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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】酸化物表面種を有するカソード材料
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/525 20100101AFI20241128BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20241128BHJP
   H01M 4/485 20100101ALI20241128BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20241128BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20241128BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20241128BHJP
   C01B 25/45 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
H01M4/525
H01M4/505
H01M4/485
H01M4/36 C
H01M10/0562
H01M4/58
C01B25/45 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535374
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 US2022053080
(87)【国際公開番号】W WO2023114436
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/291,209
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/299,732
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520474211
【氏名又は名称】クアンタムスケープ バッテリー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,チェン-チー
(72)【発明者】
【氏名】チャベス,サラ
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ヘスン
(72)【発明者】
【氏名】イトウ,セイタロウ
(72)【発明者】
【氏名】カトウ,ユキ
(72)【発明者】
【氏名】ロクシン,コンスタンチン
(72)【発明者】
【氏名】オオハシ,アキナリ
(72)【発明者】
【氏名】シルバー,ジェッサ
(72)【発明者】
【氏名】ティアン,ヤオセン
(72)【発明者】
【氏名】スー,ヴァージル
(72)【発明者】
【氏名】ユー,チェンフェン
【テーマコード(参考)】
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H029AJ03
5H029AJ05
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029AL18
5H029AM14
5H029HJ02
5H029HJ04
5H050AA02
5H050AA05
5H050BA17
5H050CA07
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB03
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB11
5H050CB12
(57)【要約】
本開示は、リチウムイオン(Li)を可逆的に貯蔵するための充電式リチウム電池のカソード(すなわち、正極)において有用である、コーティングされたカソード活物質用のリチウムジルコニウムホスフェート(LZP)化学酸化物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード活物質と、
前記カソード活物質に結合された少なくとも1種の酸化物と
を含む組成物であって、
前記カソード活物質に結合された前記少なくとも1種の酸化物が、リチウム(Li)と、酸素(O)と、ジルコニウム(Zr)及びリン(P)の少なくとも1種とを含み、
Li、Zr、P及びOのモル比が、次式
LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0及び2.0≦d≦55.0であり、
添え字x、y、a及びdは、少なくとも1種の酸化物が電荷中性であり、y及びaが両方ともゼロではないように選択される)によって表され、
前記組成物は、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する、組成物。
【請求項2】
リチウム及びジルコニウムを含む前記酸化物が非晶質であるか;又は
リチウム、ジルコニウム及びリンを含む銭酸化物が非晶質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
表面を有するカソード活物質と、前記表面に結合した酸化物とを含み、
前記酸化物が、
LiZr(PO
LiZrO
LiZrPO
LiPZrO
LiZrPO
Li24Zr1453;及び
これらの組み合わせ
からなる群から選択され、
前記組成物が、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記酸化物が非晶質である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記酸化物が結晶質である、請求項1、3及び4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記酸化物が次式:
LiZr(式中、0.05≦x≦7.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0である);
LiZr(式中、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3、1.0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0である);
LiZr(式中、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3、2.0≦a≦4.0及び10.0≦d≦14.0である);
LiZr(式中、20.0≦x≦25.0、2.0≦y≦5.0、10.0≦a≦16.0及び50.0≦d≦55.0である);
LiZr(式中、1.0≦x≦3、0≦y≦2及び2.0≦d≦5.0である);又は
Li(式中、2.0≦x≦4、0≦a≦2.0及び2.0≦d≦5.0である)
の化合物を含む、請求項1、4及び5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記酸化物が、LiZr(PO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、LiZrO3、LiPO及びLi24Zr1453から選択される化合物を含む、請求項1及び3~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記酸化物が、1)LiOHと、2)ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体との反応混合物の生成物である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記反応混合物中のLi:Zrのモル比が、約1:3~1:1、約1:1~3:1、約4:1~6:1、約6:1~8:1、又は約8:1~10:1の範囲の比である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記反応混合物中のLi:Pのモル比が、約3:1~1:1、約1:3~1:1、約5:1~7:1、約9:1~11:1、又は約13:1~15:1の範囲の比である、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記反応混合物中のZr:Pのモル比が、約3:16~3:10、約1.3:1~1:1、又は約1:1~3:1の範囲の比である、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記反応混合物中のLi及びZr:Pのモル比が、約80:30~65:35、約75:25~80:20、約80:20~90:10、約90:10~85:15、約95:5~95:10、又は約90:10~95:5である、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記ジルコニウム前駆体が、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムメトキシド、及びジルコニウムブトキシドから選択される、請求項8~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記ジルコニウム前駆体がジルコニウムブトキシドである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記リン前駆体が、P、HPO、又は(NHPOから選択される、請求項8~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記リン前駆体がPである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記酸化物が前記カソード活物質と格子整合している、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
実質的に図3図4図5、又は図6に示されるような界面を有する、請求項1~4及び6~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
実質的に図2図4図5、又は図6に示されるような界面を有する、請求項1、3、及び5~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記カソード活物質が、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);並びにLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)から選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記カソード活物質が、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1であり、x+y+z=1である)である、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記カソード活物質がLiNiMnCoであり、(a)~(h):
(a)xは0.8であり、yは0.1であり、zは0.1であるか;
(b)xは0.6であり、yは0.2であり、zは0.2であるか;
(c)xは0.5であり、yは0.3であり、zは0.2であるか;
(d)xは1/3であり、yは1/3であり、zは1/3であるか;
(e)0.8≦x≦0.97、0≦y≦0.2、0≦z≦0.2であるか;
(f)0.8≦x≦0.90、0≦y≦0.2、0≦z≦0.2であるか;
(g)0.8≦x≦0.85、0≦y≦0.2、0≦z≦0.2であるか;又は
(h)0.8≦x≦0.83、0≦y≦0.2、0≦z≦0.2であるか
のいずれかである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記カソード活物質が、NMCクラスのカソード活物質;LFPクラスのカソード活物質;LNMOクラスのカソード活物質;NCAクラスのカソード活物質;LMOクラスのカソード活物質;及びLCOクラスのカソード活物質のメンバーから選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
XPSによって決定されるように、約0.3~4のZr:Niの原子%比を特徴とする、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
約0.38、約0.55、約1.1、約1.3、約3.0、又は約3.2のZr:Niの原子%比を特徴とする、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
XPSによって決定されるように、約0.3~20のC-CO:Niの原子%比を特徴とする、請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
XPSによって決定されるように、約0.4、約1.62、約6.8、約7.0、約8.2、又は約17.2のC-CO:Niの原子%比を特徴とする、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
XPSによって決定されるように、約0.04~0.4のO-CH中の酸素:前記カソード活物質に結合された酸化物中の全酸素の原子%比を特徴とする、請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
XPSによって決定されるように、約0.208、約0.057、約0.080、約0.19、又は約0.39のO-CH3中の酸素:全酸素の原子%比を特徴とする、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約5重量%~約10重量%のリチウムを含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約1重量%未満のジルコニウムを含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約0.5重量%未満のリンを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約65重量%未満のマンガン、コバルト及びニッケルを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、マンガン、コバルト及びニッケルに対するリンの比(P:Mn+Co+Ni)が少なくとも約0.001重量%である、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、マンガン、コバルト及びニッケルに対するジルコニウムの比(Zr:Mn+Co+Ni)が少なくとも約0.002重量%である、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、マンガン、コバルト、及びニッケルに対するリチウムの比(Li:Mn+Co+Ni)が少なくとも約0.08重量%である、請求項1~35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0;及び2.0≦d≦55.0であり;前記式が電荷中性である)を有する酸化物であって、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)、及びそれらの組み合わせから選択されるカソード活物質に結合している、酸化物。
【請求項38】
式LiZr(式中、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3、1.0≦a≦6.0、及び2.0≦d≦20である)の化合物を含む、請求項37に記載の酸化物。
【請求項39】
前記化合物が、LiZr(PO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、LiZrO、LiPO、及びLi24Zr1453から選択される、請求項39に記載の酸化物。
【請求項40】
前記カソード活物質がリチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である、請求項37~39のいずれか一項に記載の酸化物。
【請求項41】
前記カソード活物質に結合された前記酸化物が、前記カソード活物質上のコーティングである、請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物又は請求項37~39のいずれか一項に記載の酸化物。
【請求項42】
請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物又は請求項37~39のいずれか一項に記載の酸化物を含む、ソリッドステートカソード。
【請求項43】
請求項42に記載のソリッドステートカソードと、ソリッドステート電解質と、金属リチウム、チタン酸リチウム(LiTiO、LTO)、炭素/グラファイト(C)、ケイ素(Si)/酸化ケイ素、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択されるアノード活物質とを含む、ソリッドステート電池。
【請求項44】
前記カソード活物質に結合された前記酸化物が、前記カソード活物質上のコーティングである、請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記コーティングが連続的である、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記コーティングが非連続的である、請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
前記コーティングが、TEM分析によって決定されるように、結晶質ドメインを含む、請求項44~46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
前記コーティングが、TEM分析によって決定されるように、非晶質ドメインを含む、請求項44~47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
前記コーティングが、TEM分析によって決定されるように、結晶質ドメイン及び非晶質ドメインを含む、請求項44~48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
前記結晶質ドメインが前記カソードと接触しており、前記非晶質ドメインが前記結晶質ドメインと接触している、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
前記コーティングが、TEM分析によって決定されるように、約0.7nm≦T≦20nmの厚さTを有する、請求項44~50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
Tが、約0.8nm~10nm、約0.8nm~5nm、又は約0.8nm~2.5nmである、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
前記結晶質ドメインの厚さが約0.8nm~5nmであり、前記非晶質ドメインの厚さが約0.8nm~5nmである、請求項49~50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記コーティング結晶質ドメインが、TEM分析によって決定されるように、前記カソード活物質の前記結晶質ドメインと格子整合する、請求項44~53のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[1] 本出願は、2021年12月17日に出願された米国仮特許出願第63/291,209号及び2022年1月14日に出願された米国仮特許出願第63/299,732号の利益及び優先権を主張する。両出願は、あらゆる目的のために参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
分野
[2] 本開示は、リチウムイオン(Li)を可逆的に貯蔵するための充電式リチウム電池のカソード(すなわち、正極(positive electrode))において有用である、コーティングされたカソード活物質用の化学酸化物に関する。
【背景技術】
【0003】
[3] 高電圧(例えば、リチウム金属に対して4.2V)及び/又は高温(例えば、60℃)において安定であるカソード活物質に向けられた充電式リチウム電池分野において、現在満たされていないニーズが存在する。この不安定性は、電池の保存時又は使用時、或いはその両方において、電池の内部抵抗の増加をもたらす傾向がある。
【0004】
[4] ソリッドステート電解質材料は高電圧又は高温では安定しない傾向がある。ソリッドステート電解質材料はカソード活物質と反応することがある。カソード活物質は高電圧又は高温に曝露されると酸化する可能性もある。これらは電池性能劣化の原因の一部である。この酸化を防ぐために、カソード活物質をLiNbO、LiZrO、LiTaOでコーティングすることを試みた研究者もいる。例えば、米国特許出願公開第2016/0156021A1号;米国特許出願公開第2019/0044146A1号;米国特許第9,692,041B2号を参照のこと。また、Chem. Mater. 2018, 30, 22, 8190-8200, (doi.org/10.1021/acs.chemmater.8b03321);Adv. Energy Mater. 2020, 10, 1903778 (doi.org/10.1002/aenm.201903778);及びJournal of Power Sources Volume 248, 15 February 2014, Pages 943-950, (doi.org/10.1016/j.jpowsour.2013.10.005)も参照のこと。しかしながら、以前に報告されたこれらのコーティングは、安定性に乏しく、及び/又は他の欠点に悩まされていた。例えば、4.2Vの高電位(対Li/Li)において、帯電状態にある時、これらのコーティングの内部抵抗は急速に上昇した。このような理由及び他の理由から、以前に報告されたこれらのコーティングは、いくつかの点で劣っていた。
【0005】
[5] 本明細書では、関連分野におけるこの問題及びその他の問題に対する解決策を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[6] カソード活物質と、カソード活物質に結合された少なくとも1種の酸化物とを含む組成物であって、カソード活物質に結合された少なくとも1種の酸化物が、リチウム(Li)と、酸素(O)と、任意選択的にジルコニウム(Zr)及びリン(P)とを含み、Li、Zr、P及びOのモル比が、式LiZr(式中、0.05≦x≦7.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0であり、添え字x、y、a及びdは、少なくとも1種の酸化物が電荷中性であるように選択される)によって表される組成物が本明細書中に記載される。
【0007】
[7] 一実施形態において、組成物は、カソード活物質と、カソード活物質に結合された少なくとも1種の酸化物とを含み、カソード活物質に結合された少なくとも1種の酸化物は、リチウム(Li)と、酸素(O)と、ジルコニウム(Zr)及びリン(P)の少なくとも1種とを含み、Li、Zr、P及びOのモル比は、式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0及び2.0≦d≦55.0であり、添え字x、y、a及びdは、少なくとも1種の酸化物が電荷中性であり、y及びaが両方ともゼロではないように選択される)によって表される。さらなる実施形態において、組成物は、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する。一実施形態において、Li、Zr、P及びOのモル比は、式LiZr(式中、0.05≦x≦7.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0であり、添え字x、y、a及びdは、少なくとも1種の酸化物が電荷中性であり、y及びaが両方ともゼロではないように選択される)によって表され、組成物は、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する。
【0008】
[8] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、式LiZr(式中、0.05≦x≦8.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0であり、式が電荷中性である)の化合物を含む組成物が本明細書中に記載される。一実施形態において、酸化物は、式LiZrの化合物(式中、0.05≦x≦1.5、1.0≦y≦3.0、1.0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0であり、式は電荷中性である)を含む。一実施形態において、酸化物は、式LiZr(式中、20.0≦x≦25.0、2.0≦y≦5.0、10.0≦a≦16.0及び50.0≦d≦55.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。一実施形態において、酸化物は、X線回折パターン分析に基づいて非晶質である。一実施形態において、酸化物は、透過型電子顕微鏡(TEM)分析に基づいて結晶質ドメインを含む。特定の実施形態において、酸化物は、LiZr(PO、LiPO、LiZrO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、及びそれらの組み合わせから選択される。他の実施形態において、酸化物は、LiZr(PO、LiPO、LiZrO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、Li24Zr1453及びそれらの組み合わせから選択される。一実施形態において、酸化物は、LiZr(POから選択される。一実施形態において、カソード活物質に結合された酸化物は、カソード活物質上のコーティングである。
【0009】
[9] 本明細書において規定されるのは、カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZr(POを含み、誘導結合プラズマ(ICP)によって測定されるように、カソード活物質が、約10重量%未満のリチウム、約1.0重量%のジルコニウム、約0.5重量%未満のリン、並びに合計約60重量%のマンガン、コバルト及びニッケルを含み、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、Zr:Niの原子%比が約0.55である組成物が本明細書中に記載される。また、カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZr(POを含み、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、Zr:Niの原子%比が約0.75である組成物が本明細書中に記載される。
【0010】
[10] また、表面及び表面上の酸化物を有するカソード活物質を含む組成物であって、酸化物が、非晶質リチウムジルコニウムオキシド、非晶質リチウムジルコニウムリンオキシド及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する組成物も本明細書中に記載される。一実施形態において、組成物は、表面及び表面上の酸化物を有するカソード活物質を含み、酸化物は、LiZr(PO、LiZrO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、Li24Zr1453及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する。
【0011】
[11] 次式LiZrを有する酸化物であって、式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0及び2.0≦d≦55.0であり、式が電荷中性であり、化合物がLiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);及びLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)から選択されるカソード活物質に結合している酸化物が本明細書中に記載される。一実施形態において、酸化物は、次式LiZrを有し、式中、0.05≦x≦8.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0;及び2.0≦d≦20.0であり、式は電荷中性であり、化合物はLiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);及びLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)から選択されるカソード活物質に結合している。特定の実施形態において、カソード活物質は、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)、及びそれらの組み合わせから選択される。一実施形態において、カソード活物質はリチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である。別の実施形態において、カソード活物質は、NMCクラスのカソード活物質;LFPクラスのカソード活物質;LNMOクラスのカソード活物質;NCAクラスのカソード活物質;LMOクラスのカソード活物質;及びLCOクラスのカソード活物質から選択されるものである。
【0012】
[12] また、1)LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNixMnyCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)、並びにLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)から選択されるカソード活物質と;2)カソード活物質に結合された酸化物であって、式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0;及び2.0≦d≦55.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む酸化物と;3)ソリッドステート電解質と;4)リチウム金属、チタン酸リチウム(LiTiO、LTO)、炭素/グラファイト(C)、ケイ素(Si)/酸化ケイ素(SiO)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択されるアノード活物質とを含む、ソリッドステート電池も本明細書中に記載される。
【0013】
[13] 一実施形態において、ソリッドステート電池は、1)LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);並びにLiNiCoAl、(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)から選択されるカソード活物質と;2)カソード活物質に結合された酸化物であって、式LiZr(式中、0.05≦x≦7.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0;及び2.0≦d≦20.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む酸化物と;3)ソリッドステート電解質と;4)リチウム金属、チタン酸リチウム(LiTiO、LTO)、炭素/グラファイト(C)、ケイ素(Si)/酸化ケイ素(SiO)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択されるアノード活物質とを含む。
【0014】
[14] また、式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0;及び2.0≦d≦55.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む酸化物がカソード活物質に結合される、コーティングされたカソード活物質を製造するためのプロセスであって、以下のステップ:1)a)LiOHと、b)ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体との溶液でカソード活物質をコーティングするステップ;2)溶液から溶媒を除去して、式LiZrの酸化物に結合したカソード活物質を提供するステップ;並びに3)乾燥空気条件下でカソード活物質を加熱して、コーティングされたカソード活物質を形成するステップを含む、プロセスも本明細書中に記載される。一実施形態において、ジルコニウム前駆体はZr(OBu)である。一実施形態において、リン前駆体はPである。一実施形態において、酸化物が、カソード活物質に結合された式LiZr(式中、0.05≦x≦8.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0;及び2.0≦d≦0.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む、コーティングされたカソード活物質を製造するためのプロセスは、以下のステップ:1)a)LiOHと、b)ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体との溶液でカソード活物質をコーティングするステップ;2)溶液から溶媒を除去して、式LiZrの酸化物に結合したカソード活物質を提供するステップ;並びに3)乾燥空気条件下でカソード活物質を加熱して、コーティングされたカソード活物質を形成するステップを含む。一実施形態において、ジルコニウム前駆体はZr(OBu)である。一実施形態において、リン前駆体はPである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】[15]図1は、本明細書に記載のコーティングされた活物質を製造するための非限定的な方法の1つである、スプレーコーティングプロセスの概略図である。
図2】[16]図2は、LiZr(POでコーティングされたNMCの透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。画像のスケール(5nm)を左下に示す。
図3】[17]図3は、LiZr(POでコーティングされたNMCのTEM画像である。LiZr(POコーティングは、TEMによって決定されるように、非晶質である。画像のスケール(10nm)を左下に示す。
図4】[18]図4は、LiZr(POでコーティングされたNMCのTEM画像である。LiZr(POコーティングは、TEMによって決定されたように、結晶質ドメイン及び非晶質ドメインを含む。結晶質ドメインはカソード活物質の界面にある。画像のスケール(10nm)を左下に示す。
図5】[19]図5は、LiZr(POでコーティングされたNMCのTEM像である。LiZr(POコーティングは、結晶質ドメイン及び非晶質ドメインを含む。結晶質ドメインはカソード活物質の界面にあり、1.7nm~2.2nmの間の厚さを有し、非晶質ドメインは3.4nmの厚さを有する。画像のスケール(5nm)を左下に示す。
図6】[20]図6は、LiZr(POでコーティングされたNMCのTEM像であり、コーティングは非連続的である。画像のスケール(20nm)を左下に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
[21] 酸化物が式LiZr(式中、0.05≦x≦8.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0;及び2.0≦d≦20.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む、カソード活物質用酸化物が本明細書中に記載される。また、酸化物が式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0;及び2.0≦d≦55.0であり、式は電荷中性である))の化合物を含む、カソード活物質用酸化物も本明細書中に記載される。特定の実施形態において、酸化物は、LiZr(PO、LiZrPO、LiPZrO及びLiZrPOから選択される。特定の実施形態において、酸化物は、LiPO又はLiZrOである。一実施形態において、酸化物はLiZr(POである。別の実施形態において、酸化物はLi24Zr1453である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、酸化物はカソード活物質上のコーティングである。
【0017】
[22] 一実施形態において、コーティングは非連続層である。一実施形態において、コーティングは連続層である。一実施形態において、コーティングは、TEM分析によって決定した場合、結晶質ドメインを含む。一実施形態において、コーティングは、TEM分析によって決定した場合、非晶質ドメインを含む。一実施形態において、コーティングは、TEM分析によって決定した場合、結晶質ドメイン及び非晶質ドメインを含む。
【0018】
[23] これらの酸化物及びコーティングの一部は、電池性能劣化の原因として指摘された前述の酸化反応を防止又は遅延させることができる。電池に使用される場合、本明細書で新たに開示されたコーティングされたカソード活物質は、より安定した電池をもたらす。
【0019】
定義
[24] 本明細書で使用される場合、例えば、約15%w/wのように数値を修飾する場合の用語「約」は、修飾された数値、及び任意選択的にその数値の±10%を含む修飾された数値の周囲の範囲に含まれる数値を指す。例えば、約15%w/wは、15%w/w、並びに13.5%w/w、14%w/w、14.5%w/w、15.5%w/w、16%w/w、又は16.5%w/wを含む。例えば、「約75℃」には、75℃、並びに68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、又は83℃が含まれる。
【0020】
[25] 本明細書で使用される場合、「からなる群から選択される」とは、群からの単一のメンバー、群からの複数のメンバー、又は群からのメンバーの組み合わせを指す。A、B、及びCからなる群から選択されるメンバーには、例えば、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、並びにA及びB、A及びC、B及びC、並びにA、B、及びCが含まれる。
【0021】
[26] 本明細書で使用される場合、「乾燥空気」という語句は、湿度が低下した空気を指す。乾燥空気は、クリーンルーム内に供給されてもよい。乾燥空気は、-70℃未満の露点を有することを特徴とする。
【0022】
[27] 本明細書で使用される場合、「カソード活物質」という語句は、リチウムイオンをインターカレートすることができるか、又は可逆的な様式でリチウムイオンと反応することができる材料を指す。例としては、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);並びにLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)が含まれる。これらの式において、x、y、及びzは、式が電荷中性になるように選択される。追加の例としては、NMCクラスのカソード活物質(LiNiCoMnOを含むが、これに限定されない);LFPクラスのカソード活物質(LiFePO/Cを含むが、これに限定されない);LNMOクラスのカソード活物質(LiNi0.5Mn1.5を含むが、これに限定されない);NCAクラスのカソード活物質(LiMn及びLiMnを含むが、これに限定されない);LMOクラスのカソード活物質(LiMnを含むが、これに限定されない);LCOクラスのカソード活物質(LiCoOを含むが、これに限定されない)、又はMinnmann et al. Advanced Energy Materials, 2022, 12, 2201425に記載される任意のカソード活物質が含まれる。
【0023】
[28] 本明細書で使用される場合、「少なくとも以下のピークを有する粉末X線回折(XRD)パターンを有することを特徴とする」という語句は、実施例の技術に従って粉末X線回折を用いて材料を分析した時に、試料が少なくとも言及されたXRDピーク及び場合によっては他のピークを有することが観察されることを意味する。ピークとは、XRDによって分析される材料にX線が入射した時に観察されるXRDパターンを誘発する結晶単位胞のd間隔(格子間隔)を示すXRDパターン中の強度の高い場所である。
【0024】
[29] 本明細書で使用される場合、「誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定された」という語句は、実施例の技術に従ってICPを用いて材料を分析した時に、材料が言及された元素の重量%を含むことが観察されることを意味する。
【0025】
[30] 本明細書で使用される場合、「XPSによって決定される」という語句は、実施例の技術に従って、材料がルースパウダーとしてXPS、又はX線光電子分光法によって分析される時に、材料が試料の表面上で元素対元素、又は官能基対官能基の原子%比を有することが観察されることを意味する。
【0026】
[31] 本明細書で使用される場合、「ソリッドステートカソード」という語句は、液相電解質を含まないカソードを指す。本明細書で使用される場合、「カソード」及び「アノード」という用語は、電池の電極を指す。カソード及びアノードは、関連分野ではそれぞれ正極及び負極と呼ばれることが多い。Li二次電池の充電サイクル中、Liイオンはカソードを離れ、電解液を通ってアノードに移動する。充電サイクル中、電子はカソードを離れ、外部回路を通ってアノードに移動する。Li二次電池の放電サイクル中、Liイオンは電解液を通ってカソードに向かい、アノードから移動する。放電サイクル中、電子はアノードを離れ、外部回路を通ってカソードに移動する。本明細書で使用される場合、「正極」という語句は、電池の放電中に正イオン、例えばLiが伝導、流動又は移動する二次電池の電極を指す。本明細書で使用される場合、「負極」という語句は、電池の放電中に正イオン、例えば、Liが流れる、又は移動する二次電池中の電極を指す。Li金属電極と、変換化学、インターカレーション化学、又は変換/インターカレーション化学の組み合わせを含む電極(すなわち、カソード活物質;例えば、NiF、NCA、LiNiMnCo[NMC]又はLiNiAlCo[NCA](式中、x+y+z=1である))とから構成される電池において、変換化学、インターカレーション化学、又は変換/インターカレーション化学の組み合わせ材料を有する電極は、正極と呼ばれる。一部の用途では、正極の代わりにカソードが使用され、負極の代わりにアノードが使用される。Li二次電池が充電されると、Liイオンは正極(NiF、NMC、NCAなど)から負極(Li金属など)に向かって移動する。Li二次電池が放電されると、Liイオンは正極に向かって移動し、負極から移動する。
【0027】
[32] 本明細書で使用される場合、「固体セパレータ」という語句は、電子に対して実質的に絶縁性であり(例えば、リチウムイオン伝導度が電子伝導度の少なくとも10倍、多くの場合10倍である)、電気化学セルにおいて正極と負極との間の物理的な障壁又はスペーサとして機能するLiイオン伝導性材料を指す。
【0028】
[33] 本明細書で使用される場合、「LPSI」という用語は、Li、P、S及びIを含むリチウム伝導性電解質を指す。より一般的には、LiS+LiX(式中、X=Cl、Br及び/又はIであり、y=3~5であり、a/b=2.5~4.5であり、(a+b)/c=0.5~15である)を含むと理解される。
【0029】
[34] 本明細書で使用される場合、「LSTPS」は、式LiMP(式中、MはSi、Ge、Sn及び/又はAlであり、2≦a≦8、0.5≦b≦2.5、4≦c≦12である)によって特徴付けられる材料を指す。「LSPS」は、式LSiP(式中、2≦a≦8、0.5≦b≦2.5、4≦c≦12である)で表される電解質材料を指す。LSPSは、式LSiP(式中、2≦a≦8、0.5≦b≦2.5、4≦c≦12、d<3である)によって特徴付けられる電解質材料を指す。例示的なLSTPS材料は、例えば、2014年11月20日に国際公開第2014/186634号として公開された、2014年5月15日出願の国際特許出願第PCT/US14/38283号「SOLID STATE CATHOLYTE OR ELECTROLYTE FOR BATTERY USING LiAMPBSC(M = SI, GE, AND/OR SN)」に見出され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例示的なLSTPS材料は、例えば、2015年6月18日に特許出願公開第2015/0171465号として公開された、2015年2月10日出願の米国特許出願第14/618,979号に見出され、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。MがSn及びSiである場合、両方が存在する。本明細書で使用される場合、「LSTPSO」は、Oがドープされたか、Oを有するか、又はOが存在するLSTPSを指す。一実施形態において、「LSTPSO」は、0.01~10原子%の酸素含有量を有するLSTPS材料である。「LSPS」は、Li、Si、P、及びSの化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSTPS」は、Li、Si、P、Sn及びSの化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSPSO」は、Oがドープされたか、Oを有するか、又はOが存在するLSPSを指す。一実施形態において、「LSPSO」は、0.01~10原子%の酸素含有量を有するLSPS材料である。本明細書で使用される場合、「LATP」は、Li、As、Sn、及びPの化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LAGP」は、Li、As、Ge及びPの化学成分を有するカソライト材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSTPSO」は、式LiMP(式中、MはSi、Ge、Sn、及び/又はAlであり、2≦a≦8、0.5≦b≦2.5、4≦c≦12、d<3である)によって特徴付けられる電解質材料を指す。LSTPSOとは、上記で定義したLSTPSであって、0.1~約10原子%の酸素ドーピングを有するものを指す。LPSOは、上記で定義したLPSであって、0.1~約10原子%の酸素ドーピングを有するものを指す。
【0030】
[35] 本明細書で使用される場合、「LTS」は、LiS-SnS、LiS-SnS、Li-S-Sn及び/又は本質的にLi、S及びSnからなるカソライトとして記載することができる硫化リチウムスズ化合物を指す。組成物は、LiSn(式中、0.25≦x≦0.65、0.05≦y≦0.2及び0.25≦z≦0.65である)であってもよい。特定の実施形態において、LTSは、80:20、75:25、70:30、2:1、又は1:1のモル比のLiS及びSnSの混合物である。LTSは最大10原子%の酸素を含み得る。LTSは、Bi、Sb、As、P、B、Al、Ge、Ga及び/又はInでドープされていてもよい。本明細書で使用される場合、「LATS」は、上記で使用したLTSを指し、さらにヒ素(As)を含む。
【0031】
[36] 本明細書で使用される場合、「アニーリング」とは、制御された還元雰囲気、例えば、乾燥空気中で材料を、例えば、100℃~400℃、又は例えば、100℃、150℃、200℃、250℃、300℃、又は350℃に加熱することを指す。
【0032】
[37] 本明細書で使用される場合、「高電圧で安定」という語句は、高電圧(Li金属に対して4.2V以上)で、少なくとも3日間高電圧に保持した時に、材料のイオン伝導性又は抵抗を実質的に又は著しく劣化させるような反応をしない材料(例えば、コーティングされたカソード活物質)を指す。ここで、イオン伝導性又は抵抗の実質的又は有意な劣化とは、1桁以上のイオン伝導性の低下、又は抵抗の増大を意味する。本明細書で使用される場合、「高電圧」という用語は、リチウム金属に対して少なくとも4.2V(すなわち、v.Li)を意味する。高電圧はまた、さらに高い電圧を指す場合もあり、例えば、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8.4.9、5.0V又はそれ以上である。
【0033】
[38] 本明細書で使用される場合、高電圧とは、特に指定のない限り、(0Vである)リチウム金属参照電極に対して4.2V以上を意味する。
【0034】
[39] 本明細書で使用される場合、「高温で安定」という語句は、高温(60℃以上)で少なくとも3日間保持した時に、材料のイオン伝導性又は抵抗性を実質的に又は著しく低下させるような反応をしない材料(例えば、コーティングされたカソード活物質)を指す。
【0035】
[40] 本明細書で使用される場合、面積比抵抗(area-specific resistance)(ASR)は、特に断りのない限り、Arbin又はBiologic装置を用いた電気化学サイクルによって測定される。
【0036】
[41] 本明細書で使用される場合、イオン伝導度は、当該技術分野で公知の電気インピーダンス分光法によって測定される。
【0037】
[42] 本明細書で使用される場合、「LZO」という用語は、LiZrO、ZrO、又はそれらの組み合わせを指す。LZOは、結晶質、非晶質、又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、LZOは、結晶質ZrO及び非晶質LiZrOを含み得る。例えば、LZOはZrOを含み得る。例えば、LZOは、LiZrOを含み得る。
【0038】
詳細な説明
[43] 一実施形態において、カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が式LiZr(式中、0.05≦x≦8.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む組成物が本明細書中に記載される。別の実施形態において、酸化物は、式LiZr(式中、0.05≦x≦8.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0であり、y及びaは両方ともゼロではなく、式は電荷中性である)の化合物を含む。別の実施形態において、酸化物は、式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0及び2.0≦d≦55.0であり、y及びaは両方ともゼロではなく、式は電荷中性である)の化合物を含む。別の実施形態において、酸化物は、式LiZr(式中、20.0≦x≦25.0、2.0≦y≦5.0、10.0≦a≦16.0及び50.0≦d≦55.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。前述のいずれかを含むさらなる実施形態において、組成物は、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比率を有する。
【0039】
[44] 別の実施形態において、表面及び表面上の酸化物を有するカソード活物質を含む組成物であって、酸化物が、非晶質リチウムジルコニウムオキシド、非晶質リチウムジルコニウムリンオキシド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、0.3~3.2のX線光電子分光法(XPS)によって測定されるZr:Niの比を有する組成物が本明細書中に記載される。
【0040】
[45] 別の実施形態において、組成物は、表面及び表面上の酸化物を有するカソード活物質を含み、酸化物は、LiZr(PO、LiZrO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、Li24Zr1453及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、組成物は、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する。一実施形態において、酸化物はカソード活物質と格子整合している。一実施形態において、酸化物は、結晶質の表面を有する。一実施形態において、酸化物は、非晶質の表面を有する。一実施形態において、組成物は、実質的に図2~6のいずれか1つに示されるような界面を有する。一実施形態において、酸化物は、連続的なコーティングである。一実施形態において、酸化物は非連続的なコーティングである。
【0041】
[46] 本明細書中、酸化物とは、本明細書中に別段の明示がない限り、カソード活物質が酸化物である場合であっても、カソード活物質そのものではなく、カソード活物質に結合された材料を指す。例えば、NMCは酸化物である。しかし、本明細書には、NMC酸化物に結合する他の酸化物も記載されている。カソード活物質である酸化物とは異なるこれらの他の酸化物については、上述及び後述される。
【0042】
[47] 一実施形態において、酸化物は、0.05≦x≦1.5、1.0≦y≦3.0、1.0≦a≦6.0、及び2.0≦d≦20.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。
【0043】
[48] 一実施形態において、酸化物は、0.5≦x≦7.0、1.0≦y≦3.0、1.0≦a≦4.0、及び5.0≦d≦14.0であり、式が電荷中性である、式LixZryPaOdの化合物を含む。一実施形態において、酸化物は、0.5≦x≦7.0、yは1.0、aは1.0、及び6.0≦d≦14.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。
【0044】
[49] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、酸化物は、xが、1.0、2.0、3.0、5.0及び7.0から選択される、式LiZrの化合物を含む。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、酸化物は、yが0、1.0、及び2.0から選択される式LiZrの化合物を含む。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、酸化物は、aが0、1.0、及び3.0から選択される式LixZryPaOdの化合物を含む。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、酸化物は、xが3.0、4.0、6.0、7.0、8.0、及び12.0から選択される式LiZrの化合物を含む。前述のいずれかを含む代替の実施形態において、酸化物は、xが24.0である式LiZrの化合物を含む。
【0045】
[50] 一実施形態において、酸化物は、0.5≦x≦2.0、0≦y≦3.0、1.0≦a≦4.0、及び10.0≦d≦13.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。一実施形態において、酸化物は、1.0≦x≦2.0、1.0≦y≦3.0、2.0≦a≦4.0、及び11.0≦d≦13.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。一実施形態において、酸化物は、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3、2.0≦a≦4.0;及び10.0≦d≦14.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。
【0046】
[51] 一実施形態において、酸化物は、1.0≦x≦4.0、0≦y≦2.0、1.0≦a≦3.0、及び4.0≦d≦7.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。
【0047】
[52] 一実施形態において、酸化物は、1.0≦x≦3.0、0≦y≦2.0、0≦a≦2.0、及び5.0≦d≦8.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。
【0048】
[53] 一実施形態において、酸化物は、5.0≦x≦8.0、0≦y≦2.0、0≦a≦2.0、及び6.0≦d≦9.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。
【0049】
[54] 一実施形態において、酸化物は、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0、及び2.0≦d≦55.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。一実施形態において、酸化物は、20.0≦x≦25.0、2.0≦y≦5.0、10.0≦a≦16.0;及び50.0≦d≦55.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。
【0050】
[55] 一実施形態において、酸化物は、1.0≦x≦3、0≦y≦2、及び2.0≦d≦5.0であり、式が電荷中性である、式LiZrの化合物を含む。
【0051】
[56] 特定の実施形態において、酸化物は、2.0≦x≦4、0≦a≦2.0、及び2.0≦d≦5.0であり、式が電荷中性である、式Liの化合物を含む。
【0052】
[57] 前述のいずれかを含むいくつかの実施形態において、酸化物は、LiZr(PO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、LiPO、及びLiZrOから選択される化学式を含む。
【0053】
[58] 前述のいずれかを含む別の実施形態において、酸化物は、LiZr(PO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、LiPO、LiZrO、及びLi24Zr1453から選択される化学式を含む。
【0054】
[59] 一実施形態において、酸化物は、非晶質リチウムジルコニウムオキシド、非晶質リチウムジルコニウムリンオキシド、又はそれらの組み合わせを含む。
【0055】
[60] 一実施形態において、酸化物はLiZr(POを含む。
【0056】
[61] 一実施形態において、酸化物はLiZrPOを含む。
【0057】
[62] 一実施形態において、酸化物はLiPZrOを含む。
【0058】
[63] 一実施形態において、酸化物はLiZrPOを含む。
【0059】
[64] 一実施形態において、酸化物はLiPOを含む。
【0060】
[65] 一実施形態において、酸化物はLiZrOを含む。
【0061】
[66] 別の実施形態において、酸化物はLi24Zr1453を含む。
【0062】
[67] 酸化物が特定の式の化合物を含むと記載される場合、Li、Zr及びPの比率は、酸化物を製造するために使用される前駆体の比率に基づく公称比率である。Li、Zr及びPの比率は、特に指定がない限り、酸化物を製造するプロセスにおいてバッチ化された前駆体の比率である。例えば、いくつかの実施形態において、組成物がXPSによって決定される原子比によって特徴付けられることを記載することによって、比率が他に指定される。そのようなXPSによって決定される原子比は、生成物上で測定され、バッチ化されたものではない。他の実施形態において、化合物が酸化物Li3PO4として特徴付けられる場合、酸化物は、バッチ化された状態のモル比で約3:1:4のLi:P:Oの比率を有する前駆体を使用して製造された、又は製造されることが可能であった。
【0063】
[68] 特定の実施形態において、酸化物は、1)LiOHと、2)ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体との反応混合物の生成物である。特定の実施形態において、Li:Zrのモル比は、約1:3、約1:2、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1及び約10:1から選択される比である。一実施形態において、Li:Zr(すなわち、LiOH:ジルコニウム前駆体)のモル比は、約1:3~1:1の範囲の比である。一実施形態において、Li:Zrのモル比は、約1:1~3:1の範囲の比である。一実施形態において、Li:Zrのモル比は、約2:1~4:1の範囲の比である。一実施形態において、Li:Zrのモル比は、約1:4~1:6の範囲の比である。一実施形態において、Li:Zrのモル比は、約1:6~1:8の範囲の比である。特定の実施形態において、Li:Zrのモル比は、約1:2、約2:1、約3:1、約1:5、約1:7から選択される比である。別の実施形態において、Li:Zrのモル比は約24:5~25:2の範囲である。別の実施形態において、Li:Zrのモル比は約24:3である。
【0064】
[69] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、反応混合物中のLi:P(すなわち、LiOH:リン前駆体)のモル比は、約1:2、約2:3、約1:1、約2:1、約4:1、約5:1、約6:1、約8:1、約10:1、約12:1、約14:1及び約16:1から選択される比である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Li:Pのモル比は、約1:2~1:1の範囲の比である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Li:Pのモル比は、約5:1~7:1の範囲の比である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Li:Pのモル比は、約8:1~10:1の範囲の比である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Li:Pのモル比は、約13:1~15:1の範囲の比である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Li:Pのモル比は、約2:3、約6:1、約10:1及び約14:1から選択される比である。前述のいずれかを含む別の実施形態において、Li:Pのモル比は、約24:16~24:10の比である。前述のいずれかを含む別の実施形態において、Li:Pのモル比は約24:14である。
【0065】
[70] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、反応混合物中のZr:Pのモル比は、約1:2、約1:1、約1.3:1、約1.5:1、約1.8:1、約2:1、約3:1及び約4:1から選択される比である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Zr:P(すなわち、ジルコニウム前駆体:リン前駆体)のモル比は、約1:1~1.5:1の範囲の比である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Zr:Pのモル比は、約1.1~3:1の範囲の比である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Zr:Pのモル比は、約1.3:1又は約2:1から選択される比である。前述のいずれかを含む別の実施形態において、Zr:Pのモル比は、約3:20~約3:10から選択される比である。前述のいずれかを含む別の実施形態において、Zr:Pのモル比は約3:14の比である。
【0066】
[71] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、LiOH:Zr:Pの出発モル比は、約20:50:30~約25:40:35である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH:Zr:Pの出発モル比は、約20:40:40~30:50:20の間である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH:Zr:Pの出発モル比は、約20:40:40~25:45:30である。
【0067】
[72] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、LiOH:Zr:Pの出発モル比は、約40:35:25~60:20:20である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH:Zr:Pの出発モル比は、約50:25:25~50:35:15である。
【0068】
[73] 前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH:Zr:Pの出発モル比は、約80:15:5~65:25:10である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH:Zr:Pの出発モル比は、約70:25:5~80:10:10である。
【0069】
[74] 前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH:Zr:Pの出発モル比は、約80:10:10~85:10:5である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH:Zr:Pの出発モル比は、約80:10:10~82.5:12.5:5である。
【0070】
[75] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、LiOH及びZr:Pの出発モル比は、約70:30~65:35である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH及びZr:Pの出発モル比は、約60:40~80:20である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH及びZr:Pの出発モル比は、約60:40~70:30である。
【0071】
[76] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、LiOH及びZr:Pの出発モル比は、約75:25~80:20である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH及びZr:Pの出発モル比は、約75:25~85:15である。
【0072】
[77] 前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH及びZr:Pの出発モル比は、約95:5~90:10である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH及びZr:Pの出発モル比は、約95:5~90:10である。
【0073】
[78] 前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH及びZr:Pの出発モル比は、約90:10~95:5である。前述のいずれかを含む一実施形態において、LiOH及びZr:Pの出発モル比は、約90:10~95:5である。
【0074】
[79] 前述のいずれかを含む一実施形態において、酸化物はLiZr(POを含み、1)LiOH;2)ジルコニウム前駆体;及び3)リン前駆体の反応混合物の生成物であり、Li:Zrの比は約1:2であり、Li:Pの比は約2:3であり、Zr:Pの比は約1.3:1である。さらなる実施形態において、生成物は、1)LiOH;2)Zr(OBu);及び3)Pの反応混合物である。
【0075】
[80] 上記のいずれかを含む一実施形態において、酸化物はLiZrPOを含み、1)LiOH;2)ジルコニウム前駆体;及び3)リン前駆体の反応混合物の生成物であり、Li:Zrの比は約3:1であり、Li:Pの比は約6:1であり、Zr:Pの比は約2:1である。さらなる実施形態において、生成物は、1)LiOH;2)Zr(OBu);及び3)Pの反応混合物である。
【0076】
[81] 前述のいずれかを含む一実施形態において、酸化物は、LiPZrOを含み、1)LiOH;2)ジルコニウム前駆体;及び3)リン前駆体の反応混合物の生成物であり、Li:Zrの比は約5:1であり、Li:Pの比は約10:1であり、Zr:Pの比は約2:1である。さらなる実施形態において、生成物は、1)LiOH;2)Zr(OBu);及び3)Pの反応混合物である。
【0077】
[82] 前述のいずれかを含む一実施形態において、酸化物はLiZrPOを含み、1)LiOH;2)ジルコニウム前駆体;及び3)リン前駆体の反応混合物の生成物であり、Li:Zrの比は約7:1であり、Li:Pの比は約14:1であり、Zr:Pの比は約2:1である。さらなる実施形態において、生成物は、1)LiOH;2)Zr(OBu);及び3)Pの反応混合物である。
【0078】
[83] 前述のいずれかを含む一実施形態において、酸化物は、Li24Zr1453からなり、1)LiOH;2)ジルコニウム前駆体;及び3)リン前駆体の反応混合物の生成物であり、Li:Zrの比は約24:3であり、Li:Pの比は約24:14であり、Zr:Pの比は約3:14である。さらなる実施形態において、生成物は、1)LiOH;2)Zr(OBu);及び3)Pの反応混合物である。
【0079】
[84] 一実施形態において、酸化物は、1)LiOH及び2)ジルコニウム前駆体の反応混合物の生成物である。特定の実施形態において、Li:Zrの出発モル比は、約30:70、約40:60、約50:50、約60:40、約65:35、及び約70:30である。一実施形態において、Li:Zrの出発モル比は、約60:40~70:30である。一実施形態において、Li:Zrの出発モル比は、約55:45~約65:35である。一実施形態において、Li:Zrの出発モル比は、約65:35~75:25である。一実施形態において、Li:Zrの出発モル比は約66:33である。
【0080】
[85] 特定の実施形態において、酸化物は、1)LiOHと2)リン前駆体との反応混合物の生成物である。特定の実施形態において、Li:Pの出発モル比は、約80:20~90:10である。特定の実施形態において、Li:Pの出発モル比は、約75:25~85:15である。特定の実施形態において、Li:Pの出発モル比は、約85:25~95:5である。特定の実施形態において、Li:Pの出発モル比は約85:15である。
【0081】
[86] 前述のいずれかを含む一実施形態において、リン前駆体は、P、HPO、(NHPO、(NHPO、及びそれらの組み合わせから選択される。前述のいずれかを含む一実施形態において、ジルコニウム前駆体は、ジルコニウムブトキシド(Zr(OBu))、ジルコニウムプロポキシド(Zr(OPr))、ジルコニウムエトキシド(Zr(OEt))、ジルコニウムメトキシド(Zr(OMe))、及びそれらの組み合わせである。前述のいずれかを含む一実施形態において、リチウム前駆体は、水酸化リチウム(LiOH)、リチウムエトキシド(LiOEt)、リチウムメトキシド(LiOMe)、金属リチウム、及びそれらの組み合わせから選択される。前述のいずれかを含む一実施形態において、ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体は、ジルコニウムアルコキシド前駆体又はリンアルコキシド前駆体などのゾルゲル前駆体である。一実施形態において、リン前駆体はPである。一実施形態において、ジルコニウム前駆体はZr(OBu)4である。一実施形態において、リチウム前駆体はLiOHである。
【0082】
[87] 上記のいずれかを含む一実施形態において、酸化物はカソード活物質上のコーティングである。
【0083】
[88] 前述のいずれかを含む一実施形態において、酸化物又はコーティングは、透過型電子顕微鏡(TEM)分析に基づく非晶質ドメインをさらに含む。前述のいずれかを含む一実施形態において、酸化物又はコーティングは、透過型電子顕微鏡(TEM)分析に基づく結晶質ドメインをさらに含む。前述のいずれかを含む一実施形態において、酸化物又はコーティングは、透過型電子顕微鏡分析に基づく結晶質ドメインに加えて、透過型電子顕微鏡(TEM)分析に基づく非晶質ドメインをさらに含む。
【0084】
[89] 前述のいずれかを含む一実施形態において、結晶質ドメインはカソード活物質と接触している。
【0085】
[90] 前述のいずれかを含む一実施形態において、非晶質ドメインはカソード活物質と接触していない。
【0086】
[91] 前述のいずれかを含む一実施形態において、結晶質ドメインはカソード活物質と接触しており、非晶質ドメインは結晶質ドメインと接触している。
【0087】
[92] 前述のいずれかを含む一実施形態において、コーティングは連続的である。ある実施形態において、コーティングは非連続的である。
【0088】
[93] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、コーティングは、TEM分析によって決定した場合、1nm≦T≦20nmの厚さTを有する。
【0089】
[94] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、コーティングは、TEM分析によって決定した場合、1nm未満の厚さTを有する。
【0090】
[95] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、コーティングは、走査型電子顕微鏡(SEM)分析によって決定した場合、1nm≦T≦20nmの厚さTを有する。
【0091】
[96] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは、約1nm、約5nm、又は約10nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約1nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約2nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約3nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約4nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約5nmである。前述のいずれかを含むある実施形態において、Tは約6nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約7nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約8nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約9nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約10nmである。前述のいずれかを含む別の実施形態において、Tは約11nmである。前述のいずれかを含む別の実施形態において、Tは約12nmである。
【0092】
[97] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約0.8nm~約10nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約0.8nm~5nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約0.8nm~2.5nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約0.8nm~1.5nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約1nm~4nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約1.5nm~3.5nmである。前述のいずれかを含む他の実施形態において、Tは約5nm~10nmである。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約7nm~10nmの間である。
【0093】
[98] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、コーティングは均一層ではなく、Tは約0.8nm~12nmの厚さの範囲であり得る。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約0.8nm~5nmの厚さの範囲である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約1nm~3.5nmの厚さの範囲である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約1.5nm~4nmの厚さの範囲である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約5nm~12nmの厚さの範囲である。前述のいずれかを含む一実施形態において、Tは約5nm~8nmの厚さの範囲である。
【0094】
[99] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約12nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約11nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約10nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約9nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約8nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約7nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約6nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約5nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約4nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約3nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約2nm未満である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは約1nm未満である。
【0095】
[100] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、Tは、例えば、本明細書に記載されるように、TEMで検出できるほど厚くない。
【0096】
[101] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、コーティングは、結晶質ドメイン及び非晶質ドメインの両方を含み、結晶質ドメインの厚さは約0.8nm~5nmであり、非晶質ドメインの厚さは約0.8nm~5nmである。一実施形態において、結晶質ドメインの厚さは約1nm~3nmであり、非晶質ドメインの厚さは約1nm~4nmである。一実施形態において、結晶質ドメインの厚さは約1.5nm~2.5nmであり、非晶質ドメインの厚さは約2nm~4nmである。一実施形態において、結晶質ドメインの厚さは非晶質ドメインの厚さよりも小さい。別の実施形態において、結晶質ドメインの厚さは、非晶質ドメインの厚さよりも大きい。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、結晶質ドメインはカソード活物質と接触しており、非晶質ドメインは結晶質ドメインと接触している。
【0097】
[102] 前述の実施形態のいずれかにおいて、厚さは、記載された厚さの±20%である。前述の実施形態のいずれかにおいて、厚さは、記載された厚さの±10%である。
【0098】
[103] 前述のいずれかを含む一実施形態において、酸化物又はコーティングの結晶質ドメインは、TEM分析によって決定されるように、カソード活物質の結晶質ドメインと格子整合しない。
【0099】
[104] 上記のいずれかを含む一実施形態において、酸化物又はコーティングの結晶質ドメインは、SEM分析によって決定されるように、カソード活物質の結晶質ドメインと格子整合しない。
【0100】
[105] 上記のいずれかを含む一実施形態において、酸化物又はコーティングの結晶質ドメインは、TEM分析によって決定されるように、カソード活物質の結晶質ドメインと格子整合する。
【0101】
[106] 前述のいずれかを含む一実施形態において、酸化物又はコーティングの結晶質ドメインは、SEM分析によって決定されるように、カソード活物質の結晶質ドメインと格子整合する。
【0102】
[107] 前述のいずれかを含む一実施形態において、コーティングは、炭酸塩をさらに含む。
【0103】
[108] 前述のいずれかを含む一実施形態において、組成物は、第1のコーティングと接触する第2のコーティングをさらに含み、第1のコーティングはカソード活物質と接触する。
【0104】
[109] 前述のいずれかを含む一実施形態において、第2のコーティングは、コーティングの化学式と同一ではない化学式を有する。
【0105】
[110] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、第2のコーティングは、次の化学式の化合物:
Li(式中、0.2≦x≦0.75、0.5≦y≦1.6及び1.5≦z≦2.6である);
Li(式中、0.4≦x≦1.8、0.1≦y≦1及び1≦z≦1.8である);
LiZr(式中、0≦x≦1.6、0.2≦y≦1.0及び2≦z≦1.2である);
Li(式中、0.6≦x≦1.5、0.5≦y≦1.4及び2.0≦z≦3.7である);
LiZr(PO(式中、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3及び2.0≦z≦4.0である);
LiNb(式中、0.5≦x≦1.5、0.5≦y≦1.5及び2≦z≦4である);
LiTi(式中、0≦x≦1.6、0.2≦y≦1.0及び2≦z≦1.2である);
LiTi(式中、0≦x≦2、1≦y≦3、1≦w≦4及び2≦z≦20である);
LiZr(式中、0≦x≦2、1≦y≦3、1≦w≦4及び2≦z≦20である);
LiZr(式中、0.2≦x≦0.75、0.25≦y≦0.8及び1.75≦z≦3.4である);
LiTi(式中、0.2≦x≦0.75、0.25≦y≦0.8及び1.75≦z≦3.4である);
LiAl(式中、0.4≦x≦0.8、0.2≦y≦0.6及び1.4≦z≦2.2である);
Li(式中、0.4≦x≦0.8、0.2≦y≦0.6及び1.4≦z≦2.2である);
LiNb(式中、0.2≦x≦0.8、0.2≦y≦0.8及び1.8≦z≦4.2である);又は
それらの組み合わせを含む。添え字x、y、及びzは、化合物が電荷中性であるように選択される。
【0106】
[111] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、第2のコーティングは、次式の化合物:LiCO;LiBO;Li1118;LiZrO;LiPO;LiSO;LiNbO;LiTi12;LiTi(PO;LiZr(PO;LiOH;LiF;LiZrF;LiZr19;LiTiF;LiAlF;LiYF;LiNbF;ZrO;Al;TiO;ZrF;AlF;TiF;YF;NbF;又はそれらの組み合わせを含む。
【0107】
[112] 一実施形態において、第2のコーティングは、LiCOを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiBOを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、Li1118を含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiZrOを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiPOを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiSOを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiNbOを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiTi12を含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiTi(POを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiZr(POを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiOHを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiFを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiZrFを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiZr19を含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiTiFを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiAlFを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiYFを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、LiNbFを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、ZrOを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、Alを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、TiOを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、ZrFを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、AlFを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、TiFを含む。特定の実施形態において、第2のコーティングは、YFを含む。一実施形態において、第2のコーティングは、NbFを含む。
【0108】
[113] 上記のいずれかを含む一実施形態において、第2のコーティングは、TEM分析によって決定されるように非晶質である。
【0109】
[114] 上記のいずれかを含む一実施形態において、第2のコーティングは、TEM分析によって決定されるように結晶質である。
【0110】
[115] 前述のいずれかを含む一実施形態において、第2のコーティングは、コーティングの化学式と同一ではない化学式を有する。
【0111】
[116] 前述のいずれかを含む一実施形態において、第2のコーティングは、LiBOを含む。
【0112】
[117] 前述のいずれかを含む一実施形態において、第2のコーティングは、Li(式中、0.2≦x≦0.75、0.5≦y≦1.6及び1.5≦z≦2.6である)を含む。
【0113】
[118] 前述のいずれかを含む一実施形態において、コーティングは、LiCO、LiBO、Li1118、Li又はそれらの組み合わせを含む。式Li中、0.2≦x≦0.75、0.5≦y≦1.6及び1.5≦z≦2.6である。
【0114】
[119] 前述のいずれかを含む一実施形態において、第2のコーティングは、LiZr(式中、0≦x≦1.6、0.2≦y≦1.0及び2≦z≦1.2である)を含む。
【0115】
[120] 前述のいずれかを含む一実施形態において、≪第2のコーティングは、Li(式中、0.6≦x≦1.5、0.5≦y≦1.4及び2.0≦z≦3.7である)を含む。
【0116】
[121] 前述のいずれかを含む一実施形態において、第2のコーティングは、LiInClを含む。
【0117】
[122] 一実施形態において、第1のコーティングは、次式LiZr(式中、0.05≦x≦1.5、1.0≦y≦3.0、1.0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。
【0118】
[123] 一実施形態において、第1のコーティングは、次式LiZr(式中、0.5≦x≦7.0、1.0≦y≦3.0、1.0≦a≦4.0及び5.0≦d≦14.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。
【0119】
[124] 一実施形態において、第1のコーティングは、次式LiZr(式中、0.5≦x≦2.0、0≦y≦3.0、1.0≦a≦4.0及び10.0≦d≦13.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。
【0120】
[125] 一実施形態において、第1のコーティングは、次式LiZr(式中、1.0≦x≦4.0、0≦y≦2.0、1.0≦a≦3.0及び4.0≦d≦7.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。
【0121】
[126] 一実施形態において、第1のコーティングは、次式LiZr(式中、1.0≦x≦3.0、0≦y≦2.0、0≦a≦2.0及び5.0≦d≦8.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。
【0122】
[127] 一実施形態において、第1のコーティングは、次式LiZr(式中、5.0≦x≦8.0、0≦y≦2.0、0≦a≦2.0及び6.0≦d≦9.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。
【0123】
[128] 一実施形態において、第1のコーティングは、次式LiZr(式中、1.0≦x≦3、0≦y≦2及び2.0≦d≦5.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。
【0124】
[129] 一実施形態において、第1のコーティングは、次式Li(式中、2.0≦x≦4、0≦a≦2.0及び2.0≦d≦5.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む。
【0125】
[130] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、第1のコーティングは、LiZr(PO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、LiPO、LiZrO及びLi24Zr1453から選択される化学式を含む。
【0126】
[131] 一実施形態において、第1のコーティングは、LiZr(POを含む。
【0127】
[132] 特定の実施形態において、第1のコーティングはLiZr(POを含み、第2のコーティングは、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、LiPO、LiZrO及びLi24Zr1453から選択される化学式を含む。
【0128】
[133] 一実施形態において、第1のコーティングはLiZr(POを含み、第2のコーティングは、式LiZr(式中、0.05≦x≦8.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0であり、式は電荷中性である)の化学式を含み、第2のコーティングはLiZr(POではない。
【0129】
[134] 一実施形態において、第1のコーティングは、TEMによって測定されたように、結晶質ドメインを含み、第2のコーティングは、TEMによって測定されたように、結晶質ドメイン又は非晶質ドメインを含む。
【0130】
[135] 一実施形態において、第1のコーティングは、TEMによって測定されたように、非晶質ドメインを含み、第2のコーティングは、TEMによって測定されたように、結晶質ドメイン又は非晶質ドメインを含む。
【0131】
[136] 一実施形態において、第1のコーティングは、TEMによって測定されたように、結晶質ドメイン及び非晶質ドメインを含み、第2のコーティングは、TEMによって測定されたように、結晶質ドメイン又は非晶質ドメインを含む。
【0132】
[137] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、LiBO、Li1118、Li(式中、0.2≦x≦0.75、0.5≦y≦1.6、及び1.5≦z≦2.6である)、又はそれらの組み合わせを含み;且つ第1のコーティングがカソード活物質に接触し;且つ第2のコーティングが第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0133】
[138] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、Li(式中、0.2≦x≦0.75、0.5≦y≦1.6、及び1.5≦z≦2.6である)、又はそれらの組み合わせを含み、第1のコーティングがカソード活物質に接触し、第2のコーティングが第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0134】
[139] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、LiBO、Li1118、又はそれらの組み合わせを含み、第1のコーティングがカソード活物質に接触し、第2のコーティングが第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0135】
[140] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、Li(式中、0.2≦x≦0.75、0.5≦y≦1.6、及び1.5≦z≦2.6である)、LiZr(式中、0≦x≦1.6、0.2≦y≦1.0、及び2≦z≦1.2である)、Li(式中、0.6≦x≦1.5、0.5≦y≦1.4、及び2.0≦z≦3.7である)、又はそれらの組み合わせを含み、第1のコーティングがカソード活物質に接触し、第2のコーティングが第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0136】
[141] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、LiBO、Li1118、LiZrO、LiPO、LiSO、Li(式中、0.2≦x≦0.75、0.5≦y≦1.6、及び1.5≦z≦2.6である)、又はそれらの組み合わせを含み、第1のコーティングがカソード活物質に接触し、第2のコーティングが第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0137】
[142] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、Li(式中、0.2≦x≦0.75、0.5≦y≦1.6、及び1.5≦z≦2.6である);LiZr(式中、0≦x≦1.6、0.2≦y≦1.0、及び2≦z≦1.2である);Li(式中、0.6≦x≦1.5、0.5≦y≦1.4、及び2.0≦z≦3.7である);LiSO、又はそれらの組み合わせを含み、第1のコーティングが、カソード活物質に接触し、第2のコーティングが、第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0138】
[143] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、LiBO、Li1118、LZO、LiPO、LiSO、又はそれらの組み合わせを含み、第1のコーティングが、カソード活物質に接触し、第2のコーティングが、第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0139】
[144] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、LiCO、LiBO、Li1118、LiPO、LiSO、又はそれらの組み合わせを含み、第1のコーティングがカソード活物質に接触し、第2のコーティングが、第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0140】
[145] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、LiBOを含み、第1のコーティングがカソード活物質に接触し、第2のコーティングが、第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0141】
[146] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、LiPOを含み、第1のコーティングがカソード活物質に接触し、第2のコーティングが、第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0142】
[147] また、カソード活物質を含むコーティングされたカソード活物質であって、カソード活物質が、第1のコーティング及び第2のコーティングを含み、第1のコーティングが、LiZr(POを含み、第2のコーティングが、LiSOを含み、第1のコーティングがカソード活物質に接触し、第2のコーティングが、第1のコーティングに接触する、コーティングされたカソード活物質も本明細書中に記載される。
【0143】
[148] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、各コーティングの厚さは約1nm~50nmである。これは、カソード活物質が2つのコーティングを有するこれらの例において、2つのコーティングの各々が1nm~50nmの厚さを有してもよいことを意味する。各コーティングは、他のコーティングと同一の厚さを有していてもよいし、異なる厚さを有していてもよい。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約1nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約2nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約3nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約4nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約5nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約6nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約7nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約8nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約9nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約10nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約11nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約12nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約13nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約14nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約15nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約16nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約17nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約18nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約19nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約20nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約21nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約22nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約3nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約24nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約25nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約26nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約27nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約28nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約29nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約30nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約31nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約32nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約33nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約34nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約35nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約36nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約37nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約38nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約39nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約40nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約41nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約42nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約43nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約44nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約45nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約46nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約47nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約48nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約49nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの一方は約50nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約1nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約2nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約3nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約4nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約5nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約6nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約7nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約8nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約9nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約10nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約11nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約12nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約13nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約14nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約15nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約16nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約17nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約18nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約19nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約20nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約21nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約22nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約23nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約24nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約25nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約26nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約27nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約28nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約29nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約30nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約31nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約32nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約33nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約34nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約35nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約36nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約37nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約38nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約39nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約40nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約41nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約42nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約43nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約44nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約45nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約46nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約47nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約48nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約49nmの厚さを有する。一実施形態において、2つのコーティングの第2のものは約50nmの厚さを有する。
【0144】
[149] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);及びLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)から選択される。
【0145】
[150] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0146】
[151] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、NMCクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiNiCoMnOである。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LFPクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiFePO/Cである。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LNMOクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiNi0.5Mn1.5又はLiNi0.5Mn1.5である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、NCAクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiMnである。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LMOクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiMnである。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LCOクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiCoOである。一実施形態において、カソード活物質はLiNiOである。一実施形態において、カソード活物質はLiNi1-xCo(0.2<x<0.5)である。カソード活物質は、組成のモル比が変化しても、本明細書に記載のカソード活物質と同様の任意の有用な公知のカソードであり得る。例えば、カソード活物質は、Minnmann et al. Advanced Energy Materials, 2022, 12, 2201425に記載の任意のカソード活物質であり得る。
【0147】
[152] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn)、LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である)、LiMn、LiMn2aNi(式中、aは0~2である)、LiCoO、Li(NiCoMn)O、Li(NiCoAl)O、及びニッケルコバルトアルミニウムオキシドから選択される。
【0148】
[153] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1及び0≦z≦1である);並びにLiNiCoAl(式中、x+y+z=1及び0≦x≦1、0≦y≦1及び0≦z≦1である)から選択される。
【0149】
[154] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1及び0≦z≦1である)である。一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.8であり、yは0.1であり、及びzは0.1である)である。特定の他の例において、コーティングされたカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.6であり、yは0.2であり、及びzは0.2である)である。一実施形態において、コーティングされたカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.5であり、yは0.3であり、及びzは0.2である)である。いくつかの他の例において、コーティングされたカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは1/3であり、yは1/3であり、及びzは1/3である)である。特定の実施形態において、コーティングされたカソード活物質は、LiMn、LiCoO、Li(NiCoMn)O及びLi(NiCoAl)Oから選択される。
【0150】
[155] 前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1及び0≦z≦1である)である。特定の例において、カソード活物質中のリチウムの量は、電池の充電状態に応じて変化する。例えば、リチウムの量は、Li0.95-1.1(NiMnCo)O(式中、x、y、及びzは、上記で定義した通りである)の範囲であってよい。他の特定の例において、リチウムの量は、Li0.2-1.1(NiMnCo)O(式中、x、y、及びzは、上記で定義した通りである)の範囲であってよい。リチウムの他の範囲は、本明細書において企図される。
【0151】
[156] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.97、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.95、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.9、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.85、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.83、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。一実施形態において、カソード活物質は高いニッケル含有量を有し、例えば、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.97、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。
【0152】
[157] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、非晶質リチウムジルコニウムオキシド、非晶質リチウムジルコニウムリンオキシド又はそれらの組み合わせを含み、カソード活物質が、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)及びそれらの組み合わせから選択される組成物が本明細書中に記載される。
【0153】
[158] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、LiZr(PO、LiZrO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、Li24Zr1453及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、カソード活物質が、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)及びそれらの組み合わせから選択される組成物が本明細書中に記載される。
【0154】
[159] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、式LiZr(式中、0.05≦x≦8.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0であり、式が電荷中性である)の化合物を含み、カソード活物質が、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)及びそれらの組み合わせから選択される組成物が本明細書中に記載される。一実施形態において、カソード活物質は、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である。
【0155】
[160] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0及び2.0≦d≦55.0であり、式が電荷中性である)の化合物を含み、カソード活物質が、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)及びそれらの組み合わせから選択される組成物が本明細書中に記載される。一実施形態において、カソード活物質は、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である。
【0156】
[161] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、式LiZr(式中、0.5≦x≦7.0、1.0≦y≦3.0、1.0≦a≦4.0及び5.0≦d≦14.0であり、式が電荷中性である)の化合物を含み、カソード活物質が、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)及びそれらの組み合わせから選択される組成物が本明細書中に記載される。一実施形態において、カソード活物質は、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である。
【0157】
[162] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、式LiZr(式中、0.5≦x≦2.0、0≦y≦3.0、1.0≦a≦4.0、及び10.0≦d≦13.0であり、式が電荷中性である)の化合物を含み、カソード活物質が、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)及びそれらの組み合わせから選択される組成物が本明細書中に記載される。一実施形態において、カソード活物質は、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である。
【0158】
[163] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、式LiZr(式中、20.0≦x≦25.0、2.0≦y≦5.0、10.0≦a≦16.0及び50.0≦d≦55.0であり、式が電荷中性である)の化合物を含み、カソード活物質が、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)及びそれらの組み合わせから選択される組成物が本明細書中に記載される。一実施形態において、カソード活物質は、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である。
【0159】
[164] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、LiZr(PO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、LiPO、LiZrO、及びLi24Zr1453から選択される化合物を含み、カソード活物質が、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)及びそれらの組み合わせから選択される組成物が本明細書中に記載される。一実施形態において、カソード活物質は、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である。
【0160】
[165] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZr(POを含み、カソード活物質が、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)及びそれらの組み合わせから選択される組成物が本明細書中に記載される。一実施形態において、カソード活物質は、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である。
【0161】
[166] 前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1及び0≦z≦1である)である。
【0162】
[167] 前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.8であり、yは0.1であり、及びzは0.1である)である。
【0163】
[168] 前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.6であり、yは0.2であり、及びzは0.2である)である。
【0164】
[169] 前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.5であり、yは0.3であり、及びzは0.2である)である。
【0165】
[170] 前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは1/3であり、yは1/3であり、及びzは1/3である)である。
【0166】
[171] 前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.97、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.95、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.9、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.85、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.83、0≦y≦0.2及び0≦z≦0.2である)である。
【0167】
[172] 前述のいずれかを含む一実施形態において、カソード活物質は、LiMn、LiCoO、Li(NiCoMn)O及びLi(NiCoAl)Oから選択される。
【0168】
[173] 明示的に別段の記載がない限り、本明細書における変数は、化学式が電荷中性になるように選択される。
【0169】
[174] 特定の実施形態において、本明細書中に記載されるコーティングされたカソード活物質を含むソリッドステートカソードが本明細書中に記載される。
【0170】
[175] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約1.0重量%~20重量%のリチウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約5.0重量%~10重量%のリチウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約7.0重量%~8重量%のリチウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、少なくとも5重量%のリチウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、10重量%未満のリチウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約7.0重量%のリチウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約7.5重量%のリチウムを含む。
【0171】
[176] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、リチウム:マンガン、コバルト、及びニッケルの比(Li/(Mn+Co+Ni))が約0.05~0.5重量%であることを特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、リチウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Li/(Mn+Co+Ni))が約0.1~0.3重量%であることを特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、リチウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Li/(Mn+Co+Ni))が約0.5重量%未満であることを特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、リチウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Li/(Mn+Co+Ni))が少なくとも約0.1重量%であることを特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、リチウム:マンガン、コバルト、及びニッケルの比(Li/(Mn+Co+Ni))が約0.12又は0.13重量%であることを特徴とする。
【0172】
[177] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.1重量%~1重量%のジルコニウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.1重量%~0.7重量%のジルコニウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、少なくとも0.1重量%のジルコニウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、1重量%未満のジルコニウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.2重量%のジルコニウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.3重量%のジルコニウムを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.5重量%のジルコニウムを含む。
【0173】
[178] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.001~0.01重量%のジルコニウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Zr/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.003~0.009重量%のジルコニウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Zr/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、少なくとも約0.001重量%のジルコニウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Zr/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、少なくとも約0.003重量%のジルコニウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Zr/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.01重量%未満のジルコニウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Zr/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.0034、0.0036、0.0039、0.006、及び0.009重量%から選択されるジルコニウム:マンガン、コバルト、及びニッケル(Zr/(Mn+Co+Ni))の比を特徴とする。別の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.0030重量%のジルコニウム:マンガン、コバルト、及びニッケルの比(Zr/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。
【0174】
[179] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.1重量%~約0.5重量%のリンを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.08重量%~0.4重量%のリンを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、少なくとも0.1重量%のリンを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、0.5重量%未満のリンを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.15重量%のリンを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.3重量%のリンを含む。
【0175】
[180] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.001~0.01重量%のリン:マンガン、コバルト及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.002~0.06重量%のリン:マンガン、コバルト及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.005重量%未満のリン:マンガン、コバルト及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.003重量%未満のリン:マンガン、コバルト及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.002重量%未満のリン:マンガン、コバルト及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、少なくとも約0.001重量%のリン:マンガン、コバルト及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。一実施形態において、カソード活物質と、本明細書に記載のカソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.0025、0.0026、及び0.0044のリン:マンガン、コバルト、及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。別の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約0.0043のリン:マンガン、コバルト及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。
【0176】
[181] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約5重量%~約10重量%のリチウム;約0.2重量%~約0.6重量%のジルコニウム;及び約0.1重量%~約0.5重量%のリンを含む。
【0177】
[182] 別の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、ICP分析によって測定されるように、約5重量%~約10重量%のリチウム;約0.1重量%~約0.6重量%のジルコニウム;及び約0.1重量%~約0.5重量%のリンを含む。
【0178】
[183] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約0.1~0.3重量%のリチウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Li/(Mn+Co+Ni);約0.003~0.009重量%のジルコニウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Zr/(Mn+Co+Ni));並びに約0.002~0.06重量%のリン:マンガン、コバルト及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。
【0179】
[184] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約0.1~0.3重量%のリチウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Li/(Mn+Co+Ni));約0.0025~0.006重量%のジルコニウム:マンガン、コバルト及びニッケルの比(Zr/(Mn+Co+Ni));並びに約0.002~0.06重量%のリン:マンガン、コバルト及びニッケルの比(P/(Mn+Co+Ni))を特徴とする。
【0180】
[185] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約65重量%未満のマンガン、コバルト、及びニッケルを含む。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約60重量%のマンガン、コバルト、及びニッケルを含む。
【0181】
[186] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZr(POを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.5重量%のリチウム、約0.5重量%のジルコニウム、約0.3重量%のリン、並びに約60重量%のマンガン、コバルト及びニッケル(Mn+Co+Ni)を含む組成物が本明細書中に記載される。
【0182】
[187] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrOを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.5重量%のリチウム約0.3重量%のジルコニウム、及び約60重量%のマンガン、コバルト及びニッケル(Mn+Co+Ni)を含む組成物が本明細書中に記載される。
【0183】
[188] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrPOを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.3重量%のリチウム、約0.2重量%のジルコニウム、約0.15重量%のリン、並びに約60重量%のマンガン、コバルト及びニッケル(Mn+Co+Ni)を含む組成物が本明細書中に記載される。
【0184】
[189] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiPZrOを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.3重量%のリチウム、約0.2重量%のジルコニウム、約0.15重量%のリン、並びに約58重量%のマンガン、コバルト及びニッケル(Mn+Co+Ni)を含む組成物が本明細書中に記載される。
【0185】
[190] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrPOを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.5重量%のリチウム、約0.2重量%のジルコニウム、及び約0.15重量%のリン、並びに約60重量%のマンガン、コバルト及びニッケル(Mn+Co+Ni)を含む組成物が本明細書中に記載される。
【0186】
[191] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLi24Zr1453を含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.5重量%のリチウム、約0.18重量%のジルコニウム、及び約0.26重量%のリン、並びに約60重量%のマンガン、コバルト、及びニッケル(Mn+Co+Ni)を含む組成物が本明細書中に記載される。
【0187】
[192] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって測定されるように、約0.4~4.0のZr:Niの原子%比を特徴とする。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって測定されるように、約0.4~1.0、約1.0~1.5、約1.5~2.0、約2.0~2.5、約2.5~3.0、及び約3.0~3.5から選択される範囲のZr:Niの原子%比を特徴とする。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約0.55、約1.0、約1.2、約3.0、又は約3.2のZr:Niの原子%比を特徴とする。別の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって測定されるように、約0.2~3.0、約0.2~2.5、約0.2~2、約0.2~1.5、約0.2~1、又は約0.2~0.5のZr:Niの原子%比を特徴とする。別の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約0.38のZr:Niの原子%比を特徴とする。
【0188】
[193] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって測定されるように、約0.1~3.2のZr:Niの原子%比を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって決定されるように、約0.5~2.5のZr:Niの原子%比を特徴とする。一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって決定されるように、約0.7~2.5のZr:Niの原子%比を特徴とする。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって決定されるように、約1.5~2.5のZr:Niの原子%比を特徴とする。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約0.75、約1.09、約1.37、約1.61、又は約2.35のZr:Niの原子%比を特徴とする。
【0189】
[194] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって決定されるように、約0.3~20.0の官能基C-CO:Niの原子%比を特徴とする。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって決定されるように、約0.4~2.0、約2.0~5.0、約5.0~10.0、約10.0~15.0、及び約15.0~20.0から選択される範囲の官能基C-CO:Niの原子%比を特徴とする。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約0.40、約6.8、約7.0、約8.2、又は約17.2の官能基C-CO:Niの原子%比を特徴とする。別の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約1.6の官能基C-CO:Niの原子%比を特徴とする。
【0190】
[195] 一実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって決定されるように、約0.04~0.4の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、XPSによって決定されるように、約0.04~0.08、約0.08~0.1、約0.1~0.3、及び約0.3~0.5から選択される範囲の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする。ここで、「Me」はメチルを意味し、「O-Me」はメトキシを意味する。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約0.057、約0.08、約0.18、又は約0.38の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物は、約0.21の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする。
【0191】
[196] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZr(POを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約0.55のZr:Niの原子%比、約0.40の官能基C-CO:Niの原子%比、及び約0.4の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0192】
[197] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、LiZrPOを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約1.3のZr:Niの原子%比、約6.9の官能基C-CO:Niの原子%比、及び約0.08の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0193】
[198] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrPOを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約1.1のZr:Niの原子%比、約8.2の官能基C-CO:Niの原子%比、及び約0.08の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0194】
[199] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、LiZrPOを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約3.0のZr:Niの原子%比、約17.2の官能基C-CO:Niの原子%比、及び約0.06の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0195】
[200] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrOを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約3.2のZr:Niの原子%比、約7.0の官能基C-CO:Niの原子%比、及び約0.2の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0196】
[201] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物が、Li24Zr1453を含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約0.38のZr:Niの原子%比、約1.6の官能基C-CO:Niの原子%比、及び約0.21の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0197】
[202] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZr(PO)Oを含み、組成物が、約0.1~約2のZr:Niの原子%比を特徴とする、組成物が本明細書中に記載され、一実施形態において、Zr:Niの原子%比が約0.75である。
【0198】
[203] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrOを含み、組成物が、約1.40~4.5のZr:Niの原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載され、一実施形態において、Zr:Niの原子%比が約2.4である。
【0199】
[204] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrPOを含み、組成物が、約0.15~約2.2のZr:Niの原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載され、一実施形態において、Zr:Niの原子%比は約1.4である。
【0200】
[205] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiPZrOを含み、組成物が、約0.1~約2.0のZr:Niの原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載され、一実施形態において、Zr:Niの原子%比は約1.1である。
【0201】
[206] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrOを含み、組成物が、約0.14~3.2のZr:Niの原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載され、一実施形態において、Zr:Niの原子%比は約1.6である。
【0202】
[207] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZr(POを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.5重量%のリチウム、約0.5重量%のジルコニウム、及び約0.3重量%のリンを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約0.55のZr:Niの原子%比、約0.40の官能基C-CO:Niの原子%比、及び約0.4の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0203】
[208] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrOを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.5重量%のリチウム及び約0.3重量%のジルコニウムを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約3.2のZr:Niの原子%比、約7.0の官能基C-CO:Niの原子%比、及び約0.2の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0204】
[209] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrPOを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.3重量%のリチウム、約0.2重量%のジルコニウム、及び約0.15重量%のリンを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約1.3のZr:Niの原子%比、約6.9の官能基C-CO:Niの原子%比を特徴とし、約0.08の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0205】
[210] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiPZrOを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.3重量%のリチウム、約0.2重量%のジルコニウム、及び約0.15重量%のリンを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約1.1のZr:Niの原子%比、約8.2の官能基C-CO:Niの原子%比、約0.08の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0206】
[211] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLiZrPOを含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.5重量%のリチウム、約0.2重量%のジルコニウム、及び約0.15重量%のリンを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約3.0のZr:Niの原子%比、約17.2の官能基C-CO:Niの原子%比、約0.06の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0207】
[212] カソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含む組成物であって、酸化物がLi24Zr1453を含み、組成物が、ICP分析によって測定されるように、約7.5重量%のリチウム、約0.18重量%のジルコニウム、及び約0.26重量%のリンを含み、組成物が、XPSによって測定されるように、約0.38のZr:Niの原子%比、約1.62の官能基C-CO:Niの原子%比、及び約0.21の官能基O-Me:全酸素の原子%比を特徴とする組成物が本明細書中に記載される。
【0208】
[213] 前述のいずれかを含む一実施形態において、XPSは組成物の緩い粉末から得られ、XPS中に得られた粉末の走査面積直径は約400μmである。
【0209】
[214] いくつかの他の例において、本明細書中に記載されるカソード活物質と、カソード活物質に結合された酸化物とを含むソリッドステートカソードが本明細書中に記載される。
【0210】
[215] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、ソリッドステートカソードは、LiS-SiS、LiS-SiS-LiI、LiS-SiS-LiMO、LiS-SiS-LiMO、LiS-P-LiI、及びLATSからなる群から選択されるソリッドステート電解質を含み、Mは、Si、P、Ge、B、Al、Ga、及びInからなる群から選択されるメンバーである。
【0211】
[216] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、ソリッドステートカソードは、LSTPS又はLPSIを含む。
【0212】
[217] いくつかの他の例において、本明細書中に記載されるソリッドステートカソードと、固体セパレータと、アノードとを含む電池が本明細書中に記載される。
【0213】
[218] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn)、LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である)、LiMn、LiMn2aNi(式中、aは0~2である)、LiCoO、Li(NiCoMn)O、Li(NiCoAl)O、及びニッケルコバルトアルミニウムオキシドから選択される。
【0214】
[219] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、電池のカソード活物質は、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);並びにLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)から選択される。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)である。特定の例において、カソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.8、yは0.1、zは0.1である)である。他の特定の例において、コーティングされたカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.6であり、yは0.2であり、zは0.2である)である。他の特定の例において、コーティングされたカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.5であり、yは0.3であり、zは0.2である)である。他の例において、コーティングされたカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは1/3、yは1/3、zは1/3である)である。特定の実施形態において、コーティングされたカソード活物質は、LiMn、LiCoO、Li(NiCoMn)O、及びLi(NiCoAl)Oから選択される。
【0215】
[220] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTiOz(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);並びにLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)から選択される。
【0216】
[221] 前述のいずれかを含む一実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)である。
【0217】
[222] 前述のいずれかを含む一実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.8であり、yは0.1であり、zは0.1である)である。
【0218】
[223] 前述のいずれかを含む一実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは0.6であり、yは0.2であり、zは0.2である)である。
【0219】
[224] 前述のいずれかを含む一実施形態において、電池中のカソード活物質はLiNiMnCo(式中、xは0.5であり、yは0.3であり、zは0.2である)である。
【0220】
[225] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.97、0≦y≦0.2、及び0≦z≦0.2)である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.95、0≦y≦0.2、及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.9、0≦y≦0.2、及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.85、0≦y≦0.2、及び0≦z≦0.2である)である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.83、0≦y≦0.2、及び0≦z≦0.2である)である。
【0221】
[226] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、NMCクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiNiCoMnOである。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LFPクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiFePO/Cである。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LNMOクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiNi0.5Mn1.5又はLiNi0.5Mn1.5である。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、NCAクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiMnである。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LMOクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiMnである。前述のいずれかを含む特定の実施形態において、カソード活物質は、LCOクラスのカソード活物質のメンバー、例えば、LiCoOである。
【0222】
[227] 前述のいずれかを含む一実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiNiMnCo(式中、xは1/3であり、yは1/3であり、zは1/3である)である。
【0223】
[228] 前述のいずれかを含む一実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiMn、LiCoO、Li(NiCoMn)O、及びLi(NiCoAl)Oから選択される。
【0224】
[229] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、電池中のカソード活物質は、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn)、LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である)、LiMn2aNi(式中、aは0~2である)、及びニッケルコバルトアルミニウムオキシドから選択される。
【0225】
非限定的実施形態
[230] 本開示は、少なくとも以下の非限定的実施形態を提供する。
【0226】
(a)
カソード活物質と、
カソード活物質に結合された少なくとも1種の酸化物と
を含む組成物であって、
カソード活物質に結合された少なくとも1種の酸化物が、リチウム(Li)と、酸素(O)と、ジルコニウム(Zr)及びリン(P)の少なくとも1種とを含み、
Li、Zr、P及びOのモル比が、式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0及び2.0≦d≦55.0であり、添え字x、y、a及びdは、少なくとも1種の酸化物が電荷中性であり、y及びaが両方ともゼロではないように選択される)によって表され、
X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する、組成物。
【0227】
(b)Li、Zr、P及びOのモル比が、式LiZr(式中、0.05≦x≦7.0、0≦y≦3.0、0≦a≦6.0及び2.0≦d≦20.0である)によって表される、(a)の組成物。
【0228】
(c)
表面を有するカソード活物質と、表面に結合した酸化物とを含む組成物であって、
酸化物が、
非晶質酸化リチウムジルコニウム;
非晶質リチウムジルコニウムリンオキシド;及び
これらの組み合わせ
からなる群から選択され、
X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する、組成物。
【0229】
(d)
表面と、表面に結合した酸化物とを有するカソード活物質を含む、請求項(c)に記載の組成物であって、
酸化物が、
LiZr(PO
LiZrO
LiZrPO
LiPZrO
LiZrPO
Li24Zr1453;及び
これらの組み合わせ
からなる群から選択され、
X線光電子分光法(XPS)によって測定されるように、0.3~3.2のZr:Niの比を有する、組成物。
【0230】
(e)酸化物が非晶質である、実施形態(a)~(d)のいずれか1つに記載の組成物。
【0231】
(f)酸化物が結晶質である、実施形態(a)~(e)のいずれか1つに記載の組成物。
【0232】
(g)少なくとも添え字x及び添え字dが0ではない、実施形態(a)~(b)及び(e)~(f)のいずれか1つに記載の組成物。
【0233】
(h)添え字yが0ではない、実施形態(a)~(b)及び(e)~(g)のいずれか1つに記載の組成物。
【0234】
(i)添え字y及び添え字aが0ではない、実施形態(a)~(b)及び(e)~(g)のいずれか1つに記載の組成物。
【0235】
(j)添え字x又は添え字aの少なくとも1つが0に等しくない、実施形態(a)~(b)及び(e)~(i)のいずれか1つに記載の組成物。
【0236】
(k)酸化物が、式LiZr(式中、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3、1.0≦a≦6.0;及び2.0≦d≦20.0である)の化合物を含む、実施形態(a)~(b)及び(e)~(f)のいずれか1つに記載の組成物。
【0237】
(l)酸化物が、式LiZr(式中、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3、2.0≦a≦4.0;及び10.0≦d≦14.0である)の化合物を含む、実施形態(a)~(b)及び(e)~(f)のいずれか1つに記載の組成物。
【0238】
(m)酸化物が、式LiZr(式中、20.0≦x≦25.0、2.0≦y≦5.0、10.0≦a≦16.0;及び50.0≦d≦55.0である)の化合物を含む、実施形態(a)~(b)及び(e)~(f)のいずれか1つに記載の組成物。
【0239】
(n)酸化物が、式LiZr(式中、1.0≦x≦3、0≦y≦2、及び2.0≦d≦5.0である)の化合物である、実施形態(a)~(b)及び(e)~(f)のいずれか1つに記載の組成物。
【0240】
(o)酸化物が、式Li(式中、2.0≦x≦4、0≦a≦2.0、及び2.0≦d≦5.0である)の化合物である、実施形態(a)~(b)及び(e)~(f)のいずれか1つに記載の組成物。
【0241】
(p)酸化物が、LiZr(PO、LiZrPO、LiPZrO、LiZrPO、及びLi24Zr1453から選択される化合物を含む、実施形態(a)~(b)及び(d)~(f)のいずれか1つに記載の組成物。
【0242】
(q)酸化物がLiZr(POを含む、実施形態(p)に記載の組成物。
【0243】
(r)酸化物がLiPOを含む、実施形態(a)~(b)及び(d)~(f)のいずれか1つに記載の組成物。
【0244】
(s)酸化物がLiZrOを含む、実施形態(a)~(f)のいずれか1つに記載の組成物。
【0245】
(t)酸化物が、1)LiOHと、2)ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体との反応混合物の生成物である、実施形態(a)~(s)のいずれか1つに記載の組成物。
【0246】
(u)反応混合物中のLi:Zrのモル比が約1:3~1:1の範囲の比である、実施形態(t)に記載の組成物。
【0247】
(v)反応混合物中のLi:Zrのモル比が約1:1~3:1の範囲である、実施形態(t)の組成物。
【0248】
(w)反応混合物中のLi:Zrのモル比が約4:1~6:1の範囲の比である、実施形態(t)の組成物。
【0249】
(x)反応混合物中のLi:Zrのモル比が約6:1~8:1の範囲である、実施形態(t)の組成物。
【0250】
(y)反応混合物中のLi:Zrのモル比が約8:1~10:1の範囲である、実施形態(t)に記載の組成物。
【0251】
(z)反応混合物中のLi:Pのモル比が約3:1~1:1の範囲内の比である、実施形態(t)~(y)のいずれか1つに記載の組成物。
【0252】
(aa)反応混合物中のLi:Pのモル比が約1:3~1:1の範囲の比である、実施形態(t)~(y)のいずれか1つに記載の組成物。
【0253】
(bb)反応混合物中のLi:Pのモル比が約5:1~7:1の範囲である、実施形態(t)~(y)のいずれか1つに記載の組成物。
【0254】
(cc)反応混合物中のLi:Pのモル比が約9:1~11:1の範囲の比である、実施形態(t)~(y)のいずれか1つに記載の組成物。
【0255】
(dd)反応混合物中のLi:Pのモル比が約13:1~15:1である、実施形態(t)~(y)のいずれか1つに記載の組成物。
【0256】
(ee)反応混合物中のZr:Pのモル比が約3:16~3:10の範囲の比である、実施形態(t)~(dd)のいずれか1つに記載の組成物。
【0257】
(ff)反応混合物中のZr:Pのモル比が約1.3:1~1:1の範囲の比である、実施形態(t)~(dd)のいずれか1つに記載の組成物。
【0258】
(gg)反応混合物中のZr:Pのモル比が約1:1~3:1の範囲である、実施形態(t)~(dd)のいずれか1つに記載の組成物。
【0259】
(hh)反応混合物中のZr:Pのモル比が約1.3:1の比である、実施形態(t)~(dd)のいずれか1つに記載の組成物。
【0260】
(ii)反応混合物中のZr:Pのモル比が2.0の比である、実施形態(t)~(dd)のいずれか1つに記載の組成物。
【0261】
(jj)反応混合物中のLi及びZr:Pのモル比が約70:30~65:35である、実施形態(t)の組成物。
【0262】
(kk)反応混合物中のLi及びZr:Pのモル比が、約75:25~80:20である、実施形態(t)の組成物。
【0263】
(ll)反応混合物中のLi及びZr:Pのモル比が約80:20~90:10である、実施形態(t)の組成物。
【0264】
(mm)反応混合物中のLi及びZr:Pのモル比が約90:10~85:15である、実施形態(t)の組成物。
【0265】
(nn)反応混合物中のLi及びZr:Pのモル比が約95:5~90:10である、実施形態(t)の組成物。
【0266】
(oo)反応混合物中のLi及びZr:Pのモル比が約90:10~95:5である、実施形態(t)の組成物。
【0267】
(pp)酸化物が、LiOHとリン前駆体との反応混合物の生成物である、実施形態(a)~(b)、(e)~(m)、(o)~(r)、及び(t)~(oo)のいずれか1つに記載の組成物。
【0268】
(qq)酸化物が、LiOHとジルコニウム前駆体との反応混合物の生成物である、実施形態(a)~(n)、(p)~(q)、及び(s)~(oo)のいずれか1つに記載の組成物。
【0269】
(rr)ジルコニウム前駆体が、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムメトキシド、及びジルコニウムブトキシドから選択される、実施形態(r)~(oo)及び(qq)のいずれか1つに記載の組成物。
【0270】
(ss)ジルコニウム前駆体がジルコニウムブトキシドである、実施形態(rr)に記載の組成物。
【0271】
(tt)リン前駆体が、P、HPO、(NHPOから選択される、実施形態(r)~(pp)のいずれか1つに記載の組成物。
【0272】
(uu)リン前駆体がPである、実施形態(tt)に記載の組成物。
【0273】
(vv)酸化物がカソード活物質と格子整合している、実施形態(a)~(uu)のいずれか1つに記載の組成物。
【0274】
(ww)酸化物が非晶質である表面を有する、実施形態(vv)に記載の組成物。
【0275】
(xx)酸化物が結晶性の表面を有する、実施形態(vv)又は(ww)に記載の組成物。
【0276】
(yy)実質的に図3図4図5、又は図6に示されるような界面を有する、実施形態(a)~(e)及び(f)~(ww)のいずれか1つに記載の組成物。
【0277】
(zz)実質的に図2図4図5、又は図6に示されるような界面を有する、実施形態(a)~(d)、(f)~(vv)及び(xx)のいずれか1つに記載の組成物。
【0278】
(aaa)カソード活物質が、LiMPO(式中、M=Fe、Ni、Co、Mn);LiTi(式中、xは0~8であり、yは1~12であり、zは1~24である);LiMn2aNi(式中、aは0~2である);ニッケルコバルトアルミニウムオキシド;LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である);並びにLiNiCoAl(式中、x+y+z=1、及び0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1である)から選択される、実施形態(a)~(zz)のいずれか1つに記載の組成物。
【0279】
(bbb)カソード活物質が、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1、x+y+z=1である)である、実施形態(a)~(aaa)のいずれか1つに記載の組成物。
【0280】
(ccc)カソード活物質が、LiNiMnCo(式中、xが0.8であり、yが0.1であり、zが0.1である)である、実施形態(bbb)に記載の組成物。
【0281】
(ddd)カソード活物質が、LiNiMnCo(式中、xが0.6であり、yが0.2であり、zが0.2である)である、実施形態(bbb)に記載の組成物。
【0282】
(eee)カソード活物質が、LiNiMnCo(式中、xが0.5であり、yが0.3であり、zが0.2である)である、実施形態(bbb)に記載の組成物。
【0283】
(fff)カソード活物質がLiNiMnCo(式中、xが1/3であり、yが1/3であり、zが1/3である)である、実施形態(bbb)に記載の組成物。
【0284】
(ggg)カソード活物質がLiNiMnCo(式中、x+y+z=1であり、0.8≦x≦0.97であり、0≦y≦0.2であり、0≦z≦0.2である)である、実施形態(bbb)の組成物。
【0285】
(hhh)カソード活物質が、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.90、0≦y≦0.2、及び0≦z≦0.2である)である、実施形態(bbb)に記載の組成物。
【0286】
(iii)カソード活物質が、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.85、0≦y≦0.2、及び0≦z≦0.2である)である、実施形態(bbb)に記載の組成物。
【0287】
(jjj)カソード活物質が、LiNiMnCo(式中、x+y+z=1、0.8≦x≦0.83、0≦y≦0.2、及び0≦z≦0.2である)である、実施形態(bbb)に記載の組成物。
【0288】
(kkk)カソード活物質がLi(NiCoMn)Oである、実施形態(bbb)に記載の組成物。
【0289】
(lll)カソード活物質が、NMCクラスのカソード活物質;LFPクラスのカソード活物質;LNMOクラスのカソード活物質;NCAクラスのカソード活物質;LMOクラスのカソード活物質;LCOクラスのカソード活物質からのメンバーから選択される、実施形態(a)~(zz)のいずれか1つに記載の組成物。
【0290】
(mmm)XPSによって決定されるように、約0.4~4のZr:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(a)~(n)、(p)~(q)、(s)~(oo)及び(qq)~(lll)のいずれか1つに記載の組成物。
【0291】
(nnn)XPSによって決定されるように、約0.2~2のZr:Niの原子%比であることを特徴とする、実施形態(a)~(n)、(p)~(q)、(s)~(oo)及び(qq)~(lll)のいずれか1つに記載の組成物。
【0292】
(ooo)約0.55、約1.1、約1.3、約3.0、又は約3.2のZr:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(mmm)に記載の組成物。
【0293】
(ppp)約0.38のZr:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(nnn)の組成物。
【0294】
(qqq)約0.5~約2.5のZr:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(mmm)に記載の組成物。
【0295】
(rrr)約0.7~1.5のZr:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(mmm)に記載の組成物。
【0296】
(sss)約1.5~2.5のZr:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(mmm)に記載の組成物。
【0297】
(ttt)約0.75、1.09、1.37、1.61、及び2.35のZr:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(mmm)に記載の組成物。
【0298】
(uuu)XPSによって決定されるように、約0.3~20のC-CO:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(a)~(ttt)のいずれか1つに記載の組成物。
【0299】
(vvv)XPSによって決定されるように、約0.4、約6.8、約7.0、約8.2、又は約17.2のC-CO:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(uuu)の組成物。
【0300】
(www)XPSによって決定されるように、約1.6のC-CO:Niの原子%比を特徴とする、実施形態(uuu)の組成物。
【0301】
(xxx)XPSによって決定されるように、約0.04~0.4のO-CH中の酸素:カソード活物質に結合された酸化物中の全酸素の原子%比を特徴とする、実施形態(a)~(www)のいずれか1つに記載の組成物。
【0302】
(yyy)XPSによって決定されるように、約0.057、約0.080、約0.19、又は約0.39のO-CH中の酸素:全酸素の原子%比を特徴とする、実施形態(xxx)の組成物。
【0303】
(zzz)XPSによって決定されるように、約0.21のO-CH中の酸素:全酸素の原子%比を特徴とする、実施形態(xxx)の組成物。
【0304】
(aaaa)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約5重量%~約10重量%のリチウムを含むことを特徴とする、実施形態(a)~(zzz)のいずれか1つに記載の組成物。
【0305】
(bbbb)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約1重量%未満のジルコニウムを含む、実施形態(a)~(n)、(p)~(q)、(s)~(oo)及び(qq)~(aaaa)のいずれか1つに記載の組成物。
【0306】
(cccc)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、少なくとも約0.1重量%のジルコニウムを含む、実施形態(a)~(n)、(p)~(q)、(s)~(oo)及び(qq)~(aaaa)のいずれか1つに記載の組成物。
【0307】
(dddd)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約0.1重量%~0.7重量%のジルコニウムを含む、実施形態(a)~(n)、(p)~(q)、(s)~(oo)及び(qq)~(aaaa)のいずれか1つに記載の組成物。
【0308】
(eeee)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約0.5重量%未満のリンを含む、実施形態(a)~(m)、(o)~(r)、(t)~(pp)、及び(rr)~(ddd)のいずれか1つに記載の組成物。
【0309】
(ffff)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、少なくとも0.1重量%のリンを含む、実施形態(a)~(m)、(o)~(r)、(t)~(pp)、及び(rr)~(dddd)のいずれか1つに記載の組成物。
【0310】
(gggg)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約0.08重量%~0.4重量%のリンを含む、実施形態(a)~(m)、(o)~(r)、(t)~(pp)、及び(rr)~(dddd)のいずれか1つに記載の組成物。
【0311】
(hhhh)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、約65重量%未満のマンガン、コバルト、及びニッケルを含む、実施形態(a)~(gggg)のいずれか1つに記載の組成物。
【0312】
(iiii)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、少なくとも約55重量%のマンガン、コバルト、及びニッケルを含む、実施形態(a)~(gggg)のいずれか1つに記載の組成物。
【0313】
(jjjj)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、マンガン、コバルト、及びニッケルに対するリンの比(P:Mn+Co+Ni)が少なくとも約0.001重量%である、実施形態(a)~(m)、(o)~(r)、(t)~(pp)、及び(rr)~(iiii)のいずれか1つに記載の組成物。
【0314】
(kkkk)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、マンガン、コバルト、及びニッケルに対するジルコニウムの比(Zr:Mn+Co+Ni)が少なくとも約0.002重量%である、実施形態(a)~(m)、(o)~(r)、(t)~(pp)、及び(rr)~(jjjj)のいずれか1つに記載の組成物。
【0315】
(llll)誘導結合プラズマ(ICP)分析によって測定されるように、マンガン、コバルト、及びニッケルに対するリチウムの比(Li:Mn+Co+Ni)が少なくとも約0.08重量%である、実施形態(a)~(kkkk)のいずれか1つに記載の組成物。
【0316】
(mmmm)式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0;及び2.0≦d≦55.0であり;式は電荷中性である)を有する酸化物であって、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)、及びそれらの組み合わせから選択されるカソード活物質に結合している、酸化物。
【0317】
(nnnn)化合物が、式LiZr(式中、20.0≦x≦25.0、2.0≦y≦5.0、10.0≦a≦16.0、及び50.0≦d≦55.0である)を有する、実施形態(mmmm)に記載の酸化物。
【0318】
(oooo)式LiZr(式中、0.5≦x≦7、0≦y≦3、0≦a≦6;及び2.0≦d≦20であり;式は電荷中性である)を有する酸化物であって、リチウムコバルトオキシド(LCO)、リチウムニッケルコバルトアルミニウムオキシド(NCA)、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)、リチウム鉄ホスフェート(LFP)、及びそれらの組み合わせから選択されるカソード活物質に結合している、酸化物。
【0319】
(pppp)酸化物が、式LiZr(式中、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3、1.0≦a≦6.0、及び2.0≦d≦20である)の化合物を含む、実施形態(oooo)に記載の酸化物。
【0320】
(qqqq)化合物がLi24Zr1453である、実施形態(mmmm)に記載の酸化物。
【0321】
(rrrr)化合物が、LiZr(PO、LiZrPO、LiPZrO、及びLiZrPOから選択される、実施形態(oooo)に記載の酸化物。
【0322】
(ssss)化合物がLiZr(POである、実施形態(rrrr)に記載の酸化物。
【0323】
(tttt)化合物がLiPOである、実施形態(rrrr)に記載の酸化物。
【0324】
(uuuu)化合物がLiZrOである、実施形態(rrrr)に記載の酸化物。
【0325】
(vvvv)カソード活物質が、リチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)である、実施形態(mmmm)~(uuuu)のいずれか1つに記載の酸化物。
【0326】
(wwww)カソード活物質に結合された酸化物が、カソード活物質上のコーティングである、実施形態(a)~(llll)のいずれか1つに記載の組成物、又は実施形態(mmmm)~(vvvv)のいずれか1つに記載の酸化物。
【0327】
(xxxx)実施形態(a)~(llll)のいずれか1つの組成物又は実施形態(mmmm)~(vvvv)のいずれか1つの酸化物を含む、ソリッドステートカソード。
【0328】
(yyyy)実施形態(xxxx)のソリッドステートカソードと、ソリッドステート電解質と、リチウム金属、チタン酸リチウム(Li2TiO3、LTO)、炭素/グラファイト(C)、ケイ素(Si)/酸化ケイ素、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択されるアノード活物質とを含む、ソリッドステート電池。
【0329】
(zzzz)カソード活物質に結合された酸化物が、カソード活物質上のコーティングである、実施形態(a)~(llll)のいずれか1つに記載の組成物。
【0330】
(aaaaa)コーティングが連続的である、実施形態(zzzz)に記載の組成物。
【0331】
(bbbbb)コーティングが非連続的である、実施形態(zzzz)の組成物。
【0332】
(ccccc)コーティングが、TEM分析によって決定されるように、結晶質ドメインを含む、実施形態(zzzz)~(bbbbb)のいずれか1つに記載の組成物。
【0333】
(ddddd)コーティングが、TEM分析によって決定されるように、非晶質ドメインを含む、実施形態(zzzz)~(ccccc)のいずれか1つに記載の組成物。
【0334】
(eeeee)コーティングが、TEM分析によって決定されるように、結晶質ドメイン及び非晶質ドメインを含む、実施形態(zzzz)~(ddddd)のいずれか1つに記載の組成物。
【0335】
(fffff)結晶質ドメインがカソードと接触しており、非晶質ドメインが結晶質ドメインと接触している、実施形態(eeeee)の組成物。
【0336】
(ggggg)コーティングが、TEM分析によって決定されるように、0.7nm≦T≦20nmの厚さTを有する、実施形態(zzzz)~(fffff)のいずれか1つに記載の組成物。
【0337】
(hhhhh)コーティングが、TEM分析によって決定されるように、1nm≦T≦20nmの厚さTを有する、実施形態(zzzz)~(fffff)のいずれか1つに記載の組成物。
【0338】
(iiiii)コーティングが、TEM分析によって決定されるように、1nm未満の厚さTを有する、実施形態(zzzz)~(fffff)のいずれか1つに記載の組成物。
【0339】
(jjjjj)Tが約1nm、約5nm、又は約10nmである、実施形態(ggggg)の組成物。
【0340】
(kkkkk)Tが約0.8nm~約10nmである、実施形態(ggggg)の組成物。
【0341】
(lllll)Tが約0.8nm~約5nmである、実施形態(ggggg)の組成物。
【0342】
(mmmmm)Tが約0.8nm~2.5nmである、実施形態(ggggg)の組成物。
【0343】
(nnnnn)結晶質ドメインの厚さが約0.8nm~5nmであり、非晶質ドメインの厚さが約0.8nm~5nmである、実施形態(eeeee)~(mmmmm)のいずれか1つに記載の組成物。
【0344】
(ooooo)結晶質ドメインの厚さが約1nm~3nmであり、非晶質ドメインの厚さが約1nm~4nmである、実施形態(eeeee)~(mmmmm)のいずれか1つに記載の組成物。
【0345】
(ppppp)結晶質ドメインの厚さが非晶質ドメインの厚さ未満である、実施形態(eeeee)~(ooooo)のいずれか1つに記載の組成物。
【0346】
(qqqqq)コーティングが、TEMが検出できる厚さよりも厚くない、実施形態(zzzz)~(ppppp)のいずれか1つに記載の組成物。
【0347】
(rrrrr)TEM分析によって決定されるように、コーティング結晶質ドメインが、カソード活物質の結晶質ドメインと格子整合する、実施形態(zzzz)~(qqqqq)のいずれか1つに記載の組成物。
【0348】
(sssss)TEM分析によって決定されるように、コーティング結晶質ドメインが、カソード活物質の結晶質ドメインと格子整合しない、実施形態(zzzz)~(qqqqq)のいずれか1つに記載の組成物。
【0349】
(ttttt)コーティングがカーボネートをさらに含む、実施形態(zzzz)~(sssss)のいずれか1つに記載の組成物。
【0350】
(uuuuu)コーティングと接触する第2のコーティングをさらに含む、実施形態(zzzz)~(ttttt)のいずれか1つに記載の組成物。
【0351】
(vvvvv)第2のコーティングが、コーティングの化学式と同一ではない化学式を有する、実施形態(uuuuu)の組成物。
【0352】
(wwwww)第2のコーティングが、次の化学式:
LiZr(式中、0≦x≦1.6、0.2≦y≦1.0及び2≦z≦1.2である);
Li(式中、0.6≦x≦1.5、0.5≦y≦1.4及び2.0≦z≦3.7である);
LiZr(PO(式中、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3及び2.0≦z≦4.0である);
Li(式中、0.4≦x≦1.8、0.1≦y≦1及び1≦z≦1.8である);
Li(式中、0.2≦x≦0.75、0.5≦y≦1.6及び1.5≦z≦2.6である);
LiInCl(式中、2≦x≦4、0≦y≦2及び5≦z≦7である);
LiZr(PO(式中、0.05≦x≦1.5、1≦y≦3及び2.0≦z≦4.0である);
LiCO;LiBO;Li1118;LiZrO;LiPO;LiSO;LiNbO;LiTi12;LiTi(PO;LiZr(PO;LiOH;LiF;LiZrF;LiZr19;LiTiF;LiAlF;LiYF;LiNbF;ZrO;Al;TiO;ZrF;AlF;TiF;YF;NbF及びそれらの組み合わせ
を有する、実施形態(vvvvv)に記載の組成物。
【0353】
(xxxxx)実施形態(a)~(llll)、(wwww)、及び(zzzz)~(wwwww)のいずれか1つの組成物を製造するためのプロセスであって、1)カソード活物質を、a)LiOHとb)ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体との溶液でコーティングするステップ;2)溶液から溶媒を除去して、式LiZrの酸化物に結合したカソード活物質を提供するステップ;並びに、3)乾燥空気条件下でカソード活物質を加熱して、コーティングされたカソード活物質を形成するステップを含む、プロセス。
【0354】
(yyyyy)ジルコニウム前駆体がZr(OBu)であり、リン前駆体がPである、実施形態(xxxxx)のプロセス。
【0355】
(zzzzz)加熱が、約375℃の温度で約1時間である、実施形態(xxxxx)及び(yyyyy)のプロセス。
【0356】
製造プロセス
[231] 酸化物が、非晶質リチウムジルコニウムオキシド、非晶質リチウムジルコニウムリンオキシド、及びそれらの組み合わせから選択される、コーティングされたカソード活物質を製造するためのプロセスであって、以下のステップ:1)a)LiOHと、b)ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体との溶液でカソード活物質をコーティングするステップ;2)溶液から溶媒を除去して、非晶質リチウムジルコニウムオキシド、非晶質リチウムジルコニウムリンオキシド、及びそれらの組み合わせから選択される酸化物に結合したカソード活物質を提供するステップ;並びに3)乾燥空気条件下でカソード活物質を加熱して、コーティングされたカソード活物質を形成するステップを含む、プロセスが本明細書中に記載される。
【0357】
[232] また、式LiZr(式中、0.05≦x≦25.0、0≦y≦5.0、0≦a≦16.0;及び2.0≦d≦55.0であり、式は電荷中性である)の化合物を含む酸化物がカソード活物質に結合される、コーティングされたカソード活物質を製造するためのプロセスであって、以下のステップ:1)a)LiOHと、b)ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体との溶液でカソード活物質をコーティングするステップ;2)溶液から溶媒を除去して、式LiZrの酸化物に結合したカソード活物質を提供するステップ;並びに3)乾燥空気条件下でカソード活物質を加熱して、コーティングされたカソード活物質を形成するステップを含む、プロセスも本明細書中に記載される。
【0358】
[233] また、式LiZr(式中、0.5≦x≦7、0≦y≦2、0≦a≦3;及び2.0≦d≦20であり、式は電荷中性である)の化合物を含む酸化物がカソード活物質に結合される、コーティングされたカソード活物質を製造するためのプロセスであって、以下のステップ:1)a)LiOHと、b)ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体との溶液でカソード活物質をコーティングするステップ;2)溶液から溶媒を除去して、式LiZrの酸化物に結合したカソード活物質を提供するステップ;並びに3)乾燥空気条件下でカソード活物質を加熱して、コーティングされたカソード活物質を形成するステップを含む、プロセスも本明細書中に記載される。
【0359】
[234] 前述のいずれかを含むいくつかの例において、加熱は、制御された雰囲気中でのアニールを含む。いくつかの例において、そのような制御された雰囲気としては、Ar、N、H、HO、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0360】
[235] 前述のいずれかを含む一実施形態において、リン前駆体は、P、HPO、及び(NHPO、(NHPOから選択される。前述のいずれかを含む一実施形態において、ジルコニウム前駆体は、ジルコニウムブトキシド(Zr(OBu))、ジルコニウムプロポキシド(Zr(OPr))、ジルコニウムエトキシド(Zr(OEt))、及びジルコニウムメトキシド(Zr(OMe))である。前述のいずれかを含む一実施形態において、リチウム前駆体は、水酸化リチウム(LiOH)、リチウムエトキシド(LiOEt)、リチウムメトキシド(LiOMe)、金属リチウムから選択される。前述のいずれかを含む一実施形態において、ジルコニウム前駆体及び/又はリン前駆体は、ジルコニウムアルコキシド前駆体又はリンアルコキシド前駆体などのゾルゲル前駆体である。一実施形態において、リン前駆体はPである。一実施形態において、ジルコニウム前駆体はZr(OBu)である。一実施形態において、リチウム前駆体はLiOHである。
【0361】
[236] 一実施形態において、ジルコニウム前駆体はZr(OBu)であり、リン前駆体はPであり、リチウム前駆体はLiOHである。
【0362】
[237] 特定の実施形態において、LiOHの供給源は、LiOHを含むが、これに限定されない。特定の実施形態において、LiOHの供給源は、アルコール、例えばメタノール又はエタノールに可溶なリチウム含有化合物を含むが、これらに限定されない。
【0363】
[238] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、加熱は、最大350℃の温度で少なくとも10分間である。
【0364】
[239] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、加熱は、最大350℃の温度で少なくとも30分間である。
【0365】
[240] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、加熱は、最大375℃の温度で少なくとも30分間である。
【0366】
[241] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、加熱は、約375℃の温度で約1時間である。
【0367】
[242] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、アニーリングは、最大350℃の温度で少なくとも10分間行われる。
【0368】
[243] 上記のいずれかを含む特定の実施形態において、アニーリングは、最大350℃の温度で少なくとも30分間行われる。
【0369】
[244] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、アニーリングは、最大375℃の温度で少なくとも30分間行われる。
【0370】
[245] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、アニーリングは、約375℃の温度で約1時間である。
【0371】
[246] 前述のいずれかを含む特定の実施形態において、溶媒は、メタノール又はエタノールを含むアルコールであるが、これらに限定されない。
【0372】
[247] さらに、コーティングされた活物質は、当該技術分野で知られている活物質上のコーティング形成のための任意の適切な方法を用いて形成することができる。コーティング活物質の調製のための一般的な技術としては、これらに限定されないが、ロータリーエバポレーターを使用して活物質粒子を含むコーティング溶液から溶媒を除去する、湿式プロセス;コーティング前駆体及び活物質の溶液を圧縮ガスの流れによってスプレーノズルを通して霧化し、得られたエアロゾルを乾燥させる、スプレー乾燥;コーティング前駆体の固体粉末を活物質と組み合わせて両者の組み合わせを形成する、乾式コーティング;高エネルギー粉砕を使用して活物質をコーティングによってコーティングするメカノフュージョンミキサー;原子層堆積法(ALD)、気相コーティング堆積技術;又は流動床反応器が含まれる。コーティングされた活物質を形成する他の技術としては、スパッタ蒸着及びレーザーアブレーションが挙げられる。
【0373】
[248] 例えば、活物質をコーティングする一つの方法を図1に示す。図1に示すように、ファン101を使用して、ヒーター102及びHEPAフィルター103を通して空気を処理する。このような処理された空気は乾燥室104に入る。乾燥室はまた、供給ポンプ105に接続されている。活物質及びコーティング前駆体を含む液体溶液は、送液ポンプ105を通って乾燥室104に送られ、入口107から乾燥室内に送り込まれるキャリアガスを用いてスプレーノズル106から霧化される。得られた液滴108は乾燥室104で乾燥される。乾燥された材料はサイクロン109に入り、そこでコーティングされた活物質が容器110中で回収される。乾燥粉末生成物はファインフィルター111で濾過される。いくつかの例では、インプット112を介して空気パルスが使用される。空気は第2のHEPAフィルター103を通して濾過される。
【実施例
【0374】
[249] 試薬、化学物質及び材料は、特に断りのない限り、市販のものを使用した。
【0375】
[250] 実施例で使用したリチウムニッケルコバルトマンガンオキシド(NMC)は、特に断りのない限り、LiNi0.85Co0.1Mn0.05であった。
【0376】
実施例1:NMCの表面にLZPを結合させたNMCの調製
[251] 異なるLZPオキシドが結合した6種類のNMCカソード活物質を、以下に記載するプロセスによって調製した。各合成酸化物の出発原料モル比と、得られた各合成酸化物のモル比を表1に示す。各試薬の量及び反応条件を含む合成条件を表2及び表3に示す。
【0377】
【表1】
【0378】
【表2】
【0379】
【表3】
【0380】
[252] ステップ1:LZP溶液の調製
[253] エタノール(Sigma)中にLiOH(Spectrum Chemical)、ジルコニウムブトキシド80%溶液(Sigma)及びP(Sigma)を入れて溶液を調製した。この混合物をアルゴン充填グローブボックス(HO<0.1ppm、O<0.1ppm)中、45℃で24時間撹拌した。LiOH、ジルコニウムブトキシド80%溶液、及びPの量は、表1に記載されている。
【0381】
[254] ステップ2:コーティングステップ
[255] リチウムニッケルコバルトマンガンオキシド(NMC)粉末(BASFから購入)をステップ1で調製した溶液中に入れ、24時間撹拌した。攪拌後、ロータリーエバポレーターを用いて65℃で乾燥させ、溶液を除去した。
【0382】
[256] ステップ3:アニーリングステップ
[257] ステップ2で得られた粉末を、清浄な乾燥空気(露点<-80℃)下、375℃で1時間加熱した。これにより、コーティングされたカソード材料が得られた。コーティングされたカソードは、乾燥雰囲気下(dp<-50℃)で保存した。
【0383】
実施例2:ICP(誘導結合プラズマ)
[258] コーティング1、3、4、5及び6を有するNMCの元素組成を、Perkin Elmer Optima 8000を用いたICP-OES分析によって分析した。分析の前に、試料を塩酸、硫酸及び硝酸の混合液でマイクロウェーブ消化し、溶液中に溶解した。結果を表4及び表5に示す。
【0384】
【表4】
【0385】
【表5】
【0386】
実施例3:XPS(X線光電子分光法)
[259] コーティング1、3、4、5及び6を有するNMCを乾燥雰囲気下(-50℃)でXPSシステム(ThermoFisher Scientific K-Alpha)下に移した。XPS分析は、モノクロ、Micro-focused Al-KaをX線源とし、10-8Torrの圧力で行った。分析領域の直径は400mmであった。
【0387】
[260] XPSスペクトルは、バックグラウンドと組み合わせたGaussian/Laurentzian積関数のピーク形状モデルを用いてフィッティングした。結果を表6に示す。
【0388】
【表6】
【0389】
実施例5:面積比抵抗(ASR)試験
[261] 第1のソリッドステート電解質を調製した。Li10Si0.5Sn0.512(以下、「LSTPS」)を湿式粉砕して、約50nm~500nmのd50粒径を有するLSTPS粒子を作製した。米国特許第9,172,114号及び同第10,535,878号を参照されたい。
【0390】
[262] 第2のソリッドステート電解質を調製した:硫化リチウム(LiS)、五硫化リン(P)、及びヨウ化リチウム(LiI)を所定の比率で混合した。ある試料では、硫化リチウム(LiS)、五硫化リン(P)、ヨウ化リチウム(Lil)を混合した。LiI:LiS:Pのモル比は(3~4):(0.1~l):(0.5~1.5)であった。この混合物を500mLのジルコニア粉砕ジャーに入れ、1mmのジルコニア粉砕媒体を用いて、粉砕媒体:粉末の質量比が7.5を超えるようにした。この混合物を遊星ミル(Retsch PM400、回転半径150mm、回転数比1:2)で16~36(16~32)時間撹拌した。
【0391】
[263] この手順は、Ar充填グローブボックス(HO<0.1ppm、O<0.1ppm)で行われた。電池セルの製造は、Ar充填グローブボックス(HO<0.1ppm、O<0.1ppm)で行われた。
【0392】
[264] カソード層は、コーティングされたNMC材料と上記の手順による第1のソリッドステート電解質を混合することによって作製された。
【0393】
[265] 前項のカソード層と、第2のソリッドステート電解質から製造されたセパレータとを用いて、全ソリッドステート電池を作製した。
【0394】
[266] カソード層及びセパレータを700MPaでプレスし、両者を高密度化してペレット型電池とした。カソード層に隣接してアルミニウム集電体が使用された。アノード層に隣接してニッケル集電体を使用した。最後に、ペレット及び集電体のスタックをMylarバッグに真空封入し、電池セルとした。アノード層はリチウム金属で構成された。電池セルが充電されると、アノードとして金属リチウムがめっきされた。
【0395】
[267] 電池セルを、30℃、3V~4.25Vの動作電圧の範囲内で、1.7mA/cmの定電流密度を用いて断続的な電流パルスで充放電させた。電流パルスを9分間印加した後、電流を停止し、システムを3分間緩和した。この断続的なパルスを、セル電圧が充電時は4.25V、放電時は3Vに達するまで繰り返した。電池セルの面積比抵抗(ASR)は、放電中の緩和ステップ中の電圧降下を読み取ることで求めた。得られたASRはRと名付けられた。
【0396】
[268] 30℃でサイクルした後、電池セルを電流密度1.7mA/cmで4.25Vまで再び充電した。その後、セルの温度を60℃まで上昇させた。温度が60℃で安定した後、電池セルを4.25Vで7日間保持し、セルを3Vまで放電させた。
【0397】
[269] 電池セルの温度を30℃まで低下させた。電池セルを3V~4.25V及び電流密度1.7mA/cmで充放電させた。これからASR(R)を決定した。
【0398】
[270] 安定性はΔR=R-Rによって評価した。結果を表7に示す。
【0399】
【表7】
【0400】
実施例6:LiZrOスプレーコーティング
[271] コーティング溶液の調製
[272] 前駆体溶液を以下のように調製した:全てのエタノール1Lに対して、0.375gの水酸化リチウム(LiOH)を溶解し、混合物を一晩撹拌した。続いて、3.6mLのジルコニウムブトキシド((Zr(OBu))、80%溶液)を加え、混合物を2時間撹拌した。このプロセスは、窒素又はアルゴン充填グローブボックス(HO<0.1ppm、O<0.1ppm)中で実施した。
【0401】
[273] カソード材料へのコーティング
[274] 全てのエタノール1Lに対して、上記のステップで調製した溶液中に150gのリチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)を添加し、混合物を0.5時間撹拌した後、0.425mLの脱イオン水を添加した。その後、溶液をさらに1.5時間撹拌した。これは湿度制御された環境(露点<-50℃)で行った。
【0402】
[275] スプレー乾燥
[276] BUCHI Mini Spray Dryer B-290/295を以下の手順で使用した。
【0403】
[277] 最初に、スプレー乾燥器の電源を入れ、ノズル温度を120~130℃に設定した。スプレードライヤーに付随するB-295冷却器を-20℃に設定した。工具を設定温度まで加温した後、少量(約50mL)のエタノールをスプレーして工具を洗浄した。続いて、ペリスタルティックポンプの最高速度の約45%で溶液をスプレーした。
【0404】
[278] アニーリング
[279] 上記のプロセスを経て得られた粉末を、清浄な乾燥空気下、375℃で1時間アニールした。
【0405】
実施例7:LiZr(POスプレーコーティング
[280] コーティング溶液の調製
[281] エタノール各1Lに対して、以下を順に添加し、混合物を窒素又はアルゴン充填グローブボックス中で一晩撹拌した:
・水酸化リチウム(LiOH):0.093g
・80%ジルコニウムブトキシド(Zr(OBu)):3.525mL
・五酸化リン(P):0.822g
【0406】
[282] カソード材料へのコーティング
[283] 全てのエタノール1Lに対して、上記のステップで調製した溶液中に150gのリチウムニッケルマンガンコバルトオキシド(NMC)を添加し、1.5時間撹拌した。これは湿度制御された環境(露点<-50℃)で行った。
【0407】
[284] スプレー乾燥
[285] BUCHI Mini Spray Dryer B-290/295を以下の手順で使用した。
【0408】
[286] 最初に、BUCHI B-290の電源を入れ、ノズル温度を120~130℃に設定した。B-295冷却器を-20℃に設定した。工具を設定温度まで加温した後、少量(約50mL)のエタノールをスプレーして工具を洗浄した。続いて、ペリスタルティックポンプの最高速度の約45%で溶液をスプレーした。
【0409】
[287] アニーリング
[288] 上記のプロセスを経て得られた粉末を、清浄な乾燥空気下、375℃で1時間アニールした。
【0410】
実施例8:XPS(X線光電子分光法)
[289] コーティング1、3、4、5及び6を有するNMC(ルースパウダーとして)を、乾燥雰囲気下(-50℃)でXPSシステム(ThermoFisher Scientific K-Alpha)下に移した。
【0411】
[290] XPS測定は、超高真空(UHV)システム Nexsa G2(Thermo Fisher Scientific)で行った。システム内のベース圧力は5×10-10mbar未満であった。XPSスペクトルは、半球型アナライザーを用いて、高分解能スペクトルは50eV、サーベイスペクトルは200eVのパスエネルギーで取得した。XPSスペクトルは、AlモノクロX線源及びAl/Mgツインアノード非モノクロX線源を用い、12keV及び出力120Wで動作させた。走査面積直径は400μmであった。電荷は、電流を100μAに設定したFloodガンを用いて補正した。
【0412】
[291] XPSスペクトルは、Avantage(Thermo Fisher Scientific)データ処理ソフトウェアを使用し、バックグラウンドと組み合わせたGaussian/Laurentzian積関数のピーク形状モデルを使用してピークフィットした。ピークフィッティングには、Smartタイプのバックグラウンドサブトラクションを使用した。定量は、Avantageライブラリで提供される感度係数を使用して行った。
【0413】
[292] 結果を表8に示す。
【0414】
【表8】
【0415】
実施例9:TEM分析
[293] LiZr(POをコーティングしたNMCを、Gaイオン源集束イオンビーム(nanoDUE’T NB5000、日立ハイテクノロジーズ製)を用いたTEM測定用に作製した。Gaイオンビームから材料表面を保護するため、試料採取前に複数の保護層を蒸着した。最初にプラズマコーターで金属層を蒸着し、次に高真空蒸着及び集束イオンビームでそれぞれカーボン保護層及びタングステン層を蒸着した。その後、集束イオンビームにより薄片試料を作製した。作製した試料をTEMで測定した。
【0416】
[294] LiZr(POコーティングNMCのTEM画像を電界放出型電子顕微鏡(JEM-2100F、JEOL)で得た。加速電圧は200kVに設定した。電子ビーム半径は約0.7~1nmとした。図2~6は、同一試料の異なる粒子である。
【0417】
[295] 図2~6は、LiZr(POコーティングNMCのTEM画像である。図2では、コーティングは約2.0nm~2.5nmの厚さを有し、図3では、LiZr(POコーティングは非晶質である。
【0418】
[296] 図4及び図5は、LiZr(POコーティングNMCのTEM画像であり、LiZr(POコーティングは、結晶質ドメイン及び非晶質ドメインかを含む。いずれの画像でも、結晶質ドメインはカソード活物質の界面にある。図4では、結晶質ドメインは1.5~2.5nmの厚さを有し、非晶質ドメインは3.4nmの厚さを有する。
【0419】
[297] 図6は、コーティングが非連続的であるLiZr(POコーティングNMCのTEM画像である。
【0420】
[298] 上述した実施形態及び実施例は、単なる例示であり、非限定的であることが意図される。当業者であれば、特定の化合物、材料、及び手順の多数の等価物を、日常的な実験以上のことを行わずに認識するか、又は確認することができるであろう。このような等価物は全て、添付の特許請求の範囲に包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】