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特表2024-545260掘削機および一般的な作業機械のための回転式解体機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】掘削機および一般的な作業機械のための回転式解体機
(51)【国際特許分類】
   E21B 10/42 20060101AFI20241128BHJP
   E02F 5/08 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
E21B10/42
E02F5/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536148
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 IB2022062368
(87)【国際公開番号】W WO2023111977
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】102021000031592
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513010701
【氏名又は名称】メッカニカ・ブレガンゼセ・エス.ピー.エー.・イン・フォルマ・アブレヴィアータ・エムビー・エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アッゾリン,ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】アッゾリン,ファウスト
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA04
2D129BA08
2D129DA11
2D129EB04
2D129EB11
2D129GA01
2D129GA02
(57)【要約】
本発明は、掘削機のような作業機械のための回転式解体機(100)に関する。回転式解体機は、支持構造体(1)と、複数の歯(20)を有する単一の回転ドラム(2)と、回転ドラムのための駆動ユニットと、を備える。支持構造体は、作業機械との接続平面を画定する接続プレート(10)を含み、接続プレートは、回転ドラムを回転可能に支持する側方アームを備える。円錐状のドラムの回転軸(X)は、回転ドラムの円錐母線が接続平面と実質的に平行になるように、接続平面に対して傾斜している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機のような作業機械のための回転式解体機(100)であって、前記作業機械の移動可能なアームに接続可能な支持構造体(1)と、複数の歯(20)を有する回転ドラム(2)と、回転軸(X)を中心に前記回転ドラム(2)を回転させるように構成された駆動ユニット(3)と、を備え、前記回転ドラム(2)は、円錐台形状を有し、前記支持構造体(1)は、前記作業機械との接続平面(a)を画定する接続プレート(10)を備え、前記接続プレート(10)は、前記接続平面(a)が前記作業機械のアームに対して実質的に垂直になるように、前記回転式解体機(100)を前記作業機械のアームに固定するように構成され、前記支持構造体(1)は、前記回転ドラム(2)を回転可能に支持するアーム(11)を備え、前記回転軸(X)は、前記回転ドラム(2)によって画定された円錐台形状の円錐母線(Y)が前記接続平面(a)と実質的に平行になるように、前記接続平面(a)に対して傾斜しており、前記円錐母線(Y)は、前記接続プレート(10)とは反対側の前記回転式解体機(100)の端部に配置される、回転式解体機(100)。
【請求項2】
前記回転ドラム(2)は、前記端部(21)に対して前記回転軸(X)に沿って反対側のベース面(25)を画定し、複数の追加の歯(20A)を備える、請求項1に記載の回転式解体機(100)。
【請求項3】
前記回転ドラム(2)によって画定された円錐台形状は、前記回転軸(X)と前記接続平面(a)との間に形成される傾斜角(α)の2倍に実質的に等しい角度(β)の円錐度を有する、請求項1または2に記載の回転式解体機(100)。
【請求項4】
前記傾斜角(α)は、10°~30°の範囲である、請求項3に記載の回転式解体機(100)。
【請求項5】
前記傾斜角(α)は、15°~25°の範囲である、請求項3に記載の回転式解体機(100)。
【請求項6】
前記支持構造体(1)は、前記支持構造体(1)の1対の壁を形成する1対のテーパ状の接続プレート(13)を備え、前記接続プレート(13)は、支持プレート(10)から前記回転ドラムを支持する前記アーム(11)に向けて延在し、前記支持プレート(10)から離れる方向にテーパ状になっている、請求項1~5のいずれか1項に記載の回転式解体機(100)。
【請求項7】
前記歯(20)は、前記円錐母線(Y)に対して垂直な方向において、前記支持プレートの範囲(l)に等しいかそれよりも大きい直径(D)を有する回転軌道を画定する、請求項1~6のいずれか1項に記載の回転式解体機(100)。
【請求項8】
前記回転ドラム(2)は、大径部(D)および小径部(d)を画定する、請求項1~7のいずれか1項に記載の回転式解体機(100)。
【請求項9】
前記小径部の領域に配置された前記歯(20)は、前記小径部(d)の領域に配置された前記歯(20)が前記円錐母線(Y)と平行な前記接続プレート(10)に対して突出するような回転軌道を画定する、請求項8に記載の回転式解体機(100)。
【請求項10】
前記回転ドラム(2)の前記大径部(D)の領域に配置された前記歯(20)は、前記円錐母線(Y)と平行な前記接続プレート(10)に対して突出しない、請求項8または9に記載の回転式解体機(100)。
【請求項11】
前記駆動ユニット(3)は、油圧モータ(30)と、好ましくは遊星型の減速ギア(31)と、を備え、前記油圧モータは、前記回転ドラムの前記回転軸(X)に対して傾斜している回転軸(R)を有し、前記減速ギアは、前記回転ドラムの前記回転軸(X)と一致する回転軸を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の回転式解体機(100)。
【請求項12】
前記回転ドラム(2)は、中空であり、前記減速ギアは、前記回転ドラム(2)によって画定された空隙(22)内に受容される、請求項11に記載の回転式解体機(100)。
【請求項13】
前記歯(20)は、前記回転ドラム(2)の外殻(26)に接続された結合要素(24)と、前記結合要素(24)によって支持され、加工される表面と接触するように意図された切断要素(23)と、を備え、前記結合要素(24)は、前記外殻(26)に垂直な方向に対して傾斜している方向に延在するように前記切断要素(23)を支持するように構成される、請求項1~12のいずれか1項に記載の回転式解体機(100)。
【請求項14】
前記切断要素(23)は、前記結合要素(24)の領域における前記外殻(26)の接線方向に対して20°~70°の範囲の傾斜(γ)を有する、請求項13に記載の回転式解体機(100)。
【請求項15】
前記歯(20)は、前記小径部(d)の領域において前記回転ドラム(2)から外向きに突出する、請求項8に従属する場合の請求項9~14のいずれか1項に記載の回転式解体機(100)。
【請求項16】
前記複数の追加の歯(20A)は、前記回転ドラム(2)の前記ベース面(25)に接続されたそれぞれの結合要素(28)と、前記それぞれの結合要素(28)によって支持され、加工される表面と接触するように意図されたそれぞれの切断要素(27)と、を備え、前記それぞれの結合要素(28)は、前記ベース面(25)によって画定された平面(b)に対して傾斜している方向に延在するように前記それぞれの切断要素(27)を支持するように構成される、請求項2~15のいずれか1項に記載の回転式解体機(100)。
【請求項17】
単一の回転ドラム(2)を備える、請求項1~16のいずれか1項に記載の回転式解体機(100)。
【請求項18】
前記アーム(11)は、前記回転ドラム(2)に対して軸方向反対側に配置されて前記アーム(11)の外面(12A)を画定する側部(12)を有する、請求項17に記載の回転式解体機(100)。
【請求項19】
側方にある前記アーム(11)の前記外面(12A)は、前記接続平面(a)に対して実質的に垂直に延在する、請求項18に記載の回転式解体機(100)。
【請求項20】
前記回転ドラム(2)の端部(21)は、前記円錐母線(Y)と平行な方向に沿って前記側部(12)と整列されるか、前記円錐母線(Y)と平行な方向に沿って前記側部(12)に対して突出する、請求項18または19に記載の回転式解体機(100)。
【請求項21】
前記側部(12)は、側壁(14)と、取り外し可能なカバープレート(15)と、を備え、前記側壁は、前記駆動ユニット(3)へのアクセスを可能にするように構成された開口部(14A)を有し、前記開口部(14A)は、前記取り外し可能なカバープレート(15)によって閉鎖可能であるように構成される、請求項18~20のいずれか1項に記載の回転式解体機(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の歯がそこから延在する円錐状の展開部を有する回転部材を備える回転式解体機(disaggregator)に関する。このような回転式解体機は、一般に、掘削機または土木機械のアームに接続されるように意図されている。
【背景技術】
【0002】
掘削機や同様の作業機械のアームに適用されるアタッチメント(accessories)の中で、一連の歯が設けられた1対のドラムによって形成された、典型的にはフライスヘッド(milling head)または回転式解体機と呼ばれるフライス機器を使用することが知られている。
【0003】
このような機器は、汎用性が高く、効率的であるという利点があり、典型的には、インフラストラクチャの分野におけるトンネルの掘削や、より一般的には道路建設や岩石の粉砕に使用されている。
【0004】
米国特許第6,626,500号には、このタイプの機器の一例が記載されている。ここでは、2つの回転ドラムを支持するフレームを備える回転式フライスが提供される。これらのドラムは、同じ軸に取り付けられ、作業機械自体から供給される油の流れによって作動される油圧モータによって回転される。この機器は、操作者が必要な位置でフライスカッターを所望に移動させて向けられることができるように、接続アタッチメントによって掘削機のアームに固定され得る。その他の同様の機器が、特開2004-250931号、中国特許出願105002884号、および欧州特許出願第2199468号に記載されている。
【0005】
しかしながら、このような回転式フライス機器は、フライスカッターが特定の深さに達するとフライスカッターの本体が地面に接触するような寸法を有し、フライスカッターがこの深さを超えることを妨げるか、少なくとも容易な作業を妨げるので、深い場所での作業に完全には適していない。
【0006】
この問題に対する解決策の一例として、国際公開第2012045327A1号に記載されている回転式フライスカッターが挙げられる。ここでは、2つの側方ドラムに加えて、歯を有する中央要素がさらに設けられる。これにより、中央部分の領域に加工を行うことができ、同時に、フライスカッターが特定の深さを超えて掘り進むのを防ぐことができる。
【0007】
しかしながら、この解決策には、構造の特定の複雑さ、2つの側方ドラムに運動を伝達するためにも使用される中央要素の信頼性の低さ、ならびに一般的にフライスカッターの取り扱いに関するさらなる欠点がある。
【0008】
さらに、この解決策は、フライスカッターの中央部分に集中しているが、フライスカッターの本体の一部も、解体機の前進運動の障害となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、先行技術を参照して上述した欠点の1つまたは複数を少なくとも部分的に克服するように構成された回転式解体機を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、特に深い場所で掘削を行うのに適した回転式解体機を提供することである。
【0011】
さらに別の目的は、掘削作業中に特に機敏な回転式解体機を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、掘削作業中に回転ドラムを支持する構造が解体機の正常な前進の妨げとなる危険性を最小限に抑えた回転式解体機を提供することである。
【0013】
さらに別の目的は、一般に、合理的な解決策の範囲内で、比較的低コストで、既知の回転式解体機を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の問題は、作業機械の移動可能なアームに接続可能な支持構造体と、複数の歯を有する回転ドラムと、回転軸(X)を中心に回転ドラムを回転させるように構成された駆動ユニットと、を備える、掘削機のような作業機械のための回転式解体機によって解決され、上述した目的の1つまたは複数が少なくとも部分的に達成される。
【0015】
好ましくは、回転ドラムは、円錐台形状を有する。
【0016】
好ましくは、支持構造体は、作業機械との接続平面を画定する接続プレートを備える。好ましい実施形態において、接続プレートは、接続平面が作業機械のアームに対して実質的に垂直になるように、回転式解体機を作業機械のアームに固定するように構成される。
【0017】
好ましくは、支持構造体は、回転ドラムを回転可能に支持する支持アームを備える。
【0018】
好ましくは、回転軸は、円錐台形状の円錐母線(generatrix)が接続平面と実質的に平行になるように、接続平面aに対して傾斜している。
【0019】
なお、円錐母線がプレートと平行になるようにドラムを配置することにより、特にコンパクトな構造を得ることができ、作業機械の移動可能なアームが提供する動きを効果的に利用することができることに留意されたい。
【0020】
好ましくは、支持アームは、側方にあり、好ましくは、回転ドラムに対して軸方向反対側に配置されて側方アームの外面を画定する側部を有する。
【0021】
一部の実施形態において、回転ドラムの端部は、円錐母線と平行な方向に沿って側部と整列されるか、代替的に、その方向に沿って側部に対して突出する。
【0022】
なお、本発明の解体機の回転ドラムの配置により、少なくとも解体機の深さ方向の前進において、回転ドラムの歯の運動によってカバーされていない領域の存在を排除することができることに留意されたい。
【0023】
実際、円錐形状と傾斜している回転軸とを使用することで、ドラム自体を支持するアームをカバーするドラムの端部を提供することができる。その端部は、単一のドラムが存在する場合にそこから突出しており、隣接する2つのドラムが使用される場合にはドラムを互いに近接させる。
【0024】
好ましくは、回転ドラムは、端部に対して回転軸に沿って反対側のベース面を画定し、複数の追加の歯を備える。
【0025】
このようにして、より小さいベースに対応する円錐台コーンのベース面の領域でも解体作業が実施される。これにより、ドラムの端部の領域における解体機の動作がより効果的になる。
【0026】
この解決策は、ドラムのベース面と掘削部の側壁との間の接触の結果として、深い掘削の場合に発生する可能性のあるドラムの回転における閉塞の発生を減少させるか制限するのに役立つ。
【0027】
別の態様によれば、回転ドラムによって画定された円錐台形状は、回転軸と接続平面との間に形成される傾斜角の2倍に実質的に等しい角度の円錐度を有する。
【0028】
このようにして、円錐台形状のドラムの円錐母線は、土木作業中に解体機が受ける応力に耐えるのに特に適した簡単な構造を有するように、水平に配置される。
【0029】
傾斜角は、好ましくは10°~30°の範囲、より好ましくは15°~25°の範囲、さらにより好ましくは20°である。
【0030】
本出願人は、このような値により、解体機の構造の寸法を最適化し、ドラムが中空である場合に、その移動のために意図された構成要素を受容するのに十分な容積を画定することができることを確認した。
【0031】
一部の実施形態において、側方にある支持アームの外面は、接続平面に対して実質的に垂直に延在する。
【0032】
好ましくは、接続プレートは、回転ドラムと同じ方向に沿って、側方にある支持アームの外面から延在する。
【0033】
これらの特徴により、よりコンパクトな構造体を提供することができる。さらに、これにより、接続プレートが回転式解体機の動作を妨げることを防止することができる。
【0034】
好ましくは、支持構造体は、支持構造体の1対の追加の側壁を形成する1対のテーパ状の接続プレートを備える。これは、支持プレートから支持アームに向けて延在し、支持プレートから離れる方向にテーパ状になっている。
【0035】
このようにして、支持アームに対するドラムのカンチレバー状の構造体を使用しながら、解体機の構造体に十分な強度を確保することができる。
【0036】
一部の実施形態において、歯は、円錐母線に対して垂直な方向において、支持プレートの範囲に等しいかそれよりも大きい直径を有する回転軌道を画定する。
【0037】
好ましくは、回転ドラムは、大径部および小径部を画定する。ここで、小径部の領域に配置された歯は、小径部の領域に配置された歯が円錐母線と平行な接続プレートに対して突出するような回転軌道を画定する。
【0038】
好ましくは、歯は、大径部から小径部への延在方向に沿って、すなわち、存在する場合には側部とは反対方向に沿って、円錐母線と平行な接続プレートに対して突出する。
【0039】
実際、ドラムの反対側の側部、すなわちアームから最も遠い側部において、支持プレートを含む解体機の構造体は、歯自体によって覆われていてもよいことに留意されたい。これらの歯は、ドラムの円錐台形状から外部に向けて突出することができる。
【0040】
好ましくは、回転ドラムの大径部の領域に配置された歯は、円錐母線と平行な接続プレートに対して突出しない。
【0041】
この特徴により、ドラムの大径部に隣接する部分が上側のプレートの下に配置されるので、コンパクトな構造体を維持することができるようになる。また、反対側、すなわち小径部の領域において、歯がプレートに対して突出するので、掘削の効率に影響を与えない。
【0042】
別の態様によれば、駆動ユニットは、油圧モータと、好ましくは遊星型の減速ギアと、を備える。好ましくは、油圧モータは、回転ドラムの回転軸に対して傾斜している回転軸を有する。好ましくは、減速ギアは、回転ドラムの回転軸と一致する回転軸を有する。
【0043】
このようにして、全体の寸法を最適化することができ、十分な出力の駆動ユニットを使用すると同時に、本発明による回転式解体機の構造体の寸法を小さくすることができる。
【0044】
一部の実施形態において、回転ドラムは、中空であり、減速ギアは、回転ドラムによって画定された空隙内に受容される。この特徴もまた、構造体の全体的な寸法の最適化に寄与する。
【0045】
一部の実施形態において、歯は、その円錐台形状を画定するドラムの外殻に接続された結合要素と、結合要素によって支持され、加工される表面と接触するように意図された切断要素と、を備える。好ましくは、結合要素は、外殻に垂直な方向に対して傾斜している方向に延在するように切断要素を支持するように構成される。好ましい実施形態において、切断要素は、結合要素の領域における外殻の接線方向に対して20°~70°の範囲の傾斜を有する。
【0046】
この角度は、円錐台形状のドラムに使用される場合、特に本発明によって想定される角度が使用される場合に効果的である。このようにして、歯が解体される材料と実際に衝突する角度が最適化される。
【0047】
一部の実施形態において、複数の追加の歯は、ドラムのベース面に接続されたそれぞれの結合要素と、それぞれの結合要素によって支持され、加工される表面と接触するように意図されたそれぞれの切断要素と、を備える。好ましくは、結合要素は、ベース面によって画定された平面に対して傾斜している方向に延在するように切断要素を支持するように構成される。好ましくは、結合要素は、細長い形態を有し、切断要素は、結合要素の長手方向に沿って整列されている。好ましい実施形態において、結合要素は、平面に対して20°~70°の範囲の傾斜を有する。
【0048】
歯のこれらの特性により、解体作業を最適化することができ、地面と平行に接触する外殻の領域と、掘削部の側部に対して傾斜しているベース面の領域において異なる作用を得ることができる。
【0049】
一部の実施形態において、端部の領域に配置された歯は、支持構造体から離れる方向Xに突出する。好ましくは、ベース面に隣接して配置された歯は、支持構造体から離れる方向Xに突出する。
【0050】
好ましくは、歯は、ドラムの小径部の領域における回転ドラムから外向きに突出する。
【0051】
上述した特徴の各々は、解体機の動作中における支持構造体と掘削部の側壁との接触の可能性を制限することに寄与する。
【0052】
本発明の好ましい特徴は、従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本発明のその他の利点、特徴、およびその使用法は、添付の図面を参照して非限定的に例示された多数の実施形態に関する以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
図1】本発明による回転式解体機の斜視図である。
図2図1に示す解体機の正面断面図である。
図3図2に示す解体機の側面図である。
図4】追加の構成要素を示すために回転ドラムが取り除かれている、本発明による回転式解体機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
まず、図1を参照すると、本発明に従って構築された回転式解体機が参照符号100によって全体として示されている。
【0055】
解体機100は、掘削機(図示せず)などの作業機械で使用されるように意図されたタイプのものである。
【0056】
本発明の一態様によれば、解体機100は、掘削機の移動可能なアームに固定されるように意図されている。その詳細は後述する。
【0057】
また、図1を参照すると、解体機は、作業機械の移動可能なアームに接続され得る支持構造体1を備える。好ましくは、アームの対応する部分との接続が有利に行われる接続平面aを画定する接続プレート10の領域で接続が行われる。
【0058】
例えば、掘削作業を行うため、且つ一般に必要な加工動作を行うために、接続プレートには、掘削機のアームによって移動可能な解体機との接続を行うための対応するねじが係合する複数の穴を設けることができる。
【0059】
好ましい実施形態において、接続プレート10は、接続平面aが作業機械のアームに対して実質的に垂直になるように、回転式解体機100を作業機械のアームに固定するように構成される。
【0060】
なお、当業者であれば、掘削機のアームが伸びる方向を認識することができることに留意されたい。これは、典型的には長手方向に伸びるので、その長手方向の伸びる方向に対して垂直な対応する平面を画定することができる。
【0061】
図1の例が示すように、支持構造体1は、粉砕作業を実施するように意図された回転ドラム2を回転可能に支持する側方アーム11を備える。
【0062】
好ましくは、解体機は、支持アーム11からカンチレバー状に延在する単一の回転ドラム2を備える。
【0063】
ただし、本発明は、2つの回転ドラムが並んで配置された場合にも適用され得ることに留意されたい。
【0064】
好ましくは、ドラム2には、粉砕作業を行うために地面または別の加工される材料に作用する複数の歯20が設けられる。
【0065】
粉砕は、回転軸Xを中心としたドラムの回転によって実施される。回転は、図2に示す駆動ユニット3によってもたらされる。
【0066】
本発明の別の態様によれば、回転ドラム2は、円錐台形状を有し、水平面に対して傾斜している軸を有する。換言すると、接続平面aが水平面と平行になるように配置されたときに、回転軸Xがその水平面に対して傾斜するように解体機は構成される。その結果、回転軸Xも、接続平面aに対して傾斜することになる。
【0067】
好ましくは、回転ドラム2は、円錐台形状を画定する外殻26を備え、そこから歯20が延在する。一部の実施形態において、回転ドラム2は、円錐台形状のより小さいベースを実質的に画定するベース面25を画定し、ベース面25は、複数の追加の歯20Aを備える。
【0068】
好ましくは、回転軸Xの傾斜とドラムの形状は、円錐台形の円錐母線Yが接続平面aと実質的に平行になるようになっている。特に、これは、接続プレート10とは反対側の回転式解体機100の端部の領域内の円錐母線Yの領域で実現される。したがって、この円錐母線は、掘削機の移動可能なアームが地面に対して垂直であるときに地面に対して平行になり、これにより、粉砕作業中に最大の効率を得ることができる。
【0069】
この特徴は、例えば図2に示すような一部の実施形態において、回転ドラム2によって画定された円錐台形状を、回転軸Xと接続平面aとの間に形成される傾斜角αの2倍に実質的に等しい角度βの円錐度を有するように設けることによって得ることができる。
【0070】
本発明の文脈において、「実質的」という用語は、±5%の偏差を含む場合があることを意味する。
【0071】
このようにして、円錐台形状のドラムの円錐母線は、単純な構造を実現するように水平方向に位置している。この構造は、地面での作業中に解体機が受ける応力に耐えるのに特に適している。
【0072】
図2に示す実施形態において、傾斜角αは20°である。しかしながら、より一般的には、この角度は、好ましくは10°~30°の範囲、より好ましくは15°~25°の範囲である。
【0073】
有利には、2つの回転ドラムが設けられている場合、2つ目のドラムは、円錐母線Yに対して垂直な垂直面に関して対称に配置される。
【0074】
ここで再び図1を参照して、支持構造体1および支持アーム11の好ましい特性をより詳細に説明する。
【0075】
図2に示すように、支持アーム11は、好ましくは側方アームであり、回転ドラム2に対して軸方向反対側に配置されてアーム11の外面12Aを画定する側部12を有する。この外面は、好ましくは側方アームの最も外側の部分を形成し、その結果、その寸法を画定する。
【0076】
一部の実施形態において、外面12Aは、接続平面aに対して実質的に垂直に延在し、実質的にそれと整列されている。
【0077】
一部の実施形態において、回転ドラム2は、上述した側部12に対して突出するように配置された端部21を有する。この端部は、円錐台形状の大径部の領域に形成され、図に示すように、円錐母線Yに沿って配置されている。
【0078】
換言すると、端部21は、使用時に下向きに向けられる端部に対応している。
【0079】
端部21は、側部12と交互に整列されてもよい。この場合、円錐母線Yの方向に沿った解体機100の外側に向いた部分がドラムの端部21内に含まれるような空間要件が設けられてもよい。
【0080】
このようにして、解体機が地面に下ろされる間、すなわち、接続平面aに対して垂直な方向に移動される間、地面と接触する側部12の部分がなくなる。
【0081】
また、端部21に対して軸方向反対側の端部の領域において、回転ドラム2を越えて突出する構造体1の部分がないようにすることもできる。
【0082】
この場合、一部の実施形態では、ドラム2の傾斜を考慮して、歯20が構造体1の最も突出した部分をカバーしてもよい。
【0083】
実際、一部の実施形態において、端部21の領域に配置された歯20は、支持構造体1から離れる方向Xに沿って突出する。
【0084】
この目的のために、小径部の領域に配置された歯20が設けられてもよい。これにより、小径部dの領域に配置された歯20が、接続プレート10に対して方向Xに突出するような回転軌道を画定することができる。
【0085】
換言すると、ベース面25に隣接するように配置された歯20は、好ましくは支持構造体1から離れる方向Xに突出する。
【0086】
これにより、地面に対して垂直な加工作業中にプレートと地面との間の衝突を防止することができる。
【0087】
また、別の態様によれば、歯20は、図3に示すように、円錐母線Yに対して垂直な方向において、支持プレートの範囲lに等しいかそれよりも大きい直径Dを有する回転軌道を画定することができる。したがって、ドラムは、軸方向に対して垂直な方向における領域を含めて、プレート10および一般に構造体1に対して突出する。
【0088】
ここで図2および図3を参照すると、一部の実施形態において、歯20は、ドラム2の外殻26に接続された結合要素24と、結合要素24によって支持され、加工される表面と接触するように意図された切断要素23と、を備える。好ましくは、結合要素24は、外殻26に垂直な方向に対して傾斜している方向に延在するように切断要素23を支持するように構成される。好ましい実施形態において、切断要素23は、図3に示すように、結合要素24の領域における外殻26の接線方向に対して20°~70°の範囲の傾斜γを有する。
【0089】
また、一部の実施形態において、複数の追加の歯20Aは、ドラム2のベース面25に接続されたそれぞれの結合要素28と、結合要素28によって支持され、加工される表面と接触するように意図されたそれぞれの切断要素27と、を備える。好ましくは、結合要素28は、ベース面25によって画定された平面bに対して傾斜している方向に延在するように切断要素27を支持するように構成される。好ましくは、結合要素28は、細長い形状を有し、切断要素27は、結合要素28の長手方向に沿って整列されている。好ましい実施形態において、結合要素28は、図2に示すように、平面bに対して20°~70°の範囲の傾斜δを有する。
【0090】
再び図1を参照すると、支持構造体1は、好ましくは支持構造体1の1対の追加の壁を形成する1対のテーパ状の接続プレート13を備える。
【0091】
接続プレート13は、支持プレート10から支持アーム11に向けて延在し、支持プレート10から離れる方向にテーパ状になっている。これにより、上述したカンチレバー状の構成が画定される。
【0092】
さらに別の態様によれば、駆動ユニット3は、油圧モータ30と、好ましくは遊星型の減速ギア31と、を備える。
【0093】
有利には、回転ドラム2は、中空であり、減速ギア31は、回転ドラム2によって画定された空隙22内に受容される。
【0094】
一部の実施形態において、油圧モータ30は、減速ギア31に対して傾斜するように配置され得る。これにより、駆動ユニットの全体寸法が最適化される。一般に、油圧モータ30は、回転軸Xに対して傾斜している回転軸Rを有してもよい。
【0095】
また、減速ギア31の回転軸は、回転ドラム2の回転軸Xと一致していてもよい。
【0096】
図2および図4の実施形態に示すように、回転ドラム2は、接続フランジ4によって回転されるように減速ギア31に接続され得る。
【0097】
有利には、接続フランジ4は、ねじ接続部34を介して減速ギア31の外部ボディ33に接続され得る。
【0098】
好ましい実施形態において、接続フランジ4は、ドラム2の回転軸Xに対して実質的に垂直な方向に延在する複数の座部40を有する。これにより、図1に示すように、好ましくは外殻26の領域に配置された、座部40に係合するねじなどの一連の接続要素42を使用して、ドラム2を接続フランジ4に固定することができる。
【0099】
このようにして、ドラムを単一のピースとして構築することができ、組み立て後に駆動ユニット3に固定することができる。
【0100】
構造体の堅牢性を損なうことなく駆動ユニット3への容易なアクセスを可能にするために、側部12は、好ましくは、側壁14と、開口部14Aを覆うための取り外し可能なカバープレート15と、を備える。
【0101】
したがって、本発明は、上述した問題を解決すると同時に、深い位置での加工作業の可能性を含む複数の利点を提供する。さらに、本発明の解体機は、特にその寸法の小ささにより、特に汎用性が高く、取り扱いが容易である。
【0102】
解体機の構造および駆動ユニットの特徴により、要求の厳しい動作であっても十分に高い出力を得ることができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】