(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】容器支持装置及び使用方法
(51)【国際特許分類】
B01L 9/00 20060101AFI20241128BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20241128BHJP
C12M 1/00 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
B01L9/00
G01N1/10 N
C12M1/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535674
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 CA2022051845
(87)【国際公開番号】W WO2023108295
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524224032
【氏名又は名称】ステムセル テクノロジーズ カナダ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オキーン、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】スミス、マーク
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】イーグルトン、ミゲル
【テーマコード(参考)】
2G052
4B029
4G057
【Fターム(参考)】
2G052AA33
2G052AD26
2G052AD46
2G052DA06
2G052DA32
2G052FB08
4B029AA08
4B029AA27
4B029BB01
4B029DG10
4G057AE05
4G057AE12
(57)【要約】
本開示の態様は、容器支持装置、及び実験環境などにおける容器支持体の使用に関する。本開示の装置は、装置が動作中又は使用中であるときなどに、そこに容器を留めることができる。容器支持装置は、容器支持手段、及び容器を支持手段に留めるための1つ又は複数の手段を備えることになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)基部;
ii)容器支持表面を有するステージ、前記ステージは前記基部に連結されている;
iii)前記ステージに連結された少なくとも1組の対向する保持部材、前記少なくとも1組の対向する保持部材は、前記ステージの上に支持された容器の1つ又は複数の縁部又は壁に対して付勢可能であり、それによって前記容器を前記ステージに留める、
を備える、容器支持体。
【請求項2】
前記ステージは前記基部に対して傾斜させられるか、又は前記基部に傾斜可能に連結されている、請求項1に記載の容器支持体。
【請求項3】
傾斜軸の周りで前記ステージを傾斜させるための傾斜アクチュエータをさらに備える、請求項2に記載の容器支持体。
【請求項4】
前記ステージの前記容器支持表面は、x軸、y軸、又は、前記x軸及び前記y軸の両方に沿って前記基部に対して移動可能である、請求項1に記載の容器支持体。
【請求項5】
容器の1つ又は複数の縁部又は壁にそれぞれ係合して前記容器を前記ステージに留める、前記少なくとも1組の対向する保持部材の各々に制限部をさらに備える、請求項1に記載の容器支持体。
【請求項6】
前記少なくとも1組の対向する保持部材は前記ステージに対して固定されている、請求項5に記載の容器支持体。
【請求項7】
前記少なくとも1組の対向する保持部材は変形可能であり、復元変形力が、前記少なくとも1組の対向する保持部材の各々の前記制限部を前記容器の1つ又は複数の外側の縁部又は壁に対して付勢する、請求項5に記載の容器支持体。
【請求項8】
前記少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数は、それぞれ延出可能且つ格納可能である、請求項1に記載の容器支持体。
【請求項9】
前記少なくとも1組の対向する保持部材は延出可能且つ格納可能であり、前記少なくとも1組の対向する保持部材を延出させることにより、その上の前記制限部が前記容器の1つ又は複数の縁部又は壁に対して付勢される、請求項5に記載の容器支持体。
【請求項10】
前記1つ又は複数の縁部又は壁は、前記容器の下側にある、請求項9に記載の容器支持体。
【請求項11】
前記少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数に連結されたアクチュエータをさらに備え、前記アクチュエータを作動させることにより、前記少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数が延出又は格納される、請求項8に記載の容器支持体。
【請求項12】
枢動部材をさらに備え、前記少なくとも1組の対向する保持部材及び前記アクチュエータは、前記枢動部材に連結されており、前記枢動部材を作動させることにより、第1の延出位置及び第2の格納位置の間で前記少なくとも1組の対向する保持部材が移動する、請求項11に記載の容器支持体。
【請求項13】
前記枢動部材は前記ステージに枢動可能に連結されている、請求項12に記載の容器支持体。
【請求項14】
前記少なくとも1組の対向する保持部材の各保持部材は、面取り又はベベル加工部分を含む、請求項8に記載の容器支持体。
【請求項15】
前記少なくとも1組の対向する保持部材の各保持部材に、斜面に沿って後行縁部に連結された先行縁部をさらに備え、前記後行縁部は、前記ステージの中心点に対して、前記先行縁部より内向きに設定されている、請求項14に記載の容器支持体。
【請求項16】
前記少なくとも1組の対向する保持部材が延出するにつれて、前記容器は、前記斜面を登って前記容器支持表面に垂直な軸において前記容器を上昇させ、前記少なくとも1組の対向する保持部材が格納されるにつれて、前記容器は、前記斜面を下って前記容器支持表面に垂直な前記軸において前記容器を下降させる、請求項15に記載の容器支持体。
【請求項17】
1組の対向する保持部材の各保持部材にそれぞれ取り付けられ、それによって1組の対向する保持部材の各保持部材を前記枢動部材に連結する複数のアームをさらに備える、請求項12に記載の容器支持体。
【請求項18】
前記複数のアームは前記枢動部材に枢動可能に連結されている、請求項17に記載の容器支持体。
【請求項19】
前記複数のアームのうちの第1の対は、互いから180度で前記枢動部材に取り付けられている、請求項17に記載の容器支持体。
【請求項20】
前記複数のアームのうちの第2の対は、互いから180度で前記枢動部材に取り付けられている、請求項19に記載の容器支持体。
【請求項21】
前記複数のアームのうちの前記第1の対の各々の前記枢動部材への取付けは、前記複数のアームのうちの前記第2の対の各々から90度でない、請求項20に記載の容器支持体。
【請求項22】
前記複数のアームのうちの対向する1組の各アームに、1つ又は複数のコンプライアント部材をさらに備える、請求項17に記載の容器支持体。
【請求項23】
あるアームの前記1つ又は複数のコンプライアント部材は、前記アームの第1の端部及び第2の端部の中間にある、請求項22に記載の容器支持体。
【請求項24】
前記制限部はピンである、請求項5に記載の容器支持体。
【請求項25】
前記ピンは弾性的である、請求項24に記載の容器支持体。
【請求項26】
1つ又は複数の荷重センサをさらに備える、請求項1に記載の容器支持体。
【請求項27】
1つ又は複数の荷重センサをさらに備え、前記1組の対向する保持部材が延出させられたとき、前記容器は前記1つ又は複数の荷重センサから係合解除する、請求項8から26のいずれか一項に記載の容器支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年12月16日出願のVESSEL SUPPORT APPARATUS AND METHODS OF USEと題する米国出願第63/265,563号による優先権を主張し、これはあらゆる目的のために、これにより参照によって本明細書に組み込まれる。米国において、本出願は、35U.S.C.§119の下で2021年12月16日出願のVESSEL SUPPORT APPARATUS AND METHODS OF USEと題する米国出願第63/265,563号の利益を主張し、これはあらゆる目的のために、これにより参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は装置に関し、より具体的には、その上に載っている容器を支持及び留めるための装置に関する。特定の態様では、本開示は、細胞培養などの科学的用途及び/又は方法、及び/又は分析用途において使用され得る容器支持装置に関する。
【背景技術】
【0003】
技術者は、産業、分析、又は実験ワークフローにおける処理を容易にする様々な装置をしばしば利用する。こうした装置の広範な例には、プレートリーダ、オービタルシェーカ又は他のタイプのシェーカ、ヒートブロックなどが含まれる。オービタル及び他のタイプのシェーカを参照すると、容器がその上に支持され、ユーザはシェーカを動作させて、容器及びその中の中身を混合させる。
【0004】
知られているシェーカ又はロッカ(rocker)のユーザが直面する問題には、動く範囲が限定されていること、及び/又は容器を装置に留められないことが含まれる。さらに、多くの装置は、動作前又は動作中に、少なくともいくらかの又は相当な量のユーザ側の実地での介入を必要とする。
【0005】
したがって、動作中にそこに容器を留めながら、1つ又は複数の平面及び/又は軸において移動及び/又は振動することが可能な装置が必要とされている。前述の機能を実現する自動化された装置が特に望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様では、容器支持装置が提供される。例示的な容器支持体は、i)基部;ii)基部に連結されて上に載置された容器を支持するステージ;iii)ステージに連結された少なくとも1組の対向する保持部材、少なくとも1組の対向する保持部材は、互いに対して変動可能(commutable)である;iv)それぞれの保持部材に一体化されて容器をステージに留める制限部;及びv)1組の対向する保持部材のそれぞれの保持部材に一体化されて容器をステージに留める制限部を備えてよい。
【0007】
一実施形態では、ステージはステージ平面を画定する。一実施形態では、ステージは中心点を有する。
【0008】
一実施形態では、ステージは傾斜軸の周りで傾斜させられるか又は傾斜可能である。
【0009】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、傾斜軸の周りで前記ステージを傾斜させるための傾斜アクチュエータをさらに備えてよい。一実施形態では、傾斜軸はステージの縁部に平行である。
【0010】
一実施形態では、ステージはx軸に沿って、y軸に沿って、又はx及びy軸の両方に沿って、ステージ平面に沿って移動可能である(x及びy軸はステージ平面に位置している)。
【0011】
一実施形態では、前記少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数は、それぞれ延出可能且つ格納可能である。一実施形態では、前記少なくとも1組の対向する保持部材のそれぞれは、それぞれ延出可能且つ格納可能である。
【0012】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数は、ステージ平面に沿って直線的に延出及び格納される。
【0013】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数はステージなどに固定されている。一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材のそれぞれはステージなどに固定されている。
【0014】
一実施形態では、それぞれの保持部材はブラケットである。一実施形態では、1組の対向する保持部材の少なくとも1つのブラケットは変形可能であり弾性的である。
【0015】
一実施形態では、制限部はブラケットの壁又は角である。
【0016】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材のそれぞれの保持部材は面取り又はベベル加工されている。
【0017】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、前記少なくとも1組の対向する保持部材のそれぞれの保持部材に、斜面に沿って後行縁部(lagging edge)に連結された先行縁部(leading edge)をさらに備えてよく、前記後行縁部は、(ステージ平面における)前記ステージの中心点に対して、前記先行縁部より内向きに設定されている。
【0018】
一実施形態では、前記少なくとも1組の対向する保持部材が延出するにつれて、前記容器は、前記斜面を登って前記ステージ平面に垂直な軸において前記容器を上昇させ、前記少なくとも1組の対向する保持部材が格納されるにつれて、前記容器は、前記斜面を下って前記ステージ平面に垂直な前記軸において前記容器を下降させる。
【0019】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、少なくとも1組の対向する保持部材を延出及び格納させるためのアクチュエータをさらに備えてよい。
【0020】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、アクチュエータに連結された枢動部材をさらに備えてよい。一実施形態では、前記枢動部材は前記ステージに枢動可能に連結されている。
【0021】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材は枢動部材に連結されている。
【0022】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、保持部材のそれぞれを枢動部材にそれぞれ連結させる複数のアームをさらに備えてよい。一実施形態では、前記複数のアームは前記枢動部材に枢動可能に連結されている。
【0023】
一実施形態では、前記複数のアームのうちの第1の対は、互いから180度で前記枢動部材に取り付けられている。
【0024】
一実施形態では、前記複数のアームのうちの第2の対は、互いから180度で前記枢動部材に取り付けられている。
【0025】
一実施形態では、前記複数のアームのうちの前記第1の対のそれぞれの前記枢動部材への取付けは、前記複数のアームのうちの前記第2の対のそれぞれから90度でない。
【0026】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、複数のアームのうちの対向する第1の組のそれぞれ、又は複数のアームのうちの対向する第2の組のそれぞれ、又はその両方に1つ又は複数のコンプライアント部材をさらに備えてよい。
【0027】
一実施形態では、1つ又は複数のコンプライアント部材は、複数のアームと保持部材の連結部及び複数のアームと枢動部材の連結部の中間にある。
【0028】
一実施形態では、前記制限部はピンである。一実施形態では、ピンは、1組の対向する保持部材が延出させられたときに容器に係合する。一実施形態では、ピンは、容器の下側などで容器の壁、縁部、又は角に係合する。
【0029】
一実施形態では、ピン又はブラケットは弾性的である。
【0030】
一実施形態では、延出構成にある1組の対向する保持部材のそれぞれにあるピンは、協働して容器をステージに留める。
【0031】
一実施形態では、ステージに取り付けられたそれぞれのブラケット、又は格納構成にある1組の対向する保持部材のそれぞれにあるそれぞれのブラケットは、協働して容器をステージに留める。
【0032】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、1つ又は複数の荷重センサをさらに備えてよい。
【0033】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、1つ又は複数の荷重センサをさらに備えてよい。
【0034】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、1つ又は複数の荷重センサをさらに備えてよく、複数の保持部材が延出構成にあるとき、培養容器は1つ又は複数の荷重センサから係合解除する。
【0035】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、1つ又は複数のモータ駆動式リードスクリューをさらに備えてよい。一実施形態では、1つ又は複数のモータ駆動式リードスクリューは、ステージの平面においてステージを移動させる。一実施形態では、ステージは、(ステージ平面に位置する)x軸、(ステージ平面に位置する)y軸、又は(ステージ平面に位置する)x及びy軸の両方において移動可能である。一実施形態では、第1のモータ駆動式リードスクリューがx軸においてステージを移動させ、第2のモータ駆動式リードスクリューがy軸においてステージを移動させる。
【0036】
別の例示的な実施形態では、本開示の容器支持体は、i)基部;ii)基部に連結されたステージ;及びiii)前記ステージに連結された少なくとも1組の対向する保持部材、前記少なくとも1組の対向する保持部材は、前記ステージの上に支持された容器の1つ又は複数の縁部に対して付勢可能であり、それによって前記容器を前記ステージに留める、を備えてよい。
【0037】
一実施形態では、前記ステージは前記基部に対して傾斜させられる。一実施形態では、前記ステージは前記基部に傾斜可能に連結されている。一実施形態では、容器支持体は、ヒンジ(例えば傾斜軸)の周りで前記ステージを傾斜させるための傾斜アクチュエータをさらに備えてよい。
【0038】
一実施形態では、容器支持体は、x軸及びy軸を有するステージ平面を画定する容器支持表面を備える。一実施形態では、ステージ(例えば容器支持表面)は、x軸、y軸、又はx及びy軸の両方などにおいて、ステージ平面内を移動可能である。
【0039】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、1つ又は複数のモータ駆動式リードスクリューをさらに備えてよい。一実施形態では、1つ又は複数のモータ駆動式リードスクリューは、基部に対してステージを移動させる。一実施形態では、ステージは(ステージ平面に位置する)x軸、(ステージ平面に位置する)y軸、又は(ステージ平面に位置する)x及びy軸の両方に沿って移動可能である。一実施形態では、第1のモータ駆動式リードスクリューがx軸に沿ってステージを移動させ、第2のモータ駆動式リードスクリューがy軸に沿ってステージを移動させる。
【0040】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、ステージに留められる容器の1つ又は複数の縁部、壁、又は角にそれぞれ係合する少なくとも1組の対向する保持部材のそれぞれに、制限部をさらに備えてよい。
【0041】
一実施形態では、前記制限部はピンである。一実施形態では、前記ピンは弾性的である。弾性的なピンは、それに力が加えられたときに屈曲し、次いで力がなくなるとその元の位置に戻ることができる。
【0042】
一実施形態では、前記少なくとも1組の対向する保持部材は前記ステージに対して固定されている。一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材の一部分は、ステージに固定的に取り付けられている。こうした実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材、又はその一部分は変形可能であってよく、復元変形力が、少なくとも1組の対向する保持部材のそれぞれの制限部を、ステージに位置決めされている容器の1つ又は複数の外側の縁部又は壁に対して付勢する。
【0043】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数は、第1の位置から第2の位置へと延出可能であり、第2の位置から第1の位置へと格納可能であるなど、それぞれ延出可能且つ格納可能である。
【0044】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数は、(第1の位置から第2の位置へと延出可能であり、第2の位置から第1の位置へと格納可能であるなど)それぞれ延出可能且つ格納可能であり、少なくとも1組の対向する保持部材を延出させることにより、その上の制限部が容器の1つ又は複数の縁部又は壁に対して付勢される。一実施形態では、1つ又は複数の縁部又は壁は、容器(例えばスカート部付き容器(skirted vessel))の(内)下側にある。
【0045】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数に(直接的又は間接的に)連結された1つ又は複数のアクチュエータをさらに備えてよい。一実施形態では、1つ又は複数のアクチュエータは、少なくとも1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数を延出及び格納させる。
【0046】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、枢動部材をさらに備えてよい。一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材及び1つ又は複数のアクチュエータは、枢動部材に連結されており、枢動部材を作動させることにより、第1の延出位置及び第2の格納位置の間で少なくとも1組の対向する保持部材が移動する。
【0047】
一実施形態では、前記枢動部材は前記ステージに枢動可能に連結されている。一実施形態では、枢動部材はホイールであり、当該ホイールは、ホイールの中心点を通る軸の周りで双方向に回転する。
【0048】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、保持部材のそれぞれを枢動部材にそれぞれ連結させる複数のアームをさらに備えてよい。一実施形態では、前記複数のアームは前記枢動部材に枢動可能に連結されている。
【0049】
一実施形態では、前記複数のアームのうちの第1の対は、互いから180度で前記枢動部材に取り付けられており、又は別の言い方をすれば、第1の対のアームのそれぞれのアームの取付けは、枢動部材の中心点の周りで互いから180度の角度で隔てられている。
【0050】
一実施形態では、前記複数のアームのうちの第2の対は、互いから180度で前記枢動部材に取り付けられており、又は別の言い方をすれば、第2の対のアームのそれぞれのアームの取付けは、枢動部材の中心点の周りで互いから180度の角度で隔てられている。
【0051】
一実施形態では、複数のアームのうちの第1の対のそれぞれのアームの枢動部材への取付けは、複数のアームのうちの第2の対のそれぞれのアームから90度でなく、又は別の言い方をすれば、第1の対のアームのそれぞれのアームの取付けは、第2の対のアームのそれぞれのアームの枢動部材への取付けに対して、枢動部材の中心点の周りで90度より大きいか又は小さい(しかし180度より小さい)角度で隔てられている。
【0052】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、複数のアームのうちの対向する第1の組のそれぞれ、又は複数のアームのうちの対向する第2の組のそれぞれ、又はその両方に1つ又は複数のコンプライアント部材をさらに備えてよい。一実施形態では、1つ又は複数のコンプライアント部材は、各保持部材及び枢動部材との、(複数のアームのうちの各アームの)連結部の中間にある。
【0053】
一実施形態では、前記少なくとも1組の対向する保持部材のそれぞれの保持部材は、面取り又はベベル加工部分を含む。一実施形態では、(1組の対向する保持部材の)それぞれの面取り又はベベル加工された保持部材は、斜面に沿って後行縁部に連結された先行縁部をさらに備えてよく、前記後行縁部は、前記ステージの中心点に対して前記先行縁部より内向きに設定されている。一実施形態では、前記少なくとも1組の対向する保持部材が延出するにつれて、容器は、前記斜面を登って前記容器支持表面に垂直な軸において前記容器を上昇させ、前記少なくとも1組の対向する保持部材が格納されるにつれて、前記容器は、前記斜面を下って前記容器支持表面に垂直な前記軸において前記容器を下降させる。
【0054】
一実施形態では、本開示の容器支持体は、1つ又は複数の荷重センサをさらに備えてよい。一実施形態では、本開示の容器支持体は、1つ又は複数の荷重センサをさらに備えてよく、少なくとも1組の対向する保持部材が延出させられているとき、容器は1つ又は複数の荷重センサから係合解除する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本明細書に記述される様々な実施形態をよりよく理解し、これらの様々な実施形態をどのように実行に移し得るかをより明確に示すために、一例として、少なくとも1つの例示的な実施形態を示しており次に記述される添付図面を参照する。図面は、本明細書に記述される教示の範囲を限定することを意図していない。
【0056】
【
図1】本開示の容器支持装置の一般化された実施形態を示す図である。パネルA)及びB)は、2つの異なる一般化された実施形態の上面図であり、パネルC)はパネルA)及びB)に図示されている実施形態の正面図である。本明細書に記述される要素のいずれも、図示されている実施形態のいずれにも組み込まれてよい。
【0057】
【
図2】本開示の容器支持体の上面図である。少なくとも1組の対向する保持部材が格納(A)又は延出(B)した構成のいずれかにある、容器支持体の一実施形態が図示されている。
【0058】
【
図3】動作中の本開示の容器支持体の斜視図である。少なくとも1組の対向する保持部材が格納され、その上に載っている容器から係合解除された状態の、静止位置にある容器支持体の一実施形態が図示されている(A)。少なくとも1組の対向する保持部材が延出構成にあり、1組の対向する保持部材の制限部が、その上に載っている容器の縁部又は角に係合した状態の、静止位置にある容器支持体が図示されている(B)。(B)の容器支持体の、傾けられ又は傾斜した構成である(C)。
【0059】
【
図4】
図3Cに図示されている容器支持体の一部分の拡大図である。
【0060】
【
図5】容器が透明に示されていることを除いて
図4と同じ画像である。
【0061】
【
図6】
図2に図示されているものとは異なる複数のアームの代替的な実施形態を備える、本開示の容器支持体の上面図である。
【0062】
【
図7】容器支持体の代替的な実施形態の部分斜視図であり、例示的な磁気フィードバックフィーチャの位置決めを見せるために、アクチュエータ応答要素(例えば枢動ホイール)が想像線で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0063】
特許請求される主題の少なくとも1つの実施形態の一例を提供するために、様々な装置、システム、及び方法を以下に記述する。以下に記述する実施形態のいずれも、いかなる特許請求される主題も限定せず、任意の特許請求される主題は、以下に記述されているものとは異なる装置、システム、及び方法を包含してよい。特許請求される主題は、以下に記述されている任意の1つのシステム、装置又は方法のすべての特徴を有するシステム、装置及び方法、又は以下に記述されているシステム、装置及び方法のうちの複数又はすべてに共通する特徴に限定されない。特許請求され得る主題は、その特許請求の範囲及び図を含む、この文献の任意の部分に開示されている要素又はプロセスステップの任意の組合せ又は部分的組合せに存在してよい。したがって、本明細書の教示にしたがって開示されるシステム、装置又は方法は、本明細書に含まれる特徴のうちの任意の1つ又は複数を具現化してよく、特徴は、その意図された目的のために物理的に実施可能且つ実現可能である任意の特定の組合せ又は部分的組合せで使用されてよいことが、当業者には理解されよう。
【0064】
さらに、以下に記述されるシステム、装置又は方法は、任意の特許請求される主題の一実施形態でない場合がある。この文献において特許請求されていない、本明細書に記述されるシステム、装置又は方法において開示される任意の主題は、別の保護的文書、例えば継続的特許出願の主題である場合があり、出願人、発明者、及び/又は所有者は、この文献におけるその開示により、任意のこうした発明を破棄、放棄、又は公衆に供することを意図していない。
【0065】
説明を簡潔且つ明瞭にするために、適切であると考えられる場合、対応する又は類似の要素を示すために、各図において参照番号が繰り返される場合があることも理解されたい。さらに、本明細書に記述される例示的な実施形態の徹底した理解を提供するために、数多くの特定の詳細を述べる。しかしながら、本明細書に記述される例示的な実施形態はこれらの特定の詳細なしに実施されてよいことが当業者には理解されよう。他の例では、本明細書に記述される例示的な実施形態を曖昧にしないために、よく知られている方法、手順及び構成要素は詳細に記述していない。また、記載は、本明細書に記述されている例示的な実施形態の範囲を限定するものと考えられるべきではない。
【0066】
本明細書において使用される「実質的に」、「おおよそ」、及び「約」などの程度についての用語は、修飾されている用語の妥当な量の偏差を意味しており、したがって結果は有意に変化しないことに留意されたい。この偏差が、それが修飾する用語の意味を無効にしない場合、程度についてのこれらの用語は、例えば1%、2%、5%、又は10%などの、修飾されている用語の偏差を含むと解釈されるべきである。
【0067】
さらに、本明細書における、終点を用いた任意の数値範囲の記載は、その範囲に包摂されるすべての数及び小数を含む(例えば、1から5は1、1.5、2、2.75、3、3.90、4及び5を含む)。すべての数及びその小数は用語「おおよそ」によって修飾されていると想定されており、これは最終的な結果が有意に変化しない場合、例えば1%、2%、5%、又は10%などの、参照されている数の特定の量までの変動を意味することも理解されたい。
【0068】
本明細書において、「及び/又は」という表現は、包括的論理和(inclusive-or)を表すことを意図していることにも留意されたい。つまり、例えば「X及び/又はY」は、X又はY又はその両方を意味することを意図している。別の例として、「X、Y及び/又はZ」は、X又はY又はZ又はそれらの任意の組合せを意味することを意図している。
【0069】
本開示は装置に関し、より具体的には、動作中にその上に載っている容器を支持及び留めるための装置に関する。特定の態様では、本開示は、細胞培養などの科学的用途又は分析用途において使用され得る容器支持装置に関する。一実施形態では、容器は細胞培養プレート又はフラスコである。一実施形態では、容器はスカート部付き細胞培養プレート又はフラスコである。
【0070】
本開示において使用される場合、用語「変動可能(commutable)」は、要素又はその一部が、少なくともいくらかは移動又は変位できるという特性を指す。例えば、本開示の保持部材は変形可能又は伸長可能でよく、しかも変形又は伸長させられなくなると、その元の形状に戻り得る(すなわち、復元変形力を受けやすくてよい)。こうした実施形態では、別の例において、保持部材は物理的な場所を変化させることができ、次いでその出発した場所に戻ることができてよい。
[装置]
【0071】
本開示の一態様では、容器を支持するための装置が提供される。容器は、組織培養フラスコ、マイクロプレート、又はマイクロウェルデバイスなどの任意の入れ物であってよい。
【0072】
本開示の装置は、装置が動作中又は使用中であるときなどに、そこに容器を留めることもできる。一実施形態では、装置は容器支持手段(例えばステージ)、及び支持手段に容器を留めるための1つ又は複数の手段(例えば保持部材)を備える。一実施形態では、本開示の装置は、容器を支持手段に留めるための複数の手段を備える。一実施形態では、本開示の装置は、容器を支持手段に留めるための複数組の手段を備える。容器を支持手段に留めるための手段は、対向する組で、又は協働して容器を支持手段に留める組で提供されることが重要な場合がある。
【0073】
図1、
図2及び
図6は、本開示の装置の様々な実施形態を示す。一実施形態では、容器支持体1は基部3、及び基部に連結されたステージ5を備えてよい。ステージ5はその上に載置された容器を支持してよく、したがってステージ5は容器支持表面6又は複数の表面を備える。
【0074】
ステージ5、又はより具体的には容器支持表面6は、ステージ平面s
pを画定してよい。一実施形態では、ステージ5(例えば容器支持表面6)は定置式であり、又は基部3に対して固定されている。一実施形態では、ステージ5(例えば容器支持表面6)は基部3に対して移動可能である。例えば、ステージ5は、基部3(又はステージ平面)に対してx軸、y軸、及びz軸のうちの1つ又は複数において移動可能であってよい(
図1を参照)。一実施形態では、ステージ5は、基部3(又はステージ平面)に対してx軸、y軸、及びz軸のうちの2つ又はそれよりも多くにおいて移動可能である。一実施形態では、ステージ5は、基部3(又はステージ平面)に対してx軸、y軸、及びz軸のそれぞれにおいて移動可能である。
【0075】
本明細書におけるx及びy軸を参照すると、こうした軸は概してステージ平面s
pに位置している(
図1)。本明細書におけるz軸を参照すると、こうした軸は(ステージ平面s
pによって画定される)xy軸に対して概して垂直である。
【0076】
一実施形態では、ステージ5は基部3に対して傾斜させられる。一実施形態では、ステージ5は、ヒンジなどにより、枢動部p(
図2及び
図3を参照)において枢動可能又は傾斜可能に基部3に連結されている。こうした実施形態では、ステージ5は基部3に対し、z軸において枢動部pの周りで傾斜し得る。一実施形態では、ステージ5は枢動部pの周りで手動で傾斜可能である。一実施形態では、ステージ5は電気信号に応答して傾斜する。
【0077】
電気信号に応答してステージ5が傾斜する実施形態では、枢動部pは、傾斜軸tの周りでステージ5を上方及び下方に傾斜させるための傾斜アクチュエータ7を備えてよい(例えば
図3のCを参照)。一実施形態では、傾斜軸tはステージ5の縁部に平行である。一実施形態では、傾斜軸tはステージ5の縁部と実質的に同じ平面にある。
【0078】
一実施形態では、容器支持体1は複数の保持部材10を備える(
図1~
図6を参照)。一実施形態では、複数の保持部材10はステージ5に連結されている。一実施形態では、容器支持体1は複数組の保持部材10を備える。一実施形態では、容器支持体1は少なくとも1組の対向する保持部材10を備える。本明細書では、参照番号10によって総称的な意味で保持部材を指す場合があり、保持部材の数に応じて、それらは個別に10a、10bなどと呼ばれる場合がある。
【0079】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材などの複数の保持部材10は、互いに対して変動可能(commutable)(例えば変位可能)である。保持部材10が相対的に変位することにより、複数の保持部材10(例えば、少なくとも1組の対向する保持部材)の間にステージ上の容器を載置及び/又は留めることが容易になり得る。
【0080】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材などの複数の保持部材10は付勢可能である。一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材などの複数の保持部材10は、ステージ上に支持されている容器の1つ又は複数の縁部、壁、又は角に対して付勢可能であり、それによって容器をステージに留める。
【0081】
以下でさらに記述されるように、保持部材10は所定の位置に(ステージ5に)固定されていてよく、1つ又は複数は、伸長し得る柔軟又は変形可能な材料で作成されるか又はそれを含み、それによって少なくとも1組の対向する保持部材10の間に容器を収容して受けることができる。異なる実施形態では、保持部材10はステージ5に連結されるが固定された位置ではなく、空間内で(例えばステージ平面の直線軸において)互いに対して移動する。
【0082】
保持部材10が固定されている実施形態では、それらはステージ5に固定されていてよい。一実施形態では、保持部材10(例えば少なくとも1組の対向する保持部材)はブラケットである。ブラケットなどの保持部材10は、接着剤、対応して形状設定されたステージ5の溝への締り嵌めを用いるか、又はリベット、ねじ、又はボルトなどの金具を使用するなど、任意の従来型の手段を使用してステージ5に連結されていてよい。
【0083】
保持部材10がステージ5に対して固定されている実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材の少なくとも1つのブラケットは変形可能である。一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材の、1より多いブラケットは変形可能である。しかし、変形可能ブラケットは弾性的であり、したがって操作されるか又は伸長させられた後にそれらの元の形状に戻り得る。したがって、変形可能ブラケットはそれらの間に容器を収容するように操作されるか又は伸長され得るが、それらの元の形状へと戻るか又は動いて容器をステージ5に留めるのに十分な復元変形力を有する。
【0084】
前述の実施形態では、保持部材10(例えば少なくとも1組の対向する保持部材のうちの一方又は両方)は、熱可塑性ポリマーなどのポリマーで作成されていてよい。特定のこうした実施形態では、熱可塑性ポリマーはABSポリマーなどである。
【0085】
保持部材10が位置を変化させてよいか又は物理的に移動してよい実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10のうちの1つ又は複数は、(ステージの中心点に対して)延出及び格納させられてよい。一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10のうちの1つ又は複数は、ステージ平面spに沿ってなど、ステージ5に平行な平面内の直線軸に沿って延出及び格納される。
【0086】
一実施形態では、保持部材10(例えば少なくとも1組の対向する保持部材)は面取り又はベベル加工されているか、又は面取り又はベベル加工部分を備える(
図3~
図5を参照)。一実施形態では、容器支持体1は、対向する第1の組の面取り又はベベル加工された保持部材10a及び10cを備える。一実施形態では、容器支持体1は、対向する第1の組(10a及び10c)及び第2の組(10b及び10d)の面取り又はベベル加工された保持部材を備える。一実施形態では、容器支持体1は、複数の保持部材10のうちの対向する少なくとも1組を備える。
【0087】
以下の記載では
図4及び
図5が参照され、面取り又はベベル加工された複数の保持部材10のうちの1つ又は2つ(すなわち10a及び10b)のみが示される。一方又は両方の面取り又はベベル加工された保持部材10a及び10bについての記載は、(
図4及び
図5には示されていない)面取り又はベベル加工された保持部材10c及び10dなどの、追加の面取り又はベベル加工された保持部材に等しく適用してよい。
【0088】
一例として、面取り又はベベル加工された保持部材10aは、斜面25(保持部材10aの文脈では具体的には25a)に沿って後行縁部30(保持部材10aの文脈では具体的には30a)に連結された先行縁部20(保持部材10aの文脈では具体的には20a)を備えてよい。一実施形態では、複数の保持部材のうちの対向する組のそれぞれは、斜面25に沿って後行縁部30に連結された先行縁部20を備える。一実施形態では、後行縁部30は、(ステージ平面における)ステージ5の中心点に対して、先行縁部20より内向きに設定されている。
【0089】
したがって、(例えば1組の対向するベベル加工又は面取りされた保持部材10のそれぞれの上で)ステージ5、より具体的には容器支持表面6に載っている容器40は、少なくとも1組の対向する保持部材10が延出するにつれて、斜面25を登ってステージ5(例えばステージ平面)に垂直な軸において容器を上昇させることができ、容器40は、少なくとも1組の対向する保持部材10が格納されるにつれて、斜面25を下ってステージ5(例えばステージ平面)に垂直な軸において容器を下降させることができる(
図3のA及び
図3のB)。
【0090】
図2及び
図4~
図6を参照すると、一実施形態では、容器支持体1は、少なくとも1組の対向する保持部材10を延出及び格納させるためのアクチュエータ50をさらに備える。一実施形態では、1つ又は複数のアクチュエータが容器支持体1に備えられている。例えば、単一のアクチュエータが保持部材10のうちの1つ又は複数の延出及び格納を担っていてよい。又は、複数のアクチュエータが、対向する組の両方の保持部材の延出を担っていてよい。又は、対向する組の数に関わらず、複数のアクチュエータがそれぞれの保持部材の延出及び格納を担っていてよい。いかなる場合でも、1つ又は複数のアクチュエータを作動させることにより、対向する少なくとも1組の1つ又は複数の保持部材などの、1つ又は複数の保持部材が延出又は格納される。
【0091】
一実施形態では、アクチュエータ50は基部3に連結されている。一実施形態では、アクチュエータ50はステージ5に連結されている。アクチュエータ50は、容器支持体1の上に位置決めされている容器を把持するように(それによって容器をステージ5に留めるように)少なくとも1組の対向する保持部材10を相対的に移動させ得るので、それは把持アクチュエータと呼ばれる場合がある。
【0092】
様々なタイプ及び様々な動作手段のアクチュエータが当業者に知られている。例えば、アクチュエータ50はリニアアクチュエータ又はロータリアクチュエータであってよい。さらに、アクチュエータ50はステッピングモータ駆動式又はソレノイド駆動式であってよい。
【0093】
一実施形態では、容器支持体1はアクチュエータ50と通じている少なくとも1つのアクチュエータ応答要素55を備える。一実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ応答要素55はアクチュエータ50に連結されている。一実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ応答要素は枢動ホイールなどの枢動部材である。したがって、一実施形態では、枢動部材57はアクチュエータ50に連結されており、アクチュエータ50の作動又はストロークにより、枢動部材57が回転する。
【0094】
一実施形態では、枢動部材57は基部3に(枢動可能に)連結されている。一実施形態では、特にステージ5が傾斜させられるか又は傾斜可能であるこれらの実施形態では、枢動部材はステージ5に(枢動可能に)連結されている。
【0095】
枢動部材57の回転/枢動の程度は制限されてよい。例えば、枢動部材57の回転/枢動は、アクチュエータ50の運動又はストロークによって限定されてよい。一実施形態では、アクチュエータ50の運動により、枢動部材が約+/-4度回転/枢動する。一実施形態では、アクチュエータ50の運動により、枢動部材が約+/-6度回転/枢動する。一実施形態では、アクチュエータ50の運動により、枢動部材が約+/-8度回転/枢動する。一実施形態では、アクチュエータ50の運動により、枢動部材が約+/-10度回転/枢動する。一実施形態では、アクチュエータ50の運動により、枢動部材が約+/-12度回転/枢動する。一実施形態では、アクチュエータ50の運動により、枢動部材が約+/-14度回転/枢動する。一実施形態では、アクチュエータ50の運動により、枢動部材が約+/-16度回転/枢動する。一実施形態では、アクチュエータ50の運動により、枢動部材が約+/-18度回転/枢動する。一実施形態では、アクチュエータ50の運動により、枢動部材が約+/-20度回転/枢動する。枢動部材57の回転/枢動は+/-20度より大きくてよいが、大半の実施形態では、それは90度を超えない。
【0096】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10及び1つ又は複数のアクチュエータ50は枢動部材57に連結されており、アクチュエータ50の作動又はストロークによって枢動部材57が枢動又は回転し、それによって第1の延出位置及び第2の格納位置の間で少なくとも1組の対向する保持部材10が移動又は駆動する(
図3のA及び
図3のBを参照)。
【0097】
容器支持体1、より具体的には枢動部材/ホイール57などのアクチュエータ応答要素55は、1つ又は複数の磁気フィーチャ58をさらに備えてよい。一実施形態では、1つ又は複数の磁気フィーチャ58は枢動部材/ホイール57の回転又は枢動平面に位置決めされている(
図7)。一実施形態では、1つ又は複数の磁気フィーチャ58は、枢動部材57などのアクチュエータ応答要素55の下側に接着されるか又はその他の方法で取り付けられたリングに配置されている。一実施形態では、1つ又は複数の磁気フィーチャ58は、枢動部材57などのアクチュエータ応答要素55に一体化されるか又は備えられたリングに配置されている。一実施形態では、1より多い磁気フィーチャ58がアクチュエータ応答要素55(例えば枢動部材57)に備えられるか又は取り付けられている。
【0098】
一実施形態では、1より多い磁極が磁気フィーチャ58の周りに散在している。一実施形態では、少なくとも4個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも6個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも8個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも10個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも12個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも14個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも16個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも18個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも20個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも22個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも24個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも26個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。一実施形態では、少なくとも28個の磁極が磁気フィーチャに、又はその周りに配置されている。いかなる場合でも、磁極の数は所望される感度のレベル、及び/又は枢動部材/ホイール57の半径によって決定されることになる。
【0099】
一実施形態では、容器支持体1は、基部3又はステージ5に連結された読取りヘッド59をさらに備える(
図7を参照)。したがって、1つ又は複数の磁気フィーチャ58及び読取りヘッドは、(読取りヘッド59からのフィードバックを介して)協働して、回転/枢動が生じたか否か、及び(両方向における)こうした枢動の大きさをフィードバックし得る。一実施形態では、読取りヘッド59は、1つ又は複数の磁気フィーチャ58(例えば磁極)が読取りヘッド59を越えて運動したときに、1つ又は複数の磁気フィーチャ58の磁場を検出する。一実施形態では、読取りヘッド59は、通過した磁場の数に基づいて、回転/枢動が生じたか否か、及び(両方向における)こうした枢動の大きさをフィードバックし得る。
【0100】
一実施形態では、(枢動部材57などのアクチュエータ応答要素55に連結されている)アクチュエータ50の作動又はストロークにより、枢動部材57が様々な方向に枢動する。例えば、アクチュエータ50が下方にストロークすると枢動部材57が第1の方向に枢動/回転し、それによって1つ又は複数の保持部材10を第1の格納位置から第2の延出位置へと駆動又は延出させることができ、アクチュエータ50が上方にストロークすると枢動部材57が第2の(例えば逆の)方向に枢動/回転し、それによって1つ又は複数の保持部材10を第2の延出位置から第1の格納位置へと格納することができる。
【0101】
一実施形態では、容器支持体1は、それぞれの保持部材10、及び枢動部材57などのアクチュエータ応答要素55にそれぞれ取り付けられた複数のアーム60をさらに備える。したがって、アーム60により、保持部材10が枢動部材57などのアクチュエータ応答要素55に連結され得る。本明細書では、個々のアーム60はアーム60の数に応じて60a、60bなどと呼ばれ得る。一実施形態では、アーム60の第1の端部65は保持部材10に取り付けられており、アーム60の第2の端部67は枢動部材57などのアクチュエータ応答要素55に取り付けられている(第1の端部及び第2の端部が1つのアームにおいてのみ示されている
図2及び
図6を参照、しかし図示されているその他のアームのいずれにも適用してよい)。
【0102】
一実施形態では、複数のアーム60は保持部材10のそれぞれに固定的に連結されているか又は一体化されていてよい。一実施形態では、複数のアーム60は保持部材10のそれぞれに枢動可能に連結されていてよい。
【0103】
一実施形態では、容器支持体1は対向する第1の組のアーム60、例えばアーム60a及び60cを備える。一実施形態では、容器支持体1は対向する第1の組のアーム(60a及び60c)及び対向する第2の組のアーム(60b及び60d)を備える。容器支持体1は、複数のアーム60のうちの対向する少なくとも1組を備えることが好ましい。したがって、アクチュエータ50の作動又はストロークに応答して、複数のアーム60のうちの対向する1組によって少なくとも1組の対向する保持部材10に押す力及び引く力が加えられたとき、少なくとも1組の対向する保持部材10は延出及び格納される。
【0104】
複数のアーム60は、枢動又は回転部材57などの少なくとも1つのアクチュエータ応答要素55に連結されている。一実施形態では、複数のアーム60は、少なくとも1つのアクチュエータ応答要素55、57に枢動可能に連結されている。
【0105】
一実施形態では、複数のアーム60のうちの対向する第1の組は、少なくとも1つのアクチュエータ応答要素55、57に互いから180度で取り付けられており、又は別の言い方をすれば、第1の対のアームのそれぞれのアームの取付けは、枢動部材の中心点の周りで互いから180度の角度で隔てられている。
【0106】
複数のアーム60のうちの対向する第2の組を含む実施形態では、複数のアーム60のうちの対向する第2の組は、少なくとも1つのアクチュエータ応答要素55、57に互いから180度で取り付けられており、又は別の言い方をすれば、第2の対のアームのそれぞれのアームの取付けは、枢動部材の中心点の周りで互いから180度の角度で隔てられている。
【0107】
一実施形態では、複数のアームのうちの第1の対のそれぞれのアームの枢動部材への取付けは、複数のアームのうちの第2の対のそれぞれのアームから90度でなく、又は別の言い方をすれば、第1の対のアームのそれぞれのアームの取付けは、第2の対のアームのそれぞれのアームの枢動部材への取付けに対して、枢動部材の中心点の周りで90度より大きいか又は小さい(しかし180度より小さい)角度で隔てられている。
【0108】
一実施形態では、対向する第1の組のアーム60は、第1のアーム及び第2のアームを備える。こうした実施形態では、第1のアームは第1の場所で枢動部材57に取り付けられており、第2のアームは第2の場所で枢動部材57に取り付けられており、第1の場所は、枢動部材57の中心点の周りで第2の場所から約180度の角度で隔てられている。
【0109】
対向する2組のアーム60を備える実施形態では、第1及び第2のアームは上に記述されたように枢動部材57に取り付けられていてよく、対向する第2の組のアーム60は、第3のアーム及び第4のアームを備える。こうした実施形態では、第3のアームは第3の場所で枢動部材57に取り付けられており、第4のアームは第4の場所で枢動部材57に取り付けられており、第3の場所は、枢動部材57の中心点の周りで第4の場所から約180度の角度で隔てられている。こうした実施形態では、第1の場所は、枢動部材57の中心点の周りで90度より大きいか又は小さい角度で第3の場所から隔てられていてよく、第2の場所は、枢動部材57の中心点の周りで90度より大きいか又は小さい角度で第4の場所から隔てられていてよい。
【0110】
少なくとも1つのアクチュエータ応答要素55が枢動又は回転可能部材57である場合、複数のアームのうちの対向する第1の組のうちの1つのそこへの取付けは、複数のアームのうちの対向する第2の組のうちの1つの取付けから適切に間隔を空けられている必要がある場合がある。複数のアーム60のうちの対向する第1の組及び/又は第2の組のそれぞれに連結されている保持部材10が実質的に同じ距離だけ延出及び格納させられるために、複数のアームのうちの対向する第2の組のそれぞれのアームは、複数のアームのうちの対向する第1の組の最も近いアームから90度未満で、少なくとも1つの把持アクチュエータ応答要素に取り付けられる。言い換えれば、複数のアームのうちの第1の対のそれぞれの枢動部材への取付けは、複数のアームのうちの第2の対のそれぞれのアームから90度でない。前述のことは、保持部材10が長方形のそれぞれの角に配置されているときに特に当てはまる場合があり、保持部材が正方形のそれぞれの角に配置されているときにはあまり当てはまらない場合がある。
【0111】
したがって、アクチュエータ50のストロークに対するアクチュエータ応答要素55、57の応答性(例えば枢動/回転)により、複数のアーム60、及びそれに連結されている保持部材10が延出又は格納されることになる。したがって、容器の縁部又は複数の縁部が保持部材10の斜面25を登るか又は下るのにつれて、ステージ5上で保持部材10の上に位置決めされている容器は、ステージ5に垂直な軸において上昇又は下降することになる。
【0112】
図6を参照すると、一実施形態では、容器支持体1は、複数のアーム60のうちの対向する1組のうちの一方又は両方のアームに、少なくとも1つのコンプライアント部材70をさらに備えてよい。本明細書では、少なくとも1つのコンプライアント部材70のちの個々のものは、アーム60の数に応じて70a、70bなどと呼ばれ得る。
【0113】
一実施形態では、容器支持体1は、複数のアーム60のうちの対向する1組のそれぞれのアームに、複数のコンプライアント部材70を備える。複数のアームのうちの対向する第1の組及び対向する第2の組を含む容器支持体1の一実施形態では、少なくとも1つのコンプライアント部材70は、複数のアームのうちの対向する第1の組のそれぞれのアーム、又は複数のアームのうちの対向する第2の組のそれぞれのアーム、又はその両方に備えられてよい。一実施形態では、複数のアームのうちの対向する1組の1つのアームのみが、1つ又は複数のコンプライアント部材を備える。
【0114】
一実施形態では、少なくとも1つのコンプライアント部材70は、複数のアーム60のそれぞれのアームに一体化されている。一実施形態では、少なくとも1つのコンプライアント部材70は、ポリマー、金属ばね、ゴムなどのような弾性(例えば伸長可能且つ圧縮可能)材料を含んでよい。一実施形態では、コンプライアント部材を備えるそれぞれのアームは、同じ材料で作成されていてよい。以下でさらに議論するように、少なくとも1つのコンプライアント部材70は、複数の保持部材10のうちの対向する1組などによって容器支持体1上の容器の壁又は縁部又は角に及ぼされる力を軽減し得る。
【0115】
一実施形態では、あるアームの1つ又は複数のコンプライアント部材70は、当該アームの第1の端部65及び第2の(対向する)端部67の中間にある。一実施形態では、アームの第1の端部は保持部材10に連結されており、アームの第2の端部は少なくとも1つのアクチュエータ応答要素55(例えば枢動部材57)に連結されている。
【0116】
容器支持体1は、少なくとも1組の対向する保持部材10のそれぞれに、又はその上に一体化された制限部100をさらに備えてよい(
図5及び
図6を参照)。一実施形態では、制限部100はそれぞれの保持部材10に、又はその上に一体化されている。制限部100は容器40の1つ又は複数の縁部、壁、又は角110、112にそれぞれ係合して、容器をステージに留める。一実施形態では、容器の当該縁部、壁、又は角は、容器の外側にある。一実施形態では、容器の当該縁部、壁、又は角は、スカート部付き容器などの容器の内側(例えば下側)にある。
【0117】
一実施形態では、制限部100はピン、突起などである。一実施形態では、制限部100は剛性であるか又は硬い。一実施形態では、制限部100は弾性又は屈曲可能である。一実施形態では、制限部100は約1度、2度、3度、4度、5度、又はそれより大きく屈曲する。一実施形態では、弾性又は屈曲可能制限部100は、復元変形力などの下で、その元の位置に戻り得る。
【0118】
制限部100は、容器支持体1に、具体的にはステージ5及び/又はその容器支持表面6に支持されている容器とインターフェースすることになる。一実施形態では、制限部100(例えばピン)は、1組の対向する保持部材10のそれぞれの保持部材10に設けられている。一実施形態では、制限部100は、ブラケットなどの保持部材の壁又は角である。
【0119】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10、又は第1及び第2の保持部材は、容器をステージ5に留めるように、容器40の1つ又は複数の内側の縁部、壁、又は角に対し、(ステージ5の中心点に対して)外向きに付勢可能である。こうした実施形態では、保持部材のうちの1つ又は複数の少なくとも一部分は内向きに変形可能であり、復元変形力は、容器40の1つ又は複数の内側の縁部、壁、又は角に対して保持部材を付勢して、容器をステージ5に留める。こうした実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10、又は第1及び第2の保持部材のそれぞれの少なくとも一部分は、ステージ5に対して固定されている。
【0120】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10、又は第1及び第2の保持部材のそれぞれの少なくとも一部分は、第1の位置から第2の位置へと(ステージの中心点に対して)外向きに移動可能であり、それによって容器の1つ又は複数の内側の縁部、壁、又は角に対して保持部材を外向きに付勢する。
【0121】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10、又は第1及び第2の保持部材は、容器をステージ5に留めるように、容器40の1つ又は複数の外側の縁部、壁、又は角に対し、(ステージ5の中心点に対して)内向きに付勢可能である。こうした実施形態では、保持部材のうちの1つ又は複数の少なくとも一部分は外向きに変形可能であり、復元変形力は、容器をステージ5に留めるように、容器40の1つ又は複数の外側の縁部、壁、又は角に対して保持部材を付勢する。
【0122】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10、又は第1及び第2の保持部材のそれぞれの少なくとも一部分は、第1の位置から第2の位置へと(ステージの中心点に対して)内向きに移動可能であり、それによって容器の1つ又は複数の外側の縁部、壁、又は角に対して保持部材を外向きに付勢する。
【0123】
一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10は変形可能であり、復元変形力が、容器40の1つ又は複数の外側の縁部、壁、又は角に対し、少なくとも1組の対向する保持部材のそれぞれの制限部100を付勢する。一実施形態では、少なくとも1組の対向する保持部材10は延出可能且つ格納可能であり、少なくとも1組の対向する保持部材を延出させることにより、スカート部付き容器などの容器40の(内)下側の1つ又は複数の内側の縁部、壁、又は角に対して制限部100を付勢する。
【0124】
図5を参照すると、一実施形態では、保持部材10が(アクチュエータ50の影響下で)延出位置にあるとき、制限部100(例えばピン)は容器40の縁部(又は壁)110又は角112に係合する。一実施形態では、1組の対向する保持部材10の制限部100(例えばピン)は、容器40の対向する縁部(又は壁)110又は角112に係合する。したがって、こうした実施形態では、1組の対向する保持部材10の制限部100(例えばピン)は、協働して容器をステージ5に留める。
【0125】
1組の対向する保持部材のそれぞれの制限部100がピン、突起などである実施形態では、それらは延出構成にあるとき、協働して容器をステージ5に留める。1組の対向する保持部材のそれぞれの制限部100がブラケットなどの内側の壁又は角である実施形態では、それらは格納構成にあるとき、協働して容器をステージ5に留める。
【0126】
一実施形態では、制限部100(例えばピン)は、容器のその下側で内側の壁又は縁部110に係合する。一実施形態では、制限部100(例えばピン)は、容器のその下側で内側の角112に係合する。一実施形態では、制限部100(例えばブラケット)は、容器の外側の壁又は縁部に係合する。一実施形態では、制限部100(例えばピン)は、容器の外側の角に係合する。
【0127】
図5及び
図6を参照すると、容器支持体1は、面取り又はベベル加工された保持部材10の対向する1組のうちのそれぞれに、突起又はピン100を備えてよい。一実施形態では、各面取り又はベベル加工された保持部材10のピン100は、ステージ5の中心点に対して後行縁部30に、又はそれより内向きにセットされている。
【0128】
制限部100が弾性的である実施形態では、制限部100により、保持部材が縁部/壁/角に係合するか又はそれらに対して付勢されたときに容器の縁部/壁/角に加えられる力が制限/軽減され得る。一実施形態では、ピン100は弾性的でない。
【0129】
ピン100が弾性的であるか又は非弾性的であるか否かに関わらず、複数のアーム60の1つ又は複数のコンプライアント部材70も、保持部材が容器の縁部、壁、又は角に対して付勢されたときにピン100によってそれらに加えられる力を制限し得る。
【0130】
したがって、1組の対向する保持部材のそれぞれの保持部材10の制限部又はピン100は、こうした1組の対向する保持部材が延出構成にあるときなどに、協働して容器40をステージ5に留め得る。さらに、アクチュエータ50、アクチュエータ応答要素55又は57、複数のアーム60、複数の保持部材(例えば、面取り又はベベル加工された保持部材)10、及び制限部/ピン100のそれぞれは、協働して容器40をステージ5に留め得る。
【0131】
一実施形態では、容器支持体1は、1つ又は複数の荷重センサ150をさらに備えてよい。1つ又は複数の荷重センサ150は、基部3又はステージ5に取り付けられていてよい。荷重センサ150は非常に高感度でもよく、わずか500μg、400μg、300μg、200μg、100μg、90μg、80μg、70μg、60μg、50μg、40μg、30μg、20μg、又は10μgである質量の差を(培養容器に分注される液体の体積などの予想される値と比較して)解読し得る。1つ又は複数の荷重センサ150が特に高感度である場合、例えば、容器がステージに(且つセンサに)載っている間にある質量が容器に載置された場合、センサの損傷が生じ得る。したがって、容器に質量を加える前に、1組の対向するアーム60及び対応する(ベベル加工又は面取りされた)保持部材10を延出させ、それによって(ステージ5及び/又はステージ平面spに垂直な軸において)1つ又は複数のセンサ150から離れるように容器を上昇させることが望ましい場合がある。したがって、1組の対向する(ベベル加工又は面取りされた)保持部材10が延出構成にあるとき、培養容器は1つ又は複数の荷重センサ150から係合解除する。
【0132】
一実施形態では、1つ又は複数の荷重センサ150は、容器に載置された液体又は固体の質量を測定することができ、当該質量が予想されたものと異なっていた場合、次いで警告が操作者に送られ得る。こうしたフィードバックは、液体の正確な分注又は吸引が重要である、液体処理器及び/又は液体分注器を備えた自動化されたシステムに容器支持体1が備えられているときに特に関係し得る。
【0133】
一実施形態では、容器支持体1は1つ又は複数のモータ駆動式リードスクリューをさらに備えて、ステージ平面に平行な平面に沿って、又はその平面においてステージ5を移動させ得る。一実施形態では、ステージはx軸、y軸、又はx及びy軸の両方において移動可能である。一実施形態では、第1のモータ駆動式リードスクリューが、x軸及びy軸においてステージ5を移動させ得る。一実施形態では、第1のモータ駆動式リードスクリューがx軸においてステージを移動させ、第2のモータ駆動式リードスクリューがy軸においてステージを移動させる。
【0134】
一実施形態では、容器支持体1は自動化されており、したがって存在する場合、傾斜アクチュエータ7、アクチュエータ50、及び読取りヘッド59のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のプロセッサ及び電源と通じている。一実施形態では、傾斜アクチュエータ7、アクチュエータ50、読取りヘッド59、及び1つ又は複数のモータ駆動式リードスクリューのうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のプロセッサ及び電源と通じている。
【0135】
一実施形態では、容器支持体1は細胞を培養するためのシステムに備えられてよい。一実施形態では、容器支持体1は細胞を培養するための自動化されたシステムに備えられてよい。
[方法]
【0136】
本開示の一態様では、容器支持体1は実験、分析、又は産業用途で使用されてよい。非限定的な例として、容器支持体1はインキュベート、計量、混合、及び吸引の方法において使用されてよい。
【0137】
本開示の方法は、(上に記述したように)容器支持体の上に容器を支持する段階、及び(上に記述したように)容器をそこに留める段階に関し得る。
【0138】
一実施形態では、容器を容器支持体に留める段階は、少なくとも1組の対向する保持部材の間に容器を設ける段階を有する。容器支持体に備えられている保持部材のタイプ及び特徴は、上に記述したようなものであってよい。したがって、一実施形態では、容器を容器支持体に留める段階は、1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数を、対象の容器を収容する程度まで変形させる(例えば伸長させるか又は引く)段階、及びこうした変形させられた1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数を解放する段階を有し、復元変形力が、1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数のそれぞれの制限部を、容器の内側又は外側の対向する壁又は縁部又は側面又は角に対して付勢する。
【0139】
一実施形態では、容器を容器支持体に留める段階は、枢動部材を作動させて1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数を(格納位置から)延出位置へと延出又は駆動させ、それによって1組の対向する保持部材のうちの1つ又は複数のそれぞれの制限部を付勢して、容器の対向する壁又は縁部又は側面又は角と特にその下側で係合させる段階を有する。
【0140】
上に記述したように留められる容器では、方法は、容器支持体1の基部に対してステージ(及び容器)を移動させる段階をさらに備えてよい。一実施形態では、移動は容器の一縁部を基部から離れるように(基部に垂直な軸において)上昇させる傾斜動作である。一実施形態では、移動はx軸又はy軸、又はその両方などに沿ったステージ平面におけるものである。
【0141】
図3は、動作中の容器支持体1の一例を図示する。
図3のAでは、ステージ5は格納位置にある保持部材10、及びその上に(例えば容器支持表面に)載置された容器40を含む。容器はその中に既に(液体培地などの)中身を含んでよく、又は中身を受け取る準備が整えられていてよい。保持部材10は格納構成にあるので、例えば枢動部p及び傾斜軸tの周りでステージ5を傾斜させることが意図されている場合、容器をステージ5にうまく留めることができない。
【0142】
1つ又は複数の荷重センサ150を備える容器支持体1の実施形態では、容器をその上に載置し且つ/又は(その上に載っている場合)容器に中身を提供する前に、保持部材10を延出させることが重要な場合がある。
図3のBは、保持部材10を延出させ、ピン100を容器40の縁部110又は角112と係合させることによってステージ5に留められた容器40を図示する。したがって、容器はステージ5に垂直な軸において上昇し、1つ又は複数の荷重センサ150を含む実施形態では、容器はそれと接触しなくなり得る。
【0143】
したがって、1つ又は複数の荷重センサを備える容器支持体の実施形態では、こうした容器支持体を使用する方法は、中身がそこに加えられる前及び/又は後に容器の質量を測定(及び登録)する段階を備えてよい。一実施形態では、容器が1つ又は複数の荷重センサから係合解除されたときに容器に中身が加えられてよく、容器(及びその中の中身)を1つ又は複数の荷重センサへと徐々に下降させることにより、中身を加えている間に1つ又は複数の荷重センサを損傷させることなく測定を行うことが可能になる。
【0144】
いくつかの実施形態では、中に含まれ得る任意の中身を分配、混合、又はその他の方法で処理するために、(上に記述したように留められたような)容器を基部3に対して移動させることが望ましい場合がある。容器の中身の分配又は混合は、1つ又は複数のモータ駆動式リードスクリューなどにより、x及び/又はy軸に沿ってステージ5(及び容器40)をステージ平面に対して移動させることによって達成されてよい。
【0145】
いくつかの実施形態では、容器の中身の分配、混合、及び吸引は、基部3に対してステージ5(及び容器40)を傾斜及び/又は振動させることによって達成されてよい。いくつかの実施形態では、x及びy軸の両方に沿ってステージ5(及び容器40)をステージ平面に対して移動させ、また傾斜軸tの周りでステージ5(及び容器40)を傾斜させることが重要な場合がある。
【0146】
x、y、及びz軸における移動は、実施されている特定のアッセイ又は方法を行うために所望される任意の順序で実施されてよい。傾斜したステージ(及び容器)が
図3のCに図示されており、この傾斜は、傾斜軸tの周りで、傾斜アクチュエータ7を用いて行われている。
【0147】
一実施形態では、方法は、枢動部材などのアクチュエータ応答要素の枢動の程度(及び/又はまったく枢動がないこと)を測定する段階、及び測定値をプロセッサにフィードバックする段階をさらに備えてよい。こうした段階は、x、y、及びz軸のうちの1つ又は複数における容器(及びステージ)の移動を始める前に容器が適切に留められていることを確実とする助けになり得る。上に記述したように、枢動の程度を測定する段階は、1つ又は複数の磁石フィーチャ及び読取りヘッドによって行われてよい。
【国際調査報告】