(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブル
(51)【国際特許分類】
A63D 15/06 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A63D15/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536094
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2022131875
(87)【国際公開番号】W WO2023109406
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111542227.5
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524226379
【氏名又は名称】喬 元栩
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】喬 元栩
(57)【要約】
本発明は、テーブルベッドと、前記テーブルベッドの周囲に取り付けられるクッション構造と、を含むボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルであって、前記クッション構造は、スチールクッションと、前記スチールクッションの内側に取り付けられるラバーストリップとを含み、前記ラバーストリップの頂面と、前記テーブルベッドの頂面との間には、高度差Hがあり、前記高度差Hとボールの直径Dとの比が0.68~0.74であり、ボールが前記ラバーストリップに接触して衝突点を形成し、ボールの球心を原点とし、原点を通過する水平線を横軸とし、原点を通過する鉛直線を縦軸として座標系を作成する場合、衝突点はボールの球心よりも高く、原点と衝突点とを結ぶ直線と横軸との間に2°~8°の挟角が形成されるビリヤードテーブルを開示する。前記ビリヤードテーブルは、従来のビリヤードテーブルではボールが跳ね上がりやすいとの問題を解決し、ビリヤードの試合効果とエンターテイメントの楽しさを向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルベッドと、前記テーブルベッドの周囲に取り付けられるクッション構造と、を含むボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルであって、
前記クッション構造は、スチールクッションと、前記スチールクッションの内側に取り付けられるラバーストリップと、を含み、前記ラバーストリップの頂面と、前記テーブルベッドの頂面との間には、高度差Hがあり、前記高度差Hとボールの直径Dとの比が、0.68~0.74であり、
ボールが、前記ラバーストリップに接触して衝突点を形成し、ボールの球心を原点とし、原点を通過する水平線を横軸とし、原点を通過する鉛直線を縦軸として座標系を作成する場合、衝突点は、ボールの球心よりも高く、原点と衝突点とを結ぶ直線と横軸との間に2°~8°の挟角が形成されることを特徴とする、ビリヤードテーブル。
【請求項2】
前記スチールクッションの横断面形状は、矩形、台形、S形、┐形、L形、T形、工字形、]形、又は、[形であることを特徴とする、請求項1に記載のビリヤードテーブル。
【請求項3】
前記高度差Hとボールの直径Dとの比は、0.70であり、
前記原点と前記衝突点とを結ぶ直線と、横軸との間の挟角は、5°であることを特徴とする、請求項1に記載のビリヤードテーブル。
【請求項4】
前記スチールクッションのラバーストリップに向かう側の表面には、その長さ方向に沿って延在する嵌合溝が設けられ、
前記ラバーストリップには、前記嵌合溝の形状に適合する突起が設けられ、
前記突起は、前記嵌合溝内に嵌着されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のビリヤードテーブル。
【請求項5】
前記嵌合溝は、蟻溝、矩形溝、T形溝、又は、台形溝であることを特徴とする、請求項4に記載のビリヤードテーブル。
【請求項6】
前記ラバーストリップの横断面形状は、矩形、台形、又は、┐形であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のビリヤードテーブル。
【請求項7】
前記ラバーストリップの横断面形状は、矩形、台形、又は、┐であることを特徴とする、請求項4に記載のビリヤードテーブル。
【請求項8】
前記ラバーストリップの横断面形状は、矩形、台形、又は、┐形であることを特徴とする、請求項5に記載のビリヤードテーブル。
【請求項9】
前記スチールクッションには、前記テーブルベッドの側面に突き合わされる表面に凹溝が設けられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のビリヤードテーブル。
【請求項10】
前記凹溝は、矩形凹溝であることを特徴とする、請求項9に記載のビリヤードテーブル。
【請求項11】
前記スチールクッションには、前記テーブルベッドの側面に突き合わされる表面に凹溝が設けられることを特徴とする、請求項4に記載のビリヤードテーブル。
【請求項12】
前記凹溝は、矩形凹溝であることを特徴とする、請求項11に記載のビリヤードテーブル。
【請求項13】
前記スチールクッションには、前記テーブルベッドの側面に突き合わされる表面に凹溝が設けられることを特徴とする、請求項5に記載のビリヤードテーブル。
【請求項14】
前記凹溝は、矩形凹溝であることを特徴とする、請求項13に記載のビリヤードテーブル。
【請求項15】
前記スチールクッションの前記テーブルベッドの側面に突き合わされる表面には、凹溝が設けられることを特徴とする、請求項6に記載のビリヤードテーブル。
【請求項16】
前記凹溝は、矩形凹溝であることを特徴とする、請求項15に記載のビリヤードテーブル。
【請求項17】
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のビリヤードテーブル。
【請求項18】
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、請求項17に記載のビリヤードテーブル。
【請求項19】
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、請求項4に記載のビリヤードテーブル。
【請求項20】
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、請求項19に記載のビリヤードテーブル。
【請求項21】
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、請求項5に記載のビリヤードテーブル。
【請求項22】
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、請求項21に記載のビリヤードテーブル。
【請求項23】
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、請求項6に記載のビリヤードテーブル。
【請求項24】
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、請求項23に記載のビリヤードテーブル。
【請求項25】
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、請求項9に記載のビリヤードテーブル。
【請求項26】
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、請求項25に記載のビリヤードテーブル。
【請求項27】
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、請求項10に記載のビリヤードテーブル。
【請求項28】
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、請求項27に記載のビリヤードテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ用品技術分野に関し、具体的には、ボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
ビリヤードテーブルは、主にテーブルベッド、縁部(クッションとも呼ばれる)及び複数のレッグから構成される。レッグは、テーブルベッドの底部に支持されている。クッションは、ボールが転がるエリアが形成されるようにテーブルベッドの周囲に固定して取り付けられる。ビリヤードをする過程において、従来のビリヤードテーブルのクッション構造では、いずれもボール跳ね現象が存在する。「ボール跳ね」とは、プレーヤーが手球を撞いた後、手球又は手球が当たった的球は、クッションのラバーストリップに当たった後、異なる程度で斜め上に跳ね上がる現象を指す。わずかなボール跳ねであっても手球又は的球の移動軌跡に影響を与え、プレーヤーの試合成績又はエンターテイメントの楽しさに影響を与える。ひどいボール跳ねである場合、ボールがクッションを飛び越えて地面に落ちることで、プレーヤーがチャンスを失う恐れがある。また、ボール跳ねは、ビリヤードの世界では非常に一般的な問題である。
【0003】
したがって、ビリヤードのゲーム効果と娯楽性を向上させるためには、ビリヤードのボール跳ねの問題を解決することが急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の事情に鑑み、本発明は、ボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルを提供する。このビリヤードテーブルは、従来のビリヤードテーブルのボール跳ねの問題を解決し、ビリヤードの試合効果とエンターテイメントの楽しさを向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の技術的手段を使用する。
テーブルベッドと、前記テーブルベッドの周囲に取り付けられるクッション構造と、を含むボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルであって、
前記クッション構造は、スチールクッションと、前記スチールクッションの内側に取り付けられるラバーストリップと、を含み、前記ラバーストリップの頂面と、前記テーブルベッドの頂面との間には、高度差Hがあり、前記高度差Hとボールの直径Dとの比が、0.68~0.74であり、
ボールが、前記ラバーストリップに接触して衝突点を形成し、ボールの球心を原点とし、原点を通過する水平線を横軸とし、原点を通過する鉛直線を縦軸として座標系を作成する場合、衝突点は、ボールの球心よりも高く、原点と衝突点とを結ぶ直線と横軸との間に2°~8°の挟角が形成される。
【0006】
さらに、前記スチールクッションの横断面形状は、矩形、台形、S形、┐形、L形、T形、工字形、]形、又は、[形である。
【0007】
さらに、前記スチールクッションのラバーストリップに向かう側の表面には、その長さ方向に沿って延在する嵌合溝が設けられ、
前記ラバーストリップには、前記嵌合溝の形状に適合する突起が設けられ、
前記突起は、前記嵌合溝内に嵌着される。
【0008】
さらに、前記嵌合溝は、蟻溝、矩形溝、T形溝、又は、台形溝である。
【0009】
さらに、前記ラバーストリップの横断面形状は、矩形、又は、┐形である。
【0010】
さらに、前記スチールクッションには、前記テーブルベッドの側面に突き合わされる表面に凹溝が設けられる。
【0011】
さらに、前記凹溝は、矩形凹溝である。
【0012】
さらに、前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じである。
【0013】
さらに、前記水平延在部分の幅は、20mmである。
【0014】
さらに、前記高度差Hとボールの直径Dとの比は、0.70であり、
前記原点と前記衝突点とを結ぶ直線と、横軸との間の挟角は、5°である。
【発明の効果】
【0015】
1、本発明のビリヤードテーブルでは、クッションの高さとボールの直径との比を最適化することにより、ボール跳ね現象の発生を防止するために、ラバーストリップの頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差が、ボールの直径の0.68~0.74倍に設定されている。ラバーストリップの頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hがボールの直径の0.68倍よりも小さい場合、ボールが、跳ねてしまう。ラバーストリップの頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差がボールの直径の0.74倍よりも大きい場合、クッションの弾力が明らかに低下することで、ボールが、ラバーストリップに当たった後の反発効果に影響を与え、ボールの頂端のクッションから露出する高さが、低減し、その結果、プレーヤーがキューでボールを水平に撞くときに滑りやすくなるため、プレーヤーの試合成績及びビリヤードに対する大衆の娯楽への関心に影響を与える。
【0016】
2、本発明のビリヤードテーブルでは、クッションラバーストリップの高さを最適化するだけではなく、ボールとクッションラバーストリップの衝突点の位置に対して創意工夫が施されている。ボールの球心を原点とし、原点を通過する水平線を横軸とし、原点を通過する鉛直線を縦軸とすると、ボールの球心と衝突点とを結ぶ直線と、横軸との間に2°~8°の挟角が、形成される。挟角の範囲を正確に設計することにより、ボールがラバーストリップに当たって発生した衝突力に下向きの力成分が形成され、ボールがラバーストリップに当たったときに、ボール跳ね現象の発生が、回避される。
【0017】
3、本発明のビリヤードテーブルのクッション構造では、スチールクッションが使用され、ラバーストリップがスチールクッションの内側に固定して取り付けられ、テーブルベッドの周側にスチールクッションが設けられることによって、スチールクッションの剛性と強度は、いずれも従来のウードクッションと比較して大幅に向上し、ボールが衝突したときに、スチールクッションの変形が、比較的小さく、ボールが衝突したときの機械的エネルギーの損失が小さく、ボールとクッションの衝突が弾性衝突に近くなり、ボールに対するクッションの反発力が大幅に向上し、これによって、プレーヤーのスポーツ体験と興味が向上する。
【0018】
4、本発明のビリヤードテーブルのクッション構造では、スチールクッションのラバーストリップが取り付けられる側に嵌合溝が設けられ、ラバーストリップに嵌合溝の形状に適合する突起が設けられるため、ラバーストリップとスチールクッションの凹凸嵌合により、ラバーストリップとスチールクッションの迅速な位置決めと迅速な取り付けが実現され、クッション構造の取り付け時間の短縮と取り付け効率の向上に有利である。また、嵌合溝と突起の凹凸嵌合により、鉛直方向におけるラバーストリップに対する位置規制に有利であり、取り付けの緩みによるラバーストリップのズレが防止され、ラバーストリップの下向きの変形量が減少し、ボール跳ね現象の発生確率がさらに低減する。
【0019】
5、クッション構造の取り付け精度を保証するために、スチールクッションとテーブルベッドの突き合わされる表面には、比較的高い表面精度が必要である。本発明のクッション構造では、スチールクッションのテーブルベッドに突き合わされる側の表面に凹溝が設けられるため、凹溝によりスチールクッションの加工表面積が大幅に減少し、凹溝内に比較的高い加工精度が必要ではないため、スチールクッションの表面に凹溝が設けられることにより、スチールクッションの加工効率が向上し、この側の表面の平面度の向上に有利であり、ビリヤードテーブルの取り付け精度及び取り付け品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のビリヤードテーブルのクッション構造とテーブルベッドの取り付け構造の模式図である。
【
図2】本発明のビリヤードテーブルのクッション構造とテーブルベッドの別の取り付け構造の模式図である。
【
図3】本発明のビリヤードテーブルのクッション構造とテーブルベッドの別の取り付け構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら実施例により本発明を詳しく説明する。
【0022】
実施例1
本実施例は、ボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルを提供する。ビリヤードテーブルは、テーブルベッドと、テーブルベッドの周囲に取り付けられるクッション構造とを含む。
図1は、テーブルベッドとクッション構造の組立断面模式図である。テーブルベッドは、水平に配置され、複数のレッグ(図示せず)によって支持されている。
【0023】
テーブルベッドは、つなぎ合わせた石板1から構成されてもよく、石板1は、テーブルクロス5で包まれている。
クッション構造は、スチールクッション4と、スチールクッション4の内側に取り付けられるラバーストリップ2とを含む。
図1の構造に示されるように、スチールクッション4は、石板1の外周側に取り付けられ、ボール3を遮断するためのものである。スチールクッション4の頂部の内側には、ラバーストリップ2が取り付けられ、スチールクッション4の外側には、ハンドル10が、取り付けられる。ビリヤードテーブルの美観のために、ラバーストリップ2及びテーブルベッドの外側も、テーブルクロス5で包まれる。ボール3が転がってクッションに到達すると、ラバーストリップ2に当たり、ラバーストリップ2によって反発力が発生する。ボール3がクッションに到達したときに落ちることを防止するために、ラバーストリップ2の頂面と、テーブルベッドの頂面との間に高度差Hがある。高度差Hと、ボール3の直径Dとの比は、0.68~0.74、例えば、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74である。
ボール3がプレーヤーによって撞かれた後に、テーブルベッド上を転がる際に、ボール3は、ラバーストリップ2に接触して衝突点Jを形成する。ボール3の球心を原点Oとし、原点Oを通過する水平線を横軸Xとし、原点Oを通過する鉛直線を縦軸Yとして座標系を作成すると、衝突点Jは、ボール3の球心よりも高く、原点Oと衝突点Jとを結ぶ直線OJと、横軸Xとの間に2°~8°の挟角aが形成され、挟角aは、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°であってもよい。
【0024】
前記ビリヤードテーブルでは、クッションの高さとボールの直径との比を最適化することにより、ボール跳ね現象の発生を防止するために、ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hが、ボール3の直径Dの0.68~0.74倍に設定されている。ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hがボール3の直径Dの0.68倍よりも小さい場合、ボールが、跳ねてしまう。ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hがボール3の直径Dの0.74倍よりも大きい場合、クッションの弾力が明らかに低下することで、ボール3が、ラバーストリップ2に当たった後の反発効果に影響を与え、ボール3の頂端のクッションから露出する高さが低減し、その結果、プレーヤーがキューでボールを撞くときに滑りやすくなるため、プレーヤーは、ボール3を撞く力及び撞かれた後のボール3の移動軌跡を正確に制御することができず、プレーヤーの試合成績及びビリヤードに対する大衆の娯楽への関心に影響を与える。
【0025】
前記ビリヤードテーブルのラバーストリップ2の高さを最適化すると同時に、ビリヤードテーブルのボール跳ね防止効果をさらに向上させるために、ボール3とラバーストリップ2の衝突点Jの位置に対して創意工夫が施されている。即ち、従来のビリヤードを基準とし、ボール3がラバーストリップ2に接触するときに、原点Oと衝突点Jを結ぶ直線OJと横軸Xとの間の挟角を2°~8°にし、挟角の範囲を正確に設計することにより、ボール3がラバーストリップ2に当たったときに発生した衝突力に斜め下向きの力成分が形成され、ボール3が跳ね上がることが防止され、ボール3がラバーストリップ2に当たったときに、ボール跳ね現象の発生が、回避される。
【0026】
前記ビリヤードテーブルの高度差Hとボール3の直径Dとの比、及びボール3の球心とラバーストリップ2との衝突点Jの間の挟角は、様々な型番、シリーズのビリヤードテーブルに適用される。ビリヤードテーブルとペアリングして使用されるボール3の直径Dが確定されれば、ボール跳ね防止効果が保証されながらクッションの高さ範囲が確定することができる。或いは、クッションの高さが確定された場合、クッションの高さに応じてボール跳ねの発生を防止可能なボール3を選択して使用することができる。これによって、高度差Hとボール3の直径Dとの比により、ビリヤードの優れたゲーム体験とエンターテインメントの楽しさが保証され、ビリヤードのさらなる普及と促進のための強固な基盤が提供される。
【0027】
具体的な実施形態において、スチールクッション4の横断面形状は、矩形、台形、┐形、L形、T形、工字形、]形、又は、[形を含むが、これらに限定されない。本実施例において、
図1における┐形のスチールクッション4を例として説明したが、スチールクッション4の横断面形状は、
図1における┐形に限定されず、スチールクッション4の横断面形状は、
図3に示される矩形であってもよい。スチールクッション4は、前記様々な形状の横截面を使用できるため、ビリヤードテーブルの外観を豊かにし、同じスタイルのビリヤードテーブルを避けることができ、様々な形状を通じて消費者を引き付けることができ、これによってビリヤードテーブルの売上が増加し、ビリヤードテーブル製造企業の利益が増加する。
【0028】
実施例2
本実施例は、ボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルを提供する。ビリヤードテーブルは、テーブルベッドと、テーブルベッドの周囲に取り付けられるクッション構造とを含む。
図2は、テーブルベッドとクッション構造の組立断面模式図である。テーブルベッドは、水平に配置され、複数のレッグ(図示せず)によって支持されている。
【0029】
テーブルベッドは、つなぎ合わせた石板1から構成されてもよく、石板1は、テーブルクロス5で包まれている。
クッション構造は、スチールクッション4と、スチールクッション4の内側に取り付けられるラバーストリップ2とを含む。
図2の構造に示されるように、スチールクッション4は、石板1の外周側に取り付けられ、ボール3を遮断するためのものである。スチールクッション4の横断面形状は、矩形、台形、┐形、L形、T形、工字形、]形、又は、[形を含むが、これらに限定されない。本実施例において、
図2に示される┐形スチールクッション4を例として説明したが、スチールクッション4の横断面形状は、
図2に示される┐形に限定されない。スチールクッション4の横断面形状は、
図3に示される矩形であってもよい。
スチールクッション4の頂部の内側には、ラバーストリップ2が取り付けられ、スチールクッション4の外側には、ハンドル10が取り付けられる。ビリヤードテーブルの美観のために、ラバーストリップ2及びテーブルベッドの外側も、テーブルクロス5で包まれる。ボール3が転がってクッションに到達すると、ラバーストリップ2に当たり、ラバーストリップ2によって反発力が発生する。ボール3がクッションに到達したときに落ちることを防止するために、ラバーストリップ2の頂面と、テーブルベッドの頂面との間に高度差Hがある。高度差Hと、ボール3の直径Dとの比は、0.68~0.74、例えば、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74である。
ボール3がプレーヤーによって撞かれた後にテーブルベッド上を転がる際に、ボール3は、ラバーストリップ2に接触して衝突点Jを形成する。ボール3の球心を原点Oとし、原点Oを通過する水平線を横軸Xとし、原点Oを通過する鉛直線を縦軸Yとして座標系を作成すると、衝突点Jは、ボール3の球心よりも高く、原点Oと衝突点Jとを結ぶ直線OJと、横軸Xとの間に2°~8°の挟角aが形成され、挟角aは、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°であってもよい。
【0030】
前記ビリヤードテーブルでは、クッションの高さとボールの直径との比を最適化することにより、ボール跳ね現象の発生を防止するために、ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hが、ボール3の直径Dの0.68~0.74倍に設定されている。ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hがボール3の直径Dの0.68倍よりも小さい場合、ボールが、跳ねてしまう。ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hがボール3の直径Dの0.74倍よりも大きい場合、クッションの弾力が明らかに低下することで、ボール3が、ラバーストリップ2に当たった後の反発効果に影響を与え、これによって、プレーヤーは、ボール3を撞く力及び撞かれた後のボール3の移動軌跡を正確に制御することができず、プレーヤーの試合成績及びビリヤードに対する大衆の娯楽への関心に影響を与える。
【0031】
前記ビリヤードテーブルのラバーストリップ2の高さを最適化すると同時に、ビリヤードテーブルのボール跳ね防止効果をさらに向上させるために、ボール3とラバーストリップ2の衝突点Jの位置に対して創意工夫が施されている。即ち、従来のビリヤードを基準とし、ボール3がラバーストリップ2に接触するときに、原点Oと衝突点Jを結ぶ直線OJと横軸Xとの間の挟角を2°~8°にし、挟角の範囲を正確に設計することにより、ボール3がラバーストリップ2に当たったときに発生した衝突力に斜め下向きの力成分が形成され、ボール3が跳ね上がることが防止され、ボール3がラバーストリップ2に当たったときに、ボール跳ね現象の発生が、回避される。
【0032】
前記ビリヤードテーブルの高度差Hとボール3の直径Dとの比、及びボール3の球心とラバーストリップ2との衝突点Jの間の挟角は、様々な型番、シリーズのビリヤードテーブルに適用される。ビリヤードテーブルとペアリングして使用されるボール3の直径Dが確定されれば、ボール跳ね防止効果が保証されながら、クッションの高さ範囲を確定させることができる。或いは、クッションの高さが確定された場合、クッションの高さに応じてボール跳ねの発生を防止可能なボール3を選択して使用することができる。これによって、高度差Hとボール3の直径Dとの比により、ビリヤードの優れたゲーム体験とエンターテインメントの楽しさが保証され、ビリヤードのさらなる普及と促進のための強固な基盤が提供される。
【0033】
図2に示されるように、ラバーストリップ2とスチールクッション4の取り付けを容易にするために、スチールクッション4のラバーストリップ2に向かう側の表面には、その長さ方向に沿って延在する嵌合溝が設けられ、ラバーストリップ2のスチールクッション4に向かう側の表面には、嵌合溝に適合する突起12が設けられ、突起12は、嵌合溝内に嵌合される。嵌合溝は、蟻溝、矩形溝、T形溝、又は、台形溝であってもよい。対応して、突起12は、蟻形突起、矩形突起、T形突起、又は、台形突起であってもよい。
【0034】
図2に示されるように、ラバーストリップ2とスチールクッション4の取り付けを容易にするために、スチールクッション4のラバーストリップ2に向かう側の表面には、その長さ方向に沿って延在する嵌合溝が設けられ、ラバーストリップ2のスチールクッション4に向かう側の表面には、嵌合溝に適合する突起12が設けられ、突起12は、嵌合溝内に嵌合される。嵌合溝は、蟻溝、矩形溝、T形溝、又は、台形溝であってもよい。対応して、突起12は、蟻形突起、矩形突起、T形突起、又は、台形突起であってもよい。
【0035】
クッション構造において、スチールクッション4のラバーストリップ2が取り付けられる側の表面に嵌合溝が設けられ、ラバーストリップ2に嵌合溝の形状に適合する突起12が設けられるため、ラバーストリップ2とスチールクッション4の凹凸嵌合により、ラバーストリップ2とスチールクッション4の迅速な位置決めと迅速な取り付けが実現され、クッション構造の取り付け時間の短縮と取り付け効率の向上に有利である。また、嵌合溝と突起12の凹凸嵌合により、鉛直方向におけるラバーストリップ2に対する位置規制に有利であり、取り付けの緩みによるラバーストリップ2のズレが防止され、ラバーストリップ2の下向きの変形量が減少し、ボール跳ね現象の発生確率がさらに低減する。
【0036】
ラバーストリップ2をスチールクッション4に固定して取り付ける際に、ラバーストリップ2は、接着剤によりスチールクッション4に接着することができる。ラバーストリップ2の横断面形状は、矩形又は┐形であってもよい。
【0037】
図2に示すように、クッションをテーブルベッドの周囲に取り付ける際に、ボルト7とナット8を用いてクッションをテーブルベッドの石板1の側辺に固定して取り付けることができる。スチールクッション4には、ボルト7を挿設するための貫通孔が設けられ、ボルト7の一端は、スチールクッション4及び石板1を貫通して石板1内に嵌着されたナット8に螺合される。スチールクッション4は、石板1の側面に突き合わされる表面を有し、スチールクッション4のテーブルベッドの側面に突き合わされる表面には、凹溝6が設けられる。凹溝6は、矩形凹溝6であってもよい。
【0038】
実施例3
本実施例は、ボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルを提供する。ビリヤードテーブルは、テーブルベッドと、テーブルベッドの周囲に取り付けられるクッション構造とを含む。
図1は、テーブルベッドとクッション構造の組立断面模式図である。テーブルベッドは、水平に配置され、複数のレッグ(図示せず)によって支持されている。
【0039】
テーブルベッドは、つなぎ合わせた石板1から構成されてもよく、石板1は、テーブルクロス5で包まれている。
クッション構造は、スチールクッション4と、スチールクッション4の内側に取り付けられるラバーストリップ2とを含む。
図1の構造に示されるように、スチールクッション4は、石板1の外周側に取り付けられ、ボール3を遮断するためのものである。スチールクッション4の頂部の内側には、ラバーストリップ2が取り付けられ、スチールクッション4の外側には、ハンドル10が取り付けられる。ビリヤードテーブルの美観のために、ラバーストリップ2及びテーブルベッドの外側も、テーブルクロス5で包まれる。ボール3が転がってクッションに到達すると、ラバーストリップ2に当たり、ラバーストリップ2によって反発力が発生する。ボール3がクッションに到達したときに落ちることを防止するために、ラバーストリップ2の頂面と、テーブルベッドの頂面との間に高度差Hがある。高度差Hと、ボール3の直径Dとの比は、0.68~0.74、例えば、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74である。
ボール3がプレーヤーによって撞かれた後にテーブルベッド上を転がる際に、ボール3はラバーストリップ2に接触して衝突点Jを形成する。ボール3の球心を原点Oとし、原点Oを通過する水平線を横軸Xとし、原点Oを通過する鉛直線を縦軸Yとして座標系を作成すると、衝突点Jは、ボール3の球心よりも高く、原点Oと衝突点Jとを結ぶ直線OJと、横軸Xとの間に2°~8°の挟角aが形成され、挟角aは、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°であってもよい。
【0040】
前記ビリヤードテーブルでは、クッションの高さとボールの直径との比を最適化することにより、ボール跳ね現象の発生を防止するために、ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hが、ボール3の直径Dの0.68~0.74倍に設定されている。ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hがボール3の直径Dの0.68倍よりも小さい場合、ボールが、跳ねてしまう。ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hがボール3の直径Dの0.74倍よりも大きい場合、クッションの弾力が明らかに低下することで、ボール3が、ラバーストリップ2に当たった後の反発効果に影響を与え、これによって、プレーヤーは、ボール3を撞く力及び撞かれた後のボール3の移動軌跡を正確に制御することができず、プレーヤーの試合成績及びビリヤードに対する大衆の娯楽への関心に影響を与える。
【0041】
前記ビリヤードテーブルのラバーストリップ2の高さを最適化すると同時に、ビリヤードテーブルのボール跳ね防止効果をさらに向上させるために、ボール3とラバーストリップ2の衝突点Jの位置に対して創意工夫が施されている。即ち、従来のビリヤードを基準とし、ボール3がラバーストリップ2に接触するときに、原点Oと衝突点Jを結ぶ直線OJと横軸Xとの間の挟角を2°~8°にし、挟角の範囲を正確に設計することにより、ボール3がラバーストリップ2に当たったときに発生した衝突力に斜め下向きの力成分が形成され、ボール3が跳ね上がることが防止され、ボール3がラバーストリップ2に当たったときに、ボール跳ね現象の発生が、回避される。
【0042】
前記ビリヤードテーブルの高度差Hとボール3の直径Dとの比、及びボール3の球心とラバーストリップ2との衝突点Jの間の挟角は、様々な型番、シリーズのビリヤードテーブルに適用される。ビリヤードテーブルとペアリングして使用されるボール3の直径Dが確定されれば、ボール跳ね防止効果が保証されながらクッションの高さ範囲が確定することができる。或いは、クッションの高さが確定された場合、クッションの高さに応じてボール跳ねの発生を防止可能なボール3を選択して使用することができる。これによって、高度差Hとボール3の直径Dとの比により、ビリヤードの優れたゲーム体験とエンターテインメントの楽しさが保証され、ビリヤードのさらなる普及と促進のための強固な基盤が提供される。
【0043】
具体的な実施形態において、スチールクッション4の横断面形状は矩形、台形、┐形、L形、T形、工字形、]形、又は、[形を含むが、これらに限定されない。本実施例において、
図1及び2における┐形のスチールクッション4を例として説明したが、スチールクッション4の横断面形状は
図1における┐形に限定されず、スチールクッション4の横断面形状は、
図3に示される矩形であってもよい。
【0044】
図2に示されるように、ラバーストリップ2とスチールクッション4の取り付けを容易にするために、スチールクッション4のラバーストリップ2に向かう側の表面には、その長さ方向に沿って延在する嵌合溝が設けられ、ラバーストリップ2のスチールクッション4に向かう側の表面には、嵌合溝に適合する突起12が設けられ、突起12は、嵌合溝内に嵌合される。嵌合溝は、蟻溝、矩形溝、T形溝、又は、台形溝であってもよい。対応して、突起12は、蟻形突起、矩形突起、T形突起、又は、台形突起であってもよい。
【0045】
クッション構造において、スチールクッション4のラバーストリップ2が取り付けられる側の表面に、嵌合溝が設けられ、ラバーストリップ2に嵌合溝の形状に適合する突起12が、設けられるため、ラバーストリップ2とスチールクッション4の凹凸嵌合により、ラバーストリップ2とスチールクッション4の迅速な位置決めと迅速な取り付けが実現され、クッション構造の取り付け時間の短縮と取り付け効率の向上に有利である。また、嵌合溝と突起12の凹凸嵌合により、鉛直方向におけるラバーストリップ2に対する位置規制に有利であり、取り付けの緩みによるラバーストリップ2のズレが防止され、ラバーストリップ2の下向きの変形量が減少し、ボール跳ね現象の発生確率がさらに低減する。
【0046】
ラバーストリップ2をスチールクッション4に固定して取り付ける際に、ラバーストリップ2は、接着剤によりスチールクッション4に接着することができる。ラバーストリップ2の横断面形状は、矩形又は┐形であってもよい。
【0047】
図1に示すように、クッションをテーブルベッドの周囲に取り付ける際に、ボルト7とナット8を用いてクッションをテーブルベッドの石板1の側辺に固定して取り付けることができる。スチールクッション4には、ボルト7を挿設するための貫通孔が設けられ、ボルト7の一端は、スチールクッション4及び石板1を貫通して石板1内に嵌着されたナット8に螺合される。スチールクッション4は、石板1の側面に突き合わされる表面を有し、スチールクッション4のテーブルベッドの側面に突き合わされる表面には、凹溝6が設けられる。凹溝6は、矩形凹溝6であってもよい。
【0048】
ビリヤードテーブルの取り付け精度を保証するために、スチールクッション4の石板1に突き合わされる表面には、比較的高い表面精度が必要であり、取り付ける前にスチールクッション4の突き合わせ面に対して高精度加工を行う必要がある。スチールクッション4の石板1に突き合わされる側の表面に凹溝6が設けられるため、この凹溝6によりスチールクッション4の加工表面積が大幅に減少する。凹溝6内に比較的高い加工精度が必要ないため、スチールクッション4の表面に凹溝6が設けられることにより、スチールクッション4の加工面積を減少させ、スチールクッション4の加工効率及び表面の平面度を向上させることができ、これによってビリヤードテーブルの取り付け精度及び取り付け品質を向上させることができる。
【0049】
ビリヤードテーブルの美観を向上させるために、石板1は、テーブルクロス5で包まれて装飾され、クッション構造は、別のテーブルクロス5で包まれて装飾される。クッション構造を包むテーブルクロス5により、スチールクッション4及びラバーストリップ2が、遮蔽される。テーブルクロス5でラバーストリップ2及びスチールクッション4を包む際に、テーブルクロス5の頂端は、スチールクッション4に固定して取り付けられ、底端は、石板1とスチールクッション4との間に固定して取り付けられる。
図1に示されるように、クッション構造の内側には、テーブルクロス5が包んでいる。テーブルクロス5は、ラバーストリップ2を内部に包む。スチールクッション4のラバーストリップ2に離間する側には、開口が設けられる。開口内に押し付けられるビード11により、テーブルクロス5の頂端がスチールクッション4に押し付けられ、スチールクッション4の外側にあるハンドル10により、ビード11が押し付けられることによって、テーブルクロス5の頂端がさらに押し付けられる。また、スチールクッション4の底端は、ボルト7とナット8により石板1に固定して接続される。ナット8は、石板1の開孔内に嵌着され、ボルト7は、スチールクッション4の底端の貫通孔及び石板1の開孔を通過してナット8に螺合され、石板1とスチールクッション4を固定して接続すると同時に、テーブルクロス5の底端を石板1とスチールクッション4との間に押し付ける。
【0050】
実施例4
本実施例は、ボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルを提供する。ビリヤードテーブルは、テーブルベッドと、テーブルベッドの周囲に取り付けられるクッション構造とを含む。
図1は、テーブルベッドとクッション構造の組立断面模式図である。テーブルベッドは、水平に配置され、複数のレッグ(図示せず)によって支持されている。
【0051】
テーブルベッドは、つなぎ合わせた石板1から構成されてもよく、石板1は、テーブルクロス5で包まれている。
クッション構造は、スチールクッション4と、スチールクッション4の内側に取り付けられるラバーストリップ2とを含む。
図1の構造に示されるように、スチールクッション4は、石板1の外周側に取り付けられ、ボール3を遮断するためのものである。スチールクッション4の頂部の内側には、ラバーストリップ2が取り付けられ、スチールクッション4の外側には、ハンドル10が取り付けられる。ビリヤードテーブルの美観のために、ラバーストリップ2及びテーブルベッドの外側にもテーブルクロス5が包まれる。ボール3が転がってクッションに到達すると、ラバーストリップ2に当たり、ラバーストリップ2によって反発力が発生する。ボール3がクッションに到達したときに落ちることを防止するために、ラバーストリップ2の頂面と、テーブルベッドの頂面との間に高度差Hがある。高度差Hと、ボール3の直径Dとの比は、0.68~0.74、例えば、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74である。
ボール3がプレーヤーによって撞かれた後にテーブルベッド上を転がる際に、ボール3は、ラバーストリップ2に接触して衝突点Jを形成する。ボール3の球心を原点Oとし、原点Oを通過する水平線を横軸Xとし、原点Oを通過する鉛直線を縦軸Yとして座標系を作成すると、衝突点Jは、ボール3の球心よりも高く、原点Oと衝突点Jとを結ぶ直線OJと、横軸Xとの間に2°~8°の挟角aが形成され、挟角aは、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°であってもよい。
【0052】
前記ビリヤードテーブルでは、クッションの高さとボールの直径との比を最適化することにより、ボール跳ね現象の発生を防止するために、ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hが、ボール3の直径Dの0.68~0.74倍に設定されている。ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hがボール3の直径Dの0.68倍よりも小さい場合、ボールが、跳ねてしまう。ラバーストリップ2の頂面とテーブルベッドの頂面との間の高度差Hがボール3の直径Dの0.74倍よりも大きい場合、クッションの弾力が明らかに低下することで、ボール3が、ラバーストリップ2に当たった後の反発効果に影響を与え、これによって、プレーヤーは、ボール3を撞く力及び撞かれた後のボール3の移動軌跡を正確に制御することができず、プレーヤーの試合成績及びビリヤードに対する大衆の娯楽への関心に影響を与える。
【0053】
前記ビリヤードテーブルのラバーストリップ2の高さを最適化すると同時に、ビリヤードテーブルのボール跳ね防止効果をさらに向上させるために、ボール3とラバーストリップ2の衝突点Jの位置に対して創意工夫が施されている。即ち、従来のビリヤードを基準とし、ボール3がラバーストリップ2に接触するときに、原点Oと衝突点Jを結ぶ直線OJと横軸Xとの間の挟角を2°~8°にし、挟角の範囲を正確に設計することにより、ボール3がラバーストリップ2に当たったときに発生した衝突力に斜め下向きの力成分が形成され、ボール3の跳ね上がりが防止され、ボール3がラバーストリップ2に当たったときに、ボール跳ね現象の発生が回避される。
【0054】
前記ビリヤードテーブルの高度差Hとボール3の直径Dとの比、及びボール3の球心とラバーストリップ2との衝突点Jの間の挟角は、様々な型番、シリーズのビリヤードテーブルに適用される。ビリヤードテーブルとペアリングして使用されるボール3の直径Dが確定されれば、ボール跳ね防止効果が保証されながらクッションの高さ範囲が確定することができる。或いは、クッションの高さが確定された場合、クッションの高さに応じてボール跳ねの発生を防止可能なボール3を選択して使用することができる。これによって、高度差Hとボール3の直径Dとの比により、ビリヤードの優れたゲーム体験とエンターテインメントの楽しさが保証され、ビリヤードのさらなる普及と促進のための強固な基盤が提供される。
【0055】
具体的な実施形態において、スチールクッション4の横断面形状は矩形、台形、┐形、L形、T形、工字形、]形、又は、[形を含むが、これらに限定されない。本実施例において、
図1及び2における┐形のスチールクッション4を例として説明したが、スチールクッション4の横断面形状は
図1における┐形に限定されず、スチールクッション4の横断面形状は、
図3に示される矩形であってもよい。
【0056】
図2に示されるように、ラバーストリップ2とスチールクッション4の取り付けを容易にするために、スチールクッション4のラバーストリップ2に向かう側の表面には、その長さ方向に沿って延在する嵌合溝が設けられ、ラバーストリップ2のスチールクッション4に向かう側の表面には、嵌合溝に適合する突起12が設けられ、突起12は、嵌合溝内に嵌合される。嵌合溝は、蟻溝、矩形溝、T形溝、又は、台形溝であってもよい。対応して、突起12は、蟻形突起、矩形突起、T形突起、又は、台形突起であってもよい。
【0057】
クッション構造において、スチールクッション4のラバーストリップ2が取り付けられる側の表面に嵌合溝が設けられ、ラバーストリップ2に嵌合溝の形状に適合する突起12が設けられるため、ラバーストリップ2とスチールクッション4の凹凸嵌合により、ラバーストリップ2とスチールクッション4の迅速な位置決めと迅速な取り付けが実現され、クッション構造の取り付け時間の短縮と取り付け効率の向上に有利である。また、嵌合溝と突起12の凹凸嵌合により、鉛直方向におけるラバーストリップ2に対する位置規制に有利であり、取り付けの緩みによるラバーストリップ2のズレが防止され、ラバーストリップ2の下向きの変形量が減少し、ボール跳ね現象の発生確率がさらに低減する。
【0058】
ラバーストリップ2をスチールクッション4に固定して取り付ける際に、ラバーストリップ2は、接着剤によりスチールクッション4に接着することができる。ラバーストリップ2の横断面形状は、矩形又は┐形であってもよい。
【0059】
図1に示すように、クッションをテーブルベッドの周囲に取り付ける際に、ボルト7とナット8を用いてクッションをテーブルベッドの石板1の側辺に固定して取り付けることができる。スチールクッション4には、ボルト7を挿設するための貫通孔が設けられ、ボルト7の一端は、スチールクッション4及び石板1を貫通して石板1内に嵌着されたナット8に螺合される。スチールクッション4は、石板1の側面に突き合わされる表面を有し、スチールクッション4のテーブルベッドの側面に突き合わされる表面には、凹溝6が設けられる。凹溝6は、矩形凹溝6であってもよい。
【0060】
ビリヤードテーブルの取り付け精度を保証するために、スチールクッション4の石板1に突き合わされる表面には、比較的高い表面精度が必要であり、取り付ける前にスチールクッション4の突き合わせ面に対して高精度加工を行う必要がある。スチールクッション4の石板1に突き合わされる側の表面に凹溝6が設けられるため、この凹溝6によりスチールクッション4の加工表面積が大幅に減少する。凹溝6内に比較的高い加工精度が必要ないため、スチールクッション4の表面に凹溝6が設けられることにより、スチールクッション4の加工面積を減少させ、スチールクッション4の加工効率及び表面の平面度を向上させることができ、これによってビリヤードテーブルの取り付け精度及び取り付け品質を向上させることができる。
【0061】
ビリヤードテーブルの美観を向上させるために、石板1は、テーブルクロス5で包まれて装飾され、クッション構造は、別のテーブルクロス5で包まれて装飾される。クッション構造を包むテーブルクロス5により、スチールクッション4及びラバーストリップ2が遮蔽される。テーブルクロス5でラバーストリップ2及びスチールクッション4を包む際に、テーブルクロス5の頂端は、スチールクッション4に固定して取り付けられ、底端は、石板1とスチールクッション4との間に固定して取り付けられる。
図1に示されるように、クッション構造の内側には、テーブルクロス5が包まれる。テーブルクロス5は、ラバーストリップ2を内部に包む。スチールクッション4のラバーストリップ2に離間する側には、開口が設けられる。開口内に押し付けられるビード11によりテーブルクロス5の頂端をスチールクッション4に押し付け、スチールクッション4の外側にあるハンドル10によりビード11を押し付けることによって、テーブルクロス5の頂端をさらに押し付ける。また、スチールクッション4の底端は、ボルト7とナット8により石板1に固定して接続される。ナット8は、石板1の開孔内に嵌着され、ボルト7は、スチールクッション4の底端の貫通孔及び石板1の開孔を通過してナット8に螺合され、石板1とスチールクッション4を固定して接続すると同時に、テーブルクロス5の底端を石板1とスチールクッション4との間に押し付ける。
【0062】
スチールクッションの横断面形状が┐形である場合、
図1及び
図2に示されるように、スチールクッション4は、水平延在部分41と、垂直延在部分42とを有する。水平延在部分41の幅T1は、垂直延在部分42の幅T2と同じであり、水平延在部分41の幅T1及び垂直延在部分42の幅T2はいずれも20mmである。水平延在部分41の幅T1及び垂直延在部分42の幅T2が同じでありかついずれも20mmである場合、ボール3の水平方向の衝撃力に耐えるスチールクッション4の能力に影響を与えることなく、従来技術と比較して、それぞれのビリヤードテーブルは、1%のテーブルベッド用テーブルクロス、4%のクッション構造用テーブルクロス、15%のスチールクッション用鋼材、及び1%の石材を節約することができる。出願人は、中国ビリヤードテーブル業界のベンチマーク企業であるため、当社の基準は業界の基準となっている。出願人の企業が毎年20,000台のビリヤードテーブルを製造する場合、中国の全国では、毎年100,000台のビリヤードテーブルが、製造される。上記で計算した材料節約率によると、ビリヤード台用の原材料を毎年少なくとも1,000台分節約することができ、これは我が国の現在のグリーン環境保護の戦略に非常に役立つ。
【0063】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の思想及び原則内でなされるいかなる修正、同等置換、改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【0064】
(付記)
(付記1)
テーブルベッドと、前記テーブルベッドの周囲に取り付けられるクッション構造と、を含むボール跳ねを防止可能なビリヤードテーブルであって、
前記クッション構造は、スチールクッションと、前記スチールクッションの内側に取り付けられるラバーストリップと、を含み、前記ラバーストリップの頂面と、前記テーブルベッドの頂面との間には、高度差Hがあり、前記高度差Hとボールの直径Dとの比が、0.68~0.74であり、
ボールが、前記ラバーストリップに接触して衝突点を形成し、ボールの球心を原点とし、原点を通過する水平線を横軸とし、原点を通過する鉛直線を縦軸として座標系を作成する場合、衝突点は、ボールの球心よりも高く、原点と衝突点とを結ぶ直線と横軸との間に2°~8°の挟角が形成されることを特徴とする、ビリヤードテーブル。
【0065】
(付記2)
前記スチールクッションの横断面形状は、矩形、台形、S形、┐形、L形、T形、工字形、]形、又は、[形であることを特徴とする、付記1に記載のビリヤードテーブル。
【0066】
(付記3)
前記高度差Hとボールの直径Dとの比は、0.70であり、
前記原点と前記衝突点とを結ぶ直線と、横軸との間の挟角は、5°であることを特徴とする、付記1に記載のビリヤードテーブル。
【0067】
(付記4)
前記スチールクッションのラバーストリップに向かう側の表面には、その長さ方向に沿って延在する嵌合溝が設けられ、
前記ラバーストリップには、前記嵌合溝の形状に適合する突起が設けられ、
前記突起は、前記嵌合溝内に嵌着されることを特徴とする、付記1から3のいずれか1つに記載のビリヤードテーブル。
【0068】
(付記5)
前記嵌合溝は、蟻溝、矩形溝、T形溝、又は、台形溝であることを特徴とする、付記4に記載のビリヤードテーブル。
【0069】
(付記6)
前記ラバーストリップの横断面形状は、矩形、台形、又は、┐形であることを特徴とする、付記1から3のいずれか1つに記載のビリヤードテーブル。
【0070】
(付記7)
前記ラバーストリップの横断面形状は、矩形、台形、又は、┐であることを特徴とする、付記4に記載のビリヤードテーブル。
【0071】
(付記8)
前記ラバーストリップの横断面形状は、矩形、台形、又は、┐形であることを特徴とする、付記5に記載のビリヤードテーブル。
【0072】
(付記9)
前記スチールクッションには、前記テーブルベッドの側面に突き合わされる表面に凹溝が設けられることを特徴とする、付記1から3のいずれか1つに記載のビリヤードテーブル。
【0073】
(付記10)
前記凹溝は、矩形凹溝であることを特徴とする、付記9に記載のビリヤードテーブル。
【0074】
(付記11)
前記スチールクッションには、前記テーブルベッドの側面に突き合わされる表面に凹溝が設けられることを特徴とする、付記4に記載のビリヤードテーブル。
【0075】
(付記12)
前記凹溝は、矩形凹溝であることを特徴とする、付記11に記載のビリヤードテーブル。
【0076】
(付記13)
前記スチールクッションには、前記テーブルベッドの側面に突き合わされる表面に凹溝が設けられることを特徴とする、付記5に記載のビリヤードテーブル。
【0077】
(付記14)
前記凹溝は、矩形凹溝であることを特徴とする、付記13に記載のビリヤードテーブル。
【0078】
(付記15)
前記スチールクッションの前記テーブルベッドの側面に突き合わされる表面には、凹溝が設けられることを特徴とする、付記6に記載のビリヤードテーブル。
【0079】
(付記16)
前記凹溝は、矩形凹溝であることを特徴とする、付記15に記載のビリヤードテーブル。
【0080】
(付記17)
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、付記1から3のいずれか1つに記載のビリヤードテーブル。
【0081】
(付記18)
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、付記17に記載のビリヤードテーブル。
【0082】
(付記19)
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、付記4に記載のビリヤードテーブル。
【0083】
(付記20)
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、付記19に記載のビリヤードテーブル。
【0084】
(付記21)
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、付記5に記載のビリヤードテーブル。
【0085】
(付記22)
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、付記21に記載のビリヤードテーブル。
【0086】
(付記23)
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、付記6に記載のビリヤードテーブル。
【0087】
(付記24)
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、付記23に記載のビリヤードテーブル。
【0088】
(付記25)
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、付記9に記載のビリヤードテーブル。
【0089】
(付記26)
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、付記25に記載のビリヤードテーブル。
【0090】
(付記27)
前記スチールクッションは、水平延在部分と垂直延在部分とを有し、前記水平延在部分の幅は、前記垂直延在部分の幅と同じであることを特徴とする、付記10に記載のビリヤードテーブル。
【0091】
(付記28)
前記水平延在部分の幅は、20mmであることを特徴とする、付記27に記載のビリヤードテーブル。
【符号の説明】
【0092】
1 石板
2 ラバーストリップ
3 ボール
4 スチールクッション
5 テーブルクロス
6 凹溝
7 ボルト
8 ナット
9 支持バー
10 ハンドル
11 ビード
12 突起。
【国際調査報告】