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特表2024-545286エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生装置に用いられるヒータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生装置に用いられるヒータ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20241128BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20241128BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20241128BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/51
A24F40/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537178
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 CN2022137622
(87)【国際公開番号】W WO2023116451
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202123257899.X
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】戚祖強
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC50
4B162AD06
(57)【要約】
本出願はエアロゾル発生装置及びエアロゾル発生装置に用いられるヒータを開示しており、ここで、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、変化する磁場を発生させるための磁場発生器と、エアロゾル発生製品を加熱するためのヒータと、を含み、ヒータは、少なくとも一部がキャビティ内を延在し、変化する磁場により貫通されて発熱し、軸方向に沿って延在する空洞を有するサセプタと、サセプタの温度を検知するために用いられ、少なくとも一部が前記空洞内に位置する温度センサーと、サセプタの外面から空洞まで貫通し、温度センサーを操作する経路を提供することで、温度センサーをサセプタに接続するように構成される孔と、を含む。上記エアロゾル発生装置では、ヒータは、孔を介する温度センサーとサセプタとの接続操作がより便利である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生製品を加熱してエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、
変化する磁場を発生させるための磁場発生器と、
エアロゾル発生製品を加熱するためのヒータと、を含み、前記ヒータは、
少なくとも一部が前記キャビティ内に延びており、変化する磁場により貫通されて発熱するように構成され、軸方向に沿って延在する空洞を有するサセプタと、
前記サセプタの温度を検知するために用いられ、少なくとも一部が前記空洞内に位置する温度センサーと、
前記サセプタの外面から前記空洞まで貫通し、前記温度センサーを操作する経路を提供することで、前記温度センサーを前記サセプタに接続するように構成される孔と、を含むことを特徴とする、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記温度センサーの少なくとも一部が前記孔を通して見られることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記孔は実質的に前記サセプタの径方向に沿って延在することを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記孔は、前記サセプタの長さ方向に沿ったサイズが前記サセプタの周方向に沿ったサイズよりも大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記孔は、前記サセプタの長さ方向に沿ったサイズが1.2~2mmであり、及び/又は、前記孔は、前記サセプタの周方向に沿ったサイズが0.5~1.0mmであることを特徴とする、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記孔の断面面積が2mmよりも小さいことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記空洞は前記サセプタ内で終止する終端を含み、前記孔は前記終端に近接することを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記ヒータは、前記サセプタの外面に結合され、前記孔を覆う保護層をさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記温度センサーは前記サセプタに接続される第1熱電対ワイヤー及び第2熱電対ワイヤーを含み、前記第1熱電対ワイヤーと第2熱電対ワイヤーは異なる材質を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
変化する磁場により貫通されて発熱するように構成され、軸線に沿って延在する細長い形状として構造され、前記軸線に沿って延在する空洞を有するサセプタと、
前記サセプタの温度を検知するために用いられ、少なくとも一部が前記空洞内に位置する温度センサーと、
前記サセプタの外面から前記空洞まで貫通し、前記温度センサーを操作する経路を提供することで、前記温度センサーを前記サセプタに固定的に接続するように構成される孔と、を含むことを特徴とする、エアロゾル発生装置に用いられるヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月21日に中国知識産権局に提出した出願番号202123257899.X、名称「エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生装置に用いられるヒータ」の中国出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、エアロゾル発生の技術分野に関し、特にエアロゾル発生装置及びエアロゾル発生装置に用いられるヒータに関する。
【背景技術】
【0003】
タバコ製品(例えば、紙巻タバコ、葉巻タバコ等)は、使用中にタバコを燃焼させてタバコ煙を発生させる。タバコを燃焼させるこれらの製品の代替として、燃焼せずに化合物を放出する製品を製造することが試みられていた。
【0004】
このような製品の一例は加熱装置であり、それは材料を燃焼ではなく加熱することによって化合物を放出させる。例えば、該材料はタバコ又は他の非タバコ製品であり得、これらの非タバコ製品はニコチンを含んでも含まなくてもよい。別の例として、従来技術では、変化する磁場により貫通されて発熱することのできるサセプタでタバコ又は非タバコ製品を加熱することによって、喫煙可能なエアロゾルを発生させる電磁誘導加熱式の加熱装置が提案されている。既知の加熱装置は、サセプタ内部に孔を開けてから温度センサーを封入することによって、サセプタの温度をリアルタイムで検知するが、サセプタ内に孔を開けて温度センサーを封入することは、生産及び加工が困難である。
【発明の概要】
【0005】
本出願の一実施例は、エアロゾル発生製品を加熱してエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、
変化する磁場を発生させるための磁場発生器と、
エアロゾル発生製品を加熱するためのヒータと、を含み、前記ヒータは、
少なくとも一部が前記キャビティ内を延在し、変化する磁場により貫通されて発熱するように構成され、軸方向に沿って延在する空洞を有するサセプタと、
前記サセプタの温度を検知するために用いられ、少なくとも一部が前記空洞内に位置する温度センサーと、
前記サセプタの外面から前記空洞まで貫通し、前記温度センサーを操作する経路を提供することで、前記温度センサーを前記サセプタに接続するように構成される孔と、を含む、エアロゾル発生装置を提供する。
【0006】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記温度センサーの少なくとも一部が前記孔を通して見られる。
【0007】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記孔は実質的に前記サセプタの径方向に沿って延在する。
【0008】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記孔は、前記サセプタの長さ方向に沿ったサイズが前記サセプタの周方向に沿ったサイズよりも大きい。
【0009】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記孔は、前記サセプタの長さ方向に沿ったサイズが1.2~2mmであり、及び/又は、前記孔は、前記サセプタの周方向に沿ったサイズが0.5~1.0mmである。
【0010】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記孔の断面面積が2mmよりも小さい。
【0011】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記空洞は前記サセプタ内で終止する終端を含み、前記孔は前記終端に近接する。
【0012】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記ヒータは、
前記サセプタの外面に結合され、前記孔を覆う保護層をさらに含む。
【0013】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記温度センサーは前記サセプタに接続される第1熱電対ワイヤー及び第2熱電対ワイヤーを含み、前記第1熱電対ワイヤーと第2熱電対ワイヤーは異なる材質を有する。
【0014】
本出願の別の実施例は、
変化する磁場により貫通されて発熱するように構成され、軸線に沿って延在する細長い形状として構造され、前記軸線に沿って延在する空洞を有するサセプタと、
前記サセプタの温度を検知するために用いられ、少なくとも一部が前記空洞内に位置する温度センサーと、
前記サセプタの外面から前記空洞まで貫通し、前記温度センサーを操作する経路を提供することで、前記温度センサーを前記サセプタに固定的に接続するように構成される孔と、を含む、エアロゾル発生装置に用いられるヒータを提供する。
【0015】
上記ヒータは、孔を介する温度センサーとサセプタとの接続操作がより便利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
1つ又は複数の実施例についてはそれに対応する添付図面によって例示的に説明するが、これらの例示的説明は実施例を限定するものではなく、図面において同じ参照用数字符号を付けた素子は類似的な素子であることを示し、特に断らない限り、添付図面中の図は比例を制限するものではない。
図1】本出願の一実施例で提供されるエアロゾル発生装置の模式図である。
図2図1中のヒータの一実施例の模式図である。
図3図2中のヒータの一視角からの分解模式図である。
図4図3中のサセプタの一視角からの断面模式図である。
図5図2中のヒータの一視角からの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本出願を容易に理解するために、以下、図面と具体的な実施形態を関連付けて、本出願をより詳しく説明する。
【0018】
本出願の一実施例はエアロゾル発生装置を提供し、その構造は図1に示すように、
エアロゾル発生製品Aが取り除き可能に受け入れられるキャビティと、
交番電流下で変化する磁場を発生させるための例えば誘導コイル50のような磁場発生器と、
少なくとも一部がキャビティ内を延在するヒータ30であって、誘導コイル50に誘導結合され、変化する磁場により貫通されて発熱することで、タバコのようなエアロゾル発生製品Aを加熱し、エアロゾル発生製品Aの少なくとも1つの成分を揮発させ、喫煙用のエアロゾルを形成するように構成されるヒータ30と、
直流電流を出力できる充電可能な直流電池セルである電池セル10と、
充電可能な電池セル10に適切に電気的に接続されることによって、電池セル10から出力された直流電流を、適切な周波数を有する交番電流に変換してから誘導コイル50に供給するための回路20と、を含む。
【0019】
製品の使用における設定に応じて、誘導コイル50は、図1に示すように、螺旋状に巻かれた円筒形の誘導コイルを含んでもよい。螺旋状に巻かれた円筒形の誘導コイル50の半径rは、約5mm~約10mmの範囲とし得るが、特に、半径rは約7mmとし得る。螺旋状に巻かれた円筒形の誘導コイル50の長さは、約8mm~約14mmの範囲とし得る。誘導コイル50の巻き数は約8巻き~15巻きの範囲とする。それに応じて、内部体積は約0.15cm~約1.10cmの範囲とし得る。
【0020】
より好ましい実施において、回路20から誘導コイル50に供給される交番電流の周波数は80KHz~500KHzの範囲であり、より具体的には、前記周波数は約200~300KHzの範囲とし得る。
【0021】
好ましい一実施例において、電池セル10によって提供される直流電源電圧は約2.5V~約9.0Vの範囲内にあり、電池セル10によって提供可能な直流電流のアンペア数は約2.5A~約20Aの範囲内にある。
【0022】
好ましい一実施例において、ヒータ30はほぼピン状、針状、棒状又はブレード状の形状を呈し、これによりエアロゾル発生製品Aへの挿入に有利である。また、ヒータ30は、約12mmの長さ、約4mmの幅及び約0.5mmの厚さを有してもよく、且つグレード430のステンレス鋼(SS430)で製造されてもよい。代替的実施例として、ヒータ30は、約12mmの長さ、約5mmの幅及び約0.5mmの厚さを有してもよく、且つグレード430のステンレス鋼(SS430)で製造されてもよい。他の変形実施例において、ヒータ30はさらに円筒状又は管状の形状に構造されてもよい。使用時に、その内部空間はエアロゾル発生製品Aを受け入れるためのキャビティを形成し、そして、エアロゾル発生製品Aの外周を加熱する方式で、喫煙用のエアロゾルを発生させる。これらのヒータ30はさらに、グレード420のステンレス鋼(SS420)、及び鉄/ニッケル含有合金材料(例えば、パーマロイ)で製造されてもよい。
【0023】
図1に示す実施例において、エアロゾル発生装置は誘導コイル50及びヒータ30を配置するためのホルダ40をさらに含み、該ホルダ40の材質は、PEEKやセラミック等の高温に耐える非金属材料を含んでもよい。実施において、誘導コイル50はホルダ40の外壁に巻き付けられて固定される。また、図1に示すように、該ホルダ40は中空の管状形状であり、その管状の中空空間の一部はエアロゾル発生製品Aを受け入れるための上記キャビティを形成する。
【0024】
選択的な実施例において、ヒータ30は、上記感受性材質で製造されるか、又は非感受性セラミック等の耐熱性基材の外面に電気メッキ、堆積等により感受性材料コーティングを形成してなる。
【0025】
さらに、図2~5は一実施例のヒータ30の模式図を示し、該実施例のヒータ30は長さ方向に対向する自由前端310と末端320を有し、組み立て後に、自由前端310はキャビティ内で露出し、末端はエアロゾル発生装置のハウジング又は固定部材に接続されて隠される。さらに、ヒータ30はサセプタ31を含む。
【0026】
サセプタ31は、ピン状、針状又はロッド状を呈し、上記感受性材質を含み、変化する磁場により貫通されて発熱することができ、且つサセプタ31の長さ方向における両端によって、それぞれヒータ30の自由前端310と末端320が画定される。
【0027】
サセプタ31は自由前端310に近いテーパ部分311を有し、さらに自由前端310でテーパ先端を形成し、これはエアロゾル発生製品Aへの挿入に有利である。サセプタ31は末端320で径方向に沿って外側に延在するベース312を有し、該ベース312はサセプタ31の他の部分に対して突出し、よって、組み立て中に、エアロゾル発生装置は該ベース312を挟持又は保持することによってヒータ30を支持し、ヒータ30の組み立てを安定化させることができる。
【0028】
いくつかの選択的な実施例において、サセプタ31は、磁性ステンレス鋼、ニッケル鉄合金、鉄アルミニウム合金等の上記感受性金属又は合金で製造される。いくつかの選択的な実施例において、サセプタ31は機械加工、粉末冶金、インモールド射出成形等のプロセスによって製造される。
【0029】
いくつかの選択的な実施例において、上記サセプタ31は約2.0~3.0mmの外径、及び約12~20mmの延在長さd1を有する。
【0030】
さらに、サセプタ31にはさらに、
サセプタ31の軸方向においてサセプタ31内で延在する空洞(内部が中空になっている構造)314が設けられる。
【0031】
空洞314は、サセプタ31の軸方向における延在長さd2が約8~12mmであり、内径が約1.0~2.5mmであり、空洞314は長さ方向において自由前端310に近い第1端3140を有し、第1端3140はサセプタ31内に位置し且つ第1端3140で終止し、空洞314の第2端は末端320で開口している。
【0032】
さらに、サセプタ31にはさらに、
空洞314の末端320での開口から空洞314内に進入する温度センサーが設けられる。図2図5に示す実施例において、温度センサーはサセプタ31に接続される第1熱電対ワイヤー341及び第2熱電対ワイヤー342を含み、第1熱電対ワイヤー341と第2熱電対ワイヤー342はそれぞれ、異なる熱電対材質で製造され、さらに、それらの間にヒータ30の温度を検出するための熱電対が形成されてもよい。例えば、第1熱電対ワイヤー341と第2熱電対ワイヤー342はそれぞれ、ニッケル、ニッケルクロム合金、ニッケルシリコン合金、ニッケルクロム-コペル、コンスタンタン、鉄クロム合金等の熱電対材料のうちの2種の異なる材料で製造される。第1熱電対ワイヤー341と第2熱電対ワイヤー342は約02~08mmの外径サイズを有する。
【0033】
さらに、実施において、サセプタ31にはさらに外面から空洞314の第1端3140まで延在する孔313が設けられる。孔313は空洞314の第1端3140に近接して設けられる。該孔313は、使用者が第1熱電対ワイヤー341と第2熱電対ワイヤー342を空洞314の第1端3140でサセプタ31に接続するための操作孔である。
【0034】
具体的には、第1熱電対ワイヤー341と第2熱電対ワイヤー342は空洞314内に進入し、基本的に空洞314の第1端3140に当接し、さらに、第1熱電対ワイヤー341と第2熱電対ワイヤー342の少なくとも一部が孔313を通して見られる。さらに、孔313を介してレーザを照射し又はハンダを注入する等によって、第1熱電対ワイヤー341及び第2熱電対ワイヤー342を空洞314の第1端3140でサセプタ31に溶接等して接続を形成し、そうすると、サセプタ31の温度を安定的に測定することができる。
【0035】
さらに、第1熱電対ワイヤー341及び第2熱電対ワイヤー342の表面に絶縁コーティングを有し、それによってサセプタ31との絶縁を維持する。いくつかの実施例において、スプレーコート、浸漬コート、真空蒸着、高温酸化等のプロセスにより、第1熱電対ワイヤー341及び第2熱電対ワイヤー342に絶縁コーティングを製造することができる。
【0036】
あるいは、別の変形実施例において、温度センサーは製造済みの完成品熱電対センサー、例えば、Kタイプ又はJタイプの外装熱電対であってもよい。外装熱電対のプローブ部分を空洞314の第1端3140に進入させた後、孔313を介してレーザを照射し又はハンダを注入する等によって、外装熱電対のプローブをサセプタ31に接続する。あるいは、いくつかの別の変形実施例において、温度センサーは、例えば、PT1000等のサーミスタ型の温度センサーであってもよい。
【0037】
さらに、図3に示す好ましい実施例を参照し、孔313は、一般的な円形形状ではなく、長尺状の長円形孔として構成される。具体的には、孔313は、サセプタ31の軸方向に沿って延在するサイズd32がサセプタ31の周方向に沿って延在するサイズd31よりも大きいように構成され、いくつかの具体的な実施例において、サイズd31は約0.5~1.0mmであり、サイズd32は約1.2~2mmである。さらに、レーザを照射する等の方法で溶接等を行う操作では、長さ方向におけるレーザ照射角度がより大きく、これは生産製造及び操作に対してより有利である。
【0038】
さらに、実施において、孔313は、ストレート孔であることが好ましく、少なくとも往復で迂回することのできない迂回チャネルであり、レーザの直線伝播に干渉しないという点で有利である。さらに、より好ましい実施例において、孔313はサセプタ31の径方向に沿って配置される。
【0039】
さらに、図2~5に示すように、ヒータ30は、
サセプタ31の外面に形成され又はサセプタ31の外面を被覆する保護層32をさらに含む。該保護層32は孔313をかぶせて被覆し、それによって、孔313はヒータ30の表面で隠蔽又は閉塞される。エアロゾル発生製品A由来のタバコかす、屑、エアロゾル凝縮液等が孔313を通って空洞314内に入るのを阻止する。
【0040】
いくつかの実施例において、保護層32は、無機非金属材料、例えば、酸化物(例えば、MgO、SiO、Al、B等)、窒化物(Si、B、Al等)等の絶縁材料、又は他の高熱伝導性の複合セラミック材料を含んでもよい。実施において、スプレーコート、浸漬コート又は堆積等の方法でサセプタ31の表面に保護層32を形成することができる。具体的な一実施例において、保護層32はセラミック膜又はガラス釉層である。
【0041】
いくつかの実施例において、スプレーコート、浸漬コート又は堆積等の方法で形成される保護層32は、約0.1~0.5mmの厚さを有してもよい。
【0042】
さらに、スプレーコート又は堆積等の方法で保護層32を形成し、ヒータ30の表面は滑らかで平坦である。保護層32は不透明であることにより、孔313はヒータ30の表面で見えない。
【0043】
さらに、以上の実施例において、孔313の断面面積は2mm以下に制限され、該断面面積サイズの場合、スプレーコート、浸漬コート又は堆積等により保護層32を形成する際に、孔313を滑らかに覆って平坦な表面を形成することができる。
【0044】
さらに、図2図5に示すように、第1熱電対ワイヤー341及び第2熱電対ワイヤー342は約25~60mmの延在長さを有し、製造や組み立て後に、第1熱電対ワイヤー341及び第2熱電対ワイヤー342の少なくとも一部が末端320の外部に露出し、これは、回路20に接続して、回路20が検知結果をサンプリング又は取得するのを容易にすることに有利である。
【0045】
さらに、本出願の別の実施例はヒータ30を製造する方法をさらに提供し、該方法は以下のステップS10~S40を含む。
【0046】
S10で、ピン状、針状、柱状又は棒状等を呈するサセプタ31を取得し、該サセプタ31は上記空洞314及び孔313を有する。
【0047】
S20で、第1熱電対ワイヤー341及び第2熱電対ワイヤー342を遠位端320の開口から空洞314内に進入させ、且つ空洞314の第1端3140に当接する。
【0048】
S30で、孔313を介して空洞314の第1端3140にレーザを照射することによって、第1熱電対ワイヤー341及び第2熱電対ワイヤー342をサセプタ31に溶接する。
【0049】
S40で、スプレーコート又は浸漬コート等によりサセプタ31の表面に釉層のような保護層32を形成し、孔313を被覆又は保護し、ヒータ30を得る。
【0050】
上記ヒータ30は、孔313を介する温度センサーとサセプタ31との接続操作がより便利である。
【0051】
説明すべきことは、本出願の明細書及び図面には本出願の好ましい実施例が示されたが、本出願は本明細書に説明した実施例に限定されず、さらに、当業者であれば、上記説明に基づいて改良や変換を加えることができ、これらの改良や変換は全て本出願の添付する特許請求の範囲の保護範囲に属するものとする点である。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】