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特表2024-545266アップグレード方法、装置、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】アップグレード方法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20241128BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536258
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2021138910
(87)【国際公開番号】W WO2023108566
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】蒋 ▲海▼▲鷹▼
(72)【発明者】
【氏名】王 勇
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲錚▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲東▼▲寧▼
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA44
5B376CA48
5B376GA03
(57)【要約】
アップグレード方法、装置、およびシステムが提供され、インターネット・オブ・ビークル技術の分野に関する。本方法は、端末デバイスの状況情報を得るステップであって、状況情報が、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、第1のユーザが端末デバイスの所有者であり、第2のユーザが端末デバイスの許可済みユーザである、ステップと、状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップとを含む。本方法は、マルチユーザシナリオで端末デバイスのOTAアップグレードプロセスを柔軟に実施するのに役立ち、それぞれのユーザの使用体験を確かなものにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アップグレード方法であって、前記方法は、
端末デバイスの状況情報を得るステップであって、前記状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、前記第1のユーザが前記端末デバイスの所有者であり、前記第2のユーザが前記端末デバイスの許可済みユーザである、ステップと、
前記状況情報に基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記端末デバイスの前記状況情報を得る方式は、以下:
前記端末デバイスの使用管理情報に基づいて前記状況情報を得ること、
前記端末デバイスから第1の指示情報を受信することであって、前記第1の指示情報が、前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を指示する、受信すること、または
前記第1のユーザから第2の指示情報を受信することであって、前記第2の指示情報が、前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を指示する、受信すること
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のユーザの前記識別結果は、前記第1のユーザが前記端末デバイス内に存在すること、または前記第1のユーザが前記端末デバイスの既定位置に存在することを含み、前記状況情報に基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行する前記ステップは、
前記端末デバイスへ前記端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するステップ
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のユーザの前記識別結果は、前記第1のユーザが前記端末デバイス内に存在しないこと、または前記第1のユーザが前記端末デバイス内に存在し、前記第1のユーザが前記端末デバイスの既定位置にいないことを含み、前記状況情報に基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行する前記ステップは、
前記第1のユーザへ前記端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するステップ
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のユーザの前記識別結果は、前記第2のユーザが前記端末デバイス内に存在することを含み、前記状況情報に基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行する前記ステップは、
前記第1のユーザまたは前記端末デバイスへ前記端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するステップ
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記端末デバイスへ第3の指示情報を送信するステップであって、前記第3の指示情報が、前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を指示する、ステップ
をさらに含む、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
OTAサーバから端末デバイスのアップグレード操作情報を受信するステップと、
前記端末デバイスの状況情報を得るステップであって、前記状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、前記第1のユーザが前記端末デバイスの所有者であり、前記第2のユーザが前記端末デバイスの許可済みユーザである、ステップと、
前記状況情報と前記アップグレード操作情報とに基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップと
を含む、アップグレード方法。
【請求項8】
前記端末デバイスの前記状況情報を得る方式は、以下:
前記OTAサーバから第1の指示情報を受信することであって、前記第1の指示情報が、前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を指示する、受信すること、
前記端末デバイスの使用管理情報に基づいて前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を得ること、
前記端末デバイスの検知結果に基づいて前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を得ること、または
前記端末デバイスによって受信される入力情報に基づいて前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を得ること
のうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のユーザの前記識別結果は、前記第1のユーザが前記端末デバイス内に存在すること、または前記第1のユーザが前記端末デバイスの既定位置に存在することを含み、前記状況情報と前記アップグレード操作情報とに基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行する前記ステップは、
前記端末デバイス内の前記第1のユーザに関連付けられた第1のデバイスへ第2の指示情報を送信するステップであって、前記第2の指示情報が、前記第1のデバイス上で前記アップグレード操作情報を出力することを指示する、ステップ
を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記端末デバイス内の前記第1のユーザに関連付けられた第1のデバイスへ第2の指示情報を送信する前記ステップは、
前記端末デバイス内の第2のデバイスを経由して前記第1のデバイスへ前記第2の指示情報を送信するステップ
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のユーザの前記識別結果は、前記第1のユーザが前記端末デバイス内に存在しないこと、または前記第1のユーザが前記端末デバイス内に存在し、前記第1のユーザが前記端末デバイスの既定位置にいないことを含み、前記状況情報と前記アップグレード操作情報とに基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行する前記ステップは、
前記第1のユーザへ前記アップグレード操作情報を送信するステップ
を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のユーザの前記識別結果は、前記第2のユーザが前記端末内に存在することを含み、前記状況情報と前記アップグレード操作情報とに基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行する前記ステップは、
前記第1のユーザまたは前記端末デバイスへ前記アップグレード操作情報を送信するステップ
を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項13】
第1のヒューマンマシンインターフェースHMIに適用されるアップグレード方法であって、前記方法は、
アップグレード操作情報を受信するステップと、
前記アップグレード操作情報を出力するステップと、
前記アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るステップであって、前記入力情報が、前記アップグレード操作情報を出力することを第2のHMIに許可するために使用される、ステップと、
前記入力情報に基づいて出力制御情報を送信するステップであって、前記出力制御情報が、前記第2のHMI上で前記アップグレード操作情報を出力することを指示する、ステップと
を含む、アップグレード方法。
【請求項14】
第1のユーザのインテリジェント端末に適用されるアップグレード方法であって、前記第1のユーザは端末デバイスの所有者であり、前記方法は、
OTAサーバまたは前記端末デバイスからアップグレード操作情報を受信するステップと、
前記アップグレード操作情報を出力するステップと、
前記アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るステップであって、前記入力情報が、前記端末デバイスのアップグレード操作を実行することを前記インテリジェント端末以外の別のデバイスに許可するために使用される、ステップと、
前記入力情報に基づいて前記OTAサーバまたは前記端末デバイスへ操作制御情報を送信するステップであって、前記操作制御情報が、前記端末デバイスの前記アップグレード操作を実行することを前記別のデバイスに指示する、ステップと
を含む、アップグレード方法。
【請求項15】
端末デバイスの状況情報を得るように構成された取得ユニットであって、前記状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、前記第1のユーザが前記端末デバイスの所有者であり、前記第2のユーザが前記端末デバイスの許可済みユーザである、取得ユニットと、
前記状況情報に基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行するように構成されたアップグレード制御ユニットと
を備える、通信装置。
【請求項16】
前記取得ユニットによって前記端末デバイスの前記状況情報を得る方式は、以下:
前記端末デバイスの使用管理情報に基づいて前記状況情報を得ること、
通信ユニットを使用して前記端末デバイスから第1の指示情報を受信することであって、前記第1の指示情報が、前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を指示する、受信すること、または
通信ユニットを使用して前記第1のユーザから第2の指示情報を受信することであって、前記第2の指示情報が、前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を指示する、受信すること
のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のユーザの前記識別結果は、前記第1のユーザが前記端末デバイス内に存在すること、または前記第1のユーザが前記端末デバイスの既定位置に存在することを含み、前記アップグレード制御ユニットは、
前記通信ユニットを使用して前記端末デバイスへ前記端末デバイスのアップグレード操作情報を送信する
ように構成される、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
OTAサーバから端末デバイスのアップグレード操作情報を受信するように構成された通信ユニットと、
前記端末デバイスの状況情報を得るように構成された取得ユニットであって、前記状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、前記第1のユーザが前記端末デバイスの所有者であり、前記第2のユーザが前記端末デバイスの許可済みユーザである、取得ユニットと、
前記状況情報と前記アップグレード操作情報とに基づいて前記端末デバイスのアップグレード操作を実行するように構成されたアップグレード制御ユニットと
を備える、通信装置。
【請求項19】
前記取得ユニットによって前記端末デバイスの前記状況情報を得る方式は、以下:
前記OTAサーバから第1の指示情報を受信することであって、前記第1の指示情報が、前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を指示する、受信すること、
前記端末デバイスの使用管理情報に基づいて前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を得ること、
前記端末デバイスの検知結果に基づいて前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を得ること、または
前記端末デバイスによって受信される入力情報に基づいて前記第1のユーザの前記識別結果および/または前記第2のユーザの前記識別結果を得ること
のうちの1つ以上を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のユーザの前記識別結果は、前記第1のユーザが前記端末デバイス内に存在すること、または前記第1のユーザが前記端末デバイスの既定位置に存在することを含み、前記アップグレード制御ユニットは、
前記通信ユニットを使用して、前記端末デバイス内の前記第1のユーザに関連付けられた第1のデバイスへ第2の指示情報を送信することであって、前記第2の指示情報が、前記第1のデバイス上で前記アップグレード操作情報を出力することを指示する、送信する
ように構成される、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
前記通信ユニットを使用して、前記端末デバイス内の前記第1のユーザに関連付けられた第1のデバイスへ第2の指示情報を前記送信することは、
前記通信ユニットを使用して、前記端末デバイス内の第2のデバイスを経由して前記第1のデバイスへ前記第2の指示情報を送信すること
を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
ヒューマンマシンインターフェースHMIであって、
アップグレード操作情報を受信するように構成された通信ユニットと、
前記アップグレード操作情報を出力するように構成された出力ユニットと、
前記アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るように構成された入力ユニットであって、前記入力情報が、前記アップグレード操作情報を出力することを第2のHMIに許可するために使用される、入力ユニットと
を備え、
前記通信ユニットは、前記入力情報に基づいて出力制御情報を送信するようにさらに構成され、前記出力制御情報が、前記第2のHMI上で前記アップグレード操作情報を出力することを指示する、
ヒューマンマシンインターフェースHMI。
【請求項23】
インテリジェント端末であって、
OTAサーバまたは第1のユーザから端末デバイスのアップグレード操作情報を受信するように構成された通信ユニットであって、前記第1のユーザが前記端末デバイスの所有者である、通信ユニットと、
前記アップグレード操作情報を出力するように構成された出力ユニットと、
前記アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るように構成された入力ユニットであって、前記入力情報が、前記端末デバイスのアップグレード操作を実行することを前記インテリジェント端末以外の別のデバイスに許可するために使用される、入力ユニットと
を備え、
前記通信ユニットは、前記入力情報に基づいて前記OTAサーバまたは前記端末デバイスへ操作制御情報を送信するようにさらに構成され、前記操作制御情報が、前記端末デバイスの前記アップグレード操作を実行することを前記別のデバイスに指示する、
インテリジェント端末。
【請求項24】
通信装置であって、前記通信装置は、
別の装置と通信するように構成された通信インターフェースと、
前記通信インターフェースに結合されたプロセッサと
を備え、
これにより前記通信装置は、請求項1から6もしくは請求項7から12のいずれか一項に記載の、または請求項13もしくは14に記載の方法を実行する、
通信装置。
【請求項25】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを格納し、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から6もしくは請求項7から12のいずれか一項に記載の、または請求項13もしくは14に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品はコンピュータプログラムを備え、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から6もしくは請求項7から12のいずれか一項に記載の、または請求項13もしくは14に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータプログラム製品。
【請求項27】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、メモリに結合され、前記メモリに格納されたコンピュータプログラムまたは命令を実行するように構成され、前記コンピュータプログラムまたは前記命令が実行されると、請求項1から6もしくは請求項7から12のいずれか一項に記載の、または請求項13もしくは14に記載の方法が実施される、チップ。
【請求項28】
請求項7から12のいずれか一項に記載の、または請求項14に記載の方法を実施するように構成されたOTA制御ユニットを備える、車両。
【請求項29】
前記車両のアップグレード操作情報を出力するように、かつ/または前記アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るように構成されたHMIを備える、請求項28に記載の車両。
【請求項30】
以下の通信装置:
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成された通信装置、
請求項7から12のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成された通信装置、
請求項13に記載の方法を実施するように構成された通信装置、または
請求項14に記載の方法を実施するように構成された通信装置
のうちの1つ以上を備える、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、インターネット・オブ・ビークル技術の分野に関し、特に、アップグレード方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両産業の絶え間ない発展にともない、車両はますます電化され、インテリジェントになり、ネットワーク化され、共有されるようになっているため、車両のソフトウェア機能はますます複雑になっている。車両のソフトウェアは車両のハードウェアより速く更新される。
【0003】
現在、オーバー・ジ・エア(Over-the-Air Technology、OTA)技術を用いて車両のソフトウェアに対してアップグレード操作を遠隔無線方式で実行することが、インテリジェントコネクテッドビークルの必須機能になっている。車両のソフトウェアに対してアップグレード操作を実行する手順は通常、車両所有者(すなわち、車両の所有者)以外の他のユーザを考慮せずに車両所有者によって実施される。他のユーザは、車両のソフトウェアに対してアップグレード操作を実行する権限を持っておらず、またはアップグレード操作情報をどのように処理すればいいかを知らない。これは、他のユーザの運転体験に影響を及ぼし、安全上の大きなリスクももたらす。
【0004】
したがって、マルチユーザシナリオでインテリジェントコネクテッドビークルのOTAをどのように実施するかが今なお、緊急に解決するべき重要な問題となっている。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、マルチユーザシナリオでインテリジェントコネクテッドビークルのOTAアップグレードを柔軟に実施し、車両ユーザの運転体験を確かなものにし、運転の安全性を向上させるのに役立つアップグレード方法、装置、およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によると、本出願の一実施形態はアップグレード方法を提供する。本方法は、OTAサーバによって実行されてよい。OTAサーバは、通信装置として実装されてよい。この通信装置は、独立したデバイスであってよく、またはデバイス内のチップまたはコンポーネントであってもよく、またはソフトウェアであってもよく、クラウド、路側デバイス、リモートサーバ、ローカルサーバなどに配備されてよい。OTAサーバの製品形態および配備方式は、本出願で限定されない。
【0007】
本アップグレード方法は、端末デバイスの状況情報を得るステップであって、状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、第1のユーザが端末デバイスの所有者であり、第2のユーザが端末デバイスの許可済みユーザである、ステップと、状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップとを含み得る。
【0008】
前述の方法によると、マルチユーザシナリオでインテリジェントコネクテッドビークルのOTAを実施し、それぞれのユーザによる端末デバイスの使用体験を確かなものにするために、OTAサーバは、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果に基づいて、OTA内容を判断すること、OTAアップグレードパッケージをダウンロードすること、OTAアップグレードパッケージをインストールすること、OTAアップグレードパッケージをアクティブにすることなどを含み、ただしこれらに限定されない、端末デバイスのアップグレード操作を柔軟に実行できる。
【0009】
例えば、端末デバイスは車両であってよく、第1のユーザは車両の車両所有者であってよく、第2のユーザは車両所有者以外の車両の許可済みユーザである。本出願のこの実施形態のアップグレード方法によると、車両のOTAアップグレードプロセスを実施するために、OTAサーバは、車両所有者の識別結果および/または許可済みユーザの識別結果に基づいて端末デバイスのOTAアップグレードプロセスの具体的な実施方針を柔軟に判断でき、例えば、端末デバイスのアップグレード操作情報をどのように配信するかを判断できる。マルチユーザシナリオで車両のOTAが実施され、車両の各ユーザの運転体験が確かなものとなり、運転の安全性が向上する。
【0010】
本出願のこの実施形態において、端末デバイスの所有者が個人ユーザではなく企業ユーザである場合に、第1のユーザが、企業ユーザによって指定された特定のユーザとして、例えば管理ユーザとして、理解されてもよく、第2のユーザが、企業ユーザによって指定された管理ユーザ以外の許可済みユーザとして理解されてよいことは理解されよう。
【0011】
第1の態様を参照し、可能な一実装において、端末デバイスの状況情報を得る方式は、以下:端末デバイスの使用管理情報に基づいて状況情報を得ること、端末デバイスから第1の指示情報を受信することであって、第1の指示情報が、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示する、受信すること、または第1のユーザから第2の指示情報を受信することであって、第2の指示情報が、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示する、受信することのうちの1つ以上を含む。
【0012】
前述の方法によると、端末デバイスのOTAアップグレードプロセスの具体的な実施方針を判断するのに役立てるために、OTAサーバは、端末デバイスの状況情報を複数の方式で柔軟に得て、様々なケースを可能な限り総合的に考慮することができる。
【0013】
一般的に、端末デバイスの所有者は、端末デバイスを処分する全ての権利を持ち、端末デバイスのOTAアップグレードプロセスをどのように実施するべきかを最も熟知している。本出願のこの実施形態では、端末デバイスのアップグレード操作の円滑な実施を保証するために、OTAサーバは、第1のユーザと端末デバイスとの関連関係に基づいて、端末デバイスに対してアップグレード操作をどのように実行するかを判断できる。本出願のこの実施形態は、以下の例を含み得る。
【0014】
一例では、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを含み得、状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップは、端末デバイスへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するステップを含む。このようにして、端末デバイスのOTAアップグレードプロセスの円滑な実施を完了するために、端末デバイス内にいる、または端末デバイスの既定位置にいる、第1のユーザは、端末デバイスによって受信されるアップグレード操作情報に基づいて後続の関連処理を実行できる。
【0015】
本出願のこの実施形態において、端末デバイスの既定位置を様々なシナリオで様々に理解できることに留意されたい。例えば、端末デバイスがインターネット・オブ・ビークル・シナリオの車両であるなら、端末デバイスの既定位置は、端末デバイス内の既定位置であり得、例えば運転者位置であり得る。モバイル・サービス・シナリオ(遠隔運転シナリオを含む)では、端末デバイスの既定位置は、端末デバイスに関連付けられた外の位置であり得、例えば、端末デバイスを遠隔的に制御または監視できる端末デバイス外の位置であり得る。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0016】
別の例では、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在しないこと、または第1のユーザが端末デバイス内に存在し、第1のユーザが端末デバイスの既定位置にいないことを含み得、状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップは、第1のユーザへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するステップを含む。
【0017】
したがって、第1のユーザが端末デバイス内にいない場合、または端末デバイスの既定位置にいない場合、OTAサーバは、第1のユーザへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信できるので、第1のユーザがアップグレード操作情報を処理する。このようにして、端末デバイスの他のユーザは、端末デバイスのアップグレード操作情報をどのように処理するかを知る必要がなく、この情報を処理する権限を持つ必要がなく、細心の注意を払って端末デバイスを使用できる。これにより、他のユーザの使用体験が確かなものになる。
【0018】
別の例では、第2のユーザの識別結果は、第2のユーザが端末デバイス内に存在することを含み得、状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップは、第1のユーザまたは端末デバイスへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するステップを含む。
【0019】
したがって、第1のユーザが端末デバイスを使用することを第2のユーザに許可する場合は、第2のユーザの使用体験と端末デバイスのOTAアップグレードプロセスの円滑な実施を保証するために、端末デバイスのOTAアップグレードプロセスを実施する必要があるときに、OTAサーバは、第1のユーザまたは端末デバイスが端末デバイスのアップグレード操作情報の受信側であると判断でき、端末デバイスの他のユーザが端末デバイスのアップグレード操作情報をどのように処理するかを知る必要がないようにし、この情報を処理するための権限を持つ必要がないようにし、かつ細心の注意を払って端末デバイスを使用できるようにするために、第1のユーザが端末デバイスのOTAアップグレードプロセスを可能な限り制御する。これにより、他のユーザの使用体験が確かなものになる。
【0020】
本出願のこの実施形態において、第1のユーザが端末デバイスのアップグレード操作情報を処理する権限を第2のユーザに許可することもできることに留意されたい。相応に、判断を行うときに、OTAサーバは、第2のユーザに対する第1のユーザの許可情報に基づいてアップグレード操作情報の受信側の1人として第2のユーザを使用することもできるので、第2のユーザは、第2のユーザとのやり取りを通じて端末デバイスのアップグレード操作を実行する。
【0021】
第1の態様を参照し、可能な一実装において、本アップグレード方法は、端末デバイスへ第3の指示情報を送信するステップであって、第3の指示情報が、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示する、ステップをさらに含み得る。
【0022】
前述の方法によると、OTAサーバは、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示するために端末デバイスへ第3の指示情報をさらに送信できるので、端末デバイスは、識別結果に基づいて端末デバイスのアップグレード操作をどのように実施するかを判断することもできる。例えば、端末デバイスはアップグレード操作情報を出力でき、端末デバイス側の対応するユーザは、アップグレード操作情報に基づいて端末デバイスのOTAアップグレードプロセスを実施する。あるいは、端末デバイスは第1のユーザへアップグレード操作情報を送信でき、第1のユーザがアップグレード操作情報に基づいて端末デバイスのOTAアップグレードプロセスを実施する。あるいは、第1のユーザから許可を得た後に、端末デバイスは第2のユーザへアップグレード操作情報を送信でき、第2のユーザがアップグレード操作情報に基づいて端末デバイスのOTAアップグレードプロセスを実施する。したがって、それぞれのユーザの使用体験を確かなものにするために、端末デバイスは、様々なケースに応じてOTAアップグレード操作を柔軟に実行できる。
【0023】
第2の態様によると、本出願の一実施形態はアップグレード方法を提供する。本方法は、OTA制御ユニットによって実行されてよい。OTA制御ユニットは、通信装置として実装されてよい。通信装置は、独立したデバイスであってよく、またはデバイス内のチップまたはコンポーネントであってもよく、またはソフトウェアであってもよい。通信装置は、端末デバイス内に構成されてよい。例えば、通信装置は、アプリケーションであってよく、端末デバイスのチップもしくはコンポーネントで、または端末デバイス内の携帯電話もしくはタブレットコンピュータのようなインテリジェントデバイスで、インストールまたは実行されてよい。あるいは、通信装置はソフトウェアモジュールであってもよく、端末デバイスの各電子制御ユニット(electronic control unit、ECU)に配備されてよい。あるいは、通信装置は、端末デバイスに新たに加えられるハードウェアモジュールであってもよい。このハードウェアモジュール内で関連する判断ロジックまたはアルゴリズムが構成されてよく、このハードウェアモジュールは、本出願のこの実施形態のアップグレード方法を実施するために、端末デバイス内のECUとして機能して、内部通信ネットワークを通じて別のECUへ情報を転送することができる。OTA制御ユニットの製品形態や配備方式などは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0024】
任意選択の一実装では、端末デバイスは車両であってよい。OTA制御ユニットに対応する通信装置は、テレマティクス制御ユニット(Telematics Control Unit、TCU)とも呼ばれるインターネット・オブ・ビークル・インテリジェント端末(Telematics BOX、T-BOX)であってよく、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)、外部通信インターフェース、ECU、マイクロコントローラ、モバイル通信ユニット、およびメモリなどの機能モジュールを統合したものであってもよい。T-BOXは、車載バス(すなわち、端末デバイスの内部通信ネットワーク、例えばCANバス)に内部的に接続されてよく、対外的には、クラウドプラットフォームを使用することによって、車両端末、ハンドヘルドデバイス、路側ユニット(Roadside Unit、RSU)、およびV2V、V2R、V2H、V2Sなどを使用して通信を実施する公衆ネットワーク間で情報交換を実施できる。
【0025】
本アップグレード方法は、OTAサーバから端末デバイスのアップグレード操作情報を受信するステップと、端末デバイスの状況情報を得るステップであって、状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、第1のユーザが端末デバイスの所有者であり、第2のユーザが端末デバイスの許可済みユーザである、ステップと、状況情報とアップグレード操作情報とに基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップとを含み得る。
【0026】
前述の方法によると、端末デバイスのOTAアップグレード操作を柔軟に実行し、マルチユーザシナリオでインテリジェントコネクテッドビークルのOTAを実施するために、アップグレード操作情報を受信した後に、OTA制御ユニットは、端末デバイスの状況情報に基づいて、アップグレード操作情報をどのように処理するかを判断できる。例えば、端末デバイスが車両である場合、第1のユーザは車両の車両所有者であり、第2のユーザは車両所有者以外の車両の許可済みユーザである。本出願のこの実施形態のアップグレード方法によると、車両のOTAアップグレードプロセスを実施するために、OTA制御ユニットは、車両所有者の識別結果および/または許可済みユーザの識別結果に基づいて端末デバイスのOTAアップグレードプロセスの具体的な実施方針を柔軟に判断でき、例えば、端末デバイスのアップグレード操作情報をどのように出力するかを判断できる。マルチユーザシナリオで車両のOTAを実施でき、車両の各ユーザの運転体験を確かなものにでき、運転の安全性が向上する。
【0027】
第2の態様を参照し、可能な一実装において、端末デバイスの状況情報を得る方式は、以下:OTAサーバから第1の指示情報を受信することであって、第1の指示情報が、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示する、受信すること、端末デバイスの使用管理情報に基づいて第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を得ること、端末デバイスの検知結果に基づいて第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を得ること、または端末デバイスによって受信される入力情報に基づいて第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を得ることのうちの1つ以上を含む。
【0028】
前述の方法によると、端末デバイスのOTAアップグレードプロセスの具体的な実施方針を判断するのに役立てるために、OTA制御ユニットは、端末デバイスの状況情報を複数の方式で柔軟に得て、様々なケースを可能な限り総合的に考慮することができる。
【0029】
一般的に、端末デバイスの所有者は、端末デバイスを処分する全ての権利を持ち、端末デバイスのOTAアップグレードプロセスをどのように実施するべきかを最も熟知している。本出願のこの実施形態では、端末デバイスのアップグレード操作の円滑な実施を保証するために、OTA制御ユニットは、第1のユーザと端末デバイスとの関連関係に基づいて、端末デバイスに対してアップグレード操作をどのように実行するかを判断できる。本出願のこの実施形態は、以下の例を含み得る。
【0030】
一例では、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを含み得、状況情報とアップグレード操作情報とに基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップは、端末デバイス内の第1のユーザに関連付けられた第1のデバイスへ第2の指示情報を送信するステップであって、第2の指示情報が、第1のデバイス上でアップグレード操作情報を出力することを指示する、ステップを含む。可能な一実装では、端末デバイス内の第1のユーザに関連付けられた第1のデバイスへ第2の指示情報を送信するステップは、端末デバイス内の第2のデバイスを経由して第1のデバイスへ第2の指示情報を送信するステップを含む。このようにして、端末デバイスのOTAアップグレードプロセスの円滑な実施を完了するために、端末デバイス内にいる、または端末デバイスの既定位置にいる、第1のユーザは、端末デバイスによって受信されるアップグレード操作情報に基づいて後続の関連処理を実行できる。端末デバイスの既定位置の関連説明については、前述の関連説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0031】
別の例では、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在しないこと、または第1のユーザが端末デバイス内に存在し、第1のユーザが端末デバイスの既定位置にいないことを含み得、状況情報とアップグレード操作情報とに基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップは、第1のユーザへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するステップを含む。
【0032】
したがって、第1のユーザが端末デバイス内に存在しない場合、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在しない場合、OTA制御ユニットは、第1のユーザへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信できるので、第1のユーザがアップグレード操作情報を処理する。このようにして、端末デバイスの他のユーザは、端末デバイスのアップグレード操作情報をどのように処理するかを知る必要がなく、この情報を処理する権限を持つ必要がなく、細心の注意を払って端末デバイスを使用できる。これにより、他のユーザの使用体験が確かなものになる。
【0033】
別の例では、第2のユーザの識別結果は、第2のユーザが端末内に存在することを含み得、状況情報とアップグレード操作情報とに基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するステップは、第1のユーザまたは端末デバイスへアップグレード操作情報を送信するステップを含む。
【0034】
したがって、第1のユーザが端末デバイスを使用することを第2のユーザに許可する場合は、第2のユーザの使用体験と端末デバイスのOTAアップグレードプロセスの円滑な実施を保証するために、端末デバイスのOTAアップグレードプロセスを実施する必要があるときに、OTA制御ユニットは、第1のユーザまたは端末デバイスが端末デバイスのアップグレード操作情報の受信側であると判断でき、端末デバイスの他のユーザが端末デバイスのアップグレード操作情報をどのように処理するかを知る必要がないようにし、この情報を処理するための権限を持つ必要がないようにし、かつ細心の注意を払って端末デバイスを使用できるようにするために、第1のユーザが端末デバイスのOTAアップグレードプロセスを可能な限り制御する。これにより、他のユーザの使用体験が確かなものになる。
【0035】
本出願のこの実施形態において、第1のユーザが端末デバイスのアップグレード操作情報を処理する権限を第2のユーザに許可することもできることに留意されたい。相応に、判断を行うときに、OTA制御ユニットは、第2のユーザに対する第1のユーザの許可情報に基づいてアップグレード操作情報の受信側の1人として第2のユーザを使用することもできるので、第2のユーザは、第2のユーザとのやり取りを通じて端末デバイスのアップグレード操作を実行する。
【0036】
第3の態様によると、本出願の一実施形態はアップグレード方法を提供する。本方法は、第1のヒューマンマシンインターフェース(Human Machine Interface、HMI)に適用でき、第1のHMIは、例えば、端末デバイスのHMIであってよく、本方法は、アップグレード操作情報を受信するステップと、アップグレード操作情報を出力するステップと、アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るステップであって、入力情報が、アップグレード操作情報を出力することを第2のHMIに許可するために使用される、ステップと、入力情報に基づいて出力制御情報を送信するステップであって、出力制御情報が、第2のHMI上でアップグレード操作情報を出力することを指示する、ステップとを含み得る。
【0037】
前述の方法によると、端末デバイスの第1のHMIは、アップグレード操作情報を出力し、アップグレード操作情報に応じて入力情報を受信して、入力情報に基づいて出力制御情報を送信できるので、アップグレード操作情報は第2のHMI上で出力され、第2のHMI側のユーザが端末デバイスのアップグレード操作を実行する。
【0038】
本出願のこの実施形態において、具体的な実施時に、第1のHMIが入出力機能のみを有し得ることは理解されよう。一例では、出力制御情報はアップグレード操作情報であってよく、第1のHMIが入力情報に基づいて出力制御情報を送信することは、例えば、第1のHMIが端末デバイスのOTA制御ユニットを経由して第2のHMIへアップグレード操作情報を送信することであってよい。別の例では、出力制御情報は、第2のHMI上でアップグレード操作情報を出力することを指示する制御情報である。第1のHMIが入力情報に基づいて出力制御情報を送信することは、例えば、第1のHMIが端末デバイスのOTA制御ユニットを経由して第2のHMIへ出力制御情報を送信することであってよい。あるいは、別の実施形態では、第1のHMIは、アップグレード操作情報または出力制御情報を第2のHMIへ直接送信し、送信操作の関連情報を端末デバイスのOTA制御ユニットと同期させることができるので、OTA制御ユニットは、アップグレード操作情報または出力制御情報の経路を知ることができる。アップグレード操作情報または出力制御情報の送信方式は、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0039】
本出願のこの実施形態において、具体的な実施時に、端末デバイスの第1のHMIが、端末デバイス内のHMIであってよく、または端末デバイスに関連付けられた外部のHMIであってもよく、例えば、端末デバイスを遠隔的に制御または監視できる端末デバイス外のHMIであってもよいことは理解されよう。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。同様に、第2のHMIは、端末デバイス内のHMIであってよく、または端末デバイスに関連付けられた外部のHMIであってもよい。例えば、第1のHMIは、端末デバイス内のHMIであってよく、第2のHMIは、端末デバイス内の第1のHMI以外のHMIである。あるいは、例えば、第1のHMIは、端末デバイス内のHMIであってよく、第2のHMIは、端末デバイスに関連付けられた外部のHMIである。別の例として、第1のHMIは、端末デバイスに関連付けられた外部のHMIであり、第2のHMIは、端末デバイス内のHMIである。別の例として、第1のHMIと第2のHMIの両方が端末デバイスに関連付けられた外部のHMIである。
【0040】
第4の態様によると、本出願の一実施形態はアップグレード方法を提供する。本方法は、第1のユーザのインテリジェント端末に適用でき、第1のユーザは端末デバイスの所有者であり、本方法は、OTAサーバまたは端末デバイスからアップグレード操作情報を受信するステップと、アップグレード操作情報を出力するステップと、アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るステップであって、入力情報が、端末デバイスのアップグレード操作を実行することをインテリジェント端末以外の別のデバイスに許可するために使用される、ステップと、入力情報に基づいてOTAサーバまたは端末デバイスへ操作制御情報を送信するステップであって、操作制御情報が、端末デバイスのアップグレード操作を実行することを別のデバイスに指示する、ステップとを含む。例えば、操作制御情報は、入力情報であってよく、または操作制御情報は、端末デバイスのアップグレード操作を実行することを別のデバイスに指示する制御情報であってもよい。
【0041】
前述の方法によると、端末デバイスのアップグレード操作を柔軟に実行するために、第1のユーザのインテリジェント端末は、アップグレード操作情報を出力し、アップグレード操作情報に応じて入力情報を受信して、OTAサーバまたは端末デバイスへ操作制御情報を送信できるので、OTAサーバまたは端末デバイスは、操作制御情報に基づいて判断を行い、端末デバイスのアップグレード操作情報の受信側を判断する。
【0042】
第5の態様によると、本出願の一実施形態は、端末デバイスの状況情報を得るように構成された取得ユニットであって、状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、第1のユーザが端末デバイスの所有者であり、第2のユーザが端末デバイスの許可済みユーザである、取得ユニットと、状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するように構成されたアップグレード制御ユニットとを含む、通信装置を提供する。
【0043】
第5の態様を参照し、可能な一実装において、取得ユニットによって端末デバイスの状況情報を得る方式は、以下:端末デバイスの使用管理情報に基づいて状況情報を得ること、通信ユニットを使用して端末デバイスから第1の指示情報を受信することであって、第1の指示情報が、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示する、受信すること、または通信ユニットを使用して第1のユーザから第2の指示情報を受信することであって、第2の指示情報が、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示する、受信することのうちの1つ以上を含む。
【0044】
第5の態様を参照し、可能な一実装において、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを含み、アップグレード制御ユニットは、通信ユニットを使用して端末デバイスへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するように構成される。
【0045】
第5の態様を参照し、可能な一実装において、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在しないこと、または第1のユーザが端末デバイス内に存在し、第1のユーザが端末デバイスの既定位置にいないことを含み、アップグレード制御ユニットは、通信ユニットを使用して第1のユーザへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するように構成される。
【0046】
第5の態様を参照し、可能な一実装において、第2のユーザの識別結果は、第2のユーザが端末デバイス内に存在することを含み、アップグレード制御ユニットは、通信ユニットを使用して第1のユーザまたは端末デバイスへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信するように構成される。
【0047】
第5の態様を参照し、可能な一実装において、アップグレード制御ユニットはさらに、通信ユニットを使用して端末デバイスへ第3の指示情報を送信ように構成され、第3の指示情報は、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示する。
【0048】
第6の態様によると、本出願の一実施形態は、OTAサーバから端末デバイスのアップグレード操作情報を受信するように構成された通信ユニットと、端末デバイスの状況情報を得るように構成された取得ユニットであって、状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、第1のユーザが端末デバイスの所有者であり、第2のユーザが端末デバイスの許可済みユーザである、取得ユニットと、状況情報とアップグレード操作情報とに基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するように構成されたアップグレード制御ユニットとを提供する。
【0049】
第6の態様を参照し、可能な一実装において、端末デバイスの状況情報を得る方式は、以下:OTAサーバから第1の指示情報を受信することであって、第1の指示情報が、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示する、受信すること、端末デバイスの使用管理情報に基づいて第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を得ること、端末デバイスの検知結果に基づいて第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を得ること、または端末デバイスによって受信される入力情報に基づいて第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を得ることのうちの1つ以上を含む。
【0050】
第6の態様を参照し、可能な一実装において、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを含み、アップグレード制御ユニットは、通信ユニットを使用して、端末デバイス内の第1のユーザに関連付けられた第1のデバイスへ第2の指示情報を送信することであって、第2の指示情報は、第1のデバイス上でアップグレード操作情報を出力することを指示する、送信するように構成される。
【0051】
第6の態様を参照し、可能な一実装において、通信ユニットを使用して、端末デバイス内の第1のユーザに関連付けられた第1のデバイスへ第2の指示情報を送信するステップは、通信ユニットを使用して、端末デバイス内の第2のデバイスを経由して第1のデバイスへ第2の指示情報を送信するステップを含む。
【0052】
第6の態様を参照し、可能な一実装において、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在しないこと、または第1のユーザが端末デバイス内に存在し、第1のユーザが端末デバイスの既定位置にいないことを含み、アップグレード制御ユニットは、通信ユニットを使用して第1のユーザへアップグレード操作情報を送信するように構成される。
【0053】
第6の態様を参照し、可能な一実装において、第2のユーザの識別結果は、第2のユーザが端末内に存在することを含み、アップグレード制御ユニットは、通信ユニットを使用して第1のユーザまたは端末デバイスへアップグレード操作情報を送信するように構成される。
【0054】
第7の態様によると、本出願の一実施形態はヒューマンマシンインターフェースHMIであって、アップグレード操作情報を受信するように構成された通信ユニットと、アップグレード操作情報を出力するように構成された出力ユニットと、アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るように構成された入力ユニットであって、入力情報が、アップグレード操作情報を出力することを第2のHMIに許可するために使用される、入力ユニットとを含む、ヒューマンマシンインターフェースHMIを提供する。通信ユニットはさらに、入力情報に基づいて出力制御情報を送信するように構成され、出力制御情報は、第2のHMI上でアップグレード操作情報を出力することを指示する。
【0055】
第8の態様によると、本出願の一実施形態はインテリジェント端末であって、OTAサーバまたは第1のユーザから端末デバイスのアップグレード操作情報を受信するように構成された通信ユニットであって、第1のユーザが端末デバイスの所有者である、通信ユニットと、アップグレード操作情報を出力するように構成された出力ユニットと、アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るように構成された入力ユニットであって、入力情報が、端末デバイスのアップグレード操作を実行することをインテリジェント端末以外の別のデバイスに許可するために使用される、入力ユニットとを含む、インテリジェント端末を提供する。通信ユニットはさらに、入力情報に基づいてOTAサーバまたは端末デバイスへ操作制御情報を送信ように構成され、操作制御情報は、端末デバイスのアップグレード操作を実行することを別のデバイスに指示する。例えば、操作制御情報は、入力情報であってよく、または操作制御情報は、端末デバイスのアップグレード操作を実行することを別のデバイスに指示する制御情報であってもよい。
【0056】
第9の態様によると、本出願の一実施形態は通信装置を提供する。本通信装置は、別の装置と通信するように構成された通信インターフェースと、通信インターフェースに結合されたプロセッサとを含み、これにより本通信装置は、第1の態様および第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行し、または第2の態様および第2の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行し、または第3の態様および第3の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行し、または第4の態様および第4の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行する。
【0057】
第10の態様によると、本出願の一実施形態はコンピュータ可読記憶媒体を提供する。本コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを格納し、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様および第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行すること、または第2の態様および第2の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行すること、または第3の態様および第3の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行すること、または第4の態様および第4の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0058】
第11の態様によると、本出願の一実施形態はコンピュータプログラム製品を提供する。本コンピュータプログラム製品はコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様および第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行すること、または第2の態様および第2の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行すること、または第3の態様および第3の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行すること、または第4の態様および第4の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0059】
第12の態様によると、本出願の一実施形態はプロセッサを含むチップを提供する。プロセッサは、メモリに結合され、メモリに格納されたコンピュータプログラムまたは命令を実行するように構成される。コンピュータプログラムまたは命令が実行されると、第1の態様および第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法が実施され、または第2の態様および第2の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法が実行され、または第3の態様および第3の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法が実行され、または第4の態様および第4の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法が実行される。
【0060】
第13の態様によると、本出願の一実施形態は端末デバイスを提供する。本端末デバイスは、第1の態様および第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実施するように、または第2の態様および第2の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行するように、または第3の態様および第3の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行するように、または第4の態様および第4の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行するように構成されてよい。例えば、端末デバイスは、インテリジェント輸送デバイス(例えば、自動車、船舶、無人航空機、列車、もしくはトラック)、インテリジェント製造デバイス(例えば、ロボット、産業用デバイス、インテリジェントロジスティクス、もしくはスマートファクトリ)、またはインテリジェント端末(例えば、携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、パームトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ヘッドセット、音響デバイス、ウェアラブルデバイス、または車載デバイス)を含むが、これらに限定されない。
【0061】
第14の態様によると、本出願の一実施形態は車両を提供する。本車両は、第2の態様および第2の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実施するように、または第4の態様および第4の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実施するように、構成されたOTA制御ユニットを含み得る。
【0062】
任意選択の一実装では、本車両はHMIを含み得る。HMIは、本車両のアップグレード操作情報を出力するように、および/またはアップグレード操作情報に応じて入力情報を得るように、構成されてよい。
【0063】
第15の態様によると、本出願の一実施形態は通信システムを提供する。本通信システムは、以下の通信装置:第1の態様および第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行する通信装置、第2の態様および第2の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行する通信装置、第3の態様および第3の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行する通信装置、または第4の態様および第4の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実行する通信装置のうちの1つ以上を含み得る。
【0064】
本出願のこの実施形態では、前述の態様による実装に基づいて、より多くの実装を提供するためにさらなる組み合わせを行うことができる。
【0065】
第5の態様から第15の態様のいずれか1つで達成できる技術的効果については、第1の態様の可能な実装のいずれか1つで達成できる技術的効果の説明を参照されたい。繰り返しの説明は提供しない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャの図である。
図2】本出願の一実施形態によるアップグレード方法の概略フローチャートである。
図3】本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用されるシステムアーキテクチャの図である。
図4A】本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用される方法のフローチャートである。
図4B】本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用される方法のフローチャートである。
図5A】本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用される方法のフローチャートである。
図5B】本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用される方法のフローチャートである。
図6A】本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用される方法のフローチャートである。
図6B】本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用される方法のフローチャートである。
図7】本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用される方法のフローチャートである。
図8】本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用される方法のフローチャートである。
図9】本出願の一実施形態による通信装置の図である。
図10】本出願の一実施形態による通信装置の図である。
図11】本出願の一実施形態による通信装置の図である。
図12】本出願の一実施形態による通信装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本出願の実施形態はアップグレード方法を提供する。マルチユーザシナリオでインテリジェントコネクテッドビークルのOTAを柔軟に実施するのを助け、車両ユーザの運転体験を確かなものにし、運転の安全性を向上させるため、端末デバイスの状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作が柔軟に実行される。本方法と本装置は、同じ技術的発想に基づいている。本方法と本装置は、問題を解決するための同様の原理を有している。したがって、本方法と本装置の実装については、相互に参照されたい。繰り返し部分の詳細は説明しない。加えて、本出願の実施形態では、特別な説明や論理的な矛盾がなければ、実施形態の用語および/または説明は一貫しており、相互に参照できる。技術的特徴間の内的な論理的関係に基づいて、様々な実施形態の技術的特徴を組み合わせて新たな実施形態を形成することもできる。
【0068】
図1は、本出願の一実施形態が適用可能なシステムアーキテクチャの図である。
【0069】
図1を参照されたい。シナリオには、OTAサーバ110と、端末デバイス120と、第1のユーザ(例えば、端末デバイスの所有者)のインテリジェント端末130とが含まれる。任意選択の一実装では、第2のユーザ(例えば、端末デバイスの許可済みユーザ)のインテリジェント端末140もシナリオに含まれてよい。OTAサーバ110、端末デバイス120、インテリジェント端末130、またはインテリジェント端末140のうちのいずれか2つは、互いに通信できる。通信方式は、有線方式であってよく、または無線方式であってもよい。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0070】
OTAサーバ110は、端末デバイス120側でOTAアップグレード手順をトリガできる。
【0071】
例えば、OTAサーバ110は、端末デバイス120側でソフトウェアアップグレードを実行できること知ったときに端末デバイス120のアップグレード操作情報を得、端末デバイス120の状況情報に基づいて端末デバイスのOTAアップグレードプロセスの具体的な実施方針を判断し、端末デバイス120、第1のユーザのインテリジェント端末130、または第2のユーザのインテリジェント端末140のうちのいずれかのデバイスへアップグレード操作情報を選択的へ送信でき、これにより、OTAサーバ110と、端末デバイス120、インテリジェント端末130、またはインテリジェント端末140のうちの少なくとも1つとが協調的に端末デバイス120のアップグレード操作を実行する。
【0072】
例えば、アップグレード操作情報は、以下:OTA活動内容リマインダ、OTA活動内容確認、OTA実施開始リマインダ、OTAアップグレードパッケージダウンロードリマインダ、またはOTAプロセス(OTAファイルパッケージのダウンロード、インストール、および起動などのプロセスを含む)監視のうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。アップグレード操作情報を受信した後には、端末デバイス120、第1のユーザのインテリジェント端末130、および/または第2のユーザのインテリジェント端末140のうちのいずれか1つがアップグレード操作情報を出力でき、デバイス側の対応するユーザは、端末デバイス120のアップグレード操作を完了するために、デバイスによって出力されたアップグレード操作情報に基づいて後続の関連操作を実行できる。加えて、端末デバイス120側でOTAアップグレードを実施する過程で、第1のユーザまたは第2のユーザはさらに、端末デバイス120または第1のユーザもしくは第2のユーザのインテリジェント端末130/140を使用してアップグレードの進行状況を知ることができる。
【0073】
例えば、第1のユーザが端末デバイス120を使用する過程で、端末デバイスは、OTAサーバからアップグレード操作情報を受信し、出力でき、第1のユーザは、アップグレード操作情報に基づいて後続の関連処理を実行し、例えば、OTA活動内容を確認し、OTAアップグレードの実施開始を確認し、OTAアップグレードパッケージのダウンロードを確認して、OTAアップグレードを実施する関連プロセスが端末デバイス120で実行されていることを確認することができる。加えて、第1のユーザは、OTAアップグレードの実施状況を監視できる。
【0074】
別の例として、第1のユーザのインテリジェント端末130または第2のユーザのインテリジェント端末140は、SMSメッセージ、電子メール、アプリケーションなどを使用してOTAサーバからアップグレード操作情報を受信し、出力できる。第1のユーザまたは第2のユーザは、端末デバイス120がOTAアップグレードを実施する関連プロセスを開始することを遠隔的に確認するために、アップグレード操作情報に基づいて後続の関連処理を実行でき、例えば、OTA活動内容を確認し、OTAアップグレードの実施開始を確認し、OTAアップグレードパッケージのダウンロードを確認することができる。加えて、第1のユーザまたは第2のユーザは、第1のユーザまたは第2のユーザのインテリジェント端末上でOTAアップグレードの実施状況を監視できる。
【0075】
図1に示されているシステムアーキテクチャに基づいて、本出願の実施形態はアップグレード方法を提供する。
【0076】
図2は、本出願の一実施形態によるアップグレード方法の概略フローチャートである。本方法は、OTAサーバ110と、図1に示されている端末デバイス120、第1のユーザのインテリジェント端末130、または第2のユーザのインテリジェント端末140のうちの少なくとも1つとによって協調的に実施され得る。図2に示されているように、アップグレード方法は以下のステップを含み得る。
【0077】
S210:OTAサーバは、端末デバイスの状況情報を得る。
【0078】
S220:OTAサーバは、状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行する。
【0079】
本出願のこの実施形態では、端末デバイスの状況情報は、端末デバイスの使用状況を指示でき、状況情報は、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み得るが、これらに限定されない。
【0080】
例えば、第1のユーザは端末デバイスの所有者であり、第2のユーザは端末デバイスの許可済みユーザである。第1のユーザの識別結果は、例えば、第1のユーザが端末デバイスの状況情報を得ることをOTAサーバに許可するか否か、第1のユーザが端末デバイスの状況情報を得ることをOTAサーバにどのように許可するか、第1のユーザが端末デバイスを使用することを第2のユーザに許可するか否か、第1のユーザが端末デバイスを使用することを第2のユーザにどのように許可するか、第1のユーザと端末デバイスとの関連関係、例えば、第1のユーザが端末デバイス内に位置しているか否か、端末デバイスにおける第1のユーザの具体的な位置、および第1のユーザが端末デバイスの既定位置に位置しているか否か、または第1のユーザと第2のユーザとの位置関係を含み得るが、これらに限定されない。第2のユーザの識別結果は、例えば、第2のユーザが端末デバイスの使用許可を得るか否か、第2のユーザが端末デバイスの使用許可をどのように得るか、第2のユーザと端末デバイスとの関連関係、例えば、端末デバイスを使用することが許可されている第2のユーザの機能権限、第2のユーザが端末デバイスを使用することを許可されている時間、第2のユーザが端末デバイス内に位置しているか否か、端末デバイスにおける第2のユーザの具体的な位置、および第2のユーザが端末デバイスの既定位置に位置しているか否か、または第2のユーザと第1のユーザとの位置関係を含み得るが、これらに限定されない。
【0081】
ここでは一例を用いて第1のユーザの識別結果と第2のユーザの識別結果を説明するが、これは識別結果に対しいかなる制限も構成しない。別の実施形態では、第1のユーザ、第2のユーザ、および端末デバイスの関係を識別するために使用できるいかなる情報も識別結果として使用でき、マルチユーザシナリオで端末デバイスのOTAアップグレード手順を柔軟に実施するために、OTAサーバによる判断に役立てることができる。様々なシナリオでは、端末デバイスの既定位置を様々に理解できる。例えば、端末デバイスがインターネット・オブ・ビークル・シナリオの車両であるなら、端末デバイスの既定位置は、端末デバイス内の既定位置であり得、例えば運転者位置であり得る。モバイル・サービス・シナリオ(遠隔運転シナリオを含む)では、端末デバイスの既定位置は、端末デバイスに関連付けられた外の位置であり得、例えば、端末デバイスを遠隔的に制御または監視できる端末デバイス外の位置であり得る。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0082】
本出願のこの実施形態では、S210が実施されるときに、端末デバイスの状況情報を複数の方式で得ることができる。例えば、得る方式は、以下のうちの1つ以上を含み得る。
【0083】
(1)OTAサーバは、端末デバイスの使用管理情報に基づいて端末デバイスの状況情報を得る。
【0084】
この例では、端末デバイスの使用管理情報を使用して、端末デバイスの全ユーザを記録できるほか、端末デバイスの各ユーザの権限、例えば、許可された使用機能、許可された使用時間、許可された操作権限、およびその他の情報を記録できる。端末デバイスの状況情報は、使用管理情報に基づいて得られ得る。
【0085】
一般的に、端末デバイスの所有者は、全ての使用権限と使用時間全体を含む、端末デバイスを処分する全ての権利を持つことができ、端末デバイスの一部または全部の機能を使用することを他のユーザに許可でき、端末デバイスの使用時間や操作権限などを他のユーザに許可できる。使用管理情報は、全ユーザの使用情報を関連付けて記録できる。例えば、ユーザA*は、端末デバイスαの所有者を表し、ユーザBとユーザCは、端末デバイスαの許可された2人のユーザを表し、使用管理情報は、例えば、表1に示すものであってよい。
【0086】
【表1】
【0087】
表1において、αは端末デバイスの識別子を表し、A*、B、およびCはユーザ識別子を表し、*は所有者識別子であり、端末デバイスの所有者を指示する。
【0088】
表1の2行目に記録された情報は、ユーザA*が端末デバイスαの所有者であり、ユーザA*が端末デバイスαの全機能の使用権限を持ち、使用時間が全期間(端末デバイスαの使用開始時点から端末デバイスαの使用終了時点までの期間を含む)であることを示している。表1の3行目に記録された情報は、ユーザBが端末デバイスαの許可済みユーザであり、ユーザBが2021.12.1から2021.12.30までの期間に端末デバイスαの全機能を使用することを許可されていることを示している。表1の4行目に記録された情報は、ユーザCが端末デバイスαの許可済みユーザであり、ユーザCが端末デバイスαの全期間に端末デバイスαの機能1~10などの一部の機能を使用することを許可されていることを示している。
【0089】
任意選択の一実装では、使用管理情報が「許可された操作権限」という項目をさらに含み得、「許可された操作権限」項目は、端末デバイスαの所有者が端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限を別の許可済みユーザに許可するかどうかを示す。別の許可済みユーザのこの項目の記録内容が是か別の許可マークである場合、それは別の許可済みユーザが許可されていることを示す。例えば、表1では、端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限がユーザBに許可されている。別の許可済みユーザのこの項目の記録内容が否か別の無許可マークである場合、それは別の許可済みユーザが許可されていないことを示す。例えば、表1では、端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限がユーザCに許可されていない。端末デバイスの所有者の場合、端末デバイスの所有者のこの項目の記録内容が空であり(例えば、「-」を用いて表される)、デフォルトの許可を示していることは理解されよう。例えば、表1では、ユーザA*は、端末デバイスにバインドされた後に、デフォルトで端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限を得ることができる。
【0090】
表1に記録されている情報が、使用管理情報の実装に対するいかなる制限でもなく単なる例であることは理解されよう。使用管理情報は、特定の期間に誰が端末デバイスを使用するかについての情報、例えば、端末デバイスの所有者によって許可済みユーザに発行された電子キーなど、端末デバイスの所有者が端末デバイスを使用することを他のユーザに許可するときに記録される情報、または他のユーザが端末デバイスの使用を端末デバイスの所有者に申請するときに記録される情報などを、さらに記録できる。使用管理情報に記録される使用時間は、過去の時刻、現在の時刻、および将来の時刻を含み得る。すなわち、使用管理情報に基づく端末デバイスの簡便な管理を実現するため、端末デバイスの所有者が別のユーザを許可するたびに使用管理情報に関連情報が記録され得る。加えて、上記の表は、端末デバイスの使用管理情報の提示方式の1つにすぎず、使用管理情報が表の形でデータを提示し格納することに限定されない。
【0091】
使用管理情報は、端末デバイス側のメモリに格納されてよく、端末デバイスまたは端末デバイスの所有者(例えば、第1のユーザ)によって関連サーバに報告されて格納されてもよい。第1のユーザは、端末デバイスまたはサーバのメモリにアクセスする権限をOTAサーバに許可でき、これにより、OTAサーバは使用管理情報を得て、端末デバイスの状況情報を得ることができる。
【0092】
任意選択の一実装では、端末デバイスの使用管理情報がOTAサーバのローカルメモリに格納されてもよく、またはOTAサーバがアクセスできる別のデバイスに格納されてもよい。OTAサーバは、OTAサーバのローカルメモリか別のデバイスにアクセスすることによって端末デバイスの使用管理情報を得、使用管理情報に基づいて端末デバイスの状況情報を得、状況情報に基づいて、端末デバイスのアップグレード操作情報をどのように配信するかを判断できる。
【0093】
表1に示されている使用管理情報を一例として用いる。表1がユーザ識別子A*が位置する行のみに情報を含む場合、それは、端末デバイスが端末デバイスの所有者A*のみによって使用され、その使用が他のユーザに許可されていないことを意味する。この場合、OTAサーバは、第1のユーザの識別結果としてA*を使用でき、端末デバイスの状況情報は、第1のユーザの識別結果を含み得る。あるいは、OTAサーバは、第2のユーザの識別結果として「無(NONE)」を使用でき、端末デバイスの状況情報は、第2のユーザの識別結果:NONEを含み得る。あるいは、OTAサーバは、第1のユーザの識別結果としてA*を使用し、第2のユーザの識別結果としてNONEを使用でき、端末デバイスの状況情報は、第1のユーザの識別結果と第2のユーザの識別結果を含み得る。この場合、OTAサーバは、端末デバイスをアップグレード操作情報の受信側と判断し、端末デバイスへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信できるので、端末デバイス側のユーザ(例えば、第1のユーザ)が端末デバイスによって受信されたアップグレード操作情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行する。
【0094】
表1がユーザ識別子Bまたはユーザ識別子Cが位置する行に情報をさらに含む場合、それは、端末デバイスの使用が端末デバイスの所有者A以外のユーザBまたはユーザCに許可されていること、すなわち第2のユーザが存在することを意味する。この場合、OTAサーバは、第2のユーザの識別結果としてBまたはCを使用でき、端末デバイスの状況情報は、第2のユーザの識別結果を含み得る。あるいは、OTAサーバは、第1のユーザの識別結果としてA*を使用でき、第2のユーザの識別結果としてBまたはCを使用でき、端末デバイスの状況情報は、第1のユーザの識別結果と第2のユーザの識別結果を含み得る。この場合、OTAサーバは、第1のユーザをアップグレード操作情報の受信側と判断し、第1のユーザへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信できるので、第1のユーザが受信したアップグレード操作情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行する。
【0095】
任意選択の一実装では、端末デバイスのアップグレード操作情報について第1のユーザによって第2のユーザに許可された操作権限を得た後に、OTAサーバはまた、第2のユーザをアップグレード操作情報の受信側と判断し、第2のユーザへアップグレード操作情報を送信できるので、第2のユーザが受信したアップグレード操作情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行する。一例では、第1のユーザは、端末デバイスの使用を許可する一方で、端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限を第2のユーザに許可でき、許可された操作権限は、OTAサーバによって表1の「許可された操作権限」に記録され得る。別の例では、第1のユーザが端末デバイスの使用を許可することと、第1のユーザが第2のユーザに端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限を許可することは、2つの相互に独立した許可操作であり得る。第1のユーザはまず、端末デバイスの使用を許可できる。OTAサーバは、対応する使用管理情報を記録できる。操作権限が許可される必要がある場合、第1のユーザはさらに端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限を第2のユーザに許可でき、OTAサーバは第1のユーザからリアルタイムで許可確認情報を受信でき、この許可確認情報は、端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限を第2のユーザに許可することを確認することを第1のユーザに指示できる。OTAサーバは、許可確認情報に基づいて第2のユーザの許可された操作権限を判断し、端末デバイスの使用管理情報を同期的に更新することができる。本出願の前述の例で、使用管理情報に基づいて得られる状況情報が、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み得、状況情報の提示方式が限定されないことに留意されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0096】
(2)OTAサーバは、端末デバイスから第1の指示情報を受信し、第1の指示情報は、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示する。
【0097】
本出願のこの実施形態では、端末デバイスは、(端末デバイスに関連付けられた検知コンポーネントを使用することによって)第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を直接的または間接的に検知できる。この例では、OTAサーバが端末デバイスと通信でき、端末デバイスの指示に基づいて第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を得ることができる。本出願のこの実施形態で説明されている端末デバイスの検知が、端末デバイスに関連付けられた検知コンポーネントの検知を含むことを理解されたい。以下では、検知を1つずつ区別して説明しない。
【0098】
例えば、第1のユーザは、端末デバイスの使用を許可でき、端末デバイスは、OTAサーバへ第1の指示情報を送信できる。第1の指示情報は、端末デバイスの使用を許可された第2のユーザを指示できる。したがって、第1の指示情報は、第2のユーザの識別結果を指示する。第2のユーザの識別結果は、以下の情報:第2のユーザ、端末デバイスについて第2のユーザによって得られた使用許可、第2のユーザの許可された使用機能、第2のユーザの許可された使用時間などのうちの1つ以上を含み得る。
【0099】
別の例として、端末デバイスは、第1のユーザが端末デバイス内に存在するか否か、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在するか否かを検知でき、OTAサーバへ第1の指示情報を送信でき、第1の指示情報は、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを指示できる。したがって、第1の指示情報は、第1のユーザの識別結果を指示し、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを含み得る。
【0100】
前述の説明と同様、端末デバイスの既定位置は様々なシナリオにおいて様々に理解できる。例えば、端末デバイスがインターネット・オブ・ビークル・シナリオの車両であるなら、端末デバイスの既定位置は、端末デバイス内の既定位置であり得、例えば運転者位置であり得る。この場合、車両は、車両検知システムを使用して、第1のユーザが車両内に存在するか否か、または第1のユーザが車両の運転者位置に存在するか否かを検知できる。モバイル・サービス・シナリオ(遠隔運転シナリオを含む)では、端末デバイスの既定位置は、端末デバイスに関連付けられた外の位置であり得、例えば、端末デバイスを遠隔的に制御または監視できる端末デバイス外の位置であり得る。端末デバイスは、関連付けられた外部検知コンポーネント(例えば、カメラ)と通信し、外部検知コンポーネントから検知結果を得て、第1のユーザが既定位置に存在するか否かを判断することができる。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。別の例として、端末デバイスは、第2のユーザが端末デバイス内に存在するか否か、または第2のユーザが端末デバイスの既定位置に存在するか否かを検知でき、OTAサーバへ第1の指示情報を送信でき、第1の指示情報は、第2のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第2のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを指示できる。したがって、第1の指示情報は、第2のユーザの識別結果を指示し、第2のユーザの識別結果は、許可済みユーザ(すなわち、第2のユーザ)が端末デバイス内に存在すること、または許可済みユーザ(すなわち、第2のユーザ)が端末デバイスの既定位置に存在することを含み得る。前述の例と同様、様々なシナリオにおける端末デバイスの既定位置の様々な理解によると、端末デバイスは、様々な方式で、第2のユーザが端末デバイス内に存在するか否か、または第2のユーザが端末デバイスの既定位置に存在するか否かを検知することもできる。ここでは詳細を再度説明しない。
【0101】
別の例として、第1のユーザは、端末デバイスの使用を許可でき、同時に、端末デバイスは、第1のユーザが端末デバイス内に存在するか否か、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在するか否かを検知できる。端末デバイスは、OTAサーバへ第1の指示情報を送信でき、第1の指示情報は、端末デバイスの使用を許可された第2のユーザを指示でき、また第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを指示できる。したがって、第1の指示情報は、第1のユーザの識別結果と第2のユーザの識別結果を指示する。第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを含む。第2のユーザの識別結果は、以下の情報:第2のユーザ、端末デバイスについて第2のユーザによって得られた使用許可、第2のユーザの許可された使用機能、第2のユーザの許可された使用時間などのうちの1つ以上を含む。
【0102】
さらに、S220が実施されるときに、OTAサーバは、端末デバイスのアップグレード操作を実行するために、受信した第1の指示情報に基づいて判断を行って、端末デバイスのアップグレード操作情報をどのように配信するかを判断することができる。
【0103】
(3)OTAサーバは、第1のユーザから第2の指示情報を受信し、第2の指示情報は、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示できる。
【0104】
この例では、OTAサーバが第1のユーザ(例えば、第1のユーザのインテリジェント端末)と通信でき、第1のユーザの指示に基づいて第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を得ることができる。
【0105】
例えば、第1のユーザは、第1のユーザのインテリジェント端末を使用することによって端末デバイスの使用を許可でき、インテリジェント端末は、OTAサーバへ第2の指示情報を送信でき、または、第1のユーザは、別の方式で(例えば、電子キー、電子メール、または書面のファイルを使用して)端末デバイスの使用を許可でき、端末デバイスを使用して(例えば、端末デバイスに含まれ外部と通信する通信コンポーネントを使用して)、または第1のユーザのインテリジェント端末を使用して、OTAサーバへ第2の指示情報を送信できる。第2の指示情報は、第2のユーザの識別結果を指示でき、第2のユーザの識別結果は、以下の情報:第2のユーザ、端末デバイスについて第2のユーザによって得られた使用許可、第2のユーザの許可された使用機能、第2のユーザの許可された使用時間などのうちの1つ以上を含み得る。
【0106】
別の例として、第1のユーザのインテリジェント端末は、測位技術を用いて第1のユーザと端末デバイスとの位置関係を判断でき、インテリジェント端末は、OTAサーバへ第2の指示情報を送信でき、または第1のユーザは、第1のユーザと端末デバイスとの位置関係に基づいて、第1のユーザのインテリジェント端末を使用して、または端末デバイスを使用して(例えば、端末デバイスに含まれ外部と通信する通信コンポーネントを使用して)、第2の指示情報をOTAサーバへ直接送信できる。第2の指示情報は、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイス内に存在しないこと、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在しないことを指示できる。したがって、第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在するか否か、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在するか否かを含み得る。端末デバイスの既定位置については、前述の関連説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0107】
別の例として、第1のユーザからの第2の指示情報は、第1のユーザの識別結果と第2のユーザの識別結果を指示でき、第1のユーザの識別結果と第2のユーザの識別結果は、同じ方式または異なる方式で得られてよく、前述の方式の組み合わせを使用して得られてもよく、または別の方式で得られてもよい。第1のユーザの識別結果と第2のユーザの識別結果は、同じ指示情報に携えられてよく、または別々の指示情報に携えられてもよく、指示情報は、第1のユーザの同じデバイスからのものであってよく、または第1のユーザの別々のデバイスからのものであってもよい。第2の指示情報を得る具体的な方式は、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0108】
上記の例(1)~(3)がOTAサーバによって端末デバイスの状況情報を得る例にすぎず、限定を構成するものではないことに留意されたい。別の実施形態では、OTAサーバがさらに別の方式で端末デバイスの状況情報を得てもよい。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0109】
本出願のこの実施形態では、アップグレード操作情報を該当する受信側に配信して、端末デバイスのアップグレード操作を実行するために、S220が実施されるときに、OTAサーバは、得られた状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作情報の受信側を判断できる。S220における具体的な相互作用のプロセスは、状況情報によって指示される様々なケースに応じて異なる。例えば、
【0110】
(1)第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを含む。S220において、OTAサーバは、端末デバイスのアップグレード操作情報を端末デバイスへ送信できる。相応に、端末デバイス側の第1のユーザは、アップグレード操作情報に基づいて後続の関連操作を実行して、端末デバイス120のアップグレード操作を完了できる。
【0111】
(2)第1のユーザの識別結果は、第1のユーザが端末デバイス内に存在しないこと、または第1のユーザが端末デバイス内に存在し、かつ第1のユーザが端末デバイスの既定位置にいないことを含む。S220において、OTAサーバは、第1のユーザへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信できる。相応に、第1のユーザは、受信したアップグレード操作情報に基づいて後続の関連操作を実行して、端末デバイス120のアップグレード操作を完了できる。
【0112】
(3)第2のユーザの識別結果は、第2のユーザが端末デバイス内に存在することを含む。S220において、OTAサーバは、第1のユーザまたは端末デバイスへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信できる。すなわち、OTAサーバは、端末デバイスの所有者以外の別のユーザが存在すると判断した場合に、別のユーザの使用体験を確かなものにするために、第1のユーザまたは端末デバイスへ端末デバイスのアップグレード操作情報を送信する。
【0113】
理解を容易にするため、以下では、インターネット・オブ・ビークル・シナリオに実施形態が適用される一例を用いて本出願の実施形態の具体的な実装詳細を説明する。
【0114】
図3は、本出願の一実施形態によるインターネット・オブ・ビークル・シナリオに適用されるシステムアーキテクチャの図である。例えば、図1の端末デバイス120は図3の車両350であり、図1のインテリジェント端末130/140は図3のスマートフォン330/340である。図3を参照されたい。このシナリオでは、車両350のOTAアップグレード手順を実施するために、OTAサーバ110は、無線ネットワークを通じて、車両350、および車両の所有者のスマートフォン330または車両の許可済みユーザのスマートフォン340と通信して、車両350のアップグレード操作情報やアップグレード操作に関連するその他の情報を送信することができる。
【0115】
OTAサーバ110は、車両350側でOTAアップグレード手順をトリガできる。OTAアップグレードを実施する過程で、OTAサーバ110は、車両350の状況情報を得、状況情報に基づいて、車両350のOTAアップグレード操作情報の受信側を判断でき、例えば、受信側は、車両350のいずれかのデバイス、車両の所有者のスマートフォン330、または車両の許可済みユーザのスマートフォン340である。OTAサーバ110は、判断した受信側へアップグレード操作情報を配信して、車両350のOTAアップグレード手順をトリガすることができる。加えて、OTAサーバ110はさらに、車両350のOTAアップグレードプロセスを監視できる。
【0116】
車両350は、ECU、例えば、ネットワーク通信装置351と、OTA制御ユニット352と、少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースHMI 353(例えば、HMI 353_1、HMI 353_2、HMI 353_3)と、コックピットドメインコントローラ354と、車両検知システム355と、車両の内部通信を実施するように構成された車内通信ネットワーク(例えば、CANバス)とを含んでよい。
【0117】
ネットワーク通信装置351は、OTAアップグレードに関連する情報の送信、受信、および転送などの機能を実施するために、OTAサーバ110、スマートフォン330、およびスマートフォン340などの外部デバイスと車両350の内部ECUとの間で通信の橋渡しとして機能する。車両350の内部において、ネットワーク通信装置351は、例えばCANバスのような車内通信ネットワークを通じて、車両350の各ECUとの間で情報送信を実施できる。本出願のこの実施形態では、ネットワーク通信装置351は、無線通信方式または有線通信方式をサポートできる。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0118】
OTA制御ユニット352は、車両350においてOTAアップグレード制御を実施するための判断ユニットとして機能でき、以下の情報:例えば、得られたアップグレード操作情報、車両350の状況情報、少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースHMI 353から得られた関連情報、コックピットドメインコントローラ354から得られた関連情報、車両検知システム355から得られた関連情報、または別のECUから得られた関連情報のうちの1つ以上に基づいて総合的に判断を行って判断結果を得、判断結果に基づいてアップグレード操作情報の出力を制御することができる。相応に、車両の所有者と車両350の許可された車両は、出力されたアップグレード操作情報に基づいて車両350のアップグレード操作を完了できる。
【0119】
OTA制御ユニット352とネットワーク通信装置351は、別々のユニットモジュールであってよく、または同じユニットモジュールであってもよく、例えばT-BOXであってもよく、GPS、外部通信インターフェース、ECU、マイクロコントローラ、モバイル通信ユニット、およびメモリなどの機能モジュールを統合したものであってもよい。T-BOXは、車載バス(すなわち、車両の内部通信ネットワーク、例えばCANバス)に内部的に接続されてよく、対外的には、クラウドプラットフォームを使用することによって、車両端末、ハンドヘルドデバイス、RSU、およびV2V、V2R、V2H、V2Sなどを使用して通信を実施する公衆ネットワーク間で情報交換を実施できる。あるいは、OTA制御ユニット352は、車両に新たに加えられるハードウェアモジュールであってもよい。このハードウェアモジュール内で関連する判断ロジックまたはアルゴリズムが構成されてよく、このハードウェアモジュールは、本出願のこの実施形態のアップグレード方法を実施するために、車両350内のECUとして機能して、車両の内部通信ネットワークを通じて別のECUへ情報を転送することができる。OTA制御ユニット352の製品形態は、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0120】
車両検知システム355は、例えば、カメラのような検知コンポーネントを含み得る。車両検知システム355は、検知によって車両内の人に関する画像のような検知結果を得、コックピットドメインコントローラ354に検知結果を提供することができる。
【0121】
コックピットドメインコントローラ354は、車両検知システム355に接続され、車両検知システム355から検知結果を受信し、検知結果に基づいて、車両内の人が車両の所有者を含むか否か、車両350における車両の所有者の具体的な位置などの情報を判断し、総合的な判断を行うためにその情報をOTA制御ユニット352に提供することができる。
【0122】
別の実装では、車両検知システム355は代わりに、検知結果をOTA制御ユニット352に直接提供してもよく、OTA制御ユニット352が総合的に判断を行う。
【0123】
少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースHMI 353は、車両350内の入出力デバイスである。少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースHMI 353は、車内通信ネットワークを通じてOTA制御ユニット352と通信でき、OTA操作インターフェースを提供でき、アップグレード操作情報の出力や操作入力情報の受信などを行うように構成されてよい。少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースHMI 353は、それぞれの通信識別子と通信アドレスとを有することができ、出力されるべき情報を受信するように、または得られた入力情報を別のモジュールに提供するように、構成されてよい。例えば、少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースHMI 353は、車載ディスプレイ(例えば、タッチスクリーン)のような車載装置を含み得、車両350内に位置するスマートフォンやタブレットコンピュータのような外部関連デバイスをも含み得る。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0124】
スマートフォン330とスマートフォン340は、モバイルネットワークを通じてOTAサーバ110および車両350のネットワーク通信装置と通信できる。OTAサーバ110が、車両350のアップグレード操作情報をスマートフォン330またはスマートフォン340へ直接送信できると判断した場合、OTAサーバ110は、アップグレード操作情報をスマートフォン330またはスマートフォン340に直接送信できる。スマートフォン330またはスマートフォン340は、車両350のネットワーク通信装置によって転送されたアップグレード操作情報を受信することもできる。例えば、スマートフォン330側とスマートフォン340側でOTAアプリケーションがインストールされ、実行されてよい。車両の所有者か車両の許可済みユーザは、車両の所有者または車両の許可済みユーザのスマートフォン上で実行されるアプリケーションを使用して車両350の走行状況を制御でき、OTAサーバ110と通信することによって車両350のOTAアップグレードプロセスを制御できる。本出願の実施形態のアップグレード方法を実施する過程では、少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースHMI 353、スマートフォン330、およびスマートフォン340のうちの少なくとも1つが出力デバイスとして機能して、端末デバイスのアップグレード操作情報を出力することができる。この出力デバイスは、アップグレード操作情報を最終的に出力するデバイスであってよく、またはアップグレードの過程でアップグレード操作情報を出力する出力デバイスであってもよい。アップグレード操作情報の出力方式および出力機会は、本出願の実施形態で限定されない。区別を容易にするため、本出願の実施形態では、端末デバイスのアップグレード操作情報を出力するために使用され、様々なケースに関与する出力デバイスが、第1のデバイスや第2のデバイスなどと呼ばれることがある。以下では、様々な例を参照して説明を行う。詳細はここでは説明しない。
【0125】
図3に示されているシステムアーキテクチャに基づき、車両の状況情報を得る様々な方式と状況情報によって指示される様々なケースと併せて、手動運転モードの車両が端末デバイスとして使用される一例を使用し、本出願の実施形態のアップグレード方法の具体的な実施手順は、例1~例5を含み得る。以下では、図4Aから図8などの添付の図面を参照してこれらの例を別々に説明する。図4Aから図8に示されているステップが、本出願の実施形態のアップグレード方法に含まれ得るステップの例にすぎず、いかなる限定も構成しないことは理解されよう。これらの例におけるステップの具体的な実行順序は、相互に調整されてよい。いくつかの実施形態では、図4Aから図8を参照して説明される様々な実施形態の技術的特徴の組み合わせに基づいて、新たな実施形態が形成され得る。
【0126】
例1:OTAサーバは、車両の使用管理情報を得、使用管理情報に基づいて車両のアップグレード操作情報の受信側を判断し、その受信側へ車両のアップグレード操作情報を送信できる。
【0127】
図4Aおよび図4Bに示されているように、例1ではアップグレード方法が以下のステップを含み得る。
【0128】
S401:OTAサーバは、OTA活動の準備を行い、例えば、OTAアップグレードパッケージを準備し、OTA関連メッセージを作成し、OTAアップグレードを実行できる車両を判断する。OTAアップグレードを実行できる車両は、アップグレードされるべきソフトウェアがインストールされている全ての車両、または全ての車両から選択されたいずれかの車両を含み得る。車両を判断する方式は、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0129】
S402:OTAサーバは、車両の車両情報と車両の使用管理情報を得る。
【0130】
車両情報と使用管理情報は、OTAサーバに、またはOTAサーバがアクセスできるサーバに、格納されてよい。例えば、車両情報は、以下:車両の識別子、例えば、車両フレーム番号または車両識別番号(vehicle identification number、VIN)、車両の通信アドレス、車両の所有者(または車両所有者と呼ばれる)、車両の所有者の携帯電話番号または電子メールアドレスなどの連絡方法のうちの1つ以上を含み得る。使用管理情報は、例えば、以下:車両の識別子/車両の通信アドレス、ユーザ、許可された使用機能、許可された使用時間、許可された操作権限(任意選択)などのうちの1つ以上を含み得る。
【0131】
S403:OTAサーバは、使用管理情報に基づいて車両の状況情報を得、状況情報に基づいて、第1のユーザ(すなわち、車両の所有者)以外の別のユーザ、すなわち第2のユーザが車両にいるか否かを判断する。
【0132】
判断結果が「いいえ」である場合はS404が実行され、または判断結果が「はい」である場合はS407またはS409が実行され得る。判断結果が「はい」である場合は、アップグレード操作情報に対する操作権限が端末デバイスの許可済みユーザに許可されているか否かを考慮する必要がある。「はい」である場合は、S409が実行され得る。「いいえ」である場合は、S407が実行され得る。
【0133】
表1に示されている使用管理情報を一例として用いる。表1がユーザ識別子A*が位置する行のみに情報を含む場合、それは、端末デバイスが端末デバイスの所有者A*のみによって使用され、その使用が他のユーザに許可されていないことを意味する。この場合、S403で得られる判断結果は「いいえ」であり、S404が実行される。表1がユーザ識別子Cが位置する行に情報を含む場合、それは、端末デバイスの使用が端末デバイスの所有者A*以外のユーザCに許可されており、端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限がユーザCに許可されていないことを意味する。この場合、S403で得られる判断結果は「はい」であり、別の許可済みユーザは操作権限を持っておらず、S407が実行される。表1がユーザ識別子Bが位置する行に情報を含む場合、それは、端末デバイスが端末デバイスの所有者A*以外のユーザBに対して許可されており、端末デバイスのアップグレード操作情報に対する操作権限がユーザBに許可されていることを意味する。この場合、S403で得られる判断結果は「はい」であり、別の許可済みユーザは操作権限を持っており、S409が実行される。
【0134】
S404:OTAサーバは、車両へ車両のアップグレード操作情報を送信する。
【0135】
S405:車両のネットワーク通信装置は、例えば、無線ネットワークを通じて、OTAサーバからアップグレード操作情報を受信し、車両のOTA制御ユニットへアップグレード操作情報を送信する。
【0136】
S406:車両のOTA制御ユニットは、アップグレード操作情報を受信し、アップグレード操作情報に対して後続の関連処理を実行する。OTA制御ユニットは、OTA制御ユニットによって構成された関連判断ロジックまたはアルゴリズムに基づいて、アップグレード操作情報に対して後続の関連処理を実行できる。以下では、例3および例4を参照して、OTA制御ユニットの判断プロセスを説明する。詳細はここでは説明しない。
【0137】
S407:OTAサーバは、第1のユーザの特定の連絡方法に基づいて、第1のユーザへ車両のアップグレード操作情報を送信する。連絡方法は、例えば、SMSメッセージ、電子メール、アプリケーションなどのうちのいずれか1つを含み得るが、これらに限定されない。
【0138】
S408:第1のユーザのインテリジェント端末は、例えば、無線ネットワークを通じて、OTAサーバからアップグレード操作情報を受信し、アップグレード操作を処理する。
【0139】
S409:OTAサーバは、第2のユーザの特定の連絡方法に基づいて、第2のユーザへ車両のアップグレード操作情報を送信する。別の任意選択の実装では、S409はS404と同じステップであってもよい。換言すると、S404は、第2のユーザが存在し、第2のユーザが操作権限を持っていないと判断された場合にS407を実行する場合を除いて、S403の後に実行されてよい。第1のユーザは、第1のユーザへアップグレード操作情報を送信することによって、車両のアップグレード操作を可能な限り実行する。
【0140】
S410:第2のユーザのインテリジェント端末は、例えば、無線ネットワークを通じて、OTAサーバからアップグレード操作情報を受信し、アップグレード操作を処理する。
【0141】
任意選択の一実装では、S404、S407、またはS409において、OTAサーバが第3の指示情報をさらに送信することもできる。第3の指示情報は、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示できるので、車両、第1のユーザ、および第2のユーザは、第3の指示情報に基づいて判断を行う。第3の指示情報とアップグレード操作情報は、同じメッセージに携えられてよく、または別々のメッセージに携えられてもよい。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。以下では、別の例を参照して詳細な説明を行う。詳細はここでは説明しない。
【0142】
例2:OTAサーバは、端末デバイスの使用管理情報を得ることができない場合に、OTAサーバは、車両情報に基づいて車両のアップグレード操作情報を車両へ送信できる。さらに、車両側のOTA制御ユニットは、車両の使用管理情報などに基づいて、車両のアップグレード操作情報の受信側を判断し、その受信側へ車両のアップグレード操作情報を送信し、または車両のアップグレード操作情報の出力側を判断し、その出力側でアップグレード操作情報を出力する。図5Aおよび図5Bに含まれている車両側で実施されるステップは、OTAサーバが図4Aおよび図4Bに示されているS404に基づいて車両のアップグレード操作情報を車両に配信した後の後続の実施にも適用可能である。
【0143】
図5Aおよび図5Bに示されているように、例2ではアップグレード方法が以下のステップを含み得る。
【0144】
S501:OTAサーバは、OTA活動の準備を行い、例えば、OTAアップグレードパッケージを準備し、OTA関連メッセージを作成し、OTAアップグレードを実行できる車両を判断する。具体的な実施の詳細については、S401の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0145】
S502:OTAサーバが端末デバイスの使用管理情報を得ることができない場合、OTAサーバは、車両の車両情報に基づいて車両へアップグレード操作情報を送信する。
【0146】
車両情報は、OTAサーバに、またはOTAサーバがアクセスできるサーバに、格納されてよい。例えば、車両情報は、車両の識別子、例えば、車両フレーム番号またはVIN、車両の通信アドレス、第1のユーザ、第1のユーザの携帯電話番号または電子メールアドレスなどの連絡方法を含み得る。S502の実施中に、OTAサーバは、例えば、車両のVINまたは通信アドレスに基づいて、アップグレード操作情報を車両へ送信できる。
【0147】
任意選択の一実装では、OTAサーバは代わりに、車両へ第3の指示情報(図5Aおよび図5Bに図示せず)を送信することもできる。第3の指示情報は、第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を指示できる。例えば、第3の指示情報は、OTAサーバが車両の使用管理情報を得ないことを指示できる、すなわち、使用管理情報に基づいて第2のユーザが存在するか否かが判断されない。あるいは、S502が図4Aおよび図4Bに示されているS403およびS404を含む場合、それは、OTAサーバが車両の使用管理情報を確認したことを意味し、OTAサーバは車両へ第3の指示情報をさらへ送信できる。第3の指示情報は、OTAサーバが、車両の使用管理情報に基づいて、第2のユーザが存在するか否かを判断したことを指示できる。具体的な実施中に、アップグレード操作情報と第3の指示情報は、同じメッセージに携えられてよい。例えば、OTAサーバは、アップグレード操作情報を携えるメッセージにフラグビットを加えることができる。このフラグビットは、第3の指示情報を携えることができる。第3の指示情報は、OTAサーバが車両の使用管理情報を確認したか否かを指示できる。この指示情報の実装は、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0148】
S503:車両のネットワーク通信装置は、例えば、無線ネットワークを通じて、OTAサーバからアップグレード操作情報を受信し、OTA制御ユニットへアップグレード操作情報を送信する。
【0149】
S504(任意選択):OTA制御ユニットは、OTAサーバが車両の使用管理情報を確認したか否かを判断し、判断結果が「はい」である場合はS505を実行し、または判断結果が「いいえ」である場合はS506を実行する。
【0150】
このステップでは、第3の指示情報を携えるフラグビットがアップグレード操作情報を携えるメッセージに加えられる一例を用いる。例えば、フラグビットの様々な値を使用して様々な指示情報を携えることができる。例えば、フラグビットが1であるなら、それはOTAサーバが車両の使用管理情報を確認したことを意味し、またはフラグビットが0であるなら、それはOTAサーバが車両の使用管理情報を確認していないことを意味する。S504において、OTA制御ユニットは、フラグビットの特定の値に基づいて判断を行うことができる。
【0151】
S505:OTA制御ユニットは、主車両HMIへアップグレード操作情報を送信する。
【0152】
本書で説明される主車両HMIは、例えば、車両の運転者位置に関連付けられたHMIであってよい。主車両HMIはアップグレード操作情報を出力でき、主車両HMIに関連付けられた位置(例えば、運転者位置)にいるユーザは、アップグレード操作情報に基づいて車両のOTAアップグレード操作を実行できる。
【0153】
あるいは、車両は、S505において、解決策Bの機能を実行するように構成されてもよい。S505において、OTA制御ユニットは、既定の設定に基づいて、図6Aおよび図6Bに示されている解決策Bをさらに実行できる。以下では、図6Aおよび図6Bならびに実施形態を参照して解決策Bを説明する。ここでは詳細を再度説明しない。
【0154】
S506(任意選択):OTA制御ユニットは、車両が車両の使用管理情報を得ることができるか否かを判断し、判断結果が「はい」である場合はS507を実行し、または判断結果が「いいえ」である場合はS510を実行する。
【0155】
使用管理情報が、車両の内部記憶装置に、または車両がアクセスできる特定の記憶装置に、格納されてよいことは理解されよう。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0156】
S507(任意選択):OTA制御ユニットは、車両の使用管理情報を得る。
【0157】
S508:OTA制御ユニットは、車両の使用管理情報に基づいて、第2のユーザが存在するか否かを判断し、判断結果が「いいえ」である場合はS509を実行し、または判断結果が「はい」である場合はS511を実行する。
【0158】
S509/S510:OTA制御ユニットは、主車両HMIへアップグレード操作情報を送信する。主車両HMIは、アップグレード操作情報を出力できる。主車両HMIに関連付けられた位置にいるユーザは、アップグレード操作情報に基づいて車両のOTAアップグレード操作を実行できる。あるいは、車両は、解決策Bの機能を実行するように構成されてもよい。S510において、OTA制御ユニットは、図6Aおよび図6Bに示されているように、既定の設定に基づいて解決策Bをさらに実行できる。
【0159】
S511:OTA制御ユニットは、車両情報を得、車両情報に基づいてアップグレード操作情報を第1のユーザへ送信する。車両情報は、第1のユーザの連絡方法を指示できる。あるいは、車両は、解決策Bの機能を実行するように構成されてもよい。S511において、OTA制御ユニットは、図6Aおよび図6Bに示されているように、既定の設定に基づいて解決策Bをさらに実行できる。
【0160】
具体的な実施中に、OTA制御ユニットは、第1のユーザが登録されるときに車両に関連付けられるユーザ連絡方法に基づいて、例えばSMSメッセージ、電子メール、またはアプリケーションを使用して、第1のユーザへアップグレード操作情報を送信できる。アップグレード操作情報の送信方式は、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0161】
S512:第1のユーザのインテリジェント端末は、車両のネットワーク通信装置から無線ネットワークを通じてアップグレード操作情報を受信し、アップグレード操作情報を出力する。相応に、第1のユーザは、アップグレード操作情報に基づいて、OTAアップグレードを実施するための関連手順を車両で開始することを、スマートフォン側で遠隔的に判断する。
【0162】
図5Aおよび図5Bの破線の枠に示されているステップが任意選択のステップであり、OTA制御ユニットの関連する判断ロジックが前述の任意選択のステップを含み得ることを意味し、アップグレード方法の具体的な判断プロセスが限定されないことは理解されよう。いくつかの実施形態では、OTA制御ユニットが前述のステップを選択的に実行してもよく、例えば、S504~S507を実行せずにS508を直接実行してもよい。
【0163】
例3:例1および例2に基づき、車両はインテリジェントコネクテッドビークルであり、車両検知システムや少なくとも1つのHMIなどを搭載できる。OTAサーバが車両に車両のアップグレード操作情報を配信した後に、OTA制御ユニットは、車両検知システムや少なくとも1つのHMIなどを使用して第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を得、車両のアップグレード操作を実行するために、アップグレード操作情報をどのように出力するかを判断する。
【0164】
例えば、第1のユーザの識別結果が、第1のユーザが端末デバイス内に存在すること、または第1のユーザが端末デバイスの既定位置に存在することを含む場合、OTA制御ユニットは、端末デバイス内の第1のユーザに関連付けられた第1のデバイスへ指示情報を送信でき、この指示情報は、第1のデバイス上で車両のアップグレード操作情報を出力することを指示する。あるいは、OTA制御ユニットは、端末デバイス内の第2のデバイスを経由して第1のデバイスへ指示情報を送信することもできる。別の例として、第1のユーザの識別結果が、第1のユーザが端末デバイス内に存在しないこと、または第1のユーザが端末デバイス内に存在し、第1のユーザが端末デバイスの既定位置にいないことを含む場合、OTA制御ユニットは、第1のユーザへ車両のアップグレード操作情報を送信できる。別の例として、第2のユーザの識別結果は、第2のユーザが端末内に存在することを含み得、OTA制御ユニットは、第1のユーザまたは車両へアップグレード操作情報を送信できる。
【0165】
車両検知システムを使用して判断を行う一例を用いる。例えば、車両検知システムは、カメラを含んでよい。OTA制御ユニットは、カメラを使用して車両内の人の顔を識別し、検知結果に基づいて判断を行うことができる。例えば、OTA制御ユニットは、カメラによって撮影された顔画像に基づいて、第1のユーザが車両内に存在するか否か、または第1のユーザが車両の既定位置に存在するか否かを判断する。あるいは、例えば、車両検知システムは、マイクロフォンを含んでもよい。OTA制御ユニットは、車両の始動中か車両の走行中にマイクロフォンを使用して収集された車両内の人の音声情報に基づいて声紋認識と判断を行い、認識された声紋情報が車両に格納された第1のユーザの声紋情報と一致するか否かに基づいて、第1のユーザが車両内に存在するか否かを判断することができる。別の例として、別の方式では、OTA制御ユニットは、ユーザが車両を始動するときに現時点で車両のユーザによって入力されるパスワードや起動命令などに基づいて、車両の現在のユーザに対応する属性を、例えば、車両所有者の電子キーを使用して、または許可済みユーザの電子キーを使用して、車両が始動されるかどうかを、判断して、第1のユーザおよび/または第2のユーザが車両内に存在するかどうかを判断できる。本出願のこの実施形態のアップグレード方法を実施するため、OTA制御ユニットは、前述の判断結果に基づいて車両の状況情報を得、車両の状況情報に基づいて判断を行うことができる。
【0166】
車両検知システムを使用して車両内の人が識別される一例を用いる。図6Aおよび図6Bに示されているように、例2で説明されている解決策Bではアップグレード方法が以下のステップを含み得る。
【0167】
S601:OTA制御ユニットは、車両内の人の識別結果を得るために、車両のネットワーク通信装置からのアップグレード操作情報に応じて車両検知システムの検知機能を有効にする。
【0168】
このステップでは、アップグレード操作情報がOTAサーバから到来でき、OTA制御ユニットは、車両のネットワーク通信装置を使用してOTAサーバからアップグレード操作情報を受信できる。図6Aおよび図6Bが、ネットワーク通信装置によってアップグレード操作情報が転送される一例を示しているにすぎず、アップグレード操作情報のルーティング情報を限定しないことは理解されよう。
【0169】
S602:車両検知システム/コックピットドメインコントローラは、検知結果に基づいて車両内の人の識別結果を得、車両内の人の識別結果をOTA制御ユニットにフィードバックする。
【0170】
本出願のこの実施形態では、車両検知システムは、例えば、限定はしないが、検知特徴情報を得るように構成されたカメラまたはマイクロフォンのような検知コンポーネントを含み得る。例えば、カメラは、車両内の人の画像を、例えば顔画像を、得るように構成されてよく、マイクロフォンは、車両内の人の音声データを収集するように構成されてよい。コックピットドメインコントローラは、車両検知システムと通信でき、車両検知システムによって得られた検知結果を識別して車両内の人の識別結果を得ることができ、例えば、顔画像を識別して車両内の人の顔情報や虹彩情報などを得ることができ、または音声データに対して声紋認識を行って車両内の人の声紋情報を得ることができる。
【0171】
OTA制御ユニットは、車両検知システムと通信できる。S601において、OTA制御ユニットは、車両検知システムの検知機能を有効にする。例えば、OTA制御ユニットは、車両検知システムの検知機能を有効にするために、車両検知システムへ起動命令を送信できる。S602において、OTA制御ユニットは、車両内の人の識別結果として車両検知システムから検知結果を直接得ることができる。あるいは、OTA制御ユニットは、コックピットドメインコントローラと通信することもできる。S601において、OTA制御ユニットは、車両検知システムの検知機能を有効にする。例えば、OTA制御ユニットは、コックピットドメインコントローラへ識別結果の取得命令を送信でき、コックピットドメインコントローラは、車両検知システムの検知機能を有効にして車両検知システムから検知結果を得るために、取得命令に応じて車両検知システムへ起動命令を送信できる。コックピットドメインコントローラは、車両検知システムから得られた検知結果を識別して、車両内の人の識別結果を得る。S602において、OTA制御ユニットは、コックピットドメインコントローラから車両内の人の識別結果を得ることができる。識別結果を得る方式は、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0172】
例えば、車両内の人の識別結果は、例えば、乗員識別子、車両所有者マーク(乗員が車両所有者であるか否かをマークするために使用される、例えば上記の「*」)、および車両内の全乗員を識別することによって得られる乗員位置などの情報を含み得る。
【0173】
本出願のこの実施形態において、車両の所有者および/または車両の許可済みユーザの検知特徴情報(顔情報、虹彩情報、声紋情報などを含む)が、車両内のメモリに、または車両がアクセスできる別のデバイスに、格納され得ることは理解されよう。識別プロセスでは、車両検知システム/コックピットドメインコントローラがリアルタイムで得られる検知結果を格納された検知特徴情報と比較して、車両内の人の識別結果を判断することができる。識別プロセスの具体的な実施プロセスは、本出願のこの実施形態で限定されない。ここでは詳細を再度説明しない。
【0174】
S603:OTA制御ユニットは、車両内の人が第1のユーザ、すなわち車両の所有者を含むか否かを判断し、判断結果が「いいえ」である場合はS604を実行し、または判断結果が「はい」である場合はS605を実行する。
【0175】
例えば、OTA制御ユニットは、S602で得られる識別結果が車両所有者マークを含むか否かに基づいて、乗員が第1のユーザを含むか否かを判断できる。
【0176】
S604:OTA制御ユニットは、第1のユーザへアップグレード操作情報を送信する。
【0177】
例えば、OTA制御ユニットは、SMSメッセージ、電子メール、アプリケーションなどを使用して、第1のユーザのスマートフォンへアップグレード操作情報を送信できる。
【0178】
S605:OTA制御ユニットは、車両内の第1のユーザの位置がHMIに関連付けられているか否かを判断し、判断結果が「いいえ」である場合はS606を実行し、または判断結果が「はい」である場合はS607を実行する。
【0179】
S606:OTA制御ユニットは、主車両HMIへアップグレード操作情報を送信する。
【0180】
例えば、主車両HMIは、車両の運転者位置に関連付けられたHMIであってよい。このステップの別の任意選択の一実装では、OTA制御ユニットは代わりに、車両所有者のスマートフォンへアップグレード操作情報を送信してもよい。
【0181】
S607:OTA制御ユニットは、車両内の第1のユーザの位置に関連付けられたHMIへアップグレード操作情報を送信する。
【0182】
換言すると、OTA制御ユニットは、車両センサの検知結果に基づいて、第1のユーザと車両との関連関係に基づいて判断を行うことができる。例えば、第1のユーザが車両内に存在しない場合、OTA制御ユニットは、第1のユーザのインテリジェント端末へアップグレード操作情報を送信できる。第1のユーザが車両内に存在する場合、OTA制御ユニットは、車両内の第1のユーザの位置に基づいて、第1のユーザの位置に関連付けられたHMIへアップグレード操作情報を送信できる。例えば、第1のユーザが運転者位置にいる場合、OTA制御ユニットは、主車両HMIへアップグレード操作情報を送信できる。別の例として、車両の所有者が運転者位置ではない位置にいる場合、例えば、前部乗員位置または後列位置にいる場合、OTA制御ユニットは、第1のユーザがいる前部乗員位置または後列位置に関連付けられたHMIへアップグレード操作情報を送信できる。
【0183】
任意選択の一実装において、図6Aおよび図6Bに示されているアップグレード方法では、S605およびS606ならびにS603からS604の実行順序を交換できること、すなわち、S605の判断プロセスが先に実行され、次いでS603の判断プロセスが実行されることに留意されたい。アップグレード操作情報の該当する受信側は、判断結果に基づいて判断される。
【0184】
したがって、図6Aおよび図6Bに示されている方法例によると、OTA制御ユニットは、インテリジェントコネクテッドビークルの検知機能を使用して車両内の人を識別し、識別結果に基づいて、処理対象のアップグレード操作情報を出力のため該当するHMIへ柔軟に送信できるので、然るべき人が出力されたアップグレード操作情報に対して後続の関連処理を実行して、車両のOTAアップグレード操作を完了する。この方法によると、アップグレード操作情報が主車両HMIに直接押し付けられるのを回避でき、車両所有者ではなく車両を現在使用しているユーザに生じる不必要な面倒と運転負担が回避される。これにより、車両所有者ではないユーザの運転体験が向上する。
【0185】
例4:OTAプロセス(OTA内容を判断すること、OTAアップグレードパッケージをダウンロードすること、OTAアップグレードパッケージをインストールすること、OTAアップグレードパッケージをアクティブにすることなどを含む)では、複数の人が共同操作を実行できる。図4Aから図6Bに示されている例に基づくと、アップグレード操作情報が車両に配信され、車両内の第1のデバイスによって出力された後に、第1のデバイスは、アップグレード操作情報に応じて入力情報をさらに得ることができ、OTA制御ユニットは、入力情報に基づいて、車両内の第2のデバイスへアップグレード操作情報を転送できる。このようにして、車両内の様々なデバイス間でアップグレード操作情報が転送され出力されるので、然るべき人がアップグレード操作情報に対して後続の関連処理を実行し、車両の運転安全性が確保され、ユーザ体験が向上する。
【0186】
図7に示されているように、アップグレード方法は以下のステップを含み得る。
【0187】
S701:OTA制御ユニットは、ネットワーク通信装置から車両のアップグレード操作情報を受信し、車両内の第1のデバイスへ指示情報とアップグレード操作情報を送信し、指示情報は、第1のデバイス上でアップグレード操作情報を出力することを指示する。
【0188】
例えば、第1のデバイスは、車両の主車両HMIであってよい。あるいは、第1のデバイスは、車両の所有者に関連付けられたデバイスであってもよく、例えば、車両内の車両の所有者の位置に関連付けられたHMIであってもよい。あるいは、第1のデバイスは、車両の所有者のスマートフォンであってもよい。
【0189】
S702:第1のデバイスは、アップグレード操作情報を出力する。
【0190】
S703:第1のデバイスは、アップグレード操作情報に応じて入力情報を受信する。
【0191】
S704:第1のデバイスは、入力情報に基づいてOTA制御ユニットへ出力制御情報を送信する。相応に、OTA制御ユニットは出力制御情報を受信できる。
【0192】
例えば、入力情報は、第1のデバイスに関連付けられたユーザによって提供されてよい。入力情報は、例えば、アップグレード操作情報を出力することを車両内の第2のデバイスに許可するために使用される許可情報を含んでよい。あるいは、入力情報は、アップグレード操作情報の処理命令を含んでもよく、例えば、OTA内容の確認、または同意もしくは不同意を含んでもよい。例えば、出力制御情報は、アップグレード操作情報であってよい。あるいは、出力制御情報は、第2のデバイス上でアップグレード操作情報を出力することを指示する制御情報であってもよい。
【0193】
S705:OTA制御ユニットは、出力制御情報が、車両のアップグレード操作情報に対する操作権限を許可するために使用される許可情報であるか否かを判断し、判断結果が「はい」である場合はS706を実行し、または判断結果が「いいえ」である場合はS708を実行する。
【0194】
S706:OTA制御ユニットは、車両内の第2のデバイスへアップグレード操作情報を送信する。
【0195】
S707:第2のデバイスは、アップグレード操作情報を受信し、出力することができる。
【0196】
第2のデバイスは、車両内の第1のデバイス以外のHMIであってよい。例えば、第1のデバイスは、主車両HMIであってよい。現時点において、車両の許可済みユーザは車両の運転者位置に位置し、車両の所有者は車両内の前部乗員位置または後列位置に位置し、第2のデバイスは、前部乗員位置もしくは後列位置に関連付けられたHMI、または車両の所有者のスマートフォンであってよい。あるいは、例えば、第1のデバイスは、主車両HMIであってよい。現時点において、車両の所有者は車両の運転者位置に位置し、車両の許可済みユーザは前部乗員位置または後列位置に位置し、第2のデバイスは、前部乗員位置または後列位置に関連付けられたHMIであってよい。あるいは、例えば、現時点において、車両の所有者は、前部乗員位置に位置していてもよく、第1のデバイスは、車両の前部乗員位置に関連付けられたHMIであってもよく、第2のデバイスは、運転者位置または後列位置に関連付けられたHMIであってもよい。
【0197】
S708:OTA制御ユニットは、許可情報である出力制御情報に基づいて、出力制御情報に対応する指示を実行する。
【0198】
例えば、出力制御情報は「アップグレードなし」であってよく、OTA制御ユニットは、アップグレード操作情報を無視してよい。
【0199】
したがって、図7に示されている方法例によると、OTA制御ユニットは、インテリジェントコネクテッドビークルが複数のHMIを有するという機能を使用して、別々のHMI間で車両のアップグレード操作情報を転送し出力できるので、車両のOTAアップグレード操作を完了するために、操作権限を持つ人が、または比較的安全な場所(例えば、車両の前部乗員位置または後列位置)に位置する人が、出力されたアップグレード操作情報に対して後続の関連処理を実行する。本方法によると、車両を運転している運転者に生じる不必要な面倒と運転負担を回避し、運転体験を向上させるために、複数のHMI間で転送操作と許可操作を実行できる。
【0200】
例5:OTAプロセス(OTA内容を判断すること、OTAアップグレードパッケージをダウンロードすること、OTAアップグレードパッケージをインストールすること、OTAアップグレードパッケージをアクティブにすることなどを含む)では、複数の人が共同操作を実行できる。図4Aから図6Bに示されている例に基づくと、車両のアップグレード操作情報が車両の所有者のインテリジェント端末に配信された後に、インテリジェント端末は、前述の第1のデバイスとして機能でき、車両の所有者は、インテリジェント端末を使用して、インテリジェント端末以外の別のデバイス(例えば、前述の第2のデバイス)に車両のアップグレード操作情報に対する操作権限を許可できる。別のデバイスは、車両内のデバイスであってよく、または車両の許可済みユーザのデバイス、車両の所有者の別のインテリジェント端末、および車両を含むが、これらに限定されない、車両外のデバイスであってもよい。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0201】
図8に示されているように、アップグレード方法は以下のステップを含み得る。
【0202】
S801:第1のユーザのインテリジェント端末は、OTAサーバから車両のアップグレード操作情報を受信する。
【0203】
S802.第1のユーザのインテリジェント端末は、アップグレード操作情報を出力し、第1のユーザの入力情報を受信する。
【0204】
例えば、入力情報は、車両のアップグレード操作情報に対する操作権限を別のデバイスに許可するために使用される許可情報を含んでよい。入力情報は、別のデバイスの通信アドレスなどの情報をさらに含んでもよい。
【0205】
S803:第1のユーザのインテリジェント端末は、入力情報に基づいてOTAサーバへ指示情報を送信する。相応に、OTAサーバは、第1のユーザのインテリジェント端末から指示情報を受信する。
【0206】
例えば、入力情報が許可情報を含む場合、指示情報は、許可された別のデバイスの通信アドレスなどの情報を指示できる。例えば、入力情報は、車両のアップグレード操作情報に対する操作権限が許可されている許可済みユーザを指示でき、指示情報は、許可済みユーザの携帯電話番号や電子メールなどの連絡方法を含んでよい。別の例として、入力情報は、車両の所有者の別のインテリジェント端末の通信アドレスなどを指示できる。
【0207】
S804:OTAサーバは、第1のユーザのインテリジェント端末からの指示情報が、車両のアップグレード操作情報に対する操作権限を別のデバイスに許可するために使用される許可情報であるか否かを判断し、判断結果が「いいえ」である場合はS805を実行し、または判断結果が「はい」である場合はS806を実行する。
【0208】
S805:OTAサーバは、第1のユーザのインテリジェント端末からの指示情報が非許可情報である場合に、対応する指示を実行する。
【0209】
S806:OTAサーバは、第1のユーザのインテリジェント端末からの指示情報が許可情報である場合に、別のデバイスへ車両のアップグレード操作情報を送信する。
【0210】
例えば、別のデバイスは、第2のユーザのインテリジェント端末を含み得る。S806において、OTAサーバは、第2のユーザのインテリジェント端末へアップグレード操作情報を送信できる。あるいは、別のデバイスは、車両を含み得る。S806において、OTAサーバは、車両へアップグレード操作情報を送信できる。別のデバイスは、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0211】
S807:別のデバイスは、OTAサーバから車両のアップグレード操作情報を受信し、アップグレード操作情報を出力する。相応に、別のデバイス側のユーザは、車両のOTAアップグレード操作を完了するために、受信したアップグレード操作情報に基づいて、後続の関連処理を実行することを判断できる。
【0212】
したがって、図8に示されている方法例によると、第1のユーザのインテリジェント端末を使用して車両のアップグレード操作情報を受信した後に、第1のユーザは、車両の運転安全性を確保しながら、車両のOTAアップグレード操作を適時に実施するために、許可操作によって、車両のOTAアップグレード操作を実行するのにより適した別のデバイスに、例えば、車両に、または車両を現在使用していて車両のリアルタイム状況をよりよく理解している第2のユーザのインテリジェント端末に、車両のOTAアップグレード操作情報に対する操作権限を許可できる。
【0213】
この場合、端末デバイスが車両である一例を用いて、図4Aから図8の方法フローチャートを参照しながら、様々なケースにおける本出願の実施形態のアップグレード方法の様々な実施プロセスを説明した。本方法では、インテリジェントコネクテッドビークルシナリオとマルチユーザシナリオにおいて、車両の状況情報に基づいて、車両のアップグレード操作を実行するのにより適したユーザを判断できるので、アップグレード操作情報は、そのユーザに関連付けられたデバイスに柔軟に配信され、そのユーザは、アップグレード操作の具体的な実施プロセスを制御する。これにより、車両上のユーザの運転体験が向上するだけでなく、車両の運転安全性と車両に対してOTAアップグレードを実行する適時性も確保することができる。
【0214】
本出願の一実施形態は、前述の方法の実施形態でOTAサーバ、OTA制御ユニット、第1のデバイス、端末デバイスなどによって実行される方法を実行するように構成された通信装置をさらに提供する。関連する特徴については、前述の方法の実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0215】
図9に示されているように、通信装置900は、端末デバイスの状況情報を得るように構成された取得ユニット901であって、状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、第1のユーザが端末デバイスの所有者であり、第2のユーザが端末デバイスの許可済みユーザである、取得ユニット901と、状況情報に基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するように構成されたアップグレード制御ユニット902とを含んでよい。具体的な実装については、前述の方法の実施形態でOTAサーバによって実施される方法のステップを参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0216】
図10に示されているように、通信装置1000は、OTAサーバから端末デバイスのアップグレード操作情報を受信するように構成された通信ユニット1001と、端末デバイスの状況情報を得るように構成された取得ユニット1002であって、状況情報が第1のユーザの識別結果および/または第2のユーザの識別結果を含み、第1のユーザが端末デバイスの所有者であり、第2のユーザが端末デバイスの許可済みユーザである、取得ユニット1002と、状況情報とアップグレード操作情報とに基づいて端末デバイスのアップグレード操作を実行するように構成されたアップグレード制御ユニット1003とを含んでよい。具体的な実装については、前述の方法の実施形態でOTA制御ユニットによって実施される方法のステップを参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0217】
図10に示されている例で、取得ユニット1002と通信ユニット1001が同じユニットであってよく、または別々のユニットであってもよいことに留意されたい。これは、本出願のこの実施形態で限定されない。例えば、取得ユニット1002がローカルデータベースから端末デバイスの状況情報を得るなら、取得ユニット1002と通信ユニット1001は同じユニットであり、または、取得ユニット1002が通信装置1000以外の装置から状況情報を得るなら、取得ユニット1002と通信ユニット1001は別々のユニットである。
【0218】
図11に示されているように、通信装置1100は、アップグレード操作情報を受信するように構成された通信ユニット1101と、アップグレード操作情報を出力するように構成された出力ユニット1102と、アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るように構成された入力ユニット1103であって、入力情報が、アップグレード操作情報を出力することを第2のHMIに許可するために使用される、入力ユニット1103とを含んでよい。通信ユニット1101はさらに、入力情報に基づいて出力制御情報を送信するように構成され、出力制御情報は、第2のHMI上でアップグレード操作情報を出力することを指示する。具体的な実装については、前述の方法の実施形態で第1のデバイスによって実施される方法のステップを参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0219】
あるいは、図11に示されているように、通信装置1100は、OTAサーバまたは第1のユーザから端末デバイスのアップグレード操作情報を受信するように構成された通信ユニット1101であって、第1のユーザが端末デバイスの所有者である、通信ユニット1101と、アップグレード操作情報を出力するように構成された出力ユニット1102と、アップグレード操作情報に応じて入力情報を得るように構成された入力ユニット1103であって、入力情報が、端末デバイスのアップグレード操作を実行することをインテリジェント端末以外の別のデバイスに許可するために使用される、入力ユニット1103とを含んでもよい。通信ユニットはさらに、入力情報に基づいてOTAサーバまたは端末デバイスへ操作制御情報を送信するように構成され、操作制御情報は、端末デバイスのアップグレード操作を実行することを別のデバイスに指示する。具体的な実装については、前述の方法の実施形態で端末デバイスまたは車両によって実施される方法のステップを参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0220】
前述の装置におけるユニットの分割が論理的な機能分割にすぎないことを理解されたい。実際の実装時には、ユニットの全部または一部が1つの物体に統合されてもよく、または物理的に分離されてもよい。加えて、装置内のユニットは、プロセッサによってソフトウェアを呼び出す形態で実装されてもよい。例えば、装置はプロセッサを含み、プロセッサはメモリに接続され、メモリは命令を格納し、プロセッサはメモリに格納された命令を呼び出して、前述の方法のいずれか1つを実施し、または装置内のユニットの機能を実施する。プロセッサは、例えば汎用プロセッサ、例えば中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)やマイクロプロセッサであり、メモリは、装置内のメモリまたは装置外のメモリである。あるいは、装置内のユニットは、ハードウェア回路の形態で実装されてもよく、ユニットの一部または全部の機能は、ハードウェア回路を設計することによって実装されてよい。ハードウェア回路は、1つ以上のプロセッサとして理解できる。例えば、一実装では、ハードウェア回路は特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)であり、ユニットの一部または全部の機能は、回路内の素子間の論理的関係を設計することによって実装される。別の例として、別の実装では、ハードウェア回路は、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)を使用して実装されてよく、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)は、大量の論理ゲート回路を含み得、ユニットの一部または全部の機能を実装するため、論理ゲート回路間の接続関係は、構成ファイルを使用して構成される。装置の全てのユニットが、プロセッサによってソフトウェアを呼び出す形態で、またはハードウェア回路の形態で、実装されてもよく、またはユニットの一部は、プロセッサによってソフトウェアを呼び出す形態で実装され、残りのユニットは、ハードウェア回路の形態で実装される。
【0221】
本出願のこの実施形態では、プロセッサは信号処理能力を有する回路である。一実装では、プロセッサは、命令を読み取って実行する能力を有する回路であってよく、例えば、CPU、マイクロプロセッサ、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)(これはマイクロプロセッサとして理解できる)、またはデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)であってよい。別の実装では、プロセッサは、ハードウェア回路の論理的関係を使用することによって特定の機能を実施できる。ハードウェア回路の論理的関係は固定されており、または再構築されてもよい。例えば、プロセッサは、ASICまたはPLDを使用して実装されるハードウェア回路であり、例えばFPGAである。再構成可能なハードウェア回路において、ハードウェア回路構成を実施するためにプロセッサが構成文書をロードするプロセスは、ユニットの一部または全部の機能を実施するためにプロセッサが命令をロードするプロセスとして理解できる。加えて、回路は、人工知能のために設計されたハードウェア回路であってもよく、ASICとして、例えば、ニューラルネットワーク処理ユニット(Neural Network Processing Unit、NPU)、テンソル処理ユニット(Tensor Processing Unit、TPU)、またはディープラーニング処理ユニット(Deep learning Processing Unit、DPU)として、理解できる。
【0222】
装置内のユニットが、前述の方法を実施するための1つ以上のプロセッサ(または処理回路)として、例えば、CPU、GPU、NPU、TPU、DPU、マイクロプロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、またはこれらのプロセッサ形態のうちの少なくとも2つの組み合わせとして、構成され得ることが分かる。
【0223】
加えて、装置内のユニットの全部または一部は統合されてよく、または装置内の各ユニットが独立して実装されてもよい。一実装では、これらのユニットが統合され、システムオンチップ(system-on-a-chip、SOC)の形態で実装される。SOCは、前述の方法のいずれか1つを実施するように、または装置のユニットの機能を実施するように、構成された少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。少なくとも1つのプロセッサの種類は、例えば、CPUおよびFPGA、CPUおよび人工知能プロセッサ、CPUおよびGPUなどを含み、様々であってよい。
【0224】
単純な実施形態において、当業者は、前述の実施形態の通信装置が図12に示されている形態であり得ることを理解できる。
【0225】
図12に示されている装置1200は、少なくとも1つのプロセッサ1210と通信インターフェース1230とを含む。任意選択の一設計では、装置がメモリ1220をさらに含んでもよい。
【0226】
プロセッサ1210とメモリ1220との間の具体的な接続媒体は、本出願のこの実施形態で限定されない。
【0227】
図12に示されている装置では、別のデバイスと通信するときに、プロセッサ1210が通信インターフェース1230を通じてデータ送信を行うことができる。
【0228】
通信装置が図12に示されている形態である場合、図12のプロセッサ1210は、メモリ1220に格納されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことができ、その結果、装置1200は前述の方法の実施形態のいずれかを実行できる。
【0229】
本出願の一実施形態はさらに、チップシステムに関する。このチップシステムは、メモリに格納されたコンピュータプログラムまたはコンピュータ命令を呼び出すように構成されたプロセッサを含み、プロセッサは、前述の実施形態のいずれか1つの方法を実行する。
【0230】
可能な一実装では、プロセッサは、インターフェースを介してメモリに結合されてよい。
【0231】
可能な一実装では、チップシステムはさらにメモリを直接的に含んでよく、メモリはコンピュータプログラムまたはコンピュータ命令を格納する。
【0232】
例えば、メモリは、揮発性メモリもしくは不揮発性メモリであってよく、または揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含んでもよい。不揮発メモリは、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(programmable ROM、PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(erasable PROM、EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(electrically EPROM、EEPROM)、またはフラッシュメモリであってよい。揮発メモリは、外部キャッシュとして使用されるランダム・アクセス・メモリ(random access memory、RAM)であってよい。限定ではなく例として、多くの形態のRAM、例えば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(static RAM、SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(dynamic RAM、DRAM)、シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブル・データ・レート・シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、エンハンスト・シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクロナス・リンク・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchlink DRAM、SLDRAM)、およびダイレクト・ラムバス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(direct rambus RAM、DR RAM)が使用されてよい。
【0233】
本出願の一実施形態はさらに、プロセッサに関する。このプロセッサは、メモリに格納されたコンピュータプログラムまたはコンピュータ命令を呼び出すように構成され、その結果、プロセッサは、前述の実施形態のいずれか1つの方法を実行する。
【0234】
例えば、本出願のこの実施形態では、プロセッサは集積回路チップであり、信号処理能力を有する。例えば、プロセッサは、FPGAであってよく、汎用プロセッサ、DSP、ASICもしくは別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジックデバイス、またはディスクリートハードウェアコンポーネントであってよく、またはシステムチップ(system on chip、SoC)であってもよく、またはCPUであってもよく、またはネットワークプロセッサ(network processor、NP)であってもよく、またはマイクロコントローラユニット(micro controller unit、MCU)であってもよく、またはPLDもしくは別の集積チップであってもよく、本出願の実施形態で開示されている方法、ステップ、および論理ブロック図を実施または実行できる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよく、またはプロセッサは従来の何らかのプロセッサなどであってもよい。本出願の実施形態を参照して開示されている方法のステップは、ハードウェア復号化プロセッサによって直接実施され完了されてよく、または復号化プロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせを使用することによって実施され完了されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダム・アクセス・メモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラム可能読み取り専用メモリ、電気的消去可能プログラム可能メモリ、またはレジスタなど、当技術分野の成熟した記憶媒体内に配置されてよい。記憶媒体はメモリ内に位置し、プロセッサはメモリ内の情報を読み取り、プロセッサのハードウェアと共同して前述の方法のステップを完遂する。
【0235】
本出願の実施形態が、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解されたい。
【0236】
可能な一実装では、本出願の一実施形態はコンピュータ可読記憶媒体を提供する。このコンピュータ可読記憶媒体はプログラムコードを格納し、プログラムコードがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは前述の方法の実施形態を実行することが可能になる。
【0237】
可能な一実装では、本出願の一実施形態はコンピュータプログラム製品を提供する。このコンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは前述の方法の実施形態を実行することが可能になる。
【0238】
したがって、本出願は、ある種のハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、ソフトウェアとハードウェアとが組み合された実施形態を使用できる。加えて、本出願は、コンピュータ使用可能プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ使用可能記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリなどを含むが、これらに限定されない)上に実装されたある種のコンピュータプログラム製品を使用できる。
【0239】
これらのコンピュータプログラム命令は、特定の方式で動作することをコンピュータまたは他の何らかのプログラム可能データ処理デバイスに指示できるコンピュータ可読メモリに格納されてよく、この場合、コンピュータ可読メモリに格納された命令は、命令装置を含むアーチファクトを生成する。命令装置は、フローチャートの1つ以上のプロセスおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックで特定の機能を実施する。
【0240】
コンピュータプログラム命令は代わりに、コンピュータまたは別のプログラム可能データ処理デバイスにロードされてもよく、その結果、コンピュータまたは別のプログラム可能デバイス上で一連の操作とステップが実行され、その結果、コンピュータ実施処理が生成される。したがって、コンピュータまたは別のプログラム可能デバイス上で実行される命令は、フローチャートの1つ以上の手順および/またはブロック図の1つ以上のブロックで特定の機能を実施するためのステップを提供する。
【0241】
当業者が、本出願の実施形態の範囲から逸脱することなく、本出願の実施形態に対して様々な修正や変更を行うことができることは明らかである。この場合、本出願は、本出願の実施形態のこれらの修正および変更が、本出願の特許請求の範囲とその同等の技術とによって決まる保護範囲内に入る限りは、これらの修正および変更を含むことを意図している。本出願の実施形態では、特別な説明や論理的な矛盾がなければ、様々な実施形態の用語および/または説明は一貫しており、相互に参照できる。技術的特徴間の内的な論理的関係に基づいて、様々な実施形態の技術的特徴を組み合わせて新たな実施形態を形成することもできる。
【符号の説明】
【0242】
110 OTAサーバ
120 端末デバイス
130 インテリジェント端末
140 インテリジェント端末
350 車両
330 スマートフォン
340 スマートフォン
351 ネットワーク通信装置
352 OTA制御ユニット
353 HMI
353_1 HMI
353_2 HMI
353_3 HMI
354 コックピットドメインコントローラ
355 車両検知システム
900 通信装置
901 取得ユニット
902 アップグレード制御ユニット
1000 通信装置
1001 通信ユニット
1002 取得ユニット
1003 アップグレード制御ユニット
1100 通信装置
1101 通信ユニット
1102 出力ユニット
1103 入力ユニット
1200 装置
1210 プロセッサ
1230 通信インターフェース
1220 メモリ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】