(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】GNSS高精度ナビゲーションアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 19/13 20060101AFI20241128BHJP
H01Q 1/12 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01Q19/13
H01Q1/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536030
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2022089988
(87)【国際公開番号】W WO2023108983
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111548860.5
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523354185
【氏名又は名称】タイジョウ スジョン アンテナ グループ シーオー.,エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シァ ビン
(72)【発明者】
【氏名】リー チュンメイ
(72)【発明者】
【氏名】リー ホンメイ
(72)【発明者】
【氏名】イェ ヤクアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジャユー
【テーマコード(参考)】
5J020
5J047
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA07
5J020BA08
5J020BC13
5J020CA01
5J020DA02
5J020DA03
5J020DA04
5J047AA04
5J047AA13
5J047AB13
5J047BG10
(57)【要約】
本発明は、GNSS高精度ナビゲーションアンテナを提供し、ケースと、ベースと、反射チャンバと、メディアアンテナと、ブリッジと、PCB回路基板と、出力線と、コネクタと、を含み、メディアアンテナは、PCB回路基板に取り付けられており、PCB回路基板には、メディアアンテナ取付用給電孔が設けられ、ブリッジは、PCB回路基板に取り付けられており、PCB回路基板は、ベースに取り付けられており、ベースには、PCB回路基板用取付柱が設けられ、PCB回路基板は、ベースのPCB回路基板用取付柱に取り付けられており、PCB回路基板とベースがねじによって固定され、ケースと反射チャンバは、ねじによってベースに固定され、PCB回路基板には、出力線が接続され、出力線には、コネクタが取り付けられた。前記反射チャンバは、漏斗状であり、GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、反射チャンバの漏斗底部平面に配置された。本発明の実施例が提供するGNSS高精度ナビゲーションアンテナは、複雑な取付環境における車載高精度測位ナビゲーションアンテナとして用いられることに適する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、ベースと、反射チャンバと、メディアアンテナと、ブリッジと、PCB回路基板と、出力線と、コネクタと、を含み、
メディアアンテナは、PCB回路基板に取り付けられており、
PCB回路基板には、メディアアンテナ取付用給電孔が設けられ、
ブリッジは、PCB回路基板に取り付けられており、
PCB回路基板は、ベースに取り付けられており、
ベースには、PCB回路基板用取付柱が設けられ、
PCB回路基板は、ベースのPCB回路基板用取付柱に取り付けられており、
PCB回路基板とベースは、ねじによって固定され、
ケースと反射チャンバは、ねじによってベースに固定され、
PCB回路基板には、出力線が接続され、
出力線には、コネクタが取り付けられた、ことを特徴とするGNSS高精度ナビゲーションアンテナ。
【請求項2】
前記反射チャンバは、漏斗状であり、
GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、反射チャンバの漏斗底部平面に配置された、ことを特徴とする請求項1に記載のGNSS高精度ナビゲーションアンテナ。
【請求項3】
前記出力線として、同軸ケーブルが用いられ、
前記ベースには、同軸ケーブルハーネス引出し口が設けられ、
同軸ケーブルハーネスは、同軸ケーブルハーネス引出し口に介して引き出され、
同軸ケーブルの他端には、コネクタが圧着され取り付けられた、ことを特徴とする請求項1に記載のGNSS高精度ナビゲーションアンテナ。
【請求項4】
コネクタは、FAKRAコネクタが用いられ、ソケットコネクタ出力である、ことを特徴とする請求項1に記載のGNSS高精度ナビゲーションアンテナ。
【請求項5】
前記反射チャンバは、金属製反射チャンバが用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載のGNSS高精度ナビゲーションアンテナ。
【請求項6】
前記メディアアンテナ取付用給電孔は、2孔または4孔の給電孔を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のGNSS高精度ナビゲーションアンテナ。
【請求項7】
前記PCB回路基板は、アンテナメディア回路基板であり、
前記PCB回路基板には、メディアアンテナマッチング回路が設けられた、ことを特徴とする請求項1に記載のGNSS高精度ナビゲーションアンテナ。
【請求項8】
前記メディアアンテナは、GNSSセラミックメディアアンテナ又は他の材料のメディアアンテナが用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載のGNSS高精度ナビゲーションアンテナ。
【請求項9】
反射チャンバは、逆さまに置かれた中空の中心対称な丸ボス形状であり、又は、逆さまに置かれた中空の中心対称な四面体錐台である、ことを特徴とする請求項1に記載のGNSS高精度ナビゲーションアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車アンテナの技術分野に関し、特に、GNSS高精度ナビゲーションアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクテッドカー利用者に対して、クラウド化され一体化された衛星測位システム(GNSS)解決策を提供する。高精度な車道レベルのナビゲーション体験を消費者に与えるとともに、GNSSと組み合わせて測位することによって、複雑な運転環境においても車載測位機器によるナビゲーションの精度を効果的に高めることができ、不利なマルチパス干渉に抵抗するなどの不良な場合においても、衛星信号を完全的に受信できるように確保することができ、C-V2X機能と協働して、交通が複雑な場合及び交通量が大きい場合での事故発生率を低減して、端末による総合的な測位能力を向上することができる。自動運転車利用者に対して、全国に亘る高精度なリアルタイムの位置解析・演算サービスを提供する。
【0003】
スマートコネクテッドカーは、最も重要な5G応用シーンの一つでありながら、人工知能分野における新インフラの核心的な方向でもある。高精度なマップは、ハイレベル(level3以上)の自動運転を実現させるための必須項目であり、今後、高精度な商業化のスタートにつながる重要なタイミングとなる。
【0004】
スマートコネクテッドカーは、全地球測位システムナビゲーション技術(GNSS)、車車間通信技術(V2X)、無線通信(5G)、および、リモートセンシング技術を統合することによって、自動車技術発展の新しい方向を定め、手動運転と自動運転の両立を実現させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の設計方式では、アンテナをビームに直接に配置し、車載T-BOXもビーム又は車両における他の位置に配置することが一般的であり、それに加えて、取付環境も複雑なものである。そうすると、GNSS(L1+L2+L5)高精度ナビゲーションアンテナの軸比、位相中心オフセット(PCO)および位相偏差(PCV)は非常に悪く、製品も高精度な応用シーンの要求を満たすことができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例は、上記要求に応じて、GNSS高精度ナビゲーションアンテナを提供する。当該GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、自動車に内蔵された高精度GNSSモジュールアンテナの構造として設計され、車内の頂端におけるビームに取り付けられたことで、一般的な解決策と比べて、信号受信方面での安定性、確実性、および、耐干渉性がいずれも優れており、取り付け作業にも製品の性能にも更に好適な解決案をもたらしたものである。GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、ケースと、ベースと、反射チャンバと、メディアアンテナと、ブリッジと、PCB回路基板と、出力線と、コネクタと、を含み、メディアアンテナは、PCB回路基板に取り付けられており、PCB回路基板には、メディアアンテナ取付用給電孔が設けられ、ブリッジは、PCB回路基板に取り付けられており、PCB回路基板は、ベースに取り付けられており、ベースには、PCB回路基板用取付柱が設けられ、PCB回路基板は、ベースのPCB回路基板用取付柱に取り付けられており、PCB回路基板とベースは、ねじによって固定され、ケースと反射チャンバは、ねじによってベースに固定され、PCB回路基板には、出力線が接続され、出力線には、コネクタが取り付けられた。
【0007】
一実施例では、前記反射チャンバは、漏斗状であり、GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、反射チャンバの漏斗底部平面に配置された。
【0008】
一実施例では、前記メディアアンテナ取付用給電孔は、2孔または4孔の給電孔を含む。
【0009】
一実施例では、前記PCB回路基板は、アンテナメディア回路基板である。前記PCB回路基板には、メディアアンテナマッチング回路が設けられた。マッチング回路とは、メディアアンテナへの出力時におけるインピーダンスに対して、LCR回路を用いて、調整することで、最適な状態にさせるものを指す。前記メディアアンテナは、GNSSセラミックメディアアンテナ又は他の材料のメディアアンテナが用いられる。メディアアンテナは、主に、セラミック材料が用いられるが、他の材料によるPCB、プラスチックなどのような異なる誘電率の材料も排除しない。前記ブリッジは、4ポートデバイスであり、LCRで構成されてもよい。
【0010】
一実施例では、前記反射チャンバは、漏斗状のものである。反射チャンバは、逆さまに置かれた中空の中心対称な丸ボス形状であってもよい。また、逆さまに置かれた中空の中心対称な四面体錐台であってもよい。その場合、アンテナを取り付けるためのビーム及び周辺における他の部品によるアンテナへの影響を徹底的に避けることができ、メディアアンテナは、反射チャンバの漏斗底部平面に配置され、アンテナの寸法の大きさ及び車体取付位置に応じて、その寸法の大きさを調整されてもよい。ここで、錐台の幅および高さは、アンテナの放射性能(theta面のゲイン、軸比、位相中心オフセットPCOおよび位相偏差PCV)および耐干渉能力を決定する。
【0011】
一実施例では、前記反射チャンバは、金属製反射チャンバが用いられたことで、アンテナを取り付けるためのビーム及び周辺における他の部品によるアンテナへの影響を徹底的に避けることができる。取付環境は、アンテナの重要なパラメータに対して大きく影響し、そのような影響は、ビームには独立なアンテナ本体が直接に取り付けられた場合の軸比が大きく変化することを指し、そのような変化が許されないので、ネガティブな影響に属す。そのようなネガティブな影響をなくすために、広く開口する耳掛け型チャンバによる反射を用いることによって、効果を向上して改善するとともに、その不利な影響をなくすようにしている。
【0012】
一実施例では、前記出力線として、同軸ケーブルが用いられる。前記ベースには、同軸ケーブルハーネス引出し口が設けられ、同軸ケーブルハーネスは、同軸ケーブルハーネス引出し口に介して引き出され、同軸ケーブルの他端には、コネクタが圧着され取り付けられ、コネクタは、FAKRAコネクタが用いられ、ソケットコネクタ出力である。
【0013】
本発明の実施例では、アンテナは、スペース内における衛星から送信された、異なる周波数帯域の信号を受信する。アンテナは、それらの信号をより良く取得できるために、一定幅の作動周波数を必要とするとともに、地面にある場合のマルチパス干渉に抵抗し、衛星信号が対流層およびイオン層を通過したときによる干渉及び時間的遅延を部分的になくすために、自体には異なる角度でのゲイン、比較的によい軸比および位相中心、位相中心オフセットがあることも必要である。それに加えて、RTK、DRなどの様々な手段と協働することによって、ナビゲーション精度をさらに高めることができる。GNSS高精度ナビゲーションアンテナ自体には、ローノイズアンプがさらに備えられて、アンテナによって受信された微弱な信号を、受信機による最低感度制限に達するまで増幅する。
【0014】
GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、以下のような利点を有する。高精度ナビゲーションアンテナを実現させる方法及びアンテナの種類が数多くあるが、車載に適するものが確かに少ない。GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、メディアパッチアンテナの一種であり、強固な構造を有するとともに、低姿勢や取り付けられやすいなどの特徴を有し、小サイズの反射チャンバと協働した上で、反射チャンバによる作用で、干渉を消去するとともに、錐体形状の反射チャンバがない場合と比べて、アンテナのゲインは明らかに向上した。
【0015】
GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、1、体積が小さいこと、2、構造が強固であること、3、外界の取付環境による影響を受けることなく、数多くのシーンにも取り付けられやすいこと、4、反射チャンバ(錐体形状のチャンバ)による作用で、AR、PCO、PCVが確保されるとともに、アンテナのゲインも高められること、という特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例または従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例または従来技術の説明に必要な添付図面を簡単に紹介する。明らかなことに、以下で説明されている添付図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わずに、これらの添付図面を基にして他の添付図面を得ることが可能である。
添付図面において、
【
図1】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの構造および自動車における取付位置での使用状態の模式図の一である。
【
図3】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの構造および自動車における取付位置での使用状態の模式図の二である。
【
図4a】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされていない状態のシミュレーションデータ模式図の一である。
【
図4b】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされていない状態のシミュレーションデータ模式図の二であり、ゲインマップであって、m1点におけるゲイン=4.3dBi@0度、m2点におけるゲイン=2.88dBi@70度である。
【
図4c】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされていない状態のシミュレーションデータ模式図の三であり、定在波リターンロスマップである。
【
図4d】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされていない状態のシミュレーションデータ模式図の四であり、軸比マップであって、m1=7.7dB@0度、m2=7.4dB@-45度、m3=0.37dB@45度である。
【
図5a】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされた状態のシミュレーションデータ模式図の一である。
【
図5b】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされた状態のシミュレーションデータ模式図の二であり、ゲインマップであって、m1点におけるゲイン=5.9@0度、m2点におけるゲイン=2.5dBi@-70度である。
【
図5c】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされた状態のシミュレーションデータ模式図の三であり、定在波リターンロスマップである。
【
図5d】本発明の実施例におけるGNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされた状態のシミュレーションデータ模式図の四であり、軸比マップであって、m1=1.8dB@0度、m2=0.52dB@-45度、m3=1.2dB@45度である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例の目的、技術案および利点をより明瞭にするために、以下は、添付図面を参照しながら、本発明の実施例をさらに詳しく説明する。ここで、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を解釈するためのものであるが、本発明を限定するものではない。
【0018】
同明細書の説明では、用いられる「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」などは、開放的な用語であり、例示のものを含むがこれらによって制限されないことを意味しているものである。参照用語である「一実施例」、「具体的な一実施例」、「幾つかの実施例」、「例えば」などの記載は、当該実施例または例示的な記載を組み合わせた具体的な構成要件、構造、または特徴が本願における少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを指す。同明細書において、上記用語に対する例示的な表現は、必ずしも同一の実施例または例示を指すものであるとは限らない。しかも、説明される具体的な構成要件、構造、または特徴は、任意の1つまたは複数の実施例または例示で、適切な方式により組み合わせられてもよい。各実施例に係るステップ・手順は、本願発明の実施を例示的に説明するためのものであり、これらのステップ・手順が限定されるものではなく、必要に応じて適宜に調整されてもよい。
【0019】
本発明の実施例では、
図1~
図5dに示されるように、GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、ケース1と、ベース2と、反射チャンバ3と、メディアアンテナ4と、ブリッジと、PCB回路基板5と、出力線6と、コネクタ10と、を含む。
【0020】
メディアアンテナ4は、PCB回路基板5に取り付けられており、PCB回路基板5には、メディアアンテナ取付用給電孔が設けられ、ブリッジは、PCB回路基板5に取り付けられており、PCB回路基板5は、ベース2に取り付けられており、ベース2には、PCB回路基板用取付柱が設けられ、PCB回路基板2は、ベースのPCB回路基板用取付柱に取り付けられており、PCB回路基板5とベース2は、ねじによって固定され、ケース1と反射チャンバ3は、ねじによってベース2に固定され、PCB回路基板5には、出力線6が接続され、出力線6には、コネクタ10が取り付けられた。
【0021】
一実施例では、前記反射チャンバ3は、漏斗状であり、GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、反射チャンバ3の漏斗底部平面に配置された。
【0022】
一実施例では、前記メディアアンテナ取付用給電孔は2孔または4孔の給電孔を含む。
【0023】
一実施例では、前記PCB回路基板5は、アンテナメディア回路基板である。前記PCB回路基板には、メディアアンテナマッチング回路が設けられた。マッチング回路とは、メディアアンテナへの出力時におけるインピーダンスに対して、LCR回路を用いて、調整することで、最適な状態にさせるものを指す。前記メディアアンテナ4は、GNSSセラミックメディアアンテナ又は他の材料のメディアアンテナが用いられる。メディアアンテナ4は、主に、セラミック材料が用いられるが、他の材料によるPCB、プラスチックなどのような異なる誘電率の材料が排除されてはならない。前記ブリッジは、4ポートデバイスであり、LCRで構成されてもよい。前記ブリッジは、ハイブリッドカプラであり、2路からの位相が同じである信号を、1路における位相差が900である信号に変換する。
【0024】
一実施例では、前記反射チャンバ3は、漏斗状であり、反射チャンバ3は、逆さまに置かれた中空の中心対称な丸ボス形状3-2(
図2)であってもよい。また、逆さまに置かれた中空の中心対称な四面体錐台3-1(
図1)であってもよい。その場合、アンテナを取り付けるためのビーム7及び周辺における他の部品によるアンテナへの影響を徹底的に避けることができ、メディアアンテナ4は、反射チャンバ3の漏斗底部平面に配置され、アンテナの寸法の大きさ及び車体取付位置に応じて、その寸法の大きさを調整されてもよい。ここで、錐台の幅および高さは、アンテナの放射性能(theta面のゲイン、軸比、位相中心オフセットPCOおよび位相偏差PCV)および耐干渉能力を決定する。
【0025】
一実施例では、前記反射チャンバ3は、金属製反射チャンバが用いられたことで、アンテナを取り付けるためのビーム7及び周辺における他の部品によるアンテナへの影響を徹底的に避けることができる。取付環境は、アンテナの重要なパラメータに対して大きく影響し、そのような影響は、ビームには独立なアンテナ本体が直接に取り付けられた場合の軸比が大きく変化することを指し、そのような変化が許されないので、ネガティブな影響に属す。それらのネガティブな影響をなくすために、広く開口する耳掛け型チャンバによる反射を用いることで、効果を向上して改善するとともに、その不利な影響をなくすようにしている。
【0026】
一実施例では、前記出力線6として、同軸ケーブルが用いられ、前記ベース2には、同軸ケーブルハーネス引出し口が設けられ、同軸ケーブルハーネスは、同軸ケーブルハーネス引出し口に介して引き出され、同軸ケーブルの他端には、コネクタ10が圧着され取り付けられ、コネクタ10は、FAKRAコネクタが用いられ、ソケットコネクタ出力である。
【0027】
図4a~
図4dは、GNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされていない状態のシミュレーションデータ模式図の一~四であり、ゲインマップでは、m1点におけるゲイン=4.3dBi@0度、m2点におけるゲイン=2.88dBi@70度であり、軸比マップでは、m1=7.7dB@0度、m2=7.4dB@-45度、m3=0.37dB@45度である。
図4a~
図4dには、Axial ratioが軸比であり、Gainがゲインであり、S-parameterが定在波リターンロスである。
【0028】
図5a~
図5dは、GNSS高精度ナビゲーションアンテナの反射チャンバがロードされた状態のシミュレーションデータ模式図の一~四であり、ゲインマップでは、m1点におけるゲイン=5.9@0度、m2点におけるゲイン=2.5dBi@70度であり、軸比マップでは、m1=1.8dB@0度、m2=0.52dB@-45度、m3=1.2dB@45度である。
図5a~
図5dには、Axial ratioが軸比であり、Gainがゲインであり、S-parameterが定在波リターンロスである。
一実施例では、頂点の軸比ARは2dBであって要求を満たしたものであり、頂点のゲインもより良くなり、4dBiの要求を満たしたものである。周波数帯域にわたる全ての軸比及びゲインパラメータは、表1に示された通りである。
【表1】
【0029】
表1では、示されたゲインは、頂点における最大ゲインであり、示された軸比は、頂点における軸比である。
【0030】
本発明の実施例が提供するGNSS高精度ナビゲーションアンテナは、使用時、そのGNSS高精度ナビゲーションアンテナが車内における頂端のビームに取り付けられ、車載T-BOXが車内における頂端のビームまたは車両における他の位置に取り付けられ、ビーム7には、保護用のトリムボード8が取り付けられた。GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、反射チャンバにねじによって取り付けられ、ロードされた反射チャンバの両側の反射チャンバ用取付脚11がねじによってビーム7に取り付けられ、GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、コネクタ10によって引き出されて、車載T-BOX9に接続された。GNSS高精度ナビゲーションアンテナは、スペース内における衛星から送信された、異なる周波数帯域の信号を受信する。アンテナは、それらの信号をより良く取得できるために、一定幅の動作周波数を必要とするとともに、地面にある場合のマルチパス干渉に抵抗し、衛星信号が対流層およびイオン層を通過したときによる干渉及び時間的遅延を部分的になくすために、自体には異なる角度でのゲイン、比較的によい軸比および位相中心、位相中心オフセットがあることも必要である。それに加えて、RTK、DRなどの様々な手段と協働することによって、ナビゲーション精度をさらに高めることができる。GNSS高精度ナビゲーションアンテナ自体には、ローノイズアンプがさらに備えられて、アンテナによって受信された微弱な信号を、受信機による最低感度制限に達するまで増幅する。
【0031】
以上に説明されている具体的な実施例では、本発明の目的、技術案、および、有益な効果を更に詳しく説明している。理解すべきなのは、以上に説明されている内容が本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するためのものではない。本発明の精神および原則において行われた如何なる補正、等価代替、改良等はいずれも、本発明の保護範囲内に入っているべきである。
【符号の説明】
【0032】
1 ケース、2 ベース、3 反射チャンバ、4 メディアアンテナ、5 PCB回路基板、6 出力線、7 ビーム、8 トリムボード、9 車載T-BOX、10 コネクタ、11 反射チャンバ用取付脚。
【国際調査報告】