(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】インプラントシステムおよびインプラントシステムを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/12 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A61F2/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535758
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2022083763
(87)【国際公開番号】W WO2023117338
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021214856.5
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524129494
【氏名又は名称】カール ライビンガー アセット マネジメント ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】KARL LEIBINGER ASSET MANAGEMENT GMBH & CO.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】グローム、シュテファニ
(72)【発明者】
【氏名】ライナウアー、フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフラム、トビアス
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA19
4C097BB01
4C097CC01
4C097DD06
4C097DD09
4C097EE08
4C097EE19
4C097MM02
4C097MM03
(57)【要約】
本発明は、通路開口部(113)を有して設計されるとともに、軟組織を受容するための三次元内部空間(120)を画定する少なくとも1つの生体吸収性カプセル要素(110)を備えるインプラントシステム(100)に関する。さらに、インプラントシステムは、カプセル要素(110)によって画定された三次元内部空間(120)内に少なくとも部分的に配置されているか、または配置することができ、かつ細胞遊走のための少なくとも1つのガイド構造を有する内側要素を有することができる。さらに、本発明は、インプラントシステム(100)を製造する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの生体吸収性カプセル要素(110)を備えるインプラントシステム(100)であって、前記少なくとも1つの生体吸収性カプセル要素(110)は、通路開口部(113)を有して構成されるとともに、軟組織を受容するための三次元内部空間(120)を画定している、インプラントシステム(100)。
【請求項2】
前記生体吸収性カプセル要素(110)は、生体吸収の開始前に幾何学的に安定したカプセル要素として構成されている、請求項1に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項3】
前記三次元内部空間(120)は、カプセル要素(110)の三次元曲率によって画定されるとともに、少なくとも部分的に囲まれている、請求項1または2に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項4】
前記通路開口部(113)は、細孔および/またはマトリックス状の格子によって設けられている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項5】
前記細孔および/または前記マトリックス状の格子は、少なくとも部分的に均一に配置または構成されている、請求項4に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項6】
カプセル要素(110)は、生分解性ポリマーを含むか、または生分解性ポリマーからなる(特に、生分解性ポリエステルを含むか、または生分解性ポリエステルからなる)、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項7】
前記カプセル要素(110)は、PLLA、PLLA-PGA、PLGA、PCLおよび/またはPDLLAを含むか、またはこれらからなる、請求項6に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項8】
カプセル要素(110)は、セラミック粒子、金属粒子、および/またはバイオガラス粒子を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項9】
カプセル要素(110)によって画定された前記三次元内部空間(120)は、入口開口部(130)を有しており、前記入口開口部(130)は、前記軟組織が前記入口開口部(210)を通って内部空間(120)に導入され得るように大きさが決定されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項10】
前記インプラントシステム(100)を患者の体内に保持するための保持構造(135)が、前記入口開口部(130)の縁部に少なくとも部分的に形成されている、請求項9に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項11】
カプセル要素(110)によって画定された前記三次元内部空間(120)内に少なくとも部分的に配置されるか、または配置可能であり、かつ内側への細胞遊走のための少なくとも1つのガイド構造(141)を有する内側要素(140)をさらに備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項12】
前記内側要素(140)は、前記三次元内部空間(120)を画定するために、前記カプセル要素(110)の三次元エンベロープを維持するための少なくとも1つの支持構造を有する、請求項11に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項13】
前記内側要素(140)は、前記カプセル要素(110)と一体的に構成されているか、または前記カプセル要素(110)とは別個に構成されている、請求項11または12に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項14】
前記内側要素(140)は、セラミック粒子、金属粒子、および/またはバイオガラス粒子を含む、請求項11乃至13のいずれか一項に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項15】
前記セラミック粒子、前記金属粒子および/または前記バイオガラス粒子は、特定の成長因子(特に、FGF、IGF-1もしくはCTGF)、またはこれらの成長因子のペプチドベースの変異体のための担体系として使用される、請求項14に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項16】
内部空間(120)は、コラーゲンマトリックスおよび/または生体適合複合材料混合物で少なくとも部分的に充填されている、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項17】
インプラントシステム(100)を製造する方法であって、
解剖学的データを取得するために、ヒト患者の解剖学的構造を測定するステップ(S10)と、
前記解剖学的データに基づいて患者固有のインプラントシステム(100)を作成するステップ(S20)と、を含み、前記インプラントシステム(100)のカプセル要素(110)は、好ましくは熱成形によって製造される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラントシステムおよびインプラントシステムを製造する方法に関する。インプラントシステムは、特に、大量の軟組織欠損の機能改善または乳房再建のための吸収性の幾何学的に安定したインプラントシステムであり得る。
【背景技術】
【0002】
大量の軟組織欠損の再建(例えば、乳房再建)のための、または大きな軟組織欠損の機能改善のための従来のインプラントは、生分解性ではなく、従って患者の部位に異物として残る。異種材料からなる生体吸収性インプラントは、これまで、非常に小さい欠損に対してのみ可能であり、そのようなインプラントは、体積対質量比が不利に小さいことが多く、即ち、所望の体積に対して過度に重い。拒絶反応または炎症反応は、免疫学的合併症を引き起こす可能性がある。このような影響は、インプラント材料が生体吸収性でない場合、インプラント材料の経年劣化によって悪化する可能性がある。そのような経年劣化は、インプラントの漏出につながることもあり、これは、時にはインプラントの修正が必要となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、軟組織欠損の再建または軟組織欠損の機能改善のための改良されたインプラントシステムであって、上述の問題を解決するか、または少なくとも問題によって生じる結果を軽減するインプラントシステムを提供することである。
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を有するインプラントシステムによって達成される。さらに、そのようなインプラントシステムを製造するための方法を提供することが目的である。この目的は、請求項12の特徴を有する方法によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これに対応して、本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの生体吸収性カプセル要素を備えるインプラントシステムが提供され、少なくとも1つの生体吸収性カプセル要素は、通路開口部を有して構成されるとともに、軟組織を受容するための三次元内部空間を画定する。軟組織は、例えば、特に乳房再建または豊胸のための脂肪組織および/または結合組織であり得る。
【0006】
インプラントシステムは、好ましくは、哺乳動物、とりわけヒト患者での使用が意図される。「患者」または「ある患者」が本明細書および以下で言及される場合は、これは、男性患者および女性患者の両方を含むことを意味する。特に、乳房再建のためのインプラントが関係する場合、女性患者が対象となる。実際には、乳房再建のためのインプラントを一般的な例として本明細書で説明する。
【0007】
本明細書に関連して、「生体吸収性」とは、対応する生体吸収性要素(ここでは、カプセル要素)が、移植される身体によって非常に良好に許容されるだけでなく、身体によって徐々に吸収されることを意味することが意図される。特に、これは、インプラントが必ずしも後で再び除去される必要がなく、完全に吸収され、かつ/または例えば内因性の再成長した組織によって置換されるという利点を有する。以下では、用語「生体吸収性」および「生分解性」の両方が使用される。「生体吸収性」とは、本質的に、細胞による分解産物の生理的吸収を意味し、一方、「生分解性」とは、分解産物の生理的取り込みを伴わない、主として細胞外での分解を指す。従って、本発明の状況では、2つの用語は、「生体吸収性」として説明される要素が(代替的なものとして、または追加的なものとして)「生分解性」であるように構成され得、その逆も同様である限りにおいて、交換可能である。
【0008】
画定された三次元内部空間は、任意の所望の形状、例えば半球形状または球の一部分の形状を有し得る。しかしながら、どの軟組織がどの位置でどの体内に受容されることが意図されるかに応じて、他の形状も想定され得る。この場合、インプラントシステムの目的は、特に、軟組織を受容し、安定した容積を有する空洞を生成し、少なくともカプセル要素の治癒過程および段階的な吸収が行われている間、それらを所定の位置に固定することである。以下により詳細に説明するように、カプセル要素は、さらなるタスク、例えば、組織再生を促進するか、または刺激することを遂行し得る。これはまた、インプラントシステムの他の要素および特性によってさらに促進され得る。この場合、特に、膜バリアと組み合わせた特定のインプラントの実施形態によって、部位特異的な内側への細胞遊走が可能になり得るとともに、内側への細胞遊走が制御され得る。膜バリアを形成する膜は、画定されたインプラント構造上に特異的に固定可能であるか、または固定される。
【0009】
カプセル要素は、特に患者の体内で使用されている間、内部空間内に受容された軟組織を(完全にまたは少なくとも部分的に)カプセル化し、従って、軟組織を固定するだけでなく、軟組織を外部の影響から保護し、かつ場合によってはさらに隔離するので、そのように名付けられている。カプセル要素の通路開口部は、内部と、カプセル要素の反対側にあり、かつ患者の体内に同様に依然として位置する外部との間で物質を交換するために使用される。このようにして、例えば、細胞が内側に移動し得、体液が交換され得、血管が通路開口部を通して成長し得、かつ/または同等のことが行われ得る。通路開口部の1つまたは複数の大きさは、所望の機能、および交換される物質および/または組織部分に対応して適合され得る。加えて、インプラントシステム、特にカプセル要素は、拡散バリアとして機能するように膜で覆われ得る。この場合、膜は、実際のインプラントシステムとは異なる分解プロファイルを有し得る。これにより、炎症細胞が早期に内側に移動することが防止される。膜の分解後にのみ、一次炎症反応が治まった後に、組織特異的細胞が内側に移動することができる。
【0010】
カプセル要素は、好ましくは、幾何学的に安定であるように構成され、即ち、カプセル要素が移植される身体による段階的な生分解および生体吸収の過程において、その形状が(最大でも)段階的にかつ定められた方法でのみ失われるが、有利なことに、移植状況において最初からカプセル要素に作用する力によっては実質的に失われない。このように、本発明によるインプラントシステムは、移植の開始時でさえも幾何学的安定性を有していない、いわゆる「注射剤」とは異なる。少なくとも60℃までの熱変形に対する幾何学的安定性も同様に好ましい。
【0011】
第2の態様によれば、本発明は、インプラントシステムを製造するための方法であって、
解剖学的データを取得するために、ヒト患者の解剖学的構造を測定するステップと、
前記解剖学的データに基づいて患者固有のインプラントシステムを作成するステップと、を含む方法を提供する。
【0012】
インプラントシステムのカプセル要素は、好ましくは熱成形(「深絞り」としても知られることもある)によって製造され得る。通路開口部は、深絞り加工中に直接的に(「一次通路開口部」として)、および/またはその後に(「二次通路開口部」として)、サブトラクティブ法によって、規定された方法で導入され得る。また、内側要素がアディティブ製造技術によって作成され得るとともに、特定の保持構造上でカプセル要素に連結され得るか、または連結可能であり得る。更に、内側要素およびカプセル要素の両方は、患者固有に製造され得る。カプセル要素および/または内側要素は、同じ原材料または異なる材料の組み合わせのいずれかで構成され得、これにより、例えば、内部空間が組織によってより迅速にコロニー形成され得、カプセル要素が、最終的に吸収されるまで、ある程度の期間、幾何学的に安定した状態を保つことを保証し得る。
【0013】
第3の態様によれば、本発明は、患者の体内に軟組織を固定する方法であって、
本発明の第1の態様の一実施形態によるインプラントシステムを患者の体内に取り付けるステップと、
カプセル要素によって画定された三次元内部空間が軟組織を受容するように、軟組織および/またはインプラントシステムを移動させるステップと、を含む方法を提供する。
【0014】
軟組織が患者の身体に既に連結されているか否かに応じて、軟組織は、インプラントシステムが患者の身体内に導入される前に、インプラントシステム内に、即ちカプセル要素によって画定された内部空間内に導入され得るか、または導入は、逆の順序で、または同時に実行され得る。
【0015】
有利かつ好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態は、従属請求項および以下の説明において、特に図面を参照して、より詳細に説明する。
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、三次元内部空間は、カプセル要素の三次元曲率(three-dimensional curvature)によって画定されるとともに、三次元曲率によって少なくとも部分的に囲まれている。三次元内部空間が例えば半球状に構成される場合、カプセル要素は、半球状シェルの形状に形成され得る。カプセル要素は、例えば、特定の安定性を確保するために、三次元内部空間を完全に包囲し得るか、または代替的に、カプセル要素は、入口開口部が残り、入口開口部を通して、例えば、軟組織が内部空間内に導入され得るように、三次元内部空間を部分的にのみ包囲し得る。内部空間を画定するための他の選択肢と比較して、曲率は特に自然であり、従って、患者の体内の様々な組織部分に理想的に適合し得、刺激をほとんど引き起こさず、自然な感触を与えることができる。
【0016】
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、生体吸収性カプセル要素は、生体吸収の開始前に幾何学的に安定しているカプセル要素として構成される。いくつかの変形形態では、これに代えて、またはこれに加えて、内側要素は、例えばインプラントシステムにさらなる安定性を付与するために、幾何学的に安定した内側要素として構成され得る。生体吸収に起因する幾何学的安定性の経時的な変化は、材料および幾何学的形状を適切に選択することによって、用途特異的および患者特異的に調整され得る。
【0017】
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、通路開口部は、細孔によって、かつ/またはマトリックス状の格子によって提供される。細孔および/またはマトリックス状の格子は、この場合、有利には、技術的に最小化され得、即ち、特に、カプセル要素の所望の強度および安定性を確保しながら、使用されるインプラント材料の量が最小化されるように選択および構成され得る。このようにして、例えば、三次元内部空間の容積とインプラントシステム、特にカプセル要素の質量との間の比が有利に増大され得る。従って、カプセル要素の通路開口部は、物質または組織部分の通過のためだけでなく、カプセル要素の材料削減および重量削減のためにも使用される。
【0018】
通路開口部はまた、部位特異的パターンで配置され得る。例えば、縁部、中央部、または片側に配向された通路開口部が可能である。さらに、吸収動態は、通路開口部の特定の構成によって調整され得る。
【0019】
通路開口部が少なくとも部分的に細孔によって形成される場合、細孔は少なくとも部分的に均一に配置され得る。即ち、細孔が規則的な間隔または規則的なパターンで配置されているカプセル要素の少なくとも1つの部分領域が存在し得る。一方、カプセル要素の1つまたは複数の他の領域では、細孔は、パターンに対してより密に配置され得るか、または広がって配置され得、その場合、対応する位置は、内部空間の内側または外側に配置される組織と協調され得る。換言すれば、軟組織によるカプセル要素の浸透の増加、またはカプセル要素を通る物質の交換の増加が所望される場合、細孔の配列は、より少ない交換またはより少ない浸透が所望されるカプセル要素の別の箇所よりも、より高い頻度で、かつ/またはより大きな孔で提供され得る。換言すれば、細孔間の距離と、細孔自体の寸法、即ち特に直径との両方は、カプセル要素の様々な位置で異なり得、即ち、それらはカプセル要素全体で変化し得る。同じことが、通路開口部のマトリックス状の格子にも当てはまり、この場合、通路開口部は、正方形または長方形として構成され得る。楕円形または円形の細孔として構成された通路開口部も、格子状に配置され得る。
【0020】
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、カプセル要素は、生分解性ポリマーを含むか、または生分解性ポリマーからなる。また、有利には、カプセル要素は、生分解性ポリマー複合材料を含むか、または生分解性ポリマー複合材料からなり得る。この場合、カプセル要素は、生分解性ポリエステルを含むか、もしくは生分解性ポリエステルからなるか、または生分解性ポリエステル複合材料を含むか、もしくは生分解性ポリエステル複合材料からなることが特に好ましい。カプセル要素は、以下の生分解性ポリマー(純粋または複合材料の形態のいずれか)であって、
- ポリ(L-乳酸)、PLLA
- ポリ(L-乳酸)-グリコール酸、PLLA-PGA
- ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、LGA
- ポリカプロラクトン、PCL
- ポリ(D-L-乳酸)、PDLLA
の生分解性ポリマーの1つを含むか、またはそれからなることが特に好ましい。
【0021】
これらのポリマーは、それらの生分解性のため、および患者の身体による生分解または生体吸収における時間遅延のために、特に適している。
内側要素は、カプセル要素と同じ材料から形成され得か、または異なる材料から形成され得る。例えば、カプセル要素は、PDLLAから形成され得、内側要素は、PCLから形成され得る。
【0022】
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、カプセル要素は、セラミック粒子、金属粒子および/またはバイオガラス粒子を含む。そのような粒子は、特に、カプセル要素の様々な複合材料または化合物の一部であり得る。そのような粒子は、有利には、組織再生を促進および刺激し、それによって、インプラントシステムの治療的有用性を増加させ得る。従って、カプセル要素はまた、例えば定期的な注射などを必要とすることなく、そのような治療上有用な粒子を正確に位置決めされた状態で、かつ時間遅延を伴って患者の体内に投与するための非常に適切な解決策を提供する。
【0023】
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、カプセル要素によって画定された三次元内部空間は、入口開口部を有し、入口開口部は、軟組織を入口開口部を通して内部空間に導入することができるように大きさが決定されている。この場合、特に、入口開口部は、通路開口部よりも大きい。例えば、入口開口部は、最大または最小の通路開口部の直径(円形または楕円形の細孔の場合)または辺の長さ(正方形または長方形の通路開口部の場合)の10倍を超える、特に15倍を超える、20倍を超える、またはさらに大きい、最も広い位置における直径を有し得る。好ましくは、カプセル要素は、複数の通路開口部、例えば、少なくとも10個、少なくとも30個の通路開口部、少なくとも50個の通路開口部、100個を超える通路開口部、またはそれ以上の通路開口部を含む。
【0024】
他方、カプセル要素は、軟組織のための多くとも2つの入口開口部、特に好ましくは内部空間への軟組織のための正確に1つの入口開口部を備えることが好ましい。入口開口部はまた、特に、インプラントシステム、より正確にはカプセル要素が取り付けられるときに、軟組織が好ましくは入口開口部を通って内部空間に導入されるのに対して、通路開口部を通る物質または組織部分の通過は、インプラントシステムが患者の体内に取り付けられた後にのみ徐々に起こるという点で、通路開口部とは異なる。
【0025】
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、インプラントシステム、特にカプセル要素を患者の体内に保持するための保持構造が、入口開口部の縁部に少なくとも部分的に形成される。保持構造は、例えば、縁部整形または縁部反転によって形成され得、いくつかの変形形態では、部分的に構造化されるか、または特異的に機能化され得る。保持構造は、1つまたは複数の固定要素を含み得、この固定要素は、例えば、患者の身体の硬組織内に導入するための釘またはピン固定の形態で、または患者の硬組織上にカプセル要素を固定するためのループの形態で構成され得る。このようにして、インプラントシステムは、患者の体内に特に安定して保持され得る。
【0026】
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、インプラントシステムは、カプセル要素によって画定された三次元内部空間内に少なくとも部分的に配置されるかまたは配置可能である内側要素をさらに備える。内側要素は、複数の機能を果たすことができ、内側要素は、例えば、内側への細胞遊走のための少なくとも1つのガイド構造を備え得る。内側要素が、三次元内部空間を画定するために、カプセル要素の三次元エンベロープ(例えば、三次元曲率)を維持するための少なくとも1つの支持構造を備えることも考えられる。例えば、内側要素は、住宅の内部に相当するような支持壁または支持柱を備え得るか、または内側(カプセル要素の内部側の側面)のリブなどの補強要素などを備え得る。補強要素(例えば、リブ)は、カプセル要素の外側に配置され得ることを理解されたい。
【0027】
内側要素は、カプセル要素と一体的に構成され得るとともに、特に、カプセル要素と同時に製造され得る。代替的に、内側要素は、カプセル要素とは別個に構成され得る。後者の場合、内側要素は、カプセル要素に着脱可能に連結されてもよく、着脱不能に連結されるか、または連結されなくてもよい。例えば、内側要素は、インプラントシステムが患者の体内に移植される際に、カプセル要素内に取り付けられ、次いで、カプセル要素によって所定の位置に固定され得る。
【0028】
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、内側要素は、セラミック粒子、金属粒子および/またはバイオガラス粒子を含む。そのような粒子は、特に、カプセル要素の様々な複合材料または化合物の一部であり得る。そのような粒子は、有利には、組織再生を促進および刺激し、それによって、インプラントシステムの治療的有用性を増加させ得る。粒子はまた、特定の成長因子、例えば、FGF(線維芽細胞成長因子)、IGF-1(インスリン様成長因子)またはCTGF(結合組織成長因子)、およびこれらの成長因子のペプチドベースの変異体のための担体系として使用され得、従って、インプラントシステムにおける空間的配置に起因する部位特異的位置での生物学的活性化によって軟組織再生を最適化することができる。
【0029】
従って、内側要素はまた、例えば定期的な注射などを必要とすることなく、そのような治療上有用な粒子を正確に位置決めされた状態で、時間遅延を伴って患者の体内に投与するための非常に適切な解決策を提供する。インプラントシステムの内側要素(または、内側構造)はまた、細胞外マトリックスの成分(例えば、コラーゲンベースの繊維状成分)の特異的導入によって製造され得るが、組織治癒を促進および/または改善するために、フィブロネクチンまたはヒアルロン酸成分も導入可能である。
【0030】
いくつかの好ましい実施形態、実施形態の変形形態または改良形態によれば、インプラントシステムの内部空間は、コラーゲンマトリックスおよび/または生体適合複合材料混合物(biocomposite mixture)で少なくとも部分的に充填される。これにより、内側への組織移行がさらに促進され得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明は、図面の図における例示的な実施形態を用いて以下でより詳細に説明される。図面は、部分的に概略化された表現を示す。
【
図1】本発明の一実施形態によるインプラントシステムの例示的な三次元平面図である。
【
図2】一変形形態における
図1によるインプラントシステムの概略断面図である。
【
図3】本発明の別の実施形態による製造方法を説明するための概略的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
全ての図において、同一または機能的に同等の構成要素および装置には、別段の指示がない限り、同一の参照符号が付されている。
図1は、本発明の一実施形態によるインプラントシステム100の例示的な立体斜視図を示す。インプラントシステム100は、生分解性ポリマーまたは生体吸収性ポリマーを含むか、または生分解性ポリマーまたは生体吸収性ポリマーからなる生体吸収性カプセル要素110を含む。好ましくは、カプセル要素110は、生分解性ポリエステルもしくは生体吸収性ポリエステルを含むか、または生分解性ポリエステルもしくは生体吸収性ポリエステルからなる。カプセル要素110を構成し得るか、またはカプセル要素110が含み得る特に適切な材料は、以下の
- ポリ(L-乳酸)、PLLA
- ポリ(L-乳酸)-グリコール酸、PLLA-PGA
- ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、LGA
- ポリカプロラクトン、PCL
- ポリ(D-L-乳酸)、PDLLAである。
【0033】
カプセル要素110は、好ましくは、セラミック粒子、金属粒子、および/またはバイオガラス粒子を備え得、これらは、特に、組織再生を促進および刺激し、従って、治療的有用性を有し得る。
【0034】
図1から分かるように、カプセル要素110は、三次元曲率を有し、即ち、内部に湾曲部または縁部が存在しない三次元エンベロープを有する。
図1に示される例では、カプセル要素110は、球形シェルセグメント(spherical shell segment)の形状、換言すれば、球形セグメント(spherical segment、球欠)の球形キャップ(spherical segment、球冠)の形状を有するように三次元的に湾曲している。従って、カプセル要素110は、本質的に2つの表面、即ち凸状の外側の外面111と、内側の凹状の内面112とを有する。
図1では、外面111は観察者の方を向いており、内面112は観察者に対して背を向いている。
【0035】
カプセル要素110は、カプセル要素110の内側に、即ち特に内面112に沿って、軟組織を受容するための三次元内部空間120を画定している。軟組織は、例えば、脂肪組織および/または結合組織であり得る。カプセル要素110が前述の形状であることにより、カプセル要素110によって画定された内部空間120は、球形セグメントの形状を有する。カプセル要素110が球形シェルセグメントの形状に構成されるということに起因して、三次元内部空間120は外側に部分的に開口しており、即ち、入口開口部130が存在する。入口開口部130は、軟組織を入口開口部130を通して内部空間120に導入することができるように大きさが決定されている。
図1に示され、かつ上述された幾何学的形状の結果として、カプセル要素110の入口開口部130は、この場合、円形である。
【0036】
図1によるインプラントシステム100は、例えば、乳房再建のための軟組織インプラントとして使用され得、カプセル要素110の湾曲形状は、内部空間120に受容された軟組織を固定し、それを乳房再建に適した形状にし、軟組織をその形状に維持するのに適している。身体の他の部分に対する軟組織再建または軟組織機能改善のために、他の、例えば、あまり規則的でないカプセル要素110の形状(従って、そのカプセル要素110によって画定される内部空間120および対応して画定される入口開口部130の形状)も可能であることを理解されたい。
【0037】
図1に同様に示されるように、カプセル要素110は、好ましくは、外面111から内面112までカプセル要素110を横断する多数の通路開口部113を備える。既に上述したように、これらの通路開口部113は、有利には、カプセル要素110の質量を低減させるだけでなく、カプセル要素110によって画定される内部空間120の容積を同時に維持するために使用される。加えて、通路開口部113はまた、カプセル要素110を通して、組織部分または他の物質(例えば、流体)の交換を可能にするために使用される。このようにして、例えば、カプセル要素110の外面111上に位置する血管は、インプラントシステム100が患者の体内に取り付けられた後、カプセル要素110内に成長し得る。さらに、例えば、リンパ液の交換、および/または同様のことが行われ得る。物質の交換の間、カプセル要素110に含まれるセラミック粒子、金属粒子、および/またはバイオガラス粒子は、有利には、溶解され、その結果、内部空間120および内部空間120内に位置する軟組織に導入され得る。このようにして、内側への組織移行または内側への細胞遊走をさらに改善することができる。
【0038】
図1に示すように、図示の例におけるカプセル要素110の通路開口部113は、全て同じ直径で構成され、大部分が均一な格子構造またはマトリックス状の格子に配置され、この格子構造は、外面111の縁部領域においてのみ幾分中断されている。しかしながら、通路開口部113はまた、例えば、組織内の特定の部位に拡散バリアを構築するために、またはそのような拡散バリアを最小限にするために、または規定された部位での拡散を促進するために、部位特異的に構成されるか、または異なるように配置され得ることを理解されたい。拡散バリアを減少させるために、通路開口部113は、より大きな直径で構成され得るか、または、互いに対してより高い密度で形成され、より多くの数で形成され得、一方、拡散バリアを構築するか、または拡散バリアを補強するために、通路開口部113が配置されていないカプセル要素110の部分を除き、全く逆の措置がとられ得る。例えば、
図1では、通路開口部113のない領域が、外面111の縁部の近傍に形成され得ることが分かる。
【0039】
さらに、
図1では、外面111は、縁部において、即ちその半径方向円周上で、外側、即ち外面111の方向に向きが変えられ得ることが分かる。このようにして、患者の体内にインプラントシステム100、特にカプセル要素110を保持するための保持構造135がカプセル要素110上に形成されている。
【0040】
図2は、一変形形態における
図1によるインプラントシステム100の概略断面図を示す。
図2は、縁部反転を明確に示しており、縁部反転は、保持構造135を形成するとともに、この場合、入口開口部130の周囲全体に延在している。通路開口部113は、分かり易くするために
図2には示されていない。
図2に示される変形形態では、インプラントシステム100は、概略的に示される内側要素140をさらに備えており、内側要素140は、カプセル要素110によって画定された三次元内部空間120内に少なくとも部分的に配置されるか、または配置可能であり、かつ内側への細胞遊走のための少なくとも1つのガイド構造141を備える。
【0041】
既に詳細に上述したように、内側要素140は、カプセル要素110と一体的に、またはカプセル要素110とは別個に構成され得る。内側要素140は、カプセル要素110上に固定されてもよく、またはカプセル要素110上に固定可能であってもよく、またはカプセル要素110から別個にかつ柔軟に構成され得る。内側要素140自体は、1つの部品で構成され得るか、または様々な個々の要素から構成され得る。内側要素140は、カプセル要素110と同じ材料から、または異なる材料から構成されてもよく、その場合、カプセル要素110に関して上記で詳細に説明したものと同じ材料、複合材料、または材料の組み合わせが、原則として、内側要素140に関して想定され得る。特に、内側要素140はまた、組織再生を促進および刺激し、それによって、付加的な治療的有用性を提供するために、セラミック粒子、金属粒子、および/またはバイオガラス粒子を備え得る。
【0042】
図2に示すように、内側要素140の個々の部分は、ガイド構造141として機能するだけでなく、任意選択的に、カプセル要素110の三次元エンベロープを維持するための、即ちカプセル要素110の曲率を維持するための1つまたは複数の支持構造としても機能し得る。
【0043】
図2では、ガイド構造141は、比較的粗く構成されているものとして表されているが、任意の複雑で微細な構造で形成され得ることを理解されたい。内側要素140および/または内側要素140の個々の部品、例えば、特に内側要素140の任意の支持構造は、経時的な生分解性に関してカプセル要素110とは異なるように構成され得る。この場合、生分解の様々な時間的順序は、計画された意図された用途に特に適合され得、例えば、カプセル要素110は、内側要素140の前に分解するように、またはその逆となるように意図され得る。また、内側要素140の個々の部分またはセクションは、例えば、内側への組織移行のための容積を内部空間120に段階的に提供するために、異なる速度で分解することが意図され得、その一方で、内側要素140の秩序化または支持機能は、内側への組織移行によって低減され得る。内部空間120は、内側への細胞遊走または内側への組織移行をさらに支援するために、コラーゲンマトリックスおよび/または生体適合複合材料混合物で少なくとも部分的にまたは完全に充填され得る。
【0044】
図3は、本発明の別の実施形態によるインプラントシステム100を製造するための方法を説明するための概略的なフローチャートを示す。
図3による方法は、
図1または
図2に示されたインプラントシステム100を製造するために使用されてもよく、それに応じて、本発明による、特に
図1および
図2によるインプラントシステムに関連する全てに従って適合され、かつ/または変更されてもよく、その逆も同様である。
【0045】
ステップS10において、解剖学的データを得るために、ヒト患者の解剖学的構造が測定される。解剖学的データは、例えば、1つまたは複数のタイプの組織の厚さおよび位置、軟組織欠損部位の寸法、および/または同様のものを含み得る。ステップS20において、患者固有のインプラントシステム100が、解剖学的データに基づいて作成され、即ち、最初に計画され、次いで計画に従って製造される。インプラントシステム100のカプセル要素110は、特に、熱成形によって製造され得る。カプセル要素110と一体的に構成されていない、任意選択的に設けられる内側要素140は、移植前にカプセル要素110に連結され、次いでカプセル要素110と共に移植されるか、または患者の体内に単に取り付けられ、次いで、その場でカプセル要素110に連結されるかのいずれかであり得る。
【0046】
本発明を有利な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々異なる方法で変更することができる。特に、本発明は、本発明の本質的な要旨から逸脱することなく、多くの方法で変更または修正することができる。
【符号の説明】
【0047】
100…インプラントシステム
110…カプセル要素
111…外面
112…内面
113…通路開口部
120…内部空間
130…入口開口部
135…保持構造
140…内側要素
141…ガイド構造
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの生体吸収性
の患者固有のカプセル要素(110)を備えるインプラントシステム(100)であって、前記少なくとも1つの生体吸収性カプセル要素(110)は、通路開口部(113)を有して構成されるとともに、軟組織を受容するための三次元内部空間(120)を画定して
おり、
カプセル要素(110)によって画定された前記三次元内部空間(120)は、入口開口部(130)を有しており、前記入口開口部(130)は、前記軟組織が前記入口開口部(210)を通って内部空間(120)に導入され得るように大きさが決定されており、前記インプラントシステム(100)を患者の体内に保持するための保持構造(135)が、前記入口開口部(130)の縁部に少なくとも部分的に形成されている、インプラントシステム(100)。
【請求項2】
前記生体吸収性カプセル要素(110)は、生体吸収の開始前に幾何学的に安定したカプセル要素として構成されている、請求項1に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項3】
前記三次元内部空間(120)は、カプセル要素(110)の三次元曲率によって画定されるとともに、少なくとも部分的に囲まれている、請求項1または2に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項4】
前記通路開口部(113)は、細孔および/またはマトリックス状の格子によって設けられている、請求項1
または2に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項5】
前記細孔および/または前記マトリックス状の格子は、少なくとも部分的に均一に配置または構成されている、請求項4に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項6】
カプセル要素(110)は、生分解性ポリマーを含むか、または生分解性ポリマーからなる(特に、生分解性ポリエステルを含むか、または生分解性ポリエステルからなる)、請求項1
または2に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項7】
前記カプセル要素(110)は、PLLA、PLLA-PGA、PLGA、PCLおよび/またはPDLLAを含むか、またはこれらからなる、請求項6に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項8】
カプセル要素(110)は、セラミック粒子、金属粒子、および/またはバイオガラス粒子を含む、請求項1
または2に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項9】
カプセル要素(110)によって画定された前記三次元内部空間(120)内に少なくとも部分的に配置されるか、または配置可能であり、かつ内側への細胞遊走のための少なくとも1つのガイド構造(141)を有する内側要素(140)を
付加的に備える、請求項1
または2に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項10】
前記内側要素(140)は、前記三次元内部空間(120)を画定するために、前記カプセル要素(110)の三次元エンベロープを維持するための少なくとも1つの支持構造を有する、請求項
9に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項11】
前記内側要素(140)は、前記カプセル要素(110)と一体的に構成されているか、または前記カプセル要素(110)とは別個に構成されている、請求項
9に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項12】
前記内側要素(140)は、セラミック粒子、金属粒子、および/またはバイオガラス粒子を含む、請求項
9に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項13】
前記セラミック粒子、前記金属粒子および/または前記バイオガラス粒子は、特定の成長因子(特に、FGF、IGF-1もしくはCTGF)、またはこれらの成長因子のペプチドベースの変異体のための担体系として使用される、請求項
12に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項14】
内部空間(120)は、コラーゲンマトリックスおよび/または生体適合複合材料混合物で少なくとも部分的に充填されている、請求項1
または2に記載のインプラントシステム(100)。
【請求項15】
インプラントシステム(100)を製造する方法であって、
解剖学的データを取得するために、ヒト患者の解剖学的構造を測定するステップ(S10)と、
前記解剖学的データに基づいて患者固有のインプラントシステム(100)を作成するステップ(S20)と、を含み、前記インプラントシステム(100)のカプセル要素(110)は、好ましくは熱成形によって製造される、方法。
【国際調査報告】