IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2024-545239ジルコニウム及びハフニウム酸化物の等方性熱原子層エッチング
<>
  • -ジルコニウム及びハフニウム酸化物の等方性熱原子層エッチング 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ジルコニウム及びハフニウム酸化物の等方性熱原子層エッチング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/302 20060101AFI20241128BHJP
   C23C 16/40 20060101ALI20241128BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20241128BHJP
   H01G 4/33 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L21/302 201A
C23C16/40
H01G4/30 547
H01G4/30 544
H01G4/33 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535828
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2022086070
(87)【国際公開番号】W WO2023111136
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/290,762
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】マクブライアーティ・マーティン・イー
(72)【発明者】
【氏名】ゾープ・ブーシャン
(72)【発明者】
【氏名】チョン・ランシャー
(72)【発明者】
【氏名】ホアン・ソン
【テーマコード(参考)】
4K030
5E001
5E082
5F004
【Fターム(参考)】
4K030BA22
4K030BA42
4K030CA04
4K030CA12
4K030DA02
4K030DA08
4K030DA09
5E001AB06
5E001AE00
5E001AH03
5E082AB01
5E082BC38
5E082BC40
5E082EE05
5E082FF05
5E082FG03
5E082FG42
5E082LL40
5F004AA08
5F004BA19
5F004BB26
5F004CA01
5F004CA02
5F004CA04
5F004DA00
5F004DA11
5F004DA26
5F004DA27
5F004DB13
5F004DB14
5F004EA28
5F004EB03
5F004EB08
(57)【要約】
開示及び特許請求された発明は、(1)プラズマまたは腐食性ハロゲン化性化学品の使用を必要としない、ZrO、HfO、(Hf-Zr)O合金または類似の材料を含む膜の熱原子層エッチング(ALE)を実施するための方法、及び(2)独特な誘電加工法によって可能になる独特な特性を有する金属-絶縁体-金属コンデンサ(MIMcap)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物基材の表面をエッチングするための熱的ALE方法であって、次のステップ:
(i)金属酸化物基材の表面を、一種以上のフッ素化剤に暴露して、フッ素化された表面を生成することを含む、第一の表面変性ステップ;
(ii)第一のパージステップ;
(iii)前記のフッ素化された表面を、一種以上の塩素配位子供給剤に暴露して、揮発性の塩素化された化学種を生成することを含む、配位子交換ステップ;
(iv)第二のパージステップ;
(v)金属酸化物基材の前記表面を一種以上の酸化剤に暴露して、金属副生成物を酸化することを含む、第二の表面変性ステップ; 及び
(vi)第三のパージステップ;
を行うことを含む、前記方法。
【請求項2】
前記表面上に残った不純物を除去するための後処理をステップ(vii)として更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属酸化物が、ZrO、HfO、HfZr1-x(式中、xは0と1との間の値である)、TiO、Al及びこれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属酸化物がZrOを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属酸化物がHfOを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記金属酸化物がHfZr1-xを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記金属酸化物がTiOを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属酸化物がAlを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤が一種以上の金属フッ化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤が、VF、NbF、TaF、MoF、WF、ReF及びReFのうちの一種以上の含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がVFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がNbFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がTaFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がMoFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がWFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がReFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がReFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤が、AsF、SbF、及びTeFのうちの一種以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がAsFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がSbFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤がTeFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(i)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上のフッ素化剤の暴露時間が、約0.5秒間から約30秒間までである、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(i)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上のフッ素化剤の暴露時間が約0.5秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
ステップ(i)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上のフッ素化剤の暴露時間が約1秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
ステップ(i)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上のフッ素化剤の暴露時間が約5秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(i)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上のフッ素化剤の暴露時間が約10秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(i)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上のフッ素化剤の暴露時間が約15秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
ステップ(i)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上のフッ素化剤の暴露時間が約20秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
ステップ(i)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上のフッ素化剤の暴露時間が約25秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
ステップ(i)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上のフッ素化剤の暴露時間が約30秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
ステップ(i)において、前記一種以上のフッ素化剤が、約1sccmから約200sccmまでで流通される、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
ステップ(i)が、約0.5torrから約100torrまでの圧力で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(iii)において、前記一種以上の塩素配位子供給剤が、ジメチルアルミニウム塩化物(DMAC;Al(CHCl)、ジエチルアルミニウム塩化物(DEAC;Al(CCl)、四塩化チタン(TiCl)、三塩化ホウ素(BCl)及びこれらの組み合わせのうちの一種以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
ステップ(iii)において、前記一種以上の塩素配位子供給剤が、ジメチルアルミニウム塩化物(DMAC;Al(CHCl)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
ステップ(iii)において、前記一種以上の塩素配位子供給剤がジエチルアルミニウム塩化物(DEAC;Al(CCl)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
ステップ(iii)において、前記一種以上の塩素配位子供給剤が四塩化チタン(TiCl)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
ステップ(iii)において、前記一種以上の塩素配位子供給剤が、三塩化ホウ素(BCl)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
ステップ(iii)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上の塩素配位子供給剤の暴露時間が約0.5秒間から約30秒間までである、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
ステップ(iii)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上の塩素配位子供給剤の暴露時間が約0.5秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
ステップ(iii)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上の塩素配位子供給剤の暴露時間が約1秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
ステップ(iii)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上の塩素配位子供給剤の暴露時間が約5秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
ステップ(iii)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上の塩素配位子供給剤の暴露時間が約10秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
ステップ(iii)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上の塩素配位子供給剤の暴露時間が約15秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
ステップ(iii)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上の塩素配位子供給剤の暴露時間が約20秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
ステップ(iii)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上の塩素配位子供給剤の暴露時間が約25秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
ステップ(iii)において、前記金属酸化物の表面への前記一種以上の塩素配位子供給剤の暴露時間が約30秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
ステップ(iii)において、前記一種以上の塩素配位子供給剤が約1sccmから約500sccmまでで流通される、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
ステップ(iii)が、約0.5torrから約100torrまでの圧力で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤が、酸素(O)、オゾン(O)、一酸化窒素(NO)、水(HO)蒸気、過酸化水素(H)、酸素プラズマ(O*)、及びこれらの組み合わせのうちの一種以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤が酸素(O)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項51】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤がオゾン(O)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項52】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤が一酸化窒素(NO)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項53】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤が水(HO)蒸気を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤が過酸化水素(H)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項55】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤が酸素プラズマ(O*)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項56】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤の暴露時間が約1秒間から約60秒間までである、請求項1に記載の方法。
【請求項57】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤の暴露時間が約1秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項58】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤の暴露時間が約5秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項59】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤の暴露時間が約10秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項60】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤の暴露時間が約15秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項61】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤の暴露時間が約20秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項62】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤の暴露時間が約30秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項63】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤の暴露時間が約60秒間である、請求項1に記載の方法。
【請求項64】
ステップ(v)において、前記一種以上の酸化剤が、約10sccmから約1000sccmまでで流通される、請求項1に記載の方法。
【請求項65】
ステップ(v)が、約0.5torrから約100torrまでの圧力で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項66】
約100から約1000までのサイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項67】
約25から約250までのサイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項68】
約5サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項69】
約10サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項70】
約20サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項71】
約25サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項72】
約35サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項73】
約50サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項74】
約75サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項75】
約100サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項76】
約200サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項77】
約250サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項78】
約300サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項79】
約325サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項80】
約400サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項81】
約500サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項82】
約750サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項83】
約1000サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項84】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約0から約60までのアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項85】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約1から約10までのアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項86】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約10から約100までのアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項87】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約0のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項88】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約1のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項89】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約2のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項90】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約5のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項91】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約10のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項92】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約20のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項93】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約30のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項94】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約40のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項95】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約50のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項96】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約60のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項97】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約80のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項98】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約100のアスペクト比を有するトポグラフィ図形を含む、前記金属含有膜。
【請求項99】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約5から約10までの間の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項100】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約10から約30までの間の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項101】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約30から約50までの間の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項102】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約50から約80までの間の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項103】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約1.5の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項104】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約2の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項105】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約3の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項106】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約4の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項107】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約5の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項108】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約6の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項109】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約7の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項110】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約8の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項111】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約9の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項112】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約10の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項113】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約12の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項114】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約14の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項115】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約16の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項116】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約18の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項117】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約20の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項118】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約25の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項119】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約30の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項120】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約35の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項121】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約40の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項122】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約45の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項123】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約50の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項124】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約55の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項125】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約60の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項126】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約65の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項127】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約70の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項128】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約75の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項129】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、約80の誘電率を有する、前記金属含有膜。
【請求項130】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、その大部分が立方晶系構造を有する、前記金属含有膜。
【請求項131】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、その大部分が正方晶系構造を有する、前記金属含有膜。
【請求項132】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、その大部分が直方晶系構造を有する、前記金属含有膜。
【請求項133】
請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によってエッチングされた金属含有膜であって、その大部分が非中心対称晶系構造を有する、前記金属含有膜。
【請求項134】
第一の電極、誘電層及び第二の電極を含む、金属-絶縁体-金属コンデンサ(「MIMcap」)デバイスであって、前記誘電層が、請求項1~83のいずれか一つに記載の方法により製造されたものである、前記金属-絶縁体-金属コンデンサ(「MIMcap」)デバイス。
【請求項135】
前記誘電層が、ALEの前に約5nmと約10nmとの間の厚さを有する、請求項134に記載の金属-絶縁体-金属コンデンサ(「MIMcap」)デバイス。
【請求項136】
前記誘電層が、ALEエッチングの後に、約1nmと約6nmとの間の厚さを有する、請求項134に記載の金属-絶縁体-金属コンデンサ(「MIMcap」)デバイス。
【請求項137】
金属-絶縁体-金属コンデンサにおける誘電層としての、請求項84~133のいずれか一つに記載のまたは請求項1~83のいずれか一つに記載の方法によって製造された金属含有膜の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示及び特許請求される発明は、プラズマまたは腐食性ハロゲン化性化学品の使用を要しない、ZrO、HfO、(Hf-Zr)O合金または類似の材料を含む膜の熱原子層エッチング(ALE)を実施するための方法に関する。開示及び特許請求される発明は更に、金属-絶縁体-金属コンデンサ(MIMcap)であって、(i)最終の所望の厚さよりも厚い、ZrO、HfOまたは(Hf-Zr)O合金の膜を成長させるステップ、(ii)前記膜を熱処理して所望の特性(例えば、高κ、少ない漏れ、及び/または強誘電性)を達成するステップ; 及び(iii)等方性ALEを行って、膜の厚さの一部を除去するステップを含み、生じた薄層化された膜が、初期に成長した(すなわち、より厚手の)膜の望ましい性質を保持する、独特な誘電加工方法により可能となる独特な特性を持つ金属-絶縁体-金属コンデンサ(MIMcap)も含む。
【背景技術】
【0002】
半導体工業における図形の微細化は、デバイスの絶え間ない性能向上の背景にある主なファクターである。このトレンドは、コンピュータチップの少なくとも更に数世代にわたって継続すると予期される。これに関して、高κ誘電体の超薄(<5nm)層が、DRAM、NANDフラッシュを始めとした揮発性及び不揮発性メモリ、及び強誘電体メモリに必要とされる。このトレンドを続けるためには、幾つかの技術的課題を首尾よく解決することが必要である。
【0003】
原子層堆積(ALD)は、半導体工業において応用が増えている一つの技術であり、そしてこれは現在、材料の堆積量について最良の制御を可能にする堆積方法である。ALDでは、原子層が、気相の前駆体に暴露される全ての表面上に堆積され、この層は、最大でも、一つの原子層の厚さと同じ厚さである。これらの表面を二つの異なる前駆体に連続して暴露することによって、所望の厚さの材料の層が堆積される。このような方法の原型的な例は、トリメチルアルミニウム(TMA、Al(CH)及び水(HO)からの酸化アルミニウム(Al)の堆積であり、この際、メタン(CH)がこれらの二つの反応化学種から脱離する。薄くかつ細いビア及び他の高アスペクト比図形のコーティングは、文献においてALDによって何度も実証されてきた。
【0004】
原子層エッチング(ALEまたはALEt)は、ALDが材料のレイヤー・バイ・レイヤー付加である時は、材料のレイヤー・バイ・レイヤー削除と見ることができる。ALEでは、原子層を、気相の前駆体に暴露された全ての表面から除去し、この層も、理想的には、最大でも、一つの原子層の厚さと同じ厚さである。ALEは、表面を少なくとも二つの異なる前駆体に連続的に暴露することによって行われ、第一の前駆体は、表面原子の層を活性化するものであり、第二の前駆体は、原子のこの活性化された層の昇華を促進するものであり; 時折、第三の前駆体が使用され、表面を、前記第一の前駆体が活性になる条件に再生する。
【0005】
例えば、銅をプラズマを用いて塩素化してCuClを生成する初期の銅エッチング方法が開示された。例えば、Tamirisa et al.,Microelectron.,84,1055(2007)(非特許文献1);Wu et al.,J.Electrochem.Soc.,157,H474(2010)(非特許文献2)及びHess D.W.,Workshop on Atomic-Layer-Etch and Clean Technology,San Francisco,Ca(2014)(非特許文献3)を参照されたい。次いで、CuCl層を水素プラズマでエッチングし、これが揮発性CuClを生成した。この方法は、20℃という低い温度で実施できた。しかし、小さな図形において銅をエッチングするためのこの方法の有用性は、顕著なプロフィルテーパーの故に制限された。
【0006】
他の方法は、タングステンのエッチングを要した。例えば、Johnson N.R.and George S.M.,ACS Applied Materials & Interfaces,9,34435(2017)(非特許文献4)を参照されたい。この方法では、図1に示すように、ネイティブ酸化物層を有するタングステン表面を、
(A)酸素とオゾンとの混合物、これは、タングステンの追加的な層を酸化して酸化タングステンとする(表面活性化);
(B)三塩化ホウ素、これは、前記の酸化タングステンの一部と反応して、非揮発性酸化ホウ素及び揮発性酸塩化タングステンを生成する(タングステン含有化学種の昇華; 一部の酸化タングステンは、酸化ホウ素の下になおも存在する);及び
(C)フッ化水素、これは、前記の酸化ホウ素と反応して、揮発性水蒸気及び揮発性三フッ化ホウ素を生成する(新鮮な酸化タングステン表面の再生)、
に連続的に暴露することによって、(128℃と207℃との間で)タングステンをエッチングすることができた。
【0007】
他の方法は、コバルトのエッチングに関する。例えば、Chen et al.,J.Vac.Sci.Technol.,A35,05C305(2017)(非特許文献5)を参照されたい。この方法では、80℃より高い温度でのコバルトエッチングが、28Å/サイクルという高いエッチング速度で及び自己制限的ではなく達成された。この方法は、コバルト表面を、
(A)酸素プラズマ、これは、コバルトの複数層を酸化コバルトに酸化する(表面活性化);及び
(B)ギ酸、これは、前記の酸化コバルト表面化学種と反応して、揮発性ギ酸コバルト化学種を生成する(昇華);
に連続的に暴露することを要した。
【0008】
代替的な方法が、超臨界CO及び1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオンを高圧下に100℃及び250℃で用いることによってコバルト及び銅の薄膜をエッチングするために使用された。例えば、Rasadujjaman et al.,Microelectron.Eng.153,5(2016)(非特許文献6)を参照されたい。
【0009】
他の報告された方法は、0.09nm/サイクルのエッチング速度で275℃を超える温度で銅をエッチングすることを含んだ。例えば、Mohimi et al.,ECS Journal of Solid State Science and Technology,7,P491(2018)(非特許文献7)を参照されたい。この方法は、銅表面を、
(A)酸素、これは、マイルドな酸化剤であり、銅の層を酸化して酸化銅にする(表面活性化);及び
(B)アセチルアセトン(例えば、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタジオン(HFAC))、これは、前記の酸化銅表面化学種と反応して、揮発性銅アセチルアセトネート化学種を生成する(昇華);
に連続的に暴露することを含んだ。
【0010】
また、幾つかのコバルトエッチング法も開示された。例えば、Zhao et al.,Applied Surface Science,455,438(2018)(非特許文献8)及びKonh et al.,Journal of Vacuum Science & Technology A,37,021004(2019)(非特許文献9)を参照されたい。これらの方法の一つでは、(ネイティブ酸化物を有する)コバルト表面を1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタジオン(HFAC)に暴露することで、377℃を超える温度でコバルトがエッチングされた。次いで、この処理された表面を加熱して、コバルト1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオネートを昇華させた。一つの変法では、コバルト表面を、
(A)塩素、これは、コバルトの層を酸化して塩化コバルトにする(表面活性化);及び
(B)アセチルアセトン(例えば、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタジオン(HFAC))、これは、塩化コバルト表面化学種と反応して、揮発性コバルトクロロ-アセチルアセトネート化学種を生成する(昇華);
に連続的に暴露することによって、140℃を超える温度でコバルトをエッチングした。
【0011】
ZrO、HfO、Al、及びTiOを始めとした酸化の熱ALEのための方法が開示された。例えば、Y.Lee,C.Huffman,and S.M.George,Chem.Mater.28(2016) 7657-7665(非特許文献10);P.C.Lemaire and G.N.Parsons,Chem.Mater.,29(2017) 6653-6665(非特許文献11);J.A.Murdzek and S.M.George,J.Vac.Sci.Technol.A38(2020) 022608(非特許文献12);H.Saare,PhD dissertation,North Carolina State U.,2021(非特許文献13)を参照されたい。これらの方法は、典型的には、反復される二つのステップ、すなわち、第一のステップにおける酸化物表面のフッ素化、及び第二のステップにおける、生じた表面フッ化物の気化を含む。第一のステップのためには、フッ素化剤としては、フッ化水素(HF)、ピリジンで安定化された無水フッ化水素(HF-ピリジン)、四フッ化硫黄(SF)、六フッ化硫黄(SF)リモートプラズマ、六フッ化タングステン(WF)、または二フッ化キセノン(XeF)などが挙げられる。第二のステップのためには、気化剤としては、トリメチルアルミニウム(TMA)、ジメチルアルミニウム塩化物(DMAC)、四塩化ケイ素(SiCl)、または四塩化チタン(TiCl)などが挙げられる。
【0012】
Al、ZrO、HfZrO及びHfOの熱ALEの方法は、Lee et al.(Y.Lee,C.Huffman,and S.M.George,Chem.Mater.28,7657-7665(2016)(非特許文献14))及びMurdzek and George(J.A.Murdzek and S.M.George,J.Vac.Sci.Technol.A38,022608(2020)(非特許文献15))によって開示された。
【0013】
非特許文献14では、ALE試験が150℃から350℃までの範囲のプロセス温度で行われた。これらの金属酸化物は、その全てが、HFピリジンのアンプルから供給された無水HFを用いて効果的にフッ素化された。Alは、無水HFと、錫(ii)アセチルアセトネートSn(acac)、トリメチルアルミニウム(TMA)、ジメチルアルミニウム塩化物(DMAC)または四塩化ケイ素(SiCl)のいずれかの投与を繰り返すことによってエッチングできた。ZrOは、無水HFと、Sn(acac)、DMACまたはSiClのいずれかの投与を繰り返すことによってエッチングできた。HfOは、無水HFと、Sn(acac)、TMAまたはDMACのいずれかの投与を繰り返すことによってエッチングできた。
【0014】
非特許文献15では、ALE試験が、250℃のプロセス温度で行われた。HF、SF及びXeFがフッ素化剤として使用され、そしてDMAC及びTiClが配位子交換剤として使用された。全ての試験された化学品において、結晶性ZrO、HfZrO及びHfOが、それぞれ非晶質ZrO、HfZrO及びHfOと比べて、より低速でエッチングされた。XeFは、HFまたはSFと比べて、一つのサイクルあたりでかなり多量のエッチングを供することが判明した。
【0015】
TiO及びZrOの熱ALEの方法が、Lemaire及びParsonsによって開示された(P.C.Lemaire and G.N.Parsons,Chem.Mater.,29,6653-6665(2017)(非特許文献16))及びSaare(H.Saare,PhD dissertation,North Carolina State U.,(2021)(非特許文献17))。特許文献16では、ALE試験は、120℃から220℃までの範囲のプロセス温度で行われた。WFがフッ素化剤として使用され、そしてBClが配位子交換剤として使用された。このプロセスは、TiOのALEをもたらし、BまたはWの残渣が表面上に残った。非特許文献17では、ALE試験は、160℃から325℃までの範囲のプロセス温度で行われた。WFがフッ素化剤として使用され、そしてBCl、TiCl及びSOClが配位子交換剤として使用された。各々のALEプロセスが、TiO及びZrOのALEをもたらした。
【0016】
ZrO及びHfOの数ナノメータ膜は、膜の厚さ及び結晶構造に基づいて、異なる機能的性質を有する。ZrOの高k正方結晶相またはHf0.5Zr0.5の強誘電性結晶相は、膜が或る最小厚(すなわちおおよそ5~7nm)を超えて初めて安定化できる。5~7nmよりも薄い膜が望ましい場合は(例えば、キャパシタンスを最大化し及び/またはデバイスサイズを縮小するため)、先ず比較的厚手の膜を成長させ、そして加工し(すなわち、膜の結晶化のため)、その後、膜材料の一部を除去することが必要である。このような材料除去法は、サブナノメータの精度を必要とし、そしてその除去は等方性である必要がある場合がある(例えば、DRAMコンデンサまたは3Dメモリスタックなどの3Dナノアーキテクチャにおける高アスペクト図形の共形性エッチングの場合)。そのために最良の方策は、等方性原子層エッチング(ALE)である。
【0017】
先に記載した通り、等方性ALEは、反応体をチャンバに投与し、次いでチャンバをパージして過剰の反応体及び反応生成物を除去する反復サイクルを要する。実施の一部では、それぞれが異なる反応体または複数の反応体の組み合わせを使用する二つの連続する投与-パージのサブサイクルがある。実施の一部では、各々が異なる反応体または複数の反応体の組み合わせを使用する三つ以上の連続する投与-パージサブサイクルがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Tamirisa et al.,Microelectron.,84,1055(2007)
【非特許文献2】Wu et al.,J.Electrochem.Soc.,157,H474(2010)
【非特許文献3】Hess D.W.,Workshop on Atomic-Layer-Etch and Clean Technology,San Francisco,Ca(2014)
【非特許文献4】Johnson N.R.and George S.M.,ACS Applied Materials & Interfaces,9,34435(2017)
【非特許文献5】Chen et al.,J.Vac.Sci.Technol.,A 35,05C305(2017)
【非特許文献6】Rasadujjaman et al.,Microelectron.Eng.153,5(2016)
【非特許文献7】Mohimi et al.,ECS Journal of Solid State Science and Technology,7,P491(2018)
【非特許文献8】Zhao et al.,Applied Surface Science,455,438(2018)
【非特許文献9】Konh et al.,Journal of Vacuum Science & Technology A,37,021004(2019)
【非特許文献10】Y.Lee,C.Huffman,and S.M.George,Chem. Mater.28(2016) 7657-7665
【非特許文献11】P.C.Lemaire and G.N.Parsons,Chem.Mater.,29(2017) 6653-6665
【非特許文献12】J.A.Murdzek and S.M.George,J.Vac.Sci.Technol.A38(2020) 022608
【非特許文献13】H.Saare,PhD dissertation,North Carolina State U.,2021
【非特許文献14】Y.Lee,C.Huffman,and S.M.George,Chem.Mater.28,7657-7665(2016)
【非特許文献15】J.A.Murdzek and S.M.George,J.Vac.Sci.Technol.A38,022608(2020)
【非特許文献16】P.C.Lemaire and G.N.Parsons,Chem.Mater.,29,6653-6665(2017)
【非特許文献17】Saare(H.Saare,PhD dissertation,North Carolina State U.,(2021)
【非特許文献18】Xie et al.,J.Vac.Sci.Technol.A,022605(2020)
【非特許文献19】George S.M.,et al.J.Phys.Chem.,100,13121-13131(1996)
【非特許文献20】Chemical Vapour Deposition: Precursors,Processes,and Applications;Jones,A.C.;Hitchman,M.L.,Eds.,The Royal Society of Chemistry:Cambridge,Chapter 1,pp.1-36(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
先に記載の全ての方法が、酸素プラズマまたはハロゲン含有反応体のいずれかを用いつつ、金属のエッチングを可能にする。しかし、プラズマは基材に対して破壊的であり得、そして多くのハロゲンが汚染を招き得る。それ故、新規エッチング試薬、例えば開示及び特許請求される発明において使用されるもの(六フッ化タングステン、WF)はプラズマを必要とせず、また腐食性ハロゲンを含まない。従って、プラズマまたは誘導イオンを要さない方法は非常に望ましい。
【0020】
ALE加工においてはHFが広く使用されているものの、それの非常に腐食性が高くかつ毒性の性質は、安全な取り扱いを困難にする。加えて、HFは非常に極性の高い分子であるため、これは、加工の間に反応器チャンバの内壁に付着する傾向があり、そのため、排除を確実にするために長いパージ時間が必要となる。例えば、Xie et al.,J.Vac.Sci.Technol.A,022605(2020)(非特許文献18)を参照されたい。それ故、HFに頼らないALE法が、実施のために非常に有利である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
一つの観点では、開示及び特許請求される発明は、ZrO、HfO、HfZr1-x(xは、限定はされないが0.5を含んで、0と1との間の値である)、及び工学的不純物またはドーパントを含むZrO及びHfOをベースとする他の材料、TiO、Al及びこれらの組み合わせを始めとした金属酸化物の等方性熱ALEの方法に関する。該方法は、(i)金属酸化物基材の表面を、一種以上のフッ素化剤に暴露してフッ素化表面を生成することを含む第一の表面変性ステップ、(ii)第一のパージステップ、(iii)前記のフッ素化された表面を、一種以上の塩素配位子供給剤に暴露して、揮発性塩素化化学種を生成することを含む配位子交換ステップ、(iv)第二のパージステップ、(v)金属酸化物基材の前記表面を、一種以上の酸化剤に暴露して、金属副生成物を酸化することを含む第二の表面変性ステップ、及び(vi)第三のパージステップを含むか、から本質的になるか、またはからなる。前記プロセスにおけるステップは、金属酸化物の目的の厚さを除去するのに必要なだけ、反復することができる。複数回のサイクルの後に表面上に残る不純物を除去するために、任意選択ステップ(vii)の後処理を加えてもよい。
【0022】
他の観点の一つでは、開示及び特許請求された発明は、開示及び特許請求されたALE法を用いて製造された金属-絶縁体-金属コンデンサ(「MIMcap」)デバイスに関する。更に別の観点の一つでは、MIMcapデバイスは、理想的には、開示及び特許請求されるALE方法を用いずに製造された他の点では等価のMIMcapと比べて、高い誘電率(k)及び低いリーク電流を示す。
【0023】
この概要セクションは、開示及び特許請求される発明の全ての態様及び/または斬進的に新規な観点を特定するものではない。その代わりに、この概要は、様々な態様の予備的な記載、及び慣用の技術及び既知技術に対する新規性の対応するポイントのみを提供するものである。開示及び特許請求された発明及び態様の追加的な詳細及び/または可能な展望については、以下に更に記載される発明の詳細な説明及び対応する図面を参照されたい。
【0024】
ここに記載の異なるステップの記載の順番は、明瞭さのためにしたものである。一般的に、ここに開示されるステップは、任意の適当な順番で行うことができる。追加的に、ここに記載の異なる特徴、技術、配置などはそれぞれ、本明細書の異なる箇所で説明している場合があるが、これらのコンセプトの各々は、互いに独立してまたは適当ならば互いの組み合わせとして実施できることが意図されている。それ故、開示及び特許請求される発明は、多くの異なる方法で具体化し、見ることができる。
【0025】
添付の図面は、開示された発明の更なる理解をもたらし、そして本明細書中に取り入れられ、それの一部を構成するものであるが、これらは、開示された発明の態様を例示し、そして発明の詳細な説明と共に、開示された発明の原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、ZrO2、WF6、DMAC及び酸化剤を利用した開示及び特許請求されるALE方法の例示的なサイクルを示す。
【0027】
定義
他に記載が無ければ、本明細書及び特許請求の範囲に使用される以下の用語は、本願では次の意味を有する。
【0028】
開示及び特許請求される発明の目的では、周期表群の番号付け規定は、IUPAC元素周期律表に従う。
【0029】
本明細書において、「A及び/またはB」などのフレーズで使用する「及び/または」という記載は、「AとB」、「AまたはB」、「A」及び「B」を含むことを意図している。
【0030】
「置換基」、「残基」、「基」及び「部分」という用語は、互換可能に使用し得る。
【0031】
本明細書で使用する場合、「金属含有錯体」(またはより簡単には、「錯体」)及び「前駆体」という用語は互換可能に使用され、そして例えばALDまたはCVDなどの蒸着方法によって金属含有膜を製造するために使用できる金属含有分子または化合物を指す。金属含有錯体は、金属含有膜が形成されるように、基材またはそれの表面上に堆積、吸着、分解、送達及び/または流通することができる。
【0032】
本明細書で使用する場合、「金属含有膜」という用語は、以下により詳しく定義される元素状金属膜だけでなく、金属の他に一種以上の元素を含む膜、例えば酸化金属膜、窒化金属膜、ケイ化金属膜、炭化金属膜及び類似の膜も包含する。本明細書で使用する場合、「元素状金属膜」及び「純金属膜」という用語は互換可能に使用され、そして純粋な金属からなるまたは純粋な金属から本質的になる膜を指す。例えば、元素状金属膜は100%の純粋な金属を含んでよいか、または元素状金属膜は、一種以上の不純物と共に、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%の純金属を含んでよい。文脈から他に指示がなければ、「金属膜」という用語は、元素状金属膜を意味すると解釈されるものである。
【0033】
本明細書で使用する場合、「蒸着方法」という用語は、任意のタイプの蒸着技術、例えば限定はされないがCVD及びALDを指すために使用される。様々な態様において、CVDは、慣用の(すなわち連続流)CVD、液体注入CVDまたは光アシストCVDの形を取ることができる。CVDは、パルス技術の形、すなわちパルスCVDの形を取ることもできる。ALDは、ここに開示される少なくとも一種の金属錯体を基材表面上に蒸発及び/または流通することによって金属含有膜を形成するために使用される。慣用のALDプロセスについては、例えば、George S.M.,et al.J.Phys.Chem.,100,13121-13131(1996)(非特許文献19)を参照されたい。他の態様では、ALDは、慣用の(すなわちパルス注入)ALD、液体注入ALD、光アシストALD、プラズマアシストALD、またはプラズマ増強ALDの形を取ることができる。「蒸着プロセス」という用語には、更に、Chemical Vapour Deposition: Precursors,Processes,and Applications;Jones,A.C.;Hitchman,M.L.,Eds.,The Royal Society of Chemistry:Cambridge,Chapter 1,pp.1-36(2009)(非特許文献20)に記載の様々な蒸着技術が包含される。
【0034】
ここで使用される場合、「図形」という用語は、一つ以上の側壁、底面及び上部コーナーによって画定し得る基材中の開口を指す。様々な観点において、この図形は、ビア、トレンチ、コンタクト、デュアルダマシンなどであってよい。
【0035】
「約」または「おおよそ」という記載は、測定可能な変数に関連して使用された時は、変数の指示値と、指示値の実験誤差内(例えば、平均の95%信頼限界内)または指示値の百分率内(例えば、±10%、±5%)のいずれか大きい方の内の変数の全ての値とを指す。
【0036】
開示及び特許請求される前駆体は、好ましくは実質的に水を含まない。ここで使用される場合、「実質的に含まない」という記載は、それが水に関する場合は、プロトンNMRまたはカールフィッシャー滴定によって測定して5000ppm(重量)未満、好ましくは、プロトンNMRまたはカールフィッシャー滴定によって測定して3000ppm未満、より好ましくは、プロトンNMRまたはカールフィッシャー滴定によって測定して1000ppm未満、最も好ましくは、プロトンNMRまたはカールフィッシャー滴定によって測定して100ppm未満を意味する。
【0037】
開示及び特許請求される前駆体は、Li(Li)、Na(Na)、K(K)、Mg2+(Mg)、Ca2+(Ca)、Al3+(Al)、Fe2+(Fe)、Fe3+(Fe)、Ni2+(Ni)、Cr3+(Cr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)または亜鉛(Zn)などの金属イオンまたは金属の意図しない存在を実質的に含まないことも好ましい。これらの金属イオンまたは金属は、前駆体を合成するために使用される原料/反応器に由来して潜在的に存在する。ここで使用される場合、「実質的に含まない」という記載は、それがLi、Na、K、Mg、Ca、Al、Fe、Ni、Cr、Ti、V、Mn、Co、Ni、CuまたはZnの意図しない存在に関する時は、ICP-MSによって測定して、5ppm(重量)未満、好ましくは3ppm未満、より好ましくは1ppm未満、及び最も好ましくは0.1ppmを意味する。
【0038】
他に指示がなければ、「アルキル」は、線状もしくは分岐状(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル及び類似物)、または環状(例えば、シクロヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル及び類似物)であることができるC~C20炭化水素基を指す。これらのアルキル部分は、以下に記載のように置換されていてもまたは置換されていなくともよい。「アルキル」という用語は、C~C20炭素を有するこのような部分を指す。構造上の理由から、線状アルキルはCから始まり、他方で、分岐状アルキル及び環状アルキルはCから始まると理解される。更に、以下に記載のアルキルから誘導される部分、例えばアルキルオキシ及びパーフルオロアルキルは、他に記載がなければ、同じ炭素数範囲を有すると理解される。上記とは異なるアルキル基の長さが規定される場合は、アルキルの前記の定義は、前記の全てのタイプのアルキル部分を包含する点でなおも有効であり、及び所与のタイプのアルキル基の最小炭素数に関しての前記の構造に関する考慮はなおも該当する。
【0039】
ハロまたはハライドは、一つの結合手によって有機部分に結合するハロゲン、F、Cl、BrまたはIを指す。幾つかの態様では、ハロゲンはFである。他の態様では、ハロゲンはClである。
【0040】
ハロゲン化アルキルは、完全にまたは部分的にハロゲン化されたC~C20アルキルを指す。
【0041】
パーフルオロアルキルは、水素が全てフッ素に置き換えられた先に定義した線状、環状または分岐状飽和アルキル基を指す(例えば、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロシクロヘキシル及び類似物)。
【0042】
開示及び特許請求された前駆体は、好ましくは、合成の間に使用された原料または合成の間に発生した副生成物に由来する有機不純物を実質的に含まない。例には、限定はされないが、アルカン、アルケン、アルキン、ジエン、エーテル、エステル、アセテート、アミン、ケトン、アミド、芳香族化合物などが挙げられる。本明細書で使用する場合、有機不純物を「含まない」という記載は、GCにより測定して1000ppm以下、好ましくはGCにより測定して500ppm以下(重量)、最も好ましくはGCまたは他の評価分析法により測定して100ppm以下(重量)を意味する。重要な点として、該前駆体は、好ましくは、ルテニウム含有膜を堆積するための前駆体として使用する場合、GCにより測定して98重量%以上、より好ましくは99重量%以上の純度を有する。
【0043】
ここで使用する各章の表題は、文書構成を目的としたものであって、記載の主題を限定するものと解釈するべきではない。限定はされないが特許、特許出願、論文、書籍及び専門書を始めとした本願で引用する全ての文献または文献の一部は、全ての目的に関してそれらの内容の全てが本明細書中に掲載されたものとする。ここに掲載されたものとする文献及び類似の資料のいずれかにおける用語の定義が、本願明細書におけるものと矛盾する場合は、本願の定義が優先する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は双方とも例示、説明のためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明に関してそれを限定するものではないと理解するべきである。開示された発明の課題、特徴、利点及び思想は、本明細書に記載の説明から当業者には明らかであり、加えて、開示された発明は、ここに記載の説明に基づいて当業者によって容易に実施可能である。開示された発明を実施するための好ましいモードを示す「好ましい態様」及び/または実施例の記載は、いずれも説明の目的で含まれるものであり、特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。
【0045】
本明細書中に記載の観点に基づいた開示された発明の実施の仕方において、ここに開示される発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく様々な改良が可能であることも当業者には明らかである。
【0046】
先に記載した通り、開示及び特許請求される発明は、ZrO、HfO、HfZr1-x(xは0と1との間の値である)、及び工学的不純物またはドーパントを含むZrO及びHfOをベースとする他の材料、TiO、Al及びこれらの組み合わせを始めとした金属酸化物の等方性熱ALEの方法に関する。該方法は、
(i)金属酸化物基材の表面を、一種以上のフッ素化剤に暴露して、フッ素化された表面を生成することを含む第一の表面変性ステップ;
(ii)第一のパージステップ;
(iii)前記のフッ素化された表面を、一種以上の塩素配位子供給剤に暴露して、揮発性塩素化化学種を生成することを含む配位子交換ステップ;
(iv)第二のパージステップ;
(v)金属酸化物基材の前記表面を、一種以上の酸化剤に暴露して、金属副生成物を酸化することを含む第二の表面変性ステップ; 及び
(vi)第三のパージステップ;
を含むか、から本質的になるかまたはからなる。
【0047】
この態様の更に別の観点の一つでは、該方法は、ステップ(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び(vi)から本質的になる。この態様の更に別の観点の一つでは、該方法は、ステップ(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び(vi)からなる。前記プロセスにおけるステップは、金属酸化物の目的の厚さを除去するのに必要なだけ、反復することができる。更に別の観点の一つでは、前記の態様のいずれも、複数回のサイクルの後に表面上に残った不純物を除去する後処理ステップ(vii)を更に含むことができる。この場合、該方法は、ステップ(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)及び(vii)を含むか、から本質的になるかまたはからなる。
【0048】
サイクル数
先に記載のように、開示及び特許請求されたALE法では、金属酸化物の目的の厚さを除去するのに必要なだけステップを反復することができる。前記態様並びにここに記載の他の態様においては、記載のステップは、該方法の一つのサイクルを定義するものである。当業者が理解するように(及び先に記載した通り)、開示及び特許請求される方法は、ステップ(i)からステップ(iii)へと進める時のパージステップ(ii)、ステップ(iii)からステップ(v)へと進める時のパージステップ(iv)、並びに新しいサイクルを始める前の(すなわち、ステップ(v)からステップ(i)へと進める時の)追加のパージステップ(vi)を含む。しかし、パージステップは、単一のステップの反復間(例えば、ステップ(i)の複数反復の間、ステップ(iii)の複数反復の間、またはステップ(v)の複数反復間)に行う必要はない。それ故、単一のサイクルとは、当該方法の間に行われるパージステップの回数とは関係なく、ステップ(i)の最初の反復が行われる時に開始し、そしてステップ(i)の他の反復の前に最後のパージステップ(vi)が行われる時に終了すると理解できる。サイクルは、膜の所望の厚さが得られるまで反復できると理解できる。
【0049】
一つの態様では、サイクル数は、約100回から約1000回までである。一つの態様では、サイクル数は、約20回から約250回までである。一つの態様では、サイクル数は、約10回から約150回までである。一つの態様では、サイクル数は、約5回から約100回までである。一つの態様では、サイクル数は、約5回から約75回までである。一つの態様では、サイクル数は、約5回から約50回までである。一つの態様では、サイクル数は、約5回から約30回までである。一つの態様では、サイクル数は、約5回から約20回までである。一つの態様では、サイクル数は、約15回から約400回までである。一つの態様では、サイクル数は、約20回から約300回までである。一つの態様では、サイクル数は、約25回から約250回までである。一つの態様では、サイクル数は、約35回から約200回までである。一つの態様では、サイクル数は、約45回から約170回までである。一つの態様では、サイクル数は、約50回から約150回までである。一つの態様では、サイクル数は、約75回から約125回までである。一つの態様では、サイクル数は、約25回から約100回までである。一つの態様では、サイクル数は、約50回から約100回までである。一つの態様では、サイクル数は、約75回から約100回までである。
【0050】
一つの態様では、サイクル数は約5回である。一つの態様では、サイクル数は約10回である。一つの態様では、サイクル数は約15回である。一つの態様では、サイクル数は約20回である。一つの態様では、サイクル数は約25回である。一つの態様では、サイクル数は約30回である。一つの態様では、サイクル数は約35回である。一つの態様では、サイクル数は約40回である。一つの態様では、サイクル数は約45回である。一つの態様では、サイクル数は約50回である。一つの態様では、サイクル数は約75回である。一つの態様では、サイクル数は約100回である。一つの態様では、サイクル数は約125回である。一つの態様では、サイクル数は約150回である。一つの態様では、サイクル数は約175回である。一つの態様では、サイクル数は約200回である。一つの態様では、サイクル数は約225回である。一つの態様では、サイクル数は約250回である。一つの態様では、サイクル数は約275回である。一つの態様では、サイクル数は約300回である。一つの態様では、サイクル数は約325回である。一つの態様では、サイクル数は約350回である。一つの態様では、サイクル数は約400回である。一つの態様では、サイクル数は約450回である。一つの態様では、サイクル数は約500回である。一つの態様では、サイクル数は約750回である。一つの態様では、サイクル数は約1000回である。
【0051】
開示及び特許請求された方法のステップ(i)から(vi)を、以下により詳しく説明する。
【0052】
ステップ(i) 第一の表面変性
ステップ(i)の第一の表面変性では、一種以上の金属酸化物(例えば、ZrO、HfO、HfZr1-x(xは0と1との間の値である)、及び工学的不純物またはドーパントを含むZrO及びHfOをベースとする他の材料)を含むか、から本質的になるかまたはからなる表面を、対応するフッ素化された化学種に転化し、それにより、フッ素化金属表面を生成するために、少なくとも一種のフッ素化剤が使用される。このステップでは、前記一種以上の金属酸化物は、ステップ(ii)に移る前の期間に、フッ素化剤に暴露される。
【0053】
当業者が理解するように、フッ素化剤への金属酸化物表面の初期暴露(図1には図示せず)は、表面上に副生成物を生成し(例えば、フッ素化剤としてのWFの使用は、W化学種をもたらす(例えば、WO、xは2と3との間))、これらは表面を汚染しそしてエッチングプロセスを、時間が経つにつれ、遅延化するかまたは停止させる。それ故、開示及び特許請求される方法はステップ(v)を含み、このステップ(v)においては、このような化学種が、次のサイクルの間にステップ(i)が反復される時のフッ素化剤への暴露時に簡単に気化できる化学種へと酸化される。
【0054】
(a)金属酸化物
金属酸化物は、許容可能な及び/または所望の金属酸化物を含む。一つの態様では、金属酸化物は、ZrO、HfO、HfZr1-x(xは0と1との間の値である)、工学的不純物またはドーパントを含むZrO及びHfOをベースとする他の材料、TiO、Al及びこれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む。この態様の一つの観点では、金属酸化物はZrOを含む。この態様の一つの観点では、金属酸化物はHfOを含む。この態様の一つの観点では、金属酸化物はHfZr1-xを含み、ここでxは0と1との間の値である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.1である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.2である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.3である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.4である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.5である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.6である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.7である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.8である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.9である。この具体的な態様の一つの観点では、mは0.95である。この態様の一つの観点では、金属酸化物は、工学的不純物を含むZrO及びHfOをベースとする材料を含む。この態様の一つの観点では、金属酸化物はTiOを含む。この態様の一つの観点では、金属酸化物はAlを含む。
【0055】
(b)フッ素化剤
フッ素化剤としては、一種以上の金属フッ化物などが挙げられる。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物は、VF、NbF、TaF、MoF、WF、ReF及びReFのうちの一つ以上である。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はVFを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はNbFを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はTaFを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はMoFを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はWFを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はReFを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はReFを含む。
【0056】
フッ素化剤は、代替的にまたは追加的に、一種以上の半金属フッ化物を含むことができる。この態様の一つの観点では、前記一種以上の半金属フッ化物は、AsF、SbF、及びTeFのうちの一つ以上である。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はAsFを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はSbFを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の金属フッ化物はTeFを含む。
【0057】
フッ素化剤は、代替的にまたは追加的に、一種以上の金属不含または半金属不含のフッ素化剤、例えば無水HF、HF-ピリジン、XeF、SF及びこれらの組み合わせのうちの一つ以上を含むことができる。それ故、一つの態様では、フッ素化剤は、一種以上の非金属または非半金属フッ化物を含む。これらの金属不含及び半金属不含のフッ素化剤は、開示及び特許請求される発明の一部であると考えられるものの、これらの材料は非常に腐食性が高いものであるため、開示及び特許請求される方法での使用は一般的には好ましくない。それ故、他の態様の一つでは、フッ素化剤は、非金属または非半金属フッ化物を実質的に含まない。他の態様の一つでは、フッ素化剤は、非金属または非半金属フッ化物を含まない。
【0058】
(c)条件
時間
先に記載した通り、ステップ(i)においては、一種以上の金属酸化物が、ステップ(ii)に移る前の期間にフッ素化剤に暴露される(「暴露時間」)。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約0.5秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約0.5秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(i)の第一表面変性の暴露時間は約1秒間から約7秒間までである。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約7秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約10秒間から約20秒間までである。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約20秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約0.25秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約0.5秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約1秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約2秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約3秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約4秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約5秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約6秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約7秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約8秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約9秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約10秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約12秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約15秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約17秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約20秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約25秒間である。一つの態様では、ステップ(i)の第一の表面変性の暴露時間は約30秒間である。
【0059】
フッ素化剤の流量
一つの態様では、フッ素化剤は、約5sccmから約500sccmまでで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約0.5sccmから約100sccmまでで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約1sccmから約200sccmまでで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約1sccmから約100sccmまでで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約1sccmから約50sccmまでで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約5sccmから約25sccmまでで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約10sccmから約20sccmまでで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約15sccmから約25sccmまでで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約5sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約10sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約15sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約20sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約25sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約30sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約35sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約40sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約45sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約50sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約60sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約70sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約80sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約90sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約100sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約125sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約150sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約200sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約250sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約300sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約350sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約400sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約450sccmで流通される。一つの態様では、フッ素化剤は、約500sccmで流通される。
【0060】
一つの態様では、フッ素化剤は、単独で供給される。
【0061】
一つの態様では、フッ素化剤は、適当なキャリアガスを用いて供給される。一つの態様では、キャリアガスはアルゴンを含む。一つの態様では、キャリアガスは窒素を含む。
【0062】
圧力
ステップ(i)の第一の表面変性は、任意の適当なチャンバ圧で行うことができる。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約100torrまでである。ステップ(i)の第一の表面変性は、任意の適当なチャンバ圧で行うことができる。一つの態様では、圧力は約5torrから約100torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約15torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約12torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約10torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.2torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.2torrである。一つの態様では、圧力は約0.5torrである。一つの態様では、圧力は約1torrである。一つの態様では、圧力は約1.5torrである。一つの態様では、圧力は約2torrである。一つの態様では、圧力は約2.5torrである。一つの態様では、圧力は約5torrである。一つの態様では、圧力は約10torrである。一つの態様では、圧力は約15torrである。一つの態様では、圧力は約20torrである。一つの態様では、圧力は約25torrである。一つの態様では、圧力は約30torrである。一つの態様では、圧力は約40torrである。一つの態様では、圧力は約50torrである。一つの態様では、圧力は約60torrである。一つの態様では、圧力は約75torrである。一つの態様では、圧力は約100torrである。
【0063】
(d)例示的ステップ(i)
ステップ(i)の第一の表面変性の一つの例示的態様では、及び図1に示すように、ZrO表面を、六フッ化タングステン(WF)に暴露し、それにより、固形のZrOを固形のZrFに転化する(すなわち、ZrO(s)+WF(g)→ZrF(s)+WO(g))。前記例示的態様の一つの観点では及び先に記載した通り、このステップは、若干のW残渣/副生成物をもたらす場合がある。
【0064】
ステップ(ii)第一のパージ
ステップ(ii)の第一のパージでは、任意の適当な不活性パージガスを使用し得る。一つの態様では、パージガスはアルゴンを含む。一つの態様では、パージガスは窒素を含む。
【0065】
時間
一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約0.5秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約0.5秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約1秒間から約7秒間までである。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約7秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約10秒間から約20秒間までである。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約20秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約30秒間から約60秒間までである。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約0.25秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約0.5秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約1秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約2秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約3秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約4秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約5秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約6秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約7秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約8秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約9秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約10秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約12秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間暴露は、約15秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約17秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約20秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約25秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約30秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約35秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約40秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約50秒間である。一つの態様では、ステップ(ii)の第一のパージ時間は、約60秒間である。
【0066】
流量
一つの態様では、第一のパージガスは、約100sccmから約5000sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約500sccmから約2500sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約1000sccmから約2000sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約100sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約200sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約300sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約400sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約500sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約1000sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約1500sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約2000sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約2500sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約3000sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約3500sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約4000sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約4500sccmで流通される。一つの態様では、第一のパージガスは、約5000sccmで流通される。
【0067】
圧力
ステップ(ii)の第一のパージステップは、任意の適当なチャンバ圧で行うことができる。一つの態様では、圧力は約0.05torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約5torrまでの間である。一つの態様では、圧力は約0.05torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.05torrである。一つの態様では、圧力は約0.1torrである。一つの態様では、圧力は約0.2torrである。一つの態様では、圧力は約0.5torrである。一つの態様では、圧力は約1torrである。一つの態様では、圧力は約1.5torrである。一つの態様では、圧力は約2torrである。一つの態様では、圧力は約2.5torrである。一つの態様では、圧力は約5torrである。
【0068】
ステップ(iii)配位子交換
ステップ(iii)の配位子交換では、フッ素化金属表面は、フッ素イオンを塩素に置き換え(すなわち交換し)、そして揮発性塩素化金属化学種を生成するのに十分な期間、一種以上の塩素配位子供給剤に暴露される。
【0069】
(a)配位子
塩素配位子供給剤は、フッ化物イオンを塩化物イオンに交換することができる一種以上の塩素配位子供給剤を含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の塩素配位子供給剤は、ジメチルアルミニウム塩化物(DMAC、Al(CHCl)、ジエチルアルミニウム塩化物(DEAC、Al(CCl)、四塩化チタン(TiCl)、三塩化ホウ素(BCl)及びこれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の塩素配位子供給剤はDMACを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の塩素配位子供給剤はDEACを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の塩素配位子供給剤はTiClを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の塩素配位子供給剤はBClを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の塩素配位子供給剤は、DMAC、DEAC、TiCl及びBClのうちの二つ以上の組み合わせを含む。当業者が把握するように、DMAC、DEAC及びTiClは、それぞれ非腐食性塩素化剤と考えられる。これに関して、塩素配位子供給剤が、DMAC、DEAC及び/またはTiClなどの非腐食性塩素化剤であることが好ましい。
【0070】
しかし、当業者が把握するように、塩素配位子供給剤は、代替的にまたは追加的に、塩素(Cl)、三塩化ホウ素(BCl)、または塩化チオニル(SOCl)などの一種以上のより強烈な/より腐食性の塩素化剤を含むことができる。より腐食性の塩素配位子供給剤の使用は、開示及び特許請求された発明の一部であると考えられるものの、これらの材料は、それらの腐食性の故に、開示及び特許請求される方法に使用するのは一般的には好ましくない。それ故、他の態様の一つでは、塩素化剤は、腐食性塩素配位子供給剤を実質的に含まない。他の態様の一つでは、塩素化剤は、Clを実質的に含まない。他の態様の一つでは、塩素化剤は、BClを実質的に含まない。他の態様の一つでは、塩素化剤は、SOClを実質的に含まない。他の態様の一つでは、塩素化剤は、腐食性塩素配位子供給剤を含まない。他の態様の一つでは、塩素化剤はClを含まない。他の態様の一つでは、塩素化剤はBClを含まない。他の態様の一つでは、塩素化剤はSOClを含まない。
【0071】
(b)条件
時間
一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約0.5秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約0.5秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約1秒間から約7秒間までである。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約7秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約10秒間から約20秒間までである。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約20秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約0.25秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約0.5秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約1秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約2秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約3秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約4秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約5秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約6秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約7秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約8秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約9秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約10秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約12秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約15秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約17秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約20秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約25秒間である。一つの態様では、ステップ(iii)の配位子交換時間は約30秒間である。
【0072】
配位子交換剤の流量
一つの態様では、配位子交換剤は、約1sccmから約500sccmまでで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約5sccmから約500sccmまでで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約0.5sccmから約100sccmまでで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約1sccmから約50sccmまでで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約5sccmから約25sccmまでで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約10sccmから約20sccmまでで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約15sccmから約25sccmまでで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約5sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約10sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約15sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約20sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約25sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約30sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約35sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約40sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約45sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約50sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約60sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約70sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約80sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約90sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約100sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約125sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約150sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約200sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約250sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約300sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約350sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約400sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約450sccmで流通される。一つの態様では、配位子交換剤は、約500sccmで流通される。
【0073】
一つの態様では、配位子交換剤は単独で供給される。
【0074】
一つの態様では、配位子交換剤は適当なキャリアガスを用いて供給される。一つの態様では、キャリアガスはアルゴンを含む。一つの態様では、キャリアガスは窒素を含む。
【0075】
圧力
ステップ(iii)の配位子交換は、任意の適当なチャンバ圧で行うことができる。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約100torrまでである。ステップ(iii)の配位子交換は、任意の適当なチャンバ圧で行うことができる。一つの態様では、圧力は約5torrから約100torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約15torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約12torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約10torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.2torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.2torrである。一つの態様では、圧力は約0.5torrである。一つの態様では、圧力は約1torrである。一つの態様では、圧力は約1.5torrである。一つの態様では、圧力は約2torrである。一つの態様では、圧力は約2.5torrである。一つの態様では、圧力は約5torrである。一つの態様では、圧力は約10torrである。一つの態様では、圧力は約15torrである。一つの態様では、圧力は約20torrである。一つの態様では、圧力は約25torrである。一つの態様では、圧力は約30torrである。一つの態様では、圧力は約40torrである。一つの態様では、圧力は約50torrである。一つの態様では、圧力は約60torrである。一つの態様では、圧力は約75torrである。一つの態様では、圧力は約100torrである。
【0076】
(d)例示的ステップ(iii)
ステップ(iii)の配位子交換の例示的態様の一つでは、及び図1に示すように、(上述した)ZrOの表面上のZrFの層は、ジメチルアルミニウム塩化物(DMAC、Al(CHCl)との配位子交換を起こし、揮発性ZrCl及びジメチルアルミニウムフッ化物(DMAF、Al(CHF)を生成する(すなわち、ZrF(s)+4Al(CHCl(g)→ZrCl(g)+4Al(CHF(g))。
【0077】
ステップ(iv) 第二のパージ
ステップ(iv)の第二のパージでは、任意の適当な不活性パージガスを使用することができる。一つの態様では、パージガスはアルゴンを含む。一つの態様では、パージガスは窒素を含む。
【0078】
時間
一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約0.5秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約0.5秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約1秒間から約7秒間までである。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約7秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約10秒間から約20秒間までである。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約20秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約30秒間から約60秒間までである。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約0.25秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約0.5秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約1秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約2秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約3秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約4秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約5秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約6秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約7秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約8秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約9秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約10秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約12秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約15秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約17秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約20秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約25秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約30秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約35秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約40秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約50秒間である。一つの態様では、ステップ(iv)の第二のパージ時間は、約60秒間である。
【0079】
流量
一つの態様では、第二のパージガスは、約100sccmから約5000sccmまでで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約500sccmから約2500sccmまでで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約1000sccmから約2000sccmまでで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約100sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約200sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約300sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約400sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約500sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約1000sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約1500sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約2000sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約2500sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約3000sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約3500sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約4000sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約4500sccmで流通される。一つの態様では、第二のパージガスは、約5000sccmで流通される。
【0080】
圧力
ステップ(iv)の第二のパージステップは、任意の適当なチャンバ圧で行うことができる。一つの態様では、圧力は約0.05torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約2torrまでの間である。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約5torrまでの間である。一つの態様では、圧力は約0.05torrから約2torrまでの間である。一つの態様では、圧力は約0.05torrである。一つの態様では、圧力は約0.1torrである。一つの態様では、圧力は約0.2torrである。一つの態様では、圧力は約0.5torrである。一つの態様では、圧力は約1torrである。一つの態様では、圧力は約1.5torrである。一つの態様では、圧力は約2torrである。一つの態様では、圧力は約2.5torrである。一つの態様では、圧力は約5torrである。
【0081】
ステップ(v) 第二の表面変性
ステップ(v)の第二の表面変性では、エッチングされた金属表面上に存在する金属副生成物を、次のサイクルの間にステップ(i)を反復する時のフッ素化剤への暴露時に簡単に揮発できる化学種へと酸化するのに十分な期間、エッチングされた金属酸化物表面を一種以上の酸化剤に暴露する。先に記載した通り、例えば、WFをフッ素化剤として使用する場合、これはW化学種をもたらし(例えば、WO、xは約2と約3との間)、これは表面を汚染し、そして時間が経つにつれ、エッチングプロセスを遅延化するかまたは停止させる。この酸化ステップは、これらの副生成物をWOに転化し、これは、次のサイクルの間にステップ(i)を反復する時のフッ素化剤への暴露時に容易に反応及び除去され得る。
【0082】
一つの態様では、前記一種以上の酸化剤は、酸素(O)、オゾン(O)、一酸化窒素(NO)、水(HO)蒸気、過酸化水素(H)、酸素プラズマ(O*)、及びこれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の酸化剤は酸素を含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の酸化剤はオゾンを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の酸化剤は一酸化窒素を含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の酸化剤は水蒸気を含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の酸化剤は過酸化水素を含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の酸化剤は酸素及びオゾンを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の酸化剤は酸素プラズマを含む。この態様の一つの観点では、前記一種以上の酸化剤は酸素プラズマを含む。一つの態様では、前記一種以上の酸化剤は蒸気である。
【0083】
一つの態様では、前記一種以上の酸化剤へのエッチングされた金属酸化物表面の暴露は、第一の酸化剤の暴露と、その後の、第一の酸化剤とは異なる第二の酸化剤の暴露とを連続して含む。この態様の一つの観点では、前記第一の酸化剤は、酸素及びオゾンのうちの一つであり、前記第二の酸化剤は、酸素及びオゾンのうちの他方である。
【0084】
(b)条件
時間
一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約0.5秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約0.5秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約1秒間から約7秒間までである。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約7秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約10秒間から約20秒間までである。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約20秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約30秒間から約60秒間までである。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約1秒間から約60秒間までである。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約0.25秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約0.5秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約1秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約2秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約3秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約4秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約5秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約6秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約7秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約8秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約9秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約10秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約12秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間暴露は、約15秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約17秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約20秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約25秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約30秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約35秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約40秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約50秒間である。一つの態様では、ステップ(v)の酸化剤流通時間は、約60秒間である。
【0085】
流量
一つの態様では、酸化剤は、約50sccmから約3000sccmまでで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約10sccmから約1000sccmまでで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約500sccmから約1000sccmまでで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約1000sccmから約2000sccmまでで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約50sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約75sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約100sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約200sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約300sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約400sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約500sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約1000sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約1500sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約2000sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約2500sccmで流通される。一つの態様では、酸化剤は、約3000sccmで流通される。
【0086】
一つの態様では、酸化剤は単独で供給される。
【0087】
一つの態様では、酸化剤は適当なキャリアガスを用いて供給される。一つの態様では、キャリアガスはアルゴンを含む。一つの態様では、キャリアガスは窒素を含む。
【0088】
圧力
ステップ(v)の酸化ステップは、任意の適当なチャンバ圧で行うことができる。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約100torrまでである。ステップ(v)の酸化ステップは、任意の適当なチャンバ圧で行うことができる。一つの態様では、圧力は約5torrから約100torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約15torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約12torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約10torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.2torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.2torrである。一つの態様では、圧力は約0.5torrである。一つの態様では、圧力は約1torrである。一つの態様では、圧力は約1.5torrである。一つの態様では、圧力は約2torrである。一つの態様では、圧力は約2.5torrである。一つの態様では、圧力は約5torrである。一つの態様では、圧力は約10torrである。一つの態様では、圧力は約15torrである。一つの態様では、圧力は約20torrである。一つの態様では、圧力は約25torrである。一つの態様では、圧力は約30torrである。一つの態様では、圧力は約40torrである。一つの態様では、圧力は約50torrである。一つの態様では、圧力は約60torrである。一つの態様では、圧力は約75torrである。一つの態様では、圧力は約100torrである。
【0089】
(d)例示的ステップ(v)
ステップ(v)の第二の表面変性の例示的態様の一つでは及び図1に示されるように、エッチングされた金属酸化物表面は、酸化剤に暴露し、それにより、部分的に酸化、フッ素化、塩素化またはメチル化されていてよい表面W化学種を、Wのより酸化された形、例えばWOに転化し、ここで、酸化剤は、O、O、酸素プラズマ、一酸化窒素、HO、またはHであることができる(すなわち、WOCl(CH(s)+[O、O、O*、NO、HO、H]→WO(s))
【0090】
ステップ(vi) 第三のパージ
ステップ(vi)の第三のパージでは、任意の適当な不活性パージガスを使用することができる。一つの態様では、パージガスはアルゴンを含む。一つの態様では、パージガスは窒素を含む。
【0091】
時間
一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は、約0.5秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は、約0.5秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は、約1秒間から約7秒間までである。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は、約7秒間から約10秒間までである。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は、約10秒間から約20秒間までである。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は、約20秒間から約30秒間までである。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は、約30秒間から約60秒間までである。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は、約60秒間から約120秒間までである。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約0.25秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約0.5秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約1秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約2秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約3秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約4秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約5秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約6秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約7秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約8秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約9秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約10秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約12秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間暴露は約15秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約17秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約20秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約25秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約30秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約35秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約40秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約50秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約60秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約75秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約90秒間である。一つの態様では、ステップ(vi)の第三のパージ時間は約120秒間である。
【0092】
流量
一つの態様では、第三のパージガスは約100sccmから約5000sccmまでで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約500sccmから約2500sccmまでで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約1000sccmから約2000sccmまでで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約100sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約200sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約300sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約400sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約500sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約1000sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約1500sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約2000sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約2500sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約3000sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約3500sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約4000sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約4500sccmで流通される。一つの態様では、第三のパージガスは約5000sccmで流通される。
【0093】
圧力
ステップ(vi)の第三のパージステップは、任意の適当なチャンバ圧で行うことができる。一つの態様では、圧力は約0.05torrから5torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約1torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.5torrから約5torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.05torrから約2torrまでである。一つの態様では、圧力は約0.05torrである。一つの態様では、圧力は約0.1torrである。一つの態様では、圧力は約0.2torrである。一つの態様では、圧力は約0.5torrである。一つの態様では、圧力は約1torrである。一つの態様では、圧力は約1.5torrである。一つの態様では、圧力は約2torrである。一つの態様では、圧力は約2.5torrである。一つの態様では、圧力は約5torrである。
【0094】
ポストALE処理
先に記載の通り、開示及び特許請求される方法は、複数回のサイクルの後に金属酸化物表面上に残った不純物を除去するために、任意選択のステップ(vii)として後処理を更に含むことができる。この態様の一つの観点では、任意選択のステップ(vii)としての後処理は、金属酸化物表面を一種以上の酸化剤で所望の期間(例えば、約10秒間から約500秒間)、処理することを含む。この態様の一つの観点では、任意選択のステップ(vii)としての後処理は、金属酸化物表面を、酸素(O)及びオゾン(O)のうちの一つ以上で、所望の期間(例えば、約10秒間から約500秒間)処理することを含む。この態様の一つの観点では、任意選択のステップ(vii)としての後処理は、金属酸化物表面を酸素(O)で処理することを含む。この態様の一つの観点では、任意選択のステップ(vii)としての後処理は、金属酸化物表面をオゾン(O)で処理することを含む。任意選択のステップ(vii)としての後処理の例を、以下に実施例において説明する。
【0095】
チャンバ(反応器)温度
外部ヒータ
一つの態様では、チャンバ外部ヒータは、約100℃から約200℃までに設定される。一つの態様では、チャンバ外部ヒータは約100℃に設定される。一つの態様では、チャンバ外部ヒータは約120℃に設定される。一つの態様では、チャンバ外部ヒータは約140℃に設定される。一つの態様では、チャンバ外部ヒータは約160℃に設定される。一つの態様では、チャンバ外部ヒータは約180℃に設定される。一つの態様では、チャンバ外部ヒータは約200℃に設定される。
【0096】
リッドヒータ(すなわち、プロセスチャンバガス供給ゾーン)
一つの態様では、チャンバリッドヒータは約100℃から約200℃に設定される。一つの態様では、チャンバリッドヒータは約100℃に設定される。一つの態様では、チャンバリッドヒータは約130℃に設定される。一つの態様では、チャンバリッドヒータは約150℃に設定される。一つの態様では、チャンバリッドヒータは約200℃に設定される。
【0097】
内部ヒータ(すなわち、プロセスチャンバまたはサンプル台座)
一つの態様では、チャンバ内部ヒータは約100℃から約400℃に設定される。一つの態様では、チャンバ内部ヒータは約100℃に設定される。一つの態様では、チャンバ内部ヒータは約150℃に設定される。一つの態様では、チャンバ内部ヒータは約200℃に設定される。一つの態様では、チャンバ内部ヒータは約250℃に設定される。一つの態様では、チャンバ内部ヒータは約300℃に設定される。一つの態様では、チャンバ内部ヒータは約350℃に設定される。一つの態様では、チャンバ内部ヒータは約400℃に設定される。
【0098】
膜特性
開示及び特許請求される発明は、更に、ここに記載の方法によって形成された膜を含む。
【0099】
膜アスペクト比
一つ態様では、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約0から約60までのアスペクト比を有するトレンチ、ビアまたは他のトポグラフィ図形を有する。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約1から約10までである。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約10から100までである。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約0である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約1である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約2である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約5である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約10である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約20である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約30である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約40である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約50である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約60である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約80である。この態様の更に別の観点の一つでは、アスペクト比は約100である。
【0100】
誘電率
他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、5と10との間の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、10と30との間の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、30と50との間の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、50と80との間の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約1.5の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約2の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約3の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約4の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約5の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約6の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約7の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約8の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約9の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約10の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約12の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約14の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約16の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約18の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約20の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約25の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約30の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約35の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約40の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約45の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約50の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約55の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約60の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約65の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約70の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約75の誘電率を有する。他の態様の一つでは、ここに記載の方法によってエッチングされた膜は、約80の誘電率を有する。
【0101】
結晶構造
一つの態様では、ここに記載の方法でエッチングされた膜は結晶性であり、膜の大部分を構成する所望の結晶構造、例えば立方晶系構造、正方晶系構造、直方晶系構造または非中心対称晶系構造を有する。一つの態様では、立方晶系構造は、ZrO、HfO、HfOとZrOとの組み合わせ、または工学的不純物(すなわち、ドーパント)を含むこれらの材料のいずれかから組成される膜の大部分を構成する。一つの態様では、正方晶系構造は、ZrO、HfO、HfOとZrOとの組み合わせ、または工学的不純物(すなわち、ドーパント)を含むこれらの材料のいずれかから組成される膜の大部分を構成する。一つの態様では、直方晶系構造は、ZrO、HfO、HfOとZrOとの組み合わせ、または工学的不純物(すなわち、ドーパント)を含むこれらの材料のいずれかから組成される膜の大部分を構成する。一つの態様では、非中心対称晶系構造は、ZrO、HfO、HfOとZrOとの組み合わせ、または工学的不純物(すなわち、ドーパント)を含むこれらの材料のいずれかから組成される膜の大部分を構成する。一つの態様では、所望の結晶構造は、膜の約50%から約90%までを構成する。一つの態様では、所望の結晶構造は、膜の約90%から約95%までを構成する。一つの態様では、所望の結晶構造は、膜の約95%から約100%までを構成する。
【0102】
MIMcapデバイス
他の観点の一つでは、開示及び特許請求される発明は、第一の電極、開示及び特許請求されるALE法を用いて形成された誘電層、及び第二の電極を含むか、から本質的になるかまたはからなる金属-絶縁体-金属コンデンサ(「MIMcap」)デバイスに関する。更に別の観点の一つでは、該MIMcapデバイスは、理想的には、開示及び特許請求されるALE法を用いずに製造された他の点では等価のMIMcapと比べて、より高い誘電率(k)、及びより低いリーク電流を示し、ここで前記誘電率(k)は、等価の静電容量をもたらす酸化ケイ素誘電層の等価酸化膜換算膜厚(EOT)としても表すことができる。
【0103】
更に別の観点の一つでは、第一の電極及び第二の電極は、独立して、TiN、W、Ni、Ru、Pt及びAlから選択される。
【0104】
更に別の観点の一つでは、第一の電極及び第二の電極はTiNである。更に別の観点の一つでは、ALE前の出発誘電層の厚さは、約5nmと約10nmとの間である。更に別の観点の一つでは、エッチングされた誘電層の厚さは、約1nmと約6nmとの間である。他の観点の一つは、開示及び特許請求される金属含有膜または開示及び特許請求される方法によって調製される金属含有膜の、金属-絶縁体-金属コンデンサにおける誘電層としての使用である。
【実施例
【0105】
以下、本開示のより具体的な態様、及びこのような態様の裏付けとなる実験結果について説明する。これらの例は、開示された発明をより十分に説明するために以下に記載したものであり、どのような形でも開示された発明を限定するものと解釈するべきではない。
【0106】
様々な改良及び変更を、開示された発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示された発明及びここに提供される具体例に対して行うことができることは当業者には明らである。それ故、以下の例によって提供される記載を含めた開示された発明は、いずれの請求項及びそれらと等価のものの範囲内に入る、開示された発明の改良及び変更を包含することが意図される。
【0107】
材料及び方法:
以下の例において、ALEプロセスは、加熱されたシャワーヘッドリッドを備えたALDシステムで行った。このALDシステムは、12インチ径までのウェハサイズを収容することができる。このALDシステムは、加熱された台座を有し、その上にウェハが設置される。各々の実験のためには、44mm×44mm試験基材を、300mmケイ素キャリアウェハ上に配置した。
【0108】
ジメチルアルミニウム塩化物(DMAC)は、EMDエレクトロニクス社から得た。全ての条件においてDMAC源の標準温度は35℃である。DMACは、全ての試験においてベーパードローモード(vapor draw mode)で投与した。
【0109】
各々の実験において、台座は、キャリアウェハ上の温度勾配を考慮して、意図したサンプル温度よりも30℃高い温度に加熱した。チャンバの敏感な内部部品を保護するために、プロセス全体にわたって、100sccmのアルゴンパージ流を連続的に流した。
【0110】
これらの例に示すように、該ALEプロセスは、目的の用途に特異的なエッチング量をもたらすために簡単に制御(すなわち、適合)することができる。
【0111】
例1~3:DMAC、WF及びOを用いた酸化ジルコニウムALE
試験基材は、約50Åの窒化チタンでコーティングされた300mmのケイ素ウェハ上での約93~95Åの酸化ジルコニウムの原子層堆積(ALD)によって用意した。次いで、前記第二の300mmウェハを切断して、各44mm×44mmの試験基材とした。各々の試験基材を、エッチング前にAr中で500℃で10分間アニールした。
【0112】
280℃、330℃または380℃のいずれに設定されたプロセスチャンバ台座ヒータ(約250℃、300℃または350℃の見込みサンプル温度に相当)、及び130℃に設定されたプロセスチャンバリッドヒータ及び140℃に設定されたシャワーヘッドヒータを用いて、各々のサイクルが、以下のように、(35℃に予熱された)DMACの単回投与、WFの単回投与及びOの単回投与を含む24から50回のサイクルにわたって、ALEを行った。
【0113】
【表1】
プロセスの完了後、約400sccmの酸素(O)を用いて約100sccmのオゾン(O)の表面処理ステップを、エッチングシーケンスと同じ台座温度で同じチャンバ中で60秒間、実施した。
【0114】
この例に記載のプロセスは、表1に記載のようにZrOを除去した。
【0115】
【表2】
例4:DMAC、WF及び(O+O)を用いた酸化ジルコニウムALE
試験基材は、約50Åの窒化チタンでコーティングされた第二の300mmのケイ素ウェハ上での約91~95Åの酸化ジルコニウムの原子層堆積(ALD)によって用意した。次いで、前記第二の300mmウェハを切断して、各44mm×44mmの試験基材とした。各々の試験基材を、エッチング前にAr中で500℃で10分間アニールした。
【0116】
380℃のプロセスチャンバ台座ヒータ設定(約350℃の見込みサンプル温度に相当)及び130℃に設定したプロセスチャンバリッドヒータ及び140℃に設定したシャワーヘッドヒータを用いて、各々のサイクルが、以下のように、(35℃に予熱した)DMACの単回投与、WFの単回投与、及びOとOとの混合物の単回投与を含む24回のサイクルにわたって、ALEを行った。
【0117】
【表3】
プロセスの完了後、約480sccmの酸素(O)を用いた約20sccmのオゾン(O)の表面処理ステップを、エッチングシーケンスと同じ台座温度で同じチャンバ中で300秒間、行った。
【0118】
例4に記載のプロセスは、22~28ÅのZrOを除去した。
【0119】
例5:DMAC、WF及び(O+O)を用いた酸化ハフニウムALE
試験基材は、第二の300mmケイ素ウェハ上での約67~69Åの酸化ハフニウムの原子層堆積(ALD)によって用意した。次いで、前記第二の300mmウェハを切断して、各44mm×44mmの試験基材とした。
【0120】
400℃のプロセスチャンバ台座ヒータ設定(約370℃の見込みサンプル温度に相当)及び130℃に設定したプロセスチャンバリッドヒータ及び140℃に設定したシャワーヘッドヒータを用いて、各々のサイクルが、以下のように、(35℃に予熱した)DMACの単回投与、WFの単回投与、及びOとOとの混合物の単回投与を含む60回のサイクルにわたって、ALEを行った。
【0121】
【表4】
プロセスの完了後、約480sccmの酸素(O)を用いた約20sccmのオゾン(O)の表面処理ステップを、エッチングシーケンスと同じ台座温度で同じチャンバ中で300秒間、行った。
【0122】
例5に記載のプロセスは、25~29ÅのHfOを除去した。
【0123】
例6:DMAC、WF及び(O+O)を用いた(Hf,Zr)OALE
試験基材は、第二の300mmケイ素ウェハ上での約74~76ÅのHf0.5Zr0.5の原子層堆積(ALD)によって用意した。次いで、前記第二の300mmウェハを切断して、各44mm×44mmの試験基材とした。
【0124】
400℃のプロセスチャンバ台座ヒータ設定(約370℃の見込みサンプル温度に相当)及び130℃に設定したプロセスチャンバリッドヒータ及び140℃に設定したシャワーヘッドヒータを用いて、各々のサイクルが、以下のように、(35℃に予熱した)DMACの単回投与、WFの単回投与、及びOとOとの混合物の単回投与を含む60回のサイクルにわたって、ALEを行った。
【0125】
【表5】
プロセスの完了後、約480sccmの酸素(O)を用いた約20sccmのオゾン(O)の表面処理ステップを、エッチングシーケンスと同じ台座温度で同じチャンバ中で300秒間、行った。
【0126】
例6に記載のプロセスは、16~20ÅのHf0.5Zr0.5を除去した。
【0127】
例7~8:ZrO ALEを用いたTiN/ZrO/TiN MIMcap
試験基材は、約50Åの窒化チタンでコーティングされた第二の300mmケイ素ウェハ上での酸化ジルコニウムの原子層堆積(ALD)によって用意した。次いで、前記第二の300mmウェハを切断して、各44mm×44mmの試験基材とした。各々の試験基材を、エッチング前にAr中で500℃で10分間アニールした。
【0128】
380℃のプロセスチャンバ台座ヒータ(約350℃の見込みサンプル温度に相当)及び130℃に設定したプロセスチャンバリッドヒータ及び140℃に設定されたシャワーヘッドヒータを用いて、各々のサイクルが、以下のように、(35℃に予熱された)DMACの単回投与、WFの単回投与、及びOとOとの混合物の単回投与を含む複数回のサイクルにわたって、ALEを行った。
【0129】
【表6】
プロセスの完了後、約480sccmの酸素(O)を用いた約20sccmのオゾン(O)の表面処理ステップを、エッチングシーケンスと同じ台座温度で同じチャンバ中で300秒間、行った。MIMcapデバイスを完成するために、窒化チタントップ電極を、一連の物理蒸着ステップで堆積した。トップ電極径は、約250μmから約350μmまでの範囲であった。
【0130】
ZrO膜厚測定及び電気デバイス試験結果を表2に示す。電気的結果については、複数の被試験デバイスからの中央値を報告する。EOTは、測定されたMIMcapに等価の誘電性能を供する酸化ケイ素の等価酸化膜換算膜厚を指す。例7では、ここに記載のエッチング方法の使用は、同じZrO厚を有する比較サンプルに対して比較的低いリーク電流及び比較的低いEOTを有するMIMcapをもたらす。例8では、ここに記載のエッチング方法の使用は、類似のZrO厚を有する比較サンプルに対して、比較的低いEOTを有するが、リーク電流が比較的高いMIMcapをもたらすが、リーク電流は、EOTが低下するほど大きくなるであろうことが一般的に予期される。
【0131】
【表7】
開示及び特許請求される発明を、ある程度の詳細さで記載及び説明したが、この開示は例示としてのみ行ったものであること、並びに当業者は、開示及び特許請求される発明の趣旨及び範囲から離れることなく、条件及びステップの順番の非常に多くの変化に頼ることができることは明らかである。
図1
【国際調査報告】