(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】末梢保護部を有するインプラント送達アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/966 20130101AFI20241128BHJP
【FI】
A61F2/966
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535686
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 US2022078940
(87)【国際公開番号】W WO2023122378
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595148888
【氏名又は名称】ストライカー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Stryker Corporation
【住所又は居所原語表記】2825 Airview Boulevard Kalamazoo MI 49002 (US)
(71)【出願人】
【識別番号】521535973
【氏名又は名称】ストライカー ヨーロピアン オペレーションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Stryker European Operations Limited
【住所又は居所原語表記】Anngrove, IDA Business & Technology Park, Carrigtwohill, County Cork, T45HX08 Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ノースロップ,クレイ ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】レイノフ,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ローガナタン,シッダールト
(72)【発明者】
【氏名】ライ,ダニー
(72)【発明者】
【氏名】ギブス,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ,サミット
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA56
4C267BB02
4C267BB06
4C267BB12
4C267BB19
4C267BB32
4C267BB40
4C267CC08
4C267EE03
4C267GG16
4C267GG42
4C267GG43
4C267HH03
4C267HH04
4C267HH07
(57)【要約】
医療用インプラントを展開するための送達システムは、送達カテーテル内腔内に配置された送達ワイヤアセンブリを含み、アセンブリは、アセンブリが送達カテーテル内腔内に拘束されてインプラントが圧縮構成にある場合にインプラントを固定するように構成されたインプラント装填領域を有し、アセンブリはさらに、インプラント装填領域の遠位でアセンブリに結合された中央部分と、アセンブリ、インプラント及び末梢保護部がカテーテル内腔内に拘束されている場合にインプラントの遠位端部を少なくとも部分的に覆うように中央部分から近位に延在する周辺部分と、を有するインプラント末梢保護部を含み、周辺部分は、インプラントがカテーテル内腔から放出された後に拡張構成をとる場合に近位方向に延在したままであり、かつ、末梢保護部の周辺部分は、各々がそれぞれの花弁状部材を備える複数のステムを備える。
【選択図】
図4E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類の血管内の標的部位にインプラントを展開するための送達システムであって、前記インプラントは圧縮送達構成と拡張展開構成とを有し、前記送達システムは、
内腔を有する送達カテーテルと、
前記送達カテーテルの内腔内に少なくとも部分的に配置された長尺の送達ワイヤアセンブリであって、前記送達ワイヤアセンブリは、前記送達カテーテルに対して並進可能であり、かつ、前記インプラントを含む前記送達ワイヤアセンブリの遠位部分が前記送達カテーテルの内腔内に拘束されて前記インプラントが前記圧縮送達構成にある場合、前記インプラントを固定するように構成されたインプラント装填領域を有する、送達ワイヤアセンブリと、
前記インプラント装填領域の遠位で前記送達ワイヤアセンブリに結合された中央部分と、前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテルの内腔内に拘束された場合に前記インプラントの遠位端部を少なくとも部分的に覆うために前記中央部分から近位に延在する周辺部分と、を備えるインプラント末梢保護部と、を備え、
前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分は、前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分が前記送達カテーテルによって拘束されなくなった場合に拡張するように構成され、
前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分は、近位に面する方向から遠位に面する方向に反転しないように構成され、その結果、前記インプラントが前記送達カテーテルの内腔から放出されて前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分によって覆われなくなった後に前記インプラントが前記拡張展開構成をとった場合、前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分が前記近位に面する方向に延在したままであり、かつ、前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分は、各々がそれぞれの花弁状部材を備える、複数の周方向に間隔を空けて配置された長尺のステムを備え、複数の前記ステムは前記中央部分から延在する、送達システム。
【請求項2】
それぞれの前記花弁状部材が、前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分の長尺の前記ステムの各々に配置される及び/又は前記ステムの各々を覆う、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
それぞれの前記花弁状部材は、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約80%~約90%に配置される又は前記ステムの全長の約80%~約90%を覆う第1花弁状部材と、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約60%~約50%に配置される又は前記ステムの全長の約60%~約50%を覆う第2花弁状部材と、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約40%~約30%に配置される又は前記ステムの全長の約40%~約30%を覆う第3花弁状部材と、を備える、請求項2に記載の送達システム。
【請求項4】
前記インプラント末梢保護部は、前記圧縮送達構成から前記拡張展開構成まで順番に拡張するように構成され、前記第1花弁状部材が拡張し、その後、前記第2花弁状部材が拡張し、及びその後、前記第3花弁状部材が拡張する、請求項3に記載の送達システム。
【請求項5】
前記花弁状部材が前記送達ワイヤアセンブリ周りに実質的に均等に周方向に間隔を空けて配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項6】
前記花弁状部材は、弓形の環状ストリップ又は凹状構成を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項7】
前記インプラント末梢保護部の前記中央部分は、前記インプラント末梢保護部が前記送達ワイヤアセンブリに固定されるような方法で前記送達ワイヤアセンブリに固定的に取り付けられる、請求項1~6のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項8】
前記インプラント末梢保護部の前記中央部分は、前記インプラント末梢保護部が前記送達ワイヤアセンブリに対して回転可能であるような方法で前記送達ワイヤアセンブリに取り付けられる、請求項1~6のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項9】
前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテルの内腔内に拘束されている場合に前記インプラント末梢保護部が前記インプラントの全長の約20%を覆う、請求項1~8のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項10】
前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテルの内腔内に拘束されている場合に前記インプラント末梢保護部が前記インプラントの全長の約10%~約20%を覆う、請求項1~8のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項11】
前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテルの内腔内に拘束されている場合に前記インプラント末梢保護部が前記インプラントの全長の約5%~約10%を覆う、請求項1~8のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項12】
前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテルの内腔内に拘束されている場合に前記インプラント末梢保護部が前記インプラントの全長の約5%以下を覆う、請求項1~8のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項13】
前記インプラント末梢保護部は、前記インプラントが前記圧縮送達構成から前記拡張展開構成に拡張する際に前記インプラントの前記遠位部分に無視できるほどの又は重要でない力を作用させるように構成される、請求項1~12のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項14】
前記インプラント末梢保護部が径方向に拡張して前記送達カテーテルによって拘束されなくなった後、前記インプラント末梢保護部は圧縮送達構成を実質的に保持する、請求項1~13のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項15】
前記インプラント末梢保護部は、前記インプラントが拡張する際に前記遠位に面する方向に反転しないように構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項16】
前記インプラント末梢保護部は、前記近位に面する方向から前記遠位に面する方向に反転することなく前記送達カテーテル内に引き戻されるように構成される、請求項15に記載の送達システム。
【請求項17】
それぞれの前記花弁状部材は、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約60%~約90%に配置される又は前記ステムの全長の約60%~約90%を覆う第1花弁状部材と、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約50%~約30%に配置される又は前記ステムの全長の約50%~約30%を覆う第2花弁状部材と、を備える、請求項2に記載の送達システム。
【請求項18】
前記インプラント末梢保護部は、前記圧縮送達構成から前記拡張展開構成まで順番に拡張するように構成され、前記第1花弁状部材が拡張し、その後、前記第2花弁状部材が拡張する、請求項17に記載の送達システム。
【請求項19】
それぞれの前記花弁状部材は、3以上の花弁状部材を備え、各々が、それらの対応の長尺のステムの長さの異なる割合を覆う、請求項3に記載の送達システム。
【請求項20】
前記インプラント末梢保護部は、前記圧縮送達構成から前記拡張展開構成まで順番に拡張するように構成され、複数の前記花弁状部材は前記花弁状部材を順に拡張させる、請求項19に記載の送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の発明は、概して、医療用インプラントを送達するために使用される低侵襲アセンブリに関する。より具体的には、本開示は、患者の血管内の標的埋め込み部位に、管状ステント又はフローダイバータ等の医療用インプラントを送達するための送達アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ステント、ステントグラフト、フローダイバータ、動脈瘤閉塞デバイス、下大静脈フィルタ等の血管内インプラントの使用は、多くのタイプの血管疾患を治療する効果的な方法となっている。一般的に、適切な血管内埋め込み可能デバイスは、患者の血管系内に挿入され、かつ、送達内腔を有するカテーテル等の送達システムを使用して、血管を通って標的埋め込み部位まで誘導される。現在利用可能な送達装置を使用すると、冠状動脈、大脳及び末梢血管を含む患者の血管系の任意の標的部位に事実上アクセス可能である。
【0003】
[0003] 低侵襲性送達デバイスには、ガイドワイヤを介して患者の血管内に経皮的に導入されるカテーテルが含まれ、カテーテルの開放遠位端は、周知の技術を使用して標的埋め込み部位まで誘導される。その後、医療用インプラントが、圧縮された(すなわち、縮径された)送達構成でカテーテルの送達内腔を通して展開され、及びその後、カテーテルの遠位端開口部を通して血管の内腔内に導入される。例えば、ステント等の自己拡張型インプラントは、管状カテーテル送達内腔内に閉じ込められている間は弾性的に圧縮された状態で送達され、及びその後、カテーテルの開放遠位端から外側に展開されると弾性的に拡張して血管の内壁に係合する。拡張されて拡大したステントは血管壁を支持して補強し、それによって、開放された閉塞のない状態に血管を維持する。
【0004】
[0004] 医療用インプラントはさまざまなサイズ及び形状を有し得る。例えば、ステント及び一部のフローダイバータは、患者の血管内に展開された場合、通常、拡張した実質的に管状の構成をとる。さらに、医療用インプラントは、ポリマー(例えば、非生体内分解性プラスチック及び生体内分解性プラスチック)及び金属を含む、さまざまな材料から形成され得る。医療用インプラントは、形状記憶金属(例えば、形状記憶ニチノール)及びポリマー(例えば、ポリウレタン)等の形状記憶材料又は超弾性材料から形成され得る。こうした形状記憶インプラントは、治療部位に送達後、(例えば、温度、電場、磁場又は光によって)ある形状(例えば、径方向に拡張した形状)をとるように誘導され得る。超弾性ニチノール等の超弾性塞栓材料は、誘導刺激を必要とせずに送達後にある形状をとる。他によく使用される材料には、ステンレス鋼、白金及びエルジロイ等が含まれる。薬物送達インプラントは生体活性物質又は治療物質を運び得る、及び/又は、デバイスの表面は生体活性物質又は治療物質でコーティングされ得る。ステント、ステントグラフト、フローダイバータ等の一般的に使用される医療用インプラントは、既定の(例えば、管状)形状に編まれる若しくは織られる複数のフィラメント(例えば、ワイヤ)から構成され得る、又は、レーザー切断された管から形成され得る。
【0005】
[0005] 既知の送達システムは、放出を制御するための保持スリーブ、又は、展開中にインプラントの端部を保護するためのカバーを含み得、これらは、米国特許第6,478,814号明細書、米国特許第6,830,575号明細書及び米国特許第8,591,566号明細書に(例示として)図示及び説明されている。このようなスリーブ/カバーには、製造がより困難になる可能性のある翼付きの部材又は別個の部材が含まれ、送達カテーテルを通して押し込まれる場合にデバイスアセンブリによって付与される抵抗力又は摩擦力が増大し、送達システムの全体的なパフォーマンスに悪影響を与える可能性がある。
【0006】
[0006] したがって、送達カテーテルを通した抵抗力又は摩擦力の増加を回避又は最小限に抑えながら、インプラントの保護を容易にする自己拡張型インプラントを送達するためのインプラント送達システムを提供する必要性が依然として存在する。
【0007】
[0007] 例示として、
図1は、開示の発明の一実施形態に従って構築されたインプラント送達システム100を示している。インプラント送達システム100は、通常、近位端部130、遠位端部160及びそれらの間に延在する内腔125を有する長尺の管状の送達カテーテル120を備え、送達カテーテルの内腔125は、送達カテーテル120のそれぞれの開放された近位端及び遠位端と連通している。送達カテーテル120は、送達カテーテル120の遠位端部160を血管の目標部分内に位置決めするに役立つように使用される外側シース180内に同軸に配置され、かつ、外側シース180に対して移動可能である。送達カテーテル120の近位端部130は、内腔125に流体を導入するために使用される流体ポート150(そこを通って送達カテーテル120が挿入される外側シース180の近位開口部より遠位の)を含む。流体送達ポート150は、インプラント送達システム100が患者の血管内に挿入される場合に医師/オペレータがアクセス可能であるように、患者の身体外に留まる。送達カテーテル120の遠位部分160は、例えば神経血管内等の血管内の遠隔位置にアクセスするためのサイズ及び寸法を有している。また、近位部分130よりも小さい直径(又は外形)を有し得る。
【0008】
[0008] インプラント送達システム100は、コアワイヤ350を含むインプラント送達ワイヤアセンブリ300(
図2A~
図2Dと併せて以下でより詳細に説明される)をさらに含み、コアワイヤ350は、コアワイヤ350の遠位端部に保持されたインプラント200(
図1には図示せず)を患者の血管内の標的部位に送達するために送達カテーテルの内腔125を通して押し込まれる。
図1に示すように、コアワイヤ350は、送達カテーテル120の近位端開口部を通して挿入され、かつ、送達内腔125を通して押し込まれ、その結果、コアワイヤ350の遠位端に取り付けられた非外傷性遠位先端部380(例えば、ソフトコイル部材)が送達カテーテル120の遠位端開口部から外側に延在する。
【0009】
[0009] 外側シース180は、(オーバーザワイヤ構成として知られている)先に導入されたガイドワイヤ(図示せず)を介して血管内に導入され得る、又は代替として、周知のように、ガイドワイヤがガイドワイヤポート(図示せず)から外側シース180の遠位部分のみを通って延在する「ラピッドエクスチェンジ」構成で導入され得る。その後、送達カテーテル120は、ガイドワイヤ上又は他の方法で、これも周知のように、外側シースを通して導入される。外側シース180は、シースの開放された遠位端に隣接して放射線不透過性マーカ355を含み、血管の標的位置へのその位置決めを支援する。
【0010】
[00010] 送達カテーテル120は、ポリエチレン、ステンレス鋼又は他の適切な生体適合性材料若しくはそれらの組み合わせ等の適切なポリマー材料、金属及び/又は合金から構成され得る。場合によっては、近位部分130は、押しやすさを向上させるための編組層又はコイル層等の補強層を含み得る。送達カテーテル120は、近位部分130と遠位部分160との間に1以上の移行領域を含み得る。遠位端部160は、遠位端部160の外形を小さくするために近位部分130の外径よりも小さい外径を有し得、かつ、外側シース180の遠位開口部から延在する遠位端部160の曲がりくねった血管内での誘導を容易にし得る。近位端部130は、送達カテーテル120の遠位部分160よりも硬い材料から形成され得、その結果、近位部分130が、患者の血管系を通って前進するのに十分な押し込み性を有する一方で、遠位端部160はより柔軟な材料から形成され得、その結果、遠位端部160が柔軟性を維持してガイドワイヤ上をより容易に追跡して血管の曲がりくねった領域の遠隔位置にアクセスし得る。
図2Aに最もよく示されているように、テーパ状の放射線不透過性マーカ455と非外傷性先端457とは、それぞれ送達カテーテル120の遠位端開口部452に近接して配置される。
【0011】
[00011] さらに詳しく説明すると、
図2A~
図2Dは、ステント、フローダイバータ又は他のタイプの血管インプラントであり得るインプラント200がコアワイヤ350の遠位部分に保持されている状態を示している。インプラント200は、ステンレス鋼、エルジロイ、ニッケル、チタン、ニチノール、形状記憶ポリマー又はそれらの組み合わせ等のさまざまな生体適合性材料で構成され得、かつ、ステント材料の管又はシートからパターンをエッチング若しくは切断することによって、又は、1以上のワイヤ若しくはリボンを所望の形状及びパターンに織り込む/編み込むことによって等、周知の技術を使用して構築され得る。インプラント200は、溶接、接着又は他の方法で互いに係合するさらなるコンポーネントを含み得、及び任意選択的に、非多孔性、非浸透性の生体適合性材料、カバー等を含み得る。
【0012】
[00012]
図2Dに示すように、インプラント200は、概ね管状であり、かつ、近位部分220と、遠位部分240と、を有し、その間に内腔260が延在している。
図2A~
図2Dには、インプラント200が、圧縮されて長尺の送達構成で示されており、送達カテーテル120の内腔125内に径方向に拘束されている。インプラント200は、送達カテーテル120の遠位端開口部から外側に展開された場合(すなわち、送達カテーテル120内で径方向に拘束されなくなった場合)、径方向外向きに自己拡張して拡張展開構成になるように付勢されることが好ましい。
【0013】
[0013] さらに
図2A及び
図2Bに示すように、送達ワイヤアセンブリ300のコアワイヤ350は送達カテーテル内腔125内に同軸に配置され、インプラント200は、コアワイヤ350周りに同軸に配置され、送達カテーテル内腔125内に拘束される。特に、コアワイヤ350は送達カテーテル120に対して軸線方向に移動可能であり、送達ワイヤアセンブリ300は、コアワイヤ350が、血管内の標的埋め込み部位にインプラント200を送達するための送達カテーテル内腔125を通して軸線方向に並進する際にインプラント200に係合するように構成される。送達ワイヤアセンブリ300とインプラント200との間の相互作用については以下でさらに詳細に説明する。
【0014】
[0014] 送達カテーテル120に対してコアワイヤ350及びインプラント200を位置決めするのを支援するため、コアワイヤ350の遠位部分に沿って放射線不透過性マーカ360(例えば、レーザーエッチングされた放射線不透過性バンド又は任意の他の適切なマーカ)が配置されることが好ましい。図示の実施形態では、コイル357がコアワイヤ350周りに配置されてインプラント200のすぐ近位に構造的サポートを提供する。コイル357の遠位部分358には、インプラント200の近位端部220の位置を示すための放射線不透過性マーカバンド360が配置される。コアワイヤ350にマーカ360を取り付けるためにエポキシ接着剤376が使用される。
【0015】
[0015]
図2B及び
図2Cの例示として、再被覆パッド370が、コイル357の遠位のコアワイヤ350周りに配置され、かつ、インプラント再被覆バンパ375が、再被覆パッド370の遠位端でコアワイヤ350に取り付けられる。コアワイヤ350に再被覆バンパを取り付けるためにエポキシ接着剤376が使用される。インプラント200が装填されるコアワイヤ350のこの領域を、本明細書ではインプラント装填領域という。特に、インプラント200の近位部分220は、それぞれの再被覆パッド370及び再被覆バンパ375上に配置され、かつ、インプラント200の遠位部分240の遠位端は、コアワイヤ350に取り付けられてそれぞれの近位ロック部材550及び遠位ロック部材550の間に固定された末梢保護機能500(
図2A)によって覆われる。
図2Aでは、近位ロック部材550がインプラント末梢保護機能500によって隠されているので、遠位ロック部材550のみが図示されている。非外傷性遠位先端380(例えば、ソフトコイル部材)は、遠位ロック部材550に近接してコアワイヤに取り付けられる(
図2B)。
【発明の概要】
【0016】
[00016] 本開示の発明の一実施形態では、哺乳類の血管内の標的部位にインプラントを展開するための送達システムが提供され、前記インプラントは、圧縮送達構成と、拡張展開構成と、を有する。前記送達システムは、内腔を有する送達カテーテルと、前記送達カテーテル内腔内に少なくとも部分的に配置された長尺の送達ワイヤアセンブリと、を備え、前記送達ワイヤアセンブリは、前記インプラントを含む前記送達ワイヤアセンブリの遠位部分が前記送達カテーテル内腔内に拘束され、かつ、前記インプラントが、圧縮送達構成にある場合、前記送達カテーテルに対して並進可能であり、かつ、前記インプラントを固定するように構成されたインプラント装填領域を有する。前記送達システムは、インプラント末梢保護部をさらに含み、前記インプラント末梢保護部は、前記インプラント装填領域の遠位で前記送達ワイヤアセンブリに結合された中央部分と、前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテル内腔内に拘束されている場合、前記インプラントの遠位端部を少なくとも部分的に覆うように前記中央部分から近位に延在する周辺部分と、を含む。前記インプラント末梢保護の前記周辺部分は、前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分が前記送達カテーテルによって拘束されなくなった場合に拡張するように構成される。さらに、前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分は、近位に面する方向から遠位に面する方向に反転しないように構成され、その結果、前記インプラントが前記送達カテーテル内腔から放出されて前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分によって覆われなくなった後に前記インプラントが前記拡張展開構成をとった場合、前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分が前記近位に面する方向に延在したままである。さらに、前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分は、周方向に間隔を空けて配置された複数の長尺のステムを備え、各ステムは、それぞれ花弁状部材を備え、複数の前記ステムは前記中央部分から延在する。
【0017】
[00017] さまざまな実施形態では、それぞれの花弁状部材が、前記インプラント末梢保護部の前記周辺部分の長尺の前記ステムの各々に配置される及び/又は前記ステムの各々を覆う。
【0018】
[00018] 一実施形態では、それぞれの前記花弁状部材は、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約80%~約90%に配置される又は前記ステムの全長の約80%~約90%を覆う第1花弁状部材と、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約60%~約50%に配置される又は前記ステムの全長の約60%~約50%を覆う第2花弁状部材と、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約40%~約30%に配置される又は前記ステムの全長の約40%~約30%を覆う第3花弁状部材と、を備える。
【0019】
[00019] ある実施形態では、前記花弁状部材は、前記送達ワイヤアセンブリ周りに実質的に周方向に均等な間隔で配置される。前記花弁状部材は、弓形で環状のストリップ又は凹状構成を備える。
【0020】
[00020] 他の実施形態では、前記インプラント末梢保護部の前記中央部分は、前記インプラント末梢保護部が前記送達ワイヤアセンブリに対して回転不能であるような方法で前記送達ワイヤアセンブリに固定的に取り付けられる。代替として、前記インプラント末梢保護部の前記中央部分は、前記インプラント末梢保護部が前記送達ワイヤアセンブリに対して回転可能であるような方法で前記送達ワイヤアセンブリに取り付けられる。
【0021】
[00021] ある実施形態では、前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテル内腔内に拘束されている場合、前記インプラント末梢保護部は前記インプラントの全長の約20%を覆う。他の実施形態では、前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテル内腔内に拘束されている場合、前記インプラント末梢保護部は前記インプラントの全長の約10%~約20%を覆う。さらに他の実施形態では、前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテル内腔内に拘束されている場合、前記インプラント末梢保護部は前記インプラントの全長の約5%~約10%を覆う。さらなる実施形態では、前記インプラント及び前記インプラント末梢保護部を含む前記送達ワイヤアセンブリの前記遠位部分が前記送達カテーテル内腔内に拘束されている場合、前記インプラント末梢保護部は前記インプラントの全長の約5%以下を覆う。
【0022】
[00022] 任意選択的に、前記インプラント末梢保護部は、前記インプラントが前記圧縮送達構成から前記拡張展開構成に拡張する際、前記インプラントの前記遠位部分に無視できるほどの又は重要でない力を作用させるように構成される。
【0023】
[00023] 任意選択的に、前記インプラント末梢保護部は、前記圧縮送達構成から前記拡張展開構成まで順番に拡張するように構成され、前記第1花弁状部材が拡張し、その後、前記第2花弁状部材が拡張し、及び最後に、前記第3花弁状部材が拡張する。
【0024】
[00024] 任意選択的に、前記インプラント末梢保護部は、前記インプラント末梢保護部が径方向に拡張して前記送達カテーテルによって拘束されなくなった後、圧縮送達構成を実質的に保持する。
【0025】
[00025] 任意選択的に、前記インプラント末梢保護部は、前記インプラントが拡張する際に前記遠位に面する方向に反転しないように構成される。
【0026】
[00026] 任意選択的に、前記インプラント末梢保護部は、前記近位に面する方向から前記遠位に面する方向に反転することなく前記送達カテーテル内に引き戻されるように構成される。
【0027】
[00027] 任意選択的に、前記インプラント末梢保護部は、厚さ約0.0006インチ、長さ約0.0173インチの生体適合性材料を備える。
【0028】
[00028] 任意選択的に、それぞれの前記花弁状部材は、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約60%~約90%に配置される又は前記ステムの全長の約60%~約90%を覆う第1花弁状部材と、それぞれの長尺の前記ステムの全長の約50%~約30%に配置される又は前記ステムの全長の約50%~約30%を覆う第2花弁状部材と、を含む。この実施形態では、前記インプラント末梢保護部は、前記圧縮送達構成から前記拡張展開構成まで順番に拡張するように構成され、前記第1花弁状部材が拡張し、その後、前記第2花弁状部材が拡張する。
【0029】
[00029] 任意選択的に、それぞれの前記花弁状部材は、3以上のそれぞれの花弁状部材を備え、それぞれの前記花弁状部材は、それらのそれぞれの長尺のステムの全長の異なる割合に配置される又はステムの全長の異なる割合を覆う。この実施形態では、前記インプラント末梢保護部は、前記圧縮送達構成から前記拡張展開構成まで順番に拡張するように構成され、複数の前記花弁状部材を順に拡張させる。
【0030】
[00030] 本明細書に開示された本発明の実施形態の他のさらなる態様及び特徴は、添付の図面を考慮した以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】[00031]
図1は、インプラント送達システム(先行技術)の側面図である。
【
図2】[00032]
図2A~
図2Eは、
図1のインプラント送達システムの送達ワイヤアセンブリ(先行技術)の部分断面図、斜視図及び分解図であり、システムの一部をより詳細に示している。
【
図3】[00033]
図3A及び
図3Bは、本開示の発明の一実施形態に係る、インプラント末梢保護部を示すインプラント送達システムの送達ワイヤアセンブリの部分断面側面図及び詳細図である。
【
図4】[00034]
図4A及び
図4Bは、本開示の発明の実施形態に係る、インプラント末梢保護部の端面図である。
図4Cは、本開示の発明の実施形態に係る、インプラント末梢保護部の斜視側面図である。
図4Dは、本開示の発明の実施形態に係る、花弁状部材の断面図である。
図4Eは、本開示の発明の実施形態に係る、インプラント末梢保護部の斜視側面図である。
【
図5】[00035]
図5A及び
図5Bは、本開示の発明の代替の実施形態に係る、インプラント末梢保護部の端面図である。
図5Cは、本開示の発明の代替の実施形態に係る、インプラント末梢保護部800の斜視側面図である。
【
図7】[00037]
図7A及び
図7Bは、本開示の発明の他の実施形態に係る、別の代替のインプラント末梢保護部である。
【
図8】[00038]
図8は、本開示の発明のさらなる実施形態に係る、さらに別の代替のインプラント末梢保護部である。
【
図9】[00039]
図9A~
図9Dは、開示の発明の実施形態に係る、送達ワイヤアセンブリが送達カテーテル120内に装填されるように示される、
図4A~
図4Eのインプラント末梢保護部の断面図、側面図及び斜視図である。
【
図10】[00040]
図10A~
図10Hは、
図1~
図3のインプラント送達システムを使用して血管内の標的部位にインプラントを送達及び展開する様子を示す、
図4A~
図4Eのインプラント末梢保護部の側面図及び斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[00041] 以下に定義される用語について、請求の範囲又は本明細書の他の箇所で異なる定義が与えられていない限り、これらの定義が適用される。
【0033】
[00042] 本明細書では、すべての数値は、明示的に示されているかどうかに拘らず、「実質的に」又は「約」という用語によって修飾されているものとみなされる。「実質的に」及び「約」という用語は、記載されたパラメータ、構造又は値と同等である(すなわち、同じ機能又は結果を有する)と当業者がみなす数値の範囲を指す。多くの場合、「約」及び「実質的に」という用語には、最も近い有効数字に丸められた数値が含まれる。端点による数値範囲の記載には、その範囲内のすべての数値が含まれる(例えば、1~5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5が含まれる)。
【0034】
[00043] 本明細書及び添付の請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、内容が明確に別のことを指していない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の請求の範囲で使用される場合、「又は」という用語は、内容が明確に別のことを指示しない限り、通常、「及び/又は」を含む意味で採用される。
【0035】
[00044] 本明細書及び添付の請求の範囲で使用される場合、用語「近位」及び「近位に」(及び同様の用語)は、患者の身体の外側に向かうインプラント送達システムの構造又は動作の相対的な位置、場所又は方向を説明するために使用される場合である;及び、「遠位」及び「遠位に」(及び同様の用語)は、患者の身体の最も深くまで延長されるインプラント送達システムの構造又は動作の相対的な位置、場所又は方向を説明するために使用される場合である。
【0036】
[00045] 図面を参照して本開示の発明のさまざまな実施形態を以下に説明する。図は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、選択された要素の相対的な縮尺は明確にするために誇張されている場合があり、同様の構造又は機能を有する要素は図全体を通じて同様の参照番号で表される。また、図は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図しており、本開示の発明の網羅的な説明として、又は、添付の請求の範囲及びその同等物によってのみ定義されるその範囲の制限として、意図されていないことも理解されるべきである。
【0037】
[00046] さらに、本開示の発明のそれぞれ図示された実施形態は、示された特徴のすべてを有する必要はなく、特定の実施形態に関連して説明される特徴、態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されるわけではなく、そのように図示されていなくても他の実施形態で実施され得る。
【0038】
[00047]
図3Aは、本開示の発明の一実施形態に係る、インプラント末梢保護部700を含むインプラント送達システム100のインプラント送達ワイヤアセンブリ300を示している。コアワイヤ350は、コアワイヤ350の遠位端部に保持されたインプラント200を患者の血管内の標的部位に送達するために、送達カテーテル内腔125(
図1)を通して押される。インプラント200は、ステント、フローダイバータ又は他のタイプの血管インプラントであってもよく、かつ、前述したように、さまざまな生体適合性材料で構成されてもよい。
図3Aには、インプラント200が、送達カテーテル120の内腔125内に配置(すなわち、径方向に拘束)された圧縮された長尺の送達構成で示されている。インプラント200は、送達カテーテル120の遠位端開口部から展開された場合(すなわち、送達カテーテル120内で径方向に拘束されなくなった場合)、径方向外向きに自己拡張して拡張展開構成になるように付勢されることが好ましい。送達ワイヤアセンブリ300のコアワイヤ350は送達カテーテル内腔125内に同軸に配置され、インプラント200は、送達カテーテル内腔125内にも拘束されたコアワイヤ350周りに同軸上に配置される。送達カテーテル120に対してコアワイヤ350及びインプラント200を位置決めするのを支援するため、コアワイヤ350の遠位部分に沿って放射線不透過性マーカ360(例えば、レーザーエッチングされた放射線不透過性バンド又は任意の他の適切なマーカ)が配置されることが好ましい。コイル357は、インプラント200のすぐ近位に構造的サポートを提供するためにコアワイヤ350周りに配置される。テーパ状の放射線不透過性マーカ455及び非外傷性先端457は、それぞれ、送達カテーテル120の遠位端開口部452に近接して配置される。
図3Aでは、近位ロック部材750’がインプラント末梢保護部700によって隠されているので、遠位ロック部材750が示されている。図示の実施形態では、インプラント末梢保護部700はロック部材750によってコアワイヤ350に固定的に取り付けられており、その結果、インプラント末梢保護部はコアワイヤ350に対して回転しない。
【0039】
[00048] 代替の実施形態では、インプラント末梢保護部700は、カラー及びしたがってインプラント末梢保護部700がコアワイヤ350及びロック部材750に対して回転することを可能にする方法で、コアワイヤ350上の相対的な長手方向位置にロック部材750によって依然として固定されたカラー(図示せず)に取り付けられてもよい。回転可能なインプラント末梢保護部700は、コアワイヤ350の遠位端(例えば、非外傷性遠位先端部380)へのトルク伝達を可能にするように構成され、これにより、血管の選択を可能にし、かつ、標的埋め込み部位まで送達ワイヤアセンブリ300の誘導を容易にする。インプラント末梢保護部700がコアワイヤ350に対して回転する場合、送達カテーテル120とコアワイヤ350との間の外部から誘発される(例えば、患者の解剖学的構造、使用者、臨床医による)相対的なねじれが回避される又は大幅に最小限に抑えられ、インプラント200の展開に悪影響を与えるねじれエネルギーの蓄積を防止する。したがって、回転可能なインプラント末梢保護部700は、アセンブリ300及びインプラント200が送達カテーテル120の内腔125内に配置された送達構成(例えば、径方向に拘束された状態)にある場合、送達ワイヤアセンブリ300及びインプラント200にねじれエネルギーが蓄積されるのを防止するように構成される。
【0040】
[00049] さらに、非外傷性遠位先端380(例えば、ソフトコイル部材)は、遠位ロック部材550に近接してコアワイヤに取り付けられる(
図3A及び
図3B)。
図3Bは、圧縮されて長尺の送達構成(すなわち、径方向に拘束される)にあるインプラント末梢保護部700の詳細図を示している。インプラント末梢保護部700は以下でさらに詳しく説明される。
【0041】
[00050]
図4A~
図4Eは、本開示の発明の一実施形態に係る、送達ワイヤアセンブリ300のインプラント末梢保護部700を示している。
図4A及び
図4Bは、拘束されていない展開構成におけるインプラント末梢保護部700の端面図であり、
図4Cは、拘束されていない展開構成におけるインプラント末梢保護部700の斜視側面図である;
図4Dは、径方向に拘束された送達構成における花弁状部材の断面図であり、
図4Eは、径方向に拘束された送達構成におけるインプラント末梢保護部700の斜視側面図である。インプラント末梢保護部700は、TFN、ePTFE、ポリマー、ニチノール等の生体適合性材料から構成される。一実施形態では、インプラント末梢保護部700は、中央部分712から延在する3つの長尺のアーム、リブ又はステム715a~715cを有する補強部材710を備える。中央部分712は、インプラント送達ワイヤアセンブリ300のコアワイヤ350を収容する又はコアワイヤ350周りに配置される開口部714を含む。中央部分712及び開口部714は、
図4A~
図4Eに示すように、それぞれ円形の構成を有してもよく又は任意の他の適切な構成(図示せず)を有してもよい。ステム715a~715cは、インプラント末梢保護部700の中央部分712から延在し、かつ、中央部分712周りに配置される。各ステム715a~715cは、それぞれ近位セクション715’、中間セクション715’’及び遠位セクション715’’’を有する。ステム715a~715cのそれぞれの近位セクション715’は、インプラント末梢保護部700の中央部分712に結合される。中央部分712及びステム715a~715cは、ニチノール又は任意の他の適切な超弾性材料から構成される。
【0042】
[00051] ある実施形態では、
図4A及び
図4Bに示すように、ステム715a~715cは、中央部分712周りに、y軸に対して対称的に配置され、例えば、ステム715aは、ステム715bから約120°離れた角度θにあり、ステム715bも、ステム715cから約120°離れた角度θにあり、ステム715cも、ステム715cから約120°離れた角度θにある。ステム715a~715cは、中央部分712周りに、任意の適切な角度θの離間(図示せず)で、非対称構成で配置されてもよいことに留意されたい。
【0043】
[00052]
図4A~
図4Eの実施形態では、インプラント末梢保護部700は、それぞれのステム715a~715cの各々上に配置された3つの花弁状部材(又は「花弁」)720a~720cをさらに備える。花弁状部材720a~720cは、各々約0.0152mm(0.0006インチ)~約0.030mm(0.0012インチ)の厚さを有する実質的に均一なePTFE層から構成される。花弁720a~720cは、TFN、ePTFE、ポリマー、それらの組み合わせ等の生体適合性材料から構成される。例えば、花弁状部材720a~720cのePTFE材料の外部又は内部に、FEPコーティングを施した市販のポリイミド(PI)フィルムが使用されてもよい。追加又は代替として、花弁状部材720a~720cの製造の焼結プロセス中に、ePTFE層の間にFEPコーティングされたPIフィルムが組み込まれてもよい。
【0044】
[00053]
図4A及び
図4Bに示すように、花弁720a~720cの各々は、それらのそれぞれのステム715a~715cの各々の約40%~約90%に配置されてもよい又はその約40%~約90%を覆ってもよい。花弁720a~720c内のステム715a~715cの輪郭を示す
図4Aの実施形態でより良く理解されるように、花弁720aは、ステム715aの約80%~90%に配置される又はステム715aの約80%~90%を覆い、花弁720bは、ステム715bの約50%~60%に配置される又はステム715bの約50%~60%を覆い、花弁720cは、ステム715cの約40%~30%に配置される又はステム715cの約40%~30%を覆う。したがって、ステム715a~715cの近位セクション715’は花弁720a~720cによって覆われておらず、715bの中間セクション715’’の小さな部分は花弁720bによって覆われておらず、715cの中間セクション715’’の大部分は花弁720cによって覆われていない。
【0045】
[00054]
図4A~
図4Eのインプラント末梢保護部700では、花弁720a~720cは同じ長さを有しているが、花弁720cは、花弁720a~720bよりもさらに遠位に延在し、花弁720bは、花弁720aよりもさらに遠位に延在する。花弁720a~720bは、インプラント末梢保護部700の中央部分712に対して「遠位」に延在するが、以下でさらに詳しく説明するように、インプラント末梢保護部700が送達カテーテル120内に拘束されていない場合、花弁720a~720bは近位に向けられる。
【0046】
[00055] 花弁720a~720cは、異なる長さを含んでもよく、それらのそれぞれのステム715a~715c上の同じセクション周りに配置されて、異なる遠位に延在する花弁状部材を有する同様のインプラント末梢保護部を作成してもよいことを理解されたい。
図4A~
図4Eの異なる遠位に延在する花弁720a~720cは、インプラント200の送達中、より良好な洗浄を行うために最小限の材料でインプラントを覆うように構成される。さらに、インプラント末梢保護部700の異なる遠位に延在する花弁720a~720cは、送達カテーテル120から出る際に花弁720a~720cの各々が順次展開することを可能にするように構成される(例えば、送達カテーテル120がコアワイヤ350に対して近位に引き出される、又は、コアワイヤ350が送達カテーテル120に対して遠位に押される、若しくは、各々の一部が行われ、インプラント末梢保護部700が送達カテーテル120の遠位端開口部452から露出され)、花弁720a~720cが絡まるリスクを回避又は最小限に抑え、及び/又は、インプラント末梢保護部700の潜在的な損傷(例えば、径方向に拡張することができない)を回避又は最小限に抑える。花弁720a~720cの連続的な径方向の拡張(例えば、送達カテーテル120によって径方向に拘束されなくなる)は、以下でさらに詳細に説明するように、i)最初に花弁720a、その後、ii)花弁720b、最後に、iii)花弁720cの順序である。
【0047】
[00056] インプラント末梢保護部700の斜視側面図及び断面図を示す
図4C~
図4Dからより良く分かるように、
図4A~
図4Eの花弁720a~720cは、花弁の長さLに沿って弓形の構成を有している。例えば、
図4Dは、
図4Eでも分かるように、弓形の環状ストリップの凹状構成を有する花弁720bの断面図を示している。
図4Eは、径方向に拘束された送達構成のインプラント末梢保護700の斜視側面図を示しており、中央部分712に対して異なる遠位に延在する花弁720a~720cをさらに示しており、花弁720cは他の花弁720a~720bのいずれよりもさらに遠位に延在し、花弁720bは花弁720aよりもさらに遠位に延在する。
【0048】
[00057]
図5A~
図5Cは、本開示の発明のさらなる実施形態に係る、送達ワイヤアセンブリ300の代替のインプラント末梢保護部800を示している。
図5A及び
図5Bは、拘束されていない展開構成におけるインプラント末梢保護部800の端面図及び部分図であり;
図5Cは、径方向に拘束された送達構成におけるインプラント末梢保護部800の斜視側面図である。
図4A及び
図4Bのインプラント末梢保護部700と同様に、インプラント末梢保護部800は、中央部分812から延在する3つの長尺のアーム、リブ又はステム815a~815cを有する補強部材810を備える。中央部分812は、インプラント送達ワイヤアセンブリ300のコアワイヤ350を収容する又はコアワイヤ350周りに配置されるように構成された開口部814を含む。
【0049】
[00058] さらに、
図5A~
図5Cのインプラント末梢保護部800は、
図4A及び
図4Bのインプラント末梢保護部700と同様であるが、
図5A~
図5Cのインプラント末梢保護部800が、ePTFE又は他の適切な材料の一体の薄い実質的に均一な層から構成された花弁820a~820cを有する点で異なる。
図5Bにより良く示されているよう、花弁820a~820cは、コアワイヤ350に結合されるように構成された中央部分812に合流する。
図5B及び
図5Cに示すように、インプラント末梢保護部800が送達カテーテル120内に拘束されていない場合、花弁820a~820cは、中央部分812から概ね径方向外向きに延在し、かつ、近位に向けられる。花弁820a~820cはePTFE又は他の適切な材料の実質的に均一な層から構成されるが、
図5A~
図5Cのインプラント末梢保護部800は、中央部分812に対して異なる遠位に延在する花弁820a~820cも有しており、
図5Cでより良く分かるように、花弁820cは他の花弁、特に花弁820bよりもさらに遠位に延在する。
【0050】
[00059]
図6は、本開示の発明の他の実施形態に係る、送達ワイヤアセンブリ300の別の代替のインプラント末梢保護部900を示している。インプラント末梢保護部900は、中央部分912から延在する3つの長尺のアーム、リブ又はステム915a~915cを含む。
図6のインプラント末梢保護部900は、
図5A~
図5Cのものと同様であるが、花弁920a~920cを形成する単一で薄い実質的に均一なePTFE層の材料がより多く中央部分912周りに配置される点で異なる。
【0051】
[00060]
図7A及び
図7Bは、本開示の発明の他の実施形態に係る、送達ワイヤアセンブリ300のさらに別の代替のインプラント末梢保護部1000を示している。
図7A及び
図7Bのインプラント末梢保護部1000は、中央部分1012周りに配置された3つの花弁1020a~1020cを有する。
図7A及び
図7Bのインプラント末梢保護部1000は、中央部分1012から延在する3つの長尺のアーム、リブ又はステム1015a~1015cが
図6のステム915a~915cよりも短いことを除いて、
図6のものと同様である。さらに、
図7Bは、遠位ロック部材750(
図3A及び
図3Bにも示されている)及びインプラント末梢保護部1000に結合された近位ロック部材750’を示している。さらに、インプラント末梢保護部1000では(
図7Bでより良く分かるように)、ステム1015a~1015cは花弁1020a~1020cの上又は横に配置される。
【0052】
[00061]
図8は、本開示の発明の他の実施形態に係る、送達ワイヤアセンブリ300の代替のインプラント末梢保護部1100を示している。
図4A~
図4Eのインプラント末梢保護部700と同様に、
図9は、中央部分1112に対して異なる遠位に延在する花弁1120a~1120cを備え、花弁1120cは、他の花弁1120a~1120bのいずれよりもさらに遠位に延在し、花弁1120bは花弁1120aよりもさらに遠位に延在する。インプラント末梢保護部1100は、中央部分1112から延在する3つの長尺の分岐したアーム、リブ又はステム1115a~1015cを有する補強部材1110をさらに備える。中央部分1112は、インプラント送達ワイヤアセンブリ300のコアワイヤ350を収容するように構成される又はコアワイヤ350周りに配置される開口部1114を含む。分岐したステム1115a~1115cは、インプラント末梢保護部1100の中央部分1112から延在し、かつ、中央部分1112周りに配置される。
図8に示すように、各ステム1115a~1115cは、2つの枝に分岐し、それらのそれぞれの枝の各々の間にはそれぞれ花弁1120a~1120cが配置される。例えば、ステム1115aは、第1枝1115a(i)と第2枝1115a(ii)とに分岐して「U」字状構成を形成し、かつ、枝1115a(i)と1115a(ii)との間に花弁1120aが配置される。
図8の分岐したステム1115a~1115cは、インプラント末梢保護部1100が送達カテーテル120内に拘束されていない場合、花弁1120a~1120cに追加の構造的サポートを提供して近位に花弁を向けることを可能にするように構成される。
【0053】
[00062]
図5A~
図8の花弁は、
図4Dに示すように、弓形の環状ストリップの凹状断面構成を有していることを理解されたい。
図5A~
図8の花弁の他の適切な断面構成が考慮されてもよい。他の実施形態(図示せず)では、インプラント末梢保護部700は、以下でさらに詳細に説明するように、順次展開されるように構成された3つより多い又は少ないステム及び/又は花弁を含んでもよい。
【0054】
[00063]
図9A~
図9Dは、本開示の発明の一実施形態に係る、送達ワイヤアセンブリ300の送達カテーテル120内への前方装填を示している。
図4A~
図4Eのインプラント末梢保護部700は、インプラント200を含む送達ワイヤアセンブリ300を送達カテーテル120内に装填するために使用される例示的な末梢保護部として
図9A~
図9Dに示されている。
図5A~
図8の代替の実施形態で開示されたインプラント末梢保護部のいずれかが使用されて、インプラント200を含む送達ワイヤアセンブリ300を送達カテーテル120内に装填してもよいことが理解されるべきである。
【0055】
[00064]
図9Aは、送達カテーテル120内に装填される直前の、インプラント末梢保護部700及びインプラント200を含む送達ワイヤアセンブリ300の遠位端部を示しており、インプラント末梢保護部700の花弁720a~720cが、径方向に拘束されていない構成で概ね近位に延在するように示されている。前述したように、インプラント末梢保護部700は、(例えば、中央部分712に対して遠位に、
図4A~
図4E)異なって延在する花弁720a~720cを備え、インプラント末梢保護部700の花弁720a~720cの延在の差は、インプラント200に対して近位に向けられているように示されている。したがって、花弁720cは、他の花弁720b~720aのいずれよりもインプラント200に向かってさらに近位に延在し、花弁720bは、花弁720aよりもさらに近位に延在する。
【0056】
[00065] インプラント200は、コアワイヤ350(図示せず)周りに同軸に配置され、かつ、管状の装填部材390によって径方向に拘束された送達構成に保持され、インプラント200の遠位端部240は、装填部材390の遠位端開口部から部分的に露出される。
【0057】
[00066] インプラント末梢保護部700及び圧縮されたインプラント200を含む送達ワイヤアセンブリ300の遠位端部が送達カテーテル120内に前進させられる、又は、送達カテーテル120が送達ワイヤアセンブリ300の遠位部分上を前進させられる、又は、各々の一部が行われ、それによって、
図9B~
図9Cに示すように、インプラント末梢保護部700の花弁720a~720cがインプラント200の遠位部分240の上方及び上で径方向に圧縮される。追加又は代替として、インプラント末梢保護部700の720a~720cがインプラント200の遠位部分240の上方及び上での径方向の圧縮は、最初に花弁720cを圧縮し、その後、花弁720bを圧縮し、最後に花弁720aを圧縮する等、花弁を順番に圧縮することによって支援されてもよい。径方向に圧縮された花弁720a~720cは、インプラント200の遠位部分240上に配置される及び/又は遠位部分240を部分的に覆う。ある実施形態では、
図9A~
図9B及び
図10A~
図10Dに示すように、ステム715a~715cはインプラント200の遠位部分240上に配置されず、かつ、遠位部分240を覆わない。
【0058】
[00067] 送達カテーテル120がそれぞれのインプラント末梢保護部700及び装填部材390上に配置されると、インプラント200が送達カテーテル120の内腔125内で圧縮された送達構成のままである間に装填部材390が引き抜かれ、かつ、インプラント末梢保護部700の花弁720a~720cはインプラント200の遠位部分240に圧縮されたままとなり、かつ、少なくとも部分的にその遠位部分240を覆う(
図9D)。
【0059】
[00068] 本開示の発明は、そのように限定されるわけではないが、インプラント末梢保護部700~1100の図示された「3つの花弁」構成(例えば、ステム及び花弁)は、インプラント200の遠位部分240の遠位端を覆う材料の量を最小限に抑えるように構成され、それによって、インプラント200が内腔125を通して押される際に、インプラントによって送達カテーテル120の内壁に作用する抵抗力又は摩擦力を低減及び最小限に抑える。特に、本開示の発明の発明者らは、インプラント末梢保護部700~1100の図示された構成を採用することによって、コアワイヤ350と送達カテーテル120との間に相対的な動きがある場合、インプラント200と送達カテーテル120の内壁との間の摩擦係数が約0.01~約0.04の範囲にあることを発見した。
【0060】
[00069] さまざまな実施形態において、インプラント末梢保護部700~1100は、インプラント200及びインプラント末梢保護部700~1100を含む送達ワイヤアセンブリ300の遠位部分が送達カテーテル内腔125内に拘束されている場合、インプラント200の遠位端部240の異なる量を覆うようにサイズ設定されて構成される。非限定的な例として、一実施形態では、インプラント末梢保護部700~1100は、インプラント200及びインプラント末梢保護部700~1100を含む送達ワイヤアセンブリ300の遠位部分が送達カテーテル内腔125内に拘束されている場合、インプラント200の全長の約20%を覆うするようにサイズ設定されて構成される。別の実施形態では、インプラント末梢保護部700~1100は、インプラント200及びインプラント末梢保護部700~1100を含む送達ワイヤアセンブリ300の遠位部分が送達カテーテル内腔125内に拘束されている場合、インプラント200の全長の約10%~約20%を覆うようにサイズ設定されて構成される。さらに別の実施形態では、インプラント末梢保護部700~1100は、インプラント200及びインプラント末梢保護部700~1100を含む送達ワイヤアセンブリ300の遠位部分が送達カテーテル内腔125内に拘束されている場合、インプラント200の全長の約5%~約10%を覆うようにサイズ設定されて構成される。さらに別の実施形態では、インプラント末梢保護部700~1100は、インプラント200及びインプラント末梢保護部700~1100を含む送達ワイヤアセンブリ300の遠位部分が送達カテーテル内腔125内に拘束されている場合、インプラント200の全長の約5%以下を覆うようにサイズ設定されて構成される。
【0061】
[00070]
図10A~
図10Hは、血管(図示せず)内の標的部位まで/標的部位にインプラント200を送達して展開するためのインプラント末梢保護部700を示している。インプラント200の送達及び展開に使用される例示的な末梢保護部として、
図4A~
図4Eのインプラント末梢保護部700が
図10A~
図10Eに示される。
図5A~
図8の代替の実施形態で開示されたインプラント末梢保護部のいずれかが、標的部位まで/標的部位にインプラント200を送達及び展開するために使用されてもよいことを理解されたい。
【0062】
[00071]
図10Aは、コアワイヤ350(
図10Aには図示せず)が送達カテーテル内腔125を通して押される際の送達ワイヤアセンブリ300の遠位端部を示している。インプラント200及び末梢インプラント保護部700は、送達カテーテル内腔125内に拘束された圧縮送達構成で示されており、インプラント末梢保護部700の花弁720a~720cがインプラント200の遠位部分240を覆って保護する。
【0063】
[00072] 送達アセンブリ300の遠位端部が標的埋め込み部位に近接して配置されると、送達カテーテル120は、コアワイヤ350に対して近位に引き抜かれる(矢印Iで示される)、又は、コアワイヤ350は送達カテーテル120に対して遠位に押される(矢印IIで示される)、又は、各々の一部が行われ、それによって、インプラント末梢保護部700及びインプラント200が送達カテーテル120の遠位端開口部452から露出され、
図10B~
図10Eに示すように、径方向に拘束されていないインプラント200が、遠位端部240から始まって拡張構成まで径方向に自己拡張することを可能にする。
【0064】
[00073] インプラント末梢保護部700の花弁720a~720cは、異なる延在長さを有するので(例えば、花弁720aは花弁720b~720cのいずれよりも短く、花弁720bは花弁720cよりも短いが花弁720cより長く、花弁720cは花弁720a~720bのいずれよりも長い)、インプラント末梢保護部700は、送達カテーテル120の遠位端開口部452から出る際に花弁720a~720cの各々を連続的に展開することを可能にするに構成され、花弁720a~720cの絡まりのリスクを回避又は最小限に抑え、及び/若しくは、インプラント末梢保護部700の潜在的な損傷(例えば、径方向に拡張することができない)を回避又は最小限に抑える。送達カテーテル120から連続的に出ていくこと及び花弁720a~720cの径方向の拡張は、以下の順序:i)まず、花弁の中で最も短いものとしての花弁720a(
図10B)、その後、ii)中サイズとしての花弁720b(
図10C)、及び最後に、iii)花弁の中で最も長い花弁720c(
図10D)が送達カテーテル120の遠位端開口部452から出る。特に、インプラント200の遠位端部240が拡張構成をとり、かつ、
図10D~10Hに示すように、インプラント末梢保護部700によって覆われなくなると、花弁720a~720cは近位方向に延在した(すなわち、「送達構成」の)ままである。
【0065】
[00074] さらに、インプラント末梢保護部700のそれぞれのステム715a~715cは、ニチノール又は任意の適切な超弾性材料から構成され、その結果、ステム715a~715cは、インプラント200の展開中及びインプラントの遠位端部240の放出中に、弾性エネルギーによってそれらのそれぞれの花弁720a~720cの径方向の拡張を補助及びさらに可能にするように構成されるが、送達構成では、花弁720a~720cは近位方向(例えば、インプラント200に面する方向)に延在したままである(
図10A~10H)。この特徴により、インプラント200が標的部位(図示せず)まで/標的部位に展開された後、送達カテーテル120内に引き戻す際にインプラント末梢保護部700を再捕捉することをさらに容易にし、かつ、可能にする。
【0066】
[00075] インプラント末梢保護部700は、インプラント200が拡張する際、インプラント200の遠位部分240上に無視できるほどの又は重要でない力を作用させるように構成される。ある実施形態では、インプラント末梢保護部700は、送達カテーテル120によって径方向に拘束されなくなった場合、径方向外向きに拡張してもよい。記載した実施形態では、インプラント末梢保護部700が、送達カテーテル120によって拘束されなくなった場合に、送達構成を保持する又は外向きに拡張する場合、花弁720a~720cは近位方向に延在する及び/又は面するように構成される(すなわち、送達システム又はインプラントに向かって配向され、個々の花弁720a~720cは、インプラント200が拡張する際に反転しないことが好ましい)。
【0067】
[00076] インプラント200を標的部位に展開した後、送達ワイヤアセンブリ300は送達カテーテル内に引き戻され(図示せず)、かつ、送達システム100は、身体内から引き抜かれ、拡張されたインプラント200を標的部位に埋め込んだままにする。特に、
図10G~
図10Hに示すように、インプラント末梢保護部700の「近位に面する」構成と、拡張されたインプラント200に対するその比較的小さいサイズと、により、コアワイヤ350及び遠位インプラント保護部700は、インプラント200の内腔260を通して引き出され、かつ、展開されて拡張されたインプラント200に干渉することなく送達カテーテル内腔125に戻される。
図10Hは、送達カテーテル120がインプラント末梢保護部700を拘束しなくなった場合でも、インプラント末梢保護部700が送達構成を実質的に保持していることをより良く示すために、
図10Gに示す断面の拡大図である。
【0068】
[00077] インプラント末梢保護部700は、ロック部材750によってコアワイヤ350に固定的に取り付けられてもよく、その結果、インプラント末梢保護部はコアワイヤ350に対して回転しない。代替として、インプラント末梢保護部700は、コアワイヤ350及びロック部材750に対して回転可能であってもよい。回転可能なインプラント末梢保護部700は、コアワイヤ350の遠位端(例えば、非外傷性遠位先端部380)へのトルク伝達を可能にするように構成され、これにより、血管の選択を可能にし、かつ、標的埋め込み部位まで送達ワイヤアセンブリ300を誘導しやすくする。インプラント末梢保護部700がコアワイヤ350に対して回転した場合、送達カテーテル120とコアワイヤ350との間の外部から誘発される(例えば、患者の解剖学的構造、使用者、臨床医による)相対的なねじれが回避される又は大幅に抑えられ、インプラント200の展開に悪影響を与えるねじれエネルギーの蓄積が防止される。したがって、回転可能なインプラント末梢保護部700は、アセンブリ300及びインプラント200が送達カテーテル120の内腔125内で径方向に拘束されている場合、送達ワイヤアセンブリ300及びインプラント200にねじれエネルギーが蓄積されるのを防止するように構成される。さらに、回転可能なインプラント末梢保護部700は、コアワイヤ350がねじれを受けた場合、送達構成で花弁720a~720cがインプラント200に結合される(例えば、接触を維持する)ことを可能にするように構成される。
【0069】
[00078] 特に
図9A~
図10Hでインプラント末梢保護部700について開示された特徴のいずれも、前述したように明示的に異なる場合を除き、
図5A~
図8の代替の実施形態についても開示されていることを理解されたい。
【0070】
[00079] 本明細書では特定の実施形態が示されて説明されたが、それらは、本開示の発明を制限することを意図したものではないことが当業者には理解され、かつ、本開示の発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換及び修正(例えば、さまざまな部品の寸法、部品の組み合わせ)を行うことができることは当業者には明らかであり、本開示の発明の範囲は、以下の請求の範囲及びその同等物によってのみ定義される。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味としてみなされるべきであり、本明細書に図示及び説明される実施形態は、添付の請求の範囲に含まれ得る代替物、修正物及び同等物をカバーすることを意図している。
【国際調査報告】