(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】熱分解ガス及び熱分解コークスを製造するための熱分解方法及び熱分解装置
(51)【国際特許分類】
C10B 53/00 20060101AFI20241128BHJP
C10L 5/40 20060101ALI20241128BHJP
B09B 3/40 20220101ALI20241128BHJP
B09B 101/85 20220101ALN20241128BHJP
【FI】
C10B53/00 A
C10L5/40
B09B3/40 ZAB
B09B101:85
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535392
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2022087094
(87)【国際公開番号】W WO2023118213
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021133899.9
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595014653
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】アプフェルバッハー アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ダシュナー ロベルト
【テーマコード(参考)】
4D004
4H012
4H015
【Fターム(参考)】
4D004AA02
4D004AA12
4D004BA03
4D004CA24
4D004CA26
4D004CA48
4D004CB01
4D004CB42
4D004CB43
4D004CB45
4D004DA03
4D004DA06
4D004DA09
4D004DA12
4D004DA20
4H012HA05
4H015AA01
4H015AA12
4H015AB01
4H015BA03
4H015BB03
4H015CB01
(57)【要約】
本発明は、熱分解油及び熱分解ガスを提供するための方法及び装置に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱分解ガス及び熱分解コークスを製造するための熱分解方法であって、
a)小片形態の30重量%未満の含水量を有するバイオマスを提供する工程であって、小片形態の前記バイオマスのメジアン粒径D
50は、ASTM E112に従って決定され、2.0mm~60mmである工程と、
b)
i)実質的に鉛直方向配置の反応器空間(1)であって、実質的に円筒形及び/又は実質的に円錐形である反応器空間、
ii)小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するための搬送ユニット(2)、
iii)前記反応器空間のための加熱ユニット(4)、
iv)加熱媒体が前記バイオマスに対して向流で導かれるように、上部から前記加熱ユニットへの加熱媒体の供給部(5)及び前記加熱媒体のための排出部(6)、
v)前記反応器空間の上部領域にある熱分解ガスのための出口(7)、
vi)熱分解コークスのための排出ユニット(9)、又は熱分解コークス及び分離された塵埃粒子のための排出ユニット(9)
を含む熱分解装置を提供する工程と、
c)前記反応器空間内に床(3)が存在するように、小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間(1)を通って供給する工程と、
d)小片形態の前記バイオマスを0.3~5K/sの加熱速度で加熱する工程と、
e)小片形態の前記バイオマスを実質的に酸素の不存在下で、400~750℃の温度で5~60分熱分解する工程と、
f)前記熱分解ガスを反応器から取り出す工程と、
h)得られた熱分解コークスを取り出す工程と、
i)前記熱分解ガスを取り出す工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記熱分解装置は、
vii)前記熱分解ガスのための除塵ユニット(8)
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法の工程h)は、前記熱分解ガスを除塵ユニットに供給することをさらに含む請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
g)塵埃粒子を分離して除去する工程
をさらに含み、工程h)は、得られた熱分解コークスを分離された前記塵埃粒子とともに取り出すことをさらに含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
j)取り出された前記熱分解ガスの部分的凝縮によって熱分解油を提供する工程
をさらに含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工程e)は、小片形態の前記バイオマスを実質的に酸素の不存在下で、450~650℃の温度で5~60分熱分解することから構成される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
熱分解油が、取り出された前記熱分解ガスの部分的凝縮によって、熱分解油と水との二相混合物として得られ、この二相混合物は分離される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記塵埃粒子は、サイクロン及び/又は高温ガスフィルタによって分離される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記熱分解コークスは重力下で排出される請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
分離された前記塵埃粒子は前記熱分解コークスとともに取り出される請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って供給することは、搬送スクリューを用いて、好ましくは毎分0.5~20回転で行われる請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記搬送スクリューのスクリューピッチは上部から下に向かって小さくなる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記熱分解ガスは、小片形態の前記バイオマスの床によって予備精製される請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記反応器空間の上部領域における前記バイオマスの床は、前記反応器空間の下部領域のかさ密度よりも低いかさ密度を有する請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記反応器空間内の床高さは、400~750℃、好ましくは450~650℃の温度で5~60分の前記反応器空間内の前記バイオマスの滞留時間を達成するように選択される請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
小片形態の前記バイオマスの連続混合は、小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するための前記搬送ユニットによって行われる請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記搬送ユニットは、前記バイオマスの床が上部から下方に部分的に混合されるように構成され、好ましくは前記バイオマスの床がシェル表面の近くで、最も好ましくは前記シェル表面の近くで重力下で鉛直方向下向きに移動することができるように構成される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
水素が前記熱分解ガスから得られる請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
水が追加的に導入される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
熱分解装置であって、
i)実質的に鉛直方向配置の反応器空間(1)であって、実質的に円筒形及び/又は実質的に円錐形である反応器空間と、
ii)床(3)を提供するために、小片形態のバイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するのに適した搬送ユニット(2)と、
iii)前記反応器空間のための加熱ユニット(4)と、
iv)加熱媒体が前記バイオマスに対して向流で導かれるように、上部から前記加熱ユニットへの加熱媒体の供給部(5)及び前記加熱媒体のための排出部(6)と、
v)前記反応器空間の上部領域にある熱分解ガスのための出口(7)と、
vi)熱分解コークスのための排出ユニット(9)と
を含む、熱分解装置。
【請求項21】
前記熱分解装置は、
vii)前記熱分解ガスのための除塵ユニット(8)
をさらに含む請求項20に記載の熱分解装置。
【請求項22】
外部加熱を伴い、好ましくは反応器の外側の閉鎖面、又は前記反応器の外側の閉鎖面及び前記搬送ユニットが加熱される請求項20又は請求項21に記載の熱分解装置。
【請求項23】
前記加熱媒体は上部から送り込まれる請求項20、請求項21又は請求項22に記載の熱分解装置。
【請求項24】
前記加熱媒体は気体状であるか、又は前記加熱媒体は液体金属若しくは液体金属合金であるか、又は前記加熱媒体は液体塩溶融物である請求項20から請求項23のいずれか1項に記載の熱分解装置。
【請求項25】
バイオコークス、活性炭及び/又はバーベキュー用炭の製造のための、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の方法の使用、及び/又は請求項20から請求項24のいずれか1項に記載の装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱分解プロセス及び熱分解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス温度で熱分解油を生成するプロセスは、独国特許出願公開第102015108552号明細書から公知である。記載されるプロセスは、触媒床、とりわけ新たに形成された熱分解固形物から構成される触媒床の存在下の600~750℃での熱分解工程及び改質工程を含む。このプロセスでは、処理される固体は、上部から反応器管に導入され、熱分解された固形物は、反応器管から下向きに除去され、熱分解ガスは、後処理のために内側管を通して除去される。
【0003】
独国特許出願公開第102014105340号明細書は、管型反応器を用いて熱分解油を製造するプロセスであって、前記反応器の長手方向軸は水平面に対して45°以下の角度で傾斜し、熱分解される材料は搬送スクリューによって反応器を通って搬送されるプロセスを開示する。
【0004】
独国特許出願公開第102016115700号明細書は同様に、600~750℃での改質工程を有する熱分解プロセスを開示する。3~30mmの固体化石燃料の平均粒子サイズが、特に好適であると記載されている。独国特許出願公開第102016115700号明細書では、生体起源の材料の使用は化石燃料を伴う場合のみ想定される。処理される材料の移送は、コンベヤベルト又は搬送スクリュー、とりわけ一軸押出機を用いて達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015108552号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102014105340号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102016115700号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
公知のプロセスは、比較的大きく、あまりコンパクトではないプラントをもたらす。それゆえ、対処される課題は、熱分解油を提供するが、非常にコンパクトな構成であり、また、とりわけフィルタが熱分解ガスの洗浄に使用される場合に、堆積物及び閉塞等の従来技術で言及されるさらなる欠点を回避するプロセス及びプラントを提供することであった。取り組まれた別の課題は、比較的高い割合の微粉(供給原料に基づく)に耐えることができるプロセスを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、これらの欠点が、小片形態の30重量%未満の含水量を有するバイオマスであって、この小片形態のバイオマスのメジアン粒径D50が2.0mm~60mm(ASTM E112に従って決定される)であるバイオマスを提供することを、実質的に鉛直方向配置の反応器空間を含み、この反応器空間は実質的に円筒形又は実質的に円錐形であり、かつ小片形態のバイオマスを底部から上方へ上記反応器空間を通って移送するため、及び反応器空間内に床が存在するように小片形態のバイオマスを底部から上方へ反応器空間を通って供給するための搬送装置を有する熱分解装置と組み合わせることによって回避することができるという知見に基づく。
【0008】
これに関して、本発明は、
熱分解ガス及び熱分解コークス(熱分解炭)を製造するための熱分解プロセス(方法)であって、
a)小片形態の30重量%未満の含水量を有するバイオマスを提供する工程であって、小片形態の前記バイオマスのメジアン粒径D50は、好ましくはASTM E112に従って決定され、2.0mm~60mmである工程と、
b)
i)実質的に鉛直方向(vertikal、vertical)配置の反応器空間であって、前記反応器空間は実質的に円筒形又は実質的に円錐形である反応器空間、
ii)小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するための搬送ユニット、
iii)前記反応器空間のための加熱ユニット、
iv)加熱媒体が前記バイオマスに対して向流で導かれるように、上部から前記加熱ユニットへの加熱媒体の供給部及び前記加熱媒体のための排出部、
v)前記反応器空間の上部領域にある前記熱分解ガスのための出口、
vi)任意選択で、前記熱分解ガスのための除塵ユニット、
vii)熱分解コークスのための排出ユニット、
viii)任意選択で、分離された塵埃(ダスト)粒子のための除去ユニット
を含む熱分解装置を提供する工程と、
c)前記反応器空間内に床(Schuettung、bed)が存在するように、小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って供給する工程と、
d)小片形態の前記バイオマスを0.3~5K/sの加熱速度で加熱する工程と、
e)小片形態の前記バイオマスを実質的に酸素の不存在下で、400~750℃、好ましくは450~650℃の温度で5~60分間熱分解する工程と、
f)反応器から前記熱分解ガスを取り出し、任意選択で、前記熱分解ガスを前記除塵ユニットに供給する工程と、
g)任意選択で、塵埃粒子を分離して除去する工程と、
h)得られた熱分解コークスを取り出す工程と、
i)前記熱分解ガスを取り出す工程と、
j)任意選択で、取り出された熱分解ガスの部分的凝縮によって熱分解油を提供する工程と
を含む、プロセス(方法)を提供する。
【0009】
本発明はさらに、熱分解装置であって、
i)実質的に鉛直方向配置の反応器空間であって、実質的に円筒形及び/又は実質的に円錐形である反応器空間と、
ii)バイオマスの床を提供するために、小片形態のバイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するのに適した搬送ユニットと、
iii)前記反応器空間のための加熱ユニットと、
iv)加熱媒体が前記バイオマスに対して向流で導かれるように、上部から前記加熱ユニットへの加熱媒体の供給部及び前記加熱媒体のための排出部、並びに前記反応器空間の上部領域にある熱分解ガスのための出口と、
v)任意選択で、熱分解ガスのための除塵ユニットと、
vi)熱分解コークスのための排出ユニットと、
vii)任意選択で、分離された塵埃粒子のための除去ユニットと
を含む、熱分解装置を提供する。
【0010】
30重量%未満の含水量を有するバイオマスは公知であり、限定されない。あらゆる種類の生物起源の廃棄物が、可能な選択肢である。乾燥操作は任意選択で行われる。従って、下水汚泥等の生物起源の廃棄物を使用することも可能である。
【0011】
好ましくはASTM E112に従って決定される、2.0mm~60mmの小片形態のバイオマスのメジアン粒径D50は、公知の前処理工程によって確保することができる。微粉画分、すなわちD10画分は、(全粒子に対して)30重量パーセント未満でのみ存在することがとりわけ好ましい。いくつかの状況下では、例えば、篩分離によって、微粉画分の平均サイズ及び量を調整することが必要である。D10画分は、好ましくは10~30重量%である。
【0012】
当該プロセスの大きい利点は、比較的大量の微粉、例えば全粒子に対して例えば10重量%~25重量%のD10を使用することも可能であるということである。
【0013】
反応器空間(1)は実質的に鉛直方向配置である。これは、正確に鉛直(上下)方向の位置合わせから40°までの差異(ずれ)が可能であることを意味する。正確に鉛直方向の位置合わせからの差異は20°未満であることが好ましい。さらに、反応器空間は、実質的に円筒形及び/又は実質的に円錐形である。実質的に円筒形が意味するのは、円形断面積からの差異が可能であるということである。実質的に円錐形の実施形態では、反応器空間の断面積は、底部から上方へ増加する。反応器空間は、中間部及び下部において実質的に円筒形であり、上部において実質的に円錐形であることも可能であり、これも好ましい。より好ましくは、「中間部及び下部が円筒形及び上部が円錐形」を有する実施形態では、中間部及び下部は、反応器空間の全高さの60%~85%の高さを占める。
【0014】
滞留時間に影響を与えるためのさらなる変数は搬送ユニットの速度である。
搬送ユニットは、小片形態のバイオマスを底部から上方へ反応器空間を通って移送するために使用される。これは、通常、搬送スクリューである。搬送スクリューは、好ましくは、(内のり寸法に基づいて)反応器空間の断面積の80%~95%を占める。これは、小片形態のバイオマスの一部分が、反応器シェルの内面において重力下で滑落することができるということを保証する。これは良好な混合を保証する。搬送スクリューによって占められる領域は、コア及び任意のさらなるユニットを含む搬送スクリューの総領域であると考えられる。従って、残りのリング空間は、反応器内部の断面積に対して5%~20%である。円錐形反応器形状の場合、平均断面積(算術平均)は相応に考慮され、すなわち考慮される面積は搬送スクリューの領域における反応器の断面積である。
【0015】
通常、搬送スクリューは反応器空間を鉛直方向には満たさず、反応器空間の全内部高さの約60%~85%の程度までしか満たさない。しかしながら、搬送スクリューが反応器空間の全体を通って突出する実施形態も可能である。典型的には、搬送ユニットの高さは、小片形態のバイオマスの床がその上方に形成されるように選択される。言い換えれば、搬送スクリューの上方には、床の形態の蓄積部が形成される。床は、下の残りの反応器空間全体、特に上で論じたリング空間を充填することが明らかであろう。
【0016】
熱分解に適した温度を保証し、適切な量の熱を提供するために、反応器空間のための加熱ユニットがある。加熱は間接的に行われることは明らかであろう。通常、反応器壁は少なくとも部分的に加熱される。従って、小片形態のバイオマスは、外部からの熱の導入によって加熱される。従って、小片形態のバイオマスと加熱媒体との直接接触はない。
加えて、そして好ましくは、搬送ユニット内に加熱ユニットがあってもよく、これは、搬送ユニットが任意選択で加熱されてもよいことを意味する。
【0017】
加熱媒体は、供給部(5)を介して上部から加熱ユニット内に供給され、この加熱媒体は、排出部(6)を介して加熱ユニットから除去される。これは、加熱媒体がバイオマスに対して向流で導かれることを意味する。
加熱媒体は気体状であってもよい。あるいは、加熱媒体は、液体金属又は液体金属合金であってもよい。好ましい実施形態では、加熱媒体は液体塩溶融物である。
【0018】
小片形態のバイオマスは、0.3~5K/sの加熱速度で、すなわち比較的迅速に加熱される。この後、実質的に酸素の不存在下で、400~750℃、好ましくは450~650℃の温度で5~60分間熱分解が行われる。400~750℃の温度範囲は、熱分解温度がこの範囲内にあることを意味する。従って、床は、上部領域において、好ましくは特に搬送スクリューの上方の蓄積部において、この範囲からの温度を有することになる。
750℃より高い温度は、絶対に回避されるべきである。そうでなければ、コークス化の問題を排除することができない。
【0019】
任意選択で、そして好ましくは、熱分解ガスのための除塵ユニット(8)がある。サイクロンを使用することが好ましい。加えて、又は代替として、高温ガスフィルタを使用することが可能である。
【0020】
除塵ユニット(8)は、反応器空間(1)内に、最も好ましくは反応器空間の上端に配置されることが特に好ましい。これは、除塵ユニットが反応器空間とともに加熱されるという大きい利点を有し、これは、この一体的な解決手段が単純化及びよりコンパクト化につながることを意味する。さらなる利点は、分離された塵埃を熱分解コークスとともに直接除去することができるという事実から生じ、これは、この点においても別個の除去の必要性がなく、すなわちコンパクト性が最大化されることを意味する。
あるいは、別の実施形態では、除塵ユニットは反応器空間の外側に配置されてもよい。
【0021】
得られた熱分解コークスは、有利には重力下で取り出される。得られる熱分解コークスと分離された粉塵粒子とを組み合わせることが特に好ましい。上記で明らかにしたように、これは、除塵ユニットが反応器空間の上端に配置される場合、特に単純な方法で可能である。
【0022】
熱分解油は、任意選択の部分的凝縮によって熱分解ガスから得られる。
熱分解油は、好ましくは、取り出された熱分解ガスの部分的凝縮によって、熱分解油と水との二相混合物として得ることができる。この二相混合物は、例えば、吸引による相の除去によって分離することができる。相境界は、導電率、屈折率等の通常の測定パラメータによって決定することができる。
【0023】
有利には、熱分解コークスは重力下で排出される。これは、さらなる搬送要素の必要性がないので、特にコンパクトな設計を可能にする。分離された塵埃粒子が熱分解コークスと組み合わされるとき、コンパクト性がさらに補助され、これは好ましい。
除塵ユニットが反応器空間の外部に設けられている場合、塵埃のための排出導管も、熱分解コークスのための排出導管と組み合わされてもよい。
【0024】
本発明に係るプロセスでは、小片形態のバイオマスを底部から上方へ反応器空間を通って供給することは、好ましくは搬送スクリューを用いて、より好ましくは毎分0.5~20回転で行われる。
【0025】
本発明のプロセスでは、熱分解ガスは、好ましくは、小片形態のバイオマスの床によって予備精製される。
【0026】
本発明に係るプロセスでは、搬送スクリューのスクリューピッチは、上部から下に向かって小さくなることが好ましい。これは、スクリューフライト(スクリューの山)間の距離がその方向において小さくなることを意味する。これは、床の充填密度に基づく勾配を作り出す。上部領域では、床の密度は、下部領域における充填密度と比較して低い。このようにして、反応領域における圧力の上昇が回避される。
【0027】
反応器空間内の床高さは、400~750℃、好ましくは450~650℃の温度で5~60分の反応器空間内のバイオマスの滞留時間を達成するように選択される。
【0028】
好ましくは、反応器空間内でのバイオマス、とりわけその床の連続混合が確実に行われるようにすべきである。より好ましくは、小片形態のバイオマスの連続混合は、搬送ユニットによって提供され、これは、搬送ユニットが、搬送及び混合のために同時に機能することを意味する。
【0029】
搬送ユニットは、好ましくは、バイオマスの床が上部から下方に部分的に混合されるように構成され、より好ましくは、バイオマスの床が部分的にシェル表面の近くで、特にシェル表面の近くで重力下で鉛直方向下向きに移動することができるように構成される。
【0030】
本発明に係るプロセスは、熱分解ガスからの水素の製造にも適している。水素の量は、追加的に水を導入することによって最大化することができる。
【0031】
本明細書に記載される熱分解装置において、外部加熱は、好ましくは反応器の外側の閉鎖面(Aussenabschlussflaeche、outer concluding face)の加熱によって、又はさらに搬送ユニットの加熱によって提供されることが好ましい。外部加熱によって意味されるのは、熱が他の装置及びプロセスから送り込まれることである。典型的には、合成ガス又は他の高温プロセスからの廃熱が使用される。反応器の加熱及び/又は搬送ユニットの加熱の後に残る熱流から熱を回収することが可能であり、また好ましい。依然として存在する熱は、結合されたプロセスにおける空気の予熱のために有利に使用されてもよい。
反応器及び/又は搬送ユニットの加熱のための熱伝達が直接的である場合、又は液体塩溶融物若しくは液体金属若しくは液体金属合金等のさらなる熱伝達体が使用される場合のいずれかであってもよい。熱の回収についても同様である。
反応器加熱のために、加熱媒体は、向流条件(加熱媒体対バイオマスに基づく)を確実にするために、上部から送り込まれることが好ましい。
【0032】
バイオコークス、活性炭及び/又はバーベキュー用炭の製造のための当該プロセス及び/又は装置の使用も本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、
図1を参照して好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る熱分解装置の断面を示す。
【0035】
図示の実施形態では、反応器空間(1)は円錐形である。反応器空間は、内部搬送スクリュー(2)を有する。この搬送スクリューによって、バイオマスは底部から上方へ移送され、また同時に混合され、緩められる(ほぐされる)。バイオマスは、緩い床(losen Schuettung、loose bed)(3)の形態にある。反応器空間(1)は加熱ユニット(4)によって加熱される。この加熱ユニット(4)は、単純なジャケット構造として、又は反応器壁上若しくは任意選択で反応器壁内の配管の形態で設計されてもよい。加熱媒体、例えばガスは、供給部(5)を介して上部から送り込まれる。加熱媒体は、反応器の下部領域において再び反応器壁から出る。バイオマスは底部から上方へ搬送され、加熱媒体は上部から下方へ搬送され、すなわち加熱は向流で行われる。
【0036】
搬送スクリュー(2)は、反応器空間を完全に満たすのではなく、断面積に対して80%~95%の程度までしか満たさない。小片形態のバイオマスは床(3)の形態にあり、この床(3)は絶えず混合される。小片形態のバイオマスの供給は、ユニット(10)を介して行われる。加えて、床(3)は、熱分解ガスのための予備フィルタとして機能する。反応器空間の上方部分には除塵ユニットがある。熱分解ガスは、この除塵ユニット(8)に供給され、洗浄される。除塵ユニットは、サイクロンとして設計されることが好ましい。分離された塵埃は重力下で床に落下し、得られた熱分解コークスとともに取り出されてもよい。この目的のために、熱分解コークスのための排出ユニット(9)が存在する。これは、好ましくは、熱分解コークスが重力下で取り出されるように設計される。分離された塵埃粒子も同様に、この排出ユニットを介して除去できることが特に有利である。
【0037】
実験の部
実験プラントをプロジェクト化し、試験した。ブロッキングの問題は発生しないこと、及び優れたコンパクト性が達成されることが見出された。
【0038】
実施形態
1. 熱分解ガス及び熱分解コークスを製造するための熱分解プロセスであって、
a)小片形態の30重量%未満の含水量を有するバイオマスを提供する工程であって、小片形態の前記バイオマスのメジアン粒径D50は、好ましくはASTM E112に従って決定され、2.0mm~60mmである工程と、
b)
i)実質的に鉛直方向配置の反応器空間(1)であって、実質的に円筒形及び/又は実質的に円錐形である反応器空間(1)、
ii)小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するための搬送ユニット(2)、
iii)前記反応器空間のための加熱ユニット(4)、
iv)前記加熱媒体が前記バイオマスに対して向流で導かれるように、上部から前記加熱ユニットへの加熱媒体の供給部(5)及び前記加熱媒体のための排出部(6)、
v)前記反応器空間の上部領域にある前記熱分解ガスのための出口(7)、
vi)任意選択で、前記熱分解ガスのための除塵ユニット(8)、
vii)熱分解コークスのための排出ユニット(9)、又は熱分解コークス及び分離された塵埃粒子のための排出ユニット(9)
を含む熱分解装置を提供する工程と、
c)前記反応器空間内に床(3)が存在するように、小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間(1)を通って供給する工程と、
d)小片形態の前記バイオマスを0.3~5K/sの加熱速度で加熱する工程と、
e)小片形態の前記バイオマスを実質的に酸素の不存在下で、400~750℃、好ましくは450~650℃の温度で5~60分間熱分解する工程と、
f)反応器から前記熱分解ガスを取り出し、任意選択で、前記熱分解ガスを前記除塵ユニットに供給する工程と、
g)任意選択で、塵埃粒子を分離して除去する工程と、
h)得られた熱分解コークスを、任意選択で分離された前記塵埃粒子とともに、取り出す工程と、
i)前記熱分解ガスを取り出す工程と、
h)任意選択で、取り出された熱分解ガスの部分的凝縮によって熱分解油を提供する工程と
を含む、プロセス。
【0039】
2. 熱分解油が、取り出された前記熱分解ガスの部分的凝縮によって、熱分解油と水との二相混合物として得られ、この二相混合物は分離される、実施形態1に記載のプロセス。
【0040】
3. 前記塵埃粒子は、サイクロン及び/又はHGフィルタによって分離される、実施形態1又は実施形態2に記載のプロセス。
【0041】
4. 前記熱分解コークスは重力下で排出される、実施形態1から実施形態3のいずれか1つに記載のプロセス。
【0042】
5. 分離された前記塵埃粒子は前記熱分解コークスとともに取り出される、実施形態1から実施形態4のいずれか1つに記載のプロセス。
【0043】
6. 小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って供給することは、搬送スクリューを用いて、好ましくは毎分0.5~20回転で行われる、実施形態1から実施形態5のいずれか1つに記載のプロセス。
【0044】
7. 前記搬送スクリューのスクリューピッチは上部から下に向かって小さくなる、実施形態6に記載のプロセス。
【0045】
8. 前記熱分解ガスは、小片形態の前記バイオマスの床によって予備精製される、実施形態1から実施形態7のいずれか1つに記載のプロセス。
【0046】
9. 前記反応器空間の上部領域における前記バイオマスの床は、前記反応器空間の下部領域のかさ密度よりも低いかさ密度を有する、実施形態1から実施形態8のいずれか1つに記載のプロセス。
【0047】
10. 前記反応器空間内の床高さは、400~750℃、好ましくは450~650℃の温度で5~60分の前記反応器空間内の前記バイオマスの滞留時間を達成するように選択される、実施形態1から実施形態9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0048】
11. 小片形態の前記バイオマスの連続混合は、小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するための前記搬送ユニットによって行われる、実施形態1から実施形態10のいずれか1つに記載のプロセス。
【0049】
12. 前記搬送ユニットは、前記バイオマスの床が上部から下方に部分的に混合されるように構成され、好ましくは前記バイオマスの床がシェル表面の近くで、最も好ましくは前記シェル表面の近くで重力下で鉛直方向下向きに移動することができるように構成される、実施形態11に記載のプロセス。
【0050】
13. 水素が前記熱分解ガスから得られる、実施形態1から実施形態12のいずれか1つに記載のプロセス。
【0051】
14. 水が追加的に導入される、実施形態13に記載のプロセス。
【0052】
15. 熱分解装置であって、
i)実質的に鉛直方向配置の反応器空間(1)であって、実質的に円筒形及び/又は実質的に円錐形である反応器空間と、
ii)床(3)を提供するために、小片形態のバイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するのに適した搬送ユニット(2)と、
iii)前記反応器空間のための加熱ユニット(4)と、
iv)前記加熱媒体が前記バイオマスに対して向流で導かれるように、上部から前記加熱ユニットへの加熱媒体の供給部(5)及び前記加熱媒体のための排出部(6)と、
v)前記反応器空間の上部領域にある熱分解ガスのための出口(7)と、
vi)任意選択で、熱分解ガスのための除塵ユニット(8)と、
vii)熱分解コークスのための排出ユニット(9)、又は任意選択で、熱分解コークス及び分離された塵埃粒子のための排出ユニット(9)と
を含む、熱分解装置。
【0053】
16. 外部加熱を伴い、好ましくは前記反応器の外側の閉鎖面、又は前記反応器の外側の閉鎖面及び前記搬送ユニットが加熱される、実施形態15に記載の熱分解装置。
【0054】
17. 前記加熱媒体は上部から送り込まれる、実施形態15又は実施形態16に記載の熱分解装置。
【0055】
18. 前記加熱媒体は気体状であるか、又は前記加熱媒体は液体金属若しくは液体金属合金であるか、又は前記加熱媒体は液体塩溶融物である、実施形態15、実施形態16又は実施形態17に記載の熱分解装置。
【0056】
19. バイオコークス、活性炭及び/又はバーベキュー用炭の製造のための、実施形態1から実施形態14に記載のプロセスの使用、及び/又は実施形態15から実施形態18に記載の装置の使用。
【符号の説明】
【0057】
1 鉛直方向配置の反応器空間(円筒形及び/又は円錐形)
2 小片形態のバイオマスを底部から上方へ反応器空間を通って移送するための搬送ユニット(搬送スクリュー)
3 バイオマスの床
4 加熱ユニット
5 上部から加熱ユニットへの加熱媒体の供給部
6 加熱媒体のための排出部
7 熱分解ガスのための出口
8 熱分解ガスのための除塵ユニット
9 熱分解コークス(及び分離された塵埃粒子)のための排出ユニット
10 バイオマスの導入部
11 (廃空気から空気を予熱するための)回収熱交換器
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱分解ガス及び熱分解コークスを製造するための熱分解方法であって、
a)小片形態の30重量%未満の含水量を有するバイオマスを提供する工程であって、小片形態の前記バイオマスのメジアン粒径D
50は、ASTM E112に従って決定され、2.0mm~60mmである工程と、
b)
i)実質的に鉛直方向配置の反応器空間(1)であって、実質的に円筒形及び/又は実質的に円錐形である反応器空間、
ii)小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するための搬送ユニット(2)、
iii)前記反応器空間のための加熱ユニット(4)、
iv)加熱媒体が前記バイオマスに対して向流で導かれるように、上部から前記加熱ユニットへの加熱媒体の供給部(5)及び前記加熱媒体のための排出部(6)、
v)前記反応器空間の上部領域にある熱分解ガスのための出口(7)、
vi)熱分解コークスのための排出ユニット(9)、又は熱分解コークス及び分離された塵埃粒子のための排出ユニット(9)
を含む熱分解装置を提供する工程と、
c)前記反応器空間内に床(3)が存在するように、小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間(1)を通って供給する工程と、
d)小片形態の前記バイオマスを0.3~5K/sの加熱速度で加熱する工程と、
e)小片形態の前記バイオマスを実質的に酸素の不存在下で、400~750℃の温度で5~60分熱分解する工程と、
f)前記熱分解ガスを反応器から取り出す工程と、
h)得られた熱分解コークスを取り出す工程と、
i)前記熱分解ガスを取り出す工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記熱分解装置は、
vii)前記熱分解ガスのための除塵ユニット(8)
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法の工程h)は、前記熱分解ガスを除塵ユニットに供給することをさらに含む請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
g)塵埃粒子を分離して除去する工程
をさらに含み、工程h)は、得られた熱分解コークスを分離された前記塵埃粒子とともに取り出すことをさらに含む請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
j)取り出された前記熱分解ガスの部分的凝縮によって熱分解油を提供する工程
をさらに含む請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項6】
工程e)は、小片形態の前記バイオマスを実質的に酸素の不存在下で、450~650℃の温度で5~60分熱分解することから構成される請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項7】
熱分解油が、取り出された前記熱分解ガスの部分的凝縮によって、熱分解油と水との二相混合物として得られ、この二相混合物は分離される請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記塵埃粒子は、サイクロン及び/又は高温ガスフィルタによって分離される請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記熱分解コークスは重力下で排出される請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項10】
分離された前記塵埃粒子は前記熱分解コークスとともに取り出される請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項11】
小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って供給することは、搬送スクリューを用いて、好ましくは毎分0.5~20回転で行われる請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記搬送スクリューのスクリューピッチは上部から下に向かって小さくなる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記熱分解ガスは、小片形態の前記バイオマスの床によって予備精製される請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記反応器空間の上部領域における前記バイオマスの床は、前記反応器空間の下部領域のかさ密度よりも低いかさ密度を有する請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記反応器空間内の床高さは、400~750℃、好ましくは450~650℃の温度で5~60分の前記反応器空間内の前記バイオマスの滞留時間を達成するように選択される請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項16】
小片形態の前記バイオマスの連続混合は、小片形態の前記バイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するための前記搬送ユニットによって行われる請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記搬送ユニットは、前記バイオマスの床が上部から下方に部分的に混合されるように構成され、好ましくは前記バイオマスの床がシェル表面の近くで、最も好ましくは前記シェル表面の近くで重力下で鉛直方向下向きに移動することができるように構成される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
水素が前記熱分解ガスから得られる請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項19】
水が追加的に導入される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
熱分解装置であって、
i)実質的に鉛直方向配置の反応器空間(1)であって、実質的に円筒形及び/又は実質的に円錐形である反応器空間と、
ii)床(3)を提供するために、小片形態のバイオマスを底部から上方へ前記反応器空間を通って移送するのに適した搬送ユニット(2)と、
iii)前記反応器空間のための加熱ユニット(4)と、
iv)加熱媒体が前記バイオマスに対して向流で導かれるように、上部から前記加熱ユニットへの加熱媒体の供給部(5)及び前記加熱媒体のための排出部(6)と、
v)前記反応器空間の上部領域にある熱分解ガスのための出口(7)と、
vi)熱分解コークスのための排出ユニット(9)と
を含む、熱分解装置。
【請求項21】
前記熱分解装置は、
vii)前記熱分解ガスのための除塵ユニット(8)
をさらに含む請求項20に記載の熱分解装置。
【請求項22】
外部加熱を伴い、好ましくは反応器の外側の閉鎖面、又は前記反応器の外側の閉鎖面及び前記搬送ユニットが加熱される請求項20又は請求項21に記載の熱分解装置。
【請求項23】
前記加熱媒体は上部から送り込まれる請求項20
又は請求項2
1に記載の熱分解装置。
【請求項24】
前記加熱媒体は気体状であるか、又は前記加熱媒体は液体金属若しくは液体金属合金であるか、又は前記加熱媒体は液体塩溶融物である請求項20
又は請求項21に記載の熱分解装置。
【請求項25】
バイオコークス、活性炭及び/又はバーベキュー用炭の製造のための、請求項1
又は請求項2に記載の方法の使
用。
【請求項26】
バイオコークス、活性炭及び/又はバーベキュー用炭の製造のための、請求項20又は請求項21に記載の装置の使用。
【国際調査報告】