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特表2024-545234パッケージの気密及び水蒸気密シーリングのための非破壊エンボス加工バリア紙を生産するロールアセンブリ、並びに対応する方法
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  • 特表-パッケージの気密及び水蒸気密シーリングのための非破壊エンボス加工バリア紙を生産するロールアセンブリ、並びに対応する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】パッケージの気密及び水蒸気密シーリングのための非破壊エンボス加工バリア紙を生産するロールアセンブリ、並びに対応する方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/25 20170101AFI20241128BHJP
   D21H 21/14 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B31B50/25
D21H21/14 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024535728
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 DE2022100937
(87)【国際公開番号】W WO2023110020
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】102021133331.8
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522243439
【氏名又は名称】マシューズ インターナショナル ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】524116298
【氏名又は名称】マシューズ インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】マイケル コシュケ
(72)【発明者】
【氏名】ロニー シュレーゲル
【テーマコード(参考)】
3E075
4L055
【Fターム(参考)】
3E075AA07
3E075BA30
3E075BB02
3E075CA02
3E075DB14
3E075DE23
3E075GA05
4L055AJ07
4L055CH20
4L055EA08
4L055EA15
4L055EA16
4L055FA14
4L055FA30
4L055GA05
4L055GA47
4L055GA50
(57)【要約】
本発明は、特に、内部ライナとしての使用のための、シガレットパッケージの気密及び水蒸気密シーリングのための非破壊エンボス加工バリア紙を生産するロールアセンブリに関し、ロールアセンブリは、第1のエンボス加工ロールと、第2のエンボス加工ロールとを有し、バリア紙を供給し、エンボス加工するために、ニップが第1のエンボス加工ロールと第2のエンボス加工ロールとの間に形成され、エンボス加工ロールのうちの少なくとも1つは、複数のエンボス加工要素を有し、エンボス加工要素は、それらの上面で、エンボス加工要素を囲み、1μm~1000μmのエッジ半径を有するエッジを有する。本発明はまた、特に、内部ライナとしての使用のための、シガレットパッケージの気密及び水蒸気密シーリングのための非破壊エンボス加工バリア紙を生産する方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、内部パッケージとしての使用のための、パッケージの気密及び水蒸気密シーリングのための非破壊エンボス加工バリア紙(2)を生産するロールアセンブリ(1)であって、
第1のエンボス加工ロール(3)と、
第2のエンボス加工ロール(4)と、を備え、
前記バリア紙(2)を供給し、エンボス加工するためのニップ(5)が前記第1のエンボス加工ロール(3)と前記第2のエンボス加工ロール(4)との間に形成され、
前記エンボス加工ロール(3、4)のうちの少なくとも1つは、複数のエンボス加工要素を有し、
前記エンボス加工要素は、それらの上面で、1μm~1000μmのエッジ半径(R)を有する前記エンボス加工要素を囲むエッジ(6)を有する、
前記ロールアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記複数のエンボス加工要素を有する前記少なくとも1つのエンボス加工ロール(3、4)は、雄型として設計され、前記エンボス加工要素は、エンボス加工凸部(7)として前記ロール表面(8)から離れて伸びる、請求項1に記載のロールアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記複数のエンボス加工要素を有する前記少なくとも1つのエンボス加工ロール(3、4)は、雌型として設計され、前記エンボス加工要素は、凹部(9)として前記ロール表面(8)の中に伸びる、請求項1に記載のロールアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記複数のエンボス加工要素を有する前記エンボス加工ロール(3、4)の背面ロールは、エンボス加工要素を有さない平滑なロール表面を有し、前記背面ロールの前記ロール表面(8)は、例えば、鋼またはゴムなどの弾性材料から作られる、先行請求項のいずれか一項に記載のロールアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記複数のエンボス加工凸部を有する前記エンボス加工ロール(3、4)の前記背面ロールは、雌型として設計され、前記背面ロールは、前記ロール表面から離れて伸びる前記エンボス加工凸部(7)に相補的に配列された、前記ロール表面(8)内で形成された複数の凹部(9)を有する、請求項2に記載のロールアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記複数の凹部(9)を有する前記エンボス加工ロール(3、4)の前記背面ロールは、雄型として設計され、前記背面ロール(3、4)は、前記ロール表面(8)の中に伸びる前記凹部(9)に相補的に配列された、前記ロール表面から離れて面する複数のエンボス加工凸部(7)を有する、請求項3に記載のロールアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記エンボス加工要素のエンボス加工高さ(H)及び/またはエンボス加工深度(T)は、最大で200μmである、先行請求項のいずれか一項に記載のロールアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記第1のエンボス加工ロール及び/または前記第2のエンボス加工ロール(3、4)は、1~50μmの平均表面粗さ(R)を有する、先行請求項のいずれか一項に記載のロールアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記エンボス加工ロール(3、4)の軸方向(X)における前記エンボス加工要素は各々、0.1mmを超える長さ(L)を有する、先行請求項のいずれか一項に記載のロールアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記エンボス加工ロール(3、4)の周方向(Y)における前記エンボス加工要素は各々、0.1mmを超える幅(B)を有する、先行請求項のいずれか一項に記載のロールアセンブリ(1)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のロールアセンブリ(1)で、特に、内部ライナとしての使用のための、シガレットパッケージの気密及び水蒸気密シーリングのための非破壊エンボス加工バリア紙(2)を生産する方法であって、
前記ロールアセンブリ(1)の前記ニップ(5)を通してバリア巻き取り紙を供給することと、
前記バリア巻き取り紙が前記ニップ(5)を通して供給されるにつれて、前記バリア紙(2)内でエンボス加工されたパターン(10)を形成することと、
を行うステップを含む、前記方法。
【請求項12】
前記バリア紙(2)は、最大で100μmの繊維厚み(D)を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バリア紙は、最大で3mmの繊維長さ(L)を有する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記バリア紙(2)の紙厚み(S)は、20μm~500μmである、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記エンボス加工されたパターン(10)は、最大で50μmのエンボス加工高さ(HPM)を有する、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、シガレットパッケージのための内部ライナとしての使用のための、パッケージの気密及び水蒸気密シーリングのための非破壊エンボス加工バリア紙を生産するロールアセンブリに関し、ロールアセンブリは、第1のエンボス加工ロールと、第2のエンボス加工ロールとを有し、バリア紙を供給し、エンボス加工するように、第1のエンボス加工ロールと第2のエンボス加工ロールとの間にニップが形成され、エンボス加工ロールのうちの少なくとも1つは、複数のエンボス加工要素を有する。
【0002】
例えば、シガレットパッケージは通常、以下の構成要素を包含する。対応するブランドレイアウトにより設計されたボール紙パッケージは複数のシガレットを保持するためのコンテナとしての役割を果たす。シガレットは、内部ライナ内で直接包み込まれ、内部ライナは、ボール紙パッケージ内でシガレットと共に位置する。この内部ライナは、特に、複数のシガレットとのカートンパッケージの同時バルク充填のために使用される。ボール紙パッケージは、透明プラスチックフィルムにより外側で覆われ、透明プラスチックフィルムは、タバコ製品のテイスト及び新鮮さを保持する役割を果たす。環境的認識の高まり、及びプラスチックフリー製品パッケージに対する需要の高まりをきっかけに、できるだけ少ないプラスチックを含有するシガレットパッケージに対する必要性もタバコ産業において存在する。1つの解決策は、プラスチックフィルムの機能をボール紙パッケージまたは内部ライナに移転させ、その結果、プラスチックフィルムを完全に除去することである。この目的のために、ボール紙パッケージ及び/または内部ライナは、バリア紙から構成することができ、その中で包まれたシガレットをバリア紙は外部環境的影響に対して遮蔽する。同時に、法規制がますます厳しくなるにつれて、製造者は、ますます大きな規模で、シガレット及びタバコパッケージ上で警告及び衝撃画像を印刷することが必要とされる。これは、ブランド特有テキスト及び/またはシンボルを適用することができるシガレットパッケージ上での代替的な表面に焦点が当てられる。しかしながら、従来技術から既知のエンボス加工方法は、エンボス加工されることになる材料に対する必要とされる要素の高さを達成するために繊維及びバリア層を破壊する。したがって、特に、タバコパッケージにおけるその使用に関して、バリア紙をエンボス加工するためのエンボス加工工程に対する必要性が存在する。
【0003】
したがって、本発明の目的は、バリア紙のバリア機能を破壊することなく、バリア紙へのエンボス加工の導入を可能とする、ロールアセンブリを提供することである。
【0004】
目的は、独立請求項の特徴によって達成される。
【0005】
したがって、エンボス加工要素が各々、1μm~1000μmのエッジ半径を有するそれらの上面でエンボス加工要素の周りを通るエッジを有することが提供される。好ましくは、エッジは、10μmを超えるエッジ半径を有し得る。特に好ましくは、エッジは、100μmを超えるエッジ半径を有し得る。小さすぎないエッジ半径を設けることによって、バリア紙のバリア層の破壊を効果的に防止することができる。エンボス加工要素は全て、同一の高さまたは深度を有することができる。更に、エンボス加工要素は、周囲エッジ内で平坦表面を有することができる。バリア紙は、必然的に2つの層を有することができ、2つの層は、紙繊維から構成された紙層または原紙と、バリア特性を生み出す役割を果たすラッカ層またはシーリング被膜と、である。加えて、バリア紙は、印刷被膜を有することができ、印刷被膜は、バリア紙に、特に良好な印刷特性をもたらす。バリア特性は、アロマバリア、脂肪バリア、MOSH/MOAHバリア、酸素バリア、UVバリア、及び/または水バリアであるように設計され得る。更に、バリア紙または特にバリア層は、熱シール可能であり得る。エンボス加工ロールの直径は、最大で2mであり得る。エンボス加工ロールの幅は、最大で6mであり得る。エンボス加工凸部の上面は、ロール表面から実質的に離れて面する表面によって設けられ得る。段付きエンボス加工凸部の場合では、本出願の意味する範囲内にあるエンボス加工凸部の各段の各表面は、それぞれの表面を囲む別個のエッジを有することができる。周囲エッジも、それらが非破壊的エンボス加工のために必要とされる最小半径よりも大きいものであれば、その長さに沿った異なる半径を有することができる。凹部の上面は、周囲エッジによって実現することができ、周囲エッジは必然的には、ロール表面のレベルにあり、凹部の周りを通る。段付き凹部の場合では、本出願の意味する範囲内にある凹部の各段の各周囲エッジは、それぞれの凹部段を囲む別個のエッジを有することができる。周囲エッジも、それらが非破壊的エンボス加工のために必要とされる最小半径よりも大きいものであれば、その長さに沿った異なる半径を有することができる。ロール表面のレベルにおけるエンボス加工凸部を囲むエッジまたは凹部基部のレベルにおける凹部を囲むエッジは、1μm~1000μmの半径を有することが更に提供され得る。例えば、内部パッケージは、シガレットパッケージのための内部ライナであり得る。
【0006】
複数のエンボス加工要素を有する少なくとも1つのエンボス加工ロールは、雄型として設計され、エンボス加工要素は、エンボス加工凸部としてロール表面から離れて伸びることが提供され得る。複数のエンボス加工要素を有する少なくとも1つのエンボス加工ロールは、雌型として設計され、エンボス加工要素は、ロール表面の中への凹部として伸びることが更に企図され得る。
【0007】
エンボス加工要素は全て、同一の高さまたは深度を有することができる。エンボス加工要素は代わりに、段外形を有することができ、段外形では、各段は、1μm~1000μmを超えるエッジ半径を有する周囲エッジを有する。エンボス加工要素はまた、或るエンボス加工高さを超過せず、エッジ半径のいずれもが1μm~1000μmよりも小さくないものであれば、いずれかの自由形状を有することができる。これは、エンボス加工凸部に適用することができ、凹部にも同様に適用することができる。
【0008】
複数のエンボス加工要素を有するエンボス加工ロールの背面ロールは、エンボス加工要素を有さない平滑なロール表面を有し、背面ロールのロール表面は、鋼またはゴムもしくはプラスチックなどの弾性材料から作られることも提供され得る。
【0009】
更に、複数のエンボス加工凸部を有するエンボス加工ロールの背面ロールは、雌型として設計され、背面ロールは、ロール表面内で作られた複数の凹部を有し、複数の凹部は、ロール表面から離れて伸びるエンボス加工凸部に相補的に配列されることが提供され得る。凹部は特に、エンボス加工凸部に相補的に設計され得、その結果、エンボス加工凸部は、それぞれの凹部内で正確に係合することができる。
【0010】
更に、複数のエンボス加工凸部を有するエンボス加工ロールの背面ロールは、雄型として設計され、背面ロールは、ロール表面から離れて伸びる複数のエンボス加工凸部を有し、複数のエンボス加工凸部は、ロール表面の中に伸びる凹部に相補的に配列されることが提供され得る。エンボス加工凸部は特に、エンボス加工凸部に相補的に設計され得、その結果、エンボス加工凸部は、それぞれの凹部内で正確に係合することができる。
【0011】
エンボス加工要素のエンボス加工高さ及び/またはエンボス加工深度は、最大で200μmであることが提供され得る。エンボス加工要素のエンボス加工高さ及び/またはエンボス加工深度は、最大で150μmであることが提供され得る。エンボス加工要素のエンボス加工高さ及び/またはエンボス加工深度は、最大で100μmであることが提供され得る。エンボス加工要素は、平坦な上面を有することができる。エンボス加工要素はまた、最大で200μmの最高凸部または最深凹部を有する構造化表面を有することができる。エンボス加工要素は特に、ロール表面から離れて垂直に伸びる側面を有することができる。凹部の場合では、それらは、ロール表面の中に垂直方向に伸びる側壁も有することができる。凹部の側壁及び/またはエンボス加工凸部の側面は更に、エンボス加工凸部の側面がロール表面に対して90°よりも大きい角度を有し、凹部の側壁がロール表面に対して90°よりも小さい角度を有するように角度付けることができる。エンボス加工要素は、取り付けられることも提供され得る。
【0012】
加えて、第1のエンボス加工ロール及び/または第2のエンボス加工ロールは、1~50μmの平均粗さRzを有することができる。
【0013】
エンボス加工要素は各々、エンボス加工ロールの軸方向において0.1mmを超える長さを有することが提供され得る。エンボス加工要素は各々、エンボス加工ロールの周方向において0.1mm超の幅を有することも提供され得る。エンボス加工要素は各々、エンボス加工ロールの軸方向において0,2mmを超える長さを有することが提供され得る。エンボス加工要素は各々、エンボス加工ロールの周方向において0,2mmを超える幅を有することも提供され得る。特に好ましくは、エンボス加工要素は各々、エンボス加工ロールの軸方向において0,3mmを超える長さを有することが提供され得る。エンボス加工要素は各々、エンボス加工ロールの周方向において0,3mmを超える幅を有することも提供され得る。エンボス加工要素は、円形、矩形、卵形などであり得る、または文字、シンボル、もしくは商標などのより複雑な形状を有することができる。最小サイズを有するエンボス加工要素を設けることによって、エンボス加工されることになる材料に加えられる表面圧力を、材料依存の最大値に調節及び事前構成することができる。
【0014】
本発明は更に、請求項1~10のいずれか一項に記載の、特に、内部パッケージとしての使用のための、ロールアセンブリを有する、パッケージの気密及び水蒸気密シーリングのための非破壊エンボス加工バリア紙を生産する方法に関し、方法は、ロールアセンブリのニップにバリア巻き取り紙を供給することと、バリア巻き取り紙がニップを通して供給されるにつれて、バリア紙内でエンボス加工されたパターンを形成することと、を行うステップを含む。
【0015】
方法は、バリア紙が最大で100μmの繊維厚みを有することを提供し得る。更に、バリア紙は、最大で3mmの繊維長さを有することが提供され得る。
【0016】
バリア紙の紙厚みは、20μm~500μmであり得る。更に、バリア紙は、10GSM~800GSMの重量を有することが提供され得る。
【0017】
特に、エンボス加工されたパターンは、最大で50μmのエンボス加工高さを有することが提供され得る。エンボス加工されたエッジにおいて最小半径を設け、エンボス加工要素の最小サイズを実現することに加えて、最大エンボス加工高さを設けることは、バリア紙のバリア機能を損傷させることを回避するための効果的な措置であり得る。更に、使用されるバリア紙の紙厚みに厳密に対応するように、ロール調節が設けられ、その結果、エンボス加工要素を有さないエンボス加工ロールの領域内で、巻き取り紙の圧縮が行われず、バリア紙が単にエンボス加工要素の領域内で変形または圧迫されるにすぎないことが提供され得る。所望のエンボス加工されたパターンが特に長いエンボス加工高さを有することになるイベントにおいて、より厚みのあるバリアまたはワニス層を有するバリア紙が使用されることが意図され得る。したがって、バリア層の厚み、したがって、ロール調節をエンボス加工パターンの所望のエンボス加工高さに設定することができることが提供され得る。
【0018】
バリア層がエンボス加工凸部から離れ、平滑なロールとしてまたは雌型として設計された背面ロールに向かってバリア層が面するように、バリア紙がニップを通じてガイドされることも提供され得る。
【0019】
本発明の例示的な実施形態は以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る、ロールアセンブリの実施形態の平上面図を示す。
図2】雌型として設計されたエンボス加工ロール内の凹部の詳細な図を示す。
図3】雄型として設計されたエンボス加工ロール内のエンボス加工凸部の詳細な図を示す。
図4】エンボス加工バリア紙の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示される本発明に係るロールアセンブリ1の実施形態の平面図は、図の上面に示される第1のエンボス加工ロール3と、図の底部に示される第2のエンボス加工ロール4とを有する。示される実施形態では、第1のエンボス加工ロール3は、エンボス加工凸部7の形式にある複数のエンボス加工要素を有する。それらは、異なる形状及びサイズを有し、それらの上面でのエンボス加工凸部は各々、1μm~1000μmの最小半径Rを有する周エッジ6を有する。対応する方式において、示される実施形態における第2のエンボス加工ロール4は、凹部9の形式にある複数のエンボス加工要素を有する。それらはまた、第1のエンボス加工ロール3のエンボス加工凸部7に相補的であるが、異なる形状及びサイズを有する。示されるエンボス加工要素は各々、少なくとも0.1mmの周方向Yにおける幅B及び少なくとも0.1mmの軸方向Xにおける長さLを有する。凹部9も各々、ロール表面8の平面上で1μm~1000μmの最小半径Rを有する周エッジ6を有する。エンボス加工ロール3、4の両方は、1~50μmの表面粗さRを有する。ロール3、4の両方は、それらの間でニップ5をそれらが形成するように、互いに対して軸方向Xにおいて配列される。これは、調節可能なロール調節により、バリア紙2がニップ5を通して供給されるとき、エンボス加工凸部7が対応する相補的凹部9内で係合することができるように、エンボス加工ロール3、4の両方が、互いに対して並列に配列され、互いに対して位置合わせされることを意味する。エンボス加工ロール3、4の両方は、反対の回転方向Yにおいて駆動される。
【0022】
図2は、図1に示されたような、雌型として設計されたエンボス加工ロール4内の凹部9の詳細な図を例示する。示される凹部9は、エンボス加工ロール4の径方向Zにおいて最大で200μmのエンボス加工深度T、及び軸方向Xにおいて少なくとも0.1mmの長さLを有し、凹部の側壁は、ロール表面8に垂直である。1μm~1000μmの最小半径Rを有するロール表面8の平面で凹部9を囲むエッジ6が、凹部9の側壁とロール表面8との間の相対的に平滑な遷移を提供することが分かる。対照的に、凹部の基部におけるエッジは、より鋭い半径を有する。
【0023】
図3は、図1からの雄型として設計されたエンボス加工ロール3のエンボス加工凸部7の詳細な図を示す。示されるエンボス加工凸部7は、エンボス加工ロール3の径方向Zにおいて最大で200μmのエンボス加工高さH、及び軸方向Xにおいて少なくとも0.1mmの長さLを有し、エンボス加工凸部7の側面は、図2における凹部9にあるようなロール表面8に垂直に位置合わせされる。エンボス加工凸部7は、平坦な上面を有する。1μm~1000μmの最小半径Rを有するその上面7でエンボス加工凸部7を囲むエッジ6が、エンボス加工凸部7の側面とエンボス加工凸部7の上面との間の相対的に平滑な遷移を提供することが分かる。対照的に、ロール表面8の平面でエンボス加工凸部7を囲むエッジは、エンボス加工凸部7の下側でより鋭い半径を有する。
【0024】
図4は、本発明に係る方法によってエンボス加工されたバリア紙2の側面図を示す。これは、紙層11と、その上にあるバリア層12とを有する。紙層11は、複数の紙繊維13を有し、複数の紙繊維13は、最大で3mmの繊維長さL及び最大で100μmの繊維厚みDを有する。紙層11及びバリア層12から構成されたバリア紙2の組み合わされた厚みまたは紙厚みSは、20μm~500μmの間である。バリア紙2の上面では、すなわち、バリア層12の側部では、バリア紙2は、エンボス加工されたパターン10を有し、エンボス加工されたパターン10は、示されるように、軸方向Xにおいて互いから間隔を空けられた複数の個々の要素から形成される。エンボス加工されたパターンの高さHPMは、最大で50μmである。
【0025】
上記の説明、図面、及び特許請求の範囲において開示される本発明の特徴は、個々に及びいずれかの組み合わせの両方において、本発明の実施態様のために必須であり得る。
【符号の説明】
【0026】
1 ロールアセンブリ
2 バリア紙
3 第1のエンボス加工ロール
4 第2のエンボス加工ロール
5 ニップ
6 エッジ
7 エンボス加工凸部
8 ロール表面
9 凹部
10 エンボス加工されたパターン
11 紙層
12 バリア層
13 紙繊維
X 軸方向
Y 周方向
Z 径方向
エンボス加工高さ
PM エンボス加工されたパターンの高さ
エンボス加工深度
エンボス加工要素の長さ
エンボス加工要素の幅
繊維厚み
繊維長さ
エッジ半径
平均粗さ
紙厚み
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】