(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】スナップフィット型プラズマ表示モジュール、及びプラズマディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241128BHJP
G02F 1/1681 20190101ALI20241128BHJP
G09F 9/37 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G02F1/1681
G09F9/30 349B
G09F9/37
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535225
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2022086996
(87)【国際公開番号】W WO2023197286
(87)【国際公開日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】202210372023.X
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517271728
【氏名又は名称】ウーシー ビジョン ピーク テクノロジ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WUXI VISION PEAK TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】South Side Of Zongbao No.1 Road, West Side Of Zonbao No.2 Road,Phase 3 Of Free Trade Zone,Xinwu District Wuxi, Jiangsu 214028 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】バオ ジン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャン
(72)【発明者】
【氏名】タン ジェンシン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ ジュン
【テーマコード(参考)】
2K101
5C094
【Fターム(参考)】
2K101AA01
2K101BB43
2K101BD23
2K101BD61
2K101EA02
2K101EB22
2K101EB51
2K101EJ01
5C094AA36
5C094BA75
5C094CA24
5C094EA04
5C094EC04
5C094ED03
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA10
5C094FB01
5C094FB12
(57)【要約】
本発明は、電子表示技術分野に関し、具体的に、スナップフィット型プラズマ表示モジュールに関する。第1基板とそれに対向して配置された第2基板とを含み、第1基板と第2基板との間に、プラズマ表示室が形成され、プラズマ表示室内にプラズマ粒子が充填されている。第1基板の表面に、濾光層が配置されている。第2基板の第1基板に向いた表面に、画素電極層が配置されている。画素電極層に、第1基板の方向に延びるプラズマ隔離構造が設けられている。濾光層の第2基板に向いた表面に、スナップフィット構造が配置されている。前記スナップフィット構造の形状が前記プラズマ隔離構造の形状に適合していることにより、前記第1基板及び前記第2基板が固定される。濾光層及びスナップフィット構造の第2基板に向いた表面は、いずれも導電媒体層が配置されている。本発明において、スナップフィット構造を利用してプラズマ隔離構造を被覆することによって、ディスプレイの全体構造強度を高め、全体の耐押圧性を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板(110)とそれに対向して配置された第2基板(210)とを含んでおり、前記第1基板(110)と前記第2基板(210)との間に、プラズマ表示室が形成されており、前記プラズマ表示室の内部に、プラズマ粒子が充填されており、
前記第1基板(110)の表面に、濾光層(120)が配置されており、前記第2基板(210)の第1基板(110)に向いた表面に、画素電極層(220)が配置されており、
前記画素電極層(220)に、前記第1基板(110)の方向に延びるプラズマ隔離構造(230)が配置されており、前記濾光層(120)の前記第2基板(210)に向いた表面に、スナップフィット構造(160)が配置されており、前記スナップフィット構造(160)の形状が前記プラズマ隔離構造(230)の形状に適合していることにより、前記第1基板(110)と前記第2基板(210)が固定されており、前記濾光層(120)及び前記スナップフィット構造(160)の前記第2基板(210)に向いた表面は、いずれも導電媒体層(140)が配置されている、ことを特徴とするスナップフィット型プラズマ表示モジュール。
【請求項2】
前記スナップフィット構造(160)の前記第2基板(210)に向いた一端に、係止溝(161)が設けられており、前記プラズマ隔離構造(230)の前記第1基板(110)に向いた一端は、前記係止溝(161)に係止する、ことを特徴とする請求項1に記載のスナップフィット型プラズマ表示モジュール。
【請求項3】
前記濾光層(120)は、間隔をおいて配置された複数のカラーフィルタ(141)を含んでいる、ことを特徴とする請求項1に記載のスナップフィット型プラズマ表示モジュール。
【請求項4】
各隣接する2つの前記カラーフィルタ(141)の間に、充填媒体(140)が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載のスナップフィット型プラズマ表示モジュール。
【請求項5】
前記充填媒体(130)の材料は、樹脂である、ことを特徴とする請求項4に記載のスナップフィット型プラズマ表示モジュール。
【請求項6】
前記プラズマ表示室の内部に支持構造(330)が配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のスナップフィット型プラズマ表示モジュール。
【請求項7】
前記支持構造(330)は、支持微小球を含んでおり、前記支持微小球は、前記導電媒体層(140)と前記画素電極層(220)のそれぞれに接している、ことを特徴とする請求項5に記載のスナップフィット型プラズマ表示モジュール。
【請求項8】
前記画素電極層(220)は、アレイ状に配置された複数の画素電極を含んでおり、隣接する2つの前記画素電極の間に隙間が形成されており、前記プラズマ隔離構造(230)が前記隙間の位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のスナップフィット型プラズマ表示モジュール。
【請求項9】
前記プラズマ隔離構造(230)の断面形状は、台形を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のスナップフィット型プラズマ表示モジュール。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のスナップフィット型プラズマ表示モジュールを含んでいることを特徴とするプラズマディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子表示技術分野に関し、具体的に、スナップフィット型プラズマ表示モジュール、及びプラズマディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプラズマディスプレイ構造は、主に、ガラス基板、光学フィルタ、ITO層、及びプラズマ隔壁からなっている。光学フィルタ、ITO層、及びプラズマ隔壁は、順にガラス基板に形成される。プラズマ隔壁とITO層との間に隙間があり、プラズマ流通口が形成されるが、上と下のカバープレートが外力によって変形しやすく、ディスプレイの耐押圧性が低い。したがって、ディスプレイの全体構造強度を高め、上と下のカバープレートの変形を軽減し、ディスプレイの全体の耐押圧性を向上させることは当業者の課題である。
【発明の概要】
【0003】
本発明において、スナップフィット型プラズマ表示モジュール、及びプラズマディスプレイが開示され、従来技術におけるプラズマディスプレイの全体の耐押圧性の問題を解決する。
【0004】
本発明の技術的解決手段として、スナップフィット型プラズマ表示モジュールは、第1基板とそれに対向して配置された第2基板とを含み、前記第1基板と前記第2基板との間に、プラズマ表示室が形成され、前記プラズマ表示室の内部に、プラズマ粒子が充填されている。
【0005】
前記第1基板の表面に、濾光層が配置されている。前記第2基板の前記第1基板に向いた表面に、画素電極層が配置されている。
【0006】
前記画素電極層に、前記第1基板の方向に延びるプラズマ隔離構造が設けられている。前記濾光層の前記第2基板に向いた表面に、スナップフィット構造が配置されている。前記スナップフィット構造の形状が前記プラズマ隔離構造の形状に適合していることにより、前記第1基板及び前記第2基板が固定される。前記濾光層及び前記スナップフィット構造の前記第2基板に向いた表面は、いずれも導電媒体層が配置されている。
【0007】
さらに、前記スナップフィット構造の前記第2基板に向いた一端に、係止溝が設けられており、前記プラズマ隔離構造の前記第1基板に向いた一端は、前記係止溝に係止してもよい。
【0008】
さらに、前記濾光層は、間隔をおいて配置された複数のカラーフィルタを含んでいてもよい。
【0009】
さらに、各隣接する2つの前記カラーフィルタの間に、充填媒体が設けられており、前記スナップフィット構造は、前記充填媒体の表面に配置されていてもよい。
【0010】
さらに、前記充填媒体の材料は、樹脂であってもよい。
【0011】
さらに、前記プラズマ充填領域内に支持構造が配置されていてもよい。
【0012】
さらに、前記支持構造は、支持微小球を含んでおり、前記支持微小球は、前記導電媒体層と前記画素電極層のそれぞれに接していてもよい。
【0013】
さらに、前記プラズマ粒子は、白色粒子と黒色粒子とを含んでいてもよい。
【0014】
さらに、前記画素電極層は、アレイ状に配置された複数の画素電極を含んでいる。隣接する2つの前記画素電極の間に、隙間は形成されるが、前記プラズマ隔離構造によって隙間は覆われていてもよい。
【0015】
さらに、前記プラズマ隔離構造の断面形状は台形を含んでもよい。
【0016】
本発明のもう1つの技術的解決手段では、上記のいずれのスナップフィット型プラズマ表示モジュールを含むプラズマディスプレイが提供される。
【0017】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。本発明のプラズマ表示モジュールにおいて、光学フィルタであるカラーフィルタの隙間の間に、上基板の表面が平坦になるように透明樹脂層が配置されており、さらに、スナップフィット構造を利用してプラズマ隔離構造を被覆することによって、ディスプレイの全体構造の強度を高め、スラリーの移動を減らし、上と下のカバープレートの外力による変形を軽減し、全体の耐押圧性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明のプラズマ表示モジュールの断面図である。
【
図2】
図2は、本発明のプラズマ表示モジュールのスナップフィット構造の配置概略図の1つである。
【
図3】
図3は、本発明のプラズマ表示モジュールのスナップフィット構造の配置概略図のもう1つである。
【
図4】
図4は、本発明のプラズマ表示モジュールのスナップフィット構造の配置概略図のもう1つである。
【
図5】
図5は、本発明のプラズマ表示モジュールのスナップフィット構造の配置概略図のもう1つである。
【
図6】
図6は、本発明のプラズマ表示モジュールのスナップフィット構造の様式の概略図の1つである。
【
図7】
図7は、本発明のプラズマ表示モジュールのスナップフィット構造の様式の概略図のもう1つである。
【
図8】
図8は、本発明のプラズマ表示モジュールのスナップフィット構造の様式の概略図のもう1つである。
【
図9】
図9は、本発明のプラズマ表示モジュールのスナップフィット構造の様式の概略図のもう1つである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者が本発明の技術的解決手段をより理解できるように、本発明の実施形態の図面と併せて、本発明の実施形態の技術的解決手段をより明確、完全に説明する。以下の実施形態は、本発明の実施形態の一部に過ぎず、すべての実施形態ではない。本発明における実施例に基づき、当業者は、創造的な努力をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属すべきである。
【0020】
本発明の実施形態において、
図1は、本発明のスナップフィット型プラズマ表示モジュールの構造を示す断面図である。
図1に示すように、本発明は、第1基板110とそれに対向して配置された第2基板210とを含んでいる。第1基板110と第2基板210との間に、プラズマ表示室が形成されている。前記プラズマ表示室の内部に、プラズマ粒子が充填されている。プラズマ粒子は、白色粒子310と黒色粒子320とを含んでいる。
図1に示すように、色が濃いのはプラズマ黒色粒子で、色が淡いのはプラズマ白色粒子である。プラズマ粒子320は、さらに、二色、三色又は複数色の顔料粒子を含んでもよい。ニーズに応じて選択することができるため、ここでは限定しない。
【0021】
第1基板と第2基板は、ガラス基板を使ってもよい。第2基板は、TFT(薄膜トランジスタ,Thin Film Transistor)ガラス基板を使ってもよい。
【0022】
第1基板110に、濾光層120が配置されている。濾光層120は、第1基板110の第2基板210に向いた表面に配置されてもよく、第1基板110の第2基板210とは反対側の表面に配置されてもよい。第2基板210の第1基板に向いた表面に、画素電極層220が配置されている。
【0023】
画素電極層220に、第1基板110の方向に延びるプラズマ隔離構造230が配置されており、濾光層120の第2基板210に向いた表面に、スナップフィット構造160が配置されている。
【0024】
スナップフィット構造160の形状が、プラズマ隔離構造230の形状に適合していることにより、第1基板110と第2基板210が固定されている。スナップフィット構造160は、以下のように構成することができる。スナップフィット構造160の第2基板210に向いた一端に、係止溝161が設けられており、プラズマ隔離構造230の第1基板110に向いた一端は、係止溝161に係止する。濾光層120及びスナップフィット構造160の第2基板210に向いた表面は、いずれも導電媒体層140が配置されている。スナップフィット構造の材料は、有機膜を含んでおり、導電媒体層の材料は、ITOを使ってもよい。
【0025】
本発明のスナップフィット構造160に、係止溝161が設けられている。
図1に示す方向において、プラズマ隔離構造の頂部が係止溝に嵌め込み、スナップフィット構造に密着される。スナップフィット構造をプラズマ隔離構造に密着させることによって、ディスプレイの全体構造の強度を高め、スラリーの移動を減らすと同時に、上と下のカバープレートの外力による変形を軽減し、全体の耐押圧性を向上させることができる。
【0026】
本発明の1つの実施形態において、濾光層120は、間隔をおいて配置された複数のカラーフィルタ141を含んでいる。カラーフィルタ141は、RGB三色カラーフィルタを含むが、これに限定されない。カラーフィルタによって、複数の色の表示を実現する。スナップフィット構造は、隣接する2つのカラーフィルタ141を連結し、表示効果への影響を軽減できる。
【0027】
留意すべきこととして、隣接する2つのカラーフィルタ141の間に、充填媒体140が設けられてもよい。濾光層が第1基板の第2基板に向いた表面に設置されたとき、スナップフィット構造160は、充填媒体130の表面に配置され、濾光層が第1基板の第2基板とは反対側の表面に設置されたとき、第1基板の第2基板に向いた表面に配置されている。充填媒体130の材料は、好ましくは透明樹脂である。プラズマ隔離構造230が1つの画素の周りを囲み、充填媒体を用いることによって隣接する2つのカラーフィルタ141の隙間が充填され、濾光層が平坦になり、スナップフィット構造がより配置されやすいため、充填媒体の配置は好ましい手段である。
【0028】
留意すべきこととして、スナップフィット構造160は、さらに、係止溝の両側に配置されている支持脚を含んでいる。スナップフィット構造は、支持脚を介して隣接するカラーフィルタ141を連結する。各隣接するカラーフィルタ141の間に、1つのスナップフィット構造を配置してもよく、複数のスナップフィット構造160を配置してもよく、又は、重要な位置だけにスナップフィット構造を配置してもよい。したがって、スナップフィット構造160の具体的な数と配置される場所は限定されるものではなく、具体的には、
図2~
図5を参照されたい。また、理解すべきこととして、スナップフィット構造は、
図2~
図5における形状や様式に限られず、
図6~
図9の形状や様式を参考にし、設計や取り付けを行ってもよい。スナップフィット構造とプラズマ隔離構造との間の位置関係と連結関係を満たせばよい。
【0029】
本発明の1つの実施形態において、プラズマ充填領域内に支持構造330が配置されている。具体的には、支持構造330は支持微小球を含んでおり、支持微小球は、導電媒体層140と画素電極層220のそれぞれに接している。支持微小球は、主に、支持と固定の作用を果たし、ディスプレイの耐押圧性を高める。表示過程において、ディスプレイを押圧しても、画像のぼやけや変形は発生せず、表示画像の安定性を向上させる。
【0030】
本発明の1つの実施形態において、画素電極層220は、アレイ状に配置された複数の画素電極を含んでいる。隣接する2つの画素電極の間に、隙間は形成されるが、プラズマ隔離構造230によって隙間は覆われている。プラズマ隔離構造230は、画素電極層220から濾光層120に延びる台形構造であり、その断面形状が台形で、主にプラズマ粒子を隔離する役割を果たす。
【0031】
本発明のもう1つの技術的解決手段では、上記のいずれのスナップフィット型プラズマ表示モジュールを含むプラズマディスプレイが提供される。表示装置の具体的な実施形態として、表示装置は、具体的に、マイクロカプセル又はマイクロカップの電子ペーパーディスプレイ、双安定性反射液晶ディスプレイ、及びLCD液晶ディスプレイであってもよい。表示装置の効果について、具体的に、以上で述べられた表示プラズマモジュールの効果を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0032】
本発明のプラズマ表示モジュールの製造過程は、以下の通りである。まず、上ガラス基板にカラー濾光層をコーティングし、色が異なる複数のカラーブロックを形成する。これと同時に、カラー濾光カラーブロックの隙間に、透明樹脂層を蒸着し、上基板の表面を平坦にする。次に、下基板部品にプラズマ隔離構造を設ける。そして、プラズマ隔離構造の頂部がスナップフィット構造の係止溝にはめ込むように、Markポイントポジションニング技術によって、スナップフィット構造及びプラズマ隔離構造の位置を決め、スナップフィット構造とプラズマ隔壁の上表面とが密着するように取り付ける。
【0033】
以上の具体的な実施形態は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。実施形態を参照しながら本発明を詳しく説明したが、本発明の技術的解決手段を修正又は均等に置き換えてなるものは、本発明の技術的解決手段の主旨及び範囲から逸脱するものではなく、いずれも本発明の特許請求の範囲内であると、当業者なら理解できる。
【国際調査報告】