない限り、全組成に基づいて計算される。
【0034】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、それよりも低い全ての数値制限を、このようなより低い数値制限があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことが理解されるべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数極限値は、それよりも高い全ての数値限定を、このようなより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、このような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を、このような狭い数値範囲が全てあたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0035】
特に記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0036】
溶解性固体繊維性物品(溶解性固体繊維性構造体)
本発明の溶解性固体繊維性シャンプー物品は、複数の繊維要素を含み、当該複数の繊維要素は、互いに絡み合うか又は他の方法で会合して繊維性物品を形成している。繊維要素の例は、米国特許出願第16/431,115号に見出すことができ、当該文献は参照により組み込まれる。
【0037】
物品はまた、ポリマー構造化剤と、カチオン性ポリマーと、界面活性剤と、無機塩及び有機塩を含む塩と、を含む。これらの成分については、以下で詳細に説明する。好ましくは、繊維要素は、ポリマー構造化剤と、カチオン性ポリマーと、界面活性剤と、無機塩及び有機塩を含む塩と、を含む均質な混合物によって形成される。あるいは、繊維要素が形成された後に粒子として添加することによって、塩を繊維要素の外側の物品に組み込んでもよい。
【0038】
溶解性固体構造体は、微粒子を含有していてもよい。溶解性固体構造体は、印刷、エンボス加工、テクスチャ、着色、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される審美的特徴を有し得る。
【0039】
塩
物品は、乾燥物品基準で約5.5重量%~約20重量%、好ましくは約7重量%~約18重量%、より好ましくは約8重量%~約16重量%の、無機塩及び有機塩を含む塩を含む。
【0040】
有機塩
有機塩は、乾燥物品基準で約1重量%~約18重量%、好ましくは約2重量%~約16重量%、より好ましくは約3重量%~約14重量%、より好ましくは約5.2重量%~約14重量%の濃度で含有される。
【0041】
有機塩は、好ましくは、約80~約400ダルトン、好ましくは約80~約200ダルトン、より好ましくは約90~約150ダルトンの平均分子量(酸形態で)を有する有機酸の塩である。このような有機塩としては、例えば、乳酸ナトリウム及び乳酸カリウム等の乳酸の塩;クエン酸、シュウ酸、マロン酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、及び酒石酸のナトリウム塩又はカリウム塩;並びにそれらの組み合わせが挙げられる。乳酸ナトリウム及び乳酸カリウム等の乳酸の塩が好ましい。
【0042】
無機塩
無機塩は、乾燥物品基準で約0重量%~5重量%未満(5重量%を除く)、好ましくは約1.2重量%~約4.9重量%、より好ましくは約1.5重量%~約4.8重量%の濃度で含有される。
【0043】
ポリマー構造化剤
溶融組成物及び/又は溶解性繊維性物品及び/又は繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で、約1重量%~90重量%、あるいは10重量%~約80重量%、あるいは約20重量%~約70重量%、あるいは約30重量%~約65重量%、あるいは約35重量%~約60重量%、あるいは約20重量%~約40重量%のポリマー構造化剤を含有し得る。
【0044】
繊維要素形成ポリマー構造化剤材料の非限定的な例としては、水溶性ポリマーが挙げられる。水溶性ポリマーは合成物であっても又は天然由来であってもよく、かつ化学的に及び/又は物理的に修飾されてもよい。極性溶媒可溶性ポリマーは、約10,000g/mol~約40,000,000g/mol、好ましくは約20,000g/mol~約30,000,000g/mol、より好ましくは約35,000g/mol~約20,000,000g/mol、更により好ましくは約40,000g/mol~約5,000,000g/mol、最も好ましくは約40,000g/mol~約500,000g/molの重量平均分子量を呈してもよい。
【0045】
1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤は、1つ以上のポリビニルアルコールを含む。1つ以上のポリビニルアルコールは、約10,000g/mol~約40,000,000g/mol、代替的に約20,000g/mol~約30,000,000g/mol、代替的に約35,000g/mol~約20,000,000g/mol、代替的に約40,000g/mol~約5,000,000g/mol、代替的に約40,000g/mol~約500,000g/molの重量平均分子量を呈してもよい。
【0046】
1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤材料は、2つ以上のポリビニルアルコールを含んでもよい。2つ以上のポリビニルアルコールのうちの一方は、約10,000g/mol~約100,000g/mol、代替的に約20,000g/mol~約50,000g/mol、代替的に約25,000g/mol~約45,000g/molの重量平均分子量を呈してもよく、また、2つ以上のポリビニルアルコールのうちの他方は、約105,000g/mol~約40,000,000g/mol、好ましくは約110,000g/mol~約20,000,000g/mol、より好ましくは約120,000g/mol~約500,000g/molの重量平均分子量を呈してもよい。
【0047】
繊維要素形成ポリマー構造化剤の非限定的な例としては、水溶性ヒドロキシルポリマー、水溶性熱可塑性ポリマー、水溶性生分解性ポリマー、水溶性非生分解性ポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0048】
1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤材料は、デンプンを更に含んでもよい。好ましくは、1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤材料は、1つ以上のポリビニルアルコール及びデンプンを含んでもよい。
【0049】
1つ以上の繊維要素形成材料は、カルボキシメチルセルロースを更に含んでもよい。1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤材料は、1つ以上のポリビニルアルコール及びカルボキシメチルセルロースを含んでもよい。
【0050】
界面活性剤
溶融組成物及び/又は溶解性繊維性物品及び/又は繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約10重量%~約90重量%、あるいは約20重量%~約80重量%、あるいは約30重量%~約75重量%、あるいは約40重量%~約70重量%、約45重量%~約65重量%の界面活性剤系を含有し得る。
【0051】
好適なアニオン性界面活性剤としては、アルキル及びアルキルエーテルスルフェートが挙げられ得る。その他の好適なアニオン性界面活性剤は、有機の硫酸反応生成物の水溶性塩である。更に他の好適なアニオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化され水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物である。他の同様のアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278号に記載されており、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
例示的なアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムである。
【0053】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、式CH3-(CH2)z-CH(R1)-CH2-O-(CH2CH(R2)O)y-SO3Mを有する少なくとも1つの分枝状サルフェートであり、式中、zは約3~約14であり、R1は、H又は1~4個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表し、R2はH又はCH3であり、R1及びR2は両方ともHというわけではなく、yは0~約7であり、yの平均値は、y=0ではない場合は約1であり、Mは一価又は二価の正電荷カチオンである。一価の正電荷を持つカチオンの例には、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンカチオンが挙げられ、二価の正電荷を持つカチオンの例には、マグネシウムが挙げられる。前述の分枝状サルフェートに関して、「平均値」とは、組成物が1以外のy値を有する分子を含み得るが、組成物中の全分子のyの平均値は約1であることを意味する。
【0054】
いくつかの例では、界面活性剤系は、アルキルスルフェート型及びアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤を含むスルフェート系界面活性剤を実質的に含まなくてもよいか、又は含まなくてもよい。代替的に、溶解性繊維性物品は、C10~C18アルキルスルフェートを含むいかなるアルキルスルフェートも含まないか、又はアルキルグリセリルエーテルスルフェートを含むいかなるアルキルエーテルスルフェートも含まない。
【0055】
いくつかの実施例では、溶解性繊維性物品は、式:
RO(CH2CH2O)nSO3M
[式中、Rは、8~18個の炭素、代替的に12~18個の炭素を有するアルキル又はアルケニルであり、nは、少なくとも0.5超、代替的に2~3の平均値を有し、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである]を有するいかなるアルキルエーテルスルフェートも含まなくてもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、溶解性繊維性物品は、いかなるラウリルエーテル硫酸アンモニウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウムも含まなくてもよい。
【0057】
溶解性繊維性物品が、アルキルスルフェート型及び/又はアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤を実際に含有する場合、アルキルスルフェート型又はアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤のそのような重量比率の含量は、合計0.6以下、代替的に合計0.2以下、代替的に0である。
【0058】
また、製品は、上述したように、アルキルスルフェート型及びアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤を実質的に含まなくてもよいか、又は含まなくてもよい。
【0059】
1つ以上の活性剤は、1つ以上の界面活性剤を含み、1つ以上の界面活性剤は、一般式(I):
【0060】
【化1】
[式中、R
1は、5~20個の炭素原子、代替的に7~17個の炭素原子、代替的に9~13個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル鎖であり得、Mは、H、アンモニウム、トリエタノールアンモニウム(triethanolammonium、TEA)、ナトリウム又はカリウム、及びそれらの混合物であり得る]に従う少なくとも1つのグルタメート界面活性剤を含む。
【0061】
上記のように、溶解性繊維性物品は、アルキルスルフェート型及びアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤を実質的に含まなくてもよいか、又は含まなくてもよい。
【0062】
界面活性剤系は、アニオン性主界面活性剤から含有し得る。物品は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で、約5重量%~約70重量%、あるいは約10重量%~約65重量%、あるいは約15重量%~約55重量%、あるいは約20重量%~約50重量%の主界面活性剤を含有し得る。
【0063】
界面活性剤系は、アニオン性主界面活性剤を含有し得る。物品は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で、界面活性剤系の約35重量%~約100重量%、あるいは約40重量%~約90重量%、あるいは約45重量%~約85重量%、あるいは約50重量%~約80重量%、あるいは約60重量%~約75重量%の主界面活性剤を含有し得る。
【0064】
主アニオン性界面活性剤は、少なくとも1つのグルタメート界面活性剤を含み得る。グルタメート界面活性剤の非限定的な例としては、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、水素化タロウオイル(tallowoyl)グルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸二ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸二カリウム、ココイル/水素化タロウオイルグルタミン酸ナトリウム、ココイル/パルモイル/サンフラワロイル(sunfloweroyl)グルタミン酸ナトリウム、水素化タロウオイルグルタミン酸ナトリウム、オリボイル(olivoyl)グルタミン酸ナトリウム、オリボイルグルタミン酸二ナトリウム、パルモイルグルタミン酸ナトリウム、パルモイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸TEA、水素化タロウオイルグルタミン酸TEA、ラウロイルグルタミン酸TEA、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0065】
少なくとも1つのグルタメート界面活性剤は、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸二ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸TEA、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0066】
いくつかの例では、少なくとも1つのグルタメート界面活性剤は、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0067】
少なくとも1つのグルタメート界面活性剤の総濃度は、物品の約8重量%~約100重量%、代替的に約8重量%~約85重量%、代替的に約12重量%~約70重量%、代替的に約17重量%~約55重量%、及び代替的に約20重量%~約45重量%であってもよい。グルタメート濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準の重量での濃度であり得る。
【0068】
少なくとも1つのグルタメート界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で、界面活性剤系の約40重量%~約100重量%、あるいは約40重量%~約85重量%、あるいは約45重量%~約80重量%、あるいは約50重量%~約75重量%であり得る。
【0069】
主アニオン性界面活性剤は、少なくとも1つのグルタメート界面活性剤を含み得る。アラニネート界面活性剤の非限定的な例としては、ココイルアラニンナトリウム塩、ココイルアラニンカリウム塩、ココイルアラニンアンモニウム塩、ラウロイルアラニンナトリウム塩、ラウロイルアラニンカリウム塩、カプリロイルアラニンナトリウム塩、カプリロイルアラニンカリウム塩、ウンデシレノイルアラニンナトリウム塩、ウンデシレノイルアラニンカリウム塩、ステアロイルアラニンナトリウム塩、ステアロイルアラニンカリウム塩、ミリストイルアラニンナトリウム塩、ミリストイルアラニンカリウム塩、ココイル/水素化タローオイルアラニンナトリウム塩、ココイル/パルモイル/サンフラワーオイルアラニンナトリウム塩、水素化タローオイルアラニンナトリウム塩、オリボイルアラニンナトリウム塩、パルモイルアラニンナトリウム塩、ココイルアラニンTEA塩、水素化タローオイルアラニンTEA塩、ラウロイルグルタミン酸TEA、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0070】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのアラニネート界面活性剤は、ココイルアラニンナトリウム塩、ココイルアラニンカリウム塩、ココイルアラニンアンモニウム塩、ココイルアラニンTEA塩、及びこれらの混合物からなる群から選択してもよい。
【0071】
1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤はまた、組成物の重量での補助界面活性剤を含んでもよく、補助界面活性剤は、追加のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0072】
物品は、任意選択的に補助界面活性剤を含有することができる。補助界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で、物品の約0.5重量%~約50重量%、あるいは約2重量%~約30重量%、あるいは約5重量%~約25重量%、あるいは約7重量%~約20重量%であり得る。
【0073】
補助界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で、界面活性剤系の約10重量%~約65重量%、あるいは約15重量%~約55重量%、あるいは約23重量%~約50重量%であり得る。
【0074】
追加のアニオン性界面活性剤は、イセチオネート界面活性剤、サルコシネート界面活性剤、グリシネート界面活性剤、スルホサクシネート界面活性剤、スルホネート界面活性剤、スルホアセテート界面活性剤、グルコースカルボキシレート界面活性剤、アルキルエーテルカルボキシレート界面活性剤、タウレート界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択してよい。上記に列挙した各アニオン性界面活性剤については、以下でより詳細に説明する。
【0075】
1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤は、一般式(II):
【0076】
【化2】
[式中、R
1は、6~30個の炭素原子、代替的に8~22個の炭素原子、代替的に9~18個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル鎖であり得、R
2及びR
3は、各々独立してH又は(C
1~C
4)アルキルであり、代替的に(C
1~C
4)アルキルは、メチルであり得、M
+は、アルカリ金属、代替的にリチウム、ナトリウム、カリウムであり得、又はM
+は、アルカリ土類金属、代替的にマグネシウムであり得、又はM
+は、アンモニウム若しくは置換アンモニウムカチオンであり得る]に従う少なくとも1つのイセチオネート界面活性剤も含んでもよい。
【0077】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルメチルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ステアリン酸とココイルイセチオン酸ナトリウムとのブレンド、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルメチルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0078】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0079】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0080】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0081】
対応する市販製品は、例えば、Innospecという会社から「Iselux(登録商標)」という商品名で、Clariant又はUniquemaから「Hostapon(登録商標)」又は「Arlatone(登録商標)」という商品名で入手可能である。使用され得る他の市販の脂肪族アシルイセチオネートの例は、ココイルイセチオン酸ナトリウムなどについては、Hostapon(登録商標)SCI-85C、Hostapon(登録商標)SCI-78C、又はステアリン酸とココイルイセチオン酸ナトリウムとのブレンドなどについては、Hostapon(登録商標)SCI-65Cなどの、ClariantからのHostapon(登録商標)界面活性剤であり得る。使用され得る他の市販の脂肪族アシルイセチオネートの例は、Jordapon(登録商標)CIプリル又はJordapon(登録商標)CI65などの、BASFからの「Jordapon(登録商標)」界面活性剤、及びYA-SCI-85(登録商標)又はYA-SCI-65(登録商標)などの、Yongan Daily Chemical Co.からのココイルイセチオン酸ナトリウムであり得る。
【0082】
サルコシネート界面活性剤は、一般式(III):
【0083】
【化3】
[式中、Rは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、代替的に7~17個の炭素原子を有するアルキル鎖、代替的に9~13個の炭素原子を有するアルキル鎖であり得、M
+は、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムカチオンであり得る]を有し得る。
【0084】
サルコシネート界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸TEA、ココイルサルコシン酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、ジリノレイルビス-ラウロイルグルタミン酸/ラウロイルサルコシン酸ダイマー、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロイルサルコシネート、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、ココイルサルコシン酸カリウム、ラウロイルサルコシン酸カリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、オレオイルサルコシン酸ナトリウム、パルミトイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸TEA、ラウロイルサルコシン酸TEA、オレオイルサルコシン酸TEA、パーム核サルコシン酸TEA、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0085】
代替的に、サルコシネート界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0086】
グリシネート界面活性剤は、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0087】
スルホネート界面活性剤は、アルファ-オレフィンスルホネート、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、ラウリルグルコシドヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0088】
スルホアセテート界面活性剤は、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0089】
グルコースカルボキシレート界面活性剤は、ラウリルグルコシドカルボン酸ナトリウム、ココイルグルコシドカルボン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0090】
アルキルエーテルカルボキシレート界面活性剤は、ラウレス-4カルボン酸ナトリウム、ラウレス-5カルボキシレート、ラウレス-13カルボキシレート、C12~13パレス-8カルボン酸ナトリウム、C12~15パレス-8カルボン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0091】
タウレート界面活性剤は、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルオレノイルタウリン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0092】
グルタメート界面活性剤ではないアニオン性界面活性剤は、ラクテート又はラクチレートを含んでもよい。ラクテートの非限定的な例としては、乳酸ナトリウムを挙げることができる。ラクチレートの非限定的な例としては、ラウロイル乳酸ナトリウム、ココイル乳酸ナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0093】
追加のアニオン性界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で約0重量%~約20重量%であってよい。あるいは、グルタメート界面活性剤ではないアニオン性界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で約0.5重量%~約15重量%であってもよい。
【0094】
1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド、アルキルグリコシド、アシルグルカミド、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0095】
その場合、アルキルは、6~30個の炭素原子、代替的に8~22個の炭素原子、代替的に9~18個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル鎖として定義することができる。その場合、アシルは、式R-C(O)-(式中、Rは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、代替的に6~30個の炭素原子、代替的に8~22個の炭素原子、代替的に9~18個の炭素原子を有するアルキル鎖であり得る)として定義することができる。
【0096】
アルキルグルコシドは、デシルグルコシド、ココイルグルコシド、ラウロイルグルコシド、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0097】
アシルグルカミドは、ラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプリロイルメチルグルカミド、ココイルメチルグルカミド、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0098】
代替的に、非イオン性界面活性剤は、ココアミドモノエタノールアミン、ラウロアミドモノエタノールアミン、ココイルグルコシド、ラウロイルグルコシド、デシルグルコシド、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0099】
非イオン性界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で約0重量%~約25重量%であってよい。あるいは、非イオン性界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で約0.1重量%~約15重量%であってもよい。あるいは、非イオン性界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で約0.5重量%~約10重量%であってもよい。
【0100】
好適な両性又は双極性界面活性剤としては、米国特許第5,104,646号及び米国特許第5,106,609号に記載されているものが挙げられ得る。
【0101】
両性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得、脂肪族置換基が、1個の炭素原子がアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、ホスフェート、又はホスホネートを含有し得るように、8~18個の炭素原子を含有し得る、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載され得るものが挙げられ得る。この定義に当てはまる化合物の例としては、3-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3-ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるものなどのN-アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるものなどのN-高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載されている生成物であり得る。
【0102】
本明細書に記載の両性界面活性剤は、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココジアンホ酢酸二ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0103】
本明細書に記載の1つ以上の活性剤の補助界面活性剤における使用に好適な双性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得、脂肪族置換基のうちの1つが8~18個の炭素原子を含有することができ、かつ1個の炭素原子がアニオン性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、ホスフェート、又はホスホネートを含有し得る、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されているものが挙げられ得る。
【0104】
したがって、1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤は、ココアミドプロピルベタイン、ラウロアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココ-ヒドロキシスルタイン、ココ-スルタイン、ラウリルスルタイン、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウラミンオキシド、ラウリルヒドロキシスルタイン、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも両性界面活性剤又は双性イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0105】
ベタイン双性イオン性界面活性剤の例としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン(cocoamidopropyl betaine、CAPB)、ココ-ベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン(lauryl amidopropyl betaine、LAPB)、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファ-カルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ-カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)アルファ-カルボキシエチルベタイン、及びそれらの混合物が挙げられ得る。スルホベタインの例としては、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0106】
双性イオン性界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で約0.5重量%~約20重量%であってよい。あるいは、非イオン性界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で約2重量%~約15重量%であってもよい。あるいは、非イオン性界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で約4重量%~約13重量%であってもよい。
【0107】
カチオン性ポリマー
繊維性物品は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥溶解性繊維性物品基準で、約0.05重量%~約5重量%のカチオン性ポリマー、約0.1重量%~約3重量%のカチオン性ポリマー、約0.2重量%~約2.5重量%のカチオン性ポリマー、約0.3重量~約2.0重量%のカチオン性ポリマー、約0.4重量%~約1.0重量%のカチオン性ポリマーを含有し得る。
【0108】
カチオン性ポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィによって測定される場合、約500,000g/mol~約2,500,000g/mol、代替的に約500,000g/mol~約2,000,000g/mol、代替的に約500,000g/mol~約1,500,000、代替的に約500,000g/mol~約1,000,000の重量平均分子量を有し得る。カチオン性ポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィによって測定される場合、500,000g/mol超、代替的に1,000,000g/mol超の重量平均分子量を有し得る。
【0109】
カチオン性ポリマーは、電荷密度試験方法に従って測定される場合、0.2meq/g超、代替的に0.4meq/g超、代替的に0.6meg/g超、代替的に0.8meg/g、代替的に1meq/g、代替的に1.2meq/g、代替的に1.5meg/g、代替的に2meg/g、代替的に3meg/g超、代替的に5meg/g超の重量平均電荷密度を有し得る。カチオン性ポリマーは、電荷密度試験方法に従って測定される場合、約0.4meg/g~約5meg/g、代替的に約1meg/g~約3meg/g、代替的に約1meg/g~約2.5meg/gの重量平均電荷密度を有し得る。
【0110】
様々なカチオン性ポリマーを本明細書で使用することができ、そのようなカチオン性ポリマーを以下に例示する。これらのうち、本明細書で有用なカチオン性ポリマーは、好ましくは、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、カチオン性グアー、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0111】
カチオン性グアーポリマー
ヘアケア組成物は、(a)カチオン性グアーポリマーを含み得る。カチオン性グアーポリマーは、カチオン的に置換されたガラクトマンナン(グアー)ガム誘導体である。これらのグアーガム誘導体の調製に用いられるグアーガムは、典型的には、グアーという植物の種子から天然に産出される材料として得られる。グアー分子自体は、単員ガラクトース単位が交互にマンノース単位上にある、一定の間隔で分岐する直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1-4)グリコシド結合によって互いに連結されている。ガラクトース分岐は、α(1-6)結合によって生じる。グアーガムのカチオン性誘導体は、ポリガラクトマンナンのヒドロキシル基と反応性四級アンモニウム化合物との間の反応によって得られる。グアー構造上へのカチオン性基の置換度は、上述の必要なカチオン電荷密度を提供するのに十分である必要がある。
【0112】
カチオン性グアーポリマーは、2,200,000g/mol未満、又は約150,000~約2,000,000g/mol、又は約200,000~約1,900,000g/mol、又は約300,000~約1,800,000g/mol、又は約400,000~約1,700,000g/mol、又は約500,000~約1,600,000g/molの重量平均分子量を有し得る。カチオン性グアーポリマーは、約150,000g/mol超、代替的に約1,000,000g/mol超、代替的に約1,500,000g/mol超、代替的に約2,000,000g/mol超、及び代替的に約2,500,000g/mol超の重量平均分子量を有し得る。
【0113】
カチオン性グアーポリマーは、約0.2meq/g~約2.2meg/g、又は約0.3meq/g~約2.0meg/g、又は約0.4meq/g~約1.9meg/g、又は約0.5meq/g~約1.8meg/g、又は約0.6meq/g~約1.7meg/g、又は約0.6meq/g~約1.5meq/g、又は約0.6meq/g~約1.3meg/g、及び/又は約0.7meq/g~約1.0meg/gの重量平均電荷密度を有し得る。
【0114】
カチオン性グアーポリマーは、四級アンモニウム化合物から形成してもよい。カチオン性グアーポリマーを形成するための四級アンモニウム化合物は、次の一般式1に適合することができ、
【0115】
【化4】
式中、R
3、R
4、及びR
5は、メチル又はエチル基であり、R
6は、一般式2のエポキシアルキル基であるか、
【0116】
【化5】
又は、R
6は、一般式3のハロヒドリン基であり、
【0117】
【化6】
式中、R
7は、C
1~C
3アルキレンであり、Xは、塩素又は臭素であり、Zは、Cl-、Br-、I-、又はHSO
4-などのアニオンである。
【0118】
カチオン性グアーポリマーは、次の一般式4に適合することができ、
【0119】
【化7】
式中、R
8は、グアーガムであり、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、上記で定義されたとおりであり、Zは、ハロゲンである。カチオン性グアーポリマーは、次の式5に適合することができる。
【0120】
【0121】
好適なカチオン性グアーポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ得る。カチオン性グアーポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの具体例としては、Rhone-Poulenc Incorporatedから市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、例えば、Rhodiaから市販されているJaguar(登録商標)C-500が挙げられる。Jaguar(登録商標)C-500は、0.8meq/gの電荷密度及び500,000g/molの重量平均分子量を有する。約1.1meq/gの電荷密度及び約500,000g/molの重量平均分子量を有する別のグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Ashlandから入手可能である。約1.5meq/gの電荷密度及び約500,000g/moleの重量平均分子量を有する更なるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Ashlandから入手可能である。
【0122】
他の好適なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、約0.7meq/gの電荷密度及び約600,000g/moleの重量平均分子量を有し、Rhodiaから入手可能なHi-Care 1000;約0.7meq/gの電荷密度及び約425,000g/molの重量平均分子量を有し、Ashlandから入手可能であるN-Hance 3269及びN-Hance 3270;約0.7meq/gの電荷密度及び約500,000g/molの重量平均分子量を有し、Ashlandから入手可能であるN-Hance 3271;約1.1meq/gの電荷密度及び約800,000の重量平均分子量のボレート(ホウ素)を含まないグアーであるBF-13、並びに約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000のM.W.t.のボレート(ホウ素)を含まないグアーであるBF-17(いずれもAshlandから入手可能);約1.0meq/gの電荷密度及び約1,600,000g/molの重量平均分子量を有し、Ashlandから入手可能であるN-Hance CG17、約0.7meq/gの電荷密度及び約1,700,000g/molの重量平均分子量を有し、Ashlandから入手可能であるN-Hance 3196、である。
【0123】
カチオン性合成ポリマー
ヘアケア組成物は、(b)約1,000g/mol~約2,000,000g/molの重量平均分子量を有し得るカチオン性合成ポリマーを含み得、カチオン性グアーポリマーは、約2meq/g~約10meq/gの電荷密度を有し得る。ヘアケア組成物は、組成物の総重量に対して約0.01%~約2.5%のカチオン性合成ポリマーを含み得る。
【0124】
カチオン性合成ポリマーは、
i)1つ以上のカチオン性モノマー単位、及び任意選択的に、
ii)負電荷を有する1つ以上のモノマー単位、及び/又は
iii)非イオン性モノマー、から形成される合成ポリマーであり得る。
ここで、コポリマーのその後の電荷は、正電荷である。これらの3種のモノマーの比は「m」、「p」、及び「q」で表され、「m」は、カチオン性モノマーの数であり、「p」は、負電荷を有するモノマーの数であり、「q」は、非イオン性モノマーの数である。
【0125】
カチオン性ポリマーは、次の構造を有する、水溶性又は分散性で、非架橋型のカチオン性合成ポリマーであり得、
【0126】
【化9】
式中、Aは次のカチオン性部分のうちの1つ以上であってもよい。
【0127】
【化10】
式中、@は、アミド、アルキルアミド、エステル、エーテル、アルキル、又はアルキルアリールであり、
式中、Yは、C1~C22アルキル、アルコキシ、アルキリデン、アルキル、又はアリールオキシであり、
式中、Ψは、C1~C22アルキル、アルキルオキシ、アルキルアリール、又はアルキルアリールオキシであり、
式中、Zは、C1~C22アルキル、アルキルオキシ、アリール、又はアリールオキシであり、
式中、R1は、H、C1~C4の直鎖又は分岐鎖アルキルであり、
式中、sは、0又は1であり、nは、0又は1以上であり、
式中、T及びR7は、C1~C22アルキルであり、
式中、X-は、ハロゲン、ヒドロキシド、アルコキシド、サルフェート又はアルキルサルフェートである。
【0128】
上記の構造中、負電荷を有するモノマーは、R2’がH、C1~C4の直鎖又は分岐状アルキルであり、R3が以下のとおりであることによって定義される。
【0129】
【化11】
式中、Dは、O、N、又はSであり、
式中、Qは、NH
2又はOであり、
式中、uは、1~6であり、
式中、tは、0~1であり、
式中、Jは、次の元素P、S、Cを含有する酸素化された官能基である。
【0130】
上記の構造中、非イオン性モノマーは、R2’’がH、C1~C4直鎖又は分岐状アルキルであり、R6が直鎖又は分岐状アルキル、アルキルアリール、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルアリールオキシであることによって定義され、βは次のように定義され、
【0131】
【化12】
式中、G’及びG’’は互いに独立して、O、S、又はN-Hであり、Lは、0又は1である。
【0132】
カチオン性モノマーの例としては、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;少なくとも1つの二級、三級、若しくは四級アミン官能基、又は窒素原子を含有する複素環基、ビニルアミン若しくはエチレンイミンを含むモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;これらの混合物、これらの塩、及びこれらに由来するマクロモノマーを挙げることができる。
【0133】
カチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0134】
好適なカチオン性モノマーとしては、式-NR3
+(式中、Rは、同じであるか又は異なるものであり、水素原子、1~10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基を表し、任意にヒドロキシル基を有する)の四級アンモニウム基を含み、アニオン(対イオン)を含むものが挙げられる。アニオンの例は、クロリド、ブロミドなどのハライド、サルフェート、ヒドロサルフェート、アルキルサルフェート(例えば、1~6個の炭素原子を含む)、ホスフェート、シトレート、ホルメート、及びアセテートである。
【0135】
好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0136】
更なる好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリドが挙げられる。
【0137】
負電荷を有するモノマーの例としては、ホスフェート又はホスホネート基を含むαエチレン性不飽和モノマー、αエチレン性不飽和モノカルボン酸、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、スルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物、及びスルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物の塩が挙げられる。
【0138】
負電荷を有する好適なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、α-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、2-スルホエチルメタクリレート、2-スルホエチルメタクリレートの塩、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(acrylamido-2-methylpropanesulphonic acid、AMPS)、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の塩、及びスチレンスルホネート(styrenesulphonate、SS)が挙げられる。
【0139】
非イオン性モノマーの例としては、酢酸ビニル、αエチレン性不飽和カルボン酸のアミド、αエチレン性不飽和モノカルボン酸と水素化又はフッ素化アルコールとのエステル、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(すなわちポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、ビニルニトリル、ビニルアミンアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、及びビニル芳香族化合物が挙げられる。
【0140】
好適な非イオン性モノマーとしては、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチル-ヘキシルアクリレート、2-エチル-ヘキシルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、及び2-ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。
【0141】
ポリマーが、水、ヘアケア組成物、又はヘアケア組成物のコアセルベート相中で可溶性又は分散性を維持する限り、また、対イオンが、ヘアケア組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に相溶性であるか、又はそうでなければ製品の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわない限り、カチオン性合成ポリマーに付随するアニオン性対イオン(X-)は、任意の既知の対イオンであってもよい。このような対イオンの非限定例としては、ハライド(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0142】
カチオン性合成ポリマーは、約1,500g/mol~約1,800,000g/mol、又は約2,000g/mol~約1,700,000g/mol、又は約3,000g/mol~約1,600,000g/mol、又は約4,000g/mol~約1,500,000g/mol、又は約5,000g/mol~約1,600,000g/mol、又は約6,000g/mol~約1,500,000g/mol、又は約7,000g/mol~約1,400,000g/mol、又は約8,000g/mol~約1,400,000g/mol、又は約9,000g/mol~約1,300,000g/mol、又は約10,000g/mol~約1,200,000g/mol、又は約11,000g/mol~約1,100,000g/mol、又は約25,000g/mol~約750,000g/mol、又は約50,000g/mol~約500,000g/mol、又は約75,000g/mol~約300,000g/mol、及び/又は約100,000g/mol~約200,000g/molの重量平均分子量を有し得る。
【0143】
カチオン性合成ポリマーは、約2.2meq/g~約9.5meg/g、又は約2.5meq/g~約8meg/g、又は約3meq/g~約8meg/g、又は約3.5meq/g~約7.5meg/g、及び/又は約4meq/g~約7meg/gの重量平均電荷密度を有し得る。
【0144】
カチオン性合成ポリマーは、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(polydiallyldimethylammonium chloride、polyDADMAC)を含み得る。PolyDADMACはまた、ポリクオタニウム-6としても既知である。polyDADMACの具体例は、Solvay製Mirapol(登録商標)100シリーズ、Lubrizol製Merquat(商標)100シリーズ、及びBASF製Salcare(登録商標)SC 30である。例えば、Mirapol(登録商標)100sは、6.2meq/gの電荷密度及び150,000g/molの重量平均分子量を有し、Solvayから入手可能である。カチオン性合成ポリマーは、ポリクアテルニウム-7として知られているDADMACとアクリルアミドとのコポリマーを含み得る。ポリクオタニウム-7の例としては、Merquat 550、Merquat S、Mirapol 550、Salcare SC10、Salcare SC11、及びRheocare CC7が挙げられる。
【0145】
ヘアケア組成物は、(c)カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー、(d)カチオン性デンプンポリマー、(e)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、(f)カチオン性セルロースポリマー、又は(g)そのようなポリマーの混合物、を更に含んでもよい。
【0146】
カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー
分散組成物は、モノマー対モノマー基準でマンノース対ガラクトース比が5:1~1:1であるガラクトマンナンポリマー誘導体を含んでもよく、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体、及び正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体からなる群から選択される。本明細書で使用するとき、「カチオン性ガラクトマンナン」という用語は、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。「両性ガラクトマンナン」という用語は、ポリマーが正味の正電荷を有するようにカチオン性基及びアニオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。
【0147】
ガラクトマンナンポリマーは、マメ科植物の種子の内胚乳に存在する。ガラクトマンナンポリマーは、マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの組み合わせから構成される。ガラクトマンナン分子は、特定のマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分岐した直鎖マンナンである。マンノース単位は、β(1-4)グリコシド結合によって互いに結合されている。ガラクトース分岐は、α(1-6)結合によって生じる。マンノースモノマー対ガラクトースモノマー比は、植物種によって様々であり、気候の影響も受ける。非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、モノマー対モノマー基準で2:1を超えるマンノース対ガラクトース比を有し得る。好適なマンノース対ガラクトース比は、約3:1より大きくてもよく、マンノース対ガラクトース比は約4:1より大きくてもよい。マンノース対ガラクトース比の分析は、当該技術分野において周知であり、典型的には、ガラクトース含量の測定に基づく。
【0148】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体の調製に用いられるガムは、典型的には、植物の種又はマメなどの天然に産出される材料として得られる。様々な非グアーガラクトマンナンポリマーの例としては、タラガム(マンノース3部/ガラクトース1部)、ローカストビーン又はカロブ(マンノース4部/ガラクトース1部)、及びカッシアガム(マンノース5部/ガラクトース1部)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0149】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、非グアーガラクトマンナンポリマーのカチオン性誘導体であってもよく、これは、ポリガラクトマンナンポリマーのヒドロキシル基と反応性四級アンモニウム化合物との反応によって得られる。カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体の形成に使用するのに好適な四級アンモニウム化合物としては、上記で定義された一般式1~5に適合するものが挙げられる。
【0150】
上記の試薬から形成されるカチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、一般式6:
【0151】
【化13】
[式中、Rは、ガムである]により表される。カチオン性ガラクトマンナン誘導体は、ガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドであることができ、これは、次の一般式7によってより具体的に表すことができる。
【0152】
【0153】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であり得、これは、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体がアニオン性基を更に含む場合に得られる。
【0154】
カチオン性非グアーガラクトマンナンは、約4:1より大きいマンノース対ガラクトース比を有し得る。分散組成物は、組成物の重量に対して、ガラクトマンナンポリマー誘導体を含み得る。ヘアケア組成物は、組成物の約0.05重量%~約2重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含み得る。
【0155】
(d)カチオン変性デンプンポリマー
分散組成物は水溶性のカチオン変性デンプンポリマーを含み得る。本明細書で使用される場合、「カチオン変性デンプン」という用語は、デンプンが分解されて比較的小さい重量平均分子量に達する前にカチオン性基が付加されたデンプン、又はデンプンの変性後にカチオン性基が付加されて所望の重量平均分子量に達したデンプンを指す。「カチオン変性デンプン」いう用語の定義には、両性変性デンプンも含まれる。「両性変性デンプン」という用語は、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解物を指す。
【0156】
分散組成物は、組成物の約0.01重量%~約10重量%、及び/又は約0.05重量%~約5重量%の範囲のカチオン変性デンプンポリマーを含み得る。
【0157】
本発明で開示されるカチオン変性デンプンポリマーは、約0.5%~約4%の結合窒素のパーセントを有し得る。
【0158】
分散組成物は、デンプン分子中にアミノ基及び/又はアンモニウム基を添加することによって化学的に変性されたデンプンポリマーを含み得る。これらのアンモニウム基の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドなどの置換基を挙げることができる。Solarek,D.B.,Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,Ed.,CRC Press,Inc.,Boca Raton,Fla.1986,pp 113~125を参照のこと。カチオン性基は、比較的小さな重量平均分子量に分解される前にデンプンに付加されてもよく、又はカチオン性基は、そのような変性の後に付加されてもよい。
【0159】
カチオン変性デンプンポリマーは、一般に、約0.1~約7のカチオン性基の置換度を有する。本明細書で使用される場合、カチオン変性デンプンポリマーの「置換度」は、置換基によって誘導体化されている各無水グルコース単位上のヒドロキシル基の数の平均尺度である。各無水グルコース単位は、置換に利用できる3個の可能なヒドロキシル基を有しているため、可能な最大置換度は3である。置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数として、モル平均基準で表される。置換度は、当該技術分野において周知のプロトン核磁気共鳴スペクトル(「.sup.1H NMR」)法を使用して求めることができる。好適な.sup.1H NMR法としては、「Observation on NMR Spectra of Starches in Dimethyl Sulfoxide,Iodine-Complexing,and Solvating in Water-Dimethyl Sulfoxide」,Qin-Ji Peng and Arthur S.Perlin,Carbohydrate Research,160(1987),57-72、及び「An Approach to the Structural Analysis of Oligosaccharides by NMR Spectroscopy」,J.Howard Bradbury and J.Grant Collins,Carbohydrate Research,71,(1979),15~25に記載されているものが挙げられる。
【0160】
化学変性前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草、及び穀物などの様々な供給源から選択することができる。この供給源のデンプンの非限定的な例としては、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、もちトウモロコシデンプン、オート麦デンプン、キャッサバデンプン、もち麦、もち米(waxy rice)デンプン、もち米(glutenous rice)デンプン、もち米(sweet rice)デンプン、Amioca、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、オート麦デンプン、サゴデンプン、もち米(sweet rice)、又はこれらの混合物が挙げられ得る。
【0161】
カチオン変性デンプンポリマーは、分解カチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ジャガイモデンプン、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0162】
デンプンは、相対的に小さな重量平均分子量に分解する前又は変性した後、1つ以上の追加の変性を含み得る。例えば、これらの変性としては、架橋、安定化反応、リン酸化反応、及び加水分解が挙げられ得る。安定化反応としては、アルキル化及びエステル化を挙げることができる。
【0163】
カチオン変性デンプンポリマーは、加水分解デンプン(例えば、酸、酵素、若しくはアルカリ分解)、酸化デンプン(例えば、過酸化物、過酸、次亜塩素酸塩、アルカリ、若しくはその他のいずれかの酸化剤)、物理的/機械的に分解させたデンプン(例えば、加工装置の熱機械エネルギー投入によるもの)、又はこれらの組み合わせの形態で組成物に組み込まれてよい。
【0164】
デンプンの最適な形態は、水に容易に溶解して、実質的に透明な水溶液(600nmの透過率が80%以上)を形成する形態である。組成物の透過率は、紫外可視(Ultra-Violet/Visible、UV/VIS)吸光度測定法によって測定され、この測定法は、関連する指示事項に従って、Gretag Macbeth Colorimeter Color i 5を用いて、サンプルのUV/VIS光の吸収率又は透過率を測定する。600nmの光波長が、化粧品組成物の透明度を特徴付けるのに適していることが示されている。
【0165】
組成物で使用するのに好適なカチオン変性デンプンは、既知のデンプン供給業者から入手可能である。当該技術分野において既知のカチオン変性デンプンに更に誘導体化され得る非イオン性変性デンプンは、好適であり得る。他の好適な変性デンプンの出発材料は、本発明での使用に好適なカチオン変性デンプンポリマーを生産するために、当該技術分野において既知であるように、四級化されてもよい。
【0166】
デンプン分解手順:デンプンスラリーを、水中に粒状のデンプンを混合することによって調製する。温度を約35℃まで上昇させる。次に、デンプンに基づいて約50ppmの濃度で、過マンガン酸カリウム水溶液を添加する。水酸化ナトリウムでpHを約11.5まで上昇させ、スラリーを十分に攪拌して、デンプンが沈降しないようにする。次に、デンプンに基づく過酸化物濃度が約1%になるまで、水で希釈した過酸化水素の約30%溶液を加える。続いて、追加の水酸化ナトリウムを加えることによって、pHを約11.5に戻す。この反応は、約1~約20時間かけて完了する。次に、混合物を希塩酸で中和する。分解したデンプンを濾過によって回収してから、洗浄、乾燥する。
【0167】
アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー
分散組成物は、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーを含み得る。カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーであり得る。
【0168】
カチオン性コポリマーは、以下を含み得る。
(i)次式AMのアクリルアミドモノマーであり、
【0169】
【化15】
式中、R
9は、H又はC
1~4アルキルであり、R
10及びR
11は、独立して、H、C
1~4アルキル、CH
2OCH
3、CH
2OCH
2CH(CH
3)
2、及びフェニルからなる群から選択されるか、一緒になってC
3~6シクロアルキルである。
(ii)次式CMに適合するカチオン性モノマー:
【0170】
【化16】
式中、k=1であり、v、v’、及びv’’の各々は、独立して、1~6の整数であり、wは、ゼロ、又は1~10の整数であり、X
-は、アニオンである。
【0171】
カチオン性モノマーは、式CMに適合し、式中、k=1、v=3及びw=0、z=1であり、X-はCl-であって、次の構造を形成することができる。
【0172】
【0173】
上の構造は、ジクワット(diquat)と称されることがある。カチオン性モノマーは、式CMに適合することができ、式中、v及びv”は、各々3であり、v’=1、w=1、y=1であり、X-はCl-であって、次のようになる。
【0174】
【0175】
上記の構造は、トリクワット(triquat)と称されることがある。
【0176】
アクリルアミドモノマーは、アクリルアミド又はメタクリルアミドのいずれかであり得る。
【0177】
カチオン性コポリマー(b)はAM:TRIQUATであり得、これは、アクリルアミドと1,3-プロパンジアミニウム、N-[2-[[[ジメチル[3-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2-ヒドロキシ-N,N,N’,N’,N’-ペンタメチル-,トリクロリドとのコポリマーである。AM:TRIQUATはまた、ポリクオタニウム76(polyquaternium 76、PQ76)としても既知である。AM:TRIQUATは、1.6meq/gの電荷密度及び1,100,000g/molの分子量を有し得る。
【0178】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマー及びカチオン性モノマーであってもよく、カチオン性モノマーは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン;トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0179】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、及びそれらの混合物を含むカチオン性モノマーからなる群から選択されるカチオン性モノマーを含む。
【0180】
カチオン性コポリマーは、水溶性であってよい。カチオン性コポリマーは、(1)(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのコポリマーと、(2)(メタ)アクリルアミド、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするモノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのターポリマーと、から形成され得る。カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーは、四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルであってよい。四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキル基及びアルキレン基内のC1~C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートであり得る。四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、塩化メチルで四級化されたジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのアンモニウム塩からなる群から選択される。四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキルハライドで、又はメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくは硫酸ジメチルで四級化され得るジメチルアミノエチルアクリレート(ADAME-Quat)であり得る。(メタ)アクリルアミドを主成分とした場合、カチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC1~C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、又はアルキルハライド若しくは塩化メチル若しくは塩化ベンジル若しくは硫酸ジメチルで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドであり得る。
【0181】
(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC1~C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドである。(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、ハロゲン化アルキルで、特にメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくは硫酸ジメチルで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
【0182】
カチオン性モノマーは、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーである。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド以外に、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、OECD加水分解試験に対して安定であるとみなすことができる全てのモノマーであり得る。カチオン性モノマーは加水分解に対して安定であり、当該加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、及び水溶性カチオン性スチレン誘導体からなる群から選択される。
【0183】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドと、メチルクロリドで四級化された2-ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(ADAME-Q)と、メチルクロリドで四級化された3-ジメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド(DIMAPA-Q)とのターポリマーである。カチオン性コポリマーは、アクリルアミド及びアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドから形成され、このアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドは、約1.0meq/g~約3.0meq/gの電荷密度を有する。
【0184】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニオプロピルメタクリルアミドクロリド-N-アクリルアミドコポリマーであり、これは、AM:MAPTACとしても知られている。AM:MAPTACは、約1.3meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/molの分子量を有し得る。カチオン性コポリマーは、AM:ATPACである。AM:ATPACは、約1.8meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/molの分子量を有し得る。
【0185】
カチオン性セルロースポリマー
好適なカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、これは、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と称され、Dow/Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)から、Polymer LR、JR、及びKGシリーズのポリマーで入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適なタイプとしては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と称される、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの材料は、Dow/Amerchol Corp.から、Polymer LM-200の商品名で入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適なタイプとしては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム67と称される、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの材料は、Dow/Amerchol Corp.から、SoftCAT Polymer SL-5、SoftCAT Polymer SL-30、Polymer SL-60、Polymer SL-100、Polymer SK-L、Polymer SK-M、Polymer SK-MH、及びPolymer SK-Hという商品名で入手可能である。
【0186】
伸長助剤
繊維要素は、伸長助剤を含有し得る。伸長助剤の非限定的な例としては、ポリマー、他の伸長助剤、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0187】
一実施例では、伸長助剤は、少なくとも約500,000Daの重量平均分子量を有する。伸長助剤の重量平均分子量は、約500,000Da~約25,000,000Da、代替的に約800,000Da~約22,000,000Da、代替的に約1,000,000Da~約20,000,000Da、及び代替的に約2,000,000Da~約15,000,000Daである。比較的高い重量平均分子量の伸長助剤は、伸長溶融粘度を増加させ、かつ溶融破壊を低減する能力のために、本発明のいくつかの実施例では好ましい可能性がある。
【0188】
伸長助剤は、メルトブロープロセスにおいて使用する場合、紡糸プロセス中の繊維の溶融破壊及び毛管破壊を明らかに低減するのに有効な量で本発明の組成物に添加することができ、比較的一貫した直径を有する実質的に連続的な繊維を溶融紡糸することができるようにする。繊維要素及び/又は粒子の生産に用いられるプロセスにかかわらず、伸長助剤は、使用される場合、一実施例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で約0.001重量%~約10重量%、別の実施例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で約0.005~約5重量%、更に別の実施例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で約0.01~約1重量%、別の実施例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で約0.05重量%~約0.5重量%で存在し得る。
【0189】
伸長助剤として使用することができるポリマーの非限定的な例としては、アルギネート、カラギーナン、ペクチン、キチン、グアーガム、キサンタンガム、アガー、アラビアガム、カラヤゴム、トラガカントガム、ローカストビーンガム、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0190】
他の伸長助剤の非限定的な例としては、修飾及び非修飾ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシドを含む)、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0191】
任意選択的な成分
物品は、任意選択で、約5重量%~約50重量%の発泡性粒子、一実施形態では約10重量%~約30重量%の発泡性粒子、一実施形態では約5重量%~約20重量%の発泡性粒子を含み得る。発泡性粒子の非限定的な例は、重炭酸ナトリウム及びクエン酸を含む。一実施形態では、重炭酸ナトリウム対クエン酸の比は、約0.5:1~約5:1である。
【0192】
物品は、任意選択的に、約1重量%~約25重量%の可塑剤、一実施形態では約3重量%~約20重量%の可塑剤、一実施形態では約5重量%~約15重量%の可塑剤を含み得る。
【0193】
物品内に存在する場合、好適な可塑剤の非限定的な例としては、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル及びジメチコンコポリオールが挙げられる。
【0194】
有用なポリオールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール(200~600)、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、イソソルビド、グルカミン、N-メチルグルカミンなどの糖アルコール、並びに他の一価及び多価の比較的低い重量平均分子量のアルコール(例えば、C2~C8アルコール);フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトース、及び高フルクトースコーンシロップ固形物、並びにアスコルビン酸などの単糖類、二糖類及びオリゴ糖が挙げられるが、これらに限定されない。
【0195】
ポリカルボン酸の例としては、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、ポリアクリル酸、及びポリマレイン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0196】
好適なポリエステルの例としては、グリセロールトリアセテート、アセチル化モノグリセリド、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0197】
好適なジメチコンコポリオールの例としては、PEG-12ジメチコン、PEG/PPG-18/18ジメチコン、及びPPG-12ジメチコンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0198】
他の好適な可塑剤としては、アルキル及びアリルフタレート;ナフタレート;ラクテート(例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びカリウム塩);ソルベス-30;尿素;乳酸;ピロリドンカルボン酸ナトリウム(pyrrolidone carboxylic acid、PCA);ヒアルロン酸ナトリウム又はヒアルロン酸;可溶性コラーゲン;変性タンパク質;L-グルタミン酸モノナトリウム;グリコール酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸及びサリチル酸などの、α及びβヒドロキシル酸;ポリメタクリル酸グリセリル;ポリクオタニウムなどのポリマー可塑剤;タンパク質、及びグルタミン酸、アスパラギン酸、及びリシンなどのアミノ酸;水素デンプン加水分解産物;他の比較的低い重量平均分子量のエステル(例えば、C2~C10アルコールと酸とのエステル);及び食品及びプラスチック業界の当業者に既知である任意の他の水溶性可塑剤;並びに、それらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0199】
欧州特許第0283165(B1)号は、プロポキシル化グリセロールなどのグリセロール誘導体を含む好適な可塑剤を開示している。
【0200】
物品は、組成物での使用に関して既知であるか、又はそうではなければ、組成物において有用である、他の任意選択の成分を含み得るが、ただし、そのような任意選択の材料は、本明細書に記載の選択された不可欠な材料と相溶性があるか、又は過度に製品性能を損なわないことを条件とする。
【0201】
このような任意選択的な成分は、最も典型的には、化粧品での使用が認可され、「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook」(Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1992)などの参考文献に記載されている物質である。
【0202】
本明細書において任意選択的成分として好適な乳化剤としては、モノ-及びジ-グリセリド、脂肪族アルコール、ポリグリセロールエステル、プロピレングリコールエステル、ソルビタンエステル、並びに他の既知の乳化剤、又はそうでなければ、例えばケーキ及び他の焼き菓子及び菓子製品などの気泡化食品の調製中、又は毛髪用ムースなどの化粧品の安定化中に使用されるもののような、空気界面を安定させるのに一般に使用される乳化剤が挙げられる。
【0203】
そのような任意選択の成分の更なる非限定的な例としては、防腐剤、香料又は芳香剤、着色剤又は染料、コンディショニング剤、毛髪漂白剤、増粘剤、保湿剤、皮膚軟化剤、薬剤活性物質、ビタミン又は栄養素、日焼け止め剤、脱臭剤、知覚剤、植物エキス、栄養素、収斂剤、化粧品粒子、吸収剤粒子、接着剤粒子、毛髪定着剤、繊維、反応剤、美白剤、日焼け剤、ふけ防止剤、香料、剥離剤、酸、塩基、保湿剤、酵素、懸濁化剤、毛髪着色剤、ヘアパーマ剤、顔料粒子、にきび抑制剤、抗菌剤、日焼け止め剤、日焼け剤、剥離粒子、増毛又は育毛剤、防虫剤、シェービングローション剤、共溶媒又は他の追加の溶媒、並びに類似の他の材料が挙げられる。任意選択の成分の更なる非限定的な例としては、β-シクロデトリン(cyclodetrin)、ポリマーマイクロカプセル、デンプンの封入アコード(accord)、及びそれらの組み合わせなどによるカプセル封入香料が挙げられる。
【0204】
好適なコンディショニング剤は、任意選択的に物品に添加することができ、高融点油脂材料及びシリコーンコンディショニング剤を含み得る。好適な材料は、米国特許出願公開第2008/0019935号、同第2008/0242584号、及び同第2006/0217288号で考察されている。
【0205】
溶解性固体繊維性物品(構造体)の物理的特性
繊維性物品の場合、物品は、平均直径が約150マイクロメートル未満、あるいは約100マイクロメートル未満、あるいは約10マイクロメートル未満、あるいは約1マイクロメートル未満であり、相対標準偏差が、100%未満、あるいは80%未満、あるいは60%未満、あるいは50%未満、例えば10%~50%の範囲内である顕著な数の溶解性繊維を含む。本明細書において記載されているとおり、顕著な数は、全溶解性繊維の少なくとも10%、代替的に全溶解性繊維の少なくとも25%、代替的に全溶解性繊維の少なくとも50%、代替的に全溶解性繊維の少なくとも75%を意味する。顕著な数は、全溶解性繊維の少なくとも99%であってもよい。代替的に、全溶解性繊維の約50%~約100%が、約10マイクロメートル未満の平均直径を有してもよい。本開示の方法により生産される溶解性繊維は、約1マイクロメートル未満の平均直径を有する顕著な数の溶解性繊維、すなわちサブマイクロメートル繊維を有する。実施形態では、溶解性固体物品は、全溶解性繊維の約25%~約100%が約1マイクロメートル未満の平均直径を有していてもよく、あるいは全溶解性繊維の約35%~約100%が約1マイクロメートル未満の平均直径を有していてもよく、あるいは全溶解性繊維の約50%~約100%が約1マイクロメートル未満の平均直径を有していてもよく、あるいは全溶解性繊維の約75%~約100%が約1マイクロメートル未満の平均直径を有していてもよい。
【0206】
溶解性固形物品の多孔率パーセントは、少なくとも約25%、あるいは実施形態では少なくとも約50%、あるいは少なくとも約60%、あるいは少なくとも約70%、あるいは少なくとも約80%である。溶解性固形物品の多孔率は、約99%以下、あるいは約98%以下、あるいは約95%以下、あるいは約90%以下である。物品の多孔率は、上記の「多孔率」の定義に記載された手順に従って求められる。
【0207】
多様な有効寸法の孔を収容することができる。物品の断面にわたる孔径分布は、対称的であっても非対称的であってもよい。
【0208】
物品は可撓性であってもよく、最大力値までの距離は約6mm~約30mmであってよい。約7mm~約25mm、あるいは約8mm~約20mm、あるいは約9mm~約15mmの最大力値までの距離。
【0209】
物品は、一態様では、その比表面積によって特徴付けることができる。物品は、約0.03m2/g~約0.25m2/g、あるいは約0.035m2/g~約0.22m2/g、あるいは約0.04m2/g~約0.19m2/g、あるいは約0.045m2/g~約0.16m2/gの比表面積を有し得る。
【0210】
物品は、パッド、ストリップ、又はテープの形態の、以下の手法によって測定したときに約0.5mm~約10mm、あるいは約1mm~約9mm、あるいは約2mm~約8mm、あるいは約3mm~約7mmの厚さを有する平坦な可撓性物品であってよい。物品は、約5mm~約6.5mmの厚さを有するシートであってもよい。あるいは、2つ以上のシートが組み合わされて、約5mm~約10mmの厚さを有する物品を形成する。
【0211】
物品は、約200グラム/m2~約2,000グラム/m2、あるいは約400g/m2~約1,200g/m2、あるいは約600g/m2~約2,000g/m2、あるいは約700g/m2~約1,500g/m2の坪量を有し得る。
【0212】
物品は、約0.08g/cm3~約0.40g/cm3、あるいは約0.08g/cm3~約0.38g/cm3、あるいは約0.10g/cm3~約0.25g/cm3、あるいは約0.12g/cm3~約0.20g/cm3の乾燥密度を有し得る。
【0213】
物品は、約20ストローク未満、あるいは約15ストローク未満、あるいは12ストローク未満の、後述する手溶解法によって求めたときの手溶解値を有し得る。
【0214】
本発明に好適な他の繊維性物品の非限定的な例は、米国特許第8,980,816号及び同第9,139,802号、米国特許出願公開第2013/0171421号、並びに米国特許出願第16/912876号に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0215】
使用方法
本明細書に記載される溶解性固体基材は、毛髪、毛包、皮膚、歯、及び口腔を洗浄及び/又は処置するために使用され得る。これらの消費者基材を処理するための方法は、a)有効量の構造体を手に適用する工程と、b)構造体を水で濡らして固体を溶解する工程と、c)標的消費者基材を洗浄又は処理するなどのために溶解した材料を標的消費者基材に適用する工程と、d)希釈した処理組成物を消費者基材からすすぎ落とす工程と、を含んでもよい。これらの工程は、所望のクレンジング及び又は処理効果を達成するために必要に応じて何度でも繰り返すことができる。
【0216】
毛髪、毛包、皮膚、歯、及び/又は口腔に利益をもたらすための有用な方法は、第1の実施形態による組成物を、調整を必要とするこれらの標的消費者基材に適用する工程を含む。
【0217】
あるいは、毛髪、毛包、皮膚、歯、口腔の状態を調整するための有用な方法は、本明細書に記載されている1つ以上の組成物を、調整を必要とするこれらの標的消費者基材に適用する工程を含む。
【0218】
適用する組成物の量、適用頻度、及び使用期間は、適用の目的、所与の組成物の構成成分のレベル、及び所望の調節のレベルに応じて大幅に変化する。例えば、組成物を全身又は頭髪の処理に適用するとき、有効量は、一般に、約0.5グラム~約10グラム、代替的に約1.0グラム~約5グラム、及び代替的に約1.5グラム~約3グラムの範囲である。
【0219】
製品タイプ及び商品
溶解性固形構造体を利用する製品の非限定例としては、ハンドクレンジング基材、歯洗浄又は処置基材、口腔基材、ヘアシャンプー又は他の毛髪トリートメント基材、ボディクレンジング基材、シェービング準備基用基材、薬剤又は他のスキンケア活性物質を含むパーソナルケア基材、保湿基材、日焼け止め基材、長期皮膚有益剤基材(例えば、ビタミン含有基材、アルファ-ヒドロキシ酸含有基材など)、脱臭基材、香料含有基材などが挙げられる。
【0220】
好ましくは、本発明の溶解性固体構造体は、パーソナルケア製品、より好ましくはヘアケア製品、更により好ましくはリンスオフヘアケア製品、更により好ましくは非サルフェート界面活性剤を含有するリンスオフヘアケア製品である。
【0221】
本明細書には、本明細書に記載されている1つ以上の溶解性固形構造体を含む商品、及びこの構造体を溶解して、溶解された混合物を毛髪、毛包、皮膚、歯、口腔に適用して、標的消費者基材に対する利益、すなわち急速発泡する発泡体、急速にすすげる発泡体、きれいにすすげる発泡体、及びこれらの組み合わせを達成するように消費者を導く情報伝達が開示される。その情報伝達は、溶解性固形構造体を収容している梱包物又は溶解性固形構造体自体に直接又は間接的に添付される印刷物であってもよい。代替的に、その情報伝達は、製造物品と関連付けられる電子的又は放送メッセージであってもよい。代替的に、その情報伝達は、その製造物品の少なくとも1つの潜在的用途、機能、際立った特徴及び/又は特性について記載してもよい。
【0222】
繊維要素及び物品の作製方法
本発明の繊維要素は、任意の好適なプロセスによって製造されてもよい。繊維要素を製造するための好適なプロセスの非限定的な例は以下に記載される。
【0223】
一実施例では、
図1及び
図2に示されるように、本発明による繊維要素32を作製する方法46は、
a.フィラメント形成組成物48を提供する工程と、
b.紡糸ダイ50等を介して、フィラメント形成組成物48をフィラメント等の1つ以上の繊維要素32に紡糸する工程と、を含む。
【0224】
図2に示されるように、紡糸ダイ50は、繊維要素形成穴52を出るときにその中を空気等の流体が通過してフィラメント形成組成物48の繊維要素32への細長化を容易にする同心状細長化流体用穴56に囲まれた融解毛管54を含む複数の繊維要素形成穴52を含んでいてよい。
【0225】
一実施例では、繊維要素を作製するための方法中、フィラメント形成組成物48中に存在する水などの任意の揮発性溶媒は、繊維要素32が形成されるときに、乾燥などによって除去される。一実施例では、フィラメント形成組成物の、水などの揮発性溶媒の30重量%超及び/又は40重量%超及び/又は50重量%超及び/又は60%重量%超は、紡糸工程中に、生産される繊維要素を乾燥させることなどによって除去される。
【0226】
一実施例では、繊維要素が繊維要素形成穴52を出るとき、繊維要素は、形成ゾーンと呼ばれる真空源の上のベルト上に収集される。繊維要素は、以下の時間及び温度、すなわち、約150°F(65.6℃)~約160°F(71.1℃)で約50~約60秒間、及び/又は約170°F(65.6℃)~約180°F(82.2℃)で約30~約40秒間、及び/又は約200°F(93.3℃)~約215°F(101.7℃)で約5~約20秒間、形成ゾーン上に留まることができる。
【0227】
一実施例では、溶媒蒸発、滞留時間、及び熱曝露のバランスを可能にするために、溶融紡糸温度が約70°F~約95°Fであり得る一方で、約340°F(171.1℃)~約350°F(176.7℃)で約50~約60秒間、又は約390°F(198.9℃)~約400°F(204℃)で約30~約40秒間、又は415°F(212.8℃)~470°F(243.3℃)で約5~約20秒間など、熱により乾燥させることができることが明らかである。
【0228】
フィラメント形成組成物は、任意の好適な紡糸プロセス(メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング、及び/又は回転紡績など)によって、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。一実施例では、フィラメント形成組成物はメルトブローによって複数の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。例えば、フィラメント形成組成物は、タンクからメルトブロー紡糸口金(spinnerette)にポンプ移送され得る。紡糸口金内のフィラメント形成穴のうちの1つ以上を出ると、フィラメント形成組成物は空気によって細径化され、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子を形成する。次いで、繊維要素及び/又は粒子を乾燥させて、紡糸のために使用される任意の残留溶媒(例えば、水)を除去してもよい。
【0229】
本発明の繊維要素及び/又は粒子を、パターン付きベルトなどのベルト上に収集して、繊維要素及び/又は粒子を含む繊維性物品を形成してもよい。
【0230】
試験方法
坪量の測定
一般に、材料又は物品(溶解性固形構造体を含む)の坪量は、最初にダイカッター又は同等物を使用してサンプルを既知の面積に切断し、続いて、最小分解能0.01gの上皿天秤でサンプルの重量を測定及び記録し、続いて最後に、以下のとおり坪量を計算することによって測定される。
【0231】
坪量(g/m2)=坪量パッドの重量(g)
【0232】
【0233】
坪量を求めるための好適なパッドサンプル寸法は10cm2超であり、所望の形状を有する精密ダイカッターで切断しなければならない。測定される溶解性固形構造体が10cm2よりも小さい場合、計算に適切な変更を加えて、坪量を求めるために、サンプリング面積をより小さくしてもよい。
【0234】
本実施例では、17.28cm2の既知の面積を有する全溶解性固形構造体に基づいて坪量を算出した。したがって、坪量計算は、以下となる:
【0235】
【0236】
手溶解試験法
必要材料:
試験対象の溶解性固形構造体:3~5個の溶解性固形構造体(最終製品サンプル)を試験し、個別の溶解性固形構造体サンプルの各々のストローク数の平均を計算して、溶解性固形構造体の平均手溶解値として記録する。この方法の場合、消費者販売可能溶解性固形構造体、又は消費者使用溶解性固形構造体の全体を試験する。消費者販売可能溶解性固形構造体又は消費者使用溶解性固形構造体全体が50cm2を超える設置面積を有する場合、最初に、設置面積が50cm2となるように溶解性固形構造体を切断する。
ニトリル手袋
10ccシリンジ
プラスチック製秤量ボート(約3インチ×3インチ)
100mLガラスビーカー
水(次の特性を有するCincinnati市の水又は等価物:合計硬度=155mg/L(CaCO2として);カルシウム含量=33.2mg/L;マグネシウム含量=17.5mg/L;リン酸含量=0.0462mg/L)
使用される水は、硬度7gpg及び40℃+/-5℃である。
【0237】
プロトコル:
1.水80mLをガラス製ビーカーに加える。300~500mLの水をガラス製ビーカーに添加する。
2.水が40℃±5℃の温度になるまでビーカー内の水を加熱する。
3.シリンジによって10mLの水をビーカーから秤量ボートに移す。
4.水を秤量ボートに移してから10秒以内に、手袋をはめた手(溶解性固形構造体サンプルを保持するためにカップのように丸めた形の利き手ではない方の手)の掌に溶解性固形構造体サンプルを置く。
5.利き手を使用して、秤量ボートから溶解性固形構造体サンプルに水を素早く添加して、直ちに5~10秒間濡らす。
6.反対側の利き手(同様に手袋をはめている)を用いて、2回の急速な円形ストロークで擦る。
7.2回のストローク後に、手の中の溶解性固形構造体サンプルを目視検査する。溶解性固形構造体サンプルが完全に溶解している場合、ストローク数=2溶解ストロークを記録する。完全に溶解していない場合、残りの溶解性固形構造体サンプルを更に2回の円形ストローク(合計4回)で擦り合わせ、溶解の程度を観察する。2回の更なるストローク後に溶解性固形構造体サンプルが固体片を含有しない場合、ストローク数=4溶解ストロークを記録する。合計4回のストローク後、溶解性固形構造体サンプルが依然として、溶解していない溶解性固形構造体サンプルの固体片を含有する場合、溶解性固形構造体サンプルが完全に溶解するか、又は合計ストロークが30に達するかのいずれか早い方まで、引き続き更に2回の円形ストロークで残りの溶解性固形構造体サンプルを擦り合わせ、各更なる2回のストローク後に溶解性固形構造体サンプルの残りの固体片が残っているかを確認する。合計ストローク数を記録する。上限の30ストローク後に固体溶解性固形構造体サンプル片が残った場合であっても、30溶解ストロークを記録する。
8.更に4つの溶解性固形構造体サンプルの各々について、このプロセスを繰り返す。
9.5つの個々の溶解性固形構造体サンプルの記録された溶解ストロークの値の算術平均を計算し、溶解性固形構造体の平均手溶解値として記録する。平均手溶解値は、最も近い単一の溶解ストローク単位で報告する。
【0238】
繊維構造体-繊維直径
繊維性構造体の場合、ウェブサンプル中の溶解性繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)又は光学顕微鏡及び画像分析ソフトウェアを使用することによって求められる。測定のために繊維が適切に拡大されるように、200~10,000倍の倍率を選択する。SEMを使用するときに、電子ビームにおける繊維の帯電及び振動を避けるために、サンプルは金又はパラジウム化合物でスパッタされる。SEM又は光学顕微鏡で撮影された(モニタ画面上の)画像から、繊維直径を決定するための手動手順を用いる。マウス及びカーソルツールを用いて、無作為に選択された繊維の縁部を探し、その後、その幅方向に(すなわち、その時点での繊維方向に対して垂直に)繊維の他方の縁部まで測定する。目盛付きで較正された画像解析ツールは、マイクロメートル(μm)単位での実際の読み取り値を得るためのスケーリングを提供する。SEM又は光学顕微鏡を使用して、ウェブサンプル全域で数個の繊維を無作為に選択する。ウェブ(若しくは製品内のウェブ)から少なくとも2つの試験片を切り取り、この方法で試験する。統計分析のために、そのような測定を全部で少なくとも100回実施し、次いで、全てのデータを記録する。記録されたデータは、繊維直径の平均値(平均)、繊維直径の標準偏差、及び繊維直径の中央値を算出するために使用される。別の有用な統計値は、特定の上限を下回る繊維の集合の量の算出である。この統計値を決定するために、ソフトウェアは、繊維直径のうちどれぐらい多くの結果が上限未満であるかカウントするようにプログラムされ、このカウント(データの合計数で除算され100%を乗算される)は、上限未満のパーセント(例えば直径1マクロメートル未満のパーセント、又はサブミクロンの%)としてパーセント単位で報告される。本発明者らは、個々の円形繊維の測定された直径(マイクロメートル単位)をdiと表す。
【0239】
繊維が非円形断面を有する場合では、繊維直径の測定値は、水力直径として、かつこれと等しいものとして決定され、水力直径は繊維の断面積を4倍して繊維の断面の周辺の長さ(中空繊維の場合は外周)で除算したものである。数平均直径、あるいは平均直径はdnumとして計算される。
【0240】
【0241】
含水率試験方法
繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品中に存在する含水(水分)率を、以下の含水率試験方法を使用して測定する。事前に切断されたシートの形態である繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品、あるいはそれらの一部分(「サンプル」)を、試験の前に少なくとも24時間、22℃±2℃の温度及び42%±4%の相対湿度に調整した部屋に置く。各繊維性物品サンプルは、少なくとも4平方インチの面積を有するが、天秤の計量皿上に適切に大きさを合わせるのに十分小さい寸法である。上述の温度及び湿度条件下で、少なくとも小数点第4位まで測定できる天秤を使用して、10分間に検出される、前の重量からの変化が0.5%未満になるまで、5分間ごとにサンプルの重量を記録する。最終重量を、「平衡重量」として記録する。10分以内に、サンプルを、乾燥させるために、強制空気乾燥器中のホイル上に、22℃±2℃、相対湿度42%±4%で、24時間置く。24時間の乾燥後、サンプルを取り除き、15秒以内にその重量を測定する。この重量は、サンプルの「乾燥重量」と呼ばれる。
【0242】
サンプルの含水(水分)率を次のように計算する。
【0243】
【数4】
3つの複製物についてのサンプル中の含水(水分)%を平均して、サンプル中の含水(水分)%として報告する。結果は、小数点第1位(0.1%)まで報告する。
【0244】
組み合わせ
・複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、
a.乾燥物品基準で約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、
b.乾燥物品基準で約0.1重量%~約5重量%のカチオン性ポリマーと、
c.乾燥物品基準で約20重量%~約70重量%の界面活性剤と、
d.乾燥物品基準で約5.5重量%~約20重量%の、無機塩及び有機塩を含む塩であって、当該無機塩が乾燥物品基準で約0重量%~5重量%未満(5重量%を除く)の濃度で含有され、当該有機塩が乾燥物品基準で約1重量%~約18重量%の濃度で含有されている、塩と、
を含み、
複数の繊維要素が、互いに絡み合っているか、又は他の方法で結合して、繊維性物品を形成している、溶解性固体繊維性シャンプー物品。
・乾燥物品基準で、好ましくは約7重量%~約18重量%、より好ましくは約8重量%~約16重量%の当該無機塩及び当該有機塩を含む当該塩を含む、上記特徴に記載の物品。
・当該有機塩が、乾燥物品基準で、好ましくは約2重量%~約16重量%、より好ましくは約3重量%~約14重量%、より好ましくは約5.2重量%~約14重量%の濃度で含有されている、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・当該無機塩が、乾燥物品基準で、好ましくは約1.2重量%~約4.9重量%、より好ましくは約1.5重量%~約4.8重量%の濃度で含有されている、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・当該有機塩が有機酸の塩である、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・当該有機酸が、約80~約400ダルトン、好ましくは約80~約200ダルトン、より好ましくは約90~約150ダルトンの平均分子量を有する、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・当該有機酸が、乳酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、及び酒石酸、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは乳酸である、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・当該界面活性剤が界面活性剤系であり、当該界面活性剤系は、
i.乾燥物品基準で当該界面活性剤系の約35重量%~約90重量%の主アニオン性界面活性剤と、
ii.乾燥物品基準で当該界面活性剤系の約0重量%~約65重量%の補助界面活性剤と、
を含み、
界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・当該主アニオン性界面活性剤が、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA、若しくはそれらの組み合わせから選択されるグルタメート界面活性剤、又はココイルアラニンナトリウム塩、ラウロイルアラニンナトリウム塩、N-ドデカノイル-l-アラニンナトリウム塩、若しくはそれらの組み合わせから選択されるアラニネート界面活性剤を含む、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・当該ポリマー構造化剤が、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、及びそれらの組み合わせから選択される、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・当該繊維要素が、当該ポリマー構造化剤と、当該カチオン性ポリマーと、当該界面活性剤と、当該無機塩及び当該有機塩を含む当該塩と、を含む均質な混合物によって形成されている、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・当該カチオン性ポリマーが、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、カチオングアー、及びこれらの組み合わせから選択される、上記特徴のいずれかに記載の物品。
・手溶解試験法に従って15ストローク未満の手溶解値を有する、上記特徴のいずれかに記載の物品。
【実施例】
【0245】
以下は、本明細書に記載のシャンプー組成物の非限定的な実施例である。当業者の技術範囲内での本発明の他の修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。
【0246】
本明細書における全ての部、百分率、及び比は、特に指定されない限り、重量基準である。いくつかの構成成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。明記されている量全て途指定されない限り、添加された材料の重量%を表す。
【0247】
【0248】
実施例1及び実施例2の溶解性固体物品は、本発明の実施例であり、比較例i~比較例ivの溶解性固体物品は、本発明の比較例である。本発明のこれらの実施例は、比較例と比較して、製造中に適切な強度を有するが、使用中に構造体の溶解を減速させない溶解性固体繊維性シャンプー物品を提供する。
【0249】
【0250】
繊維可紡性
溶解性固体繊維性構造体の製造中の機械的強度は、繊維要素を形成するときの繊維紡糸性によって評価される。溶解性固体繊維性構造体は、複数の繊維要素によって形成される。表1の繊維紡糸性は、本明細書に記載の繊維要素及び物品を作製する方法に従って、約40%の全固形分(残部は水)で表中の上記成分を含む繊維要素形成組成物を紡糸することによって判定した。このような繊維要素形成組成物中の成分の濃度は、成分が溶解性固体繊維性構造体中で上に定義した濃度を有するように調整される。
【0251】
良:破断及び/又は収縮することなく連続フィラメントを形成することができ、連続フィラメントをベルト上に回収することができた。
【0252】
可:連続フィラメントが形成されず、一部のフィラメントがベルト上に置かれる前に破断される。これは、期待される物理的特性/性能を有する物品を作製するのに幾つかの問題を引き起こす、及び/又は後の製造プロセスにおいて幾つかの問題を引き起こす可能性がある。
【0253】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、別途指定のない限り、各このような寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0254】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文献における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0255】
本発明の特定の実施形態を例解及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、
a. 乾燥物品基準で約1重量%~約50重量%の、1種または複数種のポリマー構造化剤と、
b. 乾燥物品基準で約0.1重量%~約5重量%の、1種または複数種のカチオン性ポリマーと、
c. 乾燥物品基準で約20重量%~約70重量%の界面活性剤系と、
d. i.無機塩と、ii.乾燥物品基準で約1重量%~約18重量%の有機塩とを含む、乾燥物品基準で約5.5重量%~約20重量%の、少なくとも2種の塩と、
を含み、
組成物は、乾燥物品基準で約0重量%~5重量%未満の前記無機塩を含み、
前記複数の繊維要素が、互いに絡み合うか又は他の方法で会合して、繊維性物品を形成している、物品。
【請求項2】
乾燥物品基準で、約7重量%~約18重量%の前記少なくとも2種の塩を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
乾燥物品基準で、約8重量%~約16重量%の前記少なくとも2種の塩を含む、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記塩が、乾燥物品基準で、約2重量%~約16重量%の有機塩を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記塩が、乾燥物品基準で、約3重量%~約14重量%の有機塩を含む、請求項4に記載の物品。
【請求項6】
前記塩が、乾燥物品基準で、約5.2重量%~約14重量%の有機塩を含む、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記塩が、乾燥物品基準で、約1.2重量%~約4.9重量%の無機塩を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記塩が、乾燥物品基準で、約1.5重量%~約4.8重量%の無機塩を含む、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記有機塩が、有機酸の塩である、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記有機酸が、約80~約400ダルトン、好ましくは約80~約200ダルトン、より好ましくは約90~約150ダルトンの平均分子量を有する、請求項9に記載の物品。
【請求項11】
前記有機酸が、約80~約400ダルトンの平均分子量を有する、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記有機酸が、約90~約150ダルトンの平均分子量を有する、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記有機酸が、乳酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、及び酒石酸、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の物品。
【請求項14】
前記有機酸が乳酸である、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記界面活性剤系は、
i.乾燥物品基準で前記界面活性剤系の約35重量%~約90重量%の主アニオン性界面活性剤と、
ii.乾燥物品基準で前記界面活性剤系の約0重量%~約65重量%の補助界面活性剤と、
を含み、
前記界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記主アニオン性界面活性剤が、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA、若しくはそれらの組み合わせから選択されるグルタメート界面活性剤、又はココイルアラニンナトリウム塩、ラウロイルアラニンナトリウム塩、N-ドデカノイル-1-アラニンナトリウム塩、若しくはそれらの組み合わせから選択されるアラニネート界面活性剤を含む、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記1種または複数種のポリマー構造化剤が、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
前記繊維要素が、前記1種または複数種のポリマー構造化剤と、前記1種または複数種のカチオン性ポリマーと、前記界面活性剤系と、前記塩と、を含む均質な混合物によって形成されている、請求項1に記載の物品。
【請求項19】
前記1種または複数種のカチオン性ポリマーが、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、カチオングアー、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項20】
手溶解試験法に従って15ストローク未満の手溶解値を有する、請求項1に記載の物品。
【国際調査報告】