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特表2024-545267低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 41/02 20060101AFI20241128BHJP
   H01F 1/11 20060101ALI20241128BHJP
   C04B 35/26 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01F41/02 G
H01F1/11
C04B35/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536272
(86)(22)【出願日】2023-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2023096164
(87)【国際公開番号】W WO2024001623
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202210756747.4
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517366220
【氏名又は名称】横店集団東磁股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呂▲飛▼雨
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼利康
【テーマコード(参考)】
5E040
5E062
【Fターム(参考)】
5E040AB05
5E040BD01
5E040CA01
5E040HB03
5E040HB11
5E040HB17
5E040HB19
5E040NN02
5E040NN06
5E040NN15
5E040NN17
5E040NN18
5E062CD01
5E062CE01
5E062CG01
5E062CG02
(57)【要約】
本文は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を開示する。前記製造方法は、秤量→第1ボールミリング処理→乾燥→第1焼結処理→第2ボールミリング処理→造粒成形→第2焼結処理を含み、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料を取得する。本願に係る製造方法は、一部のFeイオンを希土類元素Gdに置き換え、GdとFeの電磁気的特性および補償点を利用して適当な飽和磁化、残留磁気率および線幅を取得し、且つ、適量の低融点フラックスのBi、V、SiOおよびZnOと合わせて添加することにより、W型六方晶系マイクロ波フェライト材料のミクロ構造を改善し、気孔を減少し、線幅を低減し、残留磁気率を増加する。前記製造方法は、プロセスが安定し、再現性が良く、大量生産に適する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法であって、
化学式BaGdNiFe(16~x)27(ただし、0.1<x<0.25)に応じて、原料のBaCO、Gd、NiOおよびFeを計算して秤量した後、第1ボールミリング処理を行い、粒度X50が0.9~1.2μmの第1ボールミリング後のスラリーを取得するステップ(1)と、
前記第1ボールミリング後のスラリーに対して乾燥および温度1200~1280℃の第1焼結処理を順次に行い、混合粉材を取得するステップ(2)と、
前記混合粉材とフラックスとを混合させ、第2ボールミリング処理を行い、粒度X50が0.8~1.1μmの第2ボールミリング後のスラリーを取得するステップであって、前記フラックスの組成および質量%がそれぞれBi:0.01~0.1%、V:0.01~0.1%、SiO:0.01~0.1%およびZnO:0.01~0.1%であるステップ(3)と、
前記第2ボールミリング後のスラリーに対して造粒成形および第2焼結処理を順次に行い、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料を取得するステップであって、前記第2焼結処理が、空気焼結を行ってから温度1150℃~1250℃の酸素焼結を行うことを含み、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅<400Oeであるステップ(4)と、を含む、
製造方法。
【請求項2】
ステップ(1)に記載の第1ボールミリング処理の回転速度は60~80r/minである、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1ボールミリング処理の時間は20~40hである、
請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
ステップ(2)に記載の乾燥の温度は120~150℃であり、
好ましくは、前記乾燥の時間は16~20hである、
請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
ステップ(2)に記載の第1焼結処理の昇温速度は1.0~1.5℃/minである、
請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
ステップ(3)に記載の第2ボールミリング処理の回転速度は60~80r/minであり、
好ましくは、前記第2ボールミリング処理の時間は15~24hである、
請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
ステップ(3)に記載の第2ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加える、
請求項1~7のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】
ステップ(4)に記載の造粒成形前のスラリーの固形分≧70%であり、
好ましくは、前記造粒成形後のサンプルの密度は3.4~3.6g/cmである、
請求項1~8のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項10】
ステップ(4)に記載の空気焼結は、室温から1.0℃/minの速度で120℃に昇温し、2h保温した後に、2℃/minの速度で1000℃に昇温することを含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項11】
ステップ(4)に記載の酸素焼結は、流量30~50L/min、酸素含有量≧98%の酸素を通気し、2.5℃/minの速度で酸素焼結温度に昇温し、3~8h保温した後に、2.5℃/minの速度で700℃に降温し、酸素の通気を停止して炉中で冷却することを含む、
請求項1~10のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項12】
化学式BaGdNiFe(16~x)27(ただし、0.1<x<0.25)に応じて、原料のBaCO、Gd、NiOおよびFeを計算して秤量した後、回転速度60~80r/minの第1ボールミリング処理を20~40h行い、粒度X50が0.9~1.2μmの第1ボールミリング後のスラリーを取得するステップであって、前記第1ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加えるステップ(1)と、
前記第1ボールミリング後のスラリーに対して温度120~150℃の乾燥を16~20h、および温度1200~1280℃、昇温速度1.0~1.5℃/minの第1焼結処理を順次行い、混合粉材を取得するステップ(2)と、
前記混合粉材とフラックスとを混合させ、回転速度60~80r/minの第2ボールミリング処理を15~24h行い、粒度X50が0.8~1.1μmの第2ボールミリング後のスラリーを取得するステップであって、前記フラックスの組成および質量%がそれぞれBi:0.01~0.1%、V:0.01~0.1%、SiO:0.01~0.1%およびZnO:0.01~0.1%であり、前記第2ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加えるステップ(3)と、
(4)前記第2ボールミリング後のスラリーに対して造粒成形および第2焼結処理を順次行い、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料を取得するステップであって、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅<400Oeであり、
前記造粒成形前のスラリーの固形分≧70%であり、前記造粒成形後のサンプルの密度は3.4~3.6g/cmであり、
前記第2焼結処理のステップは、空気焼結を行ってから酸素焼結を行うことを含み、前記空気焼結は、室温から1.0℃/minの速度で120℃に昇温し、2h保温した後に、2℃/minの速度で1000℃に昇温することを含み、前記酸素焼結は、流量30~50L/min、酸素含有量≧98%の酸素を通気し、2.5℃/minの速度で焼結温度1150℃~1250℃に昇温し、3~8h保温した後に、2.5℃/minの速度で700℃に降温し、酸素の通気を停止して炉中で冷却することを含むステップ(4)と、を含む、
請求項1~11のいずれか1項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、磁性材料の技術分野に関し、例えば、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法である。
【背景技術】
【0002】
電子情報技術の急速な発展に伴い、レーダーの軍用、民生用分野での適用の重要性は日々高まっている。ここで、アクティブフェイズドアレイレーダーは、大量の放射ユニットを採用してアレイの形式で配置され、且つ、アンテナアレイ面における複数の、更にそれぞれの放射ユニットに送受信コンポーネントが接続され、送受信コンポーネントは、アクティブフェイズドアレイレーダーアンテナアレイ素子の核心部材であり、極めて小さい体積の制限でRF信号の送受信を完了する必要があり、該コンポーネントは、モノリシックマイクロ波集積回路技術により高度に集積化されるが、サーキュレータのサイズに限定され、十分に小型化、チップ化できていない。サーキュレータは、その非相反性により、送受信コンポーネントにおける送信機、アンテナおよび受信機という3つのモジュールを接続する不可欠な部品であるが、ガーネットおよびスピネル型フェライトに基づいて設計された従来のサーキュレータは、循環機能を実現するためにサイズが大きい永久磁石を外付けてバイアス磁界を提供する必要があり、更に、サーキュレータの動作周波数が高いほど、必要な永久磁石の体積は大きくなる。従って、サーキュレータのサイズを小さくすることは、送受信コンポーネントの更なる小型化、集積化を実現するために避けられない重要な問題である。
【0003】
CN106747391Aは、流延プロセスに基づくサーキュレータ基板の製造方法を開示し、以下のステップを含む。1.主原料処方:Y3-xCaSnFe5-x12(x=0.06)を採用し、2.一次ボールミリング、3.仮焼成:1000℃~1200℃の条件で仮焼成し、1~3時間保温し、4.ドーピング:0.2wt%のBi、0.10wt%のBaTiOという添加剤を加え、5.二次ボールミリング:粉材に40~50wt%の有機バインダーおよび40~50wt%の無水エタノールを加え、4~8時間ボールミリングし、6.流延成形:スラリーを流延により厚み100~120μmのグリーンフィルムテープを取得し、7.積層:厚みのニーズに応じて、グリーンフィルムテープを8~15層に積層し、6MPaでプレス成形し、8.焼結:空気雰囲気中、1360~1440℃で4時間保温する。本方法の製造により、異なる厚みの平滑なサーキュレータ用フェライト誘電体基板を取得することができ、且つ、X波帯に適用する特性を有し、温度安定性が良く、線幅が低く、誘電損失が低い等の利点を有する。
【0004】
CN102584200Aは、超低損失、細線幅のマイクロ波フェライト材料およびその製造方法を開示し、材料の主相はガーネット構造であり、化学式は、Y3-2x-yCa2x+yFe5-x-y-zZrAl12で、ただし、0.02≦x≦0.25、0.05≦y≦0.25、0.01≦z≦0.25であり、製造方法は、化学量論的に原材料を計算して秤量し、振動ボールミリング、仮焼成、振動ミルによる粗粉砕、サンドミルによる微粉砕、噴霧造粒、プレス成形および焼結を行うステップを含む。試験によると、取得された材料の強磁性共鳴線幅△H≦1.27KA/mで、誘電損失tgδe≦0.5×10-4で、取り付けられたマイクロ波デバイスの挿入損失≦0.21dBであり、その安定性および信頼性が大幅に向上し、適用範囲が拡大され、作製されたマイクロ波フェライトデバイスは、動作帯域が広くて挿入損失が低いという利点を有する。
【0005】
CN111732427Aは、自己バイアスサーキュレータ用の低強磁性共鳴線幅の六方晶フェライト材料を開示し、主成分とドーピング成分から構成され、ただし、前記主成分は、(6.5~7)molのFe、(1~1.17)molのBaCO、(0~1)molのGaを含み、前記ドーピング成分は、(0.01~1)wt%のCuO、(0.01~3)wt%のBi、(0.01~1.5)wt%のBを含み、上記材料の製造方法を更に開示し、製造された材料は、高い異方性磁界、高い飽和磁化、低い強磁性共鳴線幅および適当な保磁力を有し、且つ、製造方法が簡単で、操作しやすく、高い異方性磁界を有するため、サーキュレータの外付け永久磁石を代替することができ、サーキュレータのサイズを小さくし、デバイスの動作周波数を向上させ、低い強磁性共鳴線幅は、自己バイアスサーキュレータの損失を効果的に低減することができる。
【0006】
現在の六方晶フェライト材料は、強磁性共鳴線幅が高く、損失が大きいため、エンジニアリング化の新しい要求を満たすことができなくなる。
【0007】
従って、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法の開発は、重要な意義を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以下は、本文について詳細に説明する主題の概要である。本概要は、特許請求の範囲を制限するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的問題を解決するために、本願の実施例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、一部のFeイオンを希土類元素Gdに置き換え、GdとFeの電磁気的特性および補償点を利用して適当な飽和磁化、残留磁気率および線幅を取得し、且つ、適量の低融点フラックスのBi、V、SiOおよびZnOと合わせて添加することにより、W型六方晶系マイクロ波フェライト材料のミクロ構造を改善し、気孔を減少し、線幅を低減し、残留磁気率を増加する。本願に係る製造方法は、プロセスが安定し、再現性が良く、大量生産に適する。
【0010】
本願の実施例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法であって、
化学式BaGdNiFe(16~x)27(ただし、0.1<x<0.25)に応じて、原料のBaCO、Gd、NiOおよびFeを計算して秤量した後、第1ボールミリング処理を行い、粒度X50が0.9~1.2μmの第1ボールミリング後のスラリーを取得するステップ(1)と、
前記第1ボールミリング後のスラリーに対して乾燥および温度1200~1280℃の第1焼結処理を順次に行い、混合粉材を取得するステップ(2)と、
前記混合粉材とフラックスとを混合させ、第2ボールミリング処理を行い、粒度X50が0.8~1.1μmの第2ボールミリング後のスラリーを取得し、前記フラックスの組成および質量%がそれぞれBi:0.01~0.1%、V:0.01~0.1%、SiO:0.01~0.1%およびZnO:0.01~0.1%であるステップ(3)と、
前記第2ボールミリング後のスラリーに対して造粒成形および第2焼結処理を順次に行い、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料を取得し、前記第2焼結処理が、空気焼結を行ってから温度1150℃~1250℃の酸素焼結を行うことを含み、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅<400Oeであるステップ(4)と、を含む、
製造方法を提供する。
【0011】
本願に係る低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法は、一部のFeイオンを希土類元素Gdに置き換え、化学式BaGdNiFe(16~x)27中に0.1<x<0.25と限定し、GdとFeの電磁気的特性および補償点を利用することにより、適当な飽和磁化、残留磁気率および線幅を取得し、且つ、質量%でそれぞれBi:0.01~0.1%、V:0.01~0.1%、SiO:0.01~0.1%およびZnO:0.01~0.1%の低融点フラックスと合わせて添加することにより、W型六方晶系マイクロ波フェライト材料のミクロ構造を改善し、気孔を減少し、線幅を低減し、残留磁気率を増加する。本願に係る製造方法は更に温度1150℃~1250℃の酸素焼結を採用して、W型六方晶系マイクロ波フェライト材料の気孔を減少し、その線幅を効果的に低減し、且つ、Fe2+の出現を抑制し、材料の誘電損失の低減を防止する。
【0012】
本願に係る製造方法は、更に第1ボールミリング処理後のスラリーの粒度X50を0.9~1.2μm、第2ボールミリング処理後のスラリーの粒度X50を0.8~1.1μmに限定し、その役割は、粒子のほとんどをモノドメイン状態にして、配向磁界の作用下での磁気モーメントの転動に寄与し、良好な配向効果を取得し、残留磁気率を向上させ、また、気孔率を効果的に低減することである。更に、第1焼結処理の温度は1200~1280℃であり、温度が1200℃よりも低いと、結晶粒サイズが完全に成長しておらず、密度が低くなり、気孔率が向上し、線幅が増加することをもたらし、温度が1280℃よりも高いと、過大なサイズの結晶粒が出現し、ポアが増加し、残留磁気率が低下し、線幅が増加することをもたらす。
【0013】
本願において、xは、0.1<x<0.25で、例えば、0.11、0.13、0.15、0.18、0.2または0.24等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0014】
前記第1ボールミリング処理後のスラリーの粒度X50は0.9~1.2μmで、例えば、0.9μm、0.95μm、1μm、1.05μm、1.1μmまたは1.2μm等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0015】
前記第1焼結処理の温度は1200~1280℃で、例えば、1200℃、1210℃、1220℃、1250℃、1270℃または1280℃等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0016】
前記第2ボールミリング処理後のスラリーの粒度X50は0.8~1.1μmで、例えば、0.8μm、0.85μm、0.9μm、0.95μm、1μmまたは1.1μm等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0017】
前記フラックスの組成および質量%は、それぞれBi:0.01~0.1%、V:0.01~0.1%、SiO:0.01~0.1%、およびZnO:0.01~0.1%である。ただし、Biは0.01~0.1%で、例えば、0.01%、0.02%、0.04%、0.05%、0.08%または0.1%等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。Vは0.01~0.1%で、例えば、0.01%、0.02%、0.04%、0.05%、0.08%または0.1%等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。SiOは0.01~0.1%で、例えば、0.01%、0.02%、0.04%、0.05%、0.08%または0.1%等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。ZnOは0.01~0.1%で、例えば、0.01%、0.02%、0.04%、0.05%、0.08%または0.1%等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0018】
前記酸素焼結の温度は1150℃~1250℃で、例えば、1150℃、1155℃、1180℃、1200℃、1220℃または1250℃等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0019】
前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅<400Oeで、例えば、399Oe、390Oe、380Oe、370Oe、350Oeまたは320Oe等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0020】
好ましくは、ステップ(1)に記載の第1ボールミリング処理の回転速度は60~80r/minで、例えば、60r/min、62r/min、65r/min、70r/min、75r/minまたは80r/min等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0021】
好ましくは、前記第1ボールミリング処理の時間は20~40hで、例えば、20h、23h、25h、30h、35h、38hまたは40h等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0022】
好ましくは、前記第1ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加え、例えば、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%または0.05%等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0023】
本願は、分散剤の種類について明確に限定せず、当業者によく知られているボールミリング処理用の任意の分散剤を採用することができる。
【0024】
好ましくは、ステップ(2)に記載の乾燥の温度は120~150℃で、例えば、120℃、125℃、130℃、140℃、145℃または150℃等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0025】
好ましくは、前記乾燥の時間は16~20hで、例えば、16h、16.5h、17h、18h、19hまたは20h等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0026】
好ましくは、ステップ(2)に記載の第1焼結処理の昇温速度は1.0~1.5℃/minで、例えば、1.0℃/min、1.1℃/min、1.2℃/min、1.3℃/minまたは1.5℃/min等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0027】
好ましくは、ステップ(3)に記載の第2ボールミリング処理の回転速度は60~80r/minで、例えば、60r/min、62r/min、65r/min、70r/min、75r/minまたは80r/min等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0028】
好ましくは、前記第2ボールミリング処理の時間は15~24hで、例えば、15h、18h、20h、21h、23hまたは24h等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0029】
好ましくは、ステップ(3)に記載の第2ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加え、例えば、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%または0.05%等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0030】
好ましくは、ステップ(4)に記載の造粒成形前のスラリーの固形分は70%以上で、例えば、70%、72%、75%、80%、85%または90%等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0031】
好ましくは、前記造粒成形後のサンプルの密度は3.4~3.6g/cmで、例えば、3.4g/cm、3.41g/cm、3.45g/cm、3.5g/cm、3.55g/cmまたは3.6g/cm等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0032】
好ましくは、ステップ(4)に記載の空気焼結は、室温から1.0℃/minの速度で120℃に昇温し、2h保温した後に、2℃/minの速度で1000℃に昇温することを含む。
【0033】
好ましくは、ステップ(4)に記載の酸素焼結は、流量30~50L/min、酸素含有量≧98%の酸素を通気し、2.5℃/minの速度で酸素焼結温度に昇温し、3~8h保温した後に、2.5℃/minの速度で700℃に降温し、酸素の通気を停止して炉中で冷却することを含む。
【0034】
ただし、流量は30~50L/minで、例えば、30L/min、35L/min、38L/min、40L/min、45L/minまたは50L/min等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。酸素含有量は98%以上で、例えば、98%、98.2%、98.5%、99%、99.3%または99.5%等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。3~8h保温し、例えば、3h、4h、5h、7hまたは8h等であってもよいが、列挙された数値に限定されず、該数値範囲内の列挙されていない他の数値も同様に適用される。
【0035】
本願の好ましい技術案として、前記製造方法は、
化学式BaGdNiFe(16~x)27(ただし、0.1<x<0.25)に応じて、原料のBaCO、Gd、NiOおよびFeを計算して秤量した後、回転速度60~80r/minの第1ボールミリング処理を20~40h行い、粒度X50が0.9~1.2μmの第1ボールミリング後のスラリーを取得するステップであって、前記第1ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加えるステップ(1)と、
前記第1ボールミリング後のスラリーに対して温度120~150℃の乾燥を16~20h、および温度1200~1280℃、昇温速度1.0~1.5℃/minの第1焼結処理を順次行い、混合粉材を取得するステップ(2)と、
前記混合粉材とフラックスとを混合させ、回転速度60~80r/minの第2ボールミリング処理を15~24h行い、粒度X50が0.8~1.1μmの第2ボールミリング後のスラリーを取得するステップであって、前記フラックスの組成および質量%がそれぞれBi:0.01~0.1%、V:0.01~0.1%、SiO:0.01~0.1%およびZnO:0.01~0.1%であり、前記第2ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加えるステップ(3)と、
前記第2ボールミリング後のスラリーに対して造粒成形および第2焼結処理を順次行い、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料を取得するステップであって、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅<400Oeであり、
前記造粒成形前のスラリーの固形分≧70%であり、前記造粒成形後のサンプルの密度は3.4~3.6g/cmであり、
前記第2焼結処理のステップは、空気焼結を行ってから酸素焼結を行うことを含み、前記空気焼結は、室温から1.0℃/minの速度で120℃に昇温し、2h保温した後に、2℃/minの速度で1000℃に昇温することを含み、前記酸素焼結は、流量30~50L/min、酸素含有量≧98%の酸素を通気し、2.5℃/minの速度で焼結温度1150℃~1250℃に昇温し、3~8h保温した後に、2.5℃/minの速度で700℃に降温し、酸素の通気を停止して炉中で冷却することを含むステップ(4)と、を含む。
【発明の効果】
【0036】
関連技術と比べ、本願の実施例は、少なくとも以下の有益な効果を備える。
【0037】
本願の実施例に係る低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法は、プロセスが安定し、再現性が良く、得られたW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅<400Oeで、飽和磁化が3700~3900Gsで、残留磁気率>0.9で、密度>5.0g/cmであり、大規模な普及の見通しがある。
【0038】
詳細な説明を閲読して理解してから、他の態様も理解できる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本願を理解しやすいために、本願は、以下のような実施例を挙げる。当業者であれば、前記実施例は、本願を理解するためのものに過ぎず、本願の具体的な制限と見なされるべきではないことを理解すべきである。
【0040】
以下、本願について更に詳細に説明する。下記実施例は本願の簡単な例に過ぎず、本願の特許請求の範囲を代表又は制限するものではなく、本願の保護範囲は特許請求の範囲を基準とする。
【0041】
実施例1
本実施例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、以下のステップを含む。
【0042】
(1’)化学式BaGdNiFe(16~x)27(ただし、x=0.2)に応じて、原料のBaCO、Gd、NiOおよびFeを計算して秤量し、ただし、BaCOの純度が99.65%で、Gdの純度が99.5%で、NiOの純度が99.5%で、Feの純度が99.5%であった。
【0043】
(2’)原料をボールミルポットに入れてボールミルを用いて混合させ、原料:脱イオン水:ジルコニアボール(大:小)=1000:1000:(4000:1000)の重量比で仕込み、回転速度70r/minの第1ボールミリング処理を24h行い、前記第1ボールミリング処理において質量分率0.02%の分散剤を加え、前記第1ボールミリング処理後のスラリーの粒度X50は0.9~1.2μmであった。
【0044】
(3’)第1ボールミリング処理後のスラリーをオーブンに入れて乾燥し、乾燥温度140℃、時間18hとし、その後、乾燥後の粉材を60メッシュの篩にかけてから空気焼結炉に入れて第1焼結処理を5h行い、1.5℃/minの速度で第1焼結処理の温度1250℃に昇温し、混合粉材を取得した。
【0045】
(4’)前記混合粉材と、フラックスと、質量分率0.02%の分散剤とを混合させた後、ボールミルポットに入れて横型ボールミルを用いて混合させ、材料:脱イオン水:ジルコニアボール(大:小)=1000:1000:(4000:1000)の重量比で仕込み、回転速度70r/minの第2ボールミリング処理を16h行い、前記第2ボールミリング処理後のスラリーの粒度X50は0.8~1.1μmであり、前記フラックスの組成および質量%はそれぞれBi:0.06%、V:0.06%、SiO:0.06%およびZnO:0.06%であった。
【0046】
(5’)第2ボールミリング処理後のスラリーは、スラリーの固形分が70%以上となるように濾布で余分な水を濾過した。
【0047】
(6’)処理後のスラリーを配向成形し、得られたサンプルサイズはZ42*8であり、成形密度は3.4g/cmであった。
【0048】
(7’)前記サンプルに対して空気焼結を行ってから酸素焼結を行う。前記空気焼結は、室温から1.0℃/minの速度で120℃に昇温し、2h保温した後に、2℃/minの速度で1000℃に昇温した。前記酸素焼結は、流量40L/min、酸素含有量98%の酸素を通気し、2.5℃/minの速度で焼結温度1180℃に昇温し、6h保温した後、2.5℃/minの速度で700℃に降温し、酸素の通気を停止して炉中で冷却することを含む。前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料を取得した。
【0049】
実施例2
本実施例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(1’)においてx=0.18であったこと以外は実施例1と同じである。
【0050】
比較例1
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(1’)においてx=0であったこと以外は実施例1と同じである。
【0051】
比較例2
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(1’)においてx=0.3であったこと以外は実施例1と同じである。
【0052】
比較例3
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(3’)において第1焼結処理の温度が1150℃であったこと以外は実施例1と同じである。
【0053】
比較例4
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(3’)において第1焼結処理の温度が1300℃であったこと以外は実施例1と同じである。
【0054】
比較例5
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(4’)においてフラックスの組成および質量%がそれぞれBi:0.12%、V:0.12%、SiO:0.12%およびZnO:0.06%であったこと以外は実施例1と同じである。
【0055】
比較例6
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(4’)においてフラックスを加えなかったこと以外は実施例1と同じである。
【0056】
比較例7
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(4’)においてフラックスの組成および質量%がそれぞれV:0.12%、SiO:0.12%およびZnO:0.06%であったこと以外は実施例1と同じである。
【0057】
比較例8
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(2’)において第1ボールミリング処理時間がhで、得られた第1ボールミリング処理後のスラリーの粒度X50がμmであったこと以外は実施例1と同じである。
【0058】
比較例9
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(4’)において第2ボールミリング処理時間がhで、得られた第2ボールミリング処理後のスラリーの粒度X50がμmであったこと以外は実施例1と同じである。
【0059】
比較例10
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(7’)において酸素焼結温度が1100℃であったこと以外は実施例1と同じである。
【0060】
比較例11
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(7’)において酸素焼結温度が1280℃であったこと以外は実施例1と同じである。
【0061】
比較例12
本比較例は、低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法を提供し、前記製造方法は、ステップ(7’)において酸素焼結せずに直接に空気で降温したこと以外は実施例1と同じである。
【0062】
以上の実施例および比較例で得られたW型六方晶系マイクロ波フェライト材料をΦ2.5mmの真球に加工し、その飽和磁化を測定した。
【0063】
以上の実施例および比較例で得られたW型六方晶系マイクロ波フェライト材料をZ38*6のサンプルに加工し、その残留磁気率を測定した。
【0064】
以上の実施例および比較例で得られたW型六方晶系マイクロ波フェライト材料をΦ1mmの真球に加工し、その線幅を測定した。
【0065】
水中置換法を採用して以上の実施例および比較例で得られたW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の密度を測定し、各試験結果は表1に示すとおりである。
【0066】
【表1】
【0067】
表1から見られるように、本願に係る製造方法で得られたW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅<400Oeで、飽和磁化は3700~3900Gsで、残留磁気率>0.9、密度>5.0g/cmであり、大規模な普及の見通しがある。
【0068】
原料にGdを加えず、またはGdの割合が多すぎる場合、得られたW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅が高くなる。第1焼結処理の温度が低い場合、他の性能は実施例1に相当したが、線幅が高くなる。フラックスを加えず、またはフラックスの各物質の組成および含有量が本願の範囲内にない場合、いずれもW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅が高くなり、かつ残留磁気率が小さくなることをもたらす。第1ボールミリング処理後のスラリーの粒度および第2ボールミリング処理後のスラリーの粒度が大きい場合、W型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅が高くなり、残留磁気率が小さくて密度が低くなることをもたらす。酸素焼結温度が本願の範囲内にない場合、いずれもW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅が高くなり、かつ残留磁気率が小さくなることをもたらす。
【0069】
以上をまとめ、本願に係る低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法は、プロセスが安定し、再現性が良く、大規模な普及の見通しがある。
【0070】
以上の説明は、本願の具体的な実施形態に過ぎないが、本願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者であれば、当業者が本願に開示された技術的範囲内に容易に想到可能な変更または置換は、全て本願の保護範囲および公開範囲内に含まれることを理解すべきであることを出願人より声明する。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の製造方法であって、
化学式BaGdNiFe(16~x)27(ただし、0.1<x<0.25)に応じて、原料のBaCO、Gd、NiOおよびFeを計算して秤量した後、第1ボールミリング処理を行い、粒度X50が0.9~1.2μmの第1ボールミリング後のスラリーを取得するステップ(1)と、
前記第1ボールミリング後のスラリーに対して乾燥および温度1200~1280℃の第1焼結処理を順次に行い、混合粉材を取得するステップ(2)と、
前記混合粉材とフラックスとを混合させ、第2ボールミリング処理を行い、粒度X50が0.8~1.1μmの第2ボールミリング後のスラリーを取得するステップであって、前記フラックスの組成および質量%がそれぞれBi:0.01~0.1%、V:0.01~0.1%、SiO:0.01~0.1%およびZnO:0.01~0.1%であるステップ(3)と、
前記第2ボールミリング後のスラリーに対して造粒成形および第2焼結処理を順次に行い、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料を取得するステップであって、前記第2焼結処理が、空気焼結を行ってから温度1150℃~1250℃の酸素焼結を行うことを含み、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅<400Oeであるステップ(4)と、を含む、
製造方法。
【請求項2】
ステップ(1)に記載の第1ボールミリング処理の回転速度は60~80r/minである、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1ボールミリング処理の時間は20~40hである、
請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加える、
請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
ステップ(2)に記載の乾燥の温度は120~150℃であり、
好ましくは、前記乾燥の時間は16~20hである、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
ステップ(2)に記載の第1焼結処理の昇温速度は1.0~1.5℃/minである、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
ステップ(3)に記載の第2ボールミリング処理の回転速度は60~80r/minであり、
好ましくは、前記第2ボールミリング処理の時間は15~24hである、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
ステップ(3)に記載の第2ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加える、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
ステップ(4)に記載の造粒成形前のスラリーの固形分≧70%であり、
好ましくは、前記造粒成形後のサンプルの密度は3.4~3.6g/cmである、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
ステップ(4)に記載の空気焼結は、室温から1.0℃/minの速度で120℃に昇温し、2h保温した後に、2℃/minの速度で1000℃に昇温することを含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
ステップ(4)に記載の酸素焼結は、流量30~50L/min、酸素含有量≧98%の酸素を通気し、2.5℃/minの速度で酸素焼結温度に昇温し、3~8h保温した後に、2.5℃/minの速度で700℃に降温し、酸素の通気を停止して炉中で冷却することを含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
化学式BaGdNiFe(16~x)27(ただし、0.1<x<0.25)に応じて、原料のBaCO、Gd、NiOおよびFeを計算して秤量した後、回転速度60~80r/minの第1ボールミリング処理を20~40h行い、粒度X50が0.9~1.2μmの第1ボールミリング後のスラリーを取得するステップであって、前記第1ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加えるステップ(1)と、
前記第1ボールミリング後のスラリーに対して温度120~150℃の乾燥を16~20h、および温度1200~1280℃、昇温速度1.0~1.5℃/minの第1焼結処理を順次行い、混合粉材を取得するステップ(2)と、
前記混合粉材とフラックスとを混合させ、回転速度60~80r/minの第2ボールミリング処理を15~24h行い、粒度X50が0.8~1.1μmの第2ボールミリング後のスラリーを取得するステップであって、前記フラックスの組成および質量%がそれぞれBi:0.01~0.1%、V:0.01~0.1%、SiO:0.01~0.1%およびZnO:0.01~0.1%であり、前記第2ボールミリング処理において質量分率0.01~0.05%の分散剤を加えるステップ(3)と、
(4)前記第2ボールミリング後のスラリーに対して造粒成形および第2焼結処理を順次行い、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料を取得するステップであって、前記低線幅のW型六方晶系マイクロ波フェライト材料の線幅<400Oeであり、
前記造粒成形前のスラリーの固形分≧70%であり、前記造粒成形後のサンプルの密度は3.4~3.6g/cmであり、
前記第2焼結処理のステップは、空気焼結を行ってから酸素焼結を行うことを含み、前記空気焼結は、室温から1.0℃/minの速度で120℃に昇温し、2h保温した後に、2℃/minの速度で1000℃に昇温することを含み、前記酸素焼結は、流量30~50L/min、酸素含有量≧98%の酸素を通気し、2.5℃/minの速度で焼結温度1150℃~1250℃に昇温し、3~8h保温した後に、2.5℃/minの速度で700℃に降温し、酸素の通気を停止して炉中で冷却することを含むステップ(4)と、を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【国際調査報告】