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特表2024-545262気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置
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  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図1
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図2
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図3
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図4
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図5
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図6
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図7
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図8
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図9
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図10
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図11
  • 特表-気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20241128BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20241128BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J201/00
H01L21/304 622F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536159
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 KR2022018064
(87)【国際公開番号】W WO2023113255
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0182176
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524227099
【氏名又は名称】ケイ・ピィ・エックス・ケミカル・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KPX CHEMICAL CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ビョン・ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ソク・ジ
(72)【発明者】
【氏名】キム,スン・グン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジョン・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,カン・ムン
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
5F057
【Fターム(参考)】
4J004AA05
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA06
4J004CB03
4J004CC05
4J004CE01
4J004DB02
4J004EA04
4J004EA05
4J004FA08
4J040CA001
4J040DF001
4J040JA09
4J040JB09
4J040MA04
4J040MA05
4J040MB05
4J040MB09
5F057AA24
5F057AA25
5F057BA11
5F057CA11
5F057DA03
5F057EB27
5F057EC21
5F057FA25
5F057FA39
(57)【要約】
本発明は、上部離型フィルム層と、第1の粘着層と、前記第1の粘着層の下部面に積層された接着テープ基材と、前記接着テープ基材の下部面に積層された第2の粘着層、および前記第2の粘着層の下部面に積層され、積層面に突出ラインで形成された気泡排出パターンを含む気泡排出パターン成形シート層を含む研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープが適用された化学機械的研磨装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部離型フィルム層と、
第1の粘着層と、
前記第1の粘着層の下部面に積層された接着テープ基材と、
前記接着テープ基材の下部面に積層された第2の粘着層、および
前記第2の粘着層の下部面に積層され、積層面に突出ラインで形成された気泡排出パターンを含む気泡排出パターン成形シート層を含む研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項2】
前記気泡排出パターン成形シート層は、突出ラインで形成されたパターンが前記第2の粘着層の下部面に陥入された状態で積層されたことを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項3】
使用時に前記上部離型フィルム層および前記気泡排出パターン成形シート層が除去されることを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項4】
前記第2の粘着層は、気泡除去が求められる面に接着されることを特徴とする、請求項3に記載の研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項5】
前記突出ラインで形成されたパターンは、ストライプパターンまたは多角形パターンであることを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項6】
前記多角形パターンは、直線状の突出ラインが互いに交差しながら形成された四角形パターンであることを特徴とする、請求項5に記載の研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項7】
前記突出ラインの幅方向断面は、多角形、下部側の一部が切断された円形、または下部側の一部が切断された楕円形であることを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項8】
前記突出ラインの最長幅が50μm~250μmであり、高さが5μm~30μmであることを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項9】
前記四角形パターンは、互いに隣接しない2辺間の幅が300μm~1000μmであることを特徴とする、請求項8に記載の研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項10】
前記気泡排出パターン成形シート層は、突出ラインで形成された気泡排出パターンが一面に形成された成形シートおよび前記成形シートの他面に接着された基材フィルムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド接着用両面接着テープ。
【請求項11】
研磨パッドと、
前記研磨パッドが固定される定盤を含み、
前記研磨パッドは、前記定盤に請求項1の研磨パッド接着用両面接着テープを使用して固定されたことを特徴とする、化学機械的研磨装置。
【請求項12】
前記両面接着テープの第1の粘着層には、研磨パッド下部面が接着され、
前記両面接着テープの第2の粘着層には、定盤の上部面が接着されることを特徴とする、請求項11に記載の化学機械的研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月17日付韓国特許出願第10-2021-0182176号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、気泡の排出が容易な研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記接着テープを適用した化学機械的研磨装置に関する。
【背景技術】
【0003】
両面接着テープは、部品を接合したり、表面間の隙間(gaps)を防止したり、隙間を埋めるために広く使用される。例えば、電子デバイスを密封し、衝撃を吸収するために、該デバイスに保護フィルムを適用することに使用することができ、CMP研磨パッドを定盤に固定する方法にも使用されている。
【0004】
前記CMP用研磨パッドを定盤に固定する場合には、比較的広い面積の両面接着テープが使用される。このように広い面積の両面接着テープを使用する場合、接着面内に気泡が形成される場合が頻繁に発生する。このような気泡は、研磨パッド表面の平坦性を阻害し、接着力を弱めるなどの問題を引き起こす。
【0005】
具体的には、前記研磨パッドを定盤に固定する場合、研磨パッドの下部面と定盤の上部面との間に位置し、これらを接着させる両面接着テープが使用されるが、前記両面接着テープと定盤の上部面との間に気泡が形成されると、研磨パッドの上部面の平坦性が阻害され、研磨パッドの接着力も弱くなる。特に、前記のように平坦性が阻害される場合、均一な研磨性能を発揮することが難しく、気泡により突出した部分はより早く磨耗するという問題が発生する。
【0006】
従来は、前記のように界面に気泡が発生した場合、両面接着テープを上部から加圧し、気泡を端に押し出す方式により除去していた。しかし、このような方式の場合、気泡の除去が不可能な場合が多い。
【0007】
したがって、前記のような気泡を容易に除去できる方法の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2013-0043589号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の前記のような問題を解消するために創案されたものであって、
両面接着テープの使用時に接合面に発生する気泡を容易に除去することができる研磨パッド接着用両面接着テープおよび前記両面接着テープを適用した化学機械的研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、
上部離型フィルム層と、
第1の粘着層と、
前記第1の粘着層の下部面に積層された接着テープ基材と、
前記接着テープ基材の下部面に積層された第2の粘着層および
前記第2の粘着層の下部面に積層され、積層面に突出ラインで形成された気泡排出パターンを含む気泡排出パターン成形シート層を含む研磨パッド接着用両面接着テープを提供する。
【0011】
本発明の一実施態様において、前記気泡排出パターン成形シート層は、突出ラインで形成されたパターンが前記第2の粘着層の下部面に陥入された状態で積層されたものであってもよい。
【0012】
本発明の一実施態様において、前記上部離型フィルム層および前記気泡排出パターン成形シート層は、使用時に除去してもよい。
【0013】
本発明の一実施態様において、前記第2の粘着層は、気泡除去が求められる面に接着してもよい。
【0014】
本発明の一実施態様において、前記突出ラインで形成されたパターンは、ストライプパターンまたは多角形パターンであってもよい。
【0015】
本発明の一実施態様において、前記多角形パターンは、直線状の突出ラインが互いに交差しながら形成された四角形パターンであってもよい。
【0016】
本発明の一実施態様において、前記突出ラインの幅方向断面は、多角形、下部側の一部が切断された円形、または下部側の一部が切断された楕円形であってもよい。
【0017】
本発明の一実施態様において、前記突出ラインの最長幅は50μm~250μmであり、高さは5μm~30μmであってもよい。
【0018】
本発明の一実施態様において、前記四角形パターンは、互いに隣接しない2辺間の幅が300μm~1000μmであってもよい。
【0019】
本発明の一実施態様において、前記気泡排出パターン成形シート層は、突出ラインで形成された気泡排出パターンが一面に形成された成形シートおよび前記成形シートの他面に接着された基材フィルムを含んでもよい。
【0020】
また、本発明は、
研磨パッドと、
前記研磨パッドが固定される定盤を含み、
前記研磨パッドは、前記定盤に前記本発明の研磨パッド接着用両面接着テープを使用して固定されたことを特徴とする化学機械的研磨装置を提供する。
【0021】
本発明の一実施態様において、前記両面接着テープの第1の粘着層には、研磨パッドの下部面が接着され、
前記両面接着テープの第2の粘着層には、定盤の上部面が接着してもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の研磨パッド接着用両面接着テープは、粘着層の外部粘着面に気泡を排出できるトレンチ部を形成することで、接着界面に気泡が発生した場合、加圧により気泡を容易に接着界面外に排出できる効果を提供する。
【0023】
また、本発明の化学機械的研磨装置は、研磨パッドの上部面の平坦性に優れ、均一な研磨性能を発揮し、研磨パッドが定盤に強く接着するので、研磨パッドの使用寿命を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の研磨パッド接着用両面接着テープの一実施態様を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の研磨パッド接着用両面接着テープの一実施態様を模式的に示す分解断面図である。
図3】本発明の研磨パッド接着用両面接着テープに含まれる成形シートの一実施態様を示す斜視図である。
図4】従来の研磨パッド用両面接着テープの接着状態を撮影して示した写真である。
図5】従来の研磨パッド用両面接着テープを使用して研磨パッドを接着させる場合、気泡の発生形態を模式的に示した断面図である。
図6】本発明の研磨パッド接着用両面接着テープの他の実施態様を模式的に示す断面図である。
図7】本発明の研磨パッド接着用両面接着テープを使用して研磨パッドが定盤に接着された状態を示す断面図である。
図8】本発明の化学機械的研磨装置の一実施態様を模式的に示す斜視図である。
図9】本発明の研磨パッド接着用両面接着テープを使用した場合(実施例1)と、従来の研磨パッド接着用両面接着テープを使用した場合(比較例1)の気泡除去の様子を示す写真である。
図10】本発明の研磨パッド接着用両面接着テープの液浸透(インク使用)の有無を評価した写真である。
図11】本発明の研磨パッド接着用両面接着テープ(実施例1)と従来の研磨パッド接着用両面接着テープ(比較例1)の液浸透誘発後、粘着力を測定する試験過程および結果を示す写真である。
図12】本発明の研磨パッド接着用両面接着テープに含まれる第2の粘着層の表面を撮影して示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について添付の図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全体に亘って、同様の部分については同じ図面符号を付した。
【0026】
ある構成要件が他の構成要件に「連結される、備えられる、または設けられる」と言及されたときは、その他の構成要件に直接連結または設けられることもあるが、その間に他の構成要件が存在することもあると理解されるべきである。一方、ある構成要件が他の構成要件に「直接連結される、備えられるまたは設けられる」と言及された時には、その間に他の構成要件が存在しないものと理解されるべきである。一方、構成要件間の関係を説明する他の表現、すなわち「~の上部に」と「上部に直接」または「~の間に」と「すぐ~の間に」または「~に隣接する」と「~に直接隣接する」なども同様に解釈されるべきである。
【0027】
図1は、本発明の研磨パッド接着用両面接着テープの一実施態様を模式的に示す断面図であり、図2は、本発明の研磨パッド接着用両面接着テープの一実施態様を模式的に示す分解断面図である。
【0028】
本発明の研磨パッド接着用両面接着テープ(100)は、図1図2に示すように、上部離型フィルム層(10)と、第1の粘着層(20)と、前記第1の粘着層の下部面に積層された接着テープ基材(30)と、前記接着テープ基材の下部面に積層された第2の粘着層(40)および前記第2の粘着層の下部面に積層され、積層面に突出ラインで形成された気泡排出パターンを含む気泡排出パターン成形シート層(50)を含むことを特徴とする。
【0029】
図3は、本発明の研磨パッド接着用両面接着テープ(100)に含まれる成形シート層(50)の一実施態様を示す斜視図である。
【0030】
本発明の一実施態様において、前記気泡排出パターン成形シート層(50)は、図1に示すように、突出ラインで形成されたパターン(52)が前記第2の粘着層(40)の下部面に陥入された状態で積層されたものであってもよい。
【0031】
前記のように、突出ラインで形成されたパターン(52)が前記第2の粘着層(40)の下部面に陥入された状態で積層された場合、使用時に前記気泡排出パターン成形シート層(50)を除去する場合、これと結合していた第2の粘着層(40)の下部面に気泡排出パターン(42)が陰刻された状態になる。
【0032】
したがって、研磨パッド接着用両面接着テープ(100)を第2の粘着層(40)によって定盤(図7、70)の上部面に接着させる場合、研磨パッド(図7、60)と定盤(70)の間に気泡が発生しても、これを前記陰刻された気泡排出パターン(例えば、トレンチ)によって容易に除去することができる。図7は、本発明の研磨パッド接着用両面接着テープ(100)が研磨パッド(60)と定盤(70)の間に位置し、研磨パッド(60)を定盤(70)に固定させた形態を模式的に示す。
【0033】
前記研磨パッド接着用両面接着テープ(100)は、図7に示すように、前記上部離型フィルム層(10)および前記気泡排出パターン成形シート層(50)が除去された状態で、研磨パッド(60)および定盤(70)の間に接着される。図12は、前記上部離型フィルム層(10)および前記気泡排出パターン成形シート層(50)が除去された第2の粘着層(40)の形態を撮影した写真を示す。
【0034】
本発明の一実施態様において、前記第2の粘着層(40)は、気泡除去が求められる面、例えば、定盤(70)に接着してもよい。
【0035】
従来技術によれば、前記のように研磨パッド接着用両面接着テープを使用して研磨パッドを定盤に固定する場合、図4および図5に示すように、両面接着テープと定盤の間に気泡が形成されることが多く、このような気泡を除去することが非常に困難であった。
【0036】
前記のように、研磨パッドと定盤の間に気泡が存在する場合、研磨パッドの上部面の平坦性が阻害し、研磨パッドの接着力も弱くなる。特に、前記のように平坦性が阻害する場合、研磨パッドが均一な研磨性能を発揮することが難しく、気泡により突出した部分はより早く磨耗するという問題が発生した。
【0037】
しかし、本発明の研磨パッド接着用両面接着テープ(100)を使用する場合、前記のような問題を容易に解消することができる。
【0038】
本発明の一実施態様において、前記突出ラインで形成されたパターン(52)は、ストライプパターン又は多角形パターンで形成されたものであってもよい。
【0039】
前記多角形パターンは、線状の突出ラインで形成された様々な形状、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形であってもよく、前記多角形の形状は特に限定されない。
【0040】
本発明の一実施態様において、前記多角形パターンは、直線状の突出ラインが互いに交差しながら形成された四角形パターンであってもよい。例えば、このような四角形パターンは、図3に示すような形状であってもよい。このような四角形パターンは、第2の粘着層(40)の下部面に直線状に陰刻された気泡排出パターン(42、例えば、トレンチ)を形成するので、これにより、気泡を効率よく除去するのに有利である可能性がある。
【0041】
本発明の一実施態様において、前記突出ラインの幅方向断面は、多角形、下部側の一部が切断された円形、または下部側の一部が切断された楕円形であってもよい。前記多角形は、例えば、三角形、四角形などであってもよいが、これらに限定されない。
【0042】
本発明の一実施態様において、前記突出ラインの最長幅(図3、A)は50μm~250μm、好ましくは140μm~180μmであり、高さ(図3、B)は5μm~30μm、好ましくは7μm~15μmであってもよい。前記突出ラインの最長幅が前述した範囲より小さい場合、気泡除去の効率が低下する可能性があり、前述した範囲を超える場合、第2の粘着層(40)の接着力が低下する可能性があるので好ましくない。
【0043】
前記において、突出ラインの最長幅は、前記突出ラインが突出ラインが形成されていない面と結合する突出ラインの最下端部に形成されてもよい。ただし、前記突出ラインの幅方向断面が、下部側の一部が切断された円形または下部側の一部が切断された楕円形である場合は、突出ラインの最下端部に形成されないこともある。
【0044】
本発明の一実施態様において、前記四角形パターンは、互いに隣接しない2辺間の幅(図3、C)が300μm~1000μm、好ましくは500μm~650μmであるものであってもよい。前記2辺間の幅が前述した範囲より小さい場合、第2の粘着層(40)の接着力が低下する可能性があり、前述した範囲を超える場合、気泡除去効率が低下する可能性があるので好ましくない。
【0045】
前記四角形パターンにおいて、互いに隣接しない2辺間の幅は2つ存在し、これら2つの幅は同じサイズで形成されたものであってもよい。
【0046】
図6は、本発明の研磨パッド接着用両面接着テープの他の実施態様を模式的に示す断面図である。前記図6に示すように、前記気泡排出パターン成形シート層(50)は、突出ラインで形成された気泡排出パターンが一面に形成された成形シート(54)および前記成形シートの他面に接着された基材フィルム(55)を含むものであってもよい。このとき、前記成形シート(54)および前記成形シートの他面に接着された基材フィルム(55)は、研磨パッド接着用両面接着テープ(200)を使用する際、それぞれ別々に分離されるか、またはこれらが接着された状態で備えられて一度に分離されることもある。
【0047】

図8は、本発明の化学機械的研磨装置(300)の一実施態様を模式的に示す斜視図である。
【0048】

本発明の化学機械的研磨装置(300)は、研磨パッド(60)と、前記研磨パッドが固定される定盤(70)を含み、前記研磨パッドは、前記定盤に前記本発明の研磨パッド接着用両面接着テープ(未記載)を使用して固定されたことを特徴とする。
【0049】
本発明の化学機械的研磨装置(300)は、前記研磨パッド接着用両面接着テープと前記定盤(70)の間に気泡が存在しないことを特徴とする。したがって、本発明の化学機械的研磨装置(300)は、研磨パッド(60)の上部面の平坦性に優れて均一な研磨性能を発揮し、研磨パッド(60)が定盤(70)に強く接着されるので、研磨パッドの使用寿命を向上させる効果を提供する。
【0050】
前記化学機械的研磨装置(300)において、両面接着テープの第1の粘着層(10)には研磨パッド(60)の下部面が接着され、前記両面接着テープの第2の粘着層(40)には定盤(70)の上部面が接着されてもよい。
【0051】
前記化学機械的研磨装置(300)は、前述した特徴的な構成に加えて、研磨ヘッド(80)、コンディショナー(90)、研磨スラリー供給ノズル(94)などをさらに備えてもよい。また、前述した構成以外に、この分野に公知の化学機械的研磨装置に備えられる他の構成要件を制限なく含んでもよい。
【0052】
以下、本発明を実施例および比較例を用いて詳細に説明する。しかしながら、本発明による実施例は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下で詳しく説明する実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。
【0053】
実施例1:研磨パッド接着用両面接着テープの製造
厚さ50μmのPET接着テープ基材の上部面にアクリル系粘着剤を使用して 厚さ55μmの第1の粘着層を積層し、前記第1の粘着層の上部面に厚さ25μmのPET離型フィルムを積層した。
【0054】
次に、前記接着テープ基材の下部面を上向きにし、ゴム系粘着剤を使用して厚さ40μmの第2の粘着層を積層し、突出ラインで形成された四角形パターン(図3、52)が一面に形成された成形シートおよび前記成形シートの他面に基材フィルムが接合された気泡排出パターン成形シートを準備し、前記四角形パターンが前記第2の粘着層に陥入されるように積層して、研磨パッド接着用両面接着テープを製造した。
【0055】
前記成形シート層フィルムは、厚さが75μmのPET基材フィルム上にポリエチレン樹脂を35μmの厚さで塗布し、前記ポリエチレン樹脂が硬化する前に上部面を成形ローラーで加圧し、突出ラインで形成された四角形パターン(図3、52)を形成した後、硬化させて製造した。
【0056】
比較例1:研磨パッド接着用両面接着テープの製造
実施例1と同様に、上部離型フィルム層、第1の粘着層、接着テープ基材、第2の粘着層を積層した。
【0057】
前記第2の粘着層の下部面に厚さ25μmのPET離型フィルムを積層して研磨パッド接着用両面接着テープを製造した。
【0058】
試験例1:気泡除去能力の評価
前記実施例1で製造した研磨パッド接着用両面接着テープから気泡排出パターン成形シートを除去し、第2の粘着層の下部面をアクリル定盤に接着し、加圧して気泡を除去した。
【0059】
一方、前記比較例1で製造した研磨パッド接着用両面接着テープの第2の粘着層から離型フィルムを除去し、第2の粘着層の下部面をアクリル定盤に接着し、加圧して気泡を除去した。
【0060】
前記実験結果を図9に示した。図9で確認できるように、本発明の研磨パッド接着用両面接着テープを接着した実施例1では、加圧による気泡除去後に気泡が全く残留しなかったが、気泡排出パターン成形シートを備えていない従来の両面接着テープを使用した比較例1では、加圧による気泡除去後も除去されない気泡が多数存在した。
【0061】
試験例2: 粘着力とせん断力の評価
前記試験例1と同じ方法でアクリル定盤に接着した実施例1および比較例1の研磨パッド接着用両面接着テープのサンプルを用いて、粘着力とせん断力を測定した。
【0062】
前記粘着力は引張強度試験機(UTM)を用いて測定し、せん断力は引張強度試験機(UTM)を用いて測定しており、前記測定結果を下記表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】
(注)Permanent side::当該両面接着テープがパッド(Bottom)と貼付される面Removal side:当該両面接着テープがCMP Platenと貼付される面(=エンボス適用面)
前記表1から、実施例1の研磨パッド接着用両面接着テープは、第2の粘着面に気泡排出パターンを含むにもかかわらず、粘着力およびせん断力が比較例1と同等レベルであることが確認され、また、使用に適したレベルであることが確認された。
【0065】
試験例3: 粘着剤残渣発生の評価
前記試験例1と同じ方法でアクリル定盤に接着した実施例1の研磨パッド接着用両面接着テープのサンプルを用いて、粘着剤残渣の発生程度を評価した。
【0066】
具体的には、前記研磨パッド接着用両面接着テープのアクリル定盤への接着後、10時間経過した時点で前記両面接着テープを除去し、残渣の残留の有無を確認した。
【0067】
前記実験の結果、前記両面接着テープを除去する際、定盤上に残渣が残留しないことが確認された。
【0068】
試験例4:側面液浸透の有無と液浸透後の粘着力の評価
(1) 側面液浸透試験
前記試験例1と同じ方法でアクリル定盤に接着した実施例1の研磨パッド接着用両面接着テープのサンプルを用いて、側面液浸透試験を行った。
【0069】
具体的には、前記アクリル定盤に接着された研磨パッド接着用両面接着テープのエッジ部分にインクを供給し、10時間維持した後、インクの浸透の有無を確認した。前記試験の結果、図10に示すように、研磨パッド接着用両面接着テープのエッジ部分へのインクの浸透は見られなかった。
【0070】
(2) 液浸透誘発後の粘着力の評価
前記試験例1と同じ方法でアクリル定盤に接着させた実施例1および比較例1の研磨パッド接着用両面接着テープのサンプルを製造して使用した。
【0071】
図11に示すように、前記各研磨パッド接着用両面接着テープのサンプルのエッジ部分に水を供給し、10時間維持した後、引張強度試験機(UTM)を使用して粘着力を測定し、その結果を図11に示した。
【0072】
図11の表から、実施例1の研磨パッド接着用両面接着テープは、第2の粘着面に気泡排出パターンを含むにもかかわらず、液浸透後の粘着力が比較例1と同等レベルであることが確認された。
【0073】
本発明を前述した好ましい実施態様に関連して説明したが、本発明の要旨と範囲からはずれることなく、様々な修正や変形が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の要旨に属する限り、このような修正や変形を含むものとする。
【符号の説明】
【0074】
10 上部離型フィルム層 20 第1の粘着層
30 接着テープ基材 40 第2の粘着層
42 気泡排出パターン 50 気泡排出パターン成形シート層
52 突出ラインで形成されたパターン 54 成形シート
55 基材フィルム 60 研磨パッド
70 定盤 80 研磨ヘッド
82 ウェーハ 92 コンディショナー
94 研磨スラリー供給ノズル 100、200: 研磨パッド接着用両面接着テープ
300 化学機械的研磨装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】